特許第5798835号(P5798835)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798835
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】電子部品装着装置及び電子部品装着方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   H05K13/02 U
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-174380(P2011-174380)
(22)【出願日】2011年8月9日
(65)【公開番号】特開2013-38284(P2013-38284A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】内田 聖人
(72)【発明者】
【氏名】大西 聖司
(72)【発明者】
【氏名】和田 俊明
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−128400(JP,A)
【文献】 特開2007−103734(JP,A)
【文献】 特開2011−061162(JP,A)
【文献】 特開2010−010436(JP,A)
【文献】 特開2011−124518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に設けられた第1の生産ラインと第2の生産ラインに基板を搬送し、互いに対向して設けられた2本の装着ヘッドで、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側にそれぞれ存在する部品供給エリアに設けられたフィーダから電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する電子部品装着方法において、
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインが生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取りステップを有し、
前記ライン幅段取りステップは、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、前記第1可動シュートに隣接した第2可動シュートの所定位置を第2の基準位置として変更し、
前記ライン幅の変更を前記第1の生産ラインで行うときは、前記第1可動シュートを前記固定シュート側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第1可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着方法。
【請求項2】
中央部に設けられた第1の生産ラインと第2の生産ラインに基板を搬送し、互いに対向して設けられた2本の装着ヘッドで、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側にそれぞれ存在する部品供給エリアに設けられたフィーダから電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する電子部品装着方法において、
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインが生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取りステップを有し、
前記ライン幅段取りステップは、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、前記第1可動シュートに隣接した第2可動シュートの所定位置を第2の基準位置として変更し、
前記ライン幅の変更を前記第2の生産ラインで行うときは、前記第2可動シュートと前記第3可動シュートを前記4本のシュートの他端側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第2可動シュートを前記第2の基準位置に、前記第3可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着方法。
【請求項3】
中央部に設けられた第1の生産ラインと第2の生産ラインに基板を搬送し、互いに対向して設けられた2本の装着ヘッドで、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側にそれぞれ存在する部品供給エリアに設けられたフィーダから電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する電子部品装着方法において、
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインが生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取りステップを有し、
前記ライン幅段取りステップは、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、最も前記4本のシュートの他端側に設けられた第3可動シュートの所定位置を基準位置として変更し、
前記ライン幅の変更を前記第1の生産ラインで行うときは、前記第1可動シュートを前記固定シュート側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第1可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着方法。
【請求項4】
中央部に設けられた第1の生産ラインと第2の生産ラインに基板を搬送し、互いに対向して設けられた2本の装着ヘッドで、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側にそれぞれ存在する部品供給エリアに設けられたフィーダから電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する電子部品装着方法において、
