特許第5802188号(P5802188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5802188放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5802188
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/12 20060101AFI20151008BHJP
   E03F 9/00 20060101ALI20151008BHJP
   E03F 7/10 20060101ALI20151008BHJP
【FI】
   G21F9/12 501K
   E03F9/00
   E03F7/10 Z
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-250711(P2012-250711)
(22)【出願日】2012年11月14日
(65)【公開番号】特開2014-98640(P2014-98640A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2014年6月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成24年10月24日〜25日 建設技術公開EE東北’12(会場:夢メッセみやぎ 仙台市宮城野区港3丁目1−7)にて展示
(73)【特許権者】
【識別番号】501028149
【氏名又は名称】株式会社オカグレート
(74)【代理人】
【識別番号】100101627
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 宜延
(72)【発明者】
【氏名】岡島 伸幸
【審査官】 鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−083493(JP,A)
【文献】 特開2013−234948(JP,A)
【文献】 特開2013−160517(JP,A)
【文献】 特開2001−334257(JP,A)
【文献】 実開平06−003411(JP,U)
【文献】 特開平11−050520(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3177123(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/28
E03F 1/00−11/00
G21F 9/00− 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(22)で骨組み形成される立体構造体(2a)がつくる外周面のうち、上面開口を投入口(20)として残して、他の開口部(21)を網状体(2b)又は多孔板で覆った籠状容器を形成すると共に、該投入口(20)周りの枠部(22a)にヒンジ(27)を介して開閉自在に開閉蓋(25)が取付けられてなる金属製収納容器(2)と、繊維状体又は粒状体からなり、充填下で、通水性を有して、前記投入口(20)から該収納容器(2)内に充填される固形の放射性セシウム吸着剤(3)と、前記収納容器(2)のフレーム(22)に外方へ突出形成されるボルト軸(26a)からなる突出部材(26)と、を具備する放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)と、
流路(40)を形成する路壁(41)から流路(40)内へ張り出すように設けられた張出部材(5)と、
該張出部材(5)で、流路(40)内に水平に突き出すように配設された水平部(51)と、
該張出部材(5)に形成された切欠(52)又は透孔(58)と、
前記ボルト軸(26a)に螺合する雌ねじ部(82)を形成し、且つ外面に突起(80b)又は凹溝を設けた異形ナット(8)と、を用いて、
前記放射性セシウム吸着剤(3)を前記投入口(20)から収納容器(2)内へ投入,充填した後、前記開閉蓋(25)で投入口(20)に蓋をして、流路(40)内に載置した前記放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)を水平方向にずらして、開閉蓋(25)の一部を前記水平部(51)の下に潜り込ませ、該開閉蓋(25)の回動を阻止すると共に、前記ボルト軸(26a)が該切欠(52)内に入り込むか又は透孔(58)を貫通するようにして、該ボルト軸(26a)と該切欠(52)又は該透孔(58)を形成した前記張出部材(5)とを係合させ、その後、該ボルト軸の先端部に前記異形ナット(8)を螺着することにより、該張出部材(5)と該ボルト軸(26a)とを接続固定して、前記開閉蓋(25)が閉じられ且つロック状態にされた前記放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)流路(40)内に載置ることを特徴とする放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法
