特許第5799850号(P5799850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799850
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】ランプ装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20151008BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20151008BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20151008BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20151008BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20151008BHJP
【FI】
   F21S2/00 224
   F21V29/74
   F21V29/503
   F21V29/508
   F21Y101:02
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-36107(P2012-36107)
(22)【出願日】2012年2月22日
(65)【公開番号】特開2013-171768(P2013-171768A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100142664
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】根津 憲二
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3173724(JP,U)
【文献】 特開2011−003398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 29/503
F21V 29/508
F21V 29/74
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に第1の開口および口金を有するとともに、他端側に前記第1の開口よりも大径の第2の開口および取付け面を有する筒状の筐体この筐体の内面に前記筐体の一端側から他端側にわたって等間隔にかつ放射状に設けられるとともに、上側端面が前記取付け面と同一面上となるように設けられ、かつ前記筐体の内方に向かって前記上側端面の先端が前記取付け面から前記第1の開口付近まで突出するように設けられた複数の熱伝導フィンを有する装置本体と;
一面側が前記取付け面および前記複数の熱伝導フィンの前記上側端面に接触して前記筐体の前記他端側に取り付けられた放熱板と;
この放熱板の他面側に取り付けられた発光体と;
前記筐体内において、前記複数の熱伝導フィンの前記先端で包囲される空間内に配設され、前記発光体を点灯する点灯装置と;
を具備することを特徴とするランプ装置。
【請求項2】
前記空間内に配置され、前記点灯装置を内部に支持する筒状の取付け部材を更に具備し、
前記取付け部材は、前記放熱板に固定される底部を有することを特徴とする請求項1記載のランプ装置。
【請求項3】
前記点灯装置は、基板およびこの基板に実装された回路部品を有してなり、前記回路部品が熱伝導性樹脂により前記熱伝導フィンに接続されていることを特徴とする請求項1または2記載のランプ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか一記載のランプ装置と;
このランプ装置が接続されるソケットを有する器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、口金を有するランプ装置およびこのランプ装置を装着する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、一般照明用電球のソケットに装着可能な口金を有するLED電球(ランプ装置)は、一端側に口金が固定された口金取付部を有する樹脂製または金属製の筐体を備え、この筐体の内部に点灯装置を収納し、筐体の他端側にLEDモジュール(発光体)を取り付けている。そして、筐体の外周面には、LEDモジュールや点灯装置に発生した熱を放熱させるための放熱フィンが設けられている。また、筐体の他端側には、必要に応じて、LEDモジュールを覆うグローブを取り付けている。
