特許第5799509号(P5799509)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799509
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】土壌改良材、及び土壌改良方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 17/02 20060101AFI20151008BHJP
   C09K 17/06 20060101ALI20151008BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20151008BHJP
   E02D 3/12 20060101ALI20151008BHJP
【FI】
   C09K17/02 PZAB
   C09K17/06 P
   B09B3/00 Z
   E02D3/12 102
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-6114(P2011-6114)
(22)【出願日】2011年1月14日
(65)【公開番号】特開2012-12565(P2012-12565A)
(43)【公開日】2012年1月19日
【審査請求日】2013年12月20日
(31)【優先権主張番号】特願2010-126100(P2010-126100)
(32)【優先日】2010年6月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】杉本 英夫
(72)【発明者】
【氏名】三浦 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】神代 泰道
【審査官】 小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−129049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 17/00−17/52
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、
高炉スラグと、を有することを特徴とする土壌改良材。
【請求項2】
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、を有し、
前記コンクリートの材齢は2年以内であり、
更に高炉スラグを有することを特徴とする土壌改良材。
【請求項3】
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、を有し、
液固比を10として脱塩水に前記破砕材を加えた懸濁液の電気伝導率が、200(mS/m)以上であり、
更に高炉スラグを有することを特徴とする土壌改良材。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の土壌改良材であって、
前記破砕材は、前記コンクリートから骨材を取り出す際に生じる再生微粉であり、
前記再生微粉と前記高炉スラグとの合計重量に対する前記高炉スラグの重量比が0.2以上0.8以下になるように、前記高炉スラグが前記再生微粉に混合されていることを特徴とする土壌改良材。
【請求項5】
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、を有し、
前記破砕材は、前記コンクリートから骨材を取り出す際に生じる再生微粉であり、
前記再生微粉は、加熱されたものであることを特徴とする土壌改良材。
【請求項6】
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、を有し、
前記破砕材は、前記コンクリートから骨材を取り出す際に生じる再生微粉であることを特徴とする土壌改良材。
【請求項7】
請求項1乃至3の何れかに記載の土壌改良材であって、
前記破砕材は、前記コンクリートを破砕してなる、骨材を含有状態の破砕コンクリートであることを特徴とする土壌改良材。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載の土壌改良材を、改良対象の土壌に混合することを特徴とする土壌改良方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートを破砕して得られる破砕材を利用した土壌改良材、及び土壌改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設業界では、様々な形で不要なコンクリートが発生する。例えば、解体現場における解体ガラだけでなく、生コン工場でも出荷量の約1%の割合で戻りコンクリートが発生し、また、建設現場では打設されなかった残コンクリートが発生する。現状、これらの大半は、廃棄物として処理されているが、最近では、これらコンクリートに対して所定の処理を施すことにより、資源として再利用することが検討されている。
