(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、駆動部材と伝達部材との各歯部の間隙でのふらつきを抑制することができる遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、請求項1の発明は、駆動手段によって駆動される歯部を有する駆動部材と、前記駆動部材の歯部と歯合する歯部を有する伝達部材と、前記伝達部材を介して作動される作動部材と、を有する作動装置を備えた遊技機において、前記作動部材は、前記駆動部材によって、第一位置と該第一位置と異なる第二位置との間を移動するように構成され
、かつ、前記第二位置と移動限界位置となる第三位置との間で移動するように構成されているとともに、前記作動装置には前記作動部材が前記第二位置へ移動したときに前記駆動部材あるいは前記伝達部材のいずれか一方に当接する付勢部材が設けられていて、前記第二位置において、前記付勢部材が前記駆動部材あるいは前記伝達部材のいずれか一方に当接した際にその付勢力によって、前記駆動部材と前記伝達部材のいずれか一方を一側へ付勢して、前記駆動部材の歯部と前記伝達部材の歯部との歯合部に生じる間隙でのふらつきを抑制するふらつき抑制手段を備え
、前記第二位置から前記第三位置への移動において、前記付勢部材がその付勢力によって、前記駆動部材と前記伝達部材のいずれか一方を一側へ常時付勢して、前記第三位置到達時の衝撃を緩衝することを特徴とする遊技機に係る。
【0008】
請求項
2の発明は、前記伝達部材は、前記作動部材に連動して同方向に移動するように構成され、前記付勢部材は、前記伝達部材を前記作動部材の前記第一位置からの移動方向と反対方向に付勢することを特徴とする請求項
1に記載の遊技機に係る。
【0009】
請求項
3の発明は、前記伝達部材が側面の縁部近傍に突部を有する歯車部材からなり、前記付勢部材は、一端に前記伝達部材の突部との当接部を有し回動可能に軸支された付勢片と、該付勢片の他端に設けられて前記当接部に前記突部が当接した際の前記付勢片の回動方向と反対方向に付勢するバネとからなることを特徴とする請求項
2に記載の遊技機に係る。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明に係る遊技機は、駆動手段によって駆動される歯部を有する駆動部材と、前記駆動部材の歯部と歯合する歯部を有する伝達部材と、前記伝達部材を介して作動される作動部材と、を有する作動装置を備えた遊技機において、前記作動部材は、前記駆動部材によって、第一位置と該第一位置と異なる第二位置との間を移動するように構成され
、かつ、前記第二位置と移動限界位置となる第三位置との間で移動するように構成されているとともに、前記作動装置には前記作動部材が前記第二位置へ移動したときに前記駆動部材あるいは前記伝達部材のいずれか一方に当接する付勢部材が設けられていて、前記第二位置において、前記付勢部材が前記駆動部材あるいは前記伝達部材のいずれか一方に当接した際にその付勢力によって、前記駆動部材と前記伝達部材のいずれか一方を一側へ付勢して、前記駆動部材の歯部と前記伝達部材の歯部との歯合部に生じる間隙でのふらつきを抑制するふらつき抑制手段を備え
、前記第二位置から前記第三位置への移動において、前記付勢部材がその付勢力によって、前記駆動部材と前記伝達部材のいずれか一方を一側へ常時付勢して、前記第三位置到達時の衝撃を緩衝するため、各歯部の間隙でのふらつきを抑制することができ、作動部材を直ちに静止させて良好な演出を実行することが可能となる
とともに、第三位置到達時の衝突による作動部材の破損等を抑制することが可能となる。
【0011】
請求項
2の発明は、請求項
1において、前記伝達部材は、前記作動部材に連動して同方向に移動するように構成され、前記付勢部材は、前記伝達部材を前記作動部材の前記第一位置からの移動方向と反対方向に付勢するため、作動部材を簡便に付勢することが可能となって、各歯部の間隙でのふらつきの抑制が容易となる。
【0012】
請求項
3の発明は、請求項