【0003】
LEDモジュールは、LEDの点灯に伴って熱が発生する。この熱は、LEDの温度を上昇させる。そして、LEDの温度が過度であると、LEDの発光効率が低下し、LEDが短寿命になるなどの不具合が発生する。このため、LEDモジュールに発生した熱を放熱フィンから外部空間に放熱させる放熱手段が設けられている。
【0004】
そして、LED電球には、LEDモジュールの外周縁部側を筐体の環状の取付面に固定し、点灯装置を筐体の空洞内に収容しているものがある(例えば特許文献1参照。)。このLED電球によれば、LEDモジュールに発生した熱は、環状の取付面から筐体に熱伝導されて放熱フィンから外部空間に放熱される。
【0005】
また、LED電球には、LEDモジュールを筐体の平面状をなす光源支持部に載置し、密着させて熱伝導可能に配設しているものがある(例えば特許文献2参照。)。このLED電球によれば、LEDモジュールに発生した熱は、LEDモジュールを密着している光源支持部に伝達され、筐体から放熱フィンを介して外部空間に効果的に放熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−175932号公報(第4、6頁、第3図)
【特許文献2】特開2011−113861号公報(第7頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
LEDモジュールの外周縁部側を筐体の環状の取付面に固定する構成は、LEDモジュールに発生した熱が主としてLEDモジュールの外周縁部側から筐体の取付面に熱伝導されるので、熱が筐体側に迅速に熱伝導しにくく、これにより、LEDモジュールの高電力化、高出力化に対するLEDの温度上昇の抑制を図りにくいという欠点を有する。
【0008】
また、LEDモジュールを筐体の平面状をなす光源支持部に載置して密着させる構成は、LEDモジュールと光源支持部との接触面積が大きいので、LEDモジュールに発生した熱を筐体に迅速に熱伝導させて放熱フィンから放熱させることができる。しかし、光源支持部の部位が筐体の塊に形成されるので、点灯装置の配設空間が確保しにくくなるとともに、筐体が重量化するという欠点を有する。特に、筐体が金属の場合、その重量が問題となる。
【0009】
本実施形態は、筐体の軽量化および点灯装置の配設空間の確保ができて、発光体の熱を迅速に放熱可能なランプ装置およびこのランプ装置を装着する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態のランプ装置は、装置本体、放熱板、発光体および点灯装置を具備して構成される。
【0011】
装置本体は、筐体および熱伝導フィンを有してなる。筐体は、筒状に形成され、その一端側に口金を有する。熱伝導フィンは、筐体の内面に設けられ、筐体の一端側から他端側に沿うとともに筐体の内方に向かって突出している。
【0012】
放熱板は、一面側が熱伝導フィンに接触して筐体の他端側に取り付けられる。発光体は、放熱板の他面側に取り付けられる。そして、点灯装置は、発光体を点灯するものであり、筐体内に配設される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、発光体を取り付けている放熱板が熱伝導フィンに接触して筐体に取り付けられているので、発光体に発生した熱は、熱伝導フィンから筐体に迅速に熱伝導できて筐体から放熱できることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態を示すランプ装置の概略正面断面図である。
図2】同じく、グローブを取り外した状態のランプ装置の概略上面図である。
図3】同じく、放熱板を取り付けた状態の装置本体の概略上面図である。
図4】同じく、装置本体の概略上面図である。
図5】本発明の第2の実施形態を示すランプ装置の概略正面断面図である。
図6】同じく、装置本体の概略上面図である。
図7】本発明の第3の実施形態を示すランプ装置の概略正面断面図である。
図8】同じく、装置本体の概略上面図である。
図9】本発明の第4の実施形態を示す照明器具の一部切り欠き概略正面図である。
図10】同じく、他の照明器具の一部切り欠き概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態のランプ装置1は、図1ないし図4に示すように構成される。図1において、ランプ装置1は、装置本体2、放熱板3、発光体4および点灯装置5を備えている。
【0017】
