特許第5802156号(P5802156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5802156
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】回転コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 35/04 20060101AFI20151008BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20151008BHJP
   B60R 16/027 20060101ALI20151008BHJP
【FI】
   H01R35/04 F
   H01R13/66
   B60R16/027 S
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-57466(P2012-57466)
(22)【出願日】2012年3月14日
(65)【公開番号】特開2013-191437(P2013-191437A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2014年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 静始
(72)【発明者】
【氏名】高橋 靖典
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−336991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 35/04
H01R 13/66
B60R 16/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒部を有する固定側ハウジングと、内筒部を有して前記固定側ハウジングに回動自在に連結された可動側ハウジングと、絶縁フィルムに被覆された複数本の帯状導体を有し、前記外筒部と前記内筒部との間に存する環状空間内に巻回されたフラットケーブルと、このフラットケーブルの長手方向の端部に接続されたリードブロックとを備え、前記リードブロックが、前記フラットケーブルの前記各帯状導体に接続される複数本の接続端子と、これらの接続端子を保持する絶縁性基体とを有している回転コネクタであって、
前記リードブロックの前記絶縁性基体、前記複数本の接続端子のうち少なくとも1本の接続端子を分断する空隙部と、この空隙部を挟んだ両側で前記少なくとも1本の接続端子を露出せしめる一対の開口部と、これら開口部に連続する内壁に形成された傾斜ガイド面とを有しており、過大電流の通過を阻止する回路保護部品の本体部前記空隙部に配置されていると共に、この本体部の両端から突出するリード部前記開口部内で前記接続端子と電気的かつ機械的に接続されていることを特徴とする回転コネクタ。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記開口部に露出する前記接続端子に前記リード部がスポット溶接により接続されていることを特徴とする回転コネクタ。
【請求項3】
請求項1または2の記載において、前記回路保護部品が、自己発熱による温度上昇に伴って抵抗値が増大する抵抗体であることを特徴とする回転コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のステアリング装置に装備されてエアバッグシステム等の電気的接続手段として使用される回転コネクタに係り、特に、過大電流による電気回路の損傷を防止できるように配慮された回転コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
回転コネクタは、外筒部を有する固定側ハウジングと、内筒部を有して固定側ハウジングに回動自在に連結された可動側ハウジングと、これら外筒部と内筒部との間に存する環状空間内に巻き締めおよび巻き戻し可能に収納されたフラットケーブルとによって概略構成されており、フラットケーブルの長手方向の両端部はリードブロックに電気的かつ機械的に接続されている。リードブロックは絶縁性基体に接続端子をインサート成形等により保持させた接続部品であり、このようなリードブロックが固定側ハウジングの外筒部と可動側ハウジングの内筒部にそれぞれ組み込まれている。フラットケーブルは帯状導体を絶縁フィルムで被覆してなる長尺な可撓性ケーブルであり、このフラットケーブルの長手方向の一端部は環状空間の最外周部から外方へ導出され、外筒部に組み込まれた所定のリードブロックに接続されている。また、フラットケーブルの長手方向の他端部は環状空間の最内周部から内方へ導出され、内筒部に組み込まれた別のリードブロックに接続されている。そして、これら各リードブロックは外部回路と電気的に接続されるため、フラットケーブルの長手方向の両端部が外部回路と電気的に接続されることになる。
【0003】
