(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入口スターホイールの前記チャック機構に開閉可能な一対の爪部を設け、当該爪部が閉じることによりペットボトルの口部が当該爪部間で把持され、当該爪部が開くことによりペットボトルの口部の把持が解除されることを特徴とする請求項1記載のペットボトルのリーク検査装置。
前記メインロータの固定部に設置されたカムと、前記容器押えヘッドに連結されるとともに前記カムに接触可能なカムフォロワとを設け、前記メインロータの回転に伴い前記カムフォロワを前記カムに接触させながら移動させることにより、前記容器押えヘッドを上下動させて容器押えヘッドをペットボトルの口部に係合可能とすることを特徴とする請求項1又は2記載のペットボトルのリーク検査装置。
前記メインロータに、ペットボトルの口部側面が接触する凹部を有した部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のペットボトルのリーク検査装置。
リーク検査後にペットボトルを前記メインロータからスターホイールに受け渡す前にペットボトルを持ち上げてサポートリングを前記メインロータのポケットから離間させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のペットボトルのリーク検査装置。
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のペットボトルのリーク検査装置と、該リーク検査装置の後段に設置され、カメラによる撮像によりペットボトルの外観検査を行う外観検査用装置とを備えたことを特徴とするペットボトル外観リーク検査機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された装置のように、ペットボトルを口部と底部で挟む場合、容器の座屈強度が必要で、昨今のペットボトルの軽量化および薄肉化に伴い、シール時に容器変形を生じさせたり、容器変形による検査が不安定になるなどの問題が発生してきた。また、ペットボトルの軽量化および薄肉化に伴い、容器の伸縮性が増して来ており、ヘッドを軽量化した場合、圧縮空気を注入した際に縮んだ容器が伸びる現象で、ヘッドを押し返してしまい、シールができない場合がある。
【0005】
また、ペットボトルを口部とサポートリング下面で挟む場合、連続で搬送されるペットボトルを保持した後に口部をシールするため、入口スターホイールなどから受け渡されたペットボトルを保持する区間が必要で、そのためにチャックやグリッパなどペットボトルを把持する機構が必要で、装置が複雑になるという欠点がある。そのため、ペットボトルを把持する機構を、強制的に開閉動作を生じさせるカムなどを使用せず、ペットボトルの出し入れが容易な弱いバネ力だけを利用したチャック機構とし、開閉機構を簡素化している。しかしながら、開閉機構の簡素化に伴って強度が不足し、ペットボトルが噛み込んだ場合など、機構部品に容易に曲がりや破損を生じてしまう。また、サポートリング保持の場合、機構をいくら簡素化しても、最低限の開閉機構は必要になるという欠点がある。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、入口スターホイール等から受け渡されたペットボトルのサポートリング(ネックリング)をメインロータに設けられたポケットで支持し、このポケットによる支持と同時にヘッドによるペットボトルの口部シールを行うことによりチャック機構を不要にすることができるとともに口部シールを確実に行うことができるペットボトルのリーク検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明は、複数のペットボトルを支持して所定の円形軌道に沿って搬送するメインロータと、ペットボトルを前記メインロータに受け渡す入口スターホイールと、前記メインロータに設置され、ペットボトルの口部に係合して該口部をシールするとともに気体をペットボトル内に供給する複数の容器押えヘッドとを備えたペットボトルのリーク検査装置において、前記入口スターホイールにペットボトルの口部の側面を把持するためのチャック機構を設け、
開口状態が一定であり、かつ前記メインロータにペットボトルのサポートリングを支持するポケットを設け、前記容器押えヘッドからペットボトルに加わる荷重をポケットで受けることを可能とし、
