特許第5799100号(P5799100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5799100結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物およびテクスチャエッチング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799100
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物およびテクスチャエッチング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/308 20060101AFI20151001BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20151001BHJP
   H01L 31/0236 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   H01L21/308 B
   H01L21/306 B
   H01L31/04 280
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-524050(P2013-524050)
(86)(22)【出願日】2011年8月12日
(65)【公表番号】特表2013-539212(P2013-539212A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】KR2011005949
(87)【国際公開番号】WO2012021026
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年7月25日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0077621
(32)【優先日】2010年8月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン ヒュンピョ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】イム デソン
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/072438(WO,A1)
【文献】 特表2005−537680(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/129555(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/308
H01L 21/306
H01L 31/0236
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の総重量に対して、(A)アルカリ化合物0.1〜20重量%;(B)沸点が100℃以上の環状化合物(ただし、環状カルボン酸を除く)0.1〜50重量%;(C)シリカを含む化合物0.00001〜10重量%;および(D)残量の水を含み、
前記(B)沸点が100℃以上の環状化合物は、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−フェニルモルホリン、N−ココモルホリン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、N−(2−シアノエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミルモルホリン、N−メチルモルホリン−N−オキサイド、ピコリン、N−メチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−メチルイミダゾリジノン、ジメチルイミダゾリジノン、N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンウレア、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−m−トルイジン、ジメチルベンジルアミン、γ−ブチロラクトン、トリルトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、2−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、および2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ブチルフェノールからなる群より選択される1種または2種以上の化合物であることを特徴とする、結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物。
【請求項2】
前記(A)アルカリ化合物は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、テトラヒドロキシメチルアンモニウム、およびテトラヒドロキシエチルアンモニウムからなる群より選択される1種または2種以上の化合物を混合して使用することを特徴とする、請求項1記載の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物。
【請求項3】
前記(C)シリカを含む化合物が、微粉末シリカ;NaOで安定化させたコロイドシリカ溶液;KOで安定化させたコロイドシリカ溶液;酸性液で安定化させたコロイドシリカ溶液;NHで安定化させたコロイドシリカ溶液;エチルアルコール、プロピルアルコール、エチレングリコール、メチルエチルケトン(MEK)、およびメチルイソブチルケトン(MIBK)を含む群より選択された有機溶媒上で安定化したコロイドシリカ溶液;液状ケイ酸ナトリウム;液状ケイ酸カリウム;および液状ケイ酸リチウムからなる群より選択される1種または2種以上に由来することを特徴とする、請求項1記載の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物。
