【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書において、他に文脈による要求がない限り、用語「焙煎したコーヒー」は、コーヒー生豆を焙煎することによって生成したコーヒー物質を意味する。この物質は焙煎したコーヒー豆の形態にしてもよいし、グラインド、脱カフェイン、圧搾などのその先の方法ステップによって生成される任意の他の形態にしてもよい。焙煎したコーヒーの具体的な例として、焙煎したコーヒー豆、焙煎した圧搾ケーク(expeller cake)、焙煎し、薄片にしたコーヒーが含まれる。
【0016】
本明細書において、他に文脈による要求がない限り、用語「焙煎グラインドコーヒー」は、元の焙煎したコーヒー物質の粒径を低減するために細砕方法を受けた、焙煎したコーヒー物質を意味する。やはり他に文脈による要求がない限り、細砕方法はグラインド、細断、打砕および圧砕のうち1つまたは複数を含むことができる。
【0017】
本明細書において、用語「Helos粒径分布D90」は、Sympatec、Clausthal−Zellerfeld、ドイツから入手可能なHelos(商標)レーザー光回折式粒径分析器にて得られる、粒径分布の体積での90パーセンタイル値を意味する。すなわち、D90とは、粒子の体積での90%がこの値以下という特徴のサイズであるような、分布に関する値である。この値は乾式試料(「乾式Helos」と呼ぶ)についても、湿式試料(「湿式Helos」と呼ぶ)、たとえば粒子と水との混合後などの試料についても得ることができる。値が粒径分布の50パーセンタイル値を表すD50についても同様である。
【0018】
Helosは、1つの評価方法が0.1μmから8750μmまでの測定範囲全体に亘って適用されるレーザー回折式センサーシステムである。この計器は、乾式試料および湿式試料、すなわち粉末、懸濁剤、乳剤または噴霧剤の粒径分析用に設計されている。
【0019】
湿式Helos測定については、100℃の湯を使用して飲料を濃度1.5%(湯200ml中に固形物3g)までで作製し、キュベット(PTFEでコーティングされ、1000RPMで運転するマグネチックスターラーを備えている)中に滴下して、20%と25%との間の光学濃度を目標とする。超音波を使用する際、チタン製の一体型音波処理指状突起(integrated sonication finger)はキュベット中に手作業で下げることができる。
【0020】
Helosシステムで粒径を測定するには3つの選択肢がある。
【0021】
【表1】
【0022】
乾式粒径分布は、Sympatec GmbH製のHELOS/KF、R4レンズ、RODOS/M分散システムおよびVIBRIフィーダーを使用して測定される。
【0023】
湿式粒径分布は、Sympatec GmbH製のHELOS/KF、R3レンズ、キュベット分散システムを使用して測定される。
【0024】
本明細書において、「La単位」で表示した色について述べるときは、Dr. Lange GmbH、Dusseldorf、ドイツから入手可能な、640nm内部フィルターを備えたDr. Lange(登録商標)Colour Reflectance Meter Model LK−100を使用し、焙煎グラインドコーヒーまたは可溶性コーヒーの試料の可視光反射率を使用して測定した単位表示を意味する。LaスケールはHunter 1948 L,a,b色空間に基づいており、この色空間において、L成分が「明度」を測定し、L=0は黒であり、L=100は完全な拡散反射色である。したがって、La数値が低いほど、測定した試料は褐色である。
【0025】
第1の態様において、本開示は、乾燥重量で5から30%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量当量で70から95%の可溶性コーヒーを含む凍結乾燥可溶性コーヒー製品を記載し、焙煎グラインドコーヒーの乾式Helos粒径分布D90は100ミクロン以下であり、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の色はLangeスケールで13から30La単位である。
【0026】
好ましくは、凍結乾燥可溶性コーヒー製品は、乾燥重量で10から20%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量当量で80から90%の可溶性コーヒーを含む。一例では、凍結乾燥可溶性コーヒー製品は、乾燥重量で15%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量当量で85%の可溶性コーヒーを含む。
【0027】
凍結乾燥可溶性コーヒー製品は焙煎グラインドコーヒーと可溶性コーヒーの両方を含むとして記載してきたが、このことは、この製品が追加の成分も含む可能性を排除するものではないことが理解されるであろう。
【0028】
驚くべきことに、小粒径の焙煎グラインドコーヒーを凍結乾燥可溶性コーヒー製品の中に組み込むと、焙煎グラインドコーヒーをより視覚的に彷彿させるより褐色の最終製品が出来ることがわかった。
