(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記提示部は、前記商品ページに掲載された他の商品のうち、前記選択された投入オブジェクトに対応付けられる商品と同じカテゴリに属する関連商品の数もしくは割合が、所定の基準に基づいて多ければ、前記遷移条件が満たされると判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子取引端末。
前記提示部は、前記選択された投入オブジェクトに対応付けられる商品と共に過去に購入された他の商品の数、もしくは、前記選択された投入オブジェクトに対応付けられた商品と共に他の商品が購入された頻度が、所定の基準に基づいて少なければ、前記遷移条件が満たされると判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子取引端末。
前記提示部は、前記電子カートに商品が一つも投入されていない状態で前記電子カートへ前記商品が投入されると、第1の長さの時間を上限として前記投入通知を表示し、前記電子カートに少なくとも一つの商品が投入されている状態で前記電子カートへ前記商品が投入されると、前記第1の長さより短い第2の長さの時間を上限として前記投入通知を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子取引端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カスタマが一つの商品を購入するためには、一般に、まず商品を検索して商品を表す商品ページを表示させ、次に商品を購入リストに登録し、そして決済するための購入ページを表示させて決済を行う必要がある。カスタマが複数の商品をまとめて購入する場合には、一つめの商品を探して購入リストに登録し、二つめの商品を探して購入リストに登録し、三つめの商品を探して購入リストに登録する、といった手順を繰り返す必要がある。
【0006】
もしカスタマが購入する商品が一つだけなのであれば、商品を購入リストに登録した後に自動的にすぐ購入ページへと遷移させれば、カスタマがわざわざ購入ページを表示させる指示を行う必要が無くなり、カスタマはよりスムーズに買い物ができるようになる。一方で、もしカスタマが購入する商品が複数なのであれば、商品を購入リストに登録した後に自動的にすぐ購入ページへと遷移させてしまうと、再び商品ページに戻さなければならず、かえって面倒になってしまう。
【0007】
このように、商品を購入リストに登録した後に自動的にすぐ購入ページへと遷移させる、あるいは、商品を購入リストに登録しても自動的に購入ページへと遷移させない、というように画一的にシステムの仕様を決めてしまうと、状況によりカスタマにとって都合が良かったり良くなかったりするという問題がある。そして、なるべくカスタマに負担をかけずに買い物ができる環境が望まれる。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、カスタマが買い物し易い環境を実現するために好適な電子取引端末、電子取引方法、記録媒体、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電子取引端末は、
商品と、前記商品に対応付けられる投入オブジェクトと、が掲載された商品ページをカスタマに提示する提示部と、
前記カスタマからの指示を受け付ける受付部と、
前記投入オブジェクトに対応付けられる商品を選択する第1指示が受け付けられると、前記選択された商品を前記カスタマの電子カートに投入する投入部と、
を備え、
前記提示部は、前記電子カートへ前記商品が投入されると、
(a)遷移条件が満たされれば、前記商品ページから、前記電子カートに既に投入されている商品を購入するための決済を開始する購入ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させ、
(b)前記遷移条件が満たされなければ、前記商品ページに示された商品が前記電子カートに投入された旨を示す投入通知を前記商品ページと共に提示し、他の商品を選択する第2指示が前記受付部により受け付けられるまで待機した後、前記商品ページから、前記選択された他の商品を示す商品ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させる、
ことを特徴とする。
【0010】
前記提示部は、前記商品ページに掲載された他の商品のうち、前記選択された投入オブジェクトに対応付けられる商品と同じカテゴリに属する関連商品の数もしくは割合が、所定の基準に基づいて多ければ、前記遷移条件が満たされると判別してもよい。
【0011】
前記提示部は、前記選択された投入オブジェクトに対応付けられる商品と共に過去に購入された他の商品の数、もしくは、前記選択された投入オブジェクトに対応付けられた商品と共に他の商品が購入された頻度が、所定の基準に基づいて少なければ、前記遷移条件が満たされると判別してもよい。
【0012】
前記提示部は、前記電子カートへ投入された商品が、販売者によって予め指定された特定商品であれば、前記遷移条件が満たされると判別してもよい。
【0013】
前記投入通知は、購入オブジェクトと共に前記カスタマに提示されてもよい。
前記受け付けられた指示により前記購入オブジェクトが選択されると、前記提示部は、前記投入通知の表示を消去し、前記商品ページから前記購入ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させてもよい。
【0014】
前記提示部は、前記投入通知の表示を開始してから基準時間が経過すると、前記投入通知の表示を消去してもよい。
【0015】
前記提示部は、前記電子カートに商品が一つも投入されていない状態で前記電子カートへ前記商品が投入されると、第1の長さの時間を上限として前記投入通知を表示し、前記電子カートに少なくとも一つの商品が投入されている状態で前記電子カートへ前記商品が投入されると、前記第1の長さより短い第2の長さの時間を上限として前記投入通知を表示してもよい。
【0016】
前記提示部は、前記電子カートに投入されている商品の数が多いほど、前記投入通知を表示する時間の長さの上限を短く設定してもよい。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明のその他の観点に係る電子取引方法は、
