(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0037】
概して、本発明のニードルアセンブリによれば、ニードルカニューレによる患者の血管確保、血管確保の視覚的表示、医療従事者保護のためのその後のニードルカニューレの安全な被覆保護が実現される。
【0038】
本発明の1つの実施形態において、
図1−10に概要が示されるニードルアセンブリ30が提供される。ニードルアセンブリ30は概して、フラッシュチャンバ38が一体化されたハウジング32と、ハウジング32に関連付けられたカニューレ34と、
図1に示される格納位置から
図2に示される伸張位置に移動するようになされて、ニードルアセンブリ30の使用中および/または使用後にカニューレ34を安全に被覆保護するための安全シールド36と、を備える。ニードルアセンブリ30は、
図1においては、採血のような検体採集作業で使用できる状態の格納位置にある状態、
図2においては、使用後にカニューレを被服保護する伸張位置にある状態でそれぞれ示されている。
【0039】
特に
図7−10を参照すると、ニードルアセンブリ30は、遠位の患者側端40と、近位の非患者側端42と、を有するカニューレ34を備える。本明細書では、「遠位(distal)」という用語は概して、患者の皮膚を穿刺して、患者の血管に進入するようになされたニードルアセンブリ30の前方端を指し、これに対し、「近位(proximal)」という用語は、検体採集容器(
図123に示す)と係合可能なニードルアセンブリ30の後方端を指す。カニューレ34は、患者側端40と非患者側端42との間に延び、カニューレ内腔50を画定する側壁48を備える。1つの実施形態において、カニューレ34は、2つの異なるニードル、例えば遠位の患者用ニードル52と近位の非患者用ニードル54とを備えていてもよく、その両方がカニューレ内腔50の中に共通の中央ルーメンを画定する。別の実施形態において、遠位の患者用ニードル52は、近位の非患者用ニードル54と共通軸に略沿って整列され、中断部56によって近位の非患者用ニードル54と分離される。カニューレ34の近位の非患者側端42は、検体採集容器(
図123に示す)を穿刺するために設けられている。1つの実施形態において、カニューレ34の近位の非患者側端42は、穿孔可能な弾性マルチサンプルスリーブ60によって覆われていてもよい。遠位の患者側端40は、患者の皮膚を穿刺しやすくするために、先端面取り部を有していてもよい。
【0040】
ニードルアセンブリのカニューレ34は、少なくとも部分的にハウジング32の一部によって支持されていてもよい。1つの実施形態において、ハウジング32は、カニューレ34の一部を支持するためのハブ64であってもよい。例えば、近位の非患者用ニードル54と遠位の患者用ニードル52は、ハブ64の中央開口部66の中に固定またはその他接着されていてもよく、近位の非患者用ニードル54と遠位の患者用ニードル52との間に中断部56がある。別の構成では、ハブ64は個別の要素として形成されてもよい。例えば、近位つまり後方ハブ部68を前方ハブ部70に連結または固定し、これによってハブ64を単体構造として形成し、カニューレ34がその中を延びるようにしてもよい。
【0041】
図1,2,5−10に示されるように、ハウジング32は、遠位端74と、検体採集容器(
図123に示す)と係合可能な近位端72と、を有していてもよい。本明細書において、「検体採集容器と係合可能な(engageable with a specimen collection container)」との表現は、検体採集容器をハウジング32の近位端72の一部に取り付け、または固定してもよいこと、あるいは検体採集容器をハウジング32の近位端72の一部の中に通し、または上もしくは周辺に載置してから、ハウジング32の別の部分に固定してもよいことを意味する。1つの実施形態において、ニードルアセンブリ30の近位端72は、それとともに検体採集容器(
図123に示す)を受けるようになされた検体採集容器受入ポート76を画定してもよい。
【0042】
他の実施形態において、ニードルアセンブリ30は採血アセンブリのような検体採集アセンブリであり、ニードルアセンブリ30のハウジング32は、ニードルアセンブリ30の近位端72の付近に検体採集容器ホルダ78を備える。検体採集容器ホルダ78は、近位端80と、遠位端82と、それらの間に延在する管状側壁84と、を備える。1つの実施形態において、検体採集容器ホルダ78は、管状側壁84の周辺に円周方向に設置された第二の管状側壁86を備えていてもよい。検体採集容器ホルダ78の近位端80は、開口部88において実質的に開いていてもよく、その中に検体採集容器(
図123に示す)を受けるようになされていてもよい。近位端80はまた、ニードルアセンブリ30を操作しやすくするために、半径方向にそろえられたフランジ90を有していてもよい。フランジ90は、ニードルアセンブリ30が転がるのを防止するために、あるいは使用者に対してニードルアセンブリ30の本来の向きを知らせるため等、その他の目的のために、非円形であってもよい。
【0043】
検体採集容器ホルダ78は、カニューレ34の少なくとも一部を嵌合関係(mating relationship)で収容するようになされている。例えば、検体採集容器ホルダ78の遠位端82は、カニューレ34の一部、例えば非患者側端42がハブ64の一部を通って取り付けられるような係合部92を有していてもよい。特に、検体採集容器ホルダ78の遠位端82は、ハブ64の後方ハブ部68を受けるようになされた、例えば螺合部のような嵌合構造を有する係合部92を有していてもよい。1つの実施形態において、係合部92は、ハブ64の後方ハブ部68に設けられた対応するねじ山96と螺合するためのねじ山94を有していてもよい。本明細書においては、嵌合雄雌ルアアセンブリコンポーネント(mating male and female luer assembly components)のような上記以外の嵌合関係も想定されている。ハブ64はまた、検体採集容器ホルダ78の係合部92に接着固定されてもよい。別の実施形態において、ハブ64は、検体採集容器ホルダ78に圧入し、または嵌め込んでもよい。あるいは、ハブ64は、検体採集容器ホルダ78の遠位端82と一体形成して、カニューレ34を検体採集容器ホルダ78に直接取り付けるためのメカニズムとしてもよい。ある実施形態において、カニューレ34はメーカによって検体採集容器ホルダ78の一部と結合され、装置がそのまま医療従事者によって素早く、便利に使用されることが可能である。
【0044】
ある実施形態において、カニューレ34の患者側端40は、少なくとも部分的にハウジング32の遠位端74から突出し、非患者側端42は患者側端40から略近位方向に延びる。別の実施形態において、遠位の患者用ニードル52は、少なくとも部分的にハウジング32の遠位端74から突出し、近位の非患者用ニードル54は患者用ニードルから略近位方向に延びる。
【0045】
ハブ64、検体採集容器ホルダ78、および第二の管状側壁86を含むハウジング32の少なくとも一部は、フラッシュチャンバ98を備える。本明細書において、「フラッシュチャンバ(flash chamber)」という用語は、患者から採った血液等の検体が通過するかもしれない空洞であって、医療従事者がそこから、その空洞内の検体の存在を視覚的に検出できる空洞を含む。フラッシュチャンバ98は、ハウジング32の一部と一体的に形成でき、あるいは、別々に形成して、その後ハウジング32の一部と係合させてもよい。1つの実施形態において、カニューレ内腔50はフラッシュチャンバ98と流体連通している。他の実施形態において、カニューレの側壁48は、カニューレ内腔50とフラッシュチャンバ98との間に延びて、血液等の検体がカニューレ34からフラッシュチャンバ98に流れることのできる空隙を画定してもよい。別の実施形態において、カニューレ34は、フラッシュチャンバ98と流体連通する遠位の患者用ニードル52と、フラッシュチャンバ98と流体連通する近位の非患者用ニードル54と、を備える。したがって、遠位の患者用ニードル52が患者の血管に入ると、血液が患者から遠位の患者用ニードル52を通じてフラッシュチャンバ98の中に流れるかもしれない。近位の非患者用ニードル54が真空検体採集容器(図示せず)と係合すると、血液はフラッシュチャンバ98から近位の非患者用ニードルの中を流れるかもしれない。
【0046】
1つの実施形態において、ハブ64は、後方ハブ部68の一部と前方ハブ部70の一部との間に内腔100を有していてもよい。フラッシュチャンバ98は、ハブ64の内腔100の少なくとも一部の中に形成してもよい。1つの構成では、ハブ64、またはハブ64の少なくとも一部、例えば前方ハブ部70は、ポリマ材料または樹脂のような透明または半透明の材料で構成することができる。あるいは、フラッシュチャンバ98は、例えば、検体採集容器ホルダ89と一体的に形成する等、ハウジング32の別の部分の中に一体的に形成するか、あるいは第二の管状側壁86の一部の中に形成することができる。
【0047】
使用時に、患者からカニューレ34の中を流れる血液は、カニューレ34の開口部88からフラッシュチャンバ98に入り、それによってフラッシュチャンバ98が血液で部分的に満たされる。フラッシュチャンバ98は、医療従事者にとって静脈確保を確認するための視覚的メカニズムとなる。フラッシュバックインディケータの例は、例えば特許文献6等に記載されており、この開示のすべてを引用によって本願に援用する。
【0048】
ニードルアセンブリ30はさらに安全シールド36を備え、これは使用後に、カニューレ34と、特に患者側端40にある穿刺先端と、を被覆保護するメカニズムとなる。安全シールド36の少なくとも一部は、ハウジング32の一部と拘束可能に係合し、
図1,5,7,9に示される格納位置(retracted position)から
図2,6,8,10に示される伸張位置(entended position)に移動可能である。安全シールド36は、カニューレ34の一部の上で、格納位置から伸張位置に移動可能であってもよい。1つの実施形態において、安全シールド36は、カニューレ34の上で軸方向に移動可能である。別の実施形態において、安全シールド36は、カニューレ34の上で、患者にアクセスする等のためにカニューレ34の患者側端40の少なくとも穿刺先端が露出する格納位置から、カニューレ34の患者側端40の少なくとも穿刺先端が安全シールド36の少なくとも一部によって被覆保護される伸張位置へと、軸方向に移動可能である。本明細書において、「安全シールドの少なくとも一部によって被覆保護される(shielded by at least a portion of the safety shield)」との表現は、安全シールドの少なくとも一部がカニューレ34の患者側端40に関して被覆保護する方向に位置づけられることによって、カニューレ34の患者側端40の穿刺先端との不慮の接触が防止されることを意味する。1つの実施形態において、安全シールド36は、伸張位置にあるときに、カニューレ34の患者側端40を少なくとも部分的に取り囲む、または包囲する。
【0049】
1つの実施形態において、
図5−10に具体的に示されるように、シールド36は、格納位置にあるときに、ハウジング32の内腔部106の中、例えばハウジング32の側壁84と第二の側壁86との間に配置することができる。例えば、安全シールド36は、検体採集容器ホルダ78の一部を形成する側壁84と、側壁84の周辺に設置された第二の側壁86と、の間に配置されてもよい。安全シールド36は、
図2に示されるように、安全シールド36が伸張位置へと延ばされると、カニューレ34の患者側端40の穿刺先端を被覆保護するようになされるのに好適であれば、どのような寸法と形状であってもよい。1つの実施形態において、安全シールド36の格納位置から伸張位置への移動は、カニューレ34の患者側端40の穿刺先端が患者から抜き取られたところで開始されてもよい。別の実施形態において、完全シールド36の格納位置から伸張位置への移動は、カニューレ34が患者の体と連通している間、例えば、カニューレ34の患者側端40が患者の血管と流体連通している間に開始されてもよい。したがって、安全シールド36は、カニューレ34が患者の血管(図示せず)の中へ進入している間、またはカニューレ34が患者から抜去された後に、カニューレ34の上に配備されてもよい。安全シールド36の格納位置から伸張位置への移動が、カニューレ34が患者の血管の中に進入している間に起こると、安全シールド36の遠位部分102が患者の皮膚と接触する。
【0050】
1つの実施形態において、シールド36は、
図5に示されるカニューレ34の長軸の方向へと格納位置から伸張位置に軸方向に移動可能な被覆保護部104を備える。被覆保護部104は、格納位置において、ハウジング32の内腔部106の中に拘束可能に係合されてもよく、被覆保護部104は、伸張位置にあるときに、ハウジング32の内腔部106から延びてもよい。1つの実施形態において、シールド36が格納位置から伸張位置に移動すると、被覆保護部分104は、ハウジング32の内腔部106の中から、少なくとも部分的にハウジング32の外となるような位置まで、略カニューレ34の長軸Aに沿って移動する。別の実施形態において、ハウジング32の内腔部106は、検体採集容器ホルダ78または検体採集容器受入ポート76の周辺に円周方向に配置されていてもよい。また別の実施形態において、ハウジング32の内腔部106は、検体採集容器ホルダ78または検体採集容器受入ポート76と同軸状にある。本明細書において、「同軸(co-axial)」という用語は、内腔部106と、検体採集容器ホルダ78または検体採集容器受入ポート76と、がそれぞれカニューレ34の長軸Aの周辺に配置される配置を含む。他の実施形態において、安全シールド36は、カニューレ34の少なくとも一部の周囲に配置され、安全シールド36が格納位置から伸張位置に移動すると、安全シールド36はカニューレ34の一部の上で抜き差し自在に伸縮する。任意で、安全シールド36は、カニューレ34の少なくとも一部の周囲に略円周方向に配置されてもよい。本願では、安全シールド36は、被覆保護部104のように単独の抜き差し自在の伸縮部分を備えていてもよく、またそれぞれカニューレ34の上で移動可能な、円周方向に配置された入子式の多数のセグメントを有していてもよい、ことが想定されている。
【0051】
安全シールド36は、第一の位置から第二の位置に移動可能な解除部材108、例えば押しボタン等によって展開されてもよい。解除部材108は、安全シールド36とハウジング32の外表面110を通じて配置可能であってもよい。1つの実施形態において、解除部材108が安全シールド36の格納位置から伸張位置への移動を起こさせてもよい。別の実施形態において、解除部材108は、安全シールド36を格納位置から伸張位置に移動させる起動手段を作動させてもよい。
図1−10に示される実施形態では、解除部材108は、
図6に示される安全シールド36の移動軸Tに関して略垂直方向に向くアーム等の部材112を備える。本明細書において、「移動軸(transition axis)」との表現は、格納位置から伸張位置に移動する間のシールドの向きを含む。特定の実施形態において、移動軸は、カニューレ34の長軸Aと一致する。部材112は、
図3に示されるように、拡大された本体部のような拘束部114に連結され、狭い首部のような通過領域116を作ってもよい。1つの実施形態において、通過領域116は、欠刻(indentation)または切り欠き部(cut-away portion)のような囲まれない領域(non-enclosed region)を画定する。解除部材112の拘束部114はさらに、通過領域116に隣接する肩状部118を有する。さらに、
