(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5799480
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】尖がり防止袋
(51)【国際特許分類】
B65D 30/10 20060101AFI20151008BHJP
B65D 30/24 20060101ALI20151008BHJP
【FI】
B65D30/10 D
B65D30/10 B
B65D30/24 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-189642(P2014-189642)
(22)【出願日】2014年9月18日
【審査請求日】2014年11月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】714008640
【氏名又は名称】出口 晴代
(72)【発明者】
【氏名】出口 晴代
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/0114835(US,A1)
【文献】
特開2006−315724(JP,A)
【文献】
特開平11−301697(JP,A)
【文献】
実公昭17−012666(JP,Y1)
【文献】
特開平09−030536(JP,A)
【文献】
特開2005−186955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
六角に折り充填口を作り化粧紙を覆い貼りつけた底部と、側部にひだ部と、上部に開封口とを備えた粉粒体用袋において、粉粒体の充填前の偏平状に折り畳んだ状態で、前記ひだ部は側部の途中から前記開封口側の両端にかけて側面視斜めに前記ひだ部の先端部が離れて位置するように谷折りし、前記開封口を締める際には前記ひだ部と共に前記開封口を2回あるいは3回折り込んだ多重折り込み部分をカットテープ付化粧紙で覆い貼り付けた、ことを特徴とする粉粒体用袋。
【請求項2】
前記開封口側の両端にかけて側面視斜めに設けられたひだ部が、充填後に手指差し入れ部になることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体用袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来のひだなしの袋の開封口側両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひ
だ部を設けるだけで、粉粒体を充填した後に袋隅にできる、粉粒体だまりの角状の尖
がり部が解消でき、隣接する袋への接触による疵付け・破袋の問題点を解決すること
ができ、袋も持ち運び易くなる、尖がり防止袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5で示す従来のひだなしの袋20は開封時に紙破や紙片の残りが発生しない理由で粉粒体充填時に使用されている。しかしながら、従来のひだなしの袋20に粉粒体を充填した後に、図上部の開封口側21両端に粉粒体だまりの角状の尖がり部が発生し、荷扱い時や輸送時に隣接する袋への接触による疵付け・破袋する場合があった。また粉粒体を充填した袋は持つ所がなく運びにくかった。
【0003】
図5は従来のひだなしの袋20の図である。図下部の充填口側24を六角に折り充填口22を作り、化粧紙23を貼り底部を設け、図上部の開封口側21を2回あるいは3回のいずれか1つに折り込んだ、多重折り込み部分25をカットテープ付化粧紙で覆い貼りつけた袋形状である。従来のひだなしの袋20は、単層または複数層のクラフト紙あるいは層間に合成樹脂材料(例えば、ポリエチレンフィルム)等を使用するか、合成樹脂材料等をクラフト紙に貼るなどした加工紙を使用した包装紙層27により構成されている。
【0004】
図6は従来のひだなしの袋20に小麦粉、セメント等の粉体や米、合成樹脂材ペレット等の粒体など(以下粉体、粒体などを「粉粒体」という)を充填した図である。本発明で解決すべき課題である、図上部の開封口側21両端にできる角状の尖がり部28が発生している状態を表現した図である。図上部の開封口側21両端にできる角状の尖がり部28は粉粒体だまりである。
【0005】
図7は従来のひだなしの袋20に粉粒体を充填した図である。本発明で解決すべき課題である、図上部の開封口側21両端にできる角状の尖がり部28が発生している状態を表現した図である。図上部の開封口側21両端にできる角状の尖がり部28は粉粒体だまりである。
【0006】