自動車のステアリング装置に装備されている回転コネクタにおいて、固定側ハウジングはステアリングコラム側に固定されており、可動側ハウジングはハンドル(ステアリングホイール)側に連結されて一体的に回転する。そして、可動側ハウジングを固定側ハウジングに対して正逆いずれかの方向へ回転させると、その回転方向に応じてフラットケーブルが環状空間内で巻き締めあるいは巻き戻され、いずれの状態においても両ハウジング間の電気的接続がリードブロックの接続端子とフラットケーブルの帯状導体を介して維持されるようになっている。すなわち、ハンドル側の電気回路(エアーバッグシステムやホーン回路等)が回転コネクタを介して車体側の電子機器や電源回路等と電気的に接続されているため、ハンドルを正逆回転させても電気信号の伝送に支障をきたすことがない。
【0004】
ところで、ハンドル側のスイッチ(ステアリングスイッチ)によって操作される電子機器類は近年増加する傾向にあり、それに伴って過大電流が流入して電気回路を破壊したり電子機器を損傷するという危険性が高まっている。そこで、従来より、ヒューズ機能を有する保護部品をフラットケーブルの長手方向の端部と外部導体との間に介在させ、この保護部品によって過大電流に起因する電気回路の損傷を防止するようにした回転コネクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来の回転コネクタでは、フラットケーブルに過大電流が流れ込むと、その過大電流によってヒューズ機能を有する保護部品が溶断することで、フラットケーブルと外部導体との導通が遮断されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10−92541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来の回転コネクタは、ヒューズ機能を有する保護部品の両端部を別途用意した中継導体に接続し、かつ、保護部品の溶断部を折り曲げて別途用意した支持体で支持するという複雑な取付構造を採用しており、保護部品の取付作業を簡単に行うことは困難である。そのため、回転コネクタのトータルコストが高騰してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、過大電流の流入に起因する回路破壊や電子機器の損傷を防止できる安価な回転コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、外筒部を有する固定側ハウジングと、内筒部を有して前記固定側ハウジングに回動自在に連結された可動側ハウジングと、絶縁フィルムに被覆された複数本の帯状導体を有し、前記外筒部と前記内筒部との間に存する環状空間内に巻回されたフラットケーブルと、このフラットケーブルの長手方向の端部に接続されたリードブロックとを備え、前記リードブロックが、前記フラットケーブルの前記各帯状導体に接続される複数本の接続端子と、これらの接続端子を保持する絶縁性基体とを有している回転コネクタであって、前記リードブロックの前記絶縁性基体、前記複数本の接続端子のうち少なくとも1本の接続端子を分断する空隙部と、この空隙部を挟んだ両側で前記少なくとも1本の接続端子を露出せしめる一対の開口部と、これら開口部に連続する内壁に形成された傾斜ガイド面とを有しており、過大電流の通過を阻止する回路保護部品の本体部前記空隙部に配置されていると共に、この本体部の両端から突出するリード部前記開口部内で前記接続端子と電気的かつ機械的に接続されている構成とした。
【0009】
このようにリードブロックの絶縁性基体に予め回路保護部品用の空隙部と開口部とが設けてあれば、回路保護部品をリードブロックに搭載して電気的かつ機械的に接続する取付作業を簡単に行うことができ、取付用の部品を別途用意する必要もなくなる。そのため、回路保護部品の追加に伴う回転コネクタのコストアップを抑制でき、過大電流の流入に起因する回路破壊や電子機器の損傷を防止できる安価な回転コネクタを提供することができる。また、回路保護部品の本体部をリードブロックの空隙部に配置させるので、過大電流が流れ込んで本体部が高温になったとしても、周囲の絶縁性基体が軟化したり溶融する虞はなくなる。しかも、絶縁性基体にリード部を開口部へ案内するための傾斜ガイド面が形成されており、取付作業時に回路保護部品をリードブロックの所定位置に容易に配置させることができるため、取付作業をより一層簡単に行うことができる。
【0011】
また、上記の回転コネクタにおいて、前記開口部に露出する前記接続端子に前記リード部がスポット溶接により接続されていると、これら接続端子とリード部とを極めて簡単に接続できるため好ましい。
【0012】
また、上記の回転コネクタにおいて、前記回路保護部品がヒューズ機能付の電気部品であっても良いが、この回路保護部品が、自己発熱による温度上昇に伴って抵抗値が増大する抵抗体であると、部品を溶断させることなく過大電流の通過を阻止することができて好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の回転コネクタは、リードブロックの絶縁性基体に予め回路保護部品用の空隙部と開口部とが設けてあるため、回路保護部品をリードブロックに搭載して電気的かつ機械的に接続する取付作業を簡単に行うことができ、取付用の部品を別途用意する必要もなくなる。また、回路保護部品の本体部をリードブロックの空隙部に配置させるので、過大電流が流れ込んで本体部が高温になったとしても、周囲の絶縁性基体が軟化したり溶融する虞はなくなる。それゆえ、回路保護部品の追加に伴う回転コネクタのコストアップを極めて低く抑えることができると共に、過大電流の流入に起因する回路破壊や電子機器の損傷を未然に防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態例に係る回転コネクタの外観図である。
