特許第5802485号(P5802485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5802485-クーラントノズル二方向動作構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5802485
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】クーラントノズル二方向動作構造
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/10 20060101AFI20151008BHJP
【FI】
   B23Q11/10 B
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-185354(P2011-185354)
(22)【出願日】2011年8月26日
(65)【公開番号】特開2013-43275(P2013-43275A)
(43)【公開日】2013年3月4日
【審査請求日】2014年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 宏一
(72)【発明者】
【氏名】萩池 純二
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−031582(JP,A)
【文献】 特開2005−131605(JP,A)
【文献】 実開平05−060741(JP,U)
【文献】 米国特許第04702124(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/10
B23Q 1/54
B05B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械のワークやツールに研削液やクーラント液を供給するクーラントノズル二方向動作構造であって、
ベース部と、
前記ベース部上に各回転軸を対向させた状態で所定間隔を隔てて配置された第1のモータ及び第2のモータと、
前記第1のモータの回転軸に設けられた第1のべベルギアと、
前記第2のモータの回転軸に設けられた第2のべベルギアと、
前記第1のべベルギアと前記第2のべベルギアに直交するように噛合した第3のべベルギアと、
前記第3のべベルギアの回転軸であるノズルシャフトを保持すると共に、前記第3のべベルギアの前記第1のべベルギアと前記第2のべベルギアに対する噛合状態を維持するブラケットと、
前記第3のべベルギアの前記ノズルシャフトに接続され、当該第3のべベルギアの回転軸線に対して所定の角度方向に研削液噴射口を向けるようになったクーラントノズルと、
を備え
前記ノズルシャフトは、前記第3のべベルギアの噛合部と反対側に突出していることを特徴とするクーラントノズル二方向動作構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば工作機械の作動中にワークやツールに研削液やクーラント液を供給する際に好適に使用可能なクーラントノズル二方向動作構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば工作機械の作動中にワークやツールに研削液やクーラント液を供給するクーラントノズルの機構が知られている(特許文献1参照)。このクーラントノズル機構の構成は、クーラント液を噴射するクーラントノズルと、クーラントノズルの向きを変える回転軸と、回転軸を回転させる動力を供給するモータと、クーラント液をクーラントノズルに供給する流路部と、を有してクーラント液を供給するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−255349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したクーラントノズル機構では、単一のモータを使用して研削液やクーラント液(以下、まとめて「研削液」とする。)をワークやツールに供給するクーラントノズルの方向を1軸方向の回転により変更可能となっている。しかしながら、このような1軸方向のみの回転しかできないクーラントノズル機構では、様々な形態を有する工作機械に対応するには不十分であり、様々な形態を有するワークやツールの適切な位置に研削液を供給することは困難となる。
【0005】
そこで、図4に示すようなクーラントノズル機構100が考えられる。このクーラントノズル機構100は、第1のモータ110と、第1のモータ110を介して回転する回転軸111に取付けられたノズル支持体130と、ノズル支持体130で支持されるクーラントノズル150とを有している。また、クーラントノズル150の基端には第2のモータ120が備わっている。
【0006】
ノズル支持体130には、第1のモータ110の回転軸111の軸線に対して直角方向に延在すると共に、ノズル先端151が一定の角度に折れ曲がったクーラントノズル150が備わっている。そして、第1のモータ110を例えば約180°回転させて図4(a)から図4(c)の状態にクーラントノズル自体の向きを変えたり、第2のモータ120を約180°回転させて図(a)から図4(b)の状態にクーラントノズル150のノズル先端151の向きを変えたりするようになっている。このような構成のクーラントノズル機構100によると、上述の特許文献1に記載のクーラントノズル機構とは異なり、図4に示すように、2方向(2軸方向)にクーラントノズル150を操作することができるため、研削液の供給方向の自由度を高めることができる。
