【実施例1】
【0031】
図1A〜
図1Dに示すコネクタは図示しない基板に実装可能なレセプタクルコネクタである。このコネクタは、ボディ100と、第1、第2コンタクト群200a、200bと、シェル300とを備えている。以下、前記コネクタの各構成要件について詳しく説明する。なお、
図1A〜
図2Bにおいて、前記コネクタの幅方向がX及び−X方向、前記コネクタの奥行き方向がY及び−Y方向、前記コネクタの高さ方向がZ及び−Z方向として示されている。Y及び−Y方向が、X及び−X方向に直交し、Z及び−Z方向がY及び−Y方向とX及び−X方向とに直交している。Y方向が特許請求の範囲の第1方向に、X方向が特許請求の範囲の第2方向に、−X方向が特許請求の範囲の第2方向の反対方向に、−Z方向が特許請求の範囲の第3方向に相当している。
【0032】
ボディ100は、
図2A及び
図2Bに示すように、絶縁樹脂製の第1、第2、第3ボディ100a、100b、100cを有している。
【0033】
第1ボディ100aは、
図3A及び
図3Bに示すように、先端部110aと、後端部120aと、一対のアーム130aとを有している。先端部110aは略矩形状の板である。先端部110aのX方向の面には、5つの凹部111a及び4つの溝112aが設けられている。凹部111aは、−Y方向側が開放された矩形状の凹部であって、Z及び−Z方向に間隔をあけて配置されている。溝112aはY及び−Y方向に延びた長溝であって、隣り合う凹部111aの間のY方向側に配置されている。
【0034】
後端部120aは、先端部110aのY方向の端部に連設された略直角三角形状の板である。後端部120aのX及び−X方向の寸法は先端部110aよりも小さい。後端部120aの−X方向の面には、
図2Bに示すように、一対の係止穴121aと係止凹部122aとが設けられている。係止穴121aは矩形状の穴である。係止凹部122aは、Z及び−Z方向に延びた長尺状の凹部であって、係止穴121aの間に位置している。後端部120aの−Z方向の端部には矩形状の切欠き部123aが設けられている。後端部120aの切欠き部123aのY方向側の部分には、X方向の面から−X方向の面にかけて貫通する矩形状の嵌合孔124aが設けられている。後端部120aの斜辺部は傾斜面を有している。
【0035】
一対のアーム130aは、
図3Aに示すように、後端部120aのZ方向の端部と、後端部120aの切欠き部123aの縁部とに連設され且つ互いに対向するようにX方向に延びた直方体である。アーム130aの対向面には係止穴131a(図示一つ)が設けられている。なお、先端部110aのY方向の端部と、後端部120aとアーム130aとにより、収容空間αが区画されている。
【0036】
第2ボディ100bは略直角三角形状の板である。第2ボディ100bの−Y方向の端面の下部(−Z方向側の端部)には、
図3Aに示すように係止突部110bが設けられている。第2ボディ100bの−X方向の面には、
図3Bに示すように3つの円柱状の嵌合凸部120bが設けられている。第2ボディ100bの斜辺部は傾斜面を有している。
【0037】
第1コンタクト群200aは、
図5A〜
図5Eに示すように、導電性を有する金属板で構成された第1、第2コンタクト210a、220a、第4コンタクト230a及び第1、第2コンタクト240a、250aを有するUSB3.0用のコンタクト群である。第1、第2コンタクト210a、220aは、TX+、TX−信号用コンタクトであって、互いに隣り合い第1差動ペアを構成している。第1、第2コンタクト210a、220aの全長は略同じである。第1、第2コンタクト240a、250aは、RX+、RX−信号用コンタクトであって、互いに隣り合い第2差動ペアを構成している。第1、第2コンタクト240a、250aの全長は略同じである。第4コンタクトは、グランドコンタクトであって、第1、第2差動ペア間(すなわち、第2コンタクト220aと第1コンタクト240aとの間)に配置されている。
【0038】
第1コンタクト210aは、接点部211aと、第1直線部212aと、第1折り曲げ部213aと、中間部214aと、第2折り曲げ部215aと、第2直線部216aと、テール部217aとを有している。第2コンタクト220aは、接点部221aと、第1直線部222aと、第1折り曲げ部223aと、中間部224aと、第2折り曲げ部225aと、第2直線部226aと、テール部227aとを有している。第4コンタクト230aは、接点部231aと、第1直線部232aと、第1折り曲げ部233aと、中間部234aと、第2折り曲げ部235aと、第2直線部236aと、テール部237aとを有している。第1コンタクト240aは、接点部241aと、第1直線部242aと、第1折り曲げ部243aと、中間部244aと、第2折り曲げ部245aと、第2直線部246aと、テール部247aとを有している。第2コンタクト250aは、接点部251aと、第1直線部252aと、第1折り曲げ部253aと、中間部254aと、第2折り曲げ部255aと、第2直線部256aと、テール部257aとを有している。
【0039】
接点部は、
図3Aに示すように、第1ボディ100aの先端部110aに211a、221a、231a、241a、251aの順で−Z方向に間隔をあけて埋め込まれた(固定された)略矩形状の板であって、先端部110aの対応する凹部111aから露出している。
【0040】
第1直線部212a、222a、232a、242a、252aは、接点部211a、221a、231a、241a、251aに連続し且つY方向に延びた長尺状の板である。第1直線部222aの長さ寸法は、第1直線部212aの長さ寸法よりも大きい。第1直線部232aの長さ寸法は、第1直線部222aの長さ寸法よりも大きい。第1直線部242aの長さ寸法は、第1直線部232aの長さ寸法よりも大きい。第1直線部252aの長さ寸法は、第1直線部242aの長さ寸法よりも大きい。第1直線部212a、222a、232a、242a、252aは、第1ボディ100aの先端部110a及び後端部120aに埋め込まれている(固定されている)。第1直線部212a、222a、232a、242a、252aのX方向側の面は、
図3Aに示すように、後端部120aのX方向側の面から露出している。第1直線部212a、222a、232a、242a、252aのX方向側の面と後端部120aのX方向側の面とは面一である。
【0041】
第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253aは、第1直線部212a、222a、232a、242a、252aに連続しており且つX、Y及び−Z方向(すなわち、第1、第2及び第3方向の間の方向)に折り曲げられている。第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253aは、後端部120aの
傾斜面(第1ボディ100aの傾斜面)からY方向に突出している。
