特許第5800382号(P5800382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5800382
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】混焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23C 1/00 20060101AFI20151008BHJP
【FI】
   F23C1/00 301
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-48991(P2011-48991)
(22)【出願日】2011年3月7日
(65)【公開番号】特開2012-184895(P2012-184895A)
(43)【公開日】2012年9月27日
【審査請求日】2014年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130651
【氏名又は名称】株式会社サムソン
(72)【発明者】
【氏名】高島 博史
(72)【発明者】
【氏名】高畠 重俊
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−334220(JP,A)
【文献】 特開平10−099730(JP,A)
【文献】 特開平11−132409(JP,A)
【文献】 特開2007−255801(JP,A)
【文献】 実開平01−144629(JP,U)
【文献】 特開2010−255931(JP,A)
【文献】 特開2007−113887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低燃焼時には第一ノズルからのみ噴霧した燃料で燃焼を行い、高燃焼時には第一ノズルと第二ノズルの両方から噴霧した燃料で燃焼を行うようにしている燃焼装置であって、第一ノズルと第二ノズルには、A重油や灯油などである標準燃料を供給する標準燃料配管と、可燃性の廃液など標準燃料に比べると燃焼性能の劣る処理燃料を供給する処理燃料配管をそれぞれ接続しておき、標準燃料と処理燃料を混合燃焼することができるようにしている混焼装置において、
第一ノズルは先端で標準燃料と処理燃料を混合することのできるノズルを使用し、第一ノズルへは標準燃料のみの供給と、標準燃料及び処理燃料の両方供給を切り替えることができるようにしており、第二ノズルへは標準燃料と処理燃料のいずれか一方を供給することができるようにしておき、第一ノズルの先端部には標準燃料の供給により旋回流を形成する旋回溝を設けた部材を持ち、旋回溝後流からノズル先端の噴出口までの内空間でつくられる旋回空間に直接処理燃料を供給するものであって、低燃焼時には、第一ノズルに対して標準燃料と処理燃料の両方を供給することで低燃焼を行い、高燃焼時には、第一ノズルは標準燃料のみの供給へ切り替え、第二ノズルから処理燃料を供給することで高燃焼を行う方式へ切り替わるものであることを特徴とする混焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載の混焼装置において、処理燃料を十分に供給することができる場合の低燃焼時には、第一ノズルに対して標準燃料と処理燃料の両方を供給することで低燃焼を行い、処理燃料を十分に供給することができない場合の低燃焼時には、第一ノズルに対して低燃焼に必要な量の標準燃料を供給することで低燃焼を行い、処理燃料を十分に供給することができる場合の高燃焼時には、第一ノズルに対して標準燃料を供給するとともに、第二ノズルに対して処理燃料を供給することで高燃焼を行い、処理燃料を十分に供給することができない場合の高燃焼時には、第一ノズルと第二ノズルに対して標準燃料を供給することで高燃焼を行うようにしたことを特徴とする混焼装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の混焼装置において、着火時には、処理燃料の供給可能か否かにかかわらず、第一ノズルに対して標準燃