(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
受光した光量に応じて電流を発生させる受光素子と、前記電流を電圧に変換する回路の抵抗素子及び増幅素子と、光の入射面から入射した所望の波長の光を透過する波長選択フィルタ部材と、を備えた光センサモジュールにおいて、
前記増幅素子が形成されている回路基板と、前記回路基板を遮光するパッケージ樹脂と、前記受光素子が形成されたセンサ部材と前記波長選択フィルタ部材とが接合されているセンサ基板と、前記回路基板と前記センサ基板とが載置されているとともに前記回路基板と前記受光素子と前記抵抗素子とに接続される配線が設けられている基台と、を有し、
前記パッケージ樹脂が、前記波長選択フィルタ部材の前記光の入射面を露出するように前記基台を覆っており、
前記センサ部材と前記波長選択フィルタ部材とを接合する接合層を有し、
前記接合層が、前記受光素子を囲み、前記波長選択フィルタ部材の外周領域に設けられ、
前記抵抗素子は前記センサ部材に形成されているとともに前記接合層に覆われていることを特徴とする光センサモジュール。
受光した光量に応じて電流を発生させる受光素子と、前記電流を電圧に変換する回路の抵抗素子と、所望の波長の光を透過する波長選択フィルタ部材と、を備えた光センサにおいて、
前記受光素子を形成したセンサ部材と前記波長選択フィルタ部材とが接合されている接合層を備え、前記接合層は、前記受光素子を囲み、前記波長選択フィルタ部材の外周領域に設けられているとともに、
前記センサ部材に前記抵抗素子が配置され、
前記センサ部材は前記抵抗素子を覆って形成された絶縁膜及び金属膜を有し、前記金属膜が前記抵抗素子を遮光していることを特徴とする光センサ。
前記受光素子と前記抵抗素子とは前記センサ部材に平面配置して形成され、前記センサ部材の少なくとも一部が半導体材料からなり、前記受光素子と前記抵抗素子とが前記半導体材料からなることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の光センサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された半導体照度センサのように、フォトダイオードと、フォトダイオードの出力電流を増幅する増幅回路とが半導体チップに集積されている場合は、特定波長や受光量の異なる光センサに共通利用できなかった。すなわち、それぞれの仕様に合わせてフォトダイオードと増幅回路とを設計し、多種類の半導体チップを製作する必要があり、多品種少量生産になってしまう問題があった。さらに、小さな光学フィルタを貼着する必要があり、高コストの一因となっていた。
【0008】
一方、特許文献2に記載されたセンサ装置において、センサ出力の増幅回路が搭載されていない場合、出力を所望の電圧に調整するオペアンプICやコンディショナーICを別途設けて、特許文献2のセンサ装置に接続する必要がある。そのためには、特許文献3に記載された照度センサモジュールのように、モジュール基板にセンサ装置とオペアンプICを個別に実装しなければならず、そのような態様で携帯電話等の携帯機器に搭載することは困難であったので、さらなる小型化が必要になった。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、特に、特定波長や受光量に適合した小型パッケージの光センサモジュール及び光センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、受光した光量に応じて電流を発生させる受光素子と、前記電流を電圧に変換する回路の抵抗素子及び増幅素子と、光の入射面から入射した所望の波長の光を透過する波長選択フィルタ部材と、を備えた光センサモジュールにおいて、前記増幅素子が形成されている回路基板と、前記回路基板を遮光するパッケージ樹脂と、前記受光素子が形成されたセンサ部材と前記波長選択フィルタ部材とが接合されているセンサ基板と、前記回路基板と前記センサ基板とが載置されているとともに前記回路基板と前記受光素子と前記抵抗素子とに接続される配線が設けられている基台と、を有し、前記パッケージ樹脂が、前記波長選択フィルタ部材の前記光の入射面を露出するように前記基台を覆って
おり、前記センサ部材と前記波長選択フィルタ部材とを接合する接合層を有し、前記接合層が、前記受光素子を囲み、前記波長選択フィルタ部材の外周領域に設けられ、前記抵抗素子は前記センサ部材に形成されているとともに前記接合層に覆われている、ことを特徴とする。
【0011】