装置本体2は、筐体6および熱伝導フィン7を有してなり、高熱伝導率を有する金属材料例えばアルミニウム(Al)からなっている。装置本体2は、例えば鋳造(アルミダイカスト)により、筐体6および熱伝導フィン7が一体に形成されている。
【0018】
筐体6は、一端側6aに開口8、他端側6bに開口9を有し、一端側6aから他端側6bに向かって拡開する略椀形の筒状に形成されている。筐体6は、所定の厚さ(例えば1.5〜5mm)を有し、外面6eおよび内面6fがそれぞれ曲面に形成されている。そして、筐体6の他端側6bの端面6dには、環状壁10が形成されている。この環状壁10の内側の端面6dは、環状の平坦な取付け面11となっている。この取付け面11に放熱板3が載置される。そして、取付け面11から環状壁12に向かって環状溝12が形成されている。
【0019】
また、筐体6の他端側6bには、図4に示すように、筐体6の内面6fにダボ13が形成されている。ダボ13は、その上面13aが取付け面11(端面6d)と同一面となり、図4中、取付け面11に対して直角に垂下する略蒲鉾形(半円柱形)に形成されている。ダボ13の上面13aには、放熱板3を取り付けるためのねじ孔14が形成されている。そして、ダボ13は、筐体6の開口8の中心8cに対して、筐体6の内面6fの周方向に120°間隔で3個が設けられている。
【0020】
熱伝導フィン7は、板状に形成され、複数個が筐体6の内面6fに設けられている。熱伝導フィン7の板厚は、例えば1〜5mmである。そして、熱伝導フィン7は、筐体6の一端側6aから他端側6bに沿うとともに内面6fから筐体6の内方に向かって突出するように設けられている。ここで、熱伝導フィン7は、筐体6の取付け面11(端面6d)から開口8の近辺に至る内面6fに設けられ、上側端面(上面)7aが取付け面11(端面6d)と同一面となり、先端としての先端側端面(側端面)7bが筐体6の一端側6aから他端側6bの方向に起立するように設けられている。
【0021】
また、複数個の熱伝導フィン7は、筐体6の内面6fの内周方向に等間隔ここでは30°間隔に設けられているとともに、開口8の中心8cに対して放射状に設けられている。そして、熱伝導フィン7の先端側端面(側端面)7bで包囲される筐体6の空間内に取付け体15が配設されている。
【0022】
なお、熱伝導フィン7の板厚や数量、熱伝導フィン7,7間の間隔は、特に限定されるものではない。例えば、上述の30°間隔に限らず、装置本体2の製造性の向上、筐体6への熱伝導効率の向上や筐体6内の熱の篭り低減などを勘案して、熱伝導フィン7,7間の最小間隔は、3〜10mmに設定される。
【0023】
取付け体15は、図1に示すように、有底の略円筒状に形成されており、筐体6の開口8から筐体6内に挿入されている。取付け体15は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂により形成され、電気絶縁性を有する。そして、取付け体15は、その底部16の上面16aが熱伝導フィン7の上側端面7aと同一面となるように、筐体6の開口8側の端面6cに当接する環状座17が形成されている。取付け体15は、筐体6の端面6cに環状座17を当接させて、皿ネジ18により放熱板3に取り付けられている。
【0024】
そして、取付け体15は、その底部16側の内壁15bに挿通孔19が形成されている。また、内壁15bに、底部16から底部16と反対側の開口20の端面20aに亘って直線状に凹部21が正対するように一対形成され、さらに凹部21に隣接するガイド凸部22が正対するように一対形成されている。凹部21は、点灯装置5の基板23の幅方向の両端部が圧入される幅に形成されているとともに、薄肉の取付け体15に対して浅く形成されている。ガイド凸部22は、基板23を長手方向に沿わせて案内するものである。
【0025】
また、取付け体15は、その環状座17よりも開口20側の外面15aに凸条24が螺旋状に形成されている。そして、凸条24に口金25が螺合されている。口金25は、取付け体15の外面15aにかしめられて固定されている。
【0026】
口金25は、例えばE26形の一般照明電球用のソケットに接続可能なものであり、凸条24に螺合されてかしめられて固定される口金シェル部26、この口金シェル部26の他端側に設けられる絶縁部27およびこの絶縁部27の頂部に設けられる口金アイレット部28を有して構成されている。口金25と筐体6とは、取付け体15の環状座17により電気絶縁されている。こうして、筐体6は、その一端側6aに取付け体15を介して口金25を有している。
