(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成分(b)の第1のエポキシ硬化剤及び成分(c)の第2のエポキシ硬化剤が、エポキシとの反応当量が300以下であること特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
前記成分(b)の多官能性フェニル系樹脂が、分子内フェノール性水酸基を2つ以上有し、前記水酸基当量が100〜300であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
前記成分(e)の熱可塑性樹脂が、ポリエステルポリオール、アクリルゴム、エポキシ樹脂に分散されたアクリルゴム、コアシェルゴム、カルボキシ末端基ブタジエンニトリルゴム、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリメチルシロキサン樹脂及びフェノキシ樹脂からなる群から選ばれる単独またはこれらの混合形態であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
【背景技術】
【0002】
半導体実装用リードフレームは、幅、厚さ、長さ、半導体パッケージ領域の面積、リードの長さ、チップ搭載板の面積等に応じて、様々な形態に製作されている。前記リードフレームの典型的な構成は、リードフレームのボディ部と、前記ボディ部から延びたアウターリードと、前記アウターリードから内側へ延びたインナーリードと、前記インナーリードの内部の中心に位置してその上面に半導体チップが搭載されるチップ搭載板(die pad)と、前記チップ搭載板に結ばれたタイバーとからなる。
【0003】
かかるリードフレームの形態は、近年、効率的な半導体集積及びパッケージ工程のコスト節減の趨勢につれ一層多様化された構造の半導体パッケージ形態に変化しつつある。
【0004】
しかし、多様なパッケージ構造による多様なリードフレームの形態にも拘わらず、通常前記リードフレームのリードは、微細な厚さになっているため、ワイヤボンディングなどの各工程を経なければならなく、又は他の外部要因による振動にも電気的連結の不良が発生しやすい。したがって、リードロックテープを貼り付けてリードを堅固に固定させる必要がある。
【0005】
リードフレームとリードロックテープとを貼り付ける工程からワイヤボンディングにより半導体チップとリードフレームとの間の配線を形成する工程を簡略に説明すると、次のようである。第一の工程として、リードロックテープが打ち抜きによって裁断され、打ち抜き直後0.1秒〜1.0秒間130〜260°Cの圧搾温度でリードフレームに貼り付けられる。
【0006】
次いで、第二の工程は、ダイボンディングフィルム(Die attach film)を用いて前記リードロックテープが貼り付けられたリードフレームのチップ搭載板の上に半導体チップが粘着される。
【0007】
その後の第三の工程として、前記半導体チップと前記リードフレームを貼り付けている前記ダイボンディングフィルムを硬化するために、通常130〜180°Cの温度で5分〜90分程度熱処理を行う。
【0008】
最後に、第四の工程として前記熱処理過程を経たリードフレーム組立体はワイヤボンディングを通じて半導体チップとリードフレームとの間に配線が完成する。この時、前記ワイヤボンディングは、通常200〜260°Cの高温で進行する。
【0009】
前記リードロックテープは、瞬間的な熱と圧力によってリードフレームに貼り付けられ、200°C以上の高い温度で進行するワイヤボンディング工程により前記リードを固定しなければならないため、通常、半硬化(B−stage)状態の製品であって、瞬間的な熱と圧力を印加してリードフレームに付着した後130〜180°C熱処理を経て硬化状態(C−stage)に至るように設計される。
【0010】
しかし、前記リードフレームのリードは、リードロックテープが付着しているにもかかわらず、ワイヤボンディング時、高温に起因してリードロックテープの粘着剤部分がゴム状態(rubbery state)になってしまい、これによりリードシフト(lead shift)に対する耐性が低くなる。
【0011】
そこで、リードシフトによる電気的連結の不良を招き、かかる問題点はリード幅が微細なリードフレームの場合に発生可能性は一層増加される。
【0012】
一般的に前記リードフレーム組立体にエポキシ成形コンパウンド(epoxy molding compound;EMC)を塗布してパッケージを完成した後には動作のために電圧を印加し、このとき、銅材質のリードフレームの場合、リード間の絶縁信頼性が重要なイシューとして作用するが、これは、場合によって電気的短絡(short)が発生するからである。
【0013】
前記電気的短絡が発生するメカニズムについて説明すれば、リードから銅イオンが先に溶出され、次いでリードフレームパッケージに印加された電圧が推進力として作用して、前記析出した銅イオンを他のリード側へマイグレーション (migration)させる。
【0014】
この際、他のリードに到逹した銅イオンは、銅として析出し、析出した銅が再び集まってデンドライト(dendrite)に成長するようになる。
