特許第5799166号(P5799166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799166
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】車両シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/22 20060101AFI20151001BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   B60N2/22
   B60N2/06
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-516290(P2014-516290)
(86)(22)【出願日】2012年6月15日
(65)【公表番号】特表2014-516871(P2014-516871A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】EP2012061488
(87)【国際公開番号】WO2012175428
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2014年2月12日
(31)【優先権主張番号】102011105360.7
(32)【優先日】2011年6月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511007886
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】エムリッヒ、 オルガー
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−182416(JP,A)
【文献】 特開2010−052529(JP,A)
【文献】 特開平11−115573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両シートであって、
シート部材(3)と、
背もたれ軸(L)を中心に旋回させることができるように前記シート部材(3)に取り付けられた背もたれ(4)と、
車両シート(1)の前後方向のシートポジションを調節するために前記シート部材(3)上に設けられたシートレール(9)と、
前記シートレール(9)のロックを解除するために前記シート部材(3)に旋回可能に支持されたコントロールレバー(30)と、
前記コントロールレバー(30)に作用するために前記背もたれに固定されたロック解除カム(40)と
を有し、
前記コントロールレバー(30)は、前記ロック解除カム(40)が前記背もたれ(4)の旋回時に間隔をあけて前記コントロールレバー(30)を通過する非作動状態と、前記ロック解除カム(40)が前記背もたれ(4)の旋回時に前記コントロールレバー(30)に当接して前記コントロールレバー(30)に作用する作動状態とを有し、
前記コントロールレバー(30)は、その作動により前記コントロールレバー(30)が前記非作動状態から前記作動状態へと移動させられる第1コントロールアーム(31)と、前記作動状態において前記ロック解除カム(40)の旋回範囲内に突出する第2コントロールアーム(32)とを有し、
前記背もたれ(4)は2つの取付具(10)を用いて又は1つの取付具(10)と接続部とを用いて前記シート部材(3)に旋回可能に取り付けられ、設けられた前記取付具(10)は、前記背もたれ軸(L)を中心に回転させることができるロック解除シャフト(15)を用いてロックを解除することができ、
第1作動要素(5)が設けられ、前記第1作動要素(5)の作動が前記ロック解除シャフト(15)を回転させる取付具レバー(18)に作用する、車両シート。
【請求項2】
前記第1作動要素(5)を作動させたとき、前記コントロールレバー(30)は非作動状態のままである、請求項1に記載の車両シート。
【請求項3】
前記コントロールレバー(30)は初期位置において及び前記背もたれ(4)の傾きを調節するときは非作動状態にあり、前記背もたれ(4)の旋回解放動作時に作動状態にある、請求項1又は2に記載の車両シート。
【請求項4】
レバーユニット(20)が前記シート部材(3)に旋回可能に支持され且つ出力アーム(20d)を有し、前記出力アーム(20d)は、前記レバーユニット(20)を初期位置から旋回させたとき、前記コントロールレバー(30)を前記非作動状態から前記作動状態へと移動させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両シート。
【請求項5】
前記レバーユニット(20)は第1駆動アーム(20a)を有し、前記レバーユニット(20)は、初期位置からの旋回時に前記第1駆動アーム(20a)を用いて前記取付具レバー(18)に作用する、請求項4に記載の車両シート。
【請求項6】
前記レバーユニット(20)は第2駆動アーム(20c)を有し、第2作動要素(8)が、前記第2作動要素(8)を作動したときに前記レバーユニット(20)を旋回させるように、前記第2駆動アーム(20c)に動作的に接続される、請求項に記載の車両シート。
【請求項7】
