(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技媒体を用いて遊技を行う複数の遊技機と、周回駆動される搬送ベルトと研磨ベルトとを対面させて前記遊技機で使用された遊技媒体を研磨しながら揚送する研磨揚送装置と、該研磨揚送装置に配設され且つ遊技媒体の研磨に伴って汚れた前記研磨ベルトを移動するための研磨ベルト移動装置と、が設置された複数の遊技島台における前記研磨ベルト移動装置による前記研磨ベルトの移動量を管理する研磨ベルト移動量管理システムであって、
前記研磨ベルト移動量管理システムは、
前記研磨ベルト移動装置による前記研磨ベルトの移動量を算出する研磨ベルト移動量算出手段と、
該研磨ベルト移動量算出手段によって算出された前記研磨ベルトの移動量を表示する研磨ベルト移動量表示手段と、を備え、
前記研磨ベルト移動量算出手段は、
前記遊技島台における前記複数の遊技機の稼働に関連する稼働条件を所定期間の営業日単位で設定する稼働条件設定手段と、
該稼働条件設定手段によって設定された営業日単位のそれぞれの稼働条件を記憶する稼働条件記憶手段と、
前記遊技島台に設置される前記複数の遊技機の総稼働量を当該遊技島台の稼働量として営業日単位で記憶する稼働量記憶手段と、
前記稼働条件設定手段によって設定された次回営業日の稼働条件を前記稼働条件記憶手段に記憶された過去の稼働条件と比較判定する稼働条件比較判定手段と、
該稼働条件比較判定手段によって前記稼働条件記憶手段に記憶された過去の稼働条件のうち次回営業日の稼働条件と同一であると判定された稼働条件の営業日に対応する稼働量を前記稼働量記憶手段から呼び出す稼働量呼出手段と、
該稼働量呼出手段によって呼び出された稼働量に基づいて次回営業日の稼働量を決定する次回営業日稼働量決定手段と、を備え、
該次回営業日稼働量決定手段によって決定された次回営業日の稼働量に基づいて、予め定められた算出テーブルによって前記研磨ベルトの移動量を遊技島台単位で算出し、この算出した移動量を前記研磨ベルト移動量表示手段に表示することを特徴とする研磨ベルト移動量管理システム。
前記稼働量呼出手段は、前記稼働条件比較判定手段の比較判定において前記稼働条件記憶手段に記憶された過去の稼働条件の中で次回営業日の稼働条件と同一となる稼働条件がない場合、前記稼働条件記憶手段に記憶された過去の稼働条件のうち次回営業日の稼働条件と最も近似する稼働条件の営業日に対応する稼働量を前記稼働量記憶手段から呼び出す近似呼出手段を含み、
前記次回営業日稼働量決定手段は、前記近似呼出手段によって前記稼働量記憶手段から呼び出された稼働量が複数ある場合に最も大きな値をとる稼働量を次回営業日の稼働量として決定する近似稼働量決定手段を含むことを特徴とする請求項1記載の研磨ベルト移動量管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、
図1を参照して、本実施形態に係る玉磨き揚送装置1が設けられる遊技島台30の概略構成について説明する。
図1は、遊技島台30の内部構造の概略を示す正面図である。図において、遊技島台30は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向側面中央に遊技機31を背向列設するようになっている。また、遊技島台30には、その中央部に揚送装置収納部32が構成され、該揚送装置収納部32内に研磨揚送装置としての玉磨き揚送装置1が収納設置されている。本実施形態に係る玉磨き揚送装置1は、帯状の搬送ベルト13によって遊技媒体としてのパチンコ玉を揚送するものである。なお、揚送装置収納部32内には、後で詳述する研磨ベルト20の巻取量(布ベルト巻取量ともいう)を従業員に報知するための研磨ベルト移動量表示手段としての島台表示装置35が配置されている。また、玉磨き揚送装置1の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンク34が設けられ、その上部タンク34から左右に補給樋33が傾斜状に設けられており、上部タンク34からパチンコ玉を流下させるようになっている。補給樋33には、各遊技機31に対応して分岐装置(図示しない)が設けられ、その分岐装置によって分岐された玉が分岐装置に接続されるスプリングホースと賞球補給装置(共に図示しない)とを介して各遊技機31に供給される。
【0015】
一方、各遊技機31から排出される使用済玉は、周知のように計数機能を有するアウト玉回収箱37(以下、これをアウト玉計数装置37ともいう)から下方に排出される。アウト玉回収箱37から排出されたパチンコ玉は、アウト玉誘導レール38や貯留タンク39を介して玉磨き揚送装置1の導入樋7に誘導され、その後は、上記したように玉磨き揚送装置1によって上部に研磨揚送される。つまり、パチンコ玉は、遊技島台30の内部を循環して使用されている。
【0016】
また、上記した遊技島台30は、遊技場(以下、これをホールともいう)に複数配置されるものであるが、このような複数の遊技島台30のうちの所定の遊技島台30には、遊技客が獲得したパチンコ玉を当該遊技島台30の貯留タンク39に返却するための玉返却装置36(返却装置)がその島端(必ずしも島端でなくてもよい、例えば、島中央)に設けられている。また、遊技島台30の両端外部には、貯留タンク39内の貯留量を報知する等の各種表示機能を有する研磨ベルト交換報知手段としての表示装置41が設けられ、遊技島台30の内部には、当該遊技島台30の全体を制御する島コントロール基板42と、当該遊技島台30内の玉磨き揚送装置1を制御する島設備制御基板43と、が設けられている。
【0017】
次に、本実施形態の要部を構成する玉磨き揚送装置1の全体の構成について、
図2乃至
図7を参照して説明する。
図2は、玉磨き揚送装置1を後方から見た斜視図であり、
図3は、ガイドレール11に取り付けられた巻取装置60を示す斜視図であり、
図4は、巻取装置60からロール状に巻き取られた研磨ベルト20を取り外す状態を示す斜視図であり、
図5は、巻取装置60の駆動部から見た側面図であり、
図6は、引張装置110を開放した状態を示す斜視図であり、
図7は、停止装置160を開放した状態を示す斜視図である。
【0018】
図2において、玉磨き揚送装置1は、正方形状に形成された支持台2の上部に角筒状の揚送筒本体3が垂直状に立設され、揚送筒本体3の長手方向の外周を、下部に支持される下部ローラ4と調節ナット17によって締着軸支される上部ローラ(図示しない)との間に掛け渡される革製の搬送ベルト13が周回するようになっている。また、揚送筒本体3の内部には、複数の中間ローラ(図示しない)が適宜間隔をおいて上下方向に並んで回転自在に軸支され、中間ローラの一部が揚送筒本体3の上昇側面から外に突出して、搬送ベルト13を案内支持している。また、下部ローラ4は、詳細には図示しないが、比較的大きな直径の円筒状ローラとして構成され、電流が供給されると円筒状のローラが回転して、搬送ベルト13を周回駆動するものである。
【0019】
この下部ローラ4の下方には、図示右側に揚送前のパチンコ玉が導入される導入樋7が固着され、図示左側に導入されたパチンコ玉を揚送筒本体3の下端部まで移動させる流入円弧樋5が固着されている。なお、導入樋7及び流入円弧樋5の内側には、図示しないが、導入されたパチンコ玉を複数列に整列させる溝が形成されている。また、上記した導入樋7及び流入円弧樋5の取付構造は、その一端が僅かに移動し得るように取付板8,6にそれぞれ止着され、その他端が前記支持台2に植立される支持ピン18にスプリング(図示しない)を介して摺動自在に軸支されている。即ち、導入樋7の下端及び流入円弧樋5の下端は、支持ピン18に挿通されて調節ナット(図示しない)によって抜けないように止着されているが、常に支持ピン18に介装されるスプリングによって上方に付勢されている。しかして、調節ナットの締着度合によって搬送ベルト13と導入樋7及び流入円弧樋5との間の微妙な間隔を調整することができ、その間隔を調整することにより、パチンコ玉のスムーズな移動を可能にすることができる。
【0020】
また、下部ローラ4の上部の揚送筒本体3には、搬送ベルト13に張力を付与する複数のテンションローラ14,15,16が回転自在に軸支されている。特に、第2テンションローラ15は、スプリング(図示しない)を介して取りつけられているので、そのスプリングの付勢力によって搬送ベルト13に対して常に一定の張力を与えることができる。また、下部ローラ4と各テンションローラ14,15,16とは、ほぼ上下の位置関係にあり、搬送ベルト13が装着されたときに、下部ローラ4は搬送ベルト13の内側に位置し、第3テンションローラ16は、搬送ベルト13の外側に、第2テンションローラ15は、搬送ベルト13の内側に、第1テンションローラ14は、搬送ベルト13の外側に、それぞれ位置するようになっている。
【0021】
ところで、揚送筒本体3の背面側には、ガイドレール11が一側辺を軸支されて開閉自在に取り付けられている。ガイドレール11は、搬送ベルト13と対面して揚送される玉を研磨する研磨部材としての研磨ベルト20がその前面の全長に渡って周回装着されるものである。そして、主として研磨ベルト20を玉磨き揚送装置1に装着する際に開放されると共に、研磨ベルト20自体がガイドレール11の表面に搬送ベルト13と対面するように周回して装着される。また、研磨ベルト20が装着されたときには、係止金具12によってガイドレール11を揚送筒本体3に対面させた状態で固定支持されているものである。なお、係止金具12は、ガイドレール11と揚送筒本体3との間の間隔を調節し得るようになっており、この調節により搬送ベルト13と研磨ベルト20とによるパチンコ玉の挟持力を常に最適な強さに調節することができるようになっている。研磨ベルト20は、その玉磨き能力を発揮させるために、比較的織目の粗い布で構成されている。
【0022】
しかして、上記のように、係止金具12により揚送筒本体3に対面してガイドレール11を取り付けた状態において、導入樋7に導入されたパチンコ玉は、流入円弧樋5を経由して、搬送ベルト13と研磨ベルト20とに挟持されて研磨されながら揚送され、揚送筒本体3の上方に固着されて玉を吐き出し方向に屈曲する上部屈曲樋9を経由して、排出樋10からきれいにされたパチンコ玉が排出される。
【0023】
また、上記したガイドレール11の背面側には、研磨ベルト移動装置としての巻取機構部22及び装着機構部23が設けられている。巻取機構部22は、使用済みの研磨ベルト20の上端を引っ張るための引張装置110と、使用済の研磨ベルト20をロール状に巻取り収納するための巻取装置60と、から構成されている。また、装着機構部23は、研磨ベルト20が移動しないよう研磨ベルト20の下端を挟持しておくための停止装置160と、使用前の研磨ベルト20を収納するための収納装置19と、から構成されている。この巻取機構部22及び装着機構部23の構成及び作用について、以下、詳細に説明する。なお、収納装置19は、使用前のロール状にまるめられた研磨ベルト20を載置収納するだけのボックスであるため、以下には詳細に説明しないが、その設置箇所は、後述するガイドレール11の開閉位置よりも低い床面に設置されている。
【0024】
先ず、巻取機構部22を構成する巻取装置60について、
図3乃至
図5を参照して説明する。
図3は、ガイドレール11に取り付けられた巻取装置60を示す斜視図であり、
図4は、巻取装置60からロール状に巻き取られた研磨ベルト20を取り外す状態を示す斜視図であり、
図5は、巻取装置60の駆動部から見た側面図である。
【0025】
巻取装置60は、ガイドレール11の裏面中央部に取り付けられ、
図3に示すように、板金により一側面が開放された箱状に形成されると共に、内部に使用済みの研磨ベルト20が巻き取られた状態で収納される。巻取装置60は、当該巻取装置60の基体をなすベース部材61と、該ベース部材61の外側に取り付けられるプーリ85,86やスリップベルト87等を保護するための保護カバー62と、巻取装置60で巻き取られた研磨ベルト20を取り出す際に開く開閉カバー63と、研磨ベルト20を巻取るための巻取軸64と、研磨ベルト20を巻取る際に研磨ベルト20の両側方の端面を揃えるためのサイドカバー65,66と、から構成されている。
【0026】
ベース部材61は、全周が同方向に折り曲げられて壁面が形成され、この壁面により一側面が開放した箱状に形成されている。このベース部材61の一側方(
図3の右側)には、取付ネジ72aにより取り付けられたヒンジ72を介して、開閉カバー63が開閉自在に取り付けられている。ベース部材61の上方壁面の表面で右側端面には固定磁石71が取付ネジ71aにより取り付けられているため、開閉カバー63が閉塞された際に、開閉カバー63が固定磁石71に吸着され、開閉カバー63がベース部材61に固定されることとなる。また、壁面のうち開閉カバー63側の壁面には、
