特許第5799309号(P5799309)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5799309
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   A63F7/02 315Z
   A63F7/02 320
【請求項の数】5
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2014-91777(P2014-91777)
(22)【出願日】2014年4月25日
【審査請求日】2014年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
(72)【発明者】
【氏名】山本 和弘
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 康晃
(72)【発明者】
【氏名】浅賀 崇雅
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 潤
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴晶
【審査官】 井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−161668(JP,A)
【文献】 特開2013−180091(JP,A)
【文献】 特開2013−208221(JP,A)
【文献】 特開2014−117517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に設けられた入球口への遊技球の入球を検知する入球検知手段と、
前記入球検知手段による入球検知に基づき数値情報を取得する数値情報取得手段と、
取得した前記数値情報に基づき遊技者に所定の利益を付与するか否かを判定する利益付与判定手段と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限個数まで保留情報として記憶することが可能な保留記憶手段と、
前記保留記憶手段に記憶された前記数値情報が特定の数値情報であるか否かを、前記利益付与判定手段による判定前に判定する事前判定手段と、
前記保留情報があることを示す演出保留画像を表示する保留画像表示制御手段と、を備え、
前記保留画像表示制御手段は、前記事前判定手段により特定の数値情報であると判定されたときに、通常の態様とは異なる特殊態様にて前記演出保留画像を表示し得るものであり、
前記特殊態様は、単一のオブジェクト画像からなる演出保留画像を複数のオブジェクト画像からなる演出保留画像群に変更する態様であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記数値情報に基づいて、識別図柄を変動表示したあと前記利益付与判定手段による判定結果に応じた態様で最終的に停止表示する識別図柄変動演出を行う変動演出制御手段を備え、
前記変動演出制御手段は、前記識別図柄の最終的な停止表示前に前記識別図柄を一旦停止表示してから再び変動表示させる再変動表示を所定回数にわたって実行可能なものであり、
前記事前判定手段によって前記特定の数値情報と判定された数値情報は、少なくともその数値情報に基づいて行われる識別図柄変動演出において前記再変動表示がなされる数値情報であり、
前記保留画像表示制御手段は、前記演出保留画像群におけるオブジェクト画像の個数を、当該演出保留画像群に対応する数値情報に基づく識別図柄変動演出において実行される変動表示の回数に応じた数とするものであることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記保留画像表示制御手段は、前記演出保留画像群に対応する数値情報に基づく識別図柄変動演出において、再変動表示の実行ごとに一つずつ前記演出保留画像群を構成するオブジェクト画像を消していくものであることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の遊技機であって、
遊技者による操作が可能な操作手段を備え、
前記保留画像表示制御手段は、予め定めた期間内において予め定めた特定条件が満たされるように前記操作手段が操作されたときに、前記演出保留画像群への変更を行うものであることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記保留画像表示制御手段は、前記保留情報の上限個数よりも多い数のオブジェクト画像を表示可能なものであり、
前記保留記憶手段により記憶されている保留情報の数を正しく表示する本保留表示手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,特別図柄の変動表示の開始が保留された数値情報があることを示す演出保留画像を、通常の態様とは異なった態様で表示し得る遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、演出保留画像を通常の態様とは異なった態様で表示し得る遊技機として、下記特許文献1に記載のものが知られている。この文献1に記載の遊技機は、始動口(入球口)への入賞時に取得した種々の乱数値(数値情報)を、その乱数値に基づく特別図柄の変動表示を開始する前に判定する事前判定手段を備えている。そして、事前判定手段による判定結果に基づいて大当たり期待度を示唆するように、液晶表示装置に表示する演出保留画像の態様を変化させている。具体的には、通常の態様の演出保留画像としてバレーボールの画像を表示しているところ、サッカーボールの画像を表示することによりそれよりも大当たり期待度が高いことを示唆するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−24756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の遊技機では、演出保留画像を通常の態様とは異なる態様に変化させて表示することはあるものの、その変化のバリエーションとしては、模様や色などのデザインの変化であった。そのため、演出保留画像を用いたいわゆる先読み保留演出による効果は、大当たりへの期待感を煽ることにとどまっていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、演出保留画像の表示態様の変化によって、遊技者に対して新たな興趣を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段をとる。なお、以下に記す手段の説明では、後述の[発明を実施するための形態]における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、本発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0007】
手段1に係る発明は、
遊技領域(3)に設けられた入球口(第1始動口20又は第2始動口21)への遊技球の入球を検知する入球検知手段(第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21a)と、
前記入球検知手段による入球検知に基づき数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する数値情報取得手段(ステップS206又はS212を実行する遊技制御用マイコン81)と、
取得した前記数値情報に基づき、遊技者に所定の利益を付与する(大当たり遊技を実行する)か否かを判定する利益付与判定手段(ステップS1402又はS1407を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記数値情報取得手段により取得された数値情報を所定の上限個数まで保留情報として記憶することが可能な保留記憶手段(RAM84の特図保留記憶部85)と、
前記保留記憶手段に記憶された前記数値情報が特定の数値情報(例えば大当たりと判定される乱数値)であるか否かを、前記利益付与判定手段による判定前に判定する事前判定手段(ステップS207又はS213等を実行する遊技制御用マイコン81およびステップS4601等を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記保留情報があることを示す演出保留画像を表示する保留画像表示制御手段(ステップS4302等を実行する演出制御用マイコン91、画像制御基板100、及び画像表示装置7)と、を備え、
前記保留画像表示制御手段は、前記事前判定手段により特定の数値情報であると判定されたときに、通常の態様とは異なる特殊態様にて前記演出保留画像を表示し得るものであり、
前記特殊態様は、単一のオブジェクト画像(例えば図49(d)のホールケーキの画像202)からなる演出保留画像を、複数のオブジェクト画像(例えば図49(e)のカットケーキの画像203a〜203d)からなる演出保留画像群(203)に変更する態様であることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
【0008】
ここで、「単一のオブジェクト画像」には、複数のパーツからなっているが一つのモチーフをあらわす画像として認識されるもの含まれる。例えば、一つのモチーフ(例えば時計)の画像を表示するにあたり、そのモチーフの一部(例えば盤)を第1のレイヤーに表示し、他の一部(例えば針)を第2のレイヤーに表示して、これらを重ねて一つのモチーフの画像を構成している場合も、単一のオブジェクト画像に含まれるものとする。
【0009】
手段1に係る発明によれば、単一のオブジェクト画像からなる演出保留画像を複数のオブジェクト画像からなる演出保留画像群に変更することがあるため、遊技者に対して、保留が増えたような印象を与えることが可能となる。すなわち、遊技者に対してお得感を与えることが可能となる。これにより、新たな興趣を提供することが可能となる。
【0010】
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記数値情報に基づいて、識別図柄(演出図柄)を変動表示したあと前記利益付与判定手段による判定結果に応じた態様で最終的に停止表示する識別図柄変動演出(演出図柄可変表示演出)を行う変動演出制御手段(ステップS4405等を実行する演出制御用マイコン91、画像制御基板100、及び画像表示装置7)を備え、
前記変動演出制御手段は、前記識別図柄の最終的な停止表示前に前記識別図柄を一旦停止表示(図50(a))してから再び変動表示(図50(b))させる再変動表示を所定回数にわたって実行可能なものであり、
前記事前判定手段によって前記特定の数値情報と判定された数値情報は、少なくともその数値情報に基づいて行われる識別図柄変動演出において前記再変動表示がなされる数値情報であり、
前記保留画像表示制御手段は、前記演出保留画像群(203)におけるオブジェクト画像の個数(図49(e)のカットケーキの画像の数)を、当該演出保留画像群に対応する数値情報に基づく識別図柄変動演出において実行される変動表示の回数に応じた数とするものであることを特徴とする遊技機である。
【0011】
ここで、「所定回数」には、2回以上のほか、1回も含まれるものとする。
【0012】
手段2に係る発明によれば、変動表示の回数を報知することが可能となる。よって、変動表示の回数が多いほど大当たりの期待度が高くなるように構成した場合には、遊技者は、演出保留画像群を構成するオブジェクト画像の個数によって大当たり期待度を知ることが可能となる。
【0013】
手段3に係る発明は、
手段2に記載の遊技機であって、
前記保留画像表示制御手段は、前記演出保留画像群(203)に対応する数値情報に基づく識別図柄変動演出において、再変動表示の実行ごとに一つずつ前記演出保留画像群を構成するオブジェクト画像を消していく(ステップS4302等の実行により図50に示すように演出保留画像の表示を制御する)ものであることを特徴とする遊技機である。
【0014】
手段3に係る発明によれば、識別図柄変動演出の変動態様のみならず演出保留画像の変化態様まで含めて、あたかも複数回の変動表示がなされているように見せることが可能となる。
【0015】
手段4に係る発明は、
手段1から手段3までのいずれかに記載の遊技機であって、
遊技者による操作が可能な操作手段(演出ボタン63)を備え、
前記保留画像表示制御手段は、予め定めた期間内において予め定めた特定条件が満たされるように前記操作手段が操作されたときに、前記演出保留画像群(203)への変更を行う(ステップS5104でYESのときにS5105の処理を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
【0016】
手段4に係る発明によれば、遊技者に対して自身の手で演出保留画像の個数を増加させたように感じさせることが可能となり、高揚感を与えることが可能となる。
【0017】
手段5に係る発明は、
手段1から手段4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記保留画像表示制御手段は、前記保留情報の上限個数よりも多い数のオブジェクト画像を表示可能なものであり(図52参照)、
前記保留記憶手段により記憶されている保留情報の数を正しく表示する本保留表示手段(第1特図保留表示器43a又は第2特図保留表示器43b)を備えていることを特徴とする遊技機である。
【0018】
手段5に係る発明によれば、演出保留画像の態様によって上述のような興趣を遊技者に与えつつも、保留情報の個数について誤解されにくい遊技機とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば,演出保留画像の表示態様の変化によって、遊技者に対して新たな興趣を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図である。
図2図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
図3】同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図4】同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図5】主制御基板が備えるRAMの詳細を説明する図である。
図6】サブ制御基板が備えるRAMの詳細を説明する図である。
図7】当たりの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
図8】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
図9】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は大当たり種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
図10】変動パターン判定テーブルである。
図11】始動入賞コマンドの特定テーブルである。
図12】電チューの開放パターン決定テーブルである。
図13】主制御メイン処理のフローチャートである。
図14】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
図15】始動口センサ検出処理のフローチャートである。
図16】ゲート通過処理のフローチャートである。
図17】普通動作処理のフローチャートである。
図18】普通図柄待機処理のフローチャートである。
図19】普通図柄当たり判定処理のフローチャートである。
図20】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
図21】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
図22】普通図柄確定処理のフローチャートである。
図23】普通電動役物処理のフローチャートである。
図24】特別動作処理のフローチャートである。
図25】特別図柄待機処理のフローチャートである。
図26】大当たり判定処理のフローチャートである。
図27】変動パターン選択処理のフローチャートである。
図28】変動パターン選択処理のフローチャートである。
図29】特図2乱数シフト処理のフローチャートである。
図30】特図1乱数シフト処理のフローチャートである。
図31】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
図32】特別図柄確定処理のフローチャートである。
図33】特別電動役物処理のフローチャートである。
図34】遊技状態設定処理のフローチャートである。
図35】電源断監視処理のフローチャートである。
図36】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
図37】受信割り込み処理のフローチャートである。
図38】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図39】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
図40】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
図41】保留数加算処理のフローチャートである。
図42】先読み演出判定処理のフローチャートである。
図43】変動演出開始処理のフローチャートである。
図44】保留数減算処理のフローチャートである。
図45】変動演出終了処理のフローチャートである。
図46】特図保留演出制御処理のフローチャートである。
図47】分裂予告乱数判定テーブルである。
図48】保留変化乱数の判定テーブルである。
図49】演出保留画像の変化態様を説明するための図である。
図50】演出保留画像群に係る変動に伴う演出保留画像群の変化態様を説明するための図である。
図51図49とは異なる演出保留画像の変化態様を説明するための図である。
図52】演出保留画像と特図保留表示器の関係を説明するための図である。
図53】演出ボタン検出スイッチ処理のフローチャートである。
図54】変更例に係る演出保留画像の変化態様を説明するための図である。
図55】他の変更例に係る演出保留画像の表示方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
【0022】
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図4参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
【0023】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(識別図柄)8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字等をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図2参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0024】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0025】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一つ)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また画像表示装置7は、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて、演出保留画像200を表示画面7aに表示する。
