(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ターゲット周波数は、125kHz、13.56MHz、915MHz、および2.4GHzの周波数に関連づけられたRFID帯域から選択される、請求項9に記載のデバイス。
前記プロセッサは、複数タイプのRFIDタグにそれぞれ関連づけられた複数組の情報を格納するよう構成されたメモリを含み、各組は、それぞれの符号化スキームとRFID周波数帯域を含む、請求項15に記載のデバイス。
前記アナログデジタルコンバータの前記入力は、前記アンテナ上で電圧を受け取り、前記電圧における変化は、受動的RFIDタグから反射されてくる信号を表す、請求項7に記載のデバイス。
前記アナログデジタルコンバータの前記入力は、前記アンテナ上で電圧を受け取り、前記電圧における変化は、能動的RFIDタグによって生成された信号を表す、請求項7に記載のデバイス。
前記アンテナは一組のトランシーバアンテナを含み、前記一組のトランシーバアンテナのそれぞれは異なるRFID帯域の信号を発信および受信するよう構成される、請求項7に記載のデバイス。
前記アンテナは、前記複数のRFID帯域のうちのひとつをカバーする基本周波数とひとつ以上の残りのRFID帯域をカバーするひとつ以上の調和周波数とを有する単一のトランシーバアンテナを含む、請求項7に記載のデバイス。
第1公称周波数は第2公称周波数の少なくとも2倍であり、前記第1および第2公称周波数に関連づけられた少なくとも二つのRFID帯域にそれぞれが関連づけられた少なくとも二つのアンテナと、
出力と入力とをもつデジタルアナログコンバータと、
入力と出力とをもつアナログデジタルコンバータと、
前記デジタルアナログコンバータの出力と前記アナログデジタルコンバータの入力とに結合され、前記少なくとも二つのアンテナの一つに選択的に結合されるアンテナ選択スイッチと、
前記アンテナ選択に機能的に結合し、前記デジタルアナログコンバータの前記入力に接続された出力、前記アナログデジタルコンバータの前記出力に接続された入力とをもつプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記少なくとも二つのアンテナの一つを選択するように前記アンテナ選択スイッチを構成し、
キャリア周波数信号は、前記少なくとも二つのRFID帯域に亘って発信されRFIDタグが検出された探索信号の周波数から選択されたターゲット周波数であり、ベースバンド信号によって変調された前記キャリア周波数信号を有する変調された質問信号のデジタル表現を含む第1デジタル信号を前記出力上で供給し、
前記入力上で第2デジタル信号を受信し、
前記第2デジタル信号を復調して前記キャリア周波数信号を除去し、
前記復調された第2デジタル信号を復号するよう構成される、無線個体識別(RFID)デバイス。
第1公称周波数は第2公称周波数の少なくとも2倍であり、前記第1および第2公称周波数に関連づけられた少なくとも二つのRFID帯域にそれぞれが関連づけられた少なくとも二つのアンテナと、
出力と第1入力と第2入力とをもつ変調器と、
第1入力と第2入力と出力とをもつ復調器と、
前記変調器の出力と前記復調器の第1入力とに結合され、前記少なくとも二つのアンテナの一つに選択的に結合されるアンテナ選択スイッチと、
前記変調器の前記第1入力と前記復調器の前記第2入力とに接続された出力を有するローカル発振器であって、前記少なくとも二つのRFID帯域に亘って発信されRFIDタグが検出された探索信号の周波数から選択された動作周波数においてアナログキャリア信号を供給し、前記動作周波数を示す信号を受けるように構成されたローカル発振器と、
前記変調器の前記第2入力に接続された出力と、入力とをもつデジタルアナログコンバータと、
前記復調器の前記出力に接続された入力と、出力とをもつアナログデジタルコンバータと、
前記アンテナ選択に機能的に結合し、前記発振器の前記入力に接続された第1出力と、前記デジタルアナログコンバータの前記入力に接続された第2出力と、前記アナログデジタルコンバータの前記出力に接続された入力とをもつプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記第1出力上で前記動作周波数を示す前記信号を供給し、
前記動作周波数に関連づけられた前記少なくとも二つのアンテナの一つを選択するように前記アンテナ選択スイッチを構成し、
前記第2出力上でベースバンド信号を供給し、
前記入力上でデジタル信号を受信し、
前記デジタル信号を復号するよう構成される、無線個体識別(RFID)デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明では、開示されクレームされた実施の形態の十分な理解を提供するために、多くの特定の詳細が説明される。しかしながら、実施の形態はこれらの特定の詳細のうちのいくつかを備えることなく実施可能であることは、当業者には明らかであろう。他の例では、開示を不必要に分かりにくくすることを避けるために、既知の構成や技術は詳述されない。
【0018】
本明細書では、「例示的な」という文言を、「例または説明として提供される」ことを意味するものとして使用する。本明細書で「例示的」として説明されるいかなる実施の形態やデザインも、他の実施の形態やデザインよりも好まれると見なされる必要はなく、また他の実施の形態やデザインに対して有利であると見なされる必要もない。
【0019】
従来のRFIDシステムは通常、単一のタイプのRFIDタグのみで使用される。本開示の実施の形態は、そのような従来のRFIDシステムの課題を指向し、解決する。本開示の実施の形態はマルチモードRFID読み取りデバイスを提供する。このデバイスは、異なるターゲット周波数(例えば、125kHz、13.56MHz、915MHz、および2.4GHz)および/または符号化スキーム(例えば、ISO18000)に基づく複数タイプのRFIDタグを取り扱うことができる。このデバイスはプロセッサを使用し、このプロセッサは、従来では専用の単一周波数ハードウエアコンポーネントによって実行されていた機能の少なくともいくつかをソフトウエアで実行する。そのような機能は以下を含むがそれに限定されない。キャリア信号の生成および変調、RFIDからの応答信号の復調、フィルタ、およびタグ情報の復号化。マルチモードRFID読み取りデバイスのある実施の形態は、可能な限り全体の帯域幅内で動作する異なるRFIDシステムを復調および復号化するよう、かつ、複数の周波数のRFIDタグを取り扱うよう、かつ、任意に規定された符号化アルゴリズムを処理するよう、構成される。加えて、プロセッサを再プログラミングすることにより、ハードウエアへの変更を行わずに、新たな周波数および符号化スキームをその能力へ追加することができる。
