(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記白紙検出部は、前記画像読取部の原稿読み取りにより得られた1ページの画像データを副走査方向に沿って複数に分割したバンド単位で白紙検知処理を行う請求項1に記載の画像読取装置。
原稿読み取りにより得られた1ページの画像データを副走査方向に沿って複数に分割したバンド単位で白紙検知処理を行うことを含む請求項7に記載の画像読取装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を
図1〜
図9を用いて説明する。以下の説明では、画像読取装置100を含む複合機1000(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0020】
(複合機1000の構成)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る複合機1000(画像形成装置)の概要を説明する。
図1は、複合機1000の一例を示す図である。
【0021】
本実施形態の複合機1000には上部に原稿搬送部2と画像読取部1を含む画像読取装置100を含む画像読取装置100が設けられる(詳細は後述)。又、複合機1000の正面上部(
図1に破線で示す位置)に、原稿読み取りやコピーや送信等の各種設定を受け付け、複合機1000の状態を表示する操作パネル3(設定入力部に相当)が設けられる。又、複合機1000本体に、給紙部4a、搬送部4b、画像形成部5a、定着部5b等が設けられる。
【0022】
図1に破線で示すように、複合機1000の正面上部に(画像読取部1の前面に)、操作パネル3が設けられる。そして、操作パネル3は、タッチパネル部31や液晶表示部32を含む。液晶表示部32は、複合機1000の状態表示や、実行するジョブの機能設定用のソフトキーなどを含む各種設定用の画面を表示する。タッチパネル部31を用いてタッチされた位置とタッチ位置に表示されたキーやボタンが、操作パネル3で認識される。又、操作パネル3には数字等の入力用のテンキー部33や、ジョブの実行開始を指示するスタートキー34等のハードキーも設けられる。このように、操作パネル3は、ソフトキーやハードキーで原稿読み取り等のジョブの設定入力を受け付ける。
【0023】
給紙部4aは、印刷の時、用紙を1枚ずつ送り出す。搬送部4bは、複合機1000内で用紙を搬送する通路である。画像形成部5aは、画像データに基づき、給紙部4aから画像(トナー像)を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部5bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。トナー定着後の用紙は、排出トレイ45に排出される。
【0024】
(画像読取装置100の構成)
次に、
図2を用いて、実施形態に係る画像読取装置100の一例を説明する。
図2は、画像読取装置100の一例を示す図である。
【0025】
まず、原稿搬送部2は、読み取りを行う原稿を1枚ずつ、自動的に連続して読み取り位置(後述の搬送読取用コンタクトガラス11a)に搬送する。原稿搬送部2は、原稿搬送方向上流側から順に、原稿トレイ21、原稿供給ローラー22、原稿搬送路23、複数の原稿搬送ローラー対24、原稿排出ローラー対25a、原稿排出トレイ25b等を備える。又、原稿搬送部2は、
図2の紙面奥側を支点として画像読取部1に上下方向に開閉自在に取り付けられ、画像読取部1の各コンタクトガラスを上方から押さえるカバー(原稿押さえ部)として機能する。
【0026】
読み取りを行う複数枚の原稿は、原稿トレイ21に載置される。原稿トレイ21には原稿の幅方向(主走査方向、
図2の紙面に垂直な方向)でスライドし、原稿を挟んで載置位置を規制する規制ガイド21aが設けられる。使用者は、原稿を載置した後、原稿がずれたり傾いたりしないように規制ガイド21aをスライドさせる。
【0027】
そして、原稿供給ローラー22は、原稿トレイ21に載置された原稿のうち最上位の原稿に当接する。原稿読取を行う旨の入力(例えば、スタートキー34を押すなど)が複合機1000に入力されると、原稿供給ローラー22は、回転と停止を繰り返し、一定の紙間を設けつつ原稿搬送路23に原稿を1枚ずつ送り出す。
【0028】
送り出された原稿は、複数の原稿搬送ローラー対24やガイドに導かれて搬送され、画像読取部1の上面に設けられた搬送読取用コンタクトガラス11aの上面を通過する。この通過の際、画像読取部1が読取を行う。そして、読取が完了した原稿は、原稿排出ローラー対25aから原稿排出トレイ25bに排出される(原稿搬送経路を2点鎖線で図示)。尚、上記の各回転体(原稿供給ローラー22、原稿搬送ローラー対24、原稿排出ローラー対25a)は、原稿搬送モーター2m(
図4参照)を駆動源として回転する。
【0029】
次に、画像読取部1を説明する。
図1や
図2に示すように、画像読取部1は、箱形の筐体を有する。そして、画像読取部1の上面左側に、主走査方向(
図2の紙面に垂直な方向)を長手方向として、透明板状の搬送読取用コンタクトガラス11aが配される。そして、画像読取部1の上面で右側に透明板状の載置読取用コンタクトガラス11bが配される。原稿搬送部2を持ち上げ、読取面を下向きにして、原稿(例えば、書籍)を載置読取用コンタクトガラス11bに載置することもできる。
【0030】
又、
図2に示すように、画像読取部1の筐体内に、第1移動枠12a、第2移動枠12b、ワイヤ13a、巻取ドラム13b、レンズ14と、原稿に光を照射するランプ1L(例えば、LED)と、原稿に照射された光が入射され、1ライン毎に原稿を読み取り、画像データを生成するためのイメージセンサー15等が配される。例えば、イメージセンサー15は、主走査方向でライン状に光電変換素子を並べたCCD(Charge Coupled Device)で構成され、原稿の反射光を元に、1ライン毎に原稿を読み取る。例えば、イメージセンサー15は、複数の受光素子をR、G、Bの3つのライン状に並べたラインセンサーであり、カラーでの読み取りに対応している。
【0031】
