(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5800481
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】杭打機
(51)【国際特許分類】
B66C 13/56 20060101AFI20151008BHJP
B66D 1/44 20060101ALI20151008BHJP
B66D 1/54 20060101ALI20151008BHJP
E02D 7/00 20060101ALI20151008BHJP
【FI】
B66C13/56
B66D1/44 J
B66D1/44 K
B66D1/54 Z
E02D7/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-203872(P2010-203872)
(22)【出願日】2010年9月13日
(65)【公開番号】特開2012-56751(P2012-56751A)
(43)【公開日】2012年3月22日
【審査請求日】2013年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】冨田 庸公
(72)【発明者】
【氏名】谷本 智紀
【審査官】
日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−193590(JP,A)
【文献】
特開平09−058971(JP,A)
【文献】
特開昭61−285520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/56,15/00,23/88
B66D 1/44, 1/54
E02D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体の上部に上部旋回体を旋回可能に搭載し、該上部旋回体には、複数のウインチドラムと、各ウインチドラムに巻回したワイヤロープをそれぞれ架け渡す複数のシーブと、運転室とを備え、該運転室に、前記各ウインチドラムに対応する操作レバーと、ブレーキペダルと、ブレーキモードとフリーフォールモードとを確認するモード確認ランプとをそれぞれ配置し、前記上部旋回体前部のフロントブラケットにリーダを起伏可能に設けるとともに、該リーダに沿って作業装置を昇降可能に設けた杭打機において、
前記複数のウインチドラムは、第1ワイヤロープを巻回する第1ウインチドラムと、第2ワイヤロープを巻回する第2ウインチドラムと、第3ワイヤロープを巻回する第3ウインチドラムとを前記上部旋回体の上部に軸線を幅方向に向けて配置されており、第1乃至第3の各ウインチドラムには、ドラムカバーがそれぞれ設けられ、
前記第1ワイヤロープは、前記フロントブラケット上に設けられた下部第1ガイドシーブ、前記リーダの上部背面に設けられた上部第1ガイドシーブ、前記リーダ頂部に設置されたトップシーブブロック後部に設けられた後部第1トップシーブ、トップシーブブロック前部に設けられた固定側第1ガイドシーブブロック、前記作業装置に設けられた移動側第1ガイドシーブブロックに順に掛け渡され、
前記第2ワイヤロープは、上方に立ち上がって、上部旋回体後部のガントリに設けられた第1ガントリシーブ、前記フロントブラケット上に設けられた下部第2ガイドシーブ、前記リーダの上部背面に設けられた上部第2ガイドシーブ、トップシーブブロック後部に設けられた後部第2トップシーブ、リーダの一側に配置された第1側部ガイドシーブに順に掛け渡され、
前記第3ワイヤロープは、上方に立ち上がって、前記ガントリに設けられた第2ガントリシーブ、フロントブラケット上に設けられた下部第3ガイドシーブ、リーダの上部背面に設けられた上部第3ガイドシーブ、トップシーブブロック後部に設けられた後部第3トップシーブ、リーダの一側に配置された複数の第2側部ガイドシーブに順に掛け渡され、
前記運転室内の前方に設けられた操作スタンドには、前記第1ウインチドラムを操作するメインドラム操作レバー、前記第2ウインチドラムを操作するサブドラム操作レバー及び前記第3ウインチドラムを操作するサードドラム操作レバーが配設されるとともに前記第1乃至第3ウインチドラムがそれぞれブレーキモード状態かフリーフォールモード状態であるかを確認するための第1ウインチモード確認ランプ、第2ウインチモード確認ランプ及び第3ウインチモード確認ランプがそれぞれ配置され、
前記操作スタンド手前の床には、前記第1ウインチドラム制動用のメインドラムブレーキペダル、前記第2ウインチドラム制動用のサブドラムブレーキペダル及び前記第3ウインチドラム制動用のサードドラムブレーキペダルが配置され、