前記ポケットがペットボトルのサポートリング下方に位置するとともに前記容器押えヘッドがペットボトルの口部上方に位置し、ペットボトルを前記入口スターホイールから前記メインロータに受け渡すための受け渡し位置において、前記入口スターホイールの前記チャック機構によるペットボトルの口部の把持が解除されると、ペットボトルのサポートリングが前記メインロータのポケットにより支持されると同時又は直後に
前記容器押えヘッドを下降させて前記容器押えヘッドをペットボトルの口部に係合させて該口部をシールするようにしたことを特徴とする。
【0008】
従来にあっては、ペットボトルを口部とサポートリング下面で挟む場合、連続で搬送されるペットボトルを保持した後に口部をシールするため、入口スターホイールなどから受け渡されたペットボトルを保持する区間が必要で、そのためにチャックやグリッパなどペットボトルを把持する機構が必要であったが、本発明によれば、ペットボトルをメインロータに受け渡す際に、ペットボトルのサポートリングがメインロータのポケットにより支持されると同時又は直後に容器押えヘッドをペットボトルの口部に係合させて口部をシールするようにしたため、チャックやグリッパなどの把持機構を設ける必要がない。
本発明において、ペットボトルのサポートリングがメインロータのポケットにより支持されると同時又は直後とは、ペットボトルのサポートリングがメインロータのポケットに支持されるときを基準とすると、同時とは0秒を云い、直後とは支持後0.048秒以内を云う。すなわち、メインロータが48個の容器押えヘッドを備え、メインロータの搬送速度が1000bpm(本/min)の場合、ヘッドの荷重がペットボトルにかかるまでの区間は1°であり、したがって、直後とは支持後約0.008秒以内である。ヘッドの個数が同一でメインロータの搬送速度が500bpmになると、直後とは支持後約0.016秒以内である。メインロータの搬送速度が低速になって250bpmの場合もあり、この場合には、直後とは支持後約0.032秒以内である。さらに、ヘッドの個数が減って36個の場合もあるため、メインロータの搬送速度が250bpmであるとすると、直後とは支持後約0.048秒以内である。
【0009】
本発明の好ましい態様は、前記入口スターホイールの前記チャック機構に開閉可能な一対の爪部を設け、当該爪部が閉じることによりペットボトルの口部が当該爪部間で把持され、当該爪部が開くことによりペットボトルの口部の把持が解除されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記メインロータの固定部に設置されたカムと、前記容器押えヘッドに連結されるとともに前記カムに接触可能なカムフォロワとを設け、前記メインロータの回転に伴い前記カムフォロワを前記カムに接触させながら移動させることにより、前記容器押えヘッドを上下動させて容器押えヘッドをペットボトルの口部に係合可能とすることを特徴とする。
本発明によれば、メインロータの回転に伴って、カムとカムフォロワの作用により容器押えヘッドが上下動し、容器押えヘッドをペットボトルの口部に係合させることができる。
【0010】
本発明の好ましい態様は、前記メインロータに、ペットボトルの口部側面が接触する凹部を有した部材を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、メインロータに、ペットボトルのサポートリングを支持するためのポケットと、ペットボトルの口部側面に接触する凹部とを設けたため、ペットボトルが遠心力等により傾くことがなく鉛直姿勢を保つことができ、リーク検査を安定して行うことができる。また、前記メインロータに設けられた凹部にペットボトルの口部側面が接触することにより、容器押えヘッドのシールの中心とペットボトルの中心とを一致させることができるため、口部シールを確実に行うことができる。
【0011】
本発明の好ましい態様は、前記容器押えヘッドの下端は平坦面であり、該平坦面でペットボトルの口部をシールすることを特徴とする。
本発明によれば、容器押えヘッドの下端が平坦面であるため、容器押えヘッドの下端をペットボトルの口部に近接させることができる。そのため、容器押えヘッドをわずかな距離下降させるだけで、直ちにペットボトルの口部をシールすることができる。
【0012】