図2図1に示す回転コネクタの分解斜視図である。
図3図1に示す回転コネクタの底面図である。
図4図3のIV−IV線に沿う断面図である。
図5図3から底板部材等を省略して内部構造を示す底面図である。
図6図1に示す回転コネクタに備えられる固定側ハウジングのケーブル導出部を示す要部断面図である。
図7図1に示す回転コネクタに組み込まれるリードブロックとフラットケーブルの接続状態を示す説明図である。
図8図7に対応する分解斜視図である。
図9】リードブロックとフラットケーブルの他の接続状態を示す説明図である。
図10図9のX部の断面図である。
図11】フラットケーブルの切断処理前の状態を示す説明図である。
図12】リードブロックを片面側を見た正面図である。
図13】リードブロックの他面側を見た背面図である。
図14】リードブロックの内部構造を示す説明図である。
図15】回転コネクタに備えられる可動側ハウジングのケーブル導出部を示す上部ロータの背面図である。
図16】回転コネクタに組み込まれる回路保護部品付きのリードブロックを示す斜視図である。
図17図16のXVII−XVII線に沿うリードブロックの断面図である。
図18図16に対応する分解斜視図である。
図19図6のケーブル導出部に組み込まれる3つのリードブロックと4枚のフラットケーブルの接続状態を示す説明図である。
図20図19に示す各フラットケーブルの切れ込み部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1図5に示すように、本発明の実施形態例に係る回転コネクタは、固定側ハウジング1と、この固定側ハウジング1に回動自在に連結された可動側ハウジング2と、これら両ハウジング1,2間に画成された環状空間S内に巻回・収納されたフラットケーブル3,フラットケーブル4,フラットケーブル5(第1フラットケーブル),フラットケーブル6(第2フラットケーブル)と、それら各フラットケーブル3〜6の両端にそれぞれ接続される第1乃至第3リードブロック10〜12および第4乃至第6リードブロック20〜22と、両ハウジング1,2間に回動自在に配置されたホルダ7とによって主に構成されている。この回転コネクタは自動車のステアリング装置に組み付けられて使用され、ステアリングコラム(図示せず)に設置される固定側ハウジング1とハンドル(図示せず)に連結される可動側ハウジング2との間の電気的接続を各フラットケーブル3〜6によって行うというものである。
【0016】
固定側ハウジング1は合成樹脂製の外筒体8と底板部材9によって概略構成されており、略円筒状の外筒体8がスナップ結合によって略円環状の底板部材9の外周縁部に一体化されている。外筒体8の外周面側の所定箇所には上部接続部8aが付設されており、底板部材9の外周側の所定位置には上部接続部8aと組み合わされる下部接続部9aが一体形成されている。図2図4に示すように、上部接続部8aと筒状のケース8bと下部接続部9aとの組合体は、第1乃至第3リードブロック10〜12を組み込む固定側接続部50を構成している。なお、固定側接続部50内の第3リードブロック12は、後述するように、ワイヤーハーネス26を介して第2接続部27に接続され、第2接続部27が固定側接続部50に連結されている。
【0017】
可動側ハウジング2は合成樹脂製の上部ロータ13と中間ロータ14および下部ロータ15とからなり、上部ロータ13に中間ロータ14と下部ロータ15がスナップ結合によって一体化されている。上部ロータ13は、底板部材9に対向する円環状の天板部13aと、この天板部13aの中央から垂下する内筒部13bとを有しており、内筒部13bの内径はステアリングシャフト(図示せず)を挿通可能な寸法に設定されている。
【0018】
図1に示すように、上部ロータ13の天板部13aには、第3および第4接続部13c,13dとハーネス取出部13e,13fとが一体形成されている。図15に示すように、上部ロータ13の裏面側において、これら第3および第4接続部13c,13dとハーネス取出部13e,13fは可動側接続部を構成している。第3接続部13cとハーネス取出部13eの内部に組み込まれる第4リードブロック20にフラットケーブル3の長手方向の他端部が接続されており、第4接続部13dの内部に組み込まれる第5リードブロック21にフラットケーブル4の長手方向の他端部が接続されている。また、ハーネス取出部13fの内部に組み込まれる第6リードブロック22には、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の他端部が接続されている。なお、図2に示すように、天板部13a上には、回転コネクタの中立位置を維持するためのロック部材17を組み込むロック部材組込部13gと、回転コネクタの中立位置でハンドル(図示せず)と連結する連結部16を装着する軸部13hとが設けられている。