【0020】
図1は、ある実施の形態に係る例示的なマルチモードRFID読み取りデバイス100を説明するブロック図である。デバイス100は、プロセッサ101と、一組のアンテナ103と、アンテナ選択スイッチ105と、ローカル発振器113と、デジタルアナログコンバータ(DAC)114と、変調器115と、出力増幅器117と、入力増幅器121と、復調器123と、アナログデジタルコンバータ(ADC)125と、を含む。ある実施の形態では、変調器115および復調器123はそれぞれ直交変調器および直交復調器である。
【0021】
プロセッサ101の第1出力はローカル発振器113の制御入力と接続され、プロセッサ101の第2出力はD/Aコンバータ115のデジタル入力と接続され、プロセッサ101の第3出力はアンテナ選択スイッチ105の選択入力と接続される。ローカル発振器113の信号出力は直交変調器115の第1(キャリア)入力と接続され、D/Aコンバータ114のアナログ出力は変調器115の第2(変調)入力と接続される。変調器115の出力は出力増幅器117の入力と接続され、出力増幅器117の出力はアンテナ選択スイッチ105の共通端子と接続される。アンテナ選択スイッチ105の一組の選択可能端子は、一組のアンテナ103と接続される。アンテナ選択スイッチ105の共通端子は、入力増幅器121の入力とも接続される。入力増幅器121の出力は直交復調器123の第1入力と接続される。復調器123の第2入力は復調器123の信号出力と接続される。復調器123の出力はA/Dコンバータ125のアナログ入力と接続される。A/Dコンバータ125のデジタル出力はプロセッサ101の入力ポートと接続される。
【0022】
プロセッサ101は、複数タイプのRFIDタグを探索して読み取るよう構成(例えばプログラム)される。RFID読み取りデバイス100の例示的な探索動作が説明される。プロセッサ101は複数のRFID帯域に亘って探索信号を発信する。本明細書で使用される「探索信号」は、探索対象の複数のRFID帯域をカバーするRFID帯域探索信号群を含んでもよい。例えば、探索信号は、第1RFID帯域についての第1探索信号と、第2RFID帯域についての第2探索信号と、第3RFID帯域についての第3探索信号と、を含んでもよい。例として、RFID読み取りデバイス100が3つのRFID帯域すなわち125kHz帯域、13.56MHz帯域および915MHz帯域を読み取るよう設計されている場合を考える。プロセッサ100は125kHz帯域についての第1探索信号を発信し、RFIDタグの存在を示すものを探索する。受動的なRFID(例えば、それ自身の電源を有さないタグ)の場合、タグの存在を示すものは、RFIDタグのアンテナの短絡による、反射された探索信号のエネルギの突然の低下の形態をとりうる。125kHz帯域幅内にタグの存在を示すものが検出された場合、プロセッサ101は、後述のようにターゲット周波数(例えば、タグの存在が検出された周波数)で質問信号または通電信号を発信することによって、RFIDタグの読み取りを試行する。
【0023】
特定のRFID帯域についての探索信号は比較的広帯域の信号であってもよく、この信号は帯域の帯域幅全体(例えば、915MHz帯域については約900MHzから約928MHz)をカバーし、一度に発信される。あるいはまた、探索信号は比較的狭帯域の探索信号(例えば、スライス)の組を含んでもよく、その探索信号の組は帯域幅全体を掃引するよう順番に発信される。上述のステップは、他の帯域幅、例えば13.56MHzや914MHzについて繰り返される。
【0024】
ある実施の形態では、
図1に示される一組のアンテナ103などの複数のアンテナが提供されることは注意されるべきである。これは、あるひとつのRFID帯域において信号(例えば、探索信号や質問信号)を送受信することができるトランシーバアンテナは、他のRFID帯域において信号を送受信することができるトランシーバアンテナとは異なりうるからである。例えば、13.57MHz帯域のアンテナは主にRF磁場に応答するよう設計されたループアンテナであってもよく、一方、2.4GHz帯域のアンテナは電場に応答するよう設計されたダイポールアンテナであってもよい。したがって、あるひとつのRFID帯域における探索または読み取りから他のRFID帯域における探索または読み取りへの間において、例えばプロセッサ101からアンテナスイッチ105の選択入力へ選択出力を提供することによって、トランシーバアンテナを切り替える必要がある可能性がある。ある実施の形態では、複数のRFID帯域のうちのひとつをカバーする基本周波数とひとつ以上の残りのRFID帯域をカバーするひとつ以上の調和周波数とを有する単一のトランシーバアンテナを、
図1に示される一組のアンテナ103の代わりに使用してもよいし、ひとつ以上の他のアンテナと共に使用してもよい。
【0025】
上述の通り、プロセッサ101が所与の帯域幅(例えば、125kHz)においてRFIDタグの存在を検出した場合、プロセッサ101は質問信号または通電信号を発信することによってそのRFIDタグの読み取りを試行する。RFIDデバイス100によって実行される例示的な読み取り動作が説明される。プロセッサ101は、ローカル発振器113に、ターゲット周波数(例えば、タグの存在が検出される周波数)を示す信号を出力する。ローカル発振器113は、複数タイプのRFIDタグに関連する複数の周波数のうちのひとつで振動するキャリア信号を生成することによって、プロセッサ101からの信号に応答するよう構成される。デバイス100はそれら複数タイプのRFIDタグを取り扱うよう構成される。ある実施の形態では、ローカル発振器113は位相ロックループ(PLL)合成器である。この合成器は単一の参照周波数の倍数として数多くの出力周波数を生成することができる。そのような実施の形態では、プロセッサ101によって提供されるターゲット周波数を示す信号は、PLL合成器についての倍数因子を示すデータを含んでもよい。他の実施の形態では、ローカル発振器113は電圧制御発振器(VCO)であってもよい。