【0027】
放熱板3は、高熱伝導率を有する金属材料例えばアルミニウム(Al)からなり、外周側に切り欠き部29を有する円盤状に形成されている。放熱板3の厚さは、2〜8mm例えば4mmである。そして、放熱板3は、その外周側に筐体6のダボ13のねじ孔14に対応した貫通孔30が形成されている。また、放熱板3は、その中央部に皿ネジ18が挿入される挿入孔31が形成されている。
【0028】
放熱板3は、その一面3bの外周側が筐体6の取付け面11に載置される。このとき、放熱板3の一面3b側は、熱伝導フィン7の上側端面7aに接触する。また、筐体6の開口9は、放熱板3の切り欠き部29を除き、放熱板3により塞がれる。そして、放熱板3の貫通孔30と筐体6のねじ孔14とを位置合わせ(正対)させた後、貫通孔30からねじ孔14にねじ32を完全に螺合する。これにより、放熱板3は、筐体6の他端側6bに取り付けられる。すなわち、放熱板3は、図3に示すように、放熱板3の中心3cに対して120°間隔で3個のねじ32により、筐体6の取付け面11(端面6d)に固定されている。
【0029】
放熱板3が筐体6に取り付けられた後、取付け体15が放熱板3に取り付けられる。取付け体15は、図4に示すように、底部16にねじ孔33が形成されている。このねじ孔33は、底部16の上面16aから取付け体15内に連通している。ここでは、3個のねじ孔33が底部16の上面16aに直線状に形成されている。
【0030】
放熱板3は、その中央部側に取付け体15のねじ孔33に対応して3個の挿入孔31が形成されている。そして、図1に示すように、筐体6の開口8から挿入された取付け体15のねじ孔33が挿入孔31に位置合わせされた後、放熱板3の他面側(上面側)3a側から皿ネジ18が挿入されて取付け体15のねじ孔33に完全に螺合される。放熱板3は、図3に示すように、3個の皿ネジ18により取付け体15を固定する。このとき、皿ネジ18の頭部18aは、放熱板3の他面側3aから突出しないものである。すなわち、放熱板3の挿入孔31は、皿ネジ18の頭部18aが埋め込まれるように形成されている。
【0031】
図2において、発光体4は、基板34、複数個のLEDベアチップ35および封止樹脂36を有して形成されている。基板34は、例えば厚さ1.2mmのアルミニウム(Al)板からなり、外形が例えば正四角形に形成されている。LEDベアチップ35は、例えば青色光を発光するように形成され、COB(Chip On board)方式によって基板34に実装されている。すなわち、発光体4は、複数個のLEDベアチップ35が基板34の一面34a側に図示しない高熱伝導性を有する絶縁層を介してマトリックス状に実装され、LEDベアチップ35を包囲して例えばシリコーン樹脂からなる枠部37が設けられている。そして、枠部37内にLEDベアチップ35を覆って封止する例えばシリコーン樹脂などの封止樹脂36が充填されている。封止樹脂36には、LEDベアチップ35からの青色光の一部により励起されて黄色光を放射する図示しない黄色蛍光体が混入されている。
【0032】
基板34の一面34a側には、雌コネクタ38が実装されている。この雌コネクタ38は、図示しない配線パターンによりLEDベアチップ35に電気接続されている。複数個のLEDベアチップ35は、例えば列毎に、直列接続されている。発光体4は、封止樹脂36の表面が発光面となり、この発光面から青色光および黄色光が混合した白色光を放射する。
【0033】
そして、発光体4は、放熱板3の他端側3aに取り付けられている。すなわち、基板34の4隅側には、ねじ39が挿通される図示しない取付け孔が設けられている。4個のねじ39が当該取付け孔を挿通して、放熱板3に設けられた図示しないねじ孔に螺着されている。これにより、発光体4は、放熱板3の他端側3aの中央部に取り付けられている。
【0034】
なお、基板34は、ガラスエポキシ材や紙フェノール材などの樹脂材で形成されてもよく、そのものが絶縁性を有するセラミック板などで形成してもよい。
【0035】
図1において、点灯装置5は、発光体4のLEDベアチップ35を点灯するものであり、取付け体15の内部に収納されている。すなわち、点灯装置5は、筐体6内に配設されている。
【0036】
点灯装置5は、基板23およびこの基板23に実装された電子部品40やトランス41などの回路部品42を有して形成されている。基板23は、ガラスエポキシ材などの合成樹脂板やアルミニウム(Al)などの金属板からなり、長方形に形成されている。金属板の場合、絶縁層が形成されて、回路部品42が実装されている。そして、基板23は、取付け体15の一対の凹部21,21に圧入されるようにして挿入されて、取付け体15の内側に取り付けられている。