【請求項4】
(E)フッ素系界面活性剤0.000001〜10重量%をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物。
【請求項5】
前記(E)フッ素系界面活性剤は、過フッ素アルキルカルボキシ酸塩、過フッ素アルキルスルホン酸塩、過フッ素アルキル硫酸塩、過フッ素アルキルリン酸塩を含む陰イオン系フッ素界面活性剤;過フッ素アルキルアミン塩、過フッ素アルキル4級アンモニウム塩を含む陽イオン系フッ素界面活性剤;過フッ素アルキルカルボキシベタイン、過フッ素アルキルスルホベタインを含む両性イオン系フッ素界面活性剤;およびフッ素化アルキルポリオキシエチレン、過フッ素アルキルポリオキシエチレンを含む非イオン系フッ素界面活性剤から選択された1種または2種以上であることを特徴とする、請求項記載の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物。
【請求項6】
前記環状化合物の沸点が150℃以上400℃以下であることを特徴とする、請求項1記載の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物。
【請求項7】
請求項1ないしのいずれか1項記載の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物を、50〜100℃の温度で30秒〜60分間浸漬、噴霧、または浸漬および噴霧し、結晶性シリコンをテクスチャエッチングすることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物およびこの組成物を用いる結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング方法に関するものであって、より詳細には、結晶性シリコンウエハの表面を光吸収率が高くなるように均一に微細ピラミッド構造化することができる結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物およびこれを用いる結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング方法に関するものである。本出願は、2010年8月12日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2010−0077621号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
全世界的に化石エネルギーの枯渇、原油価格の上昇、気候変化や環境問題などにより、新しい電力源である新再生エネルギーの導入が活発である。現在、化石燃料の代替エネルギーとして使用される新再生エネルギーの例には、太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマス、燃料電池、水力などがある。そのうち、最も活発に普及されている技術は、太陽電池を用いた太陽光発電である。
【0003】
太陽電池は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する光電池である。光電池には、金属と半導体との接触を利用したセレン光電池、亜硫酸銅光電池、PN半導体の原理を利用した結晶性シリコン光電池などがある。前記シリコン光電池は、シリコンにボロン(boron、ホウ素)を添加したP型シリコン半導体をベースとし、その表面にリン(phosphorus)を拡散させてN型シリコン半導体層を形成させたPN接合半導体基板で作られる。PN接合によって電界が形成された基板に太陽光のような光を照射する場合、半導体内の電子(−)と正孔(+)が励起され、半導体の内部を自由に移動する状態になる。このようなPN接合によって生じた電界に入ると、電子(−)はN型半導体に、正孔(+)はP型半導体に達するようになる。前記P型半導体とN型半導体の表面に電極を形成して電子を外部回路に流すと、電流が発生する。この原理により、太陽エネルギーが電気エネルギーに変換される。したがって、シリコン光電池の単位面積あたりの電気的出力を極大化させるためには、反射率は低く、光吸収量を最大化させなければならない。このために、太陽電池用シリコンウエハの表面を微細ピラミッド構造に形成させ、反射防止膜処理を施している。微細ピラミッド構造にテクスチャリングされたシリコン表面は、広い波長帯を有する入射光の反射率を低下させ、予め吸収された光の強度を増加させることにより、太陽電池の性能、すなわち、効率を高めることができる。これまでシリコンウエハ表面の微細ピラミッド構造化のために多様な方法が研究開発されてきており、その具体例は次のとおりである。
【0004】
米国登録特許第4,137,123号は、0〜75重量%のエチレングリコール、0.05〜50重量%の水酸化カリウム、そして、残量の脱イオン蒸溜水で構成された異方性エッチング液に0.5〜10重量%のシリコンを溶解させたシリコンテクスチャエッチング液を開示してある。しかし、前記テクスチャエッチング液を使用すると、ピラミッドの形成不良によって光反射率が増加し、効率の低下をもたらす問題があった。
【0005】
欧州公開特許第0477424A1号は、エチレングリコール、水酸化カリウム、および残量の脱イオン蒸留水にシリコンを溶解させたテクスチャエッチング液に酸素を供給させる、すなわち、エアレーティング工程を伴うテクスチャエッチング方法を開示している。しかし、前記テクスチャエッチング方法を利用すると、ピラミッドの形成不良によって光反射率が増加し、効率の低下をもたらし、別のエアレーティング装置が設けられなければならない欠点もあった。
【0006】
