特許第5798791号(P5798791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798791
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】2
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2011-106440(P2011-106440)
(22)【出願日】2011年5月11日
(65)【公開番号】特開2012-235883(P2012-235883A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2013年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】長村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】原 憲文
【審査官】 小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−167164(JP,A)
【文献】 特開2010−075482(JP,A)
【文献】 特開2009−279071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当り遊技を付与する当りに当選しているか否かの抽選結果を導出する第1図柄変動ゲームの始動条件を付与する第1始動口と、前記第1図柄変動ゲームよりも優先的に実行され、当り遊技を付与する当りに当選しているか否かの抽選結果を導出する第2図柄変動ゲームの始動条件を付与するとともに、入球口を遊技球が入球し難い閉鎖状態において開放条件が成立することで、当該閉鎖状態から入球口を遊技球が入球し易い開放状態に可変される一方で、閉鎖条件の成立により当該開放状態から前記閉鎖状態に可変される開閉部材を有する第2始動口と、前記開放条件を成立させるか否かの開放抽選の抽選結果を導出する第3図柄変動ゲームの始動条件を付与する第3始動口と、各始動口へ入球した遊技球を始動保留球として各別に記憶する記憶手段と、を備えた遊技機において、
前記第1始動口への入球時に、当該入球に基づく第1図柄変動ゲームの演出内容を判定する事前判定手段と、
前記事前判定手段の判定結果に基づいて判定対象とした第1図柄変動ゲームが特定の演出内容である可能性を、当該判定対象とした第1図柄変動ゲームの実行に先立って事前に示唆する事前演出を実行させる事前演出実行手段と、を備え、
前記事前演出実行手段は、前記事前演出を実行させるに際し、判定対象とした第1図柄変動ゲームに基づく事前演出を実行させることが可能な実行可能期間内に、前記第2図柄変動ゲームの始動条件が付与される可能性がなければ当該判定対象とした第1図柄変動ゲームに先立って実行される第1図柄変動ゲームから当該判定対象とした第1図柄変動ゲームに亘って前記事前演出を実行させ得る一方、前記第2図柄変動ゲームの始動条件が付与される可能性があれば前記事前演出を実行させないように構成され、
前記事前演出を実行させるか否かは、
前記判定対象である第1図柄変動ゲームの始動条件を付与する入球時点において実行予定とする前記第3図柄変動ゲームで前記開放条件が成立しない場合は、実行予定とする前記第3図柄変動ゲームの変動時間の総時間を算出し、その算出値に基づく第1変動期間前記実行可能期間と比較することによって決定し、
前記判定対象である第1図柄変動ゲームの始動条件を付与する入球時点において実行予定とする前記第3図柄変動ゲームで前記開放条件が成立する場合は、最先の開放条件が成立するまでに実行予定とする前記第3図柄変動ゲームの変動時間の総時間を算出し、その算出値に基づく第2変動期間と前記実行可能期間とを比較することによって決定し、
前記第1変動期間若しくは前記第2変動期間が前記実行可能期間よりも長い場合に前記事前演出を実行させると決定することができる遊技機。
【請求項2】
前記第3始動口への入球時に、当該入球に基づく第3図柄変動ゲームが前記開放条件を成立させることに当選する内容となるか否かを当該第3図柄変動ゲームの実行に先立って判定する開放事前判定手段を備え、
前記開放事前判定手段は、判定結果を判定対象とした前記第3始動口への入球に基づく始動保留球に対応付けて記憶し、
前記事前判定手段は、判定結果を判定対象とした前記第1始動口への入球に基づく始動保留球に対応付けて記憶し、
前記事前演出実行手段は、前記事前演出を実行させるに際し、判定対象とした第1図柄変動ゲームよりも先に記憶されている前記事前判定手段の判定結果、及び当該事前判定時に前記第1図柄変動ゲームが実行されていれば当該第1図柄変動ゲームの結果も加えて、これら結果から当該判定対象とした第1図柄変動ゲームが開始されるまでの前記実行可能期間と、その時に記憶されている前記開放事前判定手段の判定結果、及び前記事前判定時に前記第3図柄変動ゲームが実行されていれば当該第3図柄変動ゲームの結果も加えて、これら結果から前記開閉部材の前記開放状態への可変が開始されるまでの閉鎖期間と、を比較し、前記閉鎖期間が前記実行可能期間に比して長くなる場合に、前記事前演出を実行させ得る請求項に記載の遊技機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄変動ゲームの演出内容を該図柄変動ゲームの実行に先立って事前に示唆する事前演出を実行可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技盤に始動入賞口(始動手段)を複数設け、それらの始動入賞口へ遊技球が入球した場合に、それぞれに対応する図柄変動ゲームを行うようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のパチンコ遊技機においては、非優先的に処理される第1始動口への遊技者の入球に基づく変動(図柄変動ゲーム)を対象として、演出が進むにつれて、次の変動において当たりが当選するのではないかという期待を抱かせるように、複数の変動にわたって連続的な演出(特許文献1では、関連演出)を行わせるようになっている。そして、特許文献1では、第1始動口への遊技球の入球に基づく複数の変動を対象として関連演出を行わせている状態で、第2始動口へ遊技球が入球する場合、関連演出の対象となる第1始動口への遊技球の入球に基づく変動が残っていても、該変動を対象として関連演出を行わせることを中止させるようになっている。そして、特許文献1では、関連演出の途中に別の関連演出や単独の演出が割り込まれるのを防止していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−285403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のパチンコ遊技機では、関連演出の途中に別の関連演出や単独の演出が割り込まれることはないが、関連演出がそもそも対象とした変動の全てで行われることもなくなってしまっていた。そして、特許文献1では、関連演出の対象となる第1始動口への遊技球の入球に基づく変動が残っていても、該変動を対象として関連演出を行わせることを中止させてしまうことから、それまでの関連演出からはどのような期待を持てばよいのかが把握され難くなっていた。その結果、非優先的に処理される第1始動口への遊技球の入球に基づく変動を対象とする関連演出を行わせている状態で、優先的に処理される第2始動口へ遊技球が入球する場合、関連演出に矛盾を生じさせる可能性があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、事前演出の矛盾の発生を防止して遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、当り遊技を付与する当りに当選しているか否かの抽選結果を導出する第1図柄変動ゲームの始動条件を付与する第1始動口と、前記第1図柄変動ゲームよりも優先的に実行され、当り遊技を付与する当りに当選しているか否かの抽選結果を導出する第2図柄変動ゲームの始動条件を付与するとともに、入球口を遊技球が入球し難い閉鎖状態において開放条件が成立することで、当該閉鎖状態から入球口を遊技球が入球し易い開放状態に可変される一方で、閉鎖条件の成立により当該開放状態から前記閉鎖状態に可変される開閉部材を有する第2始動口と、前記開放条件を成立させるか否かの開放抽選の抽選結果を導出する第3図柄変動ゲームの始動条件を付与する第3始動口と、各始動口へ入球した遊技球を始動保留球として各別に記憶する記憶手段と、を備えた遊技機において、前記第1始動口への入球時に、当該入球に基づく第1図柄変動ゲームの演出内容を判定する事前判定手段と、前記事前判定手段の判定結果に基づいて判定対象とした第1図柄変動ゲームが特定の演出内容である可能性を、当該判定対象とした第1図柄変動ゲームの実行に先立って事前に示唆する事前演出を実行させる事前演出実行手段と、を備え、前記事前演出実行手段は、前記事前演出を実行させるに際し、判定対象とした第1図柄変動ゲームに基づく事前演出を実行させることが可能な実行可能期間内に、前記第2図柄変動ゲームの始動条件が付与される可能性がなければ当該判定対象とした第1図柄変動ゲームに先立って実行される第1図柄変動ゲームから当該判定対象とした第1図柄変動ゲームに亘って前記事前演出を実行させ得る一方、前記第2図柄変動ゲームの始動条件が付与される可能性があれば前記事前演出を実行させないように構成され、前記事前演出を実行させるか否かは、前記判定対象である第1図柄変動ゲームの始動条件を付与する入球時点において実行予定とする前記第3図柄変動ゲームで前記開放条件が成立しない場合は、実行予定とする前記第3図柄変動ゲームの変動時間の総時間を算出し、その算出値に基づく第1変動期間前記実行可能期間と比較することによって決定し、前記判定対象である第1図柄変動ゲームの始動条件を付与する入球時点において実行予定とする前記第3図柄変動ゲームで前記開放条件が成立する場合は、最先の開放条件が成立するまでに実行予定とする前記第3図柄変動ゲームの変動時間の総時間を算出し、その算出値に基づく第2変動期間と前記実行可能期間とを比較することによって決定し、前記第1変動期間若しくは前記第2変動期間が前記実行可能期間よりも長い場合に前記事前演出を実行させると決定することができることを要旨とする。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の遊技機において、前記第3始動口への入球時に、当該入球に基づく第3図柄変動ゲームが前記開放条件を成立させることに当選する内容となるか否かを当該第3図柄変動ゲームの実行に先立って判定する開放事前判定手段を備え、前記開放事前判定手段は、判定結果を判定対象とした前記第3始動口への入球に基づく始動保留球に対応付けて記憶し、前記事前判定手段は、判定結果を判定対象とした前記第1始動口への入球に基づく始動保留球に対応付けて記憶し、前記事前演出実行手段は、前記事前演出を実行させるに際し、判定対象とした第1図柄変動ゲームよりも先に記憶されている前記事前判定手段の判定結果、及び当該事前判定時に前記第1図柄変動ゲームが実行されていれば当該第1図柄変動ゲームの結果も加えて、これら結果から当該判定対象とした第1図柄変動ゲームが開始されるまでの前記実行可能期間と、その時に記憶されている前記開放事前判定手段の判定結果、及び前記事前判定時に前記第3図柄変動ゲームが実行されていれば当該第3図柄変動ゲームの結果も加えて、これら結果から前記開閉部材の前記開放状態への可変が開始されるまでの閉鎖期間と、を比較し、前記閉鎖期間が前記実行可能期間に比して長くなる場合に、前記事前演出を実行させ得ることを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、事前演出の矛盾の発生を防止して遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】パチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図。
図2】大当りの種類を説明する説明図。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図4】リーチ判定値を説明する説明図。
図5】特図変動パターンを説明する説明図。
図6】(a),(b)は普図変動パターンを説明する説明図。
図7】特別図柄入力処理を示すフローチャート。
図8】特別図柄開始処理を示すフローチャート。
図9】特別図柄開始処理を示すフローチャート。
図10】普通図柄入力処理を示すフローチャート。
図11】普通図柄開始処理を示すフローチャート。
図12】特図先読コマンド設定処理を示すフローチャート。
図13】特図先読コマンドを説明する説明図。
図14】普図先読コマンド設定処理を示すフローチャート。
図15】普図先読コマンドを説明する説明図。
図16】特図先読コマンドのデータ格納態様を説明する説明図。
図17】普図先読コマンドのデータ格納態様を説明する説明図。
図18】(a)〜(d)は保留予告演出の実行可能状況を説明する説明図。
図19】保留予告演出設定処理を示すフローチャート。
図20】(a)〜(d)は保留予告演出を実行させる状況を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1図20に基づいて説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲームを含み、該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
【0015】
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の第1特別図柄表示装置12aと第2特別図柄表示装置12bとが配設されている。第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特別図柄表示装置12aの図柄変動ゲームを第1図柄変動ゲームとしての「第1特図変動ゲーム」と示し、第1特図変動ゲームで用いる特図を「特図1」と示す。また、第2特別図柄表示装置12bの図柄変動ゲームを第2図柄変動ゲームとしての「第2特図変動ゲーム」と示し、第2特図変動ゲームで用いる特図を「特図2」と示す。また、以下の説明で、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームを纏めて示す場合には「特図変動ゲーム」と示す。また、以下の説明で、単に「特図」と示す場合には、特図1と特図2の両図柄を示すものとする。
【0016】
第1特別図柄表示装置12aと第2特別図柄表示装置12bには、複数種類(本実施形態では、101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
【0017】
また、演出表示装置11には、各列毎に[1]〜[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。また、演出表示装置11における各列の飾図は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bにおいて、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
【0018】
演出表示装置11は、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
【0019】
また、特図変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
【0020】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、一旦停止表示された左列と右列が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせからリーチ状態を認識できる。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。
【0021】
各特別図柄表示装置12a,12bの左下方には、複数個(本実施形態では4個)の第1特図保留発光部を備えた第1特別図柄保留表示装置13aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置13aは、機内部で記憶した第1特図変動ゲーム(特図1)用の始動保留球(以下、「第1特図保留記憶数」と示す)の記憶数を遊技者に報知する。第1特図保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動口(第1始動口)としての第1始動入賞口15Aに遊技球が入賞(入球)することで「1」加算される一方で、第1特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第1特図変動ゲーム中に第1始動入賞口15Aへ遊技球が入賞すると、第1特図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第1特図保留記憶数は、実行保留中の第1特図変動ゲームの実行回数を示す。
【0022】
第1特別図柄保留表示装置13aの下方には、複数個(本実施形態では4個)の第2特図保留発光部を備えた第2特別図柄保留表示装置13bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置13bは、機内部で記憶した第2特図変動ゲーム(特図2)用の始動保留球(以下、「第2特図保留記憶数」と示す)の記憶数を遊技者に報知する。第2特図保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動口(第2始動口)としての第2始動入賞口15Bに遊技球が入賞(入球)することで「1」加算される一方で、第2特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第2特図変動ゲーム中に第2始動入賞口15Bへ遊技球が入賞すると、第2特図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第2特図保留記憶数は、実行保留中の第2特図変動ゲームの実行回数を示す。
【0023】
また、画像表示部GHの下方領域には、第1特図保留記憶数を画像表示するための第1保留画像表示領域Kaと、第2保留記憶数を画像表示するための第2保留画像表示領域Kbが、各別に形成されている。第1保留画像表示領域Kaは、第1保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域を有して構成されている。また、第2保留画像表示領域Kbは、第2保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域を有して構成されている。そして、各保留画像表示領域Ka,Kbでは、各特図保留記憶数に対応する個数の個別表示領域が、保留有表示の態様で画像表示される。例えば、保留記憶数「2」の場合には、対応する2個の個別表示領域が保留有表示の態様で画像表示される一方で、残りの個別表示領域が保留無表示の態様で画像表示される。すなわち、個別表示領域は、始動保留球毎に個別対応している。なお、図1では、保留有表示の態様として個別表示領域に「○」が画像表示されるようになっている。第1保留画像表示領域Kaと第2保留画像表示領域Kbは、遊技者が常に注目する画像表示部GHに形成されている。このため、遊技者は、第1保留画像表示領域Kaと第2保留画像表示領域Kbのそれぞれにおいて保留有表示の態様で画像表示された個別表示領域の個数から、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数を認識することになる。
【0024】
また、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bの左方には、普通図柄表示装置14aが配設されている。普通図柄表示装置14aでは、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する第3図柄変動ゲームとしての普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。なお、本実施形態の普通図柄表示装置14aでは、普図当り図柄であれば、「○」を点灯させて報知する一方で、普図はずれであれば、「×」を点灯させて報知する。
【0025】
第1特別図柄表示装置12aと普通図柄表示装置14aとの間には、複数個(本実施形態では4個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置14bが配設されている。普通図柄保留表示装置14bは、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数(以下、「普図保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。普図保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動口(第3始動口)としての普通図柄作動ゲート(以下、「ゲート」と示す)19に遊技球が通過(入球)することで「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。したがって、普図ゲーム中にゲート19へ遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。普図保留記憶数は、実行保留中の普図ゲームの実行回数を示す。
【0026】
本実施形態のパチンコ遊技機は、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとが同時に実行されないように構成されている。そして、特図変動ゲームを開始させる際、その時点における第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数が共に「1」以上である場合は、第2特図保留記憶数に基づく第2特図変動ゲームが優先して実行される。一方、特図変動ゲームの開始条件が成立した際、その時点における第1特図保留記憶数が「1」以上であって、第2特図保留記憶数が「0(零)」である場合は、第1特図保留記憶数に基づく第1特図変動ゲームが実行される。すなわち、第2特図変動ゲームは、後述する始動条件が成立すると、その時点において先に第1特図保留記憶数として記憶されている特図1の始動保留球が存在する場合であっても、その始動保留球よりも先に実行される(割り込み実行される)。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
【0027】
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口としての第1入賞口15aを有する第1始動入賞口15Aが配設されている。第1始動入賞口15Aの奥方には入賞した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。第1始動入賞口15Aは、入賞した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0028】
また、第1始動入賞口15Aの下方には、遊技球の入球口としての第2入賞口15bを有する第2始動入賞口15Bが配設されている。第2始動入賞口15Bは普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根16を備えている。第2始動入賞口15Bは、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞し易い開放状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞し難い閉鎖状態とされる。すなわち、開閉羽根16は、第2始動入賞口15Bの第2入賞口15bを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、第2始動入賞口15Bの奥方には入賞した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。第2始動入賞口15Bは、入賞した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0029】