【0026】
プロセッサ101は、選択されたタイプのRFIDタグに関連する変調スキームに基づくデジタル変調信号を生成する。変調スキームは、振幅変調、周波数変調またはそれら両方の組み合わせを含んでもよい。変調信号はDAC114に入力され、DAC114はデジタル変調信号をアナログ変調信号に変換する。アナログ変調信号は「低周波」信号または「ベースバンド」信号とも称される。これは、その信号が大抵はキャリア信号の周波数よりも低い周波数で変化するという事実に依る。
【0027】
ローカル発振器113によって生成された(ターゲット周波数で振動する)キャリア信号およびDAC114によって生成されたアナログ変調信号は、変調器115に入力される。変調器115は、それらの信号をアナログドメインにおいてアナログミキサ(不図示)を介して混合し、変調された「質問」信号または「通電」信号を生成する。この変調された信号は、出力増幅器117によって増幅された後、アンテナ103を介してRFIDタグに向けて発信される。質問信号は、変調信号によって変調されたキャリア信号を含む。ある実施の形態では、キャリア信号は変調信号によって振幅変調される。他の実施の形態では、キャリア信号は変調信号によって周波数変調される。マルチモードRFID読み取りデバイス100は異なるタイプのRFIDタグを取り扱うよう設計される。アンテナ103は、そのような異なるタイプのRFIDタグに関連する周波数範囲をカバーするような広帯域特性を有する(単一のループまたは複数のループを伴う)ループアンテナであってもよい。
【0028】
そのように発信された質問信号は電磁(EM)場を生成する。この電磁場は、図に示されている電磁場内の受動的RFIDタグ、例えばRFIDタグ131、のアンテナにAC電流を誘起する。このAC電流は整流され、その結果得られるDC電流はタグ131のキャパシタを充電する。キャパシタの電圧信号が十分になると、タグ回路(不図示)の能動的電子デバイスがアクティブになる。いったんアクティブになると、タグの電子デバイスは短い間隔のシーケンスでタグアンテナを短絡する。このシーケンスは、通常はタグに特異なID(例えば、識別文字列)である所定のタグ情報を含むよう符号化される。タグ情報は、一意のIDに加えて、追加的な不揮発性情報を含んでもよい。不揮発性情報はタグが取り付けられる物に関連し、例えば値段や量や製造データなどである。タグアンテナが短絡されると、RFID読み取りデバイス100のアンテナ103に追加的な負荷が生成される。その結果、アンテナ103の電圧の低下が引き起こされる。この応答信号または「反射」信号はアンテナ103の電圧信号を変化させるまたは誘起する。
【0029】
RFIDタグに関連する上記説明は受動的RFIDタグに適用される。この受動的RFIDタグは自身の電源を含まず、上述のように入来する質問信号を反射する。一方、能動的RFIDタグは自身の電源を含み、能動的に応答信号を生成することができる。本明細書で開示されるシステムおよび方法が受動的RFIDタグを読み取る場合だけでなく能動的RFIDタグを読み取る場合にも同様に適用されうることは、本開示に照らして当業者には理解されるべきである。この場合、能動的RFIDタグはそのように発信された質問信号を受信し、能動的に応答信号を生成するであろう。これは、上述の、受動的RFIDタグに適用可能な質問信号を単に反射することとは対照的である。能動的に生成された応答信号はRFIDデバイス100によって、上記説明とほぼ同じやり方で処理されうる。
【0030】
図1に戻り、応答信号によって誘起された電圧信号は入力増幅器121に入力され、次いで復調器123に、ローカル発振器113によって出力されターゲット周波数で振動するキャリア信号と共に入力される。復調器123の出力は中間周波数(IF)応答信号である。IF応答信号はADC125に入力され、ADC125はIF応答信号をデジタル応答信号に変換する。プロセッサ101はデジタル応答信号を受け、デジタル信号処理動作を実行する。その動作は、デジタル応答信号をデジタル的にフィルタすること、および、選択されたタイプのRFIDタグに関連する復号アルゴリズムに基づきタグ情報を復号すること、を含む。プロセッサ101は、読み取りデバイス100のフィールド領域内にどのタグがあるかを決定することができ、この情報を(応答信号に含まれる任意の他の追加的な情報と共に)インベントリアプリケーションまたはエンドユーザに報告することができる。プロセッサ101は、ローカル発振器113(例えば、PLL合成器)を制御することによって周波数を切り替え、マルチモードRFID読み取りデバイスを実現するよう新たなRFターゲット周波数についてプロセスを繰り返すようプログラムされうる。
【0031】
図2は、ある実施の形態に係る別の例示的なマルチモードRFID読み取りデバイス200を説明するブロック図である。デバイス200は、プロセッサ201と、一組のアンテナ203と、アンテナ選択スイッチ205と、ローカル発振器213と、出力増幅器217と、アンテナ203と、入力増幅器221と、復調器223と、アナログデジタルコンバータ(ADC)225と、を含む。
【0032】
ある実施の形態では、RFIDデバイス200についての探索動作(例えば、異なるRFID帯域においてRFIDタグの存在を検出するために一連の探索信号を発信すること)の説明は、
図1のRFIDデバイス100についての上述の例示的な探索動作の説明と実質的に同じであるから、ここでは繰り返さない。代わりに、RFID読み取りデバイス200の例示的な読み取り動作が、RFID読み取りデバイス100の読み取り動作と異なる点に重きを置いて説明される。
【0033】
