(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記隔壁を前記機関室側から前記船艙または前記居住区の船尾側下方位置まで延設し、同延設部に前記フィルターユニットを設置することを特徴とする請求項5に記載の船舶。
前記隔壁を前記機関室側から前記液化燃料艙の船尾側下方位置まで延設し、同延設部に前記フィルターユニットを設置することを特徴とする請求項7に記載の液化燃料輸送船。
【背景技術】
【0002】
船舶のバラスト水は、船体の姿勢制御や復原性確保のためにバラストタンクに積載される海水または淡水であり、船舶の安全運航上欠くことのできないものである。このバラスト水は、空船時にポンプでバラスト水を吸い込んでバラストタンク内に積載(取水)し、貨物を積み込む港において積荷の進行に合わせて排出(排水)される。
上述したバラスト水には、種々の微生物類(水生生物)が含まれている。この微生物類には、微小な生物(バクテリア等の微生物やプランクトン等の浮遊生物等)に加えて、魚類等の卵や幼生等も含まれる。
【0003】
従って、バラスト水は積載地と異なる港(水域)に排水されることとなるため、バラスト水とともに移動した微生物類が新たな環境に定着すれば、その水域の生態系や水産業等の経済活動に影響を与えることが懸念される。また、バラスト水とともに移動した一部の病原菌は、人体の健康に直接影響を与えることも懸念される。
このため、国際海事機関(International Maritime Organization:IMO)においては、バラスト水に含まれる微生物類の管理に関する条約が批准され、バラスト水の取水時または排水時に微生物類を除去または死滅させることが求められる。
【0004】
バラスト水中の微生物類を除去または死滅させる装置としては、流路内に設けたスリット板をバラスト水が所定流速以上で通過するようにして、スリット通過により乱れた流れの内部に存在する剪断現象(場所による流速の急激な差)を利用し、この剪断により液中の微生物を破壊して殺減する液中微生物殺滅装置が提案されている。
また、バラスト水中の微生物類を除去または死滅させる他の装置としては、スリット位置をずらしたスリット板を前後に配置しておき、前のスリット板で剪断により破壊されなかった微生物については、前のスリット板で発生させたキャビテーションを後側のスリット板で潰す際に生じる衝撃圧を利用して破壊することにより、さらに殺減させるようにした液中微生物殺滅装置も提案されている。
【0005】
しかし、従来の船舶においては、バラストポンプの周辺にバラスト水処理装置を設置できるほどの余剰スペースはないという実状がある。
このような背景から、今後設置が義務づけられるバラスト水処理装置について、たとえば下記の特許文献1に開示されているように、船体設計の大幅な変更を必要とせず、しかも、新造船に設置する場合はもとより、既存の船舶を改造して設置する場合にも容易に適用可能な構造の船舶が提案されている。すなわち、特許文献1には、バラスト水処理装置を船舶後方の舵取機室内に配設することにより、多種多様な船舶(特に一般商船)に対して、多種多様な方式のバラスト水処理装置を船内適所に容易に設置可能とする構造の船舶が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の船舶においては、容易に追加設置可能な余剰スペースをバラストポンプの周りに確保しにくいため、バラスト水処理装置をバラストポンプから離れた場所に設置することが考えられる。
しかし、バラストポンプとバラスト水処理装置とが離れていると、バラスト水を流す配管長が増加するとともに、圧力損失の増大という問題が生じてくる。
【0008】
また、たとえばタンカー(LNG船、LPG船、油送船等)のように、危険物を輸送する船舶では、船内の危険区画にバラスト水処理装置を設置する場合、バラスト水処理装置を防爆仕様とする必要があるため、大幅なコストアップを伴うこととなる。
さらに、就航船にバラスト水処理装置を搭載する改造工事は、狭い船内での作業となるため、多くの制約を受けて工期が長くなるという問題も指摘されている。
【0009】
このように、今後の船舶においては、新造船及び就航船にかかわらずバラスト水処理装置の設置が必要となるため、各種のバラスト水処理装置を容易に設置可能とすることが望まれており、具体的にはバラスト水処理装置の設置に伴う配管物量や圧力損失の増大を抑制できる船舶及び船舶の改造方法が望まれている。
また、危険物を輸送する船舶においては、非防爆仕様のバラスト水処理装置を使用できる船舶及び船舶の改造方法が望まれている。
【0010】
