特許第5799287号(P5799287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799287
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】回胴式遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   A63F5/04 512E
   A63F5/04 512D
【請求項の数】1
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-232604(P2013-232604)
(22)【出願日】2013年11月8日
(65)【公開番号】特開2014-111090(P2014-111090A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2013年11月12日
(31)【優先権主張番号】特願2012-248838(P2012-248838)
(32)【優先日】2012年11月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】中谷 竜二
【審査官】 中槙 利明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−106541(JP,A)
【文献】 特開2007−029157(JP,A)
【文献】 特開2000−005377(JP,A)
【文献】 特開2008−023029(JP,A)
【文献】 特開2009−268643(JP,A)
【文献】 特開2008−307128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の回胴と、
該回胴に各々対応すると共に操作に基づいて該回胴を所定の停止位置に停止させる複数の停止スイッチと、
前記回胴の回転を開始させる始動レバーと、
該始動レバーの操作に起因して抽出された乱数値に基づいて遊技者に有利なボーナスの当選の有無を判定する当選判定手段と、
前記始動レバーの操作に基づいて前記複数の回胴を回転させ、操作された前記停止スイッチに対応する回胴の回転を前記当選判定手段による判定結果に基づいた前記所定の停止位置で停止させる回胴制御手段と、
該回胴制御手段により停止した全ての回胴の停止位置に基づいて前記ボーナスの成立の有無を判定する成立判定手段と、
を備えた回胴式遊技機であって、
前記当選判定手段によりボーナスに当選したと判定された当該ゲームにおいて、前記成立判定手段によりボーナスが成立しなかったと判定されることを条件に、前記当該ゲーム中に実行する第1告知演出及び前記当該ゲーム終了後の次ゲーム中に実行する第2告知演出のいずれかによってボーナス当選していることを告知する告知演出手段と、
前記当該ゲームにおいて、前記複数の停止スイッチのうち、他の全ての回胴が停止した状態で操作された最終停止スイッチが操作状態となってから非操作状態となるまでの経過時間を計測する計時手段と、
当該ゲームにおいて、次ゲームを実行可能なクレジット数が無ければ、比較値として最低値を設定する条件変更手段と、
を備え
前記告知演出手段は、前記経過時間が前記比較値以上であれば前記第1告知演出によって告知し、前記経過時間が前記比較値未満であれば前記第2告知演出によって告知する
ことを特徴とする回胴式遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴式遊技機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
現在、回胴式遊技機では複数種類の入賞態様を有するものが一般的である。入賞態様の中でも特に、表示窓内に現れた各リール(回胴)の図柄が特別役に対応する組み合わせになった場合には、1回のメダルの払出に終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。
【0003】
このような所謂、特別役として、遊技者に相対的に大きい利益を与える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
そして、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って予め定めた図柄の組み合わせが並び、メダル等が払い出される成立役とするには、内部的な判定処理により役に当選し、且つその当選した役(以下、「当選役」という)の入賞成立を示す図柄の組み合わせを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。
【0005】
つまり、いくら内部判定で当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと当選役を成立役とすることが出来ない。すなわち、停止操作のタイミングに熟練した技術が要求される(「目押し」と言われる技術介入性の比重が高い)。
【0006】
このような回胴式遊技機では、停止操作の開始を検出すると液晶表示装置に表示する演出を変化させるだけでなく、停止操作の終了を検出した場合にも液晶表示装置に表示する演出を変化させる遊技機が知られている(例えば、特許文献1に記載の遊技機)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−009084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
因みに、上述した遊技機は、停止操作の開始を検出した際にはボーナスが当選役として決定されていることの期待感を煽る演出を行い、停止操作の終了を検出した際にボーナスが当選役として決定されているか否かを確定的に告知する告知演出を行うように構成されている。よって、このような遊技機において、遊技者は停止操作を長めに行うことにより、確定的な告知演出の実行を任意のタイミングで開始することが可能な為、自らも演出に参加している感覚を持つことが出来る。
【0009】
しかしながら、上記のような回胴式遊技機では、停止操作を長めに行った(長押し)場合であっても、または短めに行った場合であっても、結果として同じ演出(停止操作の開始を検出した際の演出、及び停止操作の終了を検出した際の演出)が行われてしまうため、そもそも長押しを行う実効性に乏しく、遊技者の嗜好又は状況にあったタイミングでの演出を行うことが出来ていない。
【0010】
本願発明は上記した課題に鑑みなされたものであって、遊技者による最終停止スイッチの操作態様によって遊技者の嗜好又は状況に即した実行タイミングで告知演出を行うことが可能な回胴式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の回胴式遊技機は、
複数の回胴と、
該回胴に各々対応すると共に操作に基づいて該回胴を所定の停止位置に停止させる複数の停止スイッチと、
前記回胴の回転を開始させる始動レバーと、
該始動レバーの操作に起因して抽出された乱数値に基づいて遊技者に有利なボーナスの当選の有無を判定する当選判定手段と、
前記始動レバーの操作に基づいて前記複数の回胴を回転させ、操作された前記停止スイッチに対応する回胴の回転を前記当選判定手段による判定結果に基づいた前記所定の停止位置で停止させる回胴制御手段と、
該回胴制御手段により停止した全ての回胴の停止位置に基づいて前記ボーナスの成立の有無を判定する成立判定手段と、
を備えた回胴式遊技機であって、
前記当選判定手段によりボーナスに当選したと判定された当該ゲームにおいて、前記成立判定手段によりボーナスが成立しなかったと判定されることを条件に、前記当該ゲーム中に実行する第1告知演出及び前記当該ゲーム終了後の次ゲーム中に実行する第2告知演出のいずれかによってボーナス当選していることを告知する告知演出手段と、
前記当該ゲームにおいて、前記複数の停止スイッチのうち、他の全ての回胴が停止した状態で操作された最終停止スイッチが操作状態となってから非操作状態となるまでの経過時間を計測する計時手段と、
当該ゲームにおいて、次ゲームを実行可能なクレジット数が無ければ、比較値として最低値を設定する条件変更手段と、
を備え
前記告知演出手段は、前記経過時間が前記比較値以上であれば前記第1告知演出によって告知し、前記経過時間が前記比較値未満であれば前記第2告知演出によって告知する
ことを特徴とする回胴式遊技機である。
【0012】
当選判定手段によって当選の可否が判定されるボーナスは、例えばビッグボーナス(以下、「BB」)および、レギュラーボーナス(以下、「RB」)で構成される。当選判定手段は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの何れかが当選しているか否かを判定する。また、ボーナスは、ハズレや小役とは異なり、比較的大きな利益を遊技者に享受出来る賞であれば、他の種別のボーナスを付加しても良い。
このように構成することにより、ボーナスの種別が多彩になり、遊技の興趣が向上する。
【0013】
停止スイッチは、遊技者の技術介入により回転する回胴を停止させるための手段であればよく、遊技者が操作可能な構成であり且つ操作状態(ON状態)を維持して操作信号を継続的に発生させる長押しが可能であれば他の構成であっても良い。押し込み型のスイッチであっても、レバー式のスイッチであっても良い。メカ式スイッチに限らず、タッチパネル式のスイッチであっても良い。
このように構成することにより、コストや回胴式遊技機の開発コンセプトに応じて、適宜好適なスイッチの種別を選択可能となる。