前記第1ウインチドラム及び第1ウインチドラムに関連する前記ドラムカバーと前記各シーブとシーブブロック並びに前記メインドラム操作レバーのノブ、前記メインドラムブレーキペダル及びモード確認ランプとを同一色で着色し、
前記第2ウインチドラム及び第2ウインチドラムに関連する前記ドラムカバーと前記各シーブ並びに前記サブドラム操作レバーのノブ、前記サブドラムブレーキペダル及びモード確認ランプとを、前記第1ウインチドラム及び第1ウインチドラムに関連する色とは異なる同一色で着色し、
前記第3ウインチドラム及び第3ウインチドラムに関連する前記ドラムカバーと前記各シーブ並びに前記サードドラム操作レバーのノブと、前記サードドラムブレーキペダル及びモード確認ランプとを、前記第1、第2ウインチドラム及び第1、第2ウインチドラムに関連する色とは異なる同一色で着色した
ことを特徴とする杭打機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明
は、上部旋回体に複数のワイヤロープが架け渡される複数のウインチドラムと複数のシーブと運転室とを備え、該運転室に、各ウインチドラムに対応する操作レバーと、ブレーキペダルと、ブレーキモードとフリーフォールモードとを確認するモード確認ランプとをそれぞれ配置した
杭打機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレーンや杭打機等の建設機械の運転室には、上部旋回体に搭載された複数のウインチドラムの操作や、下部走行体に配置した一対のクローラの操作、上部旋回体の旋回操作を行うための複数の操作レバーや、各ウインチドラムのブレーキペダルが設けられている。この複数のウインチドラムや操作レバーの誤作動を防止するために、各ウインチドラム毎に操作レバーやブレーキペダルをそれぞれ同色に着色し、どの操作レバーとブレーキペダルとが対応しているのかを運転者が容易に視認できるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、クレーン等に装備されるウインチドラムとして、操作レバー中立時に自動的にブレーキが掛かり負荷(吊荷)が下がらないように保持するブレーキモードと、レバー中立時にフットペダルによって負荷を保持し、ペダルを放すと負荷が自重によって自由落下するフリーフォールモードとを備えたものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3096886号公報
【特許文献2】特開2000−143176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の特許文献1のものでは、各ウインチドラム毎に対応する操作レバーとブレーキペダルとが同色に着色されていることから、ある程度の誤作動の防止は図れるが、特許文献2のように、ブレーキモードとフリーフォールモードとを切り替える際に、各ウインチドラム毎に設けたモード確認ランプを点灯させるようにしても、上部旋回体には、複数のワイヤロープが架け渡される複数のウインチドラムと複数のシーブとが設けられていることから、運転者は操作レバーやブレーキペダルの操作により稼働しているウインチドラムや複数のシーブを判断し難いことがあった。
【0006】
また、建設機械を組み立てる際に、多くのウインチドラムと多くのガイドシーブに多くのワイヤロープを掛け回す必要があることから、ワイヤロープの掛け回し作業に手間が掛かり、また、ワイヤロープを誤ったシーブに巻回する虞があった。
【0007】
そこで本発明は、簡単な構造で、各ウインチドラム毎に対応するシーブと操作レバーとブレーキペダルとモード確認ランプとを視認することができ、安全性の向上を図ると共に、組み立て作業に要する時間の短縮化を図ることができる