【0037】
点灯装置5は、その入力側が口金25の口金シェル部26および口金アイレット部28に図示しないリード線で接続され、その出力側が発光体4の基板34に給電線43により接続されている。発光体4の基板34には、雌コネクタ38が設けられ、点灯装置5の基板23には、雌コネクタ44が設けられている。給電線43の両端には、それぞれ雄コネクタ45,46が設けられている。
【0038】
給電線43の雄コネクタ46は、点灯装置5の雌コネクタ44に装着されている。そして、給電線43は、取付け体15の挿通孔19、装置本体2の熱伝導フィン7,7間および放熱板3の切り欠き部29を挿通して、雄コネクタ45が発光体4の雌コネクタ38に装着されている。雄コネクタ46は、点灯装置5が取付け体15に取り付けられる前に、雌コネクタ44に装着される。そして、給電線43および雄コネクタ45は、取付け体15を発光体3に取り付ける前に、取付け体15の挿通孔19、装置本体2の熱伝導フィン7,7間および放熱板3の切り欠き部29を挿通させている。こうして、点灯装置5は、口金25と発光体4のLEDベアチップ35に接続されている。そして、口金25を介して給電されて動作し、LEDベアチップ35に所定の定電流を供給してLEDベアチップ35を点灯(発光)するように形成されている。
【0039】
そして、筐体6の他端側6bには、発光体4を覆うように、グローブ47が取り付けられている。グローブ47は、透明の樹脂材料例えばポリカーボネート(PC)樹脂により、外形が例えば略半球形に形成されている。そして、グローブ47の開口端部48は、筐体6の環状壁10と同等の外径を有している。グローブ47は、開口端部48の端面48aが環状壁10の端面(上面)に密接するように、開口端面48aから延在した係止片49の係止爪49aが筐体6の環状溝12において環状壁10に係止している。係止片49は、環状溝12の周方向に沿い、等間隔に複数個例えば4個が設けられている。
【0040】
次に、第1の実施形態の作用について述べる。
【0041】
ランプ装置1は、その口金25が電球用ソケットに螺着される。そして、口金25が電球用ソケットを介して給電されると、点灯装置5が動作する。点灯装置5は、給電線43を介して発光体4のLEDベアチップ35に所定の定電流を供給する。LEDベアチップ35は、点灯(発光)するとともに発熱する。そして、発光体4から白色光が放射される。
【0042】
発光体4から放射された白色光は、発光体4を覆っているグローブ47を透過して、外部空間に出射される。これにより、ランプ装置1の照明領域が白色光により照明される。
【0043】
そして、LEDベアチップ35の点灯に伴って発生した熱は、発光体4の基板34に伝熱され、基板34から放熱板3に伝熱される。放熱板3は、高熱伝導率を有する金属材料例えばアルミニウム(Al)からなっているので、放熱板3に伝熱された熱は、迅速に放熱板3の全域に熱伝導される。放熱板3は、基板34から伝熱された熱によって温度上昇し、装置本体2に伝熱可能となる。
【0044】
放熱板3は、筐体6の環状の取付け面11(端面6d)に載置されているので、放熱板3の熱は、取付け面11から筐体6に熱伝導される。取付け面11は、環状に設けられているので、放熱板3の熱は、放熱板3の全外周側から筐体6に熱伝導される。
【0045】
また、放熱板3は、熱伝導フィン7の上側端面(上面)7aに接触しているので、放熱板3の熱は、熱伝導フィン7に熱伝導される。ここで、熱伝導フィン7は、筐体6の取付け面11(端面6d)から開口8の近辺に至る内面6fに設けられているので、熱伝導フィン7の上側端面(上面)7aは、放熱板3の外周側から発光体4が取り付けられている中央側まで接触している。したがって、熱伝導フィン7と放熱板3との接触面積は、相応に大きくなっているとともに、放熱板3の中央側から外周側に亘る熱が熱伝導フィン7に熱伝導される。すなわち、放熱板3から熱伝導フィン7に相応の熱量が熱伝導されるとともに、発光体4から放熱板3に伝熱された熱が迅速に熱伝導フィン7に熱伝導されやすい。
【0046】
また、熱伝導フィン7は、複数個からなり、筐体6の内面6fの内周方向に等間隔に、かつ筐体6の開口8の中心8cに対して放射状に設けられているので、熱伝導フィン7の上側端面(上面)7aは、放熱板3の外周方向に等間隔に、かつ放熱板3の中心3cに対して放射状となって、放熱板3に接触している。したがって、放熱板3の全域の熱は、ほぼ均等に複数個の熱伝導フィン7に熱伝導される。
