特許第5799905号(P5799905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5799905コージェネレーションシステムの接続方法、及び、その接続方法を用いた集合住宅、商業施設又は店舗併用住宅
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5799905
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】コージェネレーションシステムの接続方法、及び、その接続方法を用いた集合住宅、商業施設又は店舗併用住宅
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20151008BHJP
   F02G 5/04 20060101ALI20151008BHJP
   F24D 17/02 20060101ALI20151008BHJP
   F24D 17/00 20060101ALI20151008BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20151008BHJP
   H01M 8/12 20060101ALN20151008BHJP
   H01M 8/00 20060101ALN20151008BHJP
   H01M 8/04 20060101ALN20151008BHJP
【FI】
   H02J3/38 110
   H02J3/38 170
   F02G5/04 H
   F24D17/02
   F24D17/00 Q
   F24H1/00 631A
   !H01M8/12
   !H01M8/00 Z
   !H01M8/04 P
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-154445(P2012-154445)
(22)【出願日】2012年7月10日
(65)【公開番号】特開2014-17993(P2014-17993A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2014年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】寺西 一浩
【審査官】 高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−071033(JP,A)
【文献】 特開2010−226850(JP,A)
【文献】 特開2007−211724(JP,A)
【文献】 特開2002−354680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
F02G 5/04
F24D 17/00
F24D 17/02
F24H 1/00
H01M 8/00
H01M 8/04
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住戸で構成される住戸群に電力を供給するコージェネレーションシステムの接続方法であり、次の(1)及び(2)の特徴を有する。
(1)前記住戸群のうちの1つの第1住戸には、家庭用コージェネレーション装置と、前記家庭用コージェネレーション装置と商用電力系統の両方から供給される電力を分配する分電盤とを備えている。
(2)前記住戸群のうちの前記第1住戸以外の住戸には、前記分電盤を経由して分配された電力を前記第1住戸以外の前記住戸に供給する分電盤と、家庭用コージェネレーション装置以外の給湯器とを備えている。
【請求項2】
前記給湯器は、太陽熱温水器又はヒートポンプ式給湯器であることを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステムの接続方法。
【請求項3】
前記第1住戸以外の前記住戸には、給湯器が設置されていないことを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステムの接続方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のコージェネレーションシステムの接続方法を用いた1つ又は複数の住戸群を有していることを特徴とする集合住宅、商業施設又は店舗併用住宅。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の住戸で構成される住戸群に導入されるコージェネレーションシステムの接続方法、及び、その接続方法を用いた集合住宅、商業施設又は店舗併用住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発電により得られた電力と発電時に発生した排熱を利用するコージェネレーション装置が住宅等に多く導入されてきている。通常、このようなコージェネレーション装置では、住戸での消費電力に応じて発電が行われ、同時に発生した熱が温水として回収されて貯湯タンクへと蓄えられ、給湯や暖房等に利用される。
