(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明が適用された遊技機1の正面図、
図2は、遊技機1の配線系統のブロック図である。
【0036】
遊技機1は、
図1に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠7と、この外枠7に取り付けられた内枠9とから構成されており、内枠9には、遊技者にパチンコ遊技を提供する遊技盤11と、遊技盤11上に遊技球13を発射操作するためのハンドル15と、遊技盤11によるパチンコ遊技の結果得られた賞品である遊技球13を受ける上受け皿17と、下受け皿19とが設けられている。
【0037】
遊技盤11は、パチンコ遊技の進行状態に応じて興趣のある図柄を表示する特別図柄表示部21と、特別図柄の表示待ちの数を表示する特別図柄保留ランプ23と、始動口25と、大入賞口27と、普通図柄表示部29と、普通図柄保留ランプ31と、普通図柄作動ゲート32とを備え、始動口25に遊技球13が入賞することによって、特別図柄表示部21が特別図柄の表示を開始して、特別図柄が所定の図柄になると大入賞口27を開閉する大当り遊技を提供する。又、普通図柄作動ゲート32に遊技球13が入賞することによって、普通図柄表示部29が普通図柄の表示を開始して、普通図柄が所定の図柄になると始動口25に取り付けられた普通電動役物26を開閉する小当り遊技を提供する。
【0038】
この様な特別図柄の表示や、大当り遊技等の提供を行うために、遊技機1は、
図2に示すように配線が接続された遊技制御装置3や表示制御装置5を備えている。
又、遊技制御装置3は、以下に示す各部に接続され、パチンコ遊技を提供するために、情報の入出力を行う。ここでは、遊技制御装置3は、音響を提供する音響機能部33と、照明を提供する照明機能部35と、遊技球13の発射や払い出しに関する処理を提供する賞球機能部37と、役物の作動に関する機能を提供する役物作動機能部39と、表示を行う表示機能部41と、遊技球13を検出する遊技球検出機能部43と、外部に情報を出力する本体用外部端子板45と、各部に電源を供給する電源基板47とに接続されている。遊技球検出機能部43は、第1種始動口スイッチ49と、セーフ球スイッチ51とから構成されている。第1種始動口スイッチ49は、始動口25に入賞した遊技球13を検出して、始動口検出信号を出力する。
【0039】
表示機能部41は、詳細な説明は後述するが表示制御装置5と、特別図柄表示装置53と、普通図柄表示装置55とから構成されている。特別図柄表示装置53は、特別図柄表示部21と、特別図柄保留ランプ23とを備えている。普通図柄表示装置55は、普通図柄表示部29と、普通図柄保留ランプ31とを備えている。
【0040】
なお、表示機能部41以外の各機能部の構成は、
図2に示す通りであり、詳細な説明は省略する。
次に、特別図柄表示装置53で行われる画像表示を
図3ないし
図8に基づいて説明する。
図3は、特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21に表示される図柄の態様を示す図柄態様図、
図4は、遊技制御装置3から送信され、表示制御装置5が受信する伝送データの説明図、
図5は、遊技制御装置3で実行される特別図柄変動制御処理ルーチンのフローチャート、
図6は、遊技制御装置3で実行される変動パターン作成処理のフローチャート、
図7は確定図柄の説明図、
図8は、変動パターンの説明図である。
【0041】
遊技制御装置3は、特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21に遊技の図柄を表示するために、
図4に示す伝送データを出力する。
この伝送データは、特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21によって表示される特別図柄の変動開始から確定までの間に、5個のコマンドが送信される様に規定されている。この5個のコマンドは、
図4の(A)、(B)に示すように、まず(1)の変動パターン指定コマンドが送信され、次に(2)の左特別図柄指定コマンドが送信され、以後順に(3)の中特別図柄指定コマンド、(4)の右特別図柄指定コマンド、(5)の全図柄停止指定コマンドが送信される。
【0042】
5個のコマンドは、