【0015】
最終的に前記デンドライトが他のリードまで到逹すると、リード間の銅に通電して短絡が発生する。
【0016】
すなわち、最終的に印加された電圧が銅イオンをマイグレーションさせる推進力として作用して短絡が発生し、特に、エレベーターや自動車半導体パッケージなどの高電圧を印加する場合にその問題の深刻性は一層浮き彫りになる。
【0017】
したがって、ワイヤボンディング工程時にリードシフトに対する耐性が大きく、リードフレーム組立体を完成した時に高圧でも絶縁信頼性及び高温粘着力を確保することができる粘着剤組成物が求められている。
【0018】
しかし、通常、リードシフトを防ぐための高温粘着力及び絶縁信頼性は両立し難い。
【0019】
すなわち、高温粘着力及び絶縁信頼性の向上のために分子量の小さい熱硬化性樹脂を用いることにより、反応速度を高め、当量の小さい熱硬化性樹脂の使用による架橋密度を向上させることができるので、有利である。しかし、当量が小さい熱硬化性樹脂のみで形成された硬化ネットワークは脆性(brittleness)を有するので、高温での粘着力が脆弱である。
【0020】
そこで、本発明者らは従来の問題点を改善しようと鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂を基材とする熱硬化性網状構造(network)に特定のエポキシ硬化剤を含有させることにより、架橋密度を高めて電気的信頼性を強化し、硬化ネットワークの破壊靭性を高めて高温での粘着剤の流動性を改善する粘着剤組成物を提供するとともに、これを用いた半導体パッケージ用粘着テープはワイヤボンディング工程時、リードシフト(lead shift)に対する耐性が大きく、かつリードフレーム組立体を完成した時、高電圧での絶縁信頼性及び高温粘着力を同時に満たすことができることを見出し、本発明を完成することに至った。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、
(a)エポキシ樹脂基材100重量部、
(b)多官能性フェニル系樹脂を含有する第1のエポキシ硬化剤30〜100重量部、
(c)アミン系エポキシ硬化剤または酸無水系エポキシ硬化剤から選ばれた単独またはその混合形態を含む第2のエポキシ硬化剤20〜250重量部、
(d)硬化促進剤0.1〜10重量部、及び
(e)熱可塑性樹脂からなる改質剤30〜150重量部を含む粘着剤組成物を提供する。
【0039】
本発明の粘着剤組成物は、エポキシ樹脂基材に、架橋密度を高めて硬化ネットワークの破壊靭性を高めることができるように、前記エポキシ樹脂基材と硬化反応する硬化剤として、エポキシ反応当量が300以下であり、高い分子量を有する特定のエポキシ硬化剤を含有することにより、半硬化状態(B−stage)の架橋密度を高めるとともに、得られた硬化ネットワークの脆性を改善して破壊靭性(fracture toughness)を高めることができる。
【0040】
また、かかる硬化ネットワークに熱可塑性樹脂を追加で導入して前記硬化ネットワークに靭性を付与するか、当量が大きい熱硬化性樹脂によって高温での粘着剤の流動性を調節することができる。
【0041】
以下、本発明の粘着剤組成物を成分別で詳しく説明する。
【0042】
本発明の粘着剤組成物において、成分(a)のエポキシ樹脂基材は特に限定されないが、好ましくは、分子量200以上の脂肪族、脂環族、芳香族系の環状又は線状の主鎖を有する分子であって、1分子内に2つ以上のグリシジル基を有する2価以上のエポキシ樹脂を用いる。
【0043】
その一例としては、分子量300以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ、脂環族エポキシ樹脂、脂環族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノ−ボルラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂、イミド系エポキシ樹脂などの単一主鎖にグリシジル基を有するエポキシ樹脂、及びエピハロヒドリン変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、ビニル変性エポキシ樹脂、エラストマ変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂などの主鎖に他の物性の樹脂またはゴムを反応させて得たエポキシ樹脂が挙げられる。
【0044】
この時、エポキシ樹脂基材は、硬化後のガラス転移温度、機械的強度を確保するために当量が470以下であることが好ましく、300以下であることがもっと好ましい。また、エポキシ樹脂基材として、硬化物の好適な物性などの観点から芳香族系エポキシ樹脂が好ましい。
【0045】
本発明において芳香族系エポキシ樹脂とは、分子内で芳香環骨格を有するエポキシ樹脂を意味し、これによって、成分(a)は1分子中に2つ以上のエポキシ基を有し、当量が470以下の芳香族系エポキシ樹脂を用いる。また、前記エポキシ樹脂は単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0046】