第1ミラー121、第2ミラー122、第3ミラー123は、原稿の反射光をレンズ14に導く。レンズ14は、反射光を集光し、イメージセンサー15に入射する。そして、イメージセンサー15は、反射光を画像濃度に応じたアナログの電気信号に変換する。この原稿の主走査方向(原稿搬送方向と垂直な方向)にライン単位で読取が行われ、ライン単位の読取を副走査方向(原稿搬送方向)に連続して繰り返し行って、1枚の原稿が読み取られる。
【0032】
そして、第1移動枠12aは、上部で光を照射するランプ1Lを、下部で第1ミラー121を支持する。第2移動枠12bは、上部で第2ミラー122を、下部で第3ミラー123を支持する。又、第1移動枠12aは、第2移動枠12bの上方に配される。又、この第1移動枠12a及び第2移動枠12bには複数本のワイヤ13aが取り付けられる(
図2では、便宜上1本のみ図示)。また、ワイヤ13aは、巻取ドラム13bに接続される。巻取ドラム13bは、巻取モーター1m(
図4参照)を駆動源として正逆回転する。これにより、第1移動枠12aと第2移動枠12bを水平方向(画像読取装置100の左右方向)に自在に移動させることができる。
【0033】
原稿搬送部2により搬送される原稿の読取の場合、巻取モーター1mが駆動した後、第1移動枠12aと第2移動枠12bは、搬送読取用コンタクトガラス11aの下方位置(読み取り位置)で静止する。そして、通過する原稿に対し、ランプ1Lは、光を照射する。一方、載置読取用コンタクトガラス11b上に載置された原稿を読み取る場合、巻取ドラム13bやワイヤ13a等により、第1移動枠12a及び第2移動枠12bをホームポジションから
図2の右方向に水平に移動させる。このように、走査動作を、順次原稿端部まで連続的に行うことで、原稿全体が読み取られ、原稿画像が電気信号に変換される。
【0034】
(複合機1000のハードウェア構成)
次に、
図3に基づき、実施形態に係る複合機1000のハードウェア構成の一例を説明する。
図3は、複合機1000のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
まず、複合機1000本体内に、複合機1000の動作の制御を司る主制御部6aが設けられる。主制御部6aは、基板である。例えば、主制御部6aは、制御を行う部分としてCPU61を有する。主制御部6aは、複合機1000の制御全体を統括する。例えば、全体制御を行う機能や、通信制御を行う機能や、画像処理を行う機能を備える。
【0036】
主制御部6aは、記憶部62を含む。記憶部62は、複合機1000の制御用のプログラム、制御用データ、画像データ等を記憶する。CPU61は、記憶部62に記憶されるプログラムやデータに基づき、演算処理の実行や制御信号の発信、受信を行って、複合機1000の制御を行う。
【0037】
又、第1画像処理部16(詳細は後述)が処理した画像データに対し、コピーや送信などのための各種画像処理を行う第2画像処理部63が設けられる。例えば、第2画像処理部63は、ASICやメモリー等で構成され、濃度変換、拡大縮小、回転、圧縮伸張、データ形式変換などの各種画像処理や、その他の公知の画像処理を行える。
【0038】
又、画像形成や用紙搬送を行う上で、各種回転体を回転させるモーター等のON/OFFや給紙、用紙搬送やトナー像形成などの印刷に関する動作、処理を制御するエンジン制御部6bが設けられる。エンジン制御部6bは、主制御部6aなどと通信可能に接続され、主制御部6aの指示に基づき、印刷に関する印刷エンジン部6c(給紙部4a、搬送部4b、画像形成部5a、定着部5b等)を実際に制御する。例えば、エンジン制御部6bは、演算処理装置としてエンジンCPU64を含む。又、エンジン制御部6bは、制御対象を制御するためのプログラム、データを記憶するエンジン記憶部65を含む。
【0039】
又、主制御部6aは、原稿搬送部2、画像読取部1などと通信可能に接続され原稿の読み取りと画像データの生成を原稿搬送部2や画像読取部1に行わせる。又、主制御部6aは、操作パネル3と通信可能に接続され、操作パネル3でなされた設定、入力の内容は、主制御部6aに伝えられる。主制御部6aは、設定内容に合わせて各部が動作するように、複合機1000に含まれる各部に指示を与え、動作させる。
【0040】
更に、主制御部6aは、通信部66と接続される。通信部66は、ネットワークやケーブルや通信網により、コンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバー)や相手方FAX装置300と通信する。これにより、複合機1000は、コンピューター200から画像データ等を受け取って印刷することや(プリンタ機能)、画像読取部1で読み取られた画像データを記憶部62に蓄積し、コンピューター200に送信することや(スキャナ機能)、外部のFAX装置300と画像データの送受信を行うことができる(FAX機能)。
【0041】
(画像読取装置100のハードウェア構成)
次に、
図4を用いて、実施形態に係る画像読取装置100のハードウェア構成の一例を説明する。
図4は、画像読取装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
本実施形態の画像読取装置100に含まれる原稿搬送部2と画像読取部1にはそれぞれ制御部が設けられる。原稿搬送部2には原稿搬送部2の動作の制御を行う搬送制御部20が設けられる。一方、画像読取部1には画像読取部1の動作の制御を行う読取制御部10が設けられる。
【0043】
まず、搬送制御部20は、上述の主制御部6aや読取制御部10と接続され、主制御部6aや読取制御部10からの指示、信号を受け原稿搬送部2の動作制御を行う。搬送制御部20は、中央演算処理装置としてのCPUや、制御用のプログラムやデータを記憶するROM、RAMなどを含む。搬送制御部20は、主制御部6a等との通信を行い、又、主制御部6a等の指示を受け、原稿搬送部2の動作制御を行う。
【0044】
例えば、搬送制御部20は、原稿搬送部2に設けられる原稿サイズセンサー26(
図2参照)の出力に基づき、原稿トレイ21に載置された原稿の主走査方向のサイズを認識する。例えば、原稿サイズセンサー26は、規制ガイド21aの位置に応じて抵抗値が変化する可変抵抗を含み、規制ガイド21aの位置に合わせて出力値が変化するセンサーでもよいし、用紙の有無を検知する光センサーを主走査方向に複数並べたものでもよい。
【0045】
又、原稿搬送部2に設けられる載置検知センサー27(