【0042】
中間部214a、224a、234a、244a、254aは、第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253aに連続し且つX、Y及び−Z方向(すなわち、第1、第2及び第3方向の間の方向)に延びた直線状の板である。第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aは、中間部214a、224a、234a、244a、254aに連続し且つ−Z方向に折り曲げられている。
【0043】
第2直線部216a、226a、236a、246a、256aは、第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aに連続し且つ−Z方向に延びた長尺状の板である。第2直線部226aの長さ寸法は、第1直線部222aの長さ寸法と第1直線部212aの長さ寸法との差の寸法と略同じ寸法分、第2直線部216aの長さ寸法よりも小さい。第2直線部236aの長さ寸法は、第1直線部232aの長さ寸法と第1直線部222aの長さ寸法との差の寸法と略同じ寸法分、第2直線部226aの長さ寸法よりも小さい。第2直線部246aの長さ寸法は、第1直線部242aの長さ寸法と第1直線部232aの長さ寸法との差の寸法と略同じ寸法分、第2直線部236aの長さ寸法よりも小さい。第2直線部256aの長さ寸法は、第1直線部252aの長さ寸法と第1直線部242aの長さ寸法との差の寸法と略同じ寸法分、第2直線部246aの長さ寸法よりも小さい。第2直線部216a、226a、236a、246a、256aは、第2ボディ100bに埋め込まれ且つ第2ボディ100bの
傾斜面から−Z方向の端面にかけて貫通している。第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aは、第2ボディ100bの
傾斜面からY方向に突出している。すなわち、第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aが、第1、第2ボディ100a、100b外に配置されている。
【0044】
第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとは部分的に対向している。第2直線部216a、226a、236a、246a、256aが埋め込まれた第2ボディ100bは、
図3A及び
図3Bに示すように、第1ボディ100aの後端部120aに対向配置される。第1、第2ボディ100a、100bの間の領域(すなわち、第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとの間の領域)が、第2コンタクト群200bを配置するための領域となる。
【0045】
テール部217a、227a、237a、247a、257aは、第2直線部216a、226a、236a、246a、256aに連続し且つ−Z方向に延びた板である。テール部217a、227a、237a、247a、257aは、この順でY方向に一列で間隔をあけて配置されている。このテール部217a、227a、237a、247a、257aが上記基板の第1スルーホール電極に各々接続可能となっている。
【0046】
上記第1、第2コンタクト210a、220aの第1直線部212a、222a間の距離、第1折り曲げ部213a、223a間の距離、中間部214a、224a間の距離、第2折り曲げ部215a、225a間の距離及び第2直線部216a、226a間の距離は略同じである。上記第1、第2コンタクト240a、250aの第1直線部242a、252a間の距離、第1折り曲げ部243a、253a間の距離、中間部244a、254a間の距離、第2折り曲げ部245a、255a間の距離及び第2直線部246a、256a間の距離が略同じである。
【0047】
第3ボディ100cは、
図4A及び
図4Bに示すように、ブロック110cと、舌部120cと、プレート130cとを有している。プレート130cは、ブロック110c及び舌部120cに連設された直角三角形の板である。プレート130cのX及び−X方向の寸法は、第1ボディ100aの後端部120aと第2ボディ100bとの間の距離と略同じである。プレート130cが第1ボディ100aの後端部120aと第2ボディ100bとの間で挟持されている。プレート130cのX方向の面には、第2ボディ100bの嵌合凸部120bに各々対応する位置に嵌合凹部131cが設けられている。プレート130cの−X方向の面には、矩形状の嵌合凸部132cが設けられている。プレート130cが第1ボディ100aの後端部120aと第2ボディ100bとの間に挟持された状態で、嵌合凸部120bが嵌合凹部131cに嵌合し、嵌合凸部132cが第1ボディ100aの嵌合孔124aに嵌合している。プレート130cの斜辺部は傾斜面を有している。
【0048】
ブロック110cはZ及び−Z方向に延びた
直方体である。ブロック110cのZ及び−Z方向の寸法は、第1ボディ100aのアーム130aの間の距離と略同じである。ブロック110cは、第1ボディ100aの収容空間αに嵌合している。ブロック110cのZ及び−Z方向の端部には、係止爪111c(図示一つ)が設けられている。係止爪111cは、第1ボディ100aのアーム130aの係止穴131aに係止されている。ブロック110cの
X方向の面には、矩形状の係止穴112cが設けられている。舌部120cは、ブロック110cの−Z方向の端部に連設された略L字状の板である。舌部120c
は、Z方向の端部と、当該端部に直交する−Z方向の端部とを有している。舌部120cの−Z方向の端部とブロック110cとの距離は、第1ボディ100aの−Z方向のアーム130aのZ及び−Z方向の寸法よりも大きい。この舌部120cの−Z方向の端部とブロック110cとの間に、
図2Aに示すように−Z方向のアーム130aが挿入されている。アーム130aが舌部120cの−Z方向の端部とブロック110cとの間に挿入された状態で、舌部120cの−Z方向の端部とアーム130aとの間に隙間が生じる。舌部120cの−Z方向の端部のY方向の端面には、
図1Dに示すように、係止突部121cが設けられている。プレート130cが第1ボディ100aの後端部120aと第2ボディ100bとの間に挟持された状態で、係止突部121cが第2ボディ100bの係止突部110bに係止される。
【0049】
第2コンタクト群200bは、
図5A〜
図5Eに示すように、導電性を有する金属板で構成された略L字状の第3コンタクト210b、220b、230b、240bを有するUSB2.0用のコンタクト群である。第3コンタクトは、210b、220b、230b、240bの順で−Z方向に間隔をあけて第3ボディ100cに保持されている。第3コンタクト210bはVbus用コンタクトである。第3コンタクト220b、230bは、Data−用、Data+用コンタクトであって、互いに隣り合い差動ペアを構成している。第3コンタクト240bは、GND用コンタクトである。
