【文献】
The Journal of Biological Chemistry,2005年,Vol.280, No.10,pp.8640-8646
【文献】
Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,1996年,Vol.6, No.5,pp.569-572
【文献】
IRANI R.K.,STANNIC CHLORIDE PROMOTED SYNTHESIS OF MANNOSIDES,INDIAN JOURNAL OF CHEMISTRY, SECTION B: ORGANIC INCL. MEDICAL. COUNCIL OF以下備考,IN,1991年 5月 1日,V30B,P519-521,SCIENTIFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】感染の3時間後のUTIマウスモデルにおける、50mg/kgの投与量での参照化合物(HM、ヘプチルα−D−マンノピラノシド)及び3個のFimHアンタゴニスト(8f、8a及び7a、FimH=線毛先端接着の受容体結合ドメイン)の治効を、6時間感染研究(n=6、対照)と比較した。HM、8f及び8aを、尾静脈内にi.v.適用するが、一方で、7aを、経口的に適用した。ベースライン(基準)として、3時間感染の平均カウントを、試験されたアンタゴニスト及び6時間対照グループの結果から引いた。全ての処置された動物において、細菌数は、腎臓においてほんのわずかに減少しただけであった。このFimHアンタゴニストでの処置に対するより低い反応は、恐らく、膀胱及び腎臓での異なる細菌接着メカニズムが原因である。膀胱接着においては、I型線毛により介在されるが(FimHのCRDを介して)、P線毛依存相互作用は、腎臓内での接着にとって重大である。P値を、処置グループを3時間対照グループと比較することによって計算した。(*)P<0.05、(**)P<0.01、(***)P<0.001、(-)有意でない(マン・ホイットニーの検定によって決定)。C=対照;U=尿;B=膀胱;K=腎臓;ΔLog10 CFU=ΔLog10 CFU/mL(尿)又はΔLog10 CFU/臓器(膀胱、腎臓2つ)。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、式(I):
【化2】
[式中、
nは、0、1又は2であり;
R
1は、メタ又はパラ位で式(I)のフェニル環に結合しており、かつ、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、シクロヘキシル、シクロプロピル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル;
パラ−ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ;
メルカプト、アルキルメルカプト、ヒドロキシスルフィニル、アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);
低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル及びジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で、又は1個の置換基、シクロアルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール、アルキルカルボニル、場合により置換されているフェニルカルボニル、場合により置換されているピリジルカルボニル、アルコキシカルボニルもしくはアミノカルボニルで、場合により置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する、アミノ;
得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているカルボキシメチルアミノ又は低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;
低級アルキルカルボニル、ハロ−低級アルキルカルボニル、パラ−カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル;アミノカルボニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は1個のヒドロキシもしくはアミノ基又は低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは、窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);
シアノ、ハロゲン及びニトロからなる群より選択される1、2又は3個の置換基で置換されている、フェニルであり;そして
互いに対してオルト位にある2個の置換基は、1もしくは2個の酸素原子及び/又は1もしくは2個の窒素原子(ここで、この窒素原子は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルキルカルボニルで場合により置換されている)を含有する5又は6員複素環を形成することができるか;あるいは
R
1は、場合により置換されているフェニル以外のアリール、ヘテロアリール、5個以上の原子を有するヘテロシクリルであり、そして
R
2及びR
3は、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ;メルカプト、アルキルメルカプト、ヒドロキシスルフィニル、アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、(低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキルから選択される1又は2個の置換基で場合により置換されている)アミノ;得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピリジニルカルボニルアミノ、カルボキシメチルアミノ又は低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;カルボキシ、低級アルキルカルボニル、ベンゾイル、ピリジンカルボニル、ピリミジンカルボニル、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル(ここで、アミノは、非置換であるか、あるいは1個のヒドロキシもしくはアミノ基、又は低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキルもしくは低級アルコキシ−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されている);テトラゾリル、シアノ、ハロゲン又はニトロであるか;あるいは、互いに対してオルト位にある2個の置換基は、1もしくは2個の酸素原子及び/又は1もしくは2個の窒素原子(ここで、この窒素原子は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルキルカルボニルで場合により置換されている)を含有する5又は6員複素環を形成する]で示される化合物ならびにそのプロドラッグ及び塩に関する。
【0017】
さらに、本発明は、感染性疾患、例えば、大腸菌の毒性株により引き起こされる感染性疾患、特に尿路感染症の予防及び治療における使用のための、式(I)[式中、
nは、0、1又は2であり;
R
1は、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;そして
R
2及びR
3は、先に示した意味を有する]で示される化合物ならびにそのプロドラッグ及び塩に関する。
【0018】
マンノース特異的(1型)線毛は、腸内細菌中に最も一般的に見出されるレクチンのうちの1つである。そのようなレクチンにより介在される、病原生物の宿主組織への接着は、細菌感染における重要な初期事象であると見なされている。細菌表面レクチンにより認識されている可溶性炭水化物は、相補的組織への接着を阻害し、結果として感染を開始する能力の欠如をもたらす。本発明は、FimHアンタゴニスト(FimH=線毛先端接着の受容体結合ドメイン)として成功裏に適用することができる、マンノシド誘導体の特に活性な群に関する。本発明の化合物は、これまで知られているマンノシドよりも大幅に高い活性を示す。
【0019】
本発明のさらなる態様は、感染性疾患、特に尿路感染症の予防及び治療のための薬剤としての、本発明の化合物の使用である。最先端の抗生物質を上回る本発明のマンノシド誘導体の利点は、炭水化物に対する耐性の形成は変異レクチンをもたらし、それら自体を宿主組織への接着に対して無効性にするという事実である。
【0020】
本明細書の上記及び下記で使用される一般用語は、好ましくは、特に断りない限り、本開示の文脈内において、以下の意味を有する:
【0021】
接頭語「低級」は、7個までかつ最大7個を含み、とりわけ4個までかつ最大4個を含む炭素原子を有する基を示し、問題となっている基は、直鎖又は単一もしくは複数の分岐を有する分岐鎖のいずれかである。
【0022】
複数形が化合物、塩等に使用されている場合、これは、単一の化合物、塩等をも意味するように解釈される。
【0023】
二重結合は、原則として、E又はZ立体配置を有することができる。したがって、本発明の化合物は、異性体混合物又は単一異性体として存在してよい。特記されていない場合、両方の異性体が意図されている。
【0024】
いかなる不斉炭素原子も、(R)、(S)又は(R,S)立体配置で、好ましくは(R)又は(S)立体配置で存在してよい。したがって、本化合物は、異性体の混合物として、又は純粋な異性体として、好ましくはエナンチオマー純粋なジアステレオマーとして存在してよい。
【0025】
本発明は、また、式(I)で示される化合物の可能な互変異性体に関する。
【0026】
アルキルは、1〜12個、好ましくは1〜7個の炭素原子を有し、そして直鎖又は分岐鎖である。アルキルは、好ましくは低級アルキルである。
【0027】
低級アルキルは、1〜7個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有し、そしてブチル(例えば、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなど)、プロピル(例えば、n−プロピル又はイソプロピルなど)、エチル又はメチルである。好ましくは、低級アルキルは、メチル又はエチルである。C
2−C
7−アルキルは、少なくとも2個の炭素原子を有する低級アルキル、例えば、エチル、プロピル又はブチルである。
【0028】
シクロアルキルは、好ましくは、3〜7個の環炭素原子を有し、そして非置換であるか、又は例えば、低級アルキルもしくは低級アルコキシで置換されていてよい。シクロアルキルは、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル又はシクロプロピル、特にシクロプロピルである。
【0029】
アリールは、場合により置換基を保持する、5〜10個の炭素原子を有する単又は二環式縮合環芳香族基、例えば、フェニル、1−ナフチル又は2−ナフチルを表し、あるいはフェニル基を含む部分的に飽和した二環式縮合環、例えば、全て場合により置換されている、インダニル、ジヒドロ−又はテトラヒドロナフチルをも表す。好ましくは、アリールは、フェニル又はインダニルもしくはテトラヒドロナフチル、特にフェニルである。
【0030】
用語「置換基を保持するアリール」は、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル;アリールアルキル又はヘテロアリールアルキル(ここで、アリール又はヘテロアリールは、非置換であるか、又は低級アルキル、シクロプロピル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、テトラゾリル、カルボキシ、ハロゲン、アミノ、シアノ及びニトロから選択される3個までの置換基で置換されている);ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、アリールオキシ−低級アルキル、ヘテロアリールオキシ−低級アルキル、アリール−低級アルコキシ−低級アルキル、ヘテロアリール−低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル;アミノアルキル(ここで、アミノは、非置換であるか、あるいは低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、アルコキシ−低級アルキル及びアミノ−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で、又は1個の置換基、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル及びアミノカルボニルで置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、アリールオキシ、アリール−低級アルコキシ、アリールオキシ−低級アルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール−低級アルコキシ、ヘテロアリールオキシ−低級アルコキシ、場合により置換されているアルケニルオキシ、場合により置換されているアルキニルオキシ(alkinyloxy)、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクリルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ;アルキルメルカプト、ヒドロキシスルフィニル、アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル;アミノスルホニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル、場合により置換されているヘテロアリール及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは、窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、シクロアルキル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で、又は1個の置換基、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール、アルキルカルボニル、場合により置換されているフェニルカルボニル、場合により置換されているピリジルカルボニル、アルコキシカルボニルもしくはアミノカルボニルで、場合により置換されており、そしてここで、各々の場合、アルキル又は低級アルキルは、ハロゲン、低級アルコキシ、アリール、ヘテロアリールもしくは場合により置換されているアミノで置換されていてよいか、又は窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する、アミノ;得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているカルボキシメチルアミノ又は低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;低級アルキルカルボニル、ハロ−低級アルキルカルボニル、場合により置換されているフェニルカルボニル、場合により置換されているヘテロアリールカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル;アミノカルボニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は1個のヒドロキシもしくはアミノ基で又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルキル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);シアノ、ハロゲン及びニトロから独立して選択される4個までの置換基で置換されているアリールを表し、そしてここで、互いに対してオルト位にある2個の置換基は、5、6又は7員炭素環あるいは1、2もしくは3個の酸素原子、1もしくは2個の窒素原子及び/又は1個の硫黄原子(ここで、窒素原子は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルキルカルボニルで場合により置換されている)を含有する複素環を形成することができる。
【0031】
特に、この置換基は、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、シクロヘキシル、シクロプロピル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、シクロアルキルオキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ;アルキルメルカプト、ヒドロキシスルフィニル、アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル;アミノスルホニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル及び場合により置換されているフェニル−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、シクロアルキルから選択される1もしくは2個の置換基で、又は1個の置換基、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール、アルキルカルボニル、場合により置換されているフェニルカルボニル、場合により置換されているピリジルカルボニル、アルコキシカルボニルもしくはアミノカルボニルで場合により置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する、アミノ;得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているカルボキシメチルアミノ又は低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;低級アルキルカルボニル、ハロ−低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル;アミノカルボニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は1個のヒドロキシもしくはアミノ基又は低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);シアノ、ハロゲン及びニトロから独立して選択されてよく;そしてここで、互いに対してオルト位にある2個の置換基は、1もしくは2個の酸素原子及び/又は1もしくは2個の窒素原子(ここで、この窒素原子は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又は低級アルキルカルボニルで場合により置換されている)を含有する、5又は6員複素環を形成することができる。
【0032】
場合により置換されているフェニルにおいて、置換基は、好ましくは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロプロピル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、メチレンジオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、ハロ、シアノ又はニトロ、特にカルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル又はアミノスルホニルである。
【0033】
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する芳香族基を表し、そして置換基を場合により保持する単又は二環式である。単環式ヘテロアリールは、窒素、硫黄及び酸素から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有する5又は6員ヘテロアリール基を含む。二環式ヘテロアリールは、9又は10員縮合環ヘテロアリール基を含む。ヘテロアリールの例は、全て場合により置換されている、ピロリル、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びそのような単環式ヘテロアリール基のベンゾ又はピリダゾ縮合誘導体、例えば、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ピロロピリジン、イミダゾピリジン又はプリニルなどを含む。好ましくは、ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル(pyrimdinyl)、ピラジニル、ピリダジニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ピロロピリジン又はイミダゾピリジン;特に、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ピロロピリジン又はイミダゾピリジンである。
【0034】
用語「置換基を保持するヘテロアリール」は、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、アリールオキシ−低級アルキル、ヘテロアリールオキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル;アミノアルキル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、アルコキシ−低級アルキル、アミノ−低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノ−低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル及びアミノカルボニルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されている);場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、シクロアルキル;アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキル(ここで、アリール又はヘテロアリールは、非置換であるか、又は低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、アミノ、シアノ及びニトロから選択される3個までの置換基で置換されている);ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルキル−低級アルコキシ、アリールオキシ、アリール−低級アルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール−低級アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルメルカプト、アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル、場合により置換されているヘテロアリール及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、シクロアルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルから選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されており、そしてここで、各々の場合、アルキル又は低級アルキルは、ハロゲン、低級アルコキシ、アリール、ヘテロアリール又は場合により置換されているアミノで置換されていてよいか、又は窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する、アミノ;低級アルキルカルボニル、ハロ−低級アルキルカルボニル、場合により置換されているフェニルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル;アミノカルボニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は1個のヒドロキシもしくはアミノ基で又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル、場合により置換されているヘテロアリール及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);シアノ、ハロゲン及びニトロから独立して選択される3個までの置換基で置換されている、ヘテロアリールを表す。
【0035】
特に、ヘテロアリール上の置換基は、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルキルメルカプト、アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているフェニル−低級アルキル、場合により置換されているヘテロアリール及び場合により置換されているヘテロアリール−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、シクロアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルから選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されており、そしてここで、各々の場合、アルキル又は低級アルキルは、低級アルコキシ又は場合により置換されているアミノで置換されてよく、あるいは窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する、アミノ;低級アルキルカルボニル、ハロ−低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル;アミノカルボニル(ここで、アミノは、非置換であるか、又は1個のヒドロキシもしくはアミノ基又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル又はシクロアルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいは窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);シアノ、ハロゲン及びニトロから独立して選択されてよい。
【0036】
場合により置換されているヘテロアリールにおいて、置換基は、好ましくは、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、メチレンジオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、アミノスルホニル、ハロ、シアノ又はニトロである。
【0037】
アルケニルは、1個以上、例えば、2個又は3個の二重結合を含有し、そして好ましくは、低級アルケニル、例えば、1−もしくは2−ブテニル、1−プロペニル、アリル又はビニルなどである。
【0038】
アルキニルは、好ましくは、低級アルキニル、例えば、プロパルギル又はアセチレニルである。
【0039】
場合により置換されているアルケニル又はアルキニルにおいて、置換基は、好ましくは、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり、そしてアルケニル又はアルキニルの飽和又は不飽和炭素原子に結合している。
【0040】
ヘテロシクリルとは、好ましくは、窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む4〜10個の原子を含有する飽和、部分的に飽和、又は不飽和の単環式もしくは二環式環を示し、これは、特に断りない限り炭素又は窒素が結合していてよい(ここで、環窒素原子は、低級アルキル、アミノ−低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル及びアシルから選択される基で場合により置換されていてよく、そして環炭素原子は、低級アルキル、アミノ−低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル、ヘテロアリール、低級アルコキシ、ヒドロキシ又はオキソで置換されていてよい)か、あるいは場合により置換されているベンゾ環と縮合していてよい。置換ベンゾとして考えられる置換基は、場合により置換されているアリールについてで先に述べたものである。ヘテロシクリルの例は、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニル、ならびに、そのような単環式ヘテロシクリルの場合により置換されているベンゾ縮合誘導体、例えば、インドリニル、ベンゾオキサゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル及びベンゾジヒドロフリルである。
【0041】
アシルとは、例えば、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリール−低級アルキルカルボニル又はヘテロアリールカルボニルを示す。低級アシルは、好ましくは、低級アルキルカルボニル、特にプロピオニル又はアセチルである。
【0042】
ヒドロキシアルキルは、とりわけヒドロキシ−低級アルキル、好ましくはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル又は2−ヒドロキシ−2−プロピルである。
【0043】
シアノアルキルとは、好ましくは、シアノメチル及びシアノエチルを示す。
【0044】
ハロアルキルは、好ましくは、フルオロアルキル、とりわけトリフルオロメチル、3,3,3−トリフルオロエチル又はペンタフルオロエチルである。
【0045】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0046】
低級アルコキシは、とりわけメトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ又はtert−ブチルオキシである。
【0047】
アリールアルキルは、上記で定義したとおりのアリール及びアルキルを含み、そして例えば、ベンジル、1−フェネチル又は2−フェネチルである。
【0048】
ヘテロアリールアルキルは、上記で定義したとおりのヘテロアリール及びアルキルを含み、そして例えば、2−、3−もしくは4−ピリジルメチル、1−もしくは2−ピロリルメチル、1−ピラゾリルメチル、1−イミダゾリルメチル、2−(1−イミダゾリル)エチル又は3−(1−イミダゾリル)プロピルである。
【0049】
置換アミノにおいて、その置換基は、好ましくは、上記で置換基として述べたものである。特に、置換アミノは、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、場合により置換されているアリールアミノ、場合により置換されているアリールアルキルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピリジルカルボニルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ又は場合により置換されているアミノカルボニルアミノである。
【0050】
プロドラッグは、とりわけ、式(I)で示される化合物の−COOH、−S(O)OH、−S(O)
2OH又は−P(O)(OH)
2基が、直鎖又は分岐鎖のアルキル、ヒドロキシアルキル、メトキシアルキル、アミノアルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル及びフェネチルエステルとして誘導体化されている、化合物である。最も典型的には、アルキル、ヒドロキシアルキル、メトキシアルキル、アミノアルキル、アルケニル及びアルキニル基は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜7個、又はより好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する。
【0051】
本発明のさらなるプロドラッグは、マンノース環の1個以上、例えば、1、2、3もしくは4個のヒドロキシ基及び/又は残基R
1、R
2もしくはR
3のうちの1つにおけるヒドロキシ基が、限定するものではないが、リン酸エステル、アセタート、フルオロアセタート、クロロアセタート、ヘミスクシナート、ジメチルアミノアセタート又はホスホリルオキシ−メトキシカルボニル基などの基への変換によって誘導体化されている、化合物である。ヒドロキシ基のカルバマートプロドラッグも、ヒドロキシ基のカルボナートプロドラッグ、スルホン酸エステル及び硫酸エステルと同様に、含まれる。ヒドロキシ基は、(アシルオキシ)メチル及び(アシルオキシ)エチルエステルとして誘導体化され、ここで、アシル基は、ハロゲン、ヒドロキシル、低級アルコキシ、アミノ及び/又はカルボキシで場合により置換されている低級アルキルカルボニルである。より特定の例は、低級アルカノイルオキシメチル、1−(低級アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−(低級アルカノイルオキシ)エチル、低級アルコキシカルボニルオキシメチル、低級アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、低級アルカノイル、ハロ−低級アルカノイル、α−アミノ−低級アルカノイル、アリールカルボニル、置換α−アミノアセチル又はα−(α−アミノアセチルアミノ)アセチルなどの基での、ヒドロキシ基の水素原子の置き換えを含み、ここで、各置換α−アミノアセチル基は、天然のL−アミノ酸、−P(O)(OH)
2、−P(O)(低級アルコキシ)
2又はグリコシル(炭水化物のヘミアセタール型のヒドロキシ基の除去により得られた基)から独立して誘導される。
【0052】
特定のプロドラッグは、マンノース環の4個全てのヒドロキシ基がアセチル化されている、式(I)で示される化合物である。
【0053】
塩は、とりわけ、式(I)で示される化合物の薬学的に許容しうる塩である。
【0054】
そのような塩は、例えば、塩基性窒素原子を有する式(I)で示される化合物から、好ましくは有機又は無機酸を用いて酸付加塩として、とりわけ薬学的に許容しうる塩として形成される。適切な無機酸は、例えば、ハロゲン酸、例えば、塩酸、硫酸又はリン酸などである。適切な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸又はスルファミン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アミノ酸(例えば、グルタミン酸又はアスパラギン酸など)、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、ケイ皮酸、メタン−もしくはエタン−スルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、2−、3−もしくは4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−又はN−プロピル−スルファミン酸あるいは他の有機プロトン酸(例えば、アスコルビン酸など)である。
【0055】
酸性官能基を有する、例えば、カルボキシで置換されている式(I)で示される化合物から、適切なカチオンを用いて、とりわけ薬学的に許容しうるカチオンを用いて、塩を形成してよい。適切なカチオンは、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又はアンモニウムカチオンであるか、あるいはまた、例えば、低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル又はヒドロキシ−低級アルコキシ−低級アルキル基を含有する一級、二級又は三級アミン、例えば、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム又はジ(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムから、また、対応する置換環式二級及び三級アミン、例えば、N−メチルピロリジニウム、N−メチルピペリジニウム、N−メチルモルホリニウム、N−2−ヒドロキシエチルピロリジニウム、N−2−ヒドロキシエチルピペリジニウム又はN−2−ヒドロキシエチルモルホリニウム等から、プロトン化により誘導されたカチオンである。
【0056】
単離又は精製目的のために、薬学的に許容され得ない塩、例えば、ピクリン酸塩又は過塩素酸塩を使用することも可能である。治療的使用のためには、薬学的に許容しうる塩又は遊離化合物のみが利用され(この場合、医薬製剤の形態で適用可能)、したがって、これらは好ましい。
【0057】
遊離形態にある新規化合物と、塩の形態にある新規化合物(例えば、新規化合物の精製又は同定において、中間体として使用され得るそれらの塩を含む)との間の密接な関係を考慮すると、上記及び下記の遊離化合物へのいかなる言及も、必要に応じて、また便宜的に、対応する塩にも言及しているとして理解されるべきである。
【0058】
式(I)で示される化合物は、貴重な薬理学的特性を有する。本発明は、また、医薬としての使用のための、上記で定義したとおりの、式(I)で示される化合物、それらのプロドラッグ及び塩に関する。本発明の式(I)で示される化合物は、とりわけ細菌感染症に対して、特に、一般的に温血生物体の大腸で発見されるグラム陰性菌である大腸菌(E. coli)により引き起こされる感染症に対して、予防的及び治療的効果を示す。大部分の大腸菌株は、無害で、そして腸の正常細菌叢の一部であるが、本発明の化合物は、大腸菌の毒性株によって引き起こされる感染症の処置に、特に大腸菌株によって引き起こされる胃腸炎、下痢、食中毒、尿路感染症、腎盂腎炎及び新生児髄膜炎の処置に、また、毒性大腸菌株によって引き起こされるまれな感染症の処置に、特に大腸菌によって引き起こされる溶血性尿毒症症候群(HUS)、腹膜炎、乳腺炎、敗血症及び肺炎の処置に、有用である。
【0059】
特に好ましいのは、大腸菌によって引き起こされる尿路感染症の予防及び治療のための医薬としての、本発明の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ又は塩の使用である。
【0060】
式(I)で示される化合物は、単独又は1つ以上の他の治療剤と組合せて投与することができ、固定配合剤(fixed combination)の形態をとる併用療法、又は本発明の化合物及び1つ以上の他の治療剤が交互すなわち互いに独立して与えられる投与、又は固定配合剤及び1つ以上の他の治療剤の併用投与が可能である。
【0061】
可能な併用のための治療剤は、とりわけ、トリメトプリム/スルファメトキサゾール(コ−トリモキサゾール)、フルオロキノロン(例えば、シプロフロキサシン、レボフロキサシン又はノルフロキサシン)、アモキシシリン(amoxicilin)/クラブラン酸及びニトロフラントインである。
【0062】
下記で述べる式(I)で示される好ましい化合物の基について、上記で述べた一般定義からの置換基の定義を合理的に使用して、例えば、より一般的な定義をより特定の定義で、又はとりわけ、好ましいとして特徴付けられている定義で置き換えることができる。
【0063】
特に、本発明は、nが、0又は1、好ましくは0である、式(I)で示される化合物に言及する。
【0064】
置換メタ又はパラフェニルの意味を有するR
1のための好ましい置換基は、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロプロピル、パラ−ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、メチレンジオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルアミノスルホニル、ジ−低級アルキルアミノスルホニル(di-lower alkyaminosulfonyl)、低級アルキルスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピリジルカルボニルアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;パラ−カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モルホリノカルボニル、ピロリジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ハロ、シアノ又はニトロである。
【0065】
別の特定の実施態様において、本発明は、R
1が、場合により置換されているフェニル以外のアリール、ヘテロアリール、5個以上の原子を有するヘテロシクリルである、式(I)で示される化合物に言及する。
【0066】
場合により置換されているフェニル以外のアリールは、好ましくは、場合により置換されている1−ナフチル、場合により置換されている2−ナフチル、場合により置換されているインダニル又は場合により置換されているジヒドロ−もしくはテトラヒドロナフチルである。好ましくは、場合により置換されているフェニル以外のアリールの意味を有するR
1は、場合により置換されているインダニル又は場合により置換されているテトラヒドロナフチルである。
【0067】
感染性疾患の予防及び治療における使用のために特許請求されている式(I)で示される化合物中のアリールR
1は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されている1−ナフチル、場合により置換されている2−ナフチル、場合により置換されているインダニル又は場合により置換されているジヒドロ−もしくはテトラヒドロナフチルである。好ましくは、そのようなR
1は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているインダニル又は場合により置換されているテトラヒドロナフチルである。特に、そのようなR
