(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799169
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】車両シート、特に自動車シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/08 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
B60N2/08
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-520552(P2014-520552)
(86)(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公表番号】特表2014-520718(P2014-520718A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】EP2012002767
(87)【国際公開番号】WO2013013757
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2014年1月15日
(31)【優先権主張番号】102011108652.1
(32)【優先日】2011年7月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511007886
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】クラム、 ラルス
(72)【発明者】
【氏名】ヘッセル、 トーマス
【審査官】
佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−126441(JP,A)
【文献】
特開2005−022475(JP,A)
【文献】
特開2009−292166(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102008060824(DE,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0019037(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両シート(1)であって、
前後調節装置(3)と、
構造体に固定された第1シートレール(5)と、この第1シートレール(5)内にシートの前後方向(x)に案内され且つ車両シート(1)に接続された第2シートレール(8)とを有するシートレール対(5,8)と、
少なくとも1つの位置で前記第2シートレール(8)を越えて突出する少なくとも1つの作動ピン(14)を有する解除可能なロック装置(12)と、
旋回可能に配置された作動レバー(37)と、
シース(33a)及びコア(33b)を有するボーデンケーブル(33)と
を備え、
前記第2シートレール(8)に固定され、且つ旋回軸(S)を中心に旋回させることができるように一端(37a)で前記作動レバー(37)を支持する保持部材(35)が設けられ、
前記ボーデンケーブル(33)のコア(33b)が前記シース(33a)の端部と前記コア(33b)の端部の間の部分領域で当接する当接面が前記作動レバー(37)上に形成され、
前記保持部材(35)は前記ボーデンケーブル(33)のコア(33b)の端部を固定し、
前記作動レバー(37)は前記ボーデンケーブルのシース(33a)が直接又は間接的に支持されるボーデンケーブル支持部(37d)を有する、車両シート。
【請求項2】
前記保持部材(35)及び/又は前記作動レバー(37)はプラスチック部品によって形成される、請求項1に記載の車両シート。
【請求項3】
前記作動レバー(37)の当接面は溝(37c)によって形成される、請求項1又は請求項2に記載の車両シート。
【請求項4】
前記ボーデンケーブル(33)上に長さ補償装置(33c)が設けられ、前記長さ補償装置が前記シース(33a)と前記作動レバー(37)のボーデンケーブル支持部(37d)との間に配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両シート。
【請求項5】
前記ボーデンケーブル(33)はクリップ(39)を用いて前記作動レバー(37)に取り付けることができる、請求項1から4のいずれか1項に記載の車両シート。
【請求項6】