第3作動要素(23)が設けられ、前記第3作動要素(23)は、前記第3作動要素(23)を作動したときに前記レバーユニット(20)を旋回させるように、前記第1駆動アーム(20a)又は前記第2駆動アーム(20c)に動作的に接続される、請求項に記載の車両シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分の特徴を有する車両シート、特に自動車シートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冒頭で述べたタイプの車両シートが開示されている。その背もたれを使用位置から前方に旋回させると、背もたれに固定されたロック解除カムは必ずシートレールのロックを解除するコントロールレバーに作用する。非使用位置に到達したとき、ロック解除カムは、シートレールが再びロックするように、再びコントロールレバーを解放する。
【0003】
特許文献2には、シート、特に自動車シートの背もたれ用の旋回解放装置を有する傾斜調節金具であって、背もたれに固定された調節可能な取付部材がシート部材に固定された取付部材に調節固定装置を介して接続され、ロック固定装置が所望のシート傾斜に応じて調節シャフトを用いて調節することができるプレートを備える傾斜調節金具が記載されている。旋回解放装置を形成するために、このプレートは、その外周にロック用爪に係合する歯セグメントを有し、歯セグメントは、背もたれに固定された取付部材に支持され且つコントロールレバーと係合し、コントロールレバーは、解放方向に作動され且つロック方向にそれ自身を戻すことができる。2ドア乗用車の後部へのスムーズなアクセスを可能にするために、シートの旋回解放及び前方移動のためのコンパクトな装置を形成するように、コントロールレバーは爪レバーに連結され、爪レバーは、背もたれに固定された取付部材が調節可能なプレートに支持される作動レバー上でロック解除の方向の旋回によって解放されると、シート部材と車両底面との間に配置された前後位置調節装置と係合する。
【0004】
特許文献3には、特に電動の背もたれ傾斜調節によって傾斜を調節可能な背もたれであって、前後調節可能な車両シートが前方位置に配置され、旋回され且つ解放された背もたれが前方に旋回される「イージーエントリー位置」を取ることができる背もたれと、旋回解放のために背もたれのロックを解除する背もたれロック解除機構と、車両シートの前後位置を調節するレールロック解除機構と、「イージーエントリー位置」を取るために背もたれロック解除機構とレールロック解除機構の作動を連結する連結装置とを有し、連結装置の一部が、軸を中心に旋回させることができるように配置されたレバーを有する爪装置であり、レバーはそれらの位置を互いに対して変えることができる2つの領域により形成される車両シートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6641218号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19715764号明細書
【特許文献3】独国特許第102008061037号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、冒頭で述べたタイプの車両シートにより高い機能性を提供することである。この目的は、請求項1の特徴を有する車両シートにより本発明に従って達成される。従属請求項は有利な実施形態に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
コントロールレバーの2つの状態は、背もたれを前方に旋回させたときにシートレールのロックが解除されるか否かを決定する。したがって、コントロールレバーの状態の選択により、2つの機能間で決定が行われる。コントロールレバーを作動状態から非作動状態へ移動させるために、好ましくは、それに応じてコントロールレバーに作用することができるレバーユニットが設けられる。好ましくは、レバーユニットは同様に、1つの又は任意でより多くの作動要素によって移動される。また、それによって背もたれをシート部材に取り付ける取付具のロック解除機構に対する連結が存在する。取付具を車両シートの一方の側のみに設けることが意図される場合、背もたれ軸を中心に回転させることができる接合部が、車両シートの他方の側でシート部材と背もたれとの間に取り付けられる。シートレールのロックを解除することなく背もたれを前方に旋回させるために、取り付け具は、別個の作動要素を用いてロック解除される。互いに対して移動させることができる複数のレバーの様々な動作及び連結は、好ましくは、対応する旋回範囲(すなわち、各レバーの円扇形)が重なることによって実現され、すなわち、レバーの角度位置に応じて、レバーは互いに接触し、歯付き装置の動作原理に従って互いに転動することができる。
【0008】
図面に示す実施形態を参照して、本発明を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】車室内ぎ装のない実施形態の側面図である。
図2】シート部材の後端部と背もたれの下端部の外観図である。
図3図2に関連する内部図である。
図4】旋回解放動作のために取付具のロックを解除したときの図2の部分図である。
図5】旋回解放動作のためにコントロールレバーを作動したときの図3に対応する図である。
図6】旋回解放動作中に背もたれを旋回させたときの図5に対応する図である。
図7】旋回解放動作中にシートレールのロックを解除したときの図6に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