【0003】
この再利用の対象材の一例として、例えば再生微粉が挙げられる。すなわち、コンクリート廃材を破砕等して同廃材から骨材を取り出して再生骨材を製造する際に、再生微粉(廃セメント微粉等)が副産されるが、当該再生微粉を、土壌改良材として用いることが検討されている。そして、土壌中の水分を吸収する吸水材としては、有効に使用可能である。しかし、水硬性(土壌中の水分と反応等して硬化する性質のことを良い、自硬性とも言う)が低いために、土壌改良の固化材の用途には課題がある。
【0004】
ここで、特許文献1には、再生微粉の水硬性を高める方法として、再生微粉を500℃以上に加熱することが開示されている。また、再生微粉の水硬性を高める方法としてセメントを混合することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−320201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、再生微粉を500℃以上に加熱すると、水硬性は付与されるが、当該加熱された再生微粉の作用によって、再生微粉が混合された土壌のpHや電気伝導率が高くなり過ぎる虞があり、これに伴って、高アルカリ成分の環境中への拡散や、高電気伝導率による植生への悪影響等が懸念される。また、セメントを混合する場合も、同様にpHが高くなり過ぎる虞がある。
【0007】
更に、水硬性が要求されない場合には、未加熱の再生微粉を土壌改良材として用いることもあり得るが、この時、当該再生微粉が、材齢の若いコンクリート廃材から副産されている場合には、その高いアルカリ性に起因して、未加熱であっても、土壌のpHや電気伝導率を過度に高めてしまう虞があった。
【0008】
更に、上述した材齢の若いコンクリート廃材を用いることによる土壌のpHや電気伝導率の過度な上昇の問題は、再生微粉に限ったものではなく、つまり、かかるコンクリート廃材を破砕してなる骨材を含有状態の破砕コンクリートを、土壌改良材として再利用する場合にも起こりうる問題であった。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、コンクリートを破砕して得られる再生微粉等の破砕材を利用した土壌改良材であって、土壌中に混合した際の土壌のpHや電気伝導率の過大な上昇を抑制可能な土壌改良材、及び、これを用いた土壌改良方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、
土壌改良材であって、
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、
高炉スラグと、を有することを特徴とする土壌改良材。
上記請求項1に示す発明によれば、土壌改良材は、コンクリートを破砕して得られる破砕材と、過リン酸石灰とを有している。よって、当該土壌改良材が改良対象の土壌に混合された際には、前者の破砕材の作用によって土壌のpHや電気伝導率が高くなる虞があるが、この時、後者の過リン酸石灰が中和作用を発揮して、土壌のpHや電気伝導率を下げる。従って、土壌中に混合した際の土壌のpHや電気伝導率の過大な上昇を抑制可能となる。
また、高炉スラグを有するから、前記破砕材中の六価クロムの土壌への溶出を抑制可能となる。
【0012】
請求項2に示す発明は、
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、を有し、
前記コンクリートの材齢は2年以内であり、
更に高炉スラグを有することを特徴とする土壌改良材である。
上記請求項2に示す発明によれば、材齢が2年以内のコンクリートの破砕材と、高炉スラグとを、土壌改良材は有しており、そして、当該組み合わせの場合には、水の介在により前記破砕材と高炉スラグとが反応して水硬性が発現する。よって、前記破砕材に加熱処理をすることなく、土壌改良材に水硬性を付与することができる。その結果、CO2排出に係る環境負荷の増大やコスト増を抑制可能となる。
【0013】
請求項3に示す発明は、
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、を有し、
液固比を10として脱塩水に前記破砕材を加えた懸濁液の電気伝導率が、200(mS/m)以上であり、
更に高炉スラグを有することを特徴とする土壌改良材である。