前記保持部材(35)は2つの側方ガイド(35c)を有し、前記側方ガイドに対して前記作動レバー(37)を配置し、前記旋回軸(S)を中心に旋回させることにより前記作動レバー(37)を前記側方ガイドに対して相対的に移動させることができる、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両シート。
【請求項7】
前記作動レバー(37)は前記保持部材(35)に設けられたシャフト(35b)に旋回可能に支持される、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両シート。
【請求項8】
前記作動レバー(37)のシャフト側端部(37a)は一方の側が開いているように構成され、前記シャフト(35b)上に載る、請求項7に記載の車両シート。
【請求項9】
前記作動レバー(37)は、前記旋回軸(S)から離間する端部(37b)を有し、前記端部は、少なくとも一部領域で前記コア(33b)用の当接面を形成する第1上側曲率を有し、且つ前記作動ピン(14)用の当接面を形成する第2下側曲率を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の車両シート。
【請求項10】
前記作動レバー(37)は少なくとも1つの側方リブ(37e)を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の車両シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分の特徴を有する車両シート、特に自動車シートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シートクッションと、シートクッションを支持するシートフレームと、車両シートを前後調節するために作動させることができる前後調節装置と、前後調節装置に対するシートクッションの高さを調節するための高さ調節装置とを有する車両シートが開示されている。シートクッションの前端又はシートフレームの前端にはロック解除要素が配置され、ロック解除要素は前後調節装置に、それを手動で作動させるために作動的に接続される。作動的な接続はボーデンケーブルを用いて行うことができ、ボーデンケーブルのコアは、旋回可能に支持されたレバーの一端に直接接続され、引張力の伝達によってそれと協働する。この場合、レバーは、原理的には例えば特許文献2に開示されるように、ロック解除要素が引っ張られると旋回し、シートレールロック装置の突出作動ピン上に上方から他端と協働する。この場合、レバーの旋回軸はレバーの両端間に配置される。
【0003】
このような配置は依然として不十分なところがある。
【0004】
特許文献3は、ボーデンケーブルを用いて旋回させることができる作動レバーを有する自動車シート用の作動装置を開示している。ボーデンケーブルのコアは、この場合には作動レバーに固定される。作動レバーは、ボーデンケーブルによって作用されると、水平方向に延びる軸まわりの回転を受け、その結果、レバーを介して間接的にロック装置を作動させる。
【0005】
同様に機能する作動装置が、特許文献4及び特許文献5に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許発明第102007062635号明細書
【特許文献2】国際公開第2010051903号
【特許文献3】独国実用新案第20318787号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102009010226号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102008060824号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、冒頭で述べたタイプの車両シート、特に自動車シートを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明によれば、請求項1に記載された特徴を有する車両シートにより達成される。従属請求項は、個別に又は互いに組み合わせて使用することができる有利な実施形態に関する。
【0009】
本発明によれば、この場合、車両シート、特に自動車シートであって、前後調節装置を有し、構造体に固定された第1シートレールと、この第1シートレール内にシートの前後方向に案内され且つ車両シートに接続された第2シートレールとを有するシートレール対を有し、少なくとも1つの位置で第2シートレールを越えて突出する少なくとも1つの作動ピンを有する解除可能なロック装置を有し、旋回可能に配置された作動レバーを有し、シース及びコアを有するボーデンケーブルを有し、レールに固定され且つ旋回軸を中心に旋回させることができるように一端で作動レバーを支持する保持部材が設けられ、ボーデンケーブルのコアがシースの端部とコアの端部の間の部分領域で当接する当接面が作動レバー上に形成され、レールに固定された保持部材はボーデンケーブルのコアの端部を固定し、作動レバーはボーデンケーブルのシースが直接又は間接的に支持されるボーデンケーブル支持部を有する車両シートが提供される。
