(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799854
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】洗車機
(51)【国際特許分類】
B60S 3/06 20060101AFI20151008BHJP
【FI】
B60S3/06
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-44049(P2012-44049)
(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2013-180601(P2013-180601A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2014年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(74)【代理人】
【識別番号】100149179
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】石田 伸浩
【審査官】
神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−179177(JP,A)
【文献】
特開2011−042253(JP,A)
【文献】
特開平11−049297(JP,A)
【文献】
特開2005−306457(JP,A)
【文献】
特開2003−178154(JP,A)
【文献】
実開昭59−037645(JP,U)
【文献】
特開2004−206729(JP,A)
【文献】
特開2010−167975(JP,A)
【文献】
特開2005−275993(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0144366(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/00 − 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作部の操作によって洗車及び被洗浄車両の点検の受け付けを行い、ユーザが選択した洗車条件に応じて被洗浄車両を洗浄及び乾燥により洗車する洗車機であって、
車両の点検項目を含む複数の指示情報を予め記憶する記憶部と、被洗浄車両の点検の受け付けがあった際に前記記憶部に予め記憶された前記指示情報を送信する通信部と、前記通信部から送信された前記指示情報を受信する第1端末装置とを備え、
前記指示情報が洗車前に送信される前処理情報と、乾燥終了直前に送信される後処理情報とからなり、
前記指示情報の一部は被洗浄車両の洗車前の待機時間が所定時間よりも長いときに前記前処理情報に含まれ、短いときに前記後処理情報に含まれることを特徴とする洗車機。
【請求項2】
前記点検項目の部品に不備があった際の交換可否を前記操作部により入力可能にし、一部の前記点検項目は、部品交換可の場合に前記後処理情報に含まれ、部品交換不可の場合に前記前処理情報に含まれることを特徴とする請求項1に記載の洗車機。
【請求項3】
第1端末装置が前記前処理情報の受信確認を操作する確認部を有するとともに受信確認信号を前記通信部に送信し、前記通信部は前記受信確認信号が未受信である前記前処理情報を前記後処理情報に含めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗車機。
【請求項4】
宣伝を指示する前記指示情報を前記前処理情報に含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の洗車機。
【請求項5】
被洗浄車両の車両情報を入力して前記記憶部に記憶させる第2端末装置を備え、前記記憶部から読み出した前記車両情報に応じた宣伝の前記指示情報を前記前処理情報に含むことを特徴とする請求項4に記載の洗車機。
【請求項6】
点検後に不備が見つかった際に作業時間が長い前記点検項目が前記後処理情報に含まれるとともに、
点検後に不備が見つかった際に作業時間が短い前記点検項目が、被洗浄車両の洗車前の待機時間が所定時間よりも長いときに前記前処理情報に含まれ、短いときに前記後処理情報に含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗車機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端末装置に指示情報を送信する洗車機に関する。
【背景技術】
【0002】
給油所等に洗車機が設置される従来の洗車機は特許文献1に開示される。洗車機は被洗浄車両を跨ぎ門型に形成される本体部、リモートパネル及び携帯型の端末装置を備える。本体部は被洗浄車両に対して前後方向に相対移動し、回転ブラシ、送風ノズル及び記憶部を備える。
【0003】
回転ブラシは左右の側部に設けられるサイドブラシと上部に設けられるトップブラシとを有し、駆動モータによって回転して被洗浄車両を洗浄する。送風ノズルは上面に設けられるトップ送風ノズルと側部に設けられるサイド送風ノズルとを有し、被洗浄車両に空気を送出して乾燥させる。
