(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動工具1は、一台で5種類の動作モードでの動作が可能な、充電式の5モードインパクトドライバとして構成されている。
【0024】
より具体的には、電動工具1は、本体ハウジング5と、バッテリパック6とを備えている。本体ハウジング5は、半割ハウジング2,3を組み付けることにより形成されており、当該本体ハウジング5の下方には、ハンドル部4が延設されている。バッテリパック6は、このハンドル部4の下端に離脱可能に装着されている。
【0025】
本体ハウジング5の後部には、当該電動工具1の駆動源となるモータ20を収納するモータ収納部7が設けられており、モータ収納部7よりも前方には、モータ20の回転を工具先端側へ伝達するための複数種類の伝達機構(図示略)が収納されている。そして、本体ハウジング5の先端には、工具要素の一例である図示しない工具ビット(例えばドライバビット)を装着するためのスリーブ8が突設されている。
【0026】
また、本体ハウジング5におけるハンドル部4の上端前方側には、モータ20を回転駆動させて電動工具1を動作させるために当該電動工具1の使用(操作)者がハンドル部4を握った状態で操作可能な、トリガスイッチ10が設けられている。また、本体ハウジング5におけるハンドル部4の上端中央部には、モータ20の回転方向を切り替えるための正逆切替スイッチ11が設けられている。
【0027】
更に、本体ハウジング5の前部には、電動工具1を何れかの動作モードに設定するために使用者により回動(変位)操作されるモード切替リング12が設けられている。
モード切替リング12は、本体ハウジング5の前部において、スリーブ8の軸心と略同軸状に配置され、その軸心を中心に回動可能な、リング状の部材である。このモード切替リング12の表面の一部領域には、5種類の動作モードを示す5つのマークが、周方向に沿って順次配置されている。一方、本体ハウジング5の上面における、モード切替リング12の後部側には、三角形状の矢印13が形成されている。
【0028】
電動工具1の使用者は、このモード切替リング12を回動操作して、所望の動作モードのマークを矢印13の先端に合わせることで、電動工具1をその動作モードで動作させることができる。
【0029】
バッテリパック6には、所定の直流電圧を発生させる二次電池セルが直列に接続されてなる、バッテリ14が内蔵されている。そして、ハンドル部4内には、バッテリパック6内のバッテリ14から電源供給を受けて動作し、トリガスイッチ10の操作量に応じてモータ20を回転させるためのモータ制御装置(後述するコントローラ31やゲート回路32,モータ駆動回路33などからなる。
図2参照。)が収納されている。
【0030】
モータ20は、トリガスイッチ10が少しでも引き操作されたらすぐ回転を始めるのではなく、引き始めから所定量(わずかな量ではあるが)引き操作されるまではモータ20は回転しない。そして、引き操作が所定量を超えるとモータ20が回転し始め、その後、引き量に応じて(例えば引き量に略比例して)モータ20の回転数(回転速度)が上昇していく。そして、所定の位置まで引かれたところで(例えば完全に引き切ったところで)、モータ20の回転数は、設定されている回転数上限に達する。
【0031】
また、本体ハウジング5におけるトリガスイッチ10の上部には、当該電動工具1の前方に光を照射するための照明LED9が設けられている。この照明LED9は、使用者がトリガスイッチ10を操作したときに点灯するものである。
【0032】
また、ハンドル部4の下端側には、電動工具1における各種設定値の表示や設定変更操作の受け付け、バッテリ14の残量の表示などの、各種情報表示および操作入力受付を行うための、操作・表示パネル30が設けられている。
【0033】
操作・表示パネル30には、使用者が母材の板厚(材厚)を設定(入力)するための設定スイッチおよび現在設定されている板厚の設定値が表示される表示部からなる、板厚入力・表示部41が設けられている(
図1では図示略。
図2参照。)。
【0034】
本実施形態の電動工具1は、動作モードとして、インパクトモード(回転+回転方向の打撃)、震動ドリルモード(回転+軸方向の打撃)、ドリルモード(回転のみ)、クラッチモード(回転+電子クラッチ)、及びテクス用モード(回転+回転数切替)、の5つの動作モードを有している。使用者は、モード切替リング12を操作することで、所望の動作モードに設定することができる。
【0035】
また、本体ハウジング5の内部には、モード切替リング12の回動位置に応じて(即ち設定されている動作モードに応じて)オン、オフされる2つの切替スイッチ16,17(
図2参照)が設けられている。
【0036】
