特許第5799140号(P5799140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799140
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】装置、および針ガードを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   A61M5/32 510K
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-137801(P2014-137801)
(22)【出願日】2014年7月3日
(62)【分割の表示】特願2010-535084(P2010-535084)の分割
【原出願日】2008年11月21日
(65)【公開番号】特開2014-176764(P2014-176764A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2014年7月3日
(31)【優先権主張番号】60/989,466
(32)【優先日】2007年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ウォン
【審査官】 藤田 和英
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−148255(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/018824(WO,A2)
【文献】 特表2005−529717(JP,A)
【文献】 米国特許第05558651(US,A)
【文献】 特開平09−099068(JP,A)
【文献】 特開平07−148176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00 − 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
針先を有する針;
前記針の一部の周囲に配置され、それを通してハウジングの内部空洞の縦軸に沿って前記針を受容するように構造化された内部空洞を画定するハウジング;および
拘束位置から活性位置までの転位に適し、拘束位置において前記ハウジングの前記内部空洞の前記縦軸の完全に一方の側に配置された転位部材を含み、前記転位部材は、
前記拘束位置において前記針と接触するための針先感知要素を有する旋回アーム、および前記活性位置において前記針と係合するための結合エッジを含み、ここで、前記転位部材の前記拘束位置から前記活性位置までの転位は、前記針先感知要素と前記針との間の接触が妨害されたときに始まり、
前記結合エッジは、前記活性位置において前記ハウジングから近位方向への前記針先の前進を制限することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記旋回アームは、前記ハウジングの内部に隣接する第1端と、第2端とを含み、および前記針先感知要素および横断障壁は、前記旋回アームの対向する側に前記第2端に隣接して配向されて、前記転移部材の横断障壁は、前記拘束位置において前記縦軸の第1の側に配置され、および、前記活性位置において前記縦軸の第2の側に配置されて、前記ハウジングから遠位方向への前記針先の前進を制限することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングの前記内部空洞は、縦軸を有し、および転位部材は、前記針先感知要素が前記縦軸の第1の側に配置されるときの前記拘束位置から前記針先感知要素が前記第1の側に対向する前記縦軸の第2の側に配置されるときの前記活性位置まで転位可能であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
針の少なくとも一部の周囲に配置される針ガードを提供する工程であって、前記針ガードは、
それを通してハウジングの内部空洞の縦軸に沿って、針先を有する前記針を受容するように構造化された内部空洞を画定するハウジング、および
拘束位置から活性位置までの転位に適し、拘束位置において前記ハウジングの前記内部空洞の前記縦軸の完全に一方の側に配置された転位部材を含み、前記転位部材は、
前記拘束位置において前記針と接触するための針先感知要素を有する旋回アーム、および前記活性位置において前記針と係合するための結合エッジを含み、ここで、前記転位部材の前記拘束位置から前記活性位置までの転位は、前記針先感知要素と前記針との間の接触が妨害されたときに始まる工程;および
前記針先感知要素と前記針との間の接触を妨害することによって、前記転位部材を前記拘束位置から前記活性位置まで転位させる工程、
を含み、
前記結合エッジは、前記活性位置において前記ハウジングから近位方向への前記針先の前進を制限することを特徴とする針ガードを作動させる方法。
【請求項5】
前記旋回アームは、前記ハウジングの内部に隣接する第1端と、第2端と、を有し、前記針先感知要素および横断障壁は、前記第2端に隣接しおよび前記旋回アームの対向する側に配向されていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記転位部材を前記拘束位置から前記活性位置まで転位させることが、前記針先を前記針先感知要素を越えて近位方向に前進させることを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記転位部材を前記拘束位置から前記活性位置まで転位させることが、前記横断障壁を前記ハウジングの縦軸の第1の側から前記縦軸を少なくとも部分的に横切る位置まで転位させて、前記ハウジングから遠位方向への前記針先の前進を制限することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記結合エッジは、前記活性位置において前記針の一部を少なくとも部分的に変形させることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記結合エッジは、前記活性位置において前記針の少なくとも一部を前記ハウジングの内部に対して拘束することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
針先を有する針;
