(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本願の出願人が提案した前述の電気接続部の固定構造は、内側シールド122と外側シールド121との間隔Lを電気接続部102よりも広くすることによって、導電性の電気接続部102と外側シールド121との接触によって回路が短絡することを防止しているので、シールド筐体120の電気接続部111に、シールドされた電線101の電気接続部102を接続する際に、内側シールド122と外側シールド121との間で、各電気接続部102,111同士を接続させる作業を行わなければならなかった。
【0005】
また、固定用ブラケット118によってシールド部材104を外側シールド121に固定しているので、外側シールド121に対してシールド部材104と固定用ブラケット118とを位置合わせする作業を行わなければならなかった。
【0006】
このように、シールド筐体120の電気接続部111に、シールドされた電線101の電気接続部102を接続して固定する作業が煩雑となることから、その作業性を向上させるという要求が新たに生じた。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決することを目的とするものである。即ち、本発明は、シールドされた電線の端末に設けられる電気接続部と、シールドされた機器に設けられる電気接続部と、を接続させる接続作業を向上することのできる電気接続部の固定構造、コネクタ、および、コネクタの接続方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された本発明の電気接続部の固定構造は、シールド筐体の電気接続部に、シールドされた電線の電気接続部を接続して固定する電気接続部の固定構造であって、前記シールドされた電線の電気接続部の外周面に沿ってスライド自在に設けられる電気絶縁性の環状部材と、前記環状部材の外周面に設けられ且つ前記シールド筐体に固定される導電性の固定部材と、前記電線を被覆するとともに前記固定部材に機械的且つ電気的に接続されるシールド部材と、を備え、前記シールド部材が、前記環状部材のスライドに伴って撓み変形されることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載された本発明の電気接続部の固定構造は、請求項1に記載の電気接続部の固定構造において、前記固定部材には、電気絶縁性と防水性とを有する保護カバーが設けられ、前記保護カバーが、前記環状部材のスライドに伴って撓み変形されることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載された本発明の電気接続部の固定構造は、請求項2に記載の電気接続部の固定構造において、前記固定部材には、前記保護カバーに係止する係止部が設けられ、前記保護カバーが、前記係止部に対して着脱可能に構成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載された本発明のコネクタは、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電気接続部の固定構造によって他の電気接続部と接続されることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載された本発明のコネクタの接続方法は、請求項4に記載のコネクタを用いたコネクタの接続方法であって、電線の長手方向の中間部側に環状部材をスライドさせることによってシールド部材を撓ませるとともに電気接続部を突出させ、シールド筐体の電気接続部に前記シールドされた電線の電気接続部を嵌合して機械的且つ電気的に接続し、前記環状部材を前記シールドされた電線の電気接続部の端部側にスライドさせることによって前記シールド部材を初期の形状に復元させ、前記シールド筐体に前記固定部材を機械的且つ電気的に接続して固定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された本発明の電気接続部の固定構造によれば、シールド筐体と、シールドされた電線の電気接続部とを環状部材によって絶縁することができ、かつ、電線の長手方向の中間部側に環状部材をスライドさせることによってシールド部材が撓み変形するとともに、シールドされた電線の電気接続部が突出するので、シールド筐体の外側から、シールドされた電線の電気接続部をシールド筐体の電気接続部に接続させることができるので、その接続作業の作業性を向上させることができる。