図2に示されるように、安全シールド36は、シールド36の長さ全体にわたって延びる長いチャネル120を備え、その前方または遠位端に隣接して拡大された開口部があり、チャネル120の前方縁辺に隣接するストッパ面肩状部(stop surface shoulder)122を作る。1つの実施形態において、長いチャネル120は、シールド36の上表面に沿って、シールド36の長さ全体にわたって縦方向に延びる。
【0052】
安全シールド36が
図1に示される格納位置にあると、解除部材108は第一の位置にあり、拘束部114がシールド36の中へ延び、ストッパ面肩状部122は解除部材108の肩状部118と隣接係合状態(abutting engagement)となり、それによって、安全シールド36が前方、つまり遠位方向に移動するのを防止する。押しボタンのような解除部材108が
図3の矢印Aの方向に押されるなどして、第一の位置から移動されると、拘束部114は安全シールド36に関して略下方に移動し、これによってストッパ面肩状部122と肩状部118の間の隣接係合を解除する。このように、安全シールド36の長いチャネル120に隣接する側壁124は、解除部材108の通過領域116の中を障害のない状態で案内でき、これによって安全シールド36が
図1に示される格納位置から
図2に示される伸張位置に移動することができる。したがって、解除部材108の拘束部114は、拘束位置にあるシールド36のストッパ面肩状部122と係合し、シールド36のストッパ面肩状部122は、解除部材が第一の位置から第二の位置に移動し、シールド36が拘束位置から伸張位置に移動すると、解除部材108の通過領域116の中を通過する。
【0053】
1つの実施形態において、安全シールド36は、安全シールド36の一部とハウジング32の一部との間に配置されたばね126によって、伸張位置に向かって付勢されてもよい。安全シールド36は、シールド36が格納位置にあるときに、ばね126によって伸張位置に向かって付勢されてもよい。1つの実施形態において、ばね126は、安全シールド36の近位部分128とハウジング32の近位端72との間に配置されてもよい。別の実施形態において、
図7−10に示されるように、ばね126は、ハウジング32の側壁84と第二の側壁86との間に配置されてもよい。解除部材108が第一の位置から第二の位置に移動すると、
図3に示されるようなストッパ面肩状部122と肩状部118との隣接係合は解除され、ばね126が安全シールド32を伸張位置へと付勢し、カニューレ32を安全に被覆保護する。
【0054】
図9−10に示されるように、安全シールド36にはさらにバリアメカニズム130が設けられていてもよく、このバリアメカニズム130は、一旦安全シールド36が格納位置から伸張位置に移動したら、安全シールド36が伸張位置から格納位置に移動するのを防止するように構成される。したがって、バリアメカニズム130は、カニューレ34が被覆保護された後に、シールド36がハウジング32の中に再び入り、カニューレ34が露出するのを防止する。この実施形態においては、ハウジング32の遠位端74とシールド36の近位部128のうちの少なくとも一方がバリアメカニズム130を備える。別の実施形態において、ハウジング32の遠位端74とシールド36の近位部分128の両方がバリアメカニズム130を備える。
【0055】
バリアメカニズム130は、拘束部132とブレイク(break)134を含んでいてもよい。ブレイク134は、傾斜した遠位部分136と、安全シールド36の一部に略垂直な面を有する近位部分138と、を有していてもよい。ブレイク134は、安全シールド36が拘束位置から伸張位置に移動されたときに、ハウジング32の遠位端74の中に含まれる拘束部132を超えて通過することができる大きさである。ブレイク134の近位部分138もまた、一旦安全シールド36が格納位置から伸張位置に移動されると、安全シールド36が拘束部132を通過することに抵抗するように、安全シールド36を拘束部132に対して拘束する寸法である。他の実施形態において、解除部材108は、少なくとも部分的にシールド36の一部によって拘束されてもよく、この場合、シールド36は格納位置から伸張位置に移動した後にリセットできない。
【0056】
図1,5,7,10に示されるように、フラッシュチャンバ98は医療従事者にとって、安全シールド36が伸縮位置にあるときに、少なくともその一部が見える。1つの実施形態において、フラッシュチャンバ98の少なくとも一部は、安全シールド36が格納位置にあると、安全シールド36の遠位部分102を越えて延びる。別の実施形態では、フラッシュチャンバ98の少なくとも一部は、シールド36が格納位置にあると、シールド36の少なくとも一部から見える。他の実施形態では、フラッシュチャンバが見えるフラッシュチャンバ98の少なくとも一部分は、透明または半透明材料で作製される。
【0057】
図11−15Bに示されるように、2004年8月16日出願の特許文献7および2008年3月7日出願の特許文献8に記載されているような他のフラッシュチャンバを本発明に利用することができ、上記特許出願の開示全体を、引用によって本願に援用する。
【0058】
ニードルアセンブリ周辺の外環境と連通するベントメカニズムを備えていてもよい従来のフラッシュチャンバに加え、本願では、ニードルアセンブリは、フラッシュチャンバ(flash chamber)を備えていてもよいことも想定しており、そのフラッシュチャンバは、血液がフラッシュチャンバ内に流れると密閉し、これによってチャンバ内に生じるかもしれない圧搾空気がカニューレの入口に向かって逆方向に移動するのを禁じる。
図11−15Bに示されるように、本願ではまた、ハウジング内のある位置に同様のベントプラグ(vent plug)を設置し、そのベントプラグが、ハウジングを所定の容量を確立するような大きさと寸法を有する2つのチャンバに分割するようにしてもよいことも想定している。さらに、多孔ベント(porous vent)は血液に対して有孔性を保ち、血液と接触しても密閉しない。血液は初期のフラッシュ表示(initial flash indication)のときにベントプラグと接触せず、アセンブリ使用中のもっと後の時点でこのような密閉が起こることが好ましく、これについて本明細書でより詳しく説明する。
【0059】
例えば、
図11−14に示すように、多孔ベントをハウジングの中のある位置に設置して、のベントが、ハウジングをそれぞれ所定の容量となるような大きさと寸法を有する2つのチャンバに分割し、本明細書でより詳しく説明するように、血液が初期のフラッシュ表示の時点では多孔ベントに接触しないが、アセンブリ使用中のもっと後の時点でこのような接触が起こるようにする。
【0060】
図11−14に示されるように、ニードルアセンブリ410は、流体取入端つまり第一の端414と流体排出端つまり第二の端416とを有するハウジング412を備える。ニードルアセンブリ410は、ハウジングの内部を画定する外壁418を備える。外壁418は、第一の端414において概して長手方向に延び、第一の直径を有する長い長手方向の第一の部分419を形成する。第二の端416において、外壁418は、第一の部分419の第一の直径より概して大きな第二の直径を有する第二の部分421を形成する。したがって、ハウジング412は、概してT字型の断面を有する構造を形成してもよい。第二の端416における外壁418は、ハウジング412を形成する主本体部430に取付け可能な分離要素428であってもよく、これはニードルアセンブリ410の製造と組立を支援する。第一の部分419と第二の部分421は、これらが本明細書で述べるようなその間の空気の輸送のために機能することができる限り、さまざまな形で相互に関して配置することができる。
【0061】
ニードルアセンブリ410はさらに、ハウジング412の第一の端414から延びる流体取入カニューレ(fluid inlet cannula)436を備える。流体取入カニューレ436は、患者用穿刺先端438において尖った先端面取り部を画定する外側端439を有し、ハウジング412の第一の端414の中に延び、その中に固定的に取り付けられていてもよい。液体取入カニューレ436はさらに、両端の間に延び、ハウジング412の内部と連通する略円筒状のルーメンによって特徴付けられる。
【0062】
ニードルアセンブリ410はまた、ハウジング412の第二の端414から延びる非患者用穿刺先端を備える。
図13から分かるように、これは、ニードルアセンブリ410に、流体排出カニューレ(fluid outlet cannula)452の形態の第二のカニューレを設けることによって実現することができる。特に、流体排出カニューレ452の端は、非患者用穿刺先端462を形成する尖った先端面取り部を画定してもよい。流体排出カニューレ452は、ハウジング412の第二の端416の中に延び、その中に固定的に取り付けられていてもよい。流体排出カニューレ452はさらに、ハウジング412の内部と連通する略円筒状のルーメンによって特徴付けられる。流体排出カニューレ452はハウジング412の中に取り付けられ、内側端464がその中を略同軸的に通過し、流体排出カニューレ452が取入カニューレ436の内側端と軸方向に略直線上に並ぶ。好ましくは、これはハウジング412の第二の端416に隣接する位置に流体排出カニューレ452を取り付け、流体排出カニューレ452の内側端464がハウジング412の中で、取入カニューレ436の内側端439に隣接する位置まで延びるようにすることによって実現される。さらに、流体排出カニューレ452の内側端464は、取入カニューレ436の内側端439から小さな距離だけ離間され、これによって、それらの間に、血液が流体排出カニューレ452の周辺でフラッシュチャンバ426の中に流れるための軸方向のギャップが形成される。軸方向のギャップを形成する流体排出カニューレ452の内側端464と取入カニューレ436の内側端439との間の距離は、静脈穿刺後の患者の血圧に基づいて、血液がフラッシュチャンバ426の中に流れるのに十分な距離である。ある実施形態において、軸方向のギャップが0.5mm未満であると、一貫しないフラッシュバックが見られるかもしれない。
【0063】
図14Bから分かるように、流体取入カニューレ436と流体排出カニューレ452のハウジング412内での位置付けと寸法は、アセンブリ410の中の好ましい血流と、有効なフラッシュバック表示を実現するものである。特に、ハウジング412の壁418の寸法は、流体排出カニューレ452の周辺に、その内側端464を囲む領域において、約0.2mmの半径方向のギャップを提供するものである。このギャップにより、フラッシュバックチャンバ426の中の略層状の血流が実現され、溶血が防止される。さらに、壁418の内表面と流体出口カニューレ452との間の、内側端464を囲む領域のギャップが小さいことから、血液の小滴がフラッシュバックチャンバ426の中の半径方向のギャップに薄く広がり、ごく少量の血液で、誇張されたフラッシュバック表示を提供することができる。このように、フラッシュバックチャンバ426の中に血液が最初に出現したところで素早く、容易に視覚化されるフラッシュバック表示が実現する。本願では、排出カニューレ452の内側端464は、フラッシュバックチャンバ426の中への血流が内側端464の周囲で実現される限り、部分的にハウジング412の中で支持されてもよいことを想定している。
【0064】
別の装置では、単独のカニューレが設けられる。このような装置は、
図15A−15Bの実施形態に描かれている(本明細書でより詳しく後に説明するように、採血アセンブリに関連付けて示されている)。このような装置において、流体取入カニューレと流体排出カニューレは、患者用穿刺先端438と、非患者用穿刺先端462と、それらの中を延びるルーメン442と、を有する単独のカニューレ470であり、カニューレ470の本体は、ハウジング412の一部に固定的に取り付けられ、ハウジング412の長さ全体にわたって延びる。ハウジング412を通じて延びるカニューレ470の一部は、スロットまたは穴444のような1つまたは複数の開口部を有し、ハウジング412の中でルーメン442とフラッシュチャンバ436との間の連通を可能にする。
図15A−15Bに示される実施形態においては、2つの別の開口部444がカニューレ470の両側に描かれているが、フラッシュチャンバ436の中に血液が流れようにするために設ける穴または開口部444は、いくつでもよいものと想定されている。
【0065】
図11−14の実施形態に戻ると、ニードルアセンブリ410はさらに、ハウジング412の流体排出端416に取り付けられた密閉可能なスリーブ461を備える。これは、ハウジング412の第二の端416、例えば要素428の上にある取り付け用突起429に密閉可能なスリーブ461を設けることによって実現され、スリーブ461は、摩擦係合その他によって突起429に固定できる弾性要素(elastomeric element)である。密閉可能なスリーブ461は、密閉可能なスリーブ461が偏倚していない状態にあるときに、流体排出カニューレ452の外側端で非患者用穿刺先端462を被覆する。しかしながら、密閉可能なスリーブ461は、当業界で周知のように、密閉可能なスリーブ461と真空採集管のストッパの両方の中に流体排出カニューレ452の外側端460を進入させるために、真空採集管のストッパによりかけられる圧力に応答して破ける。
【0066】
図11−14の実施形態はさらに、ハウジング412の内腔部の中に配置された多孔ベント402を備える。多孔ベント402は、ハウジング412の中に配置され、ハウジング412を2つの異なるチャンバ、つまりフラッシュバックチャンバ426で表される第一のチャンバと、第二のチャンバ427によって表される第二のチャンバと、に分割する。多孔ベント402は、接触すると膨張する疎水性材料を使用しなくても、ベントプラグ900に関して既に説明した好適な材料で構成してもよい。このように、多孔ベント402は、そこを空気が通過できるようになされ、その中を血液が通過できるような複数の孔を有する多孔構造である。本明細書でより詳しく述べるように、ニードルアセンブリ410の使用中、多孔ベント402の内部の孔は、第二のチャンバ427の中に確立される負圧によって、少なくとも部分的に血液で満たされる。このように満たされた孔と第二のチャンバ427の中の負圧の組み合わせにより、本明細書で詳しく後述するように、第二のチャンバ427とフラッシュバックチャンバ426との間の空気の流れが防止され、多孔ベント402を通過する血液の流体抵抗となる。
【0067】
好ましくは、多孔ベント402は、ハウジング412の内腔部の中の第一の部分419と第二の部分421との間に配置される。このように、ハウジング412の第一の部分419は基本的にフラッシュチャンバ426を画定し、ハウジング412の第二の部分421は基本的に第二のチャンバ427を画定する。あるいは、多孔ベント402は、
図15A,15Bの実施形態に示されるように、ハウジング412の内腔部の中の第一の部分419の第一の直径から第二の部分421の第二の直径に変化する範囲の位置に配置してもよい。いずれの場合も、多孔ベント402は概して円筒形の部材であり、その中の中央開口部はカニューレ、特に流体排出カニューレ452の一部を軸区方向に取り囲む。
【0068】