前記針の一部の周囲に配置され、それを通してハウジングの内部空洞の縦軸に沿って前記針を受容するように構造化された内部空洞を画定するハウジング;および
拘束位置から活性位置までの転位に適し、前記拘束位置において前記ハウジングの前記内部空洞の前記縦軸の完全に一方の側に配置された転位部材を含み、前記転位部材は、
前記活性位置において近位方向への前記針の動きを限定するための第1結合エッジ、
前記活性位置において遠位方向への前記針の動きを限定するための第2結合エッジ、
および
針先感知要素を含み、ここで、前記転位部材の前記拘束位置から前記活性位置までの転位は、前記針先感知要素と前記針との間の接触が妨害されたときに始まることを特徴とする装置。
【請求項11】
前記転位部材は、その中に間隙を有する接触部分をさらに含み、ここで、前記針先は、前記拘束位置から前記活性位置まで転位する間に前記間隙を通過することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1結合エッジおよび前記第2結合エッジは、前記針先が前記間隙を通過する際に前記針の一部と接触することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年11月21日に出願され、「Needle Safety Device」の発明の名称を有する米国仮特許出願第60/989,466号に対して優先権を主張し、その開示の全体が参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、広く医療用針に関し、特に、患者から針を引き抜いた後の針先をシールドするための安全装置を有する医療用針に関する。
【背景技術】
【0003】
開業医を針および注射器のような医療用の鋭利なものによる不慮の穿刺および/または損傷から適切に保護するために、安全シールド装置が開発されており、汚染された医療用装置からの被曝が制限されている。多くの医療処置において、「針刺し」とも呼ばれる不測の針穿刺の可避可能なリスクは、開業医が使用済み針を廃棄のために保護鞘中に挿入するときのような使用済み針の取扱いの間に、最も多く生じる。この行為は、通常、開業医が鞘を保持する手を針先に向けて動かすことを必要とする。この動きにおける何らかの不正確さは、不測の針刺しの確率を増大させる。これは、装置のハンドル部分が相当の間隔で針先から隔てられている、脊椎および硬膜外医療処置に一般に使用される「長針」について特に当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
所定の針サイズを包囲し束縛するように特に寸法付けられた保護ガードを含む従前の安全装置が開発されている。従前の安全装置は、最初は、針上の患者用先端から遠く離れた位置に格納されている。 使用後は、安全装置は、典型的には、患者用先端を越えて前へ進められて、開業医をシールドする。従前の安全装置が単一ゲージ針を収容するように寸法付けられているという事実を考慮すると、全ての利用される針ゲージに対応する多数の安全装置が必要とされている。これは、製造コストおよび在庫関連の増大の一因となる。
【0005】
加えて、長針を利用する医療処置において、まず導入鞘を患者に挿入し、続いてそれを通して内側カニューレを導入することは一般に行われていることである。典型的には、内側カニューレおよび導入鞘は両方とも、鋭く尖った外形を含む。従前の安全装置は単一針ゲージを収容するように特にデザインされていたので、導入鞘および内側カニューレを利用する医療処置は、典型的には、安全装置なしで行われていた。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、複数の針ゲージをシールドすることができる単一針ガードを対象とする。加えて、本発明の針ガードは、導入鞘の寸法に相当するような第1カニューレ寸法から、内側カニューレの寸法に相当するような第2カニューレ寸法へ転位することができる。
【0007】
本発明は、内部空洞を画定するハウジングおよび内部空洞内に配置される転位部材を含む針ガードを対象とする。転位部材は第1端および第2端を有する旋回アームを含み、第1端はハウジングの内部に隣接する。また、転位部材は、針先感知要素および横断障壁を含む。針先感知要素および横断障壁は、旋回アームの対向する側に第2端に隣接して配向されている。
【0008】
転位部材は、圧縮性旋回軸で旋回アームに接続されるバネアームを含んでいてもよい。旋回アームは、結合エッジをさらに含んでいてもよい。1つの形態において、ハウジングの内部空洞は縦軸を含み、および転位部材は、針先感知要素が縦軸の第1の側に配置されるときの拘束位置から、針先感知要素が第1の側に対向する縦軸の第2の側に配置されるときの活性位置まで、転位可能である。別の形態において、旋回アームは、転位部材の拘束位置から活性位置までの転位が、縦軸を少なくとも部分的に横切って結合エッジを接合するように、結合エッジをさらに含む。任意選択的に、針先感知要素はガイドレールを含んでいてもよく、および横断障壁は角度の付いた拘束タブを含んでいてもよい。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、針先を有する針、および針の一部の周囲に配置され、それを通して針を受容するように構造化された内部空洞を画定するハウジングを含む装置を対象とする。また、装置は内部空洞内に配置された転位部材を含む。転位部材は、針先が内部空洞に対して外部に配置されたときの拘束位置から針先が内部空洞内に収納されたときの活性位置までの転位に適している。転位部材は、ハウジングの内部に少なくとも部分的に隣接して配置することができる旋回アーム、拘束位置において少なくとも針の一部と接触する針先感知要素、および横断障壁を含む。針先感知要素および横断障壁は、旋回アームの対向する側に第2端に隣接して配向されている。
【0010】
旋回アームは第1端および第2端を有していてもよく、第1端はハウジングの内部に隣接して配置される。転位部材は、旋回アームに接続されるバネアームを含んでいてもよい。また、旋回アームは、活性位置において針の少なくとも一部と接触するための結合エッジを含んで、ハウジングから近位方向への針先の前進を制限してもよい。結合エッジは、活性位置において針の一部を少なくとも部分的に変形させてもよい。結合エッジは、活性位置において針の少なくとも一部をハウジングの内部に対して拘束してもよい。
【0011】
