(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被抽出材料を装入する抽出室及び前記抽出室の上方側開口部を開閉自在な蓋体を備えた抽出部と、液体を加熱し且つ加圧して前記抽出室内に供給する加熱送液部とが設けられた飲料抽出機であって、
前記抽出室の底部に下方側に貫通する貫通口が設けられ、
前記上方側開口部を介して前記抽出室内に着脱自在で且つ前記被抽出材料を載置する材料受け部を備え、前記材料受け部には前記被抽出材料から抽出された飲料が通過できる抽出孔が設けられ、
前記抽出室を介さずに下方側から前記抽出部に着脱自在で且つ前記抽出部に装着された状態で前記貫通口に臨む前記抽出孔を下方側から囲繞する箱状の注ぎ口部を備え、前記注ぎ口部には、前記抽出孔を通過した飲料を泡立てる泡立て部と前記泡立て部にて泡立てられた飲料を抽出容器に吐出する注ぎ口とが設けられ、
前記注ぎ口部を前記抽出部の下方側に装着し且つ前記材料受け部を前記抽出室内に装着した状態において、前記蓋体により前記上方側開口部を閉鎖した閉鎖状態では、前記抽出部からの前記注ぎ口部の離脱を阻止し、前記蓋体により前記上方側開口部を開放した開放状態では、前記抽出室を介さずに前記抽出部からの前記注ぎ口部の離脱を許容する注ぎ口部離脱阻止機構を備えた飲料抽出機。
前記注ぎ口部離脱阻止機構が、前記材料受け部を前記抽出室内に装着した状態において、前記開放状態では、少なくとも前記抽出室を介さずに前記抽出部への前記注ぎ口部の装着を許容する請求項1に記載の飲料抽出機。
前記注ぎ口部離脱阻止機構が、前記受け部側筒状部の下部の外径が下方側に行くに連れて縮径する受け部側テーパ面と、前記泡立て部側筒状部の上部の内径が上方側に行くに連れて拡径する泡立て部側テーパ面とを備え、前記注ぎ口部を前記抽出部の下方側に装着し且つ前記材料受け部を前記抽出室内に装着した状態において、前記受け部側筒状部が前記泡立て部側筒状部の内径側に位置する状態で、前記注ぎ口部のスライド方向において前記受け部側テーパ面と前記泡立て部側テーパ面とが近接又は当接するように構成されている請求項3に記載の飲料抽出機。
前記泡立て部側筒状部内の底面が前記注ぎ口側に向かうに連れて下方側に傾斜する傾斜面で構成されるとともに、前記泡立て部側筒状部の周方向における前記注ぎ口側には前記抽出孔を通過した飲料を前記注ぎ口側に流出させる流出部が形成されている請求項3又は4に記載の飲料抽出機。
前記材料受け部が、前記抽出孔を有する前記受け部側筒状部が形成される外側部材と前記外側部材内に装着される内側部材とを備えて構成され、前記内側部材の中央部に形成された開口部には前記被抽出材料から抽出された飲料をろ過して前記抽出孔側に通過させるフィルタが設けられている請求項3から5の何れか一項に記載の飲料抽出機。
前記注ぎ口部を前記抽出部に着脱する際、前記注ぎ口部を形成する外壁部のうち前記受け部側筒状部に当接する部位に、上方側に開口する弧状切り欠き部が設けられている請求項3から6の何れか一項に記載の飲料抽出機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる飲料抽出機においては、上方側開口部を介して抽出室内に注ぎ口部、材料受け部の順で装着され、蓋体を閉鎖した状態では材料受け部及び注ぎ口部を取り外すこと(離脱)ができない構成とされている。従って、抽出運転中に注ぎ口部が取り外されることが無く、高温の飲料が注ぎ口から吐出され、注ぎ口以外の箇所から吐出されることのないように構成されており、使用者に対する安全性が確保されている。
一方で、蓋体を開放した状態において、注ぎ口部を抽出室内から離脱させようとすると、上方側開口部を介して材料受け部を離脱する必要があり、材料受け部を抽出室内に装着したまま、注ぎ口部のみを抽出室内から離脱させることができない構成となっている。
【0006】
ここで、飲料の抽出孔を備えた材料受け部及び飲料に泡(所謂クレマ)を発生させる泡立て部を備えた注ぎ口部の夫々は、通常、抽出運転に伴って抽出された飲料等により汚れるため洗浄や清掃が行われるが、洗浄や清掃を行う際、蓋体を開放した状態において、材料受け部と注ぎ口部との両方或いは一方を必要に応じて任意に抽出部から離脱させることができれば便利である。例えば、泡立て部を備えた注ぎ口部のみを洗浄や清掃したい場合に、材料受け部を抽出室内に装着したまま、注ぎ口部のみを離脱させることができれば利便性が向上するため、改善が望まれていた。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓋体を閉鎖した状態では材料受け部及び注ぎ口部を離脱できず安全性を確保しながら、蓋体を開放した状態では、材料受け部及び注ぎ口部の両方或いは一方を任意に離脱でき利便性を向上し得る飲料抽出機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る飲料抽出機は、被抽出材料を装入する抽出室及び前記抽出室の上方側開口部を開閉自在な蓋体を備えた抽出部と、液体を加熱し且つ加圧して前記抽出室内に供給する加熱送液部とが設けられた飲料抽出機であって、その特徴構成は、
前記抽出室の底部に下方側に貫通する貫通口が設けられ、
前記上方側開口部を介して前記抽出室内に着脱自在で且つ前記被抽出材料を載置する材料受け部を備え、前記材料受け部には前記被抽出材料から抽出された飲料が通過できる抽出孔が設けられ、
前記抽出室を介さずに下方側から前記抽出部に着脱自在で且つ前記抽出部に装着された状態で前記貫通口に臨む前記抽出孔を下方側から囲繞する箱状の注ぎ口部を備え、前記注ぎ口部には、前記抽出孔を通過した飲料を泡立てる泡立て部と前記泡立て部にて泡立てられた飲料を抽出容器に吐出する注ぎ口とが設けられ、
前記注ぎ口部を前記抽出部の下方側に装着し且つ前記材料受け部を前記抽出室内に装着した状態において、前記蓋体により前記上方側開口部を閉鎖した閉鎖状態では、前記抽出部からの前記注ぎ口部の離脱を阻止し、前記蓋体により前記上方側開口部を開放した開放状態では、前記抽出室を介さずに前記抽出部からの前記注ぎ口部の離脱を許容する注ぎ口部離脱阻止機構を備えた点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、注ぎ口部を抽出部の下方側に装着し且つ材料受け部を抽出室内に装着した状態において、蓋体により上方側開口部を閉鎖した閉鎖状態では、抽出室内からの材料受け部の離脱が蓋体により阻止され、抽出部からの注ぎ口部の離脱が注ぎ口部離脱阻止機構により阻止されて、抽出運転中に材料受け部や注ぎ口部が離脱することを確実に防止することができ、安全性を向上できる。
一方で、蓋体により上方側開口部を開放した開放状態では、被抽出材料を載置する材料受け部は、蓋体の存在に邪魔されない状態で抽出室内から上方側開口部を介して離脱できるのに対して、泡立て部及び注ぎ口を備えた注ぎ口部は、材料受け部の存在に邪魔されず且つ注ぎ口部離脱阻止機構により阻止されない(許容された)状態で、抽出室(上方側開口部)を介さずに抽出部から離脱できるので、抽出室内からの材料受け部の離脱、及び、抽出部からの注ぎ口部の離脱を、夫々別々に行うことができる。従って、被抽出材料が載置され且つ被抽出材料から抽出された飲料が通過できる抽出孔を備えた材料受け部、及び、抽出孔を通過した飲料を泡立てる泡立て部と泡立て部にて泡立てられた飲料を抽出容器に吐出する注ぎ口とが設けられた注ぎ口部の夫々が、飲料等により汚れた場合であっても、汚れの程度や使用者の要望等に合わせて材料受け部及び注ぎ口部の両方或いは一方を任意に取り外して洗浄や清掃を行うことができ、利便性を向上させることができる。
