(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5800183
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】チェーンケース
(51)【国際特許分類】
F01M 1/06 20060101AFI20151008BHJP
【FI】
F01M1/06 Q
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-140872(P2011-140872)
(22)【出願日】2011年6月24日
(65)【公開番号】特開2013-7337(P2013-7337A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114959
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 徹也
(72)【発明者】
【氏名】勝又 昭広
【審査官】
川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−223078(JP,A)
【文献】
実開平02−050110(JP,U)
【文献】
特開平07−332034(JP,A)
【文献】
特開2004−251199(JP,A)
【文献】
特開2009−174463(JP,A)
【文献】
特開2009−068345(JP,A)
【文献】
特開平08−074597(JP,A)
【文献】
特開平08−200088(JP,A)
【文献】
特開2006−070758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンから突出するクランク軸の軸端部のクランクスプロケットとカム軸の軸端部のカムスプロケットに巻き掛けられたチェーンを前記クランク軸の軸方向外側から包覆するチェーンカバーと、
多数の開口が設けられると共に、前記軸方向外側から見て前記チェーンと重複するように、前記チェーンカバーの内壁と前記チェーンとの間に配置された区画板と、を備え、
前記区画板の上端部に、前記チェーンの側に屈曲して前記カムスプロケットの鉛直下方の前記チェーンに近接する位置まで延在する受け部が形成されるチェーンケース。
【請求項2】
前記受け部は、前記カムスプロケットが占有する幅方向の領域よりも幅広に形成される請求項1に記載のチェーンケース。
【請求項3】
前記区画板は、前記チェーンカバーの内壁の側に突出する凸状部と、
前記チェーンカバーの内壁の側の面に、オイルの流れる方向を形成する案内部と、を有する請求項1又は2に記載のチェーンケース。
【請求項4】
前記チェーンカバーの内壁に、前記区画板の側に突出する凸状部が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のチェーンケース。
【請求項5】
前記受け部は、前記カムスプロケットの鉛直下方を越えて前記エンジン側まで延在される請求項1に記載のチェーンケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンに付設されるチェーンを覆うチェーンケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クランク軸とカム軸との間で動力を伝達するチェーンを備えたエンジンが利用されてきた。殆どのエンジンでは、チェーンをチェーンケースで覆っているものがある。この種の技術として、下記に出典を示す特許文献1及び2に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載のエンジンのチェーンカバーは、当該チェーンカバーの上下方向に溝を設けて構成される。溝の開放部はプレートが嵌め込まれ、これによりチェーンカバー内にブロバイガスが流通する通路が形成される。チェーンカバーは、この通路をエンジンのシリンダヘッドの一端に形成される穴と連結して配設される。
【0004】
特許文献2に記載の内燃機関のオイル戻し構造は、チェーンを覆うチェーンケースを備えて構成され、シリンダヘッドを潤滑したオイルをシリンダブロックに形成されたオイル落とし通路を介してオイルパンに戻すよう構成されている。チェーンケースの内側には、オイル案内空間を形成するバッフルプレートが備えられており、オイル落とし通路からオイル案内空間にオイルを案内する連通管を備えて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−41922号公報
【特許文献2】特開2010−223078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載の技術は、シリンダブロック側で生成されたガスであるブロバイガスから分離したオイルをオイルパンに帰還させる帰還通路を、チェーンカバーに区画して形成している。ここで、ブロバイガスは、通常、クランクケースからインテークマニホールドに戻される。クランクケースから漏れてきたブロバイガスには、ミスト状のオイル(オイルミスト)が多量に含まれている。したがって、このままインテークマニホールドに戻すと、吸気系統にそのまま吸い込まれ、排ガス中の炭化水素が増加する可能性がある。