【0014】
また、固定部材に接続されたシールド部材が環状部材のスライドに伴って撓み変形するので、シールド筐体に固定部材を機械的且つ電気的に接続するだけで、固定部材を介してシールド部材がシールド筐体に固定され、その固定作業の作業性を向上させることができる。
【0015】
このように、シールドされた電線の電気接続部の接続作業の作業性を向上させることができるとともに、シールド部材の固定作業の作業性を向上させることができるので、シールドされた電線の電気接続部をシールド筐体に接続させる際の作業性を向上させることができる。
【0016】
請求項2に記載された本発明の電気接続部の固定構造によれば、固定部材を外部から電気的に絶縁することができるとともに、外部からの水の浸入を防ぐことができる。
【0017】
請求項3に記載された本発明の電気接続部の固定構造は、固定部材に対して保護カバーを着脱できるので、固定部材を介してシールド部材がシールド筐体に固定される際に、保護カバーを外して固定部材とシールド筐体との固定作業ができ、この固定作業が完了したら保護カバーを固定部材に取り付けることができる。このため、固定部材の固定作業の作業性の低下を防ぐことができる。
【0018】
請求項4に記載された本発明のコネクタは、電気接続部の接続作業の作業性を向上させることができるとともに、シールド部材の固定作業の作業性を向上させることができるので、コネクタをシールド筐体の電気接続部に接続させる際の作業性を向上させることができる。
【0019】
請求項5に記載された本発明のコネクタの接続方法は、電線の長手方向の中間部側に環状部材をスライドさせることによってシールド部材を撓ませるとともに電気接続部を突出させ、シールド筐体の電気接続部に前記シールドされた電線の電気接続部を嵌合して機械的且つ電気的に接続し、前記環状部材を前記シールドされた電線の電気接続部の端部側にスライドさせることによって前記シールド部材を初期の形状に復元させ、前記シールド筐体に前記固定部材を機械的且つ電気的に接続して固定するので、簡単な操作によってコネクタをシールド筐体の電気接続部に接続することができるとともに、その接続作業の作業性が良好となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する本発明の実施の形態は、本発明の代表的な形態を示したものに過ぎず、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。したがって、本発明は、本発明の骨子を逸脱しない範囲、即ち、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲で種々変形して実施することができる。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態にかかるコネクタ1を備えた共鳴式非接触給電システム50の模式図である。
図2は、本発明の一実施形態にかかるコネクタ1の断面図である。
図3は、本発明の一実施形態にかかるコネクタ1のA−A矢視断面図である。
【0023】
本発明の一実施形態にかかるコネクタ1は、
図1に示すように、共鳴式非接触給電システム50において、高周波電源52から出力される高周波電力を送電コイル部51に供給するための送電側伝送ケーブル4の端末に設けられるものである。
【0024】
共鳴式非接触システム50は、例えば、電気自動車などにおける給電システムに適用される。共鳴式非接触システム50は、
図1に示すように、送電側デバイス50Aと、受電側デバイス50Bとを備えている。
【0025】
送電側デバイス50Aは、例えば、住宅や公共施設等の駐車場などに埋設される。送電側デバイス50Aは、高周波電力を出力する高周波電源52と、電磁界E1を発生させる送電コイル部51と、を備えている。高周波電源52と送電コイル部51とは、端末にコネクタ1が設けられた送電側伝送ケーブル4によって接続されている。
【0026】