【0010】
保持部材の端部におけるコアの懸架及び当接面へのコアの当接が、ボーデンケーブルの簡単な組み立てをもたらす。また、ボーデンケーブルのこの配置の結果として、保持部材における作動レバーの支持位置は、より少ない負荷しかかけられない。
【0011】
保持部材及び/又は作動レバーは、好ましくは、プラスチック部品によって形成される。これにより、軽量化及びコスト削減が可能になる。
【0012】
作動レバーの当接面は、好ましくは溝によって形成される。溝はコアの正確なガイドを確実にし、コアは、手を使った正確な位置決めが必要ないように、自動的に溝内に置かれるようになる。
【0013】
好ましくは、ボーデンケーブル上に長さ補償装置が設けられ、長さ補償装置はシースとボーデンケーブル支持部との間に配置される。ボーデンケーブルの長さ補償装置のこの端部への配置は、特に公差を補償するために、ボーデンケーブルの簡単な取り付けと簡単な長さ補償を可能にする。
【0014】
ボーデンケーブルは、クリップを用いて特に簡単な方法で作動レバーのボーデンケーブル支持部に取り付けることができる。これはボーデンケーブルの非常に簡単な組み立てを可能にする。
【0015】
保持部材は、好ましくは2つの側方ガイドを有し、側方ガイドの間に作動レバーを配置し、旋回軸まわりに旋回させることによりそれを側方ガイドに対して相対的に移動させることができる。
【0016】
詳細には、好ましくは、対応する側方ガイドに当接する少なくとも1つのリブが作動レバー上に横方向に設けられる。複数のリブを設けることも、詳細には作動レバーの両側に設けることもできる。リブは、作動レバーの剛性をさらに高め、軽量化を可能にする。
【0017】
リブは、好ましくは旋回軸に対して同心円状に配置され、リブは、面に沿ってスライドすることができ、また、付加的な案内のための案内溝内に案内されることもできる。
【0018】
作動レバーは、好ましくは、旋回可能にシャフトに支持される。シャフトは、好ましくは、保持部材上に設けられ又は作られ、保持部材の側面によって形成された2つの側方ガイドの間に横方向に延びる。
【0019】
詳細には、作動レバーのシャフト側端部は、好ましくは、一方の側が開いているように構成され、シャフト上に載っている。このことは簡単な組み立て及び分解を可能にし、作動レバーは簡単な方法で、必要に応じて端部領域のアームのわずかな変形によって、配置することができる。
【0020】
作動レバーは、好ましくは、旋回軸から離間する端部を有し、端部は、少なくとも一部領域でコア用の当接面を形成する第1上側曲率を有し、且つ作動ピン用の当接面を形成する第2下側曲率を有する。第1湾曲当接面は、コアの画定された湾曲を保証し、第2曲率は作動レバーとロック装置の作動ピンの突出端との可能な限り接線方向での当接を保証する。
【0021】
作動レバーがリブを有し且つ保持部材の側方ガイドが案内溝を有し、且つ/又は作動レバーが案内溝を有し且つ保持部材の側方ガイドが旋回軸に対して同心円状に配置されたリブを有する場合、作動レバーの動作が保証される。特に好ましくは、リブは、作動レバーと作動ピンとの接触面の高さで作動レバー上に配置される。このことは、同時に、作動レバー全体を厚く作らなくても、接触領域において作動レバーの拡大された構成を可能にする。
【0022】
このような車両シートは、例えば、乗用車又は実用車に使用することができ、それは必ずしも運転席である必要はない。このような車両シートは、好ましくは、前部シート列に設けられるが、例えば、バンを含め、中央又は後部シート列に設けてもよい。
【0023】
図面に示された有利な実施形態を参照しながら、本発明を以下でより詳細に説明する。しかしながら、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】前後方向に調節可能な車両シートの下部構造の斜視図である。
【
図4】ロック状態における移動領域の側面図である。
【
図5】ロック解除状態における移動領域の側面図である。
【
図6】ロック解除状態における移動領域の断面図である。
【
図7】2つのシートレール対を有する車両シートの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