杭打機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の杭打機は、下部走行体の上部に上部旋回体を旋回可能に搭載し、該上部旋回体には、複数のウインチドラムと、各ウインチドラムに巻回したワイヤロープをそれぞれ架け渡す複数のシーブと、運転室とを備え、該運転室に、前記各ウインチドラムに対応する操作レバーと、ブレーキペダルと、ブレーキモードとフリーフォールモードとを確認するモード確認ランプとをそれぞれ配置し、前記上部旋回体前部のフロントブラケットにリーダを起伏可能に設けるとともに、該リーダに沿って作業装置を昇降可能に設けた杭打機において、前記複数のウインチドラムは、第1ワイヤロープを巻回する第1ウインチドラムと、第2ワイヤロープを巻回する第2ウインチドラムと、第3ワイヤロープを巻回する第3ウインチドラムとを前記上部旋回体の上部に軸線を幅方向に向けて配置されており、第1乃至第3の各ウインチドラムには、ドラムカバーがそれぞれ設けられ、前記第1ワイヤロープは、前記フロントブラケット上に設けられた下部第1ガイドシーブ、前記リーダの上部背面に設けられた上部第1ガイドシーブ、前記リーダ頂部に設置されたトップシーブブロック後部に設けられた後部第1トップシーブ、トップシーブブロック前部に設けられた固定側第1ガイドシーブブロック、前記作業装置に設けられた移動側第1ガイドシーブブロックに順に掛け渡され、前記第2ワイヤロープは、上方に立ち上がって、上部旋回体後部のガントリに設けられた第1ガントリシーブ、前記フロントブラケット上に設けられた下部第2ガイドシーブ、前記リーダの上部背面に設けられた上部第2ガイドシーブ、トップシーブブロック後部に設けられた後部第2トップシーブ、リーダの一側に配置された第1側部ガイドシーブに順に掛け渡され、前記第3ワイヤロープは、上方に立ち上がって、前記ガントリに設けられた第2ガントリシーブ、フロントブラケット上に設けられた下部第3ガイドシーブ、リーダの上部背面に設けられた上部第3ガイドシーブ、トップシーブブロック後部に設けられた後部第3トップシーブ、リーダの一側に配置された複数の第2側部ガイドシーブに順に掛け渡され、前記運転室内の前方に設けられた操作スタンドには、前記第1ウインチドラムを操作するメインドラム操作レバー、前記第2ウインチドラムを操作するサブドラム操作レバー及び前記第3ウインチドラムを操作するサードドラム操作レバーが配設されるとともに前記第1乃至第3ウインチドラムがそれぞれブレーキモード状態かフリーフォールモード状態であるかを確認するための第1ウインチモード確認ランプ、第2ウインチモード確認ランプ及び第3ウインチモード確認ランプがそれぞれ配置され、前記操作スタンド手前の床には、前記第1ウインチドラム制動用のメインドラムブレーキペダル、前記第2ウインチドラム制動用のサブドラムブレーキペダル及び前記第3ウインチドラム制動用のサードドラムブレーキペダルが配置され、前記第1ウインチドラム及び第1ウインチドラムに関連する前記ドラムカバーと前記各シーブとシーブブロック並びに前記
メインドラム操作レバーのノブ、前記
メインドラムブレーキペダル及びモード確認ランプと
を同一色で着色し、前記第2ウインチドラム及び第2ウインチドラムに関連する前記ドラムカバーと前記各シーブ並びに前記
サブドラム操作レバーのノブ、前記
サブドラムブレーキペダル及びモード確認ランプと
を、前記第1ウインチドラム及び第1ウインチドラムに関連する
色とは異なる同一色で着色し、前記第3ウインチドラム及び第3ウインチドラムに関連する前記ドラムカバーと前記各シーブ並びに前記
サードドラム操作レバーのノブと、前記
サードドラムブレーキペダル及びモード確認ランプと
を、前記第1、第2ウインチドラム及び第1、第2ウインチドラムに関連する
色とは異なる同一色で着色したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の
杭打機によれば、各ウインチドラムに対応するシーブと操作レバーとブレーキペダルとモード確認ランプとがそれぞれ同色になっていることから、運転者は、同色のブレーキペダルと操作レバーとを操作することにより誤作動を防止でき、さらに、同色のモード確認ランプを視認して、ウインチドラムがブレーキモード状態かフリーフォールモード状態であるかを確認することができ、ウインチドラムのモードを誤る虞がない。また、同色のブレーキペダルと操作レバーの操作により、同色のウンチドラムとシーブとが稼働することから、運転者は、稼働しているウンチドラムや複数のシーブを視認することができ、作業の安全性の向上を図ることができる。また建設機械を組み立てる際に、多くのウインチドラムと多くのガイドシーブを使用して多くのワイヤロープを掛け回す必要がある場合でも、各ウインチドラムに対応するシーブをウインチドラムと同色に色分けすることにより、ワイヤロープを誤ったシーブに巻回する虞がなく、組み立て作業に要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一形態例を示す杭打機の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び
図2は本発明