抵抗素子は、増幅素子が形成された回路基板に内蔵されず、回路基板とは別に用意されるものである。これにより、専用設計の波長選択フィルタ部材及び抵抗素子と、汎用の回路基板と、を組み合わせることによって、異なる波長や光強度を想定した、多品種の光センサモジュールを容易に実現できる。さらに、回路基板と、受光素子が形成されたセンサ部材に受光素子の受光面にあわせた大きさの波長選択フィルタ部材を接合したセンサ基板と、を基台に載置して、遮光性のパッケージ樹脂で一体に封止しているので、モジュール基板の実装部品を個別に樹脂封止したものに比べて、小型パッケージの光センサモジュールを得ることができる。
【0012】
したがって、特定波長や受光量に適合した小型パッケージの光センサモジュールを実現できる。
また、抵抗素子を別に用意して基台に実装せずに、センサ部材に受光素子とともに配置することができるので、部品点数が削減でき、製造工程を簡略化できる。
さらに、接合層は接着層や金属接合層等であり、受光素子及び抵抗素子が形成されたセンサ部材と波長選択フィルタ部材とを強固に接合することが容易である。さらに、接合層を設けた領域に抵抗素子を配置しておくことによって、より小型にできる。
【0013】
前記センサ基板における前記センサ部材の側面は前記パッケージ樹脂に覆われ、前記波長選択フィルタ部材の側面は部分的に前記パッケージ樹脂に覆われて、前記光の入射面が前記パッケージ樹脂から突出していることが好適である。こうすれば、遮光性のパッケージ樹脂から突出した波長選択フィルタ部材の光の入射面以外は光照射されないように隠すことが容易なので、パッケージ樹脂が光劣化することなく長期信頼性に優れている。
【0014】
さらに、前記波長選択フィルタ部材は光学基材に波長選択フィルタ膜を積層してなり、
前記波長選択フィルタ膜が前記受光素子と対向していることが好ましい。これにより、波長選択フィルタ膜を透過していない光の入射経路が無いので、迷光による測定ノイズを防止できる。
【0017】
前記センサ部材は前記抵抗素子を覆って形成された絶縁膜及び金属膜を有し、前記金属膜が前記抵抗素子を遮光していることが好ましい。こうすれば、抵抗素子として光特性を有する材料が使用できる。ここで、光特性を有する材料とは、抵抗素子として用いた際に光が照射されると抵抗が変化するものをいう。光照射されないように遮光することが確実にできるので、光特性による抵抗変動ノイズが抑制できる。
【0018】
前記接合層が前記金属膜であることが好ましい。金属膜を用いて金属接合層とすることで、光特性による抵抗変動ノイズが抑制できることに加えて、接合を強固にでき、気密性に優れている。
【0019】
前記受光素子と前記抵抗素子とは前記センサ部材に平面配置して形成され、前記センサ部材の少なくとも一部が半導体材料からなり、前記抵抗素子が前記半導体材料によって形成されていることが好適である。センサ部材と波長選択フィルタ部材とは、それぞれウェハレベルの成膜加工技術で製作できる。抵抗素子を半導体材料によってセンサ部材に形成すれば、抵抗素子が形成されたセンサ部材と波長選択フィルタ部材とを、接合層によってウェハレベルで接合することができるとともに、抵抗素子を内蔵したセンサ基板が実現できる。したがって、小型パッケージの光センサモジュールを得ることができる。また、光センサモジュールの部品点数が削減でき、製造工程を簡略化できる。
【0020】
前記センサ基板が複数設けられてなり、複数の前記センサ基板における前記波長選択フィルタ部材の透過する波長がそれぞれで異なっていることが好ましい。計測する光の波長領域と光強度の想定に合わせた受光素子を複数実装して、ひとつの小型パッケージで複数波長を測定する光センサモジュールを実現できるので、携帯機器を大型化しなくても複数波長の光センサ機能が搭載できる。
【0021】
本発明は、受光した光量に応じて電流を発生させる受光素子と、前記電流を電圧に変換する回路の抵抗素子と、所望の波長の光を透過する波長選択フィルタ部材と、を備えた光センサにおいて、前記受光素子を形成したセンサ部材と前記波長選択フィルタ部材とが接合されている接合層を備え、前記接合層は、前記受光素子を囲み、前記波長選択フィルタ部材の外周領域に設けられているとともに、前記センサ部材に前記抵抗素子が配置されている、ことを特徴とする。
【0022】
回路の抵抗素子と波長選択フィルタ部材とは、計測する波長や受光量に合わせて適宜選択できる。これにより、受光素子の想定される電流に応じた抵抗値を有する抵抗素子を接合領域に設けることができるので、特定波長や受光量に適合しやすい光センサを実現できる。
【0023】
前記センサ部材は前記抵抗素子を覆って形成された絶縁膜及び金属膜を有し、前記金属膜が前記抵抗素子を遮光していることが好適である。こうすれば、抵抗素子として光特性を有する材料が使用できる。光特性を有する材料とは、抵抗素子として用いた際に光が照射されると抵抗が変化するものをいう。光照射されないように遮光することが確実にできるので、光特性による抵抗変動ノイズが抑制できる。
【0024】