【請求項2】
前記収納容器(2)の下面(29)及び上面(28)が流路(40)内で水平に配され、且つ前記張出部材(5)を前記切欠(52)又は前記透孔(58)が形成された板状体(5a)とする請求項1記載の放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法
【請求項3】
前記ボルト軸(26a)が前記枠部(22a)に立設する一方、前記張出部材(5)を、前記水平部(51)に前記切欠(52)が形成された板状体(5a)とし、
流路(40)内に載置した前記放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)を、流路(40)の上流側から下流側へ水平方向にずらして、ボルト軸(26a)周りの枠部(22a)に加えて開閉蓋(25)の一部前記水平部(51)の下に潜り込ませ、該水平部(51)よりも上方に突出する該ボルト軸(26a)の先端部への前記異形ナット(8)の螺着で、該張出部材(5)と該ボルト軸(26a)とを接続固定する請求項2記載の放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法
【請求項4】
前記切欠(52)が形成された板状体(5a)よりも流路(40)の下流側で、その流路(40)内へ突出する突片(56)を設けて、
前記放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)を水平方向にずらして、前記枠部(22a)前記水平部(51)下潜り込ませるのに伴い、該放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)が該突片(56)で係止されることによって、水平方向へのさらなるずれが阻止されると同時に、前記ボルト軸(26a)が該切欠(52)内に入り込むようにした請求項3記載の放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水や排水等が流れる側溝等の流路内への放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2011年3月11日に東日本大震災で福島第1原子力発電所の原発事故が発生し、放射性セシウムの汚染拡散防止対策が急務になっている。平成24年10月21日付け福島民報の新聞記事にも「県内の農業用ため池・ダムの底質(底の土壌)から高濃度の放射性セシウムが検出されている問題で、農林水産省は汚染の拡散を防ぐ実証事業に乗り出す。」とある。
こうしたなか、自然雨水・洗浄排水中のセシウム等の放射性物質を捕集する捕集除去具が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3177123号公報
【0004】
特許文献1は、その請求項1記載のごとく「自然雨水・洗浄廃水を排水案内させる排水管路の任意箇所で、自然雨水・洗浄排水を通水させる袋状の捕集ネット体を、この捕集ネット体の開口部を挟み込んで排水管路の開口部に嵌め入れられる内嵌部と、この内嵌部に比し大径に形成されて、段部を介して内嵌部と一体になっている規制部とから成っている装着管体によって排水管路に配置し、捕集ネット体によって自然雨水・洗浄排水中のセシウム等の放射性物質を捕集するようにしてあることを特徴とする排水用放射性物質の捕集除去具。」を提案する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、特許文献1の発明は、一般家屋における屋根、雨樋等に付着しているセシウム粒子等の放射性物質を洗浄機器等にて除去、洗浄時に洗い流される放射性物質を捕集するのに好適であっても、山地から側溝等の流路を通ってダムやため池に流れ込む放射性物質を、該流路で回収するのは難しい。捕集ネットは「セシウムが塵埃等と一体化したことでその粒径が10〜20マイクロメートル(μm)であることを考慮して、5マイクロメートル程度のもの」とするが、山地からダムやため池に流れ込む流水には通常夾雑物が混ざっており、目詰まりを起こしてしまう。また、濾過操作による回収であり、回収にも限界がある。さらに、野外に設置されることから、回収された放射性セシウムが何であるか判らずに、不用意に持ち出されたりしたり簡単に触れられたりされると、危険極まりない。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するもので、山地からダムやため池に流れ込む途中の流路等に設置され、作業性に優れ且つ効率良く放射性セシウムを吸着回収し、さらに盗難防止対策も講じた放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、フレーム(22)で骨組み形成される立体構造体(2a)がつくる外周面のうち、上面開口を投入口(20)として残して、他の開口部(21)を網状体(2b)又は多孔板で覆った籠状容器を形成すると共に、該投入口(20)周りの枠部(22a)にヒンジ(27)を介して開閉自在に開閉蓋(25)が取付けられてなる金属製収納容器(2)と、繊維状体又は粒状体からなり、充填下で、通水性を有して、前記投入口(20)から該収納容器(2)内に充填される固形の放射性セシウム吸着剤(3)と、前記収納容器(2)のフレーム(22)に外方へ突出形成されるボルト軸(26a)からなる突出部材(26)と、を具備する放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)と、