【0004】
記憶部には洗車スタッフに対して指示を行う指示情報が記憶される。指示情報にはバッテリチェック、タイヤの空気圧チェック、ウォッシャー液チェック、ワイパーチェック、オイルチェックなどの点検項目が含まれる。
【0005】
リモートパネルは本体部の進入経路上に配される。リモートパネルには洗車スタッフへ被洗浄車両の点検を依頼する点検依頼ボタンや洗車の種類を選択する洗車コースボタンが設けられる。ユーザは被洗浄車両内からリモートパネルの操作を行う。
【0006】
洗車スタッフが携帯する端末装置には通信部、報知部、入力部が設けられる。通信部はアンテナを介してリモートパネル及び本体部とデータの送受信を行う。表示や音声により報知部はリモートパネル及び本体部から送信されるデータを報知する。入力部は洗車スタッフから所定のデータが入力される。
【0007】
ユーザはリモートパネルの面前で被洗浄車両を停止し、洗車設定を行うとともに点検依頼ボタンを押圧する。この時、本体部はリモートパネルを介して点検依頼ボタンが押圧されたことを記憶する。洗浄が開始されると本体部の相対移動によって回転ブラシが被洗浄車両に対して当接しながら移動して洗浄する洗浄工程が行われる。
【0008】
洗浄工程が終了すると乾燥工程が開始される。乾燥工程は送風ノズルが被洗浄車両に対して所定距離だけ離間し、空気を送出して被洗浄車両を乾燥させる。乾燥工程の終了直前になると、本体部は点検依頼ボタンに対応する点検項目の指示情報を端末装置に送信する。指示情報を受信した洗車スタッフは洗車終了時に指示情報に基いて被洗浄車両の点検を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−179177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の洗車機によると、乾燥工程の終了直前まで指示情報は端末装置に送信されないため、洗車終了時に洗車スタッフの点検が集中する。これにより、洗車場内が混雑するという問題があった。
【0011】
本発明は、洗車場内の混雑を低減できる洗車機を提供することを目的とる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、ユーザによる操作部の操作によって洗車の受け付けを行い、被洗浄車両を洗浄及び乾燥により洗車する洗車機において、車両の点検項目を含む指示情報を記憶する記憶部と、洗車の受け付け後に前記指示情報を送信する通信部と、前記指示情報を受信する第1端末装置とを備え、前記指示情報が洗浄前に送信される前処理情報と、乾燥終了直前に送信される後処理情報とを有し、前記指示情報の一部が洗車の進行状況またはユーザの状況に応じて前記前処理情報と前記後処理情報とに可変されることを特徴とする。
【0013】
この構成によると、ユーザが被洗浄車両の洗車の受付をすると、指示情報が洗浄前に送信される前処理情報と、乾燥終了直前に送信される後処理情報と、に洗車の進行状況またはユーザの状況に応じて分けられる。前処理情報は直ぐに洗車スタッフの有する第1端末装置に送信される。前処理情報を受信した洗車スタッフは前処理情報に含まれる点検項目の点検等の作業を行う。洗浄が開始されると、回転ブラシなどによって被洗浄車両が洗浄される。被洗浄車両の洗浄後、送風によって被洗浄車両の乾燥が行われる。乾燥終了直前になると、後処理情報が洗車スタッフの有する第1端末装置に送信される。後処理情報を受信した洗車スタッフは後処理情報に含まれる点検項目の点検等の作業を行う。
【0014】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記点検項目の部品に不備があった際の交換可否を前記操作部により入力可能にし、一部の前記点検項目は、部品交換可の場合に前記後処理情報に含まれ、部品交換不可の場合に前記前処理情報に含まれることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、ユーザの入力により部品交換可の場合には、部品の交換時間の長い点検項目等が後処理情報に含まれる。洗車スタッフは洗車後に点検を行い、部品に不備があった際に部品を交換する。ユーザの入力により部品交換可の場合には、部品の交換時間の長い点検項目等が前処理情報に含まれる。洗車スタッフは洗車前に点検を行い、部品に不備があった際にユーザに連絡する。
【0016】
また、本発明は上記構成の洗車機において、第1端末装置が前記前処理情報の受信確認を操作する確認部を有するとともに受信確認信号を前記通信部に送信し、前記通信部が前記受信確認信号を未受信の前記前処理情報を前記後処理情報に含めることを特徴とする。
【0017】
この構成によると、第1端末装置が前処理情報を受信すると、洗車スタッフにより確認部が操作され、受信確認信号が通信部に送信される。洗車スタッフが前処理情報の受信に気づかない場合は受信確認信号が送信されず、通信部が受信確認信号を未受信の前処理情報を後処理情報として再送信する。
【0018】