ハウジング412の内腔容量(interior volume)は、フラッシュバックチャンバ426と第二のチャンバ427の容量のほか、多孔ベント402の孔の容量の和によって決まる。このような内腔容量は、ニードルアセンブリ410に特定の属性与えるように構成され、その属性は特に、ニードルアセンブリ410の使用中に真空採集管がこれに取り付けられたところで、第二のチャンバ427がその内部の空気の一部を少なくとも部分的に抜いて、内部に負圧を生じさせる能力に関する属性である。このような第二のチャンバ427の中の負圧は、血液が多孔ベント402と接触し、その孔を部分的に満たしたことに基づいて、血液を多孔ベント402の孔から引き込む。本発明の具体的な実施形態において、ハウジング412の総内腔容量は約300mm3から約400mm3であってもよい。このような容量は特に、当業界で知られているように、従来の静脈穿刺用ゲージのニードルカニューレを使って患者から血液検体を引き込む従来の静脈穿刺用としてのニードルアセンブリ410の所期の用途にとって、特に有益である。このような内腔容量を持つ多孔ベント402は、フラッシュバックチャンバ426の容量が、第二のチャンバ427の容量と多孔ベント402の中の孔の容量を含めたハウジング412の総容量の約5パーセントから約20パーセント、好ましくはハウジング412の総容量の約7パーセントから約12パーセントとなるように、ハウジング内腔部に設置される。フラッシュバックチャンバ426とハウジング412の総容量との上記の比によれば、確実にフラッシュバックチャンバ426が初期のフラッシュを適正に視覚化するのに十分な容量を有することになり、好ましくはその一方で、最初の静脈穿刺の時点で、静脈の圧力によって第二のチャンバ427の中に最初に発生する圧力が血液をフラッシュバックチャンバ426の中に送り込むことに基づいて、血液が十分に多孔ベント402と接触するのを防止する。このような容量の比は、最初の静脈穿刺の時点でフラッシュバックチャンバ426に流れる血液が多孔ベント402と接触せず、またニードルアセンブリ410に真空採血管を取り付けたことで空気の少なくとも一部が第二のチャンバ427から引き出されるという、本明細書でより詳しく説明する所期の用途にとって有効である。このように、第二のチャンバ427は、患者用穿刺先端438が患者から抜かれ、外環境に露出されたときに、血液をフラッシュバックチャンバ426の中と流体取入チャンバ436の中から第二のチャンバ427に向かって、例えば多孔ベント402の中に、およびこれを通って有効に吸引することができる。1つの実施形態において、ハウジング412の総内腔容量は約380mm3、フラッシュチャンバ426の容量は約30mm3、第二のチャンバ427の容量は約300mm3、多孔ベント402の孔の容量は約50mm3である。
【0069】
ニードルアセンブリ410は、次のように組み立てるこができる。流体取入カニューレ436をハウジング412の第一の端414から設置することにより、開いた内側端439がハウジング412の内腔部の中の第一の部分419に位置付けられて、患者用穿刺先端438が第一の端414の外に延びる。流体排出カニューレ452を反対側の端からハウジング412の中に設置することにより、開いた内側端464が、ハウジング412の内腔部の中の第一の部分419で流体取入カニューレ436の内側端439と隣接して、それらの間に若干のギャップを持たせて位置付けられ、非患者用穿刺先端が第二の端416の外に延びる。流体取入カニューレ436と流体排出カニューレ452は、その中に周知の方法で、好ましくは医療用接着剤によって固定してもよい。
【0070】
単独のカニューレ470だけを備える別の実施形態では、このようなカニューレ470がハウジング412の中に固定され、穴472がハウジング412の内腔部の中の第一の部分419に位置付けられ、患者用穿刺先端438が第一の端414の外に延び、非患者用穿刺先端462が第二の端416の外に延びる。
【0071】
次に、多孔ベント402をハウジング412の中に挿入して、流体排出カニューレ452の上(または単独カニューレ470の上)に配置し、その後、要素428を第二の端416に固定して、ハウジング412の内腔部を取り囲む。次に、密閉可能なスリーブ461を突起429の上に付着させる。このように、ハウジング412の内腔部は外環境から閉鎖され、ハウジング412の内腔部と外環境との間の流体連通のための唯一の経路は、患者用穿刺先端438を通じたものとなる。
【0072】
上記のように組み立てられたニードルアセンブリ410は、
図15A−15Bの実施形態に描かれているように、採血管ホルダ403と共に使用できる。
【0073】
使用時に、ニードルアセンブリ410には採集管ホルダ403を取り付けてもよい。患者用穿刺先端428は、患者の皮膚から患者の血管、好ましくは静脈に挿入される。静脈穿刺が行われると、ハウジング412が完全な閉構造であり、密閉可能なスリーブ461がハウジング412の唯一の出口(つまり、流体排出カニューレ452)を塞ぐことから、ハウジング412内は閉環境となる。患者の血圧により、血液が患者用穿刺先端438から流体取入カニューレ436の中に流入し、内側端439から(または、
図15A−15Bの実施形態では開口部472を通って)出て、流体排出カニューレ452の内側端464を囲むフラッシュバックチャンバ426の中に流れる。ハウジング412が透明または半透明であることにより、フラッシュバックチャンバ426内の血液が視覚化され、静脈穿刺が完了したことを示す表示となる。
【0074】
ハウジング412の内腔部は閉環境であるため、フラッシュバックチャンバ426に血液が流れると、空気はフラッシュバックチャンバ426、多孔ベント402および第二のチャンバ427を含めたハウジング内腔部ならびに流体排出カニューレ452の中に捉えられ、このように捕捉された空気はその中で若干加圧される。フラッシュバックチャンバ426と第二のチャンバ427は、その容量によってこの初期静脈穿刺の時点で血液がフラッシュバックチャンバ426に流れるが、多孔ベント402の孔と第二のチャンバ427の中に気圧が生じることで、初期静脈穿刺の時点で血液が完全に多孔ベント402と接触するのが防止され、好ましくは血液が多孔ベント402に部分的に接触するのも防止される大きさと寸法で構成される。
【0075】
このような初期静脈穿刺とフラッシュの視覚確認の後に、内部が負圧条件となっている検体採集容器、例えば当業界で一般的に知られている真空採血管(図示せず)が管ホルダ403の中に挿入される。このような真空容器のストッパ(図示せず)は密閉可能なスリーブ461と接触してこれを移動させ、非患者用穿刺先端462が真空容器の密閉可能スリーブ461とストッパを穿刺する。このとき、非患者用穿刺先端462と真空採集容器の内部との間に流体連通が確立する。真空採集容器内の負圧によって、フラッシュバックチャンバ426の中に採集された血液が流体排出カニューレ452と真空採集容器の中に引き込まれる。フラッシュバックチャンバ426の中の血液と一緒に、真空採集容器の中の負圧により、一部の空気もフラッシュバックチャンバ426および第二のチャンバ427から、多孔ベント402を通って、真空採集容器へと引き込まれる。これに加え、流体排出カニューレ452と流体取入カニューレ426が緊密で直線状に並べられていることにより、上記のように空気がフラッシュバックチャンバ426と第二のチャンバ427から引き込まれると同時に、血液が流体取入カニューレ436と患者から吸引される。
【0076】
以上のような空気の引き込みにより、フラッシュバックチャンバ426と第二のチャンバ427の中の圧力が低下し、その中に患者の血流と外環境に関して負圧が生じる。ハウジング412の内腔部および、特にフラッシュバックチャンバ426と第二のチャンバ427の中に生じたこの負圧によって、血液はさらに流体取入カニューレ436の内部と患者からフラッシュバックチャンバ426の中に引き込まれ、血液が多孔ベント402と接触する。このように血液がフラッシュバックチャンバ426に充満すると、血液はフラッシュバックチャンバ426の中まで延びる多孔ベント402の表面と十分に接触し、多孔ベント402の孔を満たし始める。このように、直接的に多孔ベント402とフラッシュバックチャンバ426との界面にある多孔ベント402の孔が充満すると、多孔性ベント402は閉鎖されてそれらの間は通気できなくなるが、血液によって多孔ベント402の材料が膨張する、つまり通気できないように閉じることはなく、血液が単に多孔ベント402の中の空隙を物理的に埋めているに過ぎないという点で、完全な密閉材としては機能しない。さらに、第二のチャンバ427の中の空気の一部が第二のチャンバ427から引き出されているための、第二のチャンバ427は外環境に関して負圧を内部に有する閉鎖チャンバとなる。したがって、第二のチャンバ427は引き続き、多孔ベント402の孔とフラッシュバックチャンバ426の中の血液に対し、多孔ベント402の孔から第二のチャンバ427へと引き込む効果を有しており、フラッシュバックチャンバ426との界面にある多孔ベント402の孔に血液が充満するため、空気を第二のチャンバ427から反対側に排出しなくてもよく、これによって充満した孔による多孔ベント402からの空気の流れが効果的に防止される。第二のチャンバ427の中の負圧によって生じる引き込みは、血液が多孔ベント402の孔を満たすことと、多孔ベント402の孔によって作られる経路が蛇行していることから流体抵抗を有し、その結果、流体移動の低い漸次的な引き込みとなる。
【0077】
この時点で、真空採集容器と第二のチャンバ427はどちらも、外環境に関して(および患者の血流に関して)負圧であり、したがって、両方が流体取入カニューレ436からの引き込みに影響を与える。この効果は基本的にフラッシュバックチャンバ426の中に平衡状態を確立してもよく、その場合、フラッシュバックチャンバ426の中にある血液は、多孔ベント402の孔を通じて第二のチャンバ427に向かって、またはその中にも、あるいは(流体取入カニューレ436を通じて)真空採集容器の中にも引き込まれずに、基本的にフラッシュバックチャンバ426の中に安定した状態でとどまる。真空採集容器の負圧によって、血液は直接患者から流体取入カニューレ436に引き込まれるが、これは、流体排出カニューレ452と流体取入カニューレ436が緊密で直線状に並べられていることと、フィードバックチャンバ426内が平衡状態になっていること(真空採集容器と真空の第二のチャンバ427との間の反対方向の引き込み力に基づく)による。血液が引き続き真空採集容器に引き込まれると、採集容器の中の圧力は徐々に上昇する。
【0078】
真空採集容器に所望の量の血液が充満したら、容器は非患者用穿刺先端462から取り外され、これによって非患者用穿刺先端462と真空採集容器との間の流体連通が解除され、密閉可能なスリーブ461が非患者用穿刺先端462を覆って塞ぐ。真空採集管の負圧による上記のような引き込みがないため、第二のチャンバ427の中の負圧によって、フラッシュバックチャンバ426の中の血液が若干多孔ベント402に引き込まれる。しかしながら、多孔ベント402の孔からの血液の流路が蛇行しているため、このような引き込みは非常に遅く、漸次的である。
【0079】
その後、2つ目の真空採集容器をホルダ403の中に設置し、前述のように、ストッパを穿孔することによって非患者用穿刺先端462と真空採集容器の内部との間に流体連通を確立することにより、新たな真空採集容器を管ホルダ403に挿入し、上述のように非患者用穿刺先端462からの検体採集に使用することができる。このように繰返し検体採集を行う場合、真空採集容器と第二のチャンバ427はどちらも負圧条件にあり、したがって、これらの両方が流体取入カニューレ436からの引き込み効果を有する。前述のように、この効果により、基本的にフラッシュバックチャンバ426の中が平衡となり、その結果、フラッシュバックチャンバ426の中にある血液が(多孔ベント402から)第二のチャンバ427の中に流れることが防止される。真空採集容器の負圧によって、前述のように、血液が直接患者から流体取入カニューレ436を通って引き込まれるが、これは、流体排出カニューレ452と流体取入カニューレ426とが緊密で直線状に並べられているからである。このように新たな真空採集容器に所望の量の血液が充満したら、容器は非患者用穿刺先端462から取り外され、これによって非患者用穿刺先端462と真空採集容器との間の流体連通が解除され、密閉可能なスリーブ461が非患者用穿刺先端462を覆って塞ぐ。
【0080】
以上のようにして所望の血液検体の全てが採集されたところで、患者用穿刺先端438は患者の血管から抜き取られ、これによって患者用穿刺先端438の開口部が外環境に露出する。ハウジング内腔部と外環境との唯一の連通経路が患者用穿刺先端438を通じたものであるため、第二のチャンバ427の中に外環境に関する負圧が生じ、フラッシュチャンバ426の中と流体取入カニューレ436の中の血液が多孔ベント402に向かって、その中を通って徐々に引き込まれるようにする効果を有する。このような引き込み効果により、流体取入カニューレ436の中にある血液は患者用穿刺先端438から遠ざかるように移動し、したがって、血液が患者用穿刺先端438から流体取入カニューレ436の外に漏れることが防止される。第二のチャンバ427の中のこのような負圧は、患者用穿刺先端438を患者から抜いた後も長い時間、多孔ベント402から漸次的に引き込む効果を引き続き有してもよく、流体取入カニューレ436とフラッシュバックチャンバ426の中に残っている血液が全て、多孔ベント402から、および/または第二のチャンバ427の中に引き込まれてもよい。その後、ニードルアセンブリ410は周知の方法で適正に処分することができる。本願では、
図11−15Bに関して説明したフラッシュチャンバ426が、本願の別の箇所で紹介するいずれの実施形態にも利用可能であると想定している。
【0081】
また別の実施形態において、
図16−28は本発明によるニードルアセンブリ230の別の構成を描いている。図のように、ニードルアセンブリ230は、
図1−10に関して説明したニードルアセンブリ30と同様に構成される。ニードルアセンブリ230は、別の解除部材208と、任意の着脱自在のカニューレガード216と、を備える。ニードルアセンブリ230は概して、ハウジング232と組み合わされたカニューレ234と、装置の使用中および/または使用後にカニューレ234を安全に被覆保護するようになされた安全シールド236と、を備える。前述のように、ハウジング232は、ハブ264と、検体採集容器受入ポート276および/または検体採集容器ホルダ278と、少なくとも部分的に検体採集容器ホルダ278の側壁284を取り囲む第二の側壁286と、を有していてもよい。ハブ264は、前述のように、患者側端240と非患者側端242を含むカニューレ234を少なくとも部分的に支持するようになされていてもよい。カニューレ234はまた、これも前述のように、遠位の患者用ニードル252と、これとは別の近位の非患者用ニードル254と、を有していてもよい。ニードルアセンブリ230はまた、前述のように、この中に画定されるフラッシュチャンバ298を有する。
【0082】
図16,18,20,21−25に示すように、ニードルアセンブリ230は格納位置にある状態で描かれており、着脱自在のカニューレガード216は、ハウジング232の一部に関連付けられ、概してカニューレ234を被覆保護する。着脱自在のカニューレガード216は、ハウジング232の一部と係合可能であり、ニードルアセンブリ230の使用前に取り外すことができる。着脱自在のカニューレガード216は、検体採集作業で使用する前に、カニューレ232、特にカニューレ234の患者側端240の穿刺先端を被覆保護するために設けられる。1つの実施形態において、カニューレガード216は、カニューレ234を円周方向に取り囲むように構成されている。カニューレガード216の近位端246は、少なくとも部分的にハウジング232の一部、例えばハブ264の外表面253の上に延びるような大きさの内腔部248を有する。別の実施形態では、着脱自在のカニューレガード216の近位端246は、少なくとも部分的にハブ264の外表面253の上に延び、ハウジング232の遠位端260の内部258の少なくとも一部の中に延びるような大きさの内腔部248を有する。