1は、場合により置換されているフェニル、例えば、非置換フェニルであり、あるいはまた、式(I)のフェニル環にオルト位で結合しているフェニル、オルトもしくはメタ−ヒドロキシで置換されているフェニル又はオルト−もしくはメタ−カルボキシで置換されているフェニルである。
【0068】
ヘテロアリールR
1は、好ましくは、全て場合により置換されている、ピロリル、チエニル、フリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ピリドピロリル、ピリドイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル又はプリニルである。そのような基R
1は、通常、炭素結合しているが、ヘテロアリール基の窒素が水素を保持している場合、窒素結合していてもよい。好ましくは、R
1は、全て場合により置換されている、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ピリドピロリル又はピリドイミダゾリル、特に、全て場合により置換されている、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ピリドピロリル又はピリドイミダゾリルである。特に好ましいのは、全て場合により置換されている、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ピリドピロリル又はピリドイミダゾリルである。
【0069】
述べたヘテロアリール基の意味を有するR
1について考えられる好ましい置換基は、アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、場合により置換されているアルケニル、場合により置換されているアルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、低級アルキルメルカプト、ヒドロキシスルフィニル、低級アルキルスルフィニル、ハロ−低級アルキルスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル;低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル及びジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基;又は1個の置換基、シクロアルキル、低級アルキルカルボニル、フェニルカルボニル、ピリミジニルカルボニル、アルコキシカルボニルもしくはアミノカルボニルで場合により置換されており、そしてここで、各々の場合、アルキルもしくは低級アルキルは、低級アルコキシもしくは場合により置換されているアミノで置換されていてよい、アミノ;得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているカルボキシメチルアミノ又は低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基で置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;(あるいは、ここで、窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する);低級アルキルカルボニル、ハロ−低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル;アミノが、非置換であるか、又は1個のヒドロキシもしくはアミノ基又は低級アルキル、シクロアルキル−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキルもしくはシクロアルキルから選択される1もしくは2個の置換基で置換されているか、あるいはここで、窒素上の2個の置換基が、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成する、アミノカルボニル;シアノ、ハロゲン及びニトロである。
【0070】
述べた好ましいヘテロアリール基の意味を有するR
1について考えられる好ましい置換基は、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロプロピル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、メチレンジオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピリジルカルボニルアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ハロ、シアノ又はニトロである。最も好ましい置換基は、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、テトラゾリル、シアノ及びニトロである。
【0071】
5個以上の原子を有するヘテロシクリルR
1は、好ましくは、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、インドリニル、イソインドリニル、ベンゾオキサゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、テトラヒドロキノリニル又はベンゾジヒドロフリルであり、ここで、そのような基R
1は、炭素結合又は可能であれば窒素結合していてよく、環窒素原子は、低級アルキル、アミノ−低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル及びアシルから選択される基で場合により置換されていてよく、そして環炭素原子は、低級アルキル、アミノ−低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル、ヘテロアリール、低級アルコキシ、ヒドロキシ又はオキソで置換されていてよいか、あるいは、ベンゾ環は、存在する場合、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、メチレンジオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、アミノスルホニル、ハロ、シアノ又はニトロで場合により置換されている。
【0072】
より好ましくは、R
1は、ピロリジニル、オキサゾリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル又はベンゾジヒドロフリル、特にインドリニルであり、ここで、そのような基R
1は、炭素結合又は可能であれば窒素結合していてよく、環窒素原子は、低級アルキル、アリール−低級アルキル又はアシルで場合により置換されていてよく、そして環炭素原子は、低級アルキル、アミノ−低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル、ヘテロアリール、低級アルコキシ、ヒドロキシ又はオキソで置換されていてよいか、あるいは、ベンゾ環は、存在する場合、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、メチレンジオキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、アミノスルホニル、ハロ、シアノ又はニトロで、より好ましくはハロ−低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、テトラゾリル、シアノ又はニトロで、場合により置換されている。
【0073】
R
2及びR
3として好ましいのは、互いに独立して、水素、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロプロピル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、メチレンジオキシ、ヒドロキシスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、(低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキルから選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されている)アミノ;得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピリジニルカルボニルアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、アミノスルホニル、ハロ、シアノ又はニトロである。
【0074】
特に好ましい置換基R
2及びR
3は、水素、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、シクロプロピル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ;カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ハロ、シアノ又はニトロである。
【0075】
最も好ましい置換基R
2及びR
3は、水素、メトキシなどの低級アルコキシならびにクロロ及びフルオロなどのハロである。
【0076】
好ましくは、本発明は、R
1が、式(I)のフェニル環にメタ又はパラ位で結合している、式(A):
【化3】
[式中、
R
4は、トリフルオロメチル、シクロプロピル(cylcopropyl)、パラ−ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルアミノスルホニル、ジ−低級アルキルアミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ、パラ−カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モルホリノカルボニル、ピロリジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロ;
好ましくは、パラ−ヒドロキシ、アミノスルホニル、低級アルキルアミノスルホニル、ジ−低級アルキルアミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、アミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、パラ−カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モルホリノカルボニル、ピロリジノカルボニル、ピペリジノカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロであり;そして
式(A)のフェニル環は、クロロ又はフルオロでさらに置換されていてよい]又は
式(B)もしくは(C):
【化4】
[式中、
R
5は、水素、トリフルオロメチル、シクロプロピル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェニル−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロ;
好ましくは、水素、トリフルオロメチル、メトキシなどの低級アルコキシ、ベンジルオキシ、アミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロである]又は
式(D):
【化5】
[式中、
R
6は、水素、トリフルオロメチル、シクロプロピル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロ;
好ましくは、水素、トリフルオロメチル、メトキシなどの低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロである]又は
式(E):
【化6】
[式中、
R
7は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルキルカルボニル、場合により置換されているフェニルカルボニル、又は得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニル;
好ましくは、水素、又はメチルなどの低級アルキルである]又は
式(G):
【化7】
[式中、
R
8は、カルボキシ又は低級アルコキシカルボニルであり;XもしくはYもしくはZ、又はX及びZ、又はY及びZは、窒素原子であり、そしてその他の原子X、Y及びZは、炭素原子である]又は
式(H):
【化8】
[式中、
R
9は、カルボキシ又は低級アルコキシカルボニルである]の残基である、式(I)で示される化合物ならびにそのプロドラッグ及び塩に言及する。
【0077】
また、好ましいのは、感染性疾患、例えば、大腸菌の毒性株によって引き起こされる感染性疾患、特に尿路感染症の予防及び治療における使用のための、R
1が、式(A):
【化9】
[式中、
R
4は、水素、トリフルオロメチル、シクロプロピル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロである]又は
式(B)もしくは(C):
【化10】
[式中、
R
5は、水素、トリフルオロメチル、シクロプロピル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、カルボキシメチルアミノ又は低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロである]又は
式(D):
【化11】
[式中、
R
6は、水素、トリフルオロメチル、シクロプロピル、低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、フェノキシ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、アミノ、得られた置換基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されている、低級アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、カルボキシメチルアミノもしくは低級アルコキシカルボニルメチルアミノ、得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシルアミノカルボニル、テトラゾリル、ニトロ、シアノ又はハロである]又は
式(E):
【化12】
[式中、
R
7は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルキルカルボニル、場合により置換されているフェニルカルボニル、又は得られたアシル基が20個の天然の標準アミノ酸のうちの1つに対応するようにメチル基において置換されているアミノメチルカルボニルである]の残基である、式(I)で示される化合物ならびにそのプロドラッグ及び塩である。
【0078】
好ましいプロドラッグは、テトラアセタートである。
【0079】
最も好ましいのは、実施例、特に実施例1〜71の化合物である。
【0080】
本発明の化合物は、これまでは本発明の新化合物には適用されていないが、それ自体は公知である方法、特に、α−D−マンノピラノシドのヒドロキシ官能基が保護され、かつR
1がハロゲンである、式(I)で示される化合物を、ハロゲンをアリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルによって置き換える試薬を用いて縮合し、保護基を除去し、そしてそのように所望される場合、式(I)で示される得ることができる化合物を、式(I)で示される別の化合物に変換し、式(I)で示される化合物を、プロドラッグに変換し、式(I)で示される遊離化合物を、塩に変換し、式(I)で示される化合物の得ることができる塩を、遊離化合物もしくは別の塩に変換し、かつ/あるいは、式(I)で示される異性化合物の混合物を、個々の異性体に分離する方法によって、調製することができる。
【0081】
ハロゲンR
1をアリール、炭素結合したヘテロアリール又は炭素結合したヘテロシクリルによって置き換えるための適切な試薬は、例えば、パラジウム触媒の存在下でのボロン酸であり、反応はスズキ反応の名前の下で知られている。使用することができる他の試薬は、例えば、M. Rubens, S.L. Buchwald, Accounts Chem. Res. 2008, 41, 1461-1473に記載されている。
【0082】
代替的に、ハロゲンR
1を、シアノにより置き換えて、そしてそのシアノ官能基への付加反応により出発して、付加及びさらなる環合成によって、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基を構築してもよい。例えば、N.A. Bokach, V.Y. Kukushkin, Russ. Chem. Bull. 2006, 55, 1869-1882を参照されたい。
【0083】
ハロゲンR
1を窒素結合したヘテロアリール又は窒素結合したヘテロシクリルによって置き換えるための適切な試薬は、例えば、強塩基そして場合により触媒の存在下における、対応するヘテロアリール又はヘテロシクリル化合物であり、ここで、ハロゲンR
1は、好ましくはヨウ素である。
【0084】
保護基は、前駆体中にすでに存在していてもよく、そして望ましくない二次反応、例えば、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解及び同様の反応などに対して懸念される官能基を保護すべきである。保護基は、典型的には加溶媒分解、還元、光分解によって、又は例えば生理学的条件と同様の条件下での酵素活性によっても、容易に、すなわち不所望の二次反応なく、除去するのに適しており、かつ最終生成物中には存在しないということが、保護基の特徴である。専門家は、どの保護基が言及されている反応に適するかを熟知しているか、又は容易に確立することができる。
【0085】
そのような保護基によるそのような官能基の保護、保護基それ自体及びそれらの除去反応は、例えば、ペプチド合成のための標準的参考書及びT.W. Greene & P.G.M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis", Wiley, 3
rd edition 1999などの保護基についての専門書に記載されている。
【0086】
追加的方法工程において、所望なように実施するには、反応に関与すべきでない出発化合物の官能基は、非保護形態で存在してもよいし、あるいは例えば、「保護基」の下、上記で述べた1個以上の保護基によって保護されていてよい。次に、保護基は、そこに記載されている方法のうちの1つに従って全体的又は部分的に除去される。
【0087】
式(I)で示される得ることができる化合物の式(I)で示される別の化合物への変換において、アミノ基を、アルキル化又はアシル化して、対応する置換化合物を得ることができる。アルキル化は、ハロゲン化アルキル又は活性アルキルエステルを用いて実施してもよい。メチル化については、ジアゾメタンが使用されてよい。アルキル化は、還元条件下、アルデヒドを用いて実施されてもよい。アシル化のためには、対応する塩化アシルが好ましい。代替的に、酸無水物が使用されてもよく、あるいはアシル化は、それ自体はペプチド化学で公知のアミド形成のために使用される条件下で遊離酸を用いて、例えば、場合により適切な触媒又は共試薬の存在下、カルボキシ基のための活性化剤、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどを用いて、達成することもできる。さらに、アミンは、ヘテロアリール及びヘテロシクリルに、そのような環化に典型的な反応条件下で、変換することもできる。
【0088】
ヒドロキシ基は、アミノ基について記載した手順に関連する手順で、アルキル化(エーテル化)又はアシル化(エステル化)して対応する置換化合物を得ることもできる。アルキル化は、ハロゲン化アルキル又は活性アルキルエステルを用いて実施することもできる。メチル化については、ジアゾメタンが使用されてよい。アシル化については、対応する塩化アシル又は酸無水物が使用されてよく、あるいはアシル化は、遊離酸及び適切な活性化剤を用いて達成することもできる。
【0089】
ニトロ−置換アリール又はヘテロアリール基中のニトロ基を還元して対応するアミノ基を得ることは、例えば、アルコール中の鉄粉を用いるか、又は他の還元剤を用いて行われる。
【0090】
カルボキシ−置換アリール又はヘテロアリール基中のカルボキシ基は、それ自体はペプチド化学で公知のアミド形成のために使用される条件下、例えば、場合により適切な触媒又は共試薬の存在下で、対応するアミン、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのカルボキシ基のための活性化剤を用いて、アミド化されてよい。
【0091】
アリール又はヘテロアリール基中のクロロ、ブロモもしくはヨード置換基は、先に記載したようなスズキ反応において適切なフェニルボロン酸を用いた反応によってフェニル又はフェニル誘導体によって置き換えられ得る。
【0092】
式(I)で示される化合物のプロドラッグは、それ自体公知の方法で、特に標準的なエステル化反応によって調製される。アセチル基も、糖化学において慣例上保護基であるので、テトラアセタートは、通常、中間体の段階ですでに形成されている。この場合において、ベンジルエステルを、それらの選択的脱保護を可能にするために、アグリコン中で使用する。
【0093】
塩形成基による式(I)で示される化合物の塩は、それ自体公知の方法で調製することもできる。ゆえに、式(I)で示される化合物の酸付加塩は、酸を用いた、又は適切なアニオン交換試薬を用いた処理によって得ることもできる。
【0094】
塩は、通常、例えば、適切な塩基性剤を用いて、例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩又はアルカリ金属水酸化物、典型的には炭酸カリウム又は水酸化ナトリウムを用いて処理することによって、遊離化合物に変換することができる。
【0095】
この章で述べた変換に類似する反応も、適切な中間体のレベルで行われてよいということが強調されるべきである。
【0096】
ここで記載した全ての方法工程は、公知の反応条件下、好ましくは特に述べられた条件下で、好ましくは使用される試薬に対して不活性で、かつこれらを溶解することができるような溶媒又は希釈剤の非存在下又は通常は存在下で、反応及び/又は反応物の種類に応じて、触媒、縮合剤又は中和剤、例えばイオン交換体、典型的には、例えばH+型であるカチオン交換体の非存在下又は存在下で、低下温度、常温又は昇温で、例えば、−100℃〜約190℃、好ましくは約−80℃〜約150℃の範囲内、例えば、−80〜+60℃で、−20〜+40℃で、室温で、又は使用される溶媒の沸点で、大気圧下又は密閉容器内、適切な場合には圧力下及び/又は不活性雰囲気下、例えばアルゴンもしくは窒素下で、実施することができる。
【0097】
塩は、全ての出発化合物及び一過性物(これらが塩形成基を含有する場合)中に存在してよい。塩は、また、そのような化合物の反応の間に、それによってその反応が妨害されないならば、存在してよい。
【0098】
全ての反応段階で、生じる異性体混合物を、それら個々の異性体、例えば、ジアステレオマーもしくはエナンチオマーに、又は異性体の任意の混合物、例えば、ラセミ体もしくはジアステレオマー混合物に、分離することができる。
【0099】
本発明は、また、一過性物として任意の段階で得ることができる化合物から出発して、そして除外工程を実施するか、又は方法を任意の段階で中断するか、又は反応条件下で出発物質を形成するか、又は反応性誘導体もしくは塩の形態にある前記出発物質を使用するか、又は本発明の方法により得ることができる化合物を生成し、そしてさらに前記化合物をインサイチューで処理する、方法の形態に関する。好ましい実施態様において、本方法は、上記で好ましいとして、特に、とりわけ好ましい、第一に好ましい及び/又は何よりも好ましいとして、記載された化合物をもたらす出発物質から出発する。
【0100】
好ましい実施態様において、式(I)で示される化合物は、実施例で定義する方法及び方法工程に従うか、又はそれらと同様にして調製される。
【0101】
式(I)で示される化合物(それらの塩を含む)は、また、水和物の形態で得ることができ、あるいはそれらの結晶は、例えば、結晶化のために使用される溶媒を含むことができ、すなわち、溶媒和物として存在することができる。
【0102】
新しい出発物質及び/又は中間体、ならびにそれらの調製のための方法は、同様に、本発明の主題である。好ましい実施態様において、そのような出発物質が使用され、そして反応条件は、好ましい化合物が得られるように選択される。
【0103】
式(I)の出発物質は、公知で、市販されているか、又は当技術分野において公知である方法と同様に、もしくはそれに従って合成することができる。特に、R
1がハロゲンである、式(I)で示される化合物は、適切に活性化され、かつ保護されたα−D−マンノピラノシド、例えば、対応するトリクロロアセトイミダート、又は1−ハログリコシドもしくはチオグリコシドと、それぞれフェノール、ベンジルアルコール又はフェニルエタノールとの反応で得られ、それは適切な置換基R
2及びR
3ならびにハロゲンとしてのR
1を有する。
【0104】
本発明は、また、活性成分として式(I)で示される化合物を含み、そしてとりわけ、冒頭で述べた感染症の処置に使用され得る、医薬組成物に関する。温血動物、とりわけヒトへの、経腸投与、例えば、経鼻、頬側、直腸、尿管又はとりわけ経口投与など、及び非経口投与、例えば、静脈内、筋肉内もしくは皮下投与などのための組成物が、とりわけ好ましい。本組成物は、活性成分を単独で、又は好ましくは薬学的に許容しうる担体と一緒に含む。活性成分の投与量は、処置されるべき疾患によって、そして種、その年齢、体重及び個々の状態、個々の薬物動態データならびに投与方法によって決まる。
【0105】
本発明は、とりわけ、式(I)で示される化合物、互変異性体、プロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩、又はその水和物もしくは溶媒和物、及び少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。
【0106】
本発明は、また、人体もしくは動物体の予防的又はとりわけ治療的管理のための方法における、特に、感染症、とりわけ上記で述べた疾患を処置する方法における、使用のための医薬組成物に関する。
【0107】
本発明は、また、活性要素(活性成分)としての式(I)で示される化合物を含む医薬製剤の調製のための、方法及びその式(I)で示される化合物の使用に関する。
【0108】
温血動物、とりわけヒトの感染症の予防的又はとりわけ治療的管理のための医薬組成物であって、前記疾患に対して予防的又はとりわけ治療的に活性な量で、活性成分としての式(I)で示される新規化合物を含む、医薬組成物が同様に好ましい。
【0109】
本医薬組成物は、約1%〜約95%の活性成分の単一用量投与形態を含み、好ましい実施態様において、約20%〜約90%の活性成分及び単一用量タイプではない形態を含み、好ましい実施態様において、約5%〜約20%の活性成分を含む。単位用量形態は、例えば、コーティング及び非コーティング錠、アンプル、バイアル、坐薬又はカプセル剤である。さらなる剤形は、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、フォーム剤、チンキ剤、リップスティック、点滴剤、スプレー剤、分散剤等である。例は、活性成分 約0.05g〜約1.0gを含有するカプセル剤である。
【0110】
本発明の医薬組成物は、それ自体公知の方法で、例えば、従来の混合、顆粒化、コーティング、溶解又は凍結乾燥方法によって調製される。
【0111】
好ましいのは、活性成分の溶液そしてまた懸濁液もしくは分散液の使用、とりわけ例えば、活性成分を単独で又は担体、例えばマンニトールと一緒に含む凍結乾燥組成物の場合、使用前に作成され得る等張水溶液、分散液もしくは懸濁液の使用である。本医薬組成物は、滅菌されてよく、かつ/あるいは、賦形剤、例えば、防腐剤、安定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩、及び/又は、緩衝剤を含んでよく、そしてそれ自体公知の方法で、例えば、従来の溶解及び凍結乾燥方法によって調製される。前記溶液又は懸濁液は、粘度上昇剤、典型的にはナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン又はゼラチン、あるいはまた、可溶化剤、例えば、Tween 80(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート)を含んでよい。
【0112】
油中懸濁液は、油成分として、注射目的に慣習的な植物油、合成油又は半合成油を含む。そのようなものに関して、8〜22個、とりわけ12〜22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を酸成分として含有する液体脂肪酸エステルについて特に言及することができる。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、最大6個の炭素原子を有し、そして一価又は多価、例えば、一、二又は三価アルコール、とりわけグリコール及びグリセリンである。脂肪酸エステルの混合物として、植物油、例えば、綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、ダイズ油及び落花生油などが、とりわけ有用である。
【0113】
注射用製剤の製造は、通常、例えばアンプル又はバイアル内への充填及び容器の密封の場合、無菌条件下で実施される。
【0114】
適切な担体は、とりわけ、充填剤、例えば、糖類(例えば、乳糖、ショ糖、マンニトール又はソルビトール)、セルロース調製物及び/又はリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム)など、そしてまた、結合剤、例えば、デンプン(例えば、トウモロコシ、小麦デンプン、米又はジャガイモデンプン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及び/又はポリビニルピロリドンなど、及び/又は、所望であれば、崩壊剤、例えば、先に述べたデンプン、また、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)などである。追加的な賦形剤は、とりわけ、滑沢剤及び潤滑剤、例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸もしくはその塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウムなど)及び/又はポリエチレングリコールあるいはこれらの誘導体である。
【0115】
錠剤核に、中でも、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/もしくは二酸化チタンを含んでよい濃縮糖溶液、又は適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物中のコーティング溶液、あるいは腸溶性コーティングの調製のために、適切なセルロース調製物の溶液、例えば、フタル酸酢酸セルロース又はフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを使用することにより、適切な、場合により腸溶性のコーティングを提供することができる。色素又は顔料を、例えば、識別目的のため、あるいは異なる用量の活性成分を示すために、錠剤又は錠剤コーティングに加えてよい。
【0116】
経口投与のための医薬組成物は、また、ゼラチンからなる硬カプセル剤、そしてまた、ゼラチン及びグリセリン又はソルビトールなどの可塑剤からなる密封した軟カプセル剤を含む。硬カプセル剤は、活性成分を顆粒の形態で、例えば、充填剤(例えば、トウモロコシデンプンなど)、結合剤及び/又は流動促進剤(例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウムなど)そして場合により安定剤との混合物として、含有することもできる。軟カプセル剤において、活性成分は、好ましくは、適切な液体賦形剤、例えば、脂肪油、パラフィン油もしくは液体ポリエチレングリコール、又はエチレンもしくはプロピレングリコールの脂肪酸エステルなどに溶解又は懸濁され、それに、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の安定剤及び洗浄剤を加えてもよい。
【0117】
直腸投与に適する医薬組成物は、例えば、活性成分及び坐剤基剤の組み合わせからなる坐薬である。適切な坐薬基剤は、例えば、天然もしくは合成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコール又は高級アルカノールである。
【0118】
非経口投与について、水溶性型の活性成分、例えば水溶性塩の水溶液あるいは粘度上昇物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール及び/又はデキストラン、そして所望の場合、安定剤を含有する水性注射用懸濁液が、とりわけ適切である。活性成分は、場合により賦形剤と一緒になって、凍結乾燥物の形態にあることもでき、そして非経口投与前に適切な溶媒を加えることによって溶液にすることができる。
【0119】
例えば、非経口投与に使用されるような溶液は、輸液として利用することもできる。
【0120】
好ましい防腐剤は、例えば、アスコルビン酸などの酸化防止剤又はソルビン酸もしくは安息香酸などの殺菌剤である。
【0121】
本発明は、さらに、感染症の予防及び治療のための方法であって、式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩(ここで、基及び記号は、式(I)について先に定義したとおりの意味を有する)を前記疾患に対して有効な量で、そのような処置を必要としている温血動物に投与することを含む、方法に関する。式(I)で示される化合物は、それ自体として又はとりわけ医薬組成物の形態で、予防的もしくは治療的に好ましい前記疾患に対して有効な量で、そのような処置を必要としている温血動物、例えばヒトに投与することができる。約70kgの体重を有する個人の場合、本発明の化合物の投与される一日用量は、約0.01g〜約1g、好ましくは約0.05g〜約0.1gである。
【0122】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を例示するのに役立つものである。
【0123】
実施例
一般的方法
市販試薬は、Fluka, Aldrich, Merck, AKSci, ASDI又はAlfa Aesarから購入した。メタノールを、ナトリウムメトキシドから蒸留により乾燥させた。ジクロロメタン(CH
2Cl
2)を、Al
2O
3(Fluka、塩基性;0.05〜0.15mm)を通す濾過により乾燥させた。トルエンを、ナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留により乾燥させた。
【0124】
旋光度を、20℃で、Perkin Elmer 341偏光計上、路長1dmで測定した。濃度は、g/100mLで示した。
【0125】
NMRスペクトルを、Bruker Avance 500 UltraShield分光計上、500.13MHz(
1H)又は125.76MHz(
13C)で得た。化学シフトは、ppmで示し、そして残留溶媒ピークに、又は内部標準としてテトラメチルシランに対して、較正した。多重度は、s(一重線)、d(二重線)、dd(二重線の二重線)、t(三重線)、q(四重線)又はm(多重線)として特定する。
1H及び
13C NMRスペクトルの帰属は、二次元法を使用して達成した(COSY、HSQC)。
【0126】
微量分析は、スイス国、バーゼル大学、化学部(the Department of Chemistry, University of Basel, Switzerland)で実施した。ESI質量スペクトルを、Waters micromass ZQ機器上で記録した。高分解能質量スペクトルを、TOF 6重極検出器(TOF hexapole detector)を備えたESI Bruker Daltonics micrOTOF分光計上で得た。
【0127】
マイクロ波支援反応(Microwave-assisted reactions)を、CEM Discover及びExplorerを用いて実施した。反応を、シリカゲル60 F
254でコーティングされたガラスプレートを使用したTLCにより監視し、そしてUV光線を使用することによって及び/又はモリブデン酸塩溶液(10% H
2SO
4水溶液中の硫酸アンモニウムセリウム二水和物及びモリブデン酸アンモニウム四水和物の0.02M溶液)を140℃に5分間加熱して焦がすことによって、視覚化した。
【0128】
カラムクロマトグラフィーを、RediSep順相使い捨てフラッシュカラム(シリカゲル)を使用したCombiFlash Companion(ISCO, Inc.)上で実施した。逆相クロマトグラフィーを、LiChroprep(登録商標)RP-18(Merck、40〜63μm)上で実施した。
【0129】
R
1が、4−メトキシカルボニルフェニル又は4−カルボキシフェニルである、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例1〜21)、以下の手順を使用した:ルイス酸触媒下、異なるハロゲン化フェノール4a〜fのトリクロロアセトイミダート(trichloracetimidate)3(アセチル化α−D−マンノピラノシド1から、選択的脱アセチル化により、続いて2のトリクロロアセトニトリル(trichloracetonitrile)との縮合によって得ることができる)とのグリコシル化により、マンノシル化フェニルハライド5a〜d(スキーム1)及び5e〜f(スキーム2)を得た。以下のパラジウム触媒スズキカップリングにおいて、マンノシル化フェニルハライド5a〜f及び4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸を、マイクロ波条件下、パラ置換ビフェニル6a〜d(スキーム1)に、及びメタ置換ビフェニル6e〜f(スキーム2)に変換した。化合物7a〜d(スキーム1)及び7e〜f(スキーム2)を、Zemplen脱保護によって得た。メチルエステルのけん化により、最終的に、ナトリウム塩8a〜b(スキーム1)及び8e〜f(スキーム2)を得た。
【0130】
【化13】
スキーム1.パラ系のビフェニルマンノシドの合成。(i)TMSOTf、PhMe、室温、5時間;(ii)4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸、Cs
2CO
3、Pd(PPh
3)
4、ジオキサン、120℃、8.3時間;(iii)NaOMe、MeOH、室温、24時間;(iv)NaOH/H
2O、室温、24時間。
【0131】
【化14】
スキーム2.メタ系のビフェニルマンノシドの合成。(i)TMSOTf、PhMe、室温、5時間;(ii)4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸、Cs
2CO
3、Pd(PPh
3)
4、ジオキサン、120℃、8.3時間;(iii)NaOMe、MeOH、室温、24時間;(iv)NaOH/H
2O、室温、24時間。
【0132】
実施例1: 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノース(2)
1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(1、10g、25.6mmol)を、DMF(55mL)に溶解した。ヒドラジンアセタート(3.54mg、38.5mmol)を加え、そしてこの混合物を、アルゴン下、室温で3時間撹拌した。その後、反応混合物を、酢酸エチル(80mL)に溶解した。有機層を、水(2×100mL)及びブライン(1×100mL)で洗浄した。水層を、酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、そして得られた残留物を、石油エーテル/EtOAc(4:1〜1:1)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(2)を得た(7.9g、89%)。
【0133】
実施例2: 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルトリクロロアセトイミダート(3)
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノース(2、7.80g、22.4mmol)を、乾燥ジクロロメタン(50mL)に溶解した。トリクロロアセトニトリル(11.25mL)及び炭酸セシウム(730mg、2.24mmol)を加え、そして反応物をアルゴンでフラッシュした。この混合物を、室温で3.5時間撹拌した。減圧下で蒸発させることによる溶媒の除去により、残留物が残り、それを石油エーテル/EtOAc(19:1〜1:1)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、3を得た(10.6g、96%)。
【0134】
実施例3: 4−ブロモ−2−クロロフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(5a)
アルゴン下、トルエン(20mL)中の2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルトリクロロアセトイミダート3(2.38g、4.84mmol、1.0当量)及び4−ブロモ−2−クロロフェノール(4a、1.20g、5.80mmol、1.2当量)の撹拌した溶液に、TMSOTf(107mg、0.484mmol、0.1当量)を、シリンジを介して滴下した。反応物を、室温で5時間撹拌し、そして次に、トルエン(15mL)で希釈し、そして飽和NaHCO