図4にあるように、始めの上記(1)のコマンドが送信されてから、時間T1経過までに上記(2)のコマンドが送信され、上記(2)のコマンドが送信されてから時間T2経過までに上記(3)のコマンドが送信され、上記(3)のコマンドが送信されてから時間T3経過までに上記(4)のコマンドが送信され、上記(1)のコマンドが送信されてから時間T経過までに上記(5)のコマンドが送信されるように構成されている。
【0043】
始めに送信される上記(1)の変動パターン指定コマンドは、100種類程度が用意されており、全図柄の変動状態を指示する。これが送信されることによって、後述するように左列61、中列63、右列65の図柄の変動が開始される。
【0044】
上記(2)の左特別図柄指定コマンドは、14種類が用意されており、左列61の確定図柄の指示を行なう。
上記(3)の中特別図柄指定コマンドは、14種類が用意されており、中列63の確定図柄の指示を行なう。
【0045】
上記(4)の右特別図柄指定コマンドは、14種類が用意されており、右列65の確定図柄の指示を行なう。
これら(2)(3)(4)の左、中、右特別図柄指定コマンドは、確定図柄を指定する。
【0046】
上記(5)の全図柄停止指定コマンドは、1種類が用意されており、左列61、中列63、右列65の図柄の停止タイミングを指示する。
以上の(1)ないし(5)のコマンドが遊技制御装置3から送信され、表示制御装置5に受信されることで、1回の特別図柄遊技が特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21によって表示される。この中で、リーチ状態の表示に係わるのが、(1)の変動パターン指定コマンドである。この変動パターン指定コマンドによって、リーチ状態表示の有無、通常確率のリーチ状態、少し高確率のリーチ状態、又は高確率のリーチ状態の何れかの表現が行われる。
【0047】
上述したような(1)ないし(5)のコマンドを出力する遊技制御装置3では、このコマンドを出力するために、
図5に示す特別図柄変動制御処理を実行する。
この処理では、まず、図示しない処理によって予め格納されている大当り判定用乱数バッファの値を取り出し特別図柄の大当りの判定を行う大当り判定処理(S100)、この大当り判定処理で大当りと判定された場合に、大当り図柄乱数バッファの値を取り出し、特別図柄大当り時の確定図柄を決定する処理、又は外れと判定された場合に、リーチ判定用乱数を基に確定図柄を選択し決定する処理を行う特別図柄選択処理(S110)、後述する変動パターン作成処理(S120)を行う。ここで選択される確定図柄は、
図7に一部を示すように第1図柄の意味を有する図柄ないし第9図柄の意味を有する図柄は、数字のキャラクタだけで構成されており、第10図柄の意味を有する図柄ないし第14図柄の意味を有する図柄は、人物や想像上のキャラクタだけで構成されている。
【0048】
例えば、
図7の(A)には、第1図柄の意味を有する確定図柄101、
図7の(B)には、第2図柄の意味を有する確定図柄103、
図7の(C)には、第3図柄の意味を有する確定図柄105、
図7の(D)には、第4図柄の意味を有する確定図柄107が示されている。
【0049】
これらのS100ないしS120の処理によって、1回の特別図柄遊技が特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21によって表示されるが、リーチ状態の表現を行なう情報が含まれる上記(1)の変動パターン指定コマンドは、
図6の変動パターン作成処理によって以下に示すように決定される。
【0050】
先ず、図示しない処理によって予め格納されている変動パターン選択用乱数バッファの値を取り出す変動パターン選択用乱数読込処理を行なう(S200)。次いでリーチ判定用乱数バッファの値を取り出すリーチ判定用乱数読込処理を行なう(S210)。次いで、大当りであるかを判断し(S220)、大当りの場合には、以後の大当りの場合の変動パターン決定処理(S230ないしS310)に移行する。
【0051】
大当りの場合の変動パターン決定処理では、先ず確率変動状態かを判断し(S230)、確率変動状態であれば、次に大当りの場合で、確率変動状態の場合用の変動パターン候補を提供する
図8の(A)に示すような第1変動パターン群111の選択を行なう(S240)。
【0052】
次に、S210で読み込んだリーチ判定用乱数に基づき、大当りの場合で、確率変動状態の場合用の図示しないリーチ状態選択テーブルに従って、リーチ状態の決定を行なう(S250)。ここで決定されるリーチ状態としては、
図3の(A)に基づいて、後述する通常確率のリーチ状態と、
図3の(B)に基づいて後述する少し高確率のリーチ状態と、