【0003】
従来、マンション等の集合住宅においては、大規模なガスエンジン等のコージェネレーション装置を地下室等に設置し、集合住宅全体又は共用部の消費電力に応じて発電を行い、同時に発生した熱を温水として回収するコージェネレーションシステムがある。このようなコージェネレーションシステムでは、温水を集合住宅の各住戸に供給するために、ポンプの動力等が必要となるため、光熱費のメリットが享受しにくく、また設置コスト及び管理コストが高くなる。
【0004】
また、各住戸に燃料電池等を用いた家庭用コージェネレーション装置を設置し、各家庭の消費電力に応じて、それぞれの家庭用コージェネレーション装置で発電を行い、同時に発生した熱を温水として回収して各家庭で利用する集合住宅もある。しかしながら、各住戸に家庭用コージェネレーション装置を設置した場合には、コストが高くなるとともに、各住戸に設置スペースが必要となる。また、家庭用コージェネレーション装置は、接続されている家庭の消費電力に応じて発電を行うため、電力需要の少ない家庭では、発電できる電力量が小さくなる傾向がある。そのため、共働きの家族等、昼間不在のため昼間の消費電力が小さい家庭では、家庭用コージェネレーション装置の稼動量が少ないため、発電しにくく、また熱の発生も少ないため、コージェネレーションのメリットが活かしきれない。
【0005】
そこで、発電効率を向上させるために、複数の住戸で構成される集合住宅の1つのフロア等からなる住宅群に独立運転可能な複数の発電モジュールで構成した燃料電池と、該燃料電池の排熱を住宅群の各住戸の給湯にそれぞれ利用するための貯湯タンクとを設置し、住宅群の全住宅の電力負荷にそれぞれ分配させた電力線網を燃料電池の各発電モジュールと電力系統とに連係させた燃料電池コージェネレーションシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−327160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の燃料電池コージェネレーションシステムでは、住宅群の共有部等に設置スペースを設ける必要があり、且つ住宅群の住戸数に合わせて複数の発電モジュールを備えた燃料電池を用いているので、設置コスト及び管理コストが高くなる。また、複数の発電モジュールを制御して発電した電力を住宅群の各住戸に供給するため、システムが複雑になるとともに、燃料電池の排熱は住戸群の各住戸で利用されるため、湯切れの恐れがある。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、低コスト且つ省スペースで簡易なシステムにて発電量を増やすことができるとともに、湯切れの恐れを軽減することができるコージェネレーションシステムの接続方法、及び、その接続方法を用いた集合住宅、商業施設又は店舗併用住宅を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載のコージェネレーションシステムの接続方法は、複数の住戸で構成される住戸群に電力を供給するコージェネレーションシステムの接続方法であり、次の(1)及び(2)の特徴を有する。
(1)前記住戸群のうちの1つの第1住戸には、家庭用コージェネレーション装置と、前記家庭用コージェネレーション装置と商用電力系統の両方から供給される電力を分配する分電盤とを備えている。
(2)前記住戸群のうちの前記第1住戸以外の住戸には、前記分電盤を経由して分配された電力を前記第1住戸以外の前記住戸に供給する分電盤と、家庭用コージェネレーション装置以外の給湯器とを備えている。尚、ここでの住戸は、マンションやアパート等の住戸の他にテナントビル等のテナント・店舗、事務所等も含む概念である。
【0010】
