(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1カムおよび第2カムがそれぞれ、回転軸および回転軸の周囲にらせん状に延在されたカム表面を有していて、第1カムの半径および第2カムの半径がそれぞれ、カム表面がカムの外周とカムの回転軸との間でらせん状に延在されているのに対応して減少し、減少した半径が、エネルギー貯蔵部材の可変力プロファイルに適合するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のリフト機構。
第1カムプーリーを第1カムに結合するとともに第2カムプーリーを第2カムに結合する少なくとも1つの可撓要素が、第1カムプーリーを第1カムに結合する第1可撓要素と、第2カムプーリーを第2カムに結合する第2可撓要素とで構成されていることを特徴とする請求項7に記載のリフト機構。
1以上の可撓要素が、第1カムおよびエネルギー貯蔵部材の間に結合された第1可撓要素と、第2カムおよびエネルギー貯蔵部材の間に結合された第2可撓要素とを含むことを特徴とする請求項1に記載のリフト機構。
エネルギー貯蔵部材が、第1引張ばねと第2引張ばねとで構成されていて、第1可撓要素により第1引張ばねが第1カムに結合され、かつ、第2可撓要素により第2引張ばねが第2カムに結合されていることを特徴とする請求項10に記載のリフト機構。
エネルギー貯蔵部材によって与えられる可変力の約半分が第1カムに作用し、かつ、エネルギー貯蔵部材によって与えられる可変力の約半分が第2カムに作用することを特徴とする請求項1に記載のリフト機構。
第1カムおよび第2カムがそれぞれ、回転軸および回転軸の周囲にらせん状に延在されたカム表面を有していて、第1カムの半径および第2カムの半径がそれぞれ、カム表面がカムの外周とカムの回転軸との間でらせん状に延在されているのに対応して減少し、減少した半径が、エネルギー貯蔵部材の可変力プロファイルに適合するように構成されていることを特徴とする請求項19に記載のディスプレイ位置決め装置。
第1カムおよび第2カムがそれぞれ、回転軸および回転軸の周囲にらせん状に延在されたカム表面を有していて、第1カムの半径および第2カムの半径がそれぞれ、カム表面がカムの外周とカムの回転軸との間でらせん状に延在されているのに対応して減少し、減少した半径が、エネルギー貯蔵部材の可変力プロファイルに適合するように構成されていることを特徴とする請求項30に記載の高さ調節可能なデスク。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明は例示としての性格をもつのであって、いかなる態様においても本発明の範囲、適用可能性および構成を限定する趣旨のものではない。むしろ、以下の説明は、本発明の例示的な実施形態を実施するための幾つかの実用的な説明を提供するものである。構成、素材、寸法および製造工程は選択した要素との関連で提示されたものであって、他の要素についてはすべて本発明が属する分野における通常の知識を有する当業者に公知のものが利用される。当業者であれば、言及された事例が多様な適切な代替物を有するということを理解しうるであろう。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態は、一般的に、広範な負荷のバランスをとるために使用されうる負荷バランス機構を提供するものである。一例としてであるが、幾つかの実施形態には、負荷バランス機構を組み込んだリフト機構が含まれている。追加的な複数の実施形態は、1以上の多様に方向付けされた移動方向での動作を提供する他のタイプの位置決め装置における負荷バランス機構を提供する。本発明の幾つかの実施形態は、一般的に、様々な機器を人間である操作者に対して相対的に位置決めすることができる装置を提供する。例えば、場合によっては、負荷バランス機構を備えた位置決め装置は、電子ディスプレイ、ラップトップコンピュータ(すなわちノートPC)、キーボードおよび/またはマウスなどのその他のコンピュータ機器といった物品を支持することができる。本明細書において使用されるとおり、用語「電子ディスプレイ」は、テレビ,コンピュータモニタ、タブレットコンピュータおよび電子信号から画像を表示することができる他のタイプのディスプレイをさすものとして用いられている。ここに論じた複数の実施形態は、かかるタイプのコンピュータ機器を位置決めすることができる負荷バランス機構を組み込んだリフト機構および位置決め装置の幾つかの例を提供している。しかしながら、本発明の実施形態は多様な物品を位置決めするために用いることができると想定されており、本発明の範囲はこの点で限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明の例示的実施形態に係る負荷バランス機構116を組み込んだリフト機構100の斜視図である。リフト機構100は、以下さらに議論されるように電子ディスプレイおよび/またはコンピュータ関連機器を含む多様な負荷物を持ち上げるのに有用でありうる。
図1のリフト機構100は、基部102と当該基部102に接続された概して垂直な支柱部106(「ライザー」とよばれることがある)とを備えている。基部は、リフト機構を支持するための任意の構造を備えている。幾つかの実施形態においては、基部は、水平な作業面の上に置くのに有用な相対的に平らで水平な表面を有している。他の実施形態においては、基部102は、リフト機構を水平な表面にクランプするためのクランプまたはリフト機構100を垂直な壁部に取り付けるための壁部ブラケットを備えている。バランス機構116の複数部分がまた
図1にみてとれる。後に詳述するとおり、
図1に示すバランス機構の複数部分は、ホイール120と、第1カム124と、第2カム126と、プーリーシステム130とを含んでいる。
【0017】
支柱部106は、任意の適切な方法により基部に接続されることができる。幾つかの実施形態においては、支柱部106は、支柱部が基部102に対して枢動することができるように、基部に枢動可能に接続されている。
図1に示す実施形態においては、支柱部106は、基部102に角度をつけて接続されている。この角度は、所望の位置で支持部によって担持されたモニタまたはその他の機器の、基部に対する重心を位置決めして安定性を高めるのに有用である。支柱部106は、90度、90度未満または90度超といった任意の所望の角度にて基部102に接続されることができる。
図12Aおよび12Bに示すように、角度は90度をやや上まわる程度である。
【0018】
図2は
図1の部分分解図である。
図2において、概して垂直な支柱部106には、第1部分136および第2部分140が設けられていることがわかる。
図4に示すように、ひとたび完全に組み立てられると、取付部150(例えば本明細書では「トラック」とよばれることがある)は、第2部分140に結合される。取付部150および第2部分140は、取付部が第2部分140に対して平行移動することができるように、互いにスライド可能に係合するように配置されている。例えば、幾つかの実施形態においては、第2部分140は、1以上のレール141といったガイドシステムを備えており、取付部150は当該レールに沿って回転またはスライドするホイールまたはスライダを備えている。一般的には、第1部分136および第2部分140は、基部102に接続されており、取付部150は、第1部分136および第2部分140に対して取付部150とともに平行移動する様々なタイプの機器(例えば、1以上のモニタおよび/またはその他のコンピュータ機器)に接続されることができる。
図2に示すように、エネルギー貯蔵部材144が第2部分140に結合されている。この例においては、エネルギー貯蔵部材144は、引張ばねで構成されているが、他のタイプのスプリング(例えば、引張ばね、圧縮バネ,ねじりバネ等)を含め、ポテンシャルエネルギーを保存するのに有用な任意の装置で構成されてもよい。幾つかの実施形態においては、エネルギー貯蔵部材144は、エネルギー貯蔵部材の調節機構146を介して選択的に調整可能とされることができる。この例においては、調節機構146は、作動時におけるエネルギー貯蔵部材の有効静止長を変化させるブラケットつきのねじ付きボルトを備えている。
【0019】
図1に戻ると、リフト機構100は、取付部150(
図1には図示せず)が移動することができる概して垂直な移動範囲190を提供する。幾つかの実施形態においては、垂直な移動範囲190は、座位高さおよび立位高さとの間で延在されており、これにより操作者がリフト機構100を座位および立位の双方から使用することが可能となる。例えば、複数のある実施形態においては、移動範囲190は、少なくとも約14インチである。幾つかの実施形態において、移動範囲190は約14インチおよび約24インチの間とされている。位置決め装置におけるリフト機構100はまた、移動範囲190の最低レベルから最高レベルまでの間で複数の中間高さにおける複数位置を提供してもよく、これにより異なる高さの作業位置および/または異なる身長の操作者に対応するようにしてもよい。場合によっては、離散的な数の中間位置が提供される。場合によっては、リフト機構100は、垂直な移動範囲190内で無数の中間位置を提供する。
【0020】
バランス機構116は、操作者が移動範囲に沿って、システムの摩擦に打ち勝つことを必要とするだけで任意の所望の高さにて取付部に接続された機器を位置決めすることができるように、概して垂直な支柱部106の第1部分および第2部分と取付部150との間のバランス力を提供する。さらに、バランス機構によって提供されるバランス力のために、取付部はユーザがいかなるロックを設定することを要せずにその設定位置を維持すると考えられる。
【0021】
図1および
図2の実施形態においては、ホイール120は、第1カム124と第2カム126とに結合されている。ホイール120は、第1カム124と第2カム126とがホイールの回転とともに回転するように、カムに対して回転可能に固定されている。図示されたように、第1カム124および第2カム126は、単体の一体的なカム部材として提供されることができる。加えて、ホイールおよびカム部材は、車軸121を介して互いに直接的に接続された異なる部品として提供されることができる。他の実施形態においては、ホイールおよびカム部材は、一体成型されてもよく、および/または、設置状態では距離を設けて分離されてもよい。