前記接合層が前記金属膜であることが好ましい。こうすれば、抵抗素子が光特性を有する材料であっても、光照射されないように遮光することが確実にできるので、光照射による抵抗変動ノイズが抑制できる。
【0025】
前記受光素子と前記抵抗素子とは前記センサ部材に平面配置して形成され、前記センサ部材の少なくとも一部が半導体材料からなり、前記受光素子と前記抵抗素子とが前記半導体材料からなることが好適である。これにより、抵抗素子と受光素子とを半導体基板の同一の半導体材料から一括して製作することができるので、量産性に優れた光センサを実現できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、抵抗素子と汎用の回路基板とを組み合わせるので、異なる波長や光強度を想定した多品種の光センサモジュールを容易に実現でき、受光素子が形成されたセンサ部材に受光素子の受光面に合わせた大きさの波長選択フィルタ部材を接合したセンサ基板と、回路基板と、を基台に載置して、遮光性のパッケージ樹脂で封止しているので、特定波長や受光量に適合しやすい小型パッケージの光センサモジュールを実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、分かりやすいように、図面は寸法を適宜変更している。
【0029】
<第1の実施形態>
図1は本実施形態の光センサモジュール1を示す斜視図であり、
図2は
図1のII−II線に沿って切断した模式断面図である。また、
図3は本実施形態のセンサ基板10を示す模式断面図である。
【0030】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の光センサモジュール1は、遮光性のパッケージ樹脂75から光の入射面40aが露出している構造である。センサ基板10と回路基板60とが基台70に接着樹脂73で配置され、パッケージ樹脂75で封止されている。回路基板60に内蔵されている半導体集積回路は、光が照射されると漏れ電流が増加して、その結果、たとえば電圧降下による誤動作を生じてしまう。基台70及びパッケージ樹脂75は遮光性であり、回路基板60が光照射によって誤動作することを防止している。センサ基板10は光の入射面40aが露出するようにパッケージ樹脂75に覆われ、光の入射面40aを透過した光だけが受光素子21に到達することができる。受光素子21はセンサ部材20の一部の領域に設けられていて、ここでは模式的に表わされている。受光素子21は、たとえば、受光量に応じて光電流を発生するフォトダイオードである。
【0031】
図3に示すように、センサ基板10は、光学基材41と波長選択フィルタ膜42とからなる波長選択フィルタ部材40と、受光素子21が形成されたセンサ部材20と、センサ部材20に形成された抵抗素子65と、接合層26と、を有している。接合層26は、センサ部材20に形成された受光素子21を囲み、波長選択フィルタ部材40の外周領域に設けられ、波長選択フィルタ部材40とセンサ部材20とを接合している。受光素子21の受光面21aは波長選択フィルタ膜42と対向し、接合層26に周囲を環状に囲まれている。
【0032】
接合層26が形成されている接合領域の一部に、抵抗素子65が設けられている。受光素子21及び抵抗素子65は、それぞれ、センサ部材20に形成された絶縁層及び配線層(図示しない)を介して複数のパッド22に接続されている。
図2に示すように、基台70に配線71が設けられていて、パッド22にボンディングワイヤ74を介して接続され、回路基板60や外部に電気接続されている。センサ部材20の側面及び接合層26の側面は遮光性のパッケージ樹脂75に覆われている。
【0033】
図1及び
図2に示すように、波長選択フィルタ部材40の光の入射面40aは遮光性のパッケージ樹脂75から突出している。光学基材41は石英ガラス等であり、光の入射面40aから入射した光は光学基材41を透過して波長選択フィルタ膜42によって、測定したい波長のみが受光素子21に到達するように波長選択される。たとえば、波長315nm〜400nmの紫外線であるUV−Aや波長280nm〜315nmの紫外線であるUV−Bだけを測定したい場合、可視光や赤外線をカットするとともに、所望の波長域だけを透過する波長選択フィルタ膜42が形成されている。屋外での太陽光が光源である場合、可視光全域の照射光量に比べて、UV−AやUV−Bの紫外線量はきわめて少ないので、受光するフォトダイオード構造や受光面積の最適設計だけでは、微弱な光電流しか得ることができない。とくに、UV−BはUV−Aより人体の健康への影響度が大きいが、その受光量も少なく、得られる光電流は僅かである。
【0034】
図4は実施形態の光センサモジュール1における電流電圧変換回路の一例を示す図である。