よって、蓋体を閉鎖した閉鎖状態では材料受け部及び注ぎ口部を離脱できず安全性の確保をしながら、蓋体を開放した開放状態では、材料受け部及び注ぎ口部の両方或いは一方を任意に離脱でき利便性を向上し得る飲料抽出機を提供することができた。
【0010】
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記注ぎ口部離脱阻止機構が、前記材料受け部を前記抽出室内に装着した状態において、前記開放状態では、少なくとも前記抽出室を介さずに前記抽出部への前記注ぎ口部の装着を許容する点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、材料受け部を抽出室内に装着した状態において、蓋体により上方側開口部を開放した開放状態では、少なくとも抽出室を介さずに抽出部への注ぎ口部の装着が許容されるので、材料受け部を抽出室内に装着したままの状態で抽出部から離脱された注ぎ口部を、必要に応じて洗浄や清掃をした後に、抽出室の上方側開口部を介さずに、しかも、材料受け部を抽出室内に装着したままの状態で、抽出部に装着することができ、利便性をより向上し得る飲料抽出機を提供することができた。
【0012】
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記注ぎ口部が、前記上方側開口部の開口面と平行な方向に沿ってスライドする形態で、前記抽出部に着脱自在に構成され、
前記注ぎ口部離脱阻止機構が、前記材料受け部に形成され且つ前記材料受け部が前記抽出室内に装着された状態で前記貫通口に挿通される受け部側筒状部と、前記注ぎ口部内の底部から上方側に突出形成される前記泡立て部としての有底筒状の泡立て部側筒状部とを備え、前記注ぎ口部を前記抽出部の下方側に装着し且つ前記材料受け部を前記抽出室内に装着した状態において、前記注ぎ口部のスライド方向において前記受け部側筒状部と前記泡立て部側筒状部とが近接又は当接するように構成され、
前記注ぎ口部離脱阻止機構が、前記閉鎖状態では、スライド方向にスライドさせた前記注ぎ口部の前記泡立て部側筒状部が前記蓋体により押圧された前記材料受け部の前記受け部側筒状部に当接して、前記抽出部からの前記注ぎ口部の離脱を阻止し、前記開放状態では、スライド方向にスライドさせた前記注ぎ口部の前記泡立て部側筒状部が前記蓋体による押圧が解除された前記材料受け部の前記受け部側筒状部に当接して、前記抽出部からの前記注ぎ口部の離脱を許容する点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、注ぎ口部離脱阻止機構が、注ぎ口部を抽出部の下方側に装着し且つ材料受け部を抽出室内に装着した状態において、注ぎ口部のスライド方向において受け部側筒状部と泡立て部側筒状部とが近接又は当接するように構成され、蓋体により上方側開口部を閉鎖した閉鎖状態では、注ぎ口部を上方側開口部の開口面と平行なスライド方向に沿ってスライドさせて抽出部から離脱させようとしても、泡立て部側筒状部が蓋体により下方側に押圧された材料受け部の受け部側筒状部に当接して注ぎ口部がスライド移動できず、抽出部からの注ぎ口部の離脱が阻止されるように構成されているので、抽出運転中に注ぎ口部が離脱することをより確実に防止することができ、安全性をより向上できる。
一方で、蓋体により上方側開口部を開放した開放状態では、注ぎ口部を上方側開口部の開口面と平行なスライド方向に沿ってスライドさせると、注ぎ口部の泡立て部側筒状部が、蓋体による下方側への押圧が解除された材料受け部の受け部側筒状部に当接しながら当該受け部側筒状部を上方側に持ち上げて、注ぎ口部がスライド移動でき、抽出部からの注ぎ口部の離脱が許容されるように構成されている。これにより、抽出室内からの材料受け部の離脱、及び、抽出部からの注ぎ口部の離脱を、夫々別々に確実に行うことができる。
よって、蓋体を閉鎖した閉鎖状態では材料受け部及び注ぎ口部を離脱できず安全性を確実に確保しながら、蓋体を開放した開放状態では、材料受け部及び注ぎ口部の両方或いは一方を任意に離脱でき利便性を一層向上し得る飲料抽出機を提供することができた。
【0014】
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記注ぎ口部離脱阻止機構が、前記受け部側筒状部の下部の外径が下方側に行くに連れて縮径する受け部側テーパ面と、前記泡立て部側筒状部の上部の内径が上方側に行くに連れて拡径する泡立て部側テーパ面とを備え、前記注ぎ口部を前記抽出部の下方側に装着し且つ前記材料受け部を前記抽出室内に装着した状態において、前記受け部側筒状部が前記泡立て部側筒状部の内径側に位置する状態で、前記注ぎ口部のスライド方向において前記受け部側テーパ面と前記泡立て部側テーパ面とが近接又は当接するように構成されている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、受け部側筒状部(材料受け部)が当該受け部側筒状部の下方側に位置する泡立て部側筒状部(注ぎ口部)の内径側に位置する状態で、注ぎ口部のスライド方向において受け部側筒状部の受け部側テーパ面と泡立て部側筒状部の泡立て部側テーパ面とが近接又は当接するように構成され、閉鎖状態では、注ぎ口部を上方側開口部の開口面と平行なスライド方向に沿ってスライドさせて抽出部から離脱させようとしても、泡立て部側筒状部の泡立て部側テーパ面が蓋体により下方側に押圧された材料受け部の受け部側筒状部の受け部側テーパ面に当接して注ぎ口部がスライド移動できず、抽出部からの注ぎ口部の離脱が阻止されるように構成されているので、抽出運転中に注ぎ口部が離脱することをより一層確実に防止することができ、安全性を向上できる。
一方で、開放状態では、注ぎ口部を上方側開口部の開口面と平行なスライド方向に沿ってスライドさせると、注ぎ口部の泡立て部側筒状部における泡立て部側テーパ面が、蓋体による下方側への押圧が解除された材料受け部の受け部側筒状部における受け部側テーパ面に当接し、注ぎ口部のスライドにより受け部側テーパ面が泡立て部側テーパ面に沿って摺動案内されながら上方側に持ち上げられて、受け部側筒状部の泡立て部側筒状部の内径側への入り込みが解除され、注ぎ口部がスライド移動でき、抽出部からの注ぎ口部の離脱を容易に行うことができるように構成されている。これにより、抽出室内からの材料受け部の離脱、及び、抽出部からの注ぎ口部の離脱を、夫々別々に確実且つ容易に行うことができる。
よって、蓋体を閉鎖した閉鎖状態では材料受け部及び注ぎ口部を離脱できず安全性をより確実に確保しながら、蓋体を開放した開放状態では、材料受け部及び注ぎ口部の両方或いは一方を任意に離脱でき利便性をより一層向上し得る飲料抽出機を提供することができた。
【0016】