図3の(C)に基づいて後述する高確率のリーチ状態とがある。ここでは、高確率のリーチ状態が50パーセントの確率で選択され、少し高確率のリーチ状態が35パーセントの確率で選択され、通常確率のリーチ状態が15パーセントの確率で選択される。
【0053】
即ち、大当りの場合で、確率変動状態の場合には、高確率のリーチ状態が多く出現する。
次に、S250で決定されたリーチ状態に基づいて、S240で選択された第1変動パターン群111から、
図8の(A)に示す様なリーチパターン群113、115、117を選択する処理、即ちS250で決定されたリーチ状態を提供する変動パターンの集合を第1変動パターン群111から選択するリーチパターン群選択処理を行う(S260)。例えば、S250で高確率のリーチ状態が決定された場合には、高確率のリーチ状態のリーチパターン群113を選択し、S250で少し高確率のリーチ状態が決定された場合には、少し高確率のリーチ状態のリーチパターン群115を選択し、S250で通常確率のリーチ状態が決定された場合には、通常確率のリーチ状態のリーチパターン群117を選択する。
【0054】
次に、この選択されたリーチパターン群113、115、又は117から1つの変動パターンをS200で読み込んだ変動パターン選択用乱数に基づいて決定する変動パターン決定処理を行なう(S270)。例えば、
図8の(A)に示す様に高確率のリーチ状態のリーチパターン群113から、1つの変動パターン121を決定する。
【0055】
このS270で決定された変動パターンが、上記(1)の変動パターン指定コマンドとして、遊技制御装置3から表示制御装置5に送信される。
この(1)の変動パターン指定コマンドの送信により、特別図柄表示装置53が変動を開始し、S250で決定されたリーチ状態を後述する態様で表現する。ここでリーチ状態を表現する表示制御装置5には、変動パターン121の変動パターン指定コマンドを入力した場合には、例えば、
図8の(B)に示す様な(1)ないし(4)の変動パターンの制御が記されたスクリプトが設定されている。
【0056】
例えば、スクリプトとしては、
「(1)全図柄が変動を開始(変動時間20秒)する。
(2)変動開始時の左図柄+「2」の確定図柄に対応する高確率のリーチ状態の表現を行なう。
【0057】
(3)全図柄停止指定コマンドの入力で、リーチ状態から大当り図柄の表現を行なう。
(4)再変動して、確定図柄で大当りする。」が記されている。
これら(1)ないし(4)のスクリプトが表示制御装置5で実行されて、リーチ状態の表現や興趣ある画像の表現が行われる。
【0058】
又、上記S230の確率変動状態の判断で、確率変動状態でないとされた場合には、次に大当りの場合で、確率変動状態でない場合用の変動パターン候補を提供する図示しない第2変動パターン群選択を行なう(S280)。
【0059】
次に、S210で読み込んだリーチ判定用乱数に基づき、大当りの場合で、確率変動状態でない場合用の図示しないリーチ状態選択テーブルに従って、リーチ状態の決定を行なう(S290)。ここで決定されるリーチ状態は、高確率のリーチ状態が40パーセントの確率で選択され、少し高確率のリーチ状態が40パーセントの確率で選択され、通常確率のリーチ状態が20パーセントの確率で選択される。
【0060】
即ち、大当りの場合で、確率変動状態でない場合には、高確率のリーチ状態と少し高確率のリーチ状態が同じ確率で出現する。
次に、S290で決定されたリーチ状態に基づいて、S280で選択された第2変動パターン群から、リーチパターン群を選択する処理、即ちS290で決定されたリーチ状態を提供する変動パターンの集合を第2変動パターン群から選択するリーチパターン群選択処理を行う(S300)。次に、このリーチパターン群から1つの変動パターンをS200で読み込んだ変動パターン選択用乱数に基づいて決定する変動パターン決定処理を行なう(S310)。
【0061】
このS310で決定された変動パターンが、上記(1)の変動パターン指定コマンドとして、遊技制御装置3から表示制御装置5に送信される。
これにより、特別図柄表示装置53が変動を開始し、S290で決定されたリーチ状態を後述する態様で表現する。
【0062】
一方、S220の大当りであるかの判断で、大当りでないと判断された場合には、以後の外れの場合の変動パターン決定処理(S320ないしS400)に移行する。
外れの場合の変動パターン決定処理では、先ず確率変動状態かを判断し(S320)、確率変動状態であれば、次に外れの場合で、確率変動状態の場合に用いる変動パターンの候補を提供する図示しない第3変動パターン群選択を行なう(S330)。
