特許第5798967号(P5798967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5798967
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】ハンドルグリップ
(51)【国際特許分類】
   B62K 21/26 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   B62K21/26
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-75101(P2012-75101)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-203269(P2013-203269A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112978
【氏名又は名称】ブリヂストンサイクル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】吉見 佑介
(72)【発明者】
【氏名】小林 博
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3135678(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0156139(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 21/00 − 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルバーの端部へ挿入される筒状のグリップ本体と、
前記グリップ本体に設けられ、軸方向に沿って延びる第1のすり割りが形成されることによって径が拡縮可能とされた締付け部と、
前記締付け部の外周に装着されると共に、第2のすり割りが形成されて径が拡縮可能なリング部材と、前記リング部材の前記第2のすり割りを挟んで一端側に形成される第1の螺子孔と、前記第2のすり割りを挟んで他端側に形成された第1のボルト挿通孔と、前記第1のボルト挿通孔へ挿通されて前記第1の螺子孔に締め付けられる第1のボルトを備え、前記締付け部を前記グリップ本体に対して締付ける締付手段と、
中央に第2のボルト挿通孔が形成され、前記第2のボルト挿通孔へ挿通された第2のボルトが前記ハンドルバーの端部に形成された第2の螺子孔に締付けられることで前記ハンドルバーの端部に着脱可能に固定され、前記グリップ本体の前記ハンドルバーからの抜け出しを防止するグリップエンドと、
を有するハンドルグリップ。
【請求項2】
前記締付け部は、前記グリップ本体の両端部に設けられている、請求項1に記載のハンドルグリップ。
【請求項3】
前記第1のボルトの頭部が前記リング部材の外周面より突出しない、請求項1に記載のハンドルグリップ。
【請求項4】
前記ハンドルバー、及び前記第2のボルトは金属製であり、
前記グリップエンドは、前記ハンドルバーの端部に接触すると共に前記第2のボルトで前記ハンドルバーに固定される金属製のインサート部材と、前記インサート部材の前記ハンドルバーと接触しない外面を覆う合成樹脂製のカバーとを含んで構成されている、請求項1に記載のハンドルグリップ。
【請求項5】
前記グリップ本体の外周は、前記グリップ本体よりも剛性の低い材料からなる外皮で被覆されている、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のハンドルグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルバーに装着するハンドルグリップに係り、特には取り外し、及び取り付けが容易な自転車等に好適なハンドルグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車のハンドルバーの端部には、合成樹脂等で形成されたハンドルグリップが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10―138982公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ハンドルグリップをユーザーの好みによって交換することが考えられるが、一般のハンドルグリップは、筒状のハンドルグリップにハンドルバーの端部が圧入されて摩擦で固定されており、一般ユーザーがハンドルグリップを取り外すのは容易でなかった。