2において、前記伝達部材が側面の縁部近傍に突部を有する歯車部材からなり、前記付勢部材は、一端に前記伝達部材の突部との当接部を有し回動可能に軸支された付勢片と、該付勢片の他端に設けられて前記当接部に前記突部が当接した際の前記付勢片の回動方向と反対方向に付勢するバネとからなるため、伝達部材及び付勢部材を比較的小さな部材で構成することが可能となり、省スペース化を図ることが容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示す実施例の遊技機1は、この発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機(弾球遊技機)である。遊技機1では、遊技台(外枠)2の内側に遊技盤3が着脱交換可能に収容されており、その遊技盤3に遊技球(遊技媒体)の内側ガイドレール4及び外側ガイドレール5が略円形に立設され、前記内側ガイドレール4によって囲まれて遊技球が流下可能な遊技領域6に、遊技球の入賞可能な入賞領域である入賞口等の役物が設けられている。なお、遊技盤3に備えられた釘は省略している。
【0015】
まず、遊技領域6の中心線上に設けられた表示装置9の下方に、普通電動役物である始動入賞口10が配設され、その下方にはアウト口17が配設されている。また、表示装置9の右側には普通図柄変動開始用左ゲート19、その下方に特別電動役物である遊技特典付与装置として大入賞装置(大入賞口とも称される。)15が設けられており、表示装置9の左側には風車22が設けられており、その下方に袖入賞口23,25,27が配設されている。この実施例において、始動入賞口10は、遊技領域6を流下する遊技球を受け入れ可能とすると共に、その入球(入賞)に起因して特別遊技状態(大当たり状態)に移行するか否かの判定を開始するための入球口に相当する。
【0016】
また、遊技機1の前面側には、遊技状態を報知する枠飾りランプ35,36、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿32、上側球受け皿32の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿34、音声や効果音を発して遊技状態を遊技者に報知するスピーカ37、遊技者の遊技操作によって適宜の演出等を操作可能な操作手段60、遊技者による操作ハンドルH1(操作手段)の発射操作に応じて遊技球を遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置H等がそれぞれ組み付けられている。
【0017】
図中の表示装置9(図柄表示手段、判定結果報知手段等を兼ねる。)において、符号43は数字,アルファベット,記号あるいは絵(キャラクタ)等の図柄を変動表示及び停止表示(最終的に確定表示する前の仮停止表示を含む、以下同じ)可能な図柄表示装置、49はセンター飾りを有する表示装置9の窓枠部、50は図柄表示装置43の液晶表示器(TFT−LCDモジュール)等からなる表示領域である。また、表示領域50は、特別図柄の変動中に、該特別図柄に加えて背景(建物、風景等)、キャラクタ(人物、動物、植物、物等)、文字等の装飾図柄を表示し、該装飾図柄は前記特別図柄の変動開始等の所定始動条件に起因して変動表示可能となっている。図柄表示装置43については、表示領域50が前記したように液晶表示器に限られるものではなく、有機EL、CRT、その他の表示手段で構成されていてもよい。
【0018】
この実施例の表示領域50は、横に並ぶ左特別図柄表示部、中特別図柄表示部、右特別図柄表示部で構成される図柄表示部を有し、それぞれの図柄表示部で判定図柄(当否判定情報)である特別図柄が変動表示及び停止表示される。加えて、表示領域50には普通図柄表示部(図示せず)が設けられており、普通図柄が変動表示及び停止表示可能とされている。また、表示領域50には、特別図柄等に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっている場合もある。なお、この実施例において表示領域50に表示される左、中、右特別図柄は、各々『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の12通りの数字からなる図柄である。なお、図示しないが、表示領域50は、特別図柄保留記憶数表示部、普通図柄変動数記憶領域を有する。
【0019】
遊技盤3の背面(裏面)には、入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞口用検出スイッチ(遊技球検出手段に相当する。)等が設けられている。この実施例では、検出スイッチが各入賞口に対してそれぞれ設けられている。始動入賞口10に入賞(入球口に入球)した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチは入賞球の通路に設けられており、入賞球の検出によって図柄表示装置43の図柄変動は開始される。その際、特別図柄変動中に始動入賞口10に入賞した遊技球の個数、すなわち特別図柄の変動を開始する回数については、現在変動中のものを除いて保留回数(この例では最高4回)を特別図柄保留記憶数表示部に表示し、記憶数の減少によって前記表示部内の特別図柄保留記憶数の表示個数を減らす。その他、袖入賞口23,25,27の入賞球を検出する各袖入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤3背面に設けられている。