図6A、
図6Bおよび
図7は、本発明の一実施形態に係る第1カム124と第2カム126とを備えたカム部材の斜視図および側面図を提供している。
図8および
図9は、本発明の一実施形態に係るホイール120の斜視図および側面図を提供している。
【0022】
図3Aおよび
図3Bは、バランス機構116の追加的な斜視図を提供しているところ、本発明の一実施形態に係るホイール120、第1カム124と第2カム126、プーリーシステム130およびエネルギー貯蔵部材144の配置が記載されている。図示しないが、本発明の幾つかの実施形態においては、第1カム124と第2カム126は、プーリーシステム130の周囲に配策された1以上の可撓要素を介してエネルギー貯蔵部材144に直接的に結合されている。例えば、2つの可撓要素がエネルギー貯蔵部材144の端部に取り付けられ、プーリーシステム130の周囲に配策されたうえでカム124およびカム126と結合されることが考えられる。可撓要素は、ロープまたはケーブルであることが可能であり、伸張性ポリマーといった、力を伝達するのに有用な任意の素材で構成されることができる。
【0023】
図3Bを参照すると、場合によっては、第1カム124および第2カム126は、プーリーシステム130を介してエネルギー貯蔵部材144と間接的に結合されている。
図10および11は、プーリーシステム130の一実施形態を説明しており、ここでは第1カムプーリー164および第2カムプーリー168と、これらのカムプーリーの間に結合されたエネルギー貯蔵部材プーリー160とを備えている。図示されたように、幾つかの実施形態においては、エネルギー貯蔵部材プーリー160およびカムプーリー164,168は単体部品構成で提供されているがこれが必須であるわけではない。
【0024】
図11を参照すると、本実施形態において、プーリーシステム130には貫通孔131が設けられており、この貫通孔131を介して、単体の可撓要素132をねじ込んでカム124およびカム126にそれぞれ端部において結合されることができる。かかる配置構成は
図3Bに説明されている。これらのカムが回転して可撓要素132を引っ張る(または緩める)につれて、可撓要素132はカムプーリーと係合してカムプーリーのそれぞれから繰り出される(または巻き取られる)。独立かつ別体の可撓要素161がエネルギー貯蔵部材144とエネルギー貯蔵部材プーリー160との間に結合されている。エネルギー貯蔵部材プーリー160は、カムプーリーとともに回転してエネルギー貯蔵部材144と係合するために可撓要素161の巻取りまたは繰り出しを行う。
【0025】
図示しないが、幾つかの実施形態においては、第1カム124および第2カム126のそれぞれが独立かつ別体の可撓要素によりカムプーリー164,168の一方に選択的に結合される一方、エネルギー貯蔵部材プーリー160は別体の可撓要素161によりエネルギー貯蔵部材144に結合される。
【0026】
引き続き
図3Bおよび
図4を参照すると、ホイール120は別の可撓要素135により支柱部106に結合された取付部150に結合されている。ホイール120が基部102に対して回転すると取付部150は支柱部に対して移動し、逆の場合も同じである。
図2および
図3Bに示すように、追加的な方向変更プーリー134が可撓要素135をホイール120および取付部150の間で方向付けすることができる。次に
図4を参照すると、可撓要素135の方向は再び上側プーリー138によって変更されて、可撓要素135はフック139または技術分野において公知の別の同様の装置を用いて取付部150に結合されている。
【0027】
図5は、
図1ないし
図3Bに示したものとは若干異なる構成を有する基部を有するリフト機構100の底部の部分斜視図である。前述したとおり、エネルギー貯蔵部材プーリー160は別体の可撓要素161を介してエネルギー貯蔵部材144に結合されている。場合によっては、エネルギー貯蔵部材144は、可撓要素161のエネルギー貯蔵部材144への結合を容易にするフック162を備えている。本実施形態において、エネルギー貯蔵部材144は、フック162がプーリーシステム130の外縁部、具体的にはエネルギー貯蔵部材プーリー160の外縁部に対して概して一直線となるように、支柱部106内に位置づけられている。幾つかの実施形態においては、エネルギー貯蔵部材144およびプーリー160は、エネルギー貯蔵部材の縦軸がプーリー160の縁部と概して接線方向となるように位置付けされてもよい。
【0028】
エネルギー貯蔵部材プーリー160が回転するにつれて、エネルギー貯蔵部材プーリー160は可撓要素161を巻き取りまたは繰り出し、これにより、エネルギー貯蔵部材144が収縮するのを可能とし、またはエネルギー貯蔵部材を伸長させる。したがって、取付部150およびこれに結合された任意の機器の力または重量は、可撓要素、プーリー、ホイールおよびカムを介して力のエネルギー貯蔵部材144への伝達および力の方向の変更をとおしてエネルギー貯蔵部材144と相殺される。
【0029】
図6Aおよび
図6Bは、幾つかの実施形態に係る第1カム124と第2カム126とを組み込んだカム部材200の斜視図を、
図6Cはその側面図を提供している。図示されたように、第1カム124と第2カム126とは、単体の一体的なカム部材200に組み込まれているが、これは必須の要件ではなく、本発明はこの例に限定される趣旨ものではない。幾つかの実施形態は一緒に回転する別体構成とされた複数のカム(例えば、車軸周りに同期して回転する)、複数カムを統合した単体の部材、または両アプローチの組合せを有してもよい。
図6Aおよび6Bに戻ると、カム124およびカム126は、それぞれ、
図3Bに示すように可撓要素132の端部をこれらカムに固定するための取付ポスト123,129を備えている。カム124およびカム126はまた、それぞれ、可撓要素132の各端部がその上に巻かれるところのカム表面125,127を備えている。幾つかの実施形態によれば、カム部材200(または代替的には、カム124およびカム126各個別的に)は、ABSプラスチックまたはナイロンといったダイカストまたは成形ポリマー、機械加工を施したアルミニウムまたはその他の適切な材料を用いて成形されることができる。
【0030】
一の例によれば、エネルギー貯蔵部材144(この場合であれ引張ばね)が収縮するにつれて、エネルギー貯蔵部材144は線形力を可撓要素161に作用させ、この可撓要素161がプーリーシステム130および可撓要素132を介してトルクをカム124およびカム126に作用させ、これにより第1方向におけるカム124およびカム126の回転を促す。ホイールがカムと連動して回転するようから、エネルギー貯蔵部材によって作用するトルクはまた第1方向におけるホイール120の回転を促す。ホイール120が第1方向において回転するのに応じてホイール120が可撓要素135を巻き取り、これにより取付部150(
図4)を支柱部106に対して上方に引っ張る。
【0031】
幾つかの実施形態によれば、エネルギー貯蔵部材144は、一定の線形力を可撓要素161に及ぼさない。例えば、引張ばねはばねの伸長量または収縮量に応じて変化する線形力を及ぼす。しかしながら、幾つかの実施形態においては、一定の力はリフト機構の調節を操作者にとってより一層容易にするとともに人間工学的に扱いやすくする傾向があるから、相対的に一定の吊り上げ力を取付部150に対して提供することが望ましい。本発明の幾つかの有用な実施形態においては、第1カム124と第2カム126とは協同的な形状とされており、取付部150によってホイール120に作用する力とエネルギー貯蔵部材144によってカム124およびカム126に作用する力とをバランスさせるように配置されている。例えば、これらカムは、可撓要素161によってこれらカムに作用する可変トルク(エネルギー貯蔵部材が及ぼす変動する線形力を介して)がホイール120に作用する実質的に一定のトルクに変換されるように形状を与えられ配置されてもよい。ホイール120はさらに一定トルクを可撓要素135に伝え、取付部150を支柱部106に対して相対的に持ち上げるための一定の線形力を創出する。取付部150が低くなると、バランス機構116が取付部の下方への運動に対する実質的に一定の抵抗を創出させて、反対の作用が生じる。
【0032】
幾つかの実施形態においては、各カム124,126の有効半径は、可変トルクを一定トルクに変換するために、ホイール120の角度方向の関数として変化する。例えば、各カム表面125,127の有効半径は、カム表面がカム部材200の回転軸周りにカムの外側(例えば、外周)と軸との間で回転するのに応じて所定の力プロファイルにしたがって減少するようにしてもよい。場合によっては、力プロファイルは、エネルギー貯蔵部材144の変位の摩擦の関数である。幾つかの実施形態によれば、2つのカム124およびカム126は、互いに鏡映対称であって、回転の関数として半径変化の同一のプロファイルを有している。例えば、カム124およびカム126はカム部材の回転軸に対して垂直な平面に対して対称的に形成されている。しかしながら、これは一例に過ぎないのですべての実施形態に必須の要件ではない。
【0033】
幾つかの実施形態においては、第1カム124と第2カム126はそれぞれ、エネルギー貯蔵部材144からの吊り上げ力のおよそ2分の1を取付部150および任意の取付けられた機器に分配するように設計されている。
図3Bを参照すると、エネルギー貯蔵部材プーリー160および2つのカムプーリーでs164,168構成されるプーリーシステム130は、エネルギー貯蔵部材144からの力をおよそ半分に分割する。カムプーリー164はそのうえで力の約2分の1を第2カム126に伝達し、カムプーリー168は力の約2分の1を第1カム124に伝達する。図示しないが、単体の可撓要素132ではなく別体の複数の可撓要素を用いて、これら別体の可撓要素によって、これらカムを直接的にエネルギー貯蔵部材144に結合するかプーリーシステム130を介して間接的に結合させて、同じ効果を達成することもできる。
【0034】