【0050】
第3コンタクト210bは、接点部211bと、直線部212bと、傾斜部213bと、テール部214bとを有している。第3コンタクト220bは、接点部221bと、直線部222bと、傾斜部223bと、テール部224bとを有している。第3コンタクト230bは、接点部231bと、直線部232bと、傾斜部233bと、テール部234bとを有している。第3コンタクト240bは、接点部241bと、直線部242bと、傾斜部243bと、テール部244bとを有している。
【0051】
接点部211b、221b、231b、241bは、X方向に略V字状に折り曲げられた板である。直線部212b、222b、232b、242bは、接点部211b、221b、231b、241bに連続し且つY方向に延びた長尺状の板である。傾斜部213b、223b、233b、243bは、直線部212b、222b、232b、242bに連続し且つY及び−Z方向に傾斜しつつ延びた長尺状の板である。傾斜部213bの長さ寸法は、傾斜部223bの長さ寸法よりも大きい。傾斜部223bの長さ寸法は、傾斜部233bの長さ寸法よりも大きい。傾斜部233bの長さ寸法は、傾斜部243bの長さ寸法よりも大きい。テール部214b、224b、234b、244bは、傾斜部213b、223b、233b、243bに連続し且つ−Z方向に延びた板である。
【0052】
図4Aに示すように、傾斜部213b、223b、233b、243bは、この順で第3ボディ100cのプレート130cに−Z方向に間隔をあけて埋め込まれている(固定されている)。直線部212b、222b、232b、242bのY方向の端部は、この順で第3ボディ100cのブロック110cに−Z方向に間隔をあけて埋め込まれている。この状態で、傾斜部213bのZ方向の傾斜面213b1は、
図4Bに示すように、プレート130cの傾斜面から露出している。直線部212b、222b、232b、242bのY方向の端部以外の部分は、ブロック110cから−Y方向に突出している。接点部は、211b、221b、231b、241bの順で−Z方向に間隔をあけて配置されている。テール部は、244b、254b、234b、214bの順で、Y方向に間隔をあけて配置されている。テール部244b、254b、234b、214bは、上記基板の第2スルーホール電極に各々接続可能となっている。なお、傾斜部213b、223b、233b、243bの長さ寸法は、テール部244b、254b、234b、214bの先端の高さ位置が同一高さとなるように設定されている。
【0053】
ブロック110cが第1ボディ100aの収容空間αに嵌合し且つプレート130cが第1ボディ100aの後端部120aと第2ボディ100bとの間に挟持された状態で、第3コンタクト210b、220b、230b、240bが、第1コンタクト群200aの第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと当該第1コンタクト群200aの第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとの間の領域に第1直線部212a、222a、232a、242a、252aに対して略平行に配置される。この状態で、直線部212b、222b、232b、242bのY方向の端部以外の部分及び接点部211b、221b、231b、241bが第1ボディ100aの対応する溝112aに挿入され、当該直線部212b、222b、232b、242bが対応する溝112aのZ及び−Z方向の壁面間に−X方向(第1コンタクト群側)に弾性変形可能に保持される。この状態で、直線部212bは第1直線部212a、222a間のX方向の空間的位置に配置される。直線部222bは第1直線部222a、232a間のX方向の空間的位置に配置される。直線部232bは第1直線部232a、242a間のX方向の空間的位置に配置される。直線部242bは第1直線部242a、252a間のX方向の空間的位置に配置される。接点部211b、221b、231b、241bは、溝112a内で直線部212b、222b、232b、242bの弾性変形に伴って−X方向に変位可能に中空配置される。傾斜部213b、223b、233b、243bは、第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとの間に配置される。テール部244b、234b、224b、214b及びテール部217a、227a、237a、247a、257aは、千鳥配置される。
【0054】
傾斜部213bは、第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aの近傍に配置されている。プレート130cの傾斜面から露出した第3コンタクト210bの傾斜部213bの傾斜面213b1は、
図5C、
図5D及び
図5Gに示すように、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの中間部214a、224a、234a、244a、254aに対して略平行に配置されている。このため、第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aが第1、第2ボディ100a、100bから露出していることを起因として、第1、第2コンタクト210a、220a、240a、250aの他の部分に比べて、高くなり易い第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aのインピーダンスを下げることができる。なお、
図5Gにおいては、説明の便宜上、第1、第2、第3ボディ100a、100b、100cは図示省略されている。
【0055】
図5Gにおいて、傾斜部213bと中間部214a、224a、234a、244a、254aとの間の距離がD1、傾斜部213bと第1直線部212a、222a、232a、242a、252aとの間の距離がD2、傾斜部213bと第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとの間の距離がD3として示されている。D1、D2及びD3は、第1、第2コンタクト210a、220a、240a、250aの第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aのインピーダンスI1と、本コネクタに要求される基準インピーダンスI2(例えば、90〜100Ω)との差に応じて調整されている。例えば、D1≒D2又はD1≒D3において、インピーダンスI1が基準インピーダンスI2よりも高い場合、D1<D2及びD1<D3となるように調整する。D1≒D2又はD1≒D3において、インピーダンスI1が基準インピーダンスI2よりも低い場合、D1>D2及びD1>D3となるように調整する。なお、
図5GではD1<D2及びD1<D3となっている。