また、本発明は上記構成の洗車機において、宣伝を指示する前記指示情報を前記前処理情報に含むことを特徴とする。この構成によると、キャンペーンチラシの配布等の宣伝行為を指示する指示情報が洗車前に送信され、洗車スタッフによる宣伝が行われる。
【0019】
また、本発明は上記構成の洗車機において、被洗浄車両の車両情報を入力して前記記憶部に記憶させる第2端末装置を備え、前記記憶部から読み出した前記車両情報に応じた宣伝の前記指示情報を前記前処理情報に含むことを特徴とする。
【0020】
この構成によると、被洗浄車両の車検日等の車両情報が被洗浄車両を特定するID等とともに第2端末装置により入力され、記憶部に記憶される。洗車の受け付け時に被洗浄車両のIDが操作部のキー操作やカード読取等によって入力されると、車両情報に基づいて車検の価格表の配布等の宣伝行為を指示する指示情報が洗車前に送信される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、指示情報の一部が洗車の進行状況またはユーザの状況に応じて前処理情報と後処理情報とに可変されるため、指示情報を受け取った洗車スタッフが洗浄前及び乾燥後の時間等に応じて点検等の作業を行うことができる。従って、洗車場の混雑を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図
【
図2】本発明の実施形態の洗車機の本体部の構成を示す正面図
【
図3】本発明の実施形態の洗車機の入力端末を示す正面図
【
図4】本発明の実施形態の洗車機の受信端末を示す正面図
【
図5】本発明の実施形態の洗車機のレシートを示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1、
図2は本発明の一実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図及び正面図である。洗車機WAは本体部1、レール2、リモートパネル7A、入力端末31(
図3参照)及び受信端末35(
図4参照)を備えている。
【0024】
本体部2は左右に対向する2つのスタンド部90と、スタンド部90の上端を連結する天井部91とを有して門型に形成される。
【0025】
レール2は地面Gに左右一対に設けられ、本体部1の底面に設けた車輪3がレール2上に配される。これにより、本体部1は走行モータ(不図示)の駆動によりレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動するように立設される。
【0026】
リモートパネル7Aは制御部(不図示)を介して接続される本体部1の進入経路上に配される。リモートパネル7Aには各種洗車の設定を行う操作ボタン、点検依頼ボタン、交換依頼ボタン(いずれも不図示)、通信部34及び記憶部(不図示)が設けられる。
【0027】
ユーザは被洗浄車両CA内からリモートパネル7Aの操作ボタンの操作によって洗車の受け付けや被洗浄車両CAの点検依頼等の操作を行う。ユーザは点検依頼ボタンの押圧により洗車スタッフに被洗浄車両CAの点検を依頼する。
【0028】
通信部34はアンテナを介して入力端末31(
図3参照)、受信端末35(
図4参照)と無線通信を行う。
【0029】
記憶部(不図示)には表1に示すようにグループA〜Cに分けられた指示情報が記憶される。グループAには洗車スタッフから配布されるキャンペーンチラシ配布による宣伝の指示情報が記憶される。また、早期受付による車検料金割引表の配布等の車検情報の宣伝を指示する指示情報も記憶される。
【0030】
グループBには洗車スタッフが被洗浄車両CAの点検チェック後に不備が見つかれば直ぐに作業できる点検項目が記憶される。例えば、点検項目にはタイヤの空気圧チェック、ウォッシャー液チェック、ワイパーチェックが設けられる。
【0031】
グループCには洗車スタッフが被洗浄車両CAの点検チェック後に不備が見つかった際に交換を行うまで時間のかかる点検項目が記憶される。例えば、点検項目にはエンジンやブレーキのオイルチェック、テールやブレーキランプチェック、ファンベルトやタイミングベルトなどの各種ベルトのチェック、バッテリチェックなどが設けられる。
【0033】
本体部1の側方には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部50が配される。タンク収納部50の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部51が設けられる。分配配管部51には第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16がそれぞれ電磁弁を介して導出される。
【0034】
第1、第2浄水ノズル11、13は本体部1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は本体部1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して洗剤(シャンプー)を噴射する。
【0035】