出願人らは、エネルギー貯蔵部材144からの力を第1カムおよび第2カム(または任意の所望の数のカム)の間で配分することが可撓要素132に対する応力および疲労を減少させると考えられ、これにより上述するようにバランス機構116およびリフト機構100の寿命を長くすると考えられることを見出した。より小さい半径により生じる可撓要素に対する応力は、エネルギー貯蔵部材144からの各可撓要素に対するより小さな力によってある程度相殺されるから、各カムに結合された可撓要素に対する応力量を削減することはまた、カムの半径を小さくすることを可能とする。加えて、より小さい半径を有するカムを利用する能力はさらにより小さいホイール120の利用を可能にする。例えば、ホイール120の半径を削減しつつ依然として取付部150の同量の線形移動量を提供するためには、ホイール120はより多くの回転をとおして回転する必要があると考えられる。これはさらにカム124およびカム126のより多くの回転を必要とすると考えられ、これが可撓要素132を同じ量だけ巻き取るためにはより小さいカム半径を必要とするという関係にある。エネルギー貯蔵部材からの力を分割することでこの半径の減少が可能となる。したがって、ホイール120およびカム部材200のサイズが小さくなるため、バランス機構116を覆うハウジングのサイズも小さくすることができる。
【0035】
本発明の幾つかの実施形態は、様々なタイプのバランス機構、リフト機構および位置決め装置を本発明の実施形態にしたがって異なる組合せにおいて提供する。本発明の一実施形態に係る位置決め装置300の例を
図12Aないし
図13Bを参照して説明することにする。
図12Aおよび12Bはそれぞれ、下降位置および上昇位置における位置決め装置300を正面斜視図で示している。
図13Aおよび13Bは、それぞれ下降位置および上昇位置における位置決め装置300の斜視図であるが、支持されるディスプレイおよびノートPCは図示されていない。
図12Aないし
図13Bにおいて、位置決め装置300は、本発明の一実施形態に係るノートPC304に加えて、コンピュータモニタ302の形態における電子ディスプレイを支持する。位置決め装置300は、基部310と、当該基部310に接続された概して垂直な支柱部312とを備えている。可動取付部350が支柱部312に移動可能に結合されており、モニタ302およびノートPC304を装置に取付ける。場合によっては、取付部350はまた、キーボードトレー355およびマウストレー357を支柱部312に移動可能に結合してもよい。
【0036】
図13Aおよび13Bを参照すると、装置300は、様々な機器を取付けるための、取付部350に取付けられたクロスバー360を備えている。例えば、場合によっては、モニタマウント362(例えば、標準的なVESAコネクタ)、ノートPCトレー364および/またはその他の機器マウント部がクロスバー360に取付けられ、取付部350がモニタ、ノートPCおよび/またはその他の機器を支持および移動させることができるようになっている。しかしながら、多様な機器が取付部350によって移動することができること、および、本発明の範囲はこの態様に限定されるものではないことが理解されるべきである。例えば、取付部350は、1以上のモニタおよび/またはノートPCまたはその他の機器の組合せを支持および移動させるように構成されてもよい。幾つかの実施形態においては、取付部350は、複数のモニタおよびノートPC(例えば、2台のモニタと1台のノートPC、3台のモニタと1台のノートPC)の組合せを支持および移動させるように構成されてもよい。幾つかの実施形態においては、取付部350は、複数のモニタ(例えば、2台のモニタ、3台のモニタまたは4台以上のモニタ)の組合せを支持および移動させるように構成されてもよい。
【0037】
図12A、
図12B、
図13Aおよび
図13Bに示すように、位置決め装置300は、取付けられたモニタおよびノートPCのための広範な移動範囲390を提供している。幾つかの実施形態によれば、機器(および取付部350)の高さは、移動範囲390内で無数の高さのいずれかに設定されることができる。
図12Aおよび
図13Aは、低位置(例えば座位用)にある位置決め装置300を説明しており、
図12Bおよび
図13Bは高位置(例えば立位用)にある位置決め装置300を説明している。モニタ302およびノートPC304のためのかかる調節可能性を提供するために、本実施形態における位置決め装置300は、
図1ないし
図11に図示されかつ上述されたリフト機構100およびバランス機構116を備えている。
図13Aおよび13Bは、位置決め装置300に組み込まれたリフト機構およびバランス機構116を説明している。ホイール120、第1カム124、第2カム126およびプーリーシステム130(図示せず)は、基部310内に配置されている。エネルギー貯蔵部材144は、この場合は引張ばねであるが、支柱部312内に配置され支柱部312およびバランス機構の残りの部分との間に結合されている。
【0038】
幾つかの実施形態によれば、取付部350はそれ自体で、取り付けられたコンポーネント間のある程度の調節可能性を提供することができる。例えば、
図12A,12B,13A,および13Bに示すように、場合によっては、第2リフト機構が取付部350内に組み込まれるか取付部350に取付けられている。これは、例えば、異なるユーザに対応させるためにクロスバー360、モニタ302およびノートPC304をキーボードトレー355に対して調節された高さにすることを有利に可能とする。第2リフト機構は、技術分野において公知の任意の適切な機構とすることができる。幾つかの実施形態においては、第2リフト機構は、現在のところ共有に属する2005年9月28日出願の米国特許出願公開第2006/0185563Al号に教示されている機構のいずれかといった機構を含むところ、同特許出願の内容はすべて引用により本明細書に組み込まれるものとする。
【0039】
図12Aおよび12Bに示す実施形態においては、支柱部312は基部310に角度をつけて接続されている。この角度は、所望の位置でモニタ302およびノートPC304の、基部310に対する重心を位置決めして安定性を高めるのに有用である。支柱部312は、90度、90度未満または90度超を含む任意の所望の角度にて基部に接続されることができる。
図12Aおよび12Bに示すように、この角度は90度をやや上まわる程度である。幾つかの実施形態によれば、位置決め装置300は、有利にはデスクまたはテーブルといった既存の水平な作業面316とともに用いるように構成されている。例えば、基部310は、装置300を直立に作業面316上に保持する複数の安定化脚部370を備えてもよい。場合によっては、基部310は、位置決め装置300を水平な作業面316に固定するのに有用なクランプ314を備えている。
【0040】
位置決め装置は、支柱部と取付部とを作業面上に十分に支持する任意の構造を包含する基部を備えることができる。引き続き
図12Aないし
図13Bを参照すると、本発明の幾つかの実施形態によれば、基部310は、第1端部、第2端部および該第1端部と該第2端部との間に延在している長尺セクションを備えている。幾つかの実施形態によれば、長尺セクションの複数部分は薄型に形成されており、これにより、基部によって生じるあらゆる障害を最小化させるとともに取付部350の移動範囲を最大化させている。場合によっては、基部310の長尺セクションは取付部350に対して概して平行である。
【0041】
加えて、場合によっては、長尺セクションは、基部および支柱部312の真上にある取付部フレームの幅とほぼ同じ幅を有している。かかる構成態様は、有利には基部310の設置スペースを小さくすることができ、それにより他の作業のためのより多くの余地を残すとともに位置決め装置の視覚的インパクトを低減させる。例えば、幾つかの実施形態においては、基部の長尺セクションの幅、取付部のフレームの幅および支柱部312の幅は約5インチまたはそれ以下である。場合によっては、長尺セクションの幅、取付部のフレームの幅および支柱部312の幅は、取付部に取付けられた電子ディスプレイマウント(例えば、VESAマウント)の幅と同じかそれ以下である。
【0042】
幾つかの実施形態においては、位置決め装置300の垂直な移動範囲390は座位高さから立位高さの間で延在しており、これにより操作者が装置300を座位および立位の両方から利用することが可能となる。例えば、複数のある実施形態においては、移動範囲390は少なくとも約14インチである。幾つかの実施形態においては、移動範囲390は、約14インチおよび約24インチの間とされている。位置決め装置におけるリフト機構100はまた、移動範囲390の最低レベルから最高レベルまでの間で複数の中間高さにおける複数位置を提供してもよく、これにより異なる高さの作業位置および/または異なる身長の操作者に対応するようにしてもよい。場合によっては、離散的な数の中間位置が提供される。場合によっては、リフト機構100は、垂直な移動範囲390内で無数の中間位置を提供する。
【0043】
本発明の幾つかの実施形態によれば、位置決め装置300は、単独の操作者が同一のモニタおよび/またはノートPCを使用する間に座ったり立ったりしたいような用途において有用である。便宜上、位置決め装置300は、「座位‐立位」位置決め装置といった利用のために説明されることができる。かかる座位‐立位装置は、操作者が様々な姿勢で操作を行いたいような状況でしかも同一のワークステーションで行う必要または願望があるような場合に有用である。例えば、座位で幾つかの操作を行いたいが他の操作については立位で行いたい場合がある。本発明のある複数の実施形態は、既存の独立的作業面(例えば、デスクトップ、テーブルトップ、カウンタートップ等)とも互換性があり座位‐立位ワークステーションを形成することができるユニークな座位‐立位位置決め装置を提供する。位置決め装置は、操作者がそうしたければ複数の高さにてワークステーションを利用することを可能にし、複数の高さでの複数の別体の作業面を要することがない。したがって、操作者は異なるワークステーションに移動する必要がなく、座位‐立位ワークステーションの高さを調整して既存のワークステーションを新たな高さで利用し続けることができる。座位‐立位位置決め装置は、従来型の固定式モニタマウントにおけるよりも頻繁な調節(例えば、作業日中に数度)の対象とされてもよく、装置は操作回数が増えるため、前述したように複数のカム部材を組み込んだ実施形態は装置のサイクル寿命を増大させると考えられる。さらに、幾つかの実施形態は、相対的に大きい移動範囲を可能とする一方、スペースが貴重な作業面上の設置スペースの占有の程度もより小さくすることができる。
【0044】