【0020】
前述のとおり、始動入賞口10に入賞した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチ(始動入賞口センサ)が入賞球用通路に設けられており、前記特別図柄変動開始スイッチによって入賞球が検出(図柄変動条件の契機)されると、図柄表示装置43における表示領域50の左,中,右特別図柄表示部で各特別図柄が変動を開始し、所定時間変動後、予め設定された順で特別図柄が変動停止して、停止図柄の組合せが確定表示される。なお、図柄変動パターン等によっては、特別図柄の確定表示以前に、いわゆるリーチ状態となったり、リーチ予告、当たり予告等が行われる。そして、前記確定表示された停止図柄の組合せが、予め決められた特別図柄組合せである特定の大当たり図柄組合せ、例えば、同一の特別図柄の組合せからなる通称ぞろ目であると、大当たり状態(特別遊技状態)に移行する。大当たり状態になると、大入賞装置15の開閉板が開いて遊技領域6表面を落下してくる遊技球を受け止め、大入賞装置15内へ入賞可能にする。
【0021】
ここで、リーチ状態とは、表示領域50の左,中,右特別図柄表示部において、特別図柄の変動表示が開始された後、表示制御が進行して表示結果が停止表示される前段階において、特定の表示態様、つまり大当たり図柄の組合せ(同一図柄の組合せ)が表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示態様をいう。この実施例では、リーチ状態の1つとして、前記表示領域50の左,中,右特別図柄表示部のうち、最終停止図柄(ここでは右特別図柄)を表示する表示部(ここでは右特別図柄表示部)だけを残して、残りの2つの表示部で図柄が特定の組合せ(例えば同一図柄)となるように仮停止するリーチ変動表示処理がなされている。
【0022】
また、リーチ状態時には、表示領域50における特別図柄(主に最終停止特別図柄)の変動時間を長くしたり、表示領域50における特別図柄を利用した図柄利用演出や特別図柄の背後に表示されるキャラクタや背景等を表示してリーチアクションが演出される。なお、リーチ状態になる前に、リーチ状態になる可能性または大当たりになる可能性が高いことを報知する予告(予兆)が演出されるようにしてもよい。前記の予告としては、表示領域50上へのキャラクタの表示や残像表示等が挙げられる。
【0023】
遊技盤3の大入賞装置15の背面側には、大入賞装置15への入賞球を検出する入賞球検出スイッチが設けられている。前記各入賞口への遊技球の入賞を各検出スイッチが検出するとき、すなわち遊技における入賞条件が成立すると、賞球払出装置によって、入賞球数に応じて予め設定されている所定数の遊技球が賞品球として払い出される。開閉板は、所定時間(例えば30秒)経過した時点で閉鎖される。これにより、遊技者はより多くの賞球を得ることが可能となる。一連の遊技は特別遊技(大当たり遊技)であり、その状態は特別遊技状態である。
【0024】
前記した入賞口用検出スイッチの他に遊技盤背面に設けられている装置としては、始動入賞口10の可動片を開閉する始動入賞口用ソレノイドと、大入賞装置15の開閉板を開閉する大入賞口開放用ソレノイド等があり、普通図柄変動開始用ゲート19には通過する遊技球を検出するゲート検出スイッチがある。
【0025】
普通図柄変動開始スイッチでゲート19を通過する遊技球を検出することによって、普通図柄表示部における普通図柄の変動は開始する。そして、普通図柄表示部において図柄変動した後に確定表示された図柄が予め設定されている特定の図柄であった場合には、小当たり(普通図柄当たり)となり、始動入賞口用ソレノイドにより始動入賞口10の可動片の拡開開放が後記する所定時間行われ、賞球が払い出される。普通図柄の変動を開始する回数については、現在変動中のものを除いて保留回数(この例では最高4回)を普通図柄変動数記憶領域に表示するようになっている。
【0026】
この遊技機1は、
図1〜
図8に示すように、駆動部材110と、伝達部材120と、作動部材130とを有する作動装置100を備える。図中の符号2Aは図柄表示装置43を取り付けるために遊技台2に形成された開口部、101は作動装置100を遊技台2に取り付けるための支持板、102は支持板101に設けられた作動部材130のためのガイド溝部である。