また、演出表示装置11の左方には、ゲート19が配設されている。ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図3に示す)が配設されている。ゲート19は、通過した遊技球を普通図柄変動スイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口15Bの開閉羽根16を開放状態とするか否か(第2始動入賞口15Bに遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果(普図当り抽選の結果)を導出するために行われる演出である。そして、開放抽選としての普図当り抽選に当選すると(開放条件の成立として)、開閉羽根16が開放される普図当り遊技が付与される。また、開閉羽根16の開放によって第2始動入賞口15Bに遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、第2特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。本実施形態では、普図当り抽選に当選すると、開閉羽根16を開放状態に可変させるための開放条件が成立したことになる。
【0030】
また、第2始動入賞口15Bの下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた入賞手段としての大入賞口(特別入賞口)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば8個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
【0031】
本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者にとって有利な確率変動状態(以下、「確変」と示す)が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率、例えば1237分の4)から高確率(例えば1237分の40)へ変動(向上)される。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0032】
また、本実施形態では、遊技者にとって有利な入球率向上状態としての変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態が付与される場合がある。変短状態が付与された場合、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)が低確率(通常確率、例えば251分の10)から高確率(例えば251分の250)へ変動(向上)される。また、変短状態が付与されている場合において普図当り抽選で当選した際、第2始動入賞口15Bの開閉羽根16は、変短状態が付与されていない場合(非変短状態が付与されている場合)とは異なる動作パターンで開閉動作する。具体的に言えば、非変短状態が付与されている場合において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合、予め定めた第1回数(例えば、1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、0.3秒)が経過するまで開放状態を維持する。その一方で、変短状態において、開閉羽根16は、普図当り抽選で当選した場合、第1回数より多い第2回数(例えば、3回)分開放し、1回の開放において開放してから第1開放時間より長い第2開放時間(例えば1.54秒)が経過するまで開放状態を維持する。このように、変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの第2始動入賞口15Bへの入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、単位時間当りの開閉羽根16の開放時間が増加する開放時間増加状態であって、第2始動入賞口15Bへの入球率が向上する入球率向上状態でもある。
【0033】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について、図2に基づき詳しく説明する。
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、該特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口18(の大入賞口扉17)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、15ラウンド又は4ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技では、大入賞口18の大入賞口扉17の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる。また、1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入賞する、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0034】
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す3種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した際に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、図2に示すように、特図毎に分類される。そして、特図の大当り図柄では、大当りの種類が特定されるとともに大当り遊技の種類と当該大当り遊技の終了後を確変状態とするか否か及び変短状態とするか否かに基づく遊技状態が特定される。
【0035】
図柄TAには、特図1の大当り図柄として40種類が振分けられている。図柄TBには、特図1の大当り図柄として25種類が振分けられている。図柄TCには、特図1の大当り図柄として35種類が振分けられている。また、図柄Taには、特図2の大当り図柄として65種類が振分けられている。図柄Tcには、特図2の大当り図柄として35種類が振分けられている。また、特図の大当り図柄の決定には、後述する特図振分用乱数が用いられ、その特図振分用乱数の抽出値をもとに特図が決定される。特図の大当り図柄には、各特図に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。このため、特図の大当り図柄は、特図振分用乱数の値が特定されれば、一義的に決定する。
【0036】
図柄TA,TC,Ta,Tcに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されている15R大当り遊技である。なお、「R」はラウンドを示す。15R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、15R大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉17を「1回」開放させるように設定されている。また、15R大当り遊技では、各ラウンド遊技の大入賞口18の開放態様(最大開放時間)が25秒に設定されている。なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、15R大当り遊技において、ラウンド遊技時間としては「25秒」が最大時間となる。
【0037】
そして、図柄TA,Taに基づく大当り遊技終了後には、確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。一方、図柄TC,Tcに基づく大当り遊技終了後、非確変状態と50回(最大値)の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を対象として変短状態が付与される。以下、図柄TA,Taに基づく大当り遊技を「15R確変大当り遊技」と示す。また、図柄TC,Tcに基づく大当り遊技を「15R非確変大当り遊技」と示す。
【0038】
図柄TBに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定されている4R大当り遊技である。4R大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、4R大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉17を「1回」開放させるように設定されている。また、4R大当り遊技では、各ラウンド遊技の大入賞口18の開放態様(最大開放時間)が25秒に設定されている。なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、4R大当り遊技において、ラウンド遊技時間としては「25秒」が最大時間となる。
【0039】
そして、図柄TBに基づく大当り遊技終了後には、確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、4R大当り遊技の終了後には、確変状態と変短状態がともに付与される。
【0040】
本実施形態における大当り図柄の振分けによれば、大当り遊技が付与される場合において、第1特図変動ゲームでのみ4R大当り遊技が付与される。すなわち、第2特図変動ゲーム(100/100)では、第1特図変動ゲーム(75/100)よりも高い確率で、15R大当り遊技が付与される。また、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される場合において、第2特図変動ゲーム(65/65)では、第1特図変動ゲーム(40/65)よりも高い確率で、15R大当り遊技が付与される。一方、大当り遊技が付与される場合において、第2特図変動ゲーム(65/100)と第1特図変動ゲーム(65/100)とでは、同一の確率で、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される。
【0041】
そして、本実施形態における15R大当り遊技では、4R大当り遊技よりも大入賞口18の合計開放時間及び合計開放回数が多くなることで、1回の大当り遊技で遊技者に多くの賞球を獲得させることができる。このように大当り遊技により獲得し得る賞球に関しては、第2特図変動ゲームのほうが、第1特図変動ゲームよりも多く獲得し得る可能性が高く、有利に規定されている。一方、本実施形態では、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される可能性に関しては、第2特図変動ゲーム及び第1特図変動ゲームで確変状態が付与される可能性が同一に規定されている。このため、第2特図変動ゲームでは、第1特図変動ゲームに比して遊技者にとっての利益が大きくなる可能性が高くなる結果、遊技者にとって有利に構成されている。
【0042】
なお、賞球とは、大入賞口18への1球の入球に対して遊技者に賞として付与される遊技球である。そして、前述した各大当り遊技との比較において賞球の獲得数が少量又は多量とは、各大当り遊技の終了までに得られる総獲得賞球数を比較した場合の少量又は多量である。
【0043】
次に、パチンコ遊技機の電気的構成を図3にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御指令に基づき、演出表示装置11の動作を制御する。
【0044】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、各特別図柄表示装置12a,12b及び各特別図柄保留表示装置13a,13bが接続されている。また、主制御用CPU30aには、普通図柄表示装置14a及び普通図柄保留表示装置14bが接続されている。
【0045】
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、特図変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図変動パターン振分用乱数は、特図変動ゲームの特図変動パターンを選択する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、普図変動パターン振分用乱数は、普図ゲームの普図変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU30aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、特図変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0046】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値)が記憶されている。
大当り判定値は、大当りか否かの大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1236までの全1237通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。そして、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では40個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1237分の4となる一方で、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1237分の40となる。
【0047】
リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否か(リーチありか否か)の内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。さらに、リーチ判定値は、遊技状態が非変短状態の時のリーチ判定値と、遊技状態が変短状態時のときのリーチ判定値とがある。具体的に言えば、図4に示すように、非変短状態時(変短状態「無」)におけるリーチ判定値では、1減算後の各特図保留記憶数が「0」「1」の時に「0〜32」の値が当選に、「33〜240」の値が非当選に定められている。さらに1減算後の各特図保留記憶数が「2」の時に「0〜17」の値が当選に、「18〜240」の値が非当選に定められている。さらに1減算後の各特図保留記憶数が「3」の時に「0〜4」の値が当選に、「5〜240」の値が非当選に定められている。非変短状態時における「0〜4」のリーチ判定値は、いずれの特図保留記憶数でもリーチ判定を肯定(当選)とすることが確定する値となる。また、「5〜32」のリーチ判定値は、特図保留記憶数に応じてリーチ判定を肯定(当選)及び否定(非当選)のいずれともし得る、すなわちリーチ判定を肯定とするかもしれない値となる。一方、「33〜240」のリーチ判定値は、いずれの特図保留記憶数でもリーチ判定を否定(非当選)とすることが確定する値となる。また、変短状態時(変短状態「有」)におけるリーチ判定値では、1減算後の特図保留記憶数が「0」〜「3」の時に「0〜4」の値が当選に、「5〜240」の値が非当選に定められている。
【0048】
普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、遊技状態が非変短状態の時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値と、遊技状態が変短状態の時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値とがある。そして、変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では250個)は、非変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では10個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機では、変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の250となる一方で、非変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、251分の10となる。
【0049】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。特図変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の特図変動パターンは、大当り演出用の変動パターン、はずれリーチ演出用の変動パターン、及びはずれ演出用の変動パターンに分類される。大当り演出は、大当り抽選に当選した場合に行われる演出である。そして、大当り演出では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り演出では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄を導出させる。また、はずれリーチ演出及びはずれ演出は、大当り抽選に非当選(当選しなかった)場合に行われる演出である。そして、はずれリーチ演出及びはずれ演出では、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ演出及びはずれ演出では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、はずれリーチ演出における飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、はずれ図柄を導出させる。
【0050】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における特図変動パターンについて、図5を参照して説明する。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる3種類の変動パターンHP1(「3秒」)と、変動パターンHP2(「6秒」)と、変動パターンHP3(「12秒」)とが用意されている。これら変動パターンHP1〜HP3は、はずれ(リーチ判定で否定)の内部抽選の場合に選択される。なお、はずれ演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターンHP1が、変動パターンHP2,HP3よりも短く設定されている。このため、変動パターンHP3の演出時間「12秒」は、本実施形態におけるはずれ演出用の変動パターンの最長変動時間に設定されている。
【0051】
また、はずれリーチ演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる複数種類の変動パターンNRP(「20〜28秒」)と、演出時間の異なる複数種類の変動パターンSRP(「30〜40秒」)とが用意されている。これら変動パターンNRP,SRPは、はずれ(リーチ判定で肯定)の内部抽選の場合に選択され、それぞれに異なるリーチ演出の演出内容を特定する。変動パターンNRPは、ノーマルリーチ系(以下、「NR系」と示す)のリーチ演出を特定する。なお、NR系のはずれリーチ演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターン(演出内容)毎に「20〜28秒」の間で設定されている。変動パターンSRPは、スーパーリーチ系(以下、「SR系」と示す)のリーチ演出を特定する。なお、SR系のはずれリーチ演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターン(演出内容)毎に「30〜40秒」の間で設定されている。
【0052】
また、大当り演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる複数種類の変動パターンANP(「22〜30秒」)と、変動パターンASP(「32〜42秒」)とが用意されている。これら変動パターンANP,ASPは、大当りの内部抽選の場合に選択され、それぞれに異なるリーチ演出の演出内容を特定する。変動パターンANPは、NR系のリーチ演出を特定する。なお、NR系の大当り演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターン(演出内容)毎に「22〜30秒」の間で設定されている。また、変動パターンASPは、SR系のリーチ演出を特定する。なお、SR系の大当り演出用の変動パターンにおける演出時間は、変動パターン(演出内容)毎に「32〜42秒」の間で設定されている。
【0053】
また、変動パターンNRPと変動パターンANPには、リーチ演出の演出内容を同一にする一方で導出される飾図がはずれ図柄であるか大当り図柄であるかが異なるパターンを含んでいる。また、変動パターンSRPと変動パターンASPには、リーチ演出の演出内容を同一にする一方で導出される飾図がはずれ図柄であるか大当り図柄であるかが異なるパターンを含んでいる。そして、演出内容を同一にするはずれリーチ演出用の変動パターンと大当り演出用の変動パターンとでは、大当り演出用の変動パターンの演出時間が、大当り図柄を確定停止表示させる分だけはずれリーチ演出用の変動パターンよりも長く設定されている。
【0054】
本実施形態において、NR系のリーチ演出は、特定の2列(本実施形態では左列及び右列)に同一図柄を導出してリーチを形成し、残りの図柄列(本実施形態では中列)を所定時間の間、変動させて図柄を導出させる演出である。また、SR系のリーチ演出は、リーチを形成した後、原則としてNR系のリーチ演出を経由し、該リーチ演出を発展させて行われる演出である。また、NR系及びSR系のリーチ演出の演出内容は、登場するキャラクタを異ならせたりする複数種類の演出内容が含まれている。
【0055】
本実施形態では、NR系のリーチ演出の大当り信頼度よりもSR系のリーチ演出の大当り信頼度の方が高く設定されている。大当り信頼度は、各リーチ演出を特定する変動パターンを大当り演出用とはずれリーチ演出用に振分ける際の振分け態様に応じて決定される。特定のリーチ演出の大当り信頼度を高くするためには、該特定のリーチ演出が出現する割合(大当り演出の場合とはずれリーチ演出の場合に出現する全体の割合)に対して、大当り演出の場合に該特定のリーチ演出が出現する割合を高くするようにすればよい。
【0056】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されている。普図変動パターンは、普図の変動が開始してから普図が確定停止表示されるまでの間の演出のベースとなるパターンであって、普図ゲームの変動内容(演出時間)を特定し得る。本実施形態における普図ゲームは、普図の変動が継続して実行されて演出時間の経過時に普図が確定停止表示される態様で実行される。本実施形態において、複数種類の普図変動パターンは、普図当り演出用の変動パターン、及び普図はずれ演出用の変動パターンに分類される。普図当り演出は、普図当り抽選に当選した場合に行われる演出である。そして、普図当り演出では、普図ゲームにおいて最終的に普図当り図柄を確定停止表示させる。普図はずれ演出は、普図当り抽選に非当選(当選しなかった)場合に行われる演出である。そして、普図はずれ演出では、普図ゲームにおいて最終的に普図はずれ図柄を確定停止表示させる。