このデバイス構成では、プロセッサ201はローカル発振器(例えばPLL合成器)を制御し、ローカル発振器は上述のようにRFキャリア信号を生成する。RFキャリア信号は出力増幅器217に入力される。出力増幅器217は制御入力(例えば、オンオフ入力)を有する。制御入力は、キャリア信号を振幅変調するために、プロセッサ201からデジタル変調信号を受けるよう構成される。ある実施の形態では、増幅器217の出力はデジタル的に変調された質問信号であり、その簡単な例はオンオフキーイング(OOK)信号である。そのようにデジタル的に変調された質問信号では、バイナリ「1」を示すために信号パワーが大きく維持され、バイナリ「0」を表すために信号パワーが小さくまたはゼロに維持される。あるいはまた、そのようにデジタル的に変調された質問信号はデジタル制御アナログスイッチと連携する増幅器によって生成されうる。増幅器217の出力はアンテナ203と接続され、そのアンテナ203は変調された質問信号を発信する。
【0034】
受け側では、タグ情報を運ぶ応答信号はアンテナ203に電圧信号を誘起し、その電圧信号は入力増幅器221に入力され、次いで復調器223によってキャリア信号で復調される。復調された応答信号はADC225に入力され、ADC225は復調された応答信号を応答信号のデジタル表現またはより単純には「デジタル応答信号」に変換する。デジタル応答信号はプロセッサ201に入力され、そこでデジタル応答信号はデジタル的にフィルタされて復号され、タグ情報が取得される。タグ情報はプロセッサ201で符号化される。このデバイス構成は、D/Aコンバータおよび変調器の必要性を除去する。前と同様に、プロセッサ201は、ローカル発振器213(例えば、PLL合成器)を制御することによって周波数を切り替え、マルチモードRFID読み取りデバイスを実現するよう新たなRF周波数についてプロセスを繰り返すようプログラムされうる。
【0035】
図3は、ある実施の形態に係る別の例示的なマルチモードRFID読み取りデバイス300を説明するブロック図である。デバイス300は、プロセッサ301と、一組のアンテナ303と、アンテナ選択スイッチ305と、デジタルアナログコンバータ(DAC)314と、出力増幅器317と、アンテナ303と、入力増幅器321と、アナログデジタルコンバータ(ADC)325と、を含む。
【0036】
ある実施の形態では、RFIDデバイス300についての探索動作(例えば、異なるRFID帯域においてRFIDタグの存在を検出するために一連の探索信号を発信すること)の説明は、
図1のRFIDデバイス100についての上述の例示的な探索動作の説明と実質的に同じであるから、ここでは繰り返さない。代わりに、RFID読み取りデバイス300の例示的な読み取り動作が、RFID読み取りデバイス100の読み取り動作と異なる点に重きを置いて説明される。
【0037】
このデバイス構成では、プロセッサ301は、変調された質問信号のデジタル表現を直接生成するのに十分な程度のスピードおよび能力を有する。
図1および
図2に関して上述されたデバイス構成においては変調がアナログドメインで行われているのに対し、この構成では、プロセッサ301は、そのような変調をデジタルドメインでプログラム的に実行することができる。あるいはまた、デバイス300はメモリ(不図示)を含んでもよい。このメモリはプロセッサ301とデータ通信可能であり、異なるタイプのRFIDタグのために設計された変調質問信号のデジタル表現の様々な組を保持するよう構成される。プロセッサ301は、読み取り対象の選択RFIDタグタイプに対応するデジタル表現とDAC314に入力されるべきデジタル表現との特定の組を、メモリから直接またはプロセッサ301を介して、取得することができる。デジタル表現はDAC314を通じてアナログ変調質問信号に変換される。質問信号は使用される特定の変調スキームによって周波数変調されるかまたは振幅変調されてもよい。変調された質問信号は増幅され、アンテナ303に入力され、発信される。
【0038】
受け側では、アンテナ303においてRFIDタグからの応答信号によって電圧信号が誘起され、その電圧信号は入力増幅器321に入力され、次いでADC325に入力され、次いでプロセッサ301に直接入力される。プロセッサ301は信号をデジタル的に復調し、フィルタし、復号することでタグ情報を取得する。変調された質問信号のキャリア周波数はプロセッサ301によって直接制御されるので、そのキャリア周波数を容易に変えることができる。この実装によると、
図1および
図2の実装と比べてハードウエアコンポーネントの数を低減することができる。しかしながら、この実装は、デジタルドメインで実行される追加的な機能を取り扱うためにより広帯域のコンポーネントおよびより高性能なプロセッサを要求する。そのような高性能のプロセッサは、テキサスインスツルメンツ社製で2400MIPSの処理速度を有するモデル番号TMS320DM643のデジタルメディアプロセッサを含んでもよい。しかしながら、このデジタル信号プロセッサは例示にすぎない。
【0039】
図1から
図3に示される例示的なマルチモードRFID読み取りデバイスは説明のみを目的として提供されているものであり、限定として捉えられるべきではないことは当業者には理解されるべきである。例えば、説明されている例のいくつかのフィーチャは混合されマッチされてもよい。例えば、代替的な実施の形態では、デジタルドメインで変調を実行する一方、アナログドメインで復調を実行してもよく、逆もしかりである。
【0040】
図4は、ある実施の形態に係るマルチモードRFID読み取りデバイスの探索動作および読み取り動作のための例示的なプロセスを説明するフローチャートである。プロセス400は状態410で始まり、状態420に進む。状態420では、デバイスは一組のRFID帯域(例えば、125kHz帯域、13.56MHz帯域、および915MHz帯域)を読み取るよう設計されており、その一組のRFID帯域のうちの第1RFID帯域(例えば、125kHz)についての探索信号が発信される。ある実施の形態では、特定のRFID帯域についての探索信号を発信することはあるひとつの比較的広帯域の信号を発信することを含む。その広帯域の信号は帯域の帯域幅全体(例えば、915MHz帯域については約900MHzから約928MHz)を実質的にカバーするスペクトルを有する。他の実施の形態では、探索信号を発信することは、実質的に帯域の帯域幅全体に亘って周波数を掃引する(例えば、一連の狭帯域信号または「スライス」を発信する)ことを含む。探索される帯域の選択または探索されるひとつ以上の帯域の部分の選択、したがって探索信号の選択は、探索されているRFIDタグのタイプに依存してもよい。例えば、関心のあるRFIDタグが特定のRFID帯域の所定のスペクトル部分のみによってサポートされることが知られている場合、探索信号は、帯域幅全体の代わりにそのスペクトル部分のみをカバーまたは掃引するよう構成されてもよい。