【0027】
駆動部材110は、
図3〜
図8に示すように、ステッピングモータやサーボモータ等の公知の回転駆動装置からなる駆動手段115によって駆動される歯部(駆動側歯部)111を有するものであって、円形の歯車部材や平板状のラック部材等からなる。この駆動部材110は、単一または複数の部材(110a〜110d)によって構成される。実施例では、複数の歯車部材である駆動部材110a,110b,110c,110dが互いに駆動側歯部111を歯合させたり、カム部材112を介して連結されたりする等により、駆動手段115の駆動力を伝達している。なお、図において、符号111aは駆動部材110aの歯部、111bは駆動部材110bの歯部、111cは駆動部材110cの歯部、111dは駆動部材110dの歯部である。
【0028】
伝達部材120は、駆動部材110の歯部(駆動側歯部)111と歯合する歯部(従動側歯部)121を有するものであって、円形の歯車部材や平板状のラック部材等からなる。この伝達部材120では、駆動部材110といずれか一方を歯車部材とし、他方をラック部材とすることにより、ラックアンドピニオン機構を構成することが可能である。実施例の伝達部材120は、歯車部材からなる駆動部材110dと歯合するとともに、側面122の縁部近傍に突部125を有する歯車部材であり、作動部材110に連動して同方向に移動するように構成される。図において、符号123は歯車部材である伝達部材120の回転軸部である。
【0029】
作動部材130は、遊技の演出を実行するための役物であって、
図3〜
図8に示すように、駆動手段115により駆動された駆動部材110と歯合する伝達部材120を介して作動される。実施例の作動部材130は、駆動手段115により主体的に作動される作動本体131と、演出体駆動手段135により駆動手段115による作動とは異なる作動を行う演出体132を有する。演出体駆動手段135は、ステッピングモータやサーボモータ等の公知の回転駆動装置からなる。図において、符号133は演出体駆動手段135の駆動力を演出体131へ伝達する演出体伝達部材、134は支持板101のガイド溝部102に移動可能に係合して作動部材130を支持する支持部材である。
【0030】
この作動部材130は、駆動部材110によって、第一位置と該第一位置と異なる第二位置との間を移動するように構成されている。実施例では、
図3〜
図6に示すように、伝達部材120の回転軸部123を軸中心として円弧状に移動する。
【0031】
実施例の第一位置は、
図2〜
図4に示すように、作動部材130の支持部材134が支持板101のガイド溝部102の一端側(
図4の例では右側端部)に係合して、作動部材130の作動本体131が横倒しされて図柄表示装置43が取り付けられる遊技台2の開口部2A側へ突出しない移動開始位置であり、遊技中に遊技者から視認できない状態となっている。
【0032】
一方、第二位置は、
図5,6に示すように、作動部材130の支持部材134が支持板101のガイド溝部102内を摺動し、作動部材130の作動本体11が略直立されて遊技台2の開口部2A側へ突出した演出位置であり、遊技中に遊技者から視認可能な状態となっている。
【0033】
ここで、作動装置100には、
図6に示すように、作動部材130が第二位置へ移動したときに駆動部材110あるいは伝達部材120のいずれか一方(実施例では伝達部材120の突部125)に当接する付勢部材140が設けられている。この付勢部材140は、
図9に示すように、第二位置において、駆動部材110あるいは伝達部材120のいずれか一方に当接した際にその付勢力によって、駆動部材110と伝達部材120のいずれか一方を一側へ付勢して、駆動部材110の歯部111と伝達部材120の歯部121との歯合部Eに生じる間隙(バックラッシュ)Bでのふらつきを抑制するふらつき抑制手段に相当する。
【0034】
実施例の付勢部材140は、
図6に示すように、一端に伝達部材120の突部125との当接部142を有し回動可能に軸支された付勢片141と、該付勢片141の他端に設けられて当接部142に伝達部材120の突部125が当接した際の付勢片141の回動方向と反対方向Fに付勢するバネ145とからなり、伝達部材120を作動部材130の第一位置からの移動方向Dと反対方向に付勢(押圧)する。この付勢(押圧)によって、
図9(a)に示す駆動部材110の歯部111と伝達部材120の歯部121との歯合部Eの両側に生じる間隙(バックラッシュ)Bの一側を