上記請求項3に示す発明によれば、懸濁液の電気伝導率が200(mS/m)の破砕材と、高炉スラグとを、土壌改良材は有しており、そして、当該組み合わせの場合には、水の介在により前記破砕材と高炉スラグとが反応して水硬性が発現する。よって、前記破砕材に加熱処理をすることなく、土壌改良材に水硬性を付与することができる。その結果、CO2排出に係る環境負荷の増大やコスト増を抑制可能となる。
【0014】
請求項4に示す発明は、請求項2又は3に記載の土壌改良材であって、
前記破砕材は、前記コンクリートから骨材を取り出す際に生じる再生微粉であり、
前記再生微粉と前記高炉スラグとの合計重量に対する前記高炉スラグの重量比が0.2以上0.8以下になるように、前記高炉スラグが前記再生微粉に混合されていることを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、破砕材として再生微粉を用いた水硬性材料の水硬性を、有効に高めることができる。なお、0.2〜0.8の中で特に0.5以上にすれば、水硬性を概ね最大にすることができる。
【0015】
請求項5に示す発明は、
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、を有し、
前記破砕材は、前記コンクリートから骨材を取り出す際に生じる再生微粉であり、
前記再生微粉は、加熱されたものであることを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、過リン酸石灰が奏し得る土壌のpHや電気伝導率を下げる効果を享受することができる。
【0016】
請求項6に示す発明は、
コンクリートを破砕して得られる破砕材と、
過リン酸石灰と、を有し、
前記破砕材は、前記コンクリートから骨材を取り出す際に生じる再生微粉であることを特徴とする土壌改良材である。
上記請求項6に示す発明によれば、破砕材は、再生微粉であるので、上記請求項1乃至4に記載の作用効果を確実に奏することができる。
【0017】
請求項7に示す発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の土壌改良材であって、
前記破砕材は、前記コンクリートを破砕してなる、骨材を含有状態の破砕コンクリートであることを特徴とする。
上記請求項7に示す発明によれば、破砕材は、コンクリートを破砕してなる骨材を含有状態のまま土壌改良材に供することができる。
【0018】
請求項8に示す発明は、
請求項1乃至7の何れかに記載の土壌改良材を、改良対象の土壌に混合することを特徴とする土壌改良方法である。
上記請求項8に示す発明によれば、上述の作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コンクリートを破砕して得られる再生微粉等の破砕材を利用した土壌改良材であって、土壌中に混合した際の土壌のpHや電気伝導率の過大な上昇を抑制可能な土壌改良材、及びこれを用いた土壌改良方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1Aは、破砕材の一例としての再生微粉Aの供試体の圧縮強度であり、図1Bは、再生微粉Bの供試体の圧縮強度である。
図2】破砕材の一例としての破砕コンクリートの供試体の圧縮強度である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
===第1実施形態===
第1実施形態の土壌改良材は、改良対象の土壌中に撒かれる等して土壌と混合される。そして、この混合後には、土壌中の水分と反応等して硬化して固まる性質たる水硬性を示し、これにより、改良対象の軟弱地盤等を固化してその土質を改質する。
【0022】
かかる土壌改良材は、コンクリートを破砕して得られる破砕材と、過リン酸石灰とを有しており、この第1実施形態では、上記の破砕材の一例として再生微粉を用いている。そして、これら両者は、例えば、0.975:0.025〜0.90:0.10の配合比(重量比)で混合され、土壌改良材として袋詰め等されて現場搬入される。
【0023】
再生微粉は、コンクリート廃材から再生骨材として砂利等の粗骨材や砂等の細骨材を取り出す過程で副産される。その粒径は、例えば200ミクロン以下であり、また、比表面積は、例えば2000〜10000(cm/g)である。なお、コンクリート廃材から再生骨材を取り出す方法としては、例えば、加熱すりもみ法等が挙げられる。
【0024】
ここで、一般に、上述のコンクリート廃材から取り出された状態のままだと、再生微粉は水硬性が低く、土壌中に混合しても硬化(固化)し難い。このため、この第1実施形態では、上述の取り出し過程後に、加熱処理して再生微粉の水硬性を高めている。
【0025】
加熱処理は、加熱炉で行われ、そして、再生微粉の温度が500℃以上になるように、望ましくは600℃以上に、更に望ましくは700℃以上になるように加熱処理される。加熱炉としては、例えば炉内にスクリューコンベアや燃焼バーナーを有した構成が挙げられる。そして、スクリューコンベアによって再生微粉が炉内を搬送される間に、再生微粉は燃焼バーナーにより上述の目標温度まで加熱される。