使用時においては、操作者が位置決め装置300によって支持されたモニタまたはその他の装置の位置を変更したい場合には、操作者はモニタおよび/またはノートPCに力を加えることができる。モニタが動くことによって、当該モニタが取付けられた取付部350もまた装置の支柱部312に対して相対的に移動する。
図14は、取付部350の低位置に対応した状態におけるバランス機構116の一部分の斜視図であり、
図15は取付部350の高位置に対応した状態におけるバランス機構116の一部分の斜視図である。図示されているように、取付部350は、可撓要素135を介してホイール120に取付けられており、それにより、モニタ/ノートPCの動きによって、ホイール120がその軸周りに回転する。第1カム124および第2カム126もまたホイール120に取付けられているので回転して、カムプーリー164,168およびエネルギー貯蔵部材プーリー160をそれぞれの軸周りに回転させる(この場合は同一の軸である)。エネルギー貯蔵部材プーリー160の回転が可撓要素161を引っ張りあるいは緩め、それによりエネルギー貯蔵部材144が伸長しまたは該部材の長さを収縮させる。カム124およびカム126の形状が(例えばばね長に基づいて)変化するエネルギー貯蔵部材の力に対応するように設計されているので、操作者は摩擦に打ち勝つために相対的に一定の力をモニタに加えるだけで任意の所望の位置とすることができ、モニタは当該所望の位置にロックされる必要なしに当該位置にとどまると考えられる。
【0045】
上述した複数カムを備えたバランス機構ならびに対応するバランス機構を組み込んだリフト機構および他のタイプの位置決め装置は、単体のカムを用いたバランス機構と比べて驚くべき利点を提供する。例えば、複数カムを用いたバランス機構はシングルカム機構よりも堅牢かつ信頼性がある。出願人らは、驚くべきことに前述したデュアルカムを用いることで、類似のシングルカムバランス機構と比較した場合に実質的により多くの調整サイクル数に耐えることができることを見出した。一例としてであるが、出願人らは、驚くべきことに、バランス機構内でカムの数をNの倍数で増やすことで、場合によっては、Nの倍数を超える機構の負荷寿命の増大をもたらすことを見出した。場合によっては、出願人らは、1.5Nの倍数で負荷寿命が増大することを見出した。ある場合においては、出願人らは、驚くべきことに、ここに記載したデュアルカムを備えたバランス機構を利用することで、実質的に同様の状態におけるシングルカム機構の場合の10,000サイクルというサイクル寿命から、28,000サイクルというサイクル寿命まで増大することを見出した。かかる改善されたサイクル寿命は、実際上あらゆる位置決め装置の利便性を増大させ、単一の操作者を着座姿勢および起立姿勢の両方で対応することができないスタンドよりもより多くの回数の調整動作の対象となる座位/立位位置決め装置といった位置決め装置にとって特に適用可能な予想外の改善を提供することができる。
【0046】
複数カムを利用した位置決め装置はまた、類似のシングルカムバランス機構と比較してより大きな距離とより小さいカムハウジング寸法によってより重い負荷物を平行移動させることを可能にする。この特徴は、相対的に大きい移動範囲を許容しつつスペースが貴重な作業面上でより小さい設置スペースを占めるため、水平な作業面上に設置されて座位および立位の両方の操作者に対応するように設計された位置決め装置において特に有用である。一例として、一実施形態に係る位置決め装置は、およそ90ポンドの負荷物に対して約20インチの距離にわたってカウンタバランスのとれた移動を提供するデュアルカム(例えば、
図1および
図2における第1カムおよび第2カム)を収容するハウジングを備えている。場合によっては、このハウジングは、およそ180ミリメートル×125ミリメートル×95ミリメートルのサイズを有している。対照的に、実質的に同様の負荷および距離のために構成されたシングルカム機構のためのハウジングは、およそ228ミリメートル×203ミリメートル×90ミリメートルとされたハウジングを必要とする。したがって、かかる実施形態は、スペースの節約が重要となる作業面上配置型スタンドにとって有用である。もちろん、ハウジングの寸法は特定の装置の特定の重量・距離要求仕様に応じて小さくなることもあれば大きくなることもある。幾つかの実施形態は、約3ポンドから約250ポンドまたはそれ以上の間の重量、約2〜3インチから40インチまたはそれ以上の間の移動範囲に応じて拡大縮小されることができる。
【0047】
理論に縛られることなく、出願人らは、複数カム(例えばデュアルカム)を含む実施形態はシングルカムバランス機構に対して利点を提供すると考えるが、これは、取付けられた機器の力を2以上のカムで分割することがより小さい力を可能とし、それにより各カムとそれに関連付けされた可撓要素に対するより小さい応力を可能として、増大された有用な製品寿命をもたらすからである。加えて、各個別のカムは各カムに作用する応力がより小さいためより小さくすることができ、負荷物全体を、より大きい直径を有するエネルギー貯蔵部材プーリーの周囲に巻きつく単体の可撓要素によって担持することができる。
【0048】
以下の複数の例は、ここに記載した複数カム部材(例えば、デュアルカム)の複数の実施形態をさらに説明するために提示されたものであり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
【0049】
例1:サイクル不具合の比較例
試験は20インチエアシリンダを用いた多数のシングルカムバランス機構を使用して行った。シングルカムバランス機構はそれぞれ、成形されたカムと所望の範囲にわたって所望の重量をバランスさせる仕様にしたがって製造された引張ばねおよびロープを含むその他の製造された構成部品とを備えたものを使用した。最大の応力をロープに与えるため、バランス機構はバランスをとるべき最大重量に調節した。エアシリンダは、エンジンの可動部品に接続して毎分6サイクルのレートで移動範囲にわたってサイクル運動を行わせた。最大負荷下での目標サイクル寿命を10,000サイクルと予想した。多くの場合、10,000サイクルをわずかに超えるとロープ不具合が生じたが、12,500サイクル未満で生じた。
【0050】
例2:例示的デュアルカムのサイクル不具合
【0051】
試験はデュアルカムバランス機構を使用して行った。試験設定、負荷条件、サイクルレート、ロープ素材、重量範囲および移動範囲はすべて例1で説明したシングルカム機構での試験と同一とした。設計上の相違点としては、デュアルカム設計に対応するため、カム設計、ばね設計およびロープ配策の点で相違するものであった。この構成での少なくとも1回の試験において、機構は28,000サイクルを超えた。
【0052】
次に
図16Aおよび16Bを参照して、幾つかの実施形態に係る位置決め装置400の別の例を説明することにする。
図16Aおよび16Bは、本発明の一実施形態に係る上昇位置および下降位置における位置決め装置400の前面からみた斜視図を概略的に図示したものである。装置は基部402を備えており、この場合は基部の前端部において作業面404に取付けられている。図示しないが、支柱部406がリフト機構およびバランス機構における取付部に移動可能に結合されている(基部402に取付けられたハウジング420内に配置されている)が、ここに記載したもののいずれかのようなものである。取付部(図示せず)は、ディスプレイマウント部に取付けられたディスプレイ408を支持する。ディスプレイ取付部はまた、キーボードアーム410および結合されたキーボードトレー412を備えている。取付部(ここでも別に図示せず)は、取付部が支柱部406に対して相対的にキーボードトレー412を上昇または下降させ、ディスプレイ408が概して垂直な移動範囲414にわたって上昇または下降するように、構成されている。
図16Aおよび
図16Bに示すように、キーボードトレー412の垂直な移動範囲は完全に本実施形態における作業面404の上にある。装置400は、これにより、キーボードトレー412およびディスプレイ408が作業面404上の2以上の位置(例えば高さ)の間で移動することができるような多位置型ワークステーションを提供している。幾つかの実施形態においては、位置決め装置400はまた、装置を取外し可能または固定的に既存の作業面404に取付けるための取付機構(例えば、クランプ)を備えている。取付機構は、作業面404上に単純に置かれているのに対して追加的な安定度を提供することができる。しかしながら、取付機構は必須ということではなく、場合によっては、位置決め装置は作業面404上に単純に置かれてもよい。
【0053】
図17は、本発明の一実施形態に係るキーボード作業面462を備えた別の位置決め装置450の概略斜視図である。位置決め装置450は、基部の前端部にて作業面454に取付けられた基部452を備えている。図示しないが、支柱部456がリフト機構およびバランス機構における取付部に移動可能に結合されている(基部452に取付けられたハウジング458内に配置されている)が、ここに記載したもののいずれかのようなものである。取付部(独立して図示せず)はまた、ディスプレイマウント部に取付けられたディスプレイ460を支持する。取付部はまた、移動可能な作業面462を備えている。作業面462は、キーボードトレーとして機能するが、また、例えば、書類を読む、書類にマーカーを施すあるいは様々な物品等を支持するのに有用な作業エリアを提供する。幾つかの実施形態においては、位置決め装置450はまた、装置を既存の作業面454に取り外し可能にまたは固定的に(例えば、クランプで取り外し可能にまたは接着剤またはその他の締結手段によって)取付けるための取付機構を備えている。取付機構は、作業面454上に単純に置かれている場合と比較して追加的な安定度を提供することができる。しかしながら、取付機構は必須ということではなく、場合によっては、位置決め装置は作業面454上に単純に置かれてもよい。
【0054】
次に
図18Aないし
図18Cを参照すると、本発明の一実施形態に係るリフト機構500の別の例が記載されている。
図18Aはリフト機構500の斜視図であり、
図18Bおよび
