【実施例1】
【0010】
本実施例の画像形成システムは、
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1とパーソナルコンピュータ等の上位装置2とをLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続して構成される。
上位装置2は、ユーザが印刷におけるユーザ設定や印刷指示等を入力する図示しない入力部を備え、印刷する画像データを伴う印刷指示の入力を受付けて、その画像データを編集し処理してプリンタ1が解釈する印刷データヘ変換する機能等を有するプリンタドライバ3がインストールされている。
【0011】
また、プリンタドライバ3には、割付設定を基に、複数の画像データを縮小して1ページに印刷する割付印刷の印刷データを生成する機能(1ページ分の画像データを1ページ分の印刷データとして生成する機能を含む。)等を有する割付制御部4が形成されている。
6はプリンタ1の制御部であり、インタフェース部7によって上位装置2と接続しており、プリンタ1内の各部を制御して印刷処理等を実行する機能、上位装置2との間でデータの送受を行う機能等を有している。
【0012】
8はプリンタ1の記憶部であり、制御部6が実行するプログラムを格納するROM(Read Only Memory)、制御部6が各種処理を行うときのワークメモリやデータを受信するときのバッファとして使用するRAM(Random Access Memory)、電源をオフしても記憶させておきたい各種の設定値等を格納しておくためのEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を備えている。
【0013】
9は操作表示部であり、プリンタ1の現在の状態を表示する表示部10、本実施例のコスト優先モードと通常モードとの切替えを行う印刷モードの設定手段であるモード設定キー11等を備えている(
図2参照)。
【0014】
12は印刷制御部であり、制御部6から指定された印刷濃度設定の設定値で、図示しない現像部によって形成するトナー像の濃度を制御しながら、印刷部13の帯電、感光、現像、転写、定着の各工程の電圧制御や用紙搬送のための搬送経路を構成する搬送ローラ等を駆動するモ−タ等の回転制御を行って、制御部6から送信された印刷データを、図示しない給紙カセットから繰出した用紙等の片面に印刷する機能を有している。
【0015】
14は両面印刷制御部であり、制御部6から指定された両面印刷設定を基に、おもて面の片面印刷を終え、定着器15から排出された用紙の搬送経路を切替え、表裏を反転させて現像部へ搬送し、その裏面への印刷を印刷制御部12と連携して制御する機能を有している。
16は定着温度制御部であり、制御部6から指定された定着温度設定の設定値、つまり設定温度を基に、定着器15の加熱ローラの温度を制御して設定温度に維持する機能を有している。
【0016】
本実施例の操作表示部9の表示部10には、
図2に示すように、プリンタ1の現在の状態が表示され、
図2(a)の例では、オンライン状態、つまり上位装置とのインタフェース部7を介した接続が確保されている状態が表示され、その状態でモード設定キー11が押下されると、
図2(b)に示すように、表示部10の右側にモード表示18として印刷モードがコスト優先モードであることを示す記号「C」が表示され、その状態で再びモード設定キー11が押下されると、
図2(a)に示すように、記号「C」は表示部10から消えて、モード表示18は、印刷モードが通常モード(ユーザ設定の設定値で印刷を実行するモードのことをいう。)であることを示す無表示になる。
【0017】
つまり、本実施例のモード設定キー11は、押下される度に、通常モード→コスト優先モード→通常モード・・・と印刷モードが切替わるように構成されている。
また、この切替え後の印刷モードは、記憶部8のEEPROMに記憶され、電源オフ時においても記憶が保持されるようになっている。
【0018】
上記の上位装置2のプリンタドライバ3の記憶エリアには、
図3に示すように、コスト優先モードによる印刷を実行するための割付設定、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定の各設定値からなる節約設定が予め設定されて格納されている。