商品と、前記商品に対応付けられる投入オブジェクトと、が掲載された商品ページをカスタマに提示する提示ステップと、
前記カスタマからの指示を受け付ける受付ステップと、
前記投入オブジェクトに対応付けられる商品を選択する第1指示が受け付けられると、前記選択された商品を前記カスタマの電子カートに投入する投入ステップと、
を備え、
前記提示ステップでは、前記電子カートへ前記商品が投入されると、
(a)遷移条件が満たされれば、前記商品ページから、前記電子カートに既に投入されている商品を購入するための決済を開始する購入ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させ、
(b)前記遷移条件が満たされなければ、前記商品ページに示された商品が前記電子カートに投入された旨を示す投入通知を前記商品ページと共に提示し、他の商品を選択する第2指示が前記受付ステップにおいて受け付けられるまで待機した後、前記商品ページから、前記選択された他の商品を示す商品ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させる、
ことを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明のその他の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータを、
商品と、前記商品に対応付けられる投入オブジェクトと、が掲載された商品ページをカスタマに提示する提示部、
前記カスタマからの指示を受け付ける受付部、
前記投入オブジェクトに対応付けられる商品を選択する第1指示が受け付けられると、前記選択された商品を前記カスタマの電子カートに投入する投入部、
として機能させ、
前記提示部は、前記電子カートへ前記商品が投入されると、
(a)遷移条件が満たされれば、前記商品ページから、前記電子カートに既に投入されている商品を購入するための決済を開始する購入ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させ、
(b)前記遷移条件が満たされなければ、前記商品ページに示された商品が前記電子カートに投入された旨を示す投入通知を前記商品ページと共に提示し、他の商品を選択する第2指示が前記受付部により受け付けられるまで待機した後、前記商品ページから、前記選択された他の商品を示す商品ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させる、
ように機能させる。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明のその他の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
商品と、前記商品に対応付けられる投入オブジェクトと、が掲載された商品ページをカスタマに提示する提示部、
前記カスタマからの指示を受け付ける受付部、
前記投入オブジェクトに対応付けられる商品を選択する第1指示が受け付けられると、前記選択された商品を前記カスタマの電子カートに投入する投入部、
として機能させ、
前記提示部は、前記電子カートへ前記商品が投入されると、
(a)遷移条件が満たされれば、前記商品ページから、前記電子カートに既に投入されている商品を購入するための決済を開始する購入ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させ、
(b)前記遷移条件が満たされなければ、前記商品ページに示された商品が前記電子カートに投入された旨を示す投入通知を前記商品ページと共に提示し、他の商品を選択する第2指示が前記受付部により受け付けられるまで待機した後、前記商品ページから、前記選択された他の商品を示す商品ページへ、前記カスタマに提示すべきページを遷移させる、
ことを特徴とする。
【0020】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記記録媒体は、非一時的な記録媒体であってよく、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、カスタマが買い物をし易い環境を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0024】
まず、本実施形態の電子取引システム1の概要構成を、
図1を用いて説明する。電子取引システム1は、電子取引サーバ10と、電子取引端末20(
図1では、店舗端末20A,20B,20Cの三つ)と、通信ネットワーク50とを備える。
【0025】
電子取引サーバ10は、複数の店舗が参加する、インターネット上の仮想の電子ショッピングモールを管理する。電子取引サーバ10は、電子ショッピングモールの管理者により管理される。電子ショッピングモールに参加する店舗の数は任意である。電子ショッピングモールでは、様々な商品及び役務が売買される。
【0026】
説明の簡略化のため、電子ショッピングモールにて売買される商品及び役務をまとめて「商品」と呼ぶ。以下の説明において、商品には役務も含まれる。商品には、食品、衣料品、家電製品等の有形物のほか、例えばホテルの宿泊予約、オンラインチケット、ソフトウェアの使用ライセンスなどの無形物も含まれる。
【0027】
電子取引サーバ10は、商品を識別する商品コード、商品の名称、商品の画像、商品に関する説明、商品の在庫数、商品の単価、商品の大きさ、商品の重量、送料等を含む商品データを記憶する。商品データの内容は、商品ごとに異なる。
【0028】
商品データは、電子取引端末20からアクセス可能なウェブページによって、電子取引端末20に提供される。ウェブページは、HTML(HyperText Markup Language)データ、画像データ、音声データ等から構成される。ウェブページはHTML形式でなくてもよく、XML(Extensible Markup Language)形式、XHTML(Extensible HyperText Markup Language)形式などでもよい。あるいは、商品データは、電子取引端末20にインストールされた専用のアプリケーションを用いて、電子取引端末20に提供されてもよい。
【0029】
電子取引端末20は、商品を購入するユーザ(以下「カスタマ」という。)によって操作される。カスタマは、電子取引端末20を操作して電子取引サーバ10にアクセスし、商品データを含むページ(以下「商品ページ」という。)を閲覧し、所望の商品の購入を申し込む。