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記泡立て部側筒状部内の底面が前記注ぎ口側に向かうに連れて下方側に傾斜する傾斜面で構成されるとともに、前記泡立て部側筒状部の周方向における前記注ぎ口側には前記抽出孔を通過した飲料を前記注ぎ口側に流出させる流出部が形成されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、泡立て部側筒状部内の底面が注ぎ口側に向かうに連れて下方側に傾斜する傾斜面で構成されるとともに、泡立て部側筒状部の周方向における注ぎ口側には抽出孔を通過した飲料を注ぎ口側に流出させる流出部が形成されているので、被抽出材料から抽出されて材料受け部の抽出孔から噴出する飲料が泡立て部側筒状部内の傾斜面(底面)に衝突すると、当該飲料を泡立て部側筒状部内の空間にて泡立てながら、泡立て部側筒状部の周方向における注ぎ口側に形成された流出部に導き、注ぎ口側に流出させることができる。従って、良好に泡立てられた泡(所謂クレマ)を含む飲料を、流出部を介して注ぎ口部内における泡立て部側筒状部内の空間から注ぎ口側の空間へと通流させ、注ぎ口から抽出容器に吐出することができる。
なお、泡立て部側筒状部内の空間は、主として抽出孔及び流出部により他の空間(受け部側筒状部内の空間や注ぎ口部内における注ぎ口側の空間)と連通しているため、抽出孔から噴出する飲料は底面(傾斜面)への衝突に加えて泡立て部側筒状部内の空間に存在する飲料とも衝突することで、微細且つ多量の良好な泡を含む状態となっている。
【0018】
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記材料受け部が、前記抽出孔を有する前記受け部側筒状部が形成される外側部材と前記外側部材内に装着される内側部材とを備えて構成され、前記内側部材の中央部に形成された開口部には前記被抽出材料から抽出された飲料をろ過して前記抽出孔側に通過させるフィルタが設けられている点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、材料受け部が、抽出孔を有する受け部側筒状部が形成される外側部材と、フィルタが設けられ外側部材内に装着される内側部材とを備えて構成されているので、飲料等によりフィルタや抽出孔が汚れた場合であっても、材料受け部を外側部材と内側部材とに分離して、外側部材、内側部材、フィルタ及び抽出孔を夫々別々に洗浄や清掃することができ、洗浄性及び利便性をより一層向上させることができる。また、抽出孔側に通過する飲料は、フィルタにて予めコーヒー粉等の不純物が除去されるので、抽出孔が閉塞されてしまうことを良好に防止することができる。
【0020】
本発明に係る飲料抽出機の更なる特徴構成は、前記注ぎ口部を前記抽出部に着脱する際、前記注ぎ口部を形成する外壁部のうち前記受け部側筒状部に当接する部位に、上方側に開口する弧状切り欠き部が設けられている点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、開放状態において抽出部に装着された注ぎ口部を上方側開口部の開口面と平行な方向に沿ってスライドする形態で抽出部に着脱する際、箱状の注ぎ口部を形成する外壁部のうち、抽出室の底部の貫通口に挿通された受け部側筒状部の下部が当接する部位(注ぎ口部のスライド方向において、注ぎ口とは反対側の注ぎ口部の外壁部の一部)に、上方側に開口する弧状切り欠き部が設けられているので、注ぎ口部を着脱させるためにスライドさせても、受け部側筒状部の下部が注ぎ口部の外壁部に当接しない状態、或いは弧状切り欠き部に若干当接して弧状切り欠き部に沿って案内されながら上方側に持ち上げられる状態となり、注ぎ口部を抽出室に容易且つ確実に着脱させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明を飲料抽出機の一例としてのコーヒーメーカに適用した場合の実施形態を説明する。
図1〜
図4に示すように、コーヒーメーカは、装置本体1と、この装置本体1に着脱自在な水(液体の一例)貯留用のタンク8とを備えて構成されている。
図2〜
図5に示すように、装置本体1には、コーヒー粉(被抽出材料の一例)Qを装入する抽出室3を形成する抽出部基体50(基体の一例)及び抽出室3の上方側開口部4を開閉自在な蓋体5を備えた抽出部2、水を加熱し且つ加圧して送液路6を通して抽出室3に供給する加熱送液部7、及び、上方側開口部4を閉鎖する閉鎖位置(
図1及び
図3参照)に蓋体5を保持するロック状態(
図5(a)参照)と当該ロック状態を解除する解除状態(
図5(b)参照)とに切り換えることができる蓋ロック機構L(
図5参照)等が組み付けられている。
【0024】
この実施形態のコーヒーメーカは、
図2に示すように、コーヒー豆を挽いたコーヒー粉Qが袋状のフィルターペーパ内に封入された所謂カフェポッドMを、抽出部2に装入する構成となっている。ちなみに、カフェポッドMには、例えばコーヒーカップ一杯分のコーヒーを抽出するのに必要な量のコーヒー粉Qが封入されている。
又、詳細は後述するが、
図2〜
図4に示すように、上方側開口部4を介して抽出部2の抽出室3内に着脱自在で且つコーヒー粉Qが封入されたカフェポッドMを載置するポッドホルダH(材料受け部の一例)が備えられ、そのポッドホルダHには、コーヒー粉Qから抽出されたコーヒー(飲料の一例)が通過できる抽出孔47h(
図9〜
図12参照)が設けられている。
【0025】
図1〜
図3に示すように、装置本体1は、概略、前方上部から前方に張り出す形態で抽出部2を備え、抽出部2に上下方向で対向する状態で前方下部から前方に突出する容器載せ台9を備え、後方にタンク8を装着できる凹部を備えた形状に構成され、外郭が外郭部材10にて覆われている。
詳細は後述するが、
図2〜
図4に示すように、抽出部2には、注ぎ口33を備えた注ぎ口部材30(注ぎ口部の一例)が抽出室3を介さずに下方側から着脱自在となるように構成されている。
そして、
図3に示すように、カフェポッドMを抽出室3内に装入して、上方側開口部4を蓋体5により閉鎖した閉鎖状態で加熱送液部7を作動させると、抽出部2に湯が加圧供給されてコーヒーが抽出され、容器載せ台9に載置したコーヒーカップ(抽出容器の一例、図示省略)に注ぎ口部材30の注ぎ口33からコーヒーが吐出される。
尚、以下の説明では、コーヒーメーカを水平な台上に載置した状態で、抽出部2が張り出す方向を前方として、各方向を定義する。即ち、抽出部2の張り出し方向とは反対方向を後方と定義し、前面視で左右方向を定義する。
【0026】
次に、コーヒーメーカの各部について、詳細に説明する。
図3に示すように、この実施形態では、加熱送液部7は、タンク8内の水を送出するポンプ11と、そのポンプ11により送出される水を一時貯留して加熱する湯沸し部12とを備えて構成されている。
湯沸し部12は、水を貯留可能な加熱容器13内にシーズヒータからなる電気ヒータ14を設けて構成され、加熱容器13内の水を電気ヒータ14により加熱する構成となっている。ちなみに、加熱容器13の容量は、例えば、350cc程度である。
図示を省略するが、湯沸し部12には、加熱容器13内の湯水の温度を検出する湯温センサが備えられている。
タンク8は、装置本体1に設けられたタンク受け17に倒立状態で装着され、タンク受け17から水が送出されるのに伴って、タンク8の出口からタンク受け17に水が流下する構成となっている。
【0027】
図3に示すように、送液路6は、タンク受け17と蓋体5の内蓋80に設けられた円盤状の押圧部70(