さらに、既存の就航船においては、バラスト水処理装置を設置する場合の改造に要する工期を短縮できる船舶及び船舶の改造方法が望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多種多様な船舶に対して、特に、貨物船や液化燃料輸送船のような船舶に対して、各種のバラスト水処理装置を容易に設置可能とする液化燃料輸送船及び船舶の改造方法、船舶並びに液化燃料輸送船を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の第1態様に係る液化燃料輸送船の改造方法は、球形の液化燃料艙と、該液化燃料艙と機関室との間を船体縦方向に区画する隔壁とを備えた液化燃料輸送船の改造方法において、前記船体縦方向で前記機関室の前記隔壁側となる領域の舷側側外板部にバラスト水処理装置の搬入開口部を設け、次に、前記搬入開口部から
2組の前記バラスト水処理装置の処理ユニットを搬入し、次に、前記機関室に設置されている
船幅方向の左右一対のバラストポンプの横となる
、それぞれの前記バラストポンプに対して舷側
側に前記処理ユニットを
1組ずつ配置し、次に、前記バラストポンプと前記処理ユニットとの間をそれぞれ
1組ずつ配管すると共に、既存のバラスト水配管と処理ユニット側配管とを
1組ずつ連結
し、前記隔壁の下端壁部を分離して、前記下端壁部を前記機関室側から前記液化燃料艙の船尾側下方位置まで延設し、同延設部に前記バラスト水処理装置を設置することを特徴とするものである。
【0012】
このような液化燃料輸送船の改造方法によれば、船体縦方向で機関室の隔壁側となる領域の舷側側外板部にバラスト水処理装置の搬入開口部を設け、次に、搬入開口部からバラスト水処理装置の処理ユニットを搬入し、次に、機関室に設置されているバラストポンプの横となる舷側
側に処理ユニットを配置し、次に、バラストポンプと処理ユニットとの間をそれぞれ配管すると共に、既存のバラスト水配管と処理ユニット側配管とを連結するので、就航船の狭い船内にバラスト水処理装置を搭載する改造工事の船内作業を容易に実施できるようになり、工期の短縮が可能となる。
そして、このような改造により、バラスト水処理装置はバラストポンプの近傍に設置されるので、バラスト水処理装置の設置に伴う配管長や圧力損失を最小限に抑えることが可能になり、しかも、非防爆仕様のバラスト水処理装置を使用可能となる。
【0013】
本発明の第2態様に係る液化燃料輸送船の改造方法は、球形の液化燃料艙と、該液化燃料艙と機関室との間を船体縦方向に区画する隔壁とを備えた液化燃料輸送船の改造方法において、前記船体縦方向で前記機関室の前記隔壁側となる領域の舷側側外板部にバラスト水処理装置の搬入開口部を設け、次に、前記搬入開口部から
2組の前記バラスト水処理装置の処理ユニットとフィルターユニットとを搬入し、次に、前記機関室
に搭載されている主機よりも船首側の船幅方向に左右一対設置されたバラストポンプと前記隔壁との間に前記フィルターユニットを
1組ずつ配置し、前記バラストポンプの横となる
、それぞれの前記バラストポンプに対して舷側
側に前記処理ユニットを
1組ずつそれぞれ配置し、次に、前記バラストポンプ
の吐出側と前記フィルターユニット、及び前記フィルターユニットと前記処理ユニットとの間をそれぞれ
1組ずつ配管
して、前記バラストポンプ、前記フィルターユニット及び前記処理ユニットの順に直列に配管接続すると共に、既存のバラスト水配管とユニット側配管とを
1組ずつ連結することを特徴とするものである。
【0014】
このような液化燃料輸送船の改造方法によれば、船体縦方向で機関室の隔壁側となる領域の舷側側外板部にバラスト水処理装置の搬入開口部を設け、次に、搬入開口部からバラスト水処理装置の処理ユニットとフィルターユニットとを搬入し、次に、機関室に設置されているバラストポンプと隔壁との間にフィルターユニットを、バラストポンプの横となる舷側
側に処理ユニットをそれぞれ配置し、次に、バラストポンプとフィルターユニット、及びフィルターユニットと処理ユニットとの間をそれぞれ配管すると共に、既存のバラスト水配管とユニット側配管とを連結するので、就航船の狭い船内にバラスト水処理装置を搭載する改造工事の船内作業を容易に実施できるようになり、工期の短縮が可能となる。
そして、このような改造により、バラスト水処理装置はバラストポンプの近傍に設置されるので、バラスト水処理装置の設置に伴う配管長や圧力損失を最小限に抑えることが可能になり、しかも、非防爆仕様のバラスト水処理装置を使用可能となる。
【0015】
上述した本発明の第1態様及び第2態様においては、前記隔壁を前記機関室側から前記液化燃料艙の船尾側下方位置まで延設し、同延設部に前記バラスト水処理装置を設置することが好ましい。
【0016】
このような液化燃料輸送船の改造方法によれば、機関室側から液化燃料艙の船尾側下方位置まで隔壁を延設させ、同延設部にバラスト水処理装置を設置するので、球形の液化燃料艙下部に形成されている未使用スペースを有効利用して、バラスト水処理装置をバラストポンプ近傍に設置することが可能になる。具体的に説明すると、MOSS型の液化燃料輸送船に特有なボイドスペース、すなわち機関室隔壁の船首側にあり、球形となる液化燃料艙の影響で有効に使用されていないバラストポンプ近傍のスペースを有効に活用してする。