【0026】
一方、過リン酸石灰も粒状物である。過リン酸石灰は、土壌改良材を散布後の土壌のpH及び電気伝導率の大幅な上昇を抑制するためのものである。すなわち、再生微粉に対して上述の加熱処理がなされた場合には、土壌中に混合された再生微粉の作用によって土壌中のpHや電気伝導率が高くなり過ぎる虞があり、その結果、高アルカリ成分が土壌中へ拡散したり、土壌の電気伝導率が高くなって植生に悪影響を及ぼす可能性がある。このため、予め土壌改良材の一部として過リン酸石灰を混合しており、これにより、土壌改良材を土壌に混合後には、過リン酸石灰による下記の中和反応によって高アルカリ成分は中和されて、結果、高アルカリ成分の土壌中への拡散や、土壌の電気伝導率の上昇は抑制される。
Ca(HPO+2Ca(OH)→Ca(PO+4H
【0027】
ここで望ましくは、土壌改良材が、更に高炉スラグを有していると良い。そうすれば、再生微粉中の六価クロムが土壌中へ溶出することも抑制される。詳しくは次の通りである。高炉スラグは、鋳鉄を製造する際に還元状態で生成されるので、高炉スラグに小量含まれている鉄等は還元されており、還元力を持つ。よって、この高炉スラグの還元力により、再生微粉中の六価クロムは、三価クロムへと還元されて不溶化し、これにより、六価クロムの土壌中への溶出が抑制される。また、再生微粉のアルカリ分と高炉スラグとが反応して水和鉱物が生成される際に、六価クロムが取り込まれることも、溶出抑制に寄与しているものと考えられる。
【0028】
ところで、上述の第1実施形態の土壌改良材は、加熱した再生微粉に過リン酸石灰を混合したものであったが、場合によっては、例えば水硬性は要求されず吸水性のみが必要な場合などには、未加熱の再生微粉を土壌改良材として用いることもあり得る。しかし、この時、再生微粉によっては、土壌のpHや電気伝導率を過度に高めてしまう虞があるため、この場合も過リン酸石灰を混合したものを土壌改良材としても良い。以下、これを第1実施形態の変形例の土壌改良材と言う。特に、再生微粉として比較的材齢の若い、例えば、材齢が2年以内の再生微粉は活性度が高い(主としてアルカリ性の高さ)ため、そのまま土壌中に混入すると、土壌のpHや電気伝導率が過度に高くなり、土壌によってはその許容上限を超えてしまう。よって、その場合には、非加熱の再生微粉であっても、過リン酸石灰を混合する必要が出てくるのである。
【0029】
以上説明してきた第1実施形態及びその変形例の土壌改良材のpH及び電気伝導率の抑制効果を、実験により確認している。また、併せて、高炉スラグによる六価クロムの抑制効果も確認している。下記の表1及び表2に、その実験条件及び実験結果を示す。なお、表1及び表2中の再生微粉、高炉スラグ、過リン酸石灰、及び標準砂の各数値は、配合比(重量比)を示し、また「−」印は、その材料が未混入であることを意味している。
【0030】
ここで、表1及び表2を参照しながら、実験方法について説明する。
先ず、再生微粉は、材齢1年と材齢24年との2種類を用意した。表1が材齢1年の場合であり、表2が材齢24年の場合である。なお、材齢1年の場合には、再生微粉として、非加熱のものと、300℃に加熱したものとの両者を用意した。また、材齢24年の場合には、非加熱のものと、700℃に加熱したものとの両者をそれぞれ用意した。
【0031】
そして、表1の各実験水準T1〜T6の配合比、及び表2の各実験水準U1〜U8の配合比で、再生微粉、標準砂、過リン酸石灰、及び高炉スラグを混合し、これにより、各実験水準に対応した試料を作った。なお、表1及び表2の何れにおいても、試料番号の偶数が、過リン酸石灰を混合した第1実施形態又はその変形例に係る実施例であり、同奇数が、過リン酸石灰を未混合の比較例である。
そして、かかる配合での混合後に、各試料のpHと、電気伝導率と、六価クロムの溶出量を計測した。
【0032】
pHの計測は、土壌を対象とした地盤工学会基準(JIG021−2000)の土懸濁液のpH試験方法に準じ、下記手順で行った。
(1)試料から粒径10mm以上の粒子を除去する。
(2)試料10gを脱塩水50mLに入れて、攪伴棒で懸濁させる。
(3)30分以上、3時間以内静置したものを測定用の試料液とする。
(4)試料液を攪伴した後、pH計の電極を試料液に浸漬する。
(5)pH計の指示値が安定した後に、pHを読み取る。
【0033】
また、電気伝導率の計測は、地盤工学会基準JIG021−2000の土懸濁液の電気伝導率試験方法に準じ、下記手順で行った。
(1)試料から粒径10mm以上の粒子を除去する。
(2)試料10gを脱塩水100mLに入れて、攪伴棒で懸濁させる。