【0014】
回胴式遊技機は、何らかの役に当選し且つ当該役が成立したことによって、当該役に対応して予め定められた賞として所定枚数のメダル(コイン)等の遊技媒体を遊技者に払い出す構成を備えた通常の回胴式遊技機が好適である。但し、これに限定することはなく、遊技媒体を遊技者に払い出さずに遊技可能な遊技媒体数或いは該遊技媒体数に対応した数値データとして記憶し、該数値データに基づいて遊技が可能となる封入式の回胴式遊技機であっても良い。
このように構成することにより、遊技者による遊技媒体の投入作業が省略され、遊技の煩雑さが解消される。また、遊技媒体を払い出すための開口部を開設する必要がなくなるため、機械内部への不正行為を目的とした器具の挿入等が困難となり、不正行為に因る被害を未然に防止することが出来る。
【0015】
比較値は、遊技者による最終停止スイッチの操作状態を維持した時間を、所謂長押しと判定するか否かの判定基準(指標)となる時間であれば良く、適宜、好適な時間に設定して良い。
このようにすることで、遊技の流行(常時、長押しすることが一般的になった場合や、その逆の場合等)や、当該遊技機の開発コンセプトとして長押しを頻繁に行わせる場合等、によって判断の指標を自由に変更することで、好適な時間を設定できる。
【0016】
最終停止スイッチが操作状態となってから非操作状態となるまでの経過時間は、最終停止スイッチが操作されてON信号の発生を開始した時点を始期として、ON信号を継続して発生した後に、操作の解除によりON信号の発生が終了した時点を終期とする、当該期間である。
【0017】
また、前記告知演出手段は、前記第1告知演出を前記最終停止スイッチが操作状態となって該操作状態を維持している経過時間が前記比較値となった時に実行する
ように構成しても良い。
【0018】
このように構成すれば、第1告知演出の実行時期を、最終停止スイッチを操作状態に維持している経過時間が比較値と同じ時間になった時点とすることにより、当該ゲームにて当選していることを期待して最終停止スイッチの操作状態を維持している遊技者に対して、ボーナスに当選している旨の告知を、唐突に行い、単にボーナスに当選したという喜びだけではなく、前触れも無くいきなり幸運が降って湧いたような感覚を遊技者に与えることが出来る。
また、上述したような感覚を抱いた遊技者は、これを経験則として、あたかも最終停止スイッチの操作状態を長く維持することが僥倖の要因であるかの錯覚を抱く。これにより、それ以後、遊技者は自ら最終停止スイッチの操作状態を維持することに興趣を覚えるようになるため、回胴式遊技機に新たに特別な演出や装置を備えること無く興趣の向上を図ることが出来る。
【0019】
最終停止スイッチが操作状態となって該操作状態を維持している経過時間は、最終停止スイッチが操作されてON信号の発生を開始した時点を始期として、ON信号を継続して発生し続けた期間である。
【0020】
また、前記告知演出手段は、前記第1告知演出を操作状態から非操作状態へ変化した時に実行する
ように構成しても良い。
【0021】
このように構成すれば、第1告知演出の実行時期を、最終停止スイッチが操作状態から非操作状態に変化した時点とする。これにより、遊技者が当該ゲームにて当選している旨の告知が為されることを期待しつつ最終停止スイッチを非操作状態にした、まさにそのタイミングで、告知することが出来る。これにより、ボーナスの当選を遊技者が自分で引き当てたような状況を創出することで、遊技者に万能感を与え、遊技意欲を著しく高揚させることが出来る。
また、上述したような感覚を抱いた遊技者は、これを経験則として、自ら決定した非操作状態となるタイミングこそが僥倖の要因であるかの錯覚を抱く。これにより、それ以後、遊技者は自ら最終停止スイッチを非操作状態にするタイミングを計ることに興趣を覚えるようになるため、回胴式遊技機に新たに特別な演出や装置を備えること無く興趣の向上を図ることが出来る。
【0022】
さらに、前記告知演出手段は、前記第2告知演出を前記当該ゲームの終了後に行われた遊技者によるベットスイッチ、始動レバー又は停止スイッチの操作時に実行する
ように構成しても良い。
【0023】
このように構成すれば、第2告知演出の実行時期を、当該ゲーム中ではなく、当該ゲームの終了後のタイミングで行うことにより、第1告知演出と異なるタイミングで行うことが可能となる。また、当該ゲームでボーナスに当選することに大きな期待を抱かなかったために最終停止スイッチの操作状態を比較値よりも短く切り上げた遊技者に対して、既に終了した前記当該ゲームのボーナス当選の結果を、前記当該ゲーム中に告知せずに遅れて実行することで、毎ゲームにボーナス当選の告知演出が潜伏しているかの期待を抱かせ、遊技者は常時、過去に終了したゲームがもしかするとボーナスに当選しているかもしれないという期待を抱きながら遊技に興じることが出来る。
また、最終停止スイッチの操作状態を比較値よりも短く切り上げ、その結果、第2告知演出によりボーナスに当選している旨の確定的な告知を受けた遊技者は、テンポ良く幸運を獲得出来た印象を抱き、次のボーナスを期待して当該リズムを維持しようとする。これにより、回胴式遊技機の稼働が低下しない。
さらに、第2告知演出は、当該ゲームが終了した後の次のゲームに係る遊技者の操作に基づいて実行されるので、遊技者は操作を行う度に、有利な告知が行われるのではないかという期待を抱きながら遊技を行うことが出来る。
【0024】
第2告知演出を実行する時期は、ベットスイッチ、始動レバー又は停止スイッチの操作時が好適であるが、要するに当該ゲーム終了後の次のゲームの開始時や、ゲームの冒頭に限らないゲーム中における遊技者の何らかの遊技操作が行われた時であればよい。ベットスイッチ、始動レバー又は停止スイッチに限らず、遊技者が操作可能な他の構成を備えるのであれば、当該構成の操作時を実行時期としてもよい。メダル等の遊技媒体の投入時であっても良い。メダルの投入時に実行される第2告知演出を体験した遊技者は、該第2告知演出を期待して頻繁にメダルを投入するので、クレジットが不足して遊技が一時中断することが無くなり、回胴式遊技機の稼働が向上する。
【0028】
また、請求項1に記載の回胴式遊技機において、次のゲームを実行可能なクレジット数は、回胴式遊技機の仕様により適宜変更可能である。例えば、3枚BET専用機であれば3枚とし、それ以外の仕様であれば1枚としても良い。
【0029】
最低値は、遊技者が最終停止スイッチを意識的に長押し操作しなくても、すなわち通常の押下操作を行っても、その比較値が当該最低値を超えてしまう程度の短時間に設定されるのが好ましい。
これにより、次のゲームを行うための遊技媒体を持たない遊技者が、仮に長押し操作を行わなかったとしても、高い確率でボーナス当選していることを知らせることが出来、より遊技者の状態に即したタイミングで告知を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
請求項1に記載の回胴式遊技機によれば、ボーナスに当選しているが成立には至らなかったと判定されたとき、最終停止スイッチが操作状態となってから非操作状態となるまでの経過時間が、比較値を基準としてこれより長い場合には第1告知演出にて、また短い場合には第2告知演出にてボーナスに当選していることを報知するので、遊技者による最終停止スイッチの操作態様から推測される遊技者の嗜好又は状況に即した告知演出を行うことが可能となる。
すなわち、最終停止スイッチの操作状態を比較値よりも長く維持することで当該ゲームの確定的な告知演出に期待する遊技者には、第1告知演出によりボーナスに当選していることを報知し、最終停止スイッチの操作状態を比較値よりも短く完了することで当該ゲームの結果よりも次のゲームに期待する遊技者には、第2告知演出によりボーナスに当選していることを報知することにより、遊技者の嗜好に対応した異なる告知演出にて告知を行うことが出来る。
【0032】
また、当該ゲームで遊技を終了しようかと考えていたり、遊技を継続するための遊技媒体が無くなってしまったことにより、当該ゲームの結果に起死回生の期待を抱いてボーナスの当選を念じるあまり、結果が出るのを先送りして最終停止スイッチの操作状態を比較値よりも長く維持する(長押しする)遊技者には、第1告知演出によりボーナスに当選していることを報知する。一方、遊技を継続する意思や、遊技を継続するに充分な遊技媒体を所持していることで、当該ゲームの結果に執着することなく速やかに次のゲームに移行したいがために、最終停止スイッチの操作状態を比較値よりも短く切り上げる遊技者には、第2告知演出によりボーナスに当選していることを報知する。これにより、遊技者のおかれた個別具体的な状況に対応して、異なる告知演出にて告知を行うことが出来る。
【0034】
また、請求項に記載の回胴式遊技機によれば、条件変更手段により、クレジット数が次のゲームを実行不可能な値であるときには、比較値最低値に変更することにより、遊技者が、当該ゲームで実はボーナスに当選していることを知らずに遊技を止めてしまうことで本来得るべき利益を受けられないという不利益を被ることを防止出来る。
また、比較値最低値に変更するため、遊技者が比較的短時間しか最終停止スイッチの操作状態を維持しなかったとしても、可能な限り当該遊技者が不利益を被ることのないようにすることが可能となる。
したがって、このようにすることで、さらに、遊技者のおかれた個別具体的な状況に対応したタイミングで告知演出を行うことが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明に係る回胴式遊技機の正面図。
図2】本発明に係る回胴式遊技機の電気ブロック図。