【0017】
本発明の第3態様に係る船舶の改造方法は、船艙または居住区と機関室との間を区画する隔壁を備えた船舶の改造方法において、前記機関室の舷側外板部の前記隔壁に近接した位置にバラスト水処理装置の搬入開口部を設け、次に、前記搬入開口部から
2組の前記バラスト水処理装置のフィルターユニットと処理ユニットとをそれぞれユニット毎に搬入し、前記機関室内において前記各ユニットをそれぞれ吊下げた状態で前記機関室内の所定位置上まで搬入し、次に、前記吊下げを緩め、
船底より上の前記機関室内の船底甲板上に前記機関室
に搭載されている主機よりも船首側の船幅方向に左右一対設置されたバラストポンプと前記隔壁との間の前記船底甲板に、前記フィルターユニットを1組ずつ配置し、前記バラストポンプの横となる、それぞれの前記バラストポンプに対して舷側側の前記船底甲板に前記処理ユニットを1組ずつそれぞれ配置し、
前記バラストポンプ
の吐出側と前記フィルターユニット、
及び同フィルターユニットと前記処理ユニットと
の間をそれぞれ1組ずつ配管して、前記バラストポンプ、前記フィルターユニット及び前記処理ユニットの順に直列に配管接続すると共に、
前記処理ユニットと前記船舶
に既存しているバラスト水供給配管とをそれぞれ接続することを特徴とするものである。
【0018】
このような船舶の改造方法によれば、機関室の
舷側外板部の隔壁に近接した位置にバラスト水処理装置の搬入開口部を設け、次に、搬入開口部から
バラスト水処理装置のフィルターユニットと処理ユニットとをそれぞれユニット毎に搬入し、機関室内において各ユニットをそれぞれ吊下げた状態で機関室内の所定位置上まで搬入し、次に、吊下げを緩め、
機関室の所定位置に
各ユニットを配置し、
船舶のバラストポンプとフィルターユニットとを、同フィルターユニットと処理ユニットとを、同処理ユニットと船舶のバラスト水供給配管とを、それぞれ接続するので、就航船の狭い船内にバラスト水処理装置を搭載する改造工事の船内作業を容易に実施できるようになり、工期の短縮が可能となる。
そして、このような改造により、バラスト水処理装置はバラストポンプの近傍に設置されるので、バラスト水処理装置の設置に伴う配管長や圧力損失を最小限に抑えることが可能になる。
【0019】
本発明の第4態様に係る船舶は、船艙または居住区と機関室との間を区画する隔壁と、船底より上の前記機関室内の船底甲板上に
、前記機関室内に搭載されている主機よりも船首側の船幅方向に左右一対設置されているバラストポンプとを備えた船舶において、前記機関室の前記船底甲板上に設置され、フィルターユニット及び処理ユニットを備えている2組のバラスト水処理装置がそれぞれ、前記複数のバラストポンプの一方と他方にそれぞれ接続され、前記処理ユニットのそれぞれを
、前記バラストポンプの
横となる、それぞれの前記バラストポンプに対して舷側側に
1組ずつ配置し、かつ、前記フィルターユニットのそれぞれを前記バラストポンプと前記隔壁との間に
1組ずつ配置し
、前記バラストポンプの吐出側と前記フィルターユニット、及び前記フィルターユニットと前記処理ユニットとの間をそれぞれ1組ずつ配管して、前記バラストポンプ、前記フィルターユニット及び前記処理ユニットの順に直列に配管接続したことを特徴とするものである。
【0020】
このような船舶によれば、
機関室の船底甲板上に設置され、フィルターユニット及び処理ユニットを備えている2組のバラスト水処理装置が、複数のバラストポンプの一方と他方にそれぞれ接続され、処理ユニットのそれぞれをバラストポンプの右舷側と左舷側とに配置し、かつ、フィルターユニットのそれぞれをバラストポンプと隔壁との間に配置しているので、バラスト水処理装置をバラストポンプ近傍に設置して配管長や圧力損失を最小限に抑えることができる。すなわち、隔壁を船艙側へ移動させてバラスト水処理装置の設置スペースを確保した構成により、バラスト水処理装置の設置に伴う配管長や圧力損失の増大を最小限に抑えることができる。
この場合、
前記隔壁を前記機関室側から前記船艙または前記居住区の船尾側下方位置まで延設し、同延設部に前記フィルターユニットを設置することが好ましく、これにより、貨物船等の船舶においては、バラスト水処理装置の設置に伴う船艙の積載スペース低減を最小限に抑えることができる。
【0021】
本発明の第5態様に係る液化燃料輸送船は、球形の液化燃料艙と、前記液化燃料艙と機関室との間を区画する隔壁と、前記機関室内の船底甲板上に
、前記機関室内に搭載されている主機よりも船首側の船幅方向に左右一対設置されたバラストポンプとを備えた液化燃料輸送船において、前記機関室の前記船底甲板上に設置され、フィルターユニット及び処理ユニットを備えている2組のバラスト水処理装置がそれぞれ