図9(b)に示す歯合部Eのように詰めることで、作動部材130のふらつきを抑制することが可能となる。図において、符号103は支持板101に設けられたてバネ145の他端が固定されるバネ固定部、143は付勢片141の回動軸部、Tは伝達部材120の回転方向である。
【0035】
また、この作動装置100では、
図7,8に示すように、作動部材130が、駆動部材110によって、第二位置と第三位置との間で移動するように構成されている。実施例の第三位置は、作動部材130の支持部材134が支持板101のガイド溝部102の他端側(
図8の例では左側端部)に係合して、作動部材130の作動本体131が遊技台2の開口部2A側へ突出した状態において第二位置に対して第一位置と反対方向へ傾倒されて該第一位置の反対方向への移動が不可能な移動限界位置であり、第二位置と同様に遊技中に遊技者から視認可能な状態となっている。なお、作動部材130が第三位置まで移動する場合は、第一位置から第二位置への移動と同様に、伝達部材120の回転軸部123を軸中心として円弧状に移動する。
【0036】
作動部材130の第二位置から第三位置への移動において、付勢部材140は、その付勢力によって、駆動部材110と伝達部材120のいずれか一方を一側へ常時付勢(押圧)して、第三位置到達時の衝撃(勢い)を緩衝(吸収)する緩衝手段に相当する。
【0037】
次に、作動装置100の作動について、より具体的に説明する。まず、
図4に示すように、駆動部材110は、駆動手段115により駆動する4つの円形歯車110a,110b,110c,110dからなり、伝達部材120は、駆動部材110dの歯部(駆動側歯部)111dと歯合する歯部(従動側歯部)121を有する円形歯車からなる。
【0038】
図3,4に示す作動部材130の移動開始位置となる第一位置では、作動部材130の支持部材134が支持板101のガイド溝部102の一端側(
図4の例では右側端部)に係合して、作動部材130の作動本体131が横倒しされて遊技中に遊技者から視認できない状態となっている。また、第一位置において、駆動部材110dの歯部111dと伝達部材120の歯部121との歯合部Eでは、
図9(a)に示すように、各歯部111d,121との間に間隙(バックラッシュ)Bが設けられていることにより、駆動部材110dと伝達部材120とがそれぞれ間隙Bの間をわずかに移動する(ふらつく)状態となっている。なお、第一位置では、
図4に示すように、伝達部材120の突部125と付勢部材140の付勢片141の当接部142とが離隔されている。
【0039】
ここで、
図5,6に示すように、駆動手段115を駆動させることにより各駆動部材110a,110b,110c,110dが駆動され、駆動部材110dと歯合する伝達部材120を介して作動部材130が第一位置から第二位置へ向かって円弧状に移動(D)され、作動部材130の作動本体131が略直立されて遊技者から視認可能な第二位置において停止される。この時、作動部材130の支持部材134が支持板101のガイド溝部102内を摺動することにより、作動部材130の移動中に歯部111,121の間隙Bによるがたつきとは異なる前後方向(遊技盤3の盤面方向)へのがたつきが抑制されて、円滑に移動させることが可能となる。
【0040】
上記作動部材130の第二位置への移動に際し、伝達部材120は、
図6に示すように、回転軸部123を軸中心として作動部材130の移動方向Dと同方向Tに回転し、作動部材130が第二位置へ到達した時点またはその直前で突部125が付勢部材140の付勢片141の当接部142と当接される。この時、伝達部材120は、その回転方向Tと反対方向Fに付勢部材140のバネ145によって付勢(押圧)される。そのため、
図9(b)に示すように、駆動部材110dの歯部111dと伝達部材120の歯部121との歯合部Eにおいて、伝達部材120の歯部121が駆動部材110dの歯部111d側へ押圧された状態で保持される。従って、作動部材130を第二位置で停止させた際に駆動部材110dと伝達部材120との各歯部111d,121の間隙Bでのふらつきが抑制され、作動部材130を直ちに静止させることが可能となる。
【0041】
続いて、
図7,8に示すように、駆動手段115をさらに駆動させることにより、作動部材130が伝達部材120を介して第二位置から第三位置へ向かって円弧状に移動(D)され、作動部材130の作動本体131が第二位置に対して第一位置と反対方向へ傾倒されて遊技者から視認可能な移動限界位置となる第三位置において停止される。この時、作動部材130の支持部材134は、支持板101のガイド溝部102内を摺動した後、ガイド溝部102の他端側(