1つの形態において、ハウジングの内部空洞は縦軸を有していてもよく、および転位部材は、針先感知要素が縦軸の第1の側に配置されるときの拘束位置から、針先感知要素が第1の側に対向する縦軸の第2の側に配置されるときの活性位置まで、転位可能である。別の形態において、転位部材の横断障壁は、拘束位置において縦軸の第1の側に配置され、および活性位置において縦軸を横切って配置されて、ハウジングから遠位方向への針先の前進を制限する。任意選択的に、旋回アームは、転位部材の拘束位置から活性位置までの転位が、縦軸を少なくとも部分的に横切って結合エッジを接合するように、結合エッジをさらに含んでいてもよい。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、針先を有する針、および針の一部の周囲に配置され、それを通して針を受容するように構造化された内部空洞を画定するハウジングを含む装置を対象とする。装置は、内部空洞内に配置された、拘束位置から活性位置までの転位に適した転位部材をさらに含む。転位部材は、拘束位置において針と接触するための針先感知要素を有する旋回アームを含む。また、旋回アームは、活性位置において針をはめ込むための結合エッジを有する。転位部材の拘束位置から活性位置までの転位は、針先感知要素と針との間の接触が妨害されたときに始まる。
【0013】
旋回アームは、ハウジングの内部に隣接する第1端と、第2端と、を有していてもよい。針先感知要素および横断障壁は、旋回アームの対向する側に第2端に隣接して配向されていてもよい。ハウジングの内部空洞は縦軸を有していてもよく、および転位部材は、針先感知要素が縦軸の第1の側に配置されるときの拘束位置から、針先感知要素が第1の側に対向する縦軸の第2の側に配置されるときの活性位置まで、転位可能であってもよい。転位部材の横断障壁は、拘束位置において縦軸の第1の側に配置されていてもよく、および活性位置において縦軸の第2の側に配置されて、ハウジングから遠位方向への針先の前進を制限してもよい。1つの形態において、結合エッジは、活性位置において、ハウジングから近位方向への針先の前進を制限する。
【0014】
またさらなる実施形態において、本発明は、針ガードを作動させる方法を対象とし、針の少なくとも一部の周囲に配置される針ガードを提供するステップを含む。針ガードは、それを通して針先を有する針を受容するように構造化された内部空洞を画定するハウジング、および内部空洞内に配置された転位部材を含む。転位部材は、内部空洞内に配置されており、および拘束位置から活性位置までの転位に適している。転位部材は、拘束位置において針と接触するための針先感知要素を有する旋回アーム、および活性位置において針と係合するための結合エッジを含む。転位部材の拘束位置から活性位置までの転位は、針先感知要素と針との間の接触が妨害されたときに始まる。本方法は、針先感知要素と針との間の接触を妨害することによって転位部材を拘束位置から活性位置まで転位させるステップをさらに含む。
【0015】
転位部材は、ハウジングの内部に隣接する第1端と、第2端と、を有する旋回アームをさらに含んでいてもよい。針先感知要素および横断障壁は、第2端に隣接して配置され、および旋回アームの対向する側に配向されていてもよい。1つの形態において、転位部材を拘束位置から活性位置まで転位させることは、針先を針先感知要素を越えて近位方向に前進させることを含む。別の形態において、転位部材を拘束位置から活性位置まで転位させることにより、横断障壁はハウジングの縦軸の第1の側から縦軸を少なくとも部分的に横切る位置まで転位して、ハウジングから遠位方向への針先の前進を制限する。任意選択的に、活性位置において針と係合する結合エッジは、ハウジングから遠位方向への針先の前進を制限する。さらなる形態において、結合エッジは、活性位置において、針の一部を少なくとも部分的に変形させる。またさらなる形態において、結合エッジは、活性位置において、針の少なくとも一部をハウジングの内部に対して拘束する。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、針先を有する針、および針の一部の周囲に配置されるハウジングを含む装置を対象とする。ハウジングは、それを通して針を受容するように構造化された内部空洞を画定する。また、装置は、内部空洞内に配置された、拘束位置から活性位置までの転位に適した転位部材を含む。転位部材は、旋回ハウジング、拘束位置において針と接触するための針先感知要素、および横断障壁を含む。また、装置は、内部空洞に配置され転位部材をバイアスさせるバネアームを含んでいてもよく、および活性位置において針と係合するための結合エッジを含む。バネアームと転位部材とは別個の要素であり、および転位部材の拘束位置から活性位置までの転位は、針先感知要素と針との間の接触が妨害されたときに始まる。
【0017】
転位部材は、拘束位置において、結合エッジの少なくとも1部をその中に収容するための凹所を画定していてもよい。また、転位部材の拘束位置から活性位置までの転位は、凹所から結合エッジを開放してもよい。
【0018】
さらに別の実施形態において、装置は、針先を有する針、および針の一部の周囲に配置されるハウジングを含む。ハウジングは、それを通して針を受容するように構造化された内部空洞を画定する。また、装置は、内部空洞内に配置された、拘束位置から活性位置までの転位に適した転位部材を含む。転位部材は、活性位置において近位方向への針の動きを限定するための第1結合エッジ、および活性位置において遠位方向への針の動きを限定するための第2結合エッジを含む。また、転位部材は、針先感知要素と針との間の接触が妨害されたときに転位部材の拘束位置から活性位置までの転位が始まるように、針先感知要素を含む。
【0019】
また、転位部材は、引込位置から活性位置まで転位する間に針先が間隙を通過するように、その中に間隙を有する接触部分を含む。第1結合エッジおよび第2結合エッジは、針先が間隙を通過する際に、針の一部と接触してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に従う、長針を包囲する導入鞘上に配置された、非シールド位置における針ガードの斜視図である。
図2図1の針ガードの断面側面図である。
図3】本発明の実施形態に従う、導入鞘を越えて前進させられた図1の針ガードの断面側面図である。
図4】本発明の実施形態に従う、長針上に配置された、完全シールド位置における図1の針ガードの断面側面図である。