【0026】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
【0027】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
【0028】
第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図3参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているときには遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
【0029】
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口(特定入賞口)30を備えた大入賞装置(特別可変入賞装置)31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図3参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
【0030】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の左方には、遊技球が通過可能な第1ゲート28が設けられている。また、遊技領域3におけるセンター装飾体10の右方には、遊技球が通過可能な第2ゲート29が設けられている。第1ゲート28及び第2ゲート29への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられているとともに、遊技領域3に打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口9が設けられている。
【0031】
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞、第1ゲート28への通過、及び、第2始動口21への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにて大入賞口30への入賞、第2ゲート29への通過、第2始動口21への入賞を狙うことができる。本パチンコ遊技機1は、後述する低ベース状態では左打ちにて遊技し、後述する特別遊技状態(大当たり遊技の実行中)および高ベース状態では右打ちにて遊技する遊技機である。
【0032】
また図1および図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0033】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。特図保留表示器43は、特図保留の数を識別可能な態様で正しく表示する本保留表示器(本保留表示手段)に相当する。
【0034】
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(特図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口30の開放パターンについては後述する。
【0035】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0036】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報に相当、入賞情報ともいう)は、特図保留記憶部85(図3参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留(第1特図保留情報)として第1特図保留記憶部85a(図3参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留(第2特図保留情報)として第2特図保留記憶部85b(図3参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
【0037】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利(特別図柄の可変表示の実行の権利)を留保することができるようになっている。
【0038】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には各特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を識別可能に正確に表示する。
【0039】
普通図柄の可変表示は、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄すなわち長開放図柄又は短開放図柄)である場合には、停止表示された特定普通図柄の種類および現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0040】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図2参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が長開放図柄での当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した長開放図柄(普通当たり図柄の一つ)を表示する。また抽選結果が短開放図柄での当たりである場合には、「○●」というように左のLEDのみが点灯した短開放図柄(普通当たり図柄の一つ)を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0041】
本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図3参照)に普図保留(普図保留情報)として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
【0042】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利(普通図柄の可変表示の実行の権利)を留保することができるようになっている。
【0043】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を識別可能に正確に表示するものである。
【0044】
2.遊技機の電気的構成
次に図3及び図4に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図3及び図4に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。
【0045】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
【0046】
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。さらに詳細には第1特図保留記憶部85aは、図5(a)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また図5(b)に示すように、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は図5(c)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、大当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
【0047】
図3に示すように、主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1ゲートセンサ28a、第2ゲートセンサ29a、大入賞口センサ30a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0048】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。第1ゲートセンサ28aは、第1ゲート28内に設けられて第1ゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第2ゲートセンサ29aは、第2ゲート29内に設けられて第2ゲート29を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0049】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、および大入賞口ソレノイド33が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。
【0050】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0051】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
【0052】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。
【0053】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0054】
図4に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
【0055】
またRAM94には、図6(a)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。各特図保留演出記憶部は、図6(b)および図6(c)に示すように、記憶可能な特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)に分けられている。さらに各記憶領域には、図6(d)に示すように、4つの記憶領域が含まれている。これらの4つの記憶領域とは、始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド記憶領域、後述する演出保留画像(特図保留画像)の表示態様を示すデータ(特図保留表示態様データ)を記憶する保留表示態様データ記憶領域、後述する分裂予告乱数を記憶する分裂予告乱数記憶領域、及び、後述する保留変化乱数を記憶する保留変化乱数記憶領域である。なお当該変動用演出記憶部95cもこれらの3つの記憶領域を含んでいる。
【0056】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像、ストーリーの映像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0057】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0058】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)は、後述のステップS4306(図39)にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0059】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)は、後述のステップS4203(図38)にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。なお、動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0060】
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
【0061】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、大入賞装置31を作動させて大入賞口30を開放させる「特別遊技(大当たり遊技)」が実行される。
【0062】
大当たりには複数の種別がある。図7(A)に示すように大当たりの種別としては、「16R(ラウンド)確変大当たり」、「8R確変大当たり」、および「8R通常大当たり」がある。「16R確変大当たり」は、1R(ラウンド)あたり1回の大入賞口30の開放を16Rにわたって行い(図7(A))、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確高ベース状態に制御する大当たりである(図7(B))。1回の大入賞口30の開放時間は、最大で28秒である。16R確変大当たりへの当選時には、第1特別図柄表示器41aに特図1_16R確変図柄1が停止表示されるか、第2特別図柄表示器41bに特図2_16R確変図柄1が停止表示される。特図1_16R確変図柄1を表示するためにセットされる特図停止図柄データは、「11H」である。また、特図2_16R確変図柄1を表示するためにセットされる特図停止図柄データは、「21H」である。
【0063】
また「8R確変大当たり」は、1R(ラウンド)あたり1回の大入賞口30の開放を8Rにわたって行い(図7(A))、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確高ベース状態に制御する大当たりである(図7(B))。1回の大入賞口30の開放時間は、16R確変大当たりと同様、最大で28秒である。8R確変大当たりへの当選時には、第1特別図柄表示器41aに特図1_8R確変図柄2が停止表示されるか、第2特別図柄表示器41bに特図2_8R確変図柄2が停止表示される。特図1_8R確変図柄2を表示するためにセットされる特図停止図柄データは、「12H」である。また、特図2_8R確変図柄2を表示するためにセットされる特図停止図柄データは、「22H」である。
【0064】
また「8R通常大当たり」は、1R(ラウンド)あたり1回の大入賞口30の開放を8Rにわたって行い(図7(A))、その大当たり遊技後の遊技状態を後述する低確高ベース状態に制御する大当たりである(図7(B))。1回の大入賞口30の開放時間は、前記2種類の大当たりと同様、最大で28秒である。8R通常大当たりへの当選時には、第1特別図柄表示器41aに特図1_8R通常図柄3が停止表示されるか、第2特別図柄表示器41bに特図2_8R通常図柄3が停止表示される。特図1_8R通常図柄3を表示するためにセットされる特図停止図柄データは、「13H」である。また、特図2_8R通常図柄3を表示するためにセットされる特図停止図柄データは、「23H」である。
【0065】
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、16R確変大当たりが20%、8R確変大当たりが50%、8R通常大当たりが30%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選における各大当たりへの振分確率は、16R確変大当たりが50%、8R確変大当たりが20%、8R通常大当たりが30%となっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となる(多くの賞球が得られる大当たりに当選しやすい)ように設定されている。
【0066】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり及び小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図8(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0067】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動表示演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは例えば、左と右の演出図柄8R,8Lが同じ図柄で停止され、変動中の中演出図柄8Cがさらにこれらと同じ図柄で停止すれば3つの演出図柄のゾロ目となる状態(「7↓7」の状態)である。すなわち、2つの演出図柄が同じ図柄で停止され、残り一つの演出図柄が変動中の状態である。なお、この場合の演出図柄の停止には、表示画面7a内で多少揺れているような表示も含まれる。また、リーチを形成するライン(有効ライン)は複数あってもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
【0068】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜199までの範囲で値をとる。また、第1ゲート28又は第2ゲート29の通過に基づいて取得される乱数には、図8(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜239までの範囲で値をとる。
【0069】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「低確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が低確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が低確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図9(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0070】
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始から表示結果の導出表示までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図10参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0071】
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図9(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
【0072】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図9(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
【0073】
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
【0074】
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0075】
本形態のパチンコ遊技機1では、16R確変大当たり又は8R確変大当たりへの当選による特別遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(電サポ制御状態)である(図7(B)参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、この終了条件は実質的に、次の大当たり当選まで高確高ベース状態が続くことを意味している。
【0076】
また、8R通常大当たりへの当選による特別遊技後の遊技状態は、低確率状態(非高確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である(図7(B)参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0077】