図4に示すように、巻き取られた研磨ベルト20及びサイドカバー65が抜き取れる程度の大きさの切り欠き68が、壁面のほぼ中央部に形成されている。
【0027】
また、ベース部材61の他側方(
図3の左側)には、駆動プーリ85,従動プーリ86及びスリップベルト87から構成される駆動部がベース部材61の外側で形成され、この駆動部を保護するための保護カバー62が取付ネジ62aにより着脱自在に取り付けられている。また、ベース部材61の保護カバー62側壁面の上部には、ギアヘッド69を介してモータ70が装着されており、
図5に示すように、ギアヘッド69の出力軸82には、駆動プーリ85が軸着されている。このギアヘッド69は、ベース部材61の壁面に穿設された取付長穴84に挿通した取付ネジ84aにより取り付けられ、出力軸82が同じくベース部材61の壁面に穿設された出力軸挿通穴83に挿通されている。この取付長穴84及び出力軸挿通穴83は、上下方向に長く穿設されているため、取付長穴84及び出力軸挿通穴83の長さの範囲内でギアヘッド69の上下方向の取付位置を調節し、スリップベルトの張りを調整することができる。また、ベース部材61の保護カバー62側壁面の上下方向ほぼ中央には、軸受け(図示しない)を介して巻取軸64が軸支されている。巻取軸64の保護カバー62側の軸端には、従動プーリ86が軸着されている。
【0028】
駆動プーリ85と従動プーリ86との間には、ゴム等の伸縮性があり、比較的摩擦係数の大きい材料で形成されるスリップベルト87が掛け渡されている。このスリップベルト87は、その断面が円形状であり、また、駆動プーリ85及び従動プーリ86の外周の断面形状は、半円形状である。このため、タイミングベルトとタイミングプーリのように凹凸を係合させて回転を伝達するものではなく、スリップベルト87と駆動プーリ85及び従動プーリ86との間の摩擦力によって回転を伝達するものである。
【0029】
しかして、モータ70を回転させることにより、モータ70の回転がギアヘッド69の出力軸82に出力されて駆動プーリ85を回転させ、駆動プーリ85の回転が駆動プーリ85とスリップベルト87との摩擦力によってスリップベルト87を回動させる。さらに、スリップベルト87の回動がスリップベルト87と従動プーリ85との摩擦力によって従動プーリ85を回転させ、従動プーリ85が回転することにより、巻取軸64が回転することとなる。
【0030】
また、ベース部材61の背面側には、取付片67が左右2箇所取り付けられている。この取付片67には、巻取装置60をガイドレール11に取り付けるための取付ネジ(図示しない)が挿通する取付溝81が形成されている。しかして、取付片67をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付溝81をガイドレール11の側面に螺合される取付ネジに係止した後、その取付ネジを締め付けることにより巻取装置60がガイドレール11に固定されることとなる。
【0031】
また、開閉カバー63は、板金により台形形状に形成されるものであり、前述のように、ベース部材61に対してヒンジ72により開閉自在に取り付けられている。この開閉カバー63の上下方向ほぼ中央で、巻取軸64の端部に対応する位置には、U字状の切り欠き部が形成され、この切り欠き部の形状とほぼ同形状の凹部を有する軸受け台74が、取付ネジ74aにより開閉カバー63に取り付けられている。このとき、切り欠き部と軸受け台74の凹部とが重なるように軸受け台74が取り付けられている。また、この軸受け台74の斜め上方には、開閉カバー63を開閉する際に用いる取っ手73が取付ネジ73aにより取り付けられている。
【0032】
巻取軸64は、鋼製の棒材により形成されるものであり、前述のように、軸受けを介してベース部材61の保護カバー62側壁面に回転自在に取り付けられている。この巻取軸64は、図示しないが、軸受け近傍の径が研磨ベルト20巻取部分の径よりも大きく形成されており、段付き形状となっている。この巻取軸64の研磨ベルト20巻取部分の軸上には、研磨ベルト20を巻取るきっかけの役目をする係止片78が、巻取軸64の前記段付き部分に当接して、止めネジ78aにより巻取軸64の研磨ベルト20巻取部分を覆うように固定されている。この係止片78は、円筒形状に形成されるものであり、その径は、巻取軸64の軸受け近傍部分の径とほぼ同じ径寸法で形成されている。また、係止片78の開閉カバー63側端部の一部が軸方向に突出して凸部を形成しており、この凸部下面と巻取軸64との間には、隙間が形成されている。一方、巻取軸64の軸受け近傍部分の外周には、V字状の溝(図示しない)が形成されているが、これは、巻取軸64に前記サイドカバー66を装着するためのものである。
【0033】
サイドカバー66は、取付ネジ79aによりサイドカバー取付部材79に取り付けられるものであるが、このサイドカバー取付部材79の中心には、巻取軸64の軸受け近傍部分を挿通するための挿通穴が穿設されている。この挿通穴の壁面には、3カ所にボールベアリング(図示しない)の先端が突出しており、このボールベアリングは、サイドカバー取付部材79内に埋設されているものである。また、このボールベアリングは、サイドカバー取付部材79内に埋設されたスプリングによって挿通穴側に向かって押圧されており、先端に圧力を加えることにより、サイドカバー取付部材79内に埋没するものである。
【0034】
しかして、巻取軸64の軸受け近傍部分にサイドカバー66の装着されたサイドカバー取付部材79を挿入した際、ボールベアリングが巻取軸64の軸受け近傍部分に押圧されてサイドカバー取付部材79内に埋没する。そして、一旦サイドカバー取付部材79内に埋没したボールベアリングは、巻取軸64の軸受け近傍部分の前記V字状溝の位置で再び挿通穴壁面上に突出してV字状溝に嵌合することとなる。このようにして、サイドカバー取付部材79が巻取軸64に対して取り付けられるが、サイドカバー取付部材79は、巻取軸64に対して固着されるものではないため、サイドカバー66は、巻取軸64に対して回転自在であり、また、着脱自在である。
【0035】
なお、サイドカバー66は、アクリル等の樹脂材料により円形形状に形成されるものである。また、巻取軸64の開閉カバー63側の先端部近傍には、V字状の溝(図示しない)が巻取軸64の周回に亘って形成されており、これは、巻取軸64にサイドカバー65を装着するためのものである。サイドカバー65は、サイドカバー66と同様、アクリル等の樹脂材料により円形形状に形成されるものであり、取付ネジ(図示しない)によりサイドカバー取付部材76に取り付けられるものである。
【0036】
しかして、サイドカバー66を巻取軸64の軸受け近傍部分に装着する場合と同様に、巻取軸64にサイドカバー65の装着されたサイドカバー取付部材76を挿入した際、前記ボールベアリングが巻取軸64に押圧されてサイドカバー取付部材76内に埋没する。そして、一旦サイドカバー取付部材76内に埋没したボールベアリングは、巻取軸64先端部の前記V字状溝の位置で再び挿通穴壁面上に突出してV字状溝に嵌合することとなる。このようにして、サイドカバー取付部材76が巻取軸64に対して取り付けられるが、サイドカバー取付部材76は、巻取軸64に対して固着されるものではないため、サイドカバー65は、巻取軸64に対して回転自在であり、また、着脱自在である。
【0037】
また、サイドカバー取付部材76には、ベアリング77を介して軸受け75が回転自在に取り付けられている。この軸受け75は、径の異なる円盤が複数個重なったような形状に形成されており、先端に形成された最も径の小さい部分の径寸法は、軸受け台74の凹部の径寸法よりもやや小さい程度に形成されている。しかして、巻取軸64にサイドカバー65を取り付け、開閉カバー63を閉塞した場合、軸受け75の前記先端部分が開閉カバー63に取り付けられた軸受け台74の凹部に嵌入し、巻取軸64を支持することとなる。
【0038】
以上のように構成される巻取装置60ヘの研磨ベルトの着脱方法及び作用について説明する。先ず、巻取装置60側方の開閉カバー63を開放し、巻取軸64からサイドカバー65を抜き取る。巻取軸64からサイドカバー65を抜き取った後、研磨ベルト20の端部に形成された嵌挿部80を巻取軸64に挿入する。なお、研磨ベルト20の幅寸法は、嵌挿部80側へ向かうに従い徐々に小さくなっている。研磨ベルト20を巻取軸64に挿入した際、
図3に示すように、嵌挿部80を係止片78に形成された前記凸部と巻取軸64との隙間に挿入し、嵌挿部80の側方端部が係止片78に当接するまで嵌挿部80を保護カバー62側へ押圧することにより、研磨ベルト20が巻取軸64に取り付けられる。嵌挿部80に研磨ベルト20を取り付けた後、サイドカバー65を巻取軸64に取り付け、開放してあった開閉カバー63を閉塞することにより、前述のように、開閉カバー63の軸受け台74が軸受け75に嵌入し、巻取軸64が支持され、巻取装置60に研磨ベルト20が装着される。
【0039】
上記したように巻取装置60に研磨ベルト20を装着した後、モータ70を回転駆動させることにより、回転が前記駆動プーリ85,スリップベルト87及び従動プーリ86を介して巻取軸64に伝達され、巻取軸64が回転する。このとき、巻取軸64の回転方向は、開閉カバー63側から見て時計方向に回転することとなる。巻取軸64が回転した際、係止片78も同時に回転することとなるが、係止片78が回転すると係止片78先端の凸部が研磨ベルト20の嵌挿部80を係止して回転するため、研磨ベルト20が巻取軸64に巻き取られていくことになる。このように、研磨ベルトを巻取る際の研磨ベルトの取付作業は、巻取軸に研磨ベルトの嵌挿部を嵌挿するだけで完了するため簡単に行うことができる。また、巻取軸64の回転に従い、研磨ベルト20が次第に巻き取られるが、巻取軸64の両側方には巻取軸64と共に回転するサイドカバー65,66が装着されているため、このサイドカバー65,66により研磨ベルト20の両側方の端部が揃えられながら巻き取られることとなる。このとき、巻取軸方向にずれたままロール状に巻き取られた研磨ベルト20の側端部がサイドカバー65,66に接触しても、サイドカバー65,66もロール状の研磨ベルト20と共に回転するため、ロール状の研磨ベルト20とサイドカバー65,66との間の摩擦抵抗を少なくすることができ、モータ70に負担がかかることを防止して研磨ベルト20の巻取作業をスムーズに行うことができる。
【0040】
なお、研磨ベルト20がロール状に巻き取られるに従って、そのロール径は次第に大きくなっていくため、モータ70の回転が一定の場合は、研磨ベルト20の巻取量も次第に多くなっていく。ところが、前記引張装置110が研磨ベルト20を引っ張って巻取装置60へ送出する量は一定であるため、巻取装置60の研磨ベルト20の巻取量が引張装置110の研磨ベルト20の引張量を超えた場合には、巻取装置60で巻取る研磨ベルト20の量が不足してしまう。この場合、タイミングベルトのようにプーリとベルトの噛み合いによってモータ70の回転を伝えるものであるとモータ70に大きな負荷がかかり、モータ70が停止してしまい、モータ70に負荷がかかってしまう。しかし、前述したように、モータ70の回転の巻取軸64への伝達は、駆動プーリ85及び従動プーリ86とスリップベルト87との間の摩擦力によって行うものであるため、巻取装置60の研磨ベルト20の巻取量が引張装置110の研磨ベルト20の引張量を超えた場合には、スリップベルト87が駆動プーリ85あるいは従動プーリ86に対してスリップする。このため、モータ70は停止することがなく、モータ70に負荷がかかることがない。また、巻き取られた研磨ベルト20を巻取装置60から取り外すには、研磨ベルト20の装着作業の手順と逆に、即ち、開閉カバー63を開放した後、サイドカバー65を取り外し、巻き取られた研磨ベルト20を手前に引き出すことにより、容易に研磨ベルトを取り外すことができる。
【0041】
次に、巻取機構部22を構成する引張装置110について、
図6を参照して説明する。
図6は、引張装置110を開放した状態を示す斜視図である。引張装置110は、ガイドレール11の裏面中央部よりやや上方に取り付けられている。この引張装置110は、
図6に示すように、モータ123及び主ローラ125が固着される取付主体111と、該取付主体111に対して取付ネジ151で固着される支軸(図示しない)を中心として開閉自在に設けられ且つ圧接ローラ144,145が揺動自在に取り付けられる開閉カバー体112と、から構成され、開閉カバー体112を開放した状態で研磨ベルト20を主ローラ125の前面側に垂らした後、開閉カバー体112を閉じて係止金具120によって施錠することにより研磨ベルト20を主ローラ125と圧接ローラ144,145とで蛇行状に挟持する構造となっている。