【0041】
プロセス400は決定状態420に進む。決定状態420では、発信された探索信号に応答してタグの存在を示すものが検出されたか否かについてのクエリがなされる。受動的なRFIDタグの場合、示すものは反射された探索信号の強度の低下を含んでもよい。能動的なRFIDタグの場合、示すものは、能動的なRFIDタグによって同じまたは異なる周波数で発信される「チャープ(chirp)」信号を含んでもよい。決定状態430でのクエリに対する回答がNo(タグの存在を示すものは検出されなかった)の場合、プロセス400は他の決定状態470に進む。他の決定状態470では、RFID読み取りデバイスによって読み取られるべきRFID帯域の組に探索すべき他の帯域が存在するか否かについてのクエリがなされる。決定状態430でのクエリに対する回答がYes(タグの存在を示すものが検出された)の場合、プロセス400は状態440A、Bに進む。状態440A、Bでは、存在するであろうRFIDタグを読み取る試みが行われる。
図5および
図6に関連して読み取りプロセスが以下に説明される。読み取り試行の後、プロセス400は決定状態450に進む。決定状態450では、読み取りが成功したか否かについてのクエリがなされる。決定状態450でのクエリに対する回答がYes(読み取りが成功した)の場合、プロセス400は状態460に進む。状態460では、タグ出力(例えば、RFIDタグについてのID)が例えばディスプレイやデータベースに提供される。タグ出力の提供の後、プロセス400は決定状態470に進む。一方、決定状態450でのクエリに対する回答がNo(読み取りが成功しなかった)場合、プロセス400はタグ出力を提供することなく決定状態470に進む。
【0042】
決定状態470でのクエリに対する回答がYes(他に探索すべき帯域がある)の場合、プロセス400は状態480に進む。状態480では、次のRFID帯域(例えば、13.56MHz)についての探索信号が発信され、タグの存在を示すものを探索した後または聞いた後、決定状態430に進む。一方、決定状態470でのクエリに対する回答がNo(他に探索すべき帯域がない)の場合(この場合は例えば組の全ての帯域が探索されてしまったことにより生じうる)、プロセス400は状態420にループして戻る。状態420では、第1帯域(例えば、125kHz)についての探索信号が再度発信され、上述の残りの状態が繰り返される。
【0043】
図5は、ある実施の形態に係る、RFIDタグを読み取るために質問信号を生成して発信する例示的なプロセス440Aを説明するフローチャートである。プロセス440Aは状態510で始まり、状態520に進む。状態520では、ターゲット周波数(例えば、タグの存在を示すものが検出される周波数)で振動するキャリア信号(例えば、RF信号)が生成される。キャリア信号の生成はローカル発振器によって実行されうる。ローカル発振器は、
図1および
図2に関して上述されたように、ターゲット周波数を示す信号(例えば、PLL合成器についての倍数因子を表すデータ)をプロセッサから受ける。
【0044】
プロセス440Aは状態530に進む。状態530では、変調信号が生成される。変調信号は、デジタルアナログコンバータ(DAC)によって生成されるアナログ変調信号であってもよい。デジタルアナログコンバータは、
図1に関連して上述されたように、プロセッサによって提供される変調信号のデジタル表現を変換する。あるいはまた、変調信号はプロセッサによって出力されるデジタル変調信号であってもよい。このデジタル変調信号は、
図2に関連して上述されたように、キャリア信号をデジタル的に変調するために使用されうる。
【0045】
プロセス440Aは状態540に進む。状態540では、変調された質問信号が生成される。ある実施の形態では、これは
図1に示される変調器115などのアナログ変調器によって達成されうる。この変調器は、
図1に関連して上述されたように、キャリア信号とアナログ変調信号とを混合する。他の実施の形態では、これは、
図2に関連して上述されたように、オンオフ制御入力を有する増幅器によって、または、別個のデジタル制御アナログスイッチと連携する増幅器によって、達成されうる。さらに他の実施の形態では、
図3に関連して上述されたように、変調された質問信号は、デジタル表現のデジタルアナログ変換を介して直接生成されうる。そのような実施の形態では、状態520および状態530で実行される工程は必要でない可能性がある。プロセス440Aは状態550に進む。状態550では、変調された質問信号が増幅された後、アンテナを介して発信される。このアンテナは例えば
図1に示される一組のアンテナ103のトランシーバアンテナである。プロセス440Aは状態590において終了する。
【0046】
図6は、ある実施の形態に係る、RFIDタグを読み取るために応答信号を受信して処理する例示的なプロセス440Bを説明するフローチャートである。プロセス440Bは状態610で始まり、状態620に進む。状態620では、RFIDタグからの応答信号がマルチモードRFID読み取りデバイスのアンテナによって受信される。応答信号は受動的なRFIDタグから反射された信号であってもよく、または能動的なRFIDタグによって生成された信号であってもよい。プロセス440Bは状態630に進む。状態630では、応答信号によってアンテナに誘起された電圧信号が増幅される。プロセス440Bは決定状態640に進む。決定状態640では、応答信号が例えば
図1および
図2に示されるような専用のハードウエア復調器によってアナログドメインで復調されるべきか、それとも例えば
図3に示されるようにプロセッサによってデジタルドメインで復調されるべきかについてのクエリがなされる。この決定状態は復調の2つのタイプ(アナログおよびデジタル)を説明するために提供されており、マルチモードRFID読み取りデバイスの特定の実施の形態ではそのようなクエリは典型的にはなされないことは理解されるべきである。これは、そのようなデバイスはアナログ変調動作またはデジタル変調動作のいずかに対応するよう事前に設定されている可能性が高いからである。
【0047】