3水溶液(15mL)でクエンチした。層を分離し、そして水層をトルエン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、そして真空下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、19:1〜1.5:1)により精製して、5a(538mg、85%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +60.6 (c = 0.40, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.02 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 4.05 (dd, J = 2.3 Hz, 12.2 Hz, 1H, H-6a), 4.10 (ddd, J = 2.7 Hz, 5.3 Hz, 7.6 Hz, 1H, H-5), 4.24 (dd, J = 5.4 Hz, 12.2 Hz, 1H, H-6b), 5.35 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.48 (m, 2H, H-1, H-2), 5.56 (dd, J = 3.2 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-3), 7.03 (d, J = 8.8 Hz, 1H, C
6H
3), 7.30 (dd, J = 2.4 Hz, 8.8 Hz, 1H, C
6H
3), 7.53 (d, J = 2.4 Hz, 1H, C
6H
3);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 62.3 (C-6), 65.9 (C-4), 68.9 (C3), 69.4 (C-2), 70.1 (C-5), 96.9 (C-1), 115.9 (Ar-C
i), 118.4 (Ar-C), 125.7 (Ar-C
i), 130.8 (Ar-C), 133.3 (Ar-C), 150.6 (Ar-C
i), 169.9, 170.0, 170.1, 170.7 (4C=O);ESI-MS C
20H
22BrClO
10 [M+Na]
+の計算値:559.0;実測値 559.0;分析:C
20H
22BrClO
10の計算値:C 44.67, H 4.12;実測値 C 45.08, H 4.14。
【0135】
実施例4: 4−ブロモ−3−クロロフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(5b)
化合物3(900mg、1.83mmol)を、実施例3、5aのための手順に従って、トルエン(9mL)中の4−ブロモ−3−クロロフェノール(4b、455mg、2.19mmol)及びTMSOTf(41mg、0.18mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、19:1〜1.5:1)により精製して、5b(580mg、59%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +76.9 (c = 1.00, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.01 (s, 3H, OAc), 2.02 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 2.17 (s, 3H, OAc), 4.01 (ddd, J = 2.3 Hz, 6.0 Hz, 9.8 Hz, 1H, H-5), 4.05 (dd, J = 2.3 Hz, 12.2 Hz, 1H, H-6a), 4.25 (dd, J = 6.0 Hz, 12.2 Hz, 1H, H-6b), 5.32 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.39 (dd, J = 1.9 Hz, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.44 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.48 (dd, J = 3.5 Hz, 10.0 Hz, 1H, H-3), 6.87 (dd, J = 2.8 Hz, 8.9 Hz, 1H, C
6H
3), 7.26 (d, J = 2.8 Hz, 1H, C
6H
3), 7.50 (d, J = 8.9 Hz, 1H, C
6H
3);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 62.3 (C-6), 66.0 (C-4), 68.8 (C3), 69.2 (C-2), 69.7 (C-5), 96.2 (C-1), 116.0 (Ar-C
i), 116.9 (Ar-C), 118.8 (Ar-C), 134.3 (Ar-C), 135.3 (Ar-C
i), 155.3 (Ar-C
i), 169.9, 170.1, 170.1, 170.7 (4C=O);ESI-MS C
20H
22BrClO
10 [M+Na]
+の計算値:561.0;実測値 561.0;分析:C
20H
22BrClO
10の計算値:C 44.67、H 4.12;実測値 C 44.79、H 4.10。
【0136】
実施例5: 4−ブロモ−2,6−ジクロロフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(5c)
化合物3(900mg、1.83mmol)を、実施例3、5aのための手順に従って、トルエン(9mL)中の4−ブロモ−2,6−ジクロロフェノール(4c、530mg、2.19mmol)及びTMSOTf(41mg、0.18mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、19:1〜1.5:1)により精製して、5c(438mg、42%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +58.2 (c = 1.07, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.01 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.16 (s, 3H, OAc), 4.15 (dd, J = 2.3 Hz, 12.4 Hz, 1H, H-6a), 4.27 (dd, J = 5.1 Hz, 12.4 Hz, 1H, H-6b), 4.67 (ddd, J = 2.2 Hz, 5.0 Hz, 10.2 Hz, 1H, H-5), 5.33 (d, J = 1.8 Hz, 1H, H-1), 5.37 (t, J = 10.2 Hz, 1H, H-4), 5.56 (dd, J = 3.3 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-3), 5.75 (dd, J = 2.0 Hz, 3.3 Hz, 1H, H-2), 7.46 (s, 2H, C
6H
2);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.9, 21.0, 21.1 (4C, 4OAc), 62.4 (C-6), 65.9 (C-4), 68.7 (C3), 69.4 (C-2), 71.0 (C-5), 101.3 (C-1), 117.9, 130.0, 132.1, 149.2 (6C, 6Ar-C), 169.9, 170.0, 170.1, 170.8 (4C=O);ESI-MS C
20H
21BrCl
2O
10[M+Na]
+の計算値:595.0;実測値 594.9;分析:C
20H
21BrCl
2O
10の計算値:C 41.98、H 3.70;実測値 C 42.22、H 3.73。
【0137】
実施例6: 4−ブロモ−3,5−ジクロロフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(5d)
化合物3(907mg、1.84mmol)を、実施例3、5aのための手順に従って、トルエン(9mL)中の4−ブロモ−3,5−ジクロロフェノール(4d、535mg、2.21mmol)及びTMSOTf(41mg、0.18mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、19:1〜1.5:1)により精製して、5d(807mg、77%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +76.3 (c = 1.00, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.04 (2s, 6H, 2OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 3.99 (m, 1H, H-5), 4.05 (dd, J = 2.2 Hz, 12.2 Hz, 1H, H-6a), 4.25 (dd, J = 6.4 Hz, 12.3 Hz, 1H, H-6b), 5.31 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.38 (dd, J = 1.9 Hz, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.45 (m, 2H, H-1, H-3), 7.19 (s, 2H, C
6H
2);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.8, 20.9, 21.0 (4C, 4OAc), 62.4 (C-6), 65.9 (C-4), 68.7 (C3), 69.1 (C-2), 69.8 (C-5), 96.3 (C-1), 117.3, 117.5, 137.0, 154.8 (6C, 6Ar-C), 170.0, 170.1, 170.7 (4C, 4C=O);ESI-MS C
20H
21BrCl
2O
10[M+Na]
+の計算値:595.0;実測値 595.0;分析:C
20H
21BrCl
2O
10の計算値:C 41.98、H 3.70;実測値 C 41.64、H 3.69。
【0138】
実施例7: 5−ブロモ−2−クロロフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(5e)
化合物3(900mg、1.83mmol)を、実施例3、5aのための手順に従って、トルエン(9mL)中の5−ブロモ−2−クロロフェノール(4e、455mg、2.19mmol)及びTMSOTf(41mg、0.18mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、19:1〜1.5:1)により精製して、5e(654mg、67%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +52.2 (c = 0.96, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 4.10 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.26 (dd, J = 6.2 Hz, 12.1 Hz, 1H, H-6b), 5.33 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.49 (m, 2H, H-1, H-2), 5.56 (m, 1H, H-3), 7.14 (dd, J = 2.1 Hz, 8.5 Hz, 1H, C
6H
3), 7.24 (m, 1H, C
6H
3), 7.35 (d, J = 2.1 Hz, 1H, C
6H
3);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 62.4 (C-6), 66.0 (C-4), 68.8 (C3), 69.3 (C-2), 70.0 (C-5), 96.9 (C-1), 120.6 (Ar-C
i), 120.7 (Ar-C), 123.6 (Ar-C
i), 127.2 (Ar-C), 131.6 (Ar-C), 152.0 (Ar-C
i), 170.0, 170.1, 170.8 (4C, 4C=O);ESI-MS C
20H
22BrClO
10 [M+Na]
+の計算値:561.0;実測値 561.0;分析:C
20H
22BrClO
10の計算値:C 44.67、H 4.12;実測値 C 45.18、H 4.21。
【0139】
実施例8: 3−ブロモフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(5f)
化合物3(900mg、1.83mmol)を、実施例3、5aのための手順に従って、トルエン(9mL)中の3−ブロモフェノール(4f、379mg、2.19mmol)及びTMSOTf(41mg、0.18mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、19:1〜1.5:1)により精製して、5f(645mg、70%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +66.8 (c = 1.08, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.01 (s, 3H, OAc), 2.03 (2s, 6H, 2OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 4.05 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.25 (dd, J = 6.4 Hz, 12.6 Hz, 1H, H-6b), 5.32 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 5.40 (dd, J = 1.9 Hz, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.47 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.50 (dd, J = 3.5 Hz, 10.0 Hz, 1H, H-3), 7.00 (ddd, J = 1.3 Hz, 2.3 Hz, 7.9 Hz, 1H, C
6H
4), 7.15 (t, J = 8.0 Hz, 1H, C
6H
4), 7.18 (dt, J = 1.4 Hz, 7.9 Hz, 1H, C
6H
4), 7.29 (t, J = 2.0 Hz, 1H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 62.4 (C-6), 66.1 (C-4), 68.9 (C3), 69.4 (C-2), 69.5 (C-5), 95.9 (C-1), 115.7 (Ar-C), 120.1 (Ar-C), 123.0 (Ar-C
i), 126.4 (Ar-C), 130.9 (Ar-C), 156.4 (Ar-C
i), 169.9, 170.1, 170.2, 170.8 (4C=O);ESI-MS C
20H
23BrO
10[M+Na]
+の計算値:525.0;実測値 525.1;分析:C
20H
23BrO
10の計算値:C 47.73、H 4.61;実測値 C 47.81、H 4.56。
【0140】
実施例9: メチル4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−3’−クロロ−ビフェニル−4−カルボキシラート(6a)
マイクロ波管に、5a(720mg、1.34mmol、1当量)、4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(289mg、1.61mmol、1.2当量)、炭酸セシウム(1.31g、4.02mmol、3当量)及びPd(PPh
3)
4(77.4mg、0.067mmol、0.05当量)を入れた。この管を密閉し、針を介して排気し、そしてアルゴンでフラッシュした。すでに30分間脱気し、そしてさらに20分間アルゴンでフラッシュしたジオキサン(15mL)を加えた。密閉した管を、超音波浴内で15分間脱気し、再び20分間アルゴンでフラッシュし、そして、120℃の制御された温度で500分間マイクロ波照射に曝露した。溶媒を真空下で蒸発させた。残留物を、CH
2Cl
2(10mL)に溶解し、ブライン(2×10mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして真空下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、5:1〜0.5:1)により精製して、6a(333mg、42%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +66.3 (c = 1.06, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.03 (2s, 6H, 2OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.20 (s, 3H, OAc), 3.92 (s, 3H, OCH
3), 4.08 (dd, J = 2.4 Hz, 12.3 Hz, 1H, H-6a), 4.17 (m, 1H, H-5), 4.28 (dd, J = 5.4 Hz, 12.3 Hz, 1H, H-6b), 5.39 (t, J = 10.6 Hz, 1H, H-4), 5.54 (dd, J = 1.9 Hz, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.59 (d, J = 1.8 Hz, 1H, H-1), 5.62 (dd, J = 3.5 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-3), 7.24 (s, 1H, C
6H
3), 7.44 (dd, J = 2.2 Hz, 8.5 Hz, 1H, C
6H
3), 7.57 (AA'BB'のA, A', J = 8.5 Hz, 2H, C
6H
4), 7.65 (d, J = 2.2 Hz, 1H, C
6H
3), 8.08 (AA'BB'のB, B', J = 8.5 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3);δ 20.9, 21.0, 21.1 (4C, 4OAc), 52.5 (OCH
3), 62.3 (C-6), 66.0 (C-4), 69.0 (C-3), 69.5 (C-2), 70.0 (C-5), 96.8 (C-1), 117.4, 126.7, 126.9, 129.5, 129.5, 130.5 (9C, 7Ar-C, 2Ar-C
i), 136.4 (Ar-C
i), 143.6 (Ar-C
i), 151.3 (Ar-C
i), 167.0, 169.9, 170.0, 170.2, 170.7 (5C=O);ESI-MS C
28H
29ClO
12[M+Na]
+の計算値:615.1;実測値 615.2;分析:C
28H
29ClO
12の計算値:C 56.71、H 4.93;実測値 C 56.79、H 4.92。
【0141】
実施例10: メチル4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−2’−クロロ−ビフェニル−4−カルボキシラート(6b)
5b(50mg、0.09mmol)を、実施例9、6aのための手順に従って、ジオキサン(1mL)中の4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(20mg、0.11mmol)、炭酸セシウム(91mg、0.28mmol)及びPd(PPh
3)
4(5.4mg、0.006mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、5:1〜0.5:1)により精製して、6b(41mg、74%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +78.1 (c = 0.98, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 1.98 (s, 3H, OAc), 2.00 (2s, 6H, 2OAc), 2.14 (s, 3H, OAc), 3.87 (s, 3H, OCH
3), 4.04 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.23 (dd, J = 6.2 Hz, 12.8 Hz, 1H, H-6b), 5.30 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 5.39 (d, J = 1.4 Hz, 1H, H-2), 5.48 (m, 2H, H-1, H-3), 7.01 (dd, J = 2.4 Hz, 8.5 Hz, 1H, C
6H
3), 7.22 (m, 2H, C
6H
3), 7.41 (AA'BB'のA, A', J = 2.2 Hz, 2H, C
6H
4), 8.02 (AA'BB'のB, B', J = 2.2 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3);δ 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 52.4 (OCH
3), 62.2 (C-6), 66.1 (C-4), 68.9 (C-3), 69.4 (C-2), 69.6 (C-5), 96.2 (C-1), 115.7, 118.3, 129.4, 129.6, 129.8, 132.8 (8C, 7Ar-C, Ar-C
i), 133.2 (Ar-C
i), 134.6 (Ar-C
i), 143.4 (Ar-C
i), 155.8 (Ar-C
i), 167.1, 169.9, 170.1, 170.2, 170.7 (5C=O);ESI-MS C
28H
29ClO
12 [M+Na]
+の計算値:615.1;実測値 615.2;分析:C
28H
29ClO
12の計算値:C 56.71、H 4.93;実測値 C 56.59、H 4.94。
【0142】
実施例11: メチル4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−3’,5’−ジクロロ−ビフェニル−4−カルボキシラート(6c)
5c(50mg、0.09mmol)を、実施例9、6aのための手順に従って、ジオキサン(1mL)中の4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(19mg、0.10mmol)、炭酸セシウム(85mg、0.26mmol)及びPd(PPh
3)
4(5.1mg、0.004mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、5:1〜0.5:1)により精製して、6c(26mg、30%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +60.6 (c = 1.00, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.03 (s, 3H, OAc), 2.07 (2s, 6H, 2OAc), 2.17 (s, 3H, OAc), 3.92 (s, 3H, OCH
3), 4.19 (dd, J = 2.0 Hz, 12.4 Hz, 1H, H-6a), 4.29 (dd, J = 5.0 Hz, 12.4 Hz, 1H, H-6b), 4.75 (ddd, J = 2.0 Hz, 4.7 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-5), 5.40 (m, 2H, H-1, H-4), 5.61 (dd, J = 3.3 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-3), 5.80 (s, 1H, H-2), 7.55 (s, 2H, C
6H
2), 7.56 (AA'BB'のA, A', J = 9.5 Hz, 2H, C
6H
4), 8.09 (AA'BB'のB, B', J = 8.3 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.9, 21.0, 21.1 (4C, 4OAc), 52.4 (OCH
3), 62.5 (C-6), 65.9 (C-4), 68.9 (C-3), 69.5 (C-2), 71.0 (C-5), 101.4 (C-1), 127.1 (2C, 2Ar-C), 128.1 (2C, 2Ar-C), 129.6 (2C, 2Ar-C
i), 130.2 (Ar-C
i), 130.6 (2C, 2Ar-C), 138.6 (Ar-C
i), 142.3 (Ar-C
i), 149.4 (Ar-C
i), 166.8, 169.9, 170.0, 170.1, 170.9 (5 C=O);ESI-MS C
28H
28Cl
2O
12 [M+Na]
+の計算値:649.1;実測値 649.2;分析:C
28H
28Cl
2O
12の計算値:C 53.60、H 4.50;実測値 C 52.90、H 4.53。
【0143】
実施例12: メチル4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−2’,6’−ジクロロ−ビフェニル−4−カルボキシラート(6d)
5d(50mg、0.09mmol)を、実施例9、6aのための手順に従って、ジオキサン(1mL)中の4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(19mg、0.10mmol)、炭酸セシウム(85mg、0.26mmol)及びPd(PPh
3)
4(5.0mg、0.004mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、5:1〜0.5:1)により精製して、6d(24mg、28%)を白色の泡状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 2.03 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 3.92 (s, 3H, OCH
3), 4.08 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.29 (dd, J = 6.3 Hz, 12.4 Hz, 1H, H-6b), 5.34 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.42 (dd, J = 1.9 Hz, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.50 (m, 2H, H-1, H-3), 7.21 (s, 2H, C
6H
2), 7.30, 8.10 (AA'BB'のA, A'及びB, B', J = 8.5 Hz, 4H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 52.5 (OCH
3), 62.4 (C-6), 65.9 (C-4), 68.7 (C-3), 69.2 (C-2), 69.7 (C-5), 96.3 (C-1), 116.9 (2C, 2Ar-C), 129.7 (2C, 2Ar-C), 130.1 (Ar-C
i), 130.3 (2C, 2Ar-C), 133.7 (Ar-C
i), 135.4 (2C, 2Ar-C
i), 141.2 (Ar-C
i), 155.5 (Ar-C
i), 167.0, 169.9, 170.1, 170.2, 170.7 (5C=O);ESI-MS C
28H
28Cl
2O
12 [M+Na]
+の計算値:649.1;実測値 649.1;分析:C
28H
28Cl
2O
12の計算値:C 53.60、H 4.50;実測値 C 53.74、H 4.52。
【0144】
実施例13: メチル3’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−4’−クロロ−ビフェニル−4−カルボキシラート(6e)
5e(355mg、0.66mmol)を、実施例9、6aのための手順に従って、ジオキサン(12mL)中の4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(143mg、0.79mmol)、炭酸セシウム(645mg、1.98mmol)及びPd(PPh
3)
4(38.2mg、0.033mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、5:1〜0.5:1)により精製して、9e(179mg、46%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +64.8 (c = 0.37, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 1.85 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.19 (s, 3H, OAc), 3.92 (s, 3H, OCH
3), 4.06 (m, 1H, H-6a), 4.19 (m, 1H, H-5), 4.26 (dd, J = 5.8 Hz, 12.1 Hz, 1H, H-6b), 5.37 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.55 (s, 1H, H-2), 5.62 (m, 2H, H-1, H-3), 7.26 (dd, J = 1.4 Hz, 8.2 Hz, 1H, C
6H
3), 7.42 (s, 1H, C
6H
3), 7.46 (d, J = 8.3 Hz, 1H, C
6H
3), 7.59, 8.07 (AA'BB'のA, A'及びB, B', J = 8.2 Hz, 4H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.7, 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 52.4 (OCH
3), 62.4 (C-6), 66.0 (C-4), 68.9 (C-3), 69.5 (C-2), 70.0 (C-5), 96.7 (C-1), 115.9 (Ar-C), 122.9 (Ar-C), 124.5 (Ar-C
i), 127.1 (2C, 2Ar-C), 129.7 (Ar-C
i), 130.4 (2C, 2Ar-C), 131.2 (Ar-C), 140.2 (Ar-C
i), 144.0 (Ar-C
i), 151.7 (Ar-C
i), 166.9, 170.0, 170.0, 170.2, 170.7 (5 C=O);ESI-MS C
28H
29ClO
12[M+Na]
+の計算値:615.1;実測値:615.2。
【0145】
実施例14: メチル3’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(6f)
5f(48mg、0.10mmol)を、実施例9、6aのための手順に従って、ジオキサン(1mL)中の4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(21mg、0.11mmol)、炭酸セシウム(93mg、0.29mmol)及びPd(PPh
3)
4(5.5mg、0.006mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、5:1〜0.5:1)により精製して、6f(29.6mg、56%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +69.8 (c = 1.01, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (2s, 6H, 2OAc), 2.04 (s, 3H, OAc), 2.19 (s, 3H, OAc), 3.92 (s, 3H, OCH
3), 4.09 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.26 (dd, J = 5.5 Hz, 12.2 Hz, 1H, H-6b), 5.36 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.46 (dd, J = 1.8 Hz, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.57 (dd, J = 3.5 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-3), 5.60 (d, J = 1.6 Hz, 1H, H-1), 7.10 (dd, J = 1.6 Hz, 8.1 Hz, 1 H, C
6H
4), 7.31 (d, J = 7.7 Hz, 1H, C
6H
4), 7.35 (m, 1H, C
6H
4), 7.38 (t, J = 7.9 Hz, 1H, C
6H
4), 7.63 (AA'BB'のA, A', J = 8.5 Hz, 2H, C
6H
4), 8.08 (AA'BB'のB, B', J = 8.5 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.8, 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 52.4 (OCH
3), 62.4 (C-6), 66.1 (C-4), 69.0 (C-3), 69.5 (C-5), 69.6 (C-2), 96.1 (C-1), 115.5, 116.3, 122.2, 127.3, 129.5, 130.3 (9C, 8Ar-C, Ar-C
i), 141.9 (Ar-C
i), 144.9 (Ar-C
i), 156.2 (Ar-C
i), 167.1, 170.0, 170.2, 170.2, 170.7 (5C=O);ESI-MS C
28H
30O
12 [M+Na]
+の計算値:581.2;実測値: 581.1;分析:C
28H
30O
12の計算値:C 60.21、H 5.41;実測値 C 59.78、H 5.48。
【0146】
実施例15: メチル3’−クロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7a)
MeOH(20mL)中の6a(764mg、1.29mmol)の溶液に、MeOH中の3M NaOMe(110μL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、この混合物をMeOH(40mL)で希釈し、Dowex 50 x 8(H
+)で中和し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、7a(69mg、12%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +97.4 (c = 1.01, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 3.64 (m, 1H, H-5), 3.72 (m, 1H, H-6a), 3.78 (m, 2, H-4, H-6b), 3.91 (s, 3H, OCH
3), 4.00 (dd, J = 3.4 Hz, 9.5 Hz, 1H, H-3), 4.11 (dd, J = 1.8 Hz, 3.1 Hz, 1H, H-2), 5.60 (d, J = 1.1 Hz, 1H, H-1), 7.46 (d, J = 8.6 Hz, 1H, C
6H
4), 7.58 (dd, J = 2.2Hz, 8.6 Hz, 1H, C
6H
3), 7.69 (AA'BB'のA, A', J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 7.72 (d, J = 2.2 Hz, 1H, C
6H
3), 8.08 (AA'BB'のB, B', J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CD
3OD):δ 52.7 (OCH
3), 62.8 (C-6), 68.3 (C-4), 71.9 (C-2), 72.5 (C-3), 76.2 (C-5), 100.8 (C-1), 118.7 (Ar-C), 125.58 (Ar-C
i), 127.8 (2C, 2Ar-C), 127.9 (Ar-C), 129.9 (Ar-C), 130.3 (Ar-C
i), 131.3 (2C, 2Ar-C), 136.4 (Ar-C
i), 145.3 (Ar-C
i), 153.5 (Ar-C
i), 168.4 (C=O);HR-MS C
20H
21ClO
8 [M+Na]
+の計算値:447.0823;実測値 447.0820。
【0147】
実施例16: ナトリウム3’−クロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(8a)
MeOH(10mL)中の6a(380mg、0.641mmol)の溶液に、MeOH中の3M NaOMe(100μL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、0.5M NaOH(18mL)を加え、そして撹拌をさらに24時間続けた。この溶液を真空下で濃縮し、そして残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、8a(222mg、80%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +61.6 (c = 1.00, H
2O);
1H NMR (D
2O):δ 3.66 (m, 1H, H-5), 3.73 (m, 2H, H-6a, H-6b), 3.79 (t, J = 9.8 Hz, 1H, H-4), 4.07 (dd, J = 3.4 Hz, 9.8 Hz, 1H, H-3), 4.14 (d, J = 1.4 Hz, 1H, H-2), 5.47 (bs, 1H, H-1), 7.04 (d, J = 8.6 Hz, 1H, C
6H
3), 7.24 (d, J = 8.6 Hz, 1H, C
6H
3), 7.37 (AA'BB'のA, A', J = 8.1 Hz, 2H, C
6H
4), 7.41 (bs, 1H, C
6H
3), 7.86 (AA'BB'のB, B', J = 8.1 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (D
2O):δ 60.6 (C-6), 66.5 (C-4), 69.0 (C-2), 70.5 (C-3), 73.9 (C-5), 98.6 (C-1), 117.5 (Ar-C
i), 123.9 (Ar-C
i), 126.2 (2C, 2Ar-C), 126.4 (Ar-C), 128.4 (Ar-C), 129.6 (2C, 2Ar-C), 135.2 (Ar-C
i), 135.3 (Ar-C
i), 141.0 (Ar-C), 150.4 (Ar-C
i), 175.0 (C=O);HR-MS C
19H
18ClNaO
8 [M+H]
+の計算値:433.0666;実測値 433.0670。
【0148】
実施例17: メチル2’−クロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7b)及びナトリウム2’−クロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(8b)
MeOH(10.5mL)中の6b(240mg、0.404mmol)の溶液に、MeOH中の3M NaOMe(35μL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、混合物を分けた(1:1)。一方の部分を、MeOH(40mL)で希釈し、Dowex 50 x 8(H
+)で中和し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、7b(74mg、86%)を白色の固体として得た。もう一方の部分を、0.5M NaOH水溶液(6mL)と混合し、そしてさらに24時間撹拌し、そして次に、真空下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、8b(82.2mg、94%)を白色の固体として得た。
【0149】
メチル2’−クロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7b)
[α]
D20 +109.2 (c = 1.02, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 3.58 (ddd, J = 2.4 Hz, 5.4 Hz, 9.8 Hz, 1H, H-5), 3.73 (m, 2H, H-4, H-6a), 3.79 (dd, J = 2.4 Hz, 12.0 Hz, 1H, H-6b), 3.90 (dd, J = 3.4 Hz, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.92 (s, 3H, OCH
3), 4.02 (dd, J = 1.9 Hz, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.55 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 7.17 (dd, J = 2.5 Hz, 8.5 Hz, 1H, C
6H
3), 7.32 (m, 2H, C
6H
3), 7.51 (AA'BB'のA, A', J = 8.5 Hz, 2H, C
6H
4), 8.06 (AA'BB'のB, B', J = 8.5 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CD