高周波電源52は、筐体を構成する筐体シールド52aと、前記筐体シールド52a内に組み込まれた高周波発振源55と、前記筐体シールド52aをグランドGNDに接地させるための電源ケーブルのFG線56と、を備えている。
【0027】
発振源55には、送電側伝送ケーブル4を構成する電線としての送電側同軸ケーブル22の内部導体24が接続されている。筐体シールド52aには、送電側同軸ケーブル22の外部導体25と、前記送電側同軸ケーブル22を被覆するシールド部材としての送電側同軸ケーブルシールド11と、が接続されている。発振源55は、例えば、周波数が10〜16MHzの範囲で、1〜3kWの範囲の電力を出力するように構成されている。
【0028】
送電側同軸ケーブル22は、内部導体24と、前記内部導体24の外周面を被覆する絶縁体と、前記絶縁体の外周面に設けられた外部導体25と、前記外部導体25の外周面を被覆するシースと、を備えている。送電側同軸ケーブル22には、絶縁性と防水性とを有するプロテクタとしてのコルゲートチューブ6が外挿されている。
【0029】
内部導体24は、銅または銅合金あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金などの導電性の金属製の導線から構成されている。内部導体24は、一端が高周波電源52の発振源55に接続され、他端がコネクタ1を構成する電気接続部としての同軸コネクタ3に接続されている。内部導体24を被覆する絶縁体は、ポリエチレン樹脂などの合成樹脂から構成されている。
【0030】
外部導体25は、銅または銅合金あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金などの導電性の金属製の中空の丸編組線から構成されている。外部導体25は、該外部導体25の一端が高周波電源52の筐体シールド52aおよび発振源55の他端に機械的かつ電気的に接続され、外部導体25の他端が同軸コネクタ3に接続されている。外部導体25を被覆するシースは、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂から構成されている。
【0031】
送電側同軸ケーブルシールド11は、銅または銅合金あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金などの導電性の金属製の中空の丸編組線から構成されている。送電側同軸ケーブルシールド11は、一端が高周波電源52の筐体シールド52aに機械的かつ電気的に接続され、
図2に示すように、他端がコネクタ1を構成する固定部材9に機械的かつ電気的に接続されている。
【0032】
送電コイル部51は、
図1に示すように、前記高周波電源52から出力される高周波電力によって電磁界E1を発生させる一次コイル59と、前記一次コイル59に磁界結合される一次共鳴コイル60と、シールド筐体51aと、を備えている。
【0033】
シールド筐体51aは、前記一次コイル59および前記一次共鳴コイル60を外から覆う内側シールド58と、前記内側シールド58を外から覆う外側シールド57と、を備えている。
【0034】
内側シールド58は、鉄または銅などの良導体金属で構成され、一方が開口された有底筒形状に形成されている。内側シールド58は、前記開口を除いて、一次コイル59および一次共鳴コイル60を完全に覆っている。
【0035】
内側シールド58の底面部分には、
図4に示すように、シールド筐体の電気接続部としての中継コネクタ41と、前記中継コネクタ41を挿通させるための開口部58aと、前記開口部58aを塞ぐとともに前記中継コネクタ41を前記底面部分に固定するための固定板63と、が設けられている。
【0036】
中継コネクタ41は、いわゆるレセプタクルと称され、例えば、後述する同軸コネクタ3のアウター端子金具が外挿されて電気的に接続される円筒形状の外部導体と、同軸コネクタ3のインナー端子金具が圧入されて電気的に接続される中心導体と、前記外部導体と前記中心導体とを絶縁する絶縁体と、を備えている。外部導体の外周面には、螺条あるいは複数の条溝が設けられている。
【0037】
外側シールド57は、鉄または銅などの良導体金属で構成され、一方が開口された有底筒形状に形成されている。外側シールド57の開口の縁部分には、