【0019】
中間ロータ14は、上部ロータ13に組み込んだ第4乃至第6リードブロック20〜22を裏側から保持するためのものであり、図4に示すように、この中間ロータ14は上部ロータ13の裏面側にスナップ結合されている。下部ロータ15はステアリングシャフトを挿通可能な略円筒状に形成されており、この下部ロータ15は上部ロータ13の内筒部13bにスナップ結合されている。そして、下部ロータ15を底板部材9の内周縁部に摺動自在に係合させることにより、可動側ハウジング2が固定側ハウジング1に回動自在に連結されるようになっている。
【0020】
図18に示すように、各フラットケーブル3〜6はPET(ポリエチレンテレフタレート)等からなる絶縁フィルム18に帯状導体19を担持した長尺な可撓性ケーブルであり、各フラットケーブル3〜6の長手方向の両端部を除いて帯状導体19は絶縁フィルム18に被覆されている。これらフラットケーブル3〜6は、外筒体8と内筒部13bとの間に存する環状空間S(図4参照)内に巻き締めおよび巻き戻し可能に収納されており、環状空間S内において各フラットケーブル3〜6は途中で巻き方向を反転させている(図2参照)。また、各フラットケーブル3〜6の長手方向の一端部は、固定側ハウジング1に取り付けられる第1乃至第3リードブロック10〜12に電気的かつ機械的に接続されており、長手方向の他端部は可動側ハウジング2に取り付けられる第4乃至第6リードブロック20〜22に電気的かつ機械的に接続されている。
【0021】
本実施形態例において、フラットケーブル3はエアバッグシステムやホーン回路等の電気信号を伝送するためのものであり、その長手方向の両端部は第1リードブロック10と第4リードブロック20にそれぞれ接続されている。また、フラットケーブル4は各種ステアリングスイッチの電気信号を伝送するためのものであり、その長手方向の両端部は第2リードブロック11と第5リードブロック21にそれぞれ接続されている。これら両フラットケーブル3,4は、複数条の帯状導体19を担持した一般的なフラットケーブルである(図18参照)。一方、第1および第2フラットケーブル5,6は比較的大きな電流を必要とするステアリングヒータに通電するためのものであり、図8図11に示すように、これら第1および第2フラットケーブル5,6は配線抵抗を小さくするために帯状導体19が幅広に1条だけ担持されている。第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の一端部は第3リードブロック12に接続されており、その長手方向の他端部は第6リードブロック22に接続されている。また、後述するように、これら両リードブロック12,22は、同一の絶縁性基体31からなる共通部品によって構成されている。
【0022】
ホルダ7は、環状空間S内で底板部材9上に回動自在に搭載される環状平板部7aと、この環状平板部7aに立設された複数の支軸7bおよびガイド壁部7cとを有する合成樹脂の成形品である。各支軸7bにはそれぞれローラ23が回動可能に支持されており、各フラットケーブル3〜6を所定のローラ23に巻き掛けて対向するガイド壁部7cとの間に通過させることによって、各フラットケーブル3〜6の巻回方向を途中で反転させている。
【0023】
第1乃至第3リードブロック10〜12と第4乃至第6リードブロック20〜22は、いずれも絶縁性基体に接続端子30をインサート成形により保持させた部品である。フラットケーブル3に担持されている複数条の帯状導体19は、その長手方向の両端部が第1リードブロック10と第4リードブロック20の対応する接続端子30にスポット溶接されている。同様に、フラットケーブル4に担持されている複数条の帯状導体19は、その長手方向の両端部が第2リードブロック11と第5リードブロック21の対応する接続端子30にスポット溶接されている。また、第1および第2フラットケーブル5,6に担持されている1条の帯状導体19(図8参照)は、後述するように、その長手方向の両端部が第3リードブロック12と第6リードブロック22の対応する接続端子30にスポット溶接されている。このように、各リードブロック10〜12,20〜22の接続端子30と各フラットケーブル3〜6の帯状導体19を介して、固定側ハウジング1と可動側ハウジング2との間の電気的接続が維持されるようになっている。
【0024】