なお、
図3に示すユーザ設定の各設定値は、ユーザが印刷指示を入力する際に、ユーザ設定の設定画面から入力して設定した設定値である。
【0019】
以下に、
図4に示すフローチャートを用い、Sで示すステップに従って、本実施例のプリンタ1の印刷処理について説明する。
S1:制御部6は、モード設定キー11が押下されるのを待って待機しており、ユーザがモード設定キー11を押下したときにステップS2へ移行する。
【0020】
S2:操作表示部9から出力信号によりモード設定キー11が押下されたことを認識した制御部6は、記憶部8のEEPROMの印刷モードを示すデータエリアに格納されている印刷モードを読出し、読出した印刷モードが通常モードの場合は、コスト優先モードへの切替えを判定してステップS4へ移行する。読出した印刷モードがコスト優先モードの場合は、通常モードへの切替えを判定してステップS3へ移行する。
【0021】
S3:通常モードへの切替えを判定した制御部6は、印刷モードを通常モードに切替えた旨のモード切替通知をインタフェース部7を介して上位装置2(後述するステップSA1)へ送信してステップS5へ移行する。
S4:コスト優先モードへの切替えを判定した制御部6は、印刷モードをコスト優先モードに切替えた旨のモード切替通知をインタフェース部7を介して上位装置2(後述するステップSA1)へ送信してステップS5へ移行する。
【0022】
S5:モード切替通知を送信した制御部6は、記憶部8のEEPROMのデータエリアの印刷モードを、切替え後の印刷モードに書き換える。
S6:これと同時に制御部6は、操作表示部9の表示部10の表示を切替え後の印刷モードに変更する。
【0023】
この場合に表示部10には、通常モードに切替えたときは、印刷モードが通常モードであることがわかるようにモード表示18を無表示とした画面が表示され(
図2(a)参照)、コスト優先モードに切替えたときは、印刷モードがコスト優先モードであることがわかるようにモード表示18を「C」とした画面が表示される(
図2(b)参照)。
【0024】
S7:切替え後の印刷モードの格納および表示を終えた制御部6は、上位装置2(後述するステップSA9)からの印刷指令の受信を待って待機し、上位装置2からの印刷指令を受信したときに、ステップS8へ移行する。印刷指令を受信しないときは、前記の待機を継続する。
S8:上位装置2からの印刷指令を受信した制御部6は、受信した印刷指令に基づいて、印刷指令の印刷データを用紙に印刷する。なお、印刷動作の詳細については後述する。
【0025】
以下に、
図5に示すフローチャートを用い、SAで示すステップに従って、本実施例の上位装置2のモード設定処理について説明する。
SA1:上位装置2は、プリンタ1からのモード切替通知の受信を待って待機しており、プリンタ1(
図4に示すステップS3またはS4)からモード切替通知を受信したときに、受信した印刷モードをプリンタドライバ3の記憶エリアへ格納して、ステップSA2へ移行する。
【0026】
SA2:上位装置2は、ユーザが印刷指示を入力するのを待って待機しており、ユーザが印刷指示を入力したときに、ステップSA3へ移行する。ユーザが印刷指示を入力しない場合は、前記の待機を継続する。
この場合にユーザは、上位装置2の画面から印刷する画像データを選択し、ユーザ設定の設定画面から、ユーザ設定とする割付設定、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定の各設定値を入力して、そのユーザ設定と選択した画像データからなる印刷指示を入力する。
【0027】
なお、本実施例の説明においては、ユーザは設定画面で設定値の入力を行わなかったとして説明する。この場合の印刷指示のユーザ設定は、プリンタドライバ3に予めデフォルトのユーザ設定として設定されている設定値が設定される(
図3のユーザ設定参照)。
【0028】
SA3:ユーザの印刷指示を認識した上位装置2は、印刷指示のユーザ設定をプリンタドライバ3の記憶エリアに格納すると共に、プリンタドライバ3の記憶エリアに格納されている印刷モードを確認し、印刷モードが通常モードの場合は、通常モードによる印刷を判定してステップSA4へ移行する。