の一形態例を適用した杭打機を示す図で、杭打機11は、クローラを備えた下部走行体12と、該下部走行体12上に旋回可能に設けられる上部旋回体13とを備え、該上部旋回体13には、該上部旋回体13の前部に起伏可能に設けられるリーダ14と、各種用途に用いるワイヤロープを巻回する複数のウインチドラムと、各ウインチドラムからのワイヤロープをガイドする複数のシーブと、運転室15とを備え、リーダ14の前面側には、オーガ駆動装置やハンマーなどの作業装置16がリーダ14に沿って昇降可能に設けられている。
【0012】
前記複数のウインチドラムは、上部旋回体13上の幅方向中央部に軸線を幅方向に向けて前後に併設されており、上部旋回体13の前から順に、1列目には第1ワイヤロープ21を巻回する第1ウインチドラム(メインドラム)22が、該第1ウインチドラム22の後方の2列目には第2ワイヤロープ23を巻回する第2ウインチドラム(サブドラム)24が、該第2ウインチドラム24の後方の3列目には第3ワイヤロープ25を巻回する第3ウインチドラム(サードドラム)26の3台が配置されている。また、各ウインチドラム22,24,26には、ドラムカバー22a,24a,26aが設けられている。
【0013】
第1ウインチドラム22に巻回される第1ワイヤロープ21は、フロントブラケット上に設けられた下部第1ガイドシーブ27aを通り、リーダ14の上部背面に設けられた上部第1ガイドシーブ27b,トップシーブブロック後部に設けられた後部第1トップシーブ27cを経てトップシーブブロック前部に設けられた固定側第1ガイドシーブブロック27d、作業装置16に設けられた移動側第1ガイドシーブブロック27eとに掛け渡された後、ロープ端がトップシーブブロック前後に固定されている。したがって、第1ウインチドラム22を操作して第1ワイヤロープ21を巻き取ったり、繰り出したりすることにより、作業装置16をリーダ14に沿って昇降させることができる。
【0014】
第2ウインチドラム24に巻回される第2ワイヤロープ23は、上方に立ち上がって、ガントリ17に設けられた第1ガントリシーブ28aから、フロントブラケット上に設けられた下部第2ガイドシーブ28bを通り、リーダ14の上部背面に設けられた上部第2ガイドシーブ28c,トップシーブブロック後部に設けられた後部第2トップシーブ28d及びリーダ14の一側に配置された第1側部ガイドシーブ28eを経て、杭18などを吊り上げるために用いられる。
【0015】
第3ウインチドラム26に巻回される第3ワイヤロープ25は、上方に立ち上がって、ガントリ17に設けられた第2ガントリシーブ29aから、フロントブラケット上に設けられた下部第3ガイドシーブ29bを通り、リーダ14の上部背面に設けられた上部第3ガイドシーブ29c,トップシーブブロック後部に設けられた後部第3トップシーブ29d及びリーダ14の一側に配置された複数の第2側部ガイドシーブ29eを経て、リーダ14の一側に垂下し、リーダ14の側部で継ぎ足しロッド19などを吊り上げるために用いられる。
【0016】
運転室15内の前方には、操作スタンド31が設けられ、該操作スタンド31には、前記複数のウインチドラム22,24,26をそれぞれ操作するためのメインドラム操作レバー32,サブドラム操作レバー33,サードドラム操作レバー34が配設されると共に、走行レバー,アクセルレバー,リーダ起伏レバー,スイングレバー,アウトリガレバー,ジャッキレバー等の複数のその他の操作レバーが配設されている。
【0017】
また、操作スタンド31のメインドラム操作レバー32,サブドラム操作レバー33,サードドラム操作レバー34の近傍には、第1ウインチドラム22,第2ウインチドラム24,第3ウインチドラム26が、それぞれブレーキモード状態かフリーフォールモード状態であるかを確認するための第1ウインチモード確認ランプ35,第2ウインチモード確認ランプ36,第3ウインチモード確認ランプ37がそれぞれ配置されている。さらに、操作スタンド31手前の床には、メインドラムブレーキペダル38,サブドラムブレーキペダル39,サードドラムブレーキペダル40が配置されている。
【0018】
そして、例えば、第1ウインチドラム22及びドラムカバー22aと下部第1ガイドシーブ27aと上部第1ガイドシーブ27bと後部第1トップシーブ27cと固定側第1ガイドシーブブロック27dとをそれぞれ赤色に着色すると共に、メインドラム操作レバー32に赤色に着色されたノブを取り付け、メインドラムブレーキペダル38に赤色に着色されたゴムカバーを被せ、第1ウインチモード確認ランプ35に赤色に着色された透明のカバーを取り付け、第1ウインチドラム22に関連するものを赤色に統一する。