【0047】
このように、発光体4から放熱板3に伝熱した熱は、放熱板3から筐体6の取付け面11および複数個の熱伝導フィン7にほぼ均等に熱伝導される。そして、熱伝導フィン7に熱伝導された熱は、熱伝導フィン7に一体化している筐体6に熱伝導される。取付け面11および熱伝導フィン7からそれぞれ筐体6に熱伝導された熱は、筐体6の外面6eの全域から外部空間に放出される。
【0048】
こうして、発光体4に発生した熱は、筐体6の外面6eから外部空間に迅速に放熱される。これにより、発光体4のLEDベアチップ35は、許容温度以下で点灯を維持し、発光効率の低下や短寿命などの不具合が防止される。また、発光体4に発生した熱が迅速に放熱されることにより、高電力のLEDベアチップ35を用いることができ、または基板34に実装されるLEDベアチップ35の数量を多くすることが可能となり、これにより、発光体4から放射される放射光の高出力化が可能となる。
【0049】
また、点灯装置5は、動作により、回路部品42が発熱する。特に、トランス41などの発熱部品からの発熱量が大きい。点灯装置5に発生した熱は、取付け体15に伝熱される。そして、主として、取付け体15から口金25に伝熱されて、口金25が螺着されている電球用ソケットから放熱される。
【0050】
そして、ランプ装置1は、放熱板3に複数個の熱伝導フィン7が接触し、熱伝導フィン7,7間に空間が形成される構造であるので、複数個の熱伝導フィン7の合計体積は、大きいものではなく、重量化しなく、これにより、装置本体2が軽量化される。すなわち、筐体6は、放熱板3に接触する塊を設けないので、軽量化される。
【0051】
また、複数個の熱伝導フィン7は、その先端側端面(側端面)7bで包囲される空間内に点灯装置5を収納している取付け体15を配設できるように形成されているので、筐体6内に点灯装置5の配設空間が確保されている。このように、装置本体2は、筐体6の軽量化および点灯装置5の配設空間の確保ができているものである。
【0052】
本実施形態のランプ装置1によれば、発光体4を取り付けている放熱板3が熱伝導フィン7に接触して筐体6の他端側6bに取り付けられているので、発光体4に発生した熱は、熱伝導フィン7から筐体6に迅速に熱伝導できて筐体6の外面6eから外部空間に放熱することができ、これにより、LEDベアチップ35の高電力化や高出力化を図ることができるという効果を有する。
【0053】
また、熱伝導フィン7は、筐体6の内面6fの内周方向に複数個が等間隔にかつ放射状に設けられ、点灯装置5は、取付け体15に収納されて、熱伝導フィン7の先端としての先端側端面(側端面)7bで包囲される空間内に配設されているので、筐体6を軽量化でき、点灯装置5の配設空間を確保できた状態で、発光体4に発生した熱を放熱板3の全域から熱伝導フィン7に熱伝導させることができて、筐体6の外面6eの全域から放熱できるという効果を有する。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0055】
本実施形態のランプ装置51は、図5および図6に示すように構成される。なお、図5および図6において、図1および図4と同一部分および同一部分に相当する部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0056】
図5において、ランプ装置51は、装置本体52の構成が異なる以外、また、放熱板3に挿入孔31が形成されない以外、図1に示すランプ装置1と同様に形成されている。
【0057】
装置本体52は、筐体53および熱伝導フィン7を有してなり、高熱伝導率、高耐熱性および電気絶縁性を有する合成樹脂例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂からなっている。装置本体52は、例えば射出成型により、筐体53および熱伝導フィン7が一体に形成されている。
【0058】
筐体53は、一端側53aに略円筒状の口金取付部54を有し、一端側53aから他端側53bに向かって拡開する略椀形の筒状に形成されている。そして、筐体53は、所定の厚さ(例えば1.5〜5mm)を有し、外面53eおよび内面53fがそれぞれ曲面に形成されている。すなわち、筐体53は、口金取付部54を有する以外、図1に示す筐体6と同様に形成されている。
【0059】