図18Cは、それぞれ、リフト機構500の底部および上部断面図である。リフト機構500は、支柱部504に接続された基部502を備えている(「ライザー」とよばれることがある)。取付部506は、支柱部504に移動可能に結合されており、支柱部504を概して垂直な移動範囲508にわたって上昇または下降するように構成されている。エネルギー貯蔵部材544が昇降動作を補助するために取付部506に結合されている。リフト機構は、上側スプリングガイドと、エネルギー貯蔵部材を支柱部に取付ける取付部材546とを備えている。部材546はまた、選択的な調節ねじ547によってエネルギー貯蔵部材の張力の調節をガイドする。下側スプリングガイド548は、エネルギー貯蔵部材の伸長および収縮に応じて該部材の移動をガイドするために貯蔵部材の反対側端部に設けられている。リフト機構500はまた、エネルギー貯蔵部材544および取付部506の間の力をバランスさせるための、取付部506およびエネルギー貯蔵部材544の間に結合されたバランス機構を備えている。
【0055】
この例においては、リフト機構500は、
図1ないし
図9を参照して説明したバランス機構116と実質的に同様なバランス機構516を備えている。次に
図18Bを参照すると、バランス機構516は、2つの別体のカムで構成されるカム部材550に回転可能に結合されたホイール520を備えている。プーリーシステム530は、可撓要素(図示せず)によってこれらカムに結合された一対のカムプーリーと、別の可撓要素(図示せず)によってエネルギー貯蔵部材544に結合されたエネルギー貯蔵部材プーリーとを備えている。
図1ないし
図9における例と同様に、下側プーリー534および上側プーリー538で構成される2つの方向変更プーリー(
図18Cを参照)が、別の可撓要素(図示せず)を取付部506およびホイール520の間に配策する。バランス機構の動作516は、
図1ないし
図9における例と実質的に同様の態様にて行われ、カム部材550がエネルギー貯蔵部材544からの可変力を取付部506のための実質的に一定の力に変換する。
【0056】
図18Aないし
図18Cに示す実施形態においては、取付部506は、管状の構成態様を有しており、取付部506が支柱部504の周囲に嵌合することを可能にする矩形断面を有している。取付部506は例えば、支柱部内のレールおよび取付部内のスライドまたはローラを含むガイドシステムによって支柱部504に移動可能に結合されている。幾つかの実施形態においては、管状構成は取付部の縦軸に対して対称であり、これにより取付部に2対の実質的に同一の対向面を与えている。管状構成および対向面は、機器を設置するための複数のオプションを提供し、これにより、各可能な位置または方向のための特別に設計された取付部を必要とすることなく、同じリフト機構500が多数の方向および位置において使用されることが可能となる(例えば左側および/または右側、前側および/または後側)。
【0057】
図18Bを参照すると、リフト機構500は、取付部506に取付けられていて支柱部504と係合して取付部506を支柱部に対する相対的な所望の位置にて保持するブレーキ機構552を備えている。ブレーキ機構552は、支柱部504における一群のスロット内に嵌合するように構成されたプランジャー554を備えている。図示しないが、複数のスロットは、支柱部の全長にわたって延在することができ、少なくとも取付部のための移動範囲508に沿って延在することができる。圧縮バネ556がプランジャー554を複数のスロット内へと促し、これにより、支柱部504に沿った多くの垂直な位置の1つにおける常時ブレーキがかかった構成を提供する。幾つかの実施形態によれば、ブレーキ機構552は、直接的にまたはケーブルおよびレバーシステムの利用により、プランジャー554を支柱部から離隔するように引っ張ることで一時的に解除することができる。
【0058】
図19Aないし
図19Dは、本発明の一実施形態に係る
図18Aないし
図18Cに示したリフト機構500を組み込んだ高さ調節可能なデスク600の斜視図である。ここで用いている「高さ調節可能なデスク」および「高さ調節可能なテーブル」はまた、デスク/テーブルが電子ディスプレイを支持するように構成されている場合にはディスプレイ位置決め装置ともよばれることがある。例えば、電子ディスプレイは単純にデスクまたはテーブルの作業面上に置かれてもよく、またはデスクまたはテーブルはディスプレイを支持するための他の取付機構を備えてもよい。
【0059】
デスク600は、テーブルともよばれることがあるが、4つの足部604によって支持された基部602を備えている。場合によっては、足部604は、デスクの作業面の水平度の微調整を提供するために高さ調節可能(例えば、ねじ付きのポストによって)とされている。代替的には、基部602は、足部を備えないことも可能であって、あるいはは選択的にはキャスターを備えてもよい。基部602は、基部の両側部に配置された第1リフト機構610および第2リフト機構612に接続されている。前述したとおり、リフト機構610,612はそれぞれ、支柱部614と、取付部616と、エネルギー貯蔵部材および担持されている負荷物によって加えられる力のバランスをとるための複数カムを有するバランス機構とを備えている。本実施形態においては、バランス機構は、被覆されたハウジング618内に設けられている。
【0060】
デスク600はさらに、2つの側部脚部622を有する作業面620を備えている。これら脚部622は取付部616に取付けられるように構成されている。本実施形態においては、脚部622は、取付部616の3つの面に取付けられる3つの側面を備えている。脚部622の3つの側面は、支柱部614と嵌合する矩形断面を有するとともに脚部が支柱部に対して上方および下方にスライドすることを可能とする脚部内における長手方向凹部をなしている。もちろん、これは可能な構成のうちの一例にすぎず、脚部622は脚部の取付部616への取付けを可能にする多くの他の構成にしたがって形成されることができることが理解されるべきである。加えて、脚部622は、図面に示すように作業面620と一体的に形成されてもよく(例えば、プラスチック成型部品として)、あるいは、別体に形成されたうえで作業面620に取付けられてもよい。
【0061】
高さ調節可能なデスク600はまた、作業面620における複数のケーブル管理孔630およびブレーキシステムを含む幾つかの選択的な特徴を備えている。ブレーキシステムは、
図18Aないし
図18Cを参照して説明した各リフト機構610,612のブレーキ機構と、各支柱部の長手方向に設けられた複数のスロットと、作業面620の裏側に配置されたブレーキレバー640とを備えている。ブレーキレバー640は、脚部622を通して配策されて各ブレーキ機構のプランジャーに取付けられた複数のケーブル(図示せず)によってブレーキ機構に結合されている。レバー640を作動させるとプランジャーが引かれてブレーキを各支柱部614との係合から解除する。レバー620を緩めると各ブレーキ機構のプランジャーがプランジャーばねの付勢力により支柱部と再係合することができる。
図19Aないし
図19Dに示すように、支持脚部622は各リフト機構におけるブレーキ機構を収容して覆うブレーキハウジング642を備えている。
【0062】
ブレーキシステムは、デスク600の動きを止めるのに有用である一方、本発明のすべての実施形態に含まれなくてもよい。例えば、場合によっては、各リフト機構610,612からの吊り上げ力、および、リフト機構の支柱部および取付部の間の摩擦は、作業面620の重量を相殺するのに十分な力を創出し、デスク位置を維持すると考えられる。加えて、使用時、ブレーキレバーはデスク600に対して相対的に任意の適切な位置に配置することができ、場合によっては、足元での起動のために基部に近接して配置されてもよい。
【0063】
図19Aおよび
図19Bを参照すると、使用時において、デスク作業面620は、作業面620の複数の高さ位置を提供する概して垂直な移動範囲650にわたって高くしたり低くしたりすることができる。
図19は、高位置(例えば立位用)にある調節可能なデスク600を説明しており、
図19Bは、低位置(例えば座位用)にあるデスク600を説明している。一実施形態において、垂直な移動範囲650は座位高さと立位高さとの間で延在しており、これにより、操作者がデスク600を座位および立位にて使用することが可能となる。例えば、複数のある実施形態においては、垂直な移動範囲650は少なくとも約14インチである。幾つかの実施形態においては、垂直な移動範囲650は約14インチから約24インチの間である。デスク600におけるリフト機構610,612はまた、移動範囲650の最低レベルから最高レベルまでの間で複数の中間高さにおける複数位置を提供してもよく、これにより異なる高さの作業位置および/または異なる身長の操作者に対応するようにしてもよい。場合によっては、離散的な数の中間位置が提供される。場合によっては、リフト機構は、垂直な移動範囲650内で無数の中間位置を提供する。
【0064】
図20Aないし
図20Dには、本発明の一実施形態に係るリフト機構700の別の例が記載されている。
図20Eないし
図20Fは、
図20Aないし
図20Dに図示した構成とは若干異なる構成を有するバランス機構を備えたリフト機構700を説明している。一般的には、リフト機構700は、伸縮自在な構成を有しており、これは最低位置におけるリフト機構の高さを制限するのに有用でありうる。加えて、伸縮動作はリフト機構700を、表面の縁部から離れた表面の裏側に取り付けることを可能とする(例えば、表面の中央)。
【0065】
図20Aは、リフト機構700の斜視図であり、
図20Bはリフト機構700の部分断面図である。リフト機構700は、内側管部704および外側管部706から形成されるライザー702を備えている。内側管部704および外側管部706は、例えば、レールおよびスライド、グライド、ローラまたは任意の他の適切な機構を含むガイドシステムとスライド係合して結合されている。
図20Aおよび
図20Bに示すように、リフト機構700は外側管部706が支持面上に取り付けまたは配置されることができかつ内側管部704が支持面および外側管部706に対して相対的に移動することができるように方向付けされている。したがって、場合によっては、外側管部706は、支柱部とみなすことができ、内側管部は取付部とみなすことができる。ある実施形態において、しかし、リフト機構700は内側管部が支持面上に配置されまたは取り付けられ外側管部706が支持面および内側管部704に対して相対的に移動することができるように、反対の方向に位置づけられることができる。このような場合には、外側管部706は取付部とみなすことができ、内側管部704が支柱部として機能する。