【0042】
取付主体111は、取付主体111の基体をなす主基体113に、各部品が集約して取り付けられるものである。主基体113は、両側方が同方向に直角に曲げられて壁面を形成すると共に、両壁面の上下端もそれぞれ外側に向かって曲げられている。主基体113の開放側(
図6の右側)壁面の上下端には、三方を折り曲げて構成される取付板114が取付ネジ122により取り付けられている。この取付板114の開閉カバー体112側に位置する折り曲げ部が調節ネジ当接部121を形成している。また、取付板114の外側面上下には、引張装置110を閉塞したときに、閉塞した状態で固定させるための係止金具120が取り付けられている。
【0043】
一方、主基体113の支点側(
図6の左側)壁面の上部には、ギアヘッド124を介してモータ123が装着されており、同じく支点側壁面の下部には、ベアリング126を介して主ローラ125が軸支されている。なお、ベアリング126は、図示しないが、開放側壁面にも装着されており、主ローラ125は、これら両側方のベアリング126によって軸支されている。また、ギアヘッド124には、出力軸(図示しない)が主基体113の支点側壁面の外側に突出しており、この出力軸の軸端には、駆動プーリ127が固着されている。また、主ローラ125を軸支するシャフト(図示しない)が、主基体113の支点側壁面の外側に突出しており、このシャフトの軸端には、従動プーリ128が固着されている。そして駆動プーリ127と従動プーリ128との間には、タイミングベルト129が掛け渡されている。従って、モータ123が駆動されることにより、駆動プーリ127、タイミングベルト129、及び従動プーリ128を経由して駆動力が伝達され、主ローラ125が回転駆動せしめられることとなる。なお、主ローラ125の外周には、研磨ベルト20との摩擦力を強めるためにダイヤカット加工が施されている。
【0044】
また、主基体113の背面側上部には、研磨ベルト20を挿通するためのガイド部材115が左右対称に設けられている。このガイド部材115は、上方部分が断面コの字状に折り曲げられて折曲部116が形成され、このコの字状部分に研磨ベルト20が挿通し、研磨ベルト20を左右からガイドするものである。また、このガイド部材115の下方には、L字状の連結片(図示しない)が主基体113の左右に取り付けられている。この連結片の起立した面には、上下2箇所のスライド長穴(図示しない)が穿設されており、このスライド長穴は、取付片117に対して主基体113を上下摺動可能に取り付けるためのものである。この取付片117は、断面コの字状に形成され、その折り曲げ部分には、引張装置110全体をガイドレール11に取り付けるための取付ネジ(図示しない)が挿通する取付溝119及び取付長穴(図示しない)が形成されている。また、取付片117の折り曲げ部分の内側寸法は、ガイドレール11の幅寸法とほぼ同じ間隔で形成されている。この取付片117の主基体113側の面には、やはり断面コの字状に形成される連結部材118が接合されており、この連結部材118の起立した面には、ネジ穴(図示しない)が上下2箇所穿設されている。しかして、前記連結片に穿設されたスライド長穴に取付ネジを挿通し、この取付ネジを連結部材118のネジ穴に螺着することにより、取付片117が主基体113に対して取り付けられることとなる。このとき、上記したように、主基体113は、取付片117に対してスライド長穴の長さ分だけ上下方向にスライド可能な状態に取り付けられる。
【0045】
しかして、取付片117をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付片117に形成される取付溝119をガイドレール11の側面に螺合されるボルト(図示しない)に係止した後、そのボルトを締め付けることにより引張装置110がガイドレール11に固定されることとなる。このとき、前述のように、取付片117に対して主基体113が上下摺動可能に取り付けられているため、引張装置110は、ガイドレール11に対してスライド長穴の長さ分だけ上下摺動自在に取り付けられることとなる。
【0046】
一方、開閉カバー体112は、開閉カバー体112の基体をなすカバー基体140に、各部品が集約して取り付けられるものである。カバー基体140は、後方が開放したボックス状に形成され、その内側面の左右方向ほぼ中央の上下2箇所に支持部材143が固着されている。この2箇所の支持部材143の間には、ローラ取付板141が、支持部材143に挿通される支軸142によって揺動自在に軸支されている。このローラ取付板141は、一面が開放したボックス状に形成され、開放面側には、ゴム製の円柱材で形成された圧接ローラ144,145が回転自在に軸支されている。また、ローラ取付板141の両側面で、圧接ローラ144と圧接ローラ145との間には、開閉カバー体112を閉塞した場合に主ローラ125が位置する主ローラ嵌入部146が形成されている。
【0047】
また、一方の圧接ローラ144には、ビス(図示しない)が埋設されており、これに対応してローラ取付板141の底面部には、スリップ検知センサ147がセンサ台148を介して取り付けられている。カバー基体140の開放側端部の上下には、開閉カバー体112を閉じた際に係止金具120が係合する係止片149が、取付ネジ150により取り付けられている。そして、開閉カバー体112を取付主体111に対して閉じた状態においては、主ローラ125の斜め上下に圧接ローラ144,145が位置している。
【0048】
また、カバー基体140の開放側端部の上下には、開閉カバー体112を閉塞した際の、開閉カバー体112の端部と取付主体111の端部との隙間を調整するための調節ネジ(図示しない)が設けられている。この調節ネジは、開閉カバー体112端部に穿設されたネジ穴(図示しない)に螺着されるものであり、開閉カバー体112を閉塞した際に、調節ネジの先端部分が取付主体111の前記調節ネジ当接部121に当接するようになっている。また、調節ネジのネジ頭とカバー基体140との間には、調節ネジを固定するための固定ナット(図示しない)が調節ネジに螺合している。
【0049】
上記のように構成される引張装置110では、任意の厚さの研磨ベルト20をその厚さに応じて開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法を適正に調整しながら引張装置110に装着することができるが、以下にその手順について説明する。先ず、開閉カバー体112を開放し、調節ネジを固定している固定ナットを緩めた後、調節ネジをカバー基体140から外れない程度に十分に緩める。次に、研磨ベルト20を取付主体111の主ローラ125の前面側に垂らした後、開閉カバー体112を係止金具120で閉塞する。開閉カバー体112を閉塞した状態で、調節ネジの先端が調節ネジ当接部121に当接するまで調節ネジを締め込む。調節ネジの先端が調節ネジ当接部121に当接した位置で、緩めてあった固定ナットを締め付けて調整ねじを固定する。これにより、挟持した研磨ベルト20の厚さに応じた、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法が決定する。そして、係止片149に係止金具120を係止させるだけで開閉カバー体112が取付主体111に固定され、研磨ベルト20が引張装置110に最適な状態で装着されることとなる。このとき、挟持される研磨ベルト20が厚さの薄いものの場合には、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法は小さくなり、調節ネジは、深く締め込まれることがない。一方、挟持される研磨ベルト20が厚さの厚いものの場合には、開閉カバー体112と取付主体111との隙間寸法は大きくなり、調節ネジが深く締め込まれることとなる。このように、調節ネジの締め込みの程度により、任意の厚さの研磨ベルト20を装着することができる。
【0050】
ここで、前述のように、厚さの厚い研磨ベルト20を挟持した場合、取付主体111に対して開閉カバー体112が角度を持って固定されることになる。このため、従来品のような圧接ローラ144,145が開閉カバー体112に対して平行に固着されている場合、圧接ローラ144,145が主ローラ125に対して角度を持って固定されてしまうことになる。この状態で研磨ベルト20を送出した場合、研磨ベルト20全体に均等に圧力がかからないため、研磨ベルト20が左右方向にずれてしまう。しかし、本実施形態における圧接ローラ144,145は、開閉カバー体112に対し揺動自在に軸支されているため、取付主体111に対して開閉カバー体112が角度を持って固定された場合でも、開閉カバー体112を閉塞した際、圧接ローラ144,145は、主ローラ125に追従し、主ローラ125に対して平行に押圧されることとなる。このため、研磨ベルト20を送出した場合、研磨ベルト20全体に均等に圧力が加わり、研磨ベルト20が左右方向にずれることがない。
【0051】
上記のように構成される引張装置110は、後述する停止装置160が非停止状態となっているときに、モータ123が回転状態になると、主ローラ125と圧接ローラ144,145とによって蛇行状に挟持される研磨ベルト20が各ローラ125,144,145の圧接力により研磨ベルト20を引っ張って下方に移動させることとなる。このとき、圧接ローラ144に埋設されたビスの回転をスリップ検知センサ147で検出することにより、圧接ローラ144の回転数を検知し、回転数所定値以上になる、もしくは、モータ123の回転時間が所定時間以上になったらモータ123を停止状態にすることができる。この圧接ローラ144の回転数が所定値以下でモータ123が停止した場合には、スリップ等により研磨ベルト20が正常に引っ張られていない場合であるので、その異常信号は外部に出力され、引張装置110の異常を報知するようになっている。
【0052】
次に、装着機構部23を構成する停止装置160について、
図7を参照して説明する。
図7は、停止装置160を開放した状態を示す斜視図である。停止装置160は、ガイドレール11の裏面下部に取り付けられている。この停止装置160は、
図7に示すように、電磁クラッチ機構172及び主ローラ170が固着される取付主体161と、該取付主体161に対して取付ネジ201で固着される支軸(図示しない)を中心として開閉自在に設けられ且つ圧接ローラ195,196が揺動自在に軸支される開閉カバー体162と、から構成され、開閉カバー体162を開放した状態で研磨ベルト20を主ローラ170の前面側に垂らした後、開閉カバー体162を閉じて係止金具173によって施錠することにより研磨ベルト20を主ローラ170と圧接ローラ195,196とで蛇行状に挟持する構造となっている。
【0053】
取付主体161は、主ローラ170をそのほぼ中央に水平状に軸支される主基体163と、電磁クラッチ機構172を被覆する支持基体164とから構成されている。主基体163は、主ローラ170を水平方向に軸支するためにその両サイドに軸支側板175,176を有し、その一方の軸支側板175の裏面に電磁クラッチ機構172がビス止めされると共に、該電磁クラッチ機構172を被覆するようにコ字状に形成された支持基体164が軸支側板175の上下に外側に向かって突設される取付片に取付ネジ165で止着固定されている。また、他方(開放側)の軸支側板176には、係止金具173が設けられている取付板166が該軸支側板176の上下に外側に向かって突設される取付片に取付ネジ167で止着固定されている。さらに、軸支側板176の前方には、調節ネジ当接部168が外側に向かって突設されている。この軸支側板176と取付板166との間には、空間が形成されるが、この空間内には、主ローラ170の一方の端部が突出して収納されている。
【0054】
また、主基体163の軸支側板175,176には、そのほぼ中央にベアリング171が固着され、そのベアリング171に主ローラ170が回転自在に軸支されている。主ローラ170の他端は、軸支側板175のベアリング171を貫通して電磁クラッチ機構172に連結されている。この電磁クラッチ機構172は、通電時に主ローラ170の回転が許容されるようになっており、非通電時に主ローラ170の回転が禁止されるようになっている。なお、主ローラ170は、金属製の円柱材によって形成され、その外周面にダイヤカット等の加工が施されて研磨ベルト20を圧着したときに、その間の摩擦力が大きくなるようになって研磨ベルト20の移動を確実に防止するようになっている。