口金取付部54は、その内壁54bに、筐体53内の開口55から開口55と反対側の開口56に亘って直線状の凹部21が正対するように一対形成され、さらに凹部21に隣接するガイド凸部22が正対するように一対形成されている。点灯装置5は、その基板23の幅方向の両端部が一対の凹部21,21に圧入されて口金取付部54の内壁54bに取り付けられており、筐体53内に配設されている。ガイド凸部22は、点灯装置5の基板23を長手方向に沿わせて案内する。
【0060】
また、口金取付部54は、その外面54aに凸条24が螺旋状に形成されている。そして、凸条24に口金25が螺合されている。口金25は、口金取付部54の外面54aにかしめられて固定されている。
【0061】
そして、熱伝導フィン7は、図6に示すように、筐体53の取付け面11から開口55の近辺に至る内面53fに設けられている。発光体4と点灯装置5とを電気接続する給電線43は、熱伝導フィン7,7間に配線されている。
【0062】
次に、第2の実施形態の作用について述べる。
【0063】
発光体4に発生した熱は、放熱板3から筐体53の取付け面11および熱伝導フィン7に伝熱される。熱伝導フィン7に伝熱された熱は、筐体53に熱伝導される。筐体53は、放熱板3から伝熱された熱により温度上昇し、この温度上昇により、その外面53eから外部空間に放熱する。当該放熱は、筐体53の外面53eのほぼ全域から行われる。
【0064】
そして、装置本体52は、高熱伝導率を有する合成樹脂により形成されているので、放熱板3から筐体53の取付け面11および熱伝導フィン7に伝熱された熱は、迅速に熱伝導して筐体53の外面53eから外部空間に放熱される。これにより、発光体4の温度上昇が抑制される。
【0065】
また、点灯装置5に発生した熱は、点灯装置5の基板23から筐体53の口金取付部54に伝熱されるとともに、筐体53内の空間に放出される。口金取付部54に伝熱された熱は、口金取付部54から口金25に伝熱されて、口金25が螺着されている電球用ソケットから外部空間に放熱される。また、筐体53内の空間に放出された熱は、熱伝導フィン7に伝熱されて筐体53に熱伝導し、また筐体53の内面53fから筐体53に伝熱し、外面53eから外部空間に放熱される。これにより、点灯装置5の回路部品42の温度上昇が抑制される。
【0066】
そして、装置本体52は、合成樹脂により形成されているので、筐体53の内面53fに複数個の熱伝導フィン7が設けられていても、軽量化される。
【0067】
本実施形態のランプ装置51によれば、装置本体52が高熱伝導率を有する合成樹脂により形成されて、発光体4を取り付けている放熱板3が熱伝導フィン7に接触して筐体53の他端側53bに取り付けられているので、装置本体52を軽量化することができるとともに、発光体4に発生した熱を熱伝導フィン7から筐体6に迅速に熱伝導して筐体53の外面53eから外部空間に放熱することができ、これにより、LEDベアチップ35の高電力化や高出力化を図ることができるという効果を有する。
【0068】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0069】
本実施形態のランプ装置51Aは、図7および図8に示すように構成される。なお、図7および図8において、図5および図6と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0070】
ランプ装置51Aは、図5に示すランプ装置51において、点灯装置5の回路部品42が熱伝導性樹脂57により熱伝導フィン7に接続されている。ここでは、熱伝導性樹脂57は、発熱量の大きいトランス41に設けられている。熱伝導性樹脂57は、電気絶縁性、高耐熱性および高熱伝導率を有する樹脂例えばシリコーン樹脂が用いられている。
【0071】
熱伝導性樹脂57は、図7に示すように、熱伝導フィン7の先端側端面(側端面)7bに沿って、先端側端面7bおよびトランス41に間に介在し、熱伝導フィン7およびトランス41にそれぞれ密着するように設けられている。また、熱伝導性樹脂57は、図8に示すように、トランス41が複数個ここでは3個の熱伝導フィン7と接続するように設けられている。
【0072】
熱伝導性樹脂57は、放熱板3を筐体53の取付け面11に載置させる前に、トランス41および熱伝導フィン7間に設けられる。例えば、熱伝導性樹脂57は、点灯装置5の基板23を重力の作用方向の下側にして、トランス41から熱伝導フィン7側に順次積層して設けられる。
【0073】