【0066】
図20Aおよび
図20Bに示した実施形態においては、内側管部704および外側管部706は、概して垂直な移動範囲708でスライド可能に係合されている。内側管部704は、外側管部706の内から外にスライドして、リフト機構700の全長が増大する一方、内側管部は外側管部内へと戻りスライドして、リフト機構の長さは減少する。したがって、内側管部704が移動範囲708内で移動することによってリフト機構700の長さは調節される。調節できる長さはリフト機構が下側位置にあるときにリフト機構700の高さを小さくするのに有用である。加えて、リフト機構は全移動範囲708全体に同時に対応する単一の固定長を有する支柱部を必要としない。
【0067】
図20Cないし
図20Fを参照すると、リフト機構700は、昇降動作を補助するエネルギー貯蔵部材710であってこの例では引張ばねで構成されているエネルギー貯蔵部材710を備えている。エネルギー貯蔵部材710は、内側管部704内に配置され、内側管部の下端部712に取付けられており、これにより、内側管部が外側管部706に対して相対的に移動するに応じて内側管部を上昇または下降させる。上側スプリングガイド714が、エネルギー貯蔵部材が伸長または収縮するのに応じてエネルギー貯蔵部材の動きをガイドするために貯蔵部材の反対端部に設けられている。リフト機構700はまた、外側管部706およびエネルギー貯蔵部材710の間に結合されてエネルギー貯蔵部材710および外側管部706の間の力のバランスをとるためのバランス機構716を備えている。前述したとおり、場合によっては、リフト機構700は、離散的な数の中間位置を提供する。場合によっては、リフト機構700は、垂直な移動範囲708内で無数の中間位置を提供する。
【0068】
この例においては、バランス機構716は、
図1ないし
図9を参照して説明したバランス機構116と同様のものである。バランス機構716は、2つの別体のカム721,723を有するカム部材720(
図20Eおよび
図20Fに示す)に回転可能に結合されたホイール718を備えている。プーリーシステム722は、可撓要素(図示せず)を介してカムに結合された一対のカムプーリー724,726と、別の可撓要素(図示せず)を介してエネルギー貯蔵部材710に結合されたエネルギー貯蔵部材プーリー728とを備えている。下側プーリー730および上側プーリー732からなる2つの方向変更プーリーが別の可撓要素(図示せず)を外側管部706およびホイール718の間で配策させている。
図20Cおよび
図20Dは、ホイール718、カム部材720、プーリーシステム722および上側プーリー732が内側管部704に対してブラケット740によって取付けられている、第1の構成を説明している。
図20Eおよび
図20Fは、ホイールおよびカム部材、およびプーリーシステムおよび上側プーリーの順序が反転している同様の構成を説明している。動作時において、カム部材720はエネルギー貯蔵部材710からの可変力を、内側管部704を外側管部706に対して相対的に持ち上げる実質的に一定の力に変換する。
【0069】
図20Cないし
図20Fには図示されていないが、複数の可撓要素がバランス機構716とエネルギー貯蔵部材710の部分とを結合する。一の例によれば、第1可撓要素は、ホイール718に取付けられ、上側プーリー732を越えて下方へ下側プーリー730まで配策されている。そして、第1可撓要素は下側プーリー730の周囲に巻かれて外側管部706の上端部734に取付けられる。最初は、リフト機構700はその最も高い位置にある場合、第1可撓要素はホイール718の周囲に巻かれている。内側管部704が下方に移動するにつれて、第1可撓要素がホイール718を引っ張って回転させ、これにより、第1可撓要素をほどいて下方への移動を可能にする。場合によっては、第1可撓要素に対する張力はバランス機構716、内側管部704および内側管部に取付けられた任意の機器を組み合わせた重量と概して同一である。
【0070】
ホイール718は、カム部材720により回転可能に固定されて、これにより、ホイール718が回転するとカム部材720もまた回転する。この例においては、第2可撓要素(図示せず)は、
図3Bに示した実施形態と同様に態様において第1カム721および第2カム723のそれぞれから第1カムプーリー724および第2カムプーリー726まで配策されている。最初は、第2可撓要素は、カムプーリーの周囲に巻きついている。ホイール718およびカム部材720が回転するにつれて、第1カムおよび第2カムが第2可撓要素を引っ張り、第2可撓要素が、カム721,723の周囲に巻きつき、それによりカムプーリーが回転する。上記実施形態において議論したように、デュアルカム721,723の利用によりリフト機構の張力をカム間で分割する。
【0071】
エネルギー貯蔵部材710は、内側管部704内に配置されており、内側管部の下側端部712に取付けられている。第3の可撓要素(図示せず)は、エネルギー貯蔵部材プーリー728をエネルギー貯蔵部材710の上端部744に接続する。カムプーリー724,726が回転するにつれて、第3の可撓要素がエネルギー貯蔵部材プーリー728の周囲に巻かれて、これにより、エネルギー貯蔵部材710の上端部を引っ張って、増大するスプリング力を創出する。第1可撓要素に対する張力(例えば、取付けた機器、内側管部およびバランス機構を組み合わせた重量に等しい)は、実質的に一定のトルクをホイール718に加える。各カム721,723は、増大するスプリング力(第2可撓要素を介して各カムに加えられる)の半分をホイール718に作用するトルクの半分に等しい実質的に一定のトルクに変換する。
【0072】
場合によっては、エネルギー貯蔵部材710は、バランスをとるべき重量に応じてエネルギー貯蔵部材の張力の調節をとることができるように、内側管部704に調節可能な態様にて取付けられている。この場合、調節はばねの下側端部の位置を調節機構を介して制御することにより達成される。場合によっては、調節機構はねじ、ウォームギア、かさ歯車またはその他の機構に基づかせることができる。
図20Eを参照すると、場合によっては、リフト機構700は、ブレーキ機構748を備えており、このブレーキ機構748はこの例においては
図18Aないし
図18Cを参照して説明したブレーキ機構の例と同様のものである。
【0073】
次に
図20Aを参照すると、場合によっては、バランス機構716が作業面に取付けられて作業面の直下に位置づけられるように、作業面(またはその他の機器/物品)が内側管部704の上端部750に取付けられることができる。この構成の幾つかの利点には、リフト機構700の基部として作用する外側管部706の下側端部752のスペースを完全に開放する点、および、バランス機構を作業面とともにやや隠す点が含まれる。
図20Aないし
図20Fがこの構成を説明しているところ、リフト機構700を上下反転させ作業面を外側管部706の「下側」端部752に据え付けるとともに内側管部の「上側」端部750がリフト機構の基部として作用することも可能である。
【0074】
図21A、
図21B、
図21Cおよび
図21Dは、
図20Aないし
図20Fに示したリフト機構700を組み込んだ本発明の複数の実施形態に係る高さ調節可能なデスクの2つの例を説明している。
図21Aおよび
図21Bは、本発明の一実施形態に係る固定型の高さ調節可能なデスク800の側面図である。リフト機構700は、外側管部706の下側端部752において基部802に取付けられている。本実施形態においては、基部802は、基部を床またはその他の表面上に位置決めするための足部803を備えている。作業面804は、内側管部704の上端部750に取付けられ、バランス機構716およびバランス機構を包囲するハウジング806は作業面804の直下に配置されている。デスク800の高さは、
図21Aに示す高位置(例えば立位用)および
図21Bに示す低位置(例えば座位用)を含め、移動範囲808にわたって調節可能とされている。前述したとおり、場合によっては、リフト機構700は、離散的な数の中間位置を提供する。場合によっては、リフト機構700は、垂直な移動範囲808内で無数の中間位置を提供する。
【0075】
図21Aおよび
図21Bに示すように、伸縮型リフト機構700の利用によって、作業面804をリフト機構の上部(例えば中央に配置)に位置づけることが可能となり、これによって有利には作業面およびリフト機構の間の一端の飛び出し(cantilevering)を削減する。一端の飛び出しの削減は、リフト機構のガイドシステムにおける摩擦を削減するのに役立ち、操作者がリフト機構を調節するのに必要な力を小さくすることに役立つ。場合によっては、他の実施形態においては複数のリフト機構が必要であるところ、これは単体のリフト機構の利用を可能とする。例えば、
図19Aないし
図19Dに記載した実施形態は、作業面の相対する縁部の近くに配置された2つのリフト機構を含んでいる。幾つかの実施形態においては、しかし、カンチレバー負荷に対応するのに十分な構造的特徴が存在しているならば、単体のリフトエンジンが作業面の縁部の近くに配置されることができる。例えば、より長いトラックおよび作業面下のより強い支持ブラケットの利用によって、このような特徴は費用を増大させるかもしれないが、サイドマウント構成が可能となる。
【0076】
図21Cないし
図21Dは、本発明の一実施形態に係る移動可能な高さ調節可能なデスク850の斜視図である。リフト機構700は、外側管部706の下側端部752において基部852に取付けられている。本実施形態においては、基部852は、床またはその他の表面にわたってデスクの移動を可能にするキャスター853を備えている。作業面854は、内側管部704の上端部750に取付けられ、バランス機構およびバランス機構を包囲するハウジングは、作業面854の直下に配置されている。デスク800の高さは、
図21Cに示す高位置(例えば立位用)および
図21Dに示す低位置(例えば座位用)を含め、移動範囲858にわたって調節可能とされている。前述したとおり、場合によっては、リフト機構700は、離散的な数の中間位置を提供する。場合によっては、リフト機構700は、垂直な移動範囲858内で無数の中間位置を提供する。