【0063】
次に、S210で読み込んだリーチ判定用乱数に基づき、外れの場合で、確率変動状態の場合用の図示しないリーチ状態選択テーブルに従って、リーチ状態の決定を行なう(S340)。ここで決定されるリーチ状態は、高確率のリーチ状態が2パーセントの確率で選択され、少し高確率のリーチ状態が4パーセントの確率で選択され、通常確率のリーチ状態が20パーセントの確率で選択され、リーチが発生しない状態が74パーセントの確率で発生する。
【0064】
即ち、外れの場合で、確率変動状態の場合には、殆どリーチが発生しない状態が出現し、たまに通常確率のリーチ状態が出現する。高確率のリーチ状態と、少し高確率のリーチ状態とは、極めて希に出現するだけである。
【0065】
次に、S340で決定されたリーチ状態に基づいて、S330で選択された第3変動パターン群から、リーチパターン群(リーチが発生しないパターン群も含む)を選択する処理、即ちS340で決定されたリーチ状態、又はリーチが発生しない状態を提供する変動パターンの集合を第3変動パターン群から選択するリーチパターン群選択処理を行う(S350)。次に、このリーチパターン群から1つの変動パターンをS200で読み込んだ変動パターン選択用乱数に基づいて決定する変動パターン決定処理を行なう(S360)。
【0066】
このS360で決定された変動パターンが、上記(1)の変動パターン指定コマンドとして、遊技制御装置3から表示制御装置5に送信される。
これにより、特別図柄表示装置53が変動を開始し、S340で決定されたリーチ状態、又はリーチが発生しない状態を後述する態様で表現する。
【0067】
又、S320の判断で、確率変動状態でないとされた場合には、次に外れの場合で、確率変動状態でない場合に用いる変動パターンの候補を提供する図示しない第4変動パターン群選択を行なう(S370)。
【0068】
次に、S210で読み込んだリーチ判定用乱数に基づき、外れの場合で、確率変動状態でない場合用の図示しないリーチ状態選択テーブルに従って、リーチ状態の決定を行なう(S380)。ここで決定されるリーチ状態は、高確率のリーチ状態が0.1パーセントの確率で選択され、少し高確率のリーチ状態が1パーセントの確率で選択され、通常確率のリーチ状態が10パーセントの確率で選択され、リーチが発生しない状態が88.9パーセントの確率で発生する。
【0069】
即ち、外れの場合で、確率変動状態でない場合には、殆どリーチが発生しない状態が出現し、まれに通常確率のリーチ状態が出現する。高確率のリーチ状態と、少し高確率のリーチ状態とは、殆ど出現することはない。
【0070】
次に、S380で決定されたリーチ状態に基づいて、S370で選択された第4変動パターン群から、リーチパターン群(リーチが発生しないパターン群も含む)を選択する処理、即ちS380で決定されたリーチ状態、又はリーチが発生しない状態を提供する変動パターンの集合を第4変動パターン群から選択するリーチパターン群選択処理を行う(S390)。次に、このリーチパターン群から1つの変動パターンをS200で読み込んだ変動パターン選択用乱数に基づいて決定する変動パターン決定処理を行なう(S400)。
【0071】
このS400で決定された変動パターンが、上記(1)の変動パターン指定コマンドとして、遊技制御装置3から表示制御装置5に送信される。
これにより、特別図柄表示装置53が変動を開始し、S380で決定されたリーチ状態、又はリーチが発生しない状態を後述する態様で表現する。
【0072】
以上に説明した
図6の変動パターン作成処理により、特別図柄表示装置53に表現されるリーチ状態が通常確率のリーチ状態、少し高確率のリーチ状態、或いは高確率のリーチ状態の中から選択され、特別図柄表示装置53に以下に示すように表現される。
【0073】
図3の(A)は、通常確率のリーチ状態の図柄の態様を示し、
図3の(B)は、少し高確率のリーチ状態の図柄の態様を示し、
図3の(C)は、高確率のリーチ状態の図柄の態様を示す。
【0074】