(3)30分以上、3時間以内静置したものを測定用の試料液とする。
(4)試料液を攪伴しながら、電気伝導率計の白金電極部分を試料液に浸漬する。
(5)電気伝導率計の指示値が安定したのち、電気伝導率の値(S/m、mS/m)を読み取る。
更に、六価クロムの溶出量の計測は、平成15年3月6日環境省告示第18号(平成3年8月23日環境庁告示第46号)の溶出試験によった。
【0034】
実験結果について説明する。表1及び表2の右側の実験結果を、試料番号の偶数と奇数とを比較しながら参照すると、材齢の大小や加熱の有無によらず、過リン酸石灰の混合により、pH及び電気伝導率が低下していることがわかる。これにより、過リン酸石灰を有する第1実施形態やその変形例の土壌改良材によれば、土壌中に混合した際の土壌のpHや電気伝導率の過大な上昇を抑制可能なことが実証された。
【0035】
また、特に、試料U1とU5との比較により、材齢24年の再生微粉を500℃以上(700℃)で加熱することで、pH及び電気伝導率が高くなることがわかり、更に、試料U5とU6との比較により、上述の高くなったpH及び電気伝導率を、過リン酸石灰の混入で低下可能であることが確認された。
【0036】
更には、試料T3とT5との比較、試料T4とT6との比較、試料U1とU3との比較、試料U2とU4との比較、試料U5とU7との比較、試料U6とU8との比較から、高炉スラグの混合により、六価クロムの溶出量が低下していることもわかる。よって、高炉スラグを更に混合すれば、再生微粉中の六価クロムの土壌中への溶出を抑制可能なことも実証された。
【0037】
===第2実施形態===
上述の第1実施形態では、再生微粉を加熱することにより土壌改良材に水硬性を付与していたが、再生微粉の活性度が高い場合には、加熱処理をせずに高炉スラグを混合することだけで水硬性を付与可能である。ここで言う活性度とは主として高炉スラグとの反応性の高さのことである。
よって、この第2実施形態の土壌改良材は、活性度の高い再生微粉と高炉スラグとを、0.8:0.2〜0.2:0.8の配合比(重量比)で有し、且つ、再生微粉と高炉スラグを混合したものと過リン酸石灰とを、0.9:0.1〜0.975:0.025の配合比(重量比)で有している。
【0038】
そして、かかる土壌改良材によれば、その製造過程において再生微粉の加熱処理を省略できるので、加熱処理のCO排出に係る環境負荷の増大や、加熱コストに係るコスト増を一切伴わずに済み、その結果、土壌改良材の大幅なコスト削減を図れる。
再生微粉の活性度(アルカリ性の高さ)は、コンクリート廃材の材齢、又は再生微粉の懸濁液の電気伝導率に基づいて判定される。
【0039】
判定指標が前者の材齢の場合には、当該材齢が2年以内であれば、活性度が高いと判定する。ここで材齢とは、コンクリートの製造日からの経過年数のことである。すなわち、材齢算定の起算日は、コンクリートの製造が開始された日(セメントと水と骨材とが混合された日)であるが、場合によっては、コンクリート打設日としてもよいし、おおまかには建物の竣工年としてもよい。同算定の終了日は、コンクリート廃材から再生微粉が副産された日である。また、活性度を材齢で判定可能な理由は、材齢が長ければ、大気中のCOに晒されていた期間も長く中性化も進行しており、そのアルカリ性も低くなっていると考えられるからである。なお、材齢が2年以内であれば、後述の電気伝導率が200(mS/m)以上相当の活性度を有することを多数の計測事例により確認済みである。
一方、判定指標が電気伝導率(以下、ECとも言う)の場合には、計測対象の再生微粉の懸濁液の電気伝導率が、200(mS/m)以上であれば、活性度が高いと判定する。
【0040】
電気伝導率の計測は、地盤工学会基準JIG021−2000の土懸濁液の電気伝導率試験方法に準拠して行われる。すなわち、下記(1)〜(5)の手順で計測される。但し、上記のJIG021−2000の試験方法では液固比(試料の重量と水の重量との割合)を5としているが、ここでは、再生微粉の電気伝導率が高いことを考慮して、液固比を10としている。
(1)粒径10mm以上の再生微粉を除去したものを試料とする。
(2)再生微粉10gを脱塩水100mLに入れて、攪伴棒で懸濁させる。
(3)30分以上、3時間以内静置したものを測定用の試料液とする。
(4)試料液を攪伴しながら、電気伝導率計の白金電極部分を試料液に浸漬する。
(5)電気伝導率計の指示値が安定したのち、電気伝導率の値(S/m、mS/m)を読み取る。
【0041】
ところで、かかる高活性度の再生微粉に高炉スラグを混合しただけでは、水がほぼ介在しない略乾燥下にあるために、未だ硬化はしない。つまり、水硬性は発現しない。但し、改良対象の土壌中に当該土壌改良材が混合された際には、土壌中の水分と反応して土壌改良材は硬化する(つまり、水硬性を発現する)。
【0042】