また、新たなハンドルグリップをハンドルバーに取り付ける際には、ハンドルグリップをハンドルバーに圧入しなければならず、ハンドルグリップの取り付けも容易でなかった。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、取り外し、取り付けが容易なハンドルグリップの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のハンドルグリップは、ハンドルバーの端部へ挿入される筒状のグリップ本体と、前記グリップ本体に設けられ、軸方向に沿って延びる第1のすり割りが形成されることによって径が拡縮可能とされた締付け部と、前記締付け部の外周に装着されると共に、第2のすり割りが形成されて径が拡縮可能なリング部材と、前記リング部材の前記第2のすり割りを挟んで一端側に形成される第1の螺子孔と、前記第2のすり割りを挟んで他端側に形成された第1のボルト挿通孔と、前記第1のボルト挿通孔へ挿通されて前記第1の螺子孔に締め付けられる第1のボルトを備え、前記締付け部を前記グリップ本体に対して締付ける締付手段と、中央に第2のボルト挿通孔が形成され、前記第2のボルト挿通孔へ挿通された第2のボルトが前記ハンドルバーの端部に形成された第2の螺子孔に締付けられることで前記ハンドルバーの端部に着脱可能に固定され、前記グリップ本体の前記ハンドルバーからの抜け出しを防止するグリップエンドと、を有する。
【0007】
請求項1に記載のハンドルグリップは、以下のようにしてハンドルバーに取り付けることができる。
先ず、ハンドルバーに筒状のグリップ本体を挿入する。
次に、グリップ本体の締付け部に設けられた締付け部材で締め付け部をグリップ本体に対して締付ける。
【0008】
グリップ本体の締付け部は、軸方向に沿って延びるすり割りが形成されることによって径が拡縮可能とされおり、この締付け部に設けられた締付け部材を締付けることで、グリップ本体の締付け部もハンドルバーを締付ける。
これにより、グリップ本体の締付け部の内面とハンドルバーの外面とが強く圧接し、グリップ本体の締付け部の内面とハンドルバーの外面との間の摩擦力によってハンドルバーからのグリップ本体の抜けが抑えられる。
【0009】
さらに、ハンドルバーの端部にグリップエンドを固定することで、締付手段の締付け力が仮に弱まったとしてもグリップ本体のハンドルバーからの抜け出しは防止される。
【0010】
グリップ本体を外す場合には、締め付け部材によるグリップ本体の締め付け部の締め付けを緩める。これにより、ハンドルグリップの締付け部のハンドルバーに対する締付け力が弱まり、グリップ本体とハンドルバーとの間の摩擦力が減少し、グリップ本体を容易に抜くことが出来る。
【0012】
締結手段は、締付け部の外側に装着されて、第2のすり割りが形成されて径が拡縮可能なリング部材と、リング部材の第2のすり割りを挟んで一端側に形成される第1の螺子孔と、第2のすり割りを挟んで他端側に形成された第1のボルト挿通孔と、第1のボルト挿通孔へ挿通されて第1の螺子孔に締め付けられる第1のボルトを備えている。このため、第1のボルトを締付けると、第2のすり割りの間隔が狭くなると共にリング部材の径が縮小し、グリップ本体の締付け部を締付けることができる。
【0013】
なお、第1のボルトを緩めることで、リング部材によるグリップ本体の締付け部の締め付けを解除することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のハンドルグリップにおいて、前記締付け部は、前記グリップ本体の両端部に設けられている。
【0015】
締付け部を、グリップ本体の両端部に設けることで、片側に設ける場合に比較して、グリップ本体をハンドルバーに対して強固に固定することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のハンドルグリップにおいて、前記第1のボルトの頭部が前記リング部材の外周面より突出しない。
【0017】
第1のボルトの頭部は、リング部材の外周面より突出しないため、乗員の手が第1のボルトの頭部に触れることが無い。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のハンドルグリップにおいて、前記ハンドルバー、及び前記第2のボルトは金属製であり、前記グリップエンドは、前記ハンドルバーの端部に接触すると共に前記第2のボルトで前記ハンドルバーに固定される金属製のインサート部材と、前記インサート部材の前記ハンドルバーと接触しない外面を覆う合成樹脂製のカバーとを含んで構成されている。
