【実施例】
【0011】
以下、図面と共に本発明によるレゾルバの好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1及び
図2において、符号1で示されるものは、輪状レゾルバステータであり、この輪状レゾルバステータ1の内面には、所定角度間隔で内方へ向けて突出する複数の突出磁極2が形成されている。
前記各突出磁極2には、周知の励磁巻線及び出力巻線からなるステータ巻線3が巻回され、このステータ巻線3は前記輪状レゾルバステータ1の一部において結束固定された信号線3Aによって信号の出入りが行われるように構成されている。
【0012】
前記輪状レゾルバステータ1のステータ巻線3が位置する外側の周縁には、切り欠き4又は孔5又はその両方が形成された輪状の取り付け部6が形成されている。
前記取り付け部6の切り欠き4又は孔5又はその両方を用いて、各種装置又は自動車等の回転装置にレゾルバ8が取り付けられるように構成されている。
【0013】
前記輪状レゾルバステータ1は、
図2及び
図3の断面図に示されるように、一対の輪状磁性体ステータコア1a,1bと、一枚の輪状非磁性体ステータコア1cと、が積層されて構成されている。
前記輪状非磁性体ステータコア1cの第1外径D1は、
図2に特に示されているように、前記輪状磁性体ステータコア1a,1bの第2外径D2より大であり、前記切り欠き4及び孔5は、前記第2外径D2の外側に位置している。
【0014】
前記各輪状磁性体ステータコア1a,1bは、従来の輪状レゾルバステータと同じ磁性材で構成され、その第2外径D2は前記ステータ巻線3の外周面3aとほぼ同一で形成されている。
前記切り欠き4及び孔5は、前記第2外径D2の外側、すなわち、前記ステータ巻線3の外周面3aより外側に露出した状態で配設されている。
【0015】
前記輪状非磁性体ステータコア1cは、非磁性体である、例えば、アルミニウム、樹脂、絶縁材等で形成されているため、この輪状非磁性体ステータコア1cの各切り欠き4又は孔5又はその両方を用いて輪状非磁性体ステータコア1cを図示しない回転装置又は自動車等の回転部に取り付けることによりレゾルバ8が固定されているが、前記各輪状磁性体ステータコア1a,1bは、直接前記回転装置又は自動車等の回転部の導通部に非導通(すなわち、磁路が断たれた状態)となり、この回転装置又は回転部からの磁気的ノイズである不要な磁束が各輪状磁性体ステータコア1a,1b及びステータ巻線3側へ伝わりにくく、従来よりも外部磁束ノズルの影響を大幅に低減することが可能となり、従来用いていた磁気シールド構造等を追加する必要がなく、レゾルバ信号の特性向上、コスト低減等に大きく寄与することができる。
【0016】
また、前述の
図2及び
図3の構成においては、一対の輪状磁性体ステータコア1a,1bを用いた場合について述べたが、例えば、
図4に示されるように、一枚の輪状磁性体ステータコア1aと一枚の輪状非磁性体ステータコア1cによって輪状レゾルバステータ1を構成した場合も前述の
図3の構成と同様の作用効果を得ることができ、その枚数については自在に設定することができる。
尚、前述の各輪状ステータコア1a,1bは、図には示していないが、プレス抜きされた薄い多数の板状のコア片を転積によって積層させた構成である。
【0017】
次に、前述の輪状レゾルバステータ1の内側に回転自在に配設された輪状レゾルバロータ7は、
図5から
図7で示されるように、一対の輪状磁性体ロータコア7a、7bと一枚の輪状非磁性体ロータコア7cを軸方向に沿って積層することによって構成され、前記輪状非磁性体ロータコア7cの第1内径D3は、
図6に示されるように、前記輪状磁性体ロータコア7a、7bの第2外径D4より小である。
【0018】
従って、
図6の構成による前述の輪状レゾルバロータ7に回転軸10を装着する場合、回転軸10を輪状レゾルバロータ7に挿入すると、前記輪状非磁性体ロータコア7cの第1内径D3内に回転軸10が嵌合し、輪状レゾルバロータ7と回転軸10とは前記輪状非磁性体ロータコア7cのみを介して一体状に結合される。
【0019】
前述の場合、絶縁材である前記輪状非磁性体ロータ7cのみが直接前記回転軸10に接続して輪状レゾルバロータ7自体が回転軸10に固定されているため、回転軸10と輪状レゾルバロータ7とは、直接導通することはなく、磁気的な結合も従来よりも大幅に低減され、外部からの磁束による磁気的なノイズも、輪状レゾルバロータ7に伝達されることが低減され、レゾルバ8全体としての出力特性への磁気的な悪影響を大幅に低減することができる。
【0020】
また、前述の
図6に開示された輪状レゾルバロータ7に限らず、例えば、
図7に示されるように、一枚の輪状磁性体ロータコア7aと一枚の輪状非磁性体ロータコア7cとを軸方向に積層させることにより構成することができる。
尚、前述の各ステータコア1a,1b,1c及び各ロータコア7a,7b,7cは、図示していないが、複数のコア片を積層して形成されている。