3OD):δ 52.9 (OCH
3), 62.8 (C-6), 68.3 (C-4), 71.9 (C-2), 72.5 (C-3), 75.7 (C-5), 100.4 (C-1), 116.9, 119.3, 130.3, 131.0, 133.1 (9C, 7Ar-C, 2Ar-C
i), 133.8 (Ar-C
i), 134.8 (Ar-C
i), 145.4 (Ar-C
i), 158.2 (Ar-C
i), 168.4 (C=O);HR-MS C
20H
21ClO
8 [M+Na]
+の計算値:447.0823;実測値 447.0823。
【0150】
ナトリウム2’−クロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(8b)
[α]
D20 +74.6 (c = 1.01, H
2O);
1H NMR (D
2O):δ 3.65 (ddd, J = 2.5 Hz, 5.1Hz, 9.9 Hz, 1H, H-5), 3.75 (m, 3H, H-4, H-6a, H-6b), 4.03 (dd, J = 3.5 Hz, 9.6 Hz, 1H, H-3), 4.12 (dd, J = 1.8 Hz, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.58 (d, J = 1.6 Hz, 1H, H-1), 7.08 (dd, J = 2.5 Hz, 8.6 Hz, 1H, C
6H
3), 7.28 (m, 2H, C
6H
3), 7.44 (AA'BB'のA, A', J = 8.3 Hz, 2H, C
6H
4), 7.90 (AA'BB'のB, B', J = 8.3 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (D
2O):δ 61.2 (C-6), 67.1 (C-4), 70.4 (C-2), 71.0 (C-3), 74.1 (C-5), 98.7 (C-1), 116.3, 118.8, 129.3, 130.0, 132.7 (7C, 7Ar-C), 132.8 (Ar-C
i), 134.3 (Ar-C
i), 135.9 (Ar-C
i), 141.9 (Ar-C
i), 155.9 (Ar-C
i), 175.8 (C=O);HR-MS C
19H
18ClNaO
8 [M+H]
+の計算値:433.0666;実測値 433.0666。
【0151】
実施例18: メチル3’,5’−ジクロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7c)
MeOH(10mL)中の6c(208mg、0.131mmol)の溶液に、MeOH中の3M NaOMe(40μL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、混合物を、MeOH(20mL)で希釈し、Dowex 50 x 8(H
+)で中和し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、7c(33mg、70%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +98.9 (c = 1.01, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 3.79 (d, J = 3.4 Hz, 2H, H-6a, H-6b), 3.83 (t, J = 9.8 Hz, 1H, H-4), 3.89 (s, 3H, OCH
3), 3.95 (dd, J = 3.3 Hz, 9.6 Hz, 1H, H-3), 4.24 (dt, J = 3.3 Hz, 9.8 Hz, 1H, H-5), 4.34 (dd, J = 1.8 Hz, 3.1 Hz, 1H, H-2), 5.43 (d, J = 1.4 Hz, 1H, H-1), 7.68 (AA'BB'のA, A', J = 8.7 Hz, 2H, C
6H
4), 7.69 (s, 2H, C
6H
2), 8.05 (AA'BB'のB, B', J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (MeOD):δ 52.9 (OCH
3), 62.6 (C-6), 67.9 (C-4), 72.1 (C-2), 72.3 (C-3), 77.0 (C-5), 106.4 (C-1), 113.0 (Ar-C
i), 128.2 (2C, 2Ar-C), 129.1 (2C, 2Ar-C), 130.9 (Ar-C
i), 131.1 (Ar-C
i), 131.4 (2C, 2Ar-C), 139.2 (Ar-C
i), 143.6 (Ar-C
i), 151.5 (Ar-C
i), 168.2 (C=O);HR-MS C
20H
20Cl
2O
8 [M+Na]
+の計算値:481.0433;実測値 481.0430。
【0152】
実施例19: メチル2’,6’−ジクロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7d)
MeOH(10mL)中の6d(51mg、0.065mmol)の溶液に、MeOH中の3M NaOMe(40μL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、混合物をMeOH(20mL)で希釈し、Dowex 50 x 8(H
+)で中和し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、7d(29mg、77%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +96.7 (c = 1.01, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 3.54 (m, 1H, H-5), 3.70 (m, 2H, H-4, H-6a), 3.78 (dd, J = 2.3 Hz, 12.1 Hz, 1H, H-6b), 3.85 (dd, J = 3.4 Hz, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.91 (s, 3H, OCH
3), 4.00 (dd, J = 1.8 Hz, 3.2 Hz, 1H, H-2), 5.54 (d, J = 1.4 Hz, 1H, H-1), 7.28 (s, 2H, C
6H
2), 7.31 (AA'BB'のA, A', J = 8.3 Hz, 2H, C
6H
4), 8.06 (AA'BB'のB, B', J = 8.3 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (MeOD):δ 52.9 (OCH
3), 62.7 (C-6), 68.3 (C-4), 71.8 (C-2), 72.4 (C-3), 76.1 (C-5), 100.6 (C-1), 118.0 (2C, Ar-C), 130.6 (2C, 2Ar-C), 131.1 (Ar-C
i), 131.7 (2C, 2Ar-C), 133.8 (Ar-C
i), 136.0 (2C, 2Ar-C
i), 143.1 (Ar-C
i), 158.0 (Ar-C
i), 168.4 (C=O);HR-MS C
20H
20Cl
2O
8 [M+Na]
+の計算値:481.0433;実測値 481.0432。
【0153】
実施例20: メチル4’−クロロ−3’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7e)及びナトリウム4’−クロロ−3’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(8e)
MeOH(10mL)中の6e(167mg、0.282mmol)の溶液に、MeOH中の3M NaOMe(35μL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、混合物を分けた(1:1)。一方の部分を、MeOH(20mL)で希釈し、Dowex 50 x 8(H
+)で中和し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、7e(40mg、67%)を白色の固体として得た。もう一方の部分を、0.5M NaOH水溶液(2.8mL)と混合し、さらに24時間撹拌し、そして次に真空下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、8e(58mg、95%)を白色の固体として得た。
【0154】
メチル4’−クロロ−3’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7e)
[α]
D20 +122.5 (c = 0.99, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 3.75 (m, 3H, H-4, H-5, H-6a), 3.84 (m, 1H, H-6b), 3.95 (s, 3H, OCH
3), 4.03 (dd, J = 3.4 Hz, 9.0 Hz, 1H, H-3), 4.16 (dd, J = 1.8 Hz, 3.2 Hz, 1H, H-2), 5.64 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 7.36 (dd, J = 2.0 Hz, 8.3 Hz, 1H, C
6H
3), 7.51 (d, J = 8.3 Hz, 1H, C
6H
3), 7.70 (d, J = 1.9 Hz, 1H, C
6H
3), 7.77 (A, A' of AA'BB', J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 8.10 (AA'BB'のB, B', J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CD
3OD):δ 52.8 (OCH
3), 62.8 (C-6), 68.5 (C-4), 72.0 (C-2), 72.5 (C-3), 76.1 (C-5), 101.2 (C-1), 117.6 (Ar-C), 123.2 (Ar-C), 125.3 (Ar-C
i), 128.4 (2C, 2Ar-C), 130.6 (Ar-C
i), 131.3 (2C, 2Ar-C), 131.8 (Ar-C), 141.4 (Ar-C
i), 145.8 (Ar-C
i), 153.9 (Ar-C
i), 168.4 (C=O);HR-MS C
20H
21ClO
8 [M+Na]
+の計算値:447.0823;実測値 447.0821。
【0155】
ナトリウム4’−クロロ−3’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(8e)
[α]
D20 +108.3 (c = 1.00, H
2O);
1H NMR (D
2O):δ 3.77 (m, 4H, H-4, H-5, H-6a, H-6b), 4.11 (dd, J = 3.2 Hz, 8.5 Hz, 1H, H-3), 4.23 (bs, 1H, H-2), 5.59 (s, 1H, H-1), 7.24 (d, J = 8.2, 1H, C
6H
3), 7.40 (s, 1H, C
6H
3), 7.42 (d, J = 4.6, 1H, C
6H
3), 7.57 (AA'BB'のA, A', J = 8.2 Hz, 2H, C
6H
4), 7.91 (AA'BB'のB, B', J = 8.1 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (D
2O):δ 60.7 (C-4), 66.6 (C-6), 69.8 (C-2), 70.5 (C-3), 74.0 (C-5), 100.0 (C-1), 116.4 (Ar-C), 122.6 (Ar-C), 123.5 (Ar-C
i), 126.6 (2C, 2Ar-C), 129.5 (2C, 2Ar-C), 130.6 (Ar-C), 135.6 (Ar-C
i), 139.9 (Ar-C
i), 141.5 (Ar-C
i), 151.0 (Ar-C
i), 175.2 (C=O);HR-MS C
19H
18ClNaO
8 [M+H]
+の計算値:433.0666;実測値 433.0665。
【0156】
実施例21: メチル3’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7f)及びナトリウム3’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(8f)
MeOH(10mL)中の6f(195mg、0.349mmol)の溶液に、MeOH中の3M NaOMe(40μL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、混合物を分けた(1:1)。一方の部分を、MeOH(30mL)で希釈し、Dowex 50 x 8(H
+)で中和し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、LC−MS(水+0.2% HCOOH/MeCN+0.2% HCOOH、2.3:1〜1:1)により精製して、7f(35mg、52%)を白色の固体として得た。もう一方の部分を、0.5M NaOH水溶液(3.5mL)と混合し、さらに24時間撹拌し、そして次に真空下で濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、8f(51.9mg、75%)を白色の固体として得た。
【0157】
メチル3’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(7f)
[α]
D20 +79.8 (c = 0.96, MeCN/H
2O, 4:1);
1H NMR (DMSO-d
6):δ 3.47 (m, 3H, H-4, H-5, H-6a), 3.61 (m, 1H, H-6b), 3.71 (bs, 1H, H-3), 3.87 (m, 4H, H-2, OCH
3), 4.51 (bs, 1H, OH-6), 4.79 (bs, 1H, OH-3), 4.86 (bs, 1H, OH-4), 5.05 (bs, 1H, OH-2), 5.47 (s, 1H, H-1), 7.14 (d, J = 7.5 Hz, 1H, C
6H
4), 7.41 (m, 3H, C
6H
4), 7.84 (AA'BB'のA, A', J = 8.1 Hz, 2H, C
6H
4), 8.02 (AA'BB'のB, B', J = 8.1 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (DMSO-d
6):δ 52.2 (OCH
3), 61.1 (C-6), 66.7 (C-4), 70.1 (C-2), 70.6 (C-3), 75.0 (C-5), 99.0 (C-1), 115.4 (Ar-C), 116.9 (Ar-C), 120.7 (Ar-C), 127.1 (2C, 2Ar-C), 128.5 (Ar-C
i), 129.7 (2C, 2Ar-C), 130.2 (Ar-C), 140.2 (Ar-C
i), 144.4 (Ar-C
i), 156.9 (Ar-C
i), 166.0 (C=O);HR-MS C
20H
22O
8 [M+Na]
+の計算値:413.1212;実測値 413.1217。
【0158】
ナトリウム3’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(8f)
[α]
D20 +76.0 (c = 1.00, H
2O);
1H NMR (D
2O):δ 3.78 (m, 4H, H-4, H-5, H-6a, H-6b), 4.09 (d, J = 7.6 Hz, 1H, H-3), 4.19 (s, 1H, H-2), 5.64 (s, 1H, H-1), 7.16 (d, J = 7.6 Hz, 1H, C
6H
4), 7.39 (bs, 2H, C
6H
4), 7.45 (t, J = 7.8 Hz, 1H, C
6H
4), 7.67 (AA'BB'のA, A', J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 7.94 (AA'BB'のB, B', J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (D
2O):δ 60.8 (C-4), 66.7 (C-6), 70.0 (C-2), 70.5 (C-3), 73.5 (C-5), 98.4 (C-1), 115.9 (Ar-C), 116.5 (Ar-C), 121.7 (Ar-C), 126.9 (2C, 2Ar-C), 129.6 (2C, 2Ar-C), 130.4 (Ar-C), 135.5 (Ar-C
i), 141.7 (Ar-C
i), 142.5 (Ar-C
i), 156.0 (Ar-C
i), 175.4 (C=O);HR-MS C
19H
19NaO
8 [M+H]
+の計算値:399.1056;実測値 399.1055。
【0159】
R
1が、4−シアノフェニル及び4−テトラゾリルフェニルである、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例22〜24)、以下の手順を使用した:
【化15】
スキーム3.テトラゾール11の合成。(i)4−シアノフェニルボロン酸、Cs
2CO
3、Pd(PPh
3)
4、ジオキサン、120℃、8.3時間;(ii)TMSN
3、TBAF、THF、85℃、2日;(iii)NaOMe、MeOH、室温、24時間。
【0160】
実施例22: 4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−3’−クロロ−ビフェニル−4−カルボニトリル(9)
化合物5a(60mg、0.11mmol)を、実施例9、6aのための手順に従って、ジオキサン(2mL)中の4−シアノフェニルボロン酸(20mg、0.13mmol)、炭酸セシウム(109mg、0.34mmol)及びPd(PPh
3)
4(6.5mg、0.006mmol)で処理した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、5:1〜0.5:1)により精製して、9(22mg、35%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +75.1 (c = 1.02, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.20 (s, 3H, OAc), 4.08 (dd, J = 2.4 Hz, 12.3 Hz, 1H, H-6a), 4.15 (ddd, J = 2.2 Hz, 5.1 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-5), 4.27 (dd, J = 5.1 Hz, 12.3 Hz, 1H, H-6b), 5.39 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.53 (dd, J = 1.9 Hz, 3.3 Hz, 1H, H-2), 5.61 (m, 2H, H-1, H-3), 7.25 (d, J = 9.1 Hz, 1H, C
6H
3), 7.41 (dd, J = 2.3 Hz, 8.6 Hz, 1H, C
6H
3), 7.60 (AA'BB'のA, A', J = 8.5 Hz, 2H, C
6H
4), 7.62 (d, J = 2.2 Hz, 1H, C
6H
3), 7.71 (AA'BB'のB, B', J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.9, 21.1 (4C, 4OAc), 62.2 (C-6), 65.9 (C-4), 68.9 (C-3), 69.5 (C-2), 70.1 (C-5), 96.8 (C-1), 111.5 (Ar-C
i), 117.4 (Ar-C), 118.9 (CN), 125.3 (Ar-C
i), 126.7 (Ar-C), 127.6 (2C, 2Ar-C), 129.5 (Ar-C), 133.0 (2C, 02Ar-C), 135.4 (Ar-C
i), 143.7 (Ar-C
i), 151.8 (Ar-C
i), 169.9, 170.0, 170.2, 170.7 (4C=O);ESI-MS C
27H
26ClNO
10 [M+Na]
+の計算値:582.1;実測値 582.2;分析:C
27H
26ClNO
10の計算値:C 57.91、H 4.68, N 2.50;実測値 C 58.47、H 4.96、N 2.32
【0161】
実施例23: 5−[4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−3’−クロロ−ビフェニル−4−イル]−1H−テトラゾール(10)
マグネチックスターラーを備えた反応バイアルに、9(40mg、0.07mmol、1当量)、トリメチルシリルアジド(12mg、0.105mmol、1.5当量)、及びTHF中の1M フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)(9.2mg、0.035mmol、0.5当量)を加えた。得られた混合物を、撹拌下、85℃で3日間加熱した。粗反応混合物を、酢酸エチル(10mL)に溶解し、そして有機相を1M HCl水溶液(3×5mL)で洗浄することによって、TBAFを除去した。有機層を、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:0〜4:1)により精製して、10(28mg、67%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +59.0 (c = 1.00, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.04 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.21 (s, 3H, OAc), 4.10 (dd, J = 1.8 Hz, 12.1 Hz, 1H, H-6a), 4.18 (ddd, J = 1.9 Hz, 4.7 Hz, 9.9 Hz, 1H, H-5), 4.29 (dd, J = 5.2 Hz, 12.3 Hz, 1H, H-6b), 5.41 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.56 (m, 1H, H-2), 5.60 (s, 1H, H-1), 5.63 (dd, J = 3.4 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-3), 7.21 (d, J = 8.6 Hz, 1H, C
6H
3), 7.42 (dd, J = 1.9 Hz, 8.5 Hz, 1H, C
6H
3), 7.62 (d, J = 2.1 Hz, 1H, C
6H
3), 7.64 (AA'BB'のA, A', J = 8.3 Hz, 2H, C
6H
4), 8.16 (AA'BB'のB, B', J = 8.2 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 21.0, 21.1 (4C, 4OAc), 62.3 (C-6), 65.9 (C-4), 69.3 (C-3), 69.5 (C-2), 70.0 (C-5), 96.7 (C-1), 117.4 (Ar-C), 123.5 (Ar-C
i), 125.1 (Ar-C
i), 126.6 (Ar-C), 127.8 (2C, 2Ar-C), 128.1 (2C, 2Ar-C), 129.3 (Ar-C), 136.1 (Ar-C
i), 142.1 (Ar-C
i), 151.2 (2C, 2Ar-C
i), 170.1, 170.5, 170.9, 171.0 (4C=O);ESI-MS C
27H
27ClN
4O
10[M+Na]
+の計算値:625.1;実測値 625.2。
【0162】
実施例24: 5−[3’−クロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−イル]−1H−テトラゾール(11)
MeOH(2mL)中の10(22mg、0.036mmol)の溶液に、MeOH中の3M NaOMe(100μL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、混合物を、MeOH(10mL)で希釈し、Dowex 50 x 8(H
+)で中和し,濾過し、そして真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:0〜1:1)により精製して、11(9mg、54%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +59.0 (c = 1.42, DMSO);
1H NMR (DMSO-d
6):δ 3.45 (m, 2H, H-5, H-6a), 3.54 (t, J = 9.4 Hz, 1H, H-4), 3.60 (d, J = 11.2 Hz, 1H, H-6b), 3.76 (dd, J = 3.1 Hz, 9.3 Hz, 1H, H-3), 3.91 (bs, 1H, H-2), 4.54, 4.82, 4.86, 5.18 (4bs, 4H, 4 OH), 5.55 (s, 1H, H-1), 7.46 (d, J = 8.7 Hz, 1H, C
6H
3), 7.69 (dd, J = 2.0 Hz, 8.6 Hz, 1H, C
6H
3), 7.83 (AA'BB'のA, A', J = 8.3 Hz, 2H, C
6H
4), 7.84 (d, J = 2.1 Hz, 1H, C
6H
3), 8.10 (AA'BB'のB, B', J = 8.2 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (DMSO-d
6):δ 60.9 (C-6), 66.5 (C-4), 69.9 (C-3), 70.6 (C-2), 75.5 (C-5), 99.3 (C-1), 117.6 (Ar-C), 123.5 (2C, 2Ar-C
i), 126.4 (Ar-C), 126.9 (2C, 2Ar-C), 127.0 (2C, 2Ar-C), 127.8 (Ar-C), 134.2 (Ar-C
i), 139.0 (Ar-C
i), 151.3 (Ar-C
i), 157.2 (Ar-C
i);ESI-MS C
19H
19ClN
4O
6[M+Na]
+の計算値:457.1;実測値 457.3。
【0163】
合成の代替方法において、α−D−マンノースペンタアセタートを、4−ブロモフェニル誘導体に直接変換し、それを同様に反応させて、R
1が、4−メトキシカルボニルフェニル及び4−カルボキシフェニルである、式(I)で示されるさらなる化合物を得た(実施例25〜27):
【化16】
スキーム4.(i)4−ブロモフェノール(4g)、BF
3・Et
2O、トルエン、30℃、30時間;(ii)4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸、Cs
2CO
3、Pd
2(dba)
3、S−Phos、ジオキサン/トルエン、80℃、14〜134時間;(iii)NaOMe、MeOH、LiOH、H
2O、室温、7日。
【0164】
実施例25: 4−ブロモフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(12)
1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(α−Dマンノースペンタアセタート1、500mg、1.28mmol、1.0当量)を、乾燥トルエン(5mL)に溶解し、4−ブロモフェノール(4g、266mg、1.53mmol、1.2当量)を加え、そしてBF
3エーテラート(30μL、0.24mmol、0.2当量)を、シリンジを介して順次加えた。この混合物を、30℃で30時間撹拌した。反応混合物を冷却し、そしてトルエン(20mL)に溶解した。有機層を、飽和NaHCO
3溶液(20mL)及びブライン(2×30mL)で順次洗浄した。水層をトルエン(2×40mL)で抽出した。有機層を合わせ、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。減圧下で蒸発させることによる溶媒の除去により、残留物が残り、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、10:0.5〜0:10)により精製して、12(248mg、38.5%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 2.06 (s, 9H, 3 OAc), 2.19 (s, 3H, OAc), 4.06 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.27 (dd, J = 5.6 Hz, 12.4 Hz, 1H, H-6b), 5.36 (t, J = 10.2 Hz, 1H, H-4), 5.43 (dd, J = 1.8 Hz, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.48 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.53 (dd, J = 3.5 Hz, 10.1 Hz, 1H, H-3), 6.98 (d, J = 9.0 Hz, 2H, C
6H
4), 7.41 (d, J = 9.0 Hz, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.71, 20.73, 20.74, 20.91 (4 OAc), 62.10 (C-6), 65.85 (C-4), 68.77 (C-3), 69.26 (C-2), 69.32 (C-5), 95.88 (C-1), 115.59, 118.31, 132.56, 154.65 (6C, C
6H
4), 170.01 (4 C=O)。
【0165】
実施例26: メチル4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボキシラート(13)
Cs
2CO
3(176mg、0.54mmol)を、乾燥シュレンク管に加えた。排気及びその後アルゴンでフラッシュした後、4’−ブロモフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(12、79mg、0.15mmol、1.0当量)及び4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(42.3mg、0.23mmol、1.5当量)を、その管に加えた。ジオキサン(2mL)を注入し、そしてその管を、超音波浴内で10分間脱気した。Pd
2(dba)
3(1.6mg、0.0015mmol、0.01当量)及びS−Phos(3.2mg、0.0075mmol、0.05当量)を加えた。赤色から橙色への色の変化が、活性化触媒の形成を示した。反応混合物を撹拌し、そして80℃で14時間保持した。反応混合物を、CH
2Cl
2(50mL)で希釈し、そして飽和NaHCO
3溶液(30mL)、続いてブライン(2×30mL)で洗浄した。分離した水層をCH
2Cl
2(2×30mL)で抽出した。有機層を合わせ、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空下で蒸発させた後、得られた粗生成物を、石油エーテル/EtOAc(10:2〜10:4)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、13(60.7mg、69%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +80.8 (c = 1, CHCl
3);
1H NMR (CDCl3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc), 2.19 (s, 3H, OAc), 3.91 (s, 3H, CH
3), 4.08 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.27 (dd, J = 5.2 Hz, 12.2 Hz, 1H, H-5), 5.37 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.45 (dd, J = 1.8 Hz, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.56 (m, 2H, H-1, H-2), 7.16 (d, J = 8.7 Hz, 2H, H ar), 7.57 (dd, J = 8.6 Hz, 18.0 Hz, 4H, H ar), 8.07 (d, J = 8.4 Hz, 2H, H ar);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.74, 20.75, 20.77, 20.95 (4 OAc), 52.19 (CH
3), 62.11 (C-6), 65.90 (C-4) 68.87 (C-3), 69.29, 69.37 (C-2, C-5), 95.79 (C-1), 116.91, 126.70, 128.54, 128.69, 130.18, 134.84, 144.75, 155.70 (12C, C ar), 167.00, 169.78, 170.02, 170.05, 170.57 (5 C=O);MS (ESI) C
28H
30NaO
12 [M+Na]
+の計算値:581.2;実測値 581.0。
【0166】
実施例27: 4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボン酸(14)
化合物13(57mg、0.1mmol)を、乾燥メタノール(5mL)に溶解し、新たに調製したナトリウムメトキシドの溶液(0.3mL)を加えて、そして反応混合物を室温で撹拌した。95時間後、水(10mL)を、その反応物に加えた。LiOH(100mg)を加えた。反応の開始の7日後、混合物を、イオン交換樹脂(Dowex 50 x 8)で中和し、濾過し、そしてMeOHで洗浄した。溶媒を真空下で除去し、そして得られた残留物を、逆相クロマトグラフィー(H
2O/MeOH、10:0〜10:4)により精製して、14(14.3mg、37%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +103 (c = 0.1, MeOH);
1H NMR (500 MHz, MeOD):δ3.60 (m, 1H, H-5), 3.72 (m, 3H, H-6a, H-6b, H-4), 3.89 (dd, J = 3.4 Hz, 9.5 Hz, 1H, H-3), 4.00 (dd, J = 1.8 Hz, 3.3 Hz, 1H, H-2), 5.51 (s, 1H, H-1), 7.19 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.60 (dd, J = 8.6 Hz, 11.8 Hz, 2H, C
6H
4), 8.01 (d, J = 8.2 Hz, 2H, C
6H
4), 8.46 (s, 2H, C
6H
4);
13C-NMR (MeOD):δ 63.24 (C-6), 68.90 (C-4), 72.56 (C-2), 72.99 (C-3), 76.06 (C-5), 100.70 (C-1), 118.74, 128.00, 129.93, 131.83 (12C, C
6H
4);MS (ESI) C
19H
20O
8 [M]
-の計算値:376.12;実測値 376.12。
【0167】
R
1が、3−(5−ニトロインドリン−1−イル)である、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例28〜30)、以下の手順を使用した:
【化17】
スキーム5.(i)3−ヨードフェノール(4h)、BF
3・Et
2O、トルエン、40℃、90時間;(ii)5−ニトロインドリン、Cs
2CO
3、Pd
2(dba)
3、X−Phos、ジオキサン、Ac
2O、ピリジン、80℃、53時間;(iii)NaOMe、MeOH、室温、23時間。
【0168】
実施例28: 3−ヨードフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(15)
加熱そして排気したフラスコに、α−D−マンノースペンタアセタート(1、2.00g、5.12mmol、1.0当量)及び3−ヨードフェノール(4h、1.36g、6.15mmol、1.2当量)を入れた。試薬を、撹拌下かつアルゴン雰囲気下で、乾燥トルエンに溶解した。次に、BF
3・Et
2O(125μL、1.02mmol、0.2当量)を滴下した。反応混合物を、40℃で90時間撹拌した。氷冷NaOH溶液(1M、40mL)及びトルエン(50mL)を、反応混合物に加え、そして相を分離した。有機層を、ブライン(2×50mL)で洗浄し、そして水層を、トルエン(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。減圧下で蒸発させることによる溶媒の除去により、残留物が残り、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、10:1.5〜2:1)により精製して、15(1.57g、56%)を得た。
[α]
D20 +110.1 (c = 1, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02, 2.16 (s, 12H, OAc), 4.04 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.25 (m, 1H, H-6b), 5.32 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 5.39 (dd, J = 1.9 Hz, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.47 (d, J = 1.8 Hz, 1H, H-1), 5.50 (dd, J = 3.5 Hz, 10.0 Hz, 1H, H-3), 7.02 (m, 2H, C
6H
4), 7.38 (d, J = 1.4 Hz, 7.3 Hz, 1H, C
6H
4), 7.47 (s, 1H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.90, 20.99, 21.06 (4 OAc), 62.36 (C-6), 66.07 (C-4), 68.90 (C-3), 69.40, 69.51 (2C, C-2, C-5), 95.98 (C-1), 116.33, 125.80, 131.16, 132.44, 156.16 (6C, C
6H
4), 169.93, 170.11, 170.15, 170.77 (4 C=O);MS (ESI) C
20H
23INaO
10[M+Na]
+の計算値:573.0;実測値 572.9。
【0169】
実施例29: 3−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(16)
乾燥シュレンク管に、Cs
2CO
3(266mg、0.816mmol、3当量)を入れた。この管を、30分間排気し、そして次に、アルゴンガスでフラッシュし、そして3−ヨードフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド15(150mg、0.272mmol、1当量)を、この管に加え、続いてPd
2(dba)
3(2.8mg、0.0027mmol、0.01当量)及びX−Phos(6.5mg、0.0136mmol、0.05当量)を加えた。混合物を、乾燥ジオキサン(5mL)に溶解した。溶媒を、超音波浴内で20分間脱気した。次に、5−ニトロインドリン(67.3mg、0.41mmol、1.5当量)を加えた。混合物を80℃に加熱し、そして53時間撹拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc 3:1)及び質量分析が、反応を監視するのを助け、そして反応の進行の間、部分的に脱アセチル化したマンノシドの形成を示した。その理由のために、乾燥ピリジン(2mL)及び乾燥無水酢酸(1mL)を、反応開始の50時間後に加えて、完全に保護したマンノシドを回復させた。次に、EtOAc(30mL)及び飽和NaHCO
3水溶液(50mL)を、反応混合物に加えた。層を分離し、そして有機相を、ブライン(2×50mL)で洗浄した。水層をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc、10:1〜1:1の勾配)により精製した。化合物16(128mg、80%)を、橙色の固体として得た。
[α]
D20 + 59.3 (c = 1, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (m, 9H, OAc), 2.20 (s, 3H, OAc), 3.21 (t, J = 8.5 Hz, 2H, CH
2), 4.11 (m, 4H, CH
2, H-6a, H-5), 4.26 (dd, J = 7.3 Hz, 1H, H-6b), 5.37 (t, J = 9.9 Hz, 1H, H-4), 5.43 (s, 1H, H-2), 5.53 (m, 2H, H-1, H-3), 6.84 (d, J = 8.3 Hz, 1H, C
6H
4), 6.98 (m, 3H, C
6H
4, C
6H
3), 7.30 (t, J = 8.1 Hz, 1H, C
6H