【0007】
しかしながら、第1のモータ110の回転軸111にクーラントノズル150とノズル支持体130と第2のモータ120が支持されているので、第1のモータ110を回転駆動する際の慣性重量が非常に大きくなる。そのため、第1のモータ110の出力を上げるために大型化したモータが必要となり、コスト高となる。また、第1の回転軸111の軸線に対して第2のモータ120が偏倚して配置されているので、この第2のモータ120の重量により第1のモータ110の回転軸に好ましくない曲げモーメントが常に生じることになり、第1のモータ110の回転軸111の軸支部分が破損し易くなる虞がある。また、研削液を例えば図4(a),(b)において第2のモータ120の右側から供給しようとすると、研削液を供給する流路部を第2のモータ120の内部に通したり、第2のモータ120の配置を変えたりする複雑な機構となり、設計が困難となる。
【0008】
本発明の目的は、単純な構成で2方向(2軸方向)に研削液やクーラント液を供給可能で、かつ、長期間に亘って使用できるクーラントノズル二方向動作構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のクーラントノズル二方向動作構造は、
工作機械のワークやツールに研削液やクーラント液を供給するクーラントノズル二方向動作構造であって、
ベース部と、
前記ベース部上に各回転軸を対向させた状態で所定間隔を隔てて配置された第1のモータ及び第2のモータと、
前記第1のモータの回転軸に設けられた第1のべベルギアと、
前記第2のモータの回転軸に設けられた第2のべベルギアと、
前記第1のべベルギアと前記第2のべベルギアに直交するように噛合した第3のべベルギアと、
前記第3のべベルギアの回転軸であるノズルシャフトを保持すると共に、前記第3のべベルギアの前記第1のべベルギアと前記第2のべベルギアに対する噛合状態を維持するブラケットと、
前記第3のべベルギアのノズルシャフトに接続され、当該第3のべベルギアの回転軸線に対して所定の角度方向に研削液噴射口を向けるようになったクーラントノズルと、
を備え
前記ノズルシャフトは、前記第3のべベルギアの噛合部と反対側に突出していることを特徴としている。
【0010】
また、従来のように第1のモータの回転軸にノズルとノズル支持体と第2のモータが支持されることがないので、第1のモータによって駆動すべき慣性重量が大きくなることもない。そのため、大型化したモータを使用する必要がなく、コスト低減に貢献する。
【0011】
また、第1のモータと第2のモータに同種類のモータを使用することができるため、部品の共用化が図れコスト高となることもない。また、全体的に簡易な構造となるため、設計が容易となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、単純な構成で2方向(2軸方向)に研削液やクーラント液を供給可能で、かつ、長期間に亘って使用できるクーラントノズル二方向動作構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造を示す正面図である。
図2】本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造の動作説明のための正面図であり、クーラントノズルを図中上側に位置させてノズル先端を図中左側に向かせた状態を示す図(図2(a))、及びクーラントノズルを図中上側に位置させてノズル先端を図中右側に向かせた状態を示す図(図2(b))である。
図3】本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造の動作説明のための側面図であり、クーラントノズルを図中上側に位置させてノズル先端を図中左側に向かせた状態を示す図(図3(a))、及びクーラントノズルを図中側方に位置させてノズル先端を図中下側に向かせた状態を示す図(図3(b))である。
図4】従来のクーラントノズルの動作構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造を示す正面図である。
【0015】
本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造は、例えば工作機械の作動中にワークやツールに研削液やクーラント液(以下、「研削液」とする。)を供給するクーラントノズルの機構に用いられる構造であり、ベース板10と、ベース板上に所定の間隔を隔てて互いの出力軸が同一の軸線上になるように互いに対向するように配置された第1のモータ21(20)及び第2のモータ22(20)と、第1のモータ21及び第2のモータ22間に配置された第1乃至第3のベベルギア31,32,33(30)と、第1乃至第3のベベルギア30を保持するブラケット40と、第3のベベルギア33の中心軸線方向に突出したノズルシャフト35と、ノズルシャフト35の先端に備わったクーラントノズル50を有している。
【0016】
ベース板10は、本実施形態では、ある程度厚みのある金属製の板材からなる細長い矩形形状を有している。
【0017】
第1のモータ21及び第2のモータ22には、本実施形態の場合、ステッピングモータを用いている。なお、第1のモータ21と第2のモータ22とは同一のステッピングモータが用いられる。