【0019】
また、第2ウインチドラム24及びドラムカバー24aと下部第2ガイドシーブ28bと上部第2ガイドシーブ28cと後部第2トップシーブ28dと第1側部ガイドシーブ28eとをそれぞれ青色に着色すると共に、サブドラム操作レバー33には、青色に着色されたノブを取り付け、サブドラムブレーキペダル39に青色に着色されたゴムカバーを被せ、第2ウインチモード確認ランプ36に青色に着色された透明のカバーを取り付け、第2ウインチドラム24に関連するものを青色に統一する。
【0020】
さらに、第3ウインチドラム26及びドラムカバー26aと下部第3ガイドシーブ29bと上部第3ガイドシーブ29cと後部第3トップシーブ29dと第2側部ガイドシーブ29eとをそれぞれ黄色に着色すると共に、サードドラム操作レバー34には、黄色に着色されたノブを取り付け、サードドラムブレーキペダル40に黄色に着色されたゴムカバーを被せ、第3ウインチモード確認ランプ37に黄色に着色された透明のカバーを取り付け、第3ウインチドラム26に関連するものを黄色に統一する。
【0021】
このように、対応するウインチドラム、ドラムカバー、シーブ、操作レバー、ブレーキペダル、確認ランプをそれぞれ同色に色分けすることにより、運転者は、同じ色に着色された操作レバーとブレーキペダルを操作すれば、誤作動を防止でき、さらに、同じ色に着色されたモード確認ランプでブレーキモード状態かフリーフォールモード状態であるかを確認できるので、操作中のウインチドラムのモードを誤る虞もない。また、同色のブレーキペダルと操作レバーとを操作することにより、同色のウンチドラムとシーブとが稼働することから、運転者は、稼働しているウンチドラムや複数のシーブを視認することができ、作業の安全性の向上を図ることができる。さらに、各確認ランプ35,36,37を外部から認識できるようにしたり、上部旋回体13の外部に各確認ランプ35,36,37と同色のランプを設けたりすることにより、運転者以外の作業者にも、どのウインチドラムとガイドシーブとが稼働しているかを認識でき、作業の安全性を向上できる。また、杭打機を組み立てる際に、多くのウインチドラムと多くのガイドシーブを使用して多くのワイヤロープを掛け回す必要があるが、各ウインチドラムに対応するシーブとウインチドラムとが同色に色分けされていることにより、組み立て作業に要する時間の短縮化を図ることができ、また、ワイヤロープを誤ったシーブに巻回する虞がない。
【0022】
尚、各操作レバーのノブを、運転者が手で握っても全体が隠れない程度の大きさにすると共に、各ブレーキペダルも運転者が踏んでも全体が隠れない程度の大きさにすることにより、運転者がノブを握っていたりブレーキペダルを踏んでいたりしても目視することができ、より確認しやすく安全性が向上する。また、モード確認ランプとして赤色LEDや青色LEDなどの発光ダイオードを使用した場合は、着色された透明カバーを用いる必要はなく、無色透明のカバーをすればよく、カバーを省略することもできる。さらに、ウインチドラムやシーブの数は本形態例に限るものではなく、杭打機の形式や用途により任意である。
【符号の説明】
【0023】
11…杭打機、12…下部走行体、13…上部旋回体、14…リーダ、15…運転室、16…作業装置、17…ガントリ、18…杭、19…継ぎ足しロッド、21…第1ワイヤロープ、22…第1ウインチドラム(メインドラム)、23…第2ワイヤロープ、24…第2ウインチドラム(サブドラム)、25…第3ワイヤロープ、26…第3ウインチドラム(サードドラム)、22a,24a,26a…ドラムカバー、27a…下部第1ガイドシーブ、27b…上部第1ガイドシーブ、27c…後部第1トップシーブ、27d…固定側第1ガイドシーブブロック、27e…移動側第1ガイドシーブブロック、28a…第1ガントリシーブ、28b…下部第2ガイドシーブ、28c…上部第2ガイドシーブ、28d…後部第2トップシーブ、28e…第1側部ガイドシーブ、29a…第2ガントリシーブ、29b…下部第3ガイドシーブ、29c…上部第3ガイドシーブ、29d…後部第3トップシーブ、29e…第2側部ガイドシーブ、31…操作スタンド、32…メインドラム操作レバー、33…サブドラム操作レバー、34…サードドラム操作レバー、35…第1ウインチモード確認ランプ、36…第2ウインチモード確認ランプ、37…第3ウインチモード確認ランプ、38…メインドラムブレーキペダル、39…サブドラムブレーキペダル、40…サードドラムブレーキペダル