【0029】
比較すると、従来技術の凍結乾燥可溶性コーヒー製品の色は、一般的に、25La単位を超える。従来技術のガス化の方法を使用してさえ、21La単位未満の色の最終製品を製造することは不可能であった。
【0030】
さらに、従来技術の焙煎グラインドコーヒーの色は、一般的に、6から13La単位である。
【0031】
好ましくは、焙煎グラインドコーヒーの乾式Helos粒径分布D90は、50ミクロン以下、より好ましくは30ミクロン以下である。
【0032】
好ましくは、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の色は、Langeスケールで16から25La単位である。より好ましくは、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の色は、Langeスケールで17から20La単位である。
【0033】
好ましくは、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の密度は185から265g/リットルである。より好ましくは、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の密度は205から235g/リットルである。一例では、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の密度は、225g/リットルである。
【0034】
有利なことに、焙煎グラインドコーヒー粒子を添加することによって最終製品を褐色化すると、消費者が期待する密度レベルおよび溶解性レベルを実現する最終製品を製造することが可能になる。
【0035】
好ましくは、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の粒径範囲は0.3から3.5mmである。より好ましくは、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の粒径範囲は0.3から2.5mmである。一例では、凍結乾燥可溶性コーヒー製品の粒径範囲は0.3から1.5mmである。
【0036】
凍結乾燥した製品は、グラインドし、篩にかけて、焙煎グラインドコーヒー製品を彷彿させる粒径にすることが可能である。
【0037】
焙煎グラインドコーヒーは、既知の方法、たとえば当該技術分野において周知であり、例として上記の特許文献3に記載されている、焙煎したコーヒー豆の極低温粉砕などによって得ることができる。しかし、好ましくは、焙煎グラインドコーヒーは、さらに以下に記載することにする本開示の第4の態様の新規な細砕方法によって得られる。
【0038】
好ましくは、凍結乾燥可溶性コーヒー製品は、さらに以下に記載することにする本開示の第2の態様の新規な方法によって製造される。
【0039】
第2の態様において、本開示は、凍結乾燥可溶性コーヒー製品を形成する方法であって、
i)濃縮したコーヒー抽出物を形成するステップと、
ii)濃縮したコーヒー抽出物を泡立て、予備凍結して、泡立てて予備凍結したコーヒー中間体を形成するステップと、
iii)泡立てて予備凍結したコーヒー中間体を凍結して、凍結したコーヒー中間体を形成するステップと、
iv)凍結したコーヒー中間体をグラインドし、篩にかけて、グラインドしたコーヒー中間体を形成するステップと、
v)グラインドしたコーヒー中間体を乾燥して、凍結乾燥可溶性コーヒー製品を形成するステップと
を含み、
ステップii)および/またはステップiii)の前に、粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体が組み込まれ、
粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体は、乾燥重量で10から80%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で20から90%の可溶性コーヒーを含む、
方法を記載する。
【0040】
第3の態様において、本開示は、噴霧乾燥した可溶性コーヒー(以下、噴霧乾燥可溶性コーヒー)(spray−dried soluble coffee)製品を形成する方法であって、
i)濃縮したコーヒー抽出物を形成するステップと、
ii)濃縮したコーヒー抽出物を泡立てて、泡立てたコーヒー中間体を形成するステップと、
iii)任意選択で、泡立てたコーヒー中間体を濾過し、均質化して、濾過および均質化したコーヒー中間体を形成するステップと、
iv)泡立てたコーヒー中間体または濾過および均質化したコーヒー中間体を噴霧乾燥して、噴霧乾燥可溶性コーヒー製品を形成するステップと
を含み、
ステップii)および/またはステップiv)の前に、粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体が組み込まれ、
粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体は、乾燥重量で10から80%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で20から90%の可溶性コーヒーを含む、
方法を記載する。
【0041】
驚くべきことに、可溶性コーヒーを形成する方法の一部として、粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体(焙煎グラインドコーヒー粒子および可溶性コーヒー粒子から形成された)を組み込むと、濃縮したコーヒー抽出物の全体に亘って、焙煎してグラインドした粒子がきわめて良好に分散することがわかった。
【0042】
好ましくは、第2の態様または第3の態様の粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体は、乾燥重量で10から70%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で30から90%の可溶性コーヒーを含む。さらに好ましくは、第2の態様または第3の態様の粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体は、乾燥重量で15から50%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で50から85%の可溶性コーヒーを含む。一例では、第2の態様または第3の態様の粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体は、乾燥重量で50%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で50%の可溶性コーヒーを含む。
【0043】
第2の態様または第3の態様の粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体は、焙煎グラインドコーヒーと可溶性コーヒーの両方を含むとして記載してきたが、このことは、この中間体が追加の成分も含む可能性を排除するものではないことが理解されるであろう。
【0044】
好ましくは、第2の態様または第3の態様の粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体の乾式Helos粒径分布D90は40ミクロン以下である。より好ましくは、第2の態様または第3の態様の粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体の乾式Helos粒径分布D90は30ミクロン以下である。
【0045】
好ましくは、第2の態様または第3の態様の方法において、凍結乾燥したコーヒー製品または噴霧乾燥したコーヒー製品は、乾燥重量で5から30%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量当量で70から95%の可溶性コーヒーを含む。より好ましくは、凍結乾燥したコーヒー製品または噴霧乾燥したコーヒー製品は、乾燥重量で10から20%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量当量で80から90%の可溶性コーヒーを含む。一例では、凍結乾燥したコーヒー製品または噴霧乾燥したコーヒー製品は、乾燥重量で15%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量当量で85%の可溶性コーヒーを含む。
【0046】
凍結乾燥したコーヒー製品または噴霧乾燥したコーヒー製品は、焙煎グラインドコーヒーと可溶性コーヒーの両方を含むとして記載してきたが、このことは、この製品が追加の成分も含む可能性を排除するものではないことが理解されるであろう。
【0047】
粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体の可溶性コーヒーは、噴霧乾燥したインスタントコーヒー、凍結乾燥したインスタントコーヒー、またはこれらの混合物を含んでもよい。
【0048】
上記の凍結乾燥可溶性コーヒー製品を形成する方法の、乾燥する前のグラインドしたコーヒー中間体の合計コーヒー固形物濃度は、52%以上63%以下とすることができる。
【0049】
上記の噴霧乾燥可溶性コーヒー製品を形成する方法の、乾燥する前のコーヒー中間体の合計コーヒー固形物濃度は、52%以上63%以下とすることができる。
【0050】
いずれの場合にも、合計コーヒー固形物濃度は、好ましくは56%から60%とすることができる。
【0051】
本開示の第2の態様および第3の態様は、上記の方法によって製造された可溶性コーヒー製品にも適用される。
【0052】
さらに、本開示の第2の態様および第3の態様は、上記の可溶性コーヒー製品を使用して形成されたコーヒー飲料にも適用される。
【0053】
第4の態様において、本開示は、コーヒー粉砕方法であって、
a)焙煎したコーヒー前駆物質の粒子を粉砕チャンバー中に導入するステップと、