【0083】
着脱自在のカニューレガード216は、ハブ264の一部および/または検体採集容器ホルダ278と、例えば摩擦係合または圧入メカニズム等によって着脱自在に嵌合されてもよい。あるいは、着脱自在のカニューレガード216は螺合係合手段(図示せず)によって嵌合されてもよく、この場合、ハブ264の一部、または検体採集容器ホルダ278、および/または着脱自在のカニューレガード216にねじ山(図示せず)が設けられていてもよい。1つの実施形態において、着脱自在のカニューレガード216の近位端246は、着脱自在のカニューレガード216の残りの部分の厚さと比較して、より厚い部分266を有し、ハウジング232との嵌合係合の支持を補強するようにしてもよい。さらに別の実施形態においては、より厚い部分266が設けられている場合、これはハブ264との嵌合係合の支持を補強するものである。
【0084】
着脱自在のカニューレガード216は、カニューレ234の患者側端240の穿刺先端を使用前および/または輸送中に被覆保護されたままとするのに好適であれば、どのような寸法でもよく、またどのような材料で構成してもよい。1つの実施形態において、着脱自在のカニューレガード216は、ニードルアセンブリ230を従来知られているような「ハードパック(hardpack)」の包装形状に包装するのに十分な強度を有し、カニューレ234やニードルアセンブリ230に損傷を与えないようにされている。着脱自在のカニューレガードの例とハードパック包装構造の例は、例えば、特許文献9と特許文献10において開示されており、両特許の開示全体を引用によって本願に援用する。
【0085】
使用に先立ち、着脱自在のカニューレガード216は、力を加えて摩擦係合または圧入メカニズムを外す、および/または螺合部分を外すことによって、ニードルアセンブリ230から取り外される。着脱自在のカニューレガード216がニードルアセンブリ230から取り外されると、医療従事者は、前述のようにニードルアセンブリ230を使用することができる。
【0086】
さらに、
図26−28に具体的に示されるように、ニードルアセンブリ230は、別の解除部材208、例えば別の押しボタンを備えていてもよい。1つの実施形態において、解除部材208は、安全シールド236を格納位置から伸張位置に移動させてもよい。別の実施形態では、解除部材208は、安全シールド236を格納位置から伸張位置へと移動させるアクティベータを起動させてもよい。
図26−28に描かれる実施形態において、解除部材208は、前述のように、拘束部212と通過領域214を有する部材210を備える。拘束部212は、少なくとも部分的に2つの従属アーム220によって画定される内部くぼみ218を画定してもよい。内部くぼみ218は、その中にハウジング232の少なくとも一部、例えばハブ264の一部を収容できる寸法である。
図26−27は、解除部材208のメカニズムを説明するために、シールドとカニューレを取り外した状態のニードルアセンブリ230の部分斜視図である。解除部材208が
図26に示される第一の位置にあると、周縁222が、ハブ264の一部と係合しないように位置付けられてもよい。解除部材208が
図27に示される第二の位置に移動されると、両方の従属アーム220が下がり、周縁222がハブ264の一部に接触する。
【0087】
図26に示されるように、解除部材208がシールドの格納位置(
図16に示す)に対応する第一の位置にあると、内部くぼみ218の周縁222はハブ264から分離し、従属アーム220の拘束部224がハブ264の少なくとも一部と接触してもよい。安全シールドは、本明細書において
図3−4に関してより詳しく説明したものと同様に、拘束部212により拘束位置から伸張位置に移動することが阻止される。
図27に示すように、解除部材208がシールドの伸張位置(
図17に示す)に対応する第二の位置にあると、周縁222はハブ264の少なくとも一部と係合する。拘束部212は、ハブ264より先まで進められる。一旦拘束部212がハブ264より先まで進められると、ハブ264は、例えばハブ264との施錠係合(locking engagement)等により、解除部材208が、それが作動されない限り、元の位置に戻らないようにする。
図17に示されるように、ニードルアセンブリ230は複数のリブ238を有し、安全シールド236がハウジング232に関して、例えば検体採集容器ホルダ278に関して回転するのを防止してもよい。
【0088】
図24−25に示されるように、着脱自在のカニューレガード216はさらに、解除部材208の一部に当接する部分を有し、それによって着脱自在のカニューレガード216がニードルアセンブリ230から取り外されるまで、解除部材208の作動を物理的に防止してもよい。1つの実施形態において、着脱自在のカニューレガード216は、少なくとも部分的に解除部材208の内部くぼみ218(
図28に示す)の中に延びるタブ274を備え、これによって、解除部材208が
図16に示される第一の位置から
図17に示される第二の位置に移動することを防止する。したがって、輸送中または標準的な使用前の取扱中に、安全シールド236が図らずも格納位置から伸張位置に移動してしまうことが防止される。
【0089】
さらに、
図22−23に示されるように、ハウジング232の遠位端260の付近、例えば第二の側壁286の遠位端282の付近に不正工作防止用フランジ278を設置し、一旦安全シールド236が格納位置から伸張位置に移動したら、再び安全シールド236がハウジング232の中に強制的に入れられことを防止してもよい。1つの実施形態において、フランジ278は、第二の側壁286の外表面284の遠位端282に取り付けられ、あるいは一体形成され、ハウジング232の遠位端282よりも遠位方向に延びるように方向付けられる。
図23に示されるように、ニードルアセンブリ230が伸張位置にあると、フランジ278は、本明細書において
図9−10に関して前述したバリアメカニズムと同様のバリアメカニズム292を被覆保護してもよい。バリアメカニズム292は、一旦安全シールド236が格納位置から伸張位置に移動したら、再び安全シールド236がハウジング232の中に入ることを防止するように構成される。しかしながら、ある構成では、安全シールド236とハウジング232の一部との間にこじ開け工具(pry tool)(図示せず)を挿入し、これによってバリアメカニズム292の接触部分が外れる程度にニードルアセンブリ230を歪め、安全シールド236をハウジング232の中に再び入れることができてしまう。このようなこじ開け工具を挿入できなくするために、フランジ278を設けて、ハウジング232の遠位端260を不正工作から保護してもよい。
【0090】
図29−38は、本発明の他の実施形態を描いており、ニードルアセンブリ330は、ハウジング332の構成を除き、前述のものと同様に構成される。ニードルアセンブリ330は概して、ハウジング332と組み合わされたカニューレ334と、装置の使用中および/または使用後にカニューレ334を安全に被覆保護するようになされた安全シールド336と、を備える。ニードルアセンブリ330はさらに、前述のように、カニューレ334の少なくとも一部と、フラッシュチャンバ398を支持するためのハブ364と、を備える。
【0091】
図29−38に示される実施形態において、ハウジング332は第一の部分344を備えてもよく、第二の部分346が第一の部分344に連結されている。第一の部分344は、シールド336の移動軸T(
図32に示す)に沿って、第二の部分346より遠位であってもよい。1つの実施形態では、第一の部分344と第二の部分346は一緒に形成される。別の実施形態では、第一の部分344と第二の部分346は別々に形成され、その後組み立てられる。また別の実施形態では、第一の部分344と第二の部分346は差込式に相互に固定されてもよい。あるいは、第一の部分344と第二の部分346は従来の接着剤で接着してもよい。
【0092】
図33−34に示すように、カニューレ334は、一部が第二の部分346の内腔350の中に、一部が第一の部分344の内腔352の中に配置されてもよい。別の実施形態において、カニューレ334の非患者側端342は、第二の部分346の内腔350の中に配置されてもよく、少なくともカニューレ334の患者側端340の穿刺先端は第一の部分344を越えて延びる。ハブ364は第一の部分344の内腔352の中に配置されてもよいが、ある実施形態においては、ハブ364を、一部は第二の部分346の内腔350の中に、一部は第一の部分344の内腔352の中に配置することが好ましいかもしれない。他の実施形態において、第二の部分346は、従来の検体採集容器ホルダ378を備えていてもよい。また別の実施形態において、検体採集容器(
図123に示す)と係合可能な検体採集容器受入ポート380が第二の部分346の中に画定される。
【0093】
フラッシュチャンバ398は、
図29に示すように安全シールド336が格納位置にあるときに、医療従事者から見える。再び
図29−34を参照すると、ハウジング332、例えば第一の部分344は、
図29−32に示されるような観察窓が画定された側壁358を有していてもよい。1つの実施形態において、観察窓360は、側壁358によって完全に取り囲まれた開口部を含む。他の実施形態において、観察窓360は、ハウジング332の切り欠き部分を含む。また別の実施形態において、観察窓360は、開口部内に半透明および/または透明材料を含む。さらに別の実施形態では、観察窓360は、少なくとも部分的に開いている切り欠き部分を含み、つまり観察窓360はハウジング332の側壁358によって完全に囲まれていない。
【0094】
本発明の1つの実施形態によれば、フラッシュチャンバ398の少なくとも一部は、シールド336が格納位置にあるときに観察窓360から見える。別の実施形態において、ハウジング332の第一の部分344の少なくとも一部は観察窓360を画定し、シールドが格納位置にあるときに、フラッシュチャンバ398はハウジング332の第一の部分344の観察窓360から見える。他の実施形態では、安全シールド336は、フラッシュチャンバ398が観察窓360と安全シールド336の一部の両方から見えるように、半透明および/または透明材料で形成されていてもよい。また別の実施形態において、安全シールド336とハウジング332の第一の部分344の両方が透明材料または半透明材料で作製され、フラッシュチャンバ398が両方に構造から見える。第一の部分344と安全シールド336は、同じまたは異なる半透明および/または透明材料で作ることができる。また別の実施形態では、カニューレ334の患者側端340は先端面取り部338を有していてもよく、ハウジング332の中の観察窓360の位置は先端面取り部338の向き、つまり先端面取り部338の傾斜面の向きに対応する。これは、医療従事者が、カニューレ334の患者側端340を目視確認することなく、患者の体内でカニューレ334を適正に方向付けることを援助する。
【0095】
図33に示されるように、安全シールド336は、格納位置にあるときに、ハウジング332の第一の部分344の中に完全に配置されていてもよい。1つの実施形態において、安全シールド336は、少なくともカニューレ334の一部を少なくとも部分的に取り込む、例えば円周方向に取り囲むようになされている。1つの実施形態において、安全シールド336は、実質的に剛性の材料で製作することができる。別の実施形態において、安全シールド336は、安全シールド336を実質的に損傷することなく圧縮、拡張できるように十分な弾力性を有する、実質的に弾力性のある変形可能な材料で作製し、それを蛇腹式折畳み構造(accordion folding arrangement)で折り畳めるように構成してもよい。
【0096】
図33−34に示されるように、安全シールド336の一部と、ハウジング332の第一の部分344の一部と、の間でばね368が付勢されていてもよい。1つの実施形態において、ばね368は、シールド336の近位部分372と、第一の部分344の内腔352の内表面384と、の間で付勢される。他の実施形態において、ばね368は、シールド336の近位部分372と、第二の部分346の遠位端376と、の間で付勢される。また別の実施形態では、ばね368は、安全シールド336の付勢部分388と、第一の部分344の内腔352の内表面384および第二の部分346の遠位端376のいずれかと、の間で付勢される。
【0097】
図29−38に示されるように、安全シールド336は、ばね368によって、
図29に示される格納位置から
図30に示される伸張位置に移動されてもよい。安全シールド336が格納位置から伸張位置に移動する間、ばね368は、安全シールド336をハウジング332の第一の部分344の中にある位置から第一の部分344の遠位部分392より遠位の位置へと進める。この実施形態において、安全シールド336は、少なくともカニューレ334の患者側端340の穿刺先端が患者の体内に進入するために露出している格納位置と、患者側端340の穿刺先端が取り囲まれる、またはその他の方法で露出から安全に被覆保護される伸張位置と、の間で移動するようになされている。安全シールド336は、カニューレ334が患者の血管(図示せず)の内部に進入している間、またはカニューレ334が患者から抜去された後に、少なくとも部分的にカニューレ334の上に配置されてもよい。安全シールド336の格納位置から伸張位置への移動が、カニューレ334が患者の血管内部に進入している間に発生した場合、安全シールド336の遠位部394は患者の皮膚に接触する。
【0098】
さらに別の実施形態において、ニードルアセンブリ330はさらに、前述のバリアメカニズムと同様のバリアメカニズム396を備え、一旦安全シールド336が格納位置から伸張位置に移動したら、安全シールド336が再びハウジング332の中に入らないようにしてもよい。あるいは、
図33−34に示されるように、拘束部390とブレイク386が反対の配置で描かれ、ブレイク386がハウジング332の中、詳しくは第一の部分344の遠位端392の中に組み込まれ、拘束部390が安全シールド336の中のシールド336の近位部分372の付近に組み込まれる。
【0099】
図29−36に示されるように、押しボタン等の解除部材308が安全シールドを格納位置から伸張位置に移動させてもよい。他の実施形態において、解除部材308は、安全シールド336を格納位置から伸張位置に移動させるアクティベータを起動させてもよい。
図29−34に示される実施形態において、解除部材308は、前述のような解除部材と略同様に動作してもよいが、通過領域310は、少なくとも1つの略円形の開口部を画定してもよい。
図36に示されるように、解除部材308の拘束部312は、部分的に円形の開口部を画定してもよい。
図35は、ニードルアセンブリ330の切開図であり、解除部材308は第一の位置にあり、これはシールド336が格納位置にある場合に対応する。
図35に示されるように、拘束部312は、安全シールド336の少なくとも一部と係合し、解除部材308の肩状部314が、安全シールド336がばね368の付勢によって伸張位置へと移動することを防止する。この構成において、拘束部312と通過領域310は、異なる直径の円形の一部が連続する開口部を画定する。1つの実施形態において、通過領域310は直径D1、拘束部312は直径D2であり、D2はD1より小さい。解除部材308が第一の位置にあるときに、安全シールド336は、少なくとも部分的に拘束部312の開口部の直径と整合し、それによって拘束され、その結果、安全シールド336が格納位置に保持される。解除部材308が第二の位置に移動されると、拘束部312が安全シールド336と通過領域310の下まで進み、大きな直径の開口部が安全シールド336と整合し、その結果、安全シールド336はここを通過して移動することができる。