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、低確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態は通常状態とも称される。
【0078】
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているため、第1始動口20よりも抽選において有利な第2始動口21への入賞だけを狙える右打ちにて遊技を進行した方がよいからである。そのため、普通図柄抽選の契機となる第2ゲート29へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも有利に遊技を進行できる。
【0079】
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0080】
また、上記した各種の遊技状態の他に、本パチンコ遊技機1における遊技状態としては、特別遊技(大当たり遊技)を実行している状態である特別遊技状態(大当たり遊技状態)がある。
【0081】
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図13図35に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図13に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0082】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAM84の所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0083】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0084】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図14に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0085】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図3参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0086】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図13の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0087】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、および電源断監視処理(S109)を実行する。その後、その他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図13参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0088】
[始動口センサ検出処理]図15に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、第1ゲート28又は第2ゲート29に遊技球が通過したか否か、即ち、第1ゲートセンサ28a又は第2ゲートセンサ29aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。第1ゲート28又は第2ゲート29を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球が第1ゲート28又は第2ゲート29を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
【0089】
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
【0090】
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、RAM84(図3参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域(図5(b)参照)に格納する。具体的には、特図2保留球数が「1」の場合には第1記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図2保留球数が「2」の場合には第2記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図2保留球数が「3」の場合には第3記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図2保留球数が「4」の場合には第4記憶領域に取得した乱数値群を格納する。
【0091】
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図11に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンドを特定する。具体的には、現在の特図2保留球数が「4」且つ現在の遊技状態が非時短状態であり、大当たり乱数が「1」、大当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「1」であれば、図11の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口且つ非時短状態の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「C1H44H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばC1H)と1バイトの下位コマンド(例えば44H))からなっている。
【0092】
図11に示すテーブルにおける各乱数の区分けは、それぞれの乱数の判定テーブル(図9(A)の大当たり判定テーブル、図9(B)の大当たり種別判定テーブル、図9(C)のリーチ判定テーブル、図10の変動パターン判定テーブル)における区分けと対応している。従って、特定された第2始動入賞コマンドには、大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無、および後述の疑似連回数の情報が含まれている。
【0093】
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)、及び遊技状態(時短状態か非時短状態か)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、大当たりの当否、特別図柄の種類、及びリーチの有無を指定する情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、保留球数を指定する情報である(図11の欄外の備考参照)。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、疑似連回数を指定する情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
【0094】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
【0095】
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
【0096】
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、RAM84(図3参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域(図5(a)参照)に格納する。具体的には、特図1保留球数が「1」の場合には第1記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「2」の場合には第2記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「3」の場合には第3記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「4」の場合には第4記憶領域に取得した乱数値群を格納する。
【0097】
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図11に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンドを特定する。具体的には、現在の特図1保留球数が「4」且つ現在の遊技状態が非時短状態であり、大当たり乱数が「1」、大当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「1」であれば、図11の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口且つ非時短状態の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H44H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無、および後述の疑似連回数の情報が含まれている。
【0098】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
【0099】
[ゲート通過処理]図16に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、RAM84(図3参照)の更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H、図8(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0100】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで、図17に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S601でYES)、普通図柄待機処理(S602)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S601でNO、S603でYES)、普通図柄変動中処理(S604)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S601,S603で共にNO、S605でYES)、普通図柄確定処理(S606)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S601,S603,S605の全てがNO)、普通電動役物処理(S607)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0101】
[普通図柄待機処理]図18に示すように、普通図柄待機処理(S602)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S701)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、普通図柄当たり判定処理を行う(S702)。
【0102】
[普通図柄当たり判定処理]図19に示すように、普通図柄当たり判定処理(S702)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S801)。次いで、普通図柄当たり判定テーブル(図9(D))のアドレスをセットする(S802)。続いて、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S803)。時短状態でなければ、図9(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブルに基づいて、長開放図柄での当たりか否か判定する(S804)。これに対して、時短状態であれば、図9(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブルに基づいて、長開放図柄での当たりか否か判定する(S805)。そしてステップS804又はS805の判定結果が「YES」であれば、長開放普通当たりフラグをONして(S806)処理を終える。
【0103】
一方、ステップS804でNOであれば、図9(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブルに基づいて、短開放図柄での当たりか否か判定する(S807)。また、ステップS805でNOであれば、図9(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブルに基づいて、短開放図柄での当たりか否か判定する(S807)。ステップS807の判定結果が「NO」であればそのまま処理を終えるが、「YES」であれば短開放普通当たりフラグをONして(S808)処理を終える。
【0104】
普通図柄待機処理(図18)では、普通図柄当たり判定処理(S702)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S703)。普通図柄変動パターン選択処理では、図9(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。なお普通図柄表示器42による普通図柄の変動表示(可変表示)の結果として停止表示(導出表示)される図柄は、普通図柄抽選の結果が長開放の当たりである場合は長開放図柄(「○○」、○:点灯、●:消灯)であり、短開放の当たりである場合は短開放図柄(「○●」)であり、ハズレである場合はハズレ図柄(「●○」)である。
【0105】
[普通図柄乱数シフト処理]普通図柄変動パターン選択処理(S703)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S704)を実行する。図20に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S704)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S901)。次いで、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S902)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0106】
普通図柄待機処理(図18)では、普通図柄乱数シフト処理(S704)に次いで、普通図柄変動開始処理を行う(S705)。普通図柄変動開始処理では、ステップS703で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0107】
[普通図柄変動中処理]図21に示すように、普通図柄変動中処理(S604)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S1001)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S1001でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1002)、普通動作ステータスを「3」にセット(S1003)する。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(長開放図柄、短開放図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1004)、この処理を終える。
【0108】
[普通図柄確定処理]図22に示すように、普通図柄確定処理(S606)ではまず、長開放普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1101)。長開放普通当たりフラグがONであれば(S1101でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S1102)。そして時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中のロング開放パターン(即ち図12に示す長開放TBL2)をセットする(S1103)。時短状態中のロング開放パターンとは、図12の長開放TBL2に示すように、3回にわたって電チュー22を開放する開放パターンである。従って、電チュー22の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタに「3」をセットする。より詳細には、この開放パターンは、1回目の開放時間が2.0秒、2回目の開放時間が5.0秒、3回目の開放時間が2.0秒であり、各開放の間のインターバル時間が1.0秒の開放パターンである。
【0109】
これに対して、非時短状態中であれば(S1102でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中のロング開放パターン(即ち図12に示す長開放TBL1)をセットする(S1104)。非時短状態中のロング開放パターンとは、図12の長開放TBL1に示すように、2回にわたって電チュー22を開放する開放パターンである。従って、電チュー22の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタに「2」をセットする。より詳細には、この開放パターンは、1回目の開放時間が0.2秒、2回目の開放時間が4.0秒であり、開放の間のインターバル時間が4.0秒の開放パターンである。この開放パターンにおける1回目の開放では開放時間が0.2秒と極短時間であるため第2始動口21への入賞はほぼ望めない。しかし、2回目の開放では開放時間が4.0秒と十分にあるため、第2特図保留の上限個数に達するほどの入賞が可能となっている。
【0110】
一方、ステップS1101において長開放普通当たりフラグがONでなければ(S1101でNO)、短開放普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1105)。短開放普通当たりフラグがONであれば(S1105でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S1106)。そして時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中のショート開放パターン(即ち図12に示す短開放TBL2)をセットする(S1107)。時短状態中のショート開放パターンとは、図12の短開放TBL2に示すように、一回当たり2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、電チュー22の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタに「3」をセットする。
【0111】