【0057】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における普図変動パターンについて、図6を参照して説明する。
本実施形態では、普図はずれ演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる3種類の変動パターンhp1(「10秒」)と、変動パターンhp2(「15秒」)と、変動パターンhp3(「1.1秒」)とが用意されている。これら変動パターンhp1,hp2,hp3は、普図はずれの内部抽選の場合に選択される。また、変動パターンhp1,hp2は、非変短状態の遊技状態で選択される。一方、変動パターンhp3は、変短状態の遊技状態で選択される。このため、変動パターンhp1の演出時間「10秒」及び変動パターンhp2の演出時間「15秒」は、本実施形態における非変短状態時の普図はずれに基づく普図ゲームの演出時間に設定されている。一方、変動パターンhp3の演出時間「1.1秒」は、本実施形態における変短状態時の普図はずれに基づく普図ゲームの演出時間に設定されている。
【0058】
また、普図当り演出用の変動パターンとして、演出時間の異なる3種類の変動パターンap1(「10秒」)と、変動パターンap2(「15秒」)と、変動パターンap3(「1.1秒」)とが用意されている。これら変動パターンap1,ap2,ap3は、普図当りの内部抽選の場合に選択される。また、変動パターンap1,ap2は、非変短状態の遊技状態で選択される。一方、変動パターンap3は、変短状態の遊技状態で選択される。このため、変動パターンap1の演出時間「10秒」及び変動パターンap2の演出時間「15秒」は、本実施形態における非変短状態時の普図当りに基づく普図ゲームの演出時間に設定されている。一方、変動パターンap3の演出時間「1.1秒」は、本実施形態における変短状態時の普図当りに基づく普図ゲームの演出時間に設定されている。
【0059】
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0060】
以下、主制御基板30、及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する制御内容を説明する。
【0061】
まず、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態の主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に特別図柄入力処理(図7)及び特別図柄開始処理(図8及び図9)を実行するようになっている。なお、本実施形態の主制御用CPU30aでは、特別図柄入力処理を実行した後に特別図柄開始処理を実行するようになっている。
【0062】
図7に示すように、特別図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口15Aに遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップSA1)。ステップSA1において主制御用CPU30aは、遊技球を検知した第1始動口スイッチSW1が出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップSA1の判定結果が否定の場合(入賞していない場合)、主制御用CPU30aは、ステップSA6へ移行する。ステップSA1の判定結果が肯定の場合(入賞した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1特図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSA2)。ステップSA2の判定結果が否定(第1特図保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、ステップSA6へ移行する。
【0063】
ステップSA2の判定結果が肯定(第1特図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第1特図保留記憶数を1加算(+1)し、第1特図保留記憶数を書き換える(ステップSA3)。続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数の値、及び特図変動パターン振分用乱数のそれぞれの値を主制御用RAM30cから読み出して取得する(ステップSA4)。ステップSA4において、主制御用CPU30aは、取得した各値を第1特図保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理(ステップSB1〜SB9)を実行し(ステップSA5)、ステップS6へ移行する。この特図先読コマンド設定処理は、第1始動入賞口15Aへの入賞検知を契機に取得した各値に基づく各種判定(事前判定)結果を、該入賞検知に基づく特図変動ゲームの開始時期よりも前に演出制御基板31に把握させるための特図先読コマンドを生成及び出力するための処理となっている。この特図先読コマンド設定処理については、後に詳細に説明する。
【0064】
次に、ステップSA1,SA2,SA5からステップSA6に移行すると主制御用CPU30aは、第2始動入賞口15Bに遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップSA6において主制御用CPU30aは、遊技球を検知した第2始動口スイッチSW2が出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップSA6の判定結果が否定の場合(入賞していない場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップSA6の判定結果が肯定の場合(入賞した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2特図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSA7)。ステップSA7の判定結果が否定(第2特図保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0065】
ステップSA7の判定結果が肯定(第2特図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第2特図保留記憶数を1加算(+1)し、第2特図保留記憶数を書き換える(ステップSA8)。続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数の値、及び特図変動パターン振分用乱数のそれぞれの値を主制御用RAM30cから読み出して取得する(ステップSA9)。ステップSA9において、主制御用CPU30aは、取得した各値を第2特図保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0066】
なお、始動入賞口(第1始動入賞口15A又は第2始動入賞口15B)に入球した遊技球は始動保留球として主制御用RAM30cに記憶されることから、本実施形態において主制御用RAM30cは記憶手段として機能する。
【0067】
また、ステップSA3,SA8において主制御用CPU30aは、対応する特図保留記憶数を1加算した際、1加算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置11(画像表示部GH)の各保留画像表示領域Ka,Kbの個別表示領域の表示態様は、対応する表示態様に更新される。なお、保留コマンドは、更新された特図保留記憶数が第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数のいずれであるかと更新後(1加算後)の保留記憶数を指示する内容となっている。合わせて主制御用CPU30aは、対応する特図保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように対応する特別図柄保留表示装置13a,13bを制御する。
【0068】
なお、主制御用CPU30aは、ステップSA2,SA7が否定の場合(対応する特図保留記憶数=4)、上限数を超える特図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、肯定の場合にステップSA4,SA9で取得する各値も取得しない。
【0069】
続いて、図8及び図9に示すように、特別図柄開始処理において、主制御用CPU30aは、まず図柄(特図及び飾図)が変動表示中(変動中)であるか否か、又は大当り遊技中(大当り中)であるか否かを判定する(ステップSC1)。ステップSC1において、主制御用CPU30aは、後述する特別図柄変動処理フラグや大当り遊技中である場合に設定される情報を確認することで、判定する。ステップSC1の判定結果が肯定の場合(変動中又は大当り中である場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップSC1の判定結果が否定の場合(変動中又は大当り中でない場合)、主制御用CPU30aは、第2特図保留記憶数を読み出し(ステップSC2)、第2特図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップSC3)。この判定結果が肯定の場合(第2特図保留記憶数が「0」でない場合)、主制御用CPU30aは、ステップSC9に移行して、特図2による第2特図変動ゲームに係る制御(ステップS10以降の処理)を実行する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの特別図柄変動処理フラグに「1」を設定することにより、第2特図変動ゲームを実行することを示す情報を設定してから(ステップSC9)、ステップSC10に移行する。
【0070】
その一方で、ステップSC3の判定結果が否定の場合(第2特図保留記憶数=0の場合)、主制御用CPU30aは、第1特図保留記憶数を読み出し(ステップSC4)、該保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップSC5)。ステップSC5の判定結果が否定の場合(第1特図保留記憶数=0の場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。また、ステップSC5の判定結果が肯定の場合(第1特図保留記憶数が「0」でない場合)、主制御用CPU30aは、ステップSC6に移行して、特図1による第1特図変動ゲームに係る制御(ステップSC7以降の処理)を実行する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの特別図柄変動処理フラグに「0」を設定することにより、第1特図変動ゲームを実行することを示す情報を設定してから(ステップSC6)、ステップSC7に移行する。
【0071】
このため、主制御用CPU30aは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とが共に存在すれば、第1特図変動ゲームよりも第2特図変動ゲームに係る制御を優先的に実行する。また、主制御用CPU30aは、いずれかの特図変動ゲームに係る制御を実行する際、特別図柄変動処理フラグを設定することで、もう一方の特図変動ゲームに係る制御を行わないようにする。これにより、主制御用CPU30aは、各特図変動ゲームに係る制御を同時に実行しないで、各特図変動ゲームを同時に実行させないようにしている。
【0072】
そして、ステップSC7に移行することで、第1特図変動ゲームに係る制御を実行する主制御用CPU30aは、第1特図保留記憶数の数を1減算(−1)し、書き換える。そして、主制御用CPU30aは、第1特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値(ステップSA4で取得した各値)を読み出してから(ステップSC8)、図9のステップSC12に移行する。
【0073】
その一方で、ステップSC10に移行することで、第2特図変動ゲームに係る制御を実行する主制御用CPU30aは、第2特図保留記憶数の数を1減算(−1)し、書き換える。そして、主制御用CPU30aは、第2特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値(ステップSA9で取得した各値)を読み出してから(ステップSC11)、図9のステップSC12に移行する。
【0074】
また、ステップSC7,SC10において主制御用CPU30aは、制御に対応する特図保留記憶数を1減算した際、1減算した該保留記憶数を指示する保留コマンドを、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。保留コマンドにより、演出表示装置11(画像表示部GH)の各保留画像表示領域Ka,Kbの個別表示領域の表示態様は、対応する表示態様に更新される。なお、保留コマンドは、更新された特図保留記憶数が第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数のいずれであるかと更新後(1減算後)の保留記憶数を指示する内容となっている。合わせて主制御用CPU30aは、対応する特図保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように対応する特別図柄保留表示装置13a,13bを制御する。
【0075】
また、ステップSC8,SC11についてより詳しく主制御用CPU30aは、制御に対応する特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を読み出すとともに、該乱数の各値を、制御に対応する特図保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、制御に対応する特図保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、制御に対応する特図保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、制御に対応する特図保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、制御に対応する特図保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、制御に対応する特別保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値をクリア(消去)する。
【0076】
続いて、ステップSC8,SC11から図9のステップSC12に移行すると主制御用CPU30aは、先のステップSC8又はステップSC11で読み出した乱数のうち大当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。ステップSC12において、主制御用CPU30aは、遊技状態に応じた大当り判定値を用いて大当り判定を行う。また、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、ステップSC12において第1特図変動ゲームの大当り抽選を実行する一方で、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、ステップSC12において第2特図変動ゲームの大当り抽選を実行する。
【0077】
ステップSC12の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、先のステップSC8で読み出した乱数のうち特図振分用乱数の値に基づき、特図1による大当り図柄の中から第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップSC13)。一方、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、先のステップSC11で読み出した乱数のうち特図振分用乱数の値に基づき、特図2による大当り図柄の中から第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップSC13)。その後、主制御用CPU30aは、先のステップSC8又はステップSC11で読み出した乱数のうち特図変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得る大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップSC14)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC15に移行する。
【0078】
大当り演出用の変動パターン選択時において、特図変動パターン振分用乱数の値は、各値が変動パターンANP,ASPに含まれる何れかの変動パターンに対応付けされている。そして、特図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲RAa(例えば、「0」〜「100」)に含まれる値であればNR系のリーチ演出を特定する変動パターンANPに含まれる何れかに対応付けされる。一方、特図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲RAb(例えば、「101」〜「233」)に含まれる値であればSR系のリーチ演出を特定する変動パターンASPに含まれる何れかに対応付けされる。本実施形態において、特図変動パターン振分用乱数の値からは、該値が範囲RAaに含まれるか範囲RAbに含まれるかにより、リーチ演出の種類(演出内容)を特定できる。本実施形態において、特図変動パターン振分用乱数の取り得る数値は、「0」〜「233」までの全234通りの整数の中から定められている。そして、特図変動パターン振分用乱数の数値は、「0」〜「100」の値が範囲RAaに設定されるとともに「101」〜「233」の値が範囲RAbに設定されている。
【0079】
一方、ステップSC12の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチを形成させる(リーチあり)か否かを判定するリーチ判定を行う(ステップSC16)。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、先のステップSC8で読み出した乱数のうちリーチ判定用乱数の値に基づき、第1特図保留記憶数に応じたリーチ判定値を用いたリーチ判定を行う(ステップSC16)。一方、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、先のステップSC11で読み出した乱数のうちリーチ判定用乱数の値に基づき、第2特図保留記憶数に応じたリーチ判定値を用いたリーチ判定を行う(ステップSC16)。なお、リーチ判定値は、ステップSC16の処理時における各特図始動保留記憶数によって異なるようになっている。
【0080】
そして、ステップSC16の判定結果が肯定の場合(リーチ判定に当選してリーチありの場合)、主制御用CPU30aは、ステップSC17に移行する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置12aにて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップSC17)。一方、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、はずれ図柄を第2特別図柄表示装置12bにて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップSC17)。その後、主制御用CPU30aは、先のステップSC8又はステップSC11で読み出した乱数のうち特図変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得るはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップSC18)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC15に移行する。
【0081】
はずれリーチ演出用の変動パターンの選択時において、特図変動パターン振分用乱数の値は、各値が変動パターンNRP,SRPに含まれる何れかの変動パターンに対応付けされている。そして、特図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲RRa(例えば、「0」〜「132」)に含まれる値であればNR系のリーチ演出を特定する変動パターンNRPに含まれる何れかに対応付けされる。一方、特図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲RRb(例えば、「133」〜「233」)に含まれる値であればSR系のリーチ演出を特定する変動パターンSRPに含まれる何れかに対応付けされる。本実施形態において、特図変動パターン振分用乱数の値からは、該値が範囲RRaに含まれるか範囲RRbに含まれるかにより、リーチ演出の種類(演出内容)を特定できる。本実施形態において、特図変動パターン振分用乱数の数値は、「0」〜「132」の値が範囲RRaに設定されるとともに「133」〜「233」の値が範囲RRbに設定されている。
【0082】
一方、ステップSC16の判定結果が否定の場合(リーチ判定に非当選でリーチなしの場合)、主制御用CPU30aは、ステップSC19に移行する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、はずれ図柄を第1特別図柄表示装置12aにて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップSC19)。一方、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、はずれ図柄を第2特別図柄表示装置12bにて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップSC19)。その後、主制御用CPU30aは、先のステップSC8又はステップSC11で読み出した乱数のうち特図変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得るはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップSC20)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSC15に移行する。
【0083】
はずれ演出用の変動パターンの選択時において、特図変動パターン振分用乱数の値は、各値が変動パターンHP1,HP2,HP3のいずれかに対応付けされている。そして、特図変動パターン振分用乱数の値は、ステップSC20の処理時における特別図柄変動処理フラグの設定内容、及びステップSC20の処理時における各特図始動保留記憶数によって対応付けされる特図変動パターンが異なる。特図変動パターン振分用乱数の値は、ステップSC20の処理時の各特図保留記憶数が多いほど演出時間の短い変動パターンHP1を決定し易く対応付けされる。一方、特図変動パターン振分用乱数の値は、ステップSC20の処理時における各特図保留記憶数が少ないほど演出時間の長い変動パターンHP3を決定し易く対応付けされる。
【0084】