b)可溶性コーヒーの粒子を粉砕チャンバー中に導入するステップと、
c)粉砕チャンバー中にガスを噴射して、焙煎したコーヒー前駆物質の粒子および可溶性コーヒーの粒子に移動性をもたせるステップと、
d)これにより、粉砕チャンバー内で、焙煎したコーヒー前駆物質の粒子の自己衝突および可溶性コーヒーの粒子と焙煎したコーヒー前駆物質の粒子との衝突により、焙煎したコーヒー前駆物質の粒子を細砕することによって、粉砕およびブレンドしたコーヒー製品を製造するステップと
を含む方法を記載する。
【0054】
有利なことに、焙煎したコーヒー前駆物質をこのように細砕することは、焙煎したコーヒーの粒径を低減する優れた手段となり、焙煎したコーヒー前駆物質からのコーヒーオイルの放出によって従前発生していた悪影響がないことがわかった。理論に縛られることを望むものではないが、可溶性コーヒーの粒子を粉砕チャンバー中に組み込むと、可溶性コーヒーが、一部の、好ましくはほとんどのまたはすべての、細砕中に放出されたコーヒーオイルを吸収すると理解される。
【0055】
有利なことに、焙煎したコーヒー前駆物質の粒子を可溶性コーヒーの粒子と衝突させることにより、可溶性コーヒーの粒子は、粉砕チャンバー内で細砕する作用物質(comminuting agent)として活発に使用される。当然ながら、自己衝突、換言すれば、焙煎したコーヒー前駆物質の粒子が他の焙煎したコーヒー前駆物質の粒子に衝突することによる焙煎したコーヒー前駆物質の細砕が、幾分あろう。しかし、焙煎したコーヒー前駆物質を可溶性コーヒーの粒子と衝突させることによって生じた追加の細砕が、粉砕活動を増強することがわかった。可溶性コーヒーの粒子が特に硬いものではないことを考慮すると、これは特に驚くべきである。
【0056】
好みで、移動性をもたせた焙煎したコーヒー粒子(mobilised roasted coffee particles)を粉砕チャンバーの追加の表面、たとえば衝突板などに衝突させるように仕向けて、追加の細砕効果を生むようにしてもよい。しかし、このような衝突の使用は方法にとって必須ではない。
【0057】
焙煎したコーヒー前駆物質の粒子および可溶性コーヒーの粒子は、粉砕チャンバー中に導入する前に一緒に混合してもよい。たとえば、原料を乾燥形態でバッチ混合し、一般的なホッパー供給を介して粉砕チャンバー中に導入してもよい。
【0058】
あるいは、焙煎したコーヒー前駆物質の粒子および可溶性コーヒーの粒子は、粉砕チャンバー中に別々に導入してもよい。たとえば、焙煎したコーヒー前駆物質および可溶性コーヒー前駆物質用に別々のホッパーを用意してもよい。
【0059】
別の可能性として、単一の供給ラインの使用があり、これを使用して、1つの前駆物質を粉砕チャンバー中に噴射してもよい。これは他方の前駆物質を流の中に同伴するように作用する。
【0060】
好ましくは、ステップa)における焙煎したコーヒー前駆物質の粒子は、摂氏5度と30度との間の温度である。
【0061】
好ましくは、粉砕チャンバーは、ステップb)、c)およびd)の最中に極低温冷却を受けない。
【0062】
本開示の態様の特定の利点は、コーヒーオイルの放出を防止するために、焙煎したコーヒー前駆物質を極低温冷却することは、粉砕によってコロイドの粒径まで低減されている場合でさえ不要である、ということである。コーヒー前駆物質は、任意選択で、たとえば摂氏5度ほどに低い温度まで冷却することによって、粉砕する前に何らかの予備低温冷却を受けてもよい。しかし、焙煎したコーヒー前駆物質は、周囲温度(一般的に摂氏20から25度)で使用してもよい。
【0063】
さらに、粉砕装置の物理的な構成要素(チャンバーの壁、供給ラインなど)を冷却することは必須ではない。しかし、粉砕方法中に水分を除去するのを助けるために、噴射ガスを低温冷却することは望ましい場合がある。ガスを低温冷却すると、粉砕装置を幾分冷却することになるであろう。しかし、これは、一般的に極低温冷却中に冷却される結果よりもかなり程度の低いものとなる。ガスは、摂氏−20度と周囲温度との間の温度としてもよい。一例では、摂氏−16度のガスを使用した。
【0064】
活発な冷却をしないこと(または上記の通りの最小限の冷却の使用)は、粉砕方法に必要な機械の複雑性をかなり低減し、方法時間を早め、方法の粉砕段階に伴うコストを低減する。
【0065】
好ましくは、ステップd)で製造される粉砕およびブレンドしたコーヒー製品は、乾燥重量で10から80%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で20から90%の可溶性コーヒーを含む。より好ましくは、ステップd)で製造される粉砕およびブレンドしたコーヒー製品は、乾燥重量で10から70%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で30から90%の可溶性コーヒーを含む。さらにより好ましくは、ステップd)で製造される粉砕およびブレンドしたコーヒー製品は、乾燥重量で15から50%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で50から85%の可溶性コーヒーを含む。一例では、ステップd)で製造される粉砕およびブレンドしたコーヒー製品は、乾燥重量で50%の焙煎グラインドコーヒーおよび乾燥重量で50%の可溶性コーヒーを含む。粉砕して、乾燥重量で70%を超える焙煎グラインドコーヒーを含有する製品を製造することは、上記の通り、供給ガスを摂氏約−20度の温度まで低温冷却する場合に可能になることがある。そうでなければ、製品中の焙煎グラインドコーヒーの割合を最大で70%までに限定することが好ましい。