これに対して、ステップS1106で非時短状態中であれば(S1106でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中のショート開放パターン(即ち図12に示す短開放TBL1)をセットする(S1108)。非時短状態中のショート開放パターンとは、図12の短開放TBL1に示すように、一回当たり0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、電チュー開放カウンタに「1」をセットする。
【0112】
その後遊技制御用マイコン81は、開放パターンのセット(S1103、S1104、S1107、S1108)に続いて、普通動作ステータスを「4」にセットし(S1109)、この処理を終える。一方ステップS1105において、短開放普通当たりフラグがONでなければ(S1105でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1110)、この処理を終える。
【0113】
[普通電動役物処理]図23に示すように、普通電動役物処理(S607)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
【0114】
普通当たり終了フラグがONでなければ(S1201でNO)、第2始動口21の開放中か否か(すなわち電チュー22の開放中か否か)を判定する(S1202)。開放中でなければ(S1202でNO)、第2始動口21を開放させる時間に至ったか否かを判定し(S1203)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させる(S1204)。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1202でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定し(S1205)、至っていなければ処理を終え、至っていれば第2始動口21を閉鎖(閉塞)させる(S1206)。
【0115】
そして第2始動口21の閉鎖(S1206)に次いで、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1207)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1208)。「0」でなければ(S1208でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1208でYES)、補助遊技を終了させる普通当たり終了処理を行うとともに(S1209)、普通当たり終了フラグをセットして処理を終える(S1210)。
【0116】
これに対してステップS1201において普通当たり終了フラグがONであれば(S1201でYES)、ステップS1103,S1104,S1107又はS1108にてセットされた回数の電チュー22の開放動作は終了しているので、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S1211)、普通当たりフラグ(すなわち長開放普通当たりフラグ又は短開放普通当たりフラグ)をOFFし(S1212)、普通動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S1213)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(図17)として再び普通図柄待機処理(S602)が実行されることになる。
【0117】
[特別動作処理]図14に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、図24に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0118】
[特別図柄待機処理]図25に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1406)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1406でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)とする処理中であるか否かを判定し(S1411)、そうであれば(S1411でYES)処理を終え、そうでなければ(S1411でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1412)。
【0119】
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)、特図2変動パターン選択処理(S1403)、特図2乱数シフト処理(S1404)、特図2変動開始処理(S1405)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1406でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1407)、特図1変動パターン選択処理(S1408)、特図1乱数シフト処理(S1409)、特図1変動開始処理(S1410)をこの順に行う。このように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たりに当選しやすくなっている(図9(B))。なお第2特図保留を第1特図保留に優先して消化せず、第2特図保留および第1特図保留のなかから入賞順序に従って消化するようにしてもよい。
【0120】
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1407)とは、処理の流れが同じであるため図26に基づいてまとめて説明する。図26に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1407)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。特図1大当たり判定処理(S1407)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0121】
次に、大当たり判定テーブル(図9(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち低確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図9(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「189」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図9(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「1899」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
【0122】
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図9(B)に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして処理を終える。なお、大当たりフラグには、大当たりの種別が16R確変大当たりであった場合にONする16R大当たりフラグと、8R確変大当たり又は8R通常大当たりであった場合にONする8R大当たりフラグとがある。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして処理を終える。
【0123】
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図27及び図28に基づいてまとめて説明する。図27及び図28に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1408)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別が16R大当たりであるか否かを判定する(S1603)。16R大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中16R大当たりテーブル(図10に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ16R大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。
【0124】
なお、図10では変動パターン判定テーブルのうち第2始動口21に対応する箇所を省略して記載しているが、第2始動口21に対応する箇所は、変動パターンの値以外は、第1始動口20に対応する箇所と同じである。すなわち、第1始動口20に対応する変動パターン判定テーブルの変動パターンの値を「P1〜P30」から「P31〜P60」に変えたものが、第2始動口21に対応する変動パターン判定テーブルとなる。従ってステップS1604では、具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1408)なら変動パターンP1〜P7のいずれかが選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)なら変動パターンP31〜P37のいずれかが選択されることとなる。
【0125】
ここで、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチとなるのかも決まる。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。スーパーリーチでは変動時間が長い分、長時間にわたる演出が実行される。また変動パターンが決まれば、疑似連(疑似連続予告演出)の実行の有無が決まる。疑似連とは、一回の特別図柄の変動表示に対する演出図柄可変表示演出において、3つの演出図柄8L,8C,8Rの全てを一旦仮停止表示させ,その後全ての演出図柄8L,8C,8Rを再変動表示させる演出である。仮停止表示において表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(すなわち仮停止出目)は、予め定めた演出図柄の組み合わせからなる特定の停止態様であってもよいし、単なるバラケ目でもよい。本形態では、特定の停止態様をとることとしている。特定の停止態様としては、例えば、疑似連となることを示すために専用で設けた特殊演出図柄を含む出目や、いわゆるチャンス目(例えば「135」)などが挙げられる。本形態では特殊演出図柄250(図50(a)参照)を含む出目を表示するようにしている。
【0126】
また本形態では、疑似連回数は最大で4回である(図10の演出内容の欄参照)。疑似連1回とは、疑似連となるように見せかけて遊技者を煽り、疑似連とならないガセの演出である。すなわち、再変動へ繋がる特定の停止態様の仮停止出目となるように見せかけたあと、仮停止出目ではないバラケ目で全ての演出図柄8L,8C,8Rを確定停止(最終停止)させるものである。疑似連2回とは、演出図柄の変動表示を開始したあと1回の仮停止表示と1回の再変動表示を経て演出図柄の確定停止表示を行う演出である。疑似連3回とは、演出図柄の変動表示を開始したあと仮停止表示と再変動表示のセットを2回行ってから演出図柄の確定停止表示を行う演出である。疑似連4回とは、演出図柄の変動表示を開始したあと仮停止表示と再変動表示のセットを3回行ってから演出図柄の確定停止表示を行う演出である。なお本形態では、疑似連4回は、16R確変大当たりに当選したときのみ実行され得る演出となっている(図10参照)。
【0127】
図27のステップS1603において、16R大当たりでなければ(S1603でNO)、8R確変大当たり又は8R通常大当たりに当選しているので、非時短状態中8R大当たりテーブル(図10に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ8R大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1408)なら変動パターンP8〜P13のいずれかが選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)なら変動パターンP38〜P43のいずれかが選択されることとなる。
【0128】
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1606)。図9(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
【0129】
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1606でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図10に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1408)なら変動パターンP14〜P19のいずれかが選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)なら変動パターンP44〜P49のいずれかが選択されることとなる。
【0130】
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1606でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図10に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。このリーチ無しハズレ時には、疑似連1回(ガセ)が選択される場合を除いて、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1408)なら変動パターンP20〜P22のいずれかが選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)なら変動パターンP50〜P52のいずれかが選択されることとなる。
【0131】
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図28に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図10に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1602〜S1608と同様の流れで処理(S1609〜S1615)を行う。すなわち、16R大当たりであれば図10の時短状態中且つ16R大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1408)なら変動パターンP23又はP24が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)なら変動パターンP53又はP54が選択されることとなる。
【0132】
また8R確変大当たり又は8R通常大当たりであれば、図10の時短状態中且つ8R大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1408)なら変動パターンP25又はP26が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)なら変動パターンP55又はP56が選択されることとなる。またリーチ有りハズレであれば、図10の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1614)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1408)なら変動パターンP27又はP28が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)なら変動パターンP57又はP58が選択されることとなる。またリーチ無しハズレであれば、図10の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1408)なら変動パターンP29又はP30が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)なら変動パターンP59又はP60が選択されることとなる。
【0133】
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図10に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、疑似連が実行される変動パターンがない。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
【0134】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図27に示すように、選択した変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S1616)。セットした変動パターン指定コマンドは、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
【0135】
[特図2乱数シフト処理]図29に示すように、特図2乱数シフト処理(S1404)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1701)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1702)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0136】
図2乱数シフト処理(S1404)を実行した後は、図25の特図2変動開始処理(S1405)を実行する。特図2変動開始処理(S1405)では、特別動作ステータスを「2」にセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0137】
図25の特別図柄待機処理(S1302)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1406でNO)には、特図1大当たり判定処理(S1407)、特図1変動パターン選択処理(S1408)、特図1乱数シフト処理(S1409)、特図1変動開始設定(S1410)をこの順に行う。特図1大当たり判定処理(S1407)および特図1変動パターン選択処理(S1408)については上述した通りである。
【0138】
[特図1乱数シフト処理]図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1409)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S2001)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S2002)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0139】
図1乱数シフト処理(S1409)を実行した後は、図25の特図1変動開始処理(S1410)を実行する。特図1変動開始処理(S1410)では、特別動作ステータスを「2」にセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0140】