印刷モードがコスト優先モードの場合は、コスト優先モードによる印刷を判定してステップSA5へ移行する。
【0029】
SA4:通常モードによる印刷を判定した上位装置2は、プリンタドライバ3の記憶エリアから
図3に示すユーザ設定の割付設定、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定を読出し、その各設定値を基に印刷指令を作成する。
すなわち、上位装置2は、ユーザ設定の割付設定の設定値が「1面」であるので、割付制御部4によって、印刷指示の各画像データを、それぞれ1ページ分とした印刷データを生成し、生成した印刷データと、印刷濃度設定を「トナーセーブなし」つまりセーブ率0%、両面印刷設定を「片面印刷」、定着温度設定を「180℃」とした各設定からなる印刷指令を作成してステップSA9へ移行する。
【0030】
SA5:コスト優先モードによる印刷を判定した上位装置2は、プリンタドライバ3の記憶エリアから
図3に示す節約設定の割付設定、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定を読出し、印刷指令を作成するために、まず印刷データを生成する。
すなわち、上位装置2は、節約設定の割付設定の設定値である割付面数が「4面」であるので、割付制御部4によって、印刷指示の各画像データを、それぞれ縮小して、割付設定の設定値に相当する4ページ分の画像データを1ページ分とした割付印刷の印刷データを生成する。
【0031】
そして、上位装置2は、印刷濃度設定を「セーブ率30%」に設定し(SA6)、定着温度設定を「170℃」に設定し(SA7)、両面印刷設定を「両面印刷」に設定し(SA8)、これらの各設定とステップSA5で生成した割付印刷の印刷データからなる、コスト優先モードにおける印刷指令を作成してステップSA9へ移行する。
【0032】
SA9:印刷指令を作成した上位装置2は、これをプリンタ1(
図4に示すステップS7)へ送信して、今回の印刷指示に基づくモード設定処理を終了する。
一方、ステップS7において上位装置2からの印刷指令をインタフェース部7を介して受信したプリンタ1の制御部6は、ステップS8において、受信した印刷指令の印刷データを用紙に印刷する。
【0033】
すなわち、制御部6は、受信した印刷指令を記憶部8のRAM内の受信バッファに記憶し、その印刷指令を解釈して印刷データをRAM内のプリントバッファに展開し、定着温度制御部16へ印刷指令の定着温度設定の設定値を送信し、定着温度制御部16は指定された設定値を基に、定着器15の定着温度を制御する。
【0034】
また、制御部6は、印刷指令の印刷濃度設定の設定値を指定して印刷データと共に印刷制御部12へ送信し、印刷制御部12は、指定された印刷濃度設定の設定値で、図示しない現像部によって形成するトナー像の濃度を制御しながら、所定のタイミングで印刷部13を動作させ、送信された印刷データの画像のトナー像を、用紙に転写し、これを定着温度制御部16により温度制御されている定着器15で定着して用紙のおもて面に画像を印刷する。
【0035】
更に、制御部6は、両面印刷制御部14へ印刷指令の両面印刷設定の設定値を送信し、両面印刷制御部14は指定された設定値を基に両面印刷の要否を判定し、その設定値が片面印刷の場合は、定着器15から排出された片面印刷済みの用紙をプリンタ1の排出口へ搬送して外部に排出する。
【0036】
指定された設定値が両面印刷の場合は、定着器15から排出された片面印刷済みの用紙の搬送経路を切替え、表裏を反転させて現像部へ搬送し、そのタイミングで印刷制御部12と連携して搬送した用紙の裏面への印刷を行い、両面印刷済みの用紙をプリンタ1の排出口へ搬送して外部に排出する。
このようにして、本実施例プリンタ1の制御部6による上位装置2からの印刷指令に基づく各設定値を印刷指定とした印刷データの印刷処理が実行される。
【0037】
この印刷処理において、上位装置2のステップSA4で作成された印刷指令を受信した場合は、