このように特別図柄開始処理を実行することで、主制御用CPU30aは、各特図変動ゲームの開始時に、最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値に基づき、該各値が示す各特図変動ゲームの演出内容を判定する。
【0085】
ステップSC15に移行した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、出力処理にて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、各特図変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、決定された特図変動パターンを指定するとともに図柄(特図及び飾図)の変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、第1特図変動ゲームを変動開始させるように第1特別図柄表示装置12aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、第2特図変動ゲームを変動開始させるように第2特別図柄表示装置12bの表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「0」を設定した場合、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1用(第1特図変動ゲーム用)の停止図柄指定コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに「1」を設定した場合、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2用(第2特図変動ゲーム用)の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した特図変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように制御に対応する各特別図柄表示装置12a,12bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した特図変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための図柄停止コマンドを出力する。
【0086】
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した特図変動パターンに基づく特図変動ゲームの終了後、特図で特定される大当りの種類に基づく大当り遊技の制御を開始する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに大当り遊技を開始させたことを示す情報を設定する。主制御用CPU30aは、大当り遊技において、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング(演出)の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング(演出)の開始を指示する。
【0087】
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、対応する開放態様で大入賞口18の開閉動作を制御する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかを満たすことにより、大入賞口18を閉鎖させるように制御する。
【0088】
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態とする場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU30aは、非確変大当りに当選している場合、作動回数に50回を設定し、特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)が実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態の終了条件の成立として変短状態を終了させる。合わせて主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、非変短状態を付与する場合、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短コマンドを出力する。
【0089】
また、確変フラグ及び作動フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU30aは、大当りが生起された場合、大当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。また、確変フラグ及び作動フラグは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドにより、演出制御用CPU31aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、又は変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
【0090】
そして、大当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了時点における各特図保留記憶数を確認し、その始動保留球をもとに、対応する特図変動ゲームに係る処理を実行し、特図変動ゲームを行わせる。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了時点における各特図保留記憶数が「0」の場合、各始動入賞口15A,15Bに遊技球が入球する迄の間、特図変動ゲームを実行させることなく、待機する。
【0091】
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する普通図柄入力処理や普通図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態の主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に普通図柄入力処理(図10)及び普通図柄開始処理(図11)を実行するようになっている。なお、本実施形態の主制御用CPU30aでは、普通図柄入力処理を実行した後に普通図柄開始処理を実行するようになっている。
【0092】
図10に示すように、普通図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、ゲート19へ遊技球が入賞(通過)したか否かを判定する(ステップSD1)。ステップSD1において主制御用CPU30aは、遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力したか否かを判定することで、遊技球が入賞(通過)したか否かを判定する。ステップSD1の判定結果が否定の場合(通過しなかった場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。ステップSD1の判定結果が肯定の場合(通過した場合)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSD2)。ステップSD2の判定結果が否定(普図保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0093】
ステップSD2の判定結果が肯定(普図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算(+1)し、普図保留記憶数を書き換える(ステップSD3)。続いて、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数、及び普図変動パターン振分用乱数のそれぞれの値を主制御用RAM30cから読み出して取得する(ステップSD4)。ステップSD4において、主制御用CPU30aは、取得した各値を普図保留記憶数(1加算後)に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU30aは、普図先読コマンド設定処理(ステップSE1〜SE6)を実行し(ステップSD5)、普通図柄入力処理を終了する。この普図先読コマンド設定処理は、ゲート19への入賞検知(通過検知)を契機に取得した各値に基づく各種判定(事前判定)結果を、該入賞検知(通過検知)に基づく普図ゲームの開始時期よりも前に演出制御基板31に把握させるための普図先読コマンドを生成及び出力するための処理となっている。この普図先読コマンド設定処理については、後に詳細に説明する。
【0094】
なお、ゲート19に入球(通過)した遊技球は始動保留球として主制御用RAM30cに記憶されることから、本実施形態において主制御用RAM30cは記憶手段として機能する。
【0095】
また、ステップSD3において主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算した際、普図保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように普通図柄保留表示装置14bを制御する。
【0096】
なお、主制御用CPU30aは、ステップSD2が否定の場合(普図保留記憶数=4)、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、肯定の場合にステップSD4で取得する各値も取得しない。
【0097】
続いて、図11に示すように、普通図柄開始処理において、主制御用CPU30aは、まず普通図柄が変動表示中(変動中)であるか否か、又は普図当り遊技中(普図当り中)であるか否かを判定する(ステップSF1)。ステップSF1において、主制御用CPU30aは、後述する普図ゲーム中である場合や普図当り遊技中である場合に設定される情報を確認することで、判定する。ステップSF1の判定結果が肯定の場合(変動中又は普図当り中である場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、ステップSF1の判定結果が否定の場合(変動中又は普図当り中でない場合)、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を読み出し(ステップSF2)、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップSF3)。この判定結果が否定の場合(普図保留記憶数=0の場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0098】
その一方で、ステップSF3の判定結果が肯定の場合(普図保留記憶数は「0」でない場合)、普図保留記憶数の数を1減算(−1)し、書き換える(ステップSF4)。そして、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数のうち最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値(ステップSD4で取得した各値)を読み出す(ステップSF5)。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに普図ゲームを実行することを示す情報を設定してから、ステップSF6に移行する。
【0099】
また、ステップSF4において主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1減算した際、普図保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させるように対応する普通図柄保留表示装置14bを制御する。
【0100】
また、ステップSF5についてより詳しく主制御用CPU30aは、普図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を読み出すとともに、該乱数の各値を、普図保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、普図保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値を、普図保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値に書き換える。同様に、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数の各値をクリア(消去)する。
【0101】
続いて、ステップSF6に移行すると主制御用CPU30aは、先のステップSF5で読み出した乱数のうち普図当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定して普図当り判定(普図当り抽選)を行う。ステップSF6において、主制御用CPU30aは、遊技状態に応じた普図当り判定値を用いて普図当り判定を行う。本実施形態では、普図当り判定(開放抽選)を行う主制御用CPU30aが、抽選手段として機能する。
【0102】
ステップSF6の判定結果が肯定の場合(普図当りの場合)、主制御用CPU30aは、普図当り図柄を普通図柄表示装置14aに確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップSF7)。なお、本実施形態の普図当り図柄は、1種類の普図当り図柄が設定されている。このため、ステップSF7で主制御用CPU30aは、1種類の普図当り図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、先のステップSF5で読み出した乱数のうち普図変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得る普図当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップSF8)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSF9に移行する。
【0103】
普図当り演出用の変動パターン選択時において、普図変動パターン振分用乱数の値は、各値が変動パターンap1,ap2,ap3の何れかに対応付けされている。そして、普図変動パターン振分用乱数の値は、ステップSF8の処理時が変短状態であるか否かによって対応付けされる普図変動パターンが異なる。ステップSF8の処理時が変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値の全てが変動パターンap3に対応付けされる。また、ステップSF8の処理時が非変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲FAa(例えば、「0」〜「116」)に含まれる値であれば演出時間が「10秒」を特定する変動パターンap1に対応付けされる。一方、ステップSF8の処理時が非変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲FAb(例えば、「117」〜「233」)に含まれる値であれば演出時間が「15秒」を特定する変動パターンap2に対応付けされる。本実施形態において、普図変動パターン振分用乱数の値からは、該値が範囲FAaに含まれるか範囲FAbに含まれるかにより、演出時間を特定できる。本実施形態において、普図変動パターン振分用乱数の取り得る数値は、「0」〜「233」までの全234通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン振分用乱数の数値は、「0」〜「116」の値が範囲FAaに設定されるとともに「117」〜「233」の値が範囲FAbに設定されている。
【0104】
一方、ステップSF6の判定結果が否定の場合(普図当りでない場合)、主制御用CPU30aは、普図はずれ図柄を普通図柄表示装置14aに確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップSF10)。その後、主制御用CPU30aは、先のステップSF5で読み出した乱数のうち普図変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得る普図はずれ演出用の変動パターンの中から普図変動パターンを決定する(ステップSF11)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSF9に移行する。
【0105】
普図はずれ演出用の変動パターンの選択時において、普図変動パターン振分用乱数の値は、各値が変動パターンhp1,hp2,hp3の何れかに対応付けされている。そして、普図変動パターン振分用乱数の値は、ステップSF11の処理時が変短状態であるか否かによって対応付けされる普図変動パターンが異なる。ステップSF11の処理時が変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値の全てが変動パターンhp3に対応付けされる。また、ステップSF11の処理時が非変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲FHa(例えば、「0」〜「116」)に含まれる値であれば演出時間が「10秒」を特定する変動パターンhp1に対応付けされる。一方、ステップSF11の処理時が非変短状態における普図変動パターン振分用乱数の値は、該値が範囲FHb(例えば、「117」〜「233」)に含まれる値であれば演出時間が「15秒」を特定する変動パターンhp2に対応付けされる。本実施形態において、普図変動パターン振分用乱数の値からは、該値が範囲FHaに含まれるか範囲FHbに含まれるかにより、演出時間を特定できる。そして、普図変動パターン振分用乱数の数値は、「0」〜「116」の値が範囲FHaに設定されるとともに「117」〜「233」の値が範囲FHbに設定されている。
【0106】
このように普通図柄開始処理を実行することで、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時に、最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値に基づき、該各値が示す普図ゲームの演出内容(演出時間)を判定する。
【0107】
ステップSF9に移行した主制御用CPU30aは、普図ゲームを変動開始させるように普通図柄表示装置14aの表示内容を制御する等、普図ゲームに関する各種処理を実行する。また、同時に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの演出時間の計測を開始する。そして、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その後、普通図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した普図変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように普通図柄表示装置14aの表示内容を制御する。
【0108】
なお、普図ゲームに関する各種処理において、主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、普通図柄の変動を開始させたことを示す普図開始コマンドを出力する。これにより演出制御用CPU31aは、普図ゲームが開始されたことを把握する。
【0109】
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、開閉羽根16の開放態様を制御する。そして、主制御用CPU30aは、変短状態であれば開閉羽根16を3回開放させるとともに、各回の開放において開放してから1540msが経過するまで開放状態を維持する。一方、主制御用CPU30aは、非変短状態であれば(変短状態でなければ)開閉羽根16を1回開放させ、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持する。また、主制御用CPU30aは、開閉羽根16の開放中に第2始動入賞口15Bに入賞(入球)した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で開閉羽根16を閉動作させ、普図当りに基づく開閉羽根16の開放制御を終了する。普図当りに基づく開閉羽根16の開放制御を終了した主制御用CPU30aは、その終了時点の普図保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普図ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU30aは、開閉羽根16の開放制御の終了時点の普図保留記憶数が「0」の場合、ゲート19に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普図ゲームを実行させることなく、待機する。
【0110】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、保留コマンドを入力すると、該コマンドに指示される表示態様となるように、演出表示装置11(画像表示部GH)の各保留画像表示領域Ka,Kbの個別表示領域の表示態様を制御する。具体的に、演出制御用CPU31aは、保留コマンドが特図1を指定する内容であれば、指定される保留記憶数となるように第1保留画像表示領域Kaの表示態様を制御する。一方、演出制御用CPU31aは、保留コマンドが特図2を指定する内容であれば、指定される保留記憶数となるように第2保留画像表示領域Kbの表示態様を制御する。
【0111】
また、演出制御用CPU31aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を演出制御用RAM31cに設定する。そして、演出制御用CPU31aは、確変コマンドを入力すると確変状態が付与されることを演出制御用RAM31cに設定する一方で、非確変コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを演出制御用RAM31cに設定する。また、演出制御用CPU31aは、変短コマンドを入力すると変短状態が付与されていることを演出制御用RAM31cに設定する一方で、非変短コマンドを入力すると非変短状態が付与されていることを演出制御用RAM31cに設定する。そして、演出制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を演出制御用RAM31cに記憶維持させる。演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの前記設定内容によって、遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。
【0112】
また、演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、該特図変動パターン指定コマンドにより指定される演出内容をもとに、画像表示用データを選択する。
【0113】
続いて、演出制御用CPU31aは、飾図による図柄変動ゲームにおいて導出する飾図(図柄組み合わせ)を決定する。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで大当り演出用の変動パターンが指定され、且つ各特図用の停止図柄指定コマンドで図柄TA,Taが指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、全列の図柄が[7](同一の図柄)となる飾図の大当り図柄([777])を決定する。同様に、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで大当り演出用の変動パターンが指定され、且つ各特図の停止図柄指定コマンドで図柄TBが指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、全列の図柄が[7]以外の奇数図柄(同一図柄)となる飾図の大当り図柄([111]、[333]、[555])を決定する。