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインが生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取りステップを有し、
前記ライン幅段取りステップは、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、最も前記4本のシュートの他端側に設けられた第3可動シュートの所定位置を基準位置として変更し、
前記ライン幅の変更を前記第2の生産ラインで行うときは、前記第2可動シュートを他端側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第2可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着方法。
【請求項5】
前記ライン幅の変更が可能かどうか判断するライン幅段取り可否ステップを有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電子部品装着方法
【請求項6】
前記ライン幅段取り可否ステップは、前記ライン幅段取り以外の要因で前記ライン幅段取りを実施できないときを除いて、前記一方の生産ラインの前記装着ヘッドが前記他方の生産ライン側に存在する前記部品供給エリアに設けられた前記フィーダから前記電子部品を取り出すとき、又は前記他方の生産ラインの前記装着ヘッドで前記一方の生産ラインの前記基板に装着するときも、前記ライン幅を変更する前記ライン幅段取りを可能と判断することを特徴とする請求項に記載の電子部品装着方法。
【請求項7】
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインにそれぞれ前記基板を搬送して前記基板のそれぞれに前記電子部品を装着するデュアルモードと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインの一方の生産ラインに前記基板を搬送するシングルモードを有し、前記ライン幅段取り可否ステップは、前記シングルモードのときは前記ライン幅を変更する前記ライン幅段取りを不可と判断することを特徴とする請求項に記載の電子部品装着方法。
【請求項8】
中央部に設けられ、それぞれの基板を搬送する第1の生産ラインと第2の生産ラインと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側に設けられ、電子部品を供給するフィーダを備える部品供給エリアと、互いに対向して設けられ、前記フィーダから前記電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する2本の装着ヘッドと、これらを制御する制御装置とを有する電子部品装着装置において、
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインを生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取り手段を有し、
前記ライン幅段取り手段は、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、前記第1可動シュートに隣接した第2可動シュートの所定位置を第2の基準位置として変更するとともに、前記ライン幅の変更を前記第1の生産ラインで行うときは、前記第1可動シュートを前記固定シュート側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第1可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項9】
中央部に設けられ、それぞれの基板を搬送する第1の生産ラインと第2の生産ラインと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側に設けられ、電子部品を供給するフィーダを備える部品供給エリアと、互いに対向して設けられ、前記フィーダから前記電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する2本の装着ヘッドと、これらを制御する制御装置とを有する電子部品装着装置において、
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインを生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取り手段を有し、
前記ライン幅段取り手段は、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、前記第1可動シュートに隣接した第2可動シュートの所定位置を第2の基準位置として変更するとともに、前記ライン幅の変更を前記第2の生産ラインで行うときは、前記第2可動シュートと前記第3可動シュートを前記4本のシュートの他端側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第2可動シュートを前記第2の基準位置に、前記第3可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項10】
中央部に設けられ、それぞれの基板を搬送する第1の生産ラインと第2の生産ラインと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側に設けられ、電子部品を供給するフィーダを備える部品供給エリアと、互いに対向して設けられ、前記フィーダから前記電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する2本の装着ヘッドと、これらを制御する制御装置とを有する電子部品装着装置において、