料のみを供給している状態で燃焼を開始するものであることを特徴とする混焼装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の混焼装置において、第一ノズル及び第二ノズルへ処理燃料を供給する処理燃料用配管のそれぞれに洗浄水供給配管を接続しておき、燃焼を停止したノズルに対して洗浄水を供給することでノズル噴霧部の洗浄を行うようにしたことを特徴とする混焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の液状燃料を混合して燃焼することができるようにした混焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2010−255931号公報にも記載があるように、A重油や灯油などの標準的な燃料に加えて、その他の燃料を燃焼するようにしている混焼装置が知られている。廃アルコールや廃食用油など、標準燃料に比べると燃焼性が劣る可燃性液である処理燃料を燃焼する場合、処理燃料のみでは安定した燃焼を行いにくいため、標準燃料と処理燃料を共に燃焼する混焼装置が広く使用されている。混焼装置の場合、標準燃料を噴霧する標準燃料用ノズルと、処理燃料を噴霧する処理燃料用ノズルを設けておき、標準燃料による火炎に処理燃料を噴霧することで燃焼を行うようにしている。混焼装置は、単に処理燃料を焼却するためだけに燃焼するのではエネルギを無駄使いすることになるため、ボイラなどの熱機器に組み込み、燃焼熱を有効に利用するようにしている。ボイラが高燃焼と低燃焼で燃焼量を調節するものであった場合、混焼装置には低燃焼用のノズルと高燃焼用のノズルを設置しておき、低燃焼時には低燃焼用のノズルからのみ燃料を噴霧、高燃焼時には低燃焼用ノズルと高燃焼ノズルの両方から燃料を噴霧する。このとき、低燃焼用ノズルには標準燃料を供給し、高燃焼用ノズルには処理燃料を供給するようにしておけば、処理燃料燃焼時には必ず標準燃料による燃焼を行っているため、燃焼性の悪い処理燃料であっても良好に燃焼することができる。
【0003】
しかしこの場合、処理燃料を燃焼できるのは高燃焼を行う場合のみであり、低燃焼状態では処理燃料を燃焼することができない。また、処理燃料は副生物として発生するものであるため、処理燃料が足りなくなる場合もある。高燃焼は処理燃料で行うものであった場合には、処理燃料がなくなると高燃焼を行うことができない、といったことが問題になる。さらにまた、低燃焼時には高燃焼用ノズル内での燃料の流れが止まり、高燃焼用ノズルの温度が高くなるため、処理燃料が不純物を含んだものであった場合などには、高燃焼用ノズル内で熱による揮発によって処理燃料内の不純物が固着し、ノズルが閉塞することで燃焼不良が発生するということもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−255931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、標準燃料に比べると燃焼性の劣る処理燃料を標準燃料とともに燃焼する混合燃焼を行う場合に、ノズルが閉塞することなく安定的に燃焼することを可能とする。さらに、燃焼量の大小や処理燃料供給の有無によって燃焼が制限されることもない混焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
低燃焼時には第一ノズルからのみ噴霧した燃料で燃焼を行い、高燃焼時には第一ノズルと第二ノズルの両方から噴霧した燃料で燃焼を行うようにしている燃焼装置であって、第一ノズルと第二ノズルには、A重油や灯油などである標準燃料を供給する標準燃料配管と、可燃性の廃液など標準燃料に比べると燃焼性能の劣る処理燃料を供給する処理燃料配管をそれぞれ接続しておき、標準燃料と処理燃料を混合燃焼することができるようにしている混焼装置において、第一ノズルは先端で標準燃料と処理燃料を混合することのできるノズルを使用し、第一ノズルへは標準燃料のみの供給と、標準燃料及び処理燃料の両方供給を切り替えることができるようにしており、第二ノズルへは標準燃料と処理燃料のいずれか一方を供給することができるようにしておき、第一ノズルの先端部には標準燃料の供給により旋回流を形成する旋回溝を設けた部材を持ち、旋回溝後流からノズル先端の噴出口までの内空間でつくられる旋回空間に直接処理燃料を供給する。