図21Dは、幾つかの実施形態において作業面854に取付けられてもよい選択的なキーボードトレー860を説明している。
【0077】
次に
図22Aないし
図22Cを参照すると、本発明の一実施形態に係るリフト機構900の別の例が説明されている。
図22Aはリフト機構900の断面図であり、
図22Bはリフト機構900の底部断面図であり、
図22Cはリフト機構900の部分上面図である。リフト機構500は、支柱部904に接続された基部902を備えている(「ライザー」とよばれることがある)。取付部906は、支柱部904に移動可能に結合されており、支柱部904を概して垂直な移動範囲908にわたって上昇および下降させるように構成されている。本実施形態においては、取付部906は、支柱部904の一側部に沿って乗り上げる三面ブラケットを有しているが、他の構成もまた利用することができる。
【0078】
エネルギー貯蔵部材944は、昇降動作の補助を提供するための取付部906に結合されている。本実施形態において、エネルギー貯蔵部材944は、第1引張ばね945および第2引張ばね947で構成されている。Theリフト機構は、上側スプリングガイドとエネルギー貯蔵部材を支柱部に取付ける取付部材943とを備えている。部材943はまた、選択的な調節ねじ946によってエネルギー貯蔵部材の張力の調節をガイドする。2つの下側スプリングガイド948が、伸張および収縮するばねの動きをガイドするために、第1引張ばね945および第2引張ばね947の各反対側端部に設けられている。リフト機構900はまた、エネルギー貯蔵部材944および取付部906の間の力のバランスをとるために取付部906とエネルギー貯蔵部材944との間に結合されたバランス機構を備えている。
【0079】
この例においては、リフト機構900は、
図1ないし
図9を参照して説明したバランス機構116と同様のバランス機構916を備えている。次に
図22Bおよび
図22Cを参照すると、バランス機構916は、第1カム924および第2カム926で構成されるカム部材950に回転可能に結合されたホイール920を備えている。プーリーシステム930は、第1カムプーリー964と第2カムプーリー968とを備えている。第1カムプーリー964は、一方の端部において第1カム924に結合されかつ他の端部において第1引張ばね945に結合された第1可撓要素931を配策する。第2カムプーリー968は、一方の端部において第2カム926に結合されかつ他方の端部において第2引張ばね947に結合された第2可撓要素932を配策する。第3の可撓要素933は、ホイール920および取付部906の間に結合されている。下側プーリー934および上側プーリー938からなる2つの方向変更プーリー(
図22Aを参照)は、取付部906およびホイール920の間で第3の可撓要素933を配策する。
【0080】
バランス機構の動作916は
図1ないし
図9における例と同様の態様にて行われ、カム部材950がエネルギー貯蔵部材944からの可変力を取付部906のための実質的に一定の力に変換する。しかしながら、本実施形態において、エネルギー貯蔵部材944によって提供される全つり上げ力は、
図1ないし
図9に示した単体の引張ばねではなく2つの引張ばね945,947によって提供される。2つの引張ばねを利用することにより、各ばねによって提供される必要な力を低減させることができ(例えば、各ばねがつり上げ力の2分の1を提供することができる)、これがまた、第1可撓要素931および第2可撓要素932それぞれによって担持される力を削減する。また、必要な力が低減されるので、引張ばね945,947は単体の引張ばねの場合に必要となるよりも線径がより小さくかつやや小さい半径を有するワイヤで形成されることができる(例えば5〜10ミリメートルほど小さい半径)。したがって、ばねが互いに並んで配置されている場合には、リフト機構900は単体のばねの場合に必要となるよりも狭い幅を有することができる。支柱部904をホイール920およびカム部材950とほぼ同一平面に並べて配置することで、ライザー900の近くにおいて操作者のためのより大きいスペースを提供することができるライザー900のためのより幅狭な構成を提供することができる。
【0081】
図23Aおよび
図23Bは、本発明の一実施形態に係る
図21Aないし
図21Cに示したリフト機構900を組み込んだ高さ調節可能なデスク1000の図である。リフト機構900は、支柱部904の下側端部において基部1002に取付けられている。本実施形態においては、基部1002は、当該基部を床またはその他の表面上に位置決めするための足部1003を備えている。リフト機構の取付部906は、作業面の一方の側に沿って作業面1004に取付けられ、バランス機構916およびバランス機構を包囲するハウジング1006は、作業面1004の縁部の直下に配置されている。デスク1000の高さは、図面に示す高位置(例えば立位用)および低位置(例えば座位用)を含め、移動範囲1008にわたって調節可能とされている。前述したとおり、場合によっては、リフト機構900は、離散的な数の中間位置を提供する。場合によっては、リフト機構900は、垂直な移動範囲1008内で無数の中間位置を提供する。選択的な遮断機構1020は、上述した取付部906および作業面1004の動きを停止させるために設けられることができる。
【0082】
図23Bに示すように、リフト機構700は本実施形態におけるデスク1000の後縁部1030の近くにある。後縁部1030の近くのリフト機構と、相対的に幅狭な構成のライザー904およびバランス機構ハウジング1006との結合が組み合わせられてライザー/バランス機構および作業面1004の前縁部1032の間の作業面1004下側のより大きなスペースを提供する大きくする。これにより、操作者は、前縁部1032に対向して着座することができ、作業面1004の下のより大きい脚部スペースを有することができる。
【0083】
図24Aないし
図24Eは、
図23Aおよび
図23Bに示したデスク1000と幾つかの点で同様な、本発明の一実施形態に係る別の高さ調節可能なデスク1100を示した図である。
図24Aおよび
図24Bは、本発明の一実施形態に係る
図24Dおよび
図24Eに詳細に示したリフト機構1200を組み込んだ高さ調節可能なデスク1100の斜視図である。リフト機構1200は、支柱部1204の下側端部においてに基部1102に取付けられている。本実施形態においては、基部1102は、基部を床またはその他の表面上に位置決めするための脚部1103を備えている。取付部1206は、作業面の一側部に沿って作業面1104に取付けられ、バランス機構1216およびバランス機構を包囲するハウジング1208は作業面1104の縁部の直下に配置されている。デスク1100の高さは図面に記載した高位置(例えば立位用)および低位置(例えば座位用)を含む移動範囲1108にわたって調節可能とされている。前述したとおり、場合によっては、リフト機構1200は、離散的な数の中間位置を提供する。場合によっては、リフト機構1200は、垂直な移動範囲1108内で無数の中間位置を提供する。ブレーキレバー1122およびブレーキ機構1124を備えた選択的な遮断機構は、上述した取付部1206および作業面1104の動きを停止させるために設けられることができる。次に
図24Cを参照すると、ケーブル1126は、遮断機構を作動させるために、リフト機構を介してレバー1122および遮断機構1124の間に配策されることができる。
【0084】
図24Dは、バランス機構ハウジング1208を取り外した高さ調節可能なデスク1100の部分上面図であり、
図24Eは、リフト機構1200の部分上面図である。本実施形態においては、リフト機構1200は、
図22Aないし
図22Cに示したリフト機構と同様のものであって、ほぼ同じ動作を行うものである。例えば、リフト機構1200は、支柱部1204およびa取付部1206を備えており、取付部1206はこの場合には
図22Aないし
図22Cに示した三面部材とは反対に平坦な平面部材で構成されている。エネルギー貯蔵部材1244は、第1引張ばね1245および第2引張ばね1247で構成されている。リフト機構1200はまた、エネルギー貯蔵部材1244および取付部1206の間の力のバランスをとるための、取付部1206およびエネルギー貯蔵部材1244の間に結合されたバランス機構を備えている。バランス機構1216は、
図1ないし
図9を参照して説明したバランス機構116と同様のものであって、第1カム1224および第2カム1226からなるカム部材1250に回転可能に結合されたホイール1220を備えている。プーリーシステム1230は、一方の端部において第1カム1224に結合されかつ他方の端部において第1引張ばね1245に結合された第1可撓要素(図示せず)を配策する第1カムプーリーを備えている。第2カムプーリー1268は、一方の端部において第2カム1226に結合されかつ他方の端部において第2引張ばね1247に結合されている第2可撓要素(図示せず)を配策する。第3の可撓要素(これも図示せず)は、ホイール1220および取付部1206の間に結合されている。下側プーリーおよび上側プーリー1238からなる2つの方向変更プーリーは、第3の可撓要素を取付部1206およびtheホイール1220の間で配策する。バランス機構1216の動作は、
図22Aないし
図22Cにおける例と実質的に同様の態様にて行われ、カム部材1250が2つの引張ばね1245,1247からの可変力を取付部1206のための実質的に一定の力に変換する。
【0085】
ここに説明したように、多数の位置決め装置および高さ調節可能なデスクが2以上のカムを有するバランス機構を組み込むことができる。また、複数カムを備えたバランス機構を備えた位置決め装置の複数の例が、代理人事件番号44374.95.2で表示、発明の名称「傾動ディスプレイ位置決め装置および方法」、本願と同時出願であって係属中の米国特許出願第(空欄)号に記載されている。特許出願44374.95.2の内容はすべて引用により本明細書に組み込まれるものとする。複数カム構成のバランス機構がある環境においては利点を提供すると考えられる一方で、本発明の実施形態は複数カム構成のバランス機構に限定されるものではなく、代替的にはシングルカムバランス機構を備えてもよい。例えば、
図12Aないし
図13Bおよび
図16Aないし