【0030】
通信ネットワーク50は、電子取引サーバ10と電子取引端末20とを通信可能に接続する。通信ネットワーク50は、典型的にはインターネットであるが、電話回線、専用回線、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が含まれてもよい。
【0031】
次に、電子取引サーバ10のハードウェア構成について説明する。
図2に示すように、電子取引サーバ10は、記憶部201、通信部202、制御部203を備える。
【0032】
記憶部201は、ハードディスク等の記憶装置を備える。記憶部201には、商品データベース251が記憶される。商品データベース251は、電子ショッピングモールに出品されるすべての商品についての商品データを記憶する。
【0033】
図3に、商品データベース251に記憶される商品データの構成例を示す。商品データベース251には、商品を識別する商品コードと対応付けて、商品名、在庫数、単価等、商品の属性を示す様々なデータが記憶される。商品データは、店舗の担当者が操作する店舗端末(図示せず)、あるいは、電子取引サーバ10によって、随時更新される。
【0034】
また、記憶部201には、購入履歴データベース252が記憶される。購入履歴データベース252には、カスタマを識別するカスタマIDと対応付けて、カスタマが過去に購入した商品を示すデータ、及び、カスタマが購入を申し込んだ商品を示すデータが記憶される。電子取引端末20から商品の購入申し込みがあると、制御部203は、その商品の購入が申し込まれたことを示すレコードを購入履歴データベース252に追加する。制御部203は、その商品の代金の決済状況、商品の発送状況を示す情報等を随時更新する。
【0035】
図4に、購入履歴データベース252に記憶される購入履歴データの構成例を示す。購入履歴データベース252には、カスタマIDと対応付けて、商品を購入した日時(もしくは購入申し込みが受け付けられた日時)、購入された商品を示す商品コード、購入された商品の個数、代金の支払い状況を示すデータ等が記憶される。
【0036】
本実施形態では、カスタマIDとして電子メールアドレスが用いられる。ただし、カスタマIDはカスタマを一意に特定できるのであればよく、電子メールアドレスの代わりに、各カスタマに割り当てられた固有の文字列、数字列、あるいはこれらの組み合わせでもよい。
【0037】
通信部202は、NIC(Network Interface Card)を備え、電子取引サーバ10を通信ネットワーク50に接続し、電子取引端末20と通信する。
【0038】
制御部203は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、電子取引サーバ10全体を制御する。
【0039】
電子取引サーバ10として、一般的なコンピュータサーバ、メインフレーム、クラウド型サーバなどを用いることができる。
【0040】
次に、電子取引端末20のハードウェア構成について、
図5を用いて説明する。電子取引端末20は、通信部501、画像処理部502、音声処理部503、I/O(Input/Output)部504、入力部505、記憶部506、制御部507を備える。
【0041】
通信部501は、NICを備え、電子取引端末20を通信ネットワーク50に接続し、電子取引サーバ10と通信する。
【0042】
画像処理部502は、ディスプレイ551に表示するための画像データを生成し、生成した画像データをディスプレイ551に表示する。例えば、画像処理部502は、上述の商品データを含む商品ページを構成するHTMLデータや画像データ、商品の購入を受け付ける購入ページを構成するHTMLデータや画像データ等を、通信部501を介して電子取引サーバ10から受信し、商品を案内する画面や商品の購入を受け付ける画面等をディスプレイ551に表示する。
【0043】
音声処理部503は、記憶部506もしくは電子取引サーバ10から音声データを取得し、再生し、音声をスピーカ552から出力する。
【0044】
I/O部504は、取り外し可能なメモリカードを電子取引端末20に接続するインタフェースを備える。
【0045】
入力部505は、カスタマからの入力を受け付けるインタフェースを備える。本実施形態では、入力部505は、ハードウェアボタンのほか、ディスプレイ551に重畳して配置されるタッチパネルを備える。
【0046】
記憶部506は、ROM、RAM等の記憶装置を備え、電子取引端末20を制御するオペレーティングシステム、各種のプログラム、画像データ、音声データ、テキストデータ等を記憶する。
【0047】
制御部507は、CPUを備え、電子取引端末20全体を制御する。
【0048】
電子取引端末20として、通信機能を持った一般的なパーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、携帯端末、タブレット型端末等を用いることができる。
【0049】
次に、本実施形態の電子取引端末20の機能的な構成と、電子取引システム1によって実行される電子取引処理の詳細について、説明する。
【0050】
図6に、電子取引端末20の機能的な構成を示す。電子取引端末20は、提示部601と受付部602と投入部603を備える。
【0051】
提示部601は、商品を示す情報と、商品に対応付けられるオブジェクトと、が掲載された商品ページをカスタマに提示する。本実施形態では、提示部601は、商品ページをディスプレイ551に表示することにより、商品を示す情報等をカスタマに提示する。画像処理部502と制御部507が協働して、提示部601として機能する。
【0052】
より詳細には、カスタマが電子取引端末20を用いて電子ショッピングモールへアクセスし、所望の商品ページを表示させる指示を入力すると、電子取引端末20の制御部507は、指示された商品ページの送信を電子取引サーバ10に要求する。電子取引サーバ10の制御部203は、要求された商品ページを構成するデータを記憶部201から取得し、電子取引端末20へ送信する。電子取引端末20の制御部507は、商品ページを構成するデータを電子取引サーバ10から受信し、商品データをディスプレイ551に表示する。
【0053】
商品ページには音声が含まれてもよい。制御部507は、商品ページをディスプレイ551に表示するだけでなく、音声処理部503を制御して音声を出力させて、商品を示す情報をカスタマに提示してもよい。