【0018】
第1のモータ21の出力軸21aの先端には第1のベベルギア31が固定され、第2のモータ22の出力軸の先端には第2のベベルギア32が固定されている。第1のベベルギア31と第2のベベルギア32は、同一のピッチと歯数を有し、互いの歯車が向かい合うように所定間隔を隔て、同一の回転軸線上に配置されている。そして、第1のベベルギア31及び第2のベベルギア32の双方に第3のベベルギア33が噛合している。第3のベベルギア33は、第1のベベルギア31及び第2のベベルギア32の間であってその軸線が第1のベベルギア31及び第2のベベルギア32の軸線と直交するように配置されている。本実施形態の場合、第3のべベルギア33の歯数とピッチは、第1及び第2のべベルギア31,32の歯数及びピッチと同一となっている。これによって、第3のベベルギア33と第1のベベルギア31のギア比及び第3のべベルギア33と第2のベベルギア32のギア比は本実施形態の場合、1となっている。
【0019】
ブラケット40は、本実施形態の場合、細長の金属の板体を図1における正面視で角型U字状に折り曲げた形状を有している。ブラケット40の第1の折り曲げ部41には、第1のモータ21の出力軸21aを挿通させるための挿通孔41aが形成されている。同様にブラケット40の第2の折り曲げ部42には、第2のモータ22の出力軸22aを挿通させるための挿通孔42aが形成されている。また、ブラケット40の第1の折り曲げ部41と第2の折り曲げ部42に挟まれた中央部43には、第3のベベルギア33と反対側の方向に突出した円筒状の突出部45が形成されている。円筒状の突出部45の軸線は、ノズルシャフト35の軸線と一致している。また、円筒状の突出部45の軸線方向に形成されたノズルシャフト挿通孔45aは、ブラケット40の中央部をも貫通するように形成されている。そして、ノズルシャフト挿通孔45aの内径は、ノズルシャフト35の外径よりも僅かに大きく、ノズルシャフト35を突出部45によって回転可能に保持するようになっている。
【0020】
突出部45は、ノズルシャフト35を支持すると共に、第1及び第2のベベルギア31,32の軸線回りのノズルシャフト35の動きに追従してブラケット40を第1及び第2のベベルギア31,32の軸線回りに円弧上の軌跡を伴って移動させるようになっている。
【0021】
ノズル本体51には、その内部にノズル本体51と同軸をなす研削液供給流路53が形成されている。また、ノズル本体51の基端部端面には、研削液供給源から研削液をクーラントノズル50へ供給するためのホース(ここでは図示せず。)が接続されている。このホースは、クーラントノズル50の2軸方向の移動を制限しないように十分な可撓性を有している。
【0022】
第1のモータ21の出力軸21aの外周面とブラケット40の第1の挿通孔41aの内周面との間にはある程度の隙間があり、本実施形態では軸受91によって互いに相対回転可能にすると共に、軸受91を介してブラケット40を第1のモータ21の出力軸21aで支持している。同様に、第2のモータ22の出力軸22aの外周面とブラケット40の第2の挿通孔42aの内周面との間にはある程度の隙間があり、本実施形態では軸受92によって互いに相対回転可能にすると共に、軸受92を介してブラケット40を第2のモータ22の出力軸22aで支持している。なお、軸受91,92の代わりにこの部分の隙間にOリングを備えても良い。
【0023】
第3のベベルギア33とブラケット40の中央部との間にはある程度の隙間を有しており、第3のベベルギア33と第1及び第2のベベルギア31,32との噛合を維持すると共に、第3のベベルギア33の歯車と反対側面がブラケット40の中央部43に干渉することなく第3のベベルギア33が回転できるようになっている。
【0024】
続いて、クーラントノズル1の具体的な作動の仕方について説明する。図2は、本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造の動作説明のための正面図であり、クーラントノズルを図中上側に位置させてノズル先端を図中左側に向かせた状態を示す図(図2(a))、及びクーラントノズルを図中上側に位置させてノズル先端を図中右側に向かせた状態を示す図(図2(b))である。また、図3は、本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造の動作説明のための側面図であり、クーラントノズルを図中上側に位置させてノズル先端を図中左側に向かせた状態を示す図(図3(a))、及びクーラントノズルを図中側方に位置させてノズル先端を図中下側に向かせた状態を示す図(図3(b))である。
【0025】