特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21には、既述した(1)の変動パターン指定コマンド、(2)の左特別図柄指定コマンド、(3)の中特別図柄指定コマンド、(4)の右特別図柄指定コマンド、(5)の全図柄停止指定コマンドによって、第1図柄の意味を有する図柄ないし第14図柄の意味を有する図柄(但し、第3図柄の意味を有する図柄以外は図示を省略する。)の何れかが左列61、中列63、右列65の3列、上下方向YAにスクロールして、停止し、遊技の結果が大当りであるか否かが左列61、中列63、右列65の3列の横方向YBの並びで表現される。大当りの表現は、同一の意味を有する図柄が横方向YBに3列共に並んだ場合である。この遊技の結果を表現する場合の3列の横方向YBの並びを、確定図柄という。確定図柄は、遊技の最後に図柄の変動がしばらく停止することによって、変動図柄ではなく、確定図柄であることが示される。
【0075】
上記第1図柄の意味を有する図柄、ないし第9図柄の意味を有する図柄までの9種類の図柄は、確定図柄が数字だけで構成され、第10図柄の意味を有する図柄ないし第14図柄の意味を有する図柄は、確定図柄がキャラクタで構成されている。
【0076】
又、第1図柄の意味を有する図柄、ないし第14図柄の意味を有する図柄は、通常状態(大当りの期待度が高い状態以外、例えばリーチ状態以外や、大当りの抽選確率の変更に伴う確率変動状態以外の場合)では、確定図柄とほぼ同一の態様の図柄が変動表示、例えば上下方向YAにスクロールされる。
【0077】
上述したように特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21には、通常状態の場合には、相異態様図柄を用いず、確定図柄とほぼ同一の態様の特別図柄が変動表示される。つまり、通常状態では、確定図柄として数字だけで構成された第1図柄の意味を有する図柄、ないし第9図柄の意味を有する図柄と、確定図柄として構成された第10図柄の意味を有する図柄ないし第14図柄の意味を有する図柄とがスクロールされる。
【0078】
この状態で、特別図柄表示装置53がリーチ状態を表現する場合を説明する。
リーチ状態の表現では、
図3の(A)に示すように殆ど大当りに移行することのない通常確率のリーチ状態と、
図3の(B)に示すように、ときどき大当りに移行することがある少し高確率のリーチ状態と、
図3の(C)に示すように、半分程度は、大当りに移行する高確率のリーチ状態とが用いられる。
【0079】
図3の(A)に示す通常確率のリーチ状態では、先ず左列61と、中列63とが共に孵化直前の卵の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄71が横方向YBに並んだ時点で、通常確率のリーチ状態の表現が開始される。
【0080】
この孵化直前の卵の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄71は、第3図柄であることを数値で表現する数字態様73と、孵化直前の卵の態様75とが組み合わされて構成されている。
【0081】
リーチ状態の表現が開始されると、残りの右列65がリーチアクションのスクロールを行って、孵化直前の卵の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄71で一時停止すれば、この時点で、遊技の結果が大当りになったことが表現される。又、その他の第1図柄、第2図柄、第4図柄ないし第14図柄の場合には、遊技結果が外れとなって、遊技が確定する。
【0082】
一時停止したときに、大当りとなったことを表現した後は、左列61、中列63、右列65の3列の全てが再変動をして、最終的に大当りを表現する確定図柄で停止する。確定図柄は、既述したように、第1図柄の意味を有する図柄ないし、第9図柄の意味を有する図柄までの9種類の図柄は、確定図柄が数字だけで構成され、第10図柄の意味を有する図柄ないし第14図柄の意味を有する図柄は、確定図柄がキャラクタで構成されている。
【0083】
以上の通常確率のリーチ状態では、殆ど大当りに移行することのないリーチであることを孵化直前の卵の態様で表現し、第3図柄の意味を数値の3で表現する。
図3の(B)に示す少し高確率のリーチ状態では、先ず左列61と、中列63とが共にひよこの態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄81が横方向YBに並んだ時点で、少し高確率のリーチ状態の表現が開始される。
【0084】
このひよこの態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄81は、第3図柄であることを数値で表現する数字態様83と、ひよこの態様85とが組み合わされて構成されている。