4), 8.00 (s, 1H, C
6H
3), 8.05 (d, J = 8.8 Hz, 1H, C
6H
3);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.89, 20.92, 20.94, (3 OAc), 21.12 (OAc), 27.29 (CH
2), 53.36 (CH
2), 62.30 (C-6), 66.07 (C-4), 69.01 (C-3), 69.54, 69.56 (2C, C-2, C-5), 96.00 (C-1), 106.66, 107.96, 111.47, 114.09, 121.37, 126.13,130.70 (8C, arom. C), 143.38 (1C, arom. C-O) 152.64, (1C, arom. C-N), 169.92, 170.23, 170.25, 170.71 (4 C=O);MS (ESI) C
28H
31N
2O
12 [M+H]
+の計算値:587.2;実測値 587.2。
【0170】
実施例30: 3−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(17)
アセチル化化合物16(127mg、0.21mmol)を、乾燥メタノール(5mL)に溶解し、新たに調製したナトリウムメトキシドの溶液(0.2mL)を加え、そして反応混合物を、TLC(CH
2Cl
2/MeOH 4:1)が出発物質の消失を示すまで、室温で撹拌した(23時間)。氷酢酸を使用して、反応混合物を中和した。混合物を濃縮し、そして逆相クロマトグラフィー(H
2O/MeOH、100:0〜60:40の勾配)により精製して、非保護マンノシド17(68mg、60%)を得た。
[α]
D20 +105.5 (c = 1, MeOH);
1H NMR (MeOD):δ 3.07 (t, J = 8.6 Hz, 2H, CH2), 3.53 (m, 1H, H-5), 3.66 (m, 3H, H-6a, H-6b, H-4), 3.81 (dd, J = 3.3 Hz, 9.4 Hz, 1H, H-3), 3.92 (dd, J = 1.72 Hz, 3.1 Hz, 1H, H-2), 4.00 (t, J = 8.9 Hz, 2H, CH
2), 5.40 (s, 1H, H-1), 6.79 (d, J = 8.2 Hz, 1H, C
6H
4), 6.88 (m, 2H, C
6H
4, C
6H
3), 6.98 (s, 1H, C
6H
4), 7.22 (t, J = 8.2 Hz, 1H, C
6H
4), 7.85 (s, 1H, C
6H
3), 7.89 (d, 1H, C
6H
3);
13C-NMR (MeOD):δ 27.88 (1C, CH
2), 54.34 (1C, CH
2), 62.73 (C-6), 68.38 (C-4), 71.98 (C-2), 72.42 (C-3), 75.55 (C-5), 100.27 (C-1), 107.33 , 109.34, 113.37 (3C, C
6H
4), 114.68, 121.91, 126.81 (3C, C
6H
3), 131.45 (1C, C
6H
4), 133.70, 144.43 (2C, arom. C-N), 154.32 (1C, arom. C-O), 158.89 (1C, arom. C-N);MS (ESI) C
20H
22N
3O
8 [M+Na]
+の計算値:441.1;実測値 441.2。
【0171】
合成の代替方法において、R
1が、4−(5−ニトロインドリン−1−イル)である、式(I)で示される化合物(実施例31〜40)を調製した:
【化18】
スキーム6:(i)TMSOTf、PhMe、室温;(ii)Cs
2CO
3、5−ニトロインドリン又はインドリン、x−Phos、Pd
2(dba)
3、PhMe、80℃;(iii)NaOMe、MeOH。
【0172】
実施例31: 4−ヨードフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(18)
乾燥フラスコ内で、3(1.0g、2.03mmol)及び4−ヨードフェノール(4i、536mg、2.44mmol)を、アルゴンの雰囲気下、乾燥トルエン(6mL)に溶解した。TMSOTf(45.1mg、0.203mmol)を加え、そして混合物を、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(50mL)及び飽和NaHCO
3水溶液(100mL)で希釈した。水層を、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、そして溶媒を、減圧下で蒸発させることによって、除去した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中5%〜20% EtOAcの勾配)により精製して、生成物18(2.7g、100%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +72 (c = 1, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 6H, 2OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 4.02 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.23 (dd, J = 5.6, 12.5 Hz, 1H, H-6b), 5.32 (t, J = 10.2 Hz, 1H, H-4), 5.39 (dd, J = 1.8, 3.3 Hz, 1H, H-2), 5.45 (s, 1H, H-1), 5.49 (dd, J = 3.5, 10.1 Hz, 1H, H-3), 6.84 (d, J = 8.9 Hz, 2H, C
6H
4), 7.56 (d, J = 8.9 Hz, 1H, C
6H
4);
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.86, 20.88, 21.05, (4C, 4OAc), 62.24 (C-6), 66.00 (C-4), 68.92 (C-3), 69.41, 69.48 (C-2, C-5), 86.01 (C
6H
4-I), 95.91 (C-1), 118.95, 138.69, (4C, C
6H
4), 155.57 (C
6H
4-O), 169.89, 170.11, 170.13, 170.67 (4 C=O
);ESI-MS C
20H
23INaO
10 [M+Na]の計算値:573.02;実測値 573.02。
【0173】
実施例32: 2−クロロ−4−ヨードフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(19)
18の合成のための実施例31の手順に従って、トリクロロアセトイミダート3(500mg、1.01mmol)及び2−クロロ−4−ヨードフェノール(4j、309mg、1.22mmol)を、アルゴンの雰囲気下、乾燥(無水)トルエン(7mL)に溶解した。TMSOTf(22.56mg、0.1mmol)を加え、そして混合物を、室温で2.5時間撹拌した。処理後、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中、EtOAcの5〜30%勾配)により精製して、19(430mg、73%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +60.2 (c = 0.5, CH
2Cl
2);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.02 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 4.05 (dd, J = 2.3, 12.2 Hz 1H, H-6a), 4.09 (ddd, J = 2.3, 5.3, 10.2 Hz, 1H, H-5), 4.25 (dd, J = 5.3, 12.2 Hz, 1H, H-6b), 5.35 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.48 (dd, J = 1.9, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.50 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.55 (dd, J = 3.4, 10.1 Hz, 1H, H-3), 6.90 (d, J = 8.7 Hz, 1H, C
6H
3), 7.48 (dd, J = 2.1, 8.7 Hz, 1H, C
6H
3), 7.70 (d, J = 2.1 Hz, 1H, C
6H
3);
13C NMR (CDCl
3):δ 20.90, 20.92, 21.08 (4C, 4OAc), 62.24 (C-6), 65.90 (C-4), 68.85 (C-3), 69.38 (C-2), 70.04 (C-5), 85.77 (1C, C
6H
3), 96.72 (C-1), 118.78, 125.80, 136.85, 138.96, 151.42 (5C, C
6H
3), 169.95, 169.97, 170.14, 170.66 (4 C=O)。ESI-MS C
20H
22ClIO
10 [M+Na]
+の計算値:607.47;実測値 606.94。
【0174】
実施例33: 4−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(20)
アルゴン下、シュレンク管内の4−ヨードフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(18、200mg、0.37mmol)、Cs
2CO
3(364mg 1.12mmol)及び5−ニトロインドリン(91.6mg、0.56mmol)の混合物に、乾燥トルエン(3.5mL)中、40℃で15分間予め撹拌しておいた、x−Phos(9.1mg、0.019mmol)及びPd
2(dba)
3(3.85mg、0.0037mmol)を加えた。反応混合物を、超音波浴内で脱気し、そして80℃で140時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(50mL)中に希釈し、そして飽和NaHCO
3水溶液(2×50〜100mL)及びブライン(50〜100mL)で洗浄した。水層を、それぞれEtOAc(2×50〜100mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。20(163mg、75%)を、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中、EtOAcの5〜40%勾配)後、橙色の固体として得た。
[α]
D20 +55 (c = 1, CHCl
3);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 6H, 2OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 2.20 (s, 3H, OAc), 3.19 (t, J = 8.6 Hz, 2H, CH
2), 4.08 (m, 4H, CH
2, H-6a, H-5), 4.28 (dd, J = 5.2, 12.5 Hz, 1H, H-6b), 5.38 (t, J = 10.1Hz, 1H, H-4), 5.44 (dd, J = 1.8, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.50 (d, J = 1.6 Hz, 1H, H-1), 5.55 (dd, J = 3.5, 10.1 Hz, 1H, H-3), 6.73 (d, J = 8.9 Hz, 1H, C
6H
4, C
6H
3 ) 7.13 (m, 3H, C
6H
4, C
6H
3 ), 7.21 (m, 1H, C
6H
4, C
6H
3)
, 7.95 (s, 1H,
C
6H
3, C
6H
4 ), 7.98 (dd, J = 2.3 Hz, 8.9 Hz, 1H, C
6H
3, C
6H
4 );
13C-NMR (CDCl
3):δ 20.90, 20.92, 21.09, 21.65 (4OAc), 27.27 (CH
2), 53.85 (CH
2), 62.28 (C-6), 66.03 (C-4), 68.98 (C-3), 69.40 (C-2), 69.53 (C-5), 96.36 (C1), 105.52 (C
6H
4), 117.81,117.92 (C
6H
4, C
6H
3), 121.32 (C
6H
3), 122.03 (C
6H
4), 126.27 (C
6H
3), 128.40 (C
6H
3), 137.21 (Car-N) , 169.90, 170.19, 170.23, 170.70 (C=O);ESI-MS C
28H
31N
2O
12 [M+H]
+の計算値:587.19;実測値 587.29。
【0175】
実施例34: 4−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(21)
アセチル化化合物20(218mg、0.37mmol)を、乾燥MeOH(2mL)に溶解した。新たに調製したナトリウムメトキシドの溶液(1M、1mL)を加え、そして反応物を、TLC(CH
2Cl
2/MeOH 4:1)によって観察した限り出発物質が完全に消費されるまで、室温で撹拌した。反応混合物を、酢酸で中和し、濃縮し、そして残留物を、逆相クロマトグラフィー(H
2O/MeOH、100%〜80% H
2Oの勾配)により精製して、非保護マンノシド21(77.7mg、50%)を得た。
[α]
D20 +57 (c = 0.1, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 3.21 (t, J = 8.6 Hz, 2H, CH
2), 3.62 (m, 1H, H-5), 3.75 (m, 3H, H-6a, H-6b, H-4), 3.90 (dd, J = 3.4, 9.5 Hz, 1H, H-3), 4.01 (t, J = 4.8, 13.1 Hz, 2H, CH
2), 5.48 (m, 1H, H-1), 6.77 (m, 1H, C
6H
3), 7.20 (d, J = 9.0 Hz, 2H, C
6H
4), 7.3 (d, J = 9.0 Hz, 2H, C
6H
4), 7.99 (m, 2H, C
6H
3 );
13C-NMR (CD
3OD):δ 28.03, 55.07, (2CH
2), 62.86 (C-6), 68.50 (C-4), 72.13 (C-2), 72.54 (C-3), 75.62 (C-5), 100.69 (C-1), 106.41 (C
6H
3), 119.08 (2C, C
6H
4), 122.02 (C
6H
3), 123.52 (2C, C
6H
4), 127.14 (C
6H
3), 137.95 (Car-N), 154.98 (C=O);ESI-MS C
20H
23N
2O
8 [M+H]
+の計算値:419.14;実測値 419.17。
【0176】
実施例35: 4−(インドリン−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(22)
実施例33の手順に従って、化合物18(200mg、0.37mmol)を、シュレンク管内で、トルエン(3.5mL)中、Cs
2CO
3(364mg 1.12mmol)、x−Phos(9.1mg、0.019mmol)、Pd
2(dba)
3(3.85mg、0.0037mmol)及びインドリン(91.6mg、0.56mmol)と140時間反応させた。化合物22(94.3mg、47%)を、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中EtOAcの5〜20%勾配)後、白色の固体として得た。
[α]
D20 +39.3 (c = 1, CH
2Cl
2);
1H NMR (CDCl
3):δ 2.02 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc), 2.18 (s, 3H, OAc), 3.10 (t, J = 8.4 Hz, 2H, CH
2), 3.87 (t, J = 9.4 Hz, 2H, CH
2), 4.09 (dd, J = 2.2, 12.2 Hz, 1H, H-6a), 4.14 (dd, J = 5.3, 10.1 Hz, 1H, H-5), 4.28 (dd, J = 5.3, 12.2 Hz, 1H, H-6b), 5.36 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.43 (dd, J = 1.8, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.45 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 5.55 (dd, J = 3.4, 10.0 Hz, 1H, H-3), 6.71 (t, J = 7.3 Hz, 1H, C
6H
3, C
6H
4), 6.95 (d, J = 7.9 Hz, 1H, C
6H
3, C
6H
4), 7.00 - 7.08 (m, 3H, C
6H
3, C
6H
4), 7.11 - 7.17 (m, 3H, C
6H
3, C
6H
4);
13C NMR (CDCl
3):δ 20.96, 21.14 (4C, OAc), 28.42 (CH
2), 52.90 (CH
2), 62.41 (C-6), 66.23 (C-4), 69.14 (C-5), 69.27 (C-3), 69.70 (C-2), 96.62 (C-1), 107.80, 108.70, 110.20, 117.69, 118.88, 119.82, 125.22, 127.32 (12C, C
6H
3, C
6H
4), 169.99, 170.19, 170.25, 170.3 (4 C=O);ESI-MS C
28H
31NO
10 [M+Na]
+の計算値:564.55;実測値 564.29。
【0177】
実施例36: 4−(インドリン−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(23)
化合物22を、乾燥MeOH(3mL)に溶解し、実施例34で記載したようにNaOMeで処理し、そして室温で一晩撹拌して、脱保護した化合物23(58mg、37%)を得た。
[α]
D20 +125.6 (c = 0.5, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 2.99 (t, J = 8.4 Hz, 2H, CH
2), 3.64 (ddd, J = 2.4, 5.1, 9.8 Hz, 1H, H-5), 3.68 - 3.82 (m, 5H, H-6a, H-6b, H-4, CH
2), 3.89 (dd, J = 3.4, 9.4 Hz, 1H, H-3), 3.99 (dd, J = 1.8, 3.3 Hz, 1H, H-2), 5.39 (d, J = 1.4 Hz, 1H, H-1), 6.58 - 6.67, 6.78 - 6.87, 6.88 - 6.99, 7.01 - 7.17 (m, 7H, C
6H
3, C
6H
4);
13C NMR (CD
3OD):δ 29.18 (CH
2), 54.02 (CH
2), 62.81 (C-6), 68.50 (C-4), 72.21 (C-2), 72.56 (C-3), 75.38 (C-5), 100.91 (C-1), 108.61, 118.96, 119.67, 121.13, 125.97, 126.80, 128.08, 132.24, 141.00, 149.39, 152.84 (12C, C
6H
3, C
6H
4);ESI-MS C
20H
23NO
6 [M+Na]
+の計算値:396.4;実測値 396.08。
【0178】
実施例37: 2−クロロ−4−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(24)
実施例33の手順に従うが、加熱の代わりにマイクロ波照射を使用して、2−クロロ−4−ヨードフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド19(60mg、0.1mmol)を、トルエン(1mL)中、Cs
2CO
3(100.2mg0.3mmol)、x−Phos(4.9mg、0.01mmol)、Pd
2(dba)
3(2.21mg、0.002mmol)及び5−ニトロインドリン(50.5mg、0.3mmol)と共に、マイクロ波照射した。化合物24(36mg、56%)を、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中EtOAcの0〜35%勾配)後、橙色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 2.03 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.19 (s, 3H, OAc), 3.20 (t, J = 8.6 Hz, 2H, CH
2), 4.06 (t, J = 9.0 Hz, 2H, CH
2), 4.10 (dd, J = 2.2, 12.3 Hz, 1H, H-6a), 4.21 (m, 1H, H-5), 4.28 (dd, J = 5.1, 12.2 Hz, 1H, H-6b), 5.39 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 5.46 - 5.54 (m, 2H, H-2, H-1), 5.59 (dd, J = 3.4, 10.1 Hz, 1H, H-3), 6.82 (d, J = 8.9 Hz, 1H, C
6H
3), 7.08 - 7.26 (m, 2H, C
6H
3), 7.30 (d, J = 2.7 Hz, 1H, C
6H
3), 7.99 (m, 1H, C
6H
3), 8.03 (dd, J = 2.3, 8.8 Hz, 1H, C
6H
3);
13C NMR (CDCl
3):δ 20.92, 20.94, 21.11 (4C, 4OAc), 27.31 (CH
2), 53.70 (CH
2), 62.31 (C-6), 65.99 (C-4), 68.90 (C-5), 69.53 (C-2), 70.00 (C-3), 97.42 (C-1), 106.00, 118.45, 119.52, 121.42, 122.33, 125.72, 128.43, 129.24, 131.61, 138.24, 147.91, 152.91 (12C, 2C
6H
3), 169.94, 170.04, 170.21, 170.69 (4 C=O)。
【0179】
実施例38: 2−クロロ−4−(5−ニトロインドリン−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(25)
実施例34に従って、化合物24(36mg、0.058mmol)を、NaOMe(475μL)/MeOH(1mL)で処理し、そして一晩撹拌して、脱保護した化合物25(16.5mg、63%)を得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 3.19 (t, J = 8.6 Hz, 2H, CH
2), 3.60 - 3.82 (m, 6H, CH
2, H-4, H-5, H-6), 3.94 (dd, J = 3.3, 9.4 Hz, 1H, H-3), 4.08 (dd, J = 5.2, 13.5 Hz, 1H, H-2), 5.47 (d, J = 7.7 Hz, 1H, H-1), 6.80 (m, 1H, C
6H
3), 7.21 (m, 1H, C
6H
3), 7.30 - 7.43 (m, 2H, C
6H
3), 7.79 - 8.05 (m, 2H, C
6H
3);
13C NMR (CD
3OD):δ 27.93 (CH
2), 54.74 (CH
2), 62.73 (C-6), 68.27 (C-4), 71.88 (C-2), 72.40 (C-3), 76.04 (C-5), 101.25 (C-1), 106.72, 119.65, 121.31, 121.97, 123.31, 126.83, 129.03, 130.67, 132.87, 133.05, 134.69 (12C, 2C
6H
3);ESI-MS C
20H
21ClN
2O
8 [M+Na]
+の計算値:475.8;実測値 474.96。
【0180】
実施例39: 2−クロロ−4−(インドリン−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(26)
実施例34の手順に従って、化合物19(60mg、0.1mmol)を、トルエン(1mL)中、Cs
2CO
3(100.2mg 0.3mmol)、x−Phos(4.9mg、0.01mmol)、Pd
2(dba)
3(2.21mg、0.002mmol)及びインドリン(36.7mg、0.3mmol)と共にマイクロ波照射した。化合物26(25.6mg、43.3%)を、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中EtOAcの0〜25%勾配)後、橙色の固体として得た。
[α]
D20 +42.6 (c = 1, MeOH);
1H NMR (CDCl
3):δ 1.97 (s, 3H, OAc), 2.00 (s, 3H, OAc), 2.01 (s, 3H, OAc), 2.14 (s, 3H, OAc), 3.06 (t, J = 8.4 Hz, 2H, CH
2), 3.82 (t, J = 8.5 Hz, 2H, CH
2), 4.05 (dd, J = 6.6, 12.2 Hz, 1H, H-6a), 4.14 - 4.28 (m, 2H, H-5, H-6b), 5.32 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 5.40 (d, J = 1.6 Hz, 1H, H-1), 5.48 (dd, J = 1.8, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.55 (dd, J = 3.4, 10.0 Hz, 1H, H-3), 6.67 - 6.74, 6.94 - 7.19 (m, 7H, C
6H
3, C
6H
4);
13C NMR (CDCl
3):δ 20.93, 20.96, 20.96, 21.13 (4OAc), 28.31 (CH
2), 52.60 (CH
2), 62.44 (C-6), 66.16 (C-4), 69.03 (C-3), 69.64 (C-2), 69.84 (C-5), 97.73 (C-1), 108.14, 117.18, 118.87, 119.53, 119.78, 125.38, 125.49, 127.37, 131.30, 140.98, 145.58, 146.82 (12C, C
6H
3, C
6H
4), 170.01, 170.02, 170.19, 170.76 (4 C=O)。
【0181】
実施例40: 2−クロロ−4−(インドリン−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(27)
実施例34の手順に従って、化合物26(26mg、0.045mmol)を、NaOMe(370μL)/MeOH(1mL)で処理し、そして一晩撹拌して、脱保護化合物27(14.1mg、77%)を得た。
[α]
D20 +87.8 (c = 0.55, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 3.05 (t, J = 8.4 Hz, 2H, CH
2), 3.59 - 3.88 (m, 6H, CH
2, H-4, H-5, H-6), 3.94 (dd, J = 3.9, 8.3 Hz, 1H, H-3), 4.08 (dd, J = 1.8, 3.2 Hz, 1H, H-2), 5.39 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 6.68, 6.85- 7.02, 7.05 - 7.16, 7.19, 7.31 (m, 7H, C
6H
3, C
6H
4);
13C NMR (CD
3OD):δ 29.29 (CH
2), 53.92 (CH
2), 63.02 (C-6), 68.60 (C-4), 72.26 (C-2), 72.70 (C-3), 76.16 (C-5), 101.97 (C-1), 109.11, 119.08, 120.50, 120.58, 120.87, 126.38, 128.35, 128.88, 130.59, 132.75, 142.02, 147.98. (12C, C
6H
3)
ESI-MS C
20H
22ClNO
6 [M+Na]
+の計算値:430.84;実測値 430.74。
【0182】
R
1が、4−(1−インドリル)である、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例41〜58)、以下の手順を使用した:
【化19】
スキーム7.(i)(a)CuI、K
2CO
3、L−プロリン、DMSO、90℃、一晩又はCuI、K
3PO
4、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン、ジオキサン、106℃、一晩、(b)Ac
2O/ピリジン、DMAP、2〜4時間;(ii)0.5M CH
3ONa/MeOH、室温。
【0183】
実施例41: 2−クロロ−4−(インドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(29a)
実施例32に従って、再密閉可能なシュレンク管に、化合物19(146mg、0.25mmol)、CuI(10mg、0.05mmol)、インドール(35mg、0.3mmol)、K
2CO
3(86mg、0.625mmol)、L−プロリン(11.5mmol、0.1mmol)及び撹拌子を加えて、そしてこの反応容器に、ゴム製セプタムを取り付けた。容器を、2回排気し、そしてアルゴンでフラッシュした。次に、DMSOを、アルゴン流下で加えた。反応管を、すばやく密閉し、そして内容物を、90℃で一晩撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、そしてセライトのプラグを通して濾過した。濾液を濃縮し、そして得られた粗混合物をAc
2O/ピリジン(DMAP)でアセチル化した。反応を、メタノールの添加によってクエンチし、混合物を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 4:1〜1:1)により精製して、2−クロロ−4−(インドール−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド28a(40mg、28%)を得た。
28a(40mg、0.07mmol)を、乾燥メタノールに溶解し、そして反応の終了まで室温で、0.5M CH
3ONa/MeOH(14μL)で処理した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、所望の化合物29a(20mg、70%)を白色の固体として得た。
[α]
20D +171.6 (c = 0.18, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 7.62-7.54 (m, 3H), 7.45-7.38 (m, 3H), 7.18 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 7.11 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 6.65 (s, 1H), 5.61 (s, 1H, H-1), 4.14 (m, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H, H-3), 3.81-3.69 (m, 4H, H-6a, H-4, H-6b, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 151.81, 137.30, 136.22, 130.81, 128.98, 127.04, 125.58, 124.98, 123.49, 122.06, 121.42, 119.23, 111.00, 104.71 (Ar-C), 101.03 (C-1), 76.11 (C-5), 72.38 (C-3), 71.84 (C-2), 68.22 (C-4), 62.70 (C-6);ESI-MS C
20H
20ClNO
6[M+Na]
+の計算値:428.09、実測値 428.04。
【0184】
実施例42: 2−クロロ−4−(5−ニトロインドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(29b)
実施例41の手順に従って、19(117mg、0.2mmol)から出発するが、インドールを5−ニトロインドールに置き換えて、化合物29b(54mg、60%)を、黄色の固体として得た。
[α]
D20 +85.7 (c = 0.25, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 8.63 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.11 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.65-7.55 (m, 4H), 7.48 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.65 (s, 1H, H-1), 4.14 (m, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.5, 3.5 Hz, 1H, H-3), 3.83-3.72 (m, 3H, H-6a, H-4, H-6b), 3.66 (m, 1H, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 152.73, 143.52, 140.14, 134.75, 132.99, 130.01, 127.65, 125.75, 125.57, 119.11, 118.95, 118.79, 111.51, 106.68 (Ar-C), 100.90 (C-1), 76.19 (C-5), 72.37 (C-3), 71.78 (C-2), 68.18 (C-4), 62.69 (C-6);ESI-MS C
20H
19ClN
2O
8[M+Na]
+の計算値:473.07、実測値 473.03。
【0185】
実施例43: メチル1−[3−クロロ−4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル)−1H−インドール−5−カルボキシラート(29c)
再密閉可能なシュレンク管に、化合物19(117mg、0.2mmol)、CuI(3.05mg、0.016mmol)、ベンジルインドール−5−カルボキシラート(55mg、0.22mmol)、K
3PO
4(159mg、0.72mmol)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン(6.85mg、0.06mmol)及び撹拌子を加え、そしてこの反応容器にゴム製セプタムを取り付けた。容器を、2回排気し、そしてアルゴンでフラッシュした。次に、1,4−ジオキサンを、アルゴン流下で加えた。反応管をすばやく密閉し、そして内容物を、105℃で一晩撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、そしてセライトのプラグを通して濾過した。濾液を濃縮し、そして得られた粗混合物をAc
2O/ピリジン(DMAP)でアセチル化した。反応を、メタノールの添加によってクエンチし、混合物を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 4:1〜1:1)により精製して、28c(57mg、40%)を得た。
【0186】
28c(19mg、0.027mmol)を、乾燥MeOHに溶解し、そして反応の終了まで室温で、0.5M CH
3ONa/MeOH(0.15mL)で処理した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、所望のメチルエステル29c(10mg、80%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (DMSO):δ 8.36 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.77 (m, 2H), 7.56 (m, 3H), 6.86 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.57 (s, 1H, H-1), 3.93 (m, 1H, H-2), 3.87 (s, 3H, OCH
3), 3.77 (dd, J = 9.0, 3.0 Hz, 1H, H-3), 3.63 (m, 1H, H-6a), 3.54 (t, J = 9.0 Hz, 1H, H-4), 3.50-3.44 (m, 2H, H-6b, H-5);ESI-MS C
22H
22ClNO
8[M+Na]
+の計算値:486.09、実測値 486.10。
【0187】
実施例44: 2−クロロ−4−(5−メトキシインドール−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(28d)
実施例43に従って、19(100mg、0.17mmol)から出発するが、ベンジルインドール−5−カルボキシラートの代わりに5−メトキシインドールを使用して、化合物28d(56mg、53%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.55 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.89 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.64 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.60 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 5.57 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, H-2), 5.42 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.31 (dd, J = 10.0, 5.0 Hz, 1H, H-6a), 4.23 (ddd, J = 10.0, 5.0, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.13 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1H, H-6b), 3.87 (s, 3H, OMe), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 6H, 2OAc);
13C NMR (CDCl
3):δ 170.47, 169.97, 169.80, 169.74 (4C, CH
3CO), 154.68, 149.53, 135.79, 130.96, 129.78, 128.08, 126.07, 125.24, 123.20, 117.77, 112.74, 110.90, 103.73, 102.78 (Ar-C), 96.94 (C-1), 69.82 (C-3), 69.26 (C-2), 68.68 (C-4), 65.74 (C-6), 55.80 (OCH
3), 20.87, 20.70, 20.69, 20.68 (4C, CH
3CO)。
【0188】
実施例45: 2−クロロ−4−(5−メトキシインドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(29d)
アセチル化グリコシド28d(50mg、0.08mmol)を、乾燥メタノールに溶解し、そしてTLCコントロールが反応の終了を示すまで、室温で、0.5M CH
3ONa/MeOH(17μL)で処理した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、29d(25mg、69%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.55-7.52 (m, 2H), 7.41 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 7.36-7.34 (m, 2H), 7.12 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.83 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.60 (s, 1H, H-1), 4.14 (m, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.5, 3.5 Hz, 1H, H-3), 3.82 (s, 3H, OCH