【0114】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで大当り演出用の変動パターンが指定され、且つ各特図用の停止図柄指定コマンドで図柄TCが指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、全列の図柄が偶数図柄(同一の図柄)となる飾図の大当り図柄([222]、[444]、[666]、[888])を決定する。
【0115】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドではずれリーチ用変動パターンが指定され、且つ各特図用の停止図柄指定コマンドではずれ図柄が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、リーチを形成する飾図のはずれの図柄を決定する。一方、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドではずれ用変動パターンが指定され、且つ各特図用の停止図柄指定コマンドではずれ図柄が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、リーチを形成しない飾図のはずれ図柄を決定する。
【0116】
そして、演出制御用CPU31aは、画像表示用データをもとに飾図による図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。このとき、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて飾図による図柄変動ゲームを終了させる。また、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11の飾図による図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0117】
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の実行に係る制御において、オープニングコマンドを入力すると、付与される大当り遊技に応じた画像表示データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示データをもとにオープニング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中にラウンドコマンドを入力すると、付与される大当り遊技の各ラウンド遊技に応じた画像表示データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示データをもとに各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中にエンディングコマンドを入力すると、付与される大当り遊技に応じた画像表示データを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示データをもとにエンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技中の各演出の開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0118】
また、演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力すると、主制御用CPU30aの制御のもと普図ゲームが開始されたことを把握する。また、演出制御用CPU31aは、普図ゲームが開始されたことの把握に伴って普図開始コマンドの入力からの経過時間、すなわち普図ゲームの開始を把握してからの経過時間を計時する。
【0119】
次に、主制御用CPU30aが実行する特図先読コマンド設定処理(特別図柄入力処理のステップSA5)及び普図先読コマンド設定処理(普通図柄入力処理のステップSD5)について、図12図15に基づき説明する。
【0120】
本実施形態では、特図先読コマンド設定処理及び普図先読コマンド設定処理の処理結果をもとに、事前演出としての連続演出(先読み演出)を実行させるようになっている。なお、事前演出は、演出表示装置11で行われ、該演出表示装置11の図柄変動ゲームの実行に関連して実行される。そして、連続演出は、特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる1回以上の図柄変動ゲームから、所定の演出を各図柄変動ゲームで行い、該演出を連続する複数回の図柄変動ゲームを跨いで実行させることにより、特定の図柄変動ゲームが大当り(特定の演出内容)となる可能性があることを予告する演出である。本実施形態における所定の演出は、画像表示部GHの下方領域の第1保留画像表示領域Kaのうち、特定の図柄変動ゲームに対応する個別表示領域の表示態様を変化させ、該表示態様を複数回の図柄変動ゲームを跨いで維持することによって行われる。このため、本実施形態における事前演出は、保留画像表示領域の個別表示領域の表示態様を変化させる「保留予告演出」である。
【0121】
本実施形態における保留予告演出は、第1保留画像表示領域Kaの個別表示領域を対象として行われる。このため、保留予告演出は、特図変動ゲーム(図柄変動ゲーム)のうち第1特図変動ゲーム(図柄変動ゲーム)を対象にその結果を事前に示唆することになる。すなわち、本実施形態における特図先読コマンド設定処理は、第1始動入賞口15Aへの入賞検知時にのみ行われる処理である。
【0122】
また、本実施形態における第1特図変動ゲームは、第2特図変動ゲームの始動条件を付与する第2始動入賞口15Bに遊技球が入球し難い非変短状態で実行され易い。このため、本実施形態における保留予告演出は、該保留予告演出の基となる第1特図変動ゲームが実行され易い非変短状態である状況下で、行われるように構成している。すなわち、本実施形態における特図先読コマンド設定処理及び普図先読コマンド設定処理は、非変短状態である状況下で、各先読コマンドを設定するようになっている。
【0123】
最初に、主制御用CPU30aが、第1始動入賞口15Aへの入賞検知時に行う特図先読コマンド設定処理の処理内容を図12に基づき説明する。
特図先読コマンド設定処理のステップSB1において、主制御用CPU30aは、変短状態であるか否かを判定する。ステップSB1の判定結果が肯定の場合(変短状態の場合)、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
【0124】
一方、ステップSB1の判定結果が否定の場合(非変短状態の場合)、ステップSB2において、主制御用CPU30aは、図7の特別図柄入力処理のステップSA4で取得した大当り判定用乱数の値が、大当り判定値に定める各値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前大当り判定」と示す)。この事前大当り判定において主制御用CPU30aは、現在の遊技状態(入賞検知時の遊技状態)に応じた大当り判定値に定める各値を用いる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、入賞検知時の遊技状態が確変状態である場合、高確率用の大当り判定値の各値を用いて事前大当り判定を行う。一方で、主制御用CPU30aは、入賞検知時の遊技状態が非確変状態である場合、低確率用の大当り判定値の各値を用いて事前大当り判定を行う。このように主制御用CPU30aは、第1始動入賞口15Aで遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された大当り判定用乱数の値が、後に行う大当り判定で大当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
【0125】
ステップSB2の判定結果が否定の場合(大当り判定値の各値と不一致の場合)、主制御用CPU30aは、ステップSB5に移行する。一方、ステップSB2の判定結果が肯定の場合(大当り判定値の各値と一致の場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した特図振分用乱数及び特図変動パターン振分用乱数に基づき特図変動パターンとして選択されるパターンから図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)を特定する(ステップSB3)。さらにステップSB3において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の第1特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。なお、ステップSB3において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理で大当り演出用の変動パターン選択時の選択態様を想定して演出内容を特定する。すなわち、ステップSB3において、主制御用CPU30aは、特図変動パターン振分用乱数の値が範囲RAaに含まれていれば「NR系」のリーチ演出を特定する。一方、ステップSB3において、主制御用CPU30aは、特図変動パターン振分用乱数の値が範囲RAbに含まれていれば「SR系」のリーチ演出を特定する。
【0126】
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB3で特定した演出内容及び保留記憶数に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB4)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前大当り判定を肯定(ステップSB2を肯定)としているので、演出内容として大当り演出(リーチ演出)を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB4で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、特図先読コマンドについては、後で詳述する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
【0127】
続いて、ステップSB2からステップSB5に移行すると主制御用CPU30aは、図7の特別図柄入力処理のステップSA4で取得したリーチ判定用乱数の値が、変短状態「無」の特図保留記憶数「3」のリーチ判定値の各値、すなわち「0〜4」であるか否かを判定する(以下、この判定を「事前リーチ判定」と示す)。本実施形態では、図4に示すように、リーチ判定用乱数の値が「0〜4」であれば、特別図柄開始処理でのリーチ判定時の遊技状態や特図保留記憶数にかかわらずリーチ判定で肯定が確定する。したがって、ステップSB5において、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値が、「0〜4」であるか否かを判定することにより、リーチ確定(特別図柄開始処理でのリーチ判定で確実に肯定)とされるか否かを事前判定する。このように主制御用CPU30aは、第1始動入賞口15Aで遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶されたリーチ判定用乱数の値が、後に行うリーチ判定で確実にリーチとする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
【0128】
ステップSB5の判定結果が否定の場合(リーチ確定でない場合)、主制御用CPU30aは、ステップSB8に移行する。一方、ステップSB5の判定結果が肯定の場合(リーチ確定の場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理のステップSA4で取得した特図変動パターン振分用乱数に基づき特図変動パターンとして選択されるパターンから図柄変動ゲームの演出内容(変動内容)を特定する(ステップSB6)。さらにステップSB6において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の第1特図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。なお、ステップSB6において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理ではずれリーチ演出用の変動パターン選択時の選択態様を想定して演出内容を特定する。すなわち、ステップSB6において、主制御用CPU30aは、特図変動パターン振分用乱数の値が範囲RRaに含まれていれば「NR系」のリーチ演出を特定する。一方、ステップSB3において、主制御用CPU30aは、特図変動パターン振分用乱数の値が範囲RRbに含まれていれば「SR系」のリーチ演出を特定する。
【0129】
そして、主制御用CPU30aは、ステップSB6で特定した演出内容及び保留記憶数に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB7)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、事前大当り判定を否定(ステップSB2を否定)かつ事前リーチ判定をリーチ確定(ステップSB5を肯定)としているので、演出内容としてはずれリーチ演出を特定する。主制御用CPU30aは、ステップSB7で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
【0130】
続いて、ステップSB5からステップSB8に移行すると主制御用CPU30aは、図7の特別図柄入力処理のステップSA4で取得したリーチ判定用乱数の値が、変短状態「無」の特図保留記憶数「0」,「1」,「2」のリーチ判定値の各値、すなわち「5〜32」であるか否かを判定する。本実施形態では、図4に示すように、リーチ判定用乱数の値が「5〜32」であれば、特別図柄開始処理でのリーチ判定時の遊技状態や特図保留記憶数により、肯定とされる場合もあれば否定とされる場合もある。したがって、ステップSB8において、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値が、「5〜32」であるか否かを判定することにより、リーチ可能性あり(特別図柄開始処理でのリーチ判定で肯定とされる可能性がある)とされるか否かを事前判定する。このように主制御用CPU30aは、第1始動入賞口15Aで遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶されたリーチ判定用乱数の値が、後に行うリーチ判定で肯定とされる可能性があるか否かを事前判定するようになっている。
【0131】
そして、ステップSB8の判定結果が肯定の場合(リーチ可能性ありの場合)、主制御用CPU30aは、リーチ可能性ありとともに、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の第1特図保留記憶数(保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB9)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、リーチ可能性ありということからはずれリーチ演出(NR系又はSR系)及びはずれ演出のいずれかであることを特定することになる。主制御用CPU30aは、ステップSB9で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
【0132】
一方、ステップSB8の判定結果が否定の場合(リーチ可能性ありでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチ可能性なしを特定することになる。この場合には、図7の特別図柄入力処理のステップSA4で取得したリーチ判定用乱数の値が、変短状態「無」の特図保留記憶数のいずれのリーチ判定値とも不一致、すなわち「33〜240」となるので、特別図柄開始処理でのリーチ判定時の遊技状態や特図保留記憶数にかかわらず否定が確定する。そして、主制御用CPU30aは、リーチ可能性なしとともに、主制御用RAM30cに記憶された特別図柄入力処理のステップSA3の書き換え後の第1特図保留記憶数(保留記憶数)に応じた特図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSB10)。なお、この場合に主制御用CPU30aは、リーチ可能性なしということからはずれ演出を特定することになる。主制御用CPU30aは、ステップSB10で設定した特図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図先読コマンド設定処理を終了する。
【0133】
このようにして第1始動入賞口15Aで遊技球の入球検知(入賞検知)時、その時に取得される乱数の各値が示す図柄変動ゲームの演出内容を事前判定する主制御用CPU30aが事前判定手段として機能する。
【0134】
次に、特図先読コマンド設定処理で設定し、出力する各種特図先読コマンドについて、図13に基づき説明する。なお、各種特図先読コマンドは、「CMD1」と示す上位バイトと、「CMD2」と示す下位バイトで構成されている。
【0135】
特図先読コマンドは、事前大当り判定(特別図柄開始処理における抽選結果)、事前大当り判定時の第1特図保留記憶数として何番目であるか(保留)、及び演出内容(図柄変動ゲームの演出内容)を指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU30aは、特図先読コマンドとして、上位バイトが「E5H」で下位バイトが「00H〜23H」で構成される24種類のコマンドを出力可能になっている。なお、本実施形態では、上位バイトが「E5H」のコマンドであれば特図先読コマンドが示され、下位バイトにより分類される。なお、図13で「抽選結果」は、事前大当り判定で判定した特別図柄開始処理における抽選結果を示す。「大当り」は、事前大当り判定の判定結果が肯定の場合を示す。「はずれ」は、事前大当り判定の判定結果が否定の場合を示す。また、図13で「保留」は、事前大当り判定時の第1特図保留記憶数であって何番目に記憶されているかを示す。「保留」が「1」は「1番目に記憶されている」こと、「保留」が「2」は「2番目に記憶されている」こと、「保留」が「3」は「3番目に記憶されている」こと、「保留」が「4」は「4番目に記憶されている」ことを示す。また、図13で「演出内容」は、事前判定時に特定した演出内容を示す。
【0136】
そして、特図先読コマンドは、下位バイトが「00H〜03H」であれば、抽選結果として「大当り」と演出内容として「SR系」を指定する。すなわち、下位バイトが「00H〜03H」は、特別図柄開始処理の大当り判定で「当選」、特別図柄開始処理でSR系(リーチ演出)の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「00H」は保留「1」、「01H」は保留「2」、「02H」は保留「3」、「03H」は保留「4」を指定する。
【0137】
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「04H〜07H」であれば、抽選結果として「大当り」と演出内容として「NR系」を指定する。すなわち、下位バイトが「04H〜07H」は、特別図柄開始処理の大当り判定で「当選」、特別図柄開始処理でNR系(リーチ演出)の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「04H」は保留「1」、「05H」は保留「2」、「06H」は保留「3」、「07H」は保留「4」を指定する。
【0138】
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「08H〜11H」であれば、抽選結果として「はずれ」と演出内容として「リーチ可能性なし」を指定する。すなわち、下位バイトが「08H〜11H」は、特別図柄開始処理のリーチ判定(大当り判定で「非当選」)で、遊技状態や特図保留記憶数にかかわらず非当選(否定)となることを事前判定する場合に設定される。なお、「08H」は保留「1」、「09H」は保留「2」、「10H」は保留「3」、「11H」は保留「4」を指定する。
【0139】
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「12H〜15H」であれば、抽選結果として「はずれ」と演出内容として「リーチ可能性あり」を指定する。すなわち、下位バイトが「12H〜15H」は、特別図柄開始処理のリーチ判定(大当り判定で「非当選」)で、遊技状態や特図保留記憶数によっては当選(肯定)となる可能性があることを事前判定する場合に設定される。なお、「12H」は保留「1」、「13H」は保留「2」、「14H」は保留「3」、「15H」は保留「4」を指定する。
【0140】
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「16H〜19H」であれば、抽選結果として「はずれ」と演出内容として「リーチ確定(NR系)」を指定する。すなわち、下位バイトが「16H〜19H」は、特別図柄開始処理のリーチ判定(大当り判定で「非当選」)で、遊技状態や特図保留記憶数にかかわらず当選(肯定)、特別図柄開始処理でNR系(リーチ演出)の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「16H」は保留「1」、「17H」は保留「2」、「18H」は保留「3」、「19H」は保留「4」を指定する。
【0141】
また、特図先読コマンドは、下位バイトが「20H〜23H」であれば、抽選結果として「はずれ」と演出内容として「リーチ確定(SR系)」を指定する。すなわち、下位バイトが「20H〜23H」は、特別図柄開始処理のリーチ判定(大当り判定で「非当選」)で、遊技状態や特図保留記憶数にかかわらず当選(肯定)、特別図柄開始処理でSR系(リーチ演出)の特図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「20H」は保留「1」、「21H」は保留「2」、「22H」は保留「3」、「23H」は保留「4」を指定する。
【0142】
本実施形態において図7の特別図柄入力処理におけるステップSA5の特図先読コマンド設定処理は、図9の特別図柄開始処理におけるステップSC12の大当り判定に対し、特定状況を除き、通常は所定の時間差をもって先に実行される。すなわち、特図先読コマンド設定処理を含む特別図柄入力処理は、始動入賞口(第1始動入賞口15A)へ遊技球が入球したことに基づく処理である。このため、特図先読コマンド設定処理は、図柄変動ゲーム(特図変動ゲーム)の実行中や大当り遊技中であっても、始動入賞口へ入球した遊技球(始動保留球)を対象に実行される。一方、特別図柄開始処理は、始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させる際に実行する処理である。このため、特別図柄開始処理に基づく大当り判定は、図柄変動ゲームの実行条件が成立した場合(図柄変動ゲームの実行中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)に、最も先に記憶されている始動保留球を対象に実行される。すなわち、大当り判定は、図柄変動ゲームの実行中や大当り遊技中には実行されない。