【0055】
さらに、主基体163には、その裏面側に一対の取付片169が突設されている。この一対の取付片169の内側寸法は、ガイドレール11の横幅寸法とほぼ同じ間隔で形成され、該取付片169をガイドレール11を挟持するように差し込んで、取付片169のほぼ中央に形成される取付溝174をガイドレール11の側面に螺合される取付ネジ(図示しない)に係止した後、その取付ネジを締着することにより、停止装置160をガイドレール11に固定している。なお、主基体163の上辺は、内側に折り曲げられており、その前方に研磨ベルト20が挿入される研磨ベルト挿入部が構成されるが、この研磨ベルト挿入部の間隔は、極めて小さく形成され、例えば、上方から落下するパチンコ玉や大きめの異物等が停止装置160の内部に侵入しないようにして停止装置160の作動状態が長期間に亘ってスムーズに行われるようになっている。
【0056】
一方、開閉カバー体162は、開閉カバー体162の基体をなすカバー基体190に、各部品が集約して取り付けられるものである。カバー基体190は、後方が開放したボックス状に形成され、その内側面の左右方向ほぼ中央の上下2箇所に支持部材(図示しない)が固着されている。この2箇所の支持部材の間には、ローラ取付板194が、支持部材に挿通される支軸(図示しない)によって揺動自在に軸支されている。このローラ取付板194は、一面が開放したボックス状に形成され、開放面側には、ゴム製の円柱材で形成された圧接ローラ195,196が回転自在に軸支されている。また、ローラ取付板194の両側面で、圧接ローラ195と圧接ローラ196との間には、開閉カバー体162を閉塞した場合に主ローラ170が位置する主ローラ嵌入部197が形成されている。そして、開閉カバー体162を取付主体161に対して閉じた状態においては、主ローラ170の斜め上下に圧接ローラ195,196が位置している。
【0057】
また、開閉カバー体162の開放側端部の上下には、開閉カバー体162を閉塞した際の、開閉カバー体162の端部と取付主体161の端部との隙間を調整するための調節ネジ202が設けられている。この調節ネジ202は、開閉カバー体112端部に穿設されたネジ穴(図示しない)に螺着されるものであり、開閉カバー体162を閉塞した際に、調節ネジ202の先端部分が取付主体161の調節ネジ当接部168に当接するようになっている。また、調節ネジ202のネジ頭とカバー基体190との間には、調節ネジ202を固定するための固定ナット203が調節ネジ202に螺合している。
【0058】
上記のように構成される停止装置160では、任意の厚さの研磨ベルト20をその厚さに応じて開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法を適正に調整しながら停止装置160に装着することができるが、以下にその手順について説明する。先ず、開閉カバー体162を開放し、調節ネジ202を固定している固定ナット203を緩めた後、調節ネジ202をカバー基体190から外れない程度に十分に緩める。次に、研磨ベルト20を取付主体161の主ローラ170の前面側に垂らした後、開閉カバー体162を係止金具173にて閉塞する。開閉カバー体162を閉塞した状態で、調節ネジ202の先端が調節ネジ当接部168に当接するまで調節ネジ202を締め込む。調節ネジ202の先端が調節ネジ当接部168に当接した位置で、緩めてあった固定ナット203を締め付けて調節ネジ202を固定する。これにより、挟持した研磨ベルト20の厚さに応じた、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法が決定する。そして、後述する係止片199に係止金具173を係止させるだけで開閉カバー体162が取付主体161に固定され、研磨ベルト20が停止装置160に最適な状態で装着されることとなる。このとき、挟持される研磨ベルト20が厚さの薄いものの場合には、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法は小さくなり、調節ネジ202は、深く締め込まれることがない。一方、挟持される研磨ベルト20が厚さの厚いものの場合には、開閉カバー体162と取付主体161との隙間寸法は大きくなり、調節ネジ202が深く締め込まれることとなる。このように、調節ネジ202の締め込みの程度により、任意の厚さの研磨ベルト20を装着することができる。
【0059】
ここで、前述のように、厚さの厚い研磨ベルト20を挟持した場合、取付主体161に対して開閉カバー体162が角度を持って固定されることになる。このため、従来品のような圧接ローラ195,196が開閉カバー体162に対して平行に固着されている場合、圧接ローラ195,196が主ローラ170に対して角度を持って固定されてしまうことになる。この状態で研磨ベルト20を送出した場合、研磨ベルト20全体に均等に圧力がかからないため、研磨ベルト20が左右方向にずれてしまう。しかし、本実施形態における圧接ローラ195,196は、開閉カバー体162に対し揺動自在に軸支されているため、取付主体161に対して開閉カバー体162が角度を持って固定された場合でも、開閉カバー体162を閉塞した際、圧接ローラ195,196は、主ローラ170に追従し、主ローラ170に対して平行に押圧されることとなる。このため、研磨ベルト20を送出した場合、研磨ベルト20全体に均等に圧力が加わり、研磨ベルト20が左右方向にずれることがない。
【0060】
しかして、主ローラ170と圧接ローラ195,196とで研磨ベルト20を挟持したときには、研磨ベルト20が蛇行状となるように挟持される。このため、主ローラ170の回転が電磁クラッチ機構172によって停止されているときには、確実に研磨ベルト20の移動が停止されることとなる。また、圧接ローラ195,196がゴム製の軟質材によって構成されているので、研磨ベルト20に付着した微小な異物がそのまま主ローラ170と圧接ローラ195,196との間に巻き込まれても、圧接ローラ195,196のゴムの弾性力により異物が吸収されて回転の邪魔となることはない。
【0061】
開閉カバー体162には、上記した構成以外に、その背面に研磨ベルト接触片198が設けられ、その上面に研磨ベルト20の両側端部がガイドされる折曲部192を有するガイド部材191が取付ネジ193により止着され、その開放側側面にバックルタイプの前記係止金具173と係合されて施錠する係止片199が取付ネジ200により止着されている。このうち、研磨ベルト接触片198は、以下のような構成及び作用を呈するものである。
【0062】
即ち、前記開閉カバー体112の背面両側には接触片支持部材(図示しない)が設けられ、この接触片支持部材に対して一端が常に研磨ベルト20に接触している研磨ベルト接触片198が揺動自在に軸支されている。また、開閉カバー体162の背面中央部には、開口(図示しない)が開設され、該開口に位置検出センサ204の検出片(図示しない)が臨むようになっている。この位置検出センサ204(研磨ベルト状態検出手段、研磨ベルト所定残量検出手段)は、検出片が研磨ベルト接触片198と接触したときに位置検出センサ204の突起(図示しない)を押圧することにより研磨ベルト接触片198の位置を検出するものである。そして、収納装置19に収納された研磨ベルト20は、研磨ベルト接触片198に接触して研磨ベルト接触片198を開閉カバー体162の背面に当接した垂直状態としつつ、開閉カバー体162の上面のガイド部材191の折曲部192に案内されて、停止装置160の上部に形成される前記研磨ベルト挿入部に挿入されて引き出された後、ガイドレール11の下部から上部にかけて回装される。なお、ガイド部材191は、開閉カバー体162の上面に設けたが、研磨ベルト挿入部の前方であれば、どこに設けてもよい。
【0063】
上記のように構成される停止装置160の作用について説明する。先ず、通常の状態(収納装置19に研磨ベルト20がある場合)においては、停止装置160に回装される研磨ベルト20の張力により、研磨ベルト20と接触する研磨ベルト接触片198の一端が引き上げられて、研磨ベルト接触片198は垂直状に保持されるので、位置検出センサ204により研磨ベルト接触片198の接触が検知される。しかし、収納装置19に収納された研磨ベルト20が最後まで使用され、その終端が収納装置19から開放されたとき(収納装置19に研磨ベルト20がなくなった状態)には、停止装置160に回装される研磨ベルト20の張力が緩み、研磨ベルト20と接触する研磨ベルト接触片198の一端を引き上げることができなくなるため、研磨ベルト接触片198は自重により傾斜方向に揺動する。すると、位置検出センサ204は、研磨ベルト接触片198の接触を検知しなくなるから、その旨の信号が外部に導出される。従って、本実施形態に係る停止装置160は、収納装置19の研磨ベルト20が最後まで使用されたことを検知して外部に報知し、研磨ベルト20の交換を促すことができる。
【0064】
また、研磨ベルト20が停止装置160に挿入される際に、研磨ベルト20の進行方向のズレを補正するガイド部材191の折曲部192に沿って導入されるので、例えば、研磨ベルト20が収納装置19内の偏った位置に収納されていたときに研磨ベルト20が停止装置160に対して斜め方向に侵入した場合であっても、ガイド部材191の折曲部192によって研磨ベルト20が主ローラ170及び圧接ローラ195,196に対して斜めに侵入せず、正確な状態で侵入するので、結果的に巻取装置60に巻き取られるまで研磨ベルト20が所定の正確な位置を保持するという利点を有するものである。
【0065】
ところで、本実施形態では、次回営業日に対する研磨ベルト20の巻取量を遊技場に設けられた管理装置40によって自動的に算出して、当該巻取量に基づいて従業員が研磨ベルト20の巻取り作業(移動作業)を行うようになっている。以下、このような研磨ベルト20の巻取量を算出する管理装置40について
図8乃至
図28を参照して説明する。
図8は、管理装置40と各遊技島台30に設けられる島台表示装置35との接続構成を示すブロック図である。
図9乃至
図12は、それぞれ管理装置40を構成する管理表示装置43の表示画面の一例を示す説明図である。
図13は、管理装置40における機能的な構成を示すブロック図である。
図14は、稼働条件記憶部に記憶される稼働条件のデータベースを示す一覧表図である。
図15(A)〜(C)は、それぞれ稼働量記憶部に記憶される実稼働のデータベースを示す一覧表図である。
図16は、次回営業日稼働量記憶部に記憶される次回営業日稼働量のデータベースを示す一覧表図である。
図17は、管理装置40による情報関連処理となる稼働条件記憶処理を示すフローチャートである。
図18は、管理装置40による情報関連処理となる稼働量記憶処理を示すフローチャートである。
図19は、管理装置40による情報関連処理となる稼働条件対応付稼働量記憶処理を示すフローチャートである。
図20は、管理装置40による布ベルト巻取量設定関連処理を示すフローチャートである。
図21は、布ベルト巻取量設定関連処理のサブルーチンとなる次回営業日稼働量算出処理を示すフローチャートである。
図22は、次回営業日稼働量算出処理のサブルーチンとなる次回営業日稼働量想定処理を示すフローチャートである。
図23(A)は、次回営業日稼働量想定処理のサブルーチンとなる第1想定処理を示すフローチャートであり、
図23(B)は、次回営業日稼働量想定処理のサブルーチンとなる第2想定処理を示すフローチャートである。
図24(A)は、次回営業日稼働量想定処理のサブルーチンとなる第3想定処理を示すフローチャートであり、
図24(B)は、次回営業日稼働量想定処理のサブルーチンとなる第4想定処理を示すフローチャートである。
図25は、布ベルト巻取量設定関連処理のサブルーチンとなる次回営業日稼働量補正処理を示すフローチャートである。
図26は、布ベルト巻取量設定関連処理のサブルーチンとなる次回営業日稼働量補正処理を示すフローチャートである。
図27(A)は、次回営業日研磨部材汚れ量の算出テーブルを示す一覧表図であり、
図27(B)は、稼働量と対応するポイントの算出テーブルを示す一覧表図であり、
図27(C)は、布ベルト巻取量の算出テーブルを示す一覧表図である。
図28は、遊技島台30に設けられる島台表示装置35の表示画面の一例を示す説明図である。
【0066】
先ず、遊技場に設けられる管理装置40の接続構成について説明する。