本発明の好ましい態様は、リーク検査後にペットボトルを前記メインロータからスターホイールに受け渡す前にペットボトルを持ち上げてサポートリングを前記メインロータのポケットから離間させるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、リーク検査後にペットボトルをメインロータからスターホイールに受け渡す前に、ペットボトルを持ち上げてサポートリングをメインロータのポケットから離間させるようにしたため、ポケットとサポートリング間の摩擦抵抗をなくすことができ、ペットボトルをメインロータからスターホイールにスムーズに受け渡すことができる。
【0013】
本発明のペットボトル外観リーク検査機は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のペットボトルのリーク検査装置と、該リーク検査装置の後段に設置され、カメラによる撮像によりペットボトルの外観検査を行う外観検査用装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、飲料充填前のペットボトル検査では、外観検査とピンホールなどのリーク検査とが欠かせないものとなるが、本発明のペットボトル外観リーク検査機によれば、飲料充填前のペットボトル検査における外観検査とピンホールなどのリーク検査を1台の装置で行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下に列挙する効果を奏する。
(1)リーク検査時に容器押えヘッドによりペットボトルの口部に加えられるシール用の荷重はペットボトルのサポートリング(ネックリング)を支持するメインロータのポケットによって受けることができるため、軽量化および薄肉化を図るためにペットボトルの肉厚が薄くても、サポートリング及びペットボトルの口部はキャップを取りつける等のために高い強度を有するように作られているので、ペットボトルの変形がない。したがって、容器押えヘッドとペットボトル口部との間のシールを確実に行うことができ、リーク検査を精度良く安定して行うことができる。
(2)入口スターホイール等からメインロータにペットボトルを受け渡す際に、受け渡し部(乗り移り点)においてメインロータのポケットによりペットボトルのサポートリングの支持を行うとともに容器押えヘッドによるペットボトル口部のシールも同時に行うようにしたため、メインロータ側にチャック機構を設ける必要がない。そのため、メインロータの構造が簡素になり、装置コストを低減できる。
(3)メインロータに、ペットボトルのサポートリングを支持するためのポケットと、ペットボトルの口部側面に接触する凹部とを設けたため、ペットボトルが遠心力等により傾くことがなく鉛直姿勢を保つことができ、リーク検査を安定して行うことができる。また、前記メインロータに設けられた凹部にペットボトルの口部側面が接触することにより、容器押えヘッドのシールの中心とペットボトルの中心とを一致させることができるため、口部シールを確実に行うことができる。
(4)ペットボトルの底部を容器台により支持してペットボトルのリーク検査を行う方式の場合、検査後にメインロータからスターホイールに受け渡す際にチャック機構でペットボトルの口部を把持しようとすると、ペットボトルの高さのバラツキがあるため把持できないことがあるが、ペットボトルのサポートリングをポケットで支持するようにしたため、ペットボトルの口部天面からサポートリングまでの距離が短くほぼ一定であるため、ペットボトルの加工精度に影響されることなく、チャック機構によりペットボトルの口部を把持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るペットボトルのリーク検査装置の実施形態について
図1乃至
図10を参照して説明する。なお、
図1乃至
図10において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、ペットボトル外観リーク検査機の全体構成を示す平面図である。
図1に示すように、ペットボトル外観リーク検査機は、検査対象のペットボトル1に定間隔を形成するための入口スクリュー2と、入口スクリュー2からペットボトル1を受け取って搬送するための入口スターホイール3と、ペットボトル1のリーク検査を行うためのリーク検査用メインロータ5を備えている。さらに、ペットボトル外観リーク検査機は、リーク検査後にペットボトル1の底部外観検査を行うための外観検査用スターホイール6と、底部検査後に口部および胴部の外観検査を行うための外観検査用メインロータ7と、検査後のペットボトル1を良品と不良品とに分けて排出するための排出スターホイール8と、良品のペットボトル1を移送する出口スターホイール9とを備えている。また、検査機内にペットボトル1を搬入するためのエアフローコンベヤAFC1が入口スクリュー2に隣接して設置されており、検査機からペットボトル1を外部に搬出するためのエアフローコンベヤAFC2が出口スターホイール9に隣接して設置されている。