請求項2記載のコージェネレーションシステムの接続方法は、前記給湯器が、太陽熱温水器又はヒートポンプ式給湯器であることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載のコージェネレーションシステムは、前記第1住戸以外の前記住戸には、給湯器が設置されていないことを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の集合住宅、商業施設又は店舗併用住宅は、請求項1乃至3のいずれかに記載のコージェネレーションシステムの接続方法を用いた1つ又は複数の住戸群を有していることを特徴としている。尚、ここでの集合住宅は、マンション、アパート等が含まれることは勿論であるが、その他、テナントビル、オフィスビル等のビルや高齢者福祉施設等も含む概念である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載のコージェネレーションシステムの接続方法によれば、家庭用コージェネレーション装置が設置された第1住戸に配置される分電盤を経由して第1住戸以外の住戸に電力を供給する分電盤に分岐させているので、第1住戸及び第1住戸以外の住戸の消費電力に応じて家庭用コージェネレーション装置は稼動するため、発電できる発電量を増やすことができる。そのため、住戸群のいずれかの住戸が昼間に消費電力が少ない家庭であっても、家庭用コージェネレーション装置を有効に活用することができる。また、家庭用コージェネレーション1基で、住戸群の各住戸に対して電力を供給することができるので、システムを簡易化することができるとともにコストを軽減し、省スペース化することができる。また、第1住戸以外の住戸には、それぞれ給湯器を設けているので、湯切れを防ぐことができる。
【0014】
請求項2記載のコージェネレーションシステムの接続方法によれば、第1住戸以外の住戸に設置される給湯器として太陽熱温水器又はヒートポンプ式給湯器を用いている。太陽熱温水器を用いた場合には、太陽熱を利用して効率的に温水を作るので、更に省エネルギー化を図ることができる。また、ヒートポンプ式給湯器を用いた場合には、高効率に給湯することができるので、更に省エネルギー化を図ることができるとともに、電力需要を更に増やすことができるので、より家庭用コージェネレーション装置での発電量を効率的に増やすことができる。
【0015】
請求項3記載のコージェネレーションシステムの接続方法によれば、第1住戸以外の住戸には、給湯器が設置されておらず、店舗など給湯器が不要な住戸への設置に適している。
【0016】
請求項4記載の集合住宅、商業施設又は店舗併用住宅によれば、家庭用コージェネレーション装置1基で、住戸群の各住戸に対して電力を供給することができるので、集合住宅におけるコージェネレーション装置の設置コストや管理コストを軽減し、省スペース化することができる。また、家庭用コージェネレーション装置が、固化酸化物燃料電池など、日々の起動停止ができない場合、本集合住宅では、最低の消費電力が高まるので有効である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係るコージェネレーションシステムの接続方法の一例を示す概略模式図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係るコージェネレーションシステムの接続方法の一例を示す概略模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るコージェネレーションシステムの接続方法の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態に係るコージェネレーションシステム1の接続方法は、図1に示すように、集合住宅内の複数の住戸21(第1住戸)、22(第2住戸)で構成される住戸群2に導入されるものであり、例えば、マンション等の1フロアや数戸の住戸で構成される小規模なアパート1棟等に導入される。このコージェネレーションシステム1は、図1に示すように、第1住戸21に設置される家庭用コージェネレーション装置3と、第1分電盤4と、第2住戸22に設置される給湯器5と、第2分電盤6とを備えている。
【0019】
住戸群2は、第1住戸21と第2住戸22の2つの住戸で構成されており、例えば、第1住戸21をファミリー世帯が居住する住戸とし、第2住戸22をシングル世帯の住戸として利用することができる。この住戸群2のコージェネレーションシステム1では、オーナーが電力会社の商用電力系統から供給される電力及びガス事業者から供給されるガスを一括で契約している。商用電力系統から供給される電力は、図1に示すように、電気メーター7を介して第1分電盤4から分配される。また、ガス事業者から供給されるガスは、ガスメーター8を介して、第1住戸21の家庭用コージェネレーション装置3及び第2住戸22の給湯器5へと直接分岐されている。尚、図1では、住戸群2は、第1住戸21と第2住戸22の2つの住戸で構成されている例を示しているが、第2住戸22は1戸に限定されるものではなく、複数の第2住戸22であっても良い。
【0020】