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインを生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取り手段を有し、
前記ライン幅段取り手段は、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、最も前記4本のシュートの他端側に設けられた第3可動シュートの所定位置を基準位置として変更するとともに、前記ライン幅の変更を前記第1の生産ラインで行うときは、前記第1可動シュートを前記固定シュート側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第1可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項11】
中央部に設けられ、それぞれの基板を搬送する第1の生産ラインと第2の生産ラインと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側に設けられ、電子部品を供給するフィーダを備える部品供給エリアと、互いに対向して設けられ、前記フィーダから前記電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する2本の装着ヘッドと、これらを制御する制御装置とを有する電子部品装着装置において、
前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインを生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取り手段を有し、
前記ライン幅段取り手段は、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、最も前記4本のシュートの他端側に設けられた第3可動シュートの所定位置を基準位置として変更するとともに、前記ライン幅の変更を前記第2の生産ラインで行うときは、前記第2可動シュートを他端側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第2可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項12】
前記ライン幅の変更が可能かどうか判断するライン幅段取り可否手段を有することを特徴とする請求項8乃至11の何れか一項に記載の電子部品装着装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィーダから電子部品を取り出し、電子部品をプリント基板などの基板に装着する電子部品装着装置及び電子部品装着方法に係わり、特に基板を2つの生産ラインに流すデュアルラインを有する電子部品装着装置及び電子部品装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品装着装置は、例えば、複数の吸着ノズルなどの取出ノズル(以下の説明では吸着ノズルで行なう)を有する装着ヘッドによって、フィーダから電子部品を吸着して取り出し、プリント基板などの基板に装着する装置である。
電子装置(電子機器)は多機能化しており、基板に装着されて電子装置に組み込まれる電子部品の数も増加している。従って、一定時間にどの程度の数および種類の部品を基板に装着出来るかが、電子装置のコストに大きく影響し、また電子部品装着装置の性能の指標となる。
【0003】
そのために、従来から稼働率を向上させる試みがなされている。例えば、一台の電子部品装着装置に基板を2つの生産ラインに流すことができるデュアルライン装置がある。特許文献1に示すデュアルライン装置では、2つの装着ヘッドでそれぞれが担当する基板のみに実装(装着)させる独立モード、双方の基板に2つの装着ヘッドで交互に実装する交互打ちモードの2つのモードがあることが開示されている。
【0004】
また、非特許文献1には、一つの生産ラインではあるが、2つの装着ヘッドが装置の両側に設けられた部品吸着エリア(部品供給エリア)から自由に吸着することができ、また、二つの装着ヘッドが同一基板上に同時に装着できるオーバードライブモーション技術が開示されている。上記に示した独立モードのみを有する装置にも言えるが、特に上記従来技術が開示された多様なモードを持つシステムでは、デュアルライン装置において一方の生産ラインが稼働中は、他方の生産ラインではそのライン幅を変えることができない。他方の生産ラインのライン幅を変えるときは、一方の生産ラインも停止し、装置を段取りのモードにして変える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−239257号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日立評論VoL93 No.02 頁188−頁192(2011年2月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、昨今の電子装置(電子機器)は多機能化に伴い、生産機種の変更が多くなってきており、デュアルライン装置でも2つの生産ラインが独立して機種生産できる独立生産モードにおける稼働率を向上させることが望まれている。独立生産モードを実現する為の一つの条件に、一方の生産ラインの生産運転中に、他方の生産ラインでは基板幅に応じてライン幅、例えば基板を搬送するコンベア幅の変更ができることが必要である。
【0008】
定型的な典型的な独立生産(モード)としては、デュアルライン装置をあたかも二つの単一の生産ラインで構成したような動作をさせる完全独立生産(モード)がある。また、上記の特許文献1に示す交互打ちモードや非特許文献1で示すオーバードライブモーションモードでもライン幅を替えることができる準独立生産(モード)が存在する。また、完全独立生産モードでの生産は単一の装置で行うことが望ましいが、デュアルライン装置の稼働率の向上のために、安全で、確実に独立生産ができることが望まれている。
【0009】