図5】本発明の実施形態に従う、針ガードの転位部材の斜視正面図である。
図6】本発明の実施形態に従う、ハブ内に入れ子された針ガードの斜視図である。
図7】本発明の実施形態に従う、ハブから除去された図6の針ガードの斜視図である。
図8】本発明の実施形態に従い長針上に配置された非シールド位置における針ガードの別の実施形態の斜視断面側面図である。
図9】長針上に配置された完全シールド位置における図8の針ガードの斜視断面側面図である。
図10】本発明の別の実施形態に従う、非シールド位置における針ガードの斜視図である。
図11図10の針ガードの側面図である。
図12】シールド位置における図10の針ガードの斜視図である。
図13図12の針ガードの側面図である。
図14】本発明の別の実施形態に従う、非シールド位置における針ガードの側面図である。
図15】シールド位置における図14の針ガードの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、説明の目的のために、単語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「側」、「縦」および同様の空間的用語は、使用される場合は、図中に配向されるように説明される実施形態と関係する。しかしながら、明示的にそうでないと記載される場合を除き、多くの代替のバリエーションおよび実施形態が推測されることは理解されよう。また、添付図面に図示されおよび本明細書中に説明される特定の装置および実施形態は、本発明の実施形態の単なる例示であることが理解されよう。
【0022】
図1〜4を参照して、本発明の針ガード12は、ハウジング14およびハウジング14内に配置された転位部材16を含む。ハウジング14は、第1端18および第1端18と反対側の第2端20を含み、およびそれらの間の内部空洞28を画定する。図2に示されるように、第1端18は、第1ポート22を画定し、および第2端20は、ハウジング14の縦軸Aに沿って第1ポート22と実質的に整列する第2ポート24を画定する。第1ポート22および第2ポート24は、実質的に同一サイズであってもよく、および実質的に同一直径であってもよい。
【0023】
1つの実施形態において、針ガード12のハウジング14は、針カニューレ26の一部を、第1ポート22および第2ポート24を通してして収容するのに適している。1つの実施形態において、第1ポート22および第2ポート24は、針カニューレ26の直径よりもわずかに大きい直径を有していてもよい。別の実施形態において、第1ポート22および第2ポート24は、針カニューレ26の直径よりもかなり大きい直径を有していてもよい。針ガード12のハウジング14は、第1ポート22および第2ポート24を通して、例えば、約18gaから約27gaまでの直径を有する針カニューレを収容してもよい。別の実施形態において、針ガード12のハウジング14は、第1ポート22および第2ポート24を通して、多重入れ子式針カニューレを、外側針カニューレがその中に入れ子された内側針カニューレを有するように収容してもよい。さらなる実施形態において、針ガード12は、脊椎穿刺処置等に適当な慣用的なゲージの「長」針と共に使用するのに適していてもよい。任意選択的に、針ガード12のハウジング14は、流体を患者に投与し、または流体を患者から抽出するために、その中に入れ子された内側カニューレを有する導入鞘を収容するのに適している。あるいはまた、内側針カニューレは、外側針カニューレに剛性を提供するために、硬いスタイレットを含んでいてもよい。
【0024】
ハウジング14は、第1ポート22、第2ポート24、および内部空洞28の少なくとも一部がそれらを通して針カニューレ26を収容するのに十分であるようなサイズとされている限り、任意の適当な寸法および外部形態を有していてもよい。1つの実施形態において、ハウジング14は、約0.25インチから約1.5インチまでの図1に示される長さL、約0.09インチから約1インチまでの図1に示される幅W、および約0.25インチから約1.5インチまでの同様に図1に示される高さHを有していてもよい。別の実施形態において、ハウジング14は、高さHを有する第1部分30、および第1部分30の高さHとは異なる高さH2を有する第2部分32を含んでいてもよい。ハウジング14は、実質的に剛性のポリマー組成物のような任意の適当な材料製であってもよい。また、ハウジング14は、開業医がハウジング14を容易に握ることができるように、テクスチャ加工された表面を有するおよび/またはテクスチャ向上コートが塗布された把持可能領域34を含んでいてもよい。
【0025】
針ガード12は、図1〜3に示される非シールド位置から図4に示されるシールド位置まで転位可能であり、かつハウジング14の内部空洞28内に配置される転位部材16を含む。転位部材16は、旋回アーム36、旋回アーム36の一方の側に配向された針先感知要素38、および旋回アーム36の反対の側に配向された横断障壁40を含む。旋回アーム36は、第1端42および第2端44を有し、第1端42は、ハウジング14の内壁46のような内部に隣接する。1つの実施形態において、第1端42は、ハウジング14の第1端18に隣接するように、ハウジング14の内壁46に対して固定されていてもよい。第1端42は、慣用の取り付け手段によって固定されていてもよい。1つの実施形態において、旋回アーム36は、旋回アーム36に接続されるバネアーム48を含む。バネアーム48は、旋回軸50で旋回アーム36に接続されていてもよい。旋回アーム36は、第2端44に隣接する旋回アーム36の一部に力が加えられた場合に、バネアーム48に対してのように、ハウジング14の内壁46に対してバイアスされることができる。バネアーム36は、板バネ、圧縮バネ、および/または圧縮性材料のような、任意の適切なバイアス用要素であってもよい。
【0026】
図1〜3に示されるように、旋回アーム36の第2端44は、針カニューレ26と接触し、および旋回アーム36の第2端44に隣接して十分な力を加えて、ハウジング14の内壁46に対して旋回アームをバイアスさせることができる。1つの実施形態において、旋回アーム36および/またはバネアーム48は、旋回アーム36の第2端44が針カニューレ26と接触したときに、蓄積エネルギーを含有することができる。旋回アーム36およびバネアーム48は、同一材料製であってもよく、または異なる材料製であってもよい。旋回アーム36に適当な例示の材料は、実質的に剛性の金属およびポリマー組成物を含み、およびバネアーム48に適当な例示の材料は、金属、形状記憶金属、および弾力性ポリマー組成物を含む。