流路(40)を形成する路壁(41)から流路(40)内へ張り出すようにして、切欠(52)又は透孔(58)が形成された張出部材(5)と、前記路壁(41)から流路(40)内へ張り出す張出部材で、流路(40)内に水平に突き出すように配設される水平部(51)と、前記ボルト軸(26a)に螺合する雌ねじ部(82)を形成し、且つ外面に突起(80b)又は凹溝を設けた異形ナット(8)と、を用いて、
前記放射性セシウム吸着剤(3)を前記投入口(20)から収納容器(2)内へ投入,充填した後、前記開閉蓋(25)で投入口(20)に蓋をして、流路(40)内に載置した前記放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)を水平方向にずらして、開閉蓋(25)の一部を前記水平部(51)の下に潜り込ませ、該開閉蓋(25)の回動を阻止すると共に、前記ボルト軸(26a)が該切欠(52)内に入り込むか又は透孔(58)を貫通するようにして、該ボルト軸(26a)と該切欠(52)又は該透孔(58)を形成した前記張出部材(5)とを係合させ、その後、該ボルト軸の先端部に前記異形ナット(8)を螺着することにより、該張出部材(5)と該ボルト軸(26a)とを接続固定して、前記開閉蓋(25)が閉じられ且つロック状態にされた前記放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)流路(40)内に載置ることを特徴とする放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法にある。請求項2の発明たる放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法は、請求項1で、収納容器(2)の下面(29)及び上面(28)が流路(40)内で水平に配され、且つ前記張出部材(5)を前記切欠(52)又は前記透孔(58)が形成された板状体(5a)とすることを特徴とする。
請求項3の発明たる放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法は、請求項2で、ボルト軸(26a)が前記枠部(22a)に立設する一方、前記張出部材(5)を、前記水平部(51)に前記切欠(52)が形成された板状体(5a)とし、流路(40)内に載置した前記放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)を、流路(40)の上流側から下流側へ水平方向にずらして、ボルト軸(26a)周りの枠部(22a)に加えて開閉蓋(25)の一部前記水平部(51)の下に潜り込ませ、該水平部(51)よりも上方に突出する該ボルト軸(26a)の先端部への前記異形ナット(8)の螺着で、該張出部材(5)と該ボルト軸(26a)とを接続固定することを特徴とする。請求項4の発明たる放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法は、請求項3で、切欠(52)が形成された板状体(5a)よりも流路(40)の下流側で、その流路(40)内へ突出する突片(56)を設けて、前記放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)を水平方向にずらして、前記枠部(22a)前記水平部(51)下潜り込ませるのに伴い、該放射性セシウム吸着剤入り収納容器(1)が該突片(56)で係止されることによって、水平方向へのさらなるずれが阻止されると同時に、前記ボルト軸(26a)が該切欠(52)内に入り込むようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法は、作業性に優れ且つ放射性セシウムを効率良く吸着回収でき、さらに盗難防止対策も磐石であり、山地からダムやため池に流れ込む途中の流路等に設置に対し優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法の一形態で、(イ)がその収納容器の斜視図、(ロ)が(イ)の開閉蓋を閉じた状態下の正面図である。
図2図1の収納容器を流路内に載置し、投入口から放射性セシウムを投入,充填する斜視図である。
図3図2の開閉蓋を閉じた後、水平方向に放射性セシウム吸着剤入り容器をずらして板状体へ近づけた要部斜視図である。