図4に示すように、受光素子21は受光した光によって光電流を発生し、光電流が抵抗素子65に流れ、抵抗素子65の両端に電圧(電位差)を生じる。こうすれば、受光素子21の光電流が電圧に変換できるので、増幅素子61の集積回路であるオペアンプICによって電圧を増幅して、微弱な光電流を実用的な電圧(センサ出力)にすることができる。所望の波長または測定する対象の光強度によって、光電流は数桁の範囲で変化するので、1種類のオペアンプICやコンディショナーICを共通利用することが困難で、従来は、それぞれの光センサに対する専用のICとする場合が多かった。なお、増幅素子61等の半導体集積回路であるオペアンプICやコンディショナーICは、光照射による漏れ電流を防止するために、ベアチップをセラミックパッケージや遮光性樹脂で遮光しておく必要がある。
【0035】
本実施形態では、
図4の増幅素子61を回路基板60に内蔵された半導体集積回路で形成している。一方、抵抗素子65は、増幅素子61が形成された回路基板60に内蔵されず、回路基板60とは別に用意されるものである。
図2に示すように、抵抗素子65と回路基板60との電気的接続は、パッド22、配線71及びボンディングワイヤ74を介してなされる。
【0036】
抵抗素子65を想定する光電流の範囲に対して最適化しておくことで、回路基板60を共通にすることができる。すなわち、想定される光電流が大きい場合には低抵抗の、想定される光電流が小さい場合には高抵抗の抵抗素子65を形成する。このとき、光電流Iと抵抗素子65の抵抗値Rとの関係I×R=Vが同程度になるように抵抗素子65を選んでおく。より具体的には、光電流I=1μAを想定したUV−B紫外線センサでは抵抗素子65の抵抗値R=10kΩとして、V=10mVが増幅素子61の入力電圧になるようにした。本実施形態では、1種類のオペアンプICやコンディショナーICを回路基板60として利用して、多品種の光センサモジュール1を実現することができる。さらに、遮光性のパッケージ樹脂75で覆われているので、回路基板60に形成されている増幅素子61等の半導体集積回路が光照射による漏れ電流を生じない。したがって、電圧降下による誤動作等を生じない。
【0037】
また、受光素子21の想定される電流に応じた抵抗値を有する抵抗素子65を接合領域に設けることができるので、特定波長や受光量に適合しやすい光センサを実現できる。
【0038】
図2及び
図3に示す抵抗素子65はTaNやTa−SiO
2をスパッタによって成膜し、成膜領域以外をレジストで覆っておくリフトオフ法によってパターン形成した。材料の比抵抗と膜厚に応じて、抵抗長と幅を最適化して抵抗値を調整することが可能である。
【0039】
抵抗素子65は、
図4の負荷抵抗Rとして光電流を電圧に変換する機能として作用する。また、電圧変換機能の抵抗素子65以外にも、同様にして、他の回路機能の抵抗を形成できる。たとえば、
図4のように、電源電圧の中間電位を設定する分割抵抗69を用いる回路では、分割抵抗69を抵抗素子65と同時に形成してもよい。
【0040】
図2に示す光センサモジュール1では、波長選択フィルタ部材40の異なるセンサ基板10を実装すれば、異なる波長の光センサを提供することができる。波長選択フィルタ部材40以外を共通にすれば、多品種少量生産であっても製造工程のほとんどが共通化できるので、効率的である。また、抵抗素子65を想定される光電流の大きさに合わせて変更したり、受光素子21の光感度を変更してもよい。この場合でも、回路基板60と基台70等とを共通にして実装工程及びパッケージ工程が共通化できれば、従来別々だったものに比べて十分に効果を奏する。
【0041】
本実施形態の光センサモジュール1は、以下のようにして製造することができる。
【0042】
波長選択フィルタ部材40は、厚さ0.3mmの石英ガラス製の光学基材41に波長選択フィルタ膜42を真空蒸着による成膜加工技術によって形成して製作した。波長選択フィルタ膜42は、たとえばSiO
2膜とTa
2O
5膜とを10層ずつ、それぞれ所定の厚さで形成した干渉フィルタであって、それぞれの厚さを変えることによって、所望の透過波長域に調整された。また、接合のためのアライメントマークと個片化のための仮溝とを、成膜加工技術と実装技術によって、形成しておいた。
【0043】
一方、半導体プロセス技術によって、シリコンを基材とするセンサ部材20に受光素子21及びパッド22とそれらを絶縁及び接続する絶縁層及び配線層(図示しない)を形成した。また、受光素子21と少し離れた平面位置にスパッタとリフトオフ法で抵抗素子65を形成した。
【0044】
受光素子21とパッド22とが設けられたセンサ部材20の平面サイズは約0.5mm×0.7mm、高さは約0.3mmである。受光素子21は半導体材料のPN接合を用いたフォトダイオードである。受光素子21は、PN接合層が表面からの深さ2μmに、受光面21aの平面サイズが約0.15mm×0.15mmに形成された。