【0027】
図2〜5を参照して、針先感知要素38は、転位部材16の旋回アーム36の第2端44に隣接して配置されていてもよく、および針カニューレ26に向かう方向に伸びる。1つの実施形態において、針先感知要素38は、旋回アーム36に対して実質的に垂直である方向に、旋回アーム36に取り付けられている。針先感知要素38は、任意の適当な材料製であってもよく、および、別個に形成されおよび続いて旋回アーム36の第2端44に取り付けられてもよく、または、それと共形成されていてもよい。針先感知要素38は、針カニューレ26がハウジング14の第1ポート22および第2ポート24の両方を通って伸びるときに、針カニューレ26と接触するのに適している。1つの実施形態において、針先感知要素38は、針先感知要素38に対して実質的に垂直でありおよび旋回アーム36と実質的に平行である方向に針先感知要素38から伸びるガイドレール52を含む。ガイドレール52は、針カニューレ26と接触し、および針カニューレ26に沿って滑るのに適していてもよい。
【0028】
また、横断障壁40は、旋回アーム36の第2端44に隣接して配置され、および針先感知要素38から実質的に反対である方向に伸びる。1つの実施形態において、横断障壁40および針先感知要素38は、第2端44に隣接して旋回アーム36の対向する側に配向される。別の実施形態において、横断障壁40は、旋回アーム36に対して実質的に垂直である方向に、旋回アーム36に取り付けられる。さらに別の実施形態において、横断障壁40および針先感知要素38の両方は、図5〜6に示されるように、端板60に取り付けられ、および/またはこれと共形成されていてもよい。
【0029】
横断障壁40は、任意の適当な材料製であってもよく、および、別個に形成されおよび続いて旋回アーム36の第2端44に取り付けられてもよく、またはこれと共形成されていてもよい。1つの実施形態において、横断障壁40は、角度の付いた拘束タブ54を含む。1つの実施形態において、拘束タブ54は、図2に示されるように、横断障壁40のベース部分56に、約10度から約90度の角度Bで接続されることができる。角度の付いた拘束タブ54は、拘束タブ54のベース部分56に対するたわみが実質的に妨げられるようなやり方で、ベース部分56に固定されていてもよい。別の実施形態において、拘束タブ54およびベース部分56は共形成される。
【0030】
また、図5に示されるように、転位部材16は、旋回アーム36に接続されたまたはこれと一体的に形成されるベース板62を、転位部材16の旋回軸50に隣接して、含んでいてもよい。ベース板62は、旋回アーム36の幅W2よりも大きい幅W1を有していてもよい。ベース板62は、旋回アーム36とベース板62との間の接続部に任意選択的に隣接して位置付けけられた結合エッジ58を含んでいてもよい。結合エッジ58は、 ベース板62から伸び、またはベース板62内に埋め込まれた、鋭い斜角が付けられたまたはナイフの刃様式のリッジを有していてもよい。別の実施形態において、旋回アーム36の一部は、旋回アーム36の一部から伸びまたはその中に埋め込まれた、鋭い斜角が付けられたまたはナイフ様式のリッジを有する結合エッジ58を含む。結合エッジ58は、針カニューレ26を把持または切り欠きするのに適当な任意のエッジを含んでいてもよい。1つの実施形態において、結合エッジ58は、尖っていないエッジ、二重に斜角が付けられたエッジ、対向する側に配置された鋭いエッジ、V字切り欠きエッジ、刻み付きエッジおよび/または湾曲エッジのようなリッジを有するエッジを含んでいてもよい。
【0031】
本発明の安全針ガード12は、標準的な医療処置を行っている間に、拘束位置において、針カニューレ26の少なくとも一部に配置されることを目的とする。図2〜3に示されるように、針カニューレ26は、第1ポート22および第2ポート24の両方を通して配置される。針先感知要素38、特にガイドレール52は、針カニューレ26と接触し、および転位部材16に対して力を加える。加えられた力は、旋回アーム36およびバネアーム48を、ハウジング14の内壁46の一部に対して、旋回軸50を介して、押し付ける。図2に示されるように、転位部材は、拘束位置において、ハウジング14の内部の縦軸Aの完全に一方の側に配置される。
【0032】
脊椎穿刺、硬膜外等のような医療処置の間、拘束位置においてその上に配置される針ガード12を有する針カニューレ26は、患者に挿入されてもよい。針ガード12は、図1、6および7に示されるように、針カニューレ26の針先64または患者用端から離間されている。1つの実施形態において、図6〜7に示されるように、針ガード12は、任意選択的に、スタイレットハンドル68に接続されていてもよいハブ内部67のような、針ハブ66の一部内に入れ子されていてもよい。ハブ内部67は、その中に針ガード12の一部分を少なくとも部分的に受容するのに適していてもよい。これは、開業医が、視線を妨げまたは別のやり方で医療処置の邪魔をする針ガードを用いずに医療処置を行うことを可能にする。さらなる実施形態において、針ガード12は、第1部分30および第2部分32を含み、およびハブ内部67は、ハブ内部67に対して外部の場所に第1部分30を拘束する間に、第2部分32をその中に受容するのに適する。この形態において、開業医は、針ガード12の第1部分30を握り、および針カニューレ26に沿って、手動力によって、針ガード12をハブ66および/または使用者ハンドル68から引き出してもよい。
【0033】
図7に示されるように、針ガード12は、ハブ内部67から除去され、および針カニューレ26に沿って前進させられることができる。1つの実施形態において、ハブ内部67からの針ガード12の前進は、針先64が患者の内部に存在する間、または医療処置が完了し、針先64が患者から除去された後に生じ得る。針ガード12が針カニューレ26に沿って前進する間、転位部材16は拘束位置のままであり、同時に、針カニューレ26は針先感知要素38と接触している。
【0034】