【0143】
このような構成により、特図先読コマンド設定処理は、その実行時期に時間差が生じ得ることになる。すなわち、特図先読コマンド設定処理の対象となった始動保留球に基づく大当り判定は、当該始動保留球の入球時の状態(図柄変動ゲームの実行中であるか否か、大当り遊技中であるか否か、始動保留球の記憶順)に応じて実行時期が後になる。このため、特図先読コマンド設定処理は、大当り判定に比して先に実行されることから事前判定となる。なお、特定状況とは、始動保留球が「0(零)」であって、図柄変動ゲームも行われていない状況である。この場合、入球によって生じた始動保留球に対応する図柄変動ゲームが、見た目上、入球とほぼ同一タイミング(制御的には処理の関係上、所定の制御周期分ずれる)で行われることになる。したがって、特定状況の場合、特図先読コマンド設定処理と大当り判定は、制御上、多少の時間差は生じ得るが、特定状況ではない場合に比べて時間差は生じ得ない。
【0144】
次に、主制御用CPU30aが、ゲート19への入賞検知時に行う普図先読コマンド設定処理の処理内容を図14に基づき説明する。
普図先読コマンド設定処理のステップSE1において、主制御用CPU30aは、変短状態であるか否かを判定する。ステップSE1の判定結果が肯定の場合(変短状態の場合)、主制御用CPU30aは、普図先読コマンド設定処理を終了する。
【0145】
一方、ステップSE1の判定結果が否定の場合(非変短状態の場合)、ステップSE2において、主制御用CPU30aは、図10の普通図柄入力処理のステップSD4で取得した普図当り判定用乱数の値が、普図当り判定値に定める各値と一致するか否かを判定する(以下、この判定を「事前普図当り判定」と示す)。この事前普図当り判定において主制御用CPU30aは、低確率用の普図当り判定値の各値を用いて事前普図当り判定を行う。このように主制御用CPU30aは、ゲート19で遊技球の入賞検知時、該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された普図当り判定用乱数の値が、後に行う普図当り判定で普図当りの当選とする判定結果となるか否かを事前判定するようになっている。
【0146】
ステップSE2の判定結果が否定の場合(普図当り判定値の各値と不一致の場合)、主制御用CPU30aは、ステップSE5に移行する。一方、ステップSE2の判定結果が肯定の場合(普図当り判定値の各値と一致の場合)、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理のステップSD4で取得した普図変動パターン振分用乱数に基づき普図変動パターンとして選択されるパターンから普図ゲームの演出時間(変動内容)を特定する(ステップSE3)。さらにステップSE3において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された普通図柄入力処理のステップSD3の書き換え後の普図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。なお、ステップSE3において、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理で普図当り演出用の変動パターン選択時の選択態様を想定して演出内容を特定する。すなわち、ステップSE3において、主制御用CPU30aは、普図変動パターン振分用乱数の値が範囲FAaに含まれていれば「10秒」の演出時間を特定する。一方、ステップSE3において、主制御用CPU30aは、普図変動パターン振分用乱数の値が範囲FAbに含まれていれば「15秒」の演出時間を特定する。
【0147】
そして、主制御用CPU30aは、ステップSE3で特定した演出時間及び保留記憶数に応じた普図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSE4)。主制御用CPU30aは、ステップSE4で設定した普図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、普図先読コマンドについては、後で詳述する。その後、主制御用CPU30aは、普図先読コマンド設定処理を終了する。
【0148】
続いて、ステップSE2からステップSE5に移行すると、主制御用CPU30aは、普通図柄入力処理のステップSD4で取得した普図変動パターン振分用乱数に基づき普図変動パターンとして選択されるパターンから普図ゲームの演出時間(変動内容)を特定する(ステップSE5)。さらにステップSE5において、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された普通図柄入力処理のステップSD3の書き換え後の普図保留記憶数(保留記憶数)を確認する。なお、ステップSE5において、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理で普図はずれ演出用の変動パターン選択時の選択態様を想定して演出内容を特定する。すなわち、ステップSE5において、主制御用CPU30aは、普図変動パターン振分用乱数の値が範囲FHaに含まれていれば「10秒」の演出時間を特定する。一方、ステップSE3において、主制御用CPU30aは、普図変動パターン振分用乱数の値が範囲FHbに含まれていれば「15秒」の演出時間を特定する。
【0149】
そして、主制御用CPU30aは、ステップSE5で特定した演出時間及び保留記憶数に応じた普図先読コマンドを設定(決定)する(ステップSE6)。主制御用CPU30aは、ステップSE6で設定した普図先読コマンドを、出力処理にて所定のタイミングで出力する。なお、普図先読コマンドについては、後で詳述する。その後、主制御用CPU30aは、普図先読コマンド設定処理を終了する。
【0150】
このようにしてゲート19で遊技球の通過検知(入賞検知)時、その時に取得される乱数の各値が示す普図ゲームの演出内容(演出時間)を事前判定する主制御用CPU30aが開放事前判定手段として機能する。
【0151】
次に、普図先読コマンド設定処理で設定し、出力する各種普図先読コマンドについて、図15に基づき説明する。なお、各種普図先読コマンドは、「CMD1」と示す上位バイトと、「CMD2」と示す下位バイトで構成されている。
【0152】
普図先読コマンドは、事前普図当り判定(普通図柄開始処理における抽選結果)、事前普図当り判定時の普図保留記憶数として何番目であるか(保留)、及び演出時間(普図ゲームの演出内容)を指定するためのコマンドである。本実施形態の主制御用CPU30aは、普図先読コマンドとして、上位バイトが「F5H」で下位バイトが「00H〜15H」で構成される16種類のコマンドを出力可能になっている。なお、本実施形態では、上位バイトが「F5H」のコマンドであれば普図先読コマンドが示され、下位バイトにより分類される。なお、図15で「抽選結果」は、事前普図当り判定で判定した普通図柄開始処理における抽選結果を示す。「普図当り」は、事前普図当り判定の判定結果が肯定の場合を示す。「普図はずれ」は、事前普図当り判定の判定結果が否定の場合を示す。また、図15で「保留」は、事前普図当り判定時の普図保留記憶数であって何番目に記憶されているかを示す。「保留」が「1」は「1番目に記憶されている」こと、「保留」が「2」は「2番目に記憶されている」こと、「保留」が「3」は「3番目に記憶されている」こと、「保留」が「4」は「4番目に記憶されている」ことを示す。また、図15で「演出内容」は、事前判定時に特定した演出内容(演出時間)を示す。
【0153】
そして、普図先読コマンドは、下位バイトが「00H〜03H」であれば、抽選結果として「普図当り」と演出内容として「10秒」を指定する。すなわち、下位バイトが「00H〜03H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「当選」、普通図柄開始処理で「10秒」の普図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「00H」は保留「1」、「01H」は保留「2」、「02H」は保留「3」、「03H」は保留「4」を指定する。
【0154】
また、普図先読コマンドは、下位バイトが「04H〜07H」であれば、抽選結果として「普図当り」と演出内容として「15秒」を指定する。すなわち、下位バイトが「04H〜07H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「当選」、普通図柄開始処理で「15秒」の普図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「04H」は保留「1」、「05H」は保留「2」、「06H」は保留「3」、「07H」は保留「4」を指定する。
【0155】
また、普図先読コマンドは、下位バイトが「08H〜11H」であれば、抽選結果として「はずれ」と演出内容として「10秒」を指定する。すなわち、下位バイトが「08H〜11H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「非当選」で、普通図柄開始処理で「10秒」の普図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「08H」は保留「1」、「09H」は保留「2」、「10H」は保留「3」、「11H」は保留「4」を指定する。
【0156】
また、普図先読コマンドは、下位バイトが「12H〜15H」であれば、抽選結果として「はずれ」と演出内容として「15秒」を指定する。すなわち、下位バイトが「12H〜15H」は、普通図柄開始処理の普図当り判定で「非当選」で、普通図柄開始処理で「15秒」の普図変動パターンが決定されることを事前判定する場合に設定される。なお、「12H」は保留「1」、「13H」は保留「2」、「14H」は保留「3」、「15H」は保留「4」を指定する。
【0157】
また、本実施形態において図10の普通図柄入力処理におけるステップSD5の普図先読コマンド設定処理は、図11の普通図柄開始処理におけるステップSF6の普図当り判定に対し、特定状況を除き、通常は所定の時間差をもって先に実行される。すなわち、普図先読コマンド設定処理を含む普通図柄入力処理は、ゲート19へ遊技球が入球したことに基づく処理である。このため、普図先読コマンド設定処理は、普図ゲームの実行中や普図当り遊技中であっても、ゲート19を入球した遊技球(始動保留球)を対象に実行される。一方、普通図柄開始処理は、始動保留球に基づく普図ゲームを開始させる際に実行する処理である。このため、普通図柄開始処理に基づく普図当り判定は、普図ゲームの実行条件が成立した場合(普図ゲームの実行中ではなく、かつ普図当り遊技中ではない)に、最も先に記憶されている始動保留球を対象に実行される。すなわち、普図当り判定は、普図ゲームの実行中や普図当り遊技中には実行されない。
【0158】
このような構成により、普図先読コマンド設定処理は、その実行時期に時間差が生じ得ることになる。すなわち、普図先読コマンド設定処理の対象となった始動保留球に基づく普図当り判定は、当該始動保留球の入球時の状態(普図ゲームの実行中であるか否か、普図当り遊技中であるか否か、始動保留球の記憶順)に応じて実行時期が後になる。このため、普図先読コマンド設定処理は、普図当り判定に比して先に実行されることから事前判定となる。なお、特定状況とは、始動保留球が「0(零)」であって、普図ゲームも行われていない状況である。この場合、入球によって生じた始動保留球に対応する普図ゲームが、見た目上、入球とほぼ同一タイミング(制御的には処理の関係上、所定の制御周期分ずれる)で行われることになる。したがって、特定状況の場合、普図先読コマンド設定処理と普図当り判定は、制御上、多少の時間差は生じ得るが、特定状況ではない場合に比べて時間差は生じ得ない。
【0159】
次に、特図先読コマンド及び普図先読コマンドの入力に基づいて演出制御用CPU31aが行う処理内容を図16図20に基づき説明する。
演出制御用CPU31aは、特図先読コマンドを入力すると、該コマンドで指定される第1特図保留記憶数に対応付けて演出制御用RAM31cの所定の記憶領域としての特別図柄種別エリアに必要な情報を格納(設定)する。演出制御用CPU31aは、保留「1」を指定する特図先読コマンドを入力すると、第1特図保留記憶数「1」に対応する特別図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「2」を指定する特図先読コマンドを入力すると、第1特図保留記憶数「2」に対応する特別図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「3」を指定する特図先読コマンドを入力すると、第1特図保留記憶数「3」に対応する特別図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「4」を指定する特図先読コマンドを入力すると、第1特図保留記憶数「4」に対応する特別図柄種別エリアに必要な情報を格納する。
【0160】
そして、演出制御用CPU31aは、図16に示すように、入力する特図先読コマンドに基づき、特別図柄種別エリアに「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「9」の情報をそれぞれ設定する。なお、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアに格納する情報から、事前判定による図柄変動ゲーム(特図変動ゲーム)の演出内容や、場合によっては事前判定による該図柄変動ゲームの最長変動時間を特定する。
【0161】
演出制御用CPU31aは、下位バイトが「00H〜03H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「0」を格納する。したがって、特別図柄種別エリアに「0」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、SR系の大当り演出を特定する。
【0162】
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「04H〜07H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「1」を格納する。したがって、特別図柄種別エリアに「1」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、NR系の大当り演出を特定する。
【0163】
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「08H〜11H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「9」を格納する。したがって、特別図柄種別エリアに「9」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、リーチ可能性なしを特定する。この場合、さらに演出制御用CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンに基づく変動時間が「12秒以内」であることから、はずれ演出用の変動パターンの最長変動時間として「12秒」を特定することができる。
【0164】
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「12H〜15H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「4」を格納する。したがって、特別図柄種別エリアに「4」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、リーチ可能性ありを特定する。
【0165】
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「16H〜19H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「3」を格納する。したがって、特別図柄種別エリアに「3」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、NR系のはずれリーチ演出を特定する。
【0166】
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「20H〜23H」の特図先読コマンドを入力する場合、特別図柄種別エリアに「2」を格納する。したがって、特別図柄種別エリアに「2」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、SR系のはずれリーチ演出を特定する。
【0167】
そして、演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると保留「1」に対応付けられた特別図柄種別エリアに記憶されている情報を読み出して、「変動中」に対応付けられた特別図柄種別エリアに設定(記憶)する。「変動中」に対応付けられた特別図柄種別エリアは、実行中の図柄変動ゲームに関する情報を設定するための記憶領域である。そして、「変動中」の特別図柄種別エリアに設定される情報は、対象の図柄変動ゲームの終了(図柄停止コマンドの入力)に伴って消去される。
【0168】
また、演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドを入力すると、保留「1」に対応付けられた特別図柄種別エリアの情報を、保留「2」に対応付けられた特別図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に演出制御用CPU31aは、保留「2」に対応付けられた特別図柄種別エリアの情報を、保留「3」に対応付けられた特別図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に演出制御用CPU31aは、保留「3」に対応付けられた特別図柄種別エリアの情報を、保留「4」に対応付けられた特別図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に、演出制御用CPU31aは、保留「4」に対応付けられた特別図柄種別エリアに格納されている情報を、クリア(消去)する。このように演出制御用CPU31aは、特図変動パターン指定コマンドを入力して、図柄変動ゲームの実行が指示される毎に特別図柄種別エリアの情報を処理する。
【0169】
なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了時(エンディング演出の終了時)に、特別図柄種別エリアの全情報を消去する。これにより、本実施形態において、大当りの当選後の事前判定や、大当り遊技中の始動保留球に基づく事前判定については、無効とされる(反映されない)。また、本実施形態において、事前判定時と実際の図柄変動ゲームの実行時とで遊技状態が変化してしまう場面での事前判定については、無効とされる(反映されない)。
【0170】
また、演出制御用CPU31aは、普図先読コマンドを入力すると、該コマンドで指定される普図保留記憶数に対応付けて演出制御用RAM31cの所定の記憶領域としての普通図柄種別エリアに必要な情報を格納(設定)する。演出制御用CPU31aは、保留「1」を指定する普図先読コマンドを入力すると、普図保留記憶数「1」に対応する普通図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「2」を指定する普図先読コマンドを入力すると、普図保留記憶数「2」に対応する普通図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「3」を指定する普図先読コマンドを入力すると、普図保留記憶数「3」に対応する普通図柄種別エリアに必要な情報を格納する。また、演出制御用CPU31aは、保留「4」を指定する普図先読コマンドを入力すると、普図保留記憶数「4」に対応する普通図柄種別エリアに必要な情報を格納する。
【0171】
そして、演出制御用CPU31aは、図17に示すように、入力する普図先読コマンドに基づき、普通図柄種別エリアに「A」、「B」、「C」、「D」の情報をそれぞれ設定する。なお、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアに格納する情報から、事前判定による普図ゲームの演出内容(演出時間)を特定する。
【0172】
演出制御用CPU31aは、下位バイトが「00H〜03H」の普図先読コマンドを入力する場合、普通図柄種別エリアに「A」を格納する。したがって、普通図柄種別エリアに「A」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、「10秒」の普図当りを特定する。
【0173】
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「04H〜07H」の普図先読コマンドを入力する場合、普通図柄種別エリアに「B」を格納する。したがって、普通図柄種別エリアに「B」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、「15秒」の普図当りを特定する。
【0174】
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「08H〜11H」の普図先読コマンドを入力する場合、普通図柄種別エリアに「C」を格納する。したがって、普通図柄種別エリアに「C」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、「10秒」の普図はずれを特定する。
【0175】
また、演出制御用CPU31aは、下位バイトが「12H〜15H」の普図先読コマンドを入力する場合、普通図柄種別エリアに「D」を格納する。したがって、普通図柄種別エリアに「D」を格納している場合、演出制御用CPU31aは、「15秒」の普図はずれを特定する。
【0176】
そして、演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力すると保留「1」に対応付けられた普通図柄種別エリアに記憶されている情報を読み出して、「変動中」に対応付けられた普通図柄種別エリアに設定(記憶)する。「変動中」に対応付けられた普通図柄種別エリアは、実行中の普図ゲームに関する情報を設定するための記憶領域である。そして、「変動中」の普通図柄種別エリアに設定される情報は、対象となる普図ゲームの終了と判断する場合に消去される。演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドの入力からの経過時間を計時することで、普図ゲームの終了を判断する。なお、普通ゲームの終了に関しては、実際の終了と演出制御用CPU31aでの終了の判断にずれを生じる場合もある。このため、「変動中」の普通図柄種別エリアに設定される情報は、演出制御用CPU31aでの終了の判断よりも前に次の普図ゲームの開始が指示されれば、保留「1」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報に更新される。
【0177】