本発明の粘着剤組成物において、成分(b)は第1のエポキシ硬化剤であって、1分子中にフェノール性水酸基を2つ以上有するフェノール樹脂が好ましく、水酸基当量が100〜300である多官能性フェノール樹脂を用いるのがもっと好ましい。このとき、フェノール樹脂の水酸基当量が100未満であれば、エポキシ樹脂基材との硬化物の脆性のため、半導体パッケージの緩衝特性が低下し、水酸基当量が300を超えると、架橋密度が低下してしまい、組成物の高電圧での絶縁信頼性及び耐熱性が低下する恐れがある。
【0047】
そこで、成分(b)の第1のエポキシ硬化剤として望ましい多官能性フェノール樹脂は、ビフェニル型フェノール樹脂、ザイロックノボラック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、ビスフェノールF樹脂、ビスフェノールA樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、多官能性ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック樹脂、アミノトリアジンフェノールノボラック樹脂、及びポリブタジエンフェノールノボラック樹脂からなる群から選ばれる単独または2種以上の混合形態が挙げられる。
【0048】
また、本発明の粘着剤組成物が200°C以上の高温で粘着力を維持するための目的を達成するために、前記多官能性フェノール樹脂は
数平均分子量を基準に3,000以上の分子量を有する成分を使用する。この時、前記分子量が3,000以上の高分子は、高分子鎖同士間の絡み合いを誘導し、200°C以上で粘着力を充分に維持することができる。
【0049】
それで、本発明の実施例では前記要件を満たす多官能性フェノール樹脂としてモメンティブ社(米国)製のSD−1508フェノール樹脂製品であるビスフェノールAノボラックフェノール樹脂を用いているが、前記要件を満たすものであれば商用製品または合成化合物を適用することができる。
【0050】
本発明の粘着剤組成物において、成分(b)の多官能性フェノール樹脂は、通常、エポキシ硬化剤として働く場合、エポキシ官能基対フェノール水酸基が当量比で1:1.2〜1:0.6の範囲内で調整されることが一般的であるが、本発明ではさらに第2のエポキシ硬化剤である成分(c)を用いるから、半硬化状態の架橋密度を高めるためには、フェノールによる硬化反応を抑制するためにフェノール樹脂の使用量を減らして調節することが望ましい。
【0051】
このため、当量比を1:0.6以下に調節するのが好ましく、重量の割合の観点で前記成分(a)のエポキシ樹脂基材100重量部対して、成分(b)の第1のエポキシ硬化剤である多官能性フェノール樹脂は30〜100重量部が含有されていることが望ましい。この時、多官能性フェノール樹脂の含量を30重量部未満で含有する場合、エポキシ樹脂または硬化剤の未反応物が全体粘着剤組成物に残存するようになって架橋密度が低くなってしまい、また、100重量部を超えて含有する場合は、粘着剤組成物に意図する硬化反応及び分解反応以外に他の副反応が起こることができる。
【0052】
本発明の粘着剤組成物において、成分(c)は第2のエポキシ硬化剤として、前記成分(a)のエポキシ官能基との硬化反応が可能な公知のエポキシ硬化剤であれば制限なしに使用できる。よって、好ましくはアミン系硬化剤または酸無水系硬化剤を使用することができる。
【0053】
好ましくは、酸無水系硬化剤を用い、前記酸無水系硬化剤は当業界でリードロックテープの基材フィルムとして利用するポリイミド(PI)フィルムとの界面粘着力が高く、本発明の組成物の用途中の一つであるリードロックテープの粘着剤として用いた時、反応開始温度が高くて経時変化にあまり敏感ではなく、かつ絶縁性に優れている。
【0054】
ただし、酸無水系硬化剤は、硬化開始温度は高く硬化反応速度が遅いが、本発明の粘着剤組成物のうち成分(d)硬化促進剤の作用によって硬化反応速度を高めることができる。
【0055】
したがって、成分(d)の硬化促進剤を投入して硬化温度及び速度を調節することができる。酸無水系硬化剤は、ポットライフ(pot life)の長いものが好ましく、その望ましい一例としては、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(methylhexahydrophthalic anhydride)、メチルテトラヒドロフタル酸無水物(methyltetrahydrophthalic anhydride)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物(1,2,4,5−Benzenetetracarboxylic anhydride)、ベンゾフェノンテトラカルホン酸無水物(benzophenone tetracarboxylic dianhydride)及びフタル酸無水物 (phthalic anhydride)からなる群から選択して使用することができる。
【0056】
本発明の粘着剤組成物の中で、成分(c)の第2のエポキシ硬化剤も成分(b)の多官能性フェノール樹脂と同じ割合で、高温で高い粘着力を維持するために、