【0100】
1つの実施形態において、拘束部312はハウジング332の一部、例えばハブ364を円周方向に囲むような大きさとすることができる。任意的に、解除部材308は、解除部材308を第一の位置に安定させ、
図29,35に示されるように、ハウジング332の対応する肩状部318と係合させるような安定化手段を有していてもよい。1つ実施形態において、安定化手段は、ハウジング332の対応する肩状部318と係合し、解除部材308を第一の位置に安定させるための戻り止め突起316、例えば2つの戻り止め突起316を備えていてもよい。解除部材308が
図29,36の矢印Rで示される方向に押されると、安全シールド336は、
図30に示される伸張位置に移動する。解除部材308が矢印Rの方向に進められると、戻り止め突起316が下方に進められて、ハウジング332の中の
図35に示されるくぼみ320の中に受けられる。通過領域310の直径が拘束部312の直径より大きいことと、くぼみ320の中に戻り止め突起316が入っていることにより、安全シールド336は通過領域310の中を進み、これによって安全シールド336は格納位置から伸張位置に移動する。
【0101】
さらに、
図37−38に示されるように、ニードルアセンブリ330は、使用前にカニューレ334、特に患者側端340の穿刺先端を取り囲むための着脱自在のカニューレガード324を備えていてもよい。前述のように、着脱自在のカニューレガード324は、解除部材308が第一の位置から第二の位置に移動することを防止するように構成されたタブ部326を備えていてもよい。この実施形態において、タブ部326は、解除部材308の下表面356と対面して、それらの間に当接または干渉の関係が生じるように構成された上側面354を有する。医療従事者が着脱自在のカニューレガード324をニードルアセンブリ330から外すと、解除部材308は本明細書で説明したように活用される。
【0102】
図37−38に示されるように、着脱自在のカニューレガード324は、医療従事者がニードルアセンブリ330から取り外す際に、着脱自在のカニューレガード324をより握りやすくなるような輪郭のテーパ部328を有していてもよい。他の実施形態において、着脱自在のカニューレガード324は、着脱自在のカニューレガード323の内腔内に配置され、少なくとも部分的にカニューレ334を取り囲むように構成された補強管348を有していてもよい。補強管348は、着脱自在のカニューレガード324をニードルアセンブリ330のハブ364に着脱自在に固定するための固定手段362を有していてもよい。1つの実施形態において、固定手段362には、対応する摩擦嵌めまたは圧入構造を設けることができる。他の実施形態において、固定手段362は、医療従事者がハウジング332に関して着脱自在のカニューレガード324を回転移動させることによって、ニードルアセンブリ330から着脱自在のカニューレガード324を取り外すことができるように、嵌合係合するための対応するねじ山構造を有していてもよい。
【0103】
図39−58は、本発明のニードルアセンブリ530のまた別の実施形態を示している。
図39,41,43,45,47はそれぞれ、前述のように、ニードルアセンブリ530の使用前に取り外さなければならない、着脱自在のカニューレガード512を有するニードルアセンブリ530を示している。着脱自在のカニューレガード512は、解除部材508の押し下げを防止するように構成されたタブ部512aを備えていてもよい。この実施形態において、タブ部512aは、前述のように、解除部材508と安全シールド536との間の当接または干渉の関係が生じるように設計される。
【0104】
ニードルアセンブリ530は概して、ハウジング532の一部と組み合わされるカニューレ534、例えばカニューレ534の少なくとも一部を支持するハブ564、および/または検体採集容器ホルダ578を備える。ニードルアセンブリはまた、概して、ニードルアセンブリ530の使用中および/または使用後に、カニューレ534を安全に被覆保護するようになされた安全シールド536を備える。ニードルアセンブリ530はまた、前述のように、ハウジング532の少なくとも一部の中にフラッシュチャンバ598を備える。
【0105】
1つの実施形態において、ニードルアセンブリ530は第一の部分538を有し、第二の部分540が第一の部分538に連結されている。第二の部分540は、その中に検体採集容器、例えば真空採血管(図示せず)を受けるように構成された内腔542を画定する。1つの実施形態において、第二の部分540は、検体採集容器ホルダ578である。他の実施形態において、第二の部分540は採血容器ホルダ578であり、ニードルアセンブリ530は採血アセンブリ530である。
【0106】
1つの実施形態において、第二の部分540は、弓形の近位端544を有する。
図41−42に具体的に示されているように、弓形の近位端544の側面部はそれぞれ、概して凹形の近位領域546を画定し、
図43−44に具体的に示されているように、弓形の近位端544の上部と底部はそれぞれ、側面部の概して凹形の近位領域546によって分離される、概して凹形の近位領域548を画定する。任意的に、第二の部分540の外表面550は、医療従事者が容易に第二の部分540を握ることができるように、相対するぎざぎざの付いた領域(opposing ridged area)552を有していてもよい。1つの実施形態において、相対するぎざぎざの付いた領域552は、粘着性のある弾性材料で作製されてもよい。
【0107】
第二の部分540の遠位端554はまた、第一の部分538と係合するための係合メカニズム556を有していてもよい。1つの実施形態において、第二の部分540の遠位端554は、第一の部分538の近位端562と一体の突起560と嵌合係合するための、
図47−48に示されるような少なくとも1つのくぼみ558を有する。第一の部分538と第二の部分540は、圧入ロッキングメカニズム、螺合メカニズム、差込メカニズムによって相互に固定されるか、あるいは従来の接着剤を使って相互に接着してもよい。任意的に、第一の部分538の外表面566もまた、医療従事者が容易に第一の部分538を握ることができるように、相対するぎざぎざの付いた領域568を有していてもよい。カニューレ534は、前述のように、一部が第二の部分540の内腔542の中に、また一部が第一の部分538の内腔570の中に配置されてもよい。
【0108】
任意的に、この実施形態の第二の部分540は、真空採血管のような検体査収容器を、カニューレ534による穿孔等によって真空採血管の内部にアクセスすることなく挿入できる深さを医療従事者に示すための、少なくとも1つの管予備装填インディケータ(tube preload indicator)572を有していてもよい。任意的に、カニューレ534の一部は、カニューレ534の近位端の付近に配置された穿孔可能なスリーブ582によって保護されていてもよい。1つの実施形態において、予備装填インディケータ572は、第二の部分540の内表面または外表面の中、例えば第二の部分540の側壁の内表面または外表面の中に配置された、隆起または凹んだ帯状部(raised or recessed band)であってもよい。あるいは、予備装填インディケータ572は、第二の部分540の内部または外部の中の、色付けまたはざらつきのある帯状部(colored or textured band)とすることができる。他の実施形態において、予備装填インディケータ572は、連続または小区分からなる帯状部(continuous or segmented band)とすることができる。このように、真空採血管は、使用前にニードルアセンブリ530の中に「予備装填(pre-loaded)」することができる。
【0109】
1つの実施形態において、前述のように、ハブ564は少なくとも部分的にカニューレ534を支持する。ハブ564は、後方ハブ部574と前方ハブ部576を含み、透明または半透明のポリマ材料または樹脂から金型成形されることが好ましい。このように、ハブ564、特に前方ハブ部576は、フラッシュチャンバ598を画定する。1つの実施形態において、後方ハブ部574は、ハウジング532の第二の部分540の一部を通じて前方ハブ部576と係合し、密閉されたフラッシュチャンバ598を形成する。この構成において、フラッシュチャンバ598は、第一の部分538の内腔570の中に配置された前方ハブ部576の一部と係合するために、第二の部分540の内腔542から後方ハブ部574を導入することによって形成することができる。ハウジング532は、前方ハブ部576と、前方ハブ部576に連結可能な後方ハブ部574と、を有し、それらの間にフラッシュチャンバを画定してもよい。1つの実施形態において、後方ハブ部574の突起580は、ハウジング532の第二の部分540から伸び、前方ハブ部576の中の対応するくぼみと嵌合係合する。したがって、1つの構成において、後方ハブ部574は、
図39に示される検体採集容器ホルダ578の少なくとも一部を通じて、前方ハブ部576に連結可能である。別の構成において、後方ハブ部574は、その中に
図55に示されるような検体採集容器受入ポート504を画定する。
【0110】
図49に示されるように、1つの実施形態において、後方ハブ部574の少なくとも一部は、第二の部分540の内腔542の中に拘束され、フラッシュチャンバ598の一部が第二の部分540の中、例えば採血管ホルダの中に形成されてもよい。別の実施形態では、フラッシュチャンバ598は、少なくとも部分的に前方ハブ部576の中、および少なくとも部分的に後方部分574の中に形成することができる。この構成において、安全シールド536が格納位置にあるときに、医療従事者にとって見えるフラッシュチャンバ598の内部の容量を増大させながら、ニードルアセンブリ530の細い形状を維持することができる。
【0111】
図49に示されるように、1つの実施形態において、第一の部分538と第二の部分540との間に形成される空隙598aにより、その中で空気が圧縮され、それによって流体、例えば血液をカニューレ534に流入させ、その後フラッシュチャンバ598の中に押し込められるために十分な圧力が生じる。1つの実施形態において、空隙598aは、カニューレ534に入る血液をフラッシュチャンバ598に押し込むのに十分な量の圧搾空気を収容できる大きさである。
【0112】
着脱自在のカニューレガード512が所定に位置に設置されている状態で
図39に示される格納位置から、
図40に示される伸張位置への安全シールドの移動は、前述のように実行されてもよい。1つの実施形態においては、安全シールド536の一部とハウジング532の一部との間に設置されたばね584が安全シールド536を伸張位置の方向に付勢する。別の実施形態では、押しボタンのような解除部材508が、前述のように、安全シールド536を格納位置から伸張位置へと移動させてもよい。あるいは、再び前述のように、解除部材508は、安全シールド536を格納位置から伸張位置へ移動させるアクティベータを起動させてもよい。
【0113】
安全シールド536が格納位置から伸張位置まで移動する間に、ばね584は安全シールド536を、
図43−44に示すように、少なくとも部分的にハウジング532の第一の部分538の中にある位置から、第一の部分538の遠位領域586より遠位の位置に進める。この実施形態では、安全シールド536は、患者の体内に進入するためにカニューレ534の患者側端538の少なくとも穿刺先端が露出される格納位置と、カニューレ534の患者側端588の穿刺先端が取り囲まれ、または露出から安全に被覆保護される伸張位置と、の間で移動するようになされている。
図39,41,43,45,47の各々には、格納位置にあるときに着脱自在のカニューレガード512がカニューレ534の上に配置される様子が描かれているが、使用前には着脱自在のカニューレガード512は取り外され、カニューレ534が露出する点に注意されたい。
【0114】
図44に示されるように、伸張位置にあるとき、安全シールド536は、安全シールド536の近位周縁590と第一の部分538の遠位拘束部592との係合により、第一の部分538の遠位領域586の中に保持される。
図48に示されるように、再び伸張位置にあるとき、安全シールド536は、安全シールド536の近位周縁590と、ハウジング532の第一の部分538のバリアメカニズム594と、の間の係合により、遠位領域586での係合部を越えてハウジング532の第一の部分538の中に再び入ることがないようにされる。
【0115】
図48に示されるように、バリアメカニズム594はロッキングタブ596を備えていてもよく、このロッキングタブ596は、安全シールド536が格納位置から伸張位置に移動する際に歪むが、安全シールド536が伸張位置にあると歪みに実質的に抵抗する。ロッキングタブ596は、安全シールド536が格納位置から伸張位置へ移動する間に、ばね584の力が掛かることによって安全シールド536がその上を進むことができるようにするテーパ面528を有していてもよい。ロッキングタブ596はまた、安全シールド536が格納位置から伸張位置へ移動したら、安全シールド536がロッキングタブ596の上を通過するのを防止するための停止面526を有していてもよい。したがって、ニードルアセンブリ530の安全シールド536は、一旦安全シールド536が格納位置から伸張位置に移動すると、カニューレ534の上の所定の位置にロックされたままの状態に保たれる。
【0116】
図51−52に示されるように、ニードルアセンブリ530には別のロッキングタブ596aが設けられてもよい。ロッキングタブ596aは、前述のものと同様の形状を有し、シールド536が格納位置から伸張位置に移動するときは、ゆがむことによって安全シールド536がその上を移動でき、シールド536が伸張位置に移動した後は、軸方向の歪みに実質的に抵抗する。
図52に示されるように、ハウジング532の一部は、ロッキングタブ596aの付近に配置されて、
図52の矢印Bにより示される半径方向への歪みに実質的に抵抗してもよい。
【0117】
図53−55に示されるように、この実施形態を組み立てる間に、カニューレ534を前方ハブ部576および後方ハブ部574と結合させ、その中にフラッシュチャンバ598を有するハブ564を形成してもよく、カニューレ534はフラッシュチャンバ598の内腔と流体連通にある。ばね584が前方ハブ部576と安全シールド536の一部との間に配置されていてもよい。安全シールド536は、解除部材508の一部を通じて、第二のハウジング部532aの内腔内に挿入されてもよい。
図53に示されるように、ハウジング536の一部は、ハブ564を第二のハウジング部532aと係合させるために、ハブ564の上の対応するタブ524と係合するための結合メカニズム522を有していてもよい。図のように、ロッキングタブ596aは、第二のハウジング部532aの遠位端の中に配置してもよい。ハブ564と第二のハウジング部532aが結合されると、シールド536は、ばね584によって伸張位置へと付勢される。しかしながら、解除部材508は、安全シールド536の肩状部514と解除部材508の拘束部520とを係合させることによって、ばねの付勢を第一の位置に拘束する。
図53−55に示されるように、解除部材508の組立は、近位つまり後方に向かう方向で実現されるが、本願では、組立を、
図65−66に示されるように上方に向かう方向、あるいは遠位つまり前方に向かう方向でも行えることも想定されている。
【0118】
図56に示されるように、ハブ564は、前方ハブ部576と後方ハブ部574とを係合させることによって形成してもよい。カニューレ534は、前方ハブ部576と後方ハブ部574の少なくとも一方と係合し、それによって部分的に支持されてもよい。前方ハブ部576と後方ハブ部574との間であって、それらの間に画定されてカニューレ534と流体連通するフラッシュチャンバ598の中に、多孔栓(porous plug)510を配置してもよい。