図8に示すように、管理装置40は、中央演算装置としてのCPU41a、読み出し専用メモリとしてのROM41b、及び読み書き可能メモリとしてのRAM41cが実装された制御基板41(研磨ベルト移動量算出手段)を備えている。制御基板41のCPU41aは、制御基板41のROM41bに格納されている制御プログラムを実行することにより後述する制御処理を実行する。制御基板41のRAM41cには、管理装置40(制御基板41)で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。そして、制御基板41は、遊技場に複数列設された遊技島台30(
図8中には、6つの遊技島台1〜6を例示)の各島台表示装置35(
図8中には、表示装置と記載)と個々に接続されて、それぞれの島台表示装置35に対して表示制御信号を出力するようになっている。また、管理装置40は、制御基板41による制御を従業員が操作するための操作部42と、制御基板41の制御に関わる情報を表示する管理表示装置43(
図8中には、表示装置と記載)とを備えている。
【0067】
また、管理装置40には、上記した制御基板41、操作部42、及び管理表示装置43を接続した入出力部40aが設けられ、該入出力部40aは、遊技場の天井部分等に設けられる中継HUB44を介して各遊技島台30に設けられる島コントロール基板45に接続されている。島コントロール基板45は、制御基板41と同様に、中央演算装置としてのCPU45a、読み出し専用メモリとしてのROM45b、及び読み書き可能メモリとしてのRAM45cを備えている。CPU45aは、ROM45bに格納されている制御プログラムを実行することにより遊技島台30を全般的に制御する。また、RAM45cには、島コントロール基板45で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
【0068】
島コントロール基板45には、入出力部45dを介して遊技島台30内に設けられる各種構成装置が接続されている。具体的に、遊技島台30内に列設される複数の遊技機31の各アウト玉計数装置37がそれぞれ入出力基板となる台I/O基板46aを介して島コントロール基板45(入出力部45d)に接続され、遊技島台30の島端に設けられる玉返却装置36が入出力基板となる島端I/O基板46bを介して島コントロール基板45(入出力部45d)に接続され、さらには、遊技島台30に設けられる島台表示装置35(
図8中には、表示装置と記載)が島コントロール基板45(入出力部45d)に接続されている。
【0069】
しかして、島コントロール基板45には、各遊技機31毎にアウト玉計数装置37からの玉計数信号が入力されると共に、玉返却装置36からの玉計数信号が入力される。島コントロール基板45に入力された玉計数信号は、中継HUB44を介して管理装置40に出力される。そして、管理装置40は、入力された玉計数信号に基づいて各遊技島台30の島コントロール基板45毎にコマンド信号を出力し、これを受けた島コントロール基板45は、コマンド信号に基づいて島台表示装置35に表示制御信号を出力して、島台表示装置35の表示を制御するようになっている。
【0070】
次に、管理装置40を構成する管理表示装置43の表示画面について
図9乃至
図13を参照して説明する。先ず、管理表示装置43の表示画面には、
図9に示すように、「初期設定入力画面」の文字が付されて当該初期設定入力画面の表示を指示する初期設定選択指示部47と、「随時設定/稼働条件確認画面」の文字が付されて当該随時設定/稼働条件確認画面の表示を指示する随時設定/稼働条件確認選択指示部48と、「布ベルト巻取量算出スタート」の文字が付されて研磨ベルト20の巻取量の算出を指示する巻取量算出指示部49と、が表示される。なお、初期設定選択指示部47、随時設定/稼働条件確認選択指示部48、及び巻取量算出指示部49の選択決定は、操作部42の操作に基づいて行われる。なお、本実施形態における操作部42は、管理表示装置43の表示画面を従業員がタッチすることで各種の設定操作を可能にするタッチ操作式の構成となっている。
【0071】
管理表示装置43の初期設定入力画面には、
図10に示すように、ホール稼働条件設定入力部50と、遊技島台稼働条件設定入力部51と、天気情報設定入力部52と、が表示される。ホール稼働条件設定入力部50には、「計数装置設置状態」「禁煙ルールの有無」「空気清浄機の有無」「立地条件」「稼働状況」の各設定項目が設けられている。「計数装置設置状態」は、遊技島台30に設けられる計数装置が各遊技機31毎に隣接して設けられる「各台計数装置」、又は、遊技場内に列設される複数の遊技島台30のうち所定の遊技島台30の長手方向の一端側に設けられる「通常計数装置(実施形態中の玉返却装置36に対応する)」のいずれであるかを設定する項目である。
図10中には、操作部42の操作に基づいて「通常計数装置」が選択決定され、ホール稼働条件設定入力部50には、「通常計数装置」の文字の左横に「通常計数装置」が設定された旨を示す丸形状が点灯表示された場合を例示する。なお、ホール稼働条件設定入力部50から設定入力される条件を基本条件ともいう。また、ホール稼働条件設定入力部50における「計数装置設置状態」「禁煙ルールの有無」「空気清浄機の有無」「立地条件」「稼働状況」の各設定項目、遊技島台稼働条件設定入力部51、及び天気情報設定入力部52は、本発明に係る第1及び第2の稼働条件設定手段を構成している。
【0072】
「禁煙ルールの有無」は、遊技場内が禁煙である「有」、又は、禁煙でない「無」のいずれであるかを設定する項目である。
図10中には、操作部42の操作に基づいて「無」が選択決定され、ホール稼働条件設定入力部50には、「無」の文字の左横に禁煙でない「無」が設定された旨を示す丸形状が点灯表示された場合を例示する。
【0073】
「空気清浄機の有無」は、遊技場内に空気清浄機が設置されている「有」、又は、空気清浄機が設置されていない「無」のいずれであるかを設定する項目である。
図10中には、操作部42の操作に基づいて「有」が選択決定され、ホール稼働条件設定入力部50には、「有」の文字の左横に空気清浄機が設置されている「有」が設定された旨を示す丸形状が点灯表示された場合を例示する。
【0074】
「立地条件」は、遊技場の立地場所が海の近くである「海沿い」、又は、海の近くでない「その他」のいずれであるかを設定する項目である。
図10中には、操作部42の操作に基づいて「その他」が選択決定され、ホール稼働条件設定入力部50には、「その他」の文字の左横に海の近くでない「その他」が設定された旨を示す丸形状が点灯表示された場合を例示する。
【0075】
「稼働状況」は、今までの営業実績に基づいて曜日毎の稼働状況を予め設定しておく項目であり、「月〜金」「土」「日」「祝日」の4種類の曜日に分類され、各種曜日毎に稼働状況の「少」「中」「多」のいずれかが設定される。
図10中には、操作部42の操作に基づいて、「月〜金」には「少」が選択決定され、「土」には「多」が選択決定され、「日」には「中」が選択決定され、「祝日」には「多」が選択決定され、ホール稼働条件設定入力部50には、選択決定された「少」「中」「多」の稼働状況を示す文字の左横に丸形状が点灯表示された場合を例示する。
【0076】
遊技島台稼働条件設定入力部51は、上記したホール稼働条件設定入力部50の「計数装置設置状態」で「通常計数装置」が設定されたときに有効となる設定入力部であり、遊技場内に列設される複数の遊技島台30のうち「通常計数装置」が設置される遊技島台30を設定するものである。
図10中には、遊技場内に列設される6つの遊技島台30(遊技島台1〜6)を示す島台番号「1」〜「6」と、当該遊技島台1〜6毎の「通常計数装置の有無」を示す「有」「無」の文字とが遊技島台稼働条件設定入力部51に表示され、操作部42の操作に基づいて、「通常計数装置」が設置された遊技島台30となる遊技島台1,3,5(島台番号「1」「3」「5」)には「有」が選択決定されると共に、「通常計数装置」が設置されない遊技島台30となる遊技島台2,4,6(島台番号「2」「4」「6」)には「無」が選択決定されて、選択決定された「有」「無」を示す文字の左横に丸形状が点灯表示された場合を例示する。
【0077】
天気情報設定入力部52には、遊技場の住所を入力する「住所入力欄」の設定項目が設けられている。そして、「住所入力欄」に住所を入力することで、管理装置40に接続されたインターネット通信によって遊技場の住所に対応した天気情報が管理装置40に入力されるようになっている。
【0078】
管理表示装置43の随時設定/稼働条件確認画面には、
図11に示すように、随時設定入力部53と、付加量設定入力部54と、リセット操作部55と、稼働条件確認表示部56と、が表示される。随時設定入力部53には、遊技場に配置された複数の遊技島台30(同図中には、遊技島1〜5の5つの遊技島台を例示)を示す島台表示部53aが設けられ、該島台表示部53aには、各遊技島台30毎に列設された複数の遊技機31を番号(同図中には、1つの遊技島台30に40台の遊技機31が列設され、遊技島1〜5に設けられる計200台の遊技機31の通し番号となる「1〜200」を例示)で示した遊技機指定部53bが区分けして設けられている。また、随時設定入力部53には、日付指定部53cと、随時設定指定部53dと、が設けられている。なお、随時設定指定部53dは、「イベント1」「イベント2」「新台入替」の3種類の随時設定項目が設けられている。そして、日付指定部53cのタッチ操作に基づいて随時設定する日付が選択決定される(
図11中には、「5月14日(金)」が日付に設定された場合を例示する)と共に、「1〜200」の遊技機指定部53bのいずれかをタッチ操作することで随時設定する遊技機31が選択決定され、遊技機指定部53bのタッチ操作に基づいて遊技機31が選択設定された直後に随時設定指定部53dのいずれかの随時設定項目(「イベント1」「イベント2」「新台入替」)をタッチ操作することで、選択決定した日付で各遊技機31毎に随時設定項目が設定されるようになっている。また、随時設定入力部53の各設定項目は、本発明に係る第1及び第2の稼働条件設定手段を構成している。
【0079】
付加量設定入力部54は、5つの遊技島1〜5と個々に対応して5つ設けられており、各表示面には、後で詳述する付加量Gとなる「500」の文字が記されている。また、リセット操作部55についても同様に、5つの遊技島1〜5と個々に対応して5つ設けられており、各表示面には、当該リセット操作部55のタッチ操作に基づいて随時設定入力部53及び付加量設定入力部54による随時設定をリセットする旨を示す「リセット」の文字が記されている。
【0080】
稼働条件確認表示部56には、ホール稼働条件のうち随時変更される項目のみを表示するホール稼働条件表示部56aと、遊技場内に列設される複数の遊技島台30(5つの遊技島1〜5)毎の「稼働ランク」及び「通常計数装置(玉返却装置36)の有無」を表示する遊技島台稼働条件表示部56bと、天気情報設定入力部52の「住所入力欄」に入力された遊技場の住所に基づいてインターネット通信によって得られた天気情報(「昨日」「今日」「明日」の3日と対応させた「天気」「気温」「湿度」の各項目)を表示する天気状態表示部56cと、が設けられている。
【0081】
なお、
図11中には、ホール稼働条件のうち随時変更される項目として、日付指定部53cに設定された日付と対応する曜日となる「平日」の文字と、天気情報設定入力部52での設定に基づいて得られた当日の天気情報となる「雨」の文字とがホール稼働条件表示部56aに表示された場合を例示する。また、遊技島台稼働条件表示部56bの「稼働ランク」の欄には、全ての遊技島1〜5がそれぞれ「稼働ランクC」として表示され、「通常計数装置の有無」の欄には、5つの遊技島1〜5のうち通常計数装置(玉返却装置36)の設置がある第1の遊技島台としての遊技島1,3,5に「有り」の文字が表示される一方、通常計数装置(玉返却装置36)の設置がない第2の遊技島台としての遊技島2,4に「無し」の文字が表示された場合を例示する。また、天気状態表示部56cの「昨日」となる「2010/5/13(木)」では、「天気」の欄に「雨」、「気温」の欄に「19℃/11℃」、「湿度」の欄に「80%」がそれぞれ表示され、「今日」となる「2010/5/14(金)」では、「天気」の欄に「雨」、「気温」の欄に「20℃/11℃」、「湿度」の欄に「80%」がそれぞれ表示され、「明日」となる「2010/5/15(土)」では、「天気」の欄に「晴れ」、「気温」の欄に「23℃/12℃」、「湿度」の欄に「40%」がそれぞれ表示された場合を例示する。また、天気状態表示部56cには、地震が発生した等の臨時情報を表示する「臨時情報」の欄も設けられている。
【0082】
ここで、
図11に示した5月14日(金)の翌日となる5月15日(土)付けの随時設定/稼働条件確認画面を
図12に例示する。