決定状態640でのクエリに対する回答が「アナログ」(アナログ復調の実施の形態)の場合、プロセス440Bはアナログ復調ブランチに入り、状態651に進む。状態651では、例えば
図1および
図2に示される復調器123、223などの専用のアナログ復調器によって、増幅された応答信号をアナログドメインで復調する。アナログ復調ブランチでは、プロセス440Bはさらに状態661に進む。状態661では、例えば
図1および
図2に示されるADC125、225などのアナログデジタルコンバータ(ADC)によって、デジタル応答信号(例えば、復調された応答信号のデジタル表現)が生成される。
【0048】
一方、決定状態640でのクエリに対する回答が「デジタル」(デジタル復調の実施の形態)の場合、プロセス440Bはデジタル復調ブランチに入り、状態653に進む。状態653では、例えば
図3に示されるADC325などのADCによって、増幅された応答信号がデジタル応答信号に変換される。デジタル変調ブランチでは、プロセス440Bは状態663に進む。状態663では、
図3に関連して上述されたように、デジタル応答信号がプロセッサによってデジタル的に復調される。
【0049】
アナログ復調の実施の形態およびデジタル復調の実施の形態の両方について、プロセス440Bは状態670で合流する。状態670では、デジタル応答信号(ここでは復調されている)はプロセッサによってデジタルフィルタ処理される。適用されるデジタルフィルタのタイプは、読み取られるRFIDタグのタイプ並びにそれに関連する周波数および符号化スキームに依存する。プロセス440Bは状態680に進む。状態680では、プロセッサは、復調されフィルタされたデジタル応答信号を復号し、そのなかに符号化されていたタグ情報を取得する。プロセス440Bは状態690において終了する。
【0050】
図4から
図6に示される例示的なプロセスは説明のみを目的として提供されているものであり、限定として捉えられるべきではないことは当業者には理解されるべきである。例えば、
図5を参照すると、状態530における変調信号の生成は、典型的には、状態520におけるキャリア信号の生成と同時に実行される。
図3で説明された実施の形態と同様のある実施の形態では、状態520および状態530は除去されてもよい。例えば、
図6を参照すると、状態663におけるデジタル復調は、状態670におけるデジタルフィルタの後またはそれと同時に実行されてもよい。
【0051】
図7は、本明細書で開示されるある実施の形態が実装されうる例示的なコンピュータシステム700を説明するブロック図である。コンピュータシステム700は、情報通信のためのバス702または他の通信機構と、バス702と結合された情報処理のためのプロセッサ704と、を含む。コンピュータシステム700はランダムアクセスメモリ(「RAM」)や他の動的記憶デバイスなどのメモリ706を含む。このメモリ706はバス702と結合され、プロセッサ704によって実行されるべき情報およびインストラクションを保持する。メモリ706は、プロセッサ704によるインストラクションの実行中に、一時変数や他の中間情報を保持するために使用されてもよい。コンピュータシステム700はさらに磁気ディスクや光学ディスクなどのデータ保持デバイス710を含む。このデータ保持デバイス710はバス702と結合され、情報およびインストラクションを保持する。
【0052】
コンピュータシステム700はI/Oモジュール708を介してディスプレイデバイス(不図示)と結合されていてもよい。ディスプレイデバイスは例えばコンピュータのユーザに情報を見せるための陰極線管(「CRT」)や液晶ディスプレイ(「LCD」)である。情報およびコマンド選択をプロセッサ704に伝えるために、キーボードやマウスなどの入力デバイスはI/Oモジュール708を介してコンピュータシステム700と結合されていてもよい。
【0053】
ある実施の形態によると、プロセッサ704がメモリ706に含まれるひとつ以上のインストラクションのひとつ以上のシーケンスを実行することに対応して、コンピュータシステム700によって、変調質問信号を生成することおよびRFIDタグからの応答信号を処理することの所定の態様が実行される。プロセッサ704は、コンピュータインストラクションを実行可能な、マイクロプロセッサやマイクロコントローラやデジタル信号プロセッサ(DSP)であってもよい。そのようなインストラクションはデータ保持デバイス710などの他の機械読み取り可能媒体からメモリ706へ読み出されてもよい。メインメモリ706に含まれるインストラクションのシーケンスを実行することにより、プロセッサ704は本明細書で説明されるプロセスステップを実行する。マルチプロセッサ環境ではひとつ以上のプロセッサを使用することで、メモリ706に含まれるインストラクションのシーケンスが実行されてもよい。代替的な実施の形態では、種々の実施の形態を実現するために、ソフトウエアインストラクションの代わりにまたはそれと組み合わせて、ハードウエアで構成された回路を使用してもよい。したがって、実施の形態は、ハードウエア回路とソフトウエアとの特定の組み合わせに限定されない。
【0054】
本明細書で使用される「機械読み取り可能媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ704にインストラクションを提供することに参加する任意の媒体を指し示す。そのような媒体は多くの形態を取り得、不揮発性媒体や揮発性媒体や伝送媒体を含むがそれらに限定されない。不揮発性媒体は例えばデータ保持デバイス710などの光学ディスクや磁気ディスクを含む。揮発性媒体はメモリ706などの動的メモリを含む。伝送媒体は同軸ケーブルや銅線や光ファイバを含み、バス702を構成するワイヤを含む。伝送媒体は音波や光の形態をとることもでき、それらは無線周波数通信や赤外線データ通信の間に生成されるものである。機械読み取り可能媒体の通常の形態は、例えば、フロッピーディスク(登録商標)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、DC−ROM、DVD、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、他の任意の孔パターンを有する物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH EPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジ、搬送波、他の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体、を含む。