従って、本発明の目的は、2つの生産ラインに有するデュアルライン装置である電子部品装着装置において、一方の生産ラインが生産運転中であっても、他方の生産ラインのライン幅を変えることができる稼働率の高い電子部品装着装置及び電子部品装着方法を提供することである。
【0010】
なお、機種とは基板と基板に与えられた処理を示す、基板サイズが同じでも装着パターンが異なれば異なった機種となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の目的を達成するために以下の特徴を有する。
本発明は、中央部に設けられた第1の生産ラインと第2の生産ラインに基板を搬送し、互いに対向して設けられた2本の装着ヘッドで、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側にそれぞれ存在する部品供給エリアに設けられたフィーダから電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する電子部品装着方法において、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインが生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取りステップを有し、前記ライン幅段取りステップは、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、前記第1可動シュートに隣接した第2可動シュートの所定位置を第2の基準位置として変更し、前記ライン幅の変更を前記第1の生産ラインで行うときは、前記第1可動シュートを前記固定シュート側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第1可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする。
また、本発明は、中央部に設けられた第1の生産ラインと第2の生産ラインに基板を搬送し、互いに対向して設けられた2本の装着ヘッドで、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側にそれぞれ存在する部品供給エリアに設けられたフィーダから電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する電子部品装着方法において、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインが生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取りステップを有し、前記ライン幅段取りステップは、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、前記第1可動シュートに隣接した第2可動シュートの所定位置を第2の基準位置として変更し、前記ライン幅の変更を前記第2の生産ラインで行うときは、前記第2可動シュートと前記第3可動シュートを前記4本のシュートの他端側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第2可動シュートを前記第2の基準位置に、前記第3可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする。
また、本発明は、中央部に設けられた第1の生産ラインと第2の生産ラインに基板を搬送し、互いに対向して設けられた2本の装着ヘッドで、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側にそれぞれ存在する部品供給エリアに設けられたフィーダから電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する電子部品装着方法において、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインが生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取りステップを有し、前記ライン幅段取りステップは、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、最も前記4本のシュートの他端側に設けられた第3可動シュートの所定位置を基準位置として変更し、前記ライン幅の変更を前記第1の生産ラインで行うときは、前記第1可動シュートを前記固定シュート側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第1可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする。
また、本発明は、中央部に設けられた第1の生産ラインと第2の生産ラインに基板を搬送し、互いに対向して設けられた2本の装着ヘッドで、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側にそれぞれ存在する部品供給エリアに設けられたフィーダから電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する電子部品装着方法において、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインが生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取りステップを有し、前記ライン幅段取りステップは、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、最も前記4本のシュートの他端側に設けられた第3可動シュートの所定位置を基準位置として変更し、前記ライン幅の変更を前記第2の生産ラインで行うときは、前記第2可動シュートを他端側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第2可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記ライン幅の変更が可能かどうか判断するライン幅段取り可否ステップを有することを特徴とする