このような構成により、使用者が、動作モードを例えばインパクトモードに設定すべく、モード切替リング12を回動させて矢印13の先端にインパクトモードのマークを合わせると、本体ハウジング5内において、モータ20の回転駆動力をスリーブ8へ伝達する伝達機構がインパクトモードに対応した伝達機構(所定値以上のトルクが加わると打撃力を発生させる機構)に切り替わる。またこのとき、各切替スイッチ16,17はいずれもオフとなる。
【0037】
また、使用者が、動作モードを例えば震動ドリルモードに設定すべく、モード切替リング12を回動させて矢印13の先端に震動ドリルモードのマークを合わせると、本体ハウジング5内において、モータ20の回転駆動力をスリーブ8へ伝達する伝達機構が震動ドリルモードに対応した伝達機構(回転させながら軸方向への打撃(震動)を発生させる機構)に切り替わる。またこのとき、各切替スイッチ16,17のうち第1切替スイッチ16がオン、第2切替スイッチ17がオフされた状態となる。
【0038】
また、使用者が、動作モードを例えばドリルモードに設定すべく、モード切替リング12を回動させて矢印13の先端にドリルモードのマークを合わせると、本体ハウジング5内において、モータ20の回転駆動力をスリーブ8へ伝達する伝達機構がドリルモードに対応した伝達機構(モータの回転駆動力をそのまま又は減速させてスリーブ8へ伝達する機構)に切り替わる。またこのとき、各切替スイッチ16,17のうち第1切替スイッチ16がオン、第2切替スイッチ17がオフされた状態となる。
【0039】
また、使用者が、動作モードを例えばクラッチモードに設定すべく、モード切替リング12を回動させて矢印13の先端にクラッチモードのマークを合わせると、本体ハウジング5内において、モータ20の回転駆動力をスリーブ8へ伝達する伝達機構がクラッチモードに対応した伝達機構(ドリルモードと同じ)に切り替わる。またこのとき、各切替スイッチ16,17はいずれもオンされた状態となる。
【0040】
尚、クラッチモードは、伝達機構はドリルモードと同じであるが、モータ20の制御内容がドリルモードとは異なる。即ち、ドリルモードでは、トリガスイッチ10が引き操作されている間は常に回転駆動力を発生させるように制御されるが、クラッチモードでは、モータ20のトルクが所定のトルク設定値以上になるとモータ20の回転が停止される。
【0041】
また、使用者が、動作モードを例えばテクス用モードに設定すべく、モード切替リング12を回動させて矢印13の先端にテクス用モードのマークを合わせると、本体ハウジング5内において、モータ20の回転駆動力をスリーブ8へ伝達する伝達機構がテクス用モードに対応した伝達機構(ドリルモードと同じ)に切り替わる。またこのとき、各切替スイッチ16,17のうち第2切替スイッチ17がオン、第1切替スイッチ16がオフされた状態となる。
【0042】
テクス用モードは、主にドリルねじを締め付け対象とする動作モードである。ドリルねじは、既述の通り、鋼板等の母材(締付対象物)に対して穴を開けながら締め付けることが可能なねじである。
【0043】
テクス用モードでは、締め付け開始時には所定の第1設定回転数N1を上限としてモータ20を高速回転させ、その後母材に穴が開いたら、回転数の上限を第1設定回転数N1よりも低い第2設定回転数N2に切り替え、さらに、ドリルねじが母材に着座した後は、モータ20を停止させる(又は回転数の上限を第2設定回転数N2よりも低い第3設定回転数N3に切り替える)ものである。テクス用モードにおけるモータ20の制御内容の詳細については後述する。
【0044】
次に、モータ20の回転駆動を制御するために電動工具1の内部に設けられているモータ制御装置について、
図2を用いて説明する。
図2に示すように、モータ制御装置は、バッテリパック6に内蔵されたバッテリ14からの直流電力をモータ20に供給することによってモータ20を回転駆動させるためのものである。より具体的には、モータ制御装置は、コントローラ31と、ゲート回路32と、モータ駆動回路33と、レギュレータ36と、を備えている。
【0045】
本実施形態のモータ20は、3相ブラシレス直流モータとして構成されており、モータ20における端子U,V,Wが、モータ駆動回路33を介して、バッテリパック6(より具体的にはバッテリ14)に接続されている。端子U,V,Wはそれぞれ、モータ20の図示しない回転子を回転させるためにモータ20に設けられた図示しない3つのコイルのうちのいずれか1つに接続されている。
【0046】
モータ駆動回路33は、モータ20の端子U,V,Wの各々とバッテリ14の正極側とを接続する、いわゆるハイサイドスイッチとしての3つのスイッチング素子Q1〜Q3と、同じくモータ20の端子U,V,Wの各々とバッテリ14の負極側とを接続する、いわゆるローサイドスイッチとしての3つのスイッチング素子Q4〜Q6とを含む、ブリッジ回路として構成されている。本実施形態におけるスイッチング素子Q1〜Q6は、周知のMOSFETである。