【0045】
こうして得られたセンサ部材20に抵抗素子65を形成し、受光素子21を環状に取り囲むとともに抵抗素子65を覆う接合層26として接着材を塗布して、センサ部材20と波長選択フィルタ部材40とを接着接合した。これらは直径50mm〜200mmの、いわゆるウェハ状態で一括しておこなうことができ、こうすれば1枚のウェハに多数のセンサ基板10を形成することができる。波長選択フィルタ部材40を個片の大きさに切断するダイシング工程をおこなった後、センサ部材20を個片化するダイシング工程をおこなうことによって、パッド22が露出したセンサ基板10を得た。裏面から光の入射面40aまでの高さは約0.6mmである。なお、ウェハ状態のときに裏面を削って、より薄くしておいてもよい。
【0046】
一方、基台70として、エポキシ樹脂に金属配線が形成されたプリント配線板(PWB)を用いた。非透光性の両面配線基板または多層配線基板で、層間を接続するスルーホール等によって、表面側の配線71と裏面側の配線71(電極72)とが接続されている。
【0047】
プリント配線板の基台70に回路基板60及びセンサ基板10をそれぞれ接着樹脂73によって固定した。回路基板60のパッド62及びセンサ基板10のパッド22を、基台70の配線71とボンディングワイヤ74によって接続した後、回路基板60とセンサ基板10とを覆うように、黒色エポキシ樹脂からなるパッケージ樹脂75を形成した。このとき、光の入射面40aをパッケージ樹脂75から露出させるため、パッケージ樹脂75を充填するための金型に、波長選択フィルタ部材40の光の入射面40aを当接させた。こうして、光の入射面40aが遮光性のパッケージ樹脂75から突出した光センサモジュール1を得た。このパッケージ工程においても、複数の光センサモジュール1を一括形成しておいてから、ダイシングで個片化してもよい。
【0048】
なお、基台70として、プリント配線板(PWB)の替わりに、低温同時焼成セラミックス(LTCC)やリードフレームを用いてもよい。金属製のリードフレームを用いる場合は、リードを裏面から突出してもよいし、側面から突出してもよい。
【0049】
また、プリント配線板の基台70に回路基板60及びセンサ基板10を配置する以外に、プリント配線板の基台70に回路基板60を接着固定して、この回路基板60にセンサ基板10を接着固定してもよい。こうすれば、全体の高さは増加するが、平面配置する場合に比べて小型化できる。
【0050】
波長選択フィルタ部材40は、接合領域を含む平面サイズが約0.5mm×0.5mmである。光学基材41として、紫外線センサの場合は紫外線の吸収損失の少ない石英ガラスが好ましい。また紫外線の照射による光劣化がほとんどないので、透明樹脂に比べて耐久性に優れている。
【0051】
なお、本実施形態の材料に限らず、たとえば長波長の赤外線センサの場合は石英ガラスの替わりにシリコンウェハを用いてもよい。赤外線の透過率は波長によって、石英ガラスよりもシリコンウェハのほうが優れているので、損失を少なくすることができる。
【0052】
さらに、波長選択フィルタ部材40は光学基材41に波長選択フィルタ膜42を積層してなり、波長選択フィルタ膜42がセンサ部材20と対向していることが好ましい。これにより、波長選択フィルタ膜42を透過していない光の入射経路が無いので、迷光による測定ノイズを防止できる。
【0053】
波長選択フィルタ膜42は光学基材41の両面に形成されていてもよい。あるいは、波長選択フィルタ膜42が紫外線または赤外線を透過する波長フィルタであって、光の入射面40aに可視光を遮光する波長フィルタを補助的に形成しておいてもよい。このほうが迷光をより確実に抑制できる。
【0054】
センサ部材20は半導体プロセス技術で加工したシリコンウェハである。センサ部材20として、紫外線センサの場合はSOI(Silicon On Insulator)基板を用いることが好ましい。SOI基板の活性層を紫外線の吸収膜厚程度、たとえば4μm、にすると、高感度の紫外線センサを得ることができる。
【0055】
センサ部材20として、ガラス基板やセラミック基板等の絶縁性基板に半導体材料を成膜してもよい。半導体材料にはアモルファスシリコン膜やZnO膜、GaN膜等を用いることができる。なお、受光素子21は、光電流を発生させる素子(フォトダイオード、太陽電池、等)のほか、抵抗変化型の素子であってもよい。抵抗変化型の素子を用いた回路では、バイアス電圧を印加して抵抗変化型の素子に電流を流し、光照射時の電流の変化を抵抗素子65によって電圧変換すればよい。さらに、抵抗変化型の素子と抵抗素子65とを、それぞれ2個ずつ用いたブリッジ回路として、ブリッジ抵抗の中間電位が光照射時に変化するように構成すれば、より高精度に電圧変換できる。
【0056】
電流電圧変換回路は