また、チェーンカバー内のチェーンの回動によりオイルのミスト化が促進され、チェーンカバー内の空間の圧力が高くなる。その結果、クランク室内の圧力が高まり、チェーンカバー内のブロバイガスがヘッドカバー側に逆流する可能性もある。
更には、プレートやバッフルプレートは一枚板状で構成されているので、チェーンの回動により飛散されたオイルが衝突し、異音が発生する可能性もある。
【0007】
本発明の目的は、チェーンの回動により飛散されたオイルに起因する異音を低減しつつ、オイルを適切にオイルパンに回収することが可能なチェーンケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るチェーンケースの特徴構成は、エンジンから突出するクランク軸
の軸端部のクランクスプロケットとカム軸の軸端部のカムスプロケットに巻き掛けられたチェーンを前記クランク軸の軸方向外側から包覆するチェーンカバーと、多数の開口が設けられると共に、前記軸方向外側から見て前記チェーンと重複するように、前記チェーンカバーの内壁と前記チェーンとの間に配置された区画板と、を備え
、前記区画板の上端部に、前記チェーンの側に屈曲して前記カムスプロケットの鉛直下方の前記チェーンに近接する位置まで延在する受け部が形成される点にある。
【0009】
このような特徴構成とすれば、チェーンカバーと区画板との間にオイルを集め、当該集めたオイルを区画板及びチェーカバーに沿ってオイルパンに回収することができる。また、チェーン近傍のオイルを少なくすることができるので、チェーンの回動によるオイルのミスト化を抑制できる。また、区画板に多数の開口が形成されているので、例えば区画板が垂直方向に立設していた場合であっても区画板の表面にオイルの膜を形成することができる。したがって、チェーンの回動によりオイルが区画板に飛散された場合でも、区画板に形成されたオイルの膜が飛散されたオイルを吸収するので、オイルが区画板に衝突した際に生じる異音を低減することができる。
また、このような構成とすれば、カムスプロケットから落下するオイルを直接、区画板で集め、オイルパンに回収することができる
【0010】
また、
前記受け部は、前記カムスプロケットが占有する幅方向の領域よりも幅広に形成されると好適である。
【0011】
【0012】
また、前記区画板は、
前記チェーンカバーの内壁の側に突出する凸状部と、前記チェーンカバーの内壁の側の面に、オイルの流れる方向を形成する案内部
と、を有すると好適である。
【0013】
このような構成とすれば、区画板に沿って流通するオイルの流通経路に凸状部が設けられるので、オイルの流通速度を遅くすることができる。したがって、区画板の下端からオイルパンに落下するオイルの初速を遅くすることができるので、オイルパンにおける気泡の発生を低減できる。
また、このような構成とすれば、区画板に達したオイルを、区画板に沿って積極的に流通させることができる。
【0014】
また、前記チェーンカバーの内壁に、前記区画板の側に突出する凸状部が形成されていると好適である。
【0015】
このような構成とすれば、チェーンカバーに沿って流通するオイルの流通経路に凸状部が設けられるので、オイルの流通速度を遅くすることができる。したがって、オイルパンの液面に達した時点でのオイルの速度を遅くすることができるので、オイルパンにおける気泡の発生を低減できる。
【0016】
また、
前記受け部は、前記カムスプロケットの鉛直下方を越えて前記エンジン側まで延在されると好適である。
【0017】
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】チェーンカバーの設置形態を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図1のIII−III線における断面図である。
【
図4】案内部を備えた区画板の一例を示す図である。
【
図7】その他の実施形態に係る区画板の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本発明に係るチェーンケースは、オイルに起因する異音の発生を抑制しつつ、適切にオイルパンにオイルを帰還させる機能を備えている。
図1は、チェーンケース100の設置形態を模式的に示した断面図である。
【0020】
エンジン1は、シリンダボア(図示せず)を内包するシリンダブロック10と、当該シリンダブロック10の上部に締結固定されるシリンダヘッド11と、シリンダブロック10の下部に締結固定されるオイルパン12とを有して構成される。また、シリンダヘッド11には、ヘッドカバー13が載置される。
【0021】
シリンダヘッド11からは、エンジン1の吸気弁及び排気弁を開閉駆動するカム軸(吸気弁用カム軸及び排気弁用カム軸)20が側方に突出して設けられる。また、シリンダブロック10の下方には、カム軸20と同方向に突出するクランク軸21が設けられる。カム軸20及びクランク軸21の軸端部には、カムスプロケット22及びクランクスプロケット23が設けられ、カムスプロケット22とクランクスプロケット23との間でチェーン24が巻き回される。つまり、チェーン24はエンジン1から突出するカム軸20及びクランク軸21に巻き掛けられる。これにより、クランク軸21の回転に応じた所定のタイミングで吸気弁及び排気弁を開閉駆動することが可能となる。
【0022】