【0015】
また、本発明は、前記ライン幅段取り可否ステップでは、前記ライン幅段取り以外の要因で前記ライン幅段取りを実施できないときを除いて、前記一方の生産ラインの前記装着ヘッドが前記他方の生産ライン側に存在する前記部品供給エリアに設けられた前記フィーダから前記電子部品を取り出すとき、又は前記他方の生産ラインの前記装着ヘッドで前記一方の生産ラインの前記基板に装着するときも、前記ライン幅を変更する前記ライン幅段取りを可能と判断することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインにそれぞれ前記基板を搬送して前記基板のそれぞれに前記電子部品を装着するデュアルモードと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインの一方の生産ラインに前記基板を搬送するシングルモードを有し、前記ライン幅段取り可否ステップは、前記シングルモードのときは前記ライン幅を変更する前記ライン幅段取りを不可と判断することを特徴とする。
また、本発明は、中央部に設けられ、それぞれの基板を搬送する第1の生産ラインと第2の生産ラインと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側に設けられ、電子部品を供給するフィーダを備える部品供給エリアと、互いに対向して設けられ、前記フィーダから前記電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する2本の装着ヘッドと、これらを制御する制御装置とを有する電子部品装着装置において、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインを生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取り手段を有し、前記ライン幅段取り手段は、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、前記第1可動シュートに隣接した第2可動シュートの所定位置を第2の基準位置として変更するとともに、前記ライン幅の変更を前記第1の生産ラインで行うときは、前記第1可動シュートを前記固定シュート側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第1可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする。
また、本発明は、中央部に設けられ、それぞれの基板を搬送する第1の生産ラインと第2の生産ラインと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側に設けられ、電子部品を供給するフィーダを備える部品供給エリアと、互いに対向して設けられ、前記フィーダから前記電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する2本の装着ヘッドと、これらを制御する制御装置とを有する電子部品装着装置において、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインを生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取り手段を有し、前記ライン幅段取り手段は、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、前記第1可動シュートに隣接した第2可動シュートの所定位置を第2の基準位置として変更するとともに、前記ライン幅の変更を前記第2の生産ラインで行うときは、前記第2可動シュートと前記第3可動シュートを前記4本のシュートの他端側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第2可動シュートを前記第2の基準位置に、前記第3可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする。
また、本発明は、中央部に設けられ、それぞれの基板を搬送する第1の生産ラインと第2の生産ラインと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側に設けられ、電子部品を供給するフィーダを備える部品供給エリアと、互いに対向して設けられ、前記フィーダから前記電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する2本の装着ヘッドと、これらを制御する制御装置とを有する電子部品装着装置において、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインを生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取り手段を有し、前記ライン幅段取り手段は、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、最も前記4本のシュートの他端側に設けられた第3可動シュートの所定位置を基準位置として変更するとともに、前記ライン幅の変更を前記第1の生産ラインで行うときは、前記第1可動シュートを前記固定シュート側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第1可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする電子部品装着装置。