【0119】
図57−58に示されるように、ニードルアセンブリ530は、その上に穿孔可能なスリーブ584が配置された非患者用ニードル516(またはカニューレの非患者側端)を有していてもよく、ハブ564の中に画定されるフラッシュチャンバ598の中で患者用ニードル518と直線状に並べられてもよい。前方ハブ部576と安全シールド536の一部との間にばね584を設置してもよい。安全シールド536は、解除部材508の一部を通って、第二のハウジング部532aの内腔に挿入してもよい。安全シールド536、第二のハウジング部532a、ハブ564、およびカニューレ534を組み合わせたものは、第三のハウジング部532b、例えば検体採集容器ホルダまたは採血管ホルダの中に挿入してもよい。
【0120】
本願では、ハブ564、カニューレ534、安全シールド536、および第二のハウジング部532aを、第三のハウジング部532b、例えば採血管ホルダの中に一体的に設置してもよいものと想定している。あるいは、ハブ564、カニューレ534、安全シールド536、および第二のハウジング部532aは非一体的配置でもよく、この場合、ハブ564は、後に検体採集容器と係合されるようになされた、
図55に示される検体採集容器受入ポート504を備えてもよい。
【0121】
図59−63に示すように、非一体的ニードルアセンブリ(non-integrated needle assembly)630は、上記の実施形態と同様に構成される。1つの実施形態において、前方ハブ部674と後方ハブ部676は、ハブ664の外周678に隣接する溶接部を介して結合、例えば、永久的に結合される。フラッシュチャンバ698は、前方ハブ部674と後方ハブ部676との間に形成されてもよい。他の実施形態において、前方ハブ部674と後方ハブ部676の少なくとも一方は、透明または半透明のポリマ材料または樹脂から金型成形等によって形成される。したがって、医療従事者にはフラッシュチャンバ698がハブ664から見える。
【0122】
第一のハウジング部632aは、前方ハブ部674の少なくとも一部と安全シールド636の周囲に設置でき、着脱自在のカニューレガード612は、前述のように、カニューレ634の患者側端640の周辺に配置されて、第一のハウジング部632aと係合してもよい。遠位カニューレガード646は、使用前に、カニューレ634の非患者側端642を少なくとも部分的に取り囲むように設けられてもよい。遠位カニューレガード646は、第一のハウジング部632aの少なくとも一部と係合し、普通に手で圧力を加えることによってそこから外すことができる。遠位カニューレガード646と着脱自在のカニューレガード612の両方が、医療処置の開始前に医療従事者と偶発的に接触することがないように、カニューレ634の非患者側端642(または非患者用ニードル)とカニューレ634の患者側端640(または患者用ニードル)を被覆保護するために設置される。
【0123】
後方ハブ部676はさらに、
図61,63に示されるような検体採集容器係合ポート656を有していてもよく、これは検体採集容器ホルダ652(
図64に示す)、例えば採血管ホルダと係合可能である。別の実施形態において、検体採集容器係合ポート656は検体採集容器、例えば真空採血管と直接係合する。本願においてはさらに、
図49に参照番号598で示されている構成と同様のフラッシュチャンバをこの設計でも利用できることも想定されている。
【0124】
図65−66には、ニードルアセンブリ630のその他のメカニズム668が示されている。この実施形態において、解除部材608は、前述のように、第一の位置から第二の位置に移動するようになされている。解除部材608はさらに、解除部材が第一の位置から第二の位置に移動したときに、ハウジング632の少なくとも一部、例えば解除部材608に隣接するタブ部638を変形させる突起610を有する。ハウジング632のタブ部638が変形すると、解除部材608は第二の位置に拘束され、これによって解除部材608は第一の位置に戻ることができなくなる。
【0125】
図67−72は、本発明のまた別の実施形態を示しており、この中で、採集アセンブリ730は、安全シールド736の形状と、安全シールド736のハウジング732への取り付けと、を除き、上記の実施形態と同様に構成される。ニードルアセンブリ730は概して、前述のように、ハブ764により支持されるなど、ハウジング732と組み合わされたカニューレ734を備える。フラッシュチャンバ798は、ハブ764の中に画定されるなど、ハウジング732の一部と組み合わされている。
【0126】
図67−72に示される実施形態において、安全シールド736は、アーム部のような第一の部分710と、シールド部のような第二の部分712と、を備えていてもよく、第二の部分712は第一の部分710に連結されている。第一の部分710は、医療従事者が安全シールド736に対して、普通に手でかける力を矢印Cによって示される方向に加えたときに、カニューレ734の
図71に示される長軸Lに沿って摺動可能にハウジング732の一部と係合するように構成される。1つの実施形態において、第一の部分710は、ハウジング732と一体の滑動メカニズム714と摺動可能に係合、例えばそれに沿って滑動するように構成される。別の実施形態では、ハウジング732の一部と安全シールド736の一部は、係合する滑動メカニズム(engaging glide mechanism)714を画定し、その中で、安全シールド736の一部はハウジング732の一部に関して軸方向に移動可能である。
【0127】
1つの実施形態において、第一の部分710は、ハウジング732の外表面716の一部に設けられた溝720と摺動可能に係合するための突起718を備え、これが滑動メカニズム714となる。別の実施形態において、第一の部分710は、ハウジング732の外表面716の上に延びる突起と摺動可能に係合するためのくぼみを有する。第一の部分710は、医療従事者の指を受け、安全シールド736を
図67に示される格納位置から
図68に示される伸張位置へと滑動メカニズム714に沿って進めることを助けるようなグリップ領域722を有していてもよい。
【0128】
安全シールド736の第二の部分712は、シールド736が格納位置にあるときに、少なくとも部分的にハウジング732の中に配置されるハブ764の一部を少なくとも部分的に取り囲む、例えば円周方向に取り囲むようになされており、その中に画定されるフラッシュチャンバ798は、安全シールド736が格納位置にあるときに、少なくとも部分的に医療従事者から見える。1つの実施形態において、フラッシュチャンバ798の少なくとも一部は、安全シールド736の第二の部分712の中の観察窓724、つまり切り欠き部分から医療従事者に見える。他の実施形態において、安全シールド736の第二の部分712は、透明材料および/または半透明材料で構成してもよく、この場合、そこからフラッシュチャンバ798が見えてもよい。
【0129】
この実施形態において、安全シールド736は、カニューレ734の患者側端740の少なくとも穿刺先端が患者の体内に進入するために露出される
図67に示すような格納位置と、カニューレ734の穿刺先端が取り囲まれ、またはその他露出から安全に被覆保護される
図68に示すような伸張位置と、の間で移動するようになされている。安全シールド736の第二の部分712は、伸張位置にあるときに、カニューレ734の少なくとも一部を少なくとも部分的に取り囲む、例えば、円周方向に取り囲むようになされている。他の実施形態では、カニューレ734の患者側端740は、安全シールドが伸張位置にあるときに、安全シールドの第二の部分712によって少なくとも部分的に取り囲まれる。
【0130】
安全シールド736は、カニューレ734が患者の血管(図示せず)の内部に進入している間、またはカニューレ734が患者から抜き取られた後に、カニューレ734の上に配備されてもよい。カニューレ734が患者の血管の内部に進入している間に安全シールド736が格納位置から伸張位置に移動すると、安全シールド736の遠位部分744、例えば安全シールド736の第二の部分712は患者の皮膚と接触する。1つの実施形態において、安全シールド736は、格納位置に安全シールド736を一時的に拘束する戻り止めメカニズムと、安全シールド736が伸張位置に移動した後に安全シールド736をそこに保持するようになされたロッキングメカニズム750と、を備える。
図71に示すように、安全シールド736の第一の部分710はロッキングメカニズム750を有していてもよく、そのロッキングメカニズムは、安全シールド736が格納位置にあるときに、例えば第一の部分710の一部によって、ハウジング732の一部に対して歪む、またはその他半径方向に偏倚する。
図72に示されるように、一旦安全シールド736が伸張位置に移動すると、ロッキングメカニズム750は前進し、例えばハウジング732との接触がなくなるまで、カニューレ734の長軸Lに沿って長手方向に前進する。この時点で、カニューレ734に関して略平行な方向にロッキングメカニズム750を保持する、半径方向に偏倚させる力が生じ、ロッキングメカニズムは、矢印Dによって示されるようにカニューレ734に向かって揺動し、ハウジング732の遠位端と係合する。一旦ロッキングメカニズム750がハウジング732の遠位端と係合すると、安全シールド736が伸張位置から格納位置に引き戻ることが防止される。
【0131】
滑動可能な安全シールド836を有する別のニードルアセンブリ830を、
図73−86に示して説明する。この構成において、ニードルアセンブリ830は概して、ハウジング832の一部と組み合わされたカニューレ834と、装置の使用中および/または使用後にカニューレ834を安全に被覆保護するようになされた安全シールド836と、を備える。ハウジング832の内腔の近位部分838は、その中に真空採血管(図示せず)を受けるように構成されていてもよく、
図76に示されるように、ハウジング832の近位部分838の中での真空採血管の前進を制限するための内側隆線840を有していてもよい。
【0132】
カニューレ834は、遠位の患者用ニードル44(または単独カニューレの患者側端)と、近位の非患者用ニードル46(単独カニューレの非患者側端)と、を有していてもよい。近位の非患者用ニードル46は、真空採血管(図示せず)の穿孔のために設けられていてもよい。遠位の患者用ニードル44は、患者の皮膚を穿刺し、患者の静脈に入るための穿刺先端を画定するように、先端面取りが施されていてもよい。カニューレ834はハウジング832の少なくとも一部、例えばハブ部864によって支持される。フラッシュチャンバ898は、前述のように、ハブ864の中に画定されていてもよい。1つの実施形態において、ハブ864とカニューレ834は、ハウジング832の残りの部分と一体的に形成することができる。あるいは、ハブ864および/またはカニューレ834は、別々に形成し、その後組み立ててもよい。
【0133】
図73−86に示される実施形態において、安全シールド836は、アーム部のような第一の部分810と、シールド部のような第二の部分812と、を有していてもよい。第一の部分810と第二の部分812は連結される。第一の部分810はグリップ部814を有していてもよく、そのブリップ部は、医療従事者の指を受けて、安全シールド836を、
図75−79に示されるような患者側端44が露出される格納位置から、
図82−86に示されるような患者側端44が被覆保護される伸張位置へと進めるのを助ける。
【0134】
安全シールド836は、ハブ864の上表面820と、安全シールド836の第二の部分812の下表面のような安全シールド836の下表面818と、の接触によって実現される滑動メカニズム816に沿って、ハブ864の一部と摺動可能に係合するように構成される。上表面820と下表面818との接触は、2つの表面の間の摩擦摺動として実現されてもよい。あるいは、上表面820には、下表面818の一部に設けられた前述のような対応する溝(図示せず)の中に受けられる、前述のような突起(図示せず)を設けてもよい。あるいは、上表面820に、下表面818の一部から延びる突起(図示せず)を受けるための溝(図示せず)を設けてもよい。
【0135】
1つの実施形態において、シールド836の第一の部分810は、カニューレ834の長軸T(
図75に示す)に沿って摺動可能にハブ864の一部と係合してもよい。
図77に示されるように、シールド836の第一の部分810は、ハブ864の一部と摺動可能に係合する第一の端850を有し、シールド836の下表面818がハブ864の上表面820と摺動可能に係合するようにしてもよい。シールド836の第一の部分810は、
図77−78に示すように、少なくとも部分的にハウジング832の一部の中に延びる第二の端852を有していてもよい。別の実施形態において、第一の部分810の第二の端852は、少なくとも部分的にハウジング832の外表面856の一部の中に延びていてもよい。さらに別の実施形態において、
図75に示されるように、第一の部分810の第二の端852は、少なくとも部分的に、ハウジング832の外表面856に画定された溝858の中に延びる。溝858は、ハウジング832の中でカニューレ834の長軸Tに略沿って延びていてもよい。シールド836の第一の部分810は、シールド836が格納位置から伸張位置に移動する際に、溝858の中を摺動してもよい。別の実施形態において、
図74に示されるように、第一の部分810は、ハウジング832の遠位の形状面870に略対応する形状面868を有していてもよい。
【0136】
安全シールド836の第二の部分812は、安全シールド836が格納位置にあるときに、ハブ864の少なくとも一部を少なくとも部分的に取り囲む、例えば円周方向に取り囲むようになされている。1つの実施形態において、第二の部分812は、カニューレ834の一部の周囲に配置され、第一の部分810の一部と軸方向に位置合わせされ、カニューレ834の周囲で格納位置から伸張位置に移動する。
【0137】
安全シールド836はまた、ハウジング832および/またはハブ864の一部と、シールド836の一部と、の抵抗係合(resistance engagement)により、医療従事者が作動する前にハウジング832から不意に移動することを防止されていてもよい。医療従事者がグリップ部814に対して
図78の矢印Rで示される方向に力を加えると、安全シールド836は、ハウジング832から、
図75に示される長軸Tに沿って遠位方向に進められる。
【0138】
図79,86を参照すると、安全シールド836は、一旦シールド836が格納位置から伸張位置に移動したら、シールド836が伸張位置から格納位置へと移動しないようにするための拘束手段874を備えていてもよい。安全シールド836が格納位置から伸張位置に移動する間、安全シールド836の近位突起876は、拘束ノッチ878を通って、ハウジング832および/またはハブ864の中、例えば滑動メカニズム816の中で進められる。
【0139】
拘束ノッチ878は、安全シールド836の近位突起876が容易にその中を通れるように構成された三角形部分880と、一旦安全シールド836が格納位置から伸張位置に移動したら、安全シールド836の近位突起876が再び入るのを防止するように構成された拘束面882と、を有していてもよい。このように、一旦安全シールド836がカニューレ834の患者側端844を被覆保護したら、安全シールド836は再びハウジング832に再び入ることができない。
【0140】