図8は従来のひだなしの袋20に粉粒体を充填した袋をパレット積みした時の図である。従来のひだなしの袋20に粉粒体を充填した後に袋隅にできる角状の尖がり部28が発生している。粉粒体を充填した後に袋隅にできる角状の尖がり部28の隣接する袋への接触による疵付け・破袋要因となる状況。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3158664号公報(段落0008〜0010、第2図、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図6で示すように、従来のひだなしの袋20に粉粒体を充填した場合、図上部の両端に角状の尖がり部28が発生し、隣接する袋への接触による疵付け・破袋する場合がある問題点と従来のひだなしの袋20に粉粒体を充填した場合、手指を差し入れて持つ所がなかったので運びにくい問題点。
本発明は以上の問題点解決のためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の尖がり防止袋は開封口側両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部を設け、前記の開封口側を2回あるいは3回のいずれか1つに折り込んだ多重折り込み部分をカットテープ付化粧紙で覆い貼り付け、充填口側を六角に折り充填口を作り化粧紙で覆い貼りつけた袋形状からなり、前記開封口側両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部を設けたことを特徴とし、粉粒体を充填した袋の谷折りしたひだ部が手指差し入れ部からなることを特徴とする尖がり防止袋。
【発明の効果】
【0010】
本発明の尖がり防止袋は、従来のひだなしの袋の開封時に紙破や紙片の残りが発生しない利点を残したまま、
図1の図上部の開封口側2両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部を設けたことにより、角状の尖がり部の発生を防止でき、荷扱い時や輸送時に隣接する袋への接触による疵付け・破袋する場合がある問題点を解決できた。
【0011】
本発明の尖がり防止袋1は、従来のひだなし袋20にはなかった、谷折りしたひだ部が粉粒体充填後は手指を差し入れ部12として持つ所ができ、袋が持ち易くなる機能を付加することができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明の尖がり防止袋の
側面視斜めに谷折りしたひだ部の図である。
【
図3】本発明の尖がり防止袋に粉粒体を充填した図である。
【
図4】本発明の尖がり防止袋に粉粒体充填後の手指を差し入れ部の図である。
【
図6】従来のひだなしの袋に粉粒体を充填した図である。
【
図7】従来のひだなしの袋に粉粒体を充填した図である。
【
図8】従来のひだなしの袋をパレット積みした時の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面参照にて説明する。
図1は本発明の尖がり防止袋の図である。図下部の充填口側6を六角に折り、JIS・Z0102・4.4.3.1からJIS・Z0102・4.4.3.6に該当するのりばり袋のバルブあるいは筒状に成形した紙の内側にホットメルト系接着剤を塗布したバルブまたは筒状に成形した紙の内側にポリエチレン等の合成樹脂材料でラミネート加工したバルブ(以下バルブを「充填口」という)のいずれかで充填口4を作り、化粧紙5で覆い貼りつけた充填口側6と、図上部の開封口側2両端を
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部3を設け、前記の開封口側2を2回あるいは3回のいずれか1つに折り込んだ、多重折り込み部分7をカットテープ付化粧紙で覆い貼りつけた開封口側2との袋形状からなる尖がり防止袋1である。
【0014】
図1の本発明の尖がり防止袋は、単層または複数層のクラフト紙あるいは層間に合成樹脂材料(例えば、ポリエチレンフィルム)等を使用するか、合成樹脂材料等をクラフト紙に貼るなどした加工紙を使用した包装紙層9により構成されている。
【0015】
図2は尖がり防止袋1の谷折りしたひだ部の図である。図上部の開封口側2を2回あるいは3回のいずれか1つに折り込んだ、多重折り込み部分7の折り込み位置の例を表示して
いる。図
は粉粒体の充填前の偏平状に折り畳んだ状態で、ひだ部は側部の途中から開封口側2両端に
かけて側面視斜めにひだ部3の先端部10が離れて位置するように谷折りし
、前記ひだ部のひだ先端部は多重折り込み部分7の折り込み最下部線11より上に位置する。
【0016】