また、本発明は、中央部に設けられ、それぞれの基板を搬送する第1の生産ラインと第2の生産ラインと、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインとの外側に設けられ、電子部品を供給するフィーダを備える部品供給エリアと、互いに対向して設けられ、前記フィーダから前記電子部品を取り出し、前記基板に前記電子部品を装着する2本の装着ヘッドと、これらを制御する制御装置とを有する電子部品装着装置において、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは4本のシュートを備え、第1の生産ラインは前記4本のシュートの一端側に設けられた移動しない固定シュートと前記固定シュートに隣接した移動可能な第1可動シュートとで構成され、前記第2の生産ラインは他の2本の移動可能な第2可動シュート、第3可動シュートとで構成され、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインは異なった機種の基板を搬送し、前記第1の生産ラインと前記第2の生産ラインのうちの一方の生産ラインを生産運転中に、他方の生産ラインの前記基板を搬送するライン幅を変更するライン幅段取りをするライン幅段取り手段を有し、前記ライン幅段取り手段は、前記第1の生産ラインの前記ライン幅を、前記固定シュートの位置を第1の基準位置として変更し、前記第2の生産ラインの前記ライン幅を、最も前記4本のシュートの他端側に設けられた第3可動シュートの所定位置を基準位置として変更するとともに、前記ライン幅の変更を前記第2の生産ラインで行うときは、前記第2可動シュートを他端側に規定された原点位置に復帰させ、その後、前記第2可動シュートを所定の前記ライン幅になるように移動させる、ことを特徴とする。
また、本発明は、電子部品装着装置において、前記ライン幅の変更が可能かどうか判断するライン幅段取り可否手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、2つの生産ラインに有するデュアルライン装置である電子部品装着装置において、一方の生産ラインが運転中であっても、他方の生産ラインのライン幅を変えることができる稼働率の高い電子部品装着装置及び電子部品装着方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態である電子部品装着装置の平面図である。
図2図1に示す4本のシュート5の構成を模式的に示した図である。
図3】独立生産(モード)を説明するための図である。
図4】本実施形態においてライン幅段取りが可能かどうかを判断するライン幅段取り可否判断フローを示す図である。
図5】本実施形態の独立生産モードにおけるデュアルラインの一方の生産ラインのライン幅を変更するライン幅段取りの第1の実施例の動作フローを示す図である。
図6】本実施形態の独立生産モードにおけるデュアルラインの他方の生産ラインのライン幅を変更するライン幅段取りの第1の実施例の動作フローを示す図である。
図7】本実施形態の独立生産モードにおけるデュアルラインの一方の生産ラインのライン幅を変更するライン幅段取りの第2の実施例の動作フローを示す図である。
図8】本実施形態の独立生産モードにおけるデュアルラインの他方の生産ラインのライン幅を変更するライン幅段取りの第2の実施例の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき、電子部品装着装置の実施形態を説明する。図1は電子部品装着装置1の平面図である。本電子部品装着装置1は、図面左側の上下に2ブロックLU,LD、図面右側の上下2ブロックRU,RDの計4ブロック(符号は基本的にLUブロックのみ記す。)に分かれている。それぞれのブロックには電子部品を供給するフィーダが多数設けられている部品供給エリア3、装着ヘッド6、装着ヘッドが固定され、リニアモータで構成する左右移動用レール8上を移動する装着ヘッド体11、及び基板への装着時に前記各装着ヘッド6の吸着ノズルの位置補正をするために、前記吸着ノズルの部品の吸着保持状態を撮像する部品認識カメラ19が設けられている。左右ブロックには、装着ヘッド体11が上下に移動するそれぞれの上下ブロックに共通のリニアモータで構成する上下移動用レール9が設けられている。また中央部には、基板Pを搬送する4つのシュート5があり、上側2本のシュート5c、5dが上側ブロック用の生産ラインUを、下側2本のシュート5a、5bが下側ブロック用の生産ラインDを構成する。基板Pは、受渡部7により振分けられ生産ラインU又はDに搬入される。また、電子部品装着装置1は、装着へド6による吸着や装着、装着ヘッド体11の移動などの全体を制御する制御装置10を有する。本実施形態における制御装置10は、非特許文献1に示したオーバードライブモーションを実現する制御プログラム等を有する。
【0020】
図2は、図1に示す4本のシュート5の構成を模式的に示した図である。図2(a)は上面図、図2(b)は各図シュートの側面図、図2(c)は、図2(a)において可動シュート5c、5d間の後述する基板位置決め部5pを矢印Aの方向から見たときの簡略図ある。
【0021】
各シュート5は、基板Pが搬入する基板供給部5s(以下、添字sは基板供給部に関するものを示す)、基板位置決め部5p(以下、添字pは基板位置決め部に関するものを示す)及び基板搬出部5e(以下、添字eは基板搬出部に関するものを示す)からなる。各部は、各シュートに取り付けられた搬送モータ5ms(以下、添字mはモータを示す。)、5mp、5meによって各搬送ベルト5vs(以下、添字vは搬送ベルトを示す)、5vp、5veを移動させて基板Pを上流側搬入口から下流側搬出口へと搬送する。
【0022】