【0055】
上記の説明は、任意の当業者が本明細書で説明される種々の実施の形態を実施できるように提供されている。上述の実施の形態は種々の図面や実施の形態を参照して具体的に説明されたが、これらは説明のみを目的としており、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことは理解されるべきである。
【0056】
本発明を実現する多くの他の方法が存在しうる。本発明の思想および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明された種々の機能や要素を、示されているものとは異なるように分割することができる。これらの実施の形態に対する種々の変形例は当業者には容易に明らかであろうし、本明細書で規定される原理は他の実施の形態に適用されうる。したがって、当業者であれば、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、本発明に対して多くの変形や変更をなし得る。
【0057】
要素の単数としての指定はそうであると明示的に指定されない限りは「ひとつであってひとつのみ」を意味するよう意図されたものではなく、むしろ「ひとつまたは複数」を意味するよう意図されたものである。「いくつか(some)」という用語はひとつまたは複数を指し示す。下線が付されたおよび/またはイタリック体の表題およびサブ表題は便宜上使用されているだけであり、本発明を限定するものではなく、また本発明の説明の解釈との関連で参照されない。本開示を通じて説明された本発明の種々の実施の形態の要素に対する構造的および機能的等価物のうち当業者には既知のものや後に既知となるものは全て、明らかに本明細書に参照により組み入れられており、本発明に包含されることが意図されている。さらに、いずれの本明細書の開示も、そのような開示が上記記載に明示的に引用されているかそうでないかにかかわらず、公衆に供されることを意図されていない。
【0058】
本明細書で説明される全ての要素、部分およびステップが好適に含まれる。当業者には自明であるが、これらの要素、部分およびステップのうちの任意のものは他の要素、部分およびステップによって置き換えられ得るかまたは削除されうることは理解されるべきである。
【0059】
広義には、本説明は、異なる周波数および/または符号化スキームを有する複数タイプのRFIDタグを読み取るためのデバイスおよび方法を開示する。複数のRFID帯域をカバーするひとつ以上の探索信号が発信される。複数のRFID帯域のうちのひとつにおいて、RFIDタグの存在を示すものが検出される。存在を示すものが検出される周波数に調整されたキャリア周波数を有する質問信号が発信される。RFIDタグに関連するタグ情報を含むタグ応答信号が受信される。タグ応答信号に基づくデジタル応答信号はデジタル信号処理され、タグ情報が取得される。
コンセプト
【0060】
本書面は少なくとも以下のコンセプトを開示する。
コンセプト1
無線個体識別(RFID)タグを読み取る方法であって、
複数のRFID帯域をカバーする探索信号を発信することと、
前記複数のRFID帯域のうちのひとつにおいて、RFIDタグの存在を示すものを検出することと、
前記RFIDタグを読み取ることと、を含む方法。
コンセプト2
前記探索信号は、前記複数のRFID帯域についての探索信号群を含む、コンセプト1に記載の方法。
コンセプト3
特定のRFID帯域についての探索信号を発信することは、そのRFID帯域の帯域幅の実質的に全体に亘って周波数を掃引することを含む、コンセプト2に記載の方法。
コンセプト4
特定のRFID帯域についての探索信号を発信することは、その特定のRFID帯域の帯域幅の実質的に全体をカバーするスペクトルを有する単一の探索信号を発信することを含む、コンセプト2に記載の方法。
コンセプト5
前記存在を示すものは、反射信号の強度の低下を含む、コンセプト1に記載の方法。
コンセプト6
前記RFIDタグを読み取ることは、
前記タグの存在を示すものが検出されるターゲット周波数に設定されたキャリア周波数を有する変調された質問信号を生成することと、
RFIDタグから、そのRFIDタグに関連するタグ情報を含むタグ応答信号を受信することと、
前記タグ応答信号に基づきデジタル応答信号を生成することと、
前記デジタル応答信号をデジタル信号処理して前記タグ情報を取得することと、を含み、
前記デジタル信号処理することは、デジタル変調、デジタルフィルタおよびデジタル復号のうちの少なくともひとつを含む、コンセプト1に記載の方法。
コンセプト7
前記変調された質問信号を生成することは、前記ターゲット周波数よりも低い周波数で変化する変調信号で、前記ターゲット周波数で振動するキャリア信号を変調することを含む、コンセプト6に記載の方法。
コンセプト8
前記キャリア信号を変調することはデジタルドメインにおいて実行される、コンセプト7に記載の方法。
コンセプト9
前記キャリア信号を変調することはアナログドメインにおいて実行される、コンセプト7に記載の方法。
コンセプト10
前記ターゲット周波数で振動するキャリア信号で前記タグ応答信号または前記デジタル応答信号を復調することをさらに含む、コンセプト6に記載の方法。
コンセプト11
前記復調することはデジタルドメインにおいて実行される、コンセプト10に記載の方法。
コンセプト12
前記復調することはアナログドメインにおいて実行される、コンセプト10に記載の方法。
コンセプト13
複数タイプのRFIDタグを読み取る方法であって、
複数のRFID帯域をカバーするひとつ以上の探索信号を発信することと、
前記複数のRFID帯域のうちのひとつにおいて、RFIDタグの存在を示すものを検出することと、
前記存在を示すものが検出される周波数に調整されたキャリア周波数を有する質問信号を発信することと、
RFIDタグから、そのRFIDタグに関連するタグ情報を含むタグ応答信号を受信することと、