1つの実施形態において、フラッシュチャンバ898は、安全シールド836が格納位置にあると、少なくとも部分的に医療従事者から見える。したがって、シールド836の一部、例えば第二の部分812は、透明材料および/または半透明材料で構成し、フラッシュチャンバ898がそこから見えるようにしてもよい。
【0141】
図87−91は、本発明の他の実施形態を示しており、この実施形態では、採集アセンブリ930が、安全シールド936の構成と、ハウジング932への安全シールド936の取り付けと、を除き、前述のものと同様に構成される。ニードルアセンブリ930は概して、ハウジング932と組み合わされたカニューレ934と、装置の使用中および/または使用後にカニューレ934を安全に被覆保護するようになされた安全シールド936と、を備える。ニードルアセンブリ930はさらに、カニューレ934を支持し、前述のように、その中にフラッシュチャンバ998を画定するハブ964を備える。
【0142】
図87−91に示される実施形態において、安全シールド936は、ハウジング932の外表面942に取り付けられた従属アーム940を備える。従属アーム940は、複数の伸張可能なセグメント948を有していてもよく、例えば第一の伸張可能なセグメント944が第二の伸張可能なセグメント950に連結される。1つの実施形態において、第一の伸張可能なセグメント944は、例えば旋回軸956等によって従属アーム940の基底部952に枢着または蝶着(pivotally or hingedly connected)され、第一の伸張可能なセグメント944が基底部952に関して関節運動(articulate)できるようにしてもよい。他の実施形態では、第二の伸張可能なセグメント950が、例えば旋回軸956等によって、第一の伸張可能なセグメント944に枢着または蝶着され、第二の伸張可能なセグメント950が第一の伸張可能なセグメント944に関して関節運動できるようにしてもよい。
【0143】
1つの実施形態において、シールド936の従属アーム940は、カニューレ934の第一の側に向けられている。別の実施形態において、シールド936は、カニューレ934の第二の側に向けられる、前述と同様の第二の従属アーム970を備え、第二の側は第一の側の略反対である。さらに別の実施形態において、従属アーム940と第二の従属アーム970は、ユニオン(union)972等で連結されていてもよい。他の実施形態では、従属アーム940と第二の従属アーム970は、少なくとも1つの旋回軸956によって連結されていてもよい。また別の実施形態では、旋回軸956は、180度未満の角度の関節運動を可能にしてもよい。
【0144】
1つの実施形態において、従属アーム940と第二の従属アーム970の向きにより、シールドが格納位置にあるときに、フラッシュチャンバ998が見えやすくなる。
図87に示されるように、格納位置にあるときに、伸張可能なセグメント948は略横方向に向き、第一の伸張可能なセグメント944の遠位整列端(alignment end)976は、第二の伸張可能なセグメント950の近位整列端978から離れている。1つの実施形態において、第一の伸張可能なセグメント944の遠位整列端976は、横方向に向く第二の伸張可能なセグメント950の近位整列端978からオフセット、つまり異なる縦断面の中に位置付けられる。また別の実施形態において、第一の伸張可能なセグメントの遠位整列端976と第二の伸張可能なセグメント950の近位整列端978は、シールド936の移動軸Wから横方向にずらされる。
【0145】
安全シールド936は、解除部材982に対して、
図87に示される矢印Hで示される方向に手で力を加えることによって、格納位置から伸張位置に移動されてもよい。
図88に示されるような途中まで伸ばされた位置において、基底部952を前方に押すことにより、第一の伸張可能なセグメント944は、近位端960が頂点(
図88に示される)に到達するまで、旋回軸956を中心として関節運動を始める。
図89に示されるように、第一の伸張可能なセグメント944が移動すると、第二の伸張可能なセグメント950は旋回軸956を通じて前進する。このような運動は、解除部材982を引き続き
図87の矢印Hの方向に前方移動させることによって実現されてもよく、この前方移動により基底部952が移動し、これが第一の伸張可能なセグメント944を関節運動させる。あるいは、伸張可能なセグメント948は、弾力性を有する材料で構成し、一旦第一の伸張可能なセグメント944が頂点に到達したところで自動運動を行わせ、これによって自動連続運動(automatic continued movement)のためのメカニズムを作ってもよい。この運動を可能にするために、第二の伸張可能なセグメント950の自由端986は、
図87に示される移動軸Wに沿って進められる。
【0146】
図91に示されるような完全に伸ばされた位置において、第一の伸張可能なセグメント944と第二の伸張可能なセグメント950は、カニューレ934を被覆保護する方向にあるカニューレ934と略同じ縦断面に沿って、相互に関して略平行に方向付けられる。完全に伸ばされた位置において、伸張可能なセグメント948は略長手方向にあり、第一の伸張可能なセグメント944の遠位整列端は、第二の伸張可能なセグメント950の近位整列端978に略隣接する。1つの実施形態において、第一の伸張可能なセグメント944の遠位整列端976は、
図91に示されるように、同じ縦断面Wに沿って、第二の伸張可能なセグメント950の近位整列端978と接触する。
【0147】
安全シールド936、特に第一の伸張可能なセグメント944と第二の伸張可能なセグメント950は、安全シールド936が伸張位置にあるときに、これらがカニューレ934、特にその穿刺先端を被覆保護するようになされるのに好適であれば、どのような寸法と形状でもよい。安全シールド936は、カニューレ934が患者の血管(図示せず)の内部に進入している間、またはカニューレ934が患者から引き抜かれた後に、カニューレ934の上に配備されてもよい。本明細書に記載のものと同様のロッキングメカニズムをさらに使用し、一旦シールド936が格納位置から伸張位置に移動したら、シールド936が伸張位置から格納位置に移動するのを防止してもよい。
【0148】
1つの実施形態において、フラッシュチャンバ998は、格納位置と伸張位置の両方において、また途中まで伸ばされた位置においても、医療従事者から見えてもよい。別の実施形態において、安全シールド936の格納位置から伸張位置への移動は、フラッシュチャンバ998が見える上で邪魔にならないように行われる。この構成において、安全シールド936の関節運動は、フラッシュチャンバ998の視野路(viewpath)から離れた場所で行われる。例えば、旋回軸956をニードルアセンブリ930の底部に設置して、医療従事者が上から直接フラッシュチャンバ998を見る視界を妨害しないようにしてもよい。
【0149】
図92−93は、本発明の別の実施形態を描いたものであり、ニードルアセンブリ1030は、安全シールド1036の構成と、安全シールド1036のハウジング1032への取り付けと、を除き、前述のものと同様である。ニードルアセンブリ1030は概して、ハウジング1032と組み合わされたカニューレ1034と、装置の使用中および/または使用後にカニューレ1034を安全に被覆保護するようになされた安全シールド1036と、を備える。ニードルアセンブリ1030はさらに、カニューレ1034を支持し、前述のように、その中にフラッシュチャンバ1098を画定するハブ1064を備える。ハブ1064の少なくとも一部とフラッシュチャンバ1098は、安全シールド1036が格納位置にあるときに、安全シールド1036の一部から見える。
【0150】
1つの実施形態において、シールド1036は従属アーム1006を備え、これは、従属アーム1006がカニューレ1034の長軸S(
図92に示される)に略垂直となる、
図92に示される第一の位置から、従属アームがカニューレ1034の向きが長軸Sに略沿っている、
図93に示される第二の位置に移動可能である。1つの実施形態において、従属アーム1006は、相互に枢着または蝶着される第一の部分1008と第二の部分1010とを有していてもよい。
【0151】
シールド1036の一部は、
図93に示される伸張位置にあるときに、カニューレ1034の先端の少なくとも一部を少なくとも部分的に取り囲む、例えば円周方向に取り囲むようになされている。1つの実施形態において、安全シールド1036が格納位置にあるときに、医療従事者からフラッシュチャンバ1098の少なくとも一部が見える。格納位置において、第一の部分1008と第二の部分1010は、カニューレ1034の軸に関して略垂直な向きにあり、伸張位置では相互に略平行の向きにある。シールドはさらに、カニューレ1034の一部の周囲に円周方向に配置された円形部分1088を有していてもよい。1つの実施形態において、一旦第一の部分1008と第二の部分1010が略平行な方向になると、円形部分1088は、従属アーム1006の上、例えば第一の部分1008と第二の部分1010を連結するヒンジ1090の上で移動し、これによってヒンジ1090を所定の位置にロックする。
【0152】
他の実施形態として、
図94−106に本発明の他の蝶着アセンブリの実施形態が示される。ニードルアセンブリ30c1は概して、ニードルホルダ42c1と組み合わされたニードル構造32c1と、装置の使用後にニードル構造32c1を安全に被覆保護するようになされた安全シールド64c1と、を備える。ニードルアセンブリ30c1はさらに、前述のように、ニードル構造32c1を支持するハブ58c1と、その中に画定されるフラッシュバックインディケータ60c1と、を備える。
【0153】
図94−106に示される実施形態において、安全シールド64c1は、第一の従属アーム3000と、第一の従属アーム3000に略平行な第二の従属アーム3002と、を備えていてもよい。第一の従属アーム3000と第二の従属アーム3002は、第一の従属アーム3000と第二の従属アーム3002に略垂直な連結面3004によって相互に連結される。安全シールド64c1は、ニードルホルダ42c1に隣接する近位端3006と、近位端3006と反対の遠位端3008と、を有する。好ましくは、安全シールド64c1の近位端3006は、2つの対向する旋回軸3010によって、ニードルホルダ42c1に連結される。別の実施形態において、安全シールド64c1は、旋回軸3010によってニードルホルダ42c1の前方円錐部3012に枢着されており、旋回軸3010は、前方円錐部3012に連結され、ニードルホルダ42c1の長軸に沿った方向の対向する取り付けアーム3014を通って延びる。
【0154】
旋回軸3010により、安全シールド64c1は、
図98−101に示される格納位置から、
図102−104に示される伸張位置に、ニードルホルダ42c1に関して回転するように推移的に旋回することができる。1つの実施形態において、安全シールド64c1はまた、連結面3004の中の近位端3006に隣接して、ニードルホルダ42c1の外表面3018および/または前方円錐部3012の外表面3018の輪郭に略対応する輪郭を有するシールド係合領域3016を有していてもよい。この構成において、シールド係合領域3016は、格納位置において、ニードルホルダ42c1の一部に着座してもよい。
【0155】
図97に示されるように、ハブ58c1は、前方ハブ部3026と、前方ハブ部3026に結合された後方ハブ部3028と、を有していてもよい。前方ハブ部3026は、フラッシュバックインディケータ60c1の周囲に設置され、略円錐形であってもよい。1つの実施形態において、前方ハブ部3026の少なくとも一部は、ニードルホルダ42c1の前方円錐部3012より遠位方向に延びる。別の実施形態において、前方ハブ部3026の少なくとも一部は、ニードルホルダ42c1の前方円錐部3012の輪郭に対応する輪郭を有する。ハブ58c1の後方ハブ部3028は、ニードルホルダ42c1の内周に接触し、それ以上に真空採血管(図示せず)が前進するのを防止するような寸法のディスク構造を備えていてもよい。ニードル構造32c1の少なくとも一部は、ハブ58c1の前方ハブ部3026と後方ハブ部3028の中を延びてもよい。ハブ58c1は、一体要素として採集アセンブリの中に設けられていてもよいが、別の構成では、前方ハブ部3026と後方ハブ部3028を含むハブ58c1と、ニードル構造32c1は、別々に形成し、その後、採集アセンブリ30c1の中に組み立ててもよい。
【0156】
1つの実施形態において、ニードルアセンブリ30c1には、ニードル構造32c1の少なくとも一部を覆う、例えば遠位ニードル部34c1の少なくとも一部を覆う着脱自在のIVニードルシールド3020を設けてもよい。1つの実施形態において、
図97に示されるように、ニードルシールド3020は、ハブ58c1の前方ハブ部3026、ニードルホルダ42c1の前方円錐部3012、フラッシュバックインディケータ60c1、および/またはハブ58c1の少なくとも一部上に延びるような大きさとすることができる。ニードルシールド3020は、普通に手で圧力を加えることによって、使用前にニードルアセンブリ30c1から取り外すことができる。
【0157】
再び
図97を参照すると、別の実施形態において、ニードルアセンブリ3020には、ニードルシールド3020の外表面3024の上に設置された隆起突起3022を設けることができる。1つの実施形態において、隆起突起3022は、ニードルシールド3020の周囲に円周方向に配置される。別の実施形態において、隆起突起3022は安全シールド64c1の中のノッチ3030に対応し、ニードルシールド3020は、安全シールド64c1が
図98−101に示される格納位置に到達するまで、ニードルアセンブリ30c1から偶発的に外れることがない。
【0158】
安全シールド64c1は、安全シールド64c1が
図98−101に示されるような格納位置にあるときに、ニードル構造32c1から離れるように旋回し、医療従事者がニードル構造32c1を患者に取り付けて、
図102−104に示されるような伸張位置にあるときに、ニードル構造32c1、特に遠位ニードル部34c1の先端に向かって旋回し、これを被覆保護ために適していればどのような寸法であってもよい。1つの実施形態において、安全シールド64c1は、格納位置にあるときに、ニードル構造32c1の軸から、医療従事者がフラッシュバックインディケータ60c1および/またはハブ58c1を見るため十分な角度まで旋回してもよい。別の実施形態では、安全シールド64c1を透明および/または半透明の材料で製作し、医療従事者がそこからフラッシュバックインディケータ60c1および/またはハブ58c1を見ることができるようにする。
【0159】
一旦遠位ニードル部34c1が患者から抜き取られると、ニードルアセンブリ30c1は、格納位置から伸張位置に移動されてもよい。1つの実施形態において、安全シールド64c1の第一の従属アーム3000と第二の従属アーム3002は、前方ハブ部3026、前方円錐部3012、および/またはニードルホルダ42c1の少なくとも一部と圧入ロックを形成するように構成されていてもよい。これにより安全シールド64c1は、最初に格納位置から伸張位置に移動したら、格納位置に戻ることが防止される。