撥水コートノズル14は本体部1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対して撥水コート剤を噴射する。ワックスノズル16は本体部1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対してワックスを噴射する。
【0036】
両スタンド部90には車両検知センサ9が設けられる。車両検知センサ9は光電センサや超音波センサ等により形成され、本体部1の走行によって被洗浄車両CAの外面形状を検知する。
【0037】
本体部1の一方のスタンド部90の前面には操作パネル7が配される。操作パネル7はリモートパネル7Aと同様の操作ボタンを備え、被洗浄車両CAから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。
【0038】
操作パネル7及びリモートパネル7Aに設けたボタンにより、シャンプー、ワックス掛け、撥水コート等を水洗いに追加して洗車条件を設定することができる。また、高級なシャンプー、高級なワックス、高級な撥水コート、特殊なコート等を行うボタンも操作パネル7及びリモートパネル7Aに設けられる。更に、フロントガード有り、フェンダーポール有り、サイドミラー有り、リヤワイパー有り、ルーフキャリア有り、該当装備品無し等の装備品設定ボタンが設けられている。操作パネル7及びリモートパネル7Aは操作部を構成する。
【0039】
本体部1には被洗浄車両CA上に摺動してブラッシングする複数の回転ブラシが設けられる。回転ブラシは駆動モータ(不図示)によって回転駆動され、回転負荷に応じて被洗浄車両CAに対して接離する。回転ブラシはサイドブラシ5、トップブラシ4及びロッカーブラシ6から成っている。
【0040】
トップブラシ4は軸部(不図示)にブラシ毛(不図示)を放射状に固着して形成される。昇降モータ(不図示)によってトップブラシ4が昇降し、被洗浄車両CAに対して接離する。これにより、トップブラシ4が被洗浄車両CAに沿って移動し、被洗浄車両CAの上面が洗浄される。サイドブラシ5、ロッカーブラシ6は左右一対設けられ、被洗浄車両CAの側面、タイヤを含む側面下部を洗浄する。サイドブラシ5、ロッカーブラシ6も同様に軸部(不図示)にブラシ毛(不図示)を放射状に固着して形成される。
【0041】
また、本体部1には被洗浄車両CAを乾燥させる気流を発生するブロア20が設けられる。ブロア20にはトップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22が接続される。トップ送風ノズル21は本体部1の中央上部に設けられ、被洗浄車両CAに沿って昇降して被洗浄車両CAの上面に向けて送風する。
【0042】
サイド送風ノズル22は本体部1の両側部に設けられ、被洗浄車両CAの側面に向けて送風する。トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22の送風によって洗浄後の被洗浄車両CAを乾燥させる。
【0043】
図3は洗車スタッフが携帯する入力端末(第2端末装置)31を示す正面図である。入力端末31の正面にはスイッチ31c、表示部31aが配される。入力端末31の側面には印刷部31d、把持部31bが配される。
【0044】
スイッチ31cは洗車スタッフの操作により入力端末31の電源のON、OFFを行う。表示部31aはROM等の記憶部(不図示)に記憶された電子データを表示する。また、タッチパネル式の表示部31aから被洗浄車両CAの車両情報、洗車情報、管理情報の入力が可能である。
【0045】
車両情報は車検日、車両ナンバー、車種、車両写真などから構成される。洗車情報は洗車コースや装備品、割引情報などから構成される。管理情報は洗車機WAの管理番号、洗車スタッフの番号、受付番号、受付日付などから構成される。
【0046】
印刷部31dは
図5に示すように洗車情報33aやQRコード(登録商標)33aが記載されたレシート33を印刷する。洗車スタッフは把持部31bを把持して入力端末31を持ち運ぶ。入力端末31は通信部(不図示)を介して、リモートパネル7Aと通信する。
【0047】
図4は洗車スタッフが有する腕時計式の受信端末(第1端末装置)35である。受信端末35は本体部35d、リストバンド35cを有する。本体部35dには表示部35a、確認ボタン(確認部)35bが配される。
【0048】
表示部35aはリモートパネル7Aの通信部34から送信される指示情報が表示される。表示部35aにより表示される指示情報はスクロール表示にしてもよい。確認ボタン35bは本体部35bから突出して設けられ、確認ボタン35bを押圧するとリモートパネル7Aに指示情報の受信確認信号を送信する。
【0049】
洗車スタッフはリストバンド35cを巻回して受信端末35を装着する。これにより、洗車スタッフはハンズフリーの状態となるため、被洗浄車両CAの点検をし易くなる。
【0050】
上記構成の洗車機WAにおいて、洗車スタッフは入力端末31を用いて洗車場内に来たユーザの被洗浄車両CAの車両情報、洗車情報及び管理情報を入力する。
【0051】