針先感知要素38と針カニューレ26との間の接触が妨害されるとすぐに、転位部材16は、図2〜3に示される拘束位置から、図4に示される活性位置まで転位される。拘束位置において、転位部材16の針先感知要素38は、ハウジング14の内部空洞28の縦軸Aの第1の側70に配置される。針先感知要素38と針カニューレ26との間の接触が妨害された場合、針先感知要素38と針カニューレ26との間の接触によって加えられたバイアスは解放され、および転位部材16は、活性位置に転位され、そこで、針先感知要素38は、ハウジング14の内部空洞28の縦軸Aの第2の側72に、第1の側70の反対側に配置される、別の実施形態において、針先感知要素38のガイドレール52は、拘束位置において第1の側70に配置され、およびガイドレール52と針カニューレ26との間の接触が妨害された後に第2の側72に配置される。さらに別の実施形態において、針先感知要素38と針カニューレ26との間の接触は、針先64がハウジング14の外部から内部空洞28まで通ったときに妨害される。またさらなる実施形態において、針先感知要素38と針カニューレ26との間の接触は、針先64が針先感知要素38を越えて縦軸Aに沿ってハウジング14の第1ポート22から第2ポート24に向かう方向に通過するときに、妨害される。
【0035】
拘束位置において、旋回アーム36の横断障壁40は、ハウジング14の内部空洞28の縦軸Aの第1の側70、および針カニューレ26に配置される。転位部材16が拘束位置から活性位置に転位されるとすぐに、旋回アーム36の横断障壁40は、ハウジング14の内部空洞28の縦軸Aに向かって、縦軸Aに対して実質的に垂直である配向で配置されてもよい。ハウジング14の第1ポート22からハウジング14の第2ポート24に向かう近位方向に針先感知要素38を越えて針先64が引き抜かれる際に、旋回アーム36は、縦軸Aを横切って転位される。この動きは、縦軸Aを横切って横断障壁40を位置合わせし、それによって、ハウジングの第2ポート24から第1ポート22に向かう遠位方向への針先64の動きを実質的に阻止する。1つの実施形態において、横断障壁40は、活性位置において、ハウジング14の第1ポート22を完全に覆い隠すように寸法付けられている。従って、開業医が針カニューレ26の針先64を越えて針ガード12を前進させるとすぐに、針先感知要素38は、拘束位置から活性位置に転位され、このとき、針カニューレ26と針先感知要素38との間の接触が妨害される。この時、横断障壁40は、針カニューレ26の通路を横切って配置され、それによって、ハウジング14から遠位方向への針先64の意図的でない前進を阻止する。従って、本発明の針ガード12は、ハウジング14から遠位方向への針先64の不慮の前進を制限することを目的とする。本明細書では、慣用の作動手段によって、自動引き金(不図示)が、拘束位置から活性位置までの針ガード12の転位を生じさせることも意図される。
【0036】
また、本発明の針ガード12は、針ガード12から近位方向への針先64の不慮の除去を制限することを目的とする。1つの実施形態において、旋回アーム36の結合エッジ58は、図4に示されるように、拘束位置から活性位置までの転位部材16の転位が、ハウジング14の内部空洞28の縦軸Aに対して結合エッジ58を接合するように構成されている。結合エッジ58は、活性位置において、針カニューレ26の少なくとも一部と接触するように構成されている。1つの実施形態において、旋回アーム36および/またはバネアーム48の針カニューレ26に対するバイアスから蓄積された解放エネルギーは、結合エッジ58が針カニューレ26の少なくとも一部を変形させまたは凹ませるのに十分な力によって、旋回アーム36を縦軸Aに向かって旋回させるのに十分である。1つの実施形態において、結合エッジ58は、針カニューレ26の一部をハウジング14の内壁46の一部に対して固定することによって、ハウジング14の内部空洞28から近位方向への針先64の前進を制限する。別の実施形態において、結合エッジ58は、それとともに摩擦インターフェレンスに起因して、ハウジング14の一部に対して針カニューレ26の一部を少なくとも部分的に拘束する。さらに別の実施形態において、結合エッジ58自体が針カニューレ26の一部に接触して少なくとも部分的に変形または凹み、それによって、針カニューレ26をハウジング14の一部に対して拘束してもよい。またさらなる実施形態において、針カニューレ26に対する付加的な力の適用は、結合エッジ58と針カニューレ26との間のインターフェレンスを増大させ、それによって、ハウジング14内の針カニューレ26の動きをさらに限定する。また、本明細書では、本明細書中に同様に記載されるように、多数の結合エッジ58が、ハウジング14内の針カニューレ26の動きをさらに限定するために採用されてもよいことも意図される。本明細書では、針ガード12の形状は、結合機構が自己ロック式またはくさびどめ式であってもよいように構成されることがさらに意図される。例えば、いったん結合が開始されると、針カニューレ26に実質的に遠位方向に加えられた任意の力は、結合力を増大させる。
【0037】
もう一度図1〜7を参照して、本発明の利点は、多くの異なる直径を有する針カニューレにわたって単一針ガードを使用する能力である。転位部材16は、拘束位置において、縦軸Aの一方の側のみに設置されるので、針ガード12は任意のサイズの針カニューレ26を受容することができ、これは、ハウジング14の第1ポート22の直径によってのみ制限される。
【0038】
本発明の別の利点は、入れ子式針カニューレ26、26aを収容する針ガード12の能力である。再び図7を参照して、ある医療処置において、導入鞘のような第1針カニューレ26を患者内に前進させ、および続いて、第1針カニューレ26を通して、第2針カニューレ26aを患者内に前進させることが望ましい。この状況において、第2針カニューレ26aの針先64をシールドすることが望ましい。この針先は、露出状態で患者から引き抜かれ、一方、第1針カニューレ26の針先64aは、それを通す第2針カニューレ26aの存在によって「尖っていない」からである。
【0039】
本発明の針ガード12は、図3に示されるように、拘束位置から活性位置まで転位することなく、より大きい直径の針カニューレ26からより小さい直径の針カニューレ26aまで、効果的に「ジャンプ」することができる。図2に示されるように、針先感知要素38は、第1針カニューレ26と接触する。第2針カニューレ26aは、第1針カニューレ26内に入れ子されている。針ガード12が第1針カニューレ26の針先64aを越えて先進させられた場合は、針先感知要素38は、第2針カニューレ26aに対してバイアスし、それによって、活性位置への転位を阻止する。本発明の針ガード12の活性化機構は、拘束位置において、針カニューレ26、26aの一方の側に乗っているので、拘束位置から活性位置までの転位は、最後の入れ子式針カニューレ26、26aが縦軸Aに沿って針先感知要素38を越えて通り過ぎるまで、引き起こされない。本明細書では、別の実施形態において、3つ、4つ、または5つの針カニューレのような多重入れ子式の針カニューレを本発明の針ガードと共に使用してもよいことが意図される。