このように活性度の高い再生微粉(つまり、電気伝導率が高く、或いは材齢の若い再生微粉)に対して高炉スラグを混入すると、なぜ水硬化性が高くなるのかの理由については、仮説ではあるが、以下のように説明できる。
【0043】
先ず、再生微粉には、セメントの水和生成物であるケイ酸カルシウム水和物(nCaO・SiO)と水酸化カルシウム(Ca(OH))が含まれている。
一方、高炉スラグは、SiO,Al,CaO,MgOの4成分が約97%を占めるCaOとMgOとを塩基とするアルミノ・シリケートである。そして、この高炉スラグが、水と接すると粒子表面にシリケートを主成分とした薄い緻密な水和物が生成され、これが被膜となるので、基本的には、それ以上の水和反応は進まない。但し、Ca(OH)などのアルカリ溶液中では、この被膜が破られて、高炉スラグ中のSiO,Al,CaO,MgOが溶出し、その結果、セメントのクリンカーと同じように水和反応が始まり、水和生成物が生成され硬化する。これを、スラグの潜在水硬性というが、ここで、再生微粉のなかでも、電気伝導率が高く或いは材齢が若いものほどアルカリ性が高いため、これら再生微粉が、Ca2+やOHの供給源となって高炉スラグの水硬性を効果的に高め、これにより土壌改良材全体の水硬性が向上するものと考えられる。
【0044】
以上、再生微粉の活性度が高い場合に高炉スラグの混入により水硬性を付与可能な定性的理由について説明したが、実際に確認実験も行っているので、以下ではその実験について説明する。
【0045】
表3に、実験に用いた材料を示す。また、表4には、実験条件を示す。なお、表4中の水や再生微粉、高炉スラグ、過リン酸石灰、セメントに係る各数値は、配合比(重量比)を示している。
【0046】
上述したように、この実験では、先ず、再生骨材を製造した際に副産した2種類の再生微粉A,Bについて、高炉スラグの添加の有無の水硬性への影響を調べている。すなわち、表3に示すように、活性度の高い再生微粉として、材齢が1年の再生微粉Aを用意し、活性度が低い再生微粉として、材齢が24年の再生微粉Bを用意している。
【0047】
また、高炉スラグの配合量の水硬性への影響も調べている。すなわち、表4のK0〜K3に示すように、再生微粉と高炉スラグとの割合を、再生微粉と高炉スラグとの合計重量(以下、基材の重量とも言う)を一定に維持しながら変化させている。具体的には、基材(再生微粉及び高炉スラグ)の重量に対する高炉スラグの重量比を0、0.25、0.5、及び0.75の四水準で変化させている。
【0048】
更に、活性度の高い再生微粉Aについては、過リン酸石灰の混入の有無の水硬性への影響についても調べている。ちなみに、過リン酸石灰が混合されているK4の実験水準が、第2実施形態の土壌改良材に相当する。
【0049】
水硬性は、土壌を模した供試体の圧縮強度で評価する。供試体は、表3のK0〜Q4の各実験水準につき、それぞれ、次のようにして作成される。
先ず、表3の配合比で、再生微粉、高炉スラグ、土の模擬材としての標準砂を配合し、実験水準によっては過リン酸石灰も配合する。基本的には、水と、土壌改良材(再生微粉と高炉スラグと過リン酸石灰)と、標準砂との配合比を0.7:1:3としている。また、基材(再生微粉及び高炉スラグ)に対する高炉スラグの重量比を、前述の四水準(0、0.25、0.5、0.75)で変化させている。
【0050】
そして、練混ぜとして、空練り10秒、及び、表4の分量の水を加えての低速練り20秒、並びに、高速練り40秒をそれぞれ行う。そうしたら、この練り混ぜ材を、直径50mm×高さ100mmの筒状鋼製型枠に入れて、封かん養生の上、20℃で強度試験材齢まで養生を行う。強度試験材齢としては例えば7日である。
【0051】
そうしたら、筒状鋼製型枠から脱型して供試体を取り出し、この供試体を圧縮試験機にセットして一軸圧縮試験を行う。そして、破壊までの最大荷重を直径50mmの断面積で除算した値を、その供試体の圧縮強度とする。
【0052】
なお、本実験では、従来手法のセメント混合による水硬性の向上レベルを比較対象とするために、高炉スラグの代わりに表3のセメントを再生微粉に混合した供試体も比較例として用意している。これら比較例は、表4中のK5及びQ4である。
【0053】
図1Aに、再生微粉Aの実験結果を示し、また図1Bには再生微粉Bの実験結果を示す。なお、図1A及び図1B中のSgに係る各パーセント(0%、25%、50%、75%)は、基材(再生微粉及び高炉スラグ)に対する高炉スラグの重量比である。
【0054】
図1A及び図1Bからは、活性度の高い再生微粉Aに高炉スラグを混合すると、全体として圧縮強度が大きく向上するが、活性度の低い再生微粉Bに高炉スラグを混合しても、圧縮強度は向上しないことがわかる。よって、活性度の高い再生微粉Aに高炉スラグを混合するだけで、その水硬性が向上することが実験的にも確認された。