図4のオペアンプを用いた計装アンプ回路方式に限らず、抵抗値の変更で電圧を調整できる方式であればよい。また、出力をデジタル信号に変換する回路を付加してもよい。デジタル出力回路であれば、携帯機器の制御回路での信号処理が容易になる。
【0057】
パッケージ材料として遮光性の樹脂を用いることは、光特性を有する半導体集積回路の封止パッケージとして一般的である。しかしながら、樹脂材料は紫外線等の光で劣化が進行することが知られている。従来の光センサでは、透明樹脂を用いて受光面を覆うように封止する場合があったが、光で劣化しやすい樹脂材料が光に曝される使用方法は必ずしも好ましいものではなかった。とくに、屋外で使用する光センサは、たとえば赤外線センサであっても可視光や紫外線にも曝されるので、光で劣化しやすい樹脂材料を受光面に使用すべきでない。
【0058】
本実施形態では、光の入射面40aに光が入射すればよいので、遮光性のパッケージ樹脂75を携帯機器等の筐体内部に隠せば、直接光に曝される材料は波長選択フィルタ部材40だけである。したがって、パッケージ樹脂75が紫外線で光劣化する心配がなく、長期信頼性に優れていて、とくに紫外線センサに好適である。また、波長選択フィルタ膜42を透過していない光の入射経路が無いので、迷光による測定ノイズを防止できる。
【0059】
なお、光の入射面40aが遮光性のパッケージ樹脂75から露出していれば、パッケージ樹脂75表面に対して平坦または凹部になっていてもよい。しかし、波長選択フィルタ部材40の側面は部分的にパッケージ樹脂75に覆われて、光の入射面40aが遮光性のパッケージ樹脂75から突出しているほうが、光の入射面40a以外を携帯機器の筐体の内部に隠すことが容易である。さらに突出した光の入射面40aが凸レンズや回折レンズ等の光学形状に加工されていてもよい。こうすれば、受光角度や受光方向等の光学特性を補正できる。
【0060】
回路の抵抗素子65と波長選択フィルタ部材40とは、計測する波長や受光量に合わせて適宜選択できる。抵抗素子65は、増幅素子61が形成された回路基板60に内蔵されるのでなく、回路基板60とは別に用意されるものである。これにより、専用設計の波長選択フィルタ部材40及び抵抗素子65と、汎用の回路基板60と、を組み合わせることによって、異なる波長や光強度を想定した、多品種の光センサモジュール1を容易に実現できる。
【0061】
本実施形態において、抵抗素子65はセンサ部材20に形成されている。抵抗素子65をセンサ部材20に受光素子21とともに配置することができるので、光センサモジュール1の部品点数が削減でき、製造工程を簡略化できる。
【0062】
さらに、回路基板60と、受光素子21の受光面にあわせた大きさの波長選択フィルタ部材40を接合したセンサ基板10と、を基台70に載置して遮光性のパッケージ樹脂75で一体に封止するので、モジュール基板の実装部品を個別に樹脂封止したものに比べて、小型パッケージの光センサモジュール1を得ることができる。したがって、特定波長や受光量に適合した小型パッケージの光センサモジュール1を実現できる。
【0063】
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態の光センサモジュール1におけるセンサ基板11を示す模式断面図である。抵抗素子66を覆うように、受光素子21を取り囲む接合領域に絶縁膜29が形成され、絶縁膜29に金属膜28が積層して形成された。絶縁膜29の材料はSiO
2、Si
3N
4、金属膜28はAl、Ta、Crの中から選ぶことができる。光の入射面40aから見て、入射した光が抵抗素子66に照射されないように、金属膜28が抵抗素子66を覆っている。抵抗素子66と金属膜28とは絶縁膜29で絶縁されている。金属膜28と絶縁膜29とを覆うように、接合層26として接着材を塗布している。これ以外の構成は、第1の実施形態と同様であり、同じ符号を用いている。
【0064】
こうすれば、抵抗素子66として光特性を有する材料が使用できる。光特性を有する材料とは、抵抗素子66として用いた際に光が照射されると抵抗が変化するものをいう。たとえば、抵抗素子66を受光素子21のフォトダイオードを製造する半導体プロセス技術で同時に形成することができる。フォトダイオードを構成する半導体材料で抵抗素子66を形成する場合、光照射で抵抗値変動する問題を生じる。本実施形態では、抵抗素子66が光特性を有する材料であっても、光照射されないように、金属膜28で遮光することが確実にできるので、光特性による抵抗変動ノイズが抑制できる。
【0065】
受光素子21と抵抗素子66とは、センサ部材20に平面配置されて形成されている。抵抗素子66を半導体材料によってセンサ部材20に形成すれば、抵抗素子66が形成されたセンサ部材20と波長選択フィルタ部材40とを、接合層26によってウェハレベルで接合することができるとともに、抵抗素子66を内蔵したセンサ基板11が実現できる。したがって、小型パッケージの光センサモジュール1を得ることができる。