基板位置決め部5pには、基板Pへの部品装着時に基板を支える基板バックアップ部20がある。基板バックアップ部20は、バックアップベース21、バックアップピン22、ベース昇降機構23、Zクランプ24及びZクランプ緩衝部25を有する。装着ヘッド6による電子部品30の装着時には、図示しないモータ及びボールネジスプラインから構成されるベース昇降機構23によりバックアップベース22が上昇する。また、ベース昇降機構23が動作しZクランプ24が上昇し、そのZクランプ24が基板Pを押し上げていく。基板Pは搬送ベルト5vpから離れ、Zクランプ緩衝部24により基板Pへの衝撃を緩和しながらシュート5c、5dに固定される。このとき、基板Pとバックアップピン22の間にはわずかな隙間があり、部品の装着時に基板の撓みを防止する。バックアップピン21により基板Pを支持する。バックアップピン21の代わりにブロックをバックアップベース22上に設置して基板を支持してもよい。基板バックアップ部20は、各生産ラインで一度に最大2枚処理できるように2組設けてある。
【0023】
次に、図3を用いて本実施形態における基板位置決め部5pでの4本のシュートの構成と、4本のシュートの構成と部品供給エリア3との関係と、を説明する。本実施形態では、2つの生産ラインの幅を変えることができるように、4本のシュート5のうち部品供給エリア3D又は3Uに最も近いシュートを移動しない固定シュートし、他の3本のシュートを移動する可動シュートで構成する。本例では部品供給エリア3Dに近いシュート5aを固定シュートとし、他の3本のシュート5b、5c、5dは、図2(A)に示す移動レール26上を移動する可動シュートとしている。移動する/しない以外の構成は、4本のシュートとも同じである。
【0024】
次に、図3を用いて本実施形態における独立生産(モード)を説明する。図1図2で説明したように電子部品装着装置1は、互いに対向する2本の装着ヘッド6U、6Dと、互いに対向する位置に設けられた2箇所の部品供給エリア3U、3Dとを備え、中央部に流れる二つの生産ラインU、Dを有する。
【0025】
独立生産モードには、完全独立生産モードと、準完全独立生産モードがある。
完全独立生産とは、二つの生産ラインU、Dに異なった機種の基板PU、PDを搬送し、装着ヘッド6Uが部品供給エリア3Uから電子部品を吸着し基板PUに装着し、装着ヘッド6Dが部品供給エリア3Dから電子部品を吸着し基板PDに装着し、生産する運転形態をいう。即ち、2つの生産ラインが全く独立に生産し、あたかも2台に装置が平行に並んで生産している状態をいう。この生産モードを完全独立生産モードという。
【0026】
一方、準独立生産とは、一方の生産ラインで生産するとき、他方の生産ラインの装着ヘッドやフィーダを利用して生産する運転状態をいう。この生産モードを準独立生産モードという。2本の装着ヘッド6U、6Dは、4本のシュートの移動とは干渉なく移動できるので、構造的には準独立生産モードを実現できる。この準独立生産の例を、生産ラインDの生産運転を継続し、生産ラインUのライン幅を変える場合を例に説明する。
【0027】
第1の例は、ライン幅変える側の装着ヘッド6Uが、生産を継続する生産ラインDの生産に関与する場合である。これは、特許文献1に示す装着ヘッド6U、6Dの交互打ち(モード)で、或いは非特許文献1に示す装着ヘッド6U、6Dが同一基板上に同時に装着する同時乗り入れ(モード)で基板PDを生産する。
第2の例は、非特許文献1に示す、部品供給エリア3U、3Dを共通部品供給エリア化し、装着ヘッド6Dがライン幅を変える側の部品供給エリア3Uの電子部品も吸着して、基板PDを生産する。
【0028】
準独立生産の場合は、ライン幅以外の段取りが必要な場合では、生産ラインDの継続運転をできない場合がある。その場合は、第1の例では、交互打ち或いは同時乗り入れを一次中断する。一方、第2の例では、供給テープなどで電子部品を供給するフィーダの場合は、部品供給エリア3Dの中で代用するフィーダを探して、運転を継続する。
【0029】
図4は、上記の説明した考え方に基づいて、一方の生産ラインで生産しながら、他方の生産ラインでコンベア幅を変更するライン幅段取りを、運転員が指示したときに、当該ライン幅段取りが可能かどうかを判断するライン幅段取り可否判断フローを示す。
【0030】
デュアルライン装置には、2つの生産ラインにそれぞれ基板を流すデュアルモードと、大型のサイズの1枚の基板を一方の生産ラインに流すシングルモードがある。そこで、まず、デュアルモードかシングルモードかを判断する(Step1)。次に、デュアルモードの場合、完全独立生産モードか準完全独立モードかを判断する(Step2)。完全独立生産モードであれば、後述する方法で対象とする生産ラインのライン幅段取りを実施する(Step3)。他の段取りを実施しないならば、当該生産ラインの生産を開始する(Step4)。
【0031】
Step2で準完全独立モードと判断された場合は、前述したように、例えば装着ヘッドの交換やバックアップピンの段取りの実施する必要があり、継続すべき継続生産ラインで生産が継続できないかを判断する(Step5)。継続できるならば、Step3に行き、ライン幅段取りを行う。継続できないならば、本フローにおいては、ライン幅段取りを実施しないで、継続生産ラインで生産を継続する(Step6)。
【0032】
次に、Step1でシングルモードと判定されたならば、デュアルモードの独立生産モードに移行するかを判断する(Step7)。独立生産モードに移行にするのならば、シングルモード生産を終了させて、両生産ラインのライン幅段取り行う従来の方法でライン幅段取り行い(Step8)、Step4に行き、生産を開始する。移行しないならば、シングルモード生産を継続する(Step9)。
【0033】
以上説明したコンベア幅段取り可否判断フローは、デュアルライン装置がデュアルモードしかなければStep1の判断は不要である。さらに、デュアルライン装置が完全独立生産モードしか有しないならば、Step2の判断も不要となり、Step3の一方の生産ラインの生産を継続しながら、他方の生産ラインのライン幅段取りを実施することができる。
【0034】
図5図6は、デュアルライン装置の起動時を例に、本実施形態の独立生産モードにおけるデュアルラインのライン幅を変更するライン幅段取りの第1の実施例の動作フローを示す図である。本実施形態ではライン幅の変更をコンベア幅の変更で行う。図5図6では、生産時のコンベア幅は、生産ラインDの固定シュート5aの位置と、生産ラインUの可動シュート5cの所定位置を基準位置として規定される。なお、起動時とは装置への電源投入後初めてのシュートの移動の時である。