図1図15に示すように、可動側ハウジング2をなす上部ロータ13の天板部13aに組み込まれている第4乃至第6リードブロック20〜22のうち、フラットケーブル3に接続される第4リードブロック20は、第3接続部13cとハーネス取出部13eとに跨る位置に嵌着されている。そして、第3接続部13cに接続される外部コネクタ(図示せず)や、ハーネス取出部13eから外方へ導出されたワイヤハーネス24を介して、エアバッグシステムやホーン回路等の電気回路と、第4リードブロック20に接続されたフラットケーブル3とが電気的に接続されるようになっている。また、フラットケーブル4に接続される第5リードブロック21は第4接続部13d内に嵌着されており、この第4接続部13dに接続される外部コネクタ(図示せず)を介して、各種ステアリングスイッチの電気回路と、第5リードブロック21に接続されたフラットケーブル4とが電気的に接続されるようになっている。また、第1および第2フラットケーブル5,6に接続される第6リードブロック22はハーネス取出部13f内に嵌着されており、このハーネス取出部13fから外方へ導出されたワイヤハーネス25を介して、ステアリングヒータの電気回路と、第6リードブロック22に接続された第1および第2フラットケーブル5,6とが電気的に接続されるようになっている。
【0025】
一方、固定側ハウジング1に組み込まれている第1乃至第3リードブロック10〜12は、図4に示すように、固定側接続部50に集約された状態で嵌着されている。フラットケーブル3,4は、第1および第2リードブロック10,11に接続される外部コネクタ(図示せず)を介して、車体側の電子機器や電源回路等と電気的に接続されるようになっている。また、第3リードブロック12は、ワイヤハーネス26を介して第2接続部27に接続されている(図1参照)。そのため、第3リードブロック12に接続された第1および第2フラットケーブル5,6は、この第2接続部27に接続される外部コネクタ(図示せず)を介して、車体側の電源回路等と電気的に接続されるようになっている。
【0026】
図16図17に示すように、フラットケーブル4に接続される第2リードブロック11に支持されている複数本の接続端子30のうち、接続端子30aには回路保護部品28が取り付けられている。この回路保護部品28は、例えば抵抗体である本体部28aと、本体部28aの両端面から突出する一対のリード部28bとを備えている。そして、第2リードブロック11の接続端子30群のうち、過大電流が流れ込む危険性のある所定の接続端子30aを予め切断しておき、この切断箇所のそれぞれと回路保護部品28の一対のリード部28bとが接続される。本実施形態例では、それらの切断箇所で接続端子30aにリード部28bをスポット溶接しているが、接続端子30aとリード部28bを半田付け等で接続することも可能である。回路保護部品28は、過大電流の通過を阻止することができるため、ステアリングスイッチ関連の電気回路を過大電流から保護して回路破壊等を未然に防止することが可能である。ここで、回路保護部品28としてヒューズ等を用いることができる。また、接続端子30aは、過大電流が流れ込む危険性のある回路に応じて複数本であっても良いのは勿論である。
【0027】
なお、この回路保護部品28を取り付けるために、第2リードブロック11の絶縁性基体31には、接続端子30aを分断する空隙部31aと、空隙部31aの両端近傍に接続端子30aの表側および裏側を露出せしめる一対の開口部31bとが設けてある。回路保護部品28の本体部28aは空隙部31aに配置されており、それによって本体部28aは周囲の絶縁性基体31と非接触に保たれる。また、両リード部28bは対応する開口部31b内で接続端子30a上に搭載されるため、リード部28bと接続端子30aとのスポット溶接を容易に行うことができる。なお、第2リードブロック11の絶縁性基体31には、開口部31bに連続する内壁の一部に傾斜ガイド面31cが形成されており、回路保護部品28を取り付ける際に、この傾斜ガイド面31cによってリード部28bの先端が開口部31bへ案内されるようになっている。そのため、回路保護部品28は第2リードブロック11の所定位置に容易に配置させることができ、その取付作業を簡単に行うことができる。
【0028】
次に、図7図14に基づいて、リードブロックに対して第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向が異なるように接続する必要性が生じる場合、その必要に応じてリードブロックを別々に準備して使用するのではなく、リードブロックを共通部品として使用できる構成例を説明する。後述する第3リードブロック12は、共通部品としてのリードブロックの一側の面に構成され、後述する第6リードブロック22は、他側の面に構成されている。すなわち、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の両端部が接続される第3リードブロック12と第6リードブロック22は、同一の絶縁性基体31によって構成される共通部品であり、例えば、第3リードブロック12に取り付けた第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向と、第6リードブロック22に取り付けた第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向とが互いに直交するように構成されている。図12図13に示すように、第3および第6リードブロック12,22は、絶縁性基体31に対する接続端子30と仕切り壁31dおよび位置決め突起31eなどのレイアウトが異なっており、図12に示す第6リードブロック22を反対側から見ると図13に示す第3リードブロック12となる。すなわち、この共通部品である第3および第6リードブロック12,22は、一側の面と他側の面のいずれにフラットケーブル5,6の長手方向の端部を接続するかに応じて、フラットケーブル5,6の取付方向が略直交するように設計されている。