【0054】
図7に、商品ページの例を示す。
図7は、電子ショッピングモールにおいて、カスタマが二つのキーワード「ゲーム」「フライトシミュレーター」を入力し、電子ショッピングモールで販売されているすべての商品の中から検索した結果表示される商品ページを示す。商品ページには、商品ごとに、商品の画像と、商品の説明と、商品の販売価格と、投入オブジェクト710(
図7では710A,710B,710C,710Dの四つ)と、店舗オブジェクト720(
図7では720A,720B,720C,720Dの四つ)とが含まれる。
【0055】
本実施形態では、カスタマは、マウスを用いてカーソル700を移動し、クリックによりオブジェクトを選択する。投入オブジェクト710が表示されている領域にカーソル700が配置された状態でクリックされると、投入オブジェクト710が選択され、投入オブジェクト710に予め対応付けられている処理が電子取引端末20によって実行される。
【0056】
説明の簡略化のため、オブジェクトが表示されている領域にカーソル700が配置された状態でクリックされることを、「オブジェクトが操作される」あるいは「オブジェクトが選択される」と表現する。カスタマは、任意のオブジェクトを選択することができる。
【0057】
電子取引端末20の入力部505が、カスタマからの指示を受け付ける受付部602として機能する。
【0058】
なお、ディスプレイ551の表示面の上に重畳してタッチパネルが配置された、いわゆるタッチスクリーンを電子取引端末20が備える実施形態では、オブジェクトが表示されている領域がカスタマによってタッチされれば、そのオブジェクトが選択され、選択されたオブジェクトに予め対応付けられている処理が電子取引端末20によって実行される。
【0059】
投入オブジェクト710は、カスタマが購入を申し込む商品を示す情報を一時保管するリスト(以下「購入リスト」もしくは「電子カート」という。)に商品を登録する指示をカスタマから受け付けるソフトウェアボタンである。カスタマによって投入オブジェクト710が操作されると、電子取引端末20の制御部507は、操作された投入オブジェクト710に対応付けられている商品を購入リストに追加する。
【0060】
より正確には、電子取引端末20の制御部507は、操作された投入オブジェクト710に対応付けられている商品を購入リストに追加する要求と、電子取引端末20を操作しているカスタマのカスタマIDとを電子取引サーバ10へ送信する。この要求を受信した電子取引サーバ10の制御部203は、カスタマIDに対応付けられている購入リストに、操作された投入オブジェクト710に対応付けられている商品を示す商品コード、商品の数、購入の申し込みを受け付けた日時等を格納したレコードを追加する。購入リストは記憶部201に記憶され、制御部203によって随時更新される。
【0061】
例えば
図7において、投入オブジェクト710Aがカスタマによって操作されると、電子取引端末20の制御部507は、投入オブジェクト710Aに対応する商品Xを一つ、購入リストに追加する。
【0062】
ここで、投入オブジェクト710が操作された際における画面の遷移の仕方は、同一商品ページ内に含まれる他の商品が何であるか、あるいは同一商品ページ内に含まれる他の商品がいくつあるか、等の条件によって変わるのであるが、詳しくは後述する。
【0063】
電子取引端末20の制御部507が、投入オブジェクト710に対応する商品を選択する指示(以下「第1指示」という。)が受付部602により受け付けられると、選択された投入オブジェクト710に対応付けられる商品を、カスタマの購入リストに投入する投入部603、として機能する。
【0064】
店舗オブジェクト720は、商品を販売している店舗を紹介するページへ画面を遷移させる指示をカスタマから受け付けるソフトウェアボタンである。カスタマによって店舗オブジェクト720が操作されると、電子取引端末20の制御部507は、操作された店舗オブジェクト720に予め対応付けられているページに画面を遷移させる要求を、電子取引サーバ10へ送信する。この要求を受信した電子取引サーバ10の制御部203は、要求されたページを構成するデータを記憶部201から取得し、電子取引端末20へ送信する。電子取引端末20の制御部203は、要求したページを構成するデータを受信し、表示する。ディスプレイ551には、カスタマが選択した商品を販売している店舗を紹介するページが表示される。
【0065】
カートアイコン730は、購入リストを表示させる指示をカスタマから受け付けるソフトウェアボタンである。カスタマによってカートアイコン730が操作されると、電子取引端末20の制御部507は、カスタマIDに対応付けられている購入リストに既に登録されている商品の一覧の送信を電子取引サーバ10へ要求する。電子取引サーバ10の制御部203は、カスタマIDに対応付けられている購入リストを示すデータを記憶部201から取得し、電子取引端末20へ送信する。電子取引端末20の制御部507は、購入リストを示すデータを電子取引サーバ10から受信し、表示する。
【0066】
図8に、商品ページの他の例を示す。
図8は、電子ショッピングモールにおいて、カスタマがキーワードとして店舗名を入力し、電子ショッピングモールで販売されているすべての商品の中からその店舗名を有する店舗で販売されている商品を検索した結果、表示される商品ページを示す。商品ページには、商品ごとに、商品の画像と、商品の説明と、商品の販売価格と、投入オブジェクト710(
図8では710E,710F,710G,710Hの四つ)とが表示される。商品ページには、検索した店舗にて販売されているすべての商品に関する商品データが表示される。
【0067】
店舗名を用いて商品が検索された場合には、検索結果には同一店舗で販売されている商品のみが含まれる。電子取引端末20の制御部507は、
図7に示すように商品のそれぞれに対応付けて同一の店舗に対応付けられる複数の店舗オブジェクト720A,720B,720C,720Dを表示してもよいが、
図8に示すように一つの店舗オブジェクト720を表示してもよい。
【0068】
ところで、
図7に示すように商品名やカテゴリ名を用いて検索した場合、一般に、検索結果には、複数の店舗で販売されている複数の商品が含まれる。また、検索結果には、互いに競合する複数の商品が含まれる可能性が高い。互いに競合する二つの商品が、それぞれ異なる店舗で販売されていると、一方の店舗にとっては、自身の店舗ではなく他方の店舗で販売されている競合商品がカスタマによって購入されてしまい、自身の販売機会を逸するリスクが相対的に高まる。