図2及び
図4参照)とに接続された状態で、装置本体1内に引き回されて設けられている。送液路6には、上流側から下流側に向けて、送液路6を通流する水の流量を検出する容積式の流量センサ19、ポンプ11、一次側(ポンプ11からの流入側)の圧力を所定の設定供給圧力以下に維持するように構成された逃がし弁20、湯沸し部12、一次側(湯沸し部12からの流入側)の圧力が所定の設定吐出圧力以上になると開弁するように構成された圧力弁21が配設されている。ちなみに、この圧力弁21の設定吐出圧力は、100℃よりも高い温度(例えば、106℃)の水の飽和蒸気圧に相当する圧力(例えば、プレーンコーヒーの抽出に好適な圧力である0.5〜4気圧(ゲージ圧)程度)に設定されている。
逃がし弁20の還流口とタンク受け17とが還流路22にて接続されている。そして、逃がし弁20に流入する水の圧力が設定供給圧力を越えると、流入した水の一部が還流路22を通してタンク受け17に戻されることにより、逃がし弁20に流入する水の圧力が設定供給圧力以下に維持されるように構成されている。
【0028】
図3に示すように、金属製の板材が側面視で概略U字状に成形されて形成されたフレーム23が、装置本体1の外郭部材10内に立設され、ポンプ11、湯沸し部12及び流量センサ19は、フレーム23内に位置させた状態でそのフレーム23に支持されている。
図示を省略するが、このコーヒーメーカには、運転を制御する制御部が設けられ、更に、
図1に示すように、制御部に運転制御情報を送信する操作部25が、装置本体1の上面に設けられている。
【0029】
次に、抽出部2について説明する。
図2〜
図4に示すように、装置本体1の前方には、装置本体1の前方上部から前方に張り出す抽出部2と前方下部から前方に突出する容器載せ台9との上下方向間に、前壁部15が設けられており、前壁部15の上端部に抽出部2の抽出部基体50が、前後両側に突出する形態で支持されて備えられている。抽出部基体50における前壁部15からの張り出し部分の下方が、下部覆い部材51にて覆われている。
図1〜
図4に示すように、下部覆い部材51には、注ぎ口部材30を挿脱するための挿脱口52が、前面から底面にわたって開く形態で形成されている。
図7〜
図12に示すように、挿脱口52の内面における両側面には、前面視で一方の側面から他方の側面に向けて突出し他方の側面から一方の側面に向けて突出する一対のガイドレール52aが、長手方向を装置本体1の前後方向に沿わせた状態で設けられている。挿脱口52の内面における上面側は、後述する抽出部基体50の底部の中央に形成された貫通口54と連通するように形成されている。
【0030】
図4、
図7、
図10〜
図12に示すように、注ぎ口部材30は、受入開口部31を備えた概略箱状に構成され、注ぎ口部材30を形成する外壁部35の外面の両側面には、前面視で一方の側面から外方(挿脱口52の内面)に向けて突出し他方の側面から外方(挿脱口52の内面)に向けて突出する一対のレール35aが、長手方向を注ぎ口部材30の前後方向に沿わせた状態で設けられている。従って、注ぎ口部材30は、一対のレール35aが挿脱口52の一対のガイドレール52aの上面に載置案内され、受入開口部31の開口縁を水平方向に沿わせた姿勢で、上方側開口部4の開口面S(
図8から
図10参照)と平行な方向(水平又は略水平方向)に沿ってスライドする形態で、挿脱口52を通して下部覆い部材51内に挿脱されることで着脱自在に構成されている。即ち、注ぎ口部材30は、抽出室3を介さずに下方側から抽出部2に装着自在に構成され、抽出部2に装着された状態で、抽出室3の底部の貫通口54及び抽出室3内に装着されたポッドホルダHの抽出孔47hを、下方から囲繞するように構成されている(
図3及び
図11参照)。
【0031】
注ぎ口部材30内の底面32の先端側(装置本体1の後方側)には、底面32から上方側に突出形成される有底筒状の割れ筒状部(泡立て部及び泡立て部側筒状部の一例)34が立設され、底面32の基端側(装置本体1の前方側)には、底面32から下方側に突出形成される筒状の注ぎ口33が貫設されている。また、注ぎ口部材30内の底面32(割れ筒状部34内の底面も含む)は、割れ筒状部34側から注ぎ口33側に向かうに連れて下方側に傾斜する前下がり傾斜面(傾斜面の一例)となるように形成されている。また、割れ筒状部34の周方向における注ぎ口33側には、軸芯方向の全長にわたって延びて抽出孔47hを通過したコーヒーを注ぎ口33側に流出させるスリット34a(流出部の一例)が形成され、当該スリット34aは、基端側、即ち、注ぎ口33側に向かって開くように形成されている(
図4参照)。従って、注ぎ口部材30内の空間は、少なくとも割れ筒状部34内の空間と、割れ筒状部34内に対してスリット34aを介して連通する注ぎ口33側の空間とを備えるように構成されている。
【0032】
割れ筒状部34の上部には、内径が上方側に行くに連れて拡径するテーパ面34b(泡立て部側テーパ面の一例)を備えており、底面32から突出する割れ筒状部34の突出高さは、割れ筒状部34のテーパ面34bと、後述する抽出室3内に装着されたポッドホルダH(
図9参照)の外側筒状部41(受け部側筒状部の一例)のテーパ面41a(受け部側テーパ面の一例)との対向面間に所定の隙間(本実施形態では、0.5mm程度)を形成した状態で近接する程度の高さに設定されている。
【0033】
また、注ぎ口部材30を形成する外壁部35のうち、先端側(装置本体1の後方側)、即ち、後述するように注ぎ口部材30を抽出部2の挿脱口52に着脱させる際において外側筒状部41に当接する部位に、上方側に開口する弧状切り欠き部33Aが設けられている(
図4参照)。
【0034】
図4、
図6〜
図12に示すように、抽出部基体50には、下方に椀状に窪むと共に、底部の中央部に下方側に貫通する貫通口54を備えた窪み部53が設けられ、更に、抽出部基体50の上面における窪み部53の窪み開口部55の左右両側には、上方に突出すると共に前後方向に長い突条部56が設けられ、その各突条部56の前方向きの端面には、後方に向かって窪む後向き凹部57が備えられている。
【0035】
図4〜
図7、
図9〜
図12に示すように、ポッドホルダHは、抽出孔47hを有する外側筒状部41が形成される概略椀状のホルダ本体40(外側部材の一例)と、中央部に内側筒状部48p(開口部の一例)が形成されホルダ本体40内に装着されるポッド受部材48(内側部材の一例)と、ポッド受部材48の下面における内側筒状部48pの外周縁部とホルダ本体40の上面における外側筒状部41の外周縁部との隣接間を密封する環状のシール部材46を備えて構成されている。なお、ポッド受部材48は、内側筒状部48pがホルダ本体40の外側筒状部41に嵌め込まれた状態で、ホルダ本体40内に装着される。
【0036】
又、
図9〜
図12に示すように、ホルダ本体40の外側筒状部41の先端部(外側筒状部41に内嵌された内側筒状部48pよりも下方側)には、微小な抽出孔47h(
図9〜
図12では1箇所)が形成された抽出孔部材47が嵌め込まれ、ポッド受部材48の内側筒状部48pには網状体49(フィルタの一例)が嵌め込まれている。
更に、
図2及び