車両シート1、特に自動車の後部の、例えば、第2シート列用の自動車シートは、シート部材3と、背もたれ旋回軸Lを中心にシート部材3に対して旋回させることができる背もたれ4とを有する。自動車内部の車両シート1の配置及び従来の走行方向により、使用される方向指示が定められる。第1作動要素5、例えば、ハンドレバー又はハンドルストラップを作動させることによって、背もたれ4の傾斜を様々な使用位置の間でシート部材3に対して調節することができる。第2作動要素8、例えば、ハンドルを作動させることによって、背もたれ4を非使用位置、例えば、前方に旋回された背もたれ4が後部シート列へのアクセスを容易にする旋回解放位置へと旋回させることができる。車両シート1の前後方向のシートポジションは、シート部材3に設けられたシートレール9を用いて調節することができる。好ましくは、シートレール9はまた、車両シート1を全体として前方に押すことができるように、旋回解放動作中にロック解除される。
【0011】
背もたれ4の傾斜調節と旋回解放動作は、それを用いて背もたれ4をシート部材3に取り付ける、取付具10を用いて行われる。取付具10は、背もたれ軸Lを中心に互いに対して回転させることができる2つの取付部材を有する。2つの取付部材の一方は、シート部材3のシートフレーム側部3aに固定され、一方、他方の取付部材は、背もたれ4の構造体に固定される。取付具10は、例えば、独国実用新案出願公開第202009016989号明細書(その開示内容は参照により本明細書に明示的に含まれるものとする)に記載されるように、この場合はキャッチ金具として構成される。このような取付具10においては、2つの取付部材を相互にロックすることができる。ロック解除は、背もたれ軸Lと一直線上にあり且つ背もたれ軸Lを中心に回転させることができるロック解除シャフト15を用いて行われる。ロック解除シャフト15は、車両シート両側で回転を固定して(又は周方向に自由に移動させて)それぞれキャリアに係合し、キャリアは、中央に配置され且つ取付具10内に回転可能に支持され、その回転が取付具10内でロックを開く。第1作動要素5は、ロック解除シャフト15に回転を固定して載置されるシングルアーム取付具レバー18に係合する。
【0012】
車両シートの一方の側では、レバーユニット20が、背もたれ軸Lと平行にずらされた回転軸を中心に回転可能であるように、シートフレーム側部3aに支持される。レバーユニット20は、シートフレーム側部3aの外側にある第1駆動アーム20aと、レバーユニットの回転軸と一直線上にあり且つその上に第1駆動アーム20aが回転を固定して載置され且つシートフレーム側部3aの内側につながる連結シャフト20bと、シートフレーム側部3aの内側に配置され且つ連結シャフト20b上に回転を固定して載置された第2駆動アーム20cと、第2駆動アーム20cと一体に構成され且つ第2駆動アーム20cから90°よりわずかに小さい角度で突出する出力アーム20dとを有する。第3作動要素23(この例ではハンドルストラップ)が、第2駆動アーム20cの自由端に固定される。第4作動要素24(この例でハンドルストラップ)が、第1駆動アーム20aの自由端に固定される。背もたれ4の上端に配置された第2作動要素8は、そのシースがシートフレーム側部3aに支持されている背もたれケーブル25、好ましくはボーデンケーブルを用いて、レバーユニット20に動作的に接続される。好ましくは、背もたれケーブル25は、第3作動要素23と共に第2駆動アーム20cに固定される。必要に応じて、第2作動要素8又は第3作動要素23又は第4作動要素24又はそれらのいくつかを省くことができる。レバーユニット20は、第1駆動アーム20aの旋回範囲(円扇形を画定する)が取付具レバー18の旋回範囲(円扇形を定義する)と重なるように配置される。
【0013】
背もたれ軸Lと連結シャフト20bと一直線上にあるレバーユニット20の回転軸との間のほぼ中央において、コントロールレバー30が、車両シートの同じ側で背もたれ軸Lと平行にずらされた回転軸を中心に回転させることができるように、シートフレーム側部3aに支持される。2つのアームで構成されたコントロールレバー30は、第1コントロールアーム31と、120°よりもわずかに大きい角度で第1コントロールアーム31から突出する第2コントロールアーム32とを有する。そのシースがシートフレーム側部3aに支持されるレールケーブル35、好ましくボーデンケーブルが、第1コントロールアーム31に固定される。コントロールレバー30は、それ自体既知の方法で、シートケーブル35を用いてシートレール9のロック解除機構に動作的に接続される。コントロールレバー30は、第1コントロールアーム31の旋回範囲(円扇形を画定する)が出力アーム20dの旋回範囲(円扇形を画定する)と重なるように配置される。コントロールレバー30の非作動状態では、第2コントロールアーム32は、取付具10に対して実質的に接線方向に向けられる。コントロールレバー30の作動状態では、第2コントロールアーム32は、背もたれ軸Lに対して実質的に半径方向に向けられる。
【0014】
車両シートの同じ側にはロック解除カム40が設けられ、ロック解除カム40は、背もたれに固定され、すなわち、例えば、それ自体が背もたれ4に固定された取付具10の取付部材に固定されることにより、背もたれ4に確実に接続される。ロック解除カム40は、約60°の角度にわたって周方向に延びている。背もたれ軸Lに対するロック解除カム40の半径方向の寸法は、その旋回範囲が第2コントロールアーム32の旋回範囲と重なるように選択される。コントロールレバー30の作動状態では、第2コントロールアーム32はロック解除カム40の旋回範囲内に突出する。背もたれ4の前方の旋回に関して、ロック解除カム40は先端及び後端を有する。