【0040】
図8〜9に示される本発明の別の実施形態において、針ガード112は、内部空洞128および内部空洞128内に配置された転位部材116を有するハウジング114を含む。転位部材116は、図1〜7に同様に示され、および、上述のように、旋回アーム136、バネアーム148、および横断障壁140を含む。図8〜9を参照して、結合エッジ158は、横断障壁140からの旋回アーム136の反対端に隣接して配置される。図8〜9に示されるように、横断障壁140および結合エッジ158は、横断障壁140が第1端178に隣接して配置され、結合エッジが第2端180に隣接して配置されるように、旋回アーム136の同じ側の反対端に配置されている。横断障壁140および結合エッジ158は共に、拘束位置において、ハウジング114の内部空洞128の縦軸A1の第1側面上に配置されている。任意選択的に、ハウジング114は、針カニューレ126に対して安定性を提供するために、その中に配置されるポート190を有する維持バー188を含んでいてもよい。上述のように、図1〜7を参照して、第1ポート22および第2ポート24は、同様のサイズであってもよい。ポート190は、同じく、第1ポート22および第2ポート24の寸法に対応するようなサイズであってもよい。
【0041】
図8に示されるように、拘束位置において、結合エッジ158は、針カニューレ126と接触しない。図9に示されるように、転位部材116が拘束位置から活性位置まで転位すると、結合エッジは、針カニューレ126に向かって振れ、およびカニューレ126と接触する。上述のように、この接触は、針カニューレ126を変形させる可能性があり、およびハウジング114の内壁146の一部に対して針カニューレ126を固定し、それによって、ハウジング114の内部空洞128からの針先164の不慮の前進を阻止する。
【0042】
図10〜13に示される本発明のさらに別の実施形態において、針ガード312は、内部空洞328を有するハウジング314を含み、内部空洞328内に転位部材316が配置される。転位部材316は、第1結合エッジ358、第2結合エッジ360、バネアーム348および針先感知要素350を含む。この実施形態において、2つの結合エッジ358、360は、拘束位置から活性位置までの転位の後の、近位方向または遠位方向のいずれかへの針カニューレ326の動きを阻止するために採用される。本実施形態は、上述のように、横断障壁の代わりに第2結合エッジ360を採用する。また、別の実施形態において、上述のように、図10〜13の装置に、第2結合エッジ360に加えて二次的なロック手段として、横断障壁が含まれていてもよい。
【0043】
また上述のように、針ガード312は、単一針カニューレ327または入れ子式針カニューレ326、326aをその中に受容可能に寸法付けられている。1つの実施形態において、針ガード312は、その中に導入鞘のような第1針カニューレ326を収容し、続いてその中により小さい直径を有する第2針カニューレ326aを収容するように寸法付けられている。
【0044】
図10〜11に示されるように、引込位置において、転位部材316は、縦軸Tの単一の側に配向されてもよく、針先感知要素350の少なくとも一部は、針カニューレ327、326と接触する。図10〜11に示されるように、拘束位置において、入れ子式カニューレ326、326aのような針カニューレ327は、ハウジング314の第1ポート364を通して配置され、バネアーム348は、転位部材316を針カニューレ327、326の一部に対してバイアスしてもよい。転位部材316の接触部分315は、間隙319によって分離される第1アーム部分317および第2アーム部分318を含んでいてもよい。第1結合エッジ358は、図10に示されるように、間隙319の近位エッジに沿うように、第1アーム部分317と第2アーム部分318との間に配置されていてもよい。また、針先感知要素350は、同様に図10に示されるように、間隙319の遠位エッジに沿うように、第1アーム部分317と第2アーム部分318との間に配置されていてもよい。引込位置において、第1アーム部分317および第2アーム部分318のうちの少なくとも1つのような、接触部分315の少なくとも一部は、針カニューレ327、326aに隣接して提供される。任意選択的に、第1アーム部分317および第2アーム部分318のうちの一部のうちの少なくとも1つのような接触部分315の少なくとも一部は、拘束位置において、針カニューレ327、326aに沿って乗っていてもよい。
【0045】
図12〜13に示されるように、針カニューレ327の遠位先端338、または上述のように第1針カニューレ326内に入れ子された第2針カニューレ326aの遠位先端338がハウジング348の第1ポート364から引き抜かれるとすぐに、バネアーム314は、転位部材316を針カニューレ326に向かってバイアスさせる。図13に示されるように、転位部材316の接触部分315は、針カニューレ327、326aの一部の周囲をまたは針カニューレ327、326aの一部を越えて通過してもよい。1つの実施形態において、針カニューレ327、326aは、転位部材の拘束位置から活性位置までの転位の間に、第1アーム部分317と第2アーム部分318との間に画定される間隙319を通過してもよい。遠位先端338のような針カニューレ327、326aが間隙319を通過する際に、第1結合エッジ358は針カニューレ327、326aと接触し、および針カニューレ327、326aのハウジング314の内部から近位方向への移動を阻止する。また、本明細書中に記載したように、第1結合エッジ358は、針カニューレ327、326aがハウジング314内から第2ポート374を通して除去されることができないように、針カニューレ327、326aを変形させまたは凹ませてもよい。別の実施形態において、第1結合エッジ358は、針カニューレ327または326aを、ハウジング314の内部の一部に対して、摩擦抵抗に拘束する。さらに別の実施形態において、第1結合エッジ358は、針カニューレ327または326aの少なくとも一部の周囲を変形させ、それによって、針カニューレ327または326aのハウジング314から近位方向への除去を阻止する。さらなる形態において、接触部分315は、単一アーム317を含んでもよく、および間隙319は、唯一のアーム317によって画定されてもよい。本明細書において、針先感知要素350は、図10〜13に示されるように、図1〜7に示される感知要素38に準拠して、同様に上記されていることに注意されたい。