【0019】
請求項4に記載のハンドルグリップは、グリップエンドの金属製のインサート部材が金属製のハンドルバーの端部に接触し、金属製の第2のボルトで固定されているので、グリップエンドをハンドルバーに対して強固に固定することができる。
また、金属のインサート部材の外面は、合成樹脂性のカバーで覆われているので、硬い金属のインサート部材が乗員に触れることが防止される。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のハンドルグリップにおいて、前記グリップ本体の外周は、前記グリップ本体よりも剛性の低い材料からなる外皮で被覆されている。
【0021】
グリップ本体の外周が、グリップ本体よりも剛性の低い材料で被覆されているので、手で把持した際にソフトな感触が得られる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明のハンドルグリップによれば、圧入作業を必要とせず、取り外し、及び取り付けを容易に行うことができる、という優れた効果を有する。
【0023】
請求項1に記載のハンドルグリップによれば、第1のボルト及び第2のボルトを操作する工具を用いてハンドルグリップの取り外し、及び取り付けを容易に行うことができる。
【0024】
請求項2に記載のハンドルグリップによれば、グリップ本体をハンドルバーに対して強固に固定することができる。
【0025】
請求項3に記載のハンドルグリップによれば、乗員の手が第1のボルトの頭部に触れることを防止できる。
【0026】
請求項4に記載のハンドルグリップによれば、グリップエンドが乗員に触れた際に、硬い金属のインサート部材が乗員に触れることが防止される。
【0027】
請求項5に記載のハンドルグリップによれば、手で把持した際にソフトな感触が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】自転車のハンドルバーに取り付けられた本発明の一実施形態に係るハンドルグリップの斜視図である。
図2】ハンドルバーから外したハンドルグリップの分解斜視図である。
図3】グリップ本体からグリップバンドを外した斜視図である。
図4】グリップ本体の端面図である。
図5】グリップバンドを装着したグリップ本体の斜視図である。
図6】グリップバンドの正面図である。
図7】グリップ本体及びグリップバンドの端面図である。
図8】(A)はグリップ本体に取り付けたグリップバンドの側面図であり、(B)は、図1に示すハンドルバーに取り付けたハンドルグリップの8A−8A線断面図である。
図9】ハンドルバーに取り付けられたハンドルグリップの軸線に沿った断面図(図1の9−9線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1図9を用いて、本発明の一実施形態に係るハンドルグリップ10について説明する。
図1には、自転車26のハンドルバー28に装着された本実施形態のハンドルグリップ10が斜視図にて示されており、図2にはハンドルバー28から取り外されたハンドルグリップ10が斜視図にて示されている。
なお、図1、及び図2において、符号58はブレーキレバー、符号60はレバーブラケット、符号62はブレーキレバー58の揺動軸である。
【0030】
図2に示すように、本実施形態のハンドルグリップ10は、グリップ本体12、一対のグリップバンド14、一対のグリップバンド締付用ボルト16、グリップエンド18、及びグリップエンド取付用ボルト20等から構成されている。
【0031】
図3、及び図4に示すように、グリップ本体12は、合成樹脂から形成れた円筒形状とされており、グリップ本体12の軸方向(矢印A方向)の両端部には、一定径に形成された中間部12Aに比較して小径に加工された小径部12Bが設けられている。
【0032】
小径部12Bは、切欠22が形成されて一部分が除去されている。
また、小径部12Bには、切欠22とは径方向の反対側に、グリップ本体12の軸方向(矢印A方向)に延びるすり割り24が形成されている。
【0033】
このグリップ本体12には、自転車26のハンドルバー28の端部側が挿入されるようになっている。グリップ本体12の内径は、ハンドルバー28の外径よりも若干大きく形成されている。したがって、このグリップ本体12は、後述するグリップバンド14で締付けられていない状態では、ハンドルバー28が容易に挿入可能となっている。