、前記
複数のバラストポンプと接続され、前記処理ユニットのそれぞれを
、前記バラストポンプの
横となる、それぞれの前記バラストポンプに対して舷側側に
1組ずつ配置し、かつ、前記フィルターユニットのそれぞれを前記バラストポンプと前記隔壁との間に
1組ずつ配置し
、前記バラストポンプの吐出側と前記フィルターユニット、及び前記フィルターユニットと前記処理ユニットとの間をそれぞれ1組ずつ配管して、前記バラストポンプ、前記フィルターユニット及び前記処理ユニットの順に直列に配管接続したことを特徴とするものである。
【0022】
このような液化燃料輸送船によれば、
機関室の船底甲板上に設置され、フィルターユニット及び処理ユニットを備えている2組のバラスト水処理装置がそれぞれバラストポンプと接続され、処理ユニットのそれぞれはバラストポンプの舷側側に配置され、かつ、フィルターユニットのそれぞれはバラストポンプと隔壁との間に配置されているので、バラスト水処理装置をバラストポンプ近傍に設置して配管長や圧力損失を最小限に抑えることができる。すなわち、隔壁を液化燃料艙側へ移動させてバラスト水処理装置の設置スペースを確保した構成により、バラスト水処理装置の設置に伴う配管長や圧力損失の増大を最小限に抑えることができる。
この場合、
前記隔壁を前記機関室側から前記液化燃料艙の船尾側下方位置まで延設し、同延設部に前記フィルターユニットを設置することが好ましく、これにより、液化燃料輸送船においては、液化燃料艙の船尾側下方に存在する未使用スペース(たとえばボイドスペース)を有効利用して、バラスト水処理装置を効率よく設置することができる。
【発明の効果】
【0023】
上述した本発明によれば、貨物船や液化燃料輸送船のような多種多様な船舶に対して、新造船及び就航船にかかわらず各種のバラスト水処理装置を効率よく容易に設置可能となる。
そして、バラスト水処理装置をバラストポンプの近傍に設置可能となるため、バラスト水処理装置の設置に伴う配管物量や圧力損失の増大を抑制できる。
【0024】
また、危険物を輸送する液化燃料輸送船のような船舶においては、隔壁の機関室側に非防爆仕様のバラスト水処理装置を設置できるため、コスト面でも有利になる。
さらに、既存の就航船においては、搬入開口部を設けてバラスト水処理装置を設置するため狭い船内での作業が容易になり、改造に要する工期の短縮が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る液化燃料輸送船及び船舶の改造方法、船舶並びに液化燃料輸送船について、その一実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、船舶の一例として液化燃料輸送船の船舶右舷を示す側面図である。この液化燃料輸送船は、MOSS型の液化天然ガス輸送船(以下、「LNG輸送船」と呼ぶ。)であり、船体縦方向(長さ方向)の進行方向前方から順に、船首部、船体中央部、船尾部と呼ばれている。
【0027】
図示のLNG輸送船1には、船体中央部に球形のLNGタンク(液化燃料艙)2が設置されている。このLNGタンク2は、LNG輸送船1の船体縦方向へ直列に3基設置されているが、これらの形状、設置位置、数量については特に限定されることはない。なお、LNGタンク2の下方には、安全構造としてホールドスペース3が設けられている。
また、LNG輸送船1の船尾部には、操舵室や乗員居室等よりなる居住区4や、船舶の運行に必要となる主要設備を設置した機関室10が設けられている。
【0028】
このように、LNG輸送船1は、球形のLNGタンク2を有し、LNGタンク2と機関室10との間が、すなわちホールドスペース3と機関室10との間が、隔壁11により区画されている。
図示のLNG輸送船1において、居住区4の下方に設けた機関室10の内部には、
図1及び
図2に示すように、船底甲板12、第1甲板13及び第2甲板14が船底5側から順に設けられている。なお、
図1において、図中の符号15はプロペラ、16は舵である。
【0029】
機関室10の内部に設置される主要機器類としては、たとえば船底甲板12に設置されている船舶航行用駆動源の主機16、バラストポンプ17及びバラスト水処理装置30がある。この他にも、機関室10の内部には、たとえばLNG船1内で使用する電力の発電設備など、図示しない各種の機械設備が設置されている。
【0030】
バラストポンプ17は、図示しないバラストタンクに対して、荷役の進行と同時に海水等のバラスト水を吸入または排水するためのポンプである。すなわち、バラストポンプ17は、船体の姿勢制御や復原性確保を目的としてバラストタンクに積載されるバラスト水を吸排水するためのポンプである。図示の構成例では、左右一対のバラストポンプ17を備えているが、たとえば予備のポンプを増設した構成など特に限定されることはない。