【0046】
また、図12〜13に示されるように、針カニューレ327または326aの遠位先端338が間隙319を通過する際に、第2結合エッジ360は、針カニューレ327、326aと接触し、および針カニューレ327、326aが遠位方向にハウジング314の内部から移動するのを阻止する。1つの実施形態において、図10〜11に示されるように、第2結合エッジ360は、限定位置における第1アーム部分317および第2アーム部分318のうちの少なくとも1つのような接触部分315と接触する。あるいはまた、限定位置におけるバネアーム348によって、第2結合エッジ360は、針カニューレ327、326aから離れてバイアスされてもよい。図10〜11に示される限定位置から図12〜13に示される活性位置までの転位部材316の転位の間に、接触部分315は、針カニューレ327、326aから離れて旋回し、および第2結合エッジ360は、針カニューレ327、326aの一部と接触する。第2結合エッジ360は、針カニューレ327、326aが、ハウジング314内から第1ポート364を通して除去されることができないように、針カニューレ327、326aを変形させまたは凹ませてもよい。別の実施形態において、第2結合エッジ360は、針カニューレ327または326aをハウジング314の内部の一部に対して摩擦抵抗において拘束する。さらに別の実施形態において、第2結合エッジ360は、針カニューレ327または326aの少なくとも一部の周囲を変形させ、それによって、ハウジング314から遠位方向への針カニューレ327または326aの除去を阻止してもよい。またさらなる実施形態において、第1結合エッジ358は、第2結合エッジ360が針カニューレ327、326aと接触する場所に近位の場所で、針カニューレ327、326aと接触する。
【0047】
本発明のさらに別の実施形態において、図14〜15に示されるように、針ガード212は、転位部材216を具える内部空洞228を有するハウジング214、および内部空洞228内に配置されたバネアーム248を含む。転位部材216は、旋回ハウジング236、針先感知要素250、および横断障壁240を含む。バネアーム248は、バイアス用部分249および結合エッジ258を含む。この実施形態において、針先感知要素250および横断障壁240は、結合エッジ258とは別個の要素中に置かれている。具体的には、針先感知要素250は、転位部材216と一体であり、および結合エッジ258は、バネアーム248と一体である。
【0048】
また、上述のように、針ガード212は、単一針カニューレ227または入れ子式針カニューレ226、226aをその中に受容するように寸法付けられている。1つの実施形態において、針ガード212は、その中に導入鞘のような第1針カニューレ226を収容し、続いて、その中により小さい直径を有する第2針カニューレ226aを収容するように寸法付けられている。
【0049】
図14に示されるように、転位部材216は、拘束位置において、結合エッジ258の少なくとも1部をその中に収容するように寸法付けられた凹所260を含んでいてもよい。また、転位部材216は、針先感知要素250が拘束位置においてハウジング214の第1ポート264と整列するように、遠位面262内に配置された針先感知要素250を含む。図14に示されるように、拘束位置において、入れ子式カニューレ226、226aは、ハウジング214の第1ポート264および針先感知要素250を通して配置されてもよい。転位部材216は、それを通って伸びる入れ子式カニューレ226、226aに接触してバイアスされている。
【0050】
図15に示されるように、針カニューレ227の遠位先端238、または本明細書中に記載されるように第1針カニューレ226内に入れ子されている第2針カニューレ226aの遠位先端238がハウジング214の第1ポート264から引き抜かれ、および針先感知要素250が針カニューレ227との接触を失うとすぐに、バネアーム248は、遠位先端238がもはや針先感知要素250を通って位置合わせされないように、ハウジング214の一部に向かって、転位部材216をバイアスさせる。図15に示されるように、遠位先端238は、次いで、転位部材216の遠位面262の拘束部分239と位置合わせし、それによって、ハウジング214の第1ポート264を通る遠位先端238の再前進を阻止する。転位部材216がハウジング214の一部に向かってバイアスされる際に、結合エッジ258は、転位部材216の凹所260内から退かされ、および針カニューレ227または入れ子式針カニューレ226aの一部に対して結合する。また、本明細書中に記載されるように、結合エッジ258は、針カニューレ226がハウジング214内から第2ポート274を通して除去されることができないように、針カニューレ227または226aを変形させまたは凹ませてもよい。別の実施形態において、結合エッジ258は、針カニューレ227または226aを、ハウジング214の内部の一部に対して、摩擦抵抗において拘束する。さらに別の実施形態において、結合エッジ258は、針カニューレ227または226aの少なくとも一部の周囲を変形させ、それによって、ハウジング214からの針カニューレ227または226aの除去を阻止してもよい。
【0051】
針先感知要素250および結合エッジ258を分離させることによって、針ガード212の感度を増大させてもよい。任意選択的に、この形態は、針ガードを組み立てるのに必要とされる全体の寸法を低減させてもよく、および/または針ガード212のキャパシティーを増大させて、より大きい範囲のカニューレゲージをその中に受容しおよび結合してもよい。
【0052】
本発明を、針ガードおよび使用法のいくつかの明確な実施形態に準拠して説明したが、当業者は、精神の範囲を逸脱することなく、変更および修正を行っても良い。従って、上記記載は、限定よりもむしろ例示を目的とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15