【0007】
処理燃料を十分に供給することができる場合の低燃焼時には、第一ノズルに対して標準燃料と処理燃料の両方を供給することで低燃焼を行い、処理燃料を十分に供給することができない場合の低燃焼時には、第一ノズルに対して低燃焼に必要な量の標準燃料を供給することで低燃焼を行い、処理燃料を十分に供給することができる場合の高燃焼時には、第一ノズルに対して標準燃料を供給するとともに、第二ノズルに対して処理燃料を供給することで高燃焼を行い、処理燃料を十分に供給することができない場合の高燃焼時には、第一ノズルと第二ノズルに対して標準燃料を供給することで高燃焼を行う。
【0008】
前記の混焼装置において、着火時には、処理燃料の供給可能か否かにかかわらず、第一ノズルに対して標準燃料のみを供給している状態で燃焼を開始する。また、処理燃料を供給する処理燃料用配管に洗浄水供給配管を接続しておき、燃焼停止後にノズルへ洗浄水を供給することでノズル噴霧部の洗浄を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明を実施すると、第一ノズルの旋回溝には標準燃料のみが流れ、処理燃料に影響されずに常に安定した旋回流が形成されている中に処理燃料が均一に混合されて速やかに噴霧され、第一ノズルのみで燃焼する低燃焼時においても、安定した燃焼状態を維持しながら処理燃料の処理が行える。本構造とすることで、旋回溝までは常に標準燃料のみで処理燃料や洗浄水が入り込まないため、残処理燃料などによる着火不良が起こりにくいメリットも得られる。高燃焼時には、燃焼室内に占める火炎ボリュームが大きくなるため、低燃焼と同じくノズル内で標準燃料と処理燃料を混合した状態で噴霧して燃焼を行うと、処理燃料の成分によっては未燃分の排出量が増加する場合がある。そのため、高燃焼時には第一ノズルへは標準燃料のみ供給に切り替えて火種となる標準燃料火炎を安定形成させ、第二ノズルからは処理燃料のみを供給して前記標準燃料火炎中で混焼を行う方式に切り替えることで、燃焼の安定性向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例での燃料供給フロー図
図2】本発明の一実施例での燃料供給状況説明図
図3】本発明の一実施例で使用している先端で旋回混合するノズルの断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施している混焼装置における燃料供給フローを示したものである。図1は、A重油や灯油といった標準燃料と、廃液など標準燃料に比べると燃焼性の劣る処理燃料を燃焼する混焼装置であって、高燃焼と低燃焼で燃焼量を切り替えることのできるものである。ここでは、標準燃料としてA重油、処理燃料として廃液を供給するようにしている。
【0012】
低燃焼用の燃料を噴霧するノズルとして第一ノズル1、高燃焼用の燃料を噴霧するノズルとして第二ノズル2を設ける。第一ノズル1は、図3に記載しているような、ノズル先端部分で2系統の燃料を旋回混合した後に噴霧する構造の油圧噴霧ノズル(比例タイプ)を使用する。このノズルは、主管13からの流体と副管14からの流体をノズル先端で混合して噴霧するものであり、ノズル先端部で燃料の旋回流を形成する旋回溝15を設けている。主管13はA重油を供給する標準燃料配管3と接続しており、主管13側からA重油を供給すると、A重油は旋回溝15で激しく旋回する。副管14は廃液を供給する処理燃料配管4と接続しており、副管14側から廃液を供給すると、A重油の旋回流に廃液を供給することになり、ノズル先端でA重油と廃液は混合される。また、副管14を接続している処理燃料配管4には、洗浄水を供給する洗浄水用配管5を接続しており、副管14へ洗浄水を供給することでノズル内の流路を洗浄することができるようにもしている。第二ノズル2は、通常の油圧噴霧ノズルを使用することができ、ノズル先端で旋回混合させる構造は必要ない。第二ノズル2にも、標準燃料配管3と処理燃料配管4を接続しており、処理燃料配管4には洗浄水用配管5を接続している。そのため第二ノズル2では、A重油、廃液、洗浄水のいずれかを噴霧することができ、この場合は混合させることなく単一の流体を噴霧することになる。