【0029】
詳しく説明すると、これら第3および第6リードブロック12,22は、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の端部が取り付けられる部位を、該長手方向の端部と略同等な大きさの矩形板状部32となしている。そして、図12に示すように、この矩形板状部32の一側の面には、一対の接続端子30が矩形板状部32の一方の長辺沿いに並設されており、図7図8に示すように、これら接続端子30に第1および第2フラットケーブル5,6の帯状導体19がスポット溶接されるようになっている。このように、矩形板状部32の一側の面では、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の端部が矩形板状部32の短辺方向に沿うように取り付けられる。また、この一側の面において絶縁性基体31には、一対の接続端子30を隔てる直線上の位置に仕切り壁31dが立設されていると共に、矩形板状部32の一方の長辺の2箇所に位置決め突起31eが突設されており、かつ、第1および第2フラットケーブル5,6の幅寸法よりも僅かに広い間隔を存して対向する一対の規制壁31fが矩形板状部32の短辺沿いに立設されている。したがって、これら仕切り壁31dと位置決め突起31eおよび規制壁31f等によって、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の端部を矩形板状部32の一側の面の所定位置に容易に位置決めできると共に、帯状導体19と接続端子30とのスポット溶接を容易に行うことができる。
【0030】
これに対して、図9図13に示すように、第3リードブロック12の他側の面では、一対の接続端子30が矩形板状部32の一方の短辺沿いに並設され、これら接続端子30に第1および第2フラットケーブル5,6の帯状導体19がスポット溶接されるようになっている。したがって、図9に示すように、矩形板状部32の他側の面では、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の端部が矩形板状部32の長辺方向に沿うように取り付けられる。また、この他側の面において絶縁性基体31には、一対の接続端子30を隔てる直線上の位置に仕切り壁31dが立設されていると共に、矩形板状部32の一方の短辺の2箇所に位置決め突起31eが突設されており、かつ、第1および第2フラットケーブル5,6の幅寸法よりも僅かに広い間隔を存して対向する一対の規制壁31fが矩形板状部32の長辺沿いに立設されている。この場合も、仕切り壁31dと位置決め突起31eおよび規制壁31f等によって、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の端部を矩形板状部32の他側の面の所定位置に容易に位置決めできると共に、帯状導体19と接続端子30とのスポット溶接を容易に行うことができる。
【0031】
なお、第3リードブロック12は、矩形板状部32に隣接する部位に一対の外部接続用端子33を露出させており、これら外部接続用端子33にワイヤハーネス等の外部導体が電気的かつ機械的に接続できるようになっている。図14に示すように、これら一対の外部接続用端子33は、第1および第2フラットケーブル5,6の帯状導体19が搭載される一対の接続端子30から個別に導出された導体露出部分である。また、図12図14に示すように、第3および第6リードブロック12,22の絶縁性基体31には、矩形板状部32の一部に十字状に交差するスリット部31g,31hが形成されている。詳しい説明は後述するが、重ねられる第1および第2フラットケーブル5,6のうち、下層側となる第1フラットケーブル5に設けた折り返し端部5cは、第1および第2フラットケーブル5,6の矩形板状部32に対する取付方向に応じてスリット部31gとスリット部31hのいずれか一方に挿入・係止されるようになっている。なお、図7図8では、折り返し端部5cがスリット部31hに挿入・係止され、図9では、折り返し端部5cがスリット部31gに挿入・係止される。
【0032】
次に、第3および第6リードブロック12,22に対する第1および第2フラットケーブル5,6の取付構造について詳しく説明する。図7図9に示すように、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の端部は、幅方向の片側を切除部5b,6bとし残余の幅狭部5a,6aの先端側に帯状導体19を露出させた形状となしており、各帯状導体19の先端部は絶縁性の保持フィルム34に保持されている。第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の端部は、第3および第6リードブロック12,22上に2枚重ねでそれぞれ取り付けられ、下層側となる第1フラットケーブル5の幅狭部5aと、上層側となる第2フラットケーブル6の幅狭部6aとがそれら第3および第6リードブロック12,22上に並んで配置される。つまり、第1および第2フラットケーブル5,6は、いずれか一方の幅狭部5a(6a)を他方の切除部6b(5b)に隣り合うように配置させた位置関係で長手方向の端部近傍どうしが重ね合わせてある。また、幅狭部5aから突出する第1フラットケーブル5の帯状導体19と幅狭部6aから突出する第2フラットケーブル6の帯状導体19が、一対の接続端子30上に個別に搭載された状態で、それぞれの帯状導体19が対応する接続端子30にスポット溶接される。