図1に示すように、放射電磁界E2の外部への放射を抑制するためのフランジ部61が設けられている。外側シールド57は、前記開口を除いて、内側シールド58を完全に覆っている。
【0038】
外側シールド57の底面部分には、
図4に示すように、コネクタ1を構成する電気接続部としての同軸コネクタ3を挿通させるための開口部57aが設けられている。開口部57aの縁部分は、内側シールド58に向かって折り曲げられている。開口部57aは、後述するコネクタ1を構成する環状部材8の外形に沿った円形状に開口されている。
【0039】
受電側デバイス50Bは、例えば、電気自動車などの車両に搭載される。受電側デバイス50Bは、
図1に示すように、受電コイル部53と、電気自動車などのバッテリなどを充電するための負荷装置54と、を備えている。受電コイル部52と負荷装置54とは、受電側同軸ケーブル72と受電側同軸ケーブルシールド74とを備えた受電側伝送ケーブル71によって接続されている。
【0040】
受電側同軸ケーブル72は、内部導体75と、前記内部導体75の外周面を被覆する絶縁体と、前記絶縁体の外周面に設けられた外部導体76と、前記外部導体76の外周面を被覆するシースと、を備えている。
【0041】
内部導体75は、該内部導体75の一端が二次コイル66の一端に接続され、内部導体75の他端が負荷84に接続されている。外部導体76は、該外部導体76の一端が受電コイル部53の内側シールド65および二次コイル66の他端に機械的かつ電気的に接続され、外部導体76の他端が負荷装置54の内側シールド82に機械的かつ電気的に接続されている。
【0042】
受電側同軸ケーブルシールド74は、銅または銅合金あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金などの導電性の金属製であり、中空の丸編組線から構成されている。受電側同軸ケーブルシールド74は、一端が受電コイル部53の外側シールド64に機械的かつ電気的に接続され、他端が負荷装置54の外側シールド81に機械的かつ電気的に接続されている。
【0043】
受電コイル部53は、前記一次共鳴コイル60に共鳴する二次共鳴コイル67と、前記二次共鳴コイル67に磁界結合される二次コイル66と、シールド筐体53aと、を備えている。
【0044】
シールド筐体53aは、前記二次共鳴コイル67および前記二次コイル66を外から覆う内側シールド65と、前記内側シールド65を外から覆う外側シールド64と、を備えている。
【0045】
内側シールド65は、鉄または銅などの良導体金属で構成され、一方が開口された有底筒形状に形成されている。内側シールド65は、前記開口を除いて、二次共鳴コイル67および二次コイル66を完全に覆っている。
【0046】
内側シールド65の底面部分には、受電側同軸ケーブル72の内部導体75を挿通させるための開口部が設けられている。開口部の周縁部には、受電側同軸ケーブル72の外部導体の一端が機械的かつ電気的に接続されている。
【0047】
外側シールド64は、鉄または銅などの良導体金属で構成され、一方が開口された有底筒形状に形成されている。外側シールド64の開口の縁部分には、放射電磁界E2の外部への放射を抑制するためのフランジ部68が設けられている。外側シールド64は、前記開口を除いて、内側シールド65を完全に覆っている。
【0048】
外側シールド64の底面部分には、受電側同軸ケーブル72を挿通させるための開口部が設けられている。開口部の周縁部には、受電側同軸ケーブルシールド74の一端が機械的かつ電気的に接続されている。
【0049】
負荷装置54は、バッテリなどの負荷84と、前記負荷84を外から覆う内側シールド82と、前記内側シールド82を外から覆う外側シールド81と、を備えている。負荷84には、受電側同軸ケーブル72の内部導体75の他端が接続されている。
【0050】
内側シールド82は、鉄または銅などの良導体金属から構成されている。内側シールド82には、受電側同軸ケーブル72の内部導体75を挿通させるための開口部が設けられているとともに、負荷84が電気的に接続されている。
【0051】
内側シールド82の開口部の周縁部には、受電側同軸ケーブル72の外部導体76の他端が機械的かつ電気的に接続されている。内側シールド82は、前記開口部を除いて、負荷84を完全に覆っている。
【0052】