図12に示すように、5月15日(土)付けの随時設定入力部53において、遊技島1の島台表示部53aでは「21〜40」番の遊技機31に対して「イベント1」の随時設定が行われ、遊技島2の島台表示部53aでは「41〜60」番の遊技機31に対して「イベント1」の随時設定が行われ、遊技島3の島台表示部53aでは「81〜100」番の遊技機31に対して「イベント2」の随時設定が行われ、遊技島5の島台表示部53aでは「161〜170」番の遊技機31に対して「新台入替」の随時設定が行われ、遊技島4の島台表示部53aではいずれの遊技機31に対しても随時設定が行われていない。
【0083】
また、5月15日(土)付けの稼働条件確認表示部56において、ホール稼働条件表示部56aには、日付指定部53cに設定された日付(5月15日(土))と対応する曜日となる「土曜」の文字と、天気情報設定入力部52での設定に基づいて得られた当日の天気情報となる「晴れ」の文字とが表示される。遊技島台稼働条件表示部56bの「稼働ランク」の欄には、複数の遊技機31に対して「イベント1」の随時設定が行われた遊技島1,2がそれぞれ「稼働ランクA」として表示され、複数の遊技機31に対して「イベント2」又は「新台入替」の随時設定が行われた遊技島3,5がそれぞれ「稼働ランクB」として表示され、いずれの遊技機31に対しても随時設定が行われなかった遊技島4が「稼働ランクC」として表示される。
【0084】
次に、上記した管理装置40の制御基板41による制御処理について、
図13乃至
図27を参照して説明する。先ず、管理装置40における機能的な構成を
図13を参照して説明すると、管理装置40は、従業員の指示操作を行うための操作部42と、各遊技島台30(遊技島1〜5の島コントロール基板45)からの稼働信号の入力を中継する稼働信号入力部である中継HUB44と、該中継HUB44からの稼働信号及び操作部42からの操作入力信号を受ける入出力部40aと、該入出力部40aから稼働信号及び操作入力信号を受けて各種制御処理を行う処理部である制御基板41のCPU41a及びROM41bと、該CPU41a及びROM41bによる制御処理において生成される各種データや入力信号等の情報を一時的に記憶する記憶部である制御基板41のRAM41cと、CPU41a及びROM41bによる制御処理における各種情報を表示する表示部である管理表示装置43及び島台表示装置35と、を備えている。
【0085】
操作部42は、研磨ベルト20の巻取量の算出処理を開始指示するための巻取量算出開始操作部である巻取量算出指示部49と、遊技島台30の稼働条件を設定指示するための稼働条件設定部であるホール稼働条件設定入力部50、遊技島台稼働条件設定入力部51、随時設定入力部53、付加量設定入力部54と、稼働条件設定部の設定をリセット操作するためのリセット操作部55と、から構成される。RAM41cによって構成される記憶部は、次回営業日における遊技島台30の稼働量を記憶する次回営業日稼働量記憶部と、稼働条件記憶部(第1及び第2の稼働条件記憶手段)及び稼働量記憶部(第1及び第2の稼働量記憶手段)からなる稼働条件対応付稼働量記憶部と、から構成されている。
【0086】
ところで、上記した稼働条件対応付稼働量記憶部の稼働条件記憶部に記憶される条件データは、
図14に示すように、日付に対応した各遊技島台30(遊技島1〜5)毎のホール稼働条件(遊技場稼働条件)と遊技島台稼働条件とから構成される。具体的に、ホール稼働条件は、ホール稼働条件設定入力部50から設定入力される基本条件と、曜日条件と、天気条件とからなる。一方、遊技島台稼働条件は、遊技島台稼働条件表示部56bの「稼働ランク」に表示される稼働ランク条件と、遊技島台稼働条件表示部56bの「通常計数装置の有無」に表示されるJC条件とからなる。
【0087】
また、稼働条件対応付稼働量記憶部の稼働量記憶部に記憶される稼働量データは、
図15(A)〜(C)に示すように、3種類の稼働量データがある。
図15(A)に示す稼働量データは、全ての遊技島台30(遊技島1〜5)に設置される全ての遊技機31に対する各日付毎の稼働量のデータであり、具体的には、当日営業において遊技機31から排出されたパチンコ玉の総数を10で割った値である。また、
図15(B)に示す稼働量データは、各遊技島台30(遊技島1〜5)に対する各日付毎の平均稼働量のデータであり、具体的には、当日営業において1つの遊技島台30に設置される全ての遊技機31から排出されたパチンコ玉の総数を遊技機31の設置数で割った値をさらに10で割った値である。また、
図15(C)に示す稼働量データは、遊技島台30(遊技島1,3,5)に設置される各玉返却装置36に対する各日付毎の稼働量のデータであり、具体的には、当日営業において玉返却装置36に返却されたパチンコ玉の総数を10で割った値である。
【0088】
また、次回営業日稼働量記憶部に記憶される稼働量データは、
図16に示すように、各遊技島台30(遊技島1〜5)における日付毎の稼働量データである。具体的には、遊技島台30(遊技島1〜5)毎において全ての遊技機31から排出されるパチンコ玉の総数を10で割った値(同図中に示す「アウト(全体)」に対応する数値)と、該「アウト(全体)」の数値を遊技機31の設置数で割った値(同図中に示す「アウト(台)」に対応する数値)と、玉返却装置36に返却されたパチンコ玉の総数を10で割った値(同図中に示す「JC」に対応する数値)と、「アウト(全体)」の数値と「JC」の数値を加算した数値(同図中に示す「次回営業日稼働量」に対応する数値)と、付加量設定入力部54の設定に基づいて加算される「500」の付加量G(同図中に示す「付加量(台)」に対応する数値)と、該「付加量(台)」の数値に1つの遊技島台30に設置される遊技機31の総数(実施形態中では、40)を掛けた値(同図中に示す「付加量(合計)」に対応する数値)と、「次回営業日稼働量」の数値と「付加量(合計)」の数値を加算した数値(同図中に示す「想定稼働量」に対応する数値)と、が稼働量データとして記憶される。なお、稼働条件対応付稼働量記憶部の稼働条件記憶部に記憶される条件データ、稼働条件対応付稼働量記憶部の稼働量記憶部に記憶される稼働量データ、及び、次回営業日稼働量記憶部に記憶される稼働量データは、それぞれ所定期間として最大で1年間のデータが記憶されるようになっている。
【0089】
次に、上記した処理部(制御基板41のCPU41a及びROM41b)による情報関連処理及び布ベルト巻取量設定関連処理について説明する。先ず、情報関連処理の1つである稼働条件記憶処理について
図17を参照して説明する。稼働条件記憶処理において、管理装置40の制御基板41は、
図17に示すように、先ず、稼働条件設定部(ホール稼働条件設定入力部50、遊技島台稼働条件設定入力部51、随時設定入力部53、付加量設定入力部54)からの設定入力の有無を判定する(ステップS1)。ステップS1で稼働条件設定部からの設定入力がないときは、そのまま後述のステップS6へ移行する一方、稼働条件設定部からの設定入力があるときは、稼働条件設定部からの設定入力がホール稼働条件となるホール稼働条件設定入力部50からの設定入力であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2でホール稼働条件設定入力部50からの設定入力でないときは、そのままステップS4へ移行する一方、ホール稼働条件設定入力部50からの設定入力であるときは、全ての遊技島台30(遊技島1〜5)の条件を変更して、当該ホール稼働条件設定入力部50からの設定入力に基づいたホール稼働条件を稼働条件記憶部に書き込み(ステップS3)、その後ステップS4へ移行する。
【0090】
ステップS4では、稼働条件設定部からの設定入力が遊技島台稼働条件となる遊技島台稼働条件設定入力部51、随時設定入力部53、付加量設定入力部54からの設定入力であるか否かを判定する。ステップS4で遊技島台稼働条件設定入力部51、随時設定入力部53、付加量設定入力部54からの設定入力でないときは、そのままステップS6へ移行する一方、遊技島台稼働条件設定入力部51、随時設定入力部53、付加量設定入力部54からの設定入力であるときは、設定入力の対象となる遊技島台30(いずれかの遊技島1〜5)の条件を変更して、当該遊技島台稼働条件設定入力部51、随時設定入力部53、付加量設定入力部54からの設定入力に基づいた遊技島台稼働条件を稼働条件記憶部に書き込み(ステップS5)、その後ステップS6へ移行する。そして、ステップS6では、各遊技島台30(遊技島1〜5)毎の稼働条件を日付と対応させて記憶し、稼働条件記憶処理を終了する。
【0091】
情報関連処理の1つである稼働量記憶処理について
図18を参照して説明する。稼働量記憶処理において、管理装置40の制御基板41は、
図18に示すように、先ず、中継HUB44を介した各遊技島台30(島コントロール基板45)からの稼働信号の有無を判定する(ステップS11)。ステップS11で稼働信号の入力がないときは、そのまま後述のステップS13へ移行する一方、稼働信号の入力があるときは、入力された稼働信号に基づく稼働量を遊技島台30(遊技島1〜5)毎に算出して、当該稼働量を稼働量記憶部に書き込み(ステップS12)、その後ステップS13へ移行する。そして、ステップS13では、1日の営業終了後における遊技島台30毎の稼働量を日付と対応させて1日単位の稼働量として書き込み、稼働量記憶処理を終了する。なお、1日の営業が終了したことを判断する技術についてはどのような技術であってもよい。例えば、営業が終了した際に操作される営業終了スイッチの操作に基づいて判断したり、予め入力されている営業終了時刻の経過に基づいて判断したりすることが考えられる。
【0092】
情報関連処理の1つである稼働条件対応付稼働量記憶処理について
図19を参照して説明する。稼働条件対応付稼働量記憶処理において、管理装置40の制御基板41は、
図19に示すように、稼働量記憶部に記憶されている稼働量データと、稼働条件記憶部に記憶されている稼働条件(ホール稼働条件及び遊技島台稼働条件)データとを、該当する遊技島台30(遊技島1〜5)及び日付で対応させて稼働条件対応付稼働量記憶部に書き込み(ステップS21)、稼働条件対応付稼働量記憶処理を終了する。
【0093】
次に、処理部(制御基板41のCPU41a及びROM41b)による布ベルト巻取量設定関連処理について
図20乃至
図27を参照して説明する。なお、以下の説明では、布ベルト巻取量設定関連処理の一連の制御フローに合わせて、5月14日の営業終了後に巻取量算出指示部49が操作されて、次回営業日(5月15日)に対する研磨ベルト20の巻取量を算出する処理が行われた場合を例示する。布ベルト巻取量設定関連処理において、管理装置40の制御基板41は、
図20に示すように、管理表示装置43の巻取量算出指示部49(同図中には、巻取量算出開始操作部と記載)からの操作指示があるか否か、言い換えれば、従業員によって巻取量算出指示部49がタッチ操作されて研磨ベルト20の巻取量を算出する指示があるか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31で巻取量算出指示部49からの操作指示がないときは、そのまま布ベルト巻取量設定関連処理を終了する一方、巻取量算出指示部49からの操作指示があると、次回営業日での遊技島台30の稼働量を算出する次回営業日稼働量算出処理(ステップS32)、該次回営業日稼働量算出処理で算出された遊技島台30の稼働量を補正する次回営業日稼働量補正処理(ステップS33)、該次回営業日稼働量補正処理で補正された補正稼働量又は次回営業日稼働量算出処理で算出された稼働量に基づいて研磨ベルト20の巻取量を算出する布ベルト巻取量算出処理(ステップS34)を順次行って布ベルト巻取量設定関連処理を終了する。
【0094】
ステップS32の次回営業日稼働量算出処理では、
図21に示すように、先ず、対象となる遊技島台30の次回営業日の稼働条件B(ホール稼働条件表示部56aに表示される「曜日」、「天気」と、遊技島台稼働条件表示部56bに表示される「稼働ランク」、「JCの有無」)を稼働条件記憶部から呼び出し(ステップS41)、次いで、ステップS41で呼び出した稼働条件Bに該当する過去の稼働量を稼働条件対応付稼働量記憶部から呼び出す(ステップS42)。
その後、稼働条件Bに該当する情報(過去の稼働量)があるか否かを判定する(ステップS43:稼働条件比較判定手段)。ステップS43で稼働条件Bに該当する情報(過去の稼働量)があるときは、稼働条件Bに該当する稼働量を呼び出す(稼働量呼出手段)と共に該呼び出された稼働量に基づいて次回営業日の稼働条件Bに対応した次回営業日稼働量Cを算出して(ステップS44:次回営業日稼働量決定手段)、次いで、次回営業日稼働量Cと付加量Gとを次回営業日稼働量記憶部に書き込み(ステップS45)、次回営業日稼働量算出処理を終了する。一方、ステップS43で稼働条件Bに該当する情報(過去の稼働量)がないときは、次回営業日稼働量想定処理を行った後に(ステップS46:近似呼出手段、近似稼働量決定手段)ステップS45へ移行する。