図4図3のセシウム吸着剤入り容器をさらにずらしてボルト軸と板状体とを係合させた斜視図である。
図5図4のボルト軸に異形ナットを螺着した斜視図である。
図6】他態様の放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法にする前段階にある説明断面図である。
図7図6の状態から最終設置方法へと進めた放射性セシウム吸着剤入り収納容器の設置方法の説明断面図である。
図8】異形ナットの説明斜視図である。
図9図8と異なる異形ナットの説明斜視図である。
図10図8図9とはまた異なる異形ナットの説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る放射性セシウム吸着剤入り収納容器(以下、単に「セシウム吸着剤入り容器」ともいう。)の設置方法について詳述する。
図1図10は本発明のセシウム吸着剤入り収納容器の設置方法の一形態で、図1は(イ)がその収納容器の斜視図、(ロ)が(イ)の開閉蓋を閉じた状態下の正面図、図2図1の収納容器を流路内に載置し、収納容器内へ放射性セシウム(以下、単に「セシウム」ともいう。)を投入,充填する斜視図、図3図2の開閉蓋を閉じた後、水平方向にセシウム吸着剤入り容器をずらして板状体へ近づけた要部斜視図、図4図3のセシウム吸着剤入り容器をさらにずらしてボルト軸と板状体とを係合させた斜視図、図5図4のボルト軸に異形ナットを螺着した斜視図、図6図7は他態様のセシウム吸着剤入り収納容器の設置方法の説明断面図、図8図10は異形ナットの説明斜視図を示す。
【0011】
セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法は、セシウム吸着剤入り収納容器1が収納容器2と突出部材26とセシウム吸着剤3とを具備し、また流路40側に張出部材5を具備する。本実施形態は、図3のような鉄筋コンクリートU形側溝4aを用いた流路40に適用する。U形側溝4aを数珠つなぎして、図2のごとくの流路40が形成される。
【0012】
放射性セシウム吸着剤3(以下、単に「セシウム吸着剤3」ともいう。)は、繊維状体又は粒状体からなり、充填下で、通水性を有して、投入口20から収納容器2内に充填される固形の吸着剤である。本発明の繊維状体には、繊維状のみならず、糸状、さらに布状にしたものを含む。
セシウム吸着剤3は、例えば株式会社カサイの繊維型セシウム吸着剤(KAQUA−Cs)を指す。該セシウム吸着剤3(KAQUA−Cs)は水中に存在している放射性セシウムを吸着する繊維である。繊維状に加工されて、粉末状のゼオライトやプルシアンブルーと比較して取扱いが容易で、放射性セシウムを高効率で回収することができる(特願2012-134813号)。
【0013】
株式会社カサイからの提供資料(2012.09.27付け「放射性セシウム吸着剤KAQUA−Cs詳細説明」)にはフィールド試験1,2が以下のごとく記述されている。
フィールド試験1では「吸着剤を洗濯ネットに入れ、いわき市の沼への流れ込み水路に設置しました。また、比較対象としてゼオライト粒(2mm)も同様の場所に設置しました。尚、この沼の線量は10Bq/kg以下(ND値)でした。一定期間放置後、表面についた泥、枯葉などを取り除きNalシンチレーションカウンターで測定を行いました。測定結果はゼオライト粒(2mm)が10日後は1050で、20日後が1132であったのに対し、KAQUA−Csは10日後が1256で、20日後が2406であった。測定結果よりゼオライト粒と比較すると10日後ではあまり吸着量に差が観測されませんでした。その後ゼオライト粒は吸着量が伸びないのに対し、弊社吸着剤は20日、30日後ではゼオライト粒の二倍の吸着量が発現されました。」と述べる。
また、フィールド試験2では「吸着剤を洗濯ネットに入れ、いわき市の農業用水路に設置しました。尚、この農業用水の線量は10Bq/kg以下(ND値)でした。一定期間放置後、表面についた泥、枯葉などを取り除きNalシンチレーションカウンターで測定を行いました。測定結果は30日後が5608、60日後が6704でした。測定結果より設置一ヶ月と二ヶ月の差がほとんどなく吸着剤が飽和状態になっています。これより使用期間は設置より一ヶ月が妥当であると判断しました。さらに二ヶ月後でも放射性セシウムの減少は観測されず、放射性セシウムの流出はありませんでした。また、吸着剤の腐食も起きておらず安定して自然環境に設置できることがわかりました。」と述べている。
【0014】
しかるに、前記洗濯ネットは、フィールド試験で、雨天時等で農業用水路の流量が増し流速が速くなると、そこに設置したセシウム吸着剤3入り洗濯ネットが水面方向へ浮き上がってしまい、十分な効果が得られない。また、災害時の急激な水流の変化や漂流物(木の枝やゴミ等)による洗濯ネットの破損があった場合、セシウム吸着剤3を紛失する虞もある。特に安易にセシウム吸着剤3に触れることができ、安全面に不安がある。