図6に示すように、ポッド受部材48の上面において内側筒状部48pから径方向外方に向けて延びる複数のリブ48rが放射状に(即ち、周方向に分散して)設けられ、複数のリブ48rの上面にカフェポッドMが載置される(
図4参照)。
【0037】
図4、
図6〜
図12に示すように、概略椀状に形成されたホルダ本体40は、ホルダ開口部42の外周部に全周にわたる鍔状部43を備え、鍔状部43の内周側でホルダ本体40の中央部において下方側に突出形成される外側筒状部41の外径は、抽出部基体50の貫通口54の内径と同径或いは若干小さく形成されている。従って、外側筒状部41を貫通口54内に挿通させ抽出孔47hを貫通口54に臨ませた状態で、ポッドホルダHを抽出部基体50の窪み部53の窪み開口部55を介して当該窪み部53に落とし込み装着すること、即ち、ポッドホルダHを上方側開口部4を介して抽出室3内に装着することができるように構成されている。
【0038】
又、外側筒状部41の下部には、外径が下方側に行くに連れて縮径するテーパ面41aを備えており、当該テーパ面41aは、割れ筒状部34のテーパ面34bと同等或いは略同等の傾斜角度となるように形成されている。
従って、注ぎ口部材30が挿脱口52に装着され且つポッドホルダHが抽出室3内に装着された状態では、外側筒状部41の下部が割れ筒状部34の上部の内径側に位置する状態で入り込み、テーパ面41aとテーパ面34bとが対向面間に所定の隙間を形成した状態で近接するように構成されている(
図11参照)。なお、注ぎ口部材33のスライド方向においても、テーパ面41aとテーパ面34bとは、所定の隙間よりも若干大きな隙間で近接するように構成されている。
【0039】
又、
図4及び
図6に示すように、ホルダ本体40の鍔状部43の外周側には、径方向外方に突出する摘み部44と位置決め用羽根部45とが周方向にずらした状態で備えられている。ちなみに、抽出部基体50の窪み部53に装着するためのホルダ本体40、即ち、ポッドホルダHの適正な向きは、摘み部44が前方側に向く姿勢である。
【0040】
ポッドホルダHを窪み部53に装着するときの周方向での位置決め用として、抽出部基体50の上面に、ポッドホルダHの摘み部44及び位置決め用羽根部45夫々が入り込む位置決め用凹部58A,58Bが設けられている。
抽出部基体50の窪み部53の内面には、その底部における貫通口54の縁部から窪み開口部55の開口縁に延びる複数のリブ59が放射状に設けられ(
図6では、例えば、周方向で等間隔に6本)、ポッドホルダHを窪み部53に装着するときの径方向での位置決め用として、各リブ59における窪み開口部55の開口縁側の部分には、貫通口54側の部分よりも高い位置決め用段部59sが形成されている。
【0041】
そして、
図6、
図7及び
図9に示すように、ホルダ本体40、抽出孔部材47、ポッド受部材48及び網状体49が上述のように組み付けられて構成されたポッドホルダHが、ポッドホルダHの摘み部44、位置決め用羽根部45が夫々位置決め用凹部58A,58Bに入り込んで外側筒状部41が貫通口54に挿通された状態では、ホルダ本体40が複数のリブ59の位置決め用段部59sに載置されることにより、上下方向、周方向及び径方向ともに位置決めされて、窪み開口部55を介して抽出部基体50の窪み部53に装着される。ポッドホルダHが窪み部53内に装着されると、外側筒状部41の先端が挿脱口52に装着された注ぎ口部材30における割れ筒状部34の上部の内径側に位置する状態で入り込み、外側筒状部41のテーパ面41aと割れ筒状部34のテーパ面34bとが、上述のように所定の隙間を空けた状態で近接した状態となる。そして、カフェポッドMは、ポッド受部材48に載置された状態で、ポッドホルダHに載置されることになる。なお、抽出部基体50の窪み部53の内部が、ポッドホルダHを収納する抽出部2の抽出室3に構成され、窪み部53の窪み開口部55が抽出部2の上方側開口部4として機能するように構成されており、抽出部2は、窪み部53を備えた抽出部基体50、下部覆い部材51及び注ぎ口部材30等を備えて構成されていることとなる。
【0042】
そして、蓋体5により上方側開口部4を閉塞した状態で、蓋体5の押圧部70により押圧されたカフェポッドMから抽出されたコーヒーは、抽出孔部材47の微小な抽出孔47hから注ぎ口部材30の割れ筒状部34内に噴出してその底面32に衝突し、泡、所謂クレマが立つ。そのようにクレマが立ったコーヒーは、割れ筒状部34のスリット34aを通過し、更に、注ぎ口部材30の底面32を流下して、注ぎ口33から滴下し、コーヒーカップに注がれる。
なお、抽出部基体50が、抽出部2を形成する抽出部形成体に相当すると共に、割れ筒状部34が抽出孔47hを通過した飲料を泡立てる泡立て部及び泡立て部側筒状部に相当する。
【0043】
次に、蓋体5について説明する。
図2〜
図4、
図8〜
図12に示すように、蓋体5は、抽出室3内においてポッドホルダHに載置されたカフェポッドMを押圧する押圧面71を備えた押圧部70が設けられ、押圧面71には、蓋体5が閉鎖された閉鎖状態で当該押圧面71よりもポッドホルダH側に突出する突出押圧部72が設けられるとともに、突出押圧部72に、加熱送液部7から供給された湯をポッドホルダHに載置されたカフェポッドMに供給する湯口73が設けられている。
【0044】
蓋体5の各部について、説明を加える。
図3、
図5及び
図8〜
図12に示すように、蓋体5の後端には、軸体60が軸心A1を左右方向に沿わせて取り付けられ、又、抽出部基体50の一対の突条部56夫々の上面における後方には、軸支部61が立設されている。そして、蓋体5が、その軸体60が一対の軸支部61に軸支された状態で設けられることにより、蓋体5が、抽出部2の上方側開口部4の外方に位置する左右方向の軸心A1にて、抽出部2の上方側開口部4を閉鎖する閉鎖位置(
図1、
図3及び
図11参照)とその閉鎖位置から最も離間した全開位置(
図2、
図4及び
図8〜
図10参照)との間で揺動自在に設けられている。尚、
図5は、抽出部2及び蓋体5の斜視図において、蓋上板62(詳細は後述)及び下部覆い部材51を省略した図である。
【0045】
図2〜
図4に示すように、蓋体5は、その上方を覆う概略ドーム状の蓋上板62の下方に各部材を組み付けて構成されている。
図2及び
図8〜
図11に示すように、蓋体5における抽出部基体50の上面に対向する部分には、蓋体5が閉鎖位置に位置したときに抽出部基体50の窪み部53に装着されたポッドホルダHにおけるホルダ本体40のホルダ開口部42を閉鎖するように、内蓋80が設けられ、この内蓋80に押圧部70が設けられると共に、内蓋80の抽出部基体50に対向する面における押圧部70の外周部には、リング状の密封シール部材65が設けられている。
【0046】
内蓋80は、筒状の外周壁部81とその筒状の外周壁部81の内方の概略円盤状の台部82とを備えた形状に構成され、台部82には湯受入口83を備え、この内蓋80は、湯受入口83が圧力弁21に連通する状態で設けられる。押圧部70は、複数のビス63夫々を押圧部70の各ネジ挿通孔(図示せず)に挿通して内蓋80の台部82の各ネジ孔(図示せず)に捩じ込むことにより、内蓋80に取り付けられ、そのように取り付けられた状態では、内蓋80の台部82の表面と押圧部70との間に、所定の間隔が保持された状態で閉塞空間86が形成される。
【0047】