また、演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力すると、保留「1」に対応付けられた普通図柄種別エリアの情報を、保留「2」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に演出制御用CPU31aは、保留「2」に対応付けられた普通図柄種別エリアの情報を、保留「3」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に演出制御用CPU31aは、保留「3」に対応付けられた普通図柄種別エリアの情報を、保留「4」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報に書き換える。同様に、演出制御用CPU31aは、保留「4」に対応付けられた普通図柄種別エリアに格納されている情報を、クリア(消去)する。このように演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力して、普図ゲームの開始が指示される毎に普通図柄種別エリアの情報を処理する。
【0178】
なお、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の終了時(エンディング演出の終了時)に、普通図柄種別エリアの全情報を消去する。これにより、本実施形態において、大当りの当選後の事前判定や、大当り遊技中の始動保留球に基づく事前判定については、無効とされる(反映されない)。また、本実施形態において、事前判定時と実際の普図ゲームの実行時とで遊技状態が変化してしまう場面での事前判定については、無効とされる(反映されない)。
【0179】
次に、本実施形態における保留予告演出について説明する。
本実施形態における保留予告演出は、特定の図柄変動ゲーム(保留予告演出の対象とする図柄変動ゲーム)であることを、特定の図柄変動ゲームでない場合の個別表示領域と異なる表示態様で画像表示させることにより、遊技者に報知する。そして、特定の図柄変動ゲームは、個別表示領域が色付きの丸(「●」)で画像表示させることで報知される。一方、特定の図柄変動ゲームでない図柄変動ゲームは、個別表示領域が白抜きの丸(「○」)で画像表示されることで報知される。そして、このように個別表示領域が色付きの丸(「●」)で画像表示されることにより、特定の図柄変動ゲームが報知されている状況は、保留予告演出の実行中(先読み中)という状況となる。なお、本実施形態における個別表示領域は、対象となる図柄変動ゲームの実行開始に伴って画像表示部GHから消去される。このため、特定の図柄変動ゲームの報知は、該特定の図柄変動ゲームの開始に伴って終了される。したがって、保留予告演出の実行中という状況は、個別表示領域が色付きの丸(「●」)で画像表示されてから、特定の図柄変動ゲームの開始に伴って該個別表示領域が画像表示部GHから消去されるまでとなる。
【0180】
次に、演出制御用CPU31aが、保留予告演出を実行させるために実行する保留予告演出設定処理などの各種処理について説明する。本実施形態の演出制御用CPU31aは、所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に保留予告演出設定処理(図19)を実行するようになっている。
【0181】
そして、演出制御用CPU31aは、所定の制御周期毎に特図先読コマンドを入力したか否か(すなわち、特別図柄種別エリアに新たに情報を格納したか否か)を判定し、特図先読コマンドを入力したと判定する場合に、保留予告演出を実行する。また、演出制御用CPU31aは、保留予告演出の実行中でない場合に、保留予告演出設定処理を実行する。演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに保留予告演出の実行中であるかどうかを示す情報(後述する実行中フラグ)を設定している。なお、演出制御用CPU31aは、変短状態の終了後、4回分の第1特図変動ゲームの実行後、及び4回分の普図ゲームの実行後でなければ、保留予告演出設定処理を実行しないようになっている。すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリア及び普通図柄種別エリアにおいて、「変動中」に情報が設定され得る場面で保留予告演出設定処理を実行する。
【0182】
また、演出制御用CPU31aは、第1特図変動ゲームの実行中であって、その時に既に第2特図保留記憶数が記憶されている(存在している)ことで、第2特図変動ゲームの実行が待機(保留)されている場面や、第2特図変動ゲームの実行中であれば、保留予告演出設定処理を実行しないようになっている。このように、演出制御用CPU31aは、保留予告演出の実行させた後に第2特図変動ゲームが実行されることが確定している場面や、既に第2特図変動ゲームが実行されている場面で保留予告演出を実行させないようになっている。なお、このような状況を、演出制御用CPU31aは、特図2を指定する内容の保留コマンドを入力しているか否かを判定することにより、把握している。
【0183】
図19に示すように、保留予告演出設定処理において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出実行可であるか否かを判定する(ステップSG1)。ステップSG2において、演出制御用CPU31aは、処理時点における特別図柄種別エリアの「変動中」、保留「1」〜「4」の全てを確認することにより、判定する。
【0184】
そして、ステップSG1において、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアに「0」,「1」,「2」,「3」のいずれかの情報を新たに格納する、かつ新たに格納する以前の特別図柄種別エリア全てに「9(リーチ可能性なし)」が格納されている場合に、保留予告演出実行可を特定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aにより、リーチ演出が実行されることが確定的に事前判定されている、かつ該事前判定以前にリーチ演出が実行されないことが確定的に事前判定されている場合に、ステップSG1を肯定とする。
【0185】
一方、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアに「4」,「9」のいずれかの情報を新たに格納する、又は特別図柄種別エリアに「0」〜「3」のいずれかの情報を新たに格納するが新たに格納する以前の特別図柄種別エリアに「9」以外が格納されている場合に、保留予告演出実行不可を特定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aにより、リーチ演出が実行されることが確定的に事前判定されていない、又はリーチ演出が実行されることが確定的に事前判定されているが該事前判定以前にリーチ演出が実行されないことが確定的に事前判定されていない場合に、ステップSG1を否定とする。
【0186】
したがって、本実施形態における保留予告演出は、特定の図柄変動ゲームでリーチ演出が行われる(大当りの可能性がある)ことを遊技者に示唆することになる。
そして、ステップSG1の判定結果が否定の場合(保留予告演出実行可でない場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理を終了する。一方、ステップSG1の判定結果が肯定の場合(保留予告演出実行可の場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実際に実行させるか否かの実行抽選に当選したか否かを判定する(ステップSG2)。そして、本実施形態における実行抽選は、所定の乱数を用いて行われるようになっており、特別図柄種別エリアの情報に基づき行われる。
【0187】
そして、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアに新たに格納した情報が、「0」の場合に「1」に比して実行抽選で当選とし易いとともに、「2」の場合に「3」に比して実行抽選で当選とし易くなっている。また、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアに新たに格納した情報が、「0」及び「1」の場合に「2」及び「3」に比して実行抽選で当選とし易くなっている。
【0188】
したがって、本実施形態における保留予告演出は、特定の図柄変動ゲームでリーチ演出が行われることだけでなく、大当り期待度の高いリーチ演出が行われる(大当りの可能性)ことを遊技者に示唆することになる。
【0189】
そして、ステップSG2の判定結果が否定の場合(実行抽選に非当選の場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理を終了する。一方、ステップSG2の判定結果が肯定の場合(実行抽選に当選の場合)、演出制御用CPU31aは、予告実行可能期間t1及び特図2非入賞期間t2を算出する(ステップSG3)。ステップSG3において、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアの情報に基づいて予告実行可能期間t1を算出する。また、ステップSG3において、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアの情報に基づいて特図2非入賞期間t2を算出する。
【0190】
以下、予告実行可能期間t1及び特図2非入賞期間t2の算出手法について説明する。
予告実行可能期間t1の算出に際し、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアにおいて、実行抽選(ステップSG2)の対象とした第1特図保留記憶数よりも先の情報を確認する。そして、演出制御用CPU31aは、特別図柄種別エリアの「変動中」の情報に基づく図柄変動ゲームの[残時間]と、各保留の情報に基づく[最長変動時間]とを加算することで、予告実行可能期間t1を算出する。[残時間]の算出に際し、演出制御用CPU31aは、「変動中」の特別図柄種別エリアの特図変動パターンに基づく演出時間から、ステップSG3処理時における演出表示装置11の図柄変動ゲームの開始からの経過時間を減算することで、[残時間]を算出する。なお、[残時間]は、「変動中」の図柄変動ゲームが終了して、次の図柄変動ゲームが開始される間であれば「0秒」又は[残時間]自体を加味しない。また、[最長変動時間]は、実行抽選が当選とされる場面にあれば、予告実行可能期間t1の算出の対象となる図柄変動ゲームが全て「リーチ可能性なし」であるので、「12秒」となる。
【0191】
以下に具体的な算出手法について図18(a)の例を用いて説明する。
図18(a)は、特別図柄種別エリア(「特図」)において、「変動中」、保留(特保)「1」,「2」,「3」にそれぞれ情報が存在し、保留(特保)「4」への情報の格納時を示す。また、図18(a)は、保留(特保)「4」の情報に基づく実行抽選(ステップSG2)に当選する(保留予告演出の対象とする)場合を示す。この場合、予告実行可能期間t1は、(「変動中」に基づく[残時間])+(保留「1」に基づく[12秒])+(保留「2」に基づく[12秒])+(保留「3」に基づく[12秒])、となる。
【0192】
このため、本実施形態における予告実行可能期間t1は、実行抽選(ステップSG2)の対象とした特図先読コマンドに基づく情報の格納時から、該特図先読コマンドに基づく図柄変動ゲームが開始されるまでの最長時間であって、保留予告演出を実行させることが可能な実行可能期間である。なお、予告実行可能期間t1は、事前判定の結果である特別図柄種別エリアの情報に基づいて算出されるので、実際に実行抽選(ステップSG2)の対象とした図柄変動ゲームが、主制御用CPU30aの特別図柄開始処理により実行されるまでの時間と異なる。
【0193】
また、特図2非入賞期間t2の算出に際し、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにおいて、ステップSG3処理時に格納されている全ての情報を確認する。そして、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアの「変動中」の情報に基づく普図ゲームの[残時間]と、各保留の情報に基づく[変動時間]とを加算することで、特図2非入賞期間t2を算出する。[残時間]の算出に際し、演出制御用CPU31aは、「変動中」の普通図柄種別エリアの演出時間から、ステップSG3処理時における普図ゲームの開始からの経過時間を減算することで、[残時間]を算出する。なお、[残時間]は、「変動中」の普図ゲームが終了して、次の普図ゲームが開始される間であれば「0秒」又は[残時間]自体を加味しない。
【0194】
そして、特図2非入賞期間t2の算出に際し、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにおいて、ステップSG3処理時に事前判定の結果として普図当りを特定する「A」又は「B」が格納されている場合、「A」又は「B」が格納されている情報とそれよりも先の情報に基づいて算出する。一方、特図2非入賞期間t2の算出に際し、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにおいて、ステップSG3処理時に事前判定の結果として普図当りを特定する「A」又は「B」が格納されていない場合、その時点で格納されている全ての情報に基づいて算出する。なお、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにおいて、例えば、保留「2」に「A」又は「B」が格納されていれば、「変動中」、保留「1」、保留「2」の情報に基づいて算出する。また、演出制御用CPU31aは、普通図柄種別エリアにおいて、例えば、保留「2」及び「1」に情報が格納されていて、どちらも「A」又は「B」でなければ、「変動中」、保留「1」、保留「2」の情報に基づいて算出する。また、演出制御用CPU31aは、開閉羽根16の開放中であれば、特図2非入賞期間t2として「0(秒)」を設定することで、以後のステップSG4が否定となるようにする。なお、演出制御用CPU31aは、開閉羽根16の開放中であるかどうかについて、「変動中」に「A」又は「B」が格納されて[残時間]が0(秒)であれば開閉羽根16の開放中と判定することもできる。また、演出制御用CPU31aは、普図開始コマンドを入力してからの経過時間から開閉羽根16の開放中かどうかを判定することもできる。
【0195】
以下に具体的な算出手法について図18(b),(c),(d)の例を用いて説明する。
図18(b)は、普通図柄種別エリア(「普図」)において、「変動中」及び保留(普保)「1」,「2」,「3」に「普図はずれ」の事前判定の結果が記憶され、保留(普保)「4」に「普図当り」の事前判定の結果が記憶されている場合を示す。この場合、特図2非入賞期間t2は、(「変動中」に基づく[残時間])+(保留「1」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「2」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「3」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「4」の普図当りに基づく演出時間)、となる。
【0196】
また、図18(c)は、普通図柄種別エリア(「普図」)において、「変動中」及び保留(普保)「1」に「普図はずれ」の事前判定の結果が記憶され、保留(普保)「2」に「普図当り」の事前判定の結果が記憶されている場合を示す。この場合、特図2非入賞期間t2は、(「変動中」に基づく[残時間])+(保留「1」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「2」の普図当りに基づく演出時間)、となる。
【0197】
また、図18(d)は、普通図柄種別エリア(「普図」)において、「変動中」及び保留(普保)「1」,「2」に「普図はずれ」の事前判定の結果が記憶されている場合を示す。この場合、特図2非入賞期間t2は、(「変動中」に基づく[残時間])+(保留「1」の普図はずれに基づく演出時間)+(保留「2」の普図はずれに基づく演出時間)、となる。この場合には、これよりも後のゲート19への入賞に基づいて普図当りとなって開閉羽根16が開放される可能性が残されている状況となる。
【0198】
このため、本実施形態における特図2非入賞期間t2は、ステップSG3処理時から、普図当り遊技が付与されて開閉羽根16の開放が開始されるまでの最短時間であって、開閉羽根16の開放が開始されるまでの(開閉羽根16の閉鎖が維持される)閉鎖期間である。すなわち、特図2非入賞期間t2は、事前判定の結果である普通図柄種別エリアの情報に基づいて算出されるので、実際に開閉羽根16の開放が開始されるまでの時間と異なる。
【0199】
このようにして予告実行可能期間t1及び特図2非入賞期間t2を算出した演出制御用CPU31aは、予告実行可能期間t1>特図2非入賞期間t2(t1<t2)であるか否かを判定する(ステップSG4)。ステップSG4の判定結果が否定の場合(t1≧t2の場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行しないことを決定して保留予告演出設定処理を終了する。この場合、演出制御用CPU31aは、ステップSG2で当選とした実行抽選の抽選結果を書き換えて非当選(ステップSG2で否定)とする場合と同様の結果を導出していることになる。
【0200】
具体的に、図18(a)と図18(c),(d)の例によれば、予告実行可能期間t1≧特図2非入賞期間t2となる。このような状況では、保留予告演出を実行させたとしても予告実行可能期間t1の間に、開閉羽根16が開放する可能性があることから、保留予告演出の実行中に第2始動入賞口15Bへ遊技球が入賞して(第2特図変動ゲームが割り込まれて)しまうことが想定される。したがって、ステップSG4が否定となる、第2特図変動ゲームが割り込まれてしまう状況において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させないようになっている。
【0201】
そして、保留予告演出の実行中に開閉羽根16が開放する可能性がある状況では、第2始動入賞口15Bへ遊技球が入賞すると、該入賞に対する第2特図変動ゲームが割り込んで特定の図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)よりも優先的に実行されることになる。さらに割り込まれる第2特図変動ゲームでリーチ演出が行われることもあり、このような場合には、リーチ演出の演出内容によっては保留画像が表示されなくなったり、大当りとなったりしまうこともあり得ることから、保留予告演出の矛盾を生じ得る状況となる。したがって、本実施形態では、保留予告演出の矛盾を生じ得る状況で保留予告演出を実行させないようになっている。
【0202】
一方、ステップSG4の判定結果が肯定の場合(t1<t2の場合)、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行することを決定して演出制御用RAM31cの実行中フラグに「1」を設定し(ステップSG5)、保留予告演出設定処理を終了する。なお、本実施形態では、実行中フラグに「1」を設定する契機となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、特定の図柄変動ゲームとなる。具体的に、図18(a)と図18(b)の例によれば、予告実行期間t1>特図2非入賞期間t2となる。このような状況では、保留予告演出を実行させると予告実行可能期間t1の間に、開閉羽根16が開放し得ないことから、第2始動入賞口15Bへ遊技球が入賞しない(第2特図変動ゲームが割り込まれない)ことが想定される。したがって、ステップSG4が肯定となる、第2特図変動ゲームが割り込まれない状況において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させるようになっている。
【0203】
そして、保留予告演出の実行中に開閉羽根16が開放し得ない状況では、第2始動入賞口15Bへ遊技球が入賞して第2特図変動ゲームが割り込んで特定の図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)よりも優先的に実行され得ないことから、保留予告演出の矛盾を生じ得ない状況となる。したがって、本実施形態では、保留予告演出の矛盾を生じ得えない状況で保留予告演出を実行させるようになっている。
【0204】
また、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」の設定中、保留予告演出の実行中であって、次回の保留予告演出を実行不可能な状況を設定している。また、演出制御用CPU31aは、保留予告演出を実行させて保留予告演出の終了時(特定の図柄変動ゲームの開始に伴う個別表示領域の消去時)に、演出制御用RAM31cの実行中フラグに「0」を設定することで、次回の保留予告演出を実行可能な状況を設定する。
【0205】
そして、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で実行中フラグに「1」を設定すると、実行抽選(ステップSG2)で当選した保留に基づく個別表示領域が、特定の図柄変動ゲームであることを遊技者に報知するように、色付きの丸(「●」)で画像表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御することになる。なお、演出制御用CPU31aは、保留コマンドの入力に基づく個別表示領域の表示において、実行中フラグに「1」を設定する契機となる場合であれば、色付きの丸(「●」)を画像表示させる。一方、演出制御用CPU31aは、保留コマンドの入力に基づく個別表示領域の表示において、実行中フラグに「0」を設定する契機となる場合でなければ、白抜きの丸(「○」)を画像表示させる。また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの実行(各特図保留記憶数の減算)に伴って保留コマンドを入力すると、各個別表示領域の表示態様を維持させながら演出表示装置11の表示内容を更新する。
【0206】
また、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」を設定する契機となった第1特図保留記憶数に基づいて保留予告演出の予告実行回数を演出制御用RAM31cに設定する。そして、演出制御用CPU31aは、実行中フラグに「1」の設定後、変動パターン指定コマンドを入力する毎に、予告実行回数を1減算するとともに、予告実行回数が「0(零)」になると実行中フラグに「0」をセットする(クリアする)。
【0207】
このようにして保留予告演出(事前演出)を実行させる演出制御用CPU31aが、事前演出実行手段として機能する。
以下、具体的な状況を想定した例について、図20(a)〜(d)は、実行中フラグに「0」が設定されていて保留予告演出の未実行の状況を前提としている。
【0208】
図20(a)は、特別図柄種別エリアにおいて、「変動中」、保留(特保)「1」、保留(特保)「2」、及び保留(特保)「3」に「9」の情報がそれぞれに格納されている場合を前提としている。そして、この場合の予告実行可能期間t1は、36秒(12(秒)+12(秒)+12(秒))+[残時間(図柄変動ゲーム)])、となる。
【0209】
図20(a)の前提において、その時の普通図柄種別エリアの格納状況が、図20(b)に示す例の状況について説明する。
図20(b)は、普通図柄種別エリアにおいて、「変動中」、保留(普保)「2」、及び保留(普保)「3」に「D」の情報がそれぞれに格納されているとともに保留(普保)「1」、及び保留(普保)「4」に「C」の情報がそれぞれに格納されている場合を示している。そして、この場合における特図2非入賞期間t2は、50秒(10(秒)+15(秒)+15(秒)+10(秒))+[残時間(普図ゲーム)])、となる。このため、[残時間(普図ゲーム)]に関係なく予告実行可能期間t1<特図2非入賞期間t2となる。したがって、上記状況の前提において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で保留予告演出を実行させることを決定することができる状況であることになる。