本発明に係るチェーンケース100は、チェーンカバー51と区画板52とを備えて構成される。チェーンカバー51は、チェーン24をクランク軸21の軸方向外側から包覆する。したがって、チェーンカバー51は、エンジン1と協働してチェーン24を包覆する。
【0023】
チェーンカバー51は、
図2に示されるような、箱形状における所定の第1面と当該第1面に隣接する第2面とが切り取られた形状で構成される。チェーンカバー51の縁部55には、シリンダブロック10、シリンダヘッド11、オイルパン12、及びヘッドカバー13と締結固定する際に用いられるボルトの貫通孔56が設けられる。チェーンカバー51の縁部55をシリンダブロック10、シリンダヘッド11、オイルパン12、及びヘッドカバー13の夫々と当接させ、これらで形成される空間内にチェーン24が包覆される。したがって、この空間はチェーン24を包覆するチェーン包覆空間Aとされる(
図1参照)。
【0024】
区画板52は、チェーンカバー51の内壁とチェーン24との間に配置される。チェーンカバー51の内壁とは、
図1のようにエンジン1の側面にチェーンカバー51を締結固定した場合に、チェーン24を介して前記エンジン1の側面に対向する内壁が相当する。このような内壁は、
図1及び
図2において符号60を付して示される。したがって、区画板52は、チェーン24と内壁60との間であって、チェーン24と内壁60との夫々に対して離間して設けられる。
【0025】
また、区画板52は、クランク軸21の軸方向外側から見てチェーン24と重複するように配置される。クランク軸21の軸方向外側とは、エンジン1と対向する方向からエンジン1側を見た方向に相当する。
図3には、
図1のIII−III線における断面図が示される。ここで、理解を容易にするために、
図3にはクランク軸21、カムスプロケット22、クランクスプロケット23、及びチェーン24も二点鎖線で示される。
図3に示されるように、区画板52はチェーン24と重複する部分を有している。したがって、区画板52は、チェーン24と内壁60との間に、少なくとも区画板52が存在するように配置される(
図1参照)。
【0026】
また、
図3に示されるように、区画板52は、多数の開口が区画板52の全面にわたって散点的に設けられる。すなわち、区画板52は、多数の開口部65を有して構成される。本実施形態に係る開口部65は、区画板52の縁部63以外の全面に亘り、網目状に形成される。このような網目の開口部65は、網目を構成する線材が例えば横方向及び縦方向に並べられて構成することが可能である。これにより、チェーン24の回動により飛散されたオイルが、区画板52に付着して当該区画板52の表面にオイルの膜が形成され易くなる。このため、チェーン24により継続してオイルが飛散されても、オイルは区画板52の表面に形成されたオイルの膜に吸着されることになる。したがって、飛散されたオイルが直接チェーンカバー51に衝突しないので、異音の発生を低減できる。また、本実施形態では、開口部65が網目で形成されるので、区画板52が軽量化され、燃費が向上する。
【0027】
ここで、オイルは温度により粘度が変化する。したがって、オイルの粘度が変化した場合でも区画板52の表面にオイルの膜が形成されるよう、網目の開口サイズを適切に選択すると好適である。例えば、このような開口サイズとして2mm角とすると好適である。もちろん、オイルの種類によって、2mm角以上とすることも可能であるし、2mm角未満とすることも当然に可能である。これによりオイルの粘度に拘らず、区画板52の表面にオイルの膜を形成することができる。この網目部材は、例えばオイルパン12からオイルを吸い上げるストレーナ(図示せず)の先端部に設けられる網目部材を利用することが可能である。したがって、部材を統一することができるので製造コストを低減できる。
【0028】
また、
図2に示されるように、区画板52は、チェーンカバー51の内壁60の側に突出する凸状部70を有して構成される。本実施形態では、凸状部70は複数形成される。また、この凸状部70は区画板52の幅方向に沿って、すなわち網目を形成する横方向の線材と平行に形成すると好適である。このように凸状部70を形成することにより、区画板52を伝って流通するオイルの流れを遅くすることができる。したがって、区画板52の下端から当該区画板52の鉛直下方に設けられるオイルパン12に落下するオイルの初速を遅くすることができるので、オイルパン12内での気泡の発生を抑制できる。このため、油圧制御装置へ供給するオイル内の気泡を低減できるので、適切に油圧制御装置の油圧制御を行うことが可能となる。また、上述のように網目を形成する線材が横方向に配置されているので、凸状部70の形成を容易に行うことができる。
【0029】
区画板52の縁部63には、凸状部70と同方向に突出する取付部71が設けられる。この取付部71をチェーンカバー51の固定部89に固定することにより、区画板52をチェーンカバー51に固定することができる。この固定は、嵌合により行っても良いし、嵌合させた後、ボルトで固定する形態としても良い。
【0030】
区画板52の上端部には、チェーン24の側に屈曲する受け部72が形成される。受け部72は、