そこで、本発明のセシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法は、前記セシウム吸着剤3が容器内に充填された突出部材26付きセシウム吸着剤入り収納容器1と、流路40側に張出部材5を具備して、上記不具合を解決する。
【0015】
収納容器2は、フレーム22で骨組み形成される立体構造体2aの外周面に現れる開口の一部を投入口20として残して、他の開口部21を網状体2b又は多孔板で覆った籠状容器を形成し、該投入口20周りの枠部22aに開閉自在に開閉蓋25が取付けられる金属製容器である(図1)。
本実施形態の立体構造体2aは、正面視でステンレス製L型鋼や平鋼を用いてサイコロの外形に近い略中空六面体形状にしながらも、U形側溝の横断面U字形に合わせて下部の方の幅をすぼめた図1(ロ)のごとくの骨組み形状とする。そして、該立体構造体2aがつくる外周面のうち、上面開口を投入口20として残し、他の開口部21をステンレス製金網からなる網状体2bで覆って、上面開口の籠状容器とする。符合2b1は網状体2bがつくる網目を示す。骨組み形成された立体構造体2aの内側から各フレーム22に網状体2bを当てて溶接固定し、該網状体2bで囲った籠状容器とする。前記投入口20はその周りの枠部22aによって四角枠に形成され、該投入口20を塞ぐ大きさの開閉蓋25が開閉自在に取付けられて、セシウム吸着剤3用の収納容器2になる。尚、図示を省略するが、網状体2bに代え、多孔板を用いた収納容器2とすることもできる。
【0016】
該収納容器2は、その下面29及び上面28が流路40内で水平に配される。符号22bは、収納容器下面29に固着した一対の滑り板用平行板材で、流路40内に載置したセシウム吸着剤入り収納容器1を、抵抗を減らして水平方向にずらし易くするものである。開閉蓋25が上面投入口20の枠部22aにヒンジ27を介して取付けられる。そして、収納容器2のフレーム22には突出部材26が設けられる。
【0017】
突出部材26は、収納容器2のフレーム22に外方へ突出形成される金属製部材である。本実施形態の突出部材26はボルト軸26aとし、投入口20を形成する前記枠部22aに該ボルト軸26aが立設する。詳しくは、図1図4のごとく、ヒンジ27が取付けられたフレーム22と対向するフレーム22の上面にボルト軸26aが起立する。
【0018】
一方、流路40側に、張出部材5が流路40を形成する鉄筋コンクリートU形側溝4aに係る側壁部分42の路壁41から流路40内へ張り出すよう設けられる。本実施形態は張出部材5を図2図5ごとく側面視L形板状体5aとし、垂直部50が路壁41たる側壁部分42に固着し、水平部51が流路40内に水平に突き出すように配設される。該水平部51にはU字状の切欠52が形成される。ここでは、板状体5aとして第1板状体5a1と第2板状体5a2を備え、それぞれ略対向する側壁部分42の上端面42a近くに設けられる。水平部51の上流側端縁に切欠52が形成された第1板状体5a1が流路40を形成する一の側壁部分42から流路40内へ該水平部51突き出し、他の側壁部分42から流路40内に第2板状体5a2が突き出すようにしている。第2板状体5a2は側面視略L形とし、図2のごとく第1板状体5a1よりもやや下流側に配される。第2板状体5a2は水平部51が流路40内に水平に突き出し、さらに該水平部51の下流側の端縁部分では屈折し、垂直下方向に板状突片56が延設する。
【0019】
こうして、前記突出部材26付き収納容器2とセシウム吸着剤3と張出部材5を備え、まず繊維状セシウム吸着剤3が図2のように収納容器2内に収められて、セシウム吸着剤入り収納容器1になる。さらに張出部材5と突出部材26とを接続固定して、開閉蓋25が閉じられ且つロック状態にされたセシウム吸着剤入り収納容器1が流路40内の底壁部分43に載置される構成とする。
具体的には、流路40内に載置した前記セシウム吸着剤入り収納容器1を、図2のごとく白抜矢印の水平方向にずらしてボルト軸26aが切欠52内に入り込ませて、該ボルト軸26aと板状体5aとを係合させる(図3図4)。切欠52に収まり、板状体5aの水平部51に係合したボルト軸26aは、水平部51よりも上方に突き出す長さになるよう設定されており、ボルト軸26aの先端部に異形ナット8を螺着することにより、板状体5aとボルト軸26aが接続固定される。
【0020】
ここでは、流路40内に載置したセシウム吸着剤入り収納容器1を、流路40の上流側から下流側へ水平方向にずらしていく。この水平移動で、ボルト軸26a周りの枠部22aに加えて開閉蓋25の一部が第1板状体5a1の水平部51の下に潜り込み、且つボルト軸26aが切欠52内に入り込むようにして張出部材5と係合する。より詳しくは、セシウム吸着剤入り収納容器1を、水平方向にずらして、ボルト軸26a周りの枠部22aが水平部51下へ潜り込むのに伴い、流路40内へ突出する突片56で係止されることによって、セシウム吸着剤入り収納容器1の水平方向へのさらなるずれが阻止されると同時に、ボルト軸26aが該切欠52内に入り込む設定にしている。斯かる状態下、水平部51の突出部分511が開閉蓋25の回動を阻止して、開閉蓋25をロック状態にする。