3), 3.81-3.67 (m, 4H, H-6a, H-4, H-6b, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 156.06, 151.61, 136.41, 132.45, 131.45, 129.37, 126.65, 125.59, 124.59, 119.28, 113.47, 111.78, 104.55, 103.81 (ArC), 101.04 (C-1), 76.08 (C-5), 72.38 (C-3), 71.84 (C-2), 68.22 (C-4), 62.69 (C-6), 56.13 (OCH
3);ESI-MS C
21H
22ClNO
7 [M+Na]
+の計算値:458.10、実測値 458.11。
【0189】
実施例46: 2−クロロ−4−(4−ベンジルオキシインドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(29e)
実施例43に従って、19(72mg、0.122mmol)から出発するが、インドール−5−カルボン酸ベンジルエステルの代わりに4−ベンジルオキシインドールを使用して、29e(20mg、34%)を、オフホワイトの固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.76-7.26 (m, 9H), 7.07 (m, 2H), 6.75 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 6.5 Hz,1H), 5.61 (s, 1H, H-1), 5.22 (s, 2H, OCH
2Ph), 4.14 (s, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.0, 3.0 Hz, 1H, H-3), 3.83-3.67 (m, 4H, H-6a, H-4, H-6b, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 153.85, 151.82, 139.06, 138.75, 136.30, 129.49, 128.79, 128.48, 127.49, 127.05, 125.53, 124.99, 124.43, 121.52, 119.17, 104.69, 103.09, 102.06 (ArC), 101.01 (C-1), 76.08 (C-5), 72.38 (C-3), 71.83 (C-2), 71.01 (OCH
2OPh), 68.22 (C-4), 62.69 (C-6);ESI-MS C
27H
26ClNO
7[M+Na]
+の計算値:534.13、実測値 534.10。
【0190】
実施例47: 1−[3−クロロ−4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル)−1H−インドール−6−カルボン酸(29f)
実施例43の手順に従って、28f(23mg、0.033mmol)から出発するが、脱アシル化のためにナトリウムメトキシドの代わりに2N NaOH水溶液を使用して、29f(10mg、68%)を、オフホワイトの固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 8.16 (s, 1H, H-1), 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.62-7.57 (m, 3H), 7.47 (m, 1H), 6.73 (s, 1H), 5.64 (s, 1H, H-1), 4.15 (s, 1H, H-2), 4.02 (dd, J = 9.0, 3.0 Hz, 1H, H-3), 3.83-3.73 (m, 3H, H-6a, H-4, H-6b), 3.68 (m, 1H, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 173.12 (C=O), 152.27 136.87, 135.55, 134.00, 132.23, 127.42, 125.71, 125.36, 122.69, 121.52, 119.21, 113.29, 104.84 (ArC), 101.02 (C-1), 76.14 (C-5), 72.39 (C-3), 71.82 (C-2), 68.22 (C-4), 62.70 (C-6);ESI-MS C
21H
20ClNO
8[M+Na]
+の計算値:472.08、実測値 472.04。
【0191】
実施例48: 2−クロロ−4−(5−トリフルオロメチルインドール−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(28g)
実施例43の手順に従って、19(146mg、0.25mmol)から出発するが、5−メトキシインドールの代わりに5−トリフルオロメチルインドールを使用して、28g(140mg、87%)を、オフホワイトの泡状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.98 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.35 (m, 3H), 6.77 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.64 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.62 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H-1), 5.57 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.43 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.31 (dd, J =12.0, 5.0 Hz, 1H, H-6a), 4.23 (ddd, J =10.0, 5.0, 2.5 Hz, 1H, H-5), 4.15 (dd, J = 12.0, 2.5 Hz, 1H, H-6b), 2.23 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 6H, OAc);
13C NMR (CDCl
3):δ 170.42, 169.97, 169.79, 169.71 (4 CO), 150.37, 137.23, 134.86, 129.51, 128.50, 126.85, 125.49, 125.10 (q, J = 269.87 Hz), 123.20, 122.94, 119.42 (q, J = 3.5 Hz), 119.00 (q, J = 4.4 Hz,), 117.78, 110.41, 104.75, 96.97 (C-1), 69.95 (C-5), 69.28 (C-2), 68.66 (C-3), 65.76 (C-4), 62.10 (C-6), 20.85, 20.68, 20.67 (4C, CH
3CO)。
【0192】
実施例49: 2−クロロ−4−(5−トリフルオロメチルインドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(29g)
アセチル化グリコシド28g(110mg、0.17mmol)を、乾燥メタノールに溶解し、そして室温で、0.5M CH
3ONa/MeOH(34μL、0.017mmol)で処理した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、29g(70mg、87%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.97 (s, 1H), 7.61-7.55 (m, 4H), 7.45 (m, 2H), 6.80 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 5.64 (s, 1H, H-1), 4.15 (m, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.5, 3.5 Hz, 1H, H-3), 3.83-3.73 (m, 3H, H-6a, H-4, H-6b), 3.66 (m, 1H, H-5);
13C NMR (CD
3OD) δ 152.41, 138.75, 135.32, 131.37, 130.14, 127.49, 126.75 (q, J = 268.75 Hz), 125.73, 125.41, 123.64, 120.03 (q, J = 3.5 Hz), 119.65 (q, J = 4.13 Hz), 119.20, 111.73, 105.43, 100.99 (C-1), 76.16 (C-5), 72.20 (C-3), 71.81 (C-2), 68.23 (C-4), 62.71 (C-6);ESI-MS C
21H
19ClF
3NO
6[M+Na]
+の計算値:496.08、実測値 496.05。
【0193】
【化20】
スキーム8.(i)4Å MS、TMSOTf、トルエン、2−フルオロ−4−ヨードフェノール(4k)、室温、2時間;(ii)(a)CuI、K
2CO
3、L−プロリン、DMSO、90℃、一晩、(b)(Ac)
2O/ピリジン、DMAP、2〜4時間;(iii)0.5M CH
3ONa/MeOH、室温。
【0194】
実施例50: 2−フルオロ−4−ヨードフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(30)
乾燥トルエン中のイミダート3(4.05g、8.22mmol)、2−フルオロ−4−ヨードフェノール(4k、2.40g、10.08mmol)及び4Åモレキュラーシーブの混合物を、室温で15分間撹拌し、次にTMSOTf(160μL、0.84mmol)を、室温で加えた。この混合物を、2時間撹拌し、次に濾過した。濾液を、EtOAcで希釈し、5% NaHCO
3水溶液、ブラインで洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 4:1〜2:1)により精製して、化合物30(4.44g、94%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.46 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 7.38 (dt, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 6.94 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 5.53 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.49 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.46 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H-1), 5.35 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.25 (dd, J = 12.0, 5.5 Hz, 1H, H-6a), 4.15 (ddd, J = 10.0, 5.5, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.07 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1H, H-6b), 2.19 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.031 (s, 3H, OAc), 2.026 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3):δ 170.46, 169.90, 169.77, 169.71 (4 C=O), 153.12 (d, ArC-2,
1J
CF =252.12 Hz), 143.37 (d,
2J
CF=10.75 Hz, ArC-1), 133.59 (d, J=4.0 Hz, ArC), 125.98 (d,
2J
CF =20.6 Hz, ArC-3), 120.61 (ArC), 97.29 (C-1), 85.26 (d,
3J
CF=6.8 Hz, ArC-4), 69.70 (C-5), 69.09 (C-2), 68.55 (C-3), 65.70 (C-4), 62.02 (C-6), 20.83, 20.67, 20.65 (4C, CH
3CO)。
【0195】
実施例51: 2−フルオロ−4−(インドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(32)
実施例43の手順に従って、30(142mg、0.25mmol)から出発して、ヨード基を、インドールで置き換え、そしてテトラアセタート31を加水分解して、化合物32(22.3mg、23%)を白色の固体として得た。
[α]
D20 +125.7 (c = 0.19, MeOH);
1H NMR (CD
3OD):δ 7.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.55 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.39-7.36 (m, 2H), 7.30 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.11 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.56 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 4.12 (dd, J = 3.0, 1.5 Hz, 1H, H-2), 3.95 (dd, J = 8.5, 3.0 Hz, 1H, H-3), 3.77-3.72 (m, 4H, H-6a, H-4, H-6b, H-5);
13C NMR (CD
3OD) δ 154.70 (d,
1J
CF =245.88 Hz), 143.96 (d, J=10.88 Hz), 137.22, 136.46 (d, J=8.88 Hz), 130.87, 128.97, 123.51, 122.06, 121.44, 121.35 (d, J=3.38 Hz), 121.00 (d, J=2.0 Hz), 113.74 (d, J=21.3 Hz), 111.08, 104.74 (ArC), 101.78 (C-1), 76.05 (C-5), 72.31 (C-3), 71.83 (C-2), 68.21 (C-4), 62.70 (C-6);ESI-MS C
20H
20FNO
6[M+Na]
+の計算値:412.12、実測値 411.97。
【0196】
実施例52: 2−フルオロ−4−(5−ニトロインドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(34)
実施例43の手順に従って、30(114mg、0.2mmol)から出発して、ヨード基を、5−ニトロインドールで置き換え、そしてテトラアセタート33を加水分解して、化合物34(45mg、52%)を黄色の固体として得た。
[α]
D20+54.0 (c 0.44, MeOH);
1H NMR (CD
3OD) δ 8.63 (d, J = 2.0Hz, 1H), 8.11 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.65-7.58 (m, 3H), 7.44 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 5.59 (s, 1H, H-1), 4.12 (m, 1H, H-2), 3.95 (dd, J = 9.0, 3.5Hz, 1H, H-3), 3.84-3.69 (m, 4H, H-6a, H-4, H-6b, H-5);
13C NMR (CD
3OD) δ 154.62 (d,
1J
CF =252.12 Hz), 145.01 (d, J=10.63 Hz), 143.54, 140.08, 134.79 (d, J=8.88 Hz), 132.98, 130.06, 122.03 (d, J=3.50 Hz), 120.89 (d, J=1.88 Hz), 118.95, 118.81, 114.42 (d, J=21.25 Hz), 111.60, 106.71 (ArC), 101.61 (C-1), 76.13 (C-5), 72.30 (C-3), 71.77 (C-2), 68.18 (C-4), 62.70 (C-6);ESI-MS C
20H
19FN
2O
8[M+Na]
+の計算値:457.10、実測値 457.15。
【0197】
【化21】
スキーム9.(i)4Å MS、TMSOTf、DCM、4−ヨード−2−メトキシフェノール(4l)、室温、2時間;(ii)(a)CuI、K
3PO
4、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン、ジオキサン、5−ニトロインドール、106℃、一晩、(b)(Ac)
2O/ピリジン、DMAP、2〜4時間;(iii)0.5M CH
3ONa/MeOH、室温。
【0198】
実施例53: 4−ヨード−2−メトキシフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(35)
実施例50の手順に従って、イミダート3(805mg、1.64mmol)を、(トルエンの代わりに)乾燥ジクロロメタン中、4−ヨード−2−メトキシフェノール(4l)、4Åモレキュラーシーブ及びTMSOTfと反応させて、化合物35(843mg、89%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 7.21-7.17 (m, 2H), 6.82 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.57 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.51 (dd, J = 3.5, 1.5 Hz, 1H, H-2), 5.42 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 5.34 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.28-4.23 (m, 2H, H-6a, H-5), 4.07 (m, 1H, H-6b), 3.82 (s, 3H, OCH
3), 2.18 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 2.02 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3) δ 170.54, 169.93, 169.84, 169.76 (4 CO), 151.54, 144.80, 129.81, 121.74, 120.81 (ArC), 97.42 (C-1), 69.46 (C-5), 69.37 (C-2), 68.81 (C-3), 66.08 (C-4), 62.27 (C-6), 56.06 (OCH
3), 20.88, 20.70, 20.68, 20.67 (COCH
3);ESI-MS C
21H
25IO
11[M+Na]
+の計算値:603.03、実測値 603.16。
【0199】
実施例54: 2−メトキシ−4−(5−ニトロインドール−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(36)
実施例43に従って、化合物35(84mg、0.145mmol)から出発し、そしてベンジルインドール−5−カルボキシラートを5−ニトロインドールで置き換えて、化合物36(78mg、88%)を、黄色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 8.63 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.11 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.25 (m, 1H), 6.99 (m, 2H), 6.84 (dd, J = 3.0, 0.5 Hz, 1H), 5.63 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.57 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.21 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H-1), 5.40 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.34 (m, 1H, H-5), 4.31 (m, 1H, H-6a), 4.15 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1H, H-6b), 3.90 (s, 3H, OCH
3), 2.21 (s, 3H, OAc), 2.08 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3) δ170.48, 169.98, 169.89, 169.72 (4 CO), 151.72, 144.39, 142.18, 138.88, 134.80, 131.35, 128.27, 119.76, 118.29, 117.98, 116.95, 110.34, 109.58, 105.50 (ArC), 97.76 (C-1), 69.59 (C-5), 69.41 (C-2), 68.78 (C-3), 66.06 (C-4), 62.28 (C-6), 56.16 (OCH
3), 21.01, 20.88, 20.70, 20.68 (COCH
3);ESI-MS C
29H
30N
2O
13[M+Na]
+の計算値:637.16、実測値 637.15。
【0200】
実施例55: 2−メトキシ−4−(5−ニトロインドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(37)
化合物36(67mg、0.109mmol)を、乾燥メタノールに溶解し、そして反応の終了まで、室温で、0.5M CH
3ONa/MeOH(33μL)で処理した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、化合物37(42mg、86%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD) δ 8.62 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.08 (dd, J = 9.5, 2.0 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.50 (s, 1H, H-1), 4.13 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-2), 3.97 (dd, J = 9.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 3.90 (s, 3H, OMe), 3.83-3.73 (m, 4H, H-5, H-4, H-6a, H-6b);
13C NMR (CD
3OD) δ152.99, 146.56, 143.35, 140.30, 135.37, 133.22, 129.90, 120.56, 118.89, 118.58, 118.09, 111.70, 110.72, 106.26 (ArC), 101.74 (C-1), 75.82 (C-5), 72.41 (C-2), 71.97 (C-3), 68.37 (C-4), 62.77 (C-6), 56.76 (OCH
3);ESI-MS C
21H
22N
2O
9 [M+Na]
+の計算値:469.12、実測値 469.19。
【0201】
【化22】
スキーム10.(i)4Å MS、TMSOTf、DCM、2,6−ジクロロ−4−ヨードフェノール(4m)、室温、2時間;(ii)(a)CuI、K
3PO
4、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン、ジオキサン、5−ニトロインドール、106℃、一晩、(b)(Ac)
2O/ピリジン、DMAP、2時間;(iii)0.5M CH
3ONa/MeOH、室温。
【0202】
実施例56: 2,6−ジクロロ−4−ヨードフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(38)
実施例50の手順に従って、イミダート3(1.37g、2.85mmol)を、乾燥CH
2Cl
2中、2,6−ジクロロ−4−ヨードフェノール(4m、988mg、3.42mmol)、4Åモレキュラーシーブ及びTMSOTf(77μL、0.428mmol)と反応させて、化合物38(647mg、37%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 7.46 (s, 2H), 5.76 (dd, J = 3.0, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.58 (dd, J = 10.0, 3.0 Hz, 1H, H-3), 5.41-5.36 (m, 2H, H-4, H-1), 4.68 (ddd, J = 10.0, 5.0, 2.5 Hz, 1H, H-5), 4.28 (dd, J = 12.5, 5.0 Hz, 1H, H-6a), 4.17 (dd, J = 12.5, 2.5 Hz, 1H, H-6b), 2.18 (s, 3H, OAc), 2.08 (s, 6H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3) δ 170.60, 169.82, 169.71, 169.65 (4 CO), 149.64, 137.61, 129.84 (ArC), 101.04 (C-1), 70.84 (C-5), 69.20 (C-2), 68.60 (C-3), 65.68 (C-4), 62.25 (C-6), 20.82, 20.72, 20.71, 20.65 (COCH
3);ESI-MS C
20H
21Cl
2IO
10[M+Na]
+の計算値:640.95、実測値 641.06。
【0203】
実施例57: 2,6−ジクロロ−4−(5−ニトロインドール−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(39)
実施例43に従って、38(124mg、0.2mmol)から出発し、そしてベンジルインドール−5−カルボキシラートを5−ニトロインドールで置き換えて、39(74mg、57%)を、黄色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 8.63 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.17 (dd, J = 9.5, 2.5 Hz, 1H), 7.50 (m, 3H), 7.40 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.88 (dd, J = 3.0, 0.5 Hz, 1H), 5.83 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.64 (dd, J = 10.0, 3.0 Hz, 1H, H-3), 5.47-5.42 (m, 2H, H-1, H-4), 4.76 (ddd, J = 10.0, 5.0, 2.5 Hz, 1H, H-5), 4.32 (dd, J = 12.5, 5.0 Hz, 1H, H-6a), 4.24 (dd, J = 12.5, 2.5 Hz, 1H, H-6b), 2.21 (s, 3H, OAc), 2.11 (s, 3H, OAc), 2.10 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3) δ 170.59, 169.89, 169.72, 169.71 (4 CO), 148.95, 142.68, 138.38, 135.99, 130.60, 130.27, 128.68, 125.23, 118.60, 118.43, 110.16, 106.73 (ArC), 101.40 (C-1), 71.00 (C-5), 68.58 (C-2), 65.68 (C-3), 62.26 (C-4), 60.37 (C-6), 20.84, 20.74, 20.72, 20.66 (COCH
3);ESI-MS C
28H
26Cl
2N
2O
12[M+Na]
+の計算値:675.08、実測値 675.13。
【0204】
実施例58: 2,6−ジクロロ−4−(5−ニトロインドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(40)
化合物39(57.2mg、0.0875mmol)を、乾燥メタノール(4mL)に溶解し、そして反応の終了まで室温で、K
2CO
3(12mg、0.0875mmol)で処理した。反応混合物を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、化合物40(21mg、50%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD) δ 8.63 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.14 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.68 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.51 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 4.39 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 4.27 (dt, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-5), 3.99 (dd, J = 9.5, 3.5 Hz, 1H, H-3), 3.87 (d, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 3.83 (m, 2H, H-6a, H-6b);
13C NMR (CD
3OD) δ 150.84, 143.85, 139.87, 136.99, 132.73, 131.30, 130.34, 126.57, 119.15, 118.98, 111.58, 107.35 (ArC), 106.48 (C-1), 77.06 (C-5), 72.22 (C-3), 71.93 (C-2), 67.79 (C-4), 62.58 (C-6);ESI-MS [M+Na]
+の計算値:507.03、実測値 507.16。
【0205】
R
1が、4−(7−アザ−5−クロロインドール−1−イル)であり、そして4−(7−アザ−5−シアノインドール−1−イル)である、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例59〜62)、以下の手順を使用した:
【化23】
スキーム11.(i)(a)CuI、K
3PO
4、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン、ジオキサン、アザインドール、105℃、18時間、(b)(Ac)
2O/ピリジン、DMAP、2時間;(ii)0.5M CH
3ONa/MeOH、室温。
【0206】
実施例59: 2−クロロ−4−(5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(41a)
再密閉可能なシュレンク管に、化合物19(88mg、0.15mmol)、CuI(2.3mg、0.012mmol)、5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(27mg、0.18mmol)、K
3PO
4(133mg、0.6mmol)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン(7.0mg、0.06mmol)及び撹拌子を加え、そしてこの反応容器に、ゴム製セプタムを取り付けた。容器を、2回排気し、そしてアルゴンでフラッシュした。次に、1,4−ジオキサン(1.5mL)を、アルゴン流下で加えた。反応管をすばやく密閉し、そして内容物を、105℃で一晩撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトのプラグを通して濾過し、追加の酢酸エチルで溶離した。濾液を濃縮し、そして得られた粗混合物を、Ac
2O/ピリジン(DMAP)でアセチル化した。反応を、メタノールの添加によってクエンチし、濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 4:1〜1:1)により精製して、41a(74.5mg、82%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.28 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 5.63 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.59 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 5.56 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.41 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.31 (dd, J = 12.5, 5.0 Hz, 1H, H-6b), 4.21 (ddd, J = 10.0, 5.0, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.11 (dd, J = 12.0, 2.5 Hz, 1H, H-6b), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.08 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3):δ 170.49, 169.94, 169.77, 169.73 (4 CO), 149.75, 145.60, 142.32, 133.84, 128.98, 128.37, 125.49, 125.02, 124.88, 123.09, 122.20, 117.46, 101.63, 96.88 (C-1), 69.85 (C-5), 69.29 (C-2), 68.73 (C-3), 65.77 (C-4), 62.06 (C-6), 20.85, 20.69, 20.68, 20.66 (COCH
3);ESI-MS C
27H
26Cl
2N
2O
10[M+Na]
+の計算値:631.09k実測値 631.32。
【0207】
実施例60: 1−[4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−3−クロロフェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(41b)
再密閉可能なシュレンク管に、19(146.2mg、0.25mmol)、CuI(3.81mg、0.02mmol)、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(39mg、0.0.275mmol)、K
3PO
4(221mg、1.0mmol)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン(8.6mg、0.075mmol)及び撹拌子を加え、そしてこの反応容器に、ゴム製セプタムを取り付けた。容器を、2回排気し、そしてアルゴンでフラッシュした。次に、1,4−ジオキサン(2.0mL)を、アルゴン流下で加えた。反応管を、すばやく密閉し、そして内容物を、105℃で一晩撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、そしてセライトのプラグを通して濾過した。濾液を濃縮し、そして得られた粗混合物を、Ac
2O/ピリジン(DMAP)でアセチル化した。反応を、メタノールの添加によってクエンチし、混合物を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 2:1〜3:2)により精製して、41b(120mg、80%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.57 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.58 (m, 2H), 7.33 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 5.62 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.60 (s, 1H, H-1), 5.54 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.41 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.29 (dd, J = 12.0, 5.0 Hz, 1H, H-6b), 4.18 (ddd, J = 10.0, 5.0, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.10 (m, 1H, H-6b), 2.21 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3):δ 170.39, 169.88, 169.72, 169.64 (4 CO), 150.26, 147.74, 146.25, 133.19, 132.92, 130.19, 126.36, 125.06, 123.46, 120.64, 118.26, 117.32, 102.77, 102.28, 96.76 (C-1), 69.86 (C-5), 69.18 (C-2), 68.63 (C-3), 65.66 (C-4), 61.98 (C-6), 20.79, 20.63, 20.61, 20.60 (COCH
3);ESI-MS C
28H
26ClN
3O
10[M+Na]
+の計算値:622.12、実測値 622.10。
【0208】
実施例61: 2−クロロ−4−(5−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(42a)
乾燥メタノール(2mL)中の41a(74.5mg、0.122mmol)の溶液に、0.5M CH
3ONa/MeOH(24μL)を、室温で加え、そして次に、2時間撹拌した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、42a(34mg、63%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 8.23 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 5.60 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 4.14 (dd, J = 3.0, 1.5 Hz, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.0, 3.0 Hz, 1H, H-3), 3.82-3.72 (m, 3H, H-6a, H-4, H-6b), 3.68 ( m, 1H, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 151.88, 146.85, 142.64, 134.37, 131.20, 129.67, 126.78, 125.81, 125.22, 124.44, 124.08, 118.82, 102.61, 101.02 (C-1), 76.06 (C-5), 72.40 (C-3), 71.84 (C-2), 68.22 (C-4), 62.67 (C-6);ESI-MS C
19H
18Cl
2N
2O
6[M+Na]
+の計算値:463.04、実測値 463.02。
【0209】
実施例62: 1−[3−クロロ−4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボニトリル(42b)
乾燥メタノール(4mL)中の41b(112mg、0.187mmol)の溶液に、0.5M CH
3ONa/MeOH(40μL)を、室温で加え、そして次に、2時間撹拌した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、42b(73mg、91%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 8.58 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.62 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 4.14 (dd, J =3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 4.01 (dd, J =9.5, 3.5 Hz, 1H, H-3), 3.82-3.72 (m, 3H, H-6a, H-4, H-6b), 3.66 (ddd, J = 10.0, 5.5, 2.5 Hz, 1H, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 152.28, 149.09, 147.03, 134.69, 133.72, 132.29, 127.15, 125.23, 124.83, 122.49, 119.27, 118.72, 103.79, 103.20, 100.97 (C-1), 76.10 (C-5), 72.40 (C-3), 71.81 (C-2), 68.21 (C-4), 62.67 (C-6);ESI-MS C