【0047】
ゲート回路32は、コントローラ31に接続されている一方で、スイッチング素子Q1〜Q6の各ゲート及びソースに接続されている。ゲート回路32は、スイッチング素子Q1〜Q6の各々のオン/オフを制御するためにコントローラ31から当該ゲート回路32に入力される制御信号に基づいて、スイッチング素子Q1〜Q6の各々をオン/オフするためのスイッチング電圧を各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート−ソース間に印加して、各スイッチング素子Q1〜Q6をオン/オフする。
【0048】
レギュレータ36は、バッテリ14の直流電圧を降圧して、所定の直流電圧である制御電圧Vcc(例えば5V)を生成し、生成した制御電圧Vccを、コントローラ31を含む、モータ制御装置内の各部に供給している。
【0049】
コントローラ31は、本実施形態では、一例として、いわゆるワンチップマイクロコンピュータとして構成されており、図示は省略したものの、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力(I/O)ポート、A/D変換器、タイマなどを有している。
【0050】
コントローラ31には、上述の各切替スイッチ16,17と、照明LED9と、トリガスイッチ10と、正逆切替スイッチ11と、操作・表示パネル30と、モータ20に設けられた回転位置センサ34と、モータ20の通電経路に直列に挿入されたシャント抵抗35とが接続されている。
【0051】
回転位置センサ34は、ホール素子を含み、モータ20の回転子の回転位置が所定の回転位置に達する毎(即ち、モータ20が所定量回転する毎)に、コントローラ31へパルス信号を出力するよう構成されている。そこでコントローラ31は、回転位置センサ34からのパルス信号に基づいてモータ20の実際の回転位置及び回転数を算出し、その算出結果をモータ制御に利用する。
【0052】
各切替スイッチ16,17からは、上述したようにそれぞれの状態(オン又はオフ)を示す電気信号がコントローラ31に入力される。コントローラ31は、入力された各電気信号に基づいて、当該電動工具1がどの動作モードに設定されているかを判断し、その判断結果に基づく制御方法にてモータ20を制御する。
【0053】
本実施形態では、コントローラ31によるモータ20の制御方法として、単速制御、電子クラッチ制御、及びテクス用制御の3種類が設定されており、コントローラ31は、動作モードがインパクトモード、ドリルモード、又は震動ドリルモードに設定されている場合は単速制御を用い、動作モードがクラッチモードに設定されている場合は電子クラッチ制御を用い、動作モードがテクス用モードに設定されている場合はテクス用制御を用いる。
【0054】
単速制御とは、予め設定された最大回転数(以下「設定回転数」という)を上限として、使用者によるトリガスイッチ10の引き量(操作量)に応じた回転数にてモータ20を回転させる制御方法である。
【0055】
本実施形態のトリガスイッチ10は、より詳しくは、当該トリガスイッチ10が引かれているか否かを検出するための駆動開始スイッチと、当該トリガスイッチ10の引き量を検出するための、周知の可変抵抗器(例えば周知のポテンショメータ等)とを含んでいる。そして、トリガスイッチ10が引き操作されると、トリガスイッチ10からは、その引き量に応じたアナログ信号がコントローラ31に入力される。
【0056】
そのため、コントローラ31は、単速制御においては、トリガスイッチ10から入力されるアナログ信号が示す引き量に応じた回転数でモータ20が回転するよう、モータ20を制御する。より具体的には、コントローラ31は、設定回転数を上限として、トリガスイッチ10の引き量が大きいほど回転数が高くなるように、ゲート回路32及びモータ駆動回路33を介してモータ20の端子U,V,Wの各々に印加される電圧(駆動電圧)のデューティ比を設定する。本実施形態では、一例として、トリガスイッチ10の引き量に比例して回転数が増加し、引き量が最大のときに設定回転数に達するようにPWM制御される。
【0057】
また、電子クラッチ制御とは、基本的には、単速制御と同様、トリガスイッチ10の引き量に応じた回転数でモータ20が回転するように制御するものであるが、その一方で、工具ビットの回転トルク(スリーブ8の回転トルク)を監視し、回転トルクが所定のトルク設定値以上となった場合にはモータ20の回転を停止させる制御である。
【0058】
本実施形態では、工具ビットの回転トルクを直接は検出せず、モータ20の出力トルクを検出することにより、間接的に工具ビットの回転トルクを検出するようにしている。具体的には、モータ20の通電経路に設けられたシャント抵抗35における、接地電位側とは反対側の一旦の電圧がコントローラ31に入力されており、コントローラは、このシャント抵抗35から入力される電圧に基づいて、モータ20の出力トルクを検出する。