【0056】
シェル300は導電性を有する金属板で構成されている。シェル300は、角筒部310と、
図1A〜
図1Dに示すように、一対の延長部320と、バックカバー330と、一対の係止部340と、一対の第1脚部350と、第2脚部360とを有している。
【0057】
角筒部310は、X及び−X方向の板と、Z及び−Z方向の板とを有している。角筒部310が、
図6A〜
図6Cに示すように、第1ボディ100aの先端部110a、後端部120aの−Y方向側の端部、一対のアーム130a及び第3ボディ100cのブロック110cの周囲を囲っている。角筒部310のX方向の板がブロック110cに、−X方向の板が後端部120aの−Y方向側の端部に、角筒部310のZ方向の板がZ方向のアーム130aに当接している。角筒部310の−Z方向の板が、アーム130aと第3ボディ100cの舌部120cの−Z方向の端部との間の隙間に挿入されている(
図1C参照)。角筒部310、先端部110a、一対のアーム130a及びブロック110cが、相手側コネクタ(USB2.0プラグコネクタ又はUSB3.0プラグコネクタ)が挿入可能なスロットを区画している。
【0058】
角筒部310の
−X方向の板は、一対の第1係止片311、第2係止片312、一対の第3係止片313及び段落ち部314を有している。角筒部310の
X方向の板は、一対の第1係止片311及び一対の第3係止片313を有している。角筒部310のZ方向の板は、第1係止片311を有している。第1係止片311は、前記板の−Y方向の端部の一部がカットされることにより作成された切欠き片であって、−Y方向に延びている。第2係止片312は、
−X方向の板の−Y方向の端部の係止片311間の部分がカットされることにより作成された切欠き片であって、Y方向に延びている。第1、第2係止片311、312は、スロットに挿入された相手側コネクタの凹部に係止可能である。第3係止片313は、X、−X方向の板のY方向の端部の一部がカットされ、
−X、X方向に折り曲げられたタブである。段落ち部314は、
図6Aに示すように、−X方向の板の−Y方向の端部の第3係止片313間の部分が、X方向に折り曲げられた略U字状の突部である。X方向の板の第3係止片313は、第3ボディ100cの係止穴112cに係止されている。−X方向の板の第3係止片313は、第1ボディ100aの係止穴121aに係止され
ている。段落ち部314は
、図6Bに示すように、第1ボディ100aの係止凹部122aに係止されている。
【0059】
延長部320は、角筒部310のX及び−X方向の板のY方向の端部に連設された略直角三角形状の板である。延長部320の間に、第1ボディ100aの後端部120aの−Y方向側の端部の以外の部分、第2ボディ100b及び第3ボディ100cのプレート130cが収容されている。−X方向の延長部320は第1ボディ100aの後端部120aの−Y方向側の端部の以外の部分に、X方向の延長部320は第2ボディ100bに当接している。延長部320の斜辺部の間には開放部が設けられている。延長部320の斜辺部には、外側に凸の凸部321が設けられている。
【0060】
バックカバー330は、角筒部310のZ方向の板のY方向の端部に連設された矩形状の板である。バックカバー330は、延長部320の開放部を閉塞している。この状態で、バックカバー330は、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aの近傍に間隙を有して配置されている。バックカバー330は、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの中間部214a、224a、234a、244a、254aに対して略平行に配置されている。これにより、第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aのインピーダンスが下がる。すなわち、バックカバー330が、第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aを調整するインピーダンス調整部として機能している。
【0061】
係止部340は、バックカバー330のX及び−X方向の端部に連設され且つバックカバー330に対して略直角に折り曲げられた矩形状の板である。係止部340には、切欠き部341が設けられている。係止部340が延長部320の外面に当接し、延長部320の凸部321が係止部340の切欠き部341に係止される。これにより、バックカバー330が前記開放部を閉塞した状態が維持されている。
【0062】
第1脚部350は、延長部320に連設され且つ−Z方向に延びている。第2脚部360は、バックカバー330に連設され且つ−Z方向に延びている。第1、第2脚部350、360は、上記基板の第3スルーホール電極に各々接続可能となっている。第1、第2脚部350、360が基板の第3スルーホール電極に接続されることにより、シェル300がグランド接続される。
【0063】
以下、上記コネクタの組み立て順について詳しく説明する。まず、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aを用意する。この第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aは、第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aが折り曲げられる前の状態(すなわち、第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと、第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとが一直線状に位置した状態)である。
【0064】
その後、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aを金型内に入れ、当該金型内に絶縁樹脂を流し込み、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aを絶縁樹脂にインサート成型する。すると、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの接点部が、211a、221a、231a、241a、251aの順で第1ボディ100aに−Z方向に間隔をあけて埋め込まれると共に、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの第1直線部が、212a、222a、232a、242a、252aの順で第1ボディ100aに−Z方向に間隔をあけて埋め込まれる。このとき、接点部211a、221a、231a、241a、251aは、第1ボディ100aの先端部110aの凹部111aから露出する。第1直線部212a、222a、232a、242a、252aのX方向側の面は、第1ボディ100aの後端部120aのX方向側の面から露出する。これと共に、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの第2直線部216a、226a、236a、246a、256aが第2ボディ100bに埋め込まれる。これにより、第2直線部216a、226a、236a、246a、256aが第2ボディ100bの傾斜面から−Z方向の端面にかけて貫通する。第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aのテール部が、217a、227a、237a、247a、257aの順で一列に配置される。第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aは、第1、第2ボディ100a、100b間に当該第1、第2ボディ100a、100bから露出する。