トランス41に発生した熱は、熱伝導性樹脂57により迅速に熱伝導フィン7に伝熱されて、筐体53の外面53eから外部空間に放熱される。これにより、筐体53内の空間およびトランス41のそれぞれの温度上昇が抑制される。この結果、点灯装置5の温度上昇を抑制することができる。
【0074】
なお、第1の実施形態のランプ装置1において、熱伝導フィン7および取付け体15の間に熱伝導性樹脂57を設けてもよい。また、点灯装置5の回路部品42が正対する取付け体15の部位を切り欠いて、熱伝導フィン7および回路部品42の間に熱伝導性樹脂57を設けてもよい。
【0075】
また、第1ないし第3の実施形態において、熱伝導フィン7は、放熱板3に接触して放熱板3からの熱を迅速に熱伝導できれば、その数量、板厚(肉厚)や形状など、特に問わない。すなわち、熱伝導フィン7は、板状でなくてもよく、筐体6,53の内面6f,53fに等間隔や放射状に設けなくてもよく、数量が1個であってもよい。
【0076】
また、筐体6,53は、その外面6e,53eに放熱フィンが形成されてもよい。また、筐体6,53の形状は、略椀形に限らず、例えば円筒形、角筒形、円錐台形や角錐台形など、言うなれば筒状に形成されていればよい。
【0077】
また、点灯装置5の回路部品42は、熱伝導フィン7の先端としての先端側端面7bで包囲される空間に配設されるに限らず、その一部が熱伝導フィン7,7間に配設されていてもよい。
【0078】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態を示す照明器具の一部切り欠き概略正面図、図10は、同じく、他の照明器具の一部切り欠き概略正面図である。なお、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
図9に示す照明器具61は、図1に示すランプ装置1を使用するダウンライトであり、天井62に埋設されている。そして、外形が有底の略円筒状に形成された器具本体63にソケットとしての電球用ソケット64が配設されている。器具本体63は、器具本体63と一体的に設けられているカバー体65と板バネ66,66とにより、天井62に挟持されて、天井62に固定されている。そして、電球用ソケット64に、ランプ装置1が取り付けられている。
【0079】
電球用ソケット64が通電されると、ランプ装置1の点灯装置5(図示しない。)が動作し、発光体4(図示しない。)の各LEDチップ35(図示しない。)に所定の定電流が供給される。これにより、複数個のLEDチップ35が点灯し、グローブ47から白色光が放射される。そして、グローブ47の外面47aから放射された白色光は、カバー体65の開口67から床面側に出射される。
【0080】
図10に示す照明器具68は、天井62に吊り下げられる吊下げ形照明器具であり、外形が有底の円筒状である器具本体69にランプ装置1の口金25が取り付けられるソケットとしての電球用ソケット70が配設されている。器具本体69は、先端に引掛シーリングキャップ71を有する電源コード72を接続している。
【0081】
そして、引掛シーリングキャップ71は、天井62に配設されている引掛シーリングボディ73に取り付けられている。これにより、電源コード72等を介して電球用ソケット70に外部電源が供給される。引掛シーリングキャップ71および引掛シーリングボディ73は、シーリングカバー74により覆われている。そして、ランプ装置1は、電球用ソケット70に装着されている。
【0082】
ランプ装置1は、図示しない壁スイッチのオンオフ操作に応じて点灯または消灯される。そして、グローブ47の外面47aから放射された白色光が床面側を照明する。
【0083】
本実施形態の照明器具61,68によれば、発光体4のLEDベアチップ35が高電力化または高出力化されたランプ装置1を具備することにより、グローブ47から放射された白色光で床面側を明るく照明することができるという効果を有する。
【0084】
なお、本実施形態の照明器具は、埋込形や吊り下げ形に限らず、直付け形の照明器具であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1,51,51A…ランプ装置、 2,52…装置本体、 3…放熱板、 4…発光体、 5…点灯装置、 6,53…筐体、 7…熱伝導フィン、 23…点灯装置の基板、 25…口金、 42…回路部品、 57…熱伝導性樹脂、 61,68……照明器具、 63,69…器具本体、 64,70…ソケットとしての電球用ソケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図10
図9