数平均分子量を基準に3,000以上の分子量を有する成分を用いる。
【0057】
一般的に
数平均分子量3,000以上のエポキシ硬化剤は、前記例示された単分子エポキシ硬化剤と異なり、他の高分子との共重合を通じて分子量を高めなければならない。
【0058】
このため、本発明の
数平均分子量3,000以上の分子量を有する酸無水系エポキシ硬化剤を満たす望ましい一例としては、ビニルアセテート−無水マレイン酸(vinyl acetate−maleic anhydride)共重合体またはスチレン−無水マレイン酸(styrene−maleic anhydride)共重合体から選択して使用することができ、これらに限定されない。
【0059】
より好ましくは、スチレン−無水マレイン酸共重合体が第2のエポキシ硬化剤として使われるが、類似した分子量を有する硬化剤の中でも体積が大きい測鎖構造を有する高分子鎖の立体障害(steric hindrance)効果によって鎖同士間の絡み合いを容易に形成することで、高温での粘着剤の流動性を制御するのに効果的であるから、大きい体積の測鎖を有するスチレン−無水マレイン酸共重合体が第2のエポキシ硬化剤として望ましい。
【0060】
本発明の粘着剤組成物の中で成分(c)の第2のエポキシ硬化剤としてアミン系硬化剤としては、ポリエチレンアミンまたはポリエーテルアミンから選ばれることが好ましく、前述の酸無水系硬化剤との混合形態で使用されるのが望ましい。
【0061】
本発明の粘着剤組成物のうち、成分(c)の第2のエポキシ硬化剤の含量は、成分(a)であるエポキシ樹脂100 重量部対して、20〜250重量部で含有されることが望ましい。この時、第2のエポキシ硬化剤の含量が20 重量部未満であれば、エポキシ樹脂または硬化剤の未反応物が全体粘着剤組成物に残存するようになって、架橋密度が低くなり、250重量部を超えると、粘着剤組成物に意図する硬化反応及び分解反応以外に他の副反応が起こることができる。
【0062】
本発明の粘着剤組成物のうち、成分(d)は、硬化促進剤であって、前記成分(b)の第1のエポキシ硬化剤及び成分(c)の第2のエポキシ硬化剤成分と成分(a)のエポキシ基材樹脂との硬化速度を高めるのに使われる。
【0063】
これにより、成分(d)の硬化促進剤を含有することで、本発明の粘着剤組成物がリードロックテープのような半導体パッケージ用粘着テープとして用いられる時、印刷回路基板や電子部品組立体への付着時、硬化工程に必要な所要時間を短縮させることができる。
【0064】
本発明で用いられる硬化促進剤は、100°C以下の温度では硬化促進作用が抑えられ、粘着剤のポットライフには悪影響を与えないながら100°C以上の温度では硬化反応を早く促進して架橋密度を向上させることが望ましい。
【0065】
このため、望ましい硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン (triphenylphosphine)などの有機ホスフィン系化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール−(2−ethyl−4−methylimidazole)などのイミダゾール系化合物、第3級アミン(tertiary amine)などが使われることができる。
【0066】
本発明の成分(d)の硬化促進剤の望ましい含量は、成分(a)のエポキシ樹脂基材100重量部に対して0.1〜10重量部を含有する。この時、前記硬化促進剤の含量が0.1重量部未満であれば、硬化反応の促進効果を期待しにくく、10重量部を超えると、製造工程中に硬化反応が急速な速度で起こって、必要以上に無駄に硬い粘着剤層が生成されてしまい、仮着に必要な粘着性を得にくく、経時安定性にも悪影響を与える。
【0067】
本発明の粘着剤組成物のうち、成分(e)は、熱可塑性樹脂からなる改質剤であって、エポキシ樹脂の脆性を改善して破壊靭性を高めて、内部応力(internal stress)を緩和させる機能を果たす。
【0068】
本発明の粘着剤組成物のうち、成分(e)の望ましい含量は、成分(a)のエポキシ樹脂基材100重量部に対して、30〜150重量部を含有することである。この時、改質剤の含量が30重量部未満である場合、破壊靭性を高めて内部応力を緩和させるという目的の達成に不利であり、150重量部を超えると、粘着剤組成物内に硬化性成分の含量が減少し過ぎ、硬化後の機械的信頼性及び電気的信頼性が低下してしまう恐れがある。
【0069】
前記成分(e)の改質剤として用いられる熱可塑性樹脂は、ポリエステルポリオール、アクリルゴム、エポキシ樹脂に分散されたアクリルゴム(acrylic rubber dispersed in epoxy resins)、コアシェルゴム(core shell rubber)、カルボキシ末端基ブタジエンニトリル(carboxy terminated butadiene nitrile:CTBN)ゴム、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile−butadiene−styrene)樹脂、ポリメチルシロキサン(polymethyl siloxane)樹脂及びフェノキシ樹脂(phenoxy resin)からなる群から選択して用いることができ、他の粘着剤成分の性状に応じて選択されることができる。