【0065】
インサート成形時において、第1、第2コンタクト210a、220aの第1直線部212a、222a、第1折り曲げ部213a、223a、中間部214a、224a、第2折り曲げ部215a、225a及び第2直線部216a、226a間の距離が略同じになる。第1、第2コンタクト240a、250aの第1直線部242a、252a、第1折り曲げ部243a、253a、中間部244a、254a、第2折り曲げ部245a、255a及び第2直線部246a、256a間の距離が略同じになる。
【0066】
その一方で、第3コンタクト210b、220b、230b、240bを用意する。その後、第3コンタクト210b、220b、230b、240bを金型に入れ、当該金型内に絶縁樹脂を流し込み、第3コンタクト210b、220b、230b、240bを絶縁樹脂にインサート成型する。すると、第3コンタクト210b、220b、230b、240bの傾斜部が213b、223b、233b、243bの順で第3ボディ100cに−Z方向に間隔をあけて埋め込まれると共に、第3コンタクト210b、220b、230b、240bの直線部のY方向の端部が212b、222b、232b、242bの順で第3ボディ100cに−Z方向に間隔をあけて埋め込まれる。このとき、直線部212b、222b、232b、242bのY方向の端部以外の部分が、第3ボディ100cから−Y方向に突出する。第3コンタクト210b、220b、230b、240bのテール部は、第3ボディ100cから−Z方向に突出し且つ244b、254b、234b、214bの順でY方向に間隔をあけて配置される。第3コンタクト210bの傾斜部213bの傾斜面213b1が、第3ボディ100cの傾斜面(プレート130cの傾斜面)から露出する。
【0067】
その後、第3コンタクト210b、220b、230b、240bの接点部211b、221b、231b、241b及び直線部212b、222b、232b、242bのY方向の端部以外の部分を第1ボディ100aの先端部110aの溝112aに挿入する。すると、直線部212b、222b、232b、242bが先端部110aの溝112aのZ及び−Z方向の壁面間に保持される。この状態で、直線部212bは第1、第2コンタクト210a、220aの第1直線部212a、222a間のX方向側の空間的位置に配置される。直線部222bは第2、第4コンタクト220a、230aの第1直線部222a、232a間のX方向側の空間的位置に配置される。直線部232bは第4、第1コンタクト230a、240aの第1直線部232a、242a間のX方向側の空間的位置に配置される。直線部242bは第1、第2コンタクト240a、250aの第1直線部242a、252a間のX方向側の空間的位置に配置される。
【0068】
これと共に、第3ボディ100cのブロック110cを第1ボディ100aの収容空間αに嵌合させ、第3ボディ100cのプレート130cを第1ボディ100aの後端部120aに当接させる。すると、ブロック110cの係止爪111cが、第1ボディ100aのアーム130aの係止穴131aに係止される。プレート130cの嵌合凸部132cが後端部120aの嵌合孔124aに嵌合する。このようにして第3ボディ100cが第1ボディ100aに組み合わされる。
【0069】
その後、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253aをX、Y及び−Z方向に折り曲げる。すると、中間部214a、224a、234a、244a、254aがX、Y及び−Z方向に向く。その後、第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aを−Z方向に折り曲げる。すると、第2直線部216a、226a、236a、246a、256aが−Z方向に向き、第2ボディ100bが第3ボディ100cに当接する。これにより、第3ボディ100cのプレート130cが第1ボディ100aの後端部120aと第2ボディ100bとの間に挟持される。このとき、第2ボディ100bの嵌合凸部120bが第3ボディ100cの嵌合凹部131cに嵌合すると共に、第3ボディ100cの舌部120cの係止突部121cが第2ボディ100bの係止突部110bに係止される。テール部が、217a、244b、227a、234b、237a、224b、247a、214b、257aの順でY方向に千鳥配置される。第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aは、第1、第2、第3ボディ100a、100b、100cの傾斜面のY方向側に配置される。第3ボディ100cの傾斜面から露出した第3コンタクト210bの傾斜部213bの傾斜面213b1は、中間部214a、224a、234a、244a、254aの近傍に間隔をあけて配置される。このとき、D1、D2及びD3は、第1、第2コンタクト210a、220a、240a、250aの第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aのインピーダンスと、第1、第2コンタクト210a、220a、240a、250aの他の部分のインピーダンスとが略同じになるように設定される。このようにして第1、第2、第3ボディ100a、100b、100cが組み合わされる。
【0070】
その後、金属板がプレス成形されることにより作成されたシェル300を用意する。このシェル300は、バックカバー330が角筒部310のZ方向の板に対してフラットな状態であり、係止部340がバックカバー330に対してフラットな状態である。すなわち、バックカバー330が延長部320間の開放部を開放している。その後、第1、第2、第3ボディ100a、100b、100cを開放部からシェル300内に挿入する。すると、シェル300の角筒部310内に第1ボディ100aの先端部110a、後端部120aの−Y方向側の端部、一対のアーム130a及び第3ボディ100cのブロック110cが収容され、延長部320の間に第1ボディ100aの後端部120aの−Y方向側の端部の以外の部分、第2ボディ100b及び第3ボディ100cのプレート130cが収容される。このとき、角筒部310のX方向の板がブロック110cに、角筒部310の−X方向の板が後端部120aの−Y方向側の端部に、角筒部310のZ方向の板がZ方向のアーム130aに当接する。