押圧部70は、内蓋80の台部82の表面及び側周面を覆うことが可能なドーム状に構成され、押圧部70の押圧面71には、蓋体5が閉鎖された閉鎖状態で押圧面71よりもポッドホルダH側に突出する中央側突出押圧部75が、概略円形に形成された押圧面71の中央部に設けられるとともに、湯口73を備えた複数の突出押圧部72(この実施形態では5個)が、押圧面71における中央側突出押圧部75の外周側に環状に設けられている。
【0048】
密封シール部材65の内周面には、押圧部70の外周部を装入するためのスリット65sが設けられ、押圧部70を内蓋80の台部82に取り付ける際に、押圧部70の外周部に密封シール部材65が外嵌された状態で、押圧部70が上述したように内蓋80に取り付けられて、密封シール部材65が、押圧部70の外周部と内蓋80の台部82との間を封止する。
【0049】
図3及び
図11に示すように、蓋体5を閉鎖位置に位置させると、押圧部70の外周部の密封シール部材65により、内蓋80とポッドホルダHにおけるホルダ本体40のホルダ開口部42との間及び押圧部70とホルダ開口部42との間が封止される状態で、蓋体5により抽出部2の上方側開口部4が閉鎖される。
そして、蓋体5が閉鎖位置に位置した閉鎖状態では、押圧面71、突出押圧部72及び中央側突出押圧部75によりカフェポッドMが抽出室3の底部側(窪み部53の内面側)に押圧されるとともに、密封シール部材65によりポッドホルダHが抽出室3の底部側(窪み部53の内面側)に押圧されて、ポッドホルダHの下面が複数のリブ59の上面に押し付けられることとなる。この状態では、外側筒状部41の先端が挿脱口52に装着された注ぎ口部材30における割れ筒状部34の上部の内径側に位置する状態で入り込み、外側筒状部41のテーパ面41aと割れ筒状部34のテーパ面34bとが、上述のように所定の隙間を空けた状態で近接した状態となる。つまり、蓋体5が閉鎖状態(特に、後述するロック状態)にある場合には、蓋体5によるカフェポッドM及びポッドホルダHの押圧、更に、注ぎ口部材30のスライド方向においてテーパ面41aとテーパ面34bとが近接することにより、挿脱口52に装着された注ぎ口部材30をスライド方向に沿ってスライドさせて挿脱口52から離脱させようとしても、テーパ面34bが蓋体5により下方側に押圧されたテーパ面41aに当接して、ガイドレール52aに沿ってスライド移動できず挿脱口52から離脱できないように構成されている。また、注ぎ口部材30を挿脱口52に装着しようとしても、外側筒状部41が注ぎ口部材30の外壁部35や弧状切り欠き部33Aに当接してガイドレール52aに沿ってスライド移動できず挿脱口52に装着することができないように構成されている。従って、外側筒状部41、割れ筒状部34、両テーパ面34b,41a及び押圧部70が、注ぎ口部離脱阻止機構Pとして機能することとなる(
図10参照)。
【0050】
そして、圧力弁21から内蓋80の湯受入口83に湯が噴出されると、その湯は内蓋80の台部82の表面と押圧部70との間の閉塞空間86を介して複数の湯口73から抽出室3に装入されたカフェポッドMに噴出される。
【0051】
図3に示すように、送液路6において湯沸し部12と押圧部70とを接続する流路部分は、可撓性を有する耐熱性の送液チューブ66により構成され、送液チューブ66が、蓋体5の揺動を許容するように、弛みを持たせて湯沸し部12と圧力弁21とに接続されている。
【0052】
図3及び
図5に示すように、蓋体5の内部空間には、スライド部材90が、蓋体5が閉鎖位置に位置する状態のときに、抽出部2の上方側開口部4に対向する(即ち、抽出部基体50の上面に略平行となる)開口面Sに沿い且つ蓋体5の揺動軸心A1に直交する方向(即ち、蓋体5の前後方向)に往復移動自在に設けられている。
図5に示すように、スライド部材90には、蓋体5が閉鎖位置に位置する状態でのスライド部材90の往復移動に伴って、抽出部基体50の一対の突条部56夫々の後向き凹部57に係合、離脱する一対の左右方向に突起する横向き突起部91、及び、スライド部材90をスライド操作するための開閉操作レバー67を連結する一対の連結孔92が設けられている。
【0053】
一対の横向き突起部91及び一対の突条部56は、以下のような相対位置関係で設けられている。即ち、蓋体5が閉鎖位置に位置する状態で、
図5(a)に示すように、スライド部材90が前後方向の往復移動範囲における後端の係合位置に位置するときに、各横向き突起部91が各突条部56夫々の後向き凹部57に入り込んで係合状態となり、且つ、
図5(b)に示すように、スライド部材90が前後方向の往復移動範囲における前端の係合解除位置に位置するときに、各横向き突起部91が各突条部56夫々の後向き凹部57から離脱して非係合状態になる相対位置関係である。
【0054】
図1及び
図3に示すように、蓋上板62には、開閉操作レバー67を配置するための開口部が設けられ、
図5にも示すように、開閉操作レバー67は、蓋上板62の開口部内に嵌め込まれた状態で、その後端部が左右方向の軸心A2周りに揺動自在に蓋体5に設けられている。
図5に示すように、その開閉操作レバー67には、一対のアーム部67aが左右方向に振り分けて備えられ、一対のアーム部67aの夫々の先端がスライド部材90の一対の連結孔92夫々に嵌まり込む状態で連結されている。
そして、開閉操作レバー67とスライド部材90とは、蓋体5が閉鎖位置に位置する状態において、
図5(a)に示すように、開閉操作レバー67が前方側に揺動して倒れ姿勢(開閉操作レバー67の上面が蓋上板62の上面と面一)になると、スライド部材90が往復移動範囲後端の係合位置に位置し、
図5(b)に示すように、開閉操作レバー67が後方側に揺動して立ち姿勢になると、スライド部材90が往復移動範囲前端の係合解除位置に位置するように連結されている。
【0055】
従って、蓋体5を閉鎖位置に位置させた状態で、開閉操作レバー67を前向きの揺動により倒して倒れ姿勢とし、スライド部材90を係合位置に位置させると、一対の横向き突起部91夫々が一対の突条部56の後向き凹部57夫々に係合されて、蓋体5が閉鎖位置に保持され、蓋ロック機構Lがロック状態に切り換えられる。又、そのように蓋ロック機構Lがロック状態になっている状態で、開閉操作レバー67を後ろ向きの揺動により起立させ立ち姿勢とし、スライド部材90を係合解除位置に位置させると、一対の横向き突起部91夫々が一対の突条部56の後向き凹部57夫々から離脱して、蓋体5が閉鎖位置に保持される状態が解除され、蓋ロック機構Lが解除状態に切り換えられる。
【0056】
つまり、この実施形態では、蓋ロック機構Lが、スライド部材90、そのスライド部材90を移動操作する開閉操作レバー67、抽出部基体50の一対の突条部56夫々に夫々設けられた後向き凹部57、及び、スライド部材に設けられた一対の横向き突起部91を備えて構成されていることになる。
【0057】
制御部は、マイクロコンピュータにより構成され、操作部25からの制御情報、並びに、湯温センサ及び流量センサ19等のセンサ類の検出情報が入力されると共に、それら制御情報や検出情報の入力情報に基づいて、ポンプ11、湯沸し部12の電気ヒータ14等の作動を制御するように構成されている。
【0058】