外側シールド81は、鉄または銅などの良導体金属から構成されている。外側シールド81には、受電側同軸ケーブル72を挿通させるための開口部が設けられている。
【0053】
外側シールド81の開口部の周縁部には、受電側同軸ケーブルシールド74の他端が機械的かつ電気的に接続されている。外側シールド81は、前記開口部を除いて、内側シールド82を完全に覆っている。
【0054】
コネクタ1は、
図1および
図2に示すように、シールドされた電線の電気接続部としての同軸コネクタ3と、電気接続部の固定構造としてのコネクタ固定装置2と、を備えている。コネクタ1は、送電側伝送ケーブル4の端末に設けられているとともに、送電コイル部51に固定されている。
【0055】
同軸コネクタ3は、例えば、いわゆるHNコネクタが採用され、送電側同軸ケーブル22の端末に接続されるプラグ21から構成されている。プラグ21は、例えば、送電側同軸ケーブル22の端末と圧着されるスリーブと、送電側同軸ケーブル22の内部導体24に電気的に接続されるインナー端子金具と、送電側同軸ケーブル22の外部導体25に電気的に接続されるアウター端子金具と、を備えている。プラグ21を中継コネクタ41にねじ込む部分の外周面には、互いに交差する複数の溝によって網目状に形成された滑り止め部21aが設けられている。
【0056】
固定装置2は、送電側伝送ケーブル4の端末に設けられている。固定装置2は、環状部材8と、固定部材9と、送電側同軸ケーブルシールド11と、保護カバー14と、を備えている。
【0057】
環状部材8は、同軸コネクタ3の外周面に沿って該同軸コネクタ3の軸方向にスライド自在に設けられている。環状部材8は、同軸コネクタ3の外形に沿った円筒形状に形成されているとともに、電気絶縁性を有する合成樹脂から構成されている。
【0058】
固定部材9は、
図2および
図3に示すように、環状部材8の外周面に設けられ、環状の円盤形状に形成されている。固定部材9の内周部分には、送電側同軸ケーブルシールド11の他端が機械的かつ電気的に接続される連結部9bと、環状部材8の外周面に係合する係合部9cと、が設けられている。
【0059】
固定部材9の外周部分には、保護カバー14の係止溝14aに係止する係止部9aが設けられている。固定部材9の連結部9bと送電側同軸ケーブルシールド11の他端とは、圧着リング32によって固定されて接続されている。固定部材9は、
図5に示すように、送電コイル部51の筐体を構成する外側シールド57にボルト31によって固定される。
【0060】
送電側同軸ケーブルシールド11は、銅または銅合金あるいはアルミニウムまたはアルミニウム合金などの導電性であり、金属製の中空の丸編組線から構成されている。送電側同軸ケーブルシールド11は、
図4に示すように、環状部材8のスライドに伴って撓み変形可能に構成されている。
【0061】
保護カバー14は、
図2および
図3に示すように、固定部材9の係止部9aに係止される係止溝14aと、送電側伝送ケーブル4が挿通される挿通部14bと、を備えている。保護カバー14は、
図4に示すように、環状部材8のスライドに伴って撓み変形可能に構成されている。
【0062】
次に、
図4および
図5を参照して、上述の如く構成された本発明の一実施形態にかかるコネクタ1と送電コイル部51との接続について説明する。
【0063】
図4に示すように、送電側同軸ケーブル22の長手方向の中間部側に向かって環状部材8をスライドさせ、送電側同軸ケーブルシールド11および保護カバー14のそれぞれを屈曲するようにして撓ませるとともに、同軸コネクタ3を環状部材8から突出させる。
【0064】
続いて、中継コネクタ41に同軸コネクタ3を嵌合させて機械的かつ電気的に接続し、環状部材8を同軸コネクタ3の端部側にスライドさせ、固定部材9を送電コイル部51の外側シールド57に当接させるとともに、送電側同軸ケーブルシールド11および保護カバー14のそれぞれを初期の形状に復元させる。
【0065】
続いて、固定部材9の係止部9aから保護カバー14の係止溝14aを取り外し、ボルト31を外部から操作して、固定部材9を外側シールド57に機械的かつ電気的に接続させて固定し、
図5に示すように、係止部9aに係止溝14aを係止させる。このようにして、本発明の一実施形態にかかるコネクタ1が送電コイル部51に機械的かつ電気的に接続されて固定される。