リーチ状態の表現が開始されると、残りの右列65がリーチアクションのスクロールを行って、ひよこの態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄81で一時停止すれば、この時点で、遊技の結果が大当りになったことが表現される。又、その他の第1図柄、第2図柄、第4図柄ないし第14図柄の場合には、遊技結果が外れとなって、遊技が確定する。
【0085】
一時停止したときに、大当りとなったことを表現した後は、左列61、中列63、右列65の3列の全てが再変動をして、最終的に大当りを表現する確定図柄で停止する。確定図柄は、既述したように、第1図柄の意味を有する図柄ないし、第9図柄の意味を有する図柄までの9種類の図柄は、確定図柄が数字だけで構成され、第10図柄の意味を有する図柄ないし第14図柄の意味を有する図柄は、確定図柄がキャラクタで構成されている。
【0086】
以上の少し高確率のリーチ状態では、ときどき大当りに移行することがあるリーチであることを卵が孵化したひよこの態様で表現し、第3図柄の意味を数値の3で表現する。
図3の(C)に示す高確率のリーチ状態では、先ず左列61と、中列63とが共に鶏の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄91が横方向YBに並んだ時点で、高確率のリーチ状態の表現が開始される。
【0087】
この鶏の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄91は、第3図柄であることを数値で表現する数字態様93と、鶏の態様95とが組み合わされて構成されている。
リーチ状態の表現が開始されると、残りの右列65がリーチアクションのスクロールを行って、鶏の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄91で一時停止すれば、この時点で、遊技の結果が大当りになったことが表現される。又、その他の第1図柄、第2図柄、第4図柄ないし第14図柄の場合には、遊技結果が外れとなって、遊技が確定する。
【0088】
一時停止したときに、大当りとなったことを表現した後は、左列61、中列63、右列65の3列の全てが再変動をして、最終的に大当りを表現する確定図柄で停止する。確定図柄は、既述したように、第1図柄の意味を有する図柄ないし、第9図柄の意味を有する図柄までの9種類の図柄は、確定図柄が数字だけで構成され、第10図柄の意味を有する図柄ないし第14図柄の意味を有する図柄は、確定図柄がキャラクタで構成されている。
【0089】
以上の高確率のリーチ状態では、半々の確率で大当りに移行することがあるリーチであることをひよこが成長して卵を生む親鳥になった鶏の態様で表現し、第3図柄の意味を数値の3で表現する。
【0090】
上記3つのリーチ態様により、大当りの期待度が数字態様73、83、93に組み合わされた孵化直前の卵の態様75、ひよこの態様85、鶏の態様95で表現される。しかもこの鶏の成長過程で、大当りの期待度の高さを表現していることから、特別な説明を遊技機1に取り付けることなく、孵化直前の卵の態様75よりは、ひよこの態様85の方が大当りになりやすいと自然に感じ取れ、ひよこの態様85よりは鶏の態様95方が更に大当りになりやすいと本能的に感じて大当りへの期待感を膨らませることが出来る遊技機1を提供することが可能になる。
【0091】
即ち、遊技者の心理に則って、自然に大当りへの期待感を大きくすることが出来るという遊技性が優れ、且つ興趣のある図柄を提供することができるという極めて優れた効果を奏する。
【0092】
尚、
図3に基づく説明では、第1停止図柄である左列61の図柄と、第2停止図柄である中列63の図柄とが、同一の態様である場合を説明したが、これに限定されるものでなく、例えば第3図柄の意味を有するものであれば何れでも良く、例えば孵化直前の卵の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄71、ひよこの態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄81、鶏の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄91の何れの組合せでも良い。
【0093】
この場合には、リーチ状態を表現した2つの図柄の大当りの期待度の中間の大当りの期待度を表現する。例えば、ひよこの態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄81と、鶏の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄91とで、リーチ状態を表現した場合には、両方の中間の中確率のリーチ状態、例えば3割程度の大当り確率のリーチ状態を表現する。