【0017】
図2はリーク検査用メインロータの詳細構造を示す図であり、メインロータの断面図である。
図2に示すように、リーク検査用メインロータ5は、図示しない駆動源により回転駆動されるとともにカップリング11により一体に連結された上下の回転軸12と、回転軸12の下部に固定されて回転軸12と一体的に回転するベースプレート13と、回転軸12の上部に固定されて回転軸12と一体的に回転する支持プレート14と、所定の円周上に所定の間隔で配置されリーク検査時に上下動してペットボトル1の口部1mに係合する多数(例えば、36個)のヘッド35を備えている。回転軸12の下部は、軸受が内設された軸受ハウジング18を介して支持フレーム19により支持されている。回転軸12の上部は、支持プレート14に固定された軸受ハウジング20内の軸受(図示せず)により支持されている。
【0018】
前記ペースプレート13と支持プレート14との間には、鉛直方向に延びる複数のサポート15が固定されており、サポート15の下端にスターホイール16が固定されている。スターホイール16には、ペットボトル1のサポートリング1aの下面を保持するためのポケット17が固定されている。ポケット17は、ヘッド35に対応してヘッド35と同数配置されている。また、支持プレート14には複数のガイドバー28が立設されており、これらガイドバー28は所定の円周上に所定の間隔で配置されている。そして、各ガイドバー28には、カムフォロワ29を有したスライド部材30が上下動可能に取り付けられている。各スライド部材30にはヘッド35が固定されており、ヘッド35とスライド部材30とは一体的に上下動するようになっている。
【0019】
前記軸受ハウジング20には、中空の固定軸21が挿入され支持されており、固定軸21に固定プレート32が固定されている。そして、固定プレート32には、サポート33を介して円筒状のカム34が固定されている。円筒状のカム34の上端面は、全周に亘って高低差を設けて形成されており、円周方向にカム輪郭(cam profile)を構成している。したがって、メインロータ5の回転に伴って支持プレート14が回転すると、各スライド部材30のカムフォロワ29がカム34のカム輪郭に追従して上下動し、これにより、スライド部材30およびヘッド35がガイドバー28に沿って上下動するようになっている。
【0020】
図3(a)は、リーク検査用メインロータ5のスターホイール16、ポケット17およびヘッド35の詳細構造を示す図である。
図3(a)に示すように、ヘッド35はメインロータ5の所定の円周上に所定の間隔で多数(例えば、48個)配置されており、ヘッド35はペットボトル1の口部1mに係合して口部1mを押圧する容器押えヘッドを構成している。各ヘッド35は、スライド部材30に固定された支持棒36と、支持棒36の下端に固定されたヘッド本体37と、ヘッド本体37の下端に設けられシール部材を構成するパッキン38と、ヘッド本体37の下部中心部に設けられたノズル39とを備えている。ヘッド本体37およびパッキン38の下端はフラット(平坦)になっている。すなわち、ペットボトル1の口部1mをシールする口部シール構造はフラットな形状になっている。
【0021】
前記ノズル39内には圧縮空気をペットボトル1内に噴出する開口39aが形成されており、この開口39aは、ノズル39内に形成された連通路39b及びヘッド本体37内に形成された連通路37aを介して空気供給用チューブ41に連通されている。空気供給用チューブ41は、電磁バルブ(図示せず)や回転軸12内の連通路等を介して圧縮空気源44(
図2参照)に連通されている。また、ヘッド本体37内の連通路37aは圧力センサ(図示せず)に接続されている。圧力センサはヘッド35に対応してヘッド35と同数配置されている。
【0022】
リーク検査用スターホイール5のスターホイール16の外周部には、ペットボトル1の口部1mの側面に係合する半円弧状の凹部16aが多数形成されている。また、スターホイール16の下面には、ペットボトル1のサポートリング1aの下面を保持するためのスターホイール形状のポケット17が固定されている。