【0015】
上記構成要素の初期位置において、背もたれ4は、シートの使用に適している複数の可能な使用位置のうちの1つにある(図1〜3)。背もたれ4の傾斜調節は、第1作動要素5の作動によって行われる。第1作動要素5が車両シート1のユーザによって手動で作用されると、第1作動要素5は次いで取付具レバー18に作用し、取付具レバー18を旋回させる。旋回する取付具レバー18はロック解除シャフト15を回転させ、ロック解除シャフト15は車両シート両側で取付具10のロックを解除する。ここで、背もたれ4を別の使用位置に旋回させることができる。第1作動要素5が解放されると、取付具10が自動的にロックし、それによってロック解除シャフト15を取付具レバー18とともに回転させて初期位置に戻す。車両シートは、使用位置から、テーブル状の位置として構成され且つ収納スペースを増大させるのに適した非使用位置へと移動させることができる。第1作動要素5はその時も手動で作用され、それによって上述のように取付具10のロックが解除される。ここで、背もたれ4はシート部材3に載るまで前方に旋回させられる。背もたれ4の背面側は、このテーブル状の位置ではほぼ水平に向けられる。背もたれ4を旋回させる間、ロック解除カム40は、非作動状態にあるコントロールレバー30の第2コントロールアーム32に対して間隔をあけた状態で通過する。
【0016】
車両シート1の後方に位置するシート列へのアクセスを容易にすることが意図される場合、背もたれ4は旋回されて解放される(図4〜7)。旋回解放動作を作動させるのに、ユーザは、複数の作動の可能性がある。ユーザは、背もたれ4の上端にある第2作動要素8、又はシート部材3に対する遷移領域で前方に突出する第3作動要素23、又はその位置で後方に突出する第4作動要素24に手動で作用することができる。最後の要素は、車両シート1の後方に位置するシート列の乗員のために設けられる。作用された作動要素8、23又は24は、レバーユニット20を旋回させる。一方で、旋回するレバーユニット20の第1駆動アーム20aが取付具レバー18に作用し、それによって取付具10のロックが解除される(図4)。他方で、旋回するレバーユニット20の出力アーム20dがコントロールレバー30に作用し、コントロールレバー30が非作動状態から作動状態に変わり、すなわち、作動される(図5)。レールケーブル35は引っ張られるが、シートレール9はまだロック解除されない。背もたれ4を前方に旋回させると、ロック解除カム40が移動し、その先端が作動されたコントロールレバー30、すなわち、第2コントロールアーム32に当接する(図6)。背もたれ4を更に旋回させると、ロック解除カム40がコントロールレバー30に作用し、それによってコントロールレバー30はレールケーブル35がシートレール9のロックを解除する程度に旋回させられる(図7)。ここで、車両シート1は全体として移動させることができる。
【0017】
ロック解除カム40の後端は、構成に応じてコントロールレバー30を通過してもしなくてもよい。ロック解除カム40の後端が通過できる場合、レールケーブル35への作用はシートレール9がロックするのに不十分であり、シートレール9自体がレールケーブル35に作用する。コントロールレバー30は、その結果、コントロールレバー30が再びレバーユニット20に当接するまで後方に旋回する。作用された作動要素8、23又は24がまだ保持されている場合、コントロールレバー30は作動状態に戻る。作用された作動要素8、23又は24が一時的に解放されると、コントロールレバー30は非作動状態に戻る。
【0018】
背もたれ4の後方への旋回のために、作動要素8、23又は24は、取付具10(及びシートレール9)のロックが解除されるように作用されなければならない。或いは、取付具10は、例えば、独国特許出願公開第19928148号明細書(その開示内容は参照により本明細書に明示的に含まれるものとする)に開示されるように、(内部)案内路を用いてロック解除状態に保持される。背もたれ4を後方に旋回させると、ロック解除カム40は、コントロールレバー30が再びレバーユニット20に当接するがアクティブ状態のままであるように、コントロールレバー30から解放される。シートレール9は再びロックされる。作用された作動要素8、23又は24が背もたれ4の所望の使用位置で解放されると、レバーユニット20はその初期位置に戻り、コントロールレバー30は非作動状態に戻る。
【0019】
上記の旋回によって背もたれ4を解放する可能性とは別に、ユーザは、第1作動要素5に作用することにより、車両シート1を全体として移動させずに旋回解放する可能性がある。その場合、動作は背もたれ4の傾斜調節に相当する。
【符号の説明】
【0020】
1 車両シート
3 シート部材
3a シートフレーム側部
4 背もたれ
5 第1作動要素
8 第2作動要素
9 シートレール
10 取付具
15 ロック解除シャフト
18 取付具レバー
20 レバーユニット
20a 第1駆動アーム
20b 連結シャフト
20c 第2駆動アーム
20d 出力アーム
23 第3作動要素
24 第4作動要素
25 背もたれケーブル
30 コントロールレバー
31 第1コントロールアーム
32 第2コントロールアーム
35 レールケーブル
40 ロック解除カム
L 背もたれ軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7