図17に示された位置決め装置300,400,450は、シングルカムバランス機構を備えたリフト機構を組み込むことも考えられる。加えて、本発明の実施形態は、
図18Aないし
図24Bに示した、複数カム構成(例えばデュアルカム)のバランス機構に代えてシングルカム構成のバランス機構を組み込んだリフト機構および高さ調節可能なデスクを有している。シングルカム構成のシングルカム構成のバランス機構は、技術分野において公知の任意の適切な機構とされることができる。幾つかの実施形態においては、シングルカム構成のバランス機構は、現在のところ共有に属する2005年9月28日出願の米国特許出願公開第2006/0185563Al号に教示されている機構のいずれかといった機構を含むところ、同特許出願の内容はすべて引用により本明細書に組み込まれるものとする。
【0086】
加えて、幾つかの選択的な付属品および/または特徴が、ここに説明したリフト機構、位置決め装置および/または高さ調節可能なデスクのいずれかに組み込まれることができる。そこで、特徴および付属品の幾つかの例について説明することにする。
【0087】
幾つかの実施形態によれば、位置決め装置のためのリフト機構は、デスクまたはテーブルといった作業面上に直接着座するように構成された基部を備えている。ある場合においては、基部は、(例えば、取り外し可能にまたは固定的に)作業面に取付けられるように構成されている。場合によっては、位置決め装置は、様々な機器をリフト機構に取付けるように構成された1以上の取付ブラケット(例えばクロスバー等)を備えている。一実施形態は、キーボードトレーとは独立のリフト機構の可動部分に取付けられる小さい独立的な作業面を含んでいる。一実施形態は、電子ディスプレイおよびキーボードを支持するように構成されたキーボードトレー用のマウント部を含んでいる。場合によっては、リフト機構は、ディスプレイマウントおよびキーボードトレーを並行して移動させるように構成されている。ディスプレイマウントは、キーボードトレーに対して相対的に固定されてもよく、あるいは、ディスプレイマウントおよびキーボードトレーの間の垂直距離を変更させるための独立のリフト機構があってもよい。幾つかの実施形態においては、キーボードトレーは固定される一方、あるばあいにおいては、キーボードを使用しない場合には操作者により大きいスペースを提供するために、キーボードトレーは折り畳み式に構成されてもよい。幾つかの実施形態においては、キーボードトレーは、読み書き等にも利用できるより広い作業面として構成されえている。加えて、幾つかの実施形態においては、キーボードトレーは、ディスプレイマウントに対して水平な関係となるように固定されてもよい。代替的には、キーボードトレーは、水平移動ブラケットに取付けられてディスプレイマウントおよび操作者の間の水平距離を変化させてもよい。幾つかの実施形態においては、リフト機構は、リフト機構の任意の可動部分と任意の取付けられた機器とを組み合わせた重量とのカウンタバランスをとるように構成されている。幾つかの実施形態においては、カウンタバランスをとるための力は操作者によって調節可能とされている。
【0088】
幾つかの実施形態によれば、高さ調節可能なデスクは、座位・立位対応のデスクを提供するために座位および立位の両方においてデスク表面を位置決めするように構成されている。幾つかの実施形態においては、デスク表面は、座位・立位対応性を提供するために約14〜20インチ(35.56〜50.8cm)の範囲で調節されることができる。幾つかの実施形態によれば、デスク表面およびデスク表面上に配置された任意の機器の重量は、1以上のリフト機構を用いて釣り合いがとられるので、操作者に対して昇降動作の補助を提供し、デスク表面の高さを調節するのに必要な力を低下させることができる。場合によっては、1以上のリフト機構が、デスクおよびデスク上の任意の機器の重量により緊密に合致するために、つり合いをとるための力を増大または減少させることで重量調節可能とされている。幾つかの実施形態によれば、1以上のリフト機構は、側縁部、角部、後縁部、デスク表面の縁部から中央部へ離れた位置を含むデスク表面の底部の1以上の場所に取付けられることができる。任意の適切な機器がデスク表面によって支持されることができ、かかる機器にはコンピュータ機器、ノートPC、デスクスタンドまたは多数のモニタ電話、書類ホルダおよび技術分野において公知の任意の他の物品を保持するアームが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
ある実施形態において、高さ調節可能なデスクは、伸縮型、非伸縮型および/または疑似伸縮型構成をもつものを含む多くのタイプのリフト機構の1つを備えることができる。場合によっては、バランス機構は、ライザー(例えば、支柱部)内、ライザーに近接して、作業面下側に、またガイドシステムをライザー上に配置して基部内に配置されることができる。場合によっては、バランス機構は、1以上のばねを備えたエネルギー貯蔵部材に結合されたロータリーカム部材を備えている。引張ばね、圧縮バネ、ねじりバネおよび/またはらせんバネを含む多くのタイプのばねが用いられることができる。取付部を支柱部に結合するガイドシステムは、各ライザー内に1以上のスライドを備えており、あるいは、ローラを備えてもよい。ガイドシステムは、正面方向、斜め方向または任意の角度をもって様々な方向に方向付けされることができる。場合によっては、相対的に強い取付構造(例えば、ブラケット)がライザーおよびガイドシステムをデスク表面に取付け、これにより、複数のライザーおよびガイドシステムを同期させる必要性を低減または除去する。
【0090】
幾つかの実施形態によれば、高さ調節可能なデスクは、ディスプレイマウント取付部および/またはキーボードトレー取付部を備えてもよい。場合によっては、ディスプレイマウント取付部は、デスク表面上に据置かれる高さ調節可能なまたは高さ固定型自立型ディスプレイスタンドとされることができる。場合によっては、ディスプレイマウント取付部は、高さ調節可能なまたは高さ固定型とされることができるアーム上のクランプを備えている。場合によっては、ディスプレイマウント取付部は、1以上の締結具(例えばボルト、ねじ等)によって作業面に取付けられている。加えて、任意のディスプレイマウント取付部は、1、2または3以上の電子ディスプレイ用に構成されることができ、あるいは、1以上のディスプレイおよび/またはノートPC用に構成されてもよい。キーボードトレー取付部は、場合によっては、作業面に締め付け固定され、あるいは、ねじ、ボルト等により固定的に取付けられてもよい。幾つかの実施形態においては、前述したもののように、作業面は、ケーブル管理を可能にする複数開口を備えてもよい。幾つかの実施形態はまた、ブレーキ機構およびケーブルで結合されたブレーキレバーを組み込んだブレーキシステムを備えている。ブレーキレバーは、任意の適切な場所に配置されることができ、手または脚で作動されてもよい。ある場合においては、高さ調節可能なデスクの基部は、高さ調節可能な脚部またはキャスターを備えている。ある実施形態において、デスクはまた、書類ホルダ、電話ホルダおよびコンピュータケースホルダの1以上を備えてもよい。
【0091】
本発明の複数の実施形態はまた、ディスプレイ、キーボードおよび/または作業面といった機器を位置決めする方法を含む。一実施形態によれば、ディスプレイを位置決めする方法は、垂直な移動範囲内でディスプレイを持ち上げ、エネルギー貯蔵部材によって与えられる可変力によってディスプレイの持ち上げを補助することを含む。場合によっては、本方法はまた、可変力をエネルギー貯蔵部材によって加えられる可変力をバランス機構によってディスプレイに加えられる実質的に一定の力に変換することを含む。バランス機構は、ここに記載したバランス機構のいずれかで構成することができる。一実施形態においては、バランス機構は、第1カムと、第1カムに回転可能に結合された第2カムと、第1カムおよび第2カムに回転可能に結合されたホイールとを備えている。第1カムおよび第2カムは、エネルギー貯蔵部材によって加えられる可変力をディスプレイに作用する実質的に一定の力に変換するように構成されている。かかる方法は、ここに記載したリフト機構、ディスプレイ位置決め装置、および高さ調節可能なデスクのいずれかを作動させることによって実行することができる。
【0092】
幾つかの実施形態においては、この方法はまた、垂直な移動範囲内でディスプレイを下降させることおよびエネルギー貯蔵部材によって与えられる追加的な可変力によってディスプレイの下降に抵抗を与えることが含まれる。この場合、第1カムおよび第2カムは、エネルギー貯蔵部材によって与えられる追加的な可変力をディスプレイに作用する実質的に一定の力に変換するように構成されている。例えば、
図109のエネルギー貯蔵部材144が収縮すると、エネルギー貯蔵部材144はリフト機構の取付部の動きに抵抗する可変力を提供する。幾つかの実施形態によれば、可変力を実質的に一定の力に変換することで、垂直な移動範囲内でのディスプレイの位置をブレーキ機構なしに維持することが可能となる。
【0093】
ディスプレイを移動させることは、リフト機構の構成に応じて任意の適切な態様にて行うことができる(例えば、上述したような機構に応じて)。幾つかの実施形態においては、ディスプレイを昇降させることは、取付部を支柱部に対して相対的に移動させることを含む。ある場合においては、取付部を支柱部に対して相対的に移動させることは、
図20Aないし
図21Dに示した伸縮型のリフト機構の例におけるように、外側管部内の内側管部を外側管部に対して相対的に移動させることを含む。場合によっては、ディスプレイは、移動可能な作業面(例えば、高さ調節可能なデスクの一部)上に位置づけられまたは取り付けられてもよく、ディスプレイを移動させることは移動可能な作業面を支柱部に対して相対的に移動させることを含む。
【0094】
以上のとおり本発明の複数の実施形態について開示したところ、本発明はある開示された複数の実施形態を参照して相当程度詳細に設明されているが、開示された複数の実施形態は説明の便宜のため提示されたものであって、本発明を限定する趣旨のものではなく、他の複数の実施形態も存在しうる。当業者であれば、本発明の趣旨および添付の請求項に係る請求の範囲を逸脱しない範囲において、様々な変更、適合化および改変、適応化を施すことができることが理解しうるであろう。