図8の例では左側端部)に係合して停止される。
【0042】
上記作動部材130の第三位置への移動に際し、伝達部材120は、
図8に示すように、突部125が付勢部材140の付勢片141の当接部142と当接したまま、付勢部材140の付勢力に抗して回転軸部123を軸中心として作動部材130の移動方向Dと同方向Tに回転される。そのため、伝達部材120は、付勢部材140により回転方向Tの反対方向Fへ常時付勢された状態のまま回転することとなり、作動部材130の支持部材134がガイド溝部102の他端側に係合する際の衝撃を吸収すること可能となる。従って、作動部材130の第三位置到達時の衝撃が緩衝されて、衝突による作動部材130の破損等を抑制することが可能となる。
【0043】
なお、作動部材130の第三位置到達後は、駆動手段115により逆方向に駆動されて、第三位置から第二位置を経て第一位置まで移動される。その際、第三位置から第二位置へ移動する間は、伝達部材120の突部125が付勢部材140の付勢片141の当接部142と常時当接状態となっているため、作動部材120は付勢部材140の付勢方向Fに付勢されてがたつきが抑制される。
【0044】
以上図示し説明したように、本発明の遊技機1では、駆動手段115によって駆動される歯部111を有する駆動部材110と、駆動部材110の歯部111と歯合する歯部121を有する伝達部材120と、伝達部材120を介して作動される作動部材130と、を有する作動装置100を備え、作動部材130は、駆動部材110によって、第一位置と該第一位置と異なる第二位置との間を移動するように構成されているとともに、作動装置100には作動部材130が第二位置へ移動したときに駆動部材110あるいは伝達部材120のいずれか一方に当接する付勢部材140が設けられていて、第二位置において、付勢部材140が駆動部材110あるいは伝達部材120のいずれか一方に当接した際にその付勢力によって、駆動部材110と伝達部材120のいずれか一方を一側へ付勢して、駆動部材110の歯部111と伝達部材120の歯部121との歯合部Eに生じる間隙Bでのふらつきを抑制するふらつき抑制手段を備えたため、第二位置において伝達部材120の歯部121が駆動部材110dの歯部111d側へ押圧された状態で保持されて各歯部111d,121の間隙Bでのふらつきを抑制することができ、作動部材130を直ちに静止させて良好な演出を実行することが可能となる。
【0045】
また、作動部材130は、駆動部材110によって、第二位置と移動限界位置となる第三位置との間で移動するように構成されているとともに、第二位置から第三位置への移動において、付勢部材140がその付勢力によって、駆動部材110と伝達部材120のいずれか一方を一側へ常時付勢して、第三位置到達時の衝撃を緩衝するため、作動部材の第三位置到達時の衝撃を吸収して作動部材の破損等を抑制することが可能となる。
【0046】
さらに、伝達部材120は、作動部材130に連動して同方向に移動するように構成され、付勢部材140は、伝達部材120を作動部材130の第一位置からの移動方向Dと反対方向に付勢するため、作動部材130を簡便に付勢することが可能となって、作動部材130を簡便に付勢することが可能となって、ふらつきの抑制が容易となる。
【0047】
加えて、伝達部材120が側面122の縁部近傍に突部125を有する歯車部材からなり、付勢部材140は、一端に伝達部材120の突部125との当接部142を有し回動可能に軸支された付勢片141と、該付勢片141の他端に設けられて当接部142に突部125が当接した際の付勢片141の回動方向と反対方向Fに付勢するバネ145とからなるため、伝達部材120及び付勢部材140を比較的小さな部材で構成することが可能となり、省スペース化を図ることが容易となる。
【0048】
なお、本発明の遊技機は、前述の実施例のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することが可能である。例えば、実施例では、付勢部材が伝達部材を付勢するように構成したが、駆動部材を付勢するように構成してもよい。駆動部材を付勢する場合、伝達部材と歯合する駆動部材が付勢される。
【0049】
また、実施例では駆動部材と伝達部材をそれぞれ円形歯車としたが、いずれか一方をラック部材とするラックアンドピニオン機構とすることも可能である。ラック部材を付勢部材によって付勢する場合、例えば、ラック部材の移動方向に直列状にバネ等の付勢部材を配置して、第二位置でラック部材と当接させる等のように構成するとよい。