【0066】
以上に説明したように、本発明の一実施形態にかかるコネクタ固定装置2は、送電側同軸ケーブル22の同軸コネクタ3を内側シールド58の中継コネクタ41に接続して固定する電気接続部の固定構造であって、同軸コネクタ3の外周面に沿ってスライド自在に設けられる電気絶縁性の環状部材8と、前記環状部材8の外周面に設けられ且つ前記シールド筐体51aに固定される導電性の固定部材9と、前記送電側同軸ケーブル22を被覆するとともに前記固定部材9に機械的且つ電気的に接続される送電側同軸ケーブルシールド11と、を備え、前記送電側同軸ケーブルシールド11が、前記環状部材8のスライドに伴って撓み変形される。
【0067】
このように構成された本発明の一実施形態にかかるコネクタ固定装置2によれば、同軸コネクタ3とシールド筐体51aを構成する外側シールド57とを環状部材8によって絶縁することができるとともに、送電側同軸ケーブル22の長手方向の中間部側に環状部材8をスライドさせることによって送電側同軸ケーブルシールド11が前記環状部材8のスライド方向に撓むとともに同軸コネクタ3が突出されるので、
図5に示すように、環状部材8によってプラグ21と外側シールド57とが電気的に絶縁され、内側シールド58と外側シールド57との間隔Lを狭めることができ、
図4に示すように、送電コイル部51のシールド筐体51aを構成する外側シールド57の外側から同軸コネクタ3を中継コネクタ41に接続させる操作を行うことができ、その接続作業の作業性を向上させることができる。
【0068】
また、固定部材9に接続された送電側同軸ケーブルシールド11が環状部材8のスライドに伴って撓むので、シールド筐体51aを構成する外側シールド57に固定部材9を機械的且つ電気的に接続するだけで、固定部材9を介して送電側同軸ケーブルシールド11がシールド筐体51aを構成する外側シールド57に固定され、その固定作業の作業性を向上させることができる。
【0069】
このように、同軸コネクタ3の接続作業の作業性が向上するとともに、送電側同軸ケーブルシールド11の固定作業の作業性が向上するので、同軸コネクタ3を中継コネクタ41に接続し、外側シールド57に同軸ケーブルシールド11を固定する際の作業性を向上させることができる。
【0070】
また、固定部材9には、電気絶縁性と防水性とを有する保護カバー14が設けられ、保護カバー14が、環状部材8のスライドに伴って撓み変形されるので、固定部材9を外部から電気的に絶縁することができるとともに、外部からの水の浸入を防ぐことができる。
【0071】
また、固定部材9には、保護カバー14に係止する係止部9aが設けられ、保護カバー14が、係止部9aに対して着脱可能に構成されているので、固定部材9を介して送電側同軸ケーブルシールド11がシールド筐体51aを構成する外側シールド57に固定される際に、保護カバー14を取り外して固定部材9とシールド筐体51aを構成する外側シールド57との固定作業ができ、固定作業が完了したら保護カバー14を固定部材9に取り付けることができる。したがって、固定部材9の固定作業の作業性の低下を防ぐことができる。
【0072】
また、コネクタ1は、前述の同軸コネクタ3の固定構造によって中継コネクタ41と接続されるので、同軸コネクタ3の接続作業の作業性を向上させることができるとともに、送電側同軸ケーブルシールド11の固定作業の作業性を向上させることができ、コネクタ1を中継コネクタ41に接続して固定する際の作業性を向上させることができる。
【0073】
なお、前記実施形態にかかるコネクタ1は、前述した非接触給電システム50に用いられるものに限定されるものではないので、公知の電気接続部や電線を採用することができ、種々の電気接続部同士の固定に利用することができる。
【0074】
また、前記実施形態にかかるコネクタ1において、送電側同軸ケーブルシールド11は、高周波電源52の筐体シールド52aと送電コイル部51の外側シールド57とを電気的に接続させるものであればよいので、例えば、導電性を有する導体管や円筒などの導電性部材であってもよい。
【0075】
また、送電側電送ケーブル4に設けられたプロテクタとしてのコルゲートチューブ6は、例えば、塩化ビニル樹脂などの絶縁性を有する合成樹脂製パイプなどであってもよい。