図3に示すユーザ設定の印刷濃度設定を「トナーセーブなし」、両面印刷設定を「片面印刷」、定着温度設定を「180℃」とした各設定、および割付制御部4によって生成された印刷指示の各画像データを、それぞれ1ページ分とした印刷データからなる印刷指令に基づいて、ユーザが選択した画像データのページ数に相当する枚数の用紙のおもて面に片面印刷した印刷が行われ、上位装置2のステップSA5〜SA8で作成された印刷指令を受信した場合は、
図3に示す節約設定の印刷濃度設定を「セーブ率30%」、両面印刷設定を「両面印刷」、定着温度設定を「170℃」とした各設定、および割付制御部4によって生成された印刷指示の各画像データの4ページ分を、1ページ分とした割付印刷の印刷データからなる印刷指令に基づいて、ユーザが選択した画像データのページ数の1/8に相当する枚数の用紙の表裏の面にそれぞれ4面ずつ両面印刷した印刷が行われる。
【0038】
以上説明したように、本実施例によれば、ユーザがモード設定キーによってコスト優先モードを入力すれば、予め設定された節約設定の割付設定、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定で印刷することができ、トナーや用紙等の消耗品の消費量および定着器への供給電力を削減して、コストを抑えた印刷を行うことができると共に、コストを考慮して印刷における各設定の設定値を設定するという煩わしい作業の必要がなくなり、印刷作業における作業性を向上することができる。
【実施例2】
【0039】
以下に、
図6ないし
図8を用いて本実施例の画像形成システムについて説明する。なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の画像形成システムの構成は、上記実施例1の
図1に示す構成と同様である。
本実施例の作用について、以下に説明する。
本実施例のプリンタ1の印刷処理は、上記実施例1で
図4を用いて説明した処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0040】
以下に、
図6に示すフローチャートを用い、SBで示すステップに従って、本実施例の上位装置2のモード設定処理について説明する。
本実施例のステップSB1〜SB4の処理は、上記実施例1のSA1〜SA4の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0041】
SB5:ステップSB3において、コスト優先モードによる印刷を判定した上位装置2は、プリンタドライバ3の記憶エリアから節約設定およびユーザ設定の割付設定、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定を読出し、それぞれの割付設定の設定値つまり割付面数のいずれが低コストかを比較し、節約設定の割付面数がユーザ設定の割付面数より多い場合、つまり低コストの場合は、コスト優先モードにおける割付設定の設定値を節約設定の割付面数に設定してステップSB7へ移行する。ユーザ設定の割付面数が節約設定の割付面数より多い場合はステップSB6へ移行する。
【0042】
SB6:ユーザ設定の割付面数が節約設定の割付面数より低コストであることを判定した上位装置2は、コスト優先モードにおける割付設定の設定値をユーザ設定の割付面数に設定してステップSB7へ移行する。
図7に示す例では、節約設定の割付面数「4面」より太枠で示したユーザ設定の割付面数「16面」の方が多いので、ステップSB6において、ユーザ設定の割付面数がコスト優先モードにおける割付設定の設定値として設定される。
【0043】
SB7:コスト優先モードにおける割付設定の設定値を設定した上位装置2は、設定された割付設定の設定値に基づいて、割付制御部4によって、印刷指示の各画像データを、それぞれ縮小して、割付設定の設定値に相当するページ数分の画像データを1ペ−ジ分とした割付印刷の印刷データを生成して、ステップSB8へ移行する。
【0044】
SB8:割付印刷の印刷データを生成した上位装置2は、それぞれの印刷濃度設定の設定値つまりトナーのセーブ率のいずれが低コストかを比較し、節約設定のセーブ率がユーザ設定のセーブ率より大きい場合、つまり低コストの場合は、コスト優先モードにおける印刷濃度設定の設定値を節約設定のセーブ率に設定してステップSB10へ移行する。ユーザ設定のセーブ率が節約設定のセーブ率より大きい場合はステップSB9へ移行する。