そして、水平部51よりも上方に突出するボルト軸26aの先端部への異形ナット8の螺着で、張出部材5とボルト軸26aとを接続固定する。第1板状体5a1の水平部51の一部を流路40中央へ向け延在させて、突出部分511を形成し、ボルト軸26aが切欠52内に入り込むと、図4のごとく突出部分511の下に開閉蓋25の一部が潜り込む。開閉蓋25の回動を突出部分511が阻止して開閉蓋25がロック状態になる。施錠して開閉蓋25をロックできるが、斯かる構成によれば、施錠しなくても、簡便に開閉蓋25を開けられないようにできる。
【0021】
前記異形ナット8は、ボルト軸26aに螺合する雌ねじ部82を形成し、且つ外面に突起80b又は凹溝を設けた締め付け部材である。異形ナット8はその外形が図5,図8のような異形体とする。異形体はナット本体80に鍔80dと突起80bとを一体化したものである。本異形体はナット本体80の本体部分が汎用ナットの六角柱(六角形)した外形と違って円柱形とする。そして、ナット本体80の下縁に外方へ張り出す鍔80dを設ける一方、ナット本体80の側面部分80aに水平外方向に延びるリブ状突起80bを突設する。突起80bは平面視で本体側面部分80aから外方へ凸状部を突出形成してなる。突起80bは、平面視でナット本体80の中心軸を中心にして、側面部分80aから放射線状に複数設けられる。突起80bの下部は鍔80dに結合する。鍔80dの領域を除き、突起80bがあるナット本体80の領域では、垂直方向ほぼ等断面形状になる。図8のように専用治具9を異形体Kの上方から矢印のごとく垂直下降して異形体に深く且つ十分に嵌合させ、専用治具9による異形体Kの異形ナット8の取付け取外しを円滑にするためである。突起80bの形成によって市販の汎用レンチは使用できない。該突起80bが設けられた異形体Kに嵌合する専用治具9のみによりその異形ナット8の取付けや取外しができる。異形ナット8は、図9のごとく、雌ねじ部82を設けたナット本体80の上部を被冠部85で覆った袋ナットとするとより好ましい。野外に設置されるセシウム吸着剤入り収納容器1にあって、雌ねじ部82とボルト軸26aの雄ねじ部との螺合部に、雨水が浸入するのを阻止し、異形ナット8,ボルト軸26aが傷まないからである。
【0022】
突起80bは図8のごとくナット本体80の側面部分80aから放射線状にいくつも形成されることによって、突起80bへの専用治具9の係止が強化されるが、該突起80bの大きさ,形状,個数等を変えてもよい。図9,図10図8のものと異なる異形体Kの異形ナット8としたものである。符号80cは突起80bの形成によって該突起と本体側面部分80aとでつくる凹所を示す。図示を省略するが、ボルト軸26aへの異形ナット8螺着時に、ボルト軸26aと異形ナット8との間に介在させるスプリングワッシャが準備される。
【0023】
前記専用治具9は、異形ナット8の異形体Kの外形と略同形の雌形嵌合部91を形成する。治具本体90の上端外面部には、異形ナット8への嵌合後に該専用治具9を作動させることのできる汎用レンチとの係合部92が設けられる。
【0024】
図6図7図1図5に代わる他態様図で、第1板状体5a1には切欠52を設けず、新たに設けた第3板状体5a3に透孔58を形成する。尚、第3板状体5a3は断面を示すが、断面表示のハッチングを省く。張出部材5たる第3板状体5a3には、図6のごとく鉛直方向に起立する制止板部57が側壁部分42から流路40の中央へと張り出す。該制止板部57には透孔58が形成され、該透孔58に対応する収納容器2に突出部材26が形成される。立体構造体2aの下流側に配されるフレーム22の立板部22cに、突出部材26たるボルト軸26aが水平外方へ向けて突出形成される。
そして、流路40内に載置したセシウム吸着剤入り収納容器1を、水平方向にずらしてボルト軸26aが透孔58を貫通するようにして、ボルト軸26aと第3板状体5a3とを係合させると共に、ボルト軸26aの先端部に異形ナット8を螺着することにより、第3板状体5a3とボルト軸26aとを接続固定し、セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法とする。
【0025】
ここでは、流路40内に設置したセシウム吸着剤入り収納容器1の上流側に図7のようなゴミ取り用スクリーン設備7をさらに配設するセシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法とする。
スクリーン設備7はH形保持部材7aの主部材95に設けた孔751に、スクリーン7bに係るU字枠71の両端に在る軸部73を挿着し、流路40の上部に水平配設する保持部材7aに対し、スクリーン7bが吊設される。U字枠71内には数本の仕切棒材72が配設される。図7の白抜き矢印の水流に対し、スクリーン7bは横架材76に係止され、鉛直状態を保つ。流路40内を流れる水に混ざっている大きなゴミが、セシウム吸着剤入り収納容器1内へ流れ込む前に、該ゴミをスクリーン7bで捕捉回収する。大きなゴミ等によるセシウム吸着剤3の目詰まりを解消し、さらに吸着性能維持にも役立ち、より好ましくなる。符号79は、スクリーン7bの不用時等で、スクリーン7bを持上げて水平状態で係止,保持する止具を示す。