【0059】
また、テクス用制御とは、ドリルねじの締付作業に適した動作モードであり、基本的には、単速制御と同じように、設定回転数を上限として、トリガスイッチ10の引き量に応じた回転数にてモータ20をPWM制御するものである。このような制御を基本としつつ、テクス用制御では更に、既述の通り、設定回転数が、締付作業の進行状況に応じてN1,N2,N3と三段階に切り替わる。
【0060】
即ち、トリガスイッチ10がオンされた後の初期の設定回転数は、相対的に最も高い第1設定回転数N1に設定される。このようにモータ起動後の初期の回転数を高く設定することで、ドリルねじを迅速に母材へ入り込ませる(即ち母材に迅速に穴を開けること)ができる。
【0061】
そして、母材に穴が開いてドリルねじの先端部が母材に入り込んだら(さらには母材に対するタップ切りが始まる段階になったら)、設定回転数を第2設定回転数N2に低下させる。
【0062】
母材に穴が開いたこと(タップ切りが始まる段階になったこと)を具体的にどのように検出するかについては種々の方法が考えられるが、本実施形態では、モータ20の回転数の変化に基づいて判断する。
【0063】
ねじの締め付け開始後、ねじが母材に入り込むまでの間は、締め付けトルクは比較的小さく、よってモータ回転数も大きい。一方、ねじの締め付けが進んで母材に穴が開き、ねじの先端が母材に入り込むと、締め付けトルクが大きくなり、モータ回転数は低下する。
【0064】
そこで本実施形態では、母材に穴が開いたときに想定されるモータ回転数の値に基づいて、穴開き回転数閾値Ns1が予め設定されている。具体的には、第1設定回転数N1よりも所定量低い回転数が穴開き回転数閾値Ns1として設定されている。そして、モータ20が起動してその回転数が一旦第1設定回転数N1に達した後に、モータ回転数が穴開き回転数閾値Ns1以下になったら、ねじによって母材に穴が開いたものと判断して、設定回転数を第2設定回転数N2に低下させる。
【0065】
その後、さらにねじの締め付けが進むと、やがてねじが母材に着座することになる。ねじが着座した後も同じ第2設定回転数N2で回転させると、必要以上のトルクが加わってねじの頭をつぶしてしまったり、ねじが空回りして母材のねじ穴に不具合が生じたりするおそれがある。そこで本実施形態では、着座したことを検出したら、モータ20の回転を停止させるようにしている。
【0066】
着座の検出についても、本実施形態では、穴開きの検出と同様、モータ回転数に基づいて行う。第2設定回転数N2への切り替え後、ねじの締め付けが進んでいくと、タップ切りが進んでいくため、締め付けトルクは徐々に大きくなり、モータ回転数も徐々に小さくなっていく。
【0067】
そこで本実施形態では、ねじが着座したときに想定されるモータ回転数の値に基づいて、着座回転数閾値Ns2(<Ns1)が予め設定されている。具体的には、第2設定回転数N2よりも所定量低い回転数が着座回転数閾値Ns2として設定されている。そして、第2設定回転数N2への切り替え後、モータ回転数がその着座回転数閾値Ns2以下になったら、ねじが着座したものと判断して、モータ20の回転を停止させる。
【0068】
但し、着座後にモータ20の回転を停止させるのは1つの例であって、停止まではさせずに設定回転数をさらに低下させるようにしてもよい。つまり、ねじが着座したことを検出したら、設定回転数を第3設定回転数N3に低下させるのである。
【0069】
そこで、以下の説明では、着座後にモータ20の回転を停止させるパターン(以下「パターンA」ともいう)と、着座後に設定回転数を第3設定回転数N3に低下させるパターン(以下「パターンB」ともいう)の両者について並行して説明することとする。
【0070】
各設定回転数N1,N2,N3や各回転数閾値Ns1,Ns2の具体的値は、例えば実験的あるいは机上設計等によって適宜決めることができる。例えば第1設定回転数N1については、締め付け時に想定される母材やねじの種類、使用者による締め付け作業時の作業状態などを考慮して、締め付け開始後に迅速且つ安定的にねじを母材に入り込ませることができるような回転数を適宜第1設定回転数N1として設定することができる。
【0071】
なお、上記3つの設定回転数N1,N2,N3および上記2つの回転数閾値Ns1,Ns2の大小関係を整理すると、N1>Ns1>N2>Ns2>N3である。
なお、着座検出をモータ回転数に基づいて行うのはあくまでも一例であり、他の方法で着座検出を行うようにしてもよい。具体的には、例えばモータ電流に基づいて検出することができる。即ち、ねじの締め付けが進むと締め付けトルクが徐々に大きくなることから、モータ電流も徐々に大きくなっていく。そこで、ねじが着座したときに想定されるモータ電流の値に基づいて第1の電流閾値を設定し、モータ電流がその電流閾値以上になったらねじが着座したものと判断することができる。モータ電流は、シャント抵抗35から入力される電圧およびシャント抵抗35の抵抗値に基づいて検出することができる。