【0045】
SB9:ユーザ設定のトナーのセーブ率が節約設定のセーブ率より低コストであることを判定した上位装置2は、コスト優先モードにおける印刷濃度設定の設定値をユーザ設定のセーブ率に設定してステップSB10へ移行する。
図8に示す例では、節約設定のトナーのセーブ率「30%」より太枠で示したユーザ設定のセーブ率「50%」の方が大きいので、ステップSB9において、ユーザ設定のセーブ率がコスト優先モードにおける印刷濃度設定の設定値として設定される。
【0046】
SB10:コスト優先モードにおける印刷濃度設定の設定値を設定した上位装置2は、それぞれの定着温度設定の設定値つまり定着温度のいずれが低コストかを比較し、節約設定の定着温度がユーザ設定の定着温度より低い場合、つまり低コストの場合は、コスト優先モードにおける定着温度設定の設定値を節約設定の定着温度に設定してステップSB12へ移行する。ユーザ設定の定着温度が節約設定の定着温度より低い場合はステップSB11へ移行する。
【0047】
SB11:ユーザ設定の定着温度が節約設定の定着温度より低コストであることを判定した上位装置2は、コスト優先モードにおける定着温度設定の設定値をユーザ設定の定着温度に設定してステップSB12へ移行する。
図7に示す例では、ユーザ設定の定着温度「180℃」より太枠で示した節約設定の定着温度「170℃」の方が低いので、ステップSB10において、節約設定の定着温度がコスト優先モードにおける定着温度設定の設定値として設定される。
【0048】
なお、節約設定の定着温度は、その下限値の定着温度を設定しておき、これより低い温度をユーザが設定した場合には、定着不良等が生じる恐れがあるため、節約設定の定着温度を、例外的に定着温度設定の設定値として用いるようにしてもよい。
【0049】
SB12:コスト優先モードにおける定着温度設定の設定値を設定した上位装置2は、それぞれの両面印刷設定の設定値のいずれが低コストかを比較し、節約設定の設定値がユーザ設定の設定値より低コストの場合は、コスト優先モードにおける両面印刷設定の設定値を節約設定の設定値に設定してステップSB14へ移行する。ユーザ設定の設定値が節約設定の設定値より低コストである場合はステップSB13へ移行する。
【0050】
SB13:ユーザ設定の設定値が節約設定の設定値より低コストであることを判定した上位装置2は、コスト優先モードにおける両面印刷設定の設定値をユーザ設定の設定値に設定してステップSB14へ移行する。
図7に示す例では、ユーザ設定の両面印刷設定の設定値「片面印刷」より太枠で示した節約設定の設定値「両面印刷」の方が低コストであるので、ステップSB12において、節約設定の設定値がコスト優先モードにおける両面印刷設定の設定値として設定される。
【0051】
上記のステップSB5〜SB13によって、本実施例のコスト優先モードにおける印刷指令が作成される。
SB14:印刷指令を作成した上位装置2は、これをプリンタ1(
図4に示すステップS7)へ送信して、今回の印刷指示に基づくモード設定処理を終了する。
【0052】
一方、
図4のステップS7において上位装置2からの印刷指令をインタフェース部7を介して受信したプリンタ1の制御部6は、
図4のステップS8において、受信した印刷指令の印刷データを用紙に印刷する。
この場合の印刷動作は、上記実施例1のステップS8における説明と同様であるので、その説明を省略する。
このようにして、本実施例プリンタ1の制御部6による上位装置2からの印刷指令に基づく各設定値を印刷指定とした印刷データの印刷処理が実行される。
【0053】
この印刷処理において、ステップSB4で
図7に示すユーザ設定を基に作成された印刷指令を受信した場合は、印刷濃度設定を「トナーセーブなし」、両面印刷設定を「片面印刷」、定着温度設定を「180℃」とした各設定、および割付制御部4によって生成された印刷指示の各画像データの16ページ分を、それぞれ1ページ分とした印刷データからなる印刷指令に基づいて、ユーザが選択した画像データのページ数の1/16に相当する枚数の用紙のおもて面に16面からなる片面印刷された印刷が行われ、ステップSB5〜SB11で作成された印刷指令を受信した場合は、