図3(b)は、リーク検査用スターホイール5に設けられたポケット17にペットボトル1のサポートリング1aが支持されている状態を示す平面図である。
図3(b)においては、ポケット17を実線で示し、ポケット17上に載せられたサポートリング1aを二点鎖線で示している。
図3(b)に示すように、サポートリング下面を支えるものは、スターホイール形状のポケット17だけとし、ペットボトル1を安定させるため、ポケット17の歯先の外径(OD)は、搬送の障害にならない程度にピッチ円直径(PCD)より径を大きくしている。
【0023】
スターホイール16の凹部16aとポケット17とは、ヘッド35に対応してヘッド35と同数配置されており、ペットボトル1の受け渡し時に凹部16aがペットボトル1の口部側面に接触してペットボトル1の口部1mの位置決めを行い、ポケット17がペットボトル1のサポートリング(ネックリング)1aの下面を支持するようになっている。
このように、ペットボトル1の口部側面にスターホイール16の凹部16aが接触し、ペットボトル1のサポートリング1aをスターホイール形状のポケット17で支持することにより、ペットボトル1が遠心力等により傾くことがなく鉛直姿勢を保つことができる。また、ペットボトル1の口部側面にスターホイール16の凹部16aが接触することにより、ヘッド35のシールの中心とペットボトル1の中心とが一致するようにできるため、口部シールを確実に行うことができる。
【0024】
次に、ペットボトル1を入口スターホイール3からリーク検査用メインロータ5に受け渡すために入口スターホイール3に設けられペットボトル1を把持するためのチャック機構について説明する。
図4は、入口スターホイール3に設置されたチャック機構50を示す平面図である。
図4に示すように、入口スターホイール3の外周部には多数のチャック機構50が所定の間隔で設置されている(
図4では一部のチャック機構50のみ示す)。なお、外観検査用スターホイール6にも、入口スターホイール3と同様にチャック機構50が設置されている。
【0025】
図5は入口スターホイール3および外観検査用スターホイール6に設置されたチャック機構50を示す斜視図であり、
図6はチャック機構50を示す断面図である。
図5および
図6に示すように、チャック機構50は、第1アーム51と第2アーム52とを備えている。第1アーム51及び第2アーム52は、アーム本体53,54の先端部に板状の爪部55,56をボルト及びナットにて固定した組み立て部品として構成されている。爪部55,56のそれぞれの先端部には、ペットボトル1の口部1mの側面に噛み合い可能な半円弧状の凹部55a,56aが設けられている。第1アーム51は第1回転軸61の軸線の回りに回転可能であり、第2アーム52は第2回転軸62の軸線の回りに回転可能である。アーム51,52がチャック中心線CLを挟んで対称的に回転することにより、爪部55,56が開閉してペットボトル1の口部1mの側面の導入、排出、把持が切り替えられる。
【0026】
第1回転軸61は、チャック基板63に対して軸受64を介して回転自在に取り付けられている。チャック基板63は、チャック機構50を入口スターホイール3および外観検査用スターホイール6に連結するための部材である。第1回転軸61の外周にはばねホルダ66が設けられており、ばねホルダ66はチャック基板63に固定されている。ばねホルダ66の外周には捩りコイルばね68が装着されており、捩りコイルばね68の一端部68aは、ばねホルダ66に固定されている。第1回転軸61の下端にはばね受け70が固定されており、ばね受け70に捩りコイルばね68の他端部68bが固定されている。捩りコイルばね68は、捩られた状態でばねホルダ66の外周に装着されており、捩りコイルばね68の捩り変形に対する復元力により、第1アーム51の爪部55が閉じる方向に付勢されるようになっている。第2回転軸62も第1回転軸61と同様の構造であるため構造の説明は省略するが、第2アーム52の爪部56も捩りコイルばね68の捩り変形に対する復元力により、閉じる方向に付勢されるようになっている。
【0027】