[特別図柄変動中処理]図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(図25のステップS1403又はS1408で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図10参照)が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0141】
一方、変動時間が経過していれば(S2101でYES)、変動停止コマンドをセットする(S2102)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S2103)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2104)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2105)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2106)。ステップS2103又はS2105の判定結果がNOであれば、ステップS2107に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるようになっている。この点については後述する。
【0142】
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2107)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2108)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2109)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2110)。ステップS2107又はS2109の判定結果がNOであれば、ステップS2111に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」又は「10000」にセットされるようになっている。この点については後述する。
【0143】
続いて、特別動作ステータスを「3」にセットする(S2111)。そして、特別図柄の変動表示を、大当たり乱数及び大当たり種別乱数の判定結果に応じた表示結果(すなわちセットされている特図停止図柄データに基づく大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S2112)、この処理を終える。
【0144】
[特別図柄確定処理]図32に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たりフラグがONであれば(S2201でYES)、続いて当選した大当たりの種別が16R確変大当たりか否かを判定する(S2202)。
【0145】
そして16R確変大当たりであれば(すなわち16R大当たりフラグがONであれば)、大当たり遊技中に実行したラウンド(本形態では1回のラウンドは大入賞口30の開放から閉塞まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「16」にセットするとともに、大入賞装置31の開放パターンとして、16R確変大当たり用の開放パターン(図7(A)参照)をセットする(S2203)。
【0146】
ステップS2202において16R確変大当たりでなければ(すなわち8R大当たりフラグがONであれば)、当選した大当たりは8R確変大当たり又は8R通常大当たりであるため、ラウンドカウンタの値を「8」にセットするとともに、大入賞装置31の開放パターンとして、8R確変大当たり用又は8R通常大当たり用の開放パターン(図7(A)参照)をセットする(S2204)。
【0147】
ステップS2203又はS2204の処理を終えたら、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2205)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S2206)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2207)。
【0148】
また、ステップS2201において大当たりフラグがONでなければ(S2201でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2208)処理を終える。
【0149】
[特別電動役物処理]図33に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2301)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2302)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2303)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2304)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0150】
次に、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2305)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0151】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2305でNO)、大入賞口30の開放中か否か(すなわち大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2306)。開放中でなければ(S2306でNO)、大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時間に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンドを開始する時間に至ったか否かを判定する(S2307)。
【0152】
ステップS2307の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2307の判定結果がYESであれば、ステップS2203又はS2204でセットした開放パターンに従って大入賞口30を開放させる(S2308)。
【0153】
ステップS2306において大入賞口30の開放中であれば(S2306でYES)、そのラウンドにおける大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達しているか否かを判定する(S2309)。規定入賞個数に達していなければ(S2309でNO)、大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図7(A)参照)が経過したか否か)を判定する(S2310)。そして、大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2310でNO)、処理を終える。
【0154】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2309でYES)又は大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2310でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2311)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2312)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2313)。「0」でなければ(S2313でNO)、次のラウンドを開始するためにそのまま処理を終える。
【0155】
一方「0」であれば(S2313でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たり終了処理として大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2314)、大当たりのエンディングを開始する(S2315)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2316)。なおラウンドカウンタは、16Rの大当たりであれば大入賞口30の開放が16回なされると「0」になり、8Rの大当たりであれば大入賞口30の開放が8回なされると「0」になる。
【0156】
またステップS2305において大当たり終了フラグがONであれば(S2305でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2317)、エンディング時間が経過していなければ(S2317でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2317でYES)、大当たり終了フラグをOFFした後(S2318)、後述の遊技状態設定処理(S2319)を行う。そして、大当たりフラグをOFFし(S2320)、特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S2321)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図24)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
【0157】
[遊技状態設定処理]図34に示すように、遊技状態設定処理(S2319)ではまず、今回実行した大当たり遊技が確変大当たり(すなわち16R確変大当たり又は8R確変大当たりのいずれか)であるか否か判定する(S2401)。ステップS2401の判定結果がNOであれば、8R通常大当たりであるので、時短フラグをONするとともに(S2402)、時短カウンタに「100」をセットして(S2403)処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
【0158】
これに対して、ステップS2401の判定結果がYESであれば、確変フラグをONするとともに(S2404)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2405)。そして、時短フラグをONするとともに(S2406)、時短カウンタに「10000」をセットして(S2407)処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が10000回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。つまり実質的には、次の大当たりに当選するまで継続する。
【0159】
[電源断監視処理]図14に示すように遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで電源断監視処理(S109)を行う。電源断監視処理(S109)では図35に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2801)、入力がなければ(S2801でNO)この処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2801でYES)、現在の状態に関するデータをRAM84に記憶するとともに(S2802)、電源断フラグをONし(S2803)、その後はメイン側タイマ割り込み処理(図14)に戻ることなくループ処理をする。
【0160】
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図36図46に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0161】
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。なお、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0162】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAM94の所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。なお、演出決定用乱数には、後述の分裂予告乱数、後述の保留変化乱数、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、予告演出を決定するための予告演出決定用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0163】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4006)。以降、ステップS4004〜S4006をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4007)、2msタイマ割り込み処理(S4008)、および10msタイマ割り込み処理(S4009)の実行が可能となる。
【0164】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4007)では、図37に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4008、S4009)に優先して実行される処理である。
【0165】
[2msタイマ割り込み処理]2msタイマ割り込み処理(S4008)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図38に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4008)ではまず、演出ボタン検出スイッチ63a(図4)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、装飾可動体15を駆動するための駆動データの作成および出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0166】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図39に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、後述する特図保留演出制御処理(S4302)を行う。その後、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4303)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定する演出ボタン検出スイッチ処理を行う(S4304)。
【0167】
その後、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理を実行する(S4305)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100、音声制御基板106、およびランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各基板は、コマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、枠ランプ66及び装飾可動体15等)を用いて各種の演出(演出図柄可変表示演出や、大当たり遊技に伴う特別遊技演出、先読み保留演出等)を実行する。続いて、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4306)。
【0168】
[受信コマンド解析処理]図40に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(S208又はS214でセット)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する保留数加算処理(S4402)および先読み演出判定処理(S4403)を行う。
【0169】
続いて、主制御基板80から変動パターン指定コマンド(S1616でセット)を受信したか否か判定し(S4404)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4405)および保留数減算処理(S4406)を行う。次に、主制御基板80から変動停止コマンド(S2102でセット)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4408)。
【0170】
続いて、主制御基板80からオープニングコマンド(S2205でセット)を受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば特別遊技演出選択処理を行う(S4410)。特別遊技演出選択処理(S4410)では、オープニングコマンドを解析して、特別遊技(大当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択した特別遊技演出パターンにて特別遊技演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。なお、特別遊技演出には、特別遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口30の開放中および開放間のインターバル中に実行するラウンド演出が含まれている。
【0171】
次いで、主制御基板80からエンディングコマンド(S2314でセット)を受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析するとともに、後述のモードステータスを参照し、解析したエンディングコマンドおよび参照したモードステータスに基づいて、特別遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0172】
続いて、その他の処理(S4413)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンド(S705でセット)や普通図柄変動停止コマンド(S1002でセット))に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0173】
[保留数加算処理]図41に示すように、保留数加算処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM94の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶する(S4501)。すなわち、始動入賞コマンドに係る始動口の種類を確認して、第1始動口20への入賞に基づいて生成された第1始動入賞コマンドであれば、その第1始動入賞コマンドを第1特図保留演出記憶部95a(図6(b)参照)に記憶する。また、第2始動口21への入賞に基づいて生成された第2始動入賞コマンドであれば、その第2始動入賞コマンドを第2特図保留演出記憶部95b(図6(c)参照)に記憶する。なお、始動入賞コマンドは、各特図保留演出記憶部において第1〜第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