【0070】
好ましくは、本発明の粘着剤組成物が半導体パッケージ用粘着テープとして使用される場合、その付着部位の柔軟性が要求されるので、ポリエステルポリオールまたはカルボキシ末端基ブタジエンニトリルゴム(CTBN)が用いられる。
【0071】
また、本発明の目的に応じて高温で強い粘着特性が要求されるので、ガラス転移温度が相対的に高く、エポキシ樹脂との相溶性が良いフェノキシ樹脂が望ましい。
【0072】
より好ましくは、前記ポリエステルポリオールまたはカルボキシ末端基ブタジエンニトリルゴムを前記フェノキシ樹脂と混合して使用することができる。
【0073】
コアシェルゴムの粒子は、粒子構造がコア(core)層とシェル(shell)層とを有するゴム(Rubber)粒子であって、例えば、外側のシェル層がガラス状高分子(polymer)であり、内側のコア層がゴム状高分子で構成される2層構造あるいは外側のシェル層がガラス状高分子、中問層がゴム状高分子、コア層がガラス状高分子で構成される3層構造のものである。この時、ガラス状高分子はメタクリル酸メチル(methyl methacrylate)の重合物であり、ゴム状高分子はアクリル酸ブチル(butyl acrylate)重合物で構成される。
【0074】
本発明の粘着剤組成物は、前記組成成分以外に、界面活性剤、カップリング剤(coupling agent)、無機フィラーなどの添加剤をさらに含むことができる。この時、前記添加剤は成分(a)のエポキシ樹脂基材100重量部に対して、フッ素系界面活性剤0.001〜1重量部以内で含有する。
【0075】
特に、界面活性剤は、基材フィルムに適当なコーティング性能を付与するために使われることができ、望ましい例としては有機アクリルポリマー(organic acryl polymer)、ポリオール(polyol)などの高分子系シロキサン(siloxane)または3M社製のFC−4430のようなフッ素系化合物を用いる。
【0076】
本発明の粘着剤組成物のワニスは、前記のような成分を有機溶媒内の固形粉含量を10〜50重量%で含有することが望ましい。この時、固形粉含量が10重量%未満である場合、乾燥工程で残留有機溶媒を除去し難く、50重量%を超えると、前記粘着剤組成物同士間に十分な相溶性を確保しにくい。
【0077】
以上のような組成を特徴とする本発明の粘着剤組成物は半硬化状態でも高い架橋密度を形成するため30V以上の高電圧でも絶縁性に優れており、硬化ネットワーク内に分子間の絡み合いが強く200°C以上の高温でも高い粘着力が維持できる。
【0078】
さらに、本発明は前記粘着剤組成物を用いてワイヤボンディング(wire bonding)、はんだ付け(soldering)などの200°C以上の高温工程を伴う半導体パッケージ分野に活用され得る半導体パッケージ用粘着テープを提供する。
【0079】
本発明の半導体パッケージ用粘着テープは、半導体パッケージ組立体内で組立体構成部品間の接合、充填及び絶縁層の役割を果たし、この場合、粘着面が両面または断面であってもよい。
【0080】
前記粘着面は、その形成直後から半導体パッケージ工程に適用する前まで外気や物理的な損傷から保護する必要がある。だから一般的に前記粘着面上に保護フィルムをさらに積層することができ、この時、保護フィルムは剥離特性を有するポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどのポリオレフイン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルまたは剥離紙から選択して使用することができる。
【0081】
保護フィルムの厚さは、10〜150μmが好ましく、保護フィルムはマッド工程及びエンボス工程に加えて、剥離工程によって適宜処理することができる。前記保護フィルムは粘着工程の直前に除去し得る。
【0082】
半導体パッケージ用粘着テープの望ましい第1の実施の態様として、本発明は基材フィルム上に、前記粘着剤組成物で形成された粘着剤層からなる半導体パッケージ用リードロックテープを提供する。
【0083】
本発明の実施例ではリードロックテープに対する物性評価を実施した結果、優れた室温粘着力を示し、表1の樹脂流動性評価で180〜230°Cの高温条件で押圧(press)によっても粘着剤の樹脂流動性は抑制された結果を確認することができる。
【0084】
また、本発明のリードロックテープに対する高電圧絶縁信頼性評価(Highly Accelerated Stress Test、HAST)を行ったところ、
図1〜
図3に示したように、30V以上の高電圧で時間別抵抗値を測定した結果、実験条件が最大500時間が経過しても抵抗降下が観察されないので、高電圧で電気的短絡の問題を解消することができる。
【0085】
図4は前記高電圧絶縁信頼性評価を終えたリードロックテープ回路部を顕微鏡で観察した結果であって、本発明のリードロックテープは銅回路上にデンドライト生成が観察されないことからで、高電圧での絶縁性を確認することができる。
【0086】