角筒部310の−Z方向の板がアーム130aと第3ボディ100cの舌部120cの−Z方向の端部との間の隙間に挿入される。これと共に、X方向の延長部320が第2ボディ100bに、−X方向の延長部320が第1ボディ100aの後端部120aの−Y方向側の端部の以外の部分に当接する。X方向の板の第3係止片313は、第3ボディ100cの係止穴112cに、−X方向の板の第3係止片313は第1ボディ100aの係止穴121aに係止され、段落ち部314は第1ボディ100aの係止凹部122aに係止される。
【0071】
その後、バックカバー330と角筒部310のZ方向の板との間の部分を−Z方向に折り曲げ、バックカバー330に開放部を閉塞させる。その後、シェル300の一対の係止部340を折り曲げ、シェル300の延長部320に当接させる。すると、延長部320の凸部321が係止部340の切欠き部341に係止される。
【0072】
上述の通り組み立てられたコネクタは、基板に実装される。具体的には、シェル300の第1、第2脚部350、360を基板の対応する第3スルーホール電極に挿入し接続させる。これと共に、テール部217a、244b、227a、234b、237a、224b、247a、214b、257aを基板の対応する第1、第2スルーホール電極に挿入し接続させる。
【0073】
以下、上記コネクタに相手側コネクタ(USB2.0プラグコネクタ又はUSB3.0プラグコネクタ)を接続したときの当該コネクタの各部の動作について詳しく説明する。USB2.0プラグコネクタが前記コネクタのスロットに挿入されると、USB2.0プラグコネクタのコンタクトが、第3コンタクト210b、220b、230b、240bの接点部211b、221b、231b、241bに各々接触する。すると、第3コンタクト210b、220b、230b、240bの直線部212b、222b、232b、242bが−X方向に弾性変形し、接点部211b、221b、231b、241bが溝112a内で−X方向に変位する。このとき、シェル300の第1、第2係止片311、312がUSB2.0プラグコネクタの凹部に係止される。これにより、USB2.0プラグコネクタが前記コネクタに接続される。
【0074】
USB2.0プラグコネクタが前記コネクタのスロットから引き抜かれると、第1、第2係止片311、312とUSB2.0プラグコネクタの凹部との係止が解除される。直線部212b、222b、232b、242bがX方向に復元し、接点部211b、221b、231b、241bが溝112a内でX方向に変位する。
【0075】
USB3.0プラグコネクタが前記コネクタのスロットに挿入されると、USB3.0プラグコネクタのコンタクトが、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの接点部211a、221a、231a、241a、251aに各々接触する。このとき、シェル300の第1、第2係止片311、312がUSB3.0プラグコネクタの凹部に係止される。これにより、USB3.0プラグコネクタが前記コネクタに接続される。なお、第3コンタクト210b、220b、230b、240bの直線部212b、222b、232b、242bがUSB3.0プラグコネクタに押圧され、−X方向に弾性変形し、接点部211b、221b、231b、241bが溝112a内で−X方向に変位する。
【0076】
USB3.0プラグコネクタが前記コネクタのスロットから引き抜かれると、第1、第2係止片311、312とUSB3.0プラグコネクタの凹部との係止が解除される。直線部212b、222b、232b、242bは前記押圧が解除され、X方向に復元する。接点部211b、221b、231b、241bは溝112a内でX方向に変位する。
【0077】
以上のようなコネクタによる場合、第1、第2コンタクト210a、220aの接点部211a、221bが−Z方向に間隔をあけて配置され、第1直線部212a、222aがY方向に延びている。第1折り曲げ部213a、223aがX、Y及び−Z方向に折り曲げられ、中間部214a、224aがX、Y及び−Z方向に延び、第2折り曲げ部が215a、225aが−Z方向に折り曲げられている。第2直線部216a、226aは−Z方向に延びており、テール部217a、227aはY方向に間隔をあけて配置されている。第1直線部222aの長さ寸法が、第1直線部212aの長さ寸法よりも大きく、第2直線部226aの長さ寸法が第1直線部222aの長さ寸法と第1直線部212aの長さ寸法との差と略同じ寸法分、第2直線部216aの長さ寸法よりも小さくなっている。このため、全長が略同じである第1、第2コンタクト210a、220a全体が略平行に配置することができる。しかも、第1、第2コンタクト210a、220aの第1直線部212a、222a、第1折り曲げ部213a、223a、中間部214a、224a、第2折り曲げ部215a、225a及び第2直線部216a、226a間の距離が略同じである。よって、第1、第2コンタクト210a、220a間のスキューの発生を低減でき且つ第1、第2コンタクト210a、220a間のインピーダンス整合を図ることができる。また、第1、第2コンタクト240a、250aも、第1、第2コンタクト210a、220aと同様に、第1、第2コンタクト240a、250a間のスキューの発生を低減でき且つ第1、第2コンタクト240a、250a間のインピーダンス整合を図ることができる。加えて、第1、第2コンタクト210a、220a、240a、250aは、全体が略平行な形状であるので、一度にプレス成形により作成することができる。よって、第1、第2コンタクト210a、220a、240a、250aを作成するための金型数の低減を図ることができるので、前記コネクタの低コスト化を図ることができる。
【0078】
また、第2コンタクト210bの傾斜部213bが第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aの−Z方向側の近傍に配置されている。一方、シェル300のバックカバー330が第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aのZ方向側の近傍に配置されている。このため、第1、第2ボディ100a、100bから露出する第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aのインピーダンスを下げることができ、第1、第2コンタクト210a、220a間及び第1、第2コンタクト240a、250a間のインピーダンス整合を図ることができる。
【0079】