【0055】
また、従来手法たるセメント混合の供試体K5,Q4の圧縮強度が約1(N/mm)であるのに対して、再生微粉A(材齢1年)に高炉スラグを0.25の重量比で配合した供試体K1は、2.1(N/mm)の圧縮強度を有しており、もって、従来手法と同等以上の水硬性が付与されている。このことから、コンクリート廃材の材齢が2年以内(少なくとも1年以内)の再生微粉の場合には、基材(再生微粉と高炉スラグ)の総重量に対する高炉スラグの重量比を、0.25以上にすれば、従来のセメント混合による方法以上の水硬性を確保可能であると考えられる。
【0056】
また、供試体K1、K2、K3の比較から、基材の総重量に対する高炉スラグの重量比を0.5より大きくしても水硬性はあまり向上しないことがわかる。よって、水硬性を効率良く向上させる観点からは、コンクリート廃材の材齢が1年以内の再生微粉の場合には、同高炉スラグの重量比を0.5以上0.75以下にすれば良いものと考えられる。
【0057】
===第3実施形態===
前述の第1実施形態、及び第2実施形態の土壌改良材では、その材料たる「破砕材」の一例として「再生微粉」を例示したが、以下で説明する第3実施形態では、「破砕材」として「コンクリート廃材を破砕してなる、骨材を含有状態の破砕コンクリート」を用いている点で主に相違する。すなわち、第3実施形態の土壌改良材は、骨材含有の破砕コンクリートと、過リン酸石灰とを混合したものである。
【0058】
破砕コンクリートは、生コン工場からの出荷後にそのまま戻された戻りコンクリートや建設現場で打設されずに残った残コンクリートを、例えば翌日〜数ヶ月間放置等して硬化後に、粉砕機で粉砕して生成される。
【0059】
よって、この破砕コンクリートは、セメントと骨材とを含有している。ここで、一般に骨材というのは、砂利等の粗骨材や砂等の細骨材のことを指すが、この例にあっては、破砕コンクリートには、これら粗骨材及び細骨材のうちのどちらか一方のみが入っていても良いし、或いは、両者が入っていても良い。
例えば、破砕コンクリートをふるいにかける等して、粒径が5mm超えのものを取り除くことにより、骨材として粒径が5mm以下のもののみを含有するようにしても良いし、或いは、ふるいにかけずに、種々の粒径のものを混合・調整するようにしても良い。
【0060】
そして、このようにしてなる破砕コンクリートも、前述の再生微粉の場合と同様に、過リン酸石灰と所定の配合比で混合され、しかる後に、土壌改良材として袋詰め等されて土壌改良の現場へ送られる。
【0061】
ここで、当該破砕コンクリートにあっては、戻りコンクリートや残コンクリートから生成されている。よって、コンクリートの製造開始からの経過時間たるコンクリート廃材としての材齢が例えば翌日〜3日というように極めて短く、故に、それらに含まれるセメント成分のアルカリ性は高い状態にある。そのため、かかる破砕コンクリートを、そのまま土壌中に混入すると、この高アルカリ成分が土壌の中へ拡散したり、同成分に基づいて土壌の電気伝導率が高くなって植生に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0062】
この点につき、この第3実施形態の土壌改良材にあっては、上述のように、過リン酸石灰も含有している。よって、当該土壌改良材を土壌中へ混合後には、過リン酸石灰の中和反応により、上記破砕コンクリート由来の高アルカリ成分は中和されるので、上記植生への悪影響は有効に抑制される。
【0063】
また、このように破砕コンクリートのアルカリ性が高い場合、つまり活性度が高い場合には、前述の再生微粉の場合と同様、当該破砕コンクリートに対しても高炉スラグを混入することで、その水硬性を高めることができる。
【0064】
その際の活性度については、再生微粉の場合と同様、コンクリート廃材の材齢、又は破砕コンクリートの懸濁液の電気伝導率によって評価でき、例えば、材齢が2年以内、又は電気伝導率が200(mS/m)以上であれば、高炉スラグの付与による水硬性の向上を期待できる。これは、この破砕コンクリートも、謂わば再生微粉と同成分のセメント分を有し、つまり、この破砕コンクリートは、再生微粉を含有していると言うこともできるからである。
【0065】
なお、材齢の算定方法は、再生微粉の場合と概ね同様である。すなわち、廃材にかかるコンクリートの製造開始日を起算日とし、同終了日は、コンクリート廃材から破砕コンクリートが破砕生成された日である。
【0066】
また、電気伝導率の計測方法も、前述の再生微粉の場合と概ね同様である。すなわち、前述の再生微粉の試験方法と同様、当該試験に供する懸濁液の液固比(試料の重量と水の重量との割合)を10とし、また下記(1)〜(5)の手順で計測される。
(1)粒径10mm以上の破砕コンクリートを除去したものを試料とする。