家庭用コージェネレーション装置3は、消費電力に応じて発電を行い、同時に発生した熱を利用するものであり、第1分電盤4に接続されている。この家庭用コージェネレーション装置3は、詳しくは図示しないが、例えば、従来から家庭用として利用されている1kW程度の発電モジュールで構成される燃料電池と、該燃料電池で発電された直流電力を交流電力に変換して第1住戸21に配置される第1分電盤4に供給するインバータと、燃料電池の排熱を温水として回収して第1住戸21の給湯や暖房等に利用するための200リットル程度の貯湯タンク等を備えるものである。この家庭用燃料電池コージェネレーションシステムに用いられる燃料電池は、特に限定されるものでなく、例えば、固体高分子形燃料電池、固体酸化物型燃料電池等を用いることができる。また、家庭用コージェネレーション装置3で生成された温水は、第1住戸21の熱負荷9aのみで利用されるので、第1住戸21での湯切れの恐れが軽減される。尚、燃料電池を利用した家庭用コージェネレーション装置3の代わりに、従来から用いられている小型ガスエンジンを利用して発電機を回して発電し、同時にガスエンジンから発生する熱を温水として回収して貯湯タンクに蓄えるもの等を利用しても良い。
【0021】
第1分電盤4は、図1に示すように、家庭用コージェネレーション装置3によって発電された電力と商用電力系統から供給される電力とを系統連係して分岐出力するものである。第1住戸21の電力負荷10aには、この第1分電盤4を介して家庭用コージェネレーション装置3によって発電された電力及び/又は商用電力系統から供給される電力が分配される。また、第2住戸22の電力負荷10bにも第1分電盤4を経由して電力が供給されるように、第1分電盤4の分岐ブレーカ(不図示)から第2住戸22に配置される第2分電盤6に配線11が接続されており、この第2分電盤6から第2住戸22の電力負荷10bに電力が供給される。従って、家庭用コージェネレーション装置3は、第1住戸21での消費電力だけでなく、第2住戸22での消費電力も合わせた二世帯分の消費電力に応じて稼動するので、稼動時間や出力(kw)を増やすことにより、発電量(kwh)を増やすことができる。
【0022】
また、コージェネレーションシステム1が導入される集合住宅では、詳しくは図示しないが、エネルギー制御及び電気やガスの使用状況を見える化するためのHEMS(ホームエネルギー・マネジメントシステム)を導入している。このコージェネレーションシステム1では、各住戸21,22での消費電力量及び家庭用コージェネレーション装置3の発電量等を計測するために、第1分電盤4に多チャンネルのクランプ電力計を接続している。これにより、オーナーは、第1住戸21、第2住戸22に居住する店子の消費電力等をモニタリングすることもできるので、例えば、光熱費等を管理費に含めて定額にした際に店子が電気等を無駄に浪費していないか等を発見することができる。尚、店子に対して使用量に応じて請求する従量制の場合には、計量法で定められたメーターを追加し、このメーターによって計測した値に基づいて請求することになる。また、コージェネレーションシステム1では、家庭用コージェネレーション装置3で発電可能な電力が、第1住戸21及び第22住戸22で消費される電力より大きい場合には、その電力を第1住戸21及び第2住戸22に供給し、家庭用コージェネレーション装置3で発電可能な電力が、第1住戸21及び第22住戸22で消費される電力より小さい場合には、不足分の電力を商用電力系統から供給するよう制御している。
【0023】
給湯器5は、図1に示すように、ガス事業者から供給されるガスを用いて温水を生成するものであり、第2住戸22に設置されている。この給湯器5で生成された温水は、配管を経由して第2住戸22の熱負荷9bに供給される。本発明のコージェネレーションシステム1では、このように第2住戸22においては、家庭用コージェネレーション装置3で生成された温水ではなく、第2住戸22に設置される給湯器5で生成された温水を利用するので、湯切れを防ぐことができる。また、第2住戸22が複数ある場合には、各第2住戸22にそれぞれ給湯器5を設置する。
【0024】
尚、図1に示す実施形態では、給湯器5としてガス給湯器を用いた場合を示しているが、ガス給湯器の代わりに、太陽熱温水器やヒートポンプ式給湯器等を用いても良い。給湯器5として太陽熱温水器を用いた場合には、自然エネルギーである太陽熱を利用して温水を作るため、省エネルギー化を図ることができる。給湯器5として、ヒートポンプ式給湯器を用いた場合には、高効率に給湯することができるので、省エネルギー化を図ることができるとともに、電力需要を更に増やすことができるので、より家庭用コージェネレーション装置3での発電量を増やすことができる。また、その他、従来公知の電気給湯器を用いても良い。
【0025】