【0174】
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS4501で始動入賞コマンドを記憶した記憶領域の保留表示態様データ記憶領域(図6(d)参照)に、特図保留表示態様データとして、演出保留画像の通常の表示態様(通常態様)に対応する通常態様データ(00H)を記憶する(S4502)。なお、本形態における通常態様の演出保留画像(通常演出保留画像)とは、図49(a)に示すシュークリームの画像201である。その後、演出制御用マイコン91は、ステップS4501で記憶した始動入賞コマンドを解析し(S4503)、その始動入賞コマンドが第1始動口20への入賞に基づき特定された第1始動入賞コマンドであるか否かを判定する(S4504)。第1始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新するとともに(S4505)、第1特図保留発生フラグをONして(S4506)、処理を終える。一方、第2始動口21への入賞に基づき特定された第2始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新するとともに(S4507)、第2特図保留発生フラグをONして(S4508)、処理を終える。
【0175】
なお、第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドが受信され、RAM94の第1特図保留演出記憶部95aに記憶される度に「1」加算される。すなわち、第1特図保留演出カウンタは、RAM84の第1特図保留記憶部85aに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第1特図保留の数(U1)を計数するカウンタである。同様に、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドが受信され、RAM94の第2特図保留演出記憶部95bに記憶される度に「1」加算される。すなわち、第2特図保留演出カウンタは、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第2特図保留の数(U2)を計数するカウンタである。
【0176】
[先読み演出判定処理]図42に示すように、先読み演出判定処理(S4403)ではまず、演出制御用マイコン91は、ステップS4501で記憶した始動入賞コマンドを解析する(S4601)。既に述べたように、始動入賞コマンドには、図11のテーブルのコマンド解析内容の欄に示した情報や保留個数の情報などが含まれている。従って、始動入賞コマンドを解析すれば、演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドに係る数値情報(その始動入賞コマンドの特定に利用した各種乱数値の情報)が疑似連ありと判定される特定の数値情報であるか否かがわかる。
【0177】
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS4601で解析した始動入賞コマンドが疑似連ありを示すコマンドであるか否かを判定する(S4602)。具体的には図11に示すように、始動入賞コマンドは、その下位コマンドの下の桁が「4」であれば疑似連4回であることを示し,「3」であれば疑似連3回であることを示し,「2」であれば疑似連2回であることを示し、「1」であれば疑似連なしであることを示している。そのため、ここでは始動入賞コマンドの下位コマンドの下の桁に基づいて疑似連ありか否かを判定する。
【0178】
つまり本形態では、数値情報に基づいて始動入賞コマンドを特定する遊技制御用マイコン81と、特定された始動入賞コマンドを解析することでその始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりとなるか否かや疑似連ありとなるか否かを判定する演出制御用マイコン91とによって、「保留記憶手段(特図保留記憶部85)に記憶された数値情報(乱数値)が特定の数値情報(疑似連を実行する乱数値)であるか否かを、利益付与判定手段による判定前(大当たり判定前)に判定する事前判定手段」が構成されている。なお、遊技制御用マイコン81が大当たりか否かの情報や疑似連の有無の情報を含む始動入賞コマンドを生成しているという点に鑑みれば、実質的には遊技制御用マイコン81のみにより事前判定手段が構成されているともいえる。
【0179】
そして、始動入賞コマンドが疑似連ありを示すものでなければ(S4602でNO)、処理を終える。一方、始動入賞コマンドが疑似連ありを示すものであれば(S4602でYES)、分裂予告乱数を取得する(S4603)。すなわち、分裂予告乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値を、第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95bにおけるステップS4601で解析した始動入賞コマンドが記憶されている記憶領域の分裂予告乱数記憶領域(図6(d)参照)に記憶する。
【0180】
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS4603で取得した分裂予告乱数を、図47に示す分裂予告乱数判定テーブルを用いて判定する(S4604)。この判定により、演出保留画像分裂予告演出(以下単に「分裂予告演出」ともいう)を実行するか否かを決定する。演出保留画像分裂予告演出については、後に詳述するが、図49の(d)および(e)に示すように、単一のオブジェクト画像(図49(d)のホールケーキの画像202)からなる演出保留画像を、複数のオブジェクト画像(図49(e)のカットケーキの画像203a〜203d)からなる演出保留画像群203へ変化させる演出である。つまり、通常態様とは異なる特殊態様にて演出保留画像を表示する演出である。なお本形態では、図49(d)のホールケーキの画像は、第1特別態様の演出保留画像(第1特別演出保留画像)であり、図49(e)のカットケーキの画像は、第2特別態様の演出保留画像(第2特別演出保留画像)である。
【0181】
ステップS4604の判定においては、ステップS4601での始動入賞コマンドの解析結果が、大当たりか否か、また疑似連回数はいくつかに応じて、異なる判定テーブルを用いることとしている。これにより、大当たりである場合の方が、ハズレである場合よりも分裂予告演出が実行され易くなるようにしている。また、疑似連回数が多い場合の方が、疑似連回数が少ない場合よりも分裂予告演出が実行され易くなるようにしている。
【0182】
ステップS4604の判定結果が分裂なしであれば(S4604でNO)、演出保留画像の最終的な表示態様(最終態様)は、通常態様(図49(a)のシュークリームの画像201つまり通常演出保留画像)である。そのため、最終態様データとして、通常演出保留画像に対応する「00H」をRAM94の所定の記憶領域にセットして、処理を終える。
【0183】
一方、ステップS4604の判定結果が分裂ありであれば(S4604でYES)、演出保留画像の最終態様は、第2特別態様(図49(e)のカットケーキの画像つまり第2特別演出保留画像)である。そのため、最終態様データとして、「04H」、「03H」、又は「02H」をRAM94の所定の記憶領域にセットするとともに、続いて保留変化乱数を取得する(S4605)。
【0184】
ここで、演出保留画像の最終態様は、疑似連回数によって異なる。疑似連回数が4回であれば最終態様データとして、4個の第2特別演出保留画像からなる演出保留画像群に対応する第2特別態様データ「04H」をRAM94の所定の記憶領域にセットする。また、疑似連回数が3回であれば最終態様データとして、3個の第2特別演出保留画像からなる演出保留画像群に対応する第2特別態様データ「03H」をRAM94の所定の記憶領域にセットする。また、疑似連回数が2回であれば最終態様データとして、2個の第2特別演出保留画像からなる演出保留画像群に対応する第2特別態様データ「02H」をRAM94の所定の記憶領域にセットする。
【0185】
ステップS4605の保留変化乱数の取得処理では、保留変化乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値を、第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95bにおけるステップS4601で解析した始動入賞コマンドが記憶されている記憶領域の保留変化乱数記憶領域(図6(d)参照)に記憶する。そして、続くステップS4606で、ステップS4605で取得した保留変化乱数を、図48に示す保留変化乱数判定テーブルを用いて判定する。これにより、演出保留画像の変化態様(変化シナリオ)を決定する(S4606)。演出保留画像の変化シナリオとは、特図保留(特別図柄の変動表示を実行する権利)が発生してから消滅するまでの間におけるその特図保留に対応する演出保留画像の表示態様の推移の様子のことである。
【0186】
この変化態様の判定においては、図48に示すように、ステップS4604の判定の結果としてセットされた最終態様データの種類と、ステップS4601での始動入賞コマンドの解析結果である保留個数の情報に応じて、異なる判定テーブルを用いることとしている。なお保留個数の情報は、特図保留演出カウンタのカウンタ値に基づいて取得してもよい。具体的な変化シナリオの内容については後述する。
【0187】
次いで、演出制御用マイコン91は、ステップS4606で決定した変化シナリオに対応する変化シナリオデータ(図48参照)をRAM94の所定の記憶領域にセットする。その後、先読み保留演出の実行回数をカウントする先読み保留演出カウンタに、現在の特図保留演出カウンタのカウンタ値をセットして(S4608)、処理を終える。ここで先読み保留演出とは、始動入賞コマンドの解析結果に基づいて演出保留画像を通常の表示態様ではない態様で表示する演出をいう。
【0188】
[変動演出開始処理]図43に示すように、変動演出開始処理(S4405)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動パターン指定コマンド(S1616でセット)を解析する(S4701)。変動パターン指定コマンドには、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図10参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
【0189】
次に演出制御用マイコン91は、現在のモードステータスを参照する(S4702)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄可変表示演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では、モードステータスは「1」〜「3」までの値をとり、各値は演出モードA〜Cに対して割り当てられている。そして、演出モードAは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行されるようになっている。従って、演出モードがA〜Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができるようになっている。
【0190】
モードステータスの参照(S4702)に続いて演出制御用マイコン91は、演出図柄可変表示演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S4703)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動パターン指定コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
【0191】
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S4704)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類および変動パターンの種類(図10のP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動パターン指定コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、例えばスーパーリーチの種類(スーパーリーチAを行うのか、スーパーリーチBを行うのか)等まで含めた演出図柄可変表示演出(以下「変動演出」ともいう)の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
【0192】
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S4705)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動パターン指定コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
【0193】
そして、選択した演出図柄、変動演出パターン、及び予告演出にて演出図柄可変表示演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4706)、変動演出開始処理を終了する。ステップS4706でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4305)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄可変表示演出を行う。
【0194】
ここで、ステップS4704において、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが図10に示すP1〜P5、P8〜P11、P14〜P17、P31〜P35、P38〜P41、P44〜P47のいずれかであった場合には、選択される変動演出パターンは、疑似連を実行する変動演出パターンとなる。従って、このような変動演出パターンが選択されたことを内容とする変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、指定された回数の疑似連を伴う演出図柄可変表示演出を画像表示装置7の表示画面7aにて行うこととなる。
【0195】
なお演出図柄可変表示演出における最終的な停止図柄の組み合わせとしては、16R確変大当たりへの当選時は「333」や「777」等の特定の奇数図柄のゾロ目、8R確変大当たり又は8R通常大当たりへの当選時は「111」等の特定の奇数図柄ではない奇数図柄や「666」等の偶数図柄のゾロ目、リーチ有りハズレの場合は「787」などのバラケ目、リーチ無しハズレの場合は「635」などのバラケ目が選択されるようになっている。なお、上述の演出図柄の停止表示の態様は一例であり、大当たり抽選の結果に対して演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
【0196】
[保留数減算処理]図44に示すように、保留数減算処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている変動パターン指定コマンドを解析する(S4801)。そして、解析した変動パターン指定コマンドが第1始動口20への入賞に基づくコマンドであるか否かを判定する(S4802)。第1始動口20への入賞に基づくコマンドである場合には(S4802でYES)、RAM94に設けられている第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに(S4803)、第1特図保留消滅フラグをONして(S4804)、ステップS4807に進む。
【0197】
一方、ステップS4802において第1始動口20への入賞に基づくコマンドでない場合には(S4802でNO)、RAM94に設けられている第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに(S4805)、第2特図保留消滅フラグをONして(S4806)、ステップS4807に進む。
【0198】
ステップS4807では、演出制御用マイコン91は、RAM94の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶されているデータのシフト処理を行う。このシフト処理では、第1記憶領域〜第4記憶領域に記憶されている各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。例えば、第1特図保留演出記憶部95aの第4記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域にシフトされ、第4記憶領域はクリアされる。また、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95a及び第2特図保留演出記憶部95bに共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95c(図6(a))にシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。これにより、前回の変動演出に係るデータは消去される。
【0199】
続いて演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の記憶領域に変化シナリオデータがセットされているか否かを判定する(S4808)。変化シナリオデータがセットされていなければ(S4808でNO)、処理を終える。一方、変化シナリオデータがセットされていれば(S4808でYES)、先読み保留演出の実行中であるので、先読み保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算してから(S4809)、処理を終える。
【0200】
[変動演出終了処理]図45に示すように、変動演出終了処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンド(S2102でセット)を解析するとともに(S4901)、モードステータスを参照する(S4902)。次に、いま変動を停止しようとしている特別図柄の変動表示の結果が大当たりか否か判定し、つまり特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を確認し(S4903)、大当たりであればモードステータス変更処理(S4904)を行って、ステップS4909に進む。
【0201】
モードステータス変更処理(S4904)では、いま変動を停止しようとしている特別図柄の変動表示の結果が、8R通常大当たりであれば、モードステータスを「2」(演出モードBに対応するモードステータス)にセットし、16R確変大当たり又は8R確変大当たりであればモードステータスを「3」(演出モードCに対応するモードステータス)にセットする。なおモードステータスの初期値は「1」(演出モードAに対応するモードステータス)である。このようなモードステータスの変更により、次回の特別図柄の変動表示に並行して実行される演出図柄可変表示演出における演出モードが、変更後のモードステータスに対応した演出モードに変更される。
【0202】