【0210】
また、図20(b)における保留(普保)「2」に「C」の情報が格納されている場合、特図2非入賞期間t2は、45秒(10(秒)+10(秒)+15(秒)+10(秒))+[残時間(普図ゲーム)])、となる。この状況では、[残時間(図柄変動ゲーム)]と[残時間(普図ゲーム)]とにより、予告実行可能期間t1と特図2非入賞期間t2との大小関係が変化することになる。
【0211】
具体的に、[残時間(図柄変動ゲーム)]が「9秒未満」の場合には、[残時間(普図ゲーム)]に関係なく予告実行可能期間t1<特図2非入賞期間t2となる。したがって、この状況であれば、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で保留予告演出を実行させることを決定することができる状況であることになる。
【0212】
一方、[残時間(図柄変動ゲーム)]が「9秒以上」の場合には、[残時間(普図ゲーム)]により、予告実行可能期間t1<特図2非入賞期間t2となるときもあれば予告実行可能期間t1≧特図2非入賞期間t2となるときもある。したがって、この状況であれば、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で保留予告演出を実行させることを決定することができるかできないか、[残時間(図柄変動ゲーム)]と[残時間(普図ゲーム)]とにより、変化する状況であることになる。
【0213】
次に、図20(a)の前提において、その時の普通図柄種別エリアの格納状況が、図20(c)に示す例の状況について説明する。
図20(c)は、普通図柄種別エリアにおいて、「変動中」、及び保留(普保)「1」に「D」の情報がそれぞれに格納されているとともに保留(普保)「2」に「C」の情報がそれぞれに格納されている場合を示している。そして、この場合における特図2非入賞期間t2は、35秒(15(秒)+10(秒)+10(秒))+[残時間(普図ゲーム)])、となる。
【0214】
このため、[残時間(普図ゲーム)]が1(秒)を超えていれば予告実行可能期間t1<特図2非入賞期間t2となる。したがって、上記状況の前提において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で保留予告演出を実行させることを決定することができる状況であることになる。また、この場合には、保留(普保)「2」で普図当り遊技(開閉羽根16の開放)が開始されることになるが、開閉羽根16の開放の開始よりも前に保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームが行われることになることから、保留予告演出を実行させることを決定することができる状況である。
【0215】
一方、[残時間(普図ゲーム)]が1(秒)以下でいれば予告実行可能期間t1≧特図2非入賞期間t2となる。したがって、上記状況の前提において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で保留予告演出を実行させることを決定することができない状況であることになる。また、この場合には、保留(普保)「2」で普図当り遊技(開閉羽根16の開放)が開始されるとともに、開閉羽根16の開放の開始が保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの開始よりも前(予告実行可能期間t1内)に行われる可能性があることから、保留予告演出を実行させることを決定することができない状況である。
【0216】
次に、図20(a)の前提において、その時の普通図柄種別エリアの格納状況が、図20(d)に示す例の状況について説明する。
図20(d)は、普通図柄種別エリアにおいて、「変動中」、及び保留(普保)「1」に「D」の情報がそれぞれに格納されている場合を示している。そして、この場合における特図2非入賞期間t2は、15秒(15(秒)+[残時間(普図ゲーム)])、となる。このため、[残時間(普図ゲーム)]に関係なく予告実行可能期間t1≧特図2非入賞期間t2となる。したがって、上記状況の前提において、演出制御用CPU31aは、保留予告演出設定処理で保留予告演出を実行させることを決定することができない状況であることになる。また、この場合には、保留(普保)「2」以後に普図当り遊技(開閉羽根16の開放)が開始される可能性があるとともに、開閉羽根16の開放の開始が保留予告演出の対象となる図柄変動ゲームの開始よりも前(予告実行可能期間t1内)に行われる可能性があることから、保留予告演出を実行させることを決定することができない状況である。
【0217】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)事前演出(保留予告演出)の実行に際しては、第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)を実行可能な実行可能期間内(予告実行可能期間t1)に、第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)の始動条件が付与される可能性がなければ事前演出(保留予告演出)を実行させ得る構成とした。一方、事前演出(保留予告演出)を実行させるに際しては、第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)を実行させることが可能な実行可能期間内(予告実行可能期間t1)に、第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)の始動条件が付与される可能性があれば事前演出(保留予告演出)を実行させない構成とした。これにより、非優先的に実行される第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)に関しては、当該事前演出(保留予告演出)の途中に第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)が割り込まれることがない場合に実行されることになる。このため、非優先的に実行される第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づいて事前演出(保留予告演出)を行わせるに際し、事前演出(保留予告演出)の途中に第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)が割り込まれるなどして事前演出(保留予告演出)に矛盾を生じさせることがなくなる。その結果、事前演出(保留予告演出)の矛盾の発生を防止して遊技の興趣を向上させることができる。
【0218】
(2)当り遊技(大当り遊技)が付与されて見込むことができる遊技者の獲得利益(獲得賞球数)は、第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)において第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に比して大きく(多くなり易く)設定する構成とした。これにより、第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)が割り込まれる可能性がある場面では、第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)を実行させなくても、遊技者の獲得利益を大きく(獲得賞球数が多くなり易く)設定した第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)を楽しませることができる。このため、事前演出(保留予告演出)が実行されないからといって遊技の興趣を低下させることを防止することができる。
【0219】
(3)開放条件を成立させること(普図当り)に当選する内容となるか否かを第3図柄変動ゲーム(普図ゲーム)の実行に先立って判定する構成とした。そして、事前演出(保留予告演出)を実行させるに際し、開閉部材(開閉羽根16)の開放状態への可変の開始が、実行可能期間内(予告実行可能期間t1)に行われなければ、第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)を実行させ得る構成とした。これにより、非優先的に実行される第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)に関しては、当該事前演出(保留予告演出)の途中に第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)が割り込まれることがない場合に実行されることになる。その結果、事前演出(保留予告演出)の矛盾の発生を防止して遊技の興趣を向上させることができる。
【0220】
(4)また、閉鎖時間(特図2非入賞期間t2)が、実行可能期間(予告実行可能期間t1)に比して長ければ、第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)を実行させ得る構成とした。これにより、非優先的に実行される第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)に関しては、当該事前演出(保留予告演出)の途中に第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)が割り込まれることがない場合に実行されることになる。その結果、事前演出(保留予告演出)の矛盾の発生を防止して遊技の興趣を向上させることができる。
【0221】
(5)第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)を実行させるに際し、その時に既に第2始動口(第2始動入賞口15B)への入球に基づく始動保留球(第2特図保留記憶数)が記憶されている場合には、第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づく事前演出(保留予告演出)を実行させない構成とした。このような場面では、第2始動口(第2始動入賞口15B)への入球に基づく始動保留球(第2特図保留記憶数)による第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)が次に行われることになる。さらにこのような場面では、現在が第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)の実行中でさらに第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)の始動保留球(第1特図保留記憶数)が存在すれば、非優先的に実行される第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)の間に、優先的に実行される第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)が割り込まれる。このため、非優先的に実行される第1図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)に基づいて事前演出(保留予告演出)を行わせるに際し、当該事前演出(保留予告演出)の途中に第2図柄変動ゲーム(第2特図変動ゲーム)が割り込まれるなどして事前演出(保留予告演出)に矛盾を生じさせることがなくなる。その結果、事前演出(保留予告演出)の矛盾の発生を防止して遊技の興趣を向上させることができる。
【0222】
(6)予告実行可能期間t1の算出に際しては、最長変動時間を用いるようにした。このため、特図先読コマンドとして、具体的な演出時間まで演出制御用CPU31a側に指定しなくても予告実行可能期間t1を算出することができる。したがって、具体的な演出時間まで演出制御用CPU31a側に指定する場合に比して、特図先読コマンドの種類を減少させることができる。したがって、保留予告演出に係る制御構成を簡素化することができる。
【0223】
(7)また、本実施形態では、保留予告演出を実行させるかどうかの最終的な判定を演出制御用CPU31a(サブ側)で行うようにした。このため、主制御用CPU30aに関する構成の変化を最小限に抑えることができるとともに、主制御用CPU30aの制御に関するデータ量の増加も抑えることができる。
【0224】
(8)普図先読コマンドでは、演出時間に関する事前判定の結果を演出制御用CPU31aに特定可能に構成した。このため、パチンコ遊技機の仕様が、普図変動パターンの演出時間として複数種類が設定される仕様であっても、特図2非入賞期間t2を算出可能になる。したがって、保留予告演出の実行を認識させたとしても遊技球の発射を止めさせることの防止に寄与することができる保留予告演出を、普図ゲームの仕様にとらわれることなく実現できる。
【0225】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・本実施形態において、主制御用CPU30aは、普図ゲームに関して該普図ゲームの終了を示す普図終了コマンドを演出制御用CPU31aに出力することもできる。また、普図開始コマンドでは、普図ゲームの開始に加えて普図変動パターンの種類を指定することもできる。これらによれば、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aで制御される普図ゲーム状況をより正確に把握し得る。
【0226】
・本実施形態において、主制御用CPU30aは、普図当り遊技の開始を示すコマンドを演出制御用CPU31aに出力することもできる。これにより、演出制御用CPU31aは、普図当り遊技中(開閉羽根16の開放中)であるかどうかを把握できるようになる。
【0227】
・本実施形態において、演出制御用CPU31aは、開閉羽根16の開放中(普図当り遊技中)であることを判定する場合、保留予告演出設定処理を行わないようにすることもできる。
【0228】
・本実施形態において、予告実行可能期間t1及び特図2非入賞期間t2の算出に際しては、図柄変動ゲーム及び普図ゲームのゲーム間のインターバル時間を考慮することもできる。
【0229】
・本実施形態において、図20(d)に示した例では、状況により保留予告演出を実行させるようにすることもできる。例えば、予告実行可能期間t1と特図2非入賞期間t2との差が、普通変動パターンの最短変動時間となる10(秒)以下であれば、保留予告演出を実行させてもよい。この場合には、その後の普図当りの発生によっても予告実行可能期間t1内に開閉羽根16が開放され得ないことになるので、このような状況を判定するときには保留予告演出を実行させても演出上の矛盾の発生を防止することができる。すなわち、予告実行可能期間t1よりも特図2非入賞期間t2が短い場面でも、状況によっては保留予告演出を実行可能な構成とすることもできる。
【0230】
・本実施形態において、保留予告演出設定処理では、ステップSG3及びステップSG4を最初に判定したり、ステップSG2の前にステップSG3及びステップSG4を判定したりしてもよい。また、ステップSG3及びステップSG4の処理を最初に判定する場合には、この判定結果が否定であればそれ以後の保留予告演出設定処理を行わない、すなわち実行抽選などが行われないようにする(禁止する)こともできる。
【0231】
・本実施形態において、第2特図変動ゲームの実行中には、第1特図変動ゲームに基づく保留予告演出を実行させるようにしてもよい。すなわち、保留予告演出の実行後に第2特図変動ゲームが割り込まれる場面でなければ保留予告演出を実行させてもよい。
【0232】
・本実施形態において、第2特図変動ゲームの待機(保留)中には、第1特図変動ゲームに基づく保留予告演出を実行させてもよい。この場合、遊技者は第2特図変動ゲームの待機(保留)を把握し得る。このように第2特図変動ゲームの出現を遊技者が把握し得る場面であれば、保留予告演出を実行させてもよい。すなわち、保留予告演出の実行後に、遊技者が把握し得ない第2特図変動ゲームが割り込まれる場面でなければ保留予告演出を実行させてもよい。
【0233】
・本実施形態において、ステップSG4では、「t1≦t2であるか否か」を判定することもできる。予告実行可能期間t1に関しては、最長変動時間により算出が行われるので、「t1=t2」の場合にステップSG4を肯定としてもよい。
【0234】
・本実施形態において、演出制御用CPU31aは、予告実行可能期間t1内に開閉羽根16が開放されるかどうかを把握できればよく、特図2非入賞期間t2と比較する手法とは異なる手法で実現してもよい。例えば、普通図柄種別エリアに「A」又は「B」が格納されていれば、保留予告演出を行わせないようにすることもできる。また、普通図柄種別エリアに「A」又は「B」が格納されていない状態で、保留(普保)「4」まで情報が格納されていれば、保留予告演出を行わせるようにすることもできる。
【0235】
・本実施形態において、予告実行可能期間t1は、事前大当り判定の対象とした図柄変動ゲームが実際に行われるまでの期間よりも長い期間を特定可能であればよい。例えば、「変動中」に関しては[残時間]を算出しないで変動中の図柄変動ゲームの変動時間をそのまま用いてもよい。
【0236】
・本実施形態において、特図2非入賞期間t2は、事前普図当り判定に基づいて実際に開閉羽根16の閉鎖が維持される期間よりも短い期間を特定可能であればよい。例えば、「変動中」に関しては「残時間」を算出しないで変動中の普図ゲームの変動時間を用いなくてもよい。
【0237】
・本実施形態は、第2特図変動ゲームで大当りになる場合よりも第1特図変動ゲームで大当りになる場合に遊技者にとっての獲得利益が大きくしたり、これらの間での獲得利益を同等にしたりすることもできる。また、第1特図変動ゲームで大当りになる場合よりも第2特図変動ゲームで大当りになる場合に遊技者にとっての獲得利益が大きくなる範囲内で、大当りに関するスペックは変更してもよい。また、本実施形態における、獲得利益の内容は、大当りでの賞球獲得数だけでなく、例えば、変短状態の付与態様によって設定することもできる。
【0238】
・本実施形態は、保留予告演出設定処理又は該保留予告演出設定処理に代わる処理を、主制御用CPU30aで行わせることもできる。そして、主制御用CPU30aは、保留予告演出を実行させるかどうかを決定した後、保留予告演出を実行させるか否かを指定する先読コマンドを、演出制御用CPU31aに対して出力する構成とすることもできる。
【0239】
・本実施形態は、事前演出として、特定の図柄変動ゲームよりも前に行われる1回以上の図柄変動ゲームから、所定の演出を各図柄変動ゲームで行わせる仕様にしてもよい。例えば、所定の演出は、図柄変動ゲームの開始に伴って演出表示装置11に予め定めた特定画像(事前演出時のみに画像表示される専用画像「連続中」等)を画像表示させることによって行われる。
【0240】
・本実施形態において、特図先読コマンドは、大当りにおけるそれぞれの特図先読コマンドをさらに特図1の大当り図柄により分類して設定することもできる。こうすることで、保留予告演出を実行させるための条件をさらに細かく設定することができる。例えば、大当りに関しては図柄TAの場合にのみ保留予告演出を実行させるようにすれば、保留予告演出を伴っての大当りでは「15R確変大当り遊技」の当選とすることもできる。
【0241】
・本実施形態は、保留予告演出設定処理のステップSG4を満たし得る場面が想定される範囲内において、普図変動パターンの変動時間を変更することもできる。そして、これら時間を調整することによっては、保留予告演出の出現頻度を調整することができる。
【0242】
・本実施形態は、事前大当り判定の対象とした第1特図保留記憶数よりも先の情報として、大当りやリーチ可能性ありを特定している場合にも、保留予告演出を実行させるようにすることもできる。そして、この場合には、予告実行可能期間t1の算出に際し、それぞれの変動パターンの種類における最長時間を用いるようにすれば実現できる。例えば、NR系のはずれリーチ演出であれば28(秒)、SR系のはずれリーチ演出であれば40(秒)、NR系の大当り演出であれば30(秒)、SR系の大当り演出であれば42(秒)を用いたりすることになる。
【0243】
・本実施形態は、いずれの始動入賞口においても保留予告演出を実行可能に構成することもできる。例えば、非変短状態時には第1特図変動ゲームを対象に保留予告演出を実行させるとともに、変短状態時には第2特図変動ゲームを対象に保留予告演出を実行させることもできる。この場合には、特別図柄入力処理のステップSA9の後に、特図先読コマンド設定処理に代わる処理(ステップSB1が肯定ならステップSB2に移行するような処理)を実行する。
【0244】
・本実施形態は、特別図柄種別エリアに「4(リーチ可能性あり)」,「9(リーチ可能性なし)」が設定される図柄変動ゲーム(第1特図変動ゲーム)を対象に保留予告演出を実行可能にしてもよい。
【0245】
・本実施形態は、各先読みコマンドとして、特別図柄入力処理のステップSA4や普通図柄入力処理のステップSD4で取得する乱数の各値自体を特定する構成としてもよい。この場合には、主制御用CPU30aでは、何も判定しないで、そのまま取得した乱数を特定する情報を先読みコマンドとして出力する構成としてもよい。そして、演出制御用CPU31aは、先読みコマンドの乱数の各値に基づいて各種事前判定を実行する。
【0246】
・本実施形態は、特図1と特図2とで変動態様の異なる図柄変動ゲームを演出表示装置11で実行させることもできる。ここで変動態様とは、飾り図柄のスクロール方向や、有効ライン数や、飾り図柄のテーマ(モチーフ)などのことである。また、特図1と特図2とでは、演出表示装置を別々に設けることもできる。また、この場合には、特図1とこれに対応して変動する飾図が飾図1となるとともに、特図2とこれに対応して変動する飾図が飾図2となる。また、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0247】
・本実施形態において、主制御基板30と演出制御基板31との間に、各種演出を統括的に制御する副制御基板を新たに設けることもできる。そして、副制御基板では、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)が実行する処理の一部の処理を行うようにすることもできる。例えば、保留予告演出に関しては、副制御基板が決定してその決定にしたがって演出制御基板31が演出表示装置11の表示内容を制御するといった制御構成とすることもできる。
【0248】
・本実施形態において、各特図用の停止図柄指定コマンドは、図柄変動ゲームにおいて各特別図柄表示装置12a,12bに確定停止表示させる図柄(特図)を示すコマンドでもよいし、大当りの種類を特定できる内容を示すコマンドであればよい。また、大当りの抽選結果や大当りの種類は、変動パターンから特定できる構成とすることもできる。この場合、変動パターン指定コマンドが大当りの抽選結果や大当りの種類も示すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0249】
GH…画像表示部、SW1,SW2…始動口スイッチ、SW4…普通図柄変動スイッチ、10…遊技盤、11…演出表示装置、12a,12b…特別図柄表示装置、13a,13b…特別図柄保留表示装置、14a…普通図柄表示装置、14b…普通図柄保留表示装置、15A,15B…始動入賞口、15a,15b…入賞口、16…開閉羽根、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…演出制御基板、31a…演出制御用CPU、31b…演出制御用ROM、31c…演出制御用RAM。
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