図2参照)の出力に基づき、搬送制御部20は、原稿トレイ21に原稿が載置されているか否か認識する。又、載置検知センサー27は、原稿が原稿トレイ21に載置されているか否かにより出力値が変化するセンサーである。例えば、載置検知センサー27には用紙の有無を検知する光センサーを用いてもよい。
【0046】
例えば、主制御部6aから原稿の読取指示があったとき、原稿トレイ21に原稿が載置されていることを検知していれば、搬送制御部20は、原稿搬送モーター2mを駆動させ、原稿供給ローラー22や原稿搬送ローラー対24等を回転させる。
【0047】
又、原稿供給ローラー22から搬送読取用コンタクトガラス11aの間の原稿搬送路23には原稿の到達や通過を検知するための原稿検知センサー28(
図2参照)が設けられる。原稿検知センサー28の出力に基づき、搬送制御部20は、原稿検知センサー28の設置位置(地点)での原稿の有無や、原稿の到達や通過を認識する。又、原稿検知センサー28は、原稿が存在しているか否かにより出力値が変化するセンサーである。例えば、原稿検知センサー28には用紙の有無によりHighレベルとLowレベルが切り替わる光センサーを用いてもよい。
【0048】
次に、読取制御部10は、上述の主制御部6aや搬送制御部20と通信可能に接続される。そして、読取制御部10は、主制御部6aからの指示、信号を受け、画像読取部1内各部分の動作制御を行う。読取制御部10も中央演算処理装置としてのCPUや、画像読取装置100の制御に必要なプログラム、データを記憶するROM、RAMを含む。
【0049】
そして、操作パネル3のスタートキー34が押されたときなど、主制御部6aから原稿読み取り指示を受けたとき、読取制御部10は、画像読取部1の動作制御や、読取で得られた画像データの記憶部62(主制御部6a)への送信制御などを行う。
【0050】
読取制御部10には巻取モーター1mが接続される。これにより、読取制御部10は、巻取モーター1mの回転を制御し、巻取ドラム13bを回転させ、各移動枠を移動させる。原稿が原稿トレイ21に載置されたことや、原稿が無くなったことを検知したとき、搬送制御部20は、読取制御部10にその旨を通知する。原稿トレイ21に原稿が載置されているときの原稿読み取りでは、読取制御部10は、各移動枠を搬送読取用コンタクトガラス11aの下方に移動させる。原稿トレイ21に原稿が載置されていないときの原稿読み取りでは、読取制御部10は、巻取ドラム13bを回転させ、載置読取用コンタクトガラス11b上の原稿を読み取らせる。
【0051】
又、読取制御部10は、ランプ1Lの点消灯を制御する。原稿を読み取るとき、読取制御部10は、ランプ1Lを点灯させる。又、読取制御部10は、イメージセンサー15の駆動(動作)を制御する。原稿を読み取るとき、読取制御部10は、イメージセンサー15を動作させる。又、読取制御部10は、第1画像処理部16と接続され、第1画像処理部16の動作を制御する。
【0052】
第1画像処理部16は、イメージセンサー15の出力に基づき画像データを生成し、更に、生成した画像データに対し画像処理を施す。尚、本実施形態では、第1画像処理部16を画像読取部1に、第2画像処理部63を主制御部6aに設ける例を説明する。しかし、画像処理部を一つだけ設け、1つだけ設けた画像処理部に第1画像処理部16の処理と第2画像処理部63の処理を行わせるようにしてもよい。
【0053】
イメージセンサー15は、原稿に照射された光を受け、各画素についてR、G、Bの3種のアナログの電気信号を出力する。そして、第1画像処理部16は、イメージセンサー15のアナログ出力に基づき画像データを生成する画像データ生成部17を含む。具体的に、画像データ生成部17は、A/D変換部171や補正部172を含む。A/D変換部171は、イメージセンサー15によって得られた各画素のアナログの電気信号の転送を受け、量子化を行い、ディジタル信号に変換する。例えば、A/D変換部171は、R、G、Bについてそれぞれ8ビット(計24ビット)に量子化を行う。
【0054】
補正部172は、画像データに対し、ガンマ補正やシェーディング補正等、ランプ1Lやイメージセンサー15の特性など、画像読取部1の各部分に起因する画像データでの歪みを補正する。そして、第1画像処理部16によって処理された画像データは、画像メモリー18に蓄えられる。画像メモリー18は、一定の主走査方向のライン数単位(ページ単位やバンド単位)で順次、画像データを記憶部62(主制御部6a)に転送する。第2画像処理部63は、記憶部62に蓄積された画像データに対し、ジョブに応じて必要な画像処理を施す。そして、処理後の画像データを用いて、印刷や送信などがなされる。
【0055】
(混載モード)
次に、
図2、
図4、
図5を用いて、混載モードでの原稿読取の一例を説明する。
図5は、混載モードでの原稿読みとりの説明図である。
【0056】
本実施形態の複合機1000(画像読取装置100)は、原稿搬送部2の原稿トレイ21に載置された全ての原稿のサイズが異なる場合でも、載置された原稿に応じて原稿を読みとり、原稿サイズに応じたサイズの画像データを生成できる。
【0057】
原稿トレイ21にサイズが異なる複数枚の原稿を原稿搬送部2に載置し、1枚ずつ原稿を搬送して読み取るモード(混載モード)で読み取りを行うとき、使用者は、操作パネル3に混載モードで原稿を読み取る旨の設定を行う。言い換えると、操作パネル3は、混載モードでの原稿読み取り指示を受け付ける。混載モードで読み取る設定がなされると、主制御部6aは、その旨を搬送制御部20や読取制御部10に通知する。
【0058】
次に、
図5を用いて、混載される原稿の態様を説明する。本実施形態の画像読取装置100(複合機1000)の混載モードでは、主走査方向のサイズ(幅)が同じで副走査方向(原稿搬送方向)のサイズが異なる原稿が混載される場合(同幅混載)と、主走査方向のサイズと副走査方向(原稿搬送方向)のサイズが異なる原稿が混載される場合(異幅混載)のいずれにも対応している。
【0059】
そして、
図5Aは、同幅混載の場合の一例を示している。
図5Aのうち、Aは、副走査方向のサイズが短い方の原稿を示し、Bは、主走査方向のサイズが長い方の原稿を示す。原稿搬送部2の原稿トレイ21にセットできる同幅混載の組み合わせとしては、例えば、LedgerサイズとLetterサイズ、LegalサイズとLetter-Rサイズ、B5縦とB4横、A4縦とA3横、A4横とFolioサイズなどがある。