図3】本発明に係る図柄配列を示すためのリールの展開図。
図4】実施例1の主制御基板40が実行する回胴始動処理のフローチャート。
図5】実施例1の主制御基板40が実行する内部抽選処理のフローチャート1。
図6】実施例1の主制御基板40が実行する内部抽選処理のフローチャート2。
図7】実施例1の主制御基板40が実行するリール停止処理のフローチャート1。
図8】実施例1の主制御基板40が実行するリール停止処理のフローチャート2。
図9】実施例1の主制御基板40が実行するリール停止処理のフローチャート3。
図10】実施例1の主制御基板40が実行するリール停止処理のフローチャート4。
図11】実施例1の主制御基板40が実行する告知演出処理1のフローチャート。
図12】実施例1の主制御基板40が実行する所定時間変更処理におけるクレジット数に対応した所定時間を説明する表図。
図13】実施例1の主制御基板40が告知演出処理1を実行した場合の演出時期を説明するタイミングチャート。
図14】実施例2の主制御基板40が実行する告知演出処理2のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【実施例1】
【0038】
図1に示すように、本実施例の回胴式遊技機1の前面には表示窓2(3×3の停止図柄の有効領域を表示可能とする)を備えた表示パネル3が設置されている。
【0039】
表示窓2の背後には3本のリール4(それぞれを区別する場合は、左から順にリール4L、4C、4R、その他の部品等についても左、中、右を区別する場合は符号にL、C、Rを添える。)を有する図示しない回胴機構部が配されており、各リール4に設けられている図柄の中の3図柄ずつを表示窓2から視認できる。また、表示窓2の周囲にはベットランプ5や複数のデジタル表示装置6等が配されている。リール4L、4C、4Rは、本発明の複数の回胴に相当する。
【0040】
表示窓2の下方には、ベットスイッチ7、始動レバー(回胴始動レバーとも呼称する)8、停止スイッチ9(それぞれを区別する場合は、左から順に停止スイッチ9L、9C、9R)、メダル投入口10等を備える操作部11が設けられている。そして、最下部には受皿12やスピーカボックス13等を備える下部構造部14が設けられている。
本実施例の停止スイッチ9L、9C、9Rは、図示前後方向に可動する可動部を備え、該可動部は弾性部材等による付勢手段により常時前方に向かって付勢され、該付勢力に抗して可動部を待機位置にて抑止する飛び出し防止手段と、を更に備え、可動部が待機位置にあるときOFF状態を維持し、可動部が後方に押し込まれて作動位置に変位することでON状態となり、作動位置を維持している間はON状態を維持するが、押し込み力を解除することで付勢力により前記待機位置に復帰してOFF状態となるように、構成されている。すなわち、周知の押しボタン式スイッチで構成されている。
なお、以下の説明において、停止スイッチは停止ボタンとも呼称する場合がある。
【0041】
回胴式遊技機1の電気的接続は、図2に示す通りに構成されており、主制御基板40は図示しないが、ワンチップマイコン、入力ポート、出力ポート等を備えている。
【0042】
主制御基板40には、ベット(BET)スイッチ7の操作信号、精算スイッチ16の操作信号、メダル投入口10のメダル投入口スイッチによるメダル検出信号、始動レバー8の操作信号(始動信号)、停止スイッチ(図には回胴停止スイッチと記載)9L〜Rの操作信号、各リール4の位置検出センサ(図には回胴位置検出センサと記載)41の信号等が入力される。
【0043】
主制御基板40の出力側には、クレジット表示装置42、ベット(BET)数表示装置43、払出メダル数表示装置44、RBゲーム数表示装置45、RB実行数表示装置46、カウント数表示装置(図にはカウント表示装置と記載)47、回胴駆動モータ28L、28C、28R、回胴投光ランプ31L、31C、31R、中継基板48が接続されている。
【0044】
主制御基板40は、マイコンがプログラムに従って動作することにより、上述のベットスイッチ7の操作信号等に基づいてクレジット表示装置42、ベット数表示装置43、払出メダル数表示装置44、RBゲーム数表示装置45、RB実行数表示装置46、カウント数表示装置47の表示、回胴駆動モータ28の回転、停止、回胴投光ランプの点灯、消灯等を制御する。
【0045】
中継基板48には音・ランプ制御基板49が接続されており、主制御基板40は中継基板48経由で音・ランプ制御基板49に指令データを送ることで、効果音などの音声出力と電飾類の点灯、消灯を間接的に制御する。
【0046】
なお、演出画像表示装置が備えられることがあり、その場合、演出画像表示装置を制御するための演出画像表示基板が音・ランプ制御基板49に接続される。演出画像表示基板は、主制御基板40が中継基板48に送出した指令データ又はこのデータに基づいて音・ランプ制御基板49が生成したデータを受信し、これに従って演出画像表示装置を制御する。
【0047】
この構成の場合、払出メダル数表示装置44、RBゲーム数表示装置45、RB実行数表示装置46及びカウント数表示装置47のいずれか又は全部を廃して、その表示を演出画像表示装置にて行ってもよい。
さらに、このような演出画像表示装置を備えた構成によれば、後述する本実施例における第1告知演出、第2告知演出、経過時間報知演出、および告知演出種別報知演出等の演出を、より好適に実施可能となる。
【0048】
また、主制御基板40には払出制御基板50が双方向通信回路として接続されており、払出制御基板50は主制御基板40から受信した払出要求データに基づいて獲得メダル払出装置51(払出手段)を稼働させてメダルの払出を行わせる。その際に、払出制御基板50は払出検出スイッチ52の検出信号に基づいて払出されるメダルを計数する。
【0049】
図3に示すとおり、各リール4L(左図柄)、4C(中図柄)、4R(右図柄)には、それぞれの図柄配設位置1乃至21に対応して21個の図柄(重複しているので図柄の種類は7種類)が印刷されている。各リール毎に図柄の配列や種類毎の個数は異なっているが、どのリールも図柄配設位置21の位置に、チャンス図柄が配置されている。チャンス図柄によるチャンス目は、何らかの当選契機を期待できる出目であるが、それ自体の停止表示によって払い出しが行われることが無いハズレ図柄である。
【0050】
次に回胴式遊技機1の動作を、主制御基板40が実行する処理に従って説明する。図4に示す回胴始動処理は遊技(ゲーム)を開始するための処理である。
【0051】
回胴始動処理が開始されると、主制御基板40はリプレイか否かを判定する(S100)。S100が否定判定ならメダル投入を有効にし(S105)、規定数のメダルが投入されたか否かを判断する(S110)。本実施例の場合、メダルを3枚投入することによって遊技が可能になる。なお、予め不特定数のメダルを投入しておいてクレジット遊技とすることができ、その場合は投入枚数に対応する回数だけベットスイッチ7をオン操作する。該オン操作に対応したクレジット数が減算され、減算後のクレジット数が本実施例ではメダル3枚に対応するクレジット数以上残っている場合には、クレジット遊技が可能となっており、これに満たない場合、すなわちメダル3枚未満に対応するクレジット数の場合には、クレジット遊技が不能となり、ゲームを行うためにはメダルの追加投入が必要となる。
S110の判定処理は、メダル投入口10に規定枚数のメダルが投入されたか否か、或いは、予めクレジットされたクレジット数からベットスイッチ7をオン操作することで規定枚数のメダルに対応するクレジット数が減算されたか否か、を判定するものである。
【0052】
S100が肯定判定又はS110が肯定判定(S100:YES、S110:YES)の状態で、始動レバー8が操作されれば(S115:YES)、S120に処理を移行する。
S120では、S115の肯定判定の結果、すなわち始動レバー8の操作に基づき、第2告知演出フラグに1が設定されているか否かの判定処理を実行する。第2告知演出フラグは、後述する本発明の第2告知演出を実行するか否かを示唆するためのフラグであり、1が設定されることで第2告知演出を実行する旨を、また、0が設定されていることで非実行を示唆する。第2告知演出フラグおよび当該フラグの設定処理等については、後で詳述するものとする。
【0053】
S120において否定判定(S120:NO)であれば、S140に処理を移行し、肯定判定(S120:YES)であれば、S125にて第2告知演出実行処理(S125)を行う。次いで、第2告知演出実行処理にて生成された指示コマンド等を、サブ制御手段としての音・ランプ制御基板49に送信する指示コマンド送信処理(S130)を実行し、さらに第2告知演出フラグに0を設定して(S135)、S140に処理を移行する。
S135の終了後、あるいはS120において否定判定がなされた場合、内部抽選処理(S140)を行う。内部抽選処理(本願発明の当選判定手段に該当)については図5図6を用いて後述する。
【0054】
なお、上述したように、S125の第2告知演出は、本発明の要部であり後で詳述するが、ここで概略のみ説明する。
本実施例の第2告知演出は、ここまで説明してきた回胴開始処理により開始された当該ゲームの1回前のゲームにおいて、内部的にボーナス(BBまたはRB)に当選したが、ボーナス図柄が表示されなかったことでボーナスが成立しなかった場合に、後述する条件の成立によって、ボーナス非成立の次のゲームすなわち当該ゲームにおいて、ボーナス当選している旨を報知する演出である。
【0055】