【0094】
尚、上記の説明は、確定図柄と同一態様の数字図柄のみがスクロールする通常遊技からリーチ状態になった場合の説明をしたが、これに加えて通常遊技の開始時から、数字だけの図柄に替えて、例えば孵化直前の卵の態様75、ひよこの態様85、又は鶏の態様95等の相異態様図柄としてのキャラクタ図柄を表示するようにしても良い。このように始めからキャラクタ図柄を表示する場合を、大当りの期待値が極めて高い場合、例えば50パーセントの確率で大当りに移行する場合に限定しておく。これにより、始めからキャラクタ図柄が表示された場合には、遊技者は大当りへの移行を確信し、遊技の興趣を最大限に享受することが可能になる。
【0095】
又、リーチ状態を相異態様図柄としてのキャラクタ図柄を用いずに、確定図柄と同一態様の数字図柄のみで表現するようにしても良い。この場合には、希にリーチ状態を経て、大当りに移行するようにする。これにより、遊技客は、確定図柄と同一態様の数字図柄のみによるリーチでは、大当りへの期待感を殆ど有していないが、この状態で思いがけず大当りに移行する遊技性を享受することが出来る。
【0096】
又、実施例の説明では、通常遊技からリーチ状態になった場合の説明をしたが、これに加えて確率変動中のリーチ状態の場合には、高確率のリーチ状態を意味する例えば鶏の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄91だけでリーチ状態を表現するようにしても良い。
【0097】
或いは、確率変動中は、リーチ状態になる前から全ての図柄を高確率を意味する例えば鶏の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄91だけにしても良い。
又、確率変動中は、確定図柄を高確率を意味する例えば鶏の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄91だけにしても良い。
【0098】
上記説明は、確率変動中やリーチ状態の場合に図柄を大当りの期待度に応じて成長させる例を示したが、これに加えて、特別図柄保留ランプ23の点灯数に応じて、特定の図柄を成長させるようにしても良い。例えば、特別図柄保留ランプ23の点灯数が「0」の場合には、リーチ状態になる前は、確定図柄になる図柄がそのままスクロールし、点灯数が「1」、「2」の場合には、リーチ状態になる前、及びリーチ状態になった後も、何れかの図柄が例えば孵化直前の卵の態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄71相当に変更され、点灯数が「3」、「4」の場合には、リーチ状態になる前、及びリーチ状態になった後も、何れかの図柄の1種類、又は複数種類が例えばひよこの態様を備えた第3図柄の意味を有する図柄81相当に成長した図柄に変更される様にしても良い。
【0099】
この様にすることで、特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21だけを注視して、画像表示を楽しんでいても、保留玉数を知ることが出来、無駄玉の発射を防止することが可能になる。
【0100】
尚、実施の態様では、鶏の成長過程で大当りの期待度を示したが、これに限定されるものでなく成長過程、生育過程、向上過程、発展過程、拡大過程、進化過程、図柄の明度等を表現することが出来る対象であれば、どの様なものでも図柄で用いて良い。
【0101】
尚、本実施例では、実施の一態様であるパチンコ遊技機を用いて説明したが、これに限るものではない。
例えば、スロットル遊技機のように、スタートレバーを遊技者が操作したことにかかわり、当りに関する乱数を抽出し、該乱数抽出値に基づいて回胴リールと、その補助演出を行う情報(液晶)表示装置が駆動される遊技機においても、情報(液晶)表示装置での遊技演出に本発明を採用することが出来る。
【0102】
次に特許請求の範囲の構成と、発明の実施の形態との対応を説明する。
請求項1と請求項2の図柄表示手段は、特別図柄表示装置53の特別図柄表示部21、
相異態様図柄表示手段
は、「課題を解決するための手段及び発明の効果」に例として記載した内容が対応する。
【0104】
請求項
1の
変動図柄と同一の意味を有する相異態様図柄が複数設けられていることは、
図3に基づいて説明した内容が対応する
。