自動車の車両シート1は前後調節装置3を有し、前後調節装置を用いて車両シート1を前後方向に調節することができ、すなわち、車両シートの縦方向(前後方向)の座席位置をシート縦方向xに調節することができる。シート縦方向xは、一般に走行方向と平行に延びている。手動で作動可能な前後調節装置3は、2つの車両シート側部のそれぞれに、自動車の車両構造体に接続された第1シートレール5と、関連する第1シートレール5に対してシート縦方向xに変位可能であり且つこの第1シートレール5にロックすることができる第2シートレール8とを有する。この場合、第1シートレール5と第2シートレール8は互いの周りに係合し、それらの実質的にU字形の輪郭部材は内側又は外側に屈曲した縦方向縁部を有し、詳細には示されていないボールベアリングケージ内に配置されたボールベアリングが介在している。
【0026】
第1シートレール5と第2シートレール8をロックするために、それぞれの車両シート側部にはロック装置12が設けられ、ロック装置は、第2シートレール8内にロック方向zに移動可能に案内され、第1シートレール5と協働するように構成される。ロック装置12の構成に関しては、例えば、欧州特許第1227950号明細書が参照され、ロック装置はキャッチプレートを有し、キャッチプレートに歯が設けられ、キャッチプレートは第1シートレール5に対応して形成されたキャッチ用開口部にロックするために係合し、ロック動作を解除するためにこれらのキャッチ用開口部から下方へ押し出される。しかしながら、本実施形態の唯一の重要な特徴は、第2シートレール8を通って突出し、ロック動作を解除するためにキャッチプレートと協働する、作動ピン14が設けられていることである。
【0027】
前後調節装置3のロックを解除するために、下側シート側部の前方にハンドル31が設けられ、ハンドルは、y方向に延びる軸線を中心に旋回することができるように、対応するシートフレームに取り付けられる。ハンドル31は、ロック装置12のロックを解除するために、(第1)作動装置を形成する。シース33a及びコア33bを有するボーデンケーブル33が、ハンドル作動動作の伝達のために設けられる。ハンドル31から遠く離れたコア33bの端部は太く作られ、レールに固定されたプラスチック材料の保持部材35の一部であるサスペンション部材35aに懸架される。コア端部の保持部材35への固定は、異なる方法で、例えば、コアを保持し且つ折り畳んでロックすることができる湾曲部材によって、又はコア端部に任意で設けられた開口部を通って突出するねじによって行うことができる。保持部材35は、両側面間に横方向yに延び且つ旋回軸Sを形成するシャフト35bを有する。保持部材35のシャフト35b上に、作動レバー37が旋回可能に取り付けられる。
【0028】
作動レバー37のシャフト側端部37aは、一方の側で開いているように構成される。他方のサスペンション側端部37bは、厚く作られ、上側に横方向yに関して比較的大きな曲率半径で構成された溝37cを有する。下側も、サスペンション側端部37bは比較的大きな曲率半径で構成され、ロック装置12を解除するために作動レバー37が下方へ旋回して作動ピン14を下方に押圧する場合でも、作動ピン14の突出端部がこの領域の面と実質的に垂直に当接することが保証される。
【0029】
ボーデンケーブル33のコア33bは溝37cに配置され、すなわち、溝底面はこの場合、少なくともその長さの一部にわたって、曲面状に延びるコア33b用の当接面を形成する。ボーデンケーブル33のシース33aは、
図6に示すように、長さ補償装置33cを介してボーデンケーブル支持部37dに支持され、ボーデンケーブル支持部37dのスロット内に案内され且つクリップ嵌めされたクリップ39が、長さ補償装置33cの領域で、ボーデンケーブル33を作動レバー37に固定する。
【0030】
原理的には、シースが任意で作動レバー37のボーデンケーブル支持部37d上に直接支持され得るように、長さ補償装置をボーデンケーブルの別の場所に設けてもよい。同様に、ボーデンケーブルのボーデンケーブル支持部への固定は、異なる方法で行うこともできる。
【0031】
作動レバー37の旋回運動は保持部材35の側面によって案内され、すなわち、側面は作動レバー37のための側方ガイド35cを形成する。作動レバー37の付加的な補強のために、この場合、作動レバー37の側面に、この場合、旋回軸に対して同心円状に配置され且つ側方ガイド35cに当接するリブ37eが形成される。この場合、作動レバー37上に3つのリブ37e(作動レバー37の厚肉領域の端部のそれぞれにある1つ、及び作動レバー37と作動ピン14との接触面の高さにある中央の1つ)が設けられ、それにより、作動レバー37は、作動レバー37と作動ピン14との接触領域でわずかに幅が広くなるように構成される。