【0060】
そして、
図5Bは、異幅混載の場合の一例を示している。
図5Bのうち、Aは、小さい方の原稿を示し、Bは、大きい方の原稿を示す。原稿搬送部2の原稿トレイ21にセットできる異幅混載の組み合わせとしては、例えば、LedgerサイズとLetterサイズとLegalサイズ、B5とB4とA4とA3、A4とB5とFolioサイズなどがある。
【0061】
サイズの異なる原稿が原稿トレイ21に混載されるとき、原稿サイズセンサー26により、搬送制御部20は、原稿トレイ21に載置された原稿束のうち、主走査方向で最も長い原稿の主走査方向のサイズを検知することができる。
【0062】
そして、搬送制御部20は、主走査方向で最も長い原稿の主走査方向のサイズを読取制御部10に通知する。混載モードで読み取るとき、いかなるサイズの原稿を読み取るか読取開始時点では検知できないので、主走査方向でも副走査方向でも原稿の先端から後端まで漏れなく読み取る必要がある。そこで、読取制御部10は、通知された主走査方向のサイズを有する定形サイズの用紙のうち、最も副走査方向が長いサイズの定形サイズの副走査方向のサイズでイメージセンサー15に読み取りを行わせる。例えば、原稿サイズセンサー26を用いて検知された主走査方向のサイズがA4サイズの長辺やA3の短辺と一致するとき、読取制御部10は、A3サイズとして原稿の読み取りを行う。又、搬送制御部20は、最も副走査方向が長いサイズで読み取るときのタイミングで原稿供給ローラー22を回転させる。尚、混載モードの読み取りのとき、読取制御部10や搬送制御部20は、読み取り可能な最大サイズで読み取りをイメージセンサー15などに行わせてもよい。
【0063】
同幅混載の場合と異幅混載の場合があるので、混載モードで読み取るとき、読み取ったそれぞれの原稿のサイズを副走査方向と主走査方向の両方で確定する必要がある。尚、操作パネル3の混載モードの設定のとき、同幅混載であるか異幅混載であるかを設定できるようにしてもよい。この場合、同幅混載であれば、原稿の主走査方向のサイズは、原稿サイズセンサー26で認識できる。
【0064】
第1画像処理部16のサイズ確定部7は、原稿のサイズを確定する処理を行う。例えば、サイズ確定部7は、演算回路や記憶回路を含む回路である。但し、サイズ確定部7は、読取制御部10のCPUやメモリーにより、ソフトウェア的に実現されていてもよい。
【0065】
混載モードのとき、サイズ確定部7は、読み取ったそれぞれの原稿の副走査方向のサイズを確定する。原稿の副走査方向のサイズの確定方法は、様々である。例えば、原稿の搬送速度(単位時間あたりの原稿搬送量)は、予め定められている。そこで、サイズ確定部7は、原稿検知センサー28が原稿の先端到達を検知してから後端通過を検知するまでの時間(原稿の存在を検知し続けている時間)に原稿の搬送速度を乗じて原稿の副走査方向のサイズを確定してもよい。
【0066】
例えば、サイズ確定部7は、イメージセンサー15の読み取りにより得られた画像データに基づき、原稿の副走査方向のサイズを確定してもよい。例えば、原稿の副走査方向の先端部分と後端部分は、画像データでは、主走査方向にのびる帯(エッジ)として現れることがある。画像データ中、原稿の副走査方向の先端と後端に対応する位置の画素は、原稿の地肌とは異なる画素値であって一定の範囲の画素値に収まることがある。そのため、画像データ中、副走査方向の先端と後端は、主走査方向にのびるほぼ均一の画素値のラインとして現れることがある(例えば、灰色のライン。又、サイズ確定部7は、ヒストグラム等により地肌の画素値を求めてもよい)。そして、サイズ確定部7は、画像データのうちの原稿の副走査方向の先端部分と後端部分を認識し、先端と後端の間隔(ライン数)に基づき、原稿の副走査方向のサイズを確定してもよい。
【0067】
混載モードのとき、サイズ確定部7は、読み取ったそれぞれの原稿の主走査方向のサイズを確定する。原稿の主走査方向サイズの確定方法は、様々である。例えば、主走査方向(原稿搬送方向と垂直な方向)に沿って、複数(例えば4〜10個程度)の原稿の有無を検知する主走査検知センサー29(
図2、
図4参照。例えば、光センサー)を設ける。そして、サイズ確定部7は、主走査検知センサー29のうち、原稿の存在を検知したセンサーと、確定した副走査方向の原稿サイズと、に基づき、定形サイズを求める。そして、求めた定形サイズの主走査方向のサイズを原稿の主走査方向のサイズと確定する。
【0068】
例えば、サイズ確定部7は、イメージセンサー15の読み取りにより得られた画像データに基づき、原稿の主走査方向のサイズを確定してもよい。例えば、原稿の主走査方向の端部分は、副走査方向にのびる帯(エッジ)として現れることがある。原稿の主走査方向の端部分に対応する位置の画素(境界位置の画素)は、地肌とは異なる画素値であって一定の範囲の画素値に収まることがある。そのため、画像データ中、主走査方向の端は、副走査方向にのびるほぼ均一の画素値のラインとして現れることがある(例えば、灰色のライン)。そして、サイズ確定部7は、画像データのうち、原稿の主走査方向の端部分を認識し、両端の間隔に基づき、原稿の主走査方向のサイズを確定してもよい。
【0069】
このように、サイズ確定部7は、読み取られた原稿の各ページの主走査方向のサイズと副走査方向のサイズを確定する。そして、混載モードのとき、サイズ確定部7は、確定した原稿サイズにあわせ、各ページの画像データのうち不要な部分(確定したサイズからはみ出ている部分、余分な部分)を記憶部62や画像メモリー18に破棄させる。これにより、サイズ確定部7は、読み取りにより得られた画像データを加工して(サイズ調整を行って)、読み取った原稿のサイズにあわせた画像データを生成する。
【0070】
(白紙検出と白紙除去)
次に、
図6、
図7を用いて、本実施形態の画像読取装置100(複合機1000)での白紙検出と白紙除去処理の一例を説明する。
図6は、白紙除去設定画面32aの一例を示す説明図である。
図7は、白紙検出部8の一例を示すブロック図である。
【0071】
原稿の中には白紙が混ざることがある。白紙の印刷や送信は、無駄である。そこで、本実施形態の画像読取装置100(複合機1000)では、白紙検出部8が読み取りにより得られた各原稿の画像データのうち、白紙のページを検出する白紙検出処理を行う。そして、白紙除去部9は、白紙と検出されたページの画像データを除去し、ジョブで用いられないようにする。白紙検出部8は、ASIC又はASICの一部である。但し、白紙検出部8の構成は、これに限られない。