【0072】
穴開き検出についても、モータ回転数に基づいて行うのはあくまでも一例であり、例えばモータ電流に基づいて検出することができる。即ち、母材に穴が開いたときに想定されるモータ電流の値に基づいて第2の電流閾値(>第1の電流閾値)を設定し、モータ電流がその電流閾値以上になったら母材に穴が開いたものと判断することができる。
【0073】
もちろん、上述したモータ回転数やモータ電流に基づく検出方法以外の他の検出方法で、穴開きおよび着座を検出するようにしてもよい。
更に、テクス用モードにおいては、使用者が母材の板厚を設定可能であり、設定された板厚に応じて上記各設定回転数N1,N2,N3および各回転数閾値Ns1,Ns2が可変設定されるよう構成されている。
【0074】
既述の通り、電動工具1の操作・表示パネル30には、板厚の設定入力および表示のための板厚入力・表示部41が設けられている。使用者は、この板厚入力・表示部41を操作することで、所望の板厚を設定することができる。
【0075】
本実施形態では、一例として、板厚を「A」、[B」、「C」、「D」、[E」の5段階の何れかに設定することができる。各板厚設定値A〜Eの相対関係は、板厚設定値Aが板厚のもっとも薄い場合に対応し、B,C,Dと順次、対応する板厚が厚くなっていき、Eが最も厚い板厚に対応している。
【0076】
そのため、例えば母材の厚さが非常に薄い(例えば板厚t[mm]≦a[mm])場合は板厚設定値を「A」に設定すれば、その板厚に応じた適切な締め付け作業を行うことができる。同様に、母材の厚さが比較的薄いもののa[mm]よりは厚い(例えば、a[mm]<板厚t[mm]≦b[mm])場合は、板厚設定値を「B」に設定すれば、その板厚に応じた適切な締め付け作業を行うことができる。また、母材の厚さが中程度(例えば、b[mm]<板厚t[mm]≦c[mm])の場合は、板厚設定値を「C」に設定すれば、その板厚に応じた適切な締め付け作業を行うことができる。また、母材の厚さが比較的厚い(例えば、c[mm]<板厚t[mm]≦d[mm])場合は、板厚設定値を「D」に設定すれば、その板厚に応じた適切な締め付け作業を行うことができる。そして、母材の厚さが非常に厚い(例えば、板厚t[mm]>d[mm])場合は、板厚設定値を「E」に設定すれば、その板厚に応じた適切な締め付け作業を行うことができる。使用者は、テクス用モードでドリルねじ等の締め付けを行う際、ねじを締め付ける母材の厚さに基づいて、上記5種類の板厚設定値の何れかを選択的に設定することができる。
【0077】
使用者が板厚を設定すると、電動工具1では、その設定された板厚に応じて、各設定回転数N1,N2,N3、および各回転数閾値Ns1,Ns2がそれぞれ設定される。これら各値と板厚との関係は、
図3に示す通りである。
【0078】
図3(a)に示すように、本実施形態では、上記各設定回転数N1,N2,N3および各回転数閾値Ns1,Ns2が、板厚に応じて、各回転数設定値1〜10のうち何れかに設定される。例えば第1設定回転数N1の場合、板厚「A」〜「E」に対し、回転数設定値は順に「6」、「7」、「8」、「9」、「10」となっている。
【0079】
各回転数設定値と実際の回転数との対応関係は、
図3(b)に示す通りであり、回転数設定値が大きいほど回転数も大きくなる。そのため、板厚設定値が小さいほど(つまり「E」から「A」へと小さくなるほど)、第1設定回転数N1も小さい値に設定される。
【0080】
また、第2設定回転数N2は、板厚「A」〜「E」に対し、回転数設定値は順に「3」、「4」、「5」、「6」、「7」となっている。そのため、第2設定回転数N2についても、板厚設定値が小さいほど小さい値に設定される。但し、同じ板厚設定値における第1設定回転数N1との大小関係は、N2<N1である。
【0081】
また、第3設定回転数N3は、板厚「A」〜「E」に対し、回転数設定値は順に「1」、「2」、「3」、「4」、「5」となっている。そのため、第3設定回転数N3についても、板厚設定値が小さいほど小さい値に設定される。但し、同じ板厚設定値における第2設定回転数N2との大小関係は、N3<N2である。
【0082】
また、穴開き回転数閾値Ns1は、板厚「A」〜「E」に対し、回転数設定値は順に「5」、「6」、「7」、「8」、「9」となっている。そのため、穴開き回転数閾値Ns1についても、板厚設定値が小さいほど小さい値に設定される。但し、同じ板厚設定値における第1設定回転数N1との大小関係は、Ns1<N1であり、本例では、第1設定回転数N1より若干低い(回転数設定値の設定段階数に換算すると1段階分低い)値に設定される。