図1に示されるように、区画板52の上端部に設けられ、チェーンカバー51の内壁60から遠ざかるように屈曲して設けられる。これにより、カム軸20及びカムスプロケット22の周辺から飛散されるオイルをチェーンカバー51と区画板52との間に集め易くなる。したがって、エンジン1と区画板52との間の側のオイルを少なくすることができるので、チェーン24の回動により生じるオイルミストの発生を低減することができる。
【0031】
このように本チェーンケース100によれば、チェーンカバー51と区画板52との間にオイルを集め、当該集めたオイルを区画板52及びチェーンカバー51に沿ってオイルパン12に回収することができる。また、チェーン24近傍のオイルを少なくすることができるので、チェーン24の回動によるオイルのミスト化を抑制できる。また、区画板52に多数の開口が形成されているので、例えば区画板52が垂直方向に立設していた場合であっても区画板52の表面にオイルの膜を形成することができる。したがって、チェーン24の回動によりオイルが区画板52に飛散された場合でも、区画板52に形成されたオイルの膜が飛散されたオイルを吸収するので、オイルが区画板52に衝突した際に生じる異音を低減することができる。
【0032】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、区画板52は、チェーンカバー51の内壁60の側に突出する凸状部70を有して構成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。凸状部70を有することなく区画板52を構成することも当然に可能である。
【0033】
上記実施形態では、区画板52は、当該区画板52の上端部に、チェーン24の側に屈曲する受け部72を有して構成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。チェーン24と反対側に屈曲するように受け部72を構成することも可能であるし、受け部72を屈曲させないで構成することも当然に可能である。
【0034】
上記実施形態では、区画板52は、凸状部70が区画板52の幅方向に沿って形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、
図4に示されるように、チェーンカバー51の内壁60の側の面に、オイルの流れを形成する案内部82を有して構成することも可能である。例えば案内部82は、区画板52の幅方向に対して所定の角度を有するように構成すると好適である。これにより、区画板52に達したオイルを、区画板52に沿って積極的に流通させることができる。また、区画板52のチェーン24に対向する側の面に、凸状部70及び案内部82の双方を構成することも当然に可能である。
【0035】
また、チェーンカバー51の内壁60に、区画板52の側に突出する凸状部や案内部を形成することも可能である。例えば凸状部をチェーンカバー51の幅方向に沿って形成することにより、チェーンカバー51に沿って流通するオイルの流通経路に凸状部が設けられるので、オイルの流通速度を遅くすることができる。また、案内部を形成する場合には、案内部に沿って積極的にオイルを流通させることができる。このような構成であっても、オイルパン12の液面に達した時点でのオイルの速度を遅くすることができるので、オイルパン12における気泡の発生を低減できる。
【0036】
上記実施形態では、区画板52の開口部65は、網目を構成する線材が横方向及び縦方向に並べられて構成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、
図5に示されるように、開口部65の網目を構成する線材を横方向及び縦方向に対して交差するように並べて形成することも当然に可能である。係る場合、横方向の線材を有さずに構成されるので、オイルが流通する際の抵抗を低減することができる。したがって、区画板52の下方に向けて積極的にオイルを案内することができる。また、開口部65の形状は、格子状に限定されるものではなく、多角形で構成すること可能であるし、円形状でも良い。更には、線材で構成することに限定されず、
図6に示されるように、区画板52に複数の開口部65が離散的に配置されたパンチングメタルで構成することも可能である。
【0037】
上記実施形態では、区画板52は、チェーンカバー51の内壁60とチェーン24との間に配置されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。クランク軸21の軸方向外側から見て、チェーン24で形成された環状形状の径方向内側を区画板52の上端部が貫通するように構成することも可能である。このような区画板52の斜視図が
図7(a)に示される。また、クランク軸21の軸方向に直交する側から見た断面図が
図7(b)に示される。
図7(a)及び
図7(b)に示されるように、受け部72をカムスプロケット22の鉛直下方まで、又は、カムスプロケット22の鉛直下方を越えて設けることができる。これにより、カムスプロケット22から落下するオイルを直接、区画板52で集め、オイルパン12に回収することが可能となる。
【0038】
本発明は、エンジンに付設されるチェーンを覆うチェーンケースに利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:エンジン
21:クランク軸
24:チェーン
51:チェーンカバー
52:区画板
60:内壁
70:凸状部
72:受け部
82:案内部
100:チェーンケース