【0072】
まず、
図6を用いて白紙検出処理の設定について説明する。原稿の読み取りを伴うジョブ(例えば、コピーやスキャンで得られた画像データの送信など)について、操作パネル3は、原稿のサイズや、1ページの原稿のうち白紙検出処理を行う領域(白紙検出領域F)の設定を受け付ける。
【0073】
具体的に、使用者は、操作パネル3を操作することにより、
図6に示すような白紙除去設定画面32aを液晶表示部32に表示させることができる。白紙除去設定画面32aでは、原稿トレイ21に載置する原稿のサイズや、白紙検出領域Fの位置や大きさを設定することができる。
【0074】
白紙除去設定画面32aには原稿サイズキー35が設けられる。使用者は、原稿サイズキー35の表示位置をタッチすることで、原稿トレイ21に載置する原稿のサイズ(例えば、レターサイズやA4サイズなど)を設定することができる。尚、画像読取装置100に原稿サイズを自動判定させる「自動」の項目も選択可能である。「自動」が設定されて原稿読み取りが開始されると、読取制御部10は、サイズ確定部7に原稿サイズを確定させる(判断させる)。
【0075】
又、白紙除去設定画面32aでは、白紙検出処理を行う領域(白紙検出領域F)を設定することができる。
図6に示す例では、原稿の1ページの全領域から白紙検出領域Fとして扱わない範囲(領域)を設定することができる。この設定のため、白紙除去設定画面32aには白紙検出領域Fとして扱わない部分の原稿の上端、下端、左端、右端のそれぞれの端部からの距離を入力するための距離入力欄36a、36b、36c、36dがそれぞれ設けられる。使用者は、設定値を設定したい距離入力欄36a〜36dのいずれかの表示位置をタッチし、テンキー部33などで数字を入力することで原稿の端からの距離を設定することができる。このように、操作パネル3は、原稿(のページ)のうち、原稿の端からの距離を定める入力を原稿の1ページ中の白紙検出領域Fの大きさと位置を設定する入力として受け付ける。そして、白紙検出処理では、原稿の端から設定された距離よりも内側の領域が白紙検出領域Fとして扱われる。
【0076】
次に、
図7を用いて、白紙検出領域Fに対する白紙検出処理の一例を説明する。
【0077】
まず、画像データ生成部17で生成された画像データは、白紙検出部8内(白紙検出部8外でもよい)の検出用メモリー81に入力される。検出用メモリー81は、予め定められたライン数(バンド単位)の画像データを記憶する。1ページ分の画像データ内のバンド数は、原稿のサイズによって異なるが、例えば、数個〜十数個とできる。そのため、画像データは、副走査方向に沿って複数に分割された単位(副走査方向の一定の長さ単位)で扱われる。尚、検出用メモリー81には主走査方向の1ライン分の画像データが入力され、白紙検出処理回路82は、1ラインずつ白紙検出処理を行ってもよい。
【0078】
そして、白紙検出部8内には白紙検出処理回路82が設けられる。白紙検出処理回路82は、1ページの原稿の画像データ中、白紙検出領域Fが白紙か否かを検出するための回路である。尚、本実施形態の画像読取装置100(複合機1000)では、白紙検出処理回路82が複数設けられる。
【0079】
又、白紙検出部8内には白紙検出部8内の各種回路の動作を制御するためのコントローラー80が設けられる。尚、読取制御部10が白紙検出部8内の白紙検出処理回路82の動作を制御してもよい。
【0080】
白紙検出処理回路82は、白紙検出領域Fの主走査方向での長さ(主走査幅S1)や位置を示す設定値を記憶するための設定レジスタ83を含む。コントローラー80は、読取制御部10や搬送制御部20や主制御部6aから与えられるデータに基づき、設定レジスタ83に設定値をセットする。
【0081】
混載モードでない場合、コントローラー80は、搬送制御部20により検知された原稿の主走査方向のサイズを示すデータを搬送制御部20や読取制御部10から受信する。又、コントローラー80は、主制御部6aから白紙除去設定画面32aで設定された原稿のサイズの設定値や、白紙検出領域Fに含めない原稿の上下左右の端からの距離を示すデータを受信する。そして、コントローラー80は、原稿の画像データ中、主走査方向での白紙検出領域Fとすべき幅(主走査幅S1)や位置(原稿の端からの位置)を示すデータを設定レジスタ83に設定値としてセットする。言い換えると、コントローラー80は、画像データ中、主走査方向において、白紙検出領域Fとして扱うべき部分と白紙検出領域Fとして扱わない部分(白紙検出処理を行わない部分)を示す設定値を設定レジスタ83にセットする。
【0082】
又、混載モードでない場合、コントローラー80は、主制御部6aなどから操作パネル3で設定された原稿サイズを示すデータを受信してもよい。そして、コントローラー80は、設定された原稿サイズに基づき、原稿の画像データ中、副走査方向で白紙検出領域Fとすべき幅(副走査幅S2)や位置(画像データの端からの位置)を設定レジスタ83に設定値としてセットするようにしてもよい。言い換えると、コントローラー80は、画像データ中、副走査方向において、白紙検出領域Fとして扱うべき部分と白紙検出領域Fとして扱わない部分(白紙検出処理を行わない部分)を示す設定値を設定レジスタ83にセットしてもよい。
【0083】
そして、白紙検出処理回路82内の演算処理部84は、1ページの原稿の各バンドについて、設定レジスタ83の設定値に基づき、バンド内での白紙検出領域Fが白紙であるか否か検出を行う。例えば、演算処理部84は、バンド内の白紙検出領域Fに相当する部分の各画素うち、予め定められた画素値よりも濃い画素値の画素の個数(ドット数)をカウントする。そして、演算処理部84は、予め定められた画素値よりも濃い画素値の画素の個数が予め定められた閾値を超えていればバンド内の白紙検出領域Fは、白紙でないと判断し、予め定められた閾値以下であればバンド内の白紙検出領域Fは、白紙であると判断する。
【0084】
尚、予め定められた画素値は、白い紙を読み取ったときの画素値を基準として定めてもよいし、原稿の地肌の色の平均的な画素値を予め定められた画素値としてもよい。又、予め定められた閾値は、1又は、数個の文字が有る場合のトナーがのせられるドット数を基準にして定めてもよい。
【0085】