【0066】
抵抗素子66の平面寸法に対して、金属膜28は一回り大きく形成することで、確実に遮光することができる。たとえば、絶縁膜29の厚さ0.8μmで、抵抗素子66の平面サイズが76μm×3μmに対して、金属膜28のサイズを120μm×40μmとした。なお、接合領域を金属膜28が覆っていてもよい。その場合は、接合層26として接着材を塗布して、金属膜28と波長選択フィルタ膜42とが接着されている。
【0067】
抵抗素子66はフォトダイオードを製造する半導体プロセス技術で同時に形成することができる。また、スパッタやプラズマCVD等の、成膜加工技術で形成してもよい。
【0068】
金属膜28はAlやCrを用いることができる。スパッタや真空蒸着等の、成膜加工技術で形成すればよい。遮光を確実にするために、たとえば、Crを用いた場合に0.2μm以上の厚さで形成することが好ましい。また、金属膜28をたとえば共通電位になるように電気接続しておくことが好ましい。
【0069】
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態の光センサモジュール1におけるセンサ基板12を示す模式断面図である。第2の実施形態と同様に、抵抗素子66を覆うように、受光素子21を取り囲む接合領域に絶縁膜29が形成された。本実施形態では、接合領域を金属膜28が覆っていて、金属膜28が接合層26を兼ねている。これ以外の構成は、第1の実施形態と同様であり、同じ符号を用いている。
【0070】
金属膜28が接合層26を兼ねるようにするには、絶縁膜29に第1の金属膜を積層して形成する一方、波長選択フィルタ膜42の接合領域にも第2の金属膜を形成しておく。第1の金属膜と第2の金属膜とを接合した金属接合によって、接合層26を形成することができる。
【0071】
金属接合は、アルミニウムとゲルマニウム、アルミニウムと亜鉛、アルミニウムとマグネシウム、金と金、金とシリコン、金とインジウム、金とゲルマニウム、金と錫、の組み合わせの中から選ぶことができる。第1の金属膜と第2の金属膜とは、スパッタや真空蒸着等の、成膜加工技術で形成すればよい。
【0072】
こうすれば、抵抗素子66が光特性を有する材料であっても、光照射されないように遮光することが確実にできるので、光特性による抵抗変動ノイズが抑制できる。さらに、接合層26が金属接合であるので、接合を強固にでき、気密性に優れている。したがって、高湿度の環境等で長期間使用しても、受光素子21が劣化しないように保護することができる。
【0073】
<第4の実施形態>
図7は、第4の実施形態の光センサモジュール2を示す模式断面図である。第1の実施形態〜第3の実施形態とは異なり、抵抗素子67が基台70に実装されている。それに伴って、配線71やセンサ基板13のパッド22及びボンディングワイヤ74はパターン変更されるが、これ以外の構成は第1の実施形態〜第3の実施形態と同様であり、同じ材料には同じ符号を用いている。
【0074】
センサ基板13は、波長選択フィルタ部材40を接合する面全体に亘って、接着剤を塗布して接合層26とすることができる。こうすれば、接合層26の形成が単純であり、波長選択フィルタ部材40を介しているので接着剤の光劣化はほとんど心配しなくてよい。なお、センサ基板13の受光素子21に保護膜を設けておくことが好ましい。あるいは、センサ基板13は、他の実施形態で詳述しているように、受光素子21を取り囲む接合領域を覆う接着剤が塗布されて接合層26とすることもできる。また、受光素子21を取り囲む接合領域に、絶縁膜と第1の金属膜を積層して、波長選択フィルタ膜42の接合領域にも第2の金属膜を形成して、第1の金属膜と第2の金属膜との金属接合によって、接合層26を形成してもよい。とくに、接合層26の光吸収によって受光素子21の受光量が減少する場合は、受光素子21を取り囲む接合領域に接合層26を形成することが好ましい。こうすれば、光センサとしての感度が優れている。
【0075】
本実施形態において、部品点数が増加してしまうが、基台70に実装する抵抗素子67は、チップ抵抗と呼ばれる小型の量産品を使用することができるので、抵抗としての性能に優れている。また、リフロー等の一般的な実装方法によって、チップ抵抗を配線71に電気接続することができる。あるいは、実装する替わりに、前述したような成膜加工技術で、抵抗素子67を基台70に直接形成してもよい。この場合、実装工程の部品点数は増加しない。
【0076】