20H
18ClN
3O
6[M+Na]
+の計算値:454.08、実測値 454.07。
【0210】
R
1が、4−(7−アザ−5−インドール−5−イル)である、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例63〜64)、以下の手順を使用した:
【化24】
スキーム12.(i)K
3PO
4、ジオキサン、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、Pd(Ph
3P)
4、100℃、一晩;(ii)0.5M CH
3ONa/MeOH、室温。
【0211】
実施例63: 2−クロロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(43)
再密閉可能なシュレンク管に、化合物19(88mg、0.15mmol)、Pd(Ph
3P)(5.2mg、0.0045mmol)、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジン(40.3mg、0.165mmol)、K
3PO
4(49.8mg、0.225mmol)及び撹拌子を加え、そしてこの反応容器に、ゴム製セプタムを取り付けた。容器を、2回排気し、そしてアルゴンでフラッシュした。次に、ジオキサン(1.5mL)を、アルゴン流下で加えた。反応管を、すばやく密閉し、そして内容物を、100℃で一晩撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、そしてセライトのプラグを通して濾過した。濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 3:1〜1:1)により精製して、43(48mg、56%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 9.74 (s, 1H, NH), 8.49 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.46 (m, 2H), 7.39 (dd, J = 3.5, 2.5 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.56 (dd, J = 3.5, 2.5 Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.61 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 5.57 (dd, J = 3.5, 1.5 Hz, 1H, H-2), 5.41 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.31 (dd, J = 12.0, 5.0 Hz, 1H, H-6b), 4.24 (ddd, J = 12.0, 5.0, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.13 (m, 1H, H-6b), 3.08 (s, 3H, NHAc), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.08 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3):δ 170.49, 169.97, 169.78 (4 CO), 150.37, 148.15, 141.99, 128.54, 128.44, 127.85, 127.10, 126.51, 125.91, 124.86, 120.19, 117.51, 101.32, 96.77 (C-1), 69.77 (C-5), 69.36 (C-2), 68.79 (C-3), 65.86 (C-4), 62.13 (C-6), 21.03, 20.86, 20.70, 20.67 (COCH
3)。
【0212】
実施例64: 2−クロロ−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(44)
乾燥メタノール(2mL)中の43(50mg、0.087mmol)の溶液に、0.5M CH
3ONa/MeOH(0.18mL)を、室温で加え、そして次に、さらに2.5時間撹拌した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1〜7:1)により精製して、44(14.8mg、42%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 8.39 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.59 (s, 1H, H-1), 4.13 (m, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.5, 3.5 Hz, 1H, H-3), 3.82-3.72 (m, 3H, H-6a, H-4, H-6b), 3.69 ( m, 1H, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 152.52, 148.84, 142.00, 136.19, 129.73, 129.09, 128.33, 127.94, 127.76, 125.39, 122.32, 118.93, 101.79, 100.89 (C-1), 75.97 (C-5), 72.42 (C-3), 71.90 (C-2), 68.25 (C-4), 62.68 (C-6);ESI-MS C
19H
19ClN
2O
6[M+Na]
+の計算値:429.08、実測値 429.04、[M+H]
+ の計算値 407.10、実測値 407.01。
【0213】
R
1が、4−(3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル)である、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例65〜66)、以下の手順を使用した:
【化25】
スキーム13.(i)K
3PO
4、DMF、3−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、PdCl
2(dppf)、100℃、一晩;(ii)0.5M CH
3ONa/MeOH、室温。
【0214】
実施例65: 2−クロロ−4−(3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド45
再密閉可能なシュレンク管に、化合物19(88mg、0.15mmol)、PdCl
2(dppf)(3.67mg、0.0045mmol)、3−メチル−8−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(42.8mg、0.165mmol)、K
3PO
4(49.8mg、0.225mmol)及び撹拌子を加え、そしてこの反応容器に、ゴム製セプタムを取り付けた。容器を、2回排気し、そしてアルゴンでフラッシュした。次に、DMF(0.9mL)を、アルゴン流下で加えた。反応管を、すばやく密閉し、そして内容物を、100℃で一晩撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、そしてセライトのプラグを通して濾過し、追加の酢酸エチルで溶離した。濾液を濃縮し、そして残留物を、CH
2Cl
2/MeOH 20:1〜15:1を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、45(85mg、96%)を褐色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.57 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.65 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.64 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.61 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H-1), 5.56 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.40 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.29 (dd, J = 12.0, 5.0 Hz, 1H, H-6b), 4.21 (ddd, J = 10.0, 5.0, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.11 (m, 1H, H-6b), 3.95 (s, 3H, NCH
3), 2.21 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3):δ 170.45, 169.94, 169.76, 169.75 (4 CO), 150.70, 147.11, 145.53, 143.32, 135.41, 135.03, 130.37, 129.47, 126.74, 126.01, 124.96, 117.51, 96.68 (C-1), 69.78 (C-5), 69.30 (C-2), 68.75 (C-3), 65.81 (C-4), 62.09 (C-6), 29.87 (NCH
3), 20.84, 20.68, 20.65, 20.64 (COCH
3);ESI-MS C
27H
28ClN
3O
10[M+Na]
+の計算値:612.14、実測値 612.20、[M+H]
+の計算値 590.15、実測値 590.15。
【0215】
実施例66: 2−クロロ−4−(3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(46)
乾燥メタノール(2mL)中の45(105mg、0.178mmol)の溶液に、0.5M CH
3ONa/MeOH(35μL)を、室温で加え、そして次に、さらに2時間撹拌した。反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1〜6:1)により精製して、46(28mg、37%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 8.63 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.22 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.61 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 4.13 (dd, J = 3.5, 1.5 Hz, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.5, 3.5 Hz, 1H, H-3), 3.96 (s, 3H, NCH
3), 3.82-3.72 (m, 3H, H-6a, H-4, H-6b), 3.67 ( m, 1H, H-5);
13C NMR (CD
3OD):δ 152.96, 147.98, 144.37, 136.09, 134.95, 130.02, 128.14, 126.37, 125.43, 118.96, 100.83 (C-1), 76.12 (C-5), 72.39 (C-3), 71.81 (C-2), 68.20 (C-4), 62.64 (C-6), 30.29 (NCH
3);ESI-MS C
19H
20ClN
3O
6[M+Na]
+の計算値:444.09、実測値 444.04、[M+H]
+の計算値 422.11、実測値 422.08。
【0216】
R
1が、4−(1−インドリル)である、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例67〜71)、以下の手順を使用した:
【化26】
スキーム14.(i)PtO
2/モルホリン(触媒的)、MeOH/EtOAc、H
2、1atm、定量;(ii)4−クロロベンゾイルクロリド又はメタンスルホニルクロリド、Et
3N、CH
2Cl
2、室温、1時間;(iii)CH
3ONa/MeOH、室温、2時間。
【0217】
実施例67: 4−(5−アミノインドール−1−イル)−2−クロロフェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(47)
メタノール/酢酸エチル(1:1、4mL)中の28b(166mg、0.268mmol)の溶液に、PtO
2(16mg)及びモルホリン(12μL、0.136mmol)を加えた。反応混合物を、1atm水素下、室温で1時間撹拌し、次にセライトパッドを通して濾過し、そして酢酸エチルで充分に洗浄した。濾液を、真空下で濃縮して、化合物47(158mg、定量)をオフホワイトの泡状物として得た。それを、次の工程に更に精製しないで使用した。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.54 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.33-7.26 (m, 3H), 7.17 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.69 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 5.63 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.58 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H-1), 5.56 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.41 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.30 (dd, J =12.0, 5.0 Hz, 1H, H-6a), 4.23 (ddd, J =10.0, 5.5, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.13 (dd, J = 12.0, 2.5 Hz, 1H, H-6b), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.08 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 6H, OAc);ESI-MS C
28H
29ClN
2O
10[M+H]
+の計算値:589.16、実測値 589.15、[M+Na]
+の計算値:611.14、実測値 611.23。
【0218】
実施例68: 2−クロロ−4−[5−(4−クロロベンズアミド)インドール−1−イル]フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(48a)
乾燥CH
2Cl
2(1.5mL)中の47(71mg、0.12mmol)の溶液に、トリエチルアミン(33μL、0.24mmol)及び4−塩化クロロベンゾイル(17μL、0.13mmol)を、室温で加えた。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。メタノール(100μL)でクエンチした後、溶媒を、真空下で除去し、そして残留物を、クロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 3:1〜2:1)により精製して、化合物48a(82mg、94%)を白色の泡状物として得た。
[α]
D20 +52.91 (c = 0.565, CHCl
3)。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.03 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.84 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.44 (m, 3H), 7.36-7.30 (m 2H), 7.27 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.64 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.60 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H-1), 5.57 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.42 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.31 (dd, J =12.0, 5.5 Hz, 1H, H-6a), 4.23 (ddd, J =10.0, 5.5, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.14 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1H, H-6b), 3.70 (brs, 1H, NHCO), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.08 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc);
13C NMR (125 MHz, CDCl
3):δ 170.44, 169.96, 169.79, 169.72, 164.69 (5 CO), 149.82, 137.85, 135.47, 133.58, 133.40, 131.01, 129.52, 128.95, 128.85, 128.66, 128.63, 128.48, 126.35, 125.36, 123.42, 117.84, 116.99, 113.44, 110.43, 104.30, 96.99 (C-1), 69.89 (C-5), 69.29 (C-2), 68.70 (C-3), 65.78 (C-4), 62.11 (C-6), 20.85, 20.68, 20.66 (4C, CH
3CO);ESI-MS C
35H
32Cl
2N
2O
11[M+H]
+の計算値:727.15、実測値 727.19。
【0219】
実施例69: 2−クロロ−4−[5−(4−クロロベンズアミド)インドール−1−イル]フェニルα−D−マンノピラノシド(49a)
乾燥メタノール(2mL)中の48a(80mg、0.11mmol)の溶液に、0.5M CH
3ONa/MeOH(22μL)を、室温で加えた。2時間撹拌した後、反応混合物を、amberlyst-15で中和し、濾過し、濾液を濃縮し、そして残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 10:1)により精製して、49a(52mg、85%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD+CDCl
3):δ 7.96 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.50-7.38 (m, 6H), 7.35 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.60 (s, 1H, H-1), 4.16 (dd, J = 2.5, 1.5 Hz, 1H, H-2), 4.02 (dd, J = 9.5, 3.0 Hz, 1H, H-2), 3.83-3.76 (m, 3H, H-6a, H-4, H-6b), 3.70 (ddd, J = 9.5, 5.0, 2.0 Hz, 1H, H-5);
13C NMR (CD
3OD+CDCl
3):δ 167.40 (CO), 151.53, 138.55, 135.69, 134.65, 134.56, 132.20, 130.45, 129.96, 129.61, 129.48, 126.75, 125.43, 118.81, 118.57, 115.09, 110.99, 104.70, 100.62 (C-1), 75.45 (C-5), 72.07 (C-3), 71.45 (C-2), 67.85 (C-4), 62.33 (C-6);ESI-MS C
27H
24Cl
2N
2O
7 [M+H]
+の計算値:559.10、実測値. 559.12。
【0220】
実施例70: 2−クロロ−4−(5−メチルスルホンアミドインドール−1−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(48b)
化合物48bを、実施例69、化合物48aと同様の手順で調製した。47(59mg、0.1mmol)から出発して、48b(55mg、82%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.60 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.43 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.32 (m, 2H, NHSO
2Me, ArH), 7.29 (d, J = 3.5 Hz, 1H),7.13 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.50 (s, 1H), 5.64 (dd, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H, H-3), 5.61 (d, J = 2.0 Hz, 1H, H-1), 5.56 (dd, J = 3.5, 2.0 Hz, 1H, H-2), 5.43 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.31 (dd, J =12.0, 5.5 Hz, 1H, H-6a), 4.23 (ddd, J =10.0, 5.5, 2.0 Hz, 1H, H-5), 4.14 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1H, H-6b), 2.98 (s, 3H, CH
3SO
2NH), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc);
13C NMR (CDCl
3):δ 170.45, 170.00, 169.83, 169.73 (4 CO), 150.09, 135.16, 134.39, 129.77, 129.44, 129.19, 126.54, 125.42, 123.59, 119.04, 117.81, 115.92, 111.08, 104.11, 96.98 (C-1), 69.91 (C-5), 69.28 (C-2), 68.67 (C-3), 65.76 (C-4), 62.10 (C-6), 38.82 (CH
3SO
2NH), 20.85, 20.69, 20.67 (4C, CH
3CO);ESI-MS C
29H
31ClN
2O
12S [M+Na]
+の計算値:689.12、実測値 689.18。
【0221】
実施例71: 2−クロロ−4−(5−メチルスルホンアミドインドール−1−イル)フェニルα−D−マンノピラノシド(49b)
化合物49bを、化合物49a(実施例69)と同様の手順で調製した。48b(55mg、0.082mmol)から出発して、49b(34mg、82%)を、白色の泡状物として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.57-7.54 (m, 3H), 7.44-7.41 (m, 3H), 7.13 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 3.0, 0.5 Hz, 1H), 5.62 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 4.14 (dd, J = 3.5, 1.5 Hz, 1H, H-2), 4.01 (dd, J = 9.5, 3.5 Hz, 1H, H-2), 3.82 (dd, J = 12.0, 2.5 Hz, 1H, H-6a), 3.78 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 3.74 (dd, J = 12.0, 5.5 Hz, 1H, H-6b), 3.68 (ddd, J = 10.0, 5.5, 2.0 Hz, 1H, H-5), 2.90 (s, 3H, CH
3SO
2NH);
13C NMR (CD
3OD):δ 151.97, 135.90, 135.43, 132.01, 121.23, 130.36, 127.03, 125.67, 124.95, 119.76, 119.26, 116.29, 111.75, 104.73, 101.02 (C-1), 76.10 (C-5), 72.39 (C-3), 71.82 (C-2), 68.24 (C-4), 62.70 (C-6), 38.55 (CH
3SO
2NH);ESI-MS C
21H
23ClN
2O
8S [M+Na]
+の計算値:521.08、実測値 521.12。
【0222】
R
1が、4−(ピリジル−2−カルボキシラート)又は4−(1H−1,2,3−トリアゾリル−4−カルボキシラート)である、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例72〜78)、以下の手順を使用した:
【化27】
スキーム15.(i)HF−ピリジン、CH
2Cl
2、40℃、一晩、87%;(ii)メチル5−(4−ヒドロキシフェニル)−ピリジン−2−カルボキシラート又はエチル1−(4−ヒドロキシルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシラート、BF
3・Et
2O、CH
2Cl
2、0℃、3時間、51については40%、52については79%;(iii)MeONa、MeOH、室温、4時間、53については36%、54については74%;(iv)0.2N NaOH、MeOH水溶液、室温、一晩、amberlyst-15(H
+)、pH3〜4、55については31%、56については29%。
【0223】
実施例72: 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルフルオリド(50)
化合物50を、文献[Carbohydr. Res. 1999, 317, 210-216]に従って、調製した。
【0224】
実施例73: メチル5−[4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピコリネート(51)
乾燥DCM(5mL)中のメチル5−(4−ヒドロキシフェニル)−ピリジン−2−カルボキシラート(100mg、0.44mmol)及び50(304mg、0.87mmol)の氷冷溶液に、BF
3・Et
2O(0.33mL、2.62mmol)を加え、そして混合物を、0℃で3時間撹拌した。次に、反応を、飽和Na
2CO
3水溶液(50mL)でクエンチし、塩化メチレン(50mL)で抽出し、そして有機層を、0.5N NaOH水溶液(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を回収し、そしてNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そしてクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 4:1〜1:1)により精製して、51(0.10g、40%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.93 (dd, J = 0.5, 2.2 Hz, 1H, Ar), 8.20 (dd, J = 0.6, 8.2 Hz, 1H, Ar), 7.99 (dd, J = 2.4, 8.2 Hz, 1H, Ar), 7.61-7.58 (m, 2H, Ar), 7.25-7.23 (m, 2H, Ar), 5.60 (d, J = 1.8 Hz, 1H, H-1), 5.59 (dd, J = 3.6, 10.1 Hz, 1H, H-3), 5.48 (dd, J = 1.9, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.41 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 4.30 (dd, J = 5.0, 12.4 Hz, 1H, H-6b), 4.11-4.08 (m, 2H, H-5, H-6a), 4.04 (s, 3H, COOCH
3), 2.23 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc)。
【0225】
実施例74: メチル1−[4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシラート(52)
化合物52を、実施例73、51と同様の手順で合成した。乾燥塩化メチレン(8mL)中、55(400mg、1.14mmol)、エチル1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシラート(178mg、0.76mmol)、BF
3・Et
2O(0.44mL、3.60mmol)から出発して、化合物52(341mg、79%)を、無色の油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3):δ 8.47 (s, 1H, トリアゾール), 7.72-7.70 (m, 2H, Ar), 7.29-7.27 (m, 2H, Ar), 5.60 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.56 (dd, J = 3.0, 10.0 Hz, 1H, H-3), 5.48 (dd, J = 1.9, 3.0 Hz, 1H, H-2), 5.40 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.47 (dd, J = 7.2, 14.2 Hz, 2H, CH
2), 4.29 (dd, J = 5.4, 12.4 Hz, 1H, H-6b), 4.11-4.07 (m, 2H, H-5, H-6a), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 1.44 (t, J = 7.2 Hz, 3H, CH
3)。
【0226】
実施例75: メチル5−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピコリネート(53)
乾燥MeOH(5mL)中の51(60mg、0.1mmol)の溶液に、0.5M MeONa/MeOH(50μL)を、室温で加えた。3時間撹拌した後、反応混合物を、amberlyst-15でpH6〜7に中和し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、MeOHから結晶化により精製して、53(15mg、36%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 9.03 (d, J = 2.2 Hz, 1H, Ar), 8.25 (dd, J = 2.3, 8.3 Hz, 1H, Ar), 8.11 (d, J = 8.2 Hz, 1H, Ar), 7.80-7.78 (m, 2H, Ar), 7.26-7.24 (m, 2H, Ar), 5.47 (d, J = 1.4 Hz, 1H, H-1), 5.09 (m, 1H, OH-2), 4.88 (d, J = 5.8 Hz, 1H, OH-4), 4.82 (d, J = 5.8 Hz, 1H, OH-3), 4.49 (t, J = 6.0 Hz, 1H, OH-6), 3.91 (s, 3H, COOCH
3), 3.86 (bs, 1H, H-2), 3.73-3.69 (m, 1H, H-3), 3.61 (dd, J = 6.1, 10.3 Hz, 1H, H-6b), 3.53-3.45 (m, 2H, H-4, H-6a), 3.40 (m, 1H, H-5)。
【0227】
実施例76: メチル1−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシラート(54)
化合物54を、実施例75に記載したのと同様の手順で合成した。52(55mg、0.09mmol)から出発して、化合物54(28mg、74%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 8.94 (s, 1H, Ar), 7.72-7.69 (m, 2H, Ar), 7.25-7.23 (m, 2H, Ar), 5.48 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 3.94(dd, J = 1.9, 3.4 Hz, 1H, H-2), 3.85 (s, 3H, COOCH
3), 3.81 (dd, J = 3.5, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.70-3.60 (m, 3H, H-4, H-6b, H-6a), 3.48 (ddd, J = 2.4, 5.5, 9.7 Hz, 1H, H-5)。
【0228】
実施例77: 5−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピコリン酸(55)
MeOH(2.5mL)中の53(10mg、0.026mmol)の溶液に、0.2N NaOH水溶液(0.25mL)を室温で加えた。反応混合物を、24時間撹拌し、次にamberlyst-15でpH3〜4に中和し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(RP−18、H
2O/MeOH 3:1)により精製して、55(3mg、31%)を白色の固体として得た。
1H NMR (D
2O):δ 8.63 (s, 1H, Ar), 7.96-7.95 (d, J = 8.0 Hz, 1H, Ar), 7.82 (d, J = 6.6 Hz, 1H, Ar), 7.56-7.54 (m, 2H, Ar), 7.13-7.11 (m, 2H, Ar), 5.54 (d, J = 1.4 Hz, 1H, H-1), 4.07 (s, 1H, H-2), 3.96 (dd, J = 3.5, 9.2 Hz, H-3), 3.70-3.58 (m, 4H, H-4, H-5, H-6a, H-6b)。
【0229】
実施例78: 1−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(56)
化合物56を、実施例77、化合物55と同様の手順で合成した。化合物54(18mg、0.05mmol)から出発して、化合物56(5mg、29%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (D
2O):δ 8.40 (s, 1H, Ar), 7.58-7.56 (m, 2H, Ar), 7.18-7.16 (m, 2H, Ar), 5.55 (d, J = 1.4 Hz, 1H, H-1), 4.08 (dd, J = 1.9, 3.4 Hz, 1H, H-2), 3.95 (dd, J = 3.5, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.73-3.57 (m, 4H, H-4, H-5, H-6b, H-6a)。
【0230】
R
1が、4−(ピリミジル−2−カルボキシラート)、4−(ピリジル−3−カルボキシラート)及び4−(ピラジニル−2−カルボキシラート)である、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例79〜88)、以下の手順を使用した:
【化28】
スキーム16.(i)ビス(ピナコラト)ジボロン、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2、KOAc、DMF、120℃ μW、2時間、50%;(ii)58については:メチル−5−ブロモ−2−ピリミジンカルボキシラート、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2、K
3PO
4、DMF、80℃、8時間、78%;59については:メチル−6−クロロ−3−ピリジンカルボキシラート、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2、K
3PO
4、DMF、85℃、6時間、80%;60については:メチル−5−クロロ−2−ピラジンカルボキシラート、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2、K
3PO
4、DMF、80℃、12時間、68%;(iii)MeONa、MeOH、室温、4時間、61については86%、62については24%、63については36%;(iv)0.2N NaOH、MeOH水溶液、室温、一晩、amberlyst-15、pH3〜4、定量。
【0231】
実施例79: 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(57)
マイクロ波管に、化合物18(240mg、0.55mmol)、KOAc(161mg、1.65mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(152mg、0.60mmol)及びPd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2(13mg、0.017mmol)を入れた。次に、この管を密閉し、排気し、そしてアルゴンでフラッシュした。DMF(1mL)の添加後、この溶液を脱気し、そして5分間アルゴンでフラッシュした。管を、120℃に2時間、マイクロ波照射によって加熱した。反応混合物を、CH
2Cl
2/H
2O(50mL/50mL)で抽出した。有機層を、H
2O(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そしてクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 4:1)により精製して、化合物57(0.12g、50%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.76 (d, J = 8.6 Hz, 2H, Ar), 7.08 (d, J = 8.6 Hz, 2H, Ar), 5.58-5.55 (m, 2H), 5.45 (dd, J = 1.9, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.37 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.28 (dd, J = 5.0, 12.0 Hz, 1H. H-6b), 4.05-4.02 (m, 2H, H-6a, H-5), 2.20 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 6H, OAc), 1.33 (s, 12H, 4CH
3)。
【0232】
実施例80: メチル5−[4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピリミジン−2−カルボキシラート(58)
二口フラスコに、化合物57(55mg、0.1mmol)、メチル5−ブロモピリミジン−2−カルボキシラート(20mg、0.09mmol)、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2(2mg、0.0027mmol)及びK
3PO
4(29mg、0.135mmol)を入れ、排気し、そしてアルゴンでフラッシュし、次にDMF(1mL)を加えた。反応混合物を、メチル5−ブロモピリミジン−2−カルボキシラートがほぼ消費されるまで(TLCにより監視した)、80℃に加熱した。反応混合物を、EtOAc(50mL)で希釈し、そしてH
2O(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そして残留物を、クロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 2:1〜1:2)により精製して、化合物58(40mg、78%)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 9.10 (s, 2H, Ar), 7.64-7.61 (m, 2H, Ar), 7.30-7.28 (m, 2H, Ar), 5.62 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.58 (dd, J = 3.5, 10.0 Hz, 1H, H-3), 5.49 (dd, J = 1.9, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.42 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.30 (dd, J = 5.6, 12.9 Hz, 1H, H-6b), 4.13-4.07 (m, 5H, H-5, H-6a, COOCH