【0032】
或いは、付加的な案内のために、作動レバー37の側面に旋回軸に対して同心円状に配置したリブ37eに加えて、対応する案内溝を側方ガイド35c内に作ることができる。
【0033】
或いは、ガイドを真っ直ぐになるように、すなわちリブを省略して作ることもできる。
【0034】
この場合、保持部材35は、一端が第2シートレール8に形成された開口に案内され、他端で保持部材35と第2シートレール8の互いに位置合わせされた開口部に案内されたリベット41によって固定される。しかしながら、保持部材35の固定は、他の任意の方法で、例えば2つのリベット又はねじによって行うこともできる。
【0035】
この場合、保持部材35も作動レバー37も、プラスチック射出成形部品として構成される。しかしながら、それらは、例えば軽金属又は複合材料などの他の適当な材料を含むことができる。詳細には、シャフト35bを金属ピンから形成することができ、金属ピンは射出され又はその後に挿入される。
【0036】
作用は以下のとおりである。ハンドル31が作動されると、シース33a及びコア33bを相対的に移動させることによってボーデンケーブル33を介した作動の伝達が行われる。この場合、シース33aがボーデンケーブル支持部37dに支持されるのに対して、コア33bは、コア端部が保持部材35のサスペンション部材35aに保持された状態でシース部33a内に引き込まれるように引っ張られる。コア33bの「短縮」の結果として、作動レバー37は旋回軸Sの周りを回転し、サスペンション側端部37bが下方に押圧され(
図5参照)、ロック装置12の作動ピン14を上方から押圧する。キャッチプレートは、それによって下方へ押圧され、シートレールのロック動作が解除されて車両シート1がその前後方向の位置を変位させることができるように、キャッチ用開口部から押し出される。作動レバー37の最外端部での当接面上のコア33bの移動、及び作動レバー37のサスペンション側端部37bの中央領域への接触面の配置が、さらにロック解除動作に必要な引張力の変換をもたらす。
【0037】
ハンドル31を再び解除すると、シース33a及びコア33bは、対応する弾性プレテンションの結果として、再びその最初の位置(
図4参照)に移動し、それにより、作動ピン14上の力は終了し、キャッチプレートは、ロック装置12が再びロックされるように、引張ばねの力で再び歯の間のキャッチ用開口部に引き込まれる。
【0038】
作動レバー37の幅と保持部材35の側方ガイド35cの配置の適切な構成によって、原理的には、作動レバー37の対応する湾曲側面がコア33b用の当接面を直接形成することができるように、作動レバー37の溝37cを省略することができる。
【0039】
例えば、イージーエントリー位置を取るように車両シート1を完全に前方に移動させるために背もたれを前方に折り畳む動作に連結された追加のボーデンケーブルによって、(第2)作動装置を設けることができる。詳細には示されていないこの第2作動装置も、それ相応にロック装置12と協働することができる。この目的のために、作動レバー37は任意で第2溝を有し、保持部材35は第2ボーデンケーブルのコアを受け入れるための第2サスペンション35aを有する。
【0040】
上述した構成の代わりに、ボーデンケーブル33のシース33aを、保持部材35上の支持体に固定することもできる。
【0041】
原理的には、第2シートレールと保持部材の一体構成も考えられ、この目的のために、シートレールは、例えば、作動レバーを支持するシャフト及びコア端部用サスペンションと共に、隆起した材料の領域によって形成された対応する側方ガイドを有する。
【0042】
保持部材35の側方ガイド35cの十分に高い形状によって、ロック解除システムが作動又は損傷するのを防ぐキック防止システムをさらにもたらすことができる。
【0043】
上記の明細書、特許請求の範囲及び図面に開示された特徴は、その様々な実施形態において個別にでも共にでも本発明の実施のために重要である。
【符号の説明】
【0044】
1 車両シート
3 前後調節装置
5 第1シートレール
8 第2シートレール
12 ロック装置
14 作動ピン
31 ハンドル
33 ボーデンケーブル
33a シース
33b コア
33c 長さ補償装置
35 保持部材
35a サスペンション部材
35b シャフト
35c 側方ガイド
37 作動レバー
37a シャフト側端部
37b サスペンション側端部
37c 溝
37d ボーデンケーブル支持部
37e リブ
39 クリップ
41 リベット
S 旋回軸
x x方向、シート縦方向
y y方向、横方向
z z方向、ロック方向