また、本発明のリードロックテープに対する高温信頼性を測定した結果、耐スリップ性[表2]及び高温粘着力(剥離強度)[表3]の優れた結果を確認することで、本発明の粘着剤組成物から高温で流動性を制御することで十分な靭性を確保したことがわかる。
【0087】
本発明の半導体パッケージ用粘着テープの望ましい第1の実施の態様のリードロックテープにおいて、基材フィルムはポリフェニレンスルフィドまたはポリイミドを含むエンジニアリングプラスチックからなり、電気絶縁性及び物理的な剛性を考慮してポリイミド(polyimide)フィルムを用いるのが好ましく、この時、ポリイミドフィルムの厚さは10〜150μmが望ましい。前記基材フィルムはマッド工程及びコロナ工程以外の表面処理工程をさらに行うことができる。具体的に、前記基材フィルム上に本発明の粘着剤組成物のワニスを塗布して粘着剤層を形成させた後、乾燥すると、B−ステージ状態の半導体パッケージ用粘着テープを製作することができる。この時、粘着剤組成物のワニスを得る過程で多くの成分の混合物が容易に得られるよう、有機溶媒を用いることができるが、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、ブチル酢酸塩、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエテールアセテート類及びトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素を含む一般的な溶媒またはジクロロメタンなどの塩素系溶媒類中のいずれか一つまたはこれらのうち二つの以上を混合して使用することができる。また、基材フィルム上に粘着剤組成物のワニスを塗布した後加熱乾燥及びエイジング(aging)によって、前記有機溶媒及び吸湿などに起因して発生することができる水分のような揮発分を除去した粘着剤層を形成することができる。前記加熱乾燥とは、200°C以下、より好ましくは180°C以下で行う高温乾燥工程をいうことで、前記有機溶媒を用いる場合、該加熱を通じて粘着剤内の有機溶媒を揮発させることができる。前記エイジングとは70°C以下、より好ましくは50°C以下で行う低温乾燥工程をいうことで、該エイジングを通じて、吸湿によって発生することができる揮発分を一層と下げることができる。
【0088】
また、半導体パッケージ用粘着テープの望ましい第2実施の態様として、本発明は離型フィルム上に、前記粘着剤組成物で形成された粘着剤層からなる半導体パッケージ用両面テープを提供する。
【0089】
前記半導体パッケージ用リードロックテープとは異なり、剥離性を有する離型フィルム(release film)を基材フィルムとして使用し、好ましくはポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどのポリオレフイン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルまたは剥離紙(release paper)から選択して使用することができる。前記の両面テープの場合、通常、100°C以下の温度で5分以下間8MPa以下の圧力をかけて機械的に押圧した後、前記基材フィルムとして用いられた離型フィルムを取り外して離型フィルムと密着していた粘着面を活用するようになる。
【0090】
本発明の実施例ではリードロックテープに対する物性のみを提示しているが、これは粘着剤組成物の特性に起因するものであって、本発明の半導体パッケージ用途の粘着テープの一例である両面テープも、前記粘着剤組成物を採用しているので、両面テープが高電圧での優れた絶縁性及び高温粘着力を確保する可能性があることは当然理解されるはずである。
【0091】
すなわち、本発明の半導体パッケージ用粘着テープは、前記粘着剤層が20μmの厚さで製作される場合、
(a)200μmの回路及び非回路間隔(Line and Space)を有するテストクーポンを用いて、30V以上の高電圧絶縁信頼性評価(高度加速ストレス試験(Highly Accelerated Stress Test)時に相対湿度85%、130°C温度の条件下で500時間以上耐短絡性が維持される絶縁性、及び
(b)印刷回路基板用銅箔のマット面との粘着後、200°C以上の温度で180°で剥離する際、1.0〜2.5N/cm以上の高温粘着力を満たす靭性を同時に満たす。
【0092】
また、本発明の半導体パッケージ用粘着テープは、アルミニウム板上に5mm接合後200°C以上の温度で180°で引っ張って取り外すとき、耐スリップ性20〜35Nを満たす。
【0093】
以下、実施例によって本発明をより詳しく説明する。
【0094】
これは本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0095】
[実施例1]粘着剤組成物の製造
成分(a)エポキシ樹脂基材として、ジシクロペンタジエンエポキシ樹脂(日本国の日本化薬社製のXD−1000)100重量部に対して、成分(b)の第1のエポキシ硬化剤として、ビスフェノールAノボラックフェノール樹脂(米国のモメンティブ社製のSD1508、
数平均分子量3100、エポキシ当量120)50重量部、成分(c)の第2のエポキシ硬化剤として、スチレン−無水マレイン酸(