図示を省略するが、操作部25には、コーヒーメーカの作動を可能にするための電源スイッチ、水充填運転を指令する水充填スイッチ、コーヒーの抽出運転を指令する抽出スイッチ等が備えられている。又、スライド部材90が係合位置に位置する(即ち、蓋ロック機構Lがロック状態に切り換えられる)のに伴ってオンし、係合位置から前進する(即ち、蓋ロック機構Lが解除状態に切り換えられる)のに伴ってオフするマイクロスイッチが設けられている。
水充填運転は、湯沸し部12の加熱容器13に水を満たす運転であり、このコーヒーメーカを初めて使用するとき等に実行する。又、抽出運転は、コーヒーカップ一杯分に相当する量のコーヒーを抽出する運転である。
予め、抽出運転においてポンプ11により湯を送出する抽出用目標送出量及び湯沸し部12にて水を加熱する目標加熱温度、並びに、水充填運転においてポンプ11により水を送出する充填用目標送出量が設定され、それら抽出用目標送出量、目標加熱温度及び充填用目標送出量が制御部のメモリー(図示省略)に記憶されている。ちなみに、この実施形態では、抽出用目標送出量は、例えば、130ccに設定され、目標加熱温度は、85〜93℃の範囲(例えば、89℃)に設定されている。又、充填用目標送出量は、タンク8の出口から圧力弁21に至る送液路6中に満たされる湯水の容量よりも多少多い量に設定される。
【0059】
制御部は、マイクロスイッチがオンになっている状態で水充填スイッチが押されると、ポンプ11の作動を開始して水充填運転を開始し、以降、流量センサ19にて検出される流量を積算して、その積算流量が充填用目標送出量に達すると、ポンプ11の作動を停止して水充填運転を終了するように構成されている。
【0060】
制御部は、マイクロスイッチがオンの状態で、抽出スイッチが押されると、抽出運転を開始し、マイクロスイッチがオフの状態では、抽出スイッチが押されても抽出運転を開始しないように構成されている。尚、抽出運転は、湯沸し部12の加熱容器13に水が満たされていることが前提として行われる。例えば、初めて抽出運転を行うときは、その前に、水充填運転を実行することになる。
制御部は、マイクロスイッチがオンになっている状態で抽出スイッチが押されると、電気ヒータ14を作動させて抽出運転を開始し、その抽出運転では、湯温センサの検出温度が目標加熱温度に達すると、電気ヒータ14の作動を停止すると共にポンプ11の作動を開始し、以降、流量センサ19にて検出される流量を積算して、その積算流量が抽出用目標送出量に達すると、ポンプ11の作動を停止して抽出運転を終了するように構成されている。
【0061】
本実施形態に係るコーヒーメーカを使用して、コーヒーを抽出する際の動作について説明する。
まず、
図5に示すように、開閉操作レバー67を起立させ立ち姿勢とし蓋ロック機構Lを解除状態(
図5(a)から(b)の状態)に切り換えて、
図8に示すように、蓋体5を全開位置側に揺動させ、上方側開口部4を開放した開放状態とする。
【0062】
次に、
図9に示すように、ホルダ本体40及びポッド受け部材48が組み付けられた状態のポッドホルダHを、上方側開口部4を介して、摘み部44、位置決め用羽根部45が夫々位置決め用凹部58A,58Bに入り込み且つ外側筒状部41が貫通口54に挿通された状態で、しかも、鍔状部43が複数のリブ59の位置決め用段部59sに載置され、ホルダ本体Hの下面が複数のリブ59の上面に載置された状態で抽出室3内に装着し、ポッドホルダHのポッド受け部材48にカフェポッドMを載置する。なお、カフェポッドMは、ポッドホルダHを抽出室3内に装着する前、或いは後述する注ぎ口部材30を挿脱口52に装着した後に、ポッド受け部材48に載置してもよい。
【0063】
そして、
図10に示すように、注ぎ口部材30を、注ぎ口部材30のレール35aを挿脱口52のガイドレール52aに沿わせた状態で(
図7参照)、上方側開口部4の開口面Sに沿ってスライド移動させる形態で挿脱口52に装着する。
この際には、
図10(a)及び(b)に示すように、注ぎ口部材30の装着に連れて当該注ぎ口部材30の外壁部35に形成された弧状切り欠き部33Aが、抽出室3の貫通口54に挿通された外側筒状部41のテーパ面41aに若干当接して、外側筒状部41が弧状切り欠き部33Aに沿って案内されながら上方側に持ち上げられる状態となる。
更に注ぎ口部材30をスライド移動させると、
図10(c)に示すように、上方側に持ち上げられた外側筒状部41を割れ筒状部34のテーパ面34bに沿って下方側に案内し、テーパ面41aとテーパ面34bとが、上述のように所定の隙間を空けた状態で近接した状態となる。これにより、外側筒状部41の先端を、割れ筒状部34の上部の内径側の位置に容易に入り込ませることができる(
図11参照)。
そして、
図11に示すように、蓋体5を閉鎖位置側に揺動させ、上方側開口部4を閉鎖した閉鎖状態とし、開閉操作レバー67を倒れ姿勢とし蓋ロック機構Lをロック状態(
図5(b)から(a)の状態)に切り換える。
【0064】
この状態で、制御部が、操作部25での操作に応じて上述の水充填運転や抽出運転を実行する。
この水充填運転や抽出運転中、即ち、蓋ロック機構Lが蓋体5を閉鎖状態で保持したロック状態では、注ぎ口部離脱阻止機構Pにより、抽出部2の挿脱口52に装着された注ぎ口部材30を当該挿脱口52から離脱させることができないとともに、抽出室3内に装着されたポッドホルダHを当該抽出室3内から離脱させることができないように構成されているので、安全性を向上できる。
説明を加えると、
図12に示すように、蓋体5が閉鎖状態に保持されたロック状態では、注ぎ口部材30を上方側開口部4の開口面Sと平行なスライド方向に沿ってスライドさせて抽出部2の挿脱口52から離脱させようとしても、割れ筒状部34のテーパ面34bが蓋体5により下方側に押圧されたポッドホルダHの外側筒状部41のテーパ面41aに当接して注ぎ口部材30がスライド移動できず、抽出部2からの注ぎ口部材30の離脱が阻止される。即ち、注ぎ口部材30がスライド移動しようとして、注ぎ口部材30の割れ筒状部34のテーパ面34bに当接する外側筒状部41のテーパ面41aを介して当該外側筒状部41を上方側に持ち上げようとしても、外側筒状部41が形成されるホルダ本体40の鍔状部43が内蓋80の外周壁部81に当接して持ち上げることができず、結果として、注ぎ口部材30がスライド移動することが阻止されることとなる。よって、抽出運転中に注ぎ口部材30が離脱することをより一層確実に防止することができ、安全性を向上できる。
【0065】
一方で、抽出運転では、カフェポッドMから抽出されてポッドホルダHの抽出孔47hから噴出するコーヒーが割れ筒状部34内の底面(傾斜面)に衝突すると、当該コーヒーを割れ筒状部34内の空間にて泡立てながら、割れ筒状部34の周方向における注ぎ口33側に形成されたスリット34aに導くことができる。従って、良好に泡立てられた泡(所謂クレマ)を含むコーヒーを、スリット34aを介して注ぎ口部材30内における割れ筒状部34内の空間から注ぎ口33側の空間へと通流させ、注ぎ口33からコーヒーカップに吐出することができる。
【0066】
抽出運転等を実行した後、このようにコーヒー等により汚れたポッドホルダHや注ぎ口部材30を洗浄や清掃する場合には、
図11に示す状態において、上述とは逆の要領で蓋ロック機構Lをロック状態から解除状態に切り換え蓋体5を全開位置に揺動させ開放状態とする。