更に、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aは、USB3.0の規格に対応した高速デジタル信号伝送用のコンタクトであるのに対し、第3コンタクト210b、220b、230b、240bは、USB2.0の規格に対応した低速デジタル信号伝送用のコンタクトである。この第3コンタクト210b、220b、230b、240bが、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとの間の領域に配置されている。よって、第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとの間のクロストークを抑制することができる。しかも、第3コンタクト210b、220b、230b、240bがデッドスペースである前記領域に配置されることにより、コネクタのX及び−X方向の寸法を低減することができる。
【0080】
また、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの接点部211a、221a、231a、241a、251a及び第1直線部212a、222a、232a、242a、252aが第1ボディ100aに、第2直線部216a、226a、236a、246a、256aが第2ボディ100bに埋め込まれている。第3コンタクト210b、220b、230b、240bの傾斜部213b、223b、233b、243b及び直線部212b、222b、232b、242bのY方向の端部が第3ボディ100cに埋め込まれている。直線部212b、222b、232b、242bを第1ボディ100aの溝112aに挿入しつつ、第1、第3ボディ100a、100bを組み合わせた後、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aを折り曲げることにより、第3ボディ100cのプレート130cが第1ボディ100aの後端部120aと第2ボディ100bとの間に挟持される。よって、第3コンタクト210b、220b、230b、240bを第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと当該第1コンタクト群200aの第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとの間の領域に簡単に配置することができる。よって、前記コネクタの組み立てが簡単になる。また、接点部211a、221a、231a、241a、251a及び第1直線部212a、222a、232a、242a、252aが第1ボディ100aに、第2直線部216a、226a、236a、246a、256aが第2ボディ100bに埋め込まれた状態で、第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aが折り曲げられるので、第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aの折り曲げにより生じる第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aのバラツキを抑制することができる。
【0081】
なお、上述したコネクタは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0082】
上記実施例では、コネクタは、全長が略同じである第1、第2コンタクト210a、220aと、第4コンタクト230aと、全長が略同じである第1、第2コンタクト240a、250aとを備えているとした。しかし、コネクタは、少なくとも全長が略同じ第1、第2コンタクトを備えている限り任意に設計変更することが可能である。すなわち、第1、第2コンタクト210a、220a及び第1、第2コンタクト240a、250aの何れか一方は、省略可能である。また、第3コンタクト230bは省略可能である。
【0083】
上記実施例では、第1、第2コンタクト210a、220aの接点部211a、221aは、第1ボディ100aに−Z方向に間隔をあけて埋め込まれているとした。しかし、第1、第2コンタクトの接点部は、−Z方向に間隔をあけて配置されている限り任意に設計変更することが可能である。例えば、後述するように、第1、第2コンタクトの第1直線部が第1ボディの溝又は孔に圧入される場合には、第1、第2コンタクトの接点部が第1ボディの溝又は孔内に収容され、−Z方向に間隔をあけて配置された態様とすることが可能である。
【0084】
上記実施例では、第1、第2コンタクト210a、220aの第1直線部212a、222aは、Y方向に延び且つ第1ボディ100aに−Z方向に間隔をあけて埋め込まれているとした。第1、第2コンタクトの第1直線部は、接点部に連続し、Y方向に延び且つ第2コンタクトの第1直線部の長さ寸法が第1コンタクトの第1直線部の長さ寸法よりも大きいものである限り任意に設計変更することが可能である。
【0085】
上記実施例では、第1、第2コンタクト210a、220aの第1折り曲げ部213a、223aは、X、Y及び−Z方向に折り曲げられているとした。しかし、第1、第2コンタクトの第1折り曲げ部は、第1直線部に連続しており且つY方向に直交するX方向を含む方向に折り曲げられているものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1、第2コンタクトの第1折り曲げ部は、X方向にのみに、X、Y及びZ方向に、X、−Y及び−Z方向に、又は、X、−Y及びZ方向に折り曲げられた形状とすることが可能である。
【0086】
上記実施例では、第1、第2コンタクト210a、220aの中間部214a、224aは、第1折り曲げ部213a、223aに連続し且つX、Y及び−Z方向に直線状に延びているとした。しかし、第1、第2コンタクトの中間部は、第1、第2折り曲げ部に連続し且つ当該第1、第2折り曲げ部間を繋ぐものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1、第2コンタクトの中間部は、X方向にのみに、X、Y及びZ方向に、X、Y及び−Z方向に、X、−Y及び−Z方向に、又は、X、−Y及びZ方向に円弧状に延びた形状とすることが可能である。第1、第2コンタクトの中間部は、X方向にのみに、X、Y及びZ方向に、X、−Y及び−Z方向に、又は、X、−Y及びZ方向に直線状又は円弧状に延びた形状とすることが可能である。
【0087】
上記実施例では、第1、第2コンタクト210a、220aの第2折り曲げ部215a、225aは、中間部214a、224aに連続し且つ−Z方向に折り曲げられているとした。しかし、第1、第2コンタクトの第2折り曲げ部は、中間部に連続しており且つY方向及びX方向に直交する−Z方向を含む方向に折り曲げられたものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1、第2コンタクトの第2折り曲げ部は、Y及び−Z方向、−Y及び−Z方向、X、Y及び−Z方向、X、−Y及び−Z方向、−X、Y及び−Z方向、−X、−Y及び−Z方向に延びた構成とすることが可能である。