数平均分子量 4500、エポキシ当量260)40重量部、成分(d)の硬化促進剤として、2−メチルイミダゾール0.1重量部、成分(e)の熱可塑性樹脂からなる改質剤として、ニトリルブタジンゴム80 重量部、及び追加添加剤として、成分(f)のフッ素系界面活性剤(米国の3M社製のFC4430)0.1重量部を、メチルエチルケトン溶媒に添加して、室温及び常圧条件下で5時間攪拌し、全体組成物のうち固形粉の濃度が28重量%である粘着剤組成物のワニスを製造した。
[実施例2]粘着剤組成物の製造
成分(a)エポキシ樹脂基材として、ビスフェノールAエポキシ樹脂(韓国の国道化学社のKDS−8128)100重量部に対して、成分(b)の第1のエポキシ硬化剤として、フェノールノボラック樹脂(日本国の明成化学工業社製のMEH−7500H、
数平均分子量290、エポキシ当量97)50重量部、成分(c)の第2のエポキシ硬化剤として、スチレン−無水マレイン酸(
数平均分子量4500、エポキシ反応当量260)40重量部、成分(d)の硬化促進剤として、2−メチルイミダゾール(2−methyl imidazole)0.1重量部、成分(e)の熱可塑性樹脂からなる改質剤として、ニトリルブタジエンゴム70重量部及びフェノキシ(phenoxy)樹脂10重量部及び成分(f)のフッ素系界面活性剤(米国3M社のFC4430)0.1重量部を、メチルエチルケトン溶媒に添加して、室温及び常圧条件下で5時間攪拌して、全体組成物のうち固形粉の濃度が28重量%である粘着剤組成物のワニスを製造した。
[実施例3]粘着剤組成物の製造
成分(a)エポキシ樹脂基材として、ビスフェノールAエポキシ樹脂(国都化学社製のKDS−8128)100重量部に対して、成分(b)の第1のエポキシ硬化剤として、フェノールノボラック樹脂(日本国の明成化学工業社製のMEH−7500H、
数平均分子量290、エポキシ当量97)60重量部、成分(c)の第2のエポキシ硬化剤として、ポリエーテルアミン(米国のハンツマン社製のT−5000)及びスチレン−無水マレイン酸(
数平均分子量 4500、エポキシ反応当量260)を重量比で1:1で混合した混合物40重量部、成分(d)の硬化促進剤として、2−メチルイミダゾール(2−methyl imidazole)0.1重量部、成分(e)の熱可塑性樹脂からなる改質剤として、ニトリルブタジエンゴム70重量部及びフェノキシ(phenoxy)樹脂10重量部、及び成分(f)のフッ素系界面活性剤(米国3M社のFC4430)0.1重量部を、メチルエチルケトン溶媒に添加して、室温及び常圧条件下で5時間攪拌して、全体組成物のうち固形粉の濃度が28重量%である粘着剤組成物のワニスを製造した。
[比較例1]粘着剤組成物の製造
成分(a)エポキシ樹脂基材として、ジシクロペンタジエンエポキシ樹脂(日本国の日本化薬社製のXD−1000)100重量部、前記成分に対して、硬化剤成分として単分子であるジアミノジフェニルメタン(分子量198.2、エポキシ当量 49.6)60 重量部を使用し、成分(e)の熱可塑性樹脂からなる改質剤として、ニトリルブタジエンゴム100重量部を含有し、さらに、フッ素系界面活性剤(米国3M社製のFC4430)0.1重量部を、メチルエチルケトン溶媒に添加して、室温及び常圧条件下で5時間攪拌して、全体組成物のうち固形粉の濃度が28重量%である粘着剤組成物のワニスを製造した。
[比較例2]粘着剤組成物の製造
成分(a)エポキシ樹脂基材として、ジシクロペンタジエンエポキシ樹脂(日本国の日本化薬社製のXD−1000)100重量部、前記成分に対して、成分(b)の第1のエポキシ硬化剤として、フェノールノボラック樹脂(日本国の明成化学工業社製のMEH−7500H、
数平均分子量290、エポキシ当量 97)50 重量部、成分(c)の第2のエポキシ硬化剤として、単分子である無水フタル酸(分子量148.1、エポキシ反応当量79.1)60重量部を含有することを除き、前記実施例1と同様の成分及び含量で粘着剤組成物のワニスを製造した。
[実施例4]リードロックテープ製作
50μm厚さのポリイミド基材フィルム上に、前記実施例1で製造された粘着剤組成物を20μm厚さで塗布した後、50°Cで10分間放置した。その後、170°Cコンベックションオーブンで 3分間加熱して、20μm厚さの粘着剤層が形成された半導体パッケージ用リードロックテープを製作した。
[実施例5]リードロックテープ製作
50μm厚さのポリイミド基材フィルム上に、前記実施例2で製造された粘着剤組成物を塗布することを除き、前記実施例4と同様にして、20μm厚さの粘着剤層が形成された半導体パッケージ用リードロックテープを製作した。
[実施例6]リードロックテープ製作
50μm厚さのポリイミド基材フィルム上に、前記実施例3で製造された粘着剤組成物を塗布することを除き、前記実施例4と同様にして、20μm厚さの粘着剤層が形成された半導体パッケージ用リードロックテープを製作した。
[比較例3〜4]リードロックテープ製作
50μm厚さのポリイミド基材フィルム上に、前記比較例1または比較例2で製造された粘着剤組成物をそれぞれ塗布することを除き、前記実施例4と同様にして、20μm厚さの粘着剤層が形成された半導体パッケージ用リードロックテープを製作した。