大韓民国特許公開番号第1997−0052617号は、水酸化カリウム溶液が0.5〜5体積%、イソプロピルアルコールが3.0〜20体積%、脱イオン水が75〜96.5体積%の割合で混合されたテクスチャエッチング溶液を開示している。また、米国登録特許第6,451,218号は、アルカリ化合物、イソプロパノール、水溶性アルカリ性エチレングリコール、および残量の脱イオン蒸留水で構成されたテクスチャエッチング液を開示している。しかし、前記テクスチャエッチング溶液は、イソプロピルアルコールの低沸点により、テクスチャ工程中にイソプロピルアルコールを追加投入しなければならないため、イソプロピルアルコールの使用量が多くなり、生産性、経済性の面で不利なだけでなく、テクスチャ工程中においてイソプロピルアルコールの投入による薬液の温度勾配が発生し、シリコンウエハ表面のテクスチャの均一性が低下する問題があった。
【0007】
前述のように、従来技術にかかるシリコンウエハのテクスチャ工程では、水酸化カリウムのみを使用する場合、異方性エッチングになり、反射率が高くなる問題があった。これを解決するために、水酸化カリウムとイソプロピルアルコールを併用したが、テクスチャ工程が75〜80℃で行われるため、沸点が80℃のイソプロピルアルコールが揮発し、これにより、工程中にイソプロピルアルコールを追加しなければならず、薬液間の温度勾配が発生し、ウエハ表面のテクスチャの均一度が低下するなどの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題は、結晶性シリコンウエハの表面を光吸収がよくできる微細ピラミッド構造で均一にすることができ、高沸点の環状化合物を用いることで、既存に使用されたテクスチャエッチング液組成物に比べて使用量を顕著に低減し、処理枚数を増加させることができるだけでなく、微細ピラミッド形成のための別のシリコン粒子、エアレーティング工程(酸素供給工程)または工程中において薬液の投入を必要としない、結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物およびこれを用いる結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、組成物の総重量に対して、(A)アルカリ化合物0.1〜20重量%;(B)沸点が100℃以上の環状化合物0.1〜50重量%;(C)シリカを含む化合物0.00001〜10重量%;および(D)残量の水を含むことを特徴とする、結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物を提供する。
【0010】
また、本発明は、前記結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物を用いることを特徴とする、結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物は、シリコンウエハ表面の均一な微細ピラミッド構造の形成により光の吸収量を極大化することができ、既存のテクスチャエッチング液組成物に比べて処理枚数が大幅に改善されて経済的に有利なだけでなく、テクスチャ工程中において薬液の投入、別のエアレーティング装置の導入を必要とせず、初期生産工程費用、工程費用、均一な微細ピラミッド構造の形成などの面で非常に優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例6の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物を適用した単結晶シリコンウエハのテクスチャを示す光学顕微鏡写真である。
図2】実施例6の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物でテクスチャされた単結晶シリコンウエハの表面を示すSEM写真である。
図3】実施例6の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物でテクスチャされた単結晶シリコンウエハの断面を示すSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明は、結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物およびこの組成物を用いる結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング方法に関するものであって、より詳細には、結晶性シリコンウエハの表面を光吸収がよくできるように均一な微細ピラミッド構造化することができる結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物およびこれを用いる結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング方法を提供する。
【0015】
本発明の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物は、(A)アルカリ化合物;(B)沸点が100℃以上の環状化合物;(C)シリカを含む化合物;および(D)水を含む。
【0016】
本発明の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物に含まれる(A)アルカリ化合物は、組成物の総重量に対して、0.1〜20重量%含まれ、1〜5重量%含まれることが好ましい。前述した範囲を満足すると、結晶性シリコン表面のエッチングが行われる。
【0017】
前記(A)アルカリ化合物はこれに制限されるものではないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、テトラヒドロキシメチルアンモニウム、およびテトラヒドロキシエチルアンモニウムからなる群より選択される1種または2種以上を混合して使用することができ、水酸化カリウムおよび/または水酸化ナトリウムを使用することがより好ましい。
【0018】