スクリーン7bは収納容器2と別体にしたが、主部材75の端部752を収納容器2に固着し、一体化を図ることもできる。放射性セシウム除去が必要な設置場所にスクリーン7bが一体化したセシウム吸着剤入り収納容器1を設置するだけで足るようになる。図示を省略するが、図1図5のセシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法にも斯かるスクリーン7bを適用でき、そうすれば上記効果が得られる。
【0026】
次に、図1図5の本セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法の実施例,動作例を述べる。
まず、図1の収納容器2の開閉蓋25を開にし、繊維状セシウム吸着剤3を投入口20から収納容器2内へ投入,充填する。このセシウム吸着剤3入り容器を流路40内で張出部材5よりも上流側の底壁部分43に置く(図2)。この時、ボルト軸26aが切欠52と対向するようにしてセシウム吸着剤3入り容器をU形側溝4a内に設置する。
続いて、孔25cを利用して開閉蓋25で投入口20に蓋をした後、図2の白抜き矢印方向へセシウム吸着剤入り収納容器1をずらしてボルト軸26aが切欠52内に入り込むようにする。ボルト軸26a周りの枠部22aの水平部51下への潜り込みに伴い、流路40内へ突出する突片56で係止される。突片56で、セシウム吸着剤入り収納容器1の水平方向へのさらなるずれが阻止されると同時に、ボルト軸26aが切欠52内に入り込んだ状態になり、ボルト軸26aと板状体5aとが係合する。
その後、ボルト軸26aの先端部に専用治具9で異形ナット8を螺着することにより、板状体5aとボルト軸26aとを接続固定し、図4,図5の状態とし、セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法を完成させる。
既述のごとく、図4,図5のセシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法の状態下で、開閉蓋25の一部が前記水平部51(詳しくは突出部分511)の下に潜り込み、開閉蓋25の回動を張出部材5が阻止して開閉蓋25がロック状態にされる。
【0027】
斯かる状態にして、流路40内の水中に存在している放射性セシウムを収納容器2に充填されたセシウム吸着剤3による吸着が進行する。所定期間経過後、セシウム吸着量が飽和状態近くなった段階で、収納容器2からセシウム吸着剤3を取り出し回収する。収納容器2からのセシウム吸着剤3の取り出しは、前記動作と逆手順で行う。
取り出されたセシウム吸着剤3は、例えば株式会社サンメック製放射性遮蔽容器又は放射性遮蔽バック&容器に保管される。空になった収納容器2へは、またセシウム吸着剤3を充填し、前記動作手順を繰り返して図4に示す状態のセシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法とする。
【0028】
このように構成したセシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法は、金属製収納容器2内に固形のセシウム吸着剤3を充填し、開閉蓋25が閉じられ且つロック状態にされたセシウム吸着剤入り収納容器1が流路40内に載置されるので、洗濯ネット内にセシウム吸着剤3を入れた場合と違って水流が速くても、浮き上がることがない。セシウム吸着剤3が水中に沈んで、確実に放射性セシウムを吸着回収できる。そして、収納容器2が頑強な金属製フレーム22や金属製網状体2b,多孔板で形成され、この金属製収納容器2内にセシウム吸着剤3が充填されるので、洗濯ネットのように水流に乗って流れてくる木の枝等の漂流物によって破損する虞もない。
そして、フレーム22で骨組み形成される立体構造体2aの外周面に現れる開口の一部を投入口20として残して、他の開口部21を網状体2b又は多孔板で覆った籠状容器を形成すると共に、投入口20周りの枠部22aに開閉自在に開閉蓋25が取付けられてなる金属製収納容器2とし、投入口20を利用してセシウム吸着剤3の出し入れが簡単にできるので、作業性に優れ且つ効率良く放射性セシウムを確実に吸着回収できる。
本セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法は、頑丈で、山地からダムやため池に流れ込む途中の流路40等に簡単に設置でき、作業性、メンテナンス維持管理が楽になる。
【0029】