【0083】
また、着座回転数閾値Ns2は、板厚「A」〜「E」に対し、回転数設定値は順に「2」、「3」、「4」、「5」、「6」となっている。そのため、着座回転数閾値Ns2についても、板厚設定値が小さいほど小さい値に設定される。但し、同じ板厚設定値における第2設定回転数N2との大小関係は、Ns2<N2であり、本例では、第2設定回転数N2より若干低い(回転数設定値の設定段階数に換算すると1段階分低い)値に設定される。
【0084】
そして、
図3(a)に示したような、5段階の各板厚設定値に対する各設定回転数N1,N2,N3および各回転数閾値Ns1,Ns2の値(回転数設定値)、及び
図3(b)に示したような、回転数設定値と回転数との対応関係は、コントローラ31内のROM又はフラッシュメモリに予めマップとして記憶されている。コントローラ31は、使用者により設定された板厚に対し、そのマップを参照して、設定された板厚に対応した上記各値を読み込む。そして、その読み込んだ各値を用いてモータ制御を行う。
【0085】
次に、コントローラ31が実行する各種制御処理のうち、動作モードがテクス用モードに設定されているときに実行するモータ制御処理について、
図4を用いて説明する。コントローラ31においては、内部のROM(又はフラッシュメモリ)に
図4のモータ制御処理のプログラムが保存されており、CPUは、電源が供給されて動作を開始すると、このモータ制御処理を定期的に実行する。
【0086】
コントローラ31のCPUは、このモータ制御処理を開始すると、まずS110で、トリガスイッチ10がオンされているか否かを判断する。トリガスイッチ10がオフされている場合は、S120に進み、使用者による板厚設定入力がなされたか否かを判断する。ここで、板厚設定入力がなされていない場合はこのモータ制御処理を終了するが、板厚入力・表示部41を介して板厚設定入力がなされた場合は、S130で、板厚設定処理を行う。即ち、使用者の操作入力内容に応じて、板厚設定値を「A」〜「E」の5段階のうち何れかに設定する。
【0087】
S110で、トリガスイッチ10がオンされていると判断した場合は、S140で、現在設定されている板厚(板厚設定値)を読み込む。そして、S150で、
図3のマップを参照して、板厚に対応した各設定回転数N1,N2,N3および各回転数閾値Ns1,Ns2を読み込み、設定する。具体的には、各設定回転数N1,N2,N3および各回転数閾値Ns1,Ns2のそれぞれについて、現在設定されている板厚に対応した各回転数設定値を
図3(a)のマップから読み込む。そして、その読み込んだ各回転数設定値に対応した回転数をそれぞれ
図3(b)のマップから読み込んで、その読み込んだ回転数を設定する。これにより、S160以降の処理、即ちモータ20の実際の制御は、このS150で設定した各値(N1,N2,N3,Ns1,Ns2)が用いられることになる。
【0088】
S160では、設定回転数を、S150で設定した第1設定回転数N1に設定する。即ち、各回転数設定値「6」〜「10」に対応した各回転数(
図3(b)参照)のうち、現在設定されている板厚に対応した回転数が、第1設定回転数N1として設定されることになる。そしてS170で、その設定した第1設定回転数N1にて、モータ20の駆動を開始する。
【0089】
モータ駆動開始後、S180で、母材に穴が開いたか否かを判断する。具体的には、モータ回転数が一旦第1設定回転数N1に達した後に、モータ回転数が、現在設定されている板厚に対応した穴開き回転数閾値Ns1以下になったか否かを判断する。そして、モータ回転数が穴開き回転数閾値Ns1以下になった場合に、母材に穴が開いたものと判断して、S190に進む。
【0090】
S190では、設定回転数を、S150で設定した第2設定回転数N2に設定する。即ち、各回転数設定値「3」〜「7」に対応した各回転数(
図3(b)参照)のうち、現在設定されている板厚に対応した回転数が、第2設定回転数N2として設定されることになる。これにより、その設定した第2設定回転数N2にてモータ20が駆動されることとなる。
【0091】
第2設定回転数N2への切り替え後、S200で、ねじが着座したか否かを判断する。具体的には、モータ回転数が、現在設定されている板厚に対応した着座回転数閾値Ns2以下になったか否かを判断する。そして、モータ回転数が着座回転数閾値Ns2以下になった場合に、ねじが着座したものと判断して、S210に進む。
【0092】
S210では、モータ20の制動制御を行う。具体的には、パターンAの場合は、モータ20の回転を停止させる。パターンBの場合は、設定回転数を、S150で設定した第3設定回転数N3に設定する。即ち、各回転数設定値「1」〜「5」に対応した各回転数(