S140の処理に続いては、3個のリールの回転を開始する回転駆動開始処理(S145)を行う。この際に、内部抽選処理で決まった当選役に対応した図柄の組合せ(入賞組合せ)を遊技者に認識させ得る態様で、例えば入賞組合せを表示した状態で、これを遊技者が視認可能な低速で回転させたり、その組合せを表示した状態でリール4を一旦停止させる等の役報知を行うことがある。この役報知により、その回胴式遊技機1の動作を熟知した遊技者でなくとも内部抽選で当たっていることを容易に認識できる。
本実施例では、このような役報知の機能に加えて、本発明の要部として上述した第2告知演出実行処理や、後述する第1告知演出実行処理を備え、これにより、内部抽選による当選結果を、遊技者の状態や嗜好に対応したタイミングで、遊技者に知らしめることが可能となっている。
【0056】
S145の処理の後、あるいはS110において否定判定(S110:NO)又はS115において否定判定(S115:NO)ならばリターンに抜けて、本処理を終了する。以上が本実施例における回胴始動処理の内容となる。
【0057】
次に、図4に示したS140の内部抽選処理について、図5、および図6を参照して詳細に説明する。尚この内部抽選処理は、本願発明における当選判定手段を含む処理となる。
【0058】
先ず、図5を参照して、本実施例の主制御基板40は、内部抽選処理を開始すると、BB(ビッグボーナス)又はRB(レギュラーボーナス)フラグが1にセットされているか否かを判定する(S200)。何れかのフラグに1が設定されている場合にはS300に処理を移行し、どちらのフラグもセットされていなければ(S200:NO)、始動レバー8の操作時に取得した内部抽選用乱数がBBの当り値か否かを判定する(S205)。肯定判定ならば(S205:YES)、仮BBフラグに1をセットする(S210)。
【0059】
S205が否定判定(内部抽選用乱数がBBの当たり値ではない)ならば(S205:NO)、内部抽選用乱数がRBの当り値か否かを判定する(S215)。肯定判定ならば(S215:YES)、仮RBフラグに1をセットする(S220)。
【0060】
本実施例のチャンス目(特殊図柄)は、BBに対応したものであるため、S210の処理で設定されたフラグに対応して停止表示するが、S220で設定されたRB当選状態を示すフラグに対応して停止表示する特殊図柄としてもよく、更にそれぞれのフラグに対応する特殊図柄を1個ずつ設けても良い。また、どちらのフラグ(BBorRB)が設定された場合でも1個の同じ特殊図柄を兼用のチャンス目としても良い。
【0061】
次に、主制御基板40は、S210またはS220の終了後、あるいはS215の否定判定(S215:NO)となった場合、S225において、仮BBフラグまたは仮RBフラグに1が設定されているか否かの判定処理を実行する(S225)。
S225の結果が否定判定であれば(S225:NO)、S240に処理を移行する。また、S225の結果が肯定判定であれば(S225:YES)、S230に処理を移行する。
【0062】
主制御基板40は、S230において、現在のクレジット数が3未満であるか否か、すなわち本実施例では1回のゲームを新たにメダル投入をする必要無く実行可能なクレジット数であるか否か、の判定処理を実行する(S230)。
S230の結果が否定判定であれば(S230:NO)、S240に処理を移行する。また、S230の結果が肯定判定であれば(S230:YES)、S235に処理を移行する。
【0063】
主制御基板40は、S235において、所定時間変更処理を実行する(S235)。所定時間については後で詳述するが、本実施例の基底の所定時間(図12参照)は、例えば3.0secが設定されている。これに対して、所定時間変更処理が実行されることで、例えば0.1secに変更するように構成されている。
このように、本実施例のS235では、クレジット数が予め定められた数値に満たない場合には、本発明の比較値を変更する。
【0064】
主制御基板40は、S235の終了後、あるいはS225またはS235で否定判定となった場合、S240において、スイカ役の当たり値か否かの判定処理を実行する(S240)。
S240の結果が否定判定であれば(S240:NO)、S250に処理を移行する。また、S240の結果が肯定判定であれば(S240:YES)、S245に処理を移行する。
そして、主制御基板40は、S245において、スイカ役が当選したことを示唆するスイカフラグに1を設定し(S245)、本処理を終了する。
【0065】
主制御基板40は、S240で否定判定となった場合、S250において、ベル役の当たり値か否かの判定処理を実行する(S250)。
S250の結果が否定判定であれば(S250:NO)、S260に処理を移行する。また、S250の結果が肯定判定であれば(S250:YES)、S255に処理を移行する。
そして、主制御基板40は、S255において、ベル役が当選したことを示唆するベルフラグに1を設定し(S255)、本処理を終了する。
【0066】
主制御基板40は、S250で否定判定となった場合、S260において、チェリー役の当たり値か否かの判定処理を実行する(S260)。
S260の結果が否定判定であれば(S260:NO)、S270に処理を移行する。また、S260の結果が肯定判定であれば(S260:YES)、S265に処理を移行する。
そして、主制御基板40は、S265において、チェリー役が当選したことを示唆するチェリーフラグに1を設定し(S265)、本処理を終了する。
【0067】
主制御基板40は、S260で否定判定となった場合、S270において、リプレイ(再遊技)役の当たり値か否かの判定処理を実行する(S270)。
S270の結果が否定判定であれば(S270:NO)、すなわち内部抽選用乱数が何れの小役の当り値にも該当しないときは本処理を終了する。また、S270の結果が肯定判定であれば(S270:YES)、S275に処理を移行する。
そして、主制御基板40は、S275において、リプレイ役が当選したことを示唆するリプレイフラグに1を設定し(S275)、本処理を終了する。
【0068】
このように、本実施例の内部抽選処理では、ボーナス(BB、RB)当選と、小役(スイカ、ベル、チェリー、およびリプレイ)当選に係る、同時抽選、すなわちボーナスと小役が共に当選する可能性を有する抽選システムを採用している。本実施例の主制御基板40は、仮BBフラグまたは仮RBフラグに1が設定されているか否かに拘わらず、小役抽選を実行し、抽選結果が当選であれば当該当選した小役に係るフラグに1を設定可能に構成されている。
【0069】
主制御基板40は、S200にて肯定判定であった場合に移行するS300(図6参照)において、BBフラグに1が設定されているか否かの判定処理を実行し(S300)、肯定判定なら(S300:YES)、RBフラグも1か否か判定する(S305)。
【0070】
S305も肯定判定なら(S305:YES)、内部抽選用乱数が特別役の当たり値か否か判定し(S310)、肯定判定なら(S310:YES)、特別役フラグを1にセットし(S315)、リターンに抜ける。特別役の当たり値でなければ(S310:NO)リターンに抜ける。特別役は、BB又はRBの遊技中にのみ役として成立するものであり、通常の遊技中に揃っても払出は行われないものである。
【0071】
S305が否定判定なら(S305:NO)、内部抽選用乱数がJAC役の当たり値か否か判定し(S320)、肯定判定なら(S320:YES)、JAC役フラグを1にセットし(S325)、リターンに抜ける。
【0072】
JAC役の当たり値でなければ(S320:NO)、上述と同様にスイカ役の当り値か否か(S330)、ベル役の当り値か否か(S340)、チェリー役の当り値か否か(S350)を判定し、いずれかの役で肯定判定(当り)なら、その役フラグを1にセットする(S335、S345、S355)。何れかのフラグをセットする処理の後、又はS350の否定判定(S350:NO)の後リターンに抜ける。
【0073】
S300が否定判定(セットされているフラグがBBではなくRBフラグ)なら(S300:NO)、内部抽選用乱数が特別役の当たり値か否か判定し(S360)、肯定判定なら(S360:YES)、特別役フラグを1にセットする(S365)。S365の処理の後、又はS360が否定判定なら(S360:N0)リターンに抜ける。
【0074】
以上が本願発明における内部抽選処理となる。ここでは、複数の役フラグを重複して設定する仕様としているが、それぞれの役フラグを単独で設定する単役仕様としても何ら問題ない。また、BBと一般役(BB、RB以外の役)が重複当選している場合には、停止スイッチ9を操作すればBB又は一般役の引き込み制御を行う。
なお、内部抽選処理にて何らかの役に当選したとしても、予め定められた一定の時間を経過しても停止スイッチ9による停止操作が行われない場合には、ハズレ図柄が停止表示されて成立するようにリール4L、4C、4Rの駆動停止制御が行われる。
【0075】
次に、図7乃至図10を参照して、本実施例の主制御基板40が実行するリール停止処理について説明する。図7乃至図10は、主制御基板40が実行するリール停止処理のフローチャート1乃至4である。
リール停止処理は、上述した回胴始動処理によって回転を開始したリール4L、4C、4Rの停止制御のため、主制御基板40が定時割り込み処理において実行する処理である。
リール停止処理を開始すると先ず、主制御基板40は、S400において、リール4L、4C、4Rが回転中であるか否かの判定処理を実行し、リール4が回転中でなければすなわち否定判定であれば(S400:NO)、本処理を終了する。また、肯定判定であれば(S400:YES)、S405に処理を移行する。