【0033】
図11に示すように、第1および第2フラットケーブル5,6の幅狭部5a,6aは、長尺な1枚のフラットケーブル40を同図の2点鎖線で示す切断ライン41,42で切断することによって形成されたものである。かかる切断作業により、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の端部に、図中ハッチングを施した切除部5b,6bを臨む帯状導体19の切断面がL字状に形成されると共に、第1フラットケーブル5における幅狭部5aの基端部分の近傍に、切断ライン42が折り返し端部5cを越える切れ込み5dが形成され、この切れ込み5dを利用して第1フラットケーブル5に折り返し端部5cが形成される。
【0034】
図8図10に示すように、第1フラットケーブル5の折り返し端部5cは、第1フラットケーブル5の長手方向の端部を上層側となる第2フラットケーブル6の幅狭部6aから離れる向き、すなわち、図8に示すスリット部31hに挿入・係止されるように、絶縁性基体31に向けて折り返すことによって形成されたものである。例えば、可動側ハウジング2に組み込まれる第6リードブロック22として使用する場合、この第6リードブロック22に対して第1フラットケーブル5は、第1フラットケーブル5の長手方向を矩形板状部32の長辺方向に直交させた向きに取り付けられる(図7参照)ため、折り返し端部5cは矩形板状部32の長辺に沿って延びるスリット部31hに挿入して係止される。一方、固定側ハウジング1に組み込まれる第3リードブロック12として使用する場合は、この第3リードブロック12に対して第1フラットケーブル5は、第1フラットケーブル5の長手方向を矩形板状部32の長辺方向に揃えた向きに取り付けられる(図9参照)ため、折り返し端部5cは矩形板状部32の短辺に沿って延びるスリット部31gに挿入して係止される。いずれの場合も、第1フラットケーブル5の折り返し端部5cは、スリット部31gまたはスリット部31hに挿通状態で係止されるため、第3または第6リードブロック12,22の一側または他側に折り返し端部5cの導体切断面が露出することとなり、第1フラットケーブル5の折り返し端部5cと第2フラットケーブル6の導体切断面どうしが短絡(接触)する虞はない。
【0035】
なお、フラットケーブル40の切断時に形成される切れ込み5dによって折り返し端部5cの折り返し寸法が規定されるため、所望の大きさの折り返し端部5cを容易に形成することができる。また、第3および第6リードブロック12,22の絶縁性基体31には、第1フラットケーブル5の幅狭部5aを配置させる領域と第2フラットケーブル6の幅狭部6aを配置させる領域との間に前記仕切り壁31dが立設されているため、この仕切り壁31dを挟んだ所定位置に各幅狭部5a,6aを配置させやすくなり、両幅狭部5a,6aの導体切断面どうしの短絡も確実に防止できる。
【0036】
前述したように、各フラットケーブル3〜6は環状空間S内から固定側接続部50(第1接続部8c,第2接続部27)へ導出され、それぞれの長手方向の一端部が対応する第1乃至第3リードブロック10〜12に接続されている。すなわち、固定側接続部50において、2枚のフラットケーブル3,4の長手方向の一端部は第1および第2リードブロック10,11にそれぞれ接続されており、第1および第2フラットケーブル5,6の長手方向の一端部は第3リードブロック12に接続されている。図4図6および図19に示すように、第1乃至第3リードブロック10〜12に接続されたフラットケーブル3〜6は、固定側接続部50において略直角に折り曲げられて固定側接続部50から環状空間Sへ向けて延伸し、再び折り曲げられてケーブル導出部Gを介して環状空間Sへと導かれている(図5参照)。そして、図19図20に示すように、各フラットケーブル3〜6の絶縁フィルム18には、その一側縁部に予め切れ込み部18aが形成されており、これら切れ込み部18aが固定側接続部50の近傍、すなわち、固定側接続部50から環状空間Sまでの間に配置されるようになっている。
【0037】