【0069】
これに対し、
図8に示すように店舗名を用いて検索した場合、検索結果には、同一店舗で販売されている複数の商品が含まれる。検索結果の中に、互いに競合する二つの商品が含まれていたとしても、いずれの商品も同一店舗で販売されているのであるから、その店舗にとっては、販売機会を逸するリスクは相対的に低い。
【0070】
そこで、本実施形態の電子取引端末20は、投入オブジェクト710が操作されたときに、予め決められた遷移条件が満たされていれば、購入リストに登録された一つ以上の商品を購入するための決済を開始する購入ページへと画面を直ちに遷移させ、積極的にカスタマに購入を促す。一方、投入オブジェクト710が操作されたときに、予め決められた遷移条件が満たされていなければ、電子取引端末20は、購入ページへと直ちに遷移させるのではなく、商品ページの表示を続行し、カスタマが他の商品を併せて購入することができ易くする。
【0071】
図9に、購入ページの例を示す。購入ページには、購入リストに登録された商品の購入を確定させる指示を受け付ける購入オブジェクト910と、一つ前のページに戻る指示を受け付けるボタン920と、個数の変更を受け付けるボタン930と、商品を購入リストから削除する指示を受け付けるボタン940とが含まれる。
【0072】
電子取引端末20の制御部507は、(1)投入オブジェクト710がカスタマによって操作されたときに予め決められた遷移条件が満たされている場合、もしくは、(2)カートアイコン730がカスタマによって操作された場合に、商品ページから購入ページへと画面を遷移させる。
【0073】
購入オブジェクト910がカスタマによって操作されると、電子取引端末20の制御部507は、購入リストに登録されている商品の代金を決済する決済処理を開始する要求を電子取引端末20へ送信する。電子取引サーバ10の制御部203は、決済処理を実行する。
【0074】
具体的には、電子取引端末20の制御部507は、カスタマから入力されたクレジットカード番号等を電子取引サーバ10へ送信し、決済の開始を電子取引サーバ10に要求する。電子取引サーバ10の制御部203は、受信したクレジットカード番号等を用いて、クレジットカード会社の決済サーバ(図示せず)に決済を依頼する。決済サーバは、決済を正常に完了すると、その旨を電子取引サーバ10に通知する。電子取引サーバ10の制御部203は、決済が正常に完了した旨を電子取引端末20に通知する。電子取引サーバ10の制御部203は、商品の注文が確定した旨を、商品を販売する店舗の端末に通知する。店舗の担当者は、商品をカスタマに発送する。
【0075】
電子取引端末20の制御部507は、カスタマによって予め登録された、記憶部506に記憶されたクレジットカード番号等を用いて、クレジットカード会社の決済サーバに決済を依頼してもよい。この場合、決済のたびに電子取引端末20と電子取引サーバ10との間でクレジットカード番号等の秘匿性の高い情報を送受信する機会を少なくすることができる。
【0076】
電子取引サーバ10の制御部203は、カスタマによって予め登録され、記憶部201に予め記憶した住所、氏名、電話番号、クレジットカード番号等の情報を用いて購入ページを生成し、電子取引端末20へ送信してもよい。
【0077】
遷移条件が満たされる場合には、電子取引端末20は、投入オブジェクト710に対応する商品を選択する第1指示が入力されると、商品ページから購入ページへと直ちに遷移させ、カスタマが購入リストに登録した商品をすぐに購入できるようにする。投入オブジェクト710が操作された後にすぐに商品ページから購入ページに遷移するので、カスタマは、わざわざカートアイコン730を操作する必要はない。
【0078】
遷移条件とは、商品ページに掲載されたすべての商品のうち、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品、つまり購入リストに登録された商品と同じカテゴリに属する関連商品(競合商品)の数もしくは割合が、所定の判別基準に基づいて多いこと、である。制御部507は、遷移条件が満たされると判別すると、操作された投入オブジェクト710が表示されている商品ページから、購入リストに登録された商品を購入する手続きを行うための購入ページへ、直ちに遷移させる。
【0079】
すなわち、制御部507は、商品ページに掲載されたすべての商品のうち、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品と同じカテゴリに属する関連商品の数N
Aを計算する。そして、制御部507は、数N
Aが、予め決められた値(例えば5個等)より多ければ、遷移条件が満たされると判別する。競合商品の数が判別基準より多ければ、投入オブジェクト710がカスタマにより操作された後、商品ページから購入ページへ直ちに遷移する。
【0080】
あるいは、制御部507は、商品ページに掲載されたすべての商品のうち、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品と同じカテゴリに属する関連商品の数N
Aを計算する。更に、制御部507は、商品ページに掲載されたすべての商品の数N
Bを計算する。そして、制御部507は、数N
Bに対する数N
Aの割合R
Aが、予め決められた値(例えば50%等)より多ければ、遷移条件が満たされると判別する。すべての商品のうち競合商品が占める割合が基準より多ければ、投入オブジェクト710がカスタマにより操作された後、商品ページから購入ページへ直ちに遷移する。
【0081】
なお、電子取引端末20の制御部507は、遷移条件を、商品ページに掲載されたすべての商品のうち、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品と同じカテゴリに属する関連商品の数もしくは割合が、所定の基準に基づいて多いこと、とする代わりに、電子ショッピングモールにおいて販売されているすべての商品のうち、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品と同じカテゴリに属する関連商品の数もしくは割合が、所定の基準に基づいて多いこと、としてもよい。
【0082】