第1アーム51のアーム本体53には、後方に延びる操作レバー80が一体に形成されており、操作レバー80の後端部にはボルト81等によってカムフォロワ82が取り付けられている。操作レバー80には、転がり軸受83を介して伝達ローラ84が設けられている。一方、第2アーム52には、第2回転軸62の後方からチャック中心線CL側に折れ曲がるようにして延びる当接部としての突起部85が設けられている。突起部85のローラ84と対向する端面にはカム面85aが設けられている。第2アーム52が第2回転軸62の回りに
図5の反時計方向に駆動されることにより、カム面85aはばね力で伝達ローラ84に押し付けられるようになっている。
【0028】
入口スターホイール3(または外観検査用スターホイール6)の旋回経路には、爪部55,56が開かれる範囲に対応して固定カムCamが設けられている(
図6参照)。固定カムCamにカムフォロア82が接触すると、操作レバー80が矢印A方向に揺動して、第1アーム51は第1回転軸61の回りに半時計方向に回転する。また、操作レバー80の動作に連係して伝達ローラ84が第2アーム52の突起部85を矢印B方向へと押し出す。これにより、第2アーム52は第2回転軸62の回りに時計方向に回転し、爪部55,56が開かれる。カムフォロア82が固定カムCamから離れると、捩りコイルばね68のばね力で第1アーム51及び第2アーム52がストッパ87に突き当たる位置に復帰し、爪部55,56が閉じられる。爪部55,56間にペットボトル1の口部1mの側面が取り込まれている場合には、アーム51,52がストッパ87に突き当たる前の段階で爪部55,56が口部1mの側面に突き当たり、捩りコイルばね68のばね力で口部1mの側面が爪部55,56間に把持される。このように、カムフォロワ82が固定カムCamに接触して第1アーム51,第2アーム52の爪部55,56が開き、ペットボトル1の口部1mの把持を解除し、カムフォロワ82が固定カムCamから離れると第1アーム51,第2アーム52の爪部55,56が閉じ、ペットボトル1の口部1mを把持する。
【0029】
次に、
図1乃至
図6に示すように構成されたペットボトルのリーク検査装置の動作を説明する。
ペットボトル1は、エアフローコンベヤAFC1により検査装置内に搬入され、入口スクリュー2により隣接するペットボトル間に定間隔を形成した後に入口スターホイール3に移送される。
図7は、ペットボトル1が入口スターホイール3により保持されて円形軌道に沿って搬送される状態を示す模式的立面図である。
図7に示すように、ペットボトル1の口部1mの側面が入口スターホイール3のチャック機構50により把持され、ペットボトル1の胴部1bが胴スターホイール10により保持された状態で、ペットボトル1は円形軌道に沿って搬送される。このように、ペットボトル1は、口部1mの側面がチャック機構50により把持され、胴部1bが胴スターホイール10により支持されるために、ペットボトル1は傾くことなく鉛直の姿勢を維持しつつ入口スターホイール3により円形軌道に沿って搬送される。
【0030】
図8は、ペットボトル1を入口スターホイール3からリーク検査用メインロータ5に受け渡す状態およびペットボトル1をリーク検査用メインロータ5から外観検査用スターホイール6に受け渡す状態を示す図である。
図9は
図8のIX-IX線断面図である。
図8および
図9に示すように、ペットボトル1を入口スターホイール3からリーク検査用メインロータ5に受け渡すための受け渡し位置(乗り移り点)TPにペットボトル1が到達した時に、スターホイール3のチャック機構50の爪部55,56が開いてペットボトル1を放すと、ペットボトル1のサポートリング1aはリーク検査用スターホイール5のポケット17により支持され、この支持と同時にリーク検査用メインロータ5におけるカム34のカム輪郭とカムフォロワ29の作用によりヘッド35が下降してヘッド35がペットボトル1の口部1mの天面に当接する。このとき、ヘッド35の下端面にはパッキン38が設けられているため、パッキン38はペットボトル1の口部1mの天面に密接し、口部1mのシールを行うことができる。このように、スターホイール3のチャック機構50の爪部55,56が開いてペットボトル1を放すと、ペットボトル1のサポートリング1aはリーク検査用スターホイール5のポケット17により支持され、この支持と同時にヘッド35でペットボトル1を押さえることができる。そのため、ヘッド35の下端の口部シール構造はフラット(平坦)な形状になっており、かつヘッド35がわずかな距離Δdだけ下降することによりパッキン38が口部1mに当接するようになっている。