図7に太枠で示す、印刷濃度設定を「セーブ率30%」、両面印刷設定を「両面印刷」、定着温度設定を「170℃」とした各設定、および割付制御部4によって生成された印刷指示の各画像データの16ページ分を、1ページ分とした割付印刷の印刷データからなる印刷指令に基づいて、ユーザが選択した画像データのページ数の1/32に相当する枚数の用紙の表裏の面にそれぞれ16面ずつ両面印刷された印刷が行われる。
【0054】
また、ステップSB4で
図8に示すユーザ設定を基に作成された印刷指令を受信した場合は、印刷濃度設定を「セーブ率50%」、両面印刷設定を「片面印刷」、定着温度設定を「180℃」とした各設定、および割付制御部4によって生成された印刷指示の各画像データの2ページ分を、それぞれ1ページ分とした印刷データからなる印刷指令に基づいて、ユーザが選択した画像データのページ数の1/2に相当する枚数の用紙のおもて面に2面からなる片面印刷された印刷が行われ、ステップSB5〜SB11で作成された印刷指令を受信した場合は、
図8に太枠で示す、印刷濃度設定を「セーブ率50%」、両面印刷設定を「両面印刷」、定着温度設定を「170℃」とした各設定、および割付制御部4によって生成された印刷指示の各画像データの4ページ分を、1ページ分とした割付印刷の印刷データからなる印刷指令に基づいて、ユーザが選択した画像データのページ数の1/8に相当する枚数の用紙の表裏の面にそれぞれ4面ずつ両面印刷された印刷が行われる。
【0055】
以上説明したように、本実施例によれば、上記実施例1と同様の効果に加えて、ユーザがモード設定キーによってコスト優先モードを入力すれば、予め設定された節約設定とユーザが設定したユーザ設定との各設定を比較して、より低コストとなる設定値を、割付設定、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定の各設定値として印刷することができ、消耗品の消費量および電力をよりより削減して、よりコストを抑えた印刷を行うことができる。
【0056】
なお、上記各実施例においては、節約設定の設定項目は割付設定、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定からなる4つの設定項目として説明したが、これらの少なくとも2つを節約設定の設定項目とし、他をユーザ設定(デフォルトを含む。)としてもよい。
【0057】
割付設定は用紙枚数の削減とトナー消費量の削減に効果があり、印刷濃度設定はトナー消費量の削減に効果があり、両面印刷設定は用紙枚数の削減に効果があり、定着温度設定は消費電力の削減に効果があるため、これらの中の2項目を節約設定の設定項目として設定すれば、用紙枚数、トナー消費量、消費電力のいずれか2つを削減することができるからである。また、ユーザがコストを考慮して1または2項目を設定すること、例えば、割付設定や両面印刷設定は、通常の設定作業でも行われることであり、煩わしさを感じることは少ないからである。
【0058】
また、上記各実施例においては、節約設定の各設定値は予め設定しておくとして説明したが、節約設定の各設定値を表示操作部や入力部から入力して、EEPROMやプリンタドライバに記憶させるようにしてもよい。
更に、上記各実施例においては、割付印刷の印刷データは上位装置のプリンタドライバの割付制御部が生成するとして説明したが、割付制御部をプリンタに設けると共に操作表示部をユーザによるユーザ設定の入力が可能なように構成し、節約設定の各設定値をプリンタの記憶部に格納しておき、上位装置からはユーザが選択した画像データのみを送信するようにして、プリンタにおいて上記したモード設定処理を行うようにしてもよい。
【0059】
この場合には、
図4に示したステップS2、S3を省略して、S7において上位装置からの画像データを受信するようにし、
図5または
図6に示したモード設定処理をプリンタの制御部による処理とし、SA1、SA2、SA9およびSB1、SB2、SB12を省略して、SA3〜SA8またはSB3〜SB11を、
図4のステップS7とS8の間に挿入し、制御部6が生成した、印刷濃度設定、両面印刷設定、定着温度設定および割付印刷制御部で生成した印刷データからなる印刷指定に基づいて、用紙への印刷を行うようにするとよい。