(2)試料たる破砕コンクリート10gを脱塩水100mLに入れて、攪伴棒で懸濁させる。
(3)30分以上、3時間以内静置したものを測定用の試料液とする。
(4)試料液を攪伴しながら、電気伝導率計の白金電極部分を試料液に浸漬する。
(5)電気伝導率計の指示値が安定したのち、電気伝導率の値(S/m、mS/m)を読み取る。
【0067】
また、高炉スラグの混合により、破砕コンクリートに含まれる六価クロムの土壌中への溶出が抑制される点も、再生微粉の場合と同様である。
【0068】
そして、かかる第3実施形態の土壌改良材によれば、更に、次のような作用効果も奏し得る。すなわち、破砕コンクリートは、コンクリート廃材を破砕してなる骨材含有状態のまま土壌改良材に供される。その結果、コンクリート廃材の有効利用がすすむ。
【0069】
ところで、この活性度の高い破砕コンクリートへの高炉スラグの付与による水硬性の改善効果及び六価クロムの抑制効果については、実際に実験で確認しており、以下、それについて説明する。
【0070】
コンクリート廃材としては、生コン工場へ戻された戻りコンクリートを用いた。すなわち、この戻りコンクリートの硬化後に破砕機で破砕し、これをふるいにかけて粒径5mm以下のものを取り出し、これを破砕コンクリートとした。以下では、この破砕コンクリートのことを「再生砂」とも言う。表5に実験条件を示す。なお、表5中の水、再生砂、高炉スラグに係る各数値は、配合比(重量比)を示している。また、再生砂に占めるセメントと骨材との配合比(重量比)は1:3であり、再生砂に係るコンクリート廃材の材齢は約半年であり、その電気伝導率は、474(mS/m)であり、またpHは、12.6であった。
【0071】
最初に、高炉スラグの配合量の水硬性への影響に係る実験について説明する。ここでは、水硬性を、供試体の圧縮強度で評価している。
すなわち、先ず、表5のC1〜C4に示すように、再生砂と高炉スラグとの割合を、再生砂と高炉スラグとの合計重量(以下、基材の重量とも言う)を一定に維持しながら四水準で変化させて、これにより4水準の供試体を作成する。
次に、各配合比で配合した各供試体を、練混ぜとして、空練り10秒、及び、表5の分量の水を加えての低速練り20秒、並びに、高速練り40秒をそれぞれ行う。そして、この練り混ぜ材を、直径50mm×高さ100mmの筒状鋼製型枠に入れて、封かん養生の上、20℃で強度試験材齢まで養生を行う。強度試験材齢としては例えば7日である。
最後に、筒状鋼製型枠から脱型して供試体を取り出し、この供試体を圧縮試験機にセットして一軸圧縮試験を行う。そして、破壊までの最大荷重を直径50mmの断面積で除算した値を、その供試体の圧縮強度とする。
【0072】
図2に実験結果を示す。図2を参照してわかるように、高炉スラグを未混合の供試体C1については、圧縮強度が0.1(N/mm)と低いのに対し、高炉スラグを混合した供試体C2、C3、C4については、それぞれ2.8、7.0、9.8(N/mm)というように、各圧縮強度は大きく向上している。よって、再生微粉によらず、再生砂、すなわち破砕コンクリートであっても、材齢が若い場合には、高炉スラグの混合により、圧縮強度が大きく向上することがわかる。そして、これにより、活性度の高い破砕コンクリートに高炉スラグを混合するだけで、その水硬性が向上することが実証された。また、過リン酸石灰を用いた場合でも水硬性を確保できた。
【0073】
また、図2からは、高炉スラグの混合比率が高くなるに従って、水硬性が高くなることもわかる。
更に、図1A及び図1Bの従来手法たるセメント混合の供試体K5,Q4との対比から、高炉スラグの混合により、従来手法と同等以上の水硬性を付与可能であることもわかる。すなわち、図1A及び図1Bに示す従来手法のセメント混合の供試体K5,Q4の圧縮強度が約1(N/mm)であるのに対して、破砕コンクリートに高炉スラグを配合した供試体C2、C3、C4は、それよりも大きい圧縮強度を有しており、もって、従来手法と同等以上の水硬性を付与可能である。
【0074】
六価クロムの溶出量の計測ついては、平成15年3月6日環境省告示第18号(平成3年8月23日環境庁告示第46号)の溶出試験に準拠しつつ、表5の実験水準毎に行っている。
【0075】
表5にその結果を示す。表5における供試体C1と、供試体C2乃至C4との比較から、高炉スラグの混合により六価クロムの溶出が抑制されていることがわかる。よって、再生微粉によらず、再生砂、すなわち破砕コンクリートであっても、高炉スラグの混合により、六価クロムの溶出が抑制されることが実証された。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変形や改良が可能である。つまり、本発明にかかる等価物も、本発明の範囲に含まれるのは言うまでもない。
図1
図2