図105−106に示されるように、第一の従属アーム3000と第二の従属アーム3002はそれぞれ、安全シールド64c1の近位端3006において旋回軸3010に隣接して設置された内側に傾斜する拘束部3032を備えていてもよい。傾斜した拘束部3032は、斜面3036と拘束面3038を有する。前方ハブ部3026はまた、傾斜した拘束部3032と係合するための複数の張り出し部3034を有していてもよい。1つの実施形態において、ニードルアセンブリ30c1の安全シールド64c1が格納位置から伸張位置に移動すると、安全シールド64c1の傾斜した拘束部302が前方ハブ部3026の張り出し部3034と係合する。具体的には、拘束面3038が張り出し部3034と係合し、安全シールド64c1のその後の運動を防止する。1つの実施形態において、張り出し部3034は、ハブ58c1の遠位端3050の上に配置される。別の実施形態において、傾斜した拘束部3032は、安全シールド64c1の上の、旋回軸3010より遠位の位置に配置され、ハブ58c1の遠位端3050の上の張り出し部3034に対応して係合する。あるいは、前方円錐部3012も、安全シールド64c1の傾斜した拘束部3032と係合するための複数の張り出し部3034aを有していてもよい。さらに別の実施形態において、傾斜した拘束部3032は、安全シールド64c1の上位面(superior side)3052の上に配置され、旋回軸3010から近位方向に延びていてもよい。したがって、安全シールド64c1とハブ58c1は、ニードルアセンブリ30c1の上位面3052(下側)で係合してもよい。傾斜した拘束部3032は、普通に手で圧力を加えることにより、張り出し部3034の上で移動させることができる。
図106に示されるように、安全シールド64c1は任意的に、安全シールド64c1の中に前方ハブ部3026をさらに固定するための付勢要素3040を備えていてもよい。したがって、安全シールド64c1のロッキング構造は、ハブ58c1の中に画定されるフラッシュチャンバの少なくとも一部と係合する。1つの実施形態において、安全シールド64c1のロッキング構造は、ハウジングの少なくとも一部、例えばハブ58c1と、フラッシュチャンバより遠位の位置で係合する。
【0160】
図107−121は、本発明のまた別の、蝶着されたアセンブリの実施形態を描いたものである。
図107−113に示されるように、ニードルアセンブリ5000は概して、ハブ58c2と組み合わされたニードル構造32c2と、ハブ58c2に連結されて、装置の使用後にニードル構造32c2を安全に被覆保護するようになされた安全シールド64c2と、を備える。1つの実施形態において、ニードルアセンブリ5000は、蝶着された安全シールドを有する他の周知のノードルアセンブリ、例えば特許文献11において開示されているもの特徴を取り入れてもよく、上記特許明細書の開示全部を引用によって本願に援用する。
【0161】
ニードル構造32bc2は、遠位ニードル部5002と近位ニードル部5004を有していてもよい。遠位ニードル部5002と近位ニードル部5004は別個のニードルであってもよく、どちらもその中を延びる中央ルーメン5006を画定するニードルニューレである。近位ニードル部5004は、ニードル構造32bc2の非患者側端であり、これは真空採血管(図示せず)を穿刺するために設けられる。近位ニードル部5004は、ニードル構造32c2の近位ニードル部5004の尖った端によって穿刺可能な弾性マルチサンプルスリーブ5008によってカバーされていてもよい。遠位ニードル部5002は、ニードル構造32c2の患者側端であり、患者の皮膚を穿刺し、患者の血管内に進入するための穿刺先端を画定するために先端面取りが施されていてもよい。
【0162】
ハブ58c2は、前方ハブ部5010と後方ハブ部5012を有していてもよく、その中にニードル構造32c2を支持することができる。1つの実施形態において、遠位ニードル部5002は前方ハブ部5010と一体であってもよく、近位ニードル部5004は後方ハブ部502と一体であってもよい。前方ハブ部5010と後方ハブ部5012は、嵌合係合するように構成される。前方ハブ部5010は、後方ハブ部5012と一体の対応するくぼみ5016と係合するための突起5014、例えば隆起した環状リングを有していてもよい。別の実施形態において、前方ハブ部5010と後方ハブ部5012は、接着剤または溶接によって相互に連結されていてもよい。組み立てられると、ハブ58c2は、前述のように、その中にフラッシュバックインディケータ60c2を画定する。
【0163】
ハブ58c2はさらに、前述のように、安全シールド64c2の少なくとも一部、例えば安全シールド64c2の旋回軸5020を取り囲むためのカラー5018を有していてもよい。1つの実施形態において、前方ハブ部5010は第一のカラー部5022を有し、後方ハブ部5012は第二のカラー部5024を有する。第一のカラー部5022は、
図112,114に示されるように、安全シールド64c2の取り付け軸受5026をその中に収容するために、概してc字型の領域5028を有していてもよい。取り付け軸受5026は安全シールド64c2と一体であってもよい。取り付け軸受5026はまた、ハブ58c2の一部、例えば第一のカラー部5022および/または第二のカラー部5024と一体であってもよい。あるいは、取り付け軸受5026は別に設けられ、その後安全シールド64c2および/またはハブ58c2と組み立ててもよい。取り付け軸受5026は、
図115に示されるように、安全シールド64c2の第一の従属アーム5044と第二の従属アーム5046との間に延在させることもできる。第二のカラー部5024は、安全シールド64c2の取り付け軸受5026に略対応する内表面5032を有するキャップ領域5030を有していてもよい。第一のカラー部5022は、第二のカラー部5024と一体の、対応するくぼみ5036と係合するための突出部5034を有していてもよい。したがって、1つの実施形態において、前方ハブ部5010と後方ハブ部5012が係合すると、第一のカラー部5022も第二のカラー部5024と係合する。別の実施形態において、カラー5018は、ハブ58c2の略上表面に配置され、安全シールド64c2も同様にハブ58c2の上表面に連結されるようになっている。
【0164】
再び
図107−113を参照すると、近位IVニードルシールド5038と遠位IVニードルシールド5040は、前述のように、使用前に近位ニードル部5004と遠位ニードル部5002の上にそれぞれ配置することができる。
【0165】
使用中、近位IVニードルシールド5038を近位ニードル部5004から取り外すことができ、ニードルホルダ42c2は、
図115−121に示されるように、近位ニードル部5004の上に挿入して、ハブ58c2の少なくとも一部と係合させることができる。1つの実施形態において、ニードルホルダ42c2は、後方ハブ部5012の一部と係合する。
【0166】
他の実施形態において、
図114に示されるように、安全シールド64c2の取り付け軸受5026は、安全シールド64c2を特定の場所の中に保持するためのノッチ5042を有していてもよい。例えば、ノッチ5042は、安全シールド64c2を、その格納位置において、カラー5018の中に指定された角度で摩擦的に保持してもよい。これにより、医療従事者は医療手順中に、安全シールド64c2が予期せず閉じたり、滑ったりすることを心配することなく、安全シールド64c2を所望の角度に位置付けることができる。
【0167】
図115−121に示されるように、ニードルアセンブリ30c2は、前述のように、遠位ニードル部5002が患者の体内に進入するために被覆保護されていない状態である
図114に示されるような格納位置から、遠位ニードル部5002が露出しないように安全に被覆保護される伸張位置に、移動することができる。
図107−121を参照すると、別の実施形態において、安全シールド64c2は、医療従事者が患者の皮膚を穿刺する前に、安全シールド64c2を旋回させて、近位IVシールド5038の一部と係合させることができるようにするための、親指圧迫領域(thumb press-region)64c2aを有していてもよい。1つの実施形態において、親指圧迫領域64c2aは、少なくとも部分的に安全シールド64c2を越えて延び、医療従事者は、親指または親指以外の1本の指で親指圧迫領域64c2aに容易に接触できるようになっている。
【0168】
別の実施形態において、
図122に示されるように、採集アセンブリ130wは安全シールド64wを備えていてもよく、この安全シールドは、第一の従属アーム132wと、第一の従属アーム132wに略平行な第二の従属アーム134wと、を有する第一の端138wを備えていてもよい。第一の従属アーム132wと第二の従属アーム134wは相互に連結されていてもよい。第一の従属アーム132wと第二の従属アーム134wは、略同じ面積を有していてもよい。安全シールド64wは、少なくとも1つの旋回軸142wによってニードルホルダ42wに連結される端140wを有する。好ましくは、安全シールド64wの端140wは、2つの旋回軸142wによってニードルホルダ42wに連結される。旋回メカニズムの例は、特許文献12に記載されており、この開示全体を引用によって本願に援用する。
【0169】
1つの実施形態において、旋回軸142wは、安全シールド64wの第二の端140wと一体形成された突起と、ニードルホルダ42wの遠位端に画定された対応するくぼみと、を有していてもよい。他の実施形態において、旋回軸142wは、安全シールド64wの第二の端140wに画定されたくぼみと、ニードルホルダ42wの遠位端に画定された対応するくぼみと、を有していてもよい。さらに別の実施形態において、第一の旋回軸142wは、ニードルホルダ42wの遠位端の第一の側の上に配置することができ、第二の旋回軸142wは、ニードルホルダ42wの遠位端の第二の側に配置することができ、ニードルホルダ42wの第一と第二の側は、相互に略反対である。旋回軸142wにより、前述のように、安全シールド64wは、
図122に示される格納位置から伸張位置へ、ニードルホルダ42wに関して回転するように旋回することができる。
【0170】
本発明のまた別の実施形態において、
図123−125に示されるように、ニードルアセンブリ1130は検体採集容器ホルダ1101を備え、これは、検体採集容器ホルダ1101の近位端1103の上に配置され、使用前に検体採集容器ホルダ1101の内腔内を無菌環境とするための穿孔可能または穿刺可能なシールド1102を有する。1つの実施形態において、穿孔または穿刺可能なシールド1102は、標準的に手で加えられる圧力によって穿孔可能なミシン目の入った部分を有する紙、ポリマおよび/または薄い金属の膜で構成される。使用時に、医療従事者は、検体採集容器ホルダ1101の近位端1103に、穿孔可能または穿刺可能シールド1102を通じて、従来の周知の検体採集容器1105、例えば採血管を挿入してもよい。
【0171】
すると、ニードルアセンブリ1130を前述のように使用して、医療手順を実行し、および/または使用後にカニューレ1134を被覆保護してもよい。使用後、穿孔可能または穿刺可能なシールド1102は、検体採集容器ホルダ1101に取り付けたままとし、そのニードルアセンブリ1130が使用済みであることを明確に示す目印としてもよい。したがって、穿孔可能または穿刺可能なシールド1102を備えるニードルアセンブリ1130は、医療従事者にとって、不正工作および/または使用済みを明確に表示するものとなる。本明細書で説明した穿孔可能または穿刺可能なシールド1102は、上記の採集アセンブリのいずれとの使用にも適している。さらに、別の取り外し可能なライナ(図示せず)を、シールド1102の外表面の上に、除去可能な接着剤等によって付着させてもよいことも想定されている。このような取り外し可能なライナにより、使用前の無菌化とバリア保護をさらに向上させることができる。これに加え、穿孔可能または穿刺可能なシールド1102は、さらに外装する必要のある予備包装器具(prepackaged device)として、検体採集容器ホルダ1101の近位端1103に取り付けることもできる。
【0172】
図126−131は、本発明のさらに別の実施形態を描いたものであり、
図130−131に示されるニードルアセンブリのハウジング7000は、前述のように、
図126−127に示される基底部7002と、基底部7002と係合可能な
図128−129に示されるハブ部7004と、を備える。
図126−127を参照すると、基底部7002は、遠位端7006と近位端7008およびそれらの間に延在する側壁7010を有している。1つの実施形態において、側壁7010は、少なくとも1つの開口部7012を画定し、その中に、
図128に示されるハブ7004の第一の部分7016が受けられる。他の実施形態において、開口部7012は、ハブ7004の第一の部分7016が基底部7002の内腔7022から側壁7010を通って、基底部7002の内腔7022の外の位置へと通過できるようになされている。別の実施形態において、側壁7010は第二の開口部7014を画定し、その中に、
図128に示されるハブ7004の第二の部分7018が受けられる。また別の実施形態において、基底部7002の第一の開口部7012は、第二の開口部7014に関して略反対の向きに位置合わせされ、第一の開口部7012と第二の開口部7014が、
図126に示されるように、共通の貫通軸(through-axis)Zに沿って整列されていてもよい。他の実施形態において、基底部7002の側壁7010は解除部材用開口部7020を有していてもよく、
図130−131に示されるように、また前述のように、その中に解除部材7040が受けられる。
【0173】
図128−129に示されるように、ハブ7004は、ハブ7004の本体部分7024から略半径方向に延びる第一の部分7016を有していてもよい。他の実施形態において、ハブ7004は第二の部分7018を有していてもよく、第二の部分7018は、ハブ7004の本体部分7024から略半径方向に延び、第一の部分7016に関して略反対方向に位置合わせされて、第一の部分7016と第二の部分7018が少なくとも部分的に、
図128に示される共通軸Yに沿って位置合わせされる。他の実施形態において、ハブ部7004の共通軸Yは、
図126に示される基底部7002の貫通軸Zと一致させてもよい。
【0174】
図130−131に示されるように、ハブ部7004は、少なくとも部分的に基底部7002の中に挿入され、ハブ7004の第一の部分7016が少なくとも部分的に、基底部7002の側壁7010に画定された開口部7012を通って延びるようにされていてもよい。他の実施形態において、ハブ部7004は、少なくとも部分的に基底部7002の中に挿入され、ハブ部7004の第一の部分7016が少なくとも部分的に、基底部7002の側壁7010に画定された開口部7012を通って延び、ハブの第二の部分7018が少なくとも部分的に、基底部7002の側壁7010に画定された第二の開口部7014を通って延びるようにされていてもよい。また別の実施形態において、ハブ部7004は、近位端7008から基底部7002の内腔7022に挿入可能であってもよい。さらにまた別の実施形態において、ハブ部7004を基底部7002の中に挿入している間に、第一の部分7016と第二の部分7018の少なくとも一方が、基底部の内腔7022の内壁7026に対して、例えば近位端7008に隣接して歪むことができる。他の実施形態において、第一の部分7016と第二の部分7018の少なくとも一方は、ハブ部7004が基底部7002の中に配置されているときに、使用者がハウジング7000に容易に接触できるようにする把持可能領域7030を有する。1つの実施形態において、把持可能領域7030は、複数のリブ7032を有する。
【0175】
本発明の具体的な実施形態を詳細に説明したが、当業者であれば、開示の全体的教示を参照することで、これらの詳細への各種の変更、改変を考案できるであろう。本明細書で説明したこれらの実施形態は、説明のためにすぎず、本発明の範囲に関して限定するものではなく、本発明には、添付の特許請求範囲およびそのすべての同等物の全範囲が付与される。当業者にとっては、本発明の範囲と精神から逸脱することなく、その他さまざまな実施形態が明らかであり、容易に考案されるであろう。