とりわけ、繊維状又は粒状の吸着剤を収納容器2に充填して放射性セシウムを回収するので、特許文献1の捕集ネットの目に比べ、網状体2bの網目2b1や多孔板の孔径を大きくでき、使い勝手,メンテナンスに優れる。目詰まりを起こさず、また特許文献1と異なり、通水抵抗が大きくならず、長期間使用に耐える。セシウム吸着剤3の取替え交換するまで、メンテナンスフリー状態を保つ。繊維状体セシウム吸着剤3を用いれば、網目2b1を大きくしても何ら支障なく該セシウム吸着剤を収納容器内に維持でき、しかも通水抵抗が高まることがなくなるので、完全なメンテナンスフリーを実現する。さらに特許文献1の濾過操作と違い、セシウム吸着剤3による吸着操作で放射性セシウムを回収するので、威力を発揮する。濾過の機械的分離による捕集ネットと違い、化学的吸着作用を有する吸着操作は、低濃度に対しても吸着能が高く、放射性セシウム等の汚染物質回収に打ってつけとなっている。
繊維状体のセシウム吸着剤3にすれば、通水性が良好で、また生物膜も張り難くなるなどの効果を発揮する。株式会社カサイの繊維型セシウム吸着剤3(KAQUA−Cs)を採用すれば、吸着容量、吸着速度が大となり、一層好ましくなる。
【0030】
加えて、流路40内に載置したセシウム吸着剤入り収納容器1を、水平方向にずらしてボルト軸26aが切欠52内に入り込むか又は透孔58を貫通するようにして、ボルト軸26aと板状体5aとを係合させると共に、ボルト軸26aの先端部に異形ナット8を螺着することにより、板状体5aとボルト軸26aとを接続固定すると、部外者による異形ナット8の取り外しが困難になる。セシウム吸着剤入り収納容器1を持ち出すことができず、安全対策が十分となる。放射性セシウムが吸着されたセシウム吸着剤入り収納容器1は、野外に置かれるが、安易に持ち去られると安全面において不安がある。ボルト軸26aの先端部に異形ナット8を螺着することにより、板状体5aとボルト軸26aとを接続固定するので、安全対策は万全となる。
【0031】
また、流路40内に載置したセシウム吸着剤入り収納容器1を、流路40の上流側から下流側へ水平方向にずらして、ボルト軸26a周りの枠部22aに加えて開閉蓋25の一部が前記水平部51の下に潜り込み、且つボルト軸26aが切欠52内に入り込み張出部材5との係合に合わせて、開閉蓋25の回動を張出部材5が阻止して開閉蓋25がロック状態にされると、別途施錠することなく、開閉蓋25が開かなくなるので、セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法の簡略化が図れる。
さらに、セシウム吸着剤入り収納容器1を、水平方向にずらして、ボルト軸26a周りの枠部22aの水平部51下への潜り込みに伴い、突片56で係止されることによって、セシウム吸着剤入り収納容器1の水平方向へのさらなるずれが阻止されると同時に、ボルト軸26aが該切欠52内に入り込むと、切欠52と突片26の二箇所で係止するので、セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法へと円滑且つ確実にセットでき、作業性に優れる。
【0032】
さらにいえば、セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法の上流側至近距離に、図7に示すようなスクリーン設備7が付け加えられると、セシウム吸着剤入り収納容器1へ木の枝等の漂流物が入り込む前に、これらをスクリーン7bが除去するので、安定したセシウム吸着回収を持続できる。山地からダムやため池に流れ込む途中の流路40等に設置されるセシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法にあって、大きなゴミを事前除去できるので極めて有効となる。
このように本セシウム吸着剤入り収納容器1の設置方法は、上述した数々の優れた効果を発揮し、多大な効を奏する。
【0033】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。収納容器2,セシウム吸着剤3,流路形成部材4,流路40,張出部材5,スクリーン7b,異形ナット8等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば流路40を形成する流路形成部材4は、実施形態の鉄筋コンクリートU形側溝の他、自由勾配側溝,集水管,集水枡,キャッチドレン,ボックスカルバート,横断函渠等に適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 放射性セシウム吸着剤入り収納容器
2 収納容器
2a 立体構造体
2b 網状体
20 投入口
21 開口部
22 フレーム
22a 枠部
25 開閉蓋
26 突出部材
26a ボルト軸
27 ヒンジ
28 上面
29 下面
3 放射性セシウム吸着剤
40 流路
41 路壁
5 張出部材
5a 板状体(第1板状体、第2板状体、第3板状体)
51 水平部
52 切欠
56 突片
58 透孔
8 異形ナット
80b 突起
82 雌ねじ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10