カテゴリは、商品を分類するための階層構造を有するラベルのようなものである。例えば、最も上位の第1階層に、食品、家電、本、ファッション等のカテゴリが定義される。第1階層の下の第2階層に、食品の下に飲み物やお菓子、家電の下にパーソナルコンピュータやオーディオ機器、といったサブカテゴリが定義される。更に第2階層の下の第3階層に、飲み物の下にソフトドリンクやアルコール、といったサブカテゴリが定義される。階層の深さは任意である。二つの商品が属するカテゴリが同一であれば、それら二つの商品は関連商品(競合商品)とみなされる。
【0083】
本実施形態では、最下層のカテゴリに属する商品同士が関連商品とみなされる。ただし、最下層ではなく、最下層から一つ上のカテゴリ、最下層から二つ上のカテゴリ等を、関連商品とみなすか否かの判別の指針としてもよい。
【0084】
遷移条件は、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品と共に過去に購入された他の商品の数、もしくは、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品と共に他の商品が過去に購入された頻度が、所定の判別基準に基づいて少ないこと、であってもよい。
【0085】
すなわち、電子取引端末20の制御部507は、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品と共に過去に購入された他の商品の数N
Cを、電子取引サーバ10に問い合わせる。電子取引サーバ10の制御部203は、購入履歴データベース252を検索して数N
Cを取得し、取得した数N
Cを示す情報を電子取引端末20へ送信する。
【0086】
例えば、商品Xが、過去に一度、他の二つの商品と共に購入されたことがあり、且つ、過去に二度、他の一つの商品と共に購入されたことがあるならば、[式1]により、N
C=4である。
【0087】
N
C = 1×2 + 2×1 = 4 ・・・[式1]
【0088】
そして、電子取引端末20の制御部507は、数N
Cが、予め決められた値(例えば10回等)より少なければ、遷移条件が満たされると判別する。一緒に購入された商品の数が判別基準より少なければ、投入オブジェクト710がカスタマにより操作された後、商品ページから購入ページへ直ちに遷移する。
【0089】
あるいは、電子取引端末20の制御部507は、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品が過去に購入された件数N
D、及び、操作された投入オブジェクト710に対応付けられた商品が過去に他の商品と共に購入された件数N
Eを、電子取引サーバ10に問い合わせる。電子取引サーバ10の制御部203は、購入履歴データベース252を検索し、件数N
D及びN
Eを取得する。電子取引サーバ10の制御部203は、件数N
Dに対する件数N
Eの割合R
Bを計算し、計算した割合R
Bを示す情報を電子取引端末20へ送信する。そして、電子取引端末20の制御部507は、割合R
Bが、予め決められた値(例えば50%等)より少なければ、遷移条件が満たされると判別する。他の商品全取引件数に対する一緒に購入された件数の割合が判別基準より少なければ、投入オブジェクト710がカスタマにより操作された後、商品ページから購入ページへ直ちに遷移する。
【0090】
また、遷移条件は、商品の販売者によって予め指定された特定商品であること、であってもよい。特定商品が購入リストに登録されると、投入オブジェクト710がカスタマにより操作された後、商品ページから購入ページへ直ちに遷移する。
【0091】
すなわち、販売者は、自身の店舗で販売するすべての商品について、購入リストに登録されると商品ページから直ちに購入ページへと遷移させる特定商品であるか否かを予め指定する。あるいは、販売者は、特定商品のみを明示的に予め指定し、特定商品でない商品には何も指定しない。電子取引サーバ10の制御部203は、すべての商品について、商品が特定商品であるか否かを示す分類フラグを記憶部201に記憶する。購入リストに登録する要求を受信した電子取引サーバ10の制御部203は、記憶部201に記憶された分類フラグの値に基づいて、購入リストへの登録を要求された商品が特定商品であるか否かを判別する。
【0092】
購入リストへの登録を要求された商品が特定商品である場合、電子取引サーバ10の制御部203は、購入ページを構成するデータを電子取引端末20へ送信する。電子取引端末20の制御部507は、遷移条件が満たされると判別し、商品ページから購入ページへ画面を遷移させる。
【0093】
購入リストへの登録を要求された商品が特定商品ではない場合、電子取引サーバ10の制御部203は、商品ページの表示を続行させ購入ページへは遷移させない旨を電子取引端末20に通知する。この通知を受信した電子取引端末20の制御部507は、遷移条件が満たされないと判別し、投入オブジェクト710が操作されても商品ページから購入ページへ画面を遷移させない。
【0094】
本実施形態の電子ショッピングモールのように複数の店舗が参加する電子市場においては、各店舗の管理者(つまり商品の販売者)が任意に特定商品を設定することに加えて、あるいは、各店舗の管理者が任意に特定商品を設定する代わりに、電子市場全体の管理者(つまり電子市場の運営者)が任意に特定商品を設定するようにしてもよい。
【0095】
つまり、電子取引サーバ10の制御部203は、
図4に示す商品データの各レコードに、特定商品か否かを示す分類フラグを格納するフィールドを追加し、各店舗の管理者からの指示に基づいて、あるいは、電子市場全体の管理者からの指示に基づいて、分類フラグを随時更新する。商品の購入リストへの登録が要求されると、電子取引サーバ10の制御部203は、その商品に対応付けられている分類フラグを参照する。
【0096】
分類フラグに特定商品であることを示す値が格納されていれば、電子取引サーバ10の制御部203は、購入リストへの登録を要求された商品が特定商品であることを電子取引端末20に通知する。電子取引端末20の制御部507は、遷移条件が満たされると判別する。
【0097】
分類フラグに特定商品ではないことを示す値が格納されていれば、電子取引サーバ10の制御部203は、購入リストへの登録を要求された商品が特定商品ではないことを電子取引端末20に通知する。電子取引端末20の制御部507は、遷移条件が満たされないと判別する。
【0098】