【0034】
図5に示すように、グリップ本体12の小径部12Bには、C字形状のグリップバンド14が取り付けられる。
【0035】
図6にはグリップバンド14が正面図にて示されている。図6に示すように、グリップバンド14には、すり割り30を挟んで一方の端部14E1に螺子孔32が形成されており、他方の端部14E2にボルト挿通孔34及び座グリ36が、螺子孔32と同軸的に形成されている。
なお、グリップバンド14は、螺子孔32の形成されている一方の端部14E1、並びにボルト挿通孔34及び座グリ36の形成されている他方の端部14E2が、一方の端部14E1と他方の端部14E2との間に位置する他の部分14Cよりも径方向に肉厚に形成されており、外観形状が略涙滴形状に形成されている。
【0036】
図7にはグリップ本体12の小径部12Bにグリップバンド14が装着された様子を軸方向から見た図である。この図7に示すように、グリップバンド14の内周面には、小径部12Bの外周面が接触する円弧面14Aが形成されている。
【0037】
図8に示すように、ボルト挿通孔34には、六角孔付きのグリップバンド締付用ボルト16が挿通されており、グリップバンド締付用ボルト16の螺子部16Aが螺子孔32に螺合している。なお、グリップバンド締付用ボルト16の頭部16Bと座グリ36の底部との間には、座金38が配置されている。なお、本実施形態のグリップバンド締付用ボルト16のネジのサイズはM4であるが、他のサイズであっても良い。
【0038】
グリップバンド締付用ボルト16の頭部16Bは、グリップバンド14の座グリ36の内部に配置されており、頭部16Bは、グリップバンド14の外周方面から外側へは突出していない。
【0039】
図9に示すように、自転車26のハンドルバー28は中空の金属パイプであるが、ハンドルバー28の端部には金属製の円柱部材40が挿入されている。なお、円柱部材40はハンドルバー28に溶接等で接合されており、ハンドルバー28の端部は円柱部材40で塞がれている。
なお、円柱部材40の軸心部分には、螺子孔42が形成されている。
【0040】
ハンドルバー28の端部には、円板状のグリップエンド18が配置されている。
グリップエンド18は、中央にボルト挿通孔44の形成された金属製の円板48を備え、円板48の側面及びハンドルバー28の端部と反対側の面が、金属よりも剛性の低い(即ち、軟らかい)合成樹脂のカバー50で覆われている。なお、カバー50の中央には、ボルト挿通孔44よりも径の大きな座グリ52が形成されている。また、カバー50の角部には、アール面取り50Aが形成されている。
【0041】
グリップエンド18のボルト挿通孔44には、六角孔付きのグリップエンド取付用ボルト20が挿通されており、グリップエンド取付用ボルト20の螺子部20Aがハンドルバー28の円柱部材40に形成された螺子孔42に螺合している。グリップエンド取付用ボルト20の頭部20Bと円板48との間には、座金54が配置されている。
【0042】
グリップエンド取付用ボルト20の頭部20Bは、座グリ52に潜り込んでおり、グリップエンド18の外面から突出していない。
なお、本実施形態のグリップエンド取付用ボルト20のネジのサイズはM4であるが、他のサイズであっても良い。
【0043】
このグリップエンド18の外径は、グリップ本体12の小径部12B、及びグリップバンド14の内径よりも大きく形成されている。
【0044】
なお、グリップ本体12の外周には、グリップ本体12よりも剛性の低い、柔軟な合成樹脂、皮革、合成レザー、スポンジ等の外皮56が取り付けられていても良い。
これにより、ハンドルグリップ10を手で把持した際にソフトな感触が得られる。
【0045】
(作用)
次に、本実施形態のハンドルグリップ10をハンドルバー28に取り付ける手順を説明する。
【0046】
(1) 先ず、図2に示すように、グリップ本体12の小径部にグリップバンド14を装着し、グリップ本体12の孔にハンドルバー28の端部を挿入する。
グリップ本体12の内径は、ハンドルバー28の外径よりも若干大きく形成されているため、グリップ本体12にハンドルバー28を容易に挿入することができる。
【0047】
(2) 次に、グリップバンド14のボルト挿通孔34に、座金38を装着したグリップバンド締付用ボルト16を挿通し、螺子部16Aをグリップバンド14の螺子孔32に螺合して締付ける(図8(B)参照)。