図7に示す光センサモジュール2では、波長選択フィルタ部材40の異なるセンサ基板13を実装すれば、異なる波長の光センサを提供することができる。波長選択フィルタ部材40以外を共通にすれば、多品種少量生産であっても製造工程のほとんどが共通化できるので、効率的である。また、想定される光電流の大きさに合わせて抵抗素子67の抵抗値を変更したり、受光素子21の光感度を変更してもよい。この場合でも、回路基板60と基台70等とを共通にして実装工程及びパッケージ工程が共通化できれば、従来別々だったものに比べて十分に効果を奏する。
【0077】
本実施形態においても、光の入射面40aに光が入射すればよいので、遮光性のパッケージ樹脂75を携帯機器等の筐体内部に隠せば、直接光に曝される材料は波長選択フィルタ部材40の光学基材41だけである。したがって、パッケージ樹脂75が紫外線で光劣化する心配がなく、長期信頼性に優れている。また、波長選択フィルタ膜42を透過していない光の入射経路が無いので、迷光による測定ノイズを防止できる。
【0078】
なお、光の入射面40aが遮光性のパッケージ樹脂75から露出していれば、平坦または凹部になっていても光の入射が妨げられなければよい。しかし、光の入射面40aが遮光性のパッケージ樹脂75から突出しているほうが、光の入射面40a以外を携帯機器の筐体の内部に隠すことが容易である。
【0079】
回路の抵抗素子67と波長選択フィルタ部材40とは、計測する波長や受光量に合わせて適宜選択できる。抵抗素子67は、増幅素子61が形成された回路基板60に集積されるのでなく、単体で用意されるものである。これにより、受光素子21やパッケージ材料をできるだけ共通化し、専用設計の波長選択フィルタ部材40及び抵抗素子67と、汎用の回路基板60と、を組み合わせることによって、異なる波長や光強度を想定した、多品種の光センサモジュール2を容易に実現できる。
【0080】
さらに、回路基板60と、受光素子21の受光面21aにあわせた大きさの波長選択フィルタ部材40を接合したセンサ基板13と、を基台70に載置して遮光性のパッケージ樹脂75で封止するので、小型パッケージの光センサモジュール2を得ることができる。したがって、特定波長や受光量に適合した小型パッケージの光センサモジュール2を実現できる。
【0081】
<第5の実施形態>
図8は、第5の実施形態の光センサモジュール3を示す斜視図である。第1の実施形態と異なり、第2の光の入射面50aを有し、図示されていない第2のセンサ基板14が第2の光の入射面50aを露出するようにパッケージ樹脂75に覆われている。
【0082】
図9は、第5の実施形態の光センサモジュール3における第2のセンサ基板14を示す模式断面図である。第1のセンサ基板は、たとえば、第1の実施形態で詳述したセンサ基板10である。第1のセンサ基板10と第2のセンサ基板14とは、波長選択フィルタ部材40、50のそれぞれの透過する波長に違いがある。これにより、ひとつの小型パッケージで複数波長を測定する光センサモジュール3を実現できる
【0083】
たとえば、紫外線センサとしてUV−AとUV−Bのそれぞれの強度を測定する複数波長対応の光センサモジュールを実現できる。この場合、UV−Aを透過する波長選択フィルタ膜42を形成した光学基材41が第1のセンサ基板10を構成し、UV−Bを透過する波長選択フィルタ膜52を形成した光学基材51が第2のセンサ基板14を構成する。UV−Aに対してUV−Bの光電流が25対1程度の強度比で得られるので、抵抗素子65と抵抗素子68との抵抗値を逆の比率1対25にすれば、同じ回路基板60を用いて同じくらいの大きさの電圧に補正された出力を得ることができる。
【0084】
回路基板60として2個をひとつのパッケージ内に搭載してもよいが、1個の増幅回路に入力端子の切り替え回路を有する回路基板、複数の増幅回路が並列配置されている回路基板、等のように、1個の回路基板60だけを搭載することが好ましい。
【0085】
第1のセンサ基板10と第2のセンサ基板14とは、それぞれの特定波長や受光量に最適な構成にすることができる。たとえば、第1のセンサ基板10として、石英ガラスの光学基材41に紫外線の波長を透過する波長選択フィルタ膜42を形成した波長選択フィルタ部材40と、SOI基板に抵抗素子65と受光素子21としてのフォトダイオードとを形成したセンサ部材20とを、接着材による接合層26で接合した紫外線センサとすることができる。一方、第2のセンサ基板14として、通常の光学ガラスの光学基材51に可視光の波長を透過する波長選択フィルタ膜52を形成した波長選択フィルタ部材50と、シリコン基板に抵抗素子68と受光素子21としてのフォトダイオードとを形成したセンサ部材30とを、金属接合による接合層26で接合した赤外線センサとすることができる。このように、第1のセンサ基板10と第2のセンサ基板14とが異なる材料で構成されている場合でも、光センサモジュール3を小型化することができる。同様にして、3個以上の複数波長対応の光センサモジュールを小型化することができる。