なお、バラストタンクは、たとえばホールドスペース3等の空間部分を利用して設けられており、また、バラストタンクは、船舶の舷側や船底に設置されている。
【0031】
バラスト水処理装置30は、バラスト水に含まれる種々の微生物類を除去または死滅させる装置である。すなわち、バラスト水処理装置30は、積み荷の状態等に応じてバラストタンク内に取水したバラスト水が貨物の積載量を増すにつれて排水されることから、バラスト水に含まれる微生物類を除去または死滅させた状態で排水できるように取水時または排水時に処理して、取水港周辺に生息する微生物類が他の海域に排水されて生態系に影響を及ぼすことを防止するための装置である。
【0032】
図示のバラスト水処理装置30は、一例としてフィルターユニット31と処理ユニット32とを備え、各バラストポンプ17の吐出側配管33に接続して左右一対設置されている。なお、本実施例では、フィルターユニット31と処理ユニット32とを備えた事例で説明しているが、バラスト水処理装置のシステムによっては、フィルタを装備しないものもある。何れにしても、バラスト水処理装置をユニット化して搬入するのが好ましい。
一方のフィルターユニット31は、バラストポンプ17で吸排水するバラスト水から、処理ユニット32の上流側で所定の粒径より大きい固体状の物質を物理的に除去する装置である。また、フィルターユニット31の下流側に設置される処理ユニット32は、バラストポンプ17で吸排水するバラスト水中の各種微生物類を、薬剤等により殺滅処理するための装置である。
【0033】
フィルターユニット31と処理ユニット32との間は、バラスト水処理配管34で接続されている。そして、処理ユニット32で微生物類を除去または死滅させる処理が施されたバラスト水は、バラスト水供給配管35を通ってバラストタンクへ供給される。なお、図示のバラスト水処理装置30は、バラストポンプ17で吸水したバラスト水を殺滅処理してバラストタンクへ供給する配管系等を例示しているが、図示しない配管系統に設けた開閉弁等を操作することで、バラストタンク内のバラスト水を海水へ排水することも可能である。
すなわち、機関室10の内部には、バラストポンプ17、フィルターユニット31及び処理ユニット32が直列に配管接続された二組のバラスト水系統が設置されている。
【0034】
このようなLNG輸送船1においては、バラストポンプ17の舷側側にバラスト水処理装置30の処理ユニット32が配置され、そして、バラストポンプ17と隔壁11との間にバラスト水処理装置30のフィルターユニット31が配置されている。すなわち、バラストポンプ17の船幅方向外側に処理ユニット32を配置し、バラストポンプ17の船首側にフィルターユニット31を配置することが望ましい。
【0035】
このようなバラスト水処理装置30の配置により、配管距離を最短にして、バラスト水処理装置30をバラストポンプ17の近傍に効率よく設置することができる。すなわち、バラスト水処理装置30の設置に伴うバラスト水処理配管34等の配管長や圧力損失を最小限に抑えることができる。
そして、たとえば新造船の場合、隔壁11をLNGタンク2側へ移動させてバラスト水処理装置30の設置スペースを確保する配置構成とすれば、バラスト水処理装置30の設置に伴う配管長や圧力損失の増大を最小限に抑えることができる。なお、本実施例では、図示しない船底の海水取入れ口はバラストポンプ17の近傍にあるが、前記海水取入れ口から配管を延設してバラストポンプ17の位置を変更してもよい。
【0036】
また、就航船にバラスト水処理装置30を追加設置する場合、隔壁11の改造等が可能であれば、バラストポンプ17の舷側側に処理ユニット32を設置し、バラストポンプ17と隔壁11との間にフィルターユニット31を設置することが好ましい。
この場合のフィルターユニット31は、たとえば他の実施形態として
図3に示す機関室10Aのように、最後尾となるLNGタンク2の船尾側下方に延設した隔壁部位に配置することが好ましい。
【0037】
具体的に説明すると、隔壁11の下方部分に相当する下端壁部11aを部分的に分離して船首側へ移動させ、隔壁11の下端部と下端壁部11aの上端部とを天井壁部11bで連結する。この結果、機関室10Aには、隔壁11の下端部側がホールドスペース3A側へ突出するようにして、隔壁部位となる機関室拡張部18が形成される。
このため、機関室10A内に形成された凹部空間を利用し、フィルターユニット31の設置が可能となる。すなわち、機関室10A内のバラストポンプ17と隔壁11との間に配置することが望ましいフィルターユニット31は、機関室拡張部18を利用して容易に設置可能となる。
【0038】