この開放状態では、ポッドホルダHは、蓋体5の存在に邪魔されない状態で抽出室3内から上方側開口部4を介して離脱でき、さらに、注ぎ口部材30は、ポッドホルダHの存在に邪魔されず且つ注ぎ口部離脱阻止機構Pにより阻止されない(許容された)状態で、抽出室3(上方側開口部4)を介さずに抽出部2から離脱できるので、抽出室3内からのポッドホルダHの離脱、及び、抽出部2からの注ぎ口部材30の離脱を、夫々別々に行うことができる。例えば、ポッドホルダHを抽出室3に装着した状態のまま、注ぎ口部材30のみを離脱させ洗浄や清掃を行う場合には、蓋体5を開放した開放状態において、
図10(c),(b),(a)の順で示すように、注ぎ口部材30を離脱方向にスライド移動させることで、割れ筒状部34のテーパ面34bが蓋体5による押圧が解除された外側筒状部41のテーパ面41aに当接し、外側筒状部41のテーパ面41aが割れ筒状部34のテーパ面34bに沿って摺動案内されながら、当該外側筒状部41が上方側に容易に持ち上げられて、外側筒状部41の割れ筒状部34への入り込みが解除され、さらに、注ぎ口部材30の弧状切り欠き部33Aが、外側筒状部41のテーパ面41aに若干当接して、外側筒状部41が弧状切り欠き部33Aに沿って案内されながら上方側に持ち上げられることで、抽出部2からの注ぎ口部材30の離脱を容易に行うことができる。これにより、抽出室3内からのポッドホルダHの離脱、及び、抽出部2からの注ぎ口部材30の離脱を、夫々別々に確実且つ容易に行うことができる。なお、注ぎ口部材30を挿脱口52に装着したまま、ポッドホルダHを上方側開口部4を介して抽出室3内から離脱させることもでき、ポッドホルダH及び注ぎ口部材30の夫々を同時に離脱させることもできる。
よって、蓋体5を閉鎖した閉鎖状態ではポッドホルダH及び注ぎ口部材30を離脱できず安全性をより確実に確保しながら、蓋体5を開放した開放状態では、ポッドホルダH及び注ぎ口部材30の両方或いは一方を任意に離脱でき利便性をより一層向上し得る飲料抽出機を提供することができる。
【0067】
〔別実施形態〕
(A)上記の実施形態では、注ぎ口部離脱阻止機構Pを、外側筒状部41、外側筒状部41の下部の外径が下方側に行くに連れて縮径するテーパ面41a、割れ筒状部34、割れ筒状部34の上部の内径が上方側に行くに連れて拡径するテーパ面34b及び押圧部70により構成し、外側筒状部41の下部が割れ筒状部34の上部の内径側に位置する状態で入り込むように構成したが、注ぎ口部材30を抽出部2の下方側に装着し且つポッドホルダHを抽出室3内に装着した状態において、蓋体5により上方側開口部4を閉鎖した閉鎖状態では、抽出部2からの注ぎ口部材30の離脱を阻止し、蓋体5により上方側開口部4を開放した開放状態では、抽出室3を介さずに抽出部2からの注ぎ口部材30の離脱を許容する構成であれば、適宜の構成を採用することができる。
例えば、注ぎ口部離脱阻止機構Pを、外側筒状部41、外側筒状部41の下部の内径が下方側に行くに連れて拡径するテーパ面、割れ筒状部34、割れ筒状部34の上部の外径が上方側に行くに連れて縮径するテーパ面及び押圧部70により構成し、外側筒状部41の下部が割れ筒状部34の上部の外径側に位置するように構成してもよい。
【0068】
(B)上記実施形態では、注ぎ口部離脱阻止機構Pにおいて、注ぎ口部材30のスライド方向において外側筒状部41と割れ筒状部34とが近接するように構成したが、抽出室3内にポッドホルダH及びカフェポッドMを適切に着脱でき、注ぎ口部材30を挿脱口52に適切に着脱できる構成であれば、注ぎ口部材30のスライド方向において外側筒状部41と割れ筒状部34とが当接するように構成してもよい。
【0069】
(C)上記実施形態では、注ぎ口部離脱阻止機構Pとして、蓋体5を開放した開放状態において、注ぎ口部材30をスライド方向にスライド移動させることで、割れ筒状部34のテーパ面34bが蓋体5による押圧が解除された外側筒状部41のテーパ面41aに当接し、外側筒状部41のテーパ面41aが割れ筒状部34のテーパ面34bに沿って摺動案内されながら、外側筒状部41が上方側に容易に持ち上げられて、注ぎ口部材30を抽出部2から離脱あるいは抽出部2に装着できる構成について説明したが、開放状態において注ぎ口部材30を抽出部2から良好に離脱あるいは装着できる構成であれば、適宜の構成を採用することができる。
例えば、抽出室3内に装着されたポッドホルダHを上方側に付勢する付勢機構を設け、開放状態において、付勢機構によりポッドホルダHを、注ぎ口部材30がスライド方向にスライド移動されても当接しない程度の高さ位置にまで上方側に移動させるように構成して、注ぎ口部材30をスライド方向にスライド移動させることで、割れ筒状部34のテーパ面34bが外側筒状部41のテーパ面41aに当接しない状態で、注ぎ口部材30を抽出部2から容易に離脱あるいは抽出部2に容易に装着できる構成としても良い。
【0070】
(D)上記の実施形態では、注ぎ口部材30の外壁部35に弧状切り欠き部33Aを設けたが、注ぎ口部材30を抽出部2の下方側に装着することができるのであれば、当該弧状切り欠き部の切り欠き形状を適宜形状に変更することができ、また、当該切り欠き部を省略することもできる。
【0071】
(E)上記の実施形態では、材料受け部としてのポッドホルダHを、外側部材としてのホルダ本体40と内側部材としてのポッド受部材48とを備えた分離構造とし、洗浄や清掃を行い易くしたが、ポッドホルダHを分離構造ではなく一体ものに構成しても良い。
【0072】
(F)上記の実施形態では、圧力弁21として、設定吐出圧力がプレーンコーヒーの抽出に好適な圧力に設定されたものを用いたが、例えば、設定吐出圧力がエスプレッソコーヒーを抽出するのに好適な圧力に設定されたものを用いても良い。又、設定吐出圧力を変更設定可能な圧力弁21を用いても良いし、設定吐出圧力が異なる複数の圧力弁21を付け替え可能に構成しても良い。
又、圧力弁21を省略しても良い。
【0073】
(G)上記の実施形態では、操作部25に水充填スイッチと抽出スイッチとを別々に設けたが、水充填スイッチを省略してもよい。この場合、例えば、コーヒーメーカの出荷後、初めて電源スイッチが押されるのに次いで、抽出スイッチが初めて押されたときに水充填運転を実行し、以降、抽出スイッチが押されると抽出運転を実行するように構成する。つまり、水充填運転を1回実行すると、以降の抽出運転時には、湯沸し部12の加熱容器13には水が満たされているので、水充填運転は、コーヒーメーカを始めて使用するときに1回だけ実行するように構成することもできる。
【0074】
(H)上記の実施形態では、コーヒー粉Qをフィルターペーパに詰めたカフェポッドMをポッドホルダHに載置する構成としたが、コーヒー粉QをそのままポッドホルダHに載置する構成としても良い。あるいは、カフェポッドMをポッドホルダHに載置する使用形態と、コーヒー粉QをそのままポッドホルダHに載置する使用形態の両方が可能な構成としても良い。
【0075】
(I)上記の実施形態では、コーヒーを抽出するコーヒーメーカに本発明を適用する場合について説明したが、本発明を適用可能な飲料抽出機の具体例は、コーヒーメーカに限定されるものではなく、紅茶を抽出するもの等、種々の飲料抽出機が挙げられる。
【0076】
なお、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。