なお、購入リストに登録されると商品ページから購入ページへと直ちに遷移させる商品を特定商品と定義するのではなく、反対に、購入リストに登録されても商品ページから購入ページへと直ちに遷移させない商品を特定商品と定義してもよい。この場合、電子取引サーバ10の制御部203は、購入リストへの登録を要求された商品が特定商品であれば、購入リストへの登録を要求された商品が特定商品であることを電子取引端末20に通知し、電子取引端末20の制御部507は、遷移条件が満たされないと判別する。また、電子取引サーバ10の制御部203は、購入リストへの登録を要求された商品が特定商品でなければ、購入リストへの登録を要求された商品が特定商品ではないことを電子取引端末20に通知し、電子取引端末20の制御部507は、遷移条件が満たされると判別する。
【0099】
遷移条件が満たされない場合には、電子取引端末20の制御部507は、投入オブジェクト710に対応する商品を選択する指示(第1指示)が入力されると、商品ページを表示したまま、商品ページに示された商品が購入リストに投入された旨を示す投入通知を表示し、待機する。
【0100】
図10に、投入通知1000の例を示す。電子取引端末20の制御部507は、商品ページを表示したまま、投入通知1000を示すポップアップ画面を重畳して表示する。本実施形態における投入通知1000は、購入リストに登録された商品を示す情報と、確認をカスタマに促すボタン1020とを含むダイアログボックスである。
【0101】
電子取引端末20の制御部507は、ボタン1020が操作されると、投入通知1000を消去し、商品ページの表示を続ける。カスタマは、商品を購入リストに登録して投入通知1000を確認した後、買い物を続けることができる。遷移条件が満たされないならば、カスタマが商品を購入リストに登録するたびに購入ページに遷移することはない。
【0102】
商品ページの表示中に、既に購入リストに登録した商品とは異なる他の商品を選択する指示(第2指示)が入力されると、電子取引端末20の制御部507は、第2指示に対応する他の商品を示す商品ページへ遷移させる。
【0103】
第2指示は、既に購入リストに登録した商品と同じ商品を選択する指示であってもよい。この場合には、電子取引端末20の制御部507は、同じ商品を重複して購入リストに登録することになる。制御部507は、同じ商品が購入リストに登録された旨を示すメッセージや画像を表示してもよい。
【0104】
なお、投入通知1000の表示を開始してから予め決められた基準時間が経過した後、電子取引端末20の制御部507は、投入通知1000を自動的に消去してもよい。この場合、ボタン1020は無くてもよい。
【0105】
あるいは、投入通知1000の表示を開始してから予め決められた基準時間が経過するまでの間にボタン1020が操作されない場合に、電子取引端末20の制御部507は、投入通知1000を自動的に消去してもよい。
【0106】
図11に、投入通知1000の他の例を示す。電子取引端末20の制御部507は、ボタン1020に加えて、購入リストに登録された商品の購入手続きへ進むことを指示するボタン1150を表示してもよい。
【0107】
ボタン1150が操作されると、電子取引端末20の制御部507は、投入通知1000を消去し、商品ページから、
図9に示す購入ページへ、遷移させる。
【0108】
ボタン1020が操作されると、電子取引端末20の制御部507は、投入通知1000を消去し、商品ページの表示を続ける。商品ページが表示されたままなので、カスタマはそのまま買い物を続けることができる。
【0109】
なお、カスタマは、投入通知1000が消去された後に購入リストを閲覧したい場合、もしくは、投入通知1000が消去された後に商品を購入する手続きを開始したい場合には、カートアイコン730を操作して購入ページを表示させればよい。
【0110】
次に、電子取引システム1によって実行される電子取引処理の流れについて、
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0111】
まず、電子取引端末20の制御部507は、商品を選択する第1指示をカスタマから受け付けると、その商品を示す商品ページを構成するデータを電子取引サーバ10から取得し、例えば
図7や
図8に示すように、商品ページを表示する(ステップS1201)。
【0112】
電子取引端末20の制御部507は、投入オブジェクト710がカスタマによって操作されたか否かを判別する(ステップS1202)。
【0113】
投入オブジェクト710がカスタマによって操作されない場合(ステップS1202;NO)、電子取引端末20の制御部507は、商品ページの表示を続ける。表示している商品ページとは異なる他のページを閲覧する要求が入力された場合、例えば新たな検索の指示が入力された場合、電子取引端末20の制御部507は、他のページを構成するデータを電子取引サーバ10から取得して表示する。
【0114】
投入オブジェクト710がカスタマによって操作された場合(ステップS1202;YES)、電子取引端末20の制御部507は、遷移条件が満たされるか否かを判別する(ステップS1203)。
【0115】
遷移条件が満たされないと判別した場合(ステップS1203;NO)、電子取引端末20の制御部507は、ステップS1201で表示した商品ページを表示したまま、投入通知1000を表示する(ステップS1204)。
【0116】
電子取引端末20の制御部507は、ステップS1202で操作されたと判別した投入オブジェクト710とは異なる他の商品を選択する第2指示が入力されたか否か、言い換えれば他の商品が選択されたか否かを判別する(ステップS1205)。
【0117】
他の商品が選択されたと判別した場合(ステップS1205;YES)、電子取引端末20の制御部507は、ステップS1201に戻り、選択された他の商品を示す商品ページを取得して表示する。
【0118】
他の商品が選択されていないと判別した場合(ステップS1205;NO)、電子取引端末20の制御部507は、カートアイコン730がカスタマによって操作されたか否かを判別する(ステップS1206)。
【0119】
カートアイコン730がカスタマによって操作されていないと判別した場合(ステップS1206;NO)、電子取引端末20の制御部507は、ステップS1205の処理に戻る。
【0120】
カートアイコン730がカスタマによって操作されたと判別した場合(ステップS1206;YES)、電子取引端末20の制御部507は、ステップS1201で表示した商品ページから、購入ページへ、遷移させる(ステップS1207)。