そして、演算処理部84の1つのバンド内の白紙検出領域Fに対する検出結果(判定値。例えば、白紙なら「0」、白紙で無いなら「1」)を判定値保持部85に記憶させる。判定値保持部85は、各バンドの演算処理部84の判定値を記憶する。あるいは、判定値保持部85は、バンドごとに判定値を積算して更新するとともに、現時点で白紙検出処理を行ったバンドから複数バンド分前の時点の判定値の積算値を保持するようにしてもよい。
【0086】
白紙検出処理回路82は、原稿の1ページの読み取りが完了する前から、画像読取部1の原稿読み取りにより得られた画像データ中の白紙検出を行う白紙検出領域F内の画像データに基づき、画像データの主走査方向のライン単位で(1ライン又は、複数ライン単位で、バンド単位で)ページが白紙か否かの検出を繰り返す。
【0087】
そして、1ページ中、副走査方向で白紙検出領域Fが含まれる最後のバンドに対し白紙検出処理が行われた後、コントローラー80は、判定値保持部85が保持する検出結果を確認する。そして、判定値保持部85が白紙検出領域Fを含む全てのバンドが白紙である旨の値(検出結果)を保持していれば、コントローラー80は、原稿を白紙と検出し、いずれかのバンドが白紙で無い旨の値を保持していれば原稿は、白紙でないと検出する。
【0088】
もし、白紙と検出したとき、白紙検出部8(コントローラー80)は、白紙と検出した原稿の画像データを白紙除去部9に除去させる。ジョブで用いられないように、白紙除去部9は、白紙と検出されたページの画像データを画像メモリー18や記憶部62から除去(消去、破棄)する。
【0089】
(混載モードでの白紙検出の流れ)
次に、
図8、
図9を用いて、混載モードでの白紙検出の流れの一例を説明する。
図8は、原稿サイズごとに白紙検出領域Fの主走査方向の幅(主走査幅S1)と副走査方向の幅(副走査幅S2)が異なることを示す説明図である。
図9は、混載モードでの白紙検出の流れの一例を示すフローチャートである。
【0090】
まず、
図8を用いて、原稿のサイズに対応して適切な白紙検出領域Fの主走査幅S1と副走査幅S2が異なることを説明する。
【0091】
上述のように、本実施形態の画像読取装置100(複合機1000)では、原稿の端から設定した距離よりも内側の領域を白紙検出領域Fとする設定を行うことができる。そのため、白紙検出領域Fの主走査幅S1と副走査幅S2は、原稿のサイズにより異なる場合がある。
【0092】
図8では、A3横、A4縦、B4横の各サイズの原稿を示している。そして、各サイズにおいて、原稿の上下左右の端のそれぞれから一定の距離を除いた主走査幅S1と副走査幅S2を実線両端矢印で図示している。尚、以下の説明では、設定された用紙の上下左右での端からの距離は、各原稿サイズで同じとして説明する。
【0093】
A3横とA4縦の関係では、主走査方向のサイズは同じで、白紙検出領域Fの適切な主走査幅S1も同じである。しかし、A3横(A4縦)とB4横の関係では、主走査方向のサイズは異なるので、設定された距離に応じた適切な主走査幅S1は異なる。又、それぞれ副走査方向のサイズが異なるので、A3横とA4縦とB4横の関係では、設定された距離に応じた適切な白紙検出領域Fの副走査幅S2もそれぞれ異なる。
【0094】
しかし、
図10を用いて説明したように、白紙検出処理での白紙検出領域Fの主走査幅S1(設定可能な原稿サイズ)は、1パターンのみである。そして、原稿サイズが1種のみでは無い混載モードでは、それぞれの原稿のサイズは、読取開始時点では確定しておらず、1ページの読み取り完了に伴い原稿サイズが確定する。そして、混載モードの読み取りで1ページ分の原稿読取が完了する前から(原稿読み取りの途中から)、主走査方向のラインを基準とし、バンド単位(一定の主走査方向の複数ライン単位)で白紙検出処理を行うとき、白紙検出領域Fを適切に設定できない場合があるという問題がある。例えば、読み取っている原稿のサイズは、A4サイズなのに、A3サイズ用の白紙検出領域Fに基づいて白紙検出処理が行われる場合があった。そうすると、白紙検出処理を正確に行えない場合がある。
【0095】
又、1枚の原稿読み取りが完了し、1ページ分の原稿の画像データが完成してから1ページの画像データの全体に対して白紙検出処理を行うとどうしても白紙検出の処理速度は遅くなる。
【0096】
そこで、本実施形態の混載モードでの読み取りでは、白紙検出部8は、複数種の有効画像領域の主走査幅S1でバンドごとに白紙検出処理を行い、原稿のサイズ確定時に、確定された原稿の主走査方向のサイズに応じた主走査幅S1の白紙検出処理の検出結果に基づき白紙検出領域Fが白紙か否かを定める。
【0097】
白紙検出部8は、複数のパターンで白紙検出処理を行う必要があるので、白紙検出部8に複数の白紙検出処理回路82を含めてもよい(
図7参照)。白紙検出処理回路82は、2つでもよいし、3つ以上でもよい。又、どのようなサイズにも対応するため、白紙検出処理回路82は、混載モードで載置され得る原稿の定形サイズの主走査幅の種類の数分設けられてもよい。そして、読取制御部10やコントローラー80は、混載モードのとき、それぞれの白紙検出処理回路82を動作させる。
【0098】
次に、
図9を用いて、混載モードでの白紙検出処理の流れを説明する。
図9のスタートは、操作パネル3で、混載モードで読み取りを行う設定と白紙検出及び白紙除去を行う設定がなされたうえで、スタートキー34が押されるなどにより、原稿の読み取りが開始された時点である。
【0099】
まず、読取制御部10は、それぞれの白紙検出処理回路82の設定レジスタ83に白紙検出領域Fの主走査幅S1や主走査幅S1の位置を示すデータを設定値としてコントローラー80に設定させる(ステップ♯1)。このとき、各設定レジスタ83にセットされる主走査幅S1は、原稿のサイズの種類に応じてそれぞれ異なる(ステップ♯1)。ある白紙検出処理回路82の設定レジスタ83にはA4サイズの長辺やA3サイズの短辺のサイズ(主走査方向のサイズ)に対応した白紙検出領域Fの主走査幅S1がセットされてもよい。別の白紙検出処理回路82の設定レジスタ83にはB4サイズの短辺やB5サイズの長辺のサイズ(主走査方向のサイズ)に対応した白紙検出領域Fの主走査幅S1がセットされてもよい。
【0100】