【0095】
次回営業日稼働量算出処理の具体例としては、ステップS41で
図14に示す5月15日付けとなる次回営業日の稼働条件データを呼び出し、遊技島1,2,5においては、4月3日付けの過去の稼働条件データに該当することから、ステップS42で稼働条件対応付稼働量記憶部から4月3日付けの稼働量データを呼び出し、ステップS44で当該稼働量データを次回営業日稼働量Cとする。なお、本実施形態では該当する過去の稼働条件データが4月3日しかないため、4月3日付けの稼働量データに基づいて次回営業日稼働量Cを算出したが、該当する過去の稼働条件データが複数ある場合には、それらを平均化したデータを用いてもよいし、最も直近のデータのみを用いてもよい。また、遊技島3,4においては、該当する過去の稼働条件データがないため、ステップS46の次回営業日稼働量想定処理に移行する。
【0096】
上記した次回営業日稼働量算出処理のサブルーチンとなるステップS46の次回営業日稼働量想定処理では、
図22に示すように、先ず、同一のホール稼働条件データの有無を判定する(ステップS51)。ステップS51で同一のホール稼働条件データがないときは、次に、類似のホール稼働条件データの有無を判定する(ステップS52)。なお、類似のホール稼働条件データとは、「曜日」「天気」の2つの条件のうち1つの条件が異なるデータのことである。ステップS52で類似のホール稼働条件データがないときは、第1想定処理を実行して(ステップS53)、次回営業日稼働量想定処理を終了する。ステップS53の第1想定処理では、
図23(A)に示すように、稼働量最大値を次回営業日稼働量Cとする処理を行う(ステップS61)。なお、稼働量最大値とは、物理的な数を示しているのではなく、布ベルト巻取り量を算出するうえで最も稼働量が多いと判断される値を示しているものである。具体的には、
図27(B)に示す稼働量の「200000〜」が該当する。
【0097】
また、ステップS52で類似のホール稼働条件データがあるときは、次に、同一の遊技島台稼働条件データの有無を判定する(ステップS54)。ステップS54で同一の遊技島台稼働条件データがないときは、ステップS53の第1想定処理に移行する一方、同一の遊技島台稼働条件データがあるときは、第2想定処理を実行して(ステップS55)、次回営業日稼働量想定処理を終了する。ステップS55の第2想定処理では、
図23(B)に示すように、類似のホール稼働条件であって同一の遊技島台稼働条件に該当する稼働量C’を稼働条件対応付稼働量記憶部から呼び出す(ステップS71)。次に、稼働条件Bのホール稼働条件と、類似のホール稼働条件との相違項目を抽出し(ステップS72)、抽出した相違項目に所定の割数を加えて次回営業日稼働量Cとする処理を行う(ステップS73)。
【0098】
また、ステップS51で同一ホール稼働条件のデータがあるときは、次に、類似の遊技島台稼働条件データの有無を判定する(ステップS56)。なお、類似の遊技島台稼働条件データとは、「稼働ランク」「JC」の2つの条件のうち1つの条件が異なるデータのことである。ステップS56で類似の遊技島台稼働条件データがないときは、第3想定処理を実行して(ステップS57)、次回営業日稼働量想定処理を終了する。ステップS57の第3想定処理では、
図24(A)に示すように、同一のホール稼働条件に該当する稼働量C’’を稼働条件対応付稼働量記憶部から呼び出し(ステップS81)、次いで、稼働量C’’の中で最も多い稼働量を次回営業日稼働量Cとする処理を行う(ステップS82)。一方、ステップS56で類似の遊技島台稼働条件データがあるときは、第4想定処理を実行して(ステップS58)、次回営業日稼働量想定処理を終了する。ステップS58の第4想定処理では、
図24(B)に示すように、同一のホール稼働条件であって類似の遊技島台稼働条件に該当する稼働量C’’’を稼働条件対応付稼働量記憶部から呼び出して(ステップS91)、稼働条件Bの遊技島台稼働条件と、類似の遊技島台稼働条件との相違項目を抽出する(ステップS92)。次に、稼働量C’’’の中で相違項目が稼働増加方向に相違しているデータの稼働量を次回営業日稼働量Cとして(ステップS93)、該当するデータがない場合はステップ53の第1想定処理へ移行する処理を行う(ステップS94)。なお、ここでいう「相違項目が稼働増加方向に相違しているデータ」とは、遊技島台稼働条件の各項目に入力されるデータを予め稼働の多少と対応付けておき、稼働条件Bの相違項目に入力されているデータよりも多い稼働が対応付いているデータのことである。遊技島台稼働条件の各項目に入力されるデータと稼働の多少の対応付けについて、本実施形態であれば、遊技島台稼働条件のうち、稼働ランクについては、稼働の多い順に「A→B→C」となり、JCの有無については、稼働の多い順に「有→無」となる。即ち、第4想定処理においても、第3想定処理と同様に、稼働量C’’’の中で最も多い稼働量を次回営業日稼働量Cとする処理を行う。また、第4想定処理においては、該当するデータの全てが稼働増加方向に相違しているものであることから、最も多い稼働量を次回営業日稼働量Cとせずに、稼働量の多い順に所定個のデータを抽出し、それらデータの平均稼働量を次回営業日稼働量Cとしてもよい。
【0099】
次回営業日稼働量想定処理の具体例としては、前述したように該当する過去の稼働条件データがない遊技島3,4に対して処理が行われる。この場合、いずれの遊技島3,4においても、同一のホール稼働条件データがあり、類似の遊技島台稼働条件データがあるため、ステップS58の第4想定処理を実行する。そして、遊技島3の場合、類似の遊技島台稼働条件として4月3日付けの遊技島3の稼働条件(「稼働ランク」が「A」で「JC」が「有」)を抽出して、5月15日付けの遊技島3の稼働条件(「稼働ランク」が「B」で「JC」が「有」)との相違項目が「稼働ランク」のみとなる。遊技島4の場合も同様である。また、相違項目が稼働増加方向に相違している過去のデータがないときは、ステップS94から第1想定処理に移行する。
【0100】
なお、上記した次回営業日稼働量想定処理では、遊技島台稼働条件よりもホール稼働条件の方が研磨ベルト20の汚れに影響を与えることから、ホール稼働条件を優先した処理を行うようになっている。また、次回営業日稼働量想定処理の第1想定処理は、遊技場の新装開店等、本実施形態の管理装置40を初めて採用する際を想定した処理であり、想定する稼働量を最大値に設定している。第2想定処理は、遊技島台稼働条件が同一でホール稼働条件が類似するパターンでの処理である。そして、ホール稼働条件が変更されると、稼働に影響を与えると考えられるため、類似のホール稼働条件に所定の割合を掛けて対応している。具体的には、ホール稼働条件の「天気」では、「雨」=「晴」×0.9に設定し、「曜日」では、「平日(月〜金)」=「土・祝日」×0.7=「日」×0.8に設定している。また、ホール稼働条件の基本項目に関する相違のみの場合は、稼働に影響を与えるものではないため、そのままの値を採用している。第3想定処理は、ホール稼働条件が同一で遊技島台稼働条件に類似がないパターンでの処理である。そして、初めて稼働ランクCが付いた場合等を想定しており、念を入れて同一のホール稼働条件の中で最も稼働量が多い値で対応するようになっている。なお、本実施形態では、次回営業日稼働量想定処理として次回営業日の稼働条件に最も近似する過去のデータを用いたが、例えば、近似具合が同一の過去データが複数ある場合には、それらを平均化したデータを用いてもよいし、過去データのうち、直近の所定個数のデータを平均化してもよい。更に、近似具合は異なるが条件に該当するデータが複数ある場合は、それらを平均化したデータを用いてもよいし、近似順に所定個数のデータを平均化してもよい。
【0101】
ステップS33の次回営業日稼働量補正処理では、
図25に示すように、管理表示装置43のリセット操作部55からのリセット信号の入力の有無、言い換えれば、研磨ベルト20の交換作業が行われてリセット操作が行われたか否か(研磨ベルト20が未使用状態であるか否か)を判定する(ステップS101:未使用状態判定手段)。ステップS101でリセット信号の入力があるときは、そのまま次回営業日稼働量補正処理を終了する一方、リセット信号の入力がないときは、次回営業日稼働量記憶部から前回算出した次回営業日稼働量C1に付加量G(所定の稼働量)を加えた想定稼働量H(付加稼働量)を呼び出すと共に(ステップS102:付加稼働量算出手段)、稼働量記憶部から当日の稼働量Aを呼び出し(ステップS103)、呼び出した想定稼働量Hと稼働量Aとの差を補正値D(予実稼働量)として算出する(ステップS104:予実稼働量算出手段)。次に、次回営業日稼働量記憶部から今回算出した想定稼働量Hを呼び出し(ステップS105)、想定稼働量Hから補正値Dを差し引いた量を次回営業日補正稼働量E(補正稼働量)として算出して(ステップS106:次回営業日稼働量補正手段)、次回営業日稼働量補正処理を終了する。
【0102】
次回営業日稼働量補正処理の具体例としては、ステップS102で5月13日に算出した5月14日の想定稼働量を
図16に示す次回営業日稼働量のデータベースから呼び出す。遊技島1の想定稼働量は「230000」であり、遊技島2の想定稼働量は「160000」であり、遊技島3の想定稼働量は「175500」であり、遊技島4の想定稼働量は「104000」であり、遊技島5の想定稼働量は「174000」である。また、ステップS103で5月14日の当日稼働量を
図15(A)〜(C)に示す実稼働のデータベースから呼び出す。遊技島1の当日稼働量は「198000(=3700×40+50000)」であり、遊技島2の当日稼働量は「120000(=3000×40)」であり、遊技島3の当日稼働量は「145000(=2000×40+65000)」であり、遊技島4の当日稼働量は「72000(=1800×40)」であり、遊技島5の当日稼働量は「150000(=2500×40+50000)」である。そして、ステップS104の処理で遊技島1の補正値は「32000(=230000−198000)」となり、遊技島2の補正値は「40000(=160000−120000)」となり、遊技島3の補正値は「30500(=175500−145000)」となり、遊技島4の補正値は「32000(=104000−72000)」となり、遊技島5の補正値は「24000(=174000−150000)」となる。
【0103】
次に、ステップS105で5月14に算出した5月15日の想定稼働量を
図16に示す次回営業日稼働量のデータベースから呼び出す。遊技島1の想定稼働量は「285000」であり、遊技島2の想定稼働量は「200000」であり、遊技島3の想定稼働量は「268000」であり、遊技島4の想定稼働量は「136000」であり、遊技島5の想定稼働量は「236000」である。そして、ステップS106の処理で遊技島1の次回営業日補正稼働量は「253000(=285000−32000)」となり、遊技島2の次回営業日補正稼働量は「160000(=200000−40000)」となり、遊技島3の次回営業日補正稼働量は「237500(=268000−30500)」となり、遊技島4の次回営業日補正稼働量は「104000(=136000−32000)」となり、遊技島5の次回営業日補正稼働量は「212000(=236000−24000)」となる。
【0104】
ステップS34の布ベルト巻取量算出処理では、
図26に示すように、次回営業日補正稼働量Eを算出したか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111で次回営業日補正稼働量Eを算出したときは、次回営業日補正稼働量Eに対応した研磨ベルト20の巻取量F’(同図中には、布ベルト巻取量と記載)を算出した後(ステップS112)、算出された研磨ベルト20の巻取量を表示制御コマンドとして管理装置40の管理表示装置43及び各遊技島台30の島台表示装置35に出力して(ステップS113)、布ベルト巻取量算出処理を終了する。一方、ステップS111で次回営業日補正稼働量Eを算出していないときは、次回営業日稼働量C及び付加量Gに対応した研磨ベルト20の巻取量F(同図中には、布ベルト巻取量と記載)を算出する(ステップS114)。そして、ステップS113へ移行して、算出された研磨ベルト20の巻取量を表示制御コマンドとして各遊技島台30の島台表示装置35に出力した後に布ベルト巻取量算出処理を終了する。