これら切れ込み部18aは、フラットケーブル3〜6に所定の大きさ以上の引っ張り力が作用したときに切断を促進する切断促進部として形成されたものである。すなわち、回転コネクタをステアリング装置に組み付けた段階で可動側ハウジング2が回転中立位置に正しく初期設定されていない場合、ハンドルが一方向へ回転操作されたときに、フラットケーブル3〜6が過度に巻き締められてしまい、それ以上ハンドルを回転操作できなくなるという事態が発生する。本実施形態例では、このような位置合わせ不良に起因するハンドルの回転不能状態が生じないようにするための対策として、必要時に各フラットケーブル3〜6が第1乃至第3リードブロック10〜12の近傍で容易に切断されるようにしている。したがって、フラットケーブル3〜6が過度に巻き締められる事態が発生すると、固定側の上部接続部8a,9a内においてフラットケーブル3〜6はそれぞれの切れ込み部18aを起点として引き裂かれるように切断し、これによりハンドルのさらなる回転操作が可能となる。
【0038】
また、こうして全てのフラットケーブル3〜6が切断した後に切断箇所どうしが短絡しないようにするため、各フラットケーブル3〜6のうち隣接するフラットケーブルどうしは、互いの切れ込み部18aの位置が長手方向に沿ってずれるように設定してある。つまり、全てのフラットケーブル3〜6が切れ込み部18aを起点に切断した場合、図19図20に示すように、上部接続部8a,9a内において隣接するフラットケーブルどうし(フラットケーブル3,4どうしやフラットケーブル4,5どうし、およびフラットケーブル5,6どうし)は、互いの切れ込み部18aを離隔させて切断箇所どうしが接触しないようにしている。
【0039】
なお、切れ込み部18aは絶縁フィルム18の幅方向に沿う一対の側縁部のうち、フラットケーブル3〜6が過度に巻き締められたときに引っ張り力が相対的に強く作用する片側の側縁部だけに設けてある。そのため、切れ込み部18aを各フラットケーブル3〜6に形成することは極めて容易であり、導通信頼性にも何ら影響しない。ただし、絶縁フィルム18の幅方向に沿う両側縁部の適宜箇所に切れ込み部18aを設けても良い。
【0040】
このように構成された回転コネクタは、自動車のステアリング装置に組み付けられて、ハンドル側の電気回路と車体側の電子機器や電源回路等との電気的接続手段として用いられる。運転者がハンドルを回転操作すると、回転コネクタの可動側ハウジング2がハンドルと一体的に回転し、その回転方向に応じて環状空間S内で各フラットケーブル3〜6が巻き締めまたは巻き戻しされるが、いずれの状態においても固定側ハウジング1と可動側ハウジング2との間の電気的接続は、各リードブロック10〜12,20〜22の接続端子30と各フラットケーブル3〜6の帯状導体19を介して維持されるようになっている。
【0041】
なお、ハンドルが時計方向へ回転操作されたときには、可動側ハウジング2の時計方向への回転に伴って、環状空間S内においてフラットケーブル3〜6は外筒体8の内周壁側から繰り出されて内筒部13bの外周壁に巻き締められていく。これに対して、ハンドルが反時計方向へ回転操作されたときには、可動側ハウジング2の反時計方向への回転に伴って、環状空間S内においてフラットケーブル3〜6は内筒部13bの外周壁から繰り出されて外筒体8の内周壁側に巻き戻されていく。
【0042】
以上説明したように、本実施形態例に係る回転コネクタでは、フラットケーブル4の長手方向の端部に接続されるリードブロック(第2リードブロック)11に、過大電流が流れ込んだ際に電流値を低減させるための回路保護部品28が取り付けてあり、この回路保護部品28によって過大電流の流入に起因する回路破壊や電子機器の損傷を防止できるようになっている。しかも、このリードブロック11の絶縁性基体31に予め回路保護部品28を取り付けるための空隙部31aと開口部31bが設けてあるため、回路保護部品28をリードブロック11に搭載して電気的かつ機械的に接続する取付作業を簡単に行うことができ、取付用の部品を別途用意する必要もなくなり、回路保護部品28の追加に伴う回転コネクタのコストアップはほとんど問題とならない。また、回路保護部品28の本体部28aをリードブロック11の空隙部31aに配置させているので、過大電流が流れ込んで本体部28aが高温になっても、周囲の絶縁性基体31が軟化したり溶融する虞もない。
【0043】
なお、上記の実施形態例では、回路保護部品28を固定側のリードブロック11に取り付けているが、回路保護部品28は可動側のリードブロック21に取り付けても良く、過大電流の流入が懸念される他のリードブロックがある場合には、そこに回路保護部品28を取り付けても良い。
【0044】
また、上記の実施形態例では、自己発熱による温度上昇に伴って抵抗値が増大する抵抗体を回路保護部品28として用いているため、回路保護部品28を溶断させることなく過大電流の通過を阻止することができるが、ヒューズ機能付の電気部品等を回路保護部品として用いることも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 固定側ハウジング
2 可動側ハウジング
3〜6 フラットケーブル
8 外筒体(外筒部)
11 リードブロック
13b 内筒部
18 絶縁フィルム
19 帯状導体
28 回路保護部品
28a 本体部
28b リード部
30,30a 接続端子
31 絶縁性基体
31a 空隙部
31b 開口部
31c 傾斜ガイド面
S 環状空間
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