この場合、機関室拡張部18は、隔壁11の上下方向において下方の一部(たとえば船底甲板12と第1甲板13との間)に形成するが、隔壁11の船幅方向については、全幅にわたる機関室拡張部18としてもよいし、あるいは、必要箇所のみ部分的に船首側へ移動させた凹部の機関室拡張部18としてもよい。
なお、機関室拡張部18は、フィルターユニット31の設置を容易にするだけでなく、処理ユニット32の設置やバラスト水処理配管34等の取り回し等についても自由度を増し、バラスト水処理装置30の追加設置を容易にする。
【0039】
また、上述した機関室拡張部18は、MOSS型のLNG輸送船1において有効に利用されていない空間を利用したものである。このスペースは、LNGタンク2が球形であるために船尾側下方に存在する、ホールドスペース3内の未使用スペースである。
このため、機関室拡張部18の形成は、LNG輸送船1の基本的な構造や機器類の配置を実質的に変更することなく、未使用空間を有効に利用して効率よくバラスト水処理装置30を追加設置可能とするので、就航船及び新造船の双方にとって、機関拡張部18の形成は有効なバラスト水処理装置30の設置構造となる。
【0040】
さて、上述したLNG輸送船1の就航船(既存船)にバラスト水処理装置30を追加設置する場合、好適な改造方法としては以下に説明する方法がある。
すなわち、球形のLNGタンク2と、このLNGタンク2と機関室10との間を区画する隔壁11とを備えたLNG輸送船1の改造方法では、
図1及び
図2に示すように、第1工程として機関室10の舷側側の外板部6にバラスト水処理装置30の搬入開口部20を設ける。この搬入開口部20は、バラスト水処理装置30を構成するフィルターユニット31及び処理ユニット32の外径寸法を考慮して、ユニット毎に搬入可能な幅寸法W及び高さ寸法Hを決定する。
【0041】
また、バラスト水処理装置30は、たとえばフィルターユニット31及び処理ユニット32のように、地上で組み立ててユニット化(一体または2〜3分割程度)しておくことが望ましい。しかし、LNG輸送船1の構造等によっては、フィルターユニット31及び処理ユニット32を分解して搬入可能な寸法としてもよい。
【0042】
図1及び
図2に示す搬入開口部20は、隔壁11よりも機関室10側となる位置に設けられたものである。すなわち、この搬入開口部20は、機関室拡張部18のない隔壁11により機関室10とホールドスペース3とが区画された構造のLNG輸送船1に適用されるものである。
また、
図4に示す搬入開口部20Aは、機関室拡張部18を形成した隔壁11により機関室10Aとホールドスペース3Aとが区画された構造のLNG輸送船1Aに適用されるものであり、隔壁11より船首側に設けられている。なお、図中の符号Aは、LNG輸送船1Aの船台を示している。
なお、図示の搬入開口部20は右舷側の外板部6に設けられているが、左舷側の外板部6に設けてもよい。
【0043】
次の第2工程では、搬入開口部20からバラスト水処理装置30の処理ユニット32とフィルターユニット31とを順次搬入する。図示の構成例では、搬入開口部20が右舷側の外板部6に設けられているので、最初は左舷側に設置するバラスト水処理装置30の処理ユニット32及びフィルターユニット31の順に搬入し、続いて右舷側に設置するバラスト水処理装置30のフィルターユニット31及び処理ユニット32の順に搬入する。
この場合、フィルターユニット31及び処理ユニット32の搬入時には、たとえば
図5に示すように、2基のクレーン40を用いて搬入開口部20付近まで搬送する。
フィルターユニット31及び処理ユニット32の機関室10内への搬入は、各ユニットをクレーン40で吊るした状態で、機関室10側からたとえばチェーンブロックなどの引張吊下げ具で索引し、引張吊下げ具で吊下げた状態で機関室10の所定位置上まで移動させ、引張吊下げ具を緩めて所定位置に着座設置する。
また、図中に想像線で示すように、搬入開口部20付近に複数の回転水平ロールCを備えた台車Bを設け、各ユニットを台車B上で水平移動させて機関室10内に搬入してもよい。
【0044】
次の第3工程では、機関室10に設置されているバラストポンプ17の舷側側に処理ユニット32を、そして、バラストポンプ17と隔壁11との間にフィルターユニット31をそれぞれ配置する。このとき、クレーン40で搬入開口部20まで搬送したフィルターユニット31及び処理ユニット32は、図示しない船内クレーン等の搬送手段を用いて所定の設置位置まで搬送され、アンカーボルト等により固定設置される。
【0045】
次の第4工程では、バラストポンプ17とフィルターユニット31との間を吐出側配管33で、そして、フィルターユニット31と処理ユニット32との間をバラスト水処理配管34で、それぞれ配管により接続する。また、処理ユニット32にバラスト水供給配管35を接続するとともに、必要な電気・計装工事が施工されることで、バラスト水処理装置30を設置する改造は完了する。