【0105】
布ベルト巻取量算出処理の具体例としては、前述した次回営業日稼働量補正処理で算出した遊技島1〜5の次回営業日補正稼働量に対応させてステップS112で研磨ベルト20の巻取量を算出する。この場合、先ず、
図27(A)に示す次回営業日研磨部材汚れ量の算出テーブルを参照して、各遊技島台30(遊技島1〜5)毎の汚れ量ポイントを算出する。次回営業日研磨部材汚れ量の算出テーブルは、「計数装置設置状態」「禁煙ルールの有無」「空気清浄機の有無」「立地条件」「稼働状況」「通常計数装置の有無」「営業時間」の各設定項目が設けられている。
【0106】
「計数装置設置状態」は、ホール稼働条件設定入力部50の「計数装置設置状態」での設定に対応しており、「各台計数装置」が選択されたときには「0」ポイントが、また、「通常計数装置」が選択されたときには「10」ポイントがそれぞれ次回営業日研磨部材汚れ量に加算される。「禁煙ルールの有無」は、ホール稼働条件設定入力部50の「禁煙ルールの有無」での設定に対応しており、「有」が選択されたときには「0」ポイントが、また、「無」が選択されたときには「10」ポイントがそれぞれ次回営業日研磨部材汚れ量に加算される。「空気清浄機の有無」は、ホール稼働条件設定入力部50の「空気清浄機の有無」での設定に対応しており、「有」が選択されたときには「0」ポイントが、また、「無」が選択されたときには「10」ポイントがそれぞれ次回営業日研磨部材汚れ量に加算される。「立地条件」は、ホール稼働条件設定入力部50の「立地条件」での設定に対応しており、「海沿い」が選択されたときには「10」ポイントが、また、「その他」が選択されたときには「5」ポイントがそれぞれ次回営業日研磨部材汚れ量に加算される。「稼働状況」は、ホール稼働条件設定入力部50の「稼働状況」での設定に対応しており、「少」が選択されたときには「−10」ポイントが、「中」が選択されたときには「0」ポイントが、また、「多」が選択されたときには「10」ポイントがそれぞれ次回営業日研磨部材汚れ量に加算される。「通常計数装置の有無」は、遊技島台稼働条件設定入力部51の「通常計数装置の有無」での設定に対応しており、「有」が選択されたときには「10」ポイントが、また、「無」が選択されたときには「0」ポイントがそれぞれ次回営業日研磨部材汚れ量に加算される。「営業時間」は、随時設定入力部53の「営業時間」での設定に対応しており、「12時間以下」が選択されたときには「−10」ポイントが、また、「12時間以上」が選択されたときには「0」ポイントがそれぞれ次回営業日研磨部材汚れ量に加算される。
【0107】
上記した次回営業日研磨部材汚れ量の算出テーブルを参照した算出処理に基づいて、遊技島1,3,5ではそれぞれ「45」の汚れ量ポイントが算出され、遊技島2,4ではそれぞれ「35」の汚れ量ポイントが算出される。そして、研磨ベルト20の交換当日の営業終了後となる場合、即ち、次回営業日補正稼働量Eを算出していないときは、ステップS114で次回営業日稼働量Cをもとに
図27(B),(C)の各算出テーブルから研磨ベルト20の巻取量Fを算出する。一方、研磨ベルト20の交換当日以外の営業終了後となる場合、即ち、次回営業日補正稼働量Eを算出したときは、ステップS112で次回営業日補正稼働量Eをもとに
図27(B),(C)の各算出テーブルから研磨ベルト20の巻取量F’を算出する。
【0108】
具体的に、遊技島1においては、「253000」の次回営業日補正稼働量と「45」の汚れ量ポイントとをもとに、
図27(B)の算出テーブルから「90」のポイントが算出され、該「90」のポイントをもとに
図27(C)の算出テーブルから「2M(メートル)」の巻取量が算出される。また、遊技島2においては、「160000」の次回営業日補正稼働量と「35」の汚れ量ポイントとをもとに、
図27(B)の算出テーブルから「70」のポイントが算出され、該「70」のポイントをもとに
図27(C)の算出テーブルから「1.5M(メートル)」の巻取量が算出される。また、遊技島3においては、「237500」の次回営業日補正稼働量と「45」の汚れ量ポイントとをもとに、
図27(B)の算出テーブルから「90」のポイントが算出され、該「90」のポイントをもとに
図27(C)の算出テーブルから「2M(メートル)」の巻取量が算出される。また、遊技島4においては、「104000」の次回営業日補正稼働量と「35」の汚れ量ポイントとをもとに、
図27(B)の算出テーブルから「50」のポイントが算出され、該「50」のポイントをもとに
図27(C)の算出テーブルから「1.5M(メートル)」の巻取量が算出される。また、遊技島5においては、「212000」の次回営業日補正稼働量と「45」の汚れ量ポイントとをもとに、
図27(B)の算出テーブルから「90」のポイントが算出され、該「90」のポイントをもとに
図27(C)の算出テーブルから「2M(メートル)」の巻取量が算出される。
【0109】
そして、以上説明したように管理装置40によって算出された研磨ベルト20の巻取量は、前述したステップS113の表示制御コマンドの出力処理によって、中継HUB44を介して島コントロール基板45に表示制御コマンドとして送信され、島コントロール基板45は、この表示制御コマンドに基づいて島台表示装置35に研磨ベルト20の巻取量を表示制御する。具体的に、島台表示装置35は、
図28に示すように、巻取量表示部57と巻取量算出詳細内容表示部58とを表示する。巻取量表示部57は、遊技場内に列設される複数の遊技島台30(5つの遊技島1〜5)毎の「JC(玉返却装置36)の有無」及び「布ベルト巻取量(研磨ベルト20の巻取量)」と「メッセージ」とを表示する。
図28中には、「JCの有無」の欄において、5つの遊技島1〜5のうち玉返却装置36の設置がある遊技島1,3,5に「有」の文字が表示される一方、玉返却装置36の設置がない遊技島2,4に「無」の文字が表示され、「布ベルト巻取量」の欄において、遊技島1,3,5に2メートルの巻取量を指示する「2M」の文字が表示され、遊技島2,4に1.5メートルの巻取量を指示する「1.5M」の文字が表示され、「メッセージ」の欄において、「布ベルトのロール交換を行った場合には、必ずリセット操作を行って下さい。」の文字が表示された場合を例示する。なお、「布ベルト巻取量」の欄には、巻取量の表示態様を切り換えるためのタッチ操作を行う表示切換部57aが設けられている。
【0110】
なお、表示切換部57aの操作に基づいて切り換えられる巻取量の表示態様は、
図27(C)に示すように、研磨ベルト20の巻取量を長さ単位(M)で表示する「表示1」と、研磨ベルト20の巻取量を全長に対する割合で表示する「表示2」の2種類である。具体的に、「表示1」で「0.5M更新」となる場合は「表示2」で「1/4更新」となり、「表示1」で「1M更新」となる場合は「表示2」で「1/2更新」となり、「表示1」で「1.5M更新」となる場合は「表示2」で「3/4更新」となり、「表示1」で「2M更新」となる場合は「表示2」で「全更新」となる。
【0111】
また、島台表示装置35の巻取量算出詳細内容表示部58は、巻取量表示部57の「布ベルト巻取量」に表示された研磨ベルト20の巻取量を算出する処理において、参照した各種条件と補正処理の有無を各遊技島台30(遊技島1〜5)毎に表示する。
図28中には、遊技島1,3,5ではそれぞれ「同一ホール稼働条件、同一遊技島台稼働条件の過去データより算出、補正処理なし」の文字が、遊技島2では「同一ホール稼働条件、同一遊技島台稼働条件の過去データより算出、補正処理あり(前日0.5M過剰巻取りのため、巻取量を0.5M減)」の文字が、遊技島4では「同一ホール稼働条件、類似遊技島台稼働条件の過去データより算出、補正処理なし)」の文字が表示された場合を例示する。
【0112】
ところで、上記した実施形態では、管理表示装置43の遊技島台稼働条件表示部56bに表示される「稼働ランク」の決定方法として、随時設定指定部53dでの「イベント1」「イベント2」「新台入替」の随時設定のみで行っているが、この構成に限定するものではない。例えば、
図29に示す変形例のように、管理装置40の入出力部40aに通信ネットワークNを接続することで、管理装置40を設置した遊技場Aを他の遊技場B,Cの管理装置及び管理サーバSと通信回線を介して接続し、管理サーバSで各遊技場A,B,Cに設置された遊技機に関する情報(例えば、遊技機の稼働情報や島台内での遊技機の分配情報等)を管理するようにしてもよい。そして、「稼働ランク」を決定する際には、随時設定指定部53dでの随時設定と、通信ネットワークNを介して入力した遊技場B,Cの遊技島台に設置された遊技機に関する情報と、に基づいて「稼働ランク」を決定する。このように他の遊技場B,Cの情報を共有して「稼働ランク」を決定する構成は、新機種の遊技機に入れ替えるとき等、自遊技場Aにその遊技機の情報が存在しないときに有効である。また、他の遊技場B,Cの情報を共有する構成とした場合、その情報を参考にして自遊技場Aでの各設定値の変更が容易に行えることでも有効である。
【0113】
また、実施形態中の第2想定処理におけるステップS73では、相違項目に所定の割数を加えて次回営業日稼働量を算出しているが、このような割数を決定する掛け率は、予め設定したものを利用することに限定せず、過去データに基づいた掛け率を利用するようにしてもよい。このように構成した場合には、稼働量が天候に左右されない遊技場や、逆に稼働量が天候に大きく左右される遊技場であっても、自遊技場の過去データに基づく掛け率を利用することで、次回営業日稼働量を適切な数値で算出することができる。
【0114】
以上、本実施形態の構成によれば、複数の遊技機31の稼働に関連する稼働条件を営業日単位及び遊技島台30単位で設定する構成として、遊技島台30に設置される複数の遊技機31の総稼働量を当該遊技島台30の稼働量として営業日単位で記憶すると共に、稼働量が記憶された営業日単位で設定された稼働条件を記憶する。そして、設定された次回営業日の稼働条件を過去の稼働条件と比較判定し、同一であると判定された過去の稼働条件の営業日と対応させて記憶された稼働量を呼び出す。次に、このようにして呼び出した稼働量に基づいて次回営業日の稼働量を決定し、当該次回営業日の稼働量に基づいて、予め定められた算出テーブルによって研磨ベルト20の移動量を遊技島台30単位で算出し、この算出した移動量を島台表示装置35に表示する。これにより、研磨ベルト20の移動量を算出した日の営業終了時に、島台表示装置35に表示された移動量だけ研磨ベルト20を移動させることで、次回営業日には、営業中に研磨ベルト20を交換することなく常に奇麗に研磨された遊技媒体での遊技を遊技者に提供することができる。
【0115】
また、次回営業日の稼働条件と過去の稼働条件との比較判定において、過去の稼働条件の中で次回営業日の稼働条件と同一となる稼働条件がない場合、過去の稼働条件のうち次回営業日の稼働条件と最も近似する稼働条件の営業日及び遊技島台30と対応させて稼働量を呼び出す。そして、このようにして呼び出された稼働量が複数ある場合に最も大きな値をとる稼働量を次回営業日の稼働量として決定する。これにより、過去の稼働条件の中で次回営業日の稼働条件と同一となる稼働条件がない場合でも、次回営業日の稼働量を決定して、これに基づいて算出した研磨ベルト20の移動量を島台表示装置35に表示することができる。
【0116】
また、次回営業日稼働量決定手段によって決定された次回営業日の稼働量に所定の稼働量を加算した値を付加稼働量として算出して、当該付加稼働量に基づいて研磨ベルト20の移動量を算出する。これにより、使用状態の研磨ベルト20を移動制御する際には、次回営業日における遊技島台30の稼働量を多めに見積もることで、営業中に研磨ベルト20の研磨性能がなくなるような不具合を確実に回避することができ、結果として、汚れた遊技媒体での遊技を遊技客に強いるような不具合を確実に回避することができる。
【0117】
また、前回の営業終了時に算出された稼働量(付加稼働量算出手段によって算出された付加稼働量)から、今回の営業終了時の実際の稼働量(稼働量記憶手段に記憶された稼働量)を減算した値を予実稼働量として算出する。そして、次回営業日稼働量決定手段によって決定された次回営業日の稼働量から予実稼働量を減算した値を補正稼働量として算出して、当該補正稼働量に基づいて研磨ベルト20の移動量を算出する。これにより、使用状態の研磨ベルト20を移動制御する際に次回営業日における遊技島台30の稼働量を多めに見積もる構成において、前回の営業終了時に算出された稼働量と実際の稼働量との差(予実稼働量)から、今回算出する次回営業日の稼働量を補正することができるので、無駄な研磨ベルト20の移動を極力抑えることができる。