例えば、図1の状態を基準として第1のモータ21の出力軸21a及び第1のベベルギア31が第1のベベルギア31の歯車側から見て時計回りに所定の角速度で90°だけ回転すると共に、第2のモータ22の出力軸22a及び第2のベベルギア32が第2のベベルギア32の歯車側から見て時計回りに第1のモータ21と同一の所定の角速度で90°だけ回転した場合、第3のベベルギア33は、第3のベベルギア33の歯車側から見て反時計回りに90°だけ回転する。このように、第3のベベルギア33が90°回転すると、ノズルシャフト35もそれに合わせて回転し、クーラントノズル50は図1に示す状態から図2(a)に示す状態までノズル先端の向きを変える。また、図1の状態を基準として第1のモータ21の出力軸21a及び第1のベベルギア31が第1のベベルギア31の歯車側から見て反時計回りに所定の角速度で90°だけ回転すると共に、第2のモータ22の出力軸22a及び第2のベベルギア32が第2のベベルギア32の歯車側から見て反時計回りに第1のモータ21と同一の所定の角速度で90°だけ回転した場合、第3のベベルギア33は、第3のベベルギア33の歯車側から見て時計回りに90°だけ回転する。このように、第3のベベルギア33が90°回転すると、ノズルシャフト35もそれに合わせて回転し、クーラントノズル50は図1に示す状態から図2(b)に示す状態までノズル先端の向きを変える。
【0026】
また、第1のモータ21の出力軸21a及び第1のベベルギア31がその歯車側から見て反時計回りに所定の角速度で90°だけ回転すると共に、第2のベベルギア32がその歯車側から見て時計回りに回転する場合、第1のモータ21と同一の所定の角速度で90°だけ回転する場合、即ち第1のベベルギア31と第2のモータ22の出力軸22a及び第2のベベルギア32とが図1の状態で右側面から見て反時計回りに90°だけ同一の角速度で回転した場合、第3のベベルギア33が、第1及び第2のベベルギア31,32と噛合した状態で回転しないまま第1のベベルギア31、第2のベベルギア32、及び第3のベベルギア33が第1の出力軸21aと第2の出力軸22aのなす軸線回りに第1のベベルギア31の歯車側から見て90°だけ回転する。このように、第1のベベルギア31と第2のベベルギア32及びこれと一体になったノズルシャフト35が90°回転すると、ノズルシャフト35の動きに押されてブラケット40もこれに合わせて回転し、クーラントノズル50は、ノズル先端の向きを図3(a)に示す状態から図3(b)に示す状態まで変える。
【0027】
続いて、本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造の作用について説明する。本実施形態に係るクーラントノズル二方向動作構造が上述のような構成を有することで、研削液の供給位置や供給方法が個別に異なる様々な形態を有する工作機械に対応でき、かつ、様々な形態を有するワークやツールに対して常に最適な方向から最適な位置に研削液を安定した流量で供給できる。
【0028】
また、従来のように第1のモータの回転軸にノズルとノズル支持体と第2のモータが支持されることがないので、第1のモータによって駆動すべき慣性重量が大きくなることもない。そのため、大型化したモータを使用する必要がなく、コスト低減に貢献する。
【0029】
また、従来例とは異なり、第1の回転軸の軸線に対して第2のモータが偏倚して配置されていないので、このモータの重量により第1のモータの回転軸に好ましくない曲げモーメントが生じることがなく、第1のモータの回転軸の軸支部分の破損を回避することができる。
【0030】
なお、上述の実施形態では、クーラントノズルのノズルシャフト回りに90°だけ回転すると共に、第1及び第2のモータの出力軸回り90°だけ回転することを図1乃至図3に基づいて説明したが、必ずしもこの角度範囲に限定されるものではない。
【0031】
また、本発明で使用されるモータは、上述の実施形態のようにステッピングモータに限定されるものではなく、(ブラシ、ブラシレス)DCモータ等、様々なモータを用いることができる。また、第1のベベルギア及び第2のベベルギアと、第3のベベルギアのピッチ及び歯数は、ピッチが同一であれば上述の実施形態とは歯数が異なっていても良い。
【0032】
具体的には、歯車のピッチが同一で、「第1及び第2のベベルギアの歯数>第3のベベルギアの歯数」の場合、第1及び第2のモータを一定の回転数で回転させても、「第1及び第2のモータの出力軸線周りのクーラントノズルの回転角速度<ノズルシャフト周りのクーラントノズルの回転角速度」となる。
【0033】
一方、歯車のピッチが同一で、「第1及び第2のベベルギアの歯数<第3のベベルギアの歯数」の場合、第1及び第2のモータを一定の回転数で回転させても、「第1及び第2のモータの出力軸線周りのクーラントノズルの回転角速度>ノズルシャフト周りのクーラントノズルの回転角速度」となる。これによって、これら第1及び第2のベベルギアの歯数と、第3のベベルギアの歯数を変えることで、様々な研削液やクーラント液の供給スペックに対応できる。
【0034】
なお、上述の実施形態で紹介した各構成要素の形状や寸法、数値、材質はあくまで例示的なもので、本発明の範囲を逸脱しない限り、様々な形状や寸法、数値、材質を適宜選択できることは言うまでもない。
【0035】
また、本実施形態においては、クーラントノズルのノズル先端から工作機械のワークやツールに研削液を供給したが、必ずしもこのような研削液に限定されることはなく、研削油や切削液、切削油、研磨液、冷却液(クーラント液)、冷却油(クーラント油)をクーラントノズルのノズル先端から工作機械のワークやツールに供給しても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 クーラントノズル二方向動作構造
10 ベース板
21,22(20) モータ
21a,22a 出力軸
31,32,33(30) ベベルギア
35 ノズルシャフト
40 ブラケット
41 第1の折り曲げ部
45 突出部
50 クーラントノズル
51 ノズル本体

図1
図2
図3
図4