図3は尖がり防止袋1に粉粒体を充填した図である。粉粒体を充填した図上部の開封口側2両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部3を設けた部分は、
図6の従来のひだなしの袋20の開封口側21両端に粉粒体だまりの角状の尖がり部28がなくなり、荷扱い時や輸送時に隣接する袋への接触による疵付け・破袋する場合があった問題点を解決できた。また尖がり防止袋1の図下部の充填口側6を底部とし、図上部の開封口側2両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部3を設け、開封口側2を2回あるいは3回のいずれか1つに折り込んだ、多重折り込み部分7をカットテープ付化粧紙8で覆い貼りつけた開封口側2両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部3が粉粒体充填後は手指を差し入れ部12として持つ所ができ、袋が持ち運び易くなる機能を付加することができた。
【0017】
図4は尖がり防止袋1に粉粒体を充填したひだ部の図である。図上部の開封口側2両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部3を設けたことにより、従来のひだなしの袋20の角状の尖がり部28がなくなり、本発明が解決課題としていた荷扱い時や輸送時に隣接する袋への接触による疵付け・破袋する場合があった問題点を解決できた。また、尖がり防止袋1の開封口側2両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部3が粉粒体充填後は手指を差し入れ部12として持つ所ができ、袋が持ち運び易くなる機能を付加することができた。
【実施例】
【0018】
本発明の尖がり防止袋の充填口は、通常使用している粉粒体充填機で充填でき、開封口側両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部3を設けたことにより粉粒体だまりの角状の尖がり部28が解消され、前記谷折りしたひだ部3が粉粒体充填後は手指を差し入れ部12として持つ所ができ、袋が持ち運び易くなった。
【産業上の利用可能性】
【0019】
尖がり防止袋は、開封する際に異物混入の要因となる紙破や紙片の残りが発生のない袋であり、従来のひだなしの袋の尖がり部28を解消し、谷折りしたひだ部3が粉粒体充填後は手指を差し入れ部12として持つ所ができ、袋が持ち運び易くなる機能を付加することができた、袋使用現場の問題点を解決した尖がり防止袋である。
【0020】
尖がり防止袋の技術は、JIS・Z0102・3.5.3ひだなし開口式底ばり袋の開口部側両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部を設け、開口部をミシンで縫う方法やオーバーテープを貼り付ける袋形態にも応用できる。
【0021】
本発明の尖がり防止袋は開封口側両端に
かけて側面視斜めに谷折りしたひだ部を設け、開封口側2を2回あるいは3回のいずれか1つに折り込んだ、多重折り込み部分7をカットテープ付化粧紙で覆い貼りつけた袋形状を説明しているが、谷折りしたひだ部を設けて開封口側をミシンで縫う方法やオーバーテープを貼り付ける袋形態にも応用できる。
【符号の説明】
【0022】
1 本発明の尖がり防止袋
2 本発明の開封口側
3 本発明の
側面視斜めに谷折りしたひだ部
4 本発明の充填口
5 本発明の化粧紙
6 本発明の充填口側
7 本発明の多重折り込み部分
8 本発明のカットテープ付化粧紙
9 本発明の包装紙層
10 本発明のひだ先端部
11 本発明の折り込み最下部線
12 本発明の手指を差し入れ部
20 従来のひだなしの袋
21 従来の開封口側
22 従来の充填口
23 従来の化粧紙
24 従来の充填口側
25 従来の多重折り込み部分
26 従来のカットテープ付化粧紙
27 従来の包装紙層
28 従来の角状の尖がり部
【要約】 (修正有)
【課題】従来のひだなしの袋に粉粒体を充填した後に袋隅にできる、粉粒体だまりの角状の尖がり部が、隣接する袋への接触による疵付け・破袋する場合がある問題点と、粉粒体を充填した袋は持つ所がなく、運びにくい問題点を解決する袋を提供する。
【解決手段】本発明は尖がり防止袋1の開封口側2両端に谷折りしたひだ部を設け、前記の開封口側2を2回あるいは3回のいずれか1つに折り込んだ多重折り込み部分7をカットテープ付化粧紙8で覆い貼り付け、充填口側6を六角に折り充填口を作り化粧紙で覆い貼りつけた袋形状であり前記開封口側2両端に、谷折りしたひだ部を設けたことを特徴とし、谷折りしたひだ部が手指差し入れ部12からなることを特徴とする尖がり防止袋1。
【選択図】
図3