【0076】
主制御基板40は、S405において、回転するリール4L、4C、4Rを停止させるための停止スイッチ(図には停止ボタンと記載)9L、9C、9Rについて、各々に対応したリール4を停止可能とする有効化処理が完了しているか否かの判定処理を実行し、未だ有効化されていなければすなわち否定判定であれば(S405:NO)、S410に処理を移行し、既に有効化が完了していればすなわち肯定判定であれば(S405:YES)、S420に処理を移行する。
【0077】
主制御基板40は、S410において、リール4L、4C、4Rの全ての回転速度が、一定の速度となっているか否かの判定処理を実行し、否定判定であれば(S410:NO)、本処理を終了し、肯定判定であれば(S410:YES)、S415に処理を移行し、停止スイッチ9L、9C、9Rを有効化する処理を実行する(S415)。
【0078】
主制御基板40は、S420において、停止スイッチ9L、9C、9Rの内、当該ゲーム中に最初に操作された停止スイッチが、ON状態となったか否かの判定処理を実行し、否定判定であれば(S420:NO)、S445に処理を移行し、肯定判定であれば(S420:YES)、S425に処理を移行する。
上述したように、当該ゲーム中において、最初に操作された停止スイッチを第1停止スイッチ、次に操作された停止スイッチを第2停止スイッチ、そして最後に操作された停止スイッチを第3停止スイッチとして説明する。第3停止スイッチは、他の2つのリール4が停止して、未だ1つだけ回転中のリール4を停止させるための本発明の最終停止スイッチを構成する。
【0079】
なお、本実施例では、何れの停止スイッチを、第1乃至第3停止スイッチと設定するかに係る構成を備える。例えば、ゲーム開始時には0に設定される停止スイッチフラグを備えて、何れかの停止スイッチがONされたときに前記停止スイッチフラグの値を判定する処理を行う。判定結果が、0であれば当該ONした停止スイッチを第1停止スイッチとし、1であれば第2停止スイッチとし、2であれば第3停止スイッチとする構成が好適である。
【0080】
さらに、停止スイッチがONされる毎に、上記構成により第1乃至第3停止スイッチを決定し、加えて、当該ONされた停止スイッチが停止スイッチ9L、9C、9Rの何れであるかを判定する処理を実行するよう構成することで、当該ゲームにおける停止スイッチ9L、9C、9Rが各々、第1乃至第3停止スイッチの何れに該当するかを決定且つ管理可能としている。
【0081】
主制御基板40は、S425において、当選役に基づいた第1リールの停止処理を実行開始し、S430に処理を移行する。すなわち、当該処理では、所謂引き込み制御が行われ、上述した内部抽選処理で何らかの役(BB、RB、スイカ、ベル、チェリー、リプレイ)に当選してフラグが設定されている場合に、第1停止スイッチの操作タイミングが所定のタイミングであれば、当選役に対応した図柄を表示窓2で形成される有効領域内の有効ライン上に停止表示するよう、第1リールの停止位置を調整する駆動停止制御する処理である。
【0082】
具体的には、当選役がリプレイである場合には、第1リールのリプレイ図柄が必ず有効ライン上に停止され、当選役がベルである場合には、押し順が適切であれば、第1リールのベル図柄が必ず有効ライン上に停止される。また、リプレイ、ベル以外である場合には、第1リールの操作タイミングにおいて、第1リールの対応する図柄が有効ラインから予め定められたコマ数の範囲内に位置することを条件として、該図柄が有効ライン上に停止される。
【0083】
主制御基板40は、S430において、第1停止スイッチの操作を無効化する処理を実行し、S435に処理を移行する。
主制御基板40は、S435において、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)に対して、第1リールが停止されたこと、および当該ゲームで第1リールとなったのがリール4L、4C、4Rの何れであるかに係る情報信号、さらに、有効ライン上に停止された図柄を示すコマンドである第1リール停止信号を送信し、本処理を終了する。
【0084】
S420にて否定判定となった場合、主制御基板40は、S445(図8参照)において、停止スイッチ9L、9C、9Rの内、当該ゲーム中の2番目に操作された停止スイッチが、ON状態となったか否かの判定処理を実行し、否定判定であれば(S445:NO)、S470に処理を移行し、肯定判定であれば(S445:YES)、S450に処理を移行する。
以下のS450乃至S460の処理は、上述した第1リールに係る処理と略同様である。
【0085】
主制御基板40は、S450において、当選役に基づいた第2リールの停止処理を実行開始し、S455に処理を移行する。
次いで、主制御基板40は、S455において、第2停止スイッチの操作を無効化する処理を実行し、S460に処理を移行する。
主制御基板40は、S460において、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)に対して、第2リールが停止されたこと、および当該ゲームで第2リールとなったのがリール4L、4C、4Rの何れであるかに係る情報信号、さらに、有効ライン上に停止された図柄を示すコマンドである第2リール停止信号を送信し、本処理を終了する。
【0086】
S445にて否定判定となった場合、主制御基板40は、S470(図9参照)において、停止スイッチ9L、9C、9Rの内、当該ゲーム中の3番目、すなわち最終に操作された停止スイッチが、ON状態となったか否かの判定処理を実行し、否定判定であれば(S470:NO)、本処理を終了し、肯定判定であれば(S470:YES)、S475に処理を移行する。
【0087】
主制御基板40は、S475において、ボーナスに当選しているか否か、すなわち仮BBフラグまたは仮RBフラグに1が設定されているか否かの判定処理を実行し、否定判定であれば(S475:NO)S490に処理を移行し、肯定判定(S475:YES)であればS480に処理を移行する。
【0088】
主制御基板40は、S480において、本発明の経過時間或いは所定時間を計時するための計時タイマのカウントアップが既に実行開始されているか否かの判定処理を実行し、肯定判定(S480:YES)であればS490に処理を移行し、否定判定であれば(S480:NO)、S485に処理を移行する。
【0089】
主制御基板40は、S485において、第3停止スイッチのON状態の発生に基づいて計時タイマのカウントアップを実行開始し、S490に処理を移行する。このように、本実施例の計時タイマは、第3停止スイッチである本発明の最終停止スイッチがON状態(操作状態)となると、カウントアップを開始して、第3停止スイッチのON状態が維持されている時間の計時を行う手段である。また、本実施例の計時タイマは、S475にて仮BBフラグ又は仮RBフラグに1が設定されている、つまり内部的にボーナスが当選している場合に、カウントアップを開始するように構成されている。したがって、第3停止スイッチのON状態が発生しても、ボーナスが当選していない場合には、カウントアップが行われることはない。
以下のS490およびS495の処理は、上述した第1、第2リールに係る処理と略同様である。
【0090】
主制御基板40は、S490において、当選役に基づいた第3リールの停止処理を実行開始し、S495に処理を移行する。
次いで、主制御基板40は、S495において、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)に対して、第3リールが停止されたこと、および当該ゲームで第3リールとなったのがリール4L、4C、4Rの何れであるかに係る情報信号、さらに、有効ライン上に停止された図柄を示すコマンドである第3リール停止信号を送信し、S505(図10参照)に処理を移行する。
【0091】
第3停止スイッチが操作されて全てのリールが停止すると、主制御基板40は、S505において、成立役が発生したか否かの判定処理を実行する。すなわち、有効領域の有効ライン上に、当選役に対応する図柄が並んだか否かをリール4の停止位置から検知する位置検出センサの検出結果に基づいて判定する。そして、判定結果が否定判定の場合(S505:NO)、S510にて、ハズレに対応した処理を実行する。当該処理では、内部抽選の結果に拘わらず、停止したリール4による成立役の発生如何によってハズレとする処理であって、実はボーナス(BBやRB)や何らかの小役に当選していたとしても、有効ライン上に成立役が停止されない場合には、全てハズレとされる。S510が終了すると、S545に処理を移行する。
【0092】
主制御基板40は、S515において、成立した役が大当り(ボーナスとしてのBBまたはRB)であるか否かの判定処理を実行し、否定判定であれば(S515:NO)、S525に処理を移行し、肯定判定(S515:YES)であればS520に処理を移行する。
なお、本実施例では上述のとおり、ボーナスと小役の重複当選を可能とする構成となっているため、S515で否定判定となったとしても、ボーナスに内部的には当選している場合もある。
【0093】
主制御基板40は、S520において、ボーナスに対応した処理、すなわちボーナスゲームを開始させるための大当り設定処理を実行し、S545に処理を移行する。
【0094】
主制御基板40は、S525において、リプレイが成立したか否かの判定処理を実行し、肯定判定(S525:YES)であればS530に処理を移行し、否定判定(S515:NO)であればS535に処理を移行する。
【0095】