さらにモードステータス変更処理(S4904)では、変更後の演出モードでの特別図柄の変動表示の回数に上限を設けるため、変更後の演出モードに対応した演出モードカウンタの値Mに上限回数をセットする。具体的には、演出モードBへの変更時には演出モードカウンタの値Mbに100をセットする。また、演出モードCへの変更時には演出モードカウンタの値Mcに10000をセットする。なお、演出モードAには、その演出モードでの特別図柄の変動表示の回数に上限はない。
【0203】
ステップS4903にてNOであれば、続いて演出制御用マイコン91は、モードステータスが「1」か否か、即ち演出モードAか否かを判定する(S4905)。そして、モードステータスが「1」であれば、ステップS4909に進む。一方、モードステータスが「1」でなければ、現在の演出モードに対応する演出モードカウンタの値M(Mb又はMc)を1ディクリメントして(S4906)、その値Mが「0」にならなければ(S4907でNO)そのままステップS4909に進む。これに対して、「0」になれば(S4907でYES)、演出モードAに戻すためにモードステータスに「1」をセットしてから(S4908)ステップS4909に進む。ステップS4909では、演出制御用マイコン91は、演出図柄可変表示演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0204】
[特図保留演出制御処理]図46に示すように、特図保留演出制御処理(S4302)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1特図保留発生フラグ、第2特図保留発生フラグ、第1特図保留消滅フラグ、又は第2特図保留消滅フラグのいずれかがONされているか否かを判定する(S5001)。これらのフラグのいずれかがONされていることは、第1特図保留の数(U1)や第2特図保留の数(U2)の変化に基づく演出保留画像の表示の変更のタイミングであることを意味する。
【0205】
演出制御用マイコン91は、上記のいずれのフラグもONされていない場合には(S5001でNO)、処理を終了する。一方、上記のいずれかのフラグがONされている場合には(S5001でYES)、フラグの内容を確認する(S5002)。すなわち、第1特図保留発生フラグ、第2特図保留発生フラグ、第1特図保留消滅フラグ、又は第2特図保留消滅フラグのいずれがONされているかを確認する。これにより、変化する特図保留は第1特図保留なのか第2特図保留なのかを確認するとともに、特図保留の数が増加するのか減少するのかを確認する。
【0206】
続いて演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値及び第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を確認する(S5003)。これにより、特図保留の数の変化によって特図保留の数がいくつになるのかを確認する。
【0207】
さらに演出制御用マイコン91は、変化シナリオデータがセットされているか否かを判定する(S5004)。セットされていなければ(S5004でNO)、そのままステップS5006へ進む。一方、セットされていれば(S5004でYES)、セットされている変化シナリオデータ及び先読み保留演出カウンタのカウンタ値を確認して(S5005)、表示すべき態様に応じた特図保留表示態様データを保留表示態様データ記憶領域(図6(d)参照)に上書きする。そして続くステップS5006では、ステップS5002で確認したフラグの内容、ステップS5003で確認した第1特図保留演出カウンタ及び第2特図保留演出カウンタのカウンタ値、並びに、ステップS5005で確認した変化シナリオデータ及び先読み保留演出カウンタのカウンタ値(つまり保留表示態様データ記憶領域に格納された特図保留表示態様データ)に基づいて、演出保留画像の表示制御の内容を示す特図保留演出制御コマンドを生成する(S5006)。そして、この特図保留演出制御コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5007)。
【0208】
ステップS5007でセットされた特図保留演出制御コマンドが、コマンド送信処理(S4305)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出保留画像の表示制御を行う。この演出保留画像の表示制御の詳細については後述する。
【0209】
続いて演出制御用マイコン91は、先読み保留演出カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する(S5008)。先読み保留演出カウンタのカウンタ値が「0」ではない場合には(S5008でNO)、そのままステップS5010に進む。これに対して、先読み保留演出カウンタのカウンタ値が「0」ある場合には(S5008でYES)、変化シナリオデータをクリアしてから(S5009)、ステップS5010に進む。ステップS5010では、ステップS5002で確認したフラグをOFFする。そして本処理を終える。
【0210】
7.演出保留画像の表示制御
次に演出保留画像の表示制御について詳細に説明する。その前に本形態における演出保留画像の表示態様の種類について改めて述べる。本形態では、演出保留画像の表示態様として、通常態様と第1特別態様と第2特別態様とがある。通常態様(通常演出保留画像)は、通常の表示態様であり、本形態ではシュークリームの画像201(図49(a)参照)である。第1特別態様(第1特別演出保留画像)は、その演出保留画像に対応する特図保留に基づき実行される演出図柄可変表示演出において疑似連が実行されることを示唆する特別な表示態様であり、本形態ではホールケーキの画像202(図49(d)参照)である。第2特別態様(第2特別演出保留画像)は、その演出保留画像に対応する特図保留に基づき実行される演出図柄可変表示演出において実行される疑似連の回数を示唆する特別な表示態様であり、本形態ではカットケーキの画像203a〜203d(図49(e)参照)である。この第2特別演出保留画像は、第1特別演出保留画像が変化することにより表示される画像である。
【0211】
では演出保留画像の表示制御の説明に入る。前提として、現在の第1特図保留の数が「3」であり、これらについての事前判定の結果(始動入賞コマンドを解析した結果)は、疑似連なしとする。このような場合には、画像表示装置7の表示画面7aには、図49(a)に示すように、第1特図保留があることを示す3つの通常態様の演出保留画像(通常演出保留画像201)が表示されている。なお本形態のパチンコ遊技機1は、変動表示中の数値情報に対応する演出保留画像も表示画面7aに表示されるようになっている。この例では、皿に載っているように表示されている通常演出保留画像201が、変動表示中の数値情報に対応する演出保留画像である。図49の各図においては、表示画面7aとともに第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bの様子も示している。これは、以降の説明で用いる図50図52および図54についても同様である。
【0212】
このような状態において、第1始動口20に遊技球が入賞すると、主制御基板80は第1始動入賞コマンドを特定してサブ制御基板90に送信する(S213,S214,S101)。これを受信したサブ制御基板90は、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「4」に更新するとともに(S4505)、第1特図保留発生フラグをONする(S4506)。ここで、主制御基板80により特定された始動入賞コマンドは「E1H44H」(16R大当たり+疑似連4回、図11参照)であり、サブ制御基板90による先読み演出判定処理(図42)では、当該入賞に係る演出保留画像の最終態様として「第2特別態様(最終態様データは04H)」(図47参照)が選択され(S4604)、演出保留画像の変化シナリオとして変化シナリオデータ「41H」(図48参照)が選択された(S4606)とする。この場合には、演出保留画像の変化シナリオデータ「41H」がセットされ(S4607)、先読み保留演出カウンタに先読み保留演出の実行回数として「4」がセットされる(S4608)。
【0213】
そしてサブ制御基板90による特図保留演出制御処理(図46)では、これらの結果に基づいて生成された特図保留演出制御コマンドがセットされる(S5007)。そしてこのコマンドが出力されることにより(S4305)、図49(b)に示すように、4個目の特図保留に対応する演出保留画像として、第1特別態様の演出保留画像(ホールケーキの画像202)が表示されることとなる。すなわち、第1始動口20への入賞時にその入賞に対する演出保留画像として第1特別演出保留画像202が表示されることとなる。
【0214】
いま選択されている変化シナリオ(変化シナリオデータ「41H」)は、図48に示すように、2個目の特図保留に対応する演出保留画像までは第1特別態様(ホールケーキ)にて表示し、1個目の特図保留に対応する演出保留画像からは第2特別態様(カットケーキ)にて表示するシナリオである。すなわち、演出保留画像の態様が第1特別態様から第2特別態様に変化するシナリオである。そのため、図49に示すように、保留3個目および保留2個目まではホールケーキの態様をとっているが(図49(c),(d)参照)、保留1個目では複数の第2特別態様の演出保留画像(カットケーキの画像203a〜203d)からなる演出保留画像群203に変化する(図49(e))。
【0215】
具体的には、この演出保留画像群203に係る第1特図保留よりも一つ先に記憶された第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示が実行されるときに、変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、保留数減算処理(図44)において、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」に更新するとともに(S4803)、第1特図保留消滅フラグをONし(S4804)、さらに先読み保留演出カウンタのカウンタ値を「1」に更新する(S4809)。そして特図保留演出制御処理(図46)において、これらの結果及び変化シナリオデータが「41H」であることに基づいて特図保留演出制御コマンドが生成される(S5006)。そしてこのコマンドが出力されることにより(S4305)、図49(e)に示すように、1個目の特図保留に対応する演出保留画像として、複数の第2特別態様の演出保留画像(カットケーキの画像203a〜203d)が表示されることとなる。すなわち、第1特別演出保留画像202が複数の第2特別演出保留画像203a〜203dからなる演出保留画像群203に変更されることとなる。このような演出保留画像の表示態様の変更は、遊技者に対してあたかもホールケーキ(第1特別演出保留画像202)が複数のカットケーキ(第2特別演出保留画像203a〜203d)に分裂したかのような印象を与える。そのため、このような演出保留画像の表示態様の変更を分裂表示と称することがある。
【0216】
ここでこの例では、演出保留画像群に係る始動入賞コマンドは、疑似連4回を示すコマンドである。そのため、演出保留画像群としては、4個の第2特別演出保留画像203a〜203dからなる演出保留画像群203を表示している。なお、始動入賞コマンドが疑似連3回を示すコマンドである場合には、演出保留画像の最終態様データとして03Hがセットされ(図47参照)、変化シナリオデータとして31H〜36Hのいずれかがセットされるため(図48参照)、演出保留画像群としては3個の第2特別演出保留画像からなる演出保留画像群が表示される。また、始動入賞コマンドが疑似連2回を示すコマンドである場合には、演出保留画像の最終態様データとして02Hがセットされ(図47参照)、変化シナリオデータとして21H〜26Hのいずれかがセットされるため(図48参照)、演出保留画像群としては2個の第2特別演出保留画像からなる演出保留画像群が表示される。
【0217】
そしてこの演出保留画像群203に係る特図保留の変動表示が実行されるときには、変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、保留数減算処理(図44)において、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「0」に更新するとともに(S4803)、第1特図保留消滅フラグをONし(S4804)、さらに先読み保留演出カウンタのカウンタ値を「0」に更新する(S4809)。そして特図保留演出制御処理(図46)において、これらの結果及び変化シナリオデータが「41H」であることに基づいて特図保留演出制御コマンドを生成するとともに(S5006)、該コマンドをセットする(S5007)。そしてこのコマンドが出力されることにより(S4305)、図49(f)に示すように、演出保留画像群203を構成する4個の第2特別演出保留画像203a〜203dのうち最も左側(消される側)に表示されている第2特別演出保留画像203aが皿の上に載るように表示され、残りの3個の第2特別演出保留画像203b〜203dが皿の上に載らないかたちで表示される。
【0218】
ここで、この演出保留画像群203に係る特図保留の変動表示に伴って実行される演出図柄可変表示演出では、4回の疑似連が実行される。つまり、ステップS1408の特図1変動パターン選択処理では、変動パターンとして変動時間が50秒のP1(図10参照)が選択される。本形態では、変動パターンP1は、1回目の変動表示(図49(f))と仮停止表示(図50(a))をはじめの10秒を使って行い、2回目の変動表示(再変動表示、図50(b))と仮停止表示(図50(c))を次の10秒を使って行い、3回目の変動表示(再変動表示、図50(d))と仮停止表示(図50(e))をさらに次の10秒を使って行い、4回目の変動表示(再変動表示、図50(f))とスーパーリーチに発展するリーチ演出と最終的な停止表示(確定停止表示)とを残りの20秒を使って行う変動パターンである。
【0219】
したがって、図49(f)および図50(b),(d),(f)に示すように、演出保留画像群203に係る特図保留の変動表示においては、演出図柄8L,8C,8Rの再変動表示の度に、演出保留画像群203を構成する第2特別演出保留画像(カットケーキの画像)を一つ消し、次の第2特別演出保留画像(消した第2特別演出保留画像の右隣りに表示していた第2特別演出保留画像)が皿の上に載るように第2特別演出保留画像をシフト表示するようにしている。具体的には、4個ある第2特別演出保留画像(カットケーキの画像)の数が10秒毎に一つ減り、残りの第2特別演出保留画像が左にシフト表示されるような画像データを、画像制御基板100のROM103に格納しておき、これを実行するようにしている。なお、当該変動用のデータとして、第2特別演出保留画像の数が4個の画像データと、第2特別演出保留画像の数が3個の画像データと、第2特別演出保留画像の数が2個の画像データと、特殊保留演出画像の数が1個の画像データとを画像制御基板100のROM103に格納しておき、タイマにより10秒をカウントして、10秒毎に1個ずつ第2特別演出保留画像の数が減少するように画像データを切り変えるようにしてもよい。また、疑似連回数が3回である場合も、2回である場合も、表示画面7aに表示している第2特別演出保留画像の個数を再変動表示の度に1個ずつ消して、次の第2特別演出保留画像が皿の上に載るように第2特別演出保留画像をシフト表示するようにしている(図48の当該変動の変化シナリオの欄参照)。
【0220】
次に、変化シナリオとして、変化シナリオデータ42Hが選択された場合について説明する。変化シナリオデータ42Hは、図48に示すように、始動口への入賞時には通常態様の演出保留画像(シュークリームの画像201)を表示するものの、演出保留画像の表示位置がシフトされるタイミングで(ここでは3個目の特図保留を示すものとして表示されるタイミングで)、第1特別態様の演出保留画像(ホールケーキの画像202)に変化するという変化シナリオのデータである。
【0221】
ここで、図51に基づいて具体的に説明する。図51(a)は、第1特図保留の数が「3」であり、その全てが通常演出保留画像201である場合を示している。ここに、新たな第1始動口20への入賞があり、その入賞に基づき特定された始動入賞コマンドを受信したサブ制御基板90が、先読み演出判定処理(図42)において変化シナリオデータ42Hを選択したとする(S4606)。このような場合、ステップS5007でセットされた特図保留演出制御コマンドを受信した画像制御基板100は、図51(b)に示すように、4個目の第1特図保留を示す演出保留画像として、まず通常演出保留画像(シュークリームの画像201)を表示する。
【0222】
そして、次の特別図柄の変動表示時に、この通常演出保留画像(シュークリームの画像201)を、3個目の第1特図保留を示す演出保留画像としてそのままシフトして表示するのではなく、図51(c)に示すように、シフト表示したあと第1特別演出保留画像(ホールケーキの画像202)に変化させる。その後は、図49(d)以降の表示制御と同じである。なお、このような演出保留画像の表示変化を行うときにステップS5007でセットされる特図保留演出制御コマンドは、演出保留画像の表示態様を制御するための特図保留表示態様データとして第1特別態様データ「01H」(図48の備考参照)を指定するコマンドとなっている。
【0223】
なお、上記した分裂予告演出についての説明は、保留4個目として入賞した数値情報が疑似連4回を示していた場合の説明である。保留3個目、保留2個目、保留1個目として入賞した場合や、疑似連回数が3回や2回の場合については、図48に示す通りである。従って、これらの場合についての詳細な説明は省略する。
【0224】
また、図49(e)に示す状態から新たな始動入賞があった場合には、図52に示すように、第1特図保留の上限個数を超える数のオブジェクト画像が、第1特図保留を示す演出保留画像として表示されることとなる。つまり、演出保留画像群203を構成する4個のオブジェクト画像203a〜203dと、新たな始動入賞に係る1個のオブジェクト画像201とで、4個を超えるオブジェクト画像が表示されることとなる。しかし、このような場合であっても、第1特図保留表示器43aは、第1特図保留の数(2個)を正しく表示している。従って、本形態のパチンコ遊技機1は、特図保留の数について誤解されにくい遊技機となっている。
【0225】
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1では、図49(d),(e)に示すように、単一のオブジェクト画像(ホールケーキの画像202)からなる演出保留画像を複数のオブジェクト画像(カットケーキの画像203a〜203d)からなる演出保留画像群203に変更することがあるため、遊技者に対して、特図保留が増えたような印象を与えることができる。すなわち、遊技者に対してお得感を与えることができる。これにより、新たな興趣を提供することができる。
【0226】
また本形態のパチンコ遊技機1では、演出保留画像群203を構成するオブジェクト画像の個数(図49(e)のカットケーキの画像203a〜203dの個数)は、その演出保留画像群203に係る演出図柄可変表示演出における演出図柄の変動表示の回数(疑似連回数)と同じである。従って、演出保留画像群203によって、疑似連回数を報知することができる。しかも本形態では、変動表示の回数が多いほど大当たりの期待度が高くなるようにしている(図10)。従って、遊技者は、演出保留画像群203を構成するオブジェクト画像の個数によって大当たり期待度も知ることができる。