グリップバンド締付用ボルト16を締付けることで、グリップバンド14のすり割り30の間隔が狭まり、グリップバンド14の径が小さくなる方向へ変形し、グリップバンド14がグリップ本体12の小径部12Bを外周から内周へ向けて押し付ける。
【0048】
グリップ本体12の小径部12Bにはすり割り24が形成されているため、グリップバンド14で押し付けられることで、小径部12Bの径が小さくなり、小径部12Bの内周面がハンドルバー28の外周面に強く押し付けられ、小径部12Bの内周面とハンドルバー28の外周面との間の摩擦力によってグリップ本体12がハンドルバー28に対して固定される。
【0049】
(3) 次に、グリップエンド18をハンドルバー28の端部に向かい合わせ、座金54を装着したグリップエンド取付用ボルト20をグリップエンド18のボルト挿通孔44に挿通させて、ハンドルバー28の円柱部材40に形成された螺子孔42に螺合して締付ける(図9参照)。
【0050】
このように、座金54を装着したグリップエンド取付用ボルト20を締め付けてグリップエンド18の金属製の円板48とハンドルバー28の金属製の円柱部材40とを強く密着させることで、グリップエンド取付用ボルト20が振動で緩むことが抑えられる。
【0051】
グリップエンド18の外径は、グリップ本体12の外径、及びグリップバンド14の内径よりも大きく形成されているため、仮に、グリップバンド14のグリップバンド締付用ボルト16に緩みが生じた場合であっても、グリップ本体12がハンドルバー28から抜けることは無い。
【0052】
(4) なお、ハンドルグリップ10をハンドルバー28から外す場合には、上記の手順と逆の手順で行えば良い。
グリップバンド14のグリップバンド締付用ボルト16を緩めることで、グリップ本体12の小径部12Bの径が若干大きくなり、グリップ本体12とハンドルバー28との間の摩擦力が減って、グリップ本体12をハンドルバー28から容易に外すことができる。
【0053】
グリップバンド14に用いたグリップバンド締付用ボルト16の頭部16Bは、グリップバンド14の座グリ36の内部に潜り込んでグリップバンド14の外周から突出していないため、乗員の手がグリップバンド締付用ボルト16の頭部16Bに触れることは無い。
【0054】
グリップエンド18の外面は、合成樹脂性のカバー50で覆われているので、金属の円板48が乗員に触れることが無い。
【0055】
本実施形態のハンドルグリップ10では、グリップバンド14に用いるグリップバンド締付用ボルト16のネジサイズと、グリップエンド18に用いるグリップエンド取付用ボルト20のネジサイズを同じにしているため、締結に使用する工具(六角棒レンチ)が1種類で済む。
【0056】
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0057】
上記実施形態のグリップバンド締付用ボルト16、及びグリップエンド取付用ボルト20は、螺子部に緩み止め用の樹脂や接着剤を付着させたものを使用しても良い。
【0058】
また、上記実施形態では、グリップバンド締付用ボルト16、及びグリップエンド取付用ボルト20に六角孔付きボルトを用いたが、六角孔付きボルトに代えて、六角孔の中にピンが形成されたピン付きの六角孔付きボルト、トルクス(登録商標)(TORX:アメリカのテキストロンカムカー社(CAMCAR DIVISION OF TEXTRON Fastening System Inc.)の商品名)等、特殊な頭部形状を有する盗難防止性に優れた他の締結手段を用いても良い。
【0059】
上記実施形態では、本発明のハンドルグリップを自転車のハンドルバーに用いた例を説明したが、本発明のハンドルグリップは、三輪車、自動二輪車等、自転車以外のハンドル、杖、スキーのストック等に用いることもできる。
【符号の説明】
【0060】
10 ハンドルグリップ
12 グリップ本体
12B 小径部(締付け部)
14 グリップバンド(締付手段、リング部材)
16 グリップバンド締付用ボルト(第1のボルト)
16B 頭部
18 グリップエンド
20 グリップエンド取付用ボルト(第2のボルト)
28 ハンドルバー
32 螺子孔(第1の螺子孔)
34 ボルト挿通孔(第1のボルト挿通孔)
42 螺子孔(第2の螺子孔)
48 円板(インサート部材)
50 カバー
56 外皮
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9