主制御基板40は、S530において、当該ゲームと同じ枚数のメダルがベットされた状態とするリプレイ設定処理を実行し、S545に処理を移行する。
【0096】
主制御基板40は、S535において、成立した小役に応じて遊技者に付与する賞メダルの枚数を設定する成立役払出数設定処理を実行し、S540に処理を移行する。
【0097】
主制御基板40は、S540において、中継基板48を介して、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)に対して、遊技者に付与される賞メダルの枚数を示唆するコマンドとしての払出数信号を送信し、S545に処理を移行する。
【0098】
主制御基板40は、S545において、中継基板48を介して、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)に対して、成立役の有無、及び、成立役の種別を示すコマンドとしての成立役情報を送信する成立役情報送信設定処理を実行し、S550に処理を移行する。
【0099】
なお、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)は、上記成立役情報に基づき、各種ランプ類、スピーカ13等(演出画像表示装置等を設置する場合は該装置も含めた演出手段)を制御して、各種演出を実行する。
【0100】
主制御基板40は、S550において、仮BBフラグおよび仮RBフラグ等のボーナスフラグ以外の、他の当選役フラグをクリアし、本処理を終了する。したがって、当該ゲームにてボーナス当選し、且つボーナス不成立であっても、仮BBフラグおよび仮RBフラグが維持されるので、以降のゲームにて成立させる可能性を有する。
主制御基板40は、リール停止処理を終了すると、次に告知演出処理1を実行する。
【0101】
次に図11を参照して、本発明の要部である告知演出処理1について説明する。図11は、実施例1の主制御基板40が実行する告知演出処理1のフローチャートである。
主制御基板40は、告知演出処理1を開始すると、先ずS600にて、上述したリール停止処理における計時タイマのカウントアップが実行されているか否か、換言すればボーナスに当選(小役との重複当選も含めて、仮BBフラグまたは仮RBフラグに1が設定されている)しているか否かについての判定処理を実行し、否定判定であれば(S600:NO)、本処理を終了する。また、肯定判定であれば(S600:YES)、S605に処理を移行する。
【0102】
主制御基板40は、S605にて、経過時間報知処理を行い、S610に処理を移行する。該処理は、上述したS485にてカウントアップが開始された計時タイマカウンタのカウント値に基づいて、第3停止スイッチがONされて操作状態になってから該ON状態が維持されている経過時間を、遊技者に報知する処理である。主制御基板40は、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)に対して経過時間を示唆する経過時間情報コマンドを送信し、各種ランプ類、スピーカ13等(演出画像表示装置等を設置する場合は該装置も含めた演出手段)を制御して、経過時間を遊技者に報知する。これにより、遊技者は、第3停止スイッチを押下してから、押下状態をどれだけの時間だけ維持しているのかを明確に認識することが出来る。
【0103】
主制御基板40は、S610にて、ボーナス図柄が停止表示されずボーナス不成立であったか否か、すなわちボーナス当選しているもののハズレ図柄または小役図柄の表示が行われたか否かの判定処理を実行し、否定判定すなわちボーナスが成立した場合(S610:NO)、以下の第1または第2告知演出を行わずに本処理を終了する。また、肯定判定すなわちボーナス当選はしているがボーナス不成立の場合(S610:YES)、S615に処理を移行する。
【0104】
主制御基板40は、S615にて、第3停止スイッチがOFFしたか否か、すなわち非操作状態となったか否かの判定処理を実行し、否定判定すなわちON状態(操作状態)が維持されている場合(S615:NO)、S620に処理を移行する。また、肯定判定すなわち第3停止スイッチの押下を終了してOFF状態(非操作状態)となった場合(S615:YES)、S630に処理を移行する。
【0105】
主制御基板40は、S630にて、第3停止スイッチの操作を無効化する処理を行い、S635に処理を移行する。
主制御基板40は、S635にて、第3停止スイッチが操作状態(ON状態)となってから非操作状態(OFF状態)となるまでの時間としての経過時間が、予め定められた所定時間以上であるか否かの判定処理を実行する。肯定判定すなわち経過時間が所定時間以上であると判定された場合(S635:YES)、S645に処理を移行し、否定判定すなわち経過時間が所定時間未満であると判定された場合(S635:NO)、S640に処理を移行する。
【0106】
ここで、所定時間について、図12を参照して説明する。本実施例の所定時間は、図示のとおり、クレジット数の多寡に応じて異なる値に設定される。クレジット数が3以上、すなわち新たにメダルを投入する必要無く次ゲームをクレジット遊技にて行うことが出来る場合には、3.0secが設定されている。また、クレジット数が3未満、すなわち新たにメダルを投入しなければ次ゲームを行うことが出来ない場合には、0.1secが設定されている。そして、上述したように内部抽選処理のS230およびS235にて、クレジット数に応じた所定時間の設定変更処理が行われるようになっている。
当該所定時間は、遊技者が第3停止スイッチ(最終停止スイッチ)の操作状態をどの程度長く、或いは短く維持したかを判断するための基準として機能する時間である。
【0107】
主制御基板40は、S640にて、第2告知演出フラグに1を設定する処理を行い、S650に処理を移行する。すなわち、S635にて経過時間が所定時間より長くない、と判定された時、第2告知演出フラグに1を設定することにより、当該ゲームの終了後に実行される次ゲームにおける回胴始動処理(図4参照)のS125にて、第2告知演出を実行可能とする。要するに、当該ゲームにて内部的にはボーナス当選しているが成立せず、第3停止スイッチの押下時間が所定時間よりも短い場合には、当該ゲーム中にはボーナス当選の告知を行わずに、次のゲーム開始時において回胴始動レバー8の操作時に告知(第2告知演出)するように構成されている。
【0108】
本発明の第2告知演出は、このように第3停止スイッチの押下時間である経過時間が所定時間よりも長くない場合に、ボーナス当選の告知を次ゲームまで延期するものである。本発明では、このように第3停止スイッチの押下時間が比較的に短いことを、当該ゲームの結果より次のゲームに関心が高い遊技者心理の指標として、告知の時期を遅延するようにしている。
【0109】
主制御基板40は、S645にて、第1告知演出の実行処理を行い、S650に処理を移行する。すなわち、S635にて経過時間が所定時間以上と判定された時、第1告知演出を実行する。
また、本実施例の第1告知演出は、S615にて第3停止スイッチがON状態からOFF状態、すなわち操作状態から非操作状態へと変化した時に実行するよう構成される。
要するに、当該ゲームにて内部的にはボーナス当選しているが成立せず、第3停止スイッチの押下を解除して経過時間が所定時間以上である場合には、第3停止スイッチの押下解除時に、即時、ボーナス当選の告知(第1告知演出)を行うように構成されている。
【0110】
なお、主制御基板40は、S645の第1告知演出実行処理にて、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)に対して第1告知演出実行開始を示唆するコマンドを送信し、各種ランプ類、スピーカ13等(演出画像表示装置等を設置する場合は該装置も含めた演出手段)を制御して、ボーナスに当選している旨を遊技者に報知する。
【0111】
本発明の第1告知演出は、このように第3停止スイッチの押下時間である経過時間が所定時間と同じまたは長い場合に、ボーナス当選の告知を当該ゲーム中に即時行うものである。本発明では、このように第3停止スイッチの押下時間が比較的に長いことを、当該ゲームの結果がボーナスに当選していることを熱望して執着する遊技者心理の指標として位置づけ、告知の時期を遅滞なく行うようにしている。
このように構成することで、例えば、当該ゲームでボーナス当選しなければ遊技を終了するつもりの遊技者が、ボーナス当選を祈念しながら第3停止スイッチを押下し続けるような場合、当該告知を次ゲームまで引き延ばさずに即時行うことで、当選している事実を知らずに遊技を終了して不利益を被ることを未然に防止することができる。
【0112】
主制御基板40は、S650にて、計時タイマのカウンタをクリアする処理を行い、本処理を終了する。
【0113】
S615で第3停止スイッチが未だON状態(操作状態)のままでOFF状態(非操作状態)に変化していないと判定された場合(S615:NO)、主制御基板40は、S620にて、所定時間が経過時間以下か否かの判定処理を実行する。判定結果が、否定判定すなわち所定時間が経過時間よりも長い、つまり経過時間が所定時間に満たない場合(S620:NO)、本処理を終了し、肯定判定すなわち所定時間が経過時間と同じ若しくは短い、つまり第3停止スイッチをON状態(操作状態)のまま維持して遂に所定時間に達した場合、S625に処理を移行する。
【0114】
主制御基板40は、S625にて、第1告知演出の選択報知に係る処理を行い、本処理を終了する。すなわち、本実施例では、第3停止スイッチがON状態(操作状態)となってからの経過時間が、所定時間に到達した時点で、これを契機に、実行する告知演出の種別として第1告知演出が選択された旨の報知を実行するように構成されている。