【0046】
このようなLNG輸送船(液化燃料輸送船)1の改造方法によれば、上述した第1工程から第4工程までの手順で改造するので、すでに全ての機器類が設置されている就航船の狭い船内にバラスト水処理装置30を搭載し、機関室10内の所定位置にバラスト水処理装置30を設置する改造工事の船内作業を容易に実施できるようになる。従って、既存のLNG輸送船1にバラスト水処理装置30を追加設置する改造工事は、搬入開口部20の有効利用によって工期の短縮が可能となる。
【0047】
そして、上述した改造方法を実施することにより、バラストポンプ17の近傍にバラスト水処理装置30を容易に設置可能となるので、バラスト水処理装置30の設置に伴う吐出側配管33、バラスト水処理配管34及びバラスト水供給配管35の配管長増加を抑制できる。また、配管長増加の抑制は、バラスト水の圧力損失増加を最小限に抑えることができるので、既存のバラストポンプ17を転用し易くなり、しかも、バラストポンプ17の運転に要する動力の増加も抑制できる。
また、バラスト水処理装置30は、隔壁11で仕切られてLNGが存在しない機関室10内に設置されるので、電気・計装機器類を非防爆仕様としたバラスト水処理装置の使用が可能となり、コスト面でも有利になる。
【0048】
一方、球形のLNGタンク2と、このLNGタンク2が設置されているホールドスペース3Aと機関室10Aとの間を区画する隔壁11とを備えているLNG輸送船1Aの改造方法では、LNGタンク2の船尾下方位置まで隔壁11を延設し、同延設部にバラスト水処理装置30を設置する。
【0049】
すなわち、機関室10Aにバラスト水処理装置30を設置する十分なスペースがないLNG輸送船1Aのような就航船では、LNGタンク2の船尾下方位置まで隔壁11を部分的に船首側へ移動させ、上述した機関室拡張部18を形成する。この機関室拡張部18は隔壁11の延設部となり、この延設部により機関室10Aが拡大されるので、機関室拡張部18内にバラスト水処理装置30を設置することが可能となる。
【0050】
このような改造方法とすれば、バラスト水処理装置30を機関室拡張部18に設置するので、球形としたLNGタンク2の下部に形成されている未使用スペースを有効に利用して、バラスト水処理装置30をバラストポンプ17の近傍に設置できる。具体的に説明すると、MOSS型のLNG輸送船1Aに特有な未使用スペースを有効に活用し、バラスト水処理装置30をバラストポンプ17の近傍に設置することが可能となる。
このような改造方法でも、バラスト水処理装置30の追加設置に伴う配管長や圧力損失の増大を抑制し、しかも、非防爆仕様のバラスト水処理装置30を設置できる。
【0051】
さて、上述した実施形態では、船舶の一例としてLNG船1への適用例を説明したが、たとえばLPG船のような液化燃料輸送船についても同様に適用可能である。
また、他の実施形態では、以下に説明するように、貨物船のような船舶についても同様に適用可能である。この場合、
図1及び
図2のホールドスペース3を船艙と読み替えればよい。
【0052】
船舶が貨物船の場合には、LNG船1と同様に、積荷を積載する船艙(不図示)と機関室10との間が隔壁11により区画されている。また、機関室10には、バラストポンプ17が設置されている。
このような貨物船においても、バラストポンプ17の舷側側にバラスト水処理装置30の処理ユニット32を配置し、さらに、バラストポンプ17と隔壁11との間にバラスト水処理装置30のフィルターユニット31を配置する。
【0053】
このような貨物船は、バラストポンプ17が設置されている機関室10内にバラスト水処理装置30を配置したので、バラスト水処理装置30がバラストポンプ17の近傍に設置されることにより、配管長や圧力損失を最小限に抑えることができる。すなわち、隔壁11を船艙側へ移動させてバラスト水処理装置30の設置スペースを確保した構成とすることにより、バラスト水処理装置30の設置に伴う配管長や圧力損失の増大を最小限に抑えることができる。
【0054】
また、貨物船においても、就航船にバラスト水処理装置30を追加設置する場合には、隔壁11の改造等により可能であれば、バラストポンプ17の舷側側に処理ユニット32を設置し、バラストポンプ17と隔壁11との間にフィルターユニット31を設置することが好ましい。
この場合のフィルターユニット31は、船艙の船尾側下方に延設した隔壁部位に配置することが好ましい。
【0055】
具体的に説明すると、たとえば
図3に示すように、隔壁11の下方部分に相当する下端壁部11aを部分的に分離して船艙(船首)側へ移動させ、隔壁11の下端部と下端壁部11aの上端部とを天井壁部11bで連結する。この場合、
図3のホールドスペース3Aを船艙と読み替えればよい。