本発明の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物に含まれる(B)沸点が100℃以上、好ましくは150℃以上400℃以下の環状化合物は、組成物の総重量に対して、0.1〜50重量%含まれ、2〜10重量%含まれることが好ましい。前述した範囲を満足すると、前記環状化合物が結晶性シリコン表面の濡れ性を改善させ、アルカリ化合物による過エッチングを防止することにより、均一な微細ピラミッドを形成させる。また、エッチングされて溶解した水素バブルを速やかに落とすことにより、バブルスティック現象が発生するのを防止する役割も果たす。
【0019】
ここで、前記環状化合物は、C〜C10の環状炭化水素;およびN、OまたはSのヘテロ原子を1個以上含むC〜C10のヘテロ環状炭化水素を含む化合物を意味する。
【0020】
前記(B)沸点が100℃以上の環状化合物は、ピペラジン類、モルホリン類、ピリジン類、ピペリジン類、ピペリドン類、ピロリジン類、ピロリドン類、イミダゾリジノン類、フラン類、アニリン類、トルイジン類、およびラクトン類からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。前記沸点が100℃以上の環状化合物の具体例としては、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−フェニルモルホリン、N−ココモルホリン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、N−(2−シアノエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミルモルホリン、N−メチルモルホリン−N−オキサイド、ピコリン、N−メチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−メチル−4−ピペリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−メチルピロリジン、N−メチルピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−イソプロピル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、N−tert−ブチル−2−ピロリドン、N−ヘキシル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−(2−メトキシエチル)−2−ピロリドン、N−(2−メトキシプロピル)−2−ピロリドン、N−(2−エトキシエチル)−2−ピロリドン、N−メチルイミダゾリジノン、ジメチルイミダゾリジノン、N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンウレア、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−m−トルイジン、ジメチルベンジルアミン、γ−ブチロラクトン、トリルトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、2−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、ニトロベンゾトリアゾール、および2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ブチルフェノールなどを挙げることができる。
【0021】
本発明の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物に含まれる(C)シリカを含む化合物は、組成物の総重量に対して、0.00001〜10重量%含まれ、0.0001〜1重量%含まれることが好ましい。前述した範囲を満足すると、前記シリカを含む化合物が結晶性シリコン表面に物理的に吸着して一種のマスクの役割を果たすことにより、シリコン表面をピラミッド形状にする役割を果たす。
【0022】
前記(C)シリカを含む化合物としては、微粉末シリカ、シリカを含むコロイド溶液、および液状ケイ酸金属化合物からなる群より選択される1種または2種以上に由来することが好ましい。前記シリカを含む化合物の具体例としては、微粉末シリカ;NaOで安定化させたコロイドシリカ溶液;KOで安定化させたコロイドシリカ溶液;酸性液で安定化させたコロイドシリカ溶液;NHで安定化させたコロイドシリカ溶液;エチルアルコール、プロピルアルコール、エチレングリコール、メチルエチルケトン(Methyl ethyl ketone、MEK)、およびメチルイソブチルケトン(Methyl isobutyl ketone、MIBK)などの有機溶媒上で安定化したコロイドシリカ溶液;液状ケイ酸ナトリウム;液状ケイ酸カリウム;および液状ケイ酸リチウムなどに由来することが好ましい。
【0023】
本発明の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物に含まれる(D)水は、組成物の総重量が100重量%となるように残量含まれる。前記水は、脱イオン蒸溜水であることが好ましく、前記脱イオン蒸溜水は、半導体工程用を使用し、好ましくは、比抵抗値が18MΩ/cm以上である。
【0024】
本発明の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物は、追加的に(E)フッ素系界面活性剤をさらに含むことができ、これは、組成物の総重量に対して、0.000001〜10重量%含まれ、0.0001〜1重量%含まれることが好ましい。前述した範囲を満足すると、前記沸点が100℃以上の環状化合物とともにテクスチャ溶液の表面張力を低下させて結晶性シリコン表面の濡れ性を改善させ、アルカリ化合物による過エッチングを防止する役割を果たす。
【0025】