【0035】
図5では、同じコンベア幅W1(基板幅)を有するデュアル生産ラインから、コンベア幅W1で生産ラインDの生産を継続させながら、生産ラインUのコンベア幅をW1からW2に変更する例を示す。図6は、逆に生産ラインUの生産を継続させながら、生産ラインDのコンベア幅をW1からW3に変更する例を示す。
【0036】
図5において、S1は生産ラインU、Dのうち生産ラインUの基板(機種)の生産が終了し、運転員による生産ラインUにおける機種変更が指示され、ライン幅段取りを開始する状態を示す。機種変更が指示されと、図4で示した独立生産への可否判断がされる。その結果、可能と判断されると、制御装置10によりS2からS4に示すライン幅段取りが実施される。

【0037】
まず、S2、S3において、起動時はシュートの現在位置がわかっていなく、シュートが他のシュートと干渉することを確実に避ける為に、生産ラインUを構成する可動シュート5c、5dをそれぞれの原点位置に移動させる。以下、原点位置移動させることを原点復帰という。可動シュート5c、5dの原点位置は、それぞれの可動範囲のうち同じブロックに存在する部品供給エリア3側端にある。次に、S4において、可動シュート5c、5d間の幅をW2になるように移動させながら、可動シュート5cを基準位置まで移動し、生産ラインUの位置決めをする。
【0038】
一方、図6おいても、図5と同様に独立生産モードであるかの可否判断がされ、ライン幅段取りが実施される。シュートの移動時、装置のモニタに「生産ラインDは運転中、生産ラインUは段取り(動作)中」と表示してもよく、運転員が各生産ラインの状況を確認できる。
まず、S2において、起動時はシュートの現在位置がわかっていなく、シュートが他のシュートと干渉することを確実に避ける為に、生産ラインDを構成する可動シュート5bを固定シュート5a側の原点位置に原点復帰させる。なお、固定シュート5aは常に原点位置にいる。次に、S3において、可動シュート5bを基準位置である固定シュート5aからコンベ幅がW3になるように移動させる。
【0039】
なお、図5図6における両生産ラインにおけるコンベア幅をW1と同じにしたが、異なっていてもよい。
【0040】
また、以上実施例において、W1が生産ラインに設定できる最大幅と同じであれば、既に可動シュート5dは原点位置にいるのでS2に示す原点復帰動作は不要である。同様に、生産開始時のコンベア幅W2が生産ラインに設定できる最大幅と同じであれば、S4における可動シュート5dの移動も不要である。
【0041】
以上説明した第1の実施例によれば、一方の生産ラインが生産運転中であっても、他方の生産ラインのレーン幅を変えることができる稼働率の高い電子部品装着装置及び電子部品装着方法を提供することである。
【0042】
図7図8は、デュアルライン装置の起動時を例に、本実施形態の独立生産におけるライン幅の変更するライン幅段取りの第2の実施例の動作フローを示す図である。本実施例においてもライン幅の変更をコンベア幅の変更で行う。第1の実施例では、生産ラインUの基準位置を可動シュート5cの所定位置としたが、第2の実施例では、生産ラインUの基準位置を可動シュート5dの原点位置とする。この場合は、図2(c)に示すバックアップピン22の位置によっては、多少基準位置が原点位置からズレこともあるが、そのズレ量はそれほど大きくはない。
【0043】
第2の実施例では、図8に示すように、生産ラインUの生産を継続させながら、生産ラインDのコンベア幅を変更する場合は、図6に示す第1の実施例と同じである。一方、図7に示すように、生産ラインDの生産を継続させながら、生産ラインUのコンベア幅を変更する場合は、図5に示す第1の実施例と異なる。
【0044】
図7に示す第2の実施例では、多くの場合は可動シュート5dの原点復帰の必要はない。従って、S2において可動シュート5cのみを原点復帰させ、S3において可動シュート5cのみを移動させてコンベア幅を変更する。第1の実施例では、可動シュート5dの原点復帰の必要がなく、S3における生産開始時のコンベア幅W6への設定時に、可動シュート5dの移動が必要ないときは、W1が生産ラインに設定できる最大幅と同じのときだけである。
なお、図7図8において、W4、W5及びW7は、ライン幅段取り前又は段取り後の生産ラインU又はDのコンベア幅を示す。
【0045】
以上説明した第2の実施例においても、一方の生産ラインが生産運転中であっても、他方の生産ラインのレーン幅を変えることができる稼働率の高い電子部品装着装置及び電子部品装着方法を提供することである。
【0046】
以上説明した第2の実施例によれば、生産ラインUのコンベア幅の変更において、可動シュート5cのみを原点復帰させ、可動シュート5cのみの移動によって新たなコンベア幅に変更でき、制御が簡単になる。
【0047】
以上の説明した第1、第2の実施例ではデュアルライン装置の起動時を例に説明した。装置の起動時でないときは、原点復帰させないで、例えば図5の例ではS1からシュート5dのみを外側に移動させてS4の状態にし、図6の例ではS1からS2をせずしてシュート5bを外側に移動させてS3の状態にしてもよい。
【0048】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々
の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々
の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0049】
1:電子部品装着装置 3:部品供給エリア
5:シュート 5a:固定シュート
5b、5c、5d:可動シュート 6:装着ヘッド
10:制御装置 11:装着ヘッド体
19:部品認識カメラ 26:可動シュートの移動レール
LU,LD,RU,RD:ブロック名 P:基板
U、D:生産ライン W1乃至W7:基板幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8