この結果、機関室10Aには、隔壁11の下端部側が船艙側へ突出するようにして、隔壁部位となる機関室拡張部18が形成される。
【0056】
このため、機関室10A内に形成された凹部空間の機関室拡張部18を利用し、フィルターユニット31の設置が可能となる。すなわち、機関室10A内のバラストポンプ17と隔壁11との間に配置することが望ましいフィルターユニット31は、機関室拡張部18を利用して容易に設置可能となるので、貨物船においては、バラスト水処理装置30の設置に伴う船艙の積載スペース低減を最小限に抑えることができる。
【0057】
また、上述した貨物船の就航船(既存船)にバラスト水処理装置30を追加設置する場合、好適な改造方法としては以下に説明する方法がある。
すなわち、船艙と機関室10との間を区画する隔壁11とを備えた貨物船の改造方法では、
図1及び
図2に示すように、第1工程として機関室10の舷側側の外板部6にバラスト水処理装置30の搬入開口部20を設ける。この搬入開口部20は、バラスト水処理装置30を構成するフィルターユニット31及び処理ユニット32の外径寸法を考慮して、ユニット毎に搬入可能な幅寸法W及び高さ寸法Hを決定する。なお、LNG輸送船1の構造等によっては、フィルターユニット31及び処理ユニット32を分解して搬入可能な寸法としてもよい。
【0058】
図1及び
図2に示す搬入開口部20は、隔壁11よりも機関室10側となる位置に設けられたものである。すなわち、この搬入開口部20は、機関室拡張部18のない隔壁11により機関室10と船艙とが区画された構造の貨物船に適用されるものである。
また、
図4に示す搬入開口部20Aは、機関室拡張部18を形成した隔壁11により機関室10Aと船艙とが区画された構造の貨物船に適用されるものであり、隔壁11より船艙(船首)側に設けられている。
【0059】
次の第2工程では、搬入開口部20からバラスト水処理装置30の処理ユニット32とフィルターユニット31とを順次搬入する。この場合、処理ユニット32及びフィルターユニット31の搬入順序及び搬入手順は、上述したLNG船1と同様である。
【0060】
次の第3工程では、LNG船1と同様にして、機関室10に設置されているバラストポンプ17の舷側側に処理ユニット32を、そして、バラストポンプ17と隔壁11との間にフィルターユニット31をそれぞれ配置する。
次の第4工程では、バラストポンプ17とフィルターユニット31との間を吐出側配管33で、そして、フィルターユニット31と処理ユニット32との間をバラスト水処理配管34で、それぞれ配管により接続する。また、処理ユニット32にバラスト水供給配管35を接続するとともに、必要な電気・計装工事が施工されることで、バラスト水処理装置30を設置する改造は完了する。
その後、搬入開口部20を開けて得られた開口外板を搬入開口部20に溶接取付する。この際、搬入開口部20を設ける前に切断線上をまたいでヒンジを溶接固定しておき、開口外板をヒンジ扉式に開放設置しておいてもよい。
【0061】
このような貨物船の改造方法によれば、上述した第1工程から第4工程までの手順で改造するので、すでに全ての機器類が設置されている就航船の狭い船内にバラスト水処理装置30を搭載し、機関室10内の所定位置にバラスト水処理装置30を設置する改造工事の船内作業を容易に実施できるようになる。従って、既存の貨物船にバラスト水処理装置30を追加設置する改造工事は、搬入開口部20の有効利用によって工期の短縮が可能となる。
【0062】
また、上述した改造方法を実施することにより、バラストポンプ17の近傍にバラスト水処理装置30を容易に設置可能となるので、バラスト水処理装置30の設置に伴う配管長の増加を抑制できる。また、配管長増加の抑制は、バラスト水の圧力損失増加を最小限に抑えることができるので、既存のバラストポンプ17を転用し易くなり、しかも、バラストポンプ17の運転に要する動力の増加も抑制できる。
【0063】
このように、上述した本実施形態の液化燃料輸送船及び船舶の改造方法、船舶並びに液化燃料輸送船船舶によれば、貨物船や液化燃料輸送船のような多種多様な船舶に対し、新造船及び就航船にかかわらず各種のバラスト水処理装置30を効率よく容易に設置可能となる。しかも、バラスト水処理装置30をバラストポンプ17の近傍に設置できるので、バラスト水処理装置30の設置に伴う配管物量や圧力損失の増大を抑制できる。
また、危険物を輸送するLNG船1のような船舶においては、隔壁11の機関室10側に非防爆仕様のバラスト水処理装置30を設置できるため、コスト面でも有利になる。
【0064】
さらに、既存の就航船においては、搬入開口部20,20Aを設けてバラスト水処理装置30を設置するため、狭い船内での作業が容易になり、改造に要する工期の短縮が可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。