【0227】
また本形態のパチンコ遊技機1では、演出保留画像群203を構成する複数のオブジェクト画像(カットケーキの画像203a〜203d)は、演出保留画像群203に係る演出図柄可変表示演出における再変動表示の度に一つずつ消えるように制御される(図50)。従って、演出図柄可変表示演出における演出図柄8L,8C,8Rの変動態様のみならず演出保留画像の変化態様まで含めて、あたかも複数回の特別図柄の変動表示がなされているように見せることができる。つまり、複数回の特別図柄の変動表示がなされているような印象をより強く遊技者に与えることができる。
【0228】
なお、従来の疑似連を実行可能な遊技機では、あくまで一変動であるという認識を遊技者に強く与えている面があった。その理由の一つは、表示されている演出保留画像の数(オブジェクト画像の数)が、特図保留の数と完全に一致していたから、つまり疑似連が実行される変動であっても表示画面7aに表示される演出保留画像の数は一つだったからだと考えられる。これに対して本形態では、疑似連が実行される変動では、再変動表示を含む変動表示の回数と同じ数の演出保留画像が表示されることがあり(図49)、しかもその演出保留画像は再変動表示の度に一つずつ消されていく(図50)。そのため、あたかも複数回の特別図柄の変動表示がなされているように見せることが可能となっている。
【0229】
また本形態のパチンコ遊技機1では、特図保留の数を正しく表示する特図保留表示器43を備えている。そのため、演出保留画像の表示態様によって上述のような興趣を遊技者に与えつつも、特図保留の個数について誤解されにくい遊技機となっている。
【0230】
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0231】
〈第2形態〉
図53及び図54に基づいて本発明に係る第2形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では、第1特別演出保留画像202を複数の第2特別演出保留画像203a〜203dからなる演出保留画像群203に分裂表示する契機は、図48に示すように、演出保留画像の表示位置のシフト時であった。これに対して第2形態では、第1特別演出保留画像202から演出保留画像群203への分裂表示の契機を、演出ボタン63の操作時としている。より詳細には、予め定めた有効期間内(例えば4秒間)に演出ボタン63が予め定めた回数(例えば8回)操作された時としている。具体的には、演出制御用マイコン91は、10msタイマ割り込み処理(図39)における演出ボタン検出スイッチ処理(S4304)として、図53のフローチャートにて示す処理を実行する。
【0232】
[演出ボタン検出スイッチ処理]図53に示すように、演出ボタン検出スイッチ処理(S4304)ではまず、演出制御用マイコン91は、演出ボタン検出スイッチ63aがONされたか否かを判定する(S5101)。ここでは、演出ボタン検出スイッチ63aがONされたか否かは、スイッチ状態取得処理(S4303)にて格納されたスイッチデータに基づいて判定される。そしてONされたと判定しなかった場合には(S5101でNO)処理を終えるが、ONされたと判定した場合には(S5101でYES)、演出ボタン63の有効期間内か否かを判定する(S5102)。ここで、演出ボタンの有効期間(ここでは4秒)は、ステップS5007における特図保留演出制御コマンドのセットに伴って設定される。つまり、選択された変化シナリオにおける変化タイミングに至った時の特図保留演出制御コマンドのセットに伴って、タイマによる4秒の計測が開始される。なお、このときセットされる特図保留演出コマンドは、演出保留画像群への変化を行わせるコマンドではない。
【0233】
ステップS5102において有効期間内でなければ(S5102でNO)処理を終えるが、有効期間内であれば(S5102でYES)、演出ボタン63が操作された回数をカウントする操作カウンタの値を「1」増加させる。続いて、操作カウンタの値が予め定めた値(ここでは「8」)と一致しているか否かを判定する(S5104)。ステップS5104において操作カウンタの値が予め定めた値と一致していなければ(S5104でNO)、処理を終える。一方、操作カウンタの値が予め定めた値と一致していれば(S5104でYES)、演出保留画像の表示態様を、第1特別演出保留画像(ホールケーキの画像202)から疑似連回数に応じた数の第2特別演出保留画像(カットケーキの画像)からなる演出保留画像群に変化させるため、RAM94の保留表示態様データ記憶領域(図6(d)参照)に最終態様データ(04H、03H又は02H)をセットするとともに、そのような表示態様の変化を行うための特図保留演出制御コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5105)。
【0234】
ステップS5105でセットされた特図保留演出制御コマンドが、コマンド送信処理(S4305)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、演出保留画像の表示態様を、第1特別演出保留画像(ホールケーキの画像202)から疑似連回数に応じた数の第2特別演出保留画像(カットケーキの画像)からなる演出保留画像群に変化させる。
【0235】
次にこのような演出ボタン63を用いた演出保留画像の表示変化について、表示画面7aを示す図54を用いて説明する。ここでの説明の前提は、第1形態の説明で用いた図49(d)に示す状態とする。図49(d)に示す状態(第1特図保留の2個目として第1特別演出保留画像(ホールケーキの画像202)が表示されている状態)から、次の特別図柄の変動表示が実行されると、変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、保留数減算処理(図44)において、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」に更新するとともに(S4803)、第1特図保留消滅フラグをONし(S4804)、さらに先読み保留演出カウンタに「1」をセットする(S4809)。
【0236】
そして特図保留演出制御処理(図46)において、これらの結果及び変化シナリオデータが「41H」であることに基づいて特図保留演出制御コマンドを生成してセットする(S5006,S5007)。この特図保留演出制御コマンドのセットに伴い、演出ボタン63の有効期間(4秒)のカウントが開始される。そしてこのコマンドが出力されることにより(S4305)、図54(a)に示すように、1個目の特図保留に対応する演出保留画像としてまず、第1特別演出保留画像(ホールケーキの画像202)と演出ボタン63を連打する旨を指示する表示がなされる。
【0237】
このような表示を見た遊技者が、4秒の有効期間内に演出ボタン63を8回以上連打操作すれば、演出ボタン検出スイッチ処理(図53)のステップS5104においてYESと判定される。YESと判定された場合には、上述の通り、ステップS5105において分裂表示を行うための特図保留演出制御コマンドがセットされる。そしてこのコマンドが出力されることにより(S4305)、図54(b)に示すように、1個目の特図保留に対応する演出保留画像として、複数の第2特別演出保留画像(カットケーキの画像203a〜203d)からなる演出保留画像群203が表示されることとなる。すなわち、第1特別演出保留画像202が複数の第2特別演出保留画像203a〜203dからなる演出保留画像群203に変更されることとなる。なお、この後の演出保留画像の変化態様については、図49(f)および図50に示す通りである。
【0238】
以上説明したように、第2形態の遊技機では、予め定めた期間内に特定の条件が満たされるように遊技者により演出ボタン63が操作されたことに基づいて(ここでは4秒以内に8回以上、演出ボタン63が操作されたことに基づいて)、演出保留画像群203への分裂表示を実行することとしている。そのため、遊技者に対して自らの手で演出保留画像の個数を増加させたという達成感を与えることができ、遊技興趣を向上させることができる。
【0239】
なお、有効期間内に所定回数の演出ボタン63の操作がなされなかったときには、有効期間の経過を契機に分裂表示を行うようにすればよい。若しくは、分裂表示を行わず、第1特別態様の演出保留画像のまま表示するようにしてもよい。また、演出ボタン63の操作回数は任意に変更可能であり、例えば1回でもよい。
【0240】
〈その他の変更例〉
上記の実施形態では、演出保留画像を表示する表示画面7a上の表示領域を設定していなかったが、もちろん、何個目の特図保留に対応する演出保留画像であるかに応じて表示画面7a上の表示領域が決まっているようにしてもよい。つまり、図55に示すように、表示画面7a上に、第1特図保留に対応する演出保留画像の表示領域(第1演出保留表示領域301)と、第2特図保留に対応する演出保留画像の表示領域(第2演出保留表示領域302)と、当該変動に対応する演出保留画像の表示領域(当該変動用演出保留表示領域303)とが設定されていてもよい。この場合、第1演出保留表示領域301は、1個目の第1特図保留に対応する第1表示領域301a、2個目の第1特図保留に対応する第2表示領域301b、3個目の第1特図保留に対応する第3表示領域301c、および4個目の第1特図保留に対応する第4表示領域301dからなっている。また、第2演出保留表示領域302は、1個目の第2特図保留に対応する第1表示領域302a、2個目の第2特図保留に対応する第2表示領域302b、3個目の第2特図保留に対応する第3表示領域302c、および4個目の第2特図保留に対応する第4表示領域302dからなっている。このように構成した場合には、図49(e)に示した表示画面7aの内容は、図55に示すように表示されることとなる。すなわち、複数の第2特別演出保留画像(カットケーキの画像203a〜203d)からなる演出保留画像群203であっても、全ての第2特別演出保留画像が一つの表示領域(ここでは第1表示領域301a)内に表示されることとなる。
【0241】
また上記実施形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
【0242】
また上記実施形態では、数値情報(第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する各種乱数値の情報)がその数値情報に基づく演出図柄可変表示演出において疑似連を行うものである場合に、その数値情報を特定の数値情報と判定して(ステップS4602でYESと判定して)、分裂予告演出を行うか否かの抽選を行う(ステップS4603以降の処理を実行する)よう構成した。これに対して、数値情報がその数値情報に基づく演出図柄可変表示演出においてリーチを行うものである場合に、その数値情報を特定の数値情報と判定して、分裂予告演出を行うか否かの抽選を行うよう構成してもよい。この場合、大当たりのときにはハズレのときよりも高い確率で分裂予告演出が出現するようにしてもよい。つまり、分裂予告演出は、疑似連回数の報知でなく、単に大当たり期待度を示唆するものとして行ってもよい。なお、分裂数は一定でもよいし、分裂数が多いほど大当たり期待度が高くなるように設定してもよい。また、この場合の数値情報は、少なくともリーチの有無を判定することができる情報であればよい。さらには、数値情報が大当たりとなるものである場合に、その数値情報を特定の数値情報と判定して、分裂予告演出を行うか否かの抽選を行うよう構成してもよい。つまり、分裂予告演出を大当たり確定報知として行ってもよい。この場合の数値情報は、少なくとも大当たりか否かを判定することができる情報であればよい。なお、上記実施形態のように数値情報が疑似連を行うものである場合にその数値情報を特定の数値情報と判定して分裂予告演出を行うか否かの抽選を行うようにしたときには、特定の数値情報に基づく演出図柄可変表示演出において疑似連以外の演出(例えば所謂ステップアップ予告演出など)を行うことは勿論許容される。
【0243】
また上記実施形態では、最大の疑似連回数を4回に設定したが、4回以上にわたる疑似連を行うものでもよい。つまり疑似連の回数は任意に設定することができる。この場合も、その疑似連回数に応じた数のオブジェクト画像からなる演出保留画像群を表示するように構成すればよい。また上記実施形態では、疑似連を行う際の変動開始(再変動の開始も含む)から仮停止を経た次の変動開始までの時間を10秒としたが、何秒に設定してもよい。
【0244】
また上記実施形態では、疑似連は、演出図柄8L,8C,8Rがリーチとなる前に仮停止と再変動がなされるものであったが、仮停止と再変動の発生タイミングはリーチとなった後でもよい。
【0245】
また、始動入賞コマンドの生成に関するルール(図11参照)は、適宜変更してもよい。例えば、始動入賞コマンドに特図保留の数の情報や遊技状態の情報を含めないようにしてもよい。また、始動入賞コマンドに確変大当たりか否かの情報を含めるようにしてもよい。確変大当たりか否かの情報を含めるようにした場合には、確変大当たり且つ疑似連ありのときの方が、非確変大当たり(通常大当たり)且つ疑似連ありのときよりも分裂予告演出が実行されやすくしてもよい。そうすれば、分裂予告演出によって確変期待度を示唆することが可能となり、遊技興趣が向上する。
【0246】
また上記実施形態では、単一の第1特別態様の演出保留画像(ホールケーキの画像202)が複数の第2特別態様の演出保留画像(カットケーキの画像203a〜203d)からなる演出保留画像群203に変化するように構成した(図49(d),(e)参照)。これに対して、単一の通常態様の演出保留画像から複数の第2特別態様の演出保留画像に変化するように構成してもよい。つまり、第1特別態様の演出保留画像を経ないで通常態様の演出保留画像から演出保留画像群に変化するように構成してもよい。
【0247】
また上記実施形態では、演出保留画像群203を構成するオブジェクト画像(カットケーキの画像203a〜203d)の個数は、その演出保留画像群203に係る演出図柄可変表示演出における再変動を含む変動回数と一致していた。これに対して、演出保留画像群を構成するオブジェクト画像の個数が、変動回数の最低保障回数を示すように構成してもよい。具体的には、疑似連4回の場合に実行される分裂予告演出としては、4個のオブジェクト画像からなる演出保留画像群に変化する場合があるほか、3個のオブジェクト画像からなる演出保留画像群に変化する場合や、2個のオブジェクト画像からなる演出保留画像群に変化する場合があるということである。また、疑似連3回の場合に実行される分裂予告演出としては、3個のオブジェクト画像からなる演出保留画像群に変化する場合があるほか、2個のオブジェクト画像からなる演出保留画像群に変化する場合があるということである。このような構成を実現するためには、図47に示す分裂予告乱数判定テーブルを適宜に変更すればよい。
【0248】
また、遊技制御用マイコン81が、始動口への入賞時に、その入賞により取得した各種乱数値のコピー(演出用乱数という)を作成し、その演出用乱数に基づいて大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を、事前に判定して(その入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行前に判定して)、その判定結果を反映させた始動入賞コマンドを生成するようにしてもよい。このようにしても、始動入賞コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドを解析することにより、疑似連の有無を判断することができる。また、遊技制御用マイコン81が、始動口への入賞により取得した各種乱数値の情報をそのまま演出制御用マイコン91に送信し、これを受信した演出制御用マイコン91が、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を事前に判定してもよい。この場合には、演出制御用マイコン91のROM93に各種乱数値の判定テーブルを格納しておく。このようにしても、演出制御用マイコン91は疑似連の有無を判断することが可能となる。
【0249】
また上記実施形態では、演出図柄可変表示演出において疑似連が行われる場合に限って第1特別演出保留画像(ホールケーキの画像202)を表示するように構成したが、疑似連が行われない場合であっても所定の割合で第1特別演出保留画像202が表示されるようにしてもよい。具体的には、始動入賞コマンドの解析結果が疑似連なしの場合に、第1特別演出保留画像202を表示するか否かの抽選を行うようにする。但し、このようにして表示された第1特別演出保留画像202は、演出保留画像群に変化しないものとする。
【0250】
また上記実施形態では、特図保留に対する演出保留画像として、特殊態様の演出保留画像を表示するよう構成した。これに対して、普図保留に対する演出保留画像として、特殊態様の演出保留画像を表示するように構成してもよい。この場合、第1ゲート28又は第2ゲート29が「入球口」に相当する。また、普通図柄乱数が「数値情報」に相当する。また、補助遊技の実行が「所定の利益の付与」に相当する。また、補助遊技の実行により開放される第2始動口が「特定入賞口」に相当する。また、普図保留記憶部86が「保留記憶手段」に相当する。また、普図保留表示器44が「本保留表示手段」に相当する。
【0251】
なお、図49(d)に示す状態において新たな始動口への入賞があり、その新たな始動入賞に対する演出保留画像が通常態様(シュークリームの画像)にて表示された後に、図49(e)に示すように第1特別演出保留画像202が複数の第2特別演出保留画像203a〜203dからなる演出保留画像群203に変化した場合には、演出制御用マイコン91は、所定のタイミングで他の演出保留画像(シュークリームの画像201)の間に複数個の第2特別演出保留画像(カットケーキの画像203a〜203d)を挿入する演出保留画像挿入手段として機能しているともいえる。また演出制御用マイコン91は、他の演出保留画像(シュークリームの画像201)の間に表示している単一の第1特別演出保留画像(ホールケーキの画像202)を消して、複数個の第2特別演出保留画像(カットケーキの画像203a〜2−3d)を挿入しているともいえる。
【符号の説明】
【0252】
1…パチンコ遊技機
3…遊技領域
7…画像表示装置
20…第1始動口
20a…第1始動口センサ
21…第2始動口
21a…第2始動口センサ
43a…第1特図保留表示器
43b…第2特図保留表示器
63…演出ボタン
81…遊技制御用マイコン
84…RAM
85…特図保留記憶部
91…演出制御用マイコン
100…画像制御基板
【要約】
【課題】演出保留画像の表示態様の変化によって、遊技者に対して新たな興趣を提供すること。
【解決手段】保留情報があることを示す演出保留画像を表示する保留画像表示制御手段(演出制御用マイコン91)を備える。保留画像表示制御手段は、事前判定手段による判定結果に基づいて、通常の態様とは異なる特殊態様にて演出保留画像を表示し得るものである。特殊態様は、単一のオブジェクト画像(例えば図49(d)のホールケーキの画像202)からなる演出保留画像を、複数のオブジェクト画像(例えば図49(e)のカットケーキの画像203a〜203d)からなる演出保留画像群203に変更する態様である。
【選択図】図49
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