洗車スタッフが入力を完了すると、印刷部31dからレシート33を発行してユーザに渡す。この時、洗車スタッフはユーザにこのレシート33を用いて洗車を行えば洗車が割引になるとともに、被洗浄車両CAの点検をスムースに行える等の説明を行う。
【0052】
レシート33を所持したユーザは本体部1と離れた所定の位置で被洗浄車両CAを停止する。そして、ユーザは被洗浄車両CA内から手を伸ばしてリモート操作パネル7Aによりレシート33を用いて所望の洗車設定を行う。この時、ユーザは必要に応じて点検依頼ボタン、交換依頼ボタン(いずれも不図示)を押圧する。
【0053】
点検依頼ボタンが押圧されると、本体部1は制御部(不図示)を介して受け付けたユーザの被洗浄車両CAの洗浄前の待機時間が計算される。待機時間が短く被洗浄車両CAが直ぐに洗浄できる場合にはグループAの指示情報が前処理情報として洗車前に送信される。この時、車検情報は被洗浄車両CAの車検日が1月以内のように近い場合だけ前処理情報に含まれるようにしてよい。
【0054】
一方、他の車両が洗浄中の場合のように待機時間が長く被洗浄車両CAがすぐに洗浄できない場合にはグループBの指示情報が追加されてグループA、Bが前処理情報となる。
【0055】
洗車スタッフは前処理情報として送信された指示情報を受信端末35から受信し、これを基に洗車スタッフはユーザに対して作業を行う。洗車スタッフは指示情報による指示を完了すると確認ボタン35bを押圧する。これにより、受信端末35から受信確認信号をリモートパネル7Aに送信する。
【0056】
一方、作業時間が足りない場合など、洗車スタッフが指示情報による指示が完了しない場合には確認ボタン35bを押圧しない。これにより、指示の完了が確認されない前処理情報の指示情報は後処理情報に含められる。
【0057】
本体部1による洗浄が開始されると、洗浄工程として本体部1の相対移動によって回転ブラシが被洗浄車両CAに対して当接しながら前後方向に移動して洗浄する。洗浄工程が終了すると、乾燥工程として送風ノズルは被洗浄車両CAに対して所定距離だけ離間し、空気を送出して被洗浄車両CAを乾燥させる。
【0058】
乾燥工程の終了直前になると、本体部1は後処理情報としての指示情報が受信端末35に発信される。被洗浄車両CAが直ぐに洗浄できた場合にはグループB,Cの指示情報が送信される。一方、直ぐに洗浄できなかった場合にはグループCの後処理情報が送信される。
【0059】
指示情報を受信して乾燥工程の終了した後、洗車スタッフは指示情報を基に作業を行う。以上により、洗車及び点検サービスが終了する。
【0060】
本実施形態によると、指示情報の一部が洗車の進行状況またはユーザの状況に応じて前処理情報と後処理情報とに可変されるため、指示情報を受け取った洗車スタッフが洗浄前及び乾燥後の時間等に応じて点検等の作業を行うことができる。従って、洗車場の混雑を低減することができる。
【0061】
また、一部の前記点検項目は、被洗浄車両CAの洗車前の待機時間が所定時間よりも長いときに前処理情報に含まれ、短いときに後処理情報に含まれるため、洗車までの待機時間を有効活用することができる。
【0062】
また、点検項目の部品に不備があった際の交換可否をリモートパネル7Aにより入力可能にし、一部の点検項目は、部品交換可の場合に後処理情報に含まれ、部品交換不可の場合に前処理情報に含まれるため、洗車前に点検を終了させて洗車スタッフの作業効率を向上することができる。
【0063】
また、通信部34が確認ボタン35bの操作による受信確認信号を未受信の前処理情報を後処理情報に含めるため、洗車スタッフの作業ミスを少なくすることができる。
【0064】
また、宣伝を指示する指示情報を前処理情報に含むため、洗車機WAの利用が向上される。
【0065】
また、被洗浄車両CAの車両情報を入力して記憶部に記憶させる入力端末31を備え、記憶部から読み出した車両情報に応じた宣伝の指示情報を前処理情報に含むため、車検情報などを活用でき洗車機WAの利便性が向上される。
【0066】
また、入力端末31と受信端末35とを一体に構成してもよい。また、印刷部31dを別の通信端末に設けてもよい。
【0067】
また、夏場のように猛暑日には、被洗浄車両CAの表面温度は上昇しているが、被洗浄車両CAの洗浄後には洗浄水により被洗浄車両CAの表面温度は下降している。このため、本体部1に温度センサを設けて所定の温度を超えると、グループBの点検項目を後処理情報として処理してもよい。これにより、洗車スタッフの作業効率が上昇する。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によると、端末装置に指示情報を送信する洗車機に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 本体部
4 トップブラシ
5 サイドブラシ
6 ロッカーブラシ
7 操作パネル
7A リモートパネル(操作部)
31 入力端末(第2端末装置)
33 レシート
34 通信部
35 受信端末(第1端末装置)
35a 表示部
35b 確認ボタン(確認部)
35c リストバンド
35d 本体部
CA 被洗浄車両
WA 洗車機