【0013】
第一ノズル1へA重油を供給する配管途中には第一標準燃料制御弁6、第一ノズル1へ廃液を供給する配管途中には第一処理燃料制御弁8を設ける。第一標準燃料制御弁6は第一ノズル1へ標準燃料を供給する標準燃料配管3の並列部に設けた二つの制御弁からなっており、片方の制御弁のみを開いた場合と両方の制御弁を開いた場合で第一ノズル1へ供給する標準燃料の量が異なるようにしている。また、第二ノズル2へA重油を供給する配管途中には第二標準燃料制御弁7、第二ノズル2へ廃液を供給する配管途中には第二処理燃料制御弁9を設け、第一ノズル1へ洗浄水を供給する配管途中には第一洗浄水制御弁10、第二ノズル2へ洗浄水を供給する配管途中には第二洗浄水制御弁11を設ける。第一標準燃料制御弁6、第二標準燃料制御弁7、第一処理燃料制御弁8、第二処理燃料制御弁9、第一洗浄水制御弁10、第二洗浄水制御弁11は、それぞれ運転制御装置12と接続しておき、運転制御装置12が各制御弁の作動を制御する。
【0014】
図1の制御弁部分に記載している数値と図2の数値は、各制御弁を通過する燃料量を記載したものである。本実施例では、各制御弁を通過する燃料量は、第二標準燃料制御弁7及び第二処理燃料制御弁9で0又は50、第一標準燃料制御弁6では0/25/50のいずれか、第一処理燃料制御弁8では0又は25としている。第一標準燃料制御弁6は二つの制御弁からなっており、片方の制御弁のみを開いた場合は25、両方の制御弁を開いた場合は50となる。この数値は、第一ノズル1及び第二ノズル2の両方から燃料を噴霧した場合の噴霧量を100とし、第一ノズル1と第二ノズル2での噴霧量は等量とした場合の比率であり、低燃焼と高燃焼のターンダウン比などの設定値が異なれば、制御弁の流量比率も異なることになる。また、第一標準燃料制御弁6及び第一処理燃料制御弁8の25は、両方を足した場合に50になる組み合わせの一例であって、実際にはA重油と廃液の適正な混合比から定めるため、廃液の性状によって例えばA重油:廃油の比を30:20とするなど、適宜適正な値を選択することになる。なお、ノズルへの洗浄水の供給はノズル内に残留した廃液を洗浄するために行うものであって、精密な流量制御は必要ないため、第一洗浄水制御弁10及び第二洗浄水制御弁11での通過流量の記載は省略している。
【0015】
燃焼時の燃料供給状況は図2に記載しているようになる。実施例の混焼装置は、高燃焼、低燃焼、停止の3位置で燃焼を行うものであり、低燃焼時には第一ノズル1からのみ燃料を噴霧、高燃焼時には第一ノズル1と第二ノズル2の両方から燃料を噴霧する。また、廃液は発生量が増減するため、状況によっては燃焼する廃液がなくなる場合もあるとしている。そのため、廃液あり/なしに応じて燃料供給状況を異ならせることで、廃液がない場合でも高燃焼を行えるようにしている。
【0016】
着火は低燃焼で行い、着火時には燃焼性の良いA重油のみで行うため、着火時には第一標準燃料制御弁6の両方を開とし、他の制御弁は閉じておく。この場合、第一ノズル1から50のA重油を噴霧することになり、第一ノズルから噴霧しているA重油の噴霧範囲内に火種を供給するとA重油による燃焼が始まる。
【0017】