【0066】
粉砕およびブレンドしたコーヒー製品は、焙煎グラインドコーヒーと可溶性コーヒーの両方を含むとして記載してきたが、このことは、この製品が追加の成分も含む可能性を排除するものではないことが理解されるであろう。
【0067】
好ましくは、ステップd)において、細砕の結果、粉砕およびブレンドしたコーヒー製品の乾式Helos粒径分布D90は40ミクロン以下である。より好ましくは、ステップd)において、細砕の結果、粉砕およびブレンドしたコーヒー製品の乾式Helos粒径分布D90は30ミクロン以下である。
【0068】
焙煎したコーヒー前駆物質の粒子は、全粒の焙煎したコーヒー豆でも、粗挽きの焙煎したコーヒー豆でもよい。この方法は、全粒の焙煎したコーヒー豆の適用が可能で、方法ルートが単純化する。しかし、好みで、焙煎したコーヒーを粉砕チャンバー中に挿入する前に、焙煎したコーヒー豆の最初の粗挽きを実施することができる。
【0069】
可溶性コーヒーの粒子は、噴霧乾燥したインスタントコーヒーの粒子、凍結乾燥したインスタントコーヒーの粒子、またはこれらの混合物でもよい。
【0070】
粉砕およびブレンドしたコーヒー製品が中で利用されようとする最終製品のタイプと調和するタイプの可溶性コーヒーを使用することに利点がある場合がある。たとえば、粉砕およびブレンドしたコーヒー製品が、最終的に凍結乾燥したコーヒー製品中に組み込まれる予定である場合、粉砕チャンバー中で細砕する作用物質として使用する可溶性コーヒー製品は、選択してやはり凍結乾燥可溶性コーヒーとすることができる。しかし、方法の中で使用される可溶性コーヒーのタイプは、所望に応じて混合し、変更してもよい。
【0071】
好ましくは、ステップb)において粉砕チャンバー中に噴射されるガスは、窒素、空気、またはこれらの混合物である。
【0072】
粉砕チャンバーは、ジェットミルの一部を形成することができる。このようなミルの例には、流動床対向型ジェットミル(fluid bed opposed jet mill)、Jet−O−Mizer(商標)ミル、ボルテックスミル、スパイラルミルなどが含まれる。
【0073】
本開示の第4の態様は、上記の方法によって製造された、粉砕およびブレンドしたコーヒー製品にも適用される。
【0074】
粉砕およびブレンドしたコーヒー製品は、上記の本開示の第2の態様および第3の態様の方法において、粉砕およびブレンドしたコーヒー中間体として使用することができる。あるいは、粉砕およびブレンドしたコーヒー製品は、この先の他のコーヒー系の製品の製造に使用することができる。さらに、粉砕およびブレンドしたコーヒー製品は、それ自体で最終製品として包装し、販売することができる。
【0075】
本開示は、上記の粉砕およびブレンドしたコーヒー製品もしくは上記の可溶性コーヒー製品または上記の凍結乾燥可溶性コーヒー製品を収容する容器にも適用される。
【0076】
容器は、瓶、広口瓶、缶、リフィルパック、小袋、スティックパック、フィルターバッグ、または飲料調製機において使用するのに好適な容器、たとえば少なくとも部分的にフィルター材料で形成された軟質パッド、または実質的に空気不透過性および水不透過性の材料で形成された、硬質、半硬質もしくは軟質のカートリッジなどとすることができる。
【0077】
容器は、1つまたは複数の追加の飲料成分、たとえば天然甘味料もしくは人工甘味料、乳製品ベースのクリーマーもしくは非乳製品ベースのクリーマー、乳糖、植物性脂肪、乳清タンパク質、乳化剤、安定剤、加工デンプン、担体、増量剤、香味剤、着色剤、栄養素、保存料、流動剤(flow agent)または起泡剤などをさらに収容してもよい。
【0078】
本開示は、飲料調製機において使用するのに好適な少なくとも1つの容器、たとえば、少なくとも部分的にフィルター材料で形成された軟質パッド、または実質的に空気不透過性および水不透過性の材料で形成された、硬質、半硬質もしくは軟質のカートリッジなどと組み合わせた前記飲料調製機にも適用され、前記少なくとも1つの容器は、上記の粉砕およびブレンドしたコーヒー製品もしくは上記の可溶性コーヒー製品または上記の凍結乾燥可溶性コーヒー製品を収容する。
【0079】
本開示は、上記の粉砕およびブレンドしたコーヒー製品または上記の可溶性コーヒー製品または上記の凍結乾燥可溶性コーヒー製品を、水性液体、好ましくは湯と混合するステップを含む、飲料の作製方法にも適用される。
【0080】
混合は飲料調製機によって行うことができる。あるいは、入れ物の中で手作業にて混合してもよい。