【0121】
購入オブジェクト910がカスタマによって操作されると、電子取引端末20の制御部507は、電子取引サーバ10と連携して決済処理を実行する(ステップS1208)。決済処理が完了すれば、決済の完了が店舗に通知され、店舗の担当者がカスタマへ商品を発送する。
【0122】
ステップS1203において、遷移条件が満たされると判別した場合(ステップS1203;YES)、電子取引端末20の制御部507は、商品ページから購入ページへ直ちに遷移させ(ステップS1207)、購入オブジェクト910がカスタマによって操作されると、決済処理を実行する(ステップS1208)。
【0123】
なお、ステップS1207で商品ページから購入ページへ画面が遷移した後、決済処理を中止する指示がカスタマから入力された場合には、電子取引端末20の制御部507は、決済処理を行わずに電子取引処理を終了する。商品を選択する第1指示をカスタマから受け付けると、電子取引端末20の制御部507は、ステップS1201から電子取引処理を再び開始する。
【0124】
本実施形態によれば、電子取引システム1は、カスタマが買い物し易い環境を実現することができる。例えば、カスタマが同一ページ内の複数の商品に興味を持っている場合において、一つの商品を購入リストに登録した後に、購入ページ等、他のページに遷移してしまうと、カスタマは、その商品を購入リストに入れる前のページまで戻って買い物を続けるか、再びトップ画面に戻って検索をやり直さなければならず、とても面倒である。しかし、本実施形態によれば、一つの商品ページの中に一緒に購入される傾向が高い商品がある場合には、投入通知1000は表示されるものの、商品ページから他のページへ遷移しないので、カスタマが引き続き買い物し易くなる。
【0125】
また、店舗にとって、カスタマが購入リストに商品を入れたまま購入せずに放置してしまったり、他の店舗に客を取られてしまったりするリスクを減らすことができる。例えば、同一ページ内に複数の競合商品が表示される場合において、カスタマが第1の商品を購入リストに登録した後に、競合する第2の商品が表示されたままであると、カスタマが考え直し、購入リストに登録した第1の商品の購入をやめて第2の商品を購入するかもしれず、第1の商品を販売する店舗にとっては販売機会を逸してしまうリスクが高まる。しかし、本実施形態によれば、一つの商品ページの中に一緒に購入される傾向が高い商品が無い場合には、商品ページから購入ページへすぐに遷移するので、カスタマを迷わせない環境を提供することができる。また、カスタマが商品を購入リストに登録したまま放置してしまうことを防ぐ効果が高まる。
【0126】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0127】
図10と
図11に示す投入通知1000は、確認をカスタマに促すボタン1020を含むダイアログボックスに表示される。しかし、電子取引端末20の制御部507は、商品が購入リストに登録された旨のメッセージを投入通知1000として表示し、ボタン1020を表示しなくてもよい。この場合、電子取引端末20の制御部507は、投入通知1000の表示を開始してから基準時間が経過すると、投入通知1000の表示を自動的に消去する。
【0128】
投入通知1000が表示される画面内の位置、投入通知1000のデザイン、投入通知1000が継続して表示される時間の長さは、いずれも任意である。
【0129】
電子取引端末20の制御部507は、投入通知1000を表示する時間の長さを可変にしてもよい。
【0130】
すなわち、購入リストに商品が一つも登録されていない状態で、ある商品に対応付けられている投入オブジェクト710がカスタマによって操作され、且つ、遷移条件が満たされない場合、制御部507は、投入通知1000を表示する時間長の上限を、第1の長さに設定し、投入通知1000を表示する。投入通知1000の表示中にボタン1020がカスタマによって操作されれば、制御部507は、投入通知1000の表示を開始してから第1の長さの時間が経過しなくても、投入通知1000の表示を消去する。
【0131】
一方、購入リストに既に一つ以上の商品が登録されている状態で更に他の商品に対応付けられる投入オブジェクト710がカスタマによって操作され、且つ、遷移条件が満たされない場合、制御部507は、投入通知1000を表示する時間長の上限を、第1の長さよりも短い第2の長さに設定し、投入通知1000を表示する。投入通知1000の表示中にボタン1020がカスタマによって操作されれば、制御部507は、投入通知1000の表示を開始してから第2の長さの時間が経過しなくても、投入通知1000の表示を消去する。
【0132】
また、電子取引端末20の制御部507は、購入リストに既に登録されている商品の数が多いほど、投入通知1000を表示する時間長の最大値を短くしてもよい。複数の商品を購入リストに登録したカスタマは、購入意欲が高いと考えられ、購入リストに商品を登録したことを表示する時間を短くしても、購入リストに商品を登録したことを強く意識していると考えられるからである。投入通知1000の表示時間を短くし、少しでも商品ページを閲覧し易くするとよい。
【0133】
電子取引システム1の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0134】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0135】
本発明によれば、カスタマが買い物をし易い環境を実現することができる。
電子取引端末(20)において、提示部(601)は、商品と、商品に対応付けられる投入オブジェクトとを含む商品ページをカスタマに提示する。受付部(602)はカスタマからの指示を受け付ける。投入部(603)は、商品に対応付けられる投入オブジェクトを選択する指示が受け付けられると、選択された商品をカスタマの電子カートに投入する。電子カートへ商品が投入されると、提示部(601)は、遷移条件が満たされれば、商品ページから、電子カートに既に投入されている商品を購入するための決済を開始する購入ページへ、画面を遷移させる。遷移条件が満たされなければ、提示部(601)は、商品ページに示された商品が電子カートに投入された旨を示す投入通知を商品ページと共に提示し、他の商品を選択する指示が受け付けられるまで待機した後、商品ページから、選択された他の商品を示す商品ページへ、画面を遷移させる。