【0031】
ヘッド35の下端面に設けられたパッキン38によるペットボトル1の口部1mのシールが完了すると、圧縮空気源44より圧縮空気が空気供給用チューブ41およびヘッド35内の連通路37aを介してノズル39に供給される。こうして、ノズル39からペットボトル1内に所定量の圧縮空気が供給され、ペットボトル1内は圧縮空気が充たされる。この状態で、ペットボトル1はリーク検査用メインロータ5の円形軌道に沿って搬送される。そして、ペットボトル1に圧縮空気が充填されてから所定時間経過した後に、圧力センサによりペットボトル1内の圧力が測定される。この所定時間経過後のペットボトル内の圧力が当初の圧力と同一であればペットボトルからのリーク(漏れ)はなく、ペットボトル1にピンホール等の欠陥がないと判定される。リーク検査終了後に、ヘッド35は上昇してペットボトル1の口部1mから離間し、
図8に示すように、ペットボトル1はリーク検査用メインロータ5から外観検査用スターホイール6に受け渡される。このとき、外観検査用スターホイール6のチャック機構50の爪部55,56がペットボトル1の口部1mを把持する。
【0032】
図10は、リーク検査用メインロータ5から外観検査用スターホイール6にペットボトル1を受け渡す状態を示す模式的立面図である。
図10の左側の図に示すように、ペットボトル1をリーク検査用メインロータ5から外観検査用スターホイール6に受け渡す直前まで、ペットボトル1のサポートリング1aはリーク検査用メインロータ5のポケット17により保持されるとともに、口部1mの側面はスターホイール16の外周面に形成された半円弧状凹部16aにより支持される。そして、
図10の中央部の図に示すように、ペットボトル1のサポートリング1aはリーク検査用メインロータ5のポケット17に保持された状態で、チャック機構50の爪部55,56によりペットボトル1の口部1mの側面を把持する。このとき、爪部55,56は口部1mの突部1mtのテーパ面を把持することになるが、突部1mtのテーパ面は下方に傾斜しているため、爪部55,56が閉じていくにつれて、
図10の右側の図に示すようにペットボトル1はわずかに持ち上がり、ポケット17からサポートリング1aを0.5mm程度浮かすことになる。この状態で爪部55,56がペットボトル1の口部1mの側面を完全に把持する。これにより、ペットボトル1はリーク検査用メインロータ5から外観検査用スターホイール6に受け渡される。このように、チャック機構50でペットボトル1を把持(チャック)する時に、ペットボトル1をわずかに持ち上げて、ポケット17からサポートリング1aを0.5mm程度浮かすことにより、ポケット17とサポートリング1a間の摩擦抵抗をなくすことができる。
【0033】
その後、ペットボトル1は外観検査用スターホイール6により搬送され、この搬送中に、外観検査用スターホイール6の上方および下方に設置されたカメラによりペットボトル1の口天面および底部の外観検査が行われる。検査後に、ペットボトル1は外観検査用スターホイール6から外観検査用メインロータ7に受け渡される。ペットボトル1が外観検査用メインロータ7により搬送されている間に、
図1に示すように、外観検査用メインロータ7の側方に設置されたカメラCAM1,CAM2,CAM3によりペットボトル1の胴部および口側面の外観検査が行われる。
【0034】
このようにして、リーク検査および外観検査が終了したペットボトル1は外観検査用メインロータ7から排出スターホイール8に受け渡され、正常なペットボトル1は排出スターホイール8によって移送され、出口スターホイール9を介して次工程に移送される。一方、不良品と判定されたペットボトル1は、不良品排出シュートSHの位置で排出スターホイール8による支持が解除され、ペットボトル1は不良品排出シュートSHに排出される。
【0035】
近年、清涼飲料容器の主流は、壜や缶からペットボトルへと移行している。インプラント成形による充填ラインも増え、ブロー成形後の検査がより重要となっている。飲料充填前のペットボトル検査では、外観検査とピンホールなどのリーク検査とが欠かせないものとなる。
図1乃至
図10に示すペットボトルの外観リーク検査機によれば、飲料充填前のペットボトル検査におけるピンホールなどのリーク検査と外観検査とを1台の装置で行うことが可能となる。
【0036】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。