前記フッ素系界面活性剤としては、陰イオン系フッ素界面活性剤類、陽イオン系フッ素界面活性剤類、両性イオン系フッ素界面活性剤類、および非イオン系フッ素界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上を混合して使用することが好ましい。前記フッ素系界面活性剤の具体例としては、過フッ素アルキルカルボキシ酸塩、過フッ素アルキルスルホン酸塩、過フッ素アルキル硫酸塩、過フッ素アルキルリン酸塩を含む陰イオン系フッ素界面活性剤;過フッ素アルキルアミン塩、過フッ素アルキル4級アンモニウム塩を含む陽イオン系フッ素界面活性剤;過フッ素アルキルカルボキシベタイン、過フッ素アルキルスルホベタインを含む両性イオン系フッ素界面活性剤;およびフッ素化アルキルポリオキシエチレン、過フッ素アルキルポリオキシエチレンを含む非イオン系フッ素界面活性剤などを挙げることができる。
【0026】
本発明の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物は、ディップ方式、噴霧式および枚葉式エッチング工程にすべて適用することができる。
【0027】
本発明はまた、組成物の総重量に対して、(A)アルカリ化合物0.1〜20重量%、(B)沸点が100℃以上の環状化合物0.1〜50重量%、(C)シリカを含む化合物0.00001〜10重量%、(D)残量の水、および場合によって(E)フッ素系界面活性剤0.000001〜10重量%を追加的に含む結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物を、50〜100℃の温度で30秒〜60分間浸漬、噴霧、または浸漬および噴霧し、結晶性シリコンをテクスチャエッチングする方法を提供する。
【0028】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、これらの実施例は本発明をより具体的に説明するためのものであって、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。下記の実施例は、本発明の範囲内で当業者によって適切に修正、変更可能である。
【0029】
−実施例1ないし実施例14および比較例1ないし4:結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物の製造−
下記表1に記載の成分および組成比によって実施例1ないし14および比較例1ないし4の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物を製造した。
【0030】
【表1】
注)KOH:水酸化カリウム NaOH:水酸化ナトリウム
NMP:N−メチルピロリドン NMM:N−メチルモルホリン
AEP:アミノエチルピペラジン GBL:γ−ブチロラクトン
IPA:イソプロピルアルコール EG:エチレングリコール
MDG:メチルジグリコール MEA:モノエチルアミン
PFAS:過フッ素アルキル硫酸塩 PFAP:過フッ素アルキルリン酸塩
SSS:液状ケイ酸ナトリウム CS:コロイドシリカ(NaOを用いた安定化)
−試験例:結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物の特性評価−
単結晶シリコンウエハガラス基板を、実施例1ないし実施例14および比較例1ないし比較例4の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物に浸漬させた。この時、テクスチャの条件は、温度80℃、時間30分であった。各組成物に対するテクスチャの均一性は目視評価(デジタルカメラ)、光学顕微鏡、SEMなどを用い、ピラミッドの大きさはSEMを用いて評価した。そして、UVを用いて、400〜800nmの波長帯を有する光を照射した時の平均反射率を測定した。その結果を、表2および図1ないし図3に示した。
【0031】
【表2】
*テクスチャの均一性
◎:ウエハの全面にピラミッド形成
○:ウエハの一部にピラミッド未形成(ピラミッド構造の未形成程度5%未満)
X:ウエハにピラミッド未形成(ピラミッドの未形成程度90%以上)
薬液変色:テクスチャ工程温度への昇温時、自体の経時変化が発生し、テクスチャテストを必要としないという意味
表2および図1ないし図3を参照すれば、実施例1ないし14のシリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物を用いた単結晶シリコンウエハのテクスチャの均一性に優れていることが分かる。
【0032】
しかし、比較例1のテクスチャエッチング液組成物は、IPAの低沸点により、テクスチャ工程中にIPAを持続的に投入することによって発生するテクスチャの均一性不良(工程中の中間投入によって温度勾配が発生したことに起因)およびテクスチャ費用増加などの問題が発生する。
【0033】
また、比較例2の場合、テクスチャの均一性、反射率の面において、本発明の組成物である実施例1ないし14のシリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物に比べて大きく劣る特性を示す。比較例3、4の場合には、テクスチャ工程温度への昇温時、自体の経時変化が発生し、テクスチャテストを行う必要がなかった。
【0034】
一方、図1は、実施例6の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物を用いて形成された単結晶シリコンウエハのテクスチャを示す光学顕微鏡写真である。図2は、実施例6の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物でテクスチャされた単結晶シリコンウエハの表面を示すSEM写真である。図3は、実施例6の結晶性シリコンウエハのテクスチャエッチング液組成物でテクスチャされた単結晶シリコンウエハの断面を示すSEM写真である。図1ないし図3を参照すれば、ウエハの全面にわたってピラミッドが均一に形成されていることが分かる。
図1
図2
図3