これにより、遊技者がボーナス当選を期待して第3停止スイッチを押下し続けるとき、即時告知する第1告知演出が実行される旨を報知することにより、遊技者は無意味に押下を継続する必要がないことを認識可能となり、円滑な遊技の進行を実現できる。
また、第1告知演出の選択された旨が報知されると、第1告知演出の実行を待たずに、遊技者はボーナスに当選していることを知ることができる。
【0115】
以上、本実施例の告知演出処理1について説明してきたが、ここで再度、図12を参照して所定時間について追加して説明する。
上述したように、内部抽選処理のS230およびS235では、クレジット数が3未満であった場合、基底の所定時間である3.0secから、0.1secに設定変更する。所定時間が0.1secに設定されることにより、意識的に第3停止スイッチを長押ししなくても、0.1secの所定時間に経過時間が容易に到達するようになる。したがって、クレジット数が3未満で追加投入するメダルが無く、当該ゲームでボーナス当選しなければ遊技を終了しようと考えている遊技者が、ボーナス当選を知らずに止めてしまう不利益を、高い確率で防止することが出来る。このように、本発明は、遊技者の置かれた状態を、クレジット数の多寡を指標として推測し、前記状態に即したボーナス当選の告知演出を行う。
【0116】
次に、実施例1の回胴式遊技機1が告知演出処理1を実行した場合の時間経過に伴う処理態様を、図13を参照して説明する。図13は、実施例1の主制御基板40が告知演出処理1を実行した場合の演出時期を説明するタイミングチャートである。
図13には、内部抽選処理によりボーナスに当選したが成立しなかった当該ゲームと、次ゲームの冒頭部分が示されている。また、リール4については上述した第3リール(最終停止リールと記載)のみを、停止スイッチについても第3停止スイッチ(最終停止ボタンと記載)のみを図示した。さらに、経過時間報知処理(図11のS605)に関しては後述するが、図示することは割愛した。
【0117】
先ず、当該ゲームの開始時において、BETスイッチ7がONされて遊技可能な状態となると、次いで回胴始動レバー8が操作されてレバースイッチがONすることで、図示しない第1、第2リールに併せて第3リールが回転駆動を開始し、回転速度が一定速度に維持される。
上記レバースイッチがONした時、回胴始動処理(図4)のS120で第2告知演出フラグの判定が実施されるが、図示の場合は、フラグに1が設定されていない状態なので第2告知演出が実行されない。
また、同じく回胴始動処理(図4)のS140で内部抽選処理が実行され、図示の場合、図5のS205またはS215にてボーナスが当選したと判定され仮BBフラグまたは仮RBフラグに1が設定される。
さらに、図示した状態はクレジットが3以上であることから、図5のS235の所定時間変更処理は実行されず、所定時間は基底の3.0secとなっている。
【0118】
全リール4が一定速度で回転する状態で、図示しない第1リール、次いで第2リールが、第1停止スイッチおよび第2停止スイッチの操作に因り停止し、最後に第3停止スイッチが操作されてONすると、第3リールも停止する。なお、この場合、第1乃至第3リールの停止により、内部的にはボーナスに当選しているものの、ボーナス図柄が表示されずにボーナス成立がならなかった状態である。
【0119】
第3停止スイッチがON状態となると、仮BBフラグまたは仮RBフラグに1が設定されているため、リール停止処理のS485(図9)によって計時タイマがカウントアップ作動を開始する。また、当該開始時期を始期として、上述したように3.0secの所定時間が設定される。同じく、当該時期を始期として、第3停止スイッチの押下を維持している時間である経過時間を報知する処理(図示しない)が開始される。
【0120】
図示したように、第3停止スイッチがON状態を維持している過程で、所定時間が経過すると、告知演出種別報知すなわち第1告知演出の選択報知(図11のS625)が実行を開始する。
【0121】
第1告知演出が選択された旨の報知を受けて、遊技者が第3停止スイッチの押下を解除してOFF状態となると、第1告知演出が実行(図11のS645)され、併せて、計時タイマの作動が停止されてカウンタがクリアされ(図11のS650)、第1告知演出の選択報知も終了する。
本実施例の第1告知演出は、以上のような過程で実行される。では、次に第2告知演出について説明する。第2告知演出の実行過程は、破線によって図示した。
【0122】
先ず、当該ゲームの開始から、第3停止スイッチが操作されてONするまでは、第1告知演出の過程と同様である。
図示しない第1リールおよび第2リールの停止に続いて、第3停止スイッチが操作されてONすると、第3リールも停止する。なお、第1告知演出の場合と同様に、第1乃至第3リールの停止により、内部的にはボーナスに当選しているものの、ボーナス図柄が表示されずにボーナス成立がならなかった状態である。
【0123】
第3停止スイッチがON状態を一定時間維持した後に、破線により図示したように、所定時間となる前に、押下状態が解除されてOFF状態(非操作状態)となると、第2告知演出フラグに1が設定(図11のS640)され、併せて、計時タイマの作動が停止されてカウンタがクリアされる(図11のS650)。計時タイマのカウンタが作動を停止するため、この後、所定時間が満了となる時期が到来しても、告知演出種別報知は実行されない。また、無論、第1告知演出も実行されずに当該ゲームが終了する。なお、第2告知演出フラグは、次ゲームまでゲームを跨いで、1が設定されたままの状態を維持する。
【0124】
当該ゲームが終了し次ゲームが開始されると、BETスイッチ7がONされて遊技可能な状態となる。次いで回胴始動レバー8が操作されてレバースイッチがONすると、該回胴始動レバー8の操作に基づいて、第2告知演出が実行(図4のS125)され、併せて、第2告知演出フラグに0が設定される(図4のS135)。
このように、所定時間が到来する前に、第3停止スイッチがON状態からOFF状態となると、本発明の第2告知演出は当該ゲーム中には実行されず、次ゲームに持ち越され、次ゲームの回胴始動レバー8の操作時に実行するように構成されている。
【0125】
本実施例の第1告知演出および第2告知演出は、上述したような過程により実行される。なお、クレジット数に応じて(例えば、クレジット数が3未満であることに基づいて)、所定時間変更処理(図5のS235)で所定時間が変更(例えば、3.0secから、0.1secに変更)された場合の過程については図示を省略した。但し、この場合は、所定時間が比較的短時間に設定変更されるので、経過時間が所定時間を超える可能性が高く、結果として上述した第1告知演出の実行過程と実質的に違いは無い。
【0126】
なお、本実施例の告知演出処理1(図11)におけるS625は、第3停止スイッチのON状態(操作状態)が維持されたまま、所定時間が経過時間以下であれば、常に、第1告知演出が選択された旨を報知するよう構成されている。
しかし、第1告知演出の選択報知処理の実行の可否を、抽選により決定する構成としても良い。例えば、主制御基板40は、S620にて肯定判定となると、次いで報知可否抽選判定処理に移行し、該報知可否抽選判定処理にて所定の確率に基づいて第1告知演出の選択報知処理を実行するか否かの抽選判定を行い、該判定結果が肯定判定である場合に限り、S625の報知処理を行い、否定判定の場合には告知演出処理1を終了するように構成しても良い。
【0127】
このように構成することにより、S625の報知処理の実行をランダムにすることで、第1告知演出が選択されていても、報知する場合と報知しない場合を設けることができる。したがって、報知が為されない場合であっても、ボーナス当選していて第3停止スイッチが非操作状態となって経過時間が所定時間以上であれば、第1告知演出が実行されるので、遊技者は、第3停止スイッチを非操作状態とするまで期待を抱いて遊技ができる。
【0128】
さらに、同じく本実施例の告知演出処理1(図11)におけるS625では、第1告知演出の選択報知処理として、ボーナスが当選し且つ非成立の場合を前提に、第3停止スイッチのON状態(操作状態)が維持されたまま、所定時間が経過時間以下であれば、第1告知演出が選択された旨を報知するよう構成されている。遊技者は、当該報知によって、第3停止スイッチをOFF状態(非操作状態)にすることで、第1告知演出が行われるのか、第2告知演出が行われるのか、を認知可能となることを説明した。そして、第1告知演出の選択報知処理(S625)は、本願発明の告知種別報知手段に相当する。
但し、本願発明の告知種別報知手段の機能として、これ以上どれだけ第3停止スイッチを長押ししたとしても、何れの告知演出(第1告知演出および第2告知演出)も選択(実行)されない旨の報知、を行うように構成しても良い。つまり、実行を予定して選択された告知演出の種別を報知するだけでなく、何れの種別の告知演出も選択されなかった旨も報知するようにしても良い。
【0129】
詳述すると、内部抽選処理(図5)においてボーナスに当選しなかった場合(S205およびS215で否定判定、或いはS225で否定判定)を前提として、第3停止スイッチの操作状態が維持されている経過時間が、所定時間以上となった場合に(S620で肯定判定)、主制御基板40は、S625において、第1告知演出および第2告知演出の何れも行われない旨の報知を実行するように構成される。なお、所定時間は、基底の3.0secよりは短く、最短所定時間としての0.1secよりは長い、例えば1.0sec程度に設定することが好適である。