以下、本発明に係るコージェネレーションシステム1の動作について説明する。このコージェネレーションシステム1では、第1住戸21及び第2住戸22での消費電力に応じて、家庭用コージェネレーション装置3は、発電を行い、同時に発生した熱を温水として回収して貯湯タンクに蓄える。そして、家庭用コージェネレーション装置3で発電された電力は、第1分電盤4を経由して第1住戸21の電力負荷10aと、第1分電盤4を経由して第2分電盤6から第2住戸22の電力負荷10bへ供給される。また、家庭用コージェネレーション装置3で発電が行われていない場合には、商用電力系統から第1住戸21の電力負荷10a及び第2住戸22の電力負荷10bへと電力が供給される。また、家庭用コージェネレーション装置3で発電される電力が、第1住戸21及び第2住戸22で消費される電力より小さい場合には、不足分の電力が商用電力系統から供給される。
【0026】
また、家庭用コージェネレーション装置3の貯湯タンクに蓄えられた温水は、必要に応じて第1住戸21の熱負荷9aに供給される。一方、第2住戸22では、給湯器5で生成した温水が必要に応じて熱負荷9bへと供給される。尚、家庭用コージェネレーション装置3では、生成された温水が貯湯タンクの容量を超えると、所謂湯余りの状態になって燃料電池の稼動が止まるため、発電を行えなくなる。冬場は、一般的に床暖房等に温水が使用されるため、湯余りの状態は起こり難いが、夏場はエアコン等の電力需要が高まるのに対して、温水の需要が少なくなるため、湯余りが起こり易い。そこで、家庭用コージェネレーション装置3で生成された温水の利用を増やすために、第1住戸21に熱負荷9aとして、デシカント乾燥機、ミストサウナ、乾燥機能付きのタオル掛け等の夏場でも温水の利用が想定されるものを備えておくことが好ましい。これにより、夏場でも湯余りの状態になるのを軽減することができるので、家庭用コージェネレーション装置3の発電量を更に向上させることができる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態に係るコージェネレーションシステム1aについて、図2を参照しつつ説明する。このコージェネレーションシステム1aは、主に第1の実施形態に係るコージェネレーションシステム1に、蓄電池12と太陽電池13を更に備えたものであり、コージェネレーションシステム1と同様の構成等については、同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0028】
コージェネレーションシステム1aでは、図2に示すように、蓄電池12は、太陽電池13によって発電された電力と商用電力系統から供給される電力を充電するように接続されて、第1住戸21に設置されている。このように蓄電池12を第1住戸21に設けることにより、停電等の非常時でも蓄電池12に蓄電された電力を、第1住戸21の電力負荷10a及び第2住戸22の電力負荷10bに供給することができる。また、太陽電池13を備えることにより、家庭用コージェネレーション装置3で発電される電力が、第1住戸21及び第2住戸22で消費される電力より小さい場合には、不足分の電力を太陽電池13で発電し蓄電池12に蓄電した電力を用いることによって、より省エネルギー化を図ることができる。また、余った電力については電力会社に売電することもできる。尚、本実施形態では、蓄電池12及び太陽電池13の両方を備えた場合を示しているが、蓄電池12又は太陽電池13の何れか一方を備えるようにしても良い。蓄電池12のみを備える場合には、電力が比較的な安価な深夜に商用電力系統からの電力を蓄電するようにし、家庭用コージェネレーション装置3で発電される電力の不足分を蓄電池12から供給すれば良い。また、太陽電池13のみを備える場合には、家庭用コージェネレーション装置3で発電される電力の不足分を太陽電池13で発電した電力で補い、余った電力については売電するようにしても良い。
【0029】
また、本実施形態では、住戸群2は、第1住戸21と第2住戸22の2つの住戸で構成されている例を示しているが、住戸群2は、家庭用コージェネレーション装置3の出力にもよるが、第1住戸21を含めて、数戸で構成されることが好ましい。また、集合住宅がテナントビルやオフィスビル等であって、一部のテナント等で給湯を利用しないような場合には、そのテナントとなる第2住戸22には、給湯器5を設置しないようにしても良い。
【0030】
尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0031】
1、1a コージェネレーションシステム
2 住戸群
21 第1住戸
22 第2住戸
3 家庭用コージェネレーション装置
4 第1分電盤
5 給湯器
6 第2分電盤
図1
図2