又、白紙検出処理回路82の設定レジスタ83にはインチ系のサイズに対応した設定値がセットされてもよい。例えば、ある白紙検出処理回路82の設定レジスタ83にはLetterサイズの短辺やLegalサイズの短辺のサイズ(主走査方向のサイズ)に対応した白紙検出領域Fの主走査幅S1がセットされてもよい。別の白紙検出処理回路82の設定レジスタ83にはLedgerサイズの短辺やLetterサイズの長辺のサイズ(主走査方向のサイズ)に対応した白紙検出領域Fの主走査幅S1がセットされてもよい。又、別の白紙検出処理回路82の設定レジスタ83にはFolioサイズの短辺又は、短辺のサイズ(主走査方向のサイズ)に対応した白紙検出領域Fの主走査幅S1がセットされてもよい。
【0101】
具体的に、白紙検出部8は、原稿のうち、原稿の端から設定された距離よりも内側の範囲が白紙検出領域Fとなるように原稿サイズに応じて白紙検出領域Fの主走査幅S1の長さを異ならせる。又、白紙検出部8は、サイズ確定部7により確定された原稿サイズの端から操作パネル3で設定された距離よりも内側の範囲を白紙検出領域Fの副走査幅S2とする。そして、白紙検出部8は、主走査幅S1と副走査幅S2の範囲内(白紙検出領域F)での検出結果に基づきページが白紙か否かを検出する。このように、原稿サイズがどのサイズでも、原稿の端から操作パネル3で設定された距離よりも内側の領域が白紙検出領域Fとされ、白紙検出部8のコントローラー80は、いずれの原稿のサイズでも操作パネル3で設定された距離を共通して適用する。
【0102】
そして、原稿の読み取りが実行される(ステップ♯2)。このとき、搬送制御部20は、原稿搬送モーター2mなどを制御し、原稿トレイ21上の原稿を1枚、読取位置(搬送読取用コンタクトガラス11a)に向けて搬送する。又、読取制御部10は、イメージセンサー15や第1画像処理部16などを動作させ、原稿の先端から主走査方向のライン単位で原稿読み取りを行わせる。又、混載モードでは、原稿サイズは、不定なので、例えば、読取制御部10は、読み取り可能な最大サイズ、又は、サイズ検知センサーで検知された主走査方向のサイズのうち、最も大きな定形サイズで原稿を読み取る。
【0103】
そして、白紙検出部8は、1ページの原稿の読み取りが完了する前から画像データのバンド単位で白紙検出処理を行う(ステップ♯3)。更に、バンドの白紙検出処理が完了すると白紙検出を行ったバンドの検出結果(判定値)を判定値保持部85に蓄積する(ステップ♯4)。尚、原稿の最初(先端部分)から1つめ、又は、複数個のバンドが白紙検出領域F外であれば、白紙検出処理回路82は、白紙検出領域F外のバンドの画像データが入力されても白紙検出処理を行わず、検出結果も蓄積しない。
【0104】
そして、1ページ分の原稿の読み取り(例えば、読み取り可能な最大サイズでの読み取り)が完了する(ステップ♯5)。そして、サイズ確定部7は、原稿検知センサー28の出力や画像データに基づき、原稿の主走査方向のサイズと副走査方向のサイズを確定する(ステップ♯6)。
【0105】
そして、白紙検出部8のコントローラー80は、確定された原稿のサイズに基づき、白紙検出領域Fの主走査幅S1と副走査幅S2を認識する(ステップ♯7)。そして、白紙検出部8のコントローラー80は、確定された主走査幅S1で白紙検出処理を行った白紙検出処理の検出結果(確定された主走査幅S1に対応する設定レジスタ83の設定値で白紙検出処理を行った白紙検出処理回路82)を選択する(ステップ♯8)。言い換えると、白紙検出部8は、操作パネル3に対する入力により混載モードで読み取りを行うとき、複数種の原稿サイズに応じた複数種の白紙検出領域Fの主走査幅S1で白紙検知処理を行い、白紙検出領域Fの主走査幅S1が異なるそれぞれの検出結果のうち、サイズ確定部7が確定した原稿の主走査方向のサイズに対応する主走査幅S1での検出結果を用いてページが白紙か否かを検出する。
【0106】
そして、白紙検出部8のコントローラー80は、1ページの原稿の画像データの各バンドのうち、確定された副走査幅S2の範囲に含まれるバンドを定める(ステップ♯9)。白紙検出領域F外のバンド(副走査方向での先端部分と後端部分のバンド)を除外するためである。
【0107】
続いて、白紙検出部8のコントローラー80は、確定された副走査幅S2の範囲に含まれるバンドの(白紙検出領域F内の)白紙検出処理のそれぞれの検出結果(判定値)に基づき、白紙検出領域Fが白紙であるか否かを検出する(ステップ♯10)。言い換えると、混載モードで読み取りを行うとき、白紙検出部8は、1ページの原稿の画像データのうち、サイズ確定部7により確定された原稿の副走査方向のサイズに対応する白紙検出領域Fの副走査幅S2の範囲内での検出結果に基づき、ページが白紙か否かを検出する。例えば、コントローラー80は、判定値保持部85に記憶された検出結果に基づき、白紙検出領域F内のバンドのうち、1つでも白紙でないと判断したバンドがあれば、白紙検出領域Fが白紙でないと検出し、白紙でないと判断したバンドが1つも無ければ、白紙検出領域Fは、白紙と検出する。
【0108】
もし、白紙検出領域Fが白紙と検出されれば(ステップ♯11のYes)、白紙検出部8からの通知に基づき、白紙除去部9は、ジョブで用いられないように、記憶部62や画像メモリー18から白紙検出領域Fが白紙と検出されたページの画像データを除去させる(ステップ♯12)。
【0109】
一方、白紙検出領域Fが白紙と検出されないとき(ステップ♯11のNo)や、ステップ♯12の後、読取制御部10は、原稿トレイ21に載置された原稿の全ての読み取りが完了したか否かを確認する(ステップ♯13)。例えば、読取制御部10は、載置検知センサー27により原稿トレイ21上に原稿が無くなったことが検知されたとき、全原稿の読み取りが完了したと判断する。
【0110】
混載モードでの全原稿の読み取りが完了したとき(ステップ♯13のYes)、フローは、終了する(エンド)。一方、まだ読み取るべき原稿が残っているとき(ステップ♯13のNo)、コントローラー80は、各判定値保持部85に保持された検出結果をリセットする(ステップ♯14)。そして、フローは、ステップ♯2に戻り、次の原稿の読み取りと白紙検出処理などが行われる。
【0111】