【0130】
このように構成することにより、そもそも内部抽選においてボーナス当選していないにも拘わらず、当該内部抽選結果が不明であるがために、ボーナス当選の告知演出の行われることを期待して、第3停止スイッチの長押しを延々と行ってしまうことを抑制することができる。ひいては1ゲームあたりの所要時間を無用に冗長となってしまうことを防止することが可能となる。ボーナス非当選の場合には、何れかの告知演出の実行を期待して第3停止スイッチを長押ししていても、例えば1.0secが経過した時点で、何れの告知演出も実行されない旨の報知が為されることで、遊技者は、当該ゲームに何ら固執する必要が無くなり、次ゲームへ速やかに移行していくことができる。
以上が実施例1の説明となる。次に、本発明の他の実施の形態として、実施例2を説明する。
【実施例2】
【0131】
実施例2は、上述した実施例1と告知演出処理において相違し、他の構成は同じであるため、相違点のみを図14を参照して説明し、他は割愛する。図14は、実施例2の主制御基板40が実行する告知演出処理2のフローチャートである。
【0132】
主制御基板40は、告知演出処理2を開始すると、先ずS700にて、上述したリール停止処理における計時タイマのカウントアップが実行されているか否か、換言すればボーナスに当選(小役との重複当選も含めて、仮BBフラグまたは仮RBフラグに1が設定されている)しているか否かについての判定処理を実行し、否定判定であれば(S700:NO)、本処理を終了する。また、肯定判定であれば(S700:YES)、S705に処理を移行する。
【0133】
主制御基板40は、S705にて、経過時間報知処理を行い、S710に処理を移行する。該処理は、上述したS485にてカウントアップが開始された計時タイマカウンタのカウント値に基づいて、第3停止スイッチがONされて操作状態になってから該ON状態が維持されている経過時間を、遊技者に報知する処理である。主制御基板40は、音・ランプ制御基板49(演出画像制御基板を備える場合には該基板も含めたサブ制御手段)に対して経過時間を示唆する経過時間情報コマンドを送信し、各種ランプ類、スピーカ13等(演出画像表示装置等を設置する場合は該装置も含めた演出手段)を制御して、経過時間を遊技者に報知する。これにより、遊技者は、第3停止スイッチを押下してから、押下状態をどれだけの時間だけ維持しているのかを明確に認識することが出来る。
【0134】
主制御基板40は、S710にて、ボーナス図柄が停止表示されずボーナス不成立であったか否か、すなわちボーナス当選しているもののハズレ図柄または小役図柄の表示が行われたか否かの判定処理を実行し、否定判定すなわちボーナスが成立した場合(S710:NO)、以下の第1または第2告知演出を行わずに本処理を終了する。また、肯定判定すなわちボーナス当選はしているがボーナス不成立の場合(S710:YES)、S715に処理を移行する。
【0135】
主制御基板40は、S715にて、第3停止スイッチの操作状態が維持されてきた時間である経過時間が、予め定められた所定時間となったか否かの判定処理を実行する。肯定判定すなわち経過時間が所定時間と一致したと判定された場合(S715:YES)、S720に処理を移行し、否定判定すなわち経過時間と所定時間が一致しない、つまり経過時間が所定時間よりも短い或いは長いと判定された場合(S715:NO)、S730に処理を移行する。
【0136】
主制御基板40は、S720にて、第1告知演出の実行処理を行い、S725に処理を移行する。すなわち、本実施例の第1告知演出は、S715にて経過時間が所定時間となった、と判定された時に実行する。経過時間は第3停止スイッチの操作状態が維持されてきた時間であることから、本実施例の第1告知演出は、遊技者による第3停止スイッチの押下中に、経過時間が増加していき、所定時間と一致した時点で、実行される。第3停止スイッチがOFFされた時点で第1告知演出が実行される実施例1とは、この点において相違する。
要するに、当該ゲームにて内部的にはボーナス当選しているが成立せず、第3停止スイッチの押下状態を継続中に、経過時間が所定時間に到達した場合には、即時、ボーナス当選の告知(第1告知演出)を行うように構成されている。
【0137】
主制御基板40は、S725にて、第1告知演出を実行した旨を示唆する第1告知演出済みフラグに1を設定して、S730に処理を移行する。
【0138】
主制御基板40は、S730にて、第3停止スイッチがOFFしたか否か、すなわち非操作状態となったか否かの判定処理を実行し、否定判定すなわちON状態(操作状態)が維持されている場合(S730:NO)、本処理を終了する。また、肯定判定すなわち第3停止スイッチの押下を終了してOFF状態(非操作状態)となった場合(S730:YES)、S735に処理を移行する。
【0139】
主制御基板40は、S735にて、第3停止スイッチの操作を無効化する処理を行い、S740に処理を移行する。
【0140】
主制御基板40は、S740にて、第1告知演出済みフラグに1が設定されているか否かの判定処理を行い、肯定判定であれば(S740:YES)、S745に処理を移行し、否定判定であれば(S740:NO)、S750に処理を移行する。
【0141】
主制御基板40は、S745にて、第1告知演出済みフラグに0を設定する処理を行い、S755に処理を移行する。
【0142】
主制御基板40は、S750にて、第2告知演出フラグに1を設定する処理を行い、S755に処理を移行する。すなわち、S715にて経過時間が所定時間となる前に、つまり未だ経過時間が所定時間に満たない状態で、第3停止スイッチの押下が解除された場合、第2告知演出フラグに1が設定される。こうして、第2告知演出フラグに1を設定することにより、当該ゲームの終了後に実行される次ゲームにおける回胴始動処理(図4参照)のS125にて、第2告知演出を実行可能とする。要するに、当該ゲームにて内部的にはボーナス当選しているが成立せず、第3停止スイッチの押下時間が所定時間よりも短い場合には、当該ゲーム中にはボーナス当選の告知を行わずに、次のゲーム開始時において回胴始動レバー8の操作時に告知(第2告知演出)するように構成されている。
【0143】
本発明の第2告知演出は、このように第3停止スイッチの押下されていた時間である経過時間が所定時間未満の場合に、ボーナス当選の告知を次ゲームまで延期するものである。
【0144】
主制御基板40は、S755にて、計時タイマのカウンタをクリアする処理を行い、本処理を終了する。
【0145】
以上、本願発明における実施例について説明してきたが、本願発明の技術思想を逸脱しない限り、これらの実施例に限定することはなく、他の実施の形態であっても何ら問題無い。
例えば、上述した各実施例では、基底の所定を3.0secの1種類とする構成を説明したが、複数種類備えても良い。ボーナスの種別毎に、ビッグボーナスとレギュラーボーナスとで異なる所定時間としても良い。
より具体的には、ビッグボーナス当選時の所定時間を、レギュラーボーナス当選時の所定時間よりも長く設定しても良い。このようにすることにより、長押し操作の時間が長い程、享受できる利益が大きくなるので、長押し操作を好まない遊技者でも意欲的に長押し操作を行うようになり、興趣が向上する。また、長押し中に、レギュラーボーナス当選時に対応した所定時間が経過しても、遊技者は未だそれより大きな利益を享受する可能性が残されているため、落胆の度合いが少なく、興趣の維持を図ることが出来る。
【0146】
また、ビッグボーナス当選時の所定時間を、レギュラーボーナス当選時の所定時間よりも短く設定しても良い。このようにすることにより、長押し操作の時間が短くても、享受できる利益が大きいボーナスの告知を受ける可能性を有するので、長押し操作を好まない遊技者でも意欲的に長押し操作を行うようになり、興趣が向上する。また、長押し中に、ビッグボーナス当選時に対応した所定時間が経過しても、遊技者は未だ、それより利益は小さくなるが一定の利益を享受する可能性が残されているため、落胆の度合いが少なく、興趣の維持を図ることが出来る。
【0147】
[特許請求の範囲との対応]
リール4L、4C、4Rが、複数の回胴に相当する。
停止スイッチ9L、9C、9R或いは第1乃至第3停止スイッチが、複数の停止スイッチに相当する。
回胴始動レバー8が、始動レバーに相当する。
BB(ビッグボーナス)或いはRB(レギュラーボーナス)が、ボーナスに相当する。
内部抽選処理のS205およびS215が、当選判定手段に相当する。
リール停止処理のS425、S450、およびS490が、回胴制御手段に相当する。
リール停止処理のS505およびS515が、成立判定手段に相当する。
第3停止スイッチが、最終停止スイッチに相当する。
告知演出処理1および告知演出処理2が、告知演出手段に相当する。
ベットスイッチ7が、ベットスイッチに相当する。
告知演出処理1のS605、および告知演出処理2のS705が、経過時間報知手段に相当する。
内部抽選処理のS235が、条件変更手段に相当する。
S235で3.0secから変更設定される0.1secが、最低値に相当する。
告知演出処理1のS625が、告知種別報知手段に相当する。
【符号の説明】
【0148】
2:表示窓
4L:左リール
4C:中リール
4R:右リール
8:始動レバー
9:停止スイッチ
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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