図3(b)参照)のうち、現在設定されている板厚に対応した回転数が、第3設定回転数N3として設定されることになる。つまり、パターンBの場合は、着座後も第3設定回転数N3にてモータ20が駆動されることとなる。なお、着座後の動作パターンとしてパターンAを採用する場合は、S150の処理において第3設定回転数N3の設定は不要である。
【0093】
S210の制動制御の後は、S220で、トリガスイッチ10がオフされたか否かを判断し、オフされた場合に、本モータ制御処理を終了する。
このようなモータ制御処理によってモータ20が制御される際のモータ20の実際の回転数および各設定回転数の変化例を、
図5および
図6に示す。
図5はパターンAの例を示し、
図6はパターンBの例を示している。なお、
図5および
図6の例はいずれも、トリガスイッチ10のオンによりモータ20が回転している間はトリガスイッチ10が最大限に引かれているものとする。
【0094】
パターンAの場合、
図5に示すように、トリガスイッチ10がオンされると、設定回転数が第1設定回転数N1に設定され、これによりモータ20の回転数が上昇していって、やがて第1設定回転数N1に到達する。その後、母材に穴が開き始めると、締め付けトルクが徐々に増加していくため、モータ回転数も徐々に低下していく。そして、モータ回転数が穴開き回転数閾値Ns1以下になると、母材に穴が開いたことが検出され、これにより設定回転数が第2設定回転数N2に切り替わる。
【0095】
設定回転数が第2設定回転数N2に切り替わると、モータ回転数は徐々に低下していって、やがて第2設定回転数N2に到達する。その後、ねじが着座付近になると、締め付けトルクがより増加していき、これによりモータ回転数も徐々に低下していく。そして、モータ回転数が着座回転数閾値Ns2以下になると、ねじの着座が検出され、これによりモータ20の回転が停止される。
【0096】
パターンBの場合は、
図6に示すように、着座検出までは
図5のパターンAの場合と全く同じである。そして、着座が検出されると、設定回転数が第3設定回転数N3に切り替わる。これにより、モータ回転数は徐々に低下していって、やがて第3設定回転数N3に到達する。なお、図示は省略したが、着座後、ねじの締め付けが進むと、締め付けトルクはより増加していくため、設定回転数が第3設定回転数N3に設定されてはいても、実際のモータ回転数はより低下していって、やがては停止することになる。
【0097】
以上説明した本実施形態の電動工具1によれば、トリガスイッチ10のオン後の初期の第1設定回転数N1を、板厚が薄いほど低い値に設定することで、薄い母材に対しては穴が開いた後の作業性、仕上がりを良好に保つことができ、厚い母材に対しては迅速に穴を開ける(延いては迅速に締め付け作業を進める)ことができる。
【0098】
本来、穴が開くまでは設定回転数はできるだけ高く設定して穴がより早く開くようにするのがよい。しかし、板厚の薄い母材に対して高速回転で穴を開けると、穴が開いたときに回転数や、穴が開いてからそのことが検出されるまでの時間差などによっては、穴が開いた後、高速回転のままねじが母材を貫通して、母材のねじ穴に不具合が生じてしまうおそれがある。そのため、穴が開いた後の作業性や仕上がり状態などを考慮すれば、板厚が薄い場合には初期の第1設定回転数N1は低く抑える方が好ましいのである。
【0099】
また、母材に穴が開いた後の第2設定回転数N2、および着座後の第3設定回転数N3をそれぞれ、板厚が薄いほど低い値に設定することで、薄い母材に対しては、母材のねじ穴を損傷するなどの不具合の発生を抑えて仕上がりを良好に保つことができ、厚い母材に対しては迅速に穴を開ける(延いては迅速に締め付け作業を進める)ことができる。つまり、締め付け作業の進行状況に合わせた適切な設定回転数で、且つ、板厚に合ったより適切な設定回転数でモータ20を回転させることで、板厚にかかわらず、母材に対するねじの締め付け作業を適切に行うことができ、これにより全体として作業性の向上を図ることができる。
【0100】
また、着座後については、パターンAのようにモータ20を完全に停止させてもよいし、パターンBのように設定回転数を第3設定回転数N3に低下させるようにしてもよい。いずれにおいても、着座後にねじが必要以上に大きな力で締め付けられるのを防ぐことができ、適切な状態で締め付け作業を仕上げることができる。
【0101】
なお、本実施形態において、トリガスイッチ10は本発明の操作入力受付手段の一例に相当し、板厚入力・表示部41は本発明の材厚設定入力受付手段の一例に相当し、コントローラ31は本発明のモータ制御手段、初期回転数設定手段、穴開き時回転数設定手段、着座時回転数設定手段、第1最大回転数可変設定手段、第2最大回転数可変設定手段、第3最大回転数可変設定手段、穴開き検出手段、および着座検出手段の一例に相当し、第1設定回転数N1は本発明の第1最大回転数の一例に相当し、第2設定回転数N2は本発明の第2最大回転数の一例に相当し、第3設定回転数N3は本発明の第3最大回転数の一例に相当する。