3), 2.23 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc)。
【0233】
実施例81: メチル6−[4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ニコチナート(59)
化合物59を、実施例80、化合物58について記載した手順に従って、合成した。化合物57(50mg、0.09mmol)及びメチル6−クロロピリジン−3−カルボキシラート(14mg、0.08mmol)から出発して、化合物59(40mg、80%)を、黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 9.25 (dd, J = 0.7, 2.2 Hz, 1H, Ar), 8.33 (dd, J = 2.2, 8.3 Hz, 1H, Ar), 8.06-8.03 (m, 2H, Ar), 7.77 (dd, J = 0.6, 8.4 Hz, 1H, Ar), 7.23-7.20 (m, 2H, Ar), 5.62 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.59 (dd, J = 3.6, 10.1 Hz, 1H, H-3), 5.48 (dd, J = 1.8, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.40 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.31 (dd, J = 4.8, 12.0 Hz, 1H, H-6b), 4.12-4.06 (m, 2H, H-5, H-6a), 3.97 (s, 3H, COOCH
3), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc)。
【0234】
実施例82: メチル5−[4−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピラジン−2−カルボキシラート(60)
化合物60を、実施例80、化合物58について記載した手順に従って、合成した。化合物57(70mg、0.13mmol)及びメチル5−クロロ−ピラジン−3−カルボキシラート(28mg、0.12mmol)から出発して、化合物60(48mg、68%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 9.30 (d, J = 1.4 Hz, 1H, Ar), 9.09 (d, J = 1.4 Hz, 1H, Ar), 8.11-8.09 (m, 2H, Ar), 7.27-7.25 (m, 2H, Ar), 5.64 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.60 (dd, J = 3.6, 10.1 Hz, 1H, H-3), 5.49 (dd, J = 1.9, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.40 (t, J = 10.1 Hz, 1H, H-4), 4.30 (dd, J = 5.2, 12.4 Hz, 1H, H-6b), 4.13-4.07 (m, 5H, H-5, H-6a, COOCH
3), 2.23 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc)。
【0235】
実施例83: メチル5−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピリミジン−2−カルボキシラート(61)
化合物61を、実施例75について記載したのと同様の手順で、合成した。化合物58(30mg、0.05mmol)から出発して、化合物61(18mg、86%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 9.10 (s, 2H, Ar), 7.69-7.68 (m, 2H, Ar), 7.24-7.22 (m, 2H, Ar), 5.49 (d, J = 1.6 Hz, 1H, H-1), 4.52 (s, 1H, H-2), 3.94 (s, 3H, COOCH
3), 3.82 (dd, J = 3.5, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.67-3.62 (m, 3H, H-4, H-6b, H-6a), 3.48 (ddd, J = 2.5, 5.2, 9.5 Hz, 1H, H-5)。
【0236】
実施例84: メチル6−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ニコチナート(62)
化合物62を、実施例75に記載したのと同様の手順で、合成した。化合物59(36mg、0.06mmol)から出発して、化合物62(6mg、24%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 9.04 (dd, J = 0.7, 2.2 Hz, 1H, Ar), 8.28 (dd, J = 2.2, 8.4 Hz, 1H, Ar), 7.96-7.93 (m, 2H, Ar), 7.85 (dd, J = 0.7, 8.4 Hz, 1H, Ar), 7.18-7.16 (m, 2H, Ar), 5.49 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 3.93 (dd, J = 1.9, 3.4 Hz, 1H, H-2), 3.86 (s, 3H, COOCH
3), 3.82 (dd, J = 3.5, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.67-3.60 (m, 3H, H-4, H-6a, H-6b), 3.49 (ddd, J = 2.7, 5.5, 9.5 Hz, 1H, H-5)。
【0237】
実施例85: メチル5−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピラジン−2−カルボキシラート(63)
化合物63を、実施例75で記載したのと同様の手順で、合成した。化合物60(20mg、0.03mmol)から出発して、化合物63(5mg、36%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 9.14 (t, J = 1.2 Hz, 1H, Ar), 9.09 (t, J = 1.2 Hz, 1H, Ar), 8.10-8.08 (m, 2H, Ar), 7.21-7.20 (m, 2H, Ar), 5.51 (d, J = 1.5 Hz, 1H, H-1), 3.94 (dd, J = 1.9, 3.3 Hz, 1H, H-2), 3.92 (s, 3H, COOCH
3), 3.81 (dd, J = 3.5, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.66-3.60 (m, 3H, H-4, H-6b, H-6a), 3.47 (ddd, J = 2.5, 5.2, 9.5 Hz, 1H, H-5)。
【0238】
実施例86: 5−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピリミジン−2−カルボン酸(64)
化合物64を、実施例77に記載したのと同様の手順で、合成した。化合物61(6mg、0.015mmol)から出発して、化合物64(6mg、定量)を、白色の固体として得た。
1H NMR (D
2O):δ 8.91 (bs, 2H, Ar), 7.60-7.58 (m, 2H, Ar), 7.17-7.16 (m, 2H, Ar), 5.55 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 4.05 (dd, J = 1.9, 3.5 Hz, 1H, H-2), 3.93 (dd, J = 3.5, 9.1 Hz, H-3), 3.66-3.55 (m, 4H, H-4, H-5, H-6a, H-6b)。
【0239】
実施例87: 5−[4−(α−D−マンノピラノシルオキシ)フェニル]−ピラジン−2−カルボン酸(65)
化合物65を、実施例77に記載したのと同様の手順で、合成した。化合物63(6mg、0.015mmol)から出発して、化合物65(6mg、定量)を、白色の固体として得た。
1H NMR (D
2O):δ 8.94 (s, 1H, Ar), 8.89 (s, 1H, Ar), 7.85-7.83 (m, 2H, Ar), 7.19-7.17 (m, 2H, Ar), 5.64 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 4.17 (dd, J = 1.8, 3.5 Hz, 1H, H-2), 4.05 (dd, J = 3.5, 9.4 Hz, H-3), 3.78-3.67 (m, 4H, H-4, H-5, H-6a, H-6b)。
【0240】
R
1が、4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニル、3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル、4−(N−メチルスルファモイル)フェニル、4−(メチルスルホニル)−フェニル又は4−シアノフェニルである、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例88〜96)、以下の手順を使用した:
【化29】
スキーム17.(i)ボロン酸又はボロン酸エステル、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2、K
3PO
4、DMF、80℃、4時間、52〜99%;(ii)MeONa、MeOH、室温、4時間、67aについては75%、67bについては78%、67cについては76%、67dについては86%。
【0241】
実施例88: [4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−イル](モルホリノ)メタノン(66a)
二口フラスコに、化合物18(110mg、0.2mmol)、ピナコール4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルボロナート(70mg、0.22mmol)、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2(5mg、0.006mmol)及びK
3PO
4(64mg、0.30mmol)を入れた。この容器を排気し、そしてアルゴンでフラッシュし、次にDMF(6mL)を加えた。反応混合物を、化合物18がほぼ消費されるまで(TLCにより監視した)、80℃に加熱した。反応混合物を、EtOAc(50mL)で希釈し、そしてH
2O(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そして残留物を、クロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 2:3〜1:4)により精製して、化合物66a(139mg、定量)を黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.60-7.47 (m, 6H, Ar), 7.19-7.17 (m, 2H, Ar), 5.60-5.58 (m, 2H, H-1, H-3), 5.47 (dd, J = 1.9, 3.4 Hz, H-2), 5.40 (t, J = 10.1 Hz, H-4), 4.30 (dd, J = 5.1, 12.2 Hz, 1H, H-6b), 4.14-4.08 (m, 2H, H-6a, H-5), 3.78-3.45 (m, 8H, 4 CH
2), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc)。
【0242】
実施例89: 4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−3,5−ジフルオロ−ビフェニル−4−オール(66b)
化合物66bを、実施例88、化合物66aについて記載した手順に従って、合成した。化合物18(100mg、0.18mmol)、ピナコール(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ボロナート(51mg、0.20mmol)、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2(5mg、0.006mmol)及びK
3PO
4(57mg、0.30mmol)から出発して、化合物66b(57mg、52%)を、無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.42-7.40 (m, 2H, Ar), 7.14-7.12 (m, 2H, Ar), 7.07-7.05 (m, 2H, Ar), 5.90 (bs, 1H, -OH), 5.59 (dd, J = 3.6, 10.05 Hz, H-3), 5.56 (d, J = 1.8, Hz, 1H, H-1), 5.47 (dd, J = 1.8, 3.5 Hz, 1H, H-2), 5.40 (t, J = 10.1 Hz, H-4), 4.30 (dd, J = 4.8, 12.0 Hz, 1H, H-6b), 4.14-4.08 (m, 2H, H-6a, H-5), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc)。
【0243】
実施例90: 4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−N−メチル−ビフェニル−4−スルホンアミド(66c)
化合物66cを、実施例88、化合物66aについて記載した手順に従って、合成した。化合物18(116mg、0.21mmol)、4−(N−メチルスルファモイル)−フェニルボロン酸(50mg、0.23mmol)、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2(5mg、0.006mmol)及びK
3PO
4(67mg、0.32mmol)から出発して、化合物66c(105mg、84%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.92-7.90 (m, 2H, Ar), 7.70-7.68 (m, 2H, Ar), 7.57-7.55 (m, 2H, Ar), 7.21-7.19 (m, 2H, Ar), 5.60-5.57 (m, 2H, H-1, H-3), 5.48 (dd, J = 1.8, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.40 (t, J =10.0 Hz, 1H, H-4), 4.38 (dd, J = 5.4, 10.8 Hz, 1H, -NH), 4.30 (dd, J = 4.9, 12.3 Hz, 1H, H-6b), 4.13-4.08 (m, 2H, H-5, H-6a), 2.72 (d, 3H, J = 5.4 Hz, NCH
3), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc)。
【0244】
実施例91: 4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−4−(メチルスルホニル)−ビフェニル(66d)
化合物66dを、実施例88、化合物66aについて記載した手順に従って、合成した。化合物18(50mg、0.09mmol)、4−(メチルスルホニル)フェニル−ボロン酸(20mg、0.10mmol)、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2(3mg、0.003mmol)及びK
3PO
4(29mg、0.14mmol)から出発して、化合物66d(23mg、44%)を、黄色の固体として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.00-7.99 (m, 2H, Ar), 7.74-7.72 (m, 2H, Ar), 7.59-7.56 (m, 2H, Ar), 7.23-7.18 (m, 2H, Ar), 5.60-5.56 (m, 2H, H-1, H-3), 5.47 (dd, J = 1.8, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.40 (t, J =10.0 Hz, 1H, H-4), 4.30 (dd, J = 4.9, 12.0 Hz, 1H, H-6b), 4.13-4.08 (m, 2H, H-5, H-6a), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc)。
【0245】
実施例92: 4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニトリル(66e)
化合物66eを、実施例88、化合物66aについて記載した手順に従って、合成した。化合物18(330mg、0.60mmol)、4−シアノフェニルボロン酸(96mg、0.66mmol)、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2(15mg、0.004mmol)及びK
3PO
4(192mg、0.90mmol)から出発して、化合物66e(187mg、59%)を、無色の油状物として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.73-7.71 (m, 2H, Ar), 7.65-7.64 (m, 2H, Ar), 7.57-7.53 (m, 2H, Ar), 7.21-7.19 (m, 2H, Ar), 5.60-5.57 (m, 2H, H-1, H-3), 5.47 (dd, J = 1.9, 3.4 Hz, H-2), 5.40 (t, J = 10.1 Hz, H-4), 4.30 (dd, J = 5.1, 12.2 Hz, 1H, H-6b), 4.14-4.08 (m, 2H, H-6a, H-5), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc)。
【0246】
実施例93: [4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−イル](モルホリノ)メタノン(67a)
乾燥MeOH(5mL)中の66a(50mg、0.08mmol)の溶液に、0.5M MeONa/MeOH(50μL)を、室温で加えた。3時間撹拌した後、反応混合物を、amberlyst-15でpH6〜7に中和し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、MeOHから結晶化により精製して、67a(27mg、75%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.71-7.70 (m, 2H, Ar), 7.63-7.63 (m, 2H, Ar), 7.52-7.50 (m, 2H, Ar), 7.25-7.23 (m, 2H, Ar), 5.56 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 4.05 (dd, J = 1.8, 3.4 Hz, 1H, H-2), 3.95 (dd, J = 3.5, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.78-3.54 (m, 12H, H-4, H-5, H-6b, H-6a, 4CH
2)。
【0247】
実施例94: 3,5−ジフルオロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−オール(67b)
化合物67bを、実施例93に記載したのと同様の手順で、合成した。化合物66b(40mg、0.07mmol)から出発して、化合物67b(21mg、78%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.52-7.49 (m, 2H, Ar), 7.19-7.14 (m, 4H, Ar), 5.54 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 4.04 (dd, J = 1.8, 3.4 Hz, 1H, H-2), 3.94 (dd, J = 3.5, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.78-3.73 (m, 3H, H-4, H-6b, H-6a), 3.63 (ddd, J = 2.5, 5.1, 9.8 Hz, 1H, H-5)。
【0248】
実施例95: 4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−N−メチル−ビフェニル−4−スルホンアミド(67c)
化合物67cを、実施例93に記載したのと同様の手順で、合成した。化合物66c(40mg、0.07mmol)から出発して、化合物67c(22mg、76%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.90-7.88 (m, 2H, Ar), 7.80-7.79 (m, 2H, Ar), 7.66-7.64 (m, 2H, Ar), 7.26-7.25 (m, 2H, Ar), 5.58 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 4.06 (dd, J = 1.8, 3.3 Hz, 1H, H-2), 3.96 (dd, J = 3.4, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.79-3.74 (m, 3H, H-4, H-6b, H-6a), 3.63 (ddd, J = 2.5, 5.2, 9.7 Hz, H-5), 2.57 (s, 3H, NCH
3)。
【0249】
実施例96: 4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−4−(メチルスルホニル)−ビフェニル(67d)
化合物67dを、実施例93に記載したのと同様の手順で、合成した。化合物66d(20mg、0.03mmol)から出発して、化合物67d(12mg、86%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.90-7.88 (m, 2H, Ar), 7.76-7.74 (m, 2H, Ar), 7.58-7.56 (m, 2H, Ar), 7.17-7.15 (m, 2H, Ar), 5.46 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 3.93 (dd, J = 1.9, 3.5 Hz, 1H, H-2), 3.81 (dd, J = 3.4, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.69-3.61 (m, 3H, H-4, H-6a, H-6b), 3.50 (ddd, J = 2.5, 5.4, 9.7 Hz, 1H, H-5), 3.05 (s, 3H, CH
3)。
【0250】
R
1が、4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニルである、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例97〜98)、以下の手順を使用した:
【化30】
スキーム18.(i)TMSN
3、Bu
2Sn(O)、DME、150℃ μW、10分間、81%;(ii)MeONa、MeOH、室温、4時間、80%。
【0251】
実施例97: 5−[4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)ビフェニル−4−イル]−1H−テトラゾール(68)
マイクロ波管に、化合物66e(30mg、0.06mmol)、トリメチルシリルアジド(16μL、0.12mmol)、ジブチルスズオキシド(2mg、0.006mmol)及びDME(1mL)を入れた。反応混合物を、マイクロ波照射により、150℃に10分間加熱し、濃縮し、そして残留物を、クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 9:1〜8:1)により精製して、化合物68(26mg、81%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 8.18-8.17 (m, 2H, Ar), 7.69-7.67 (m, 2H, Ar), 7.58-7.56 (m, 2H, Ar), 7.18-7.17 (m, 2H, Ar), 5.60-5.57 (m, 2H, H-1, H-3), 5.48 (s, 1H, H-2), 5.39 (t, J = 10.0 Hz, H-4), 4.29 (dd, J = 5.4, 12.5 Hz, H-6b), 4.10-4.08 (m, 2H, H-6a, H-5), 2.21 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc)。
【0252】
実施例98: 5−[4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)ビフェニル−4−イル]−1H−テトラゾール(69)
化合物69を、実施例93に記載したのと同様の手順で、合成した。化合物68(26mg、0.03mmol)から出発して、化合物69(18mg、定量)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.98-7.96 (m, 2H, Ar), 7.72-7.71 (m, 2H, Ar), 7.58-7.54 (m, 2H, Ar), 7.16-7.13 (m, 2H, Ar), 5.46 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 3.94 (dd, J = 1.9, 3.5 Hz, 1H, H-2), 3.83 (dd, J = 3.4, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.68-3.61 (m, 3H, H-4, H-6a, H-6b), 3.52 (ddd, J = 2.5, 5.4, 9.7 Hz, 1H, H-5)。
【0253】
R
1が、4−(モルホリノ−4−カルボニル)−フェニルである、式(I)で示される化合物の調製のために(実施例99〜100)、以下の手順を使用した:
【化31】
スキーム19.(i)4−(モルホリノ−4−カルボニル)フェニルボロン酸、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2、K
3PO
4、DMF、80℃、4時間、95%;(ii)MeONa、MeOH、室温、4時間、80%。
【0254】
実施例99: [4’−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルオキシ)−3’−クロロビフェニル−4−イル](モルホリノ)メタノン(70)
化合物70を、実施例88、化合物65について記載した手順に従って、合成した。化合物5a(100mg、0.17mmol)、ピナコール4−(モルホリノ−カルボニル)フェニルボロナート(60mg、0.19mmol)、Pd(Cl
2)dppf・CH
2Cl
2(4mg、0.005mmol)及びK
3PO
4(54mg、0.26mmol)から出発して、化合物70(105mg、95%)を、黄色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl
3):δ 7.64 (d, J = 1.6 Hz, 1H, Ar), 7.58-7.56 (m, 2H, Ar), 7.50-7.48 (m, 2H, Ar), 7.43 (dd, J = 2.3, 8.6 Hz, 1H, Ar), 7.25 (d, J = 8.6 Hz, 1H, Ar), 5.64 (dd, J = 3.5, 10.0Hz, 1H, H-3), 5.60 (d, J = 1.7 Hz, 1H, H-1), 5.56 (dd, J = 1.9, 3.4 Hz, 1H, H-2), 5.41 (t, J = 10.0 Hz, 1H, H-4), 4.30 (dd, J = 5.2, 12.3 Hz, 1H, H-6b), 4.20 (m, H-5), 4.11 (m, 2H, H-6a, モルホリン), 3.79-3.51 (m, 7H, モルホリン), 2.22 (s, 3H, OAc), 2.08 (s, 3H, OAc), 2.05 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc)。
【0255】
実施例100: [3’−クロロ−4’−(α−D−マンノピラノシルオキシ)−ビフェニル−4−イル](モルホリノ)メタノン(71)
化合物71を、実施例93に記載したのと同様の手順で、合成した。化合物70(100mg、0.15mmol)から出発して、化合物71(59mg、80%)を、白色の固体として得た。
1H NMR (CD
3OD):δ 7.58-7.55 (m, 3H, Ar), 7.45-7.33 (m, 4H, Ar), 5.49 (d, J = 1.6 Hz, 1H, H-1), 4.01 (dd, J = 1.9, 3.4 Hz, 1H, H-2), 3.90 (dd, J = 3.4, 9.5 Hz, 1H, H-3), 3.66-3.48 (m, 10H, H-4, H-6a, H-6b, H-5, モルホリン), 3.39 (bs, 2H, モルホリン)。
【0256】
実施例101: 予備凝塊アッセイ
カンジダ・アルビカンス(株 ATCC 60193)及び大腸菌(株 RS 218)の一晩培養物を、寒天プレートからコロニー材料をトリプチケースソイブロス(trypticase soy broth)(TSB) 10mLにそれぞれ懸濁することによって調製し、そして37℃で16〜18時間インキュベートし、大腸菌の培養には振盪を用いなかったが、カンジダ・アルビカンスの培養には、水平振盪器上、200rpmでの撹拌を用いた。各培養物の細胞 2mLを、遠心分離(2500×gで10分間)によってリン酸緩衝食塩水(PBS) 1mLで2回洗浄し、上澄みを廃棄し、そして新たなPBS中へ細胞ペレットを再懸濁した。最終洗浄工程後、600nmでの光学密度を測定し、そしてカンジダ・アルビカンスについては(約5×10
7生存細胞/mLに対応する)5.0に、そして大腸菌については(約5×10
9生存細胞/mLに相当する)3.0に調整した。試験インヒビター物質及びα−D−マンノシドの限定溶液を、PBS中に、又は溶解度の理由で必要な場合は5% DMSOを含有するPBS中に調製した。各試験ウェルに、PBS又は所望の濃度の試験溶液 33μLを供給し、そして大腸菌懸濁液 33μLを加え、そして僅かにプレートを叩くことによって混合した。5分後、カンジダ・アルビカンス懸濁液 33μLを加えて、ウェル毎に総容量 100μLを得た。陰性凝集対照として、1つのウェルを、大腸菌を加えずに残した。そのプレートを、水平振盪器上、150rpm、37℃で20分間インキュベートし、そして、目に見える凝集塊のために拡大鏡を活用してウェルを検査する前に、細胞を、室温で10分間沈降させた。各物質について、カンジダ・アルビカンス細胞の凝塊を防ぐ最小濃度を、書き留めた。各実験を三重に実施した。以下の結果を得た:
【0257】
【表1】
【0258】
実施例102: アグリゴメーターアッセイ
N. Firon, I. Ofek, N. Sharon, Biochem. Biophys. Res. Comm. 1982, 105, 1426-1432と同様にして、以下のアッセイを行った:大腸菌株UTI89を、ルリア・ベルターニ・ブロス(Luria-Bertani broth)中で24時間静的にインキュベートし、2回洗浄し、そして600nmでの光学密度(OD
600)を4.0に調整した。モルモット赤血球(GPE)に対するUTI89の集合体のパーセンテージを、1000rpmでの撹拌下、37℃、740nmでAPACT 4004 アグリゴメーター(Endotell AG, Allschwil, Switzerland)を使用して定量的に測定した。較正のために、まず乏タンパク質血漿(PPP)を、1% PBSを使用して測定し、そして100%集合として設定し、続いてOD
600 4.0でGPEを使用した多タンパク質血漿(PRP)を、0%集合として設定した。較正後、測定を、GPE 250μL及び細菌懸濁液 50μLを使用して、開始した。600秒の集合段階に続いて、異なる濃度のアンタゴニスト 25μLを加え、そして離解を、1400秒にわたって監視した。大腸菌UTI89のFimH欠失変異体を使用して、FimH特異的GPE凝集を証明した。評価のために、離解曲線下面積(AUC)を計算し、そして基準、ヘプチルα−D−マンノピラノシドと比較した(表2を参照)。活性を、基準化合物としてのヘプチルα−D−マンノピラノシド(rIC
50=1)との相対IC
50(rIC
50)として報告した。FimH欠失変異体は、GPEの凝集を示さなかった。
【0259】
実施例103: 競合的結合アッセイ
D. Stokmaier, B. Ernst et al., Bioorg. Med. Chem. 2009, 17, 7254-7264によって説明されているように、以下の競合結合アッセイを実施した:平底96ウェルマイクロタイタープレートを、4℃で一晩、20mM HEPES、150mM NaCl及び1mM CaCl
2、pH7.4(HBS緩衝液)中のFimH−CRDの10μg/mL溶液 100μL/ウェルでコーティングした。コーティング溶液を廃棄し、そしてウェルを、4℃で2時間、HBS緩衝液中の3% BSA 150μL/ウェルでブロックした。HBS緩衝液 150μL/ウェルでの3回の洗浄工程後、試験化合物溶液(5% DMSOを含有するHBS緩衝液中0.2nM〜250μM) 50μL/ウェル及び0.5μg/mLのストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ結合トリマンノシド−PAAポリマー 50μLを加えた。プレートを、室温で3時間、かつ350rpmでインキュベートした。次にプレートを、HBS緩衝液 150μL/ウェルで注意深く4回洗浄した。ABTS物質 100μL/ウェルの添加後、比色反応を4分間起こさせた。反応を、2% シュウ酸水溶液の添加によって停止し、そして光学密度(OD)を、マイクロプレート読取機上、415nmで測定した。二重に試験された本化合物のIC
50値を、prism software(GraphPad Software, Inc, La Jolla, USA)で計算した。IC
50は、トリマンノシド−PAAポリマーのFimH−CRDに対する最大特異的結合を50%減少させる試験化合物のモル濃度を定めた。ヘプチルα−D−マンノピラノシドについて、それは、73.05±7.9nMであった(5つの測定値の平均)。相対IC
50(rIC
50)は、試験化合物のIC
50の、ヘプチルα−D−マンノピラノシドのIC
50に対する割合である。
【0260】
【表2】
【0261】
実施例104: フローサイトメトリー阻害アッセイ
GFP標識した大腸菌株UTI89を、24時間、ルリア・ベルターニ・ブロス中で静的にインキュベートし、2回洗浄し、そして600nmでの光学密度(OD
600)を2.0〜3.0の間に調整した。ヒト上皮膀胱ガン細胞株5637を、24ウェルプレート内、37℃、5% CO
2で、10% ウシ胎仔血清(FCS)、100U/mL ペニシリン及び100μg/mL ストレプトマイシンを補充したRPMI 1640培地中で成長させた。細胞を、細菌懸濁液 200μLで感染させ(1:50(細胞:細菌)の感染多重度)、異なる濃度のアンタゴニスト 25μLと予備混合させた。感染を均質化するために、プレートを、室温で3分間、600gで遠心分離した。37℃で1.5時間のインキュベーション後、感染した細胞を、RPMI 1640培地で4回洗浄し、そして氷冷PBS中で5〜20分間懸濁した。サンプルを、CyAn ADPフローサイトメーター(Becton Dickinson, San Jose, CA)で測定し、そして真核細胞での前方散乱(FSC)及び側方散乱(SSC)に基づくゲーティングによって分析した。合計10
4個の細胞を、サンプル毎に測定した。データを、SSCについて線形モードで、そしてFSC及び緑色蛍光チャネルFL1−H(例えば、GFP)について対数モードで獲得した。FL1−Hの平均蛍光強度(MFI)を、細菌の接着性についての代理マーカーとしてカウントした。接着の定量化を、FlowJo software 9.0.1(Tree Star, Inc., Ashland, OR, USA)を用いて評価した。IC
50値を、対数モード対MFIにおけるアンタゴニストの濃度をプロットすることによって、そしてprism softwareを用いて曲線を適合させることによって、決定した(GraphPad、阻害曲線、可変勾配)。相対IC
50(rIC
50)は、試験化合物のIC
50の基準化合物HM(n−ヘプチルα−D−マンノピラノシド)のIC
50に対する割合である。
【0262】
【表3】
【0263】
実施例105: 尿路上皮細胞に対する接着性試験
手術標本からのヒト膀胱尿路上皮を、6継代の間、培養し、そしてインビトロで増殖させた。尿路病原性大腸菌株HC14366を、K. Gupta, M.Y. Chou, A. Howell, C. Wobbe, R. Grady, A.E. Stapleton, J. Urol. 2007, 177, 2357-2360に公開された試験に本質的に一致する接着性試験において、使用した。
【0264】
実施例106: インビボ薬物動態及び疾患モデル
本目的は、静脈内(i.v.)又は好ましくは経口(p.o.)適用に適するFimHアンタゴニストの同定である。感染研究をマウス疾患モデルにおいて実施する前に、インビボ薬物動態パラメータ(C
max、AUC)を、標的器官(膀胱)におけるアンタゴニストの有効性を確実にするために、決定しなければならなかった。単一用量薬物動態研究を、50mg/kgの濃度でのFimHアンタゴニストのi.v.及びp.o.適用、続いて尿及び血漿のサンプリングによって実施した。i.v.適用について、アンタゴニスト(HM、8f、8a)を、PBS 100μL中に希釈し、そして尾静脈内に注射した。p.o.適用について、アンタゴニストHMを、PBS 200μL中に希釈し、そしてアンタゴニスト8a及び7aを、最初にDMSO(20×)に溶解し、そして次に1% Tween-80/PBS中に、最終濃度(1×)までゆっくりと希釈して、懸濁液を得た。アンタゴニストを、尾静脈内への注射によってi.v.適用し、そして胃管栄養法を使用してp.o.適用し、続いて6分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間後に、血液及び尿のサンプリング(10μL)を行った。分析前に、血液及び尿サンプル中のタンパク質を、メタノールを使用して沈殿させ、そして11分間、13’000rpmで遠心分離した。上澄みを、96ウェルプレート内に移し、そしてLC−MSによって分析した。
【0265】
【表4】
【0266】
経口適用された8aの血漿濃度は、検出レベル未満であり、そしてほんの少量しか、尿中に存在していなかった。しかしながら、プロドラッグ7aのp.o.適用後、代謝物8aを、7aの高速代謝的加水分解に起因して、主に検出した。しかしながら、少量の7aが依然として、血漿及び尿中で追跡可能であった;n.d. 不検出;(−) 試験せず。
【0267】
実施例107: 尿路感染症のマウスモデル
マウスを、先に記載されているように感染させた(J.R. Johnson et al., Infect. Immun. 2005, 73, 965-971; W.J. Hopkins et al., Infec. Dis. 2003, 187, 418-23 and C.K. Garofalo et al., Infect. Immun. 2007, 75, 52-60)。生後9〜10週の間の雌C3H/HeNマウスに、1.1vol% イソフルラン/酸素混合物で麻酔をし、そして仰向けに置いた。麻酔をしたマウスに、シリンジ(Hamilton Gastight Syringe 50μL)上に設置した2cmポリエチレン製カテーテルの使用によって、UPEC株UTI89を経尿道的に接種した。このカテーテルが膀胱の先端に達するまで、カテーテルを、尿道を通して徐々に挿入し、続いて、約10
9〜10
10CFU/mLの濃度の細菌懸濁液 50μLをゆっくり注射した。
【0268】
処置研究のために、感染の10分前(7a、8a、8f)又は1時間前(HM)に、FimHアンタゴニストを、PBS 100μL中で、尾静脈内にi.v.適用し、あるいは、胃管栄養法を利用して懸濁液としてp.o.適用した。
【0269】
感染の発症3時間後、尿を、腹部を軽く押すことによって回収し、そして次に、マウスをCO
2で死亡させた。器官を無菌的に除去し、そしてPBS 1mL中で均質化した。尿、膀胱及び腎臓の連続希釈物を、レバイン・エオシン・メチレンブルー寒天プレート(Levine Eosin Methylene Blue Agar)上に載せた。CFUカウントを、37℃での一晩インキュベーション後に決定し、そして尿についてはCFU/mLとして、そして器官についてはCFU/膀胱及びCFU/2つの腎臓として表した(図面)。