このようにして、本実施形態に係る画像読取装置100は、原稿を読み取る画像読取部1と、載置された原稿を1枚ずつ画像読取部1の読み取り位置に向けて搬送する原稿搬送部2と、サイズが異なる複数枚の原稿を原稿搬送部2に載置して原稿を読み取る混載モードでの原稿読み取り指示を受け付ける設定入力部(操作パネル3)と、画像読取部1に読み取られた原稿の各ページのサイズを確定するためのサイズ確定部7と、原稿の1ページの読み取りが完了する前から、原稿読み取りにより得られた画像データの主走査方向のライン単位で、画像データ中の白紙検出を行う領域である白紙検出領域Fが白紙か否かの検出を繰り返し、混載モードで読み取りを行うとき、1ページの原稿の画像データのうち、サイズ確定部7により確定された原稿の副走査方向のサイズに対応する白紙検出領域Fの副走査幅の範囲内での検出結果に基づき原稿が白紙か否かを検出する白紙検出部8と、ジョブで用いられないように、白紙検出領域Fが白紙と検出した原稿の画像データを除去する白紙除去部9と、を含む。
【0112】
これにより、原稿混載のため、1ジョブ中、原稿の副走査方向のサイズが一定でなくても(原稿混載の場合でも)、読み取った原稿のページが白紙か否か正確に検出することができる。又、副走査方向での原稿サイズが定まると、直ちに白紙か否かが定まるので、迅速に白紙か否かを検出することができる。又、1ページ分の画像データの完成を待つこと無く、原稿読み取り中、1ページの画像データの一部に対して順次、白紙検出処理が行われ、1ページの画像データの生成が完了したとき、白紙検出処理は、ほぼ終わっている。そして、原稿のサイズが確定するとともに原稿が白紙か否かが定まる。従って、1ページの画像データの生成が完了してから白紙検出を開始する場合に比べて、原稿が白紙か否かが定まるまでの時間を短くすることができ、高速な白紙検出が実現される。又、従来のように白紙検出の処理のために原稿搬送速度を落とす必要はない。また、大容量のバッファメモリーを設けたりする必要もない。
【0113】
又、サイズ確定部7は、原稿の各ページの主走査方向のサイズを確定し、混載モードで読み取りを行うとき、白紙検出部8は、複数種の原稿サイズに応じた複数種の白紙検出領域Fの主走査幅S1で白紙検知処理を並行し、白紙検出領域Fの主走査幅S1が異なるそれぞれの検出結果のうち、サイズ確定部7が確定した原稿の主走査方向のサイズに対応する主走査幅S1での検出結果を用いて原稿が白紙か否かを検出する。原稿混載のため、1ジョブ中、原稿の主走査方向のサイズが一定でなくても、複数種の主走査幅S1のうち、いずれかは、読取中の原稿のサイズに対応したものとなる。そして、複数の主走査幅S1のうち、確定された原稿の主走査方向のサイズに対応した適切な白紙検出領域Fの主走査幅S1での白紙検出の処理結果に基づき原稿(白紙検出領域F)が白紙か否かが検出されるので、原稿混載の場合でも正確に白紙検出を行うことができる。
【0114】
又、設定入力部(操作パネル3)は、原稿のうち、原稿の端からの距離を定める入力を原稿の1ページ中の白紙検出領域Fの大きさと位置を設定する入力として受け付け、白紙検出部8は、サイズ確定部により確定された原稿のサイズの副走査方向の端から、設定された距離よりも内側の範囲を白紙検出領域Fの副走査幅S2とし、副走査幅S2の範囲内での検出結果に基づき原稿が白紙か否かを検出するとともに、サイズ確定部により確定された原稿のサイズの主走査方向の端から設定された距離よりも内側の範囲が白紙検出領域Fとなるように、原稿サイズに応じて白紙検出領域Fの主走査幅S1の長さを異ならせる。
【0115】
これにより、原稿混載のため、1ジョブ中、原稿の主走査方向のサイズが複数種でも、主走査方向で一定の余白を必ず確保しつつ、主走査方向の余白間の領域が白紙検出領域Fとなる。そのため、原稿のサイズを問わず、適切な白紙検出領域Fを定めることができる。従って、読み取りジョブ中、原稿混載により原稿の主走査方向のサイズが複数種でも、正確に原稿の各ページが白紙であるか否か検出することができる。又、原稿混載のため、1ジョブ中、原稿の副走査方向のサイズが複数種でも、副走査方向で一定の余白を必ず確保しつつ、副走査方向の余白間の領域が白紙検出領域Fとなるように適切な白紙検出領域Fを定めることができる。従って、原稿混載により読み取りジョブ中の原稿の副走査方向のサイズが複数種でも、正確に原稿の各ページが白紙であるか否か検出することができる。
【0116】
尚、本実施形態では、設定入力部(操作パネル3)になされた入力に基づき、サイズ確定部により確定された原稿のサイズの副走査方向と主走査方向の端から、設定された距離よりも内側の範囲を白紙検出領域Fとする例を説明している。しかし、設定入力部(操作パネル3)になされた入力によらず、白紙検出部8は、確定された用紙サイズに応じて原稿の端から予め定められた距離だけ内側の範囲が白紙検出領域Fとなるように、原稿サイズに応じて白紙検出領域Fの主走査幅S1と副走査幅S2の長さを異ならせてもよい。言い換えると、操作パネル3から入力された距離ではなく、決定された用紙サイズに応じて白紙検出用の原稿の端からの距離を予め定められた距離に変化させて、白紙検出領域Fが設定されるようにしてもよい。
【0117】
又、白紙検出部8は、画像読取部1の原稿読み取りにより得られた1ページの画像データを副走査方向に沿って複数に分割したバンド単位で白紙検知処理を行う。これにより、バンド分の主走査方向のラインが読み取られるごとに、バンドが白紙か否かを検出する処理が行われる。従って、白紙か否かを正確に検出しつつ、効率よく白紙検出を行うことができる。
【0118】
又、白紙検出部8は、複数の設定レジスタ83を含み、それぞれの設定レジスタ83は、異なる原稿サイズに応じた白紙検出領域Fの主走査幅S1と、主走査幅S1の位置データとを設定値として記憶し、白紙検出部8は、それぞれの設定レジスタ83に記憶された設定値に基づき、複数種の原稿サイズに応じた複数種の白紙検出領域Fの主走査幅S1の位置で、白紙検知処理を行う。これにより、レジスタの設定値を変えることで、白紙検出領域Fの主走査幅S1を変えることができる。
【0119】
又、実施形態に係る画像形成装置(複合機1000)は、実施形態に係る画像読取装置100を含む。異なるサイズの原稿を載置して読み取りを行っても正確に白紙が除去されるので、白紙の印刷や送信などの無駄は、行われず、省資源で使いやすい画像形成装置(複合機1000)を提供することができる。
【0120】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、これに限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。