廃液がある場合、低燃焼時には第一処理燃料制御弁8を開き、第一標準燃料制御弁6は一方のみを開いてもう一方は閉じる半開としておき、A重油と廃液を25ずつ第一ノズル1へ供給する。第一ノズル1では、先端近くの旋回部でA重油が旋回しているところに廃液を混合すると、A重油と廃液は撹拌混合され、混合した状態でノズルの先側へ噴霧することになる。旋回溝15には性状の安定したA重油のみが流れ、廃液の影響は受けないために安定した旋回流が形成できる。安定した旋回流に廃液を供給するものであるため、廃液は均一に混合されて速やかに噴霧される。火炎に対して十分に混合されたA重油と廃液を噴射すると、安定的な燃焼を行うことができるため、第一ノズル1のみで燃焼する低燃焼時においても、安定した燃焼状態を維持しながら廃液処理が行える。また、旋回溝15の部分に廃液が入ると、廃液内の不純物が固着するおそれがあるが、第一ノズル1の先端で廃液を混合する構造のため、第一ノズル1の旋回溝15までは常にA重油のみが流れ、廃液や洗浄水が入り込むことはない。そのため、残留廃液などによる着火不良が起こりにくいというメリットも得られる。
【0018】
廃液あり時において、低燃焼から高燃焼へ変更する場合は、第一処理燃料制御弁8を閉じ、第一標準燃料制御弁6は両方とも開く全開にするとともに第二処理燃料制御弁9を開く。この場合には、第一ノズル1へはA重油のみが供給され、第二ノズル2へは廃液のみが供給される。第一ノズル1が噴霧するのは燃焼性のよいA重油であるため、第一ノズル1での燃焼は良好に行われ、第二ノズル2から噴霧する廃液は、良好な燃焼が行われている火炎に向けて噴霧することになるために、廃液も良好に燃焼することができる。高燃焼時には、燃焼室内に占める火炎ボリュームが大きくなるため、低燃焼時と同じように第一ノズル1と第二ノズル2のそれぞれでA重油と廃液を噴霧して燃焼を行った場合には、廃液成分によっては未燃分の排出量が増加する場合がある。高燃焼時は、第一ノズル1からはA重油のみを噴霧するようにし、火種となるA重油火炎を安定形成させ、第二ノズル2からは廃液のみを供給して前記A重油火炎中で混焼を行う方式に切り替えることで、燃焼の安定性向上を図る。
【0019】
廃液がない場合の低燃焼時には、第一標準燃料制御弁6を全開とし、他の制御弁はすべて閉じる。第一標準燃料制御弁6を全開とすれば、廃液を供給しなくても低燃焼に必要な50の燃料を第一ノズル1へ供給することができ、A重油のみで低燃焼の燃焼量を確保することができる。廃液がない場合の高燃焼時には、第一標準燃料制御弁6を全開にするとともに、第二標準燃料制御弁7も開き、他の制御弁はすべて閉じる。この場合には第一標準燃料制御弁6と第二標準燃料制御弁7からそれぞれ50のA重油を噴霧することになるため、A重油のみで高燃焼の燃焼量を確保することができる。
【0020】
また、燃焼を停止する際には、廃液がある場合でも第一処理燃料制御弁8を閉じ、第一標準燃料制御弁6を全開としてA重油のみを燃焼している状態で燃焼を停止する。燃焼停止前に第一処理燃料制御弁8を閉じ、A重油のみを送るようにしておくことで、燃焼停止時に第一ノズル1内に廃液が残留することを防止する。
【0021】
さらに燃焼停止後には、第一ノズル1及び第二ノズル2の洗浄を行うことで、ノズルの洗浄性は更に高まる。高燃焼から低燃焼に変更することで第二ノズルでの処理燃料の燃焼が停止すれば、第二洗浄水制御弁11を開くことで第二ノズルへ洗浄水を送り第二ノズルの洗浄を行う。同様に低燃焼を停止することで第一ノズルでの処理燃料の燃焼が停止すれば、第一洗浄水制御弁10を開くことで第一ノズルへ洗浄水を送り第一ノズルの洗浄を行う。廃液による汚れがノズル内部に付くこと防止するようにしておくことで、次回燃焼時に廃液によってノズルが閉塞し、燃焼不良が発生することを防止することができる。
【0022】
以上のような制御を行うと、低燃焼や高燃焼で燃焼量を変更する場合であっても、それぞれで安定した燃焼を行うことができ、燃焼量に応じた量の廃液を燃焼することができるため、廃液の処理量を増加することができる。また、廃液がなくなった場合でも高燃焼を行うことができるため、廃液量に関係なく必要な燃焼量を確保することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 第一ノズル
2 第二ノズル
3 標準燃料配管
4 処理燃料配管
5 洗浄水用配管
6 第一標準燃料制御弁
7 第二標準燃料制御弁
8 第一処理燃料制御弁
9 第二処理燃料制御弁
10 第一洗浄水制御弁
11 第二洗浄水制御弁
12 運転制御装置
13 主管
14 副管
15 旋回溝
図1
図2
図3