タグ応答信号に基づくデジタル応答信号をデジタル信号処理して前記タグ情報を取得することと、を含む方法。
コンセプト14
アンテナとプロセッサとを備える無線個体識別(RFID)デバイスであって、
前記プロセッサは、
複数のRFID帯域をカバーする探索信号を前記アンテナに発信させ、かつ、
前記複数のRFID帯域のうちのひとつにおいて、RFIDタグの存在を示すものを検出し、かつ、
前記RFIDタグに関連するタグ情報を含むタグ応答信号に基づいて前記RFIDタグを読み取るよう構成される、無線個体識別デバイス。
コンセプト15
前記タグ応答信号に基づいてデジタル応答信号を生成するよう構成されたアナログデジタルコンバータをさらに備え、
前記プロセッサはさらに、前記デジタル応答信号をデジタル信号処理して前記タグ情報を取得するよう構成され、
前記デジタル信号処理することは、デジタル変調、デジタルフィルタおよびデジタル復号のうちの少なくともひとつを含む、コンセプト14に記載のデバイス。
コンセプト16
前記プロセッサはさらに、前記存在を示すものが検出されるターゲット周波数に関連するターゲット周波数を示す信号およびデジタル変調信号を出力するよう構成され、
本デバイスは、
前記ターゲット周波数を示す信号を受け、前記ターゲット周波数で振動するキャリア信号を生成するよう構成されたローカル発振器と、
前記デジタル変調信号を受け、前記ターゲット周波数よりも低い周波数で変化するアナログ変調信号を生成するよう構成されたデジタルアナログコンバータと、
前記キャリア信号および前記アナログ変調信号を受け、前記キャリア信号に前記アナログ変調信号を混合することによって変調された質問信号を生成するよう構成されたアナログ変調器と、をさらに備える、コンセプト15に記載のデバイス。
コンセプト17
前記ローカル発振器は位相ロックループ(PLL)合成器を含む、コンセプト16に記載のデバイス。
コンセプト18
前記アナログ変調信号は直交符号化信号である、コンセプト16に記載のデバイス。
コンセプト19
前記アナログ変調信号は前記キャリア信号の周波数変調を提供する、コンセプト16に記載のデバイス。
コンセプト20
前記アナログ変調信号は前記キャリア信号の振幅変調を提供する、コンセプト16に記載のデバイス。
コンセプト21
前記応答信号を受け、前記応答信号を前記キャリア信号で復調して中間周波数(IF)応答信号を生成するよう構成されたアナログ復調器をさらに備え、
前記IF応答信号は前記アナログデジタルコンバータによって前記デジタル応答信号に変換される、コンセプト16に記載のデバイス。
コンセプト22
前記プロセッサはさらに、前記存在を示すものが検出されるターゲット周波数を示す信号およびデジタル変調信号を出力するよう構成され、
本デバイスは、
前記ターゲット周波数を示す信号を受け、前記ターゲット周波数で振動するキャリア信号を生成するよう構成されたローカル発振器と、
前記キャリア信号および前記デジタル変調信号を受け、前記キャリア信号を前記デジタル変調信号で振幅変調することによって変調された質問信号を生成するよう構成されたひとつ以上の電子部品と、をさらに備える、コンセプト15に記載のデバイス。
コンセプト23
前記ひとつ以上の電子部品は、前記デジタル変調信号を受けるよう構成されたデジタルオンオフ制御入力を有する出力増幅器を含む、コンセプト22に記載のデバイス。
コンセプト24
前記ひとつ以上の電子部品は出力増幅器とアナログスイッチとを含み、前記アナログスイッチは前記出力増幅器と接続され、前記アナログスイッチは前記デジタル変調信号を受けるよう構成されたデジタルオンオフ制御入力を有する、コンセプト22に記載のデバイス。
コンセプト25
前記応答信号を受け、前記応答信号を前記キャリア信号で復調して中間周波数(IF)応答信号を生成するよう構成されたアナログ復調器をさらに備え、
前記IF応答信号は前記アナログデジタルコンバータによって前記デジタル応答信号に変換される、コンセプト22に記載のデバイス。
コンセプト26
前記プロセッサはさらにデジタル質問信号を出力するよう構成され、
本デバイスは、前記デジタル質問信号を受け、前記存在を示すものが検出されるターゲット周波数に設定されるキャリア周波数を有するアナログ変調質問信号を生成するよう構成されたデジタルアナログ(D/A)コンバータをさらに備える、コンセプト15に記載のデバイス。
コンセプト27
前記アナログ変調質問信号が無線送信される前に、前記アナログ変調質問信号を増幅するよう構成された出力増幅器をさらに備える、コンセプト26に記載のデバイス。
コンセプト28
前記応答信号を受け、前記応答信号を増幅するよう構成された入力増幅器をさらに備え、前記増幅された応答信号は前記アナログデジタルコンバータによって前記デジタル応答信号に変換される、コンセプト26に記載のデバイス。
コンセプト29
前記プロセッサは、最初、複数タイプのRFIDタグの組を読み取るようプログラムされるよう構成され、かつ、次に新たなタイプのRFIDタグを読み取るよう再プログラムされるよう構成される、コンセプト14に記載のデバイス。
コンセプト30
前記複数タイプのRFIDタグは、異なる符号化スキームに基づくRFIDタグを含む、コンセプト29に記載のデバイス。
コンセプト31
前記複数タイプのRFIDタグは、異なるRFID帯域を有するRFIDタグを含む、コンセプト29に記載のデバイス。
コンセプト32
前記RFID帯域は125kHz帯域、13.56MHz帯域、915MHz帯域、および2.4GHz帯域を含む、コンセプト31に記載のデバイス。
コンセプト33
前記タグ応答信号は、受動的RFIDタグから反射されてくる信号を含む、コンセプト14に記載のデバイス。
コンセプト34
前記タグ応答信号は、能動的RFIDタグによって生成された信号を含む、コンセプト14に記載のデバイス。
コンセプト35
前記アンテナは一組のトランシーバアンテナを含み、前記一組のトランシーバアンテナのそれぞれは異なるRFID帯域の信号を発信および受信するよう構成される、コンセプト14に記載のデバイス。
コンセプト36
前記アンテナは、前記複数のRFID帯域のうちのひとつをカバーする基本周波数とひとつ以上の残りのRFID帯域をカバーするひとつ以上の調和周波数とを有する単一のトランシーバアンテナを含む、コンセプト14に記載のデバイス。