【0102】
また、
図4のモータ制御処理において、S150の処理は本発明の第1最大回転数可変設定手段、第2最大回転数可変設定手段、および第3最大回転数可変設定手段が実行する処理の一例に相当し、S160の処理は本発明の初期回転数設定手段が実行する処理の一例に相当し、S190の処理は本発明の穴開き時回転数設定手段が実行する処理の一例に相当し、S210の処理(ただし設定回転数を第3設定回転数N3に低下させるパターン)は本発明の着座時回転数設定手段が実行する処理の一例に相当し、S180の処理は本発明の穴開き検出手段が実行する処理の一例に相当し、S200の処理は本発明の着座検出手段が実行する処理の一例に相当する。
【0103】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0104】
例えば、上記実施形態では、各設定回転数N1,N2,N3の全てを板厚に応じて可変設定する例を示したが、何れか1つ或いは2つのみ可変設定するようにしてもよい。各回転数閾値Ns1、Ns2についても同様である。
【0105】
また、上記実施形態では、板厚(板厚設定値)を「A」〜「E」の5段階に設定可能であったが、板厚をこのように5段階に設定可能であることはあくまでも一例であり、2段階あるいは4段階以上に設定できるようにしてもよい。
【0106】
また、このように板厚を複数段階に設定可能な構成の場合に、各設定回転数N1,N2,N3を板厚の段階毎にそれぞれ異なる値とするのは必須ではない。例えば、板厚設定値が「C」〜「E」のときは設定回転数を同じ値にして、「B」の場合に設定回転数をより小さく、更に「A」の場合には設定回転数を「B」よりも小さくするようにしてもよい。各回転数閾値Ns1,Ns2についても同様である。
【0107】
また、板厚設定は、上記実施形態のような段階的な設定に限らず、例えばダイヤル操作やレバー操作などの各種設定操作方法によって連続的(アナログ的)に設定できるようにしてもよい。板厚をこのように連続的に設定できる構成の場合に、板厚設定値に対して各設定回転数N1,N2,N3及び各回転数閾値Ns1,Ns2を具体的にどのように設定するかについては種々考えられるが、例えば
図7に示すように、板厚に対してそれら各値がそれぞれ連続的に変化するように設定することができる。
【0108】
この場合も、
図7に示すような対応関係のマップを予め用意しておき、そのマップを用いて、設定された板厚に対する各設定回転数N1,N2,N3及び各回転数閾値Ns1,Ns2を読み込んで用いるようにするとよい。
【0109】
なお、
図7には、説明の簡素化のために板厚に対して各設定回転数N1,N2,N3等が線形変化する例が示されているが、これはあくまでも一例であり、非線形変化するものであってもよい。また、
図3や
図7に示したようなマップを用いることはあくまでも一例であり、例えば板厚に基づく所定の数値演算によって各設定回転数N1,N2,N3等を求めるなど、マップ以外の他の手法によってこれら各値を求めるようにしてもよい。
【0110】
また、板厚に応じて可変設定するのは各設定回転数N1,N2,N3にとどめて、各回転数閾値Ns1,Ns2は板厚にかかわらず一定値としてもよい。その場合、穴開き回転数閾値Ns1については、初期の第1設定回転数N1のうち板厚が最も薄い場合(板厚設定値が「A」の場合)の第1設定回転数N1よりも低い値に設定するとよく、着座回転数閾値Ns2については、穴が開いた後の第2設定回転数N2のうち板厚が最も薄い場合(板厚設定値が「A」の場合)の第2設定回転数N2よりも低い値に設定するとよい。
【0111】
また、着座後のモータ制御については、板厚に応じて制御方法を選択するようにしてもよい。例えば、板厚が薄い場合はパターンAのようにモータ20を停止させ、板厚が厚い場合はパターンBのように第3設定回転数N3にて回転させるようにしてもよい。
【0112】
また、起動時の設定回転数は、すぐに第1設定回転数N1に設定するのではなく、ゼロから第1設定回転数N1へ徐々に増加させるようにしてもよい。
また、テクス用モードでの動作例として、打撃を加えるようにしてもよい。即ち、テクス用モードにおける伝達機構としてインパクト機構を用い、これにより、テクス用モードにおいても締め付けトルクが増大したら打撃動作が開始されるようにしてもよい。
【0113】
また、本発明の適用が、上述した5モードインパクトドライバへの適用に限定されるものでないことはいうまでもなく、ねじの締め付け作業に用いる各種電動工具に適用可能である。そして、本発明を適用することで、ドリルねじや木ねじのような、ねじ自ら母材に穴を開けながら締め付けされるようなタイプのねじの締め付けを好適に行うことができる。