[実験例1]樹脂流動性評価
前記実施例4〜6及び比較例3〜4で製造されたリードロックテープを1mm厚さのアルミニウム板上に貼り付け、前記リードロックテープを10mm(横)×100mm(縦)の寸法に裁断した後、粘着剤層が1mm厚さのアルミニウム板に向かうように配置し、180°C、210°C及び230°Cの温度でそれぞれ1秒間8MPaの圧力をかけて押圧した。前記押圧条件下で試験サンプルを製作し、前記リードロックテープの外部にはみ出した粘着成分の幅を測定した。測定は縦方向に左側と右側それぞれ5回ずつ総10回測定して平均値を求めた。
【0096】
【表1】
【0097】
前記表1の樹脂流動性評価の結果から明らかなように、実施例4〜6及び比較例3〜4で製作されたリードロックテープのいずれも押圧温度が上昇することにつれ、樹脂流動性が増加する傾向を示したが、実施例4〜6で製作されたリードロックテープは比較例3〜4のテープより各温度条件下で樹脂流動性が相対的に抑制された。
[実験例2]高電圧絶縁信頼性評価(HAST:Highly Accelerated Stress Test)
前記実施例4〜6及び比較例3〜4で製作した半導体パッケージ用リードロックテープの電気的信頼性評価のために、
図1及び
図2に示されたような方法で高電圧絶縁信頼性評価テストを行った。
【0098】
図1は本発明のリードロックテープの電気的信頼性評価のためのポリイミドフィルム上に銅回路が形成されたテストクーポンを示したものであって、両端に接地電極部が位置する。前記銅回路間間隔は200μmに調節した。
【0099】
図2は前記
図1のテストクーポンの銅回路上に実施例4〜6及び比較例3〜4で製作したリードロックテープを熱粘着させたサンプル製作を示したものであって粘着剤方向が前記テストクーポンの銅回路を覆うように熱押圧し、押圧温度は 200°C、押圧時間は1秒、圧力は8MPaに調節した。以後、リードロックテープが付着したテストクーポンをコンベックションオーブンを用いて180°Cで1時間硬化させた。硬化されたテストクーポンは、電極部をそれぞれ陽極と陰極に接触した後、温度130°C、相対湿度85%の条件下で30Vの電圧を印加し、時間別に抵抗変化を測定した。
【0100】
図3は前記リードロックテープの高電圧絶縁信頼性評価の結果を示したものであって、実施例4〜6で製作されたリードロックテープは実験条件最大500時間まで抵抗降下が観察されなかった。しかし、比較例3〜4で製作されたリードロックテープの場合、全部100時間以前に抵抗降下が観察された。
【0101】
図4は前記リードロックテープの高電圧絶縁信頼性評価を終えたサンプルの回路部を顕微鏡で観察した結果であって、比較例3〜4で製作されたリードロックテープの場合、デンドライトが成長し、反対の電極に到逹して短絡が発生したことが確認されたが、実施例4〜6で製作されたリードロックテープの場合はきれいな電極表面が観察され、デントライトが生成されなかったことを確認した。
[実験例3]高温信頼性評価
実施例4〜6及び比較例3〜4で製作したリードロックテープに対する高温信頼性を下記のように評価した。
【0102】
図5に示すように、基材フィルム(1)上に粘着剤層(3)が形成された構造の実施例4〜6及び比較例3〜4で製作したリードロックテープをアルミニウム板(2)に粘着させた後、200°Cの温度で両方向から引張って耐スリップ性を測定し、高温で靭性(toughness)を測定した。
【0103】
前記のように積層した後、押圧下で温度180°C及び圧力8MPaの条件下で1秒の成形時間で押圧して試験サンプルを製作した。高温チャンバ付きの万能試験機(UTM)を用いて分当たり10°Cの速度で200°Cまで昇温した後、矢印方向へ引張ると、前記試験サンプルの粘着面のうち相対的に狭い付着面がスリップして最終的に分離される。サンプルに荷重がかかる時点から最終的に分離される時点までの時間と、分離時の最大荷重を記録した。その測定結果を表2に示した。
【0104】
【表2】
【0105】
前記表2の耐スリップ性の測定結果から、実施例4〜6及び比較例3〜4で製作されたリードロックテープは、荷重がかかる時間は同一であるが、スリップ後分離される際の最大荷重は実施例4〜6で製作されたリードロックテープの方が比較例3〜4で製作されたリードロックテープに比べて、10N以上高く現われた。
【0106】
また、1/2Oz銅箔上に、実施例4〜6及び比較例3〜4で製作されたリードロックテープを貼り付け、前記テープを10mm(横)×100mm(縦)の寸法に裁断した後、粘着剤層が銅箔に当接するように配置し、180°Cの温度でそれぞれ1秒間8MPaの圧力をかけて粘着させた。前記のように銅箔と粘着したサンプルを高温チャンバ付き万能試験機(UTM)を用いて分当たり10°Cの速度で200°Cまで昇温した後PI面を引張りながらその剥離強度を測定した。その測定結果を表3に示した。
【0107】
【表3】
【0108】
また前記表3の剥離強度測定の結果から、実施例4〜6で製作されたリードロックテープが比較例3〜4で製作されたリードロックテープに比べて4倍以上高い数値と観察されることから、200°C以上での優れた高温粘着力を確認した。