【0088】
上記実施例では、第1折り曲げ部212a、222a、中間部214a、224a及び第2折り曲げ部215a、225aは、第1、第2ボディ100a、100bから露出しているとした。しかし、第1、第2コンタクトの第1折り曲げ部、中間部及び第2折り曲げ部は、ボディ内に埋め込み又は収容された構成とすることが可能である。また、第1、第2コンタクトの中間部のみ、中間部及び第1折り曲げ部、又は、中間部及び第2折り曲げ部がボディから露出した構成とすることが可能である。
【0089】
上記実施例では、第1、第2コンタクト210a、220aの第2直線部216a、226aは、第2折り曲げ部215a、225aに連続し且つ−Z方向に延びているとした。しかし、第1、第2コンタクトの第2直線部は、−Z方向を含む方向に延びており且つ第2コンタクトの第2直線部の長さ寸法が第1コンタクトの第2直線部の長さ寸法よりも小さい限り任意に設計変更することが可能である。したがって、第2コンタクトの第2直線部の長さ寸法は、第2コンタクトの
第1直線部の長さ寸法と第1コンタクトの第1直線部の長さ寸法との差と略同じ寸法分、第1コンタクトの第2直線部の長さ寸法よりも小さいものに限定されない。
【0090】
上記実施例では、第1、第2コンタクト210a、220aのテール部217a、227aは、第2直線部216a、226aに連続した板であって、Y方向に間隔をあけて配置されているとした。しかし、第1、第2コンタクトのテール部は、第2直線部に連続し且つY方向に間隔をあけて配置されている限り任意に設計変更することが可能である。例えば、テール部は、略L字状に折り曲げられ、基板表面の電極等に表面実装可能に設計変更することが可能である。
【0091】
上述した第1、第2コンタクトの第1折り曲げ部は、第1直線部に連続しており且つ前記第1方向に直交する第2方向を含む方向に湾曲した第1湾曲部に置換可能である。上述した第1、第2コンタクトの第2折り曲げ部は、中間部に連続しており且つ前記第1、第2方向に直交する第3方向を含む方向に湾曲した第2湾曲部に置換可能である。この場合、中間部は、第1、第2湾曲部の間に設けられている。第2直線部は第2湾曲部に連続している。なお、段落0083〜0091に記載した事項は、第1、第2コンタクト240a、250aにも適用可能である。上記した第1、第2コンタクトは、差動ペアを構成するものに限定されず、シングルエンド用のコンタクトとすることも可能である。
【0092】
上記実施例では、第4コンタクト230aは、接点部231a、第1直線部232a、第1折り曲げ部233a、中間部234a、第2折り曲げ部235a、第2直線部236a及びテール部237aを有しているとした。しかし、第4コンタクトの構成は、これに限定されるものではない。第4コンタクトの接点部は、第1、第2コンタクトの接点部と同様に設計変更することが可能である。第4コンタクトの第1直線部は、第1、第2コンタクトの第1直線部と同様に設計変更することが可能である。第4コンタクトの第1折り曲げ部は、第1、第2コンタクトの第1折り曲げ部と同様に設計変更することが可能である。第4コンタクトの中間部は、第1、第2コンタクトの中間部と同様に設計変更することが可能である。第4コンタクトの第2折り曲げ部は、第1、第2コンタクトの第2折り曲げ部と同様に設計変更することが可能である。第4コンタクトの第2直線部は、第1、第2コンタクトの第2直線部と同様に設計変更することが可能である。第4コンタクトのテール部は、第1、第2コンタクトのテール部と同様に設計変更することが可能である。なお、第4コンタクトの第1、第2折り曲げ部は、第1、第2コンタクトと同様に、第1、第2湾曲部に置換することが可能である。
【0093】
上記実施例では、第3コンタクト210b、220b、230b、240bは、第1コンタクト群200aの第1直線部212a、222a、232a、242a、252aと当該第1コンタクト群200aの第2直線部216a、226a、236a、246a、256aとの間の領域に配置されているとした。しかし、第3コンタクトは、ボディに保持されており且つ第1、第2コンタクトの第1直線部にX又は−X方向に間隔をあけて略平行に配置されている限り任意に設計変更することが可能である。第3コンタクトが第1、第2コンタクトの第1直線部にX又は−X方向に間隔をあけて略平行に配置された場合、第3コンタクトは第1、第2コンタクトに対するグランドコンタクト又は擬似的なグランドコンタクトとして機能し得るので、第1、第2コンタクト間のインピーダンス整合を図ることができる。なお、第3コンタクトは少なくとも一本あれば良い。
【0094】
上記実施例では、第3コンタクトは、接点部、直線部、傾斜部及びテール部を備えているとした。しかし、第3コンタクトの形状は任意に設計変更することが可能である。また、上記実施例では、第3コンタクトの直線部は、弾性変形可能であるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第3コンタクトの接点部及び直線部がボディに弾性不能に保持又は埋め込まれた構成とすることが可能である。
【0095】
上記実施例では、第3コンタクト210bの傾斜部213bが第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aの−Z方向側の近傍に配置されているとした。しかし、第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aがボディ内に配置される場合、第3コンタクト210bの傾斜部213bが第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aの−Z方向側の近傍に配置されていなくてもよい。なお、第1、第2コンタクトの第1、第2折り曲げ部が、第1、第2湾曲部に置換された場合、上記実施例と同様に、傾斜部が第1湾曲部、中間部及び第2湾曲部の−Z方向側の近傍に配置されるように設計することが可能であり、傾斜部が第1湾曲部、中間部及び第2湾曲部の−Z方向側の近傍に配置されないように設計することが可能である。
【0096】
また、上記実施例では、D1、D2及びD3は、第1、第2コンタクト210a、220a、240a、250aの第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aのインピーダンスI1と、本コネクタに要求される基準インピーダンスI2との差に応じて調整されているとした。しかし、D1、D2及びD3の関係は、これに限定されるものではない。例えば、第3コンタクトの傾斜部が、第1、第2コンタクトの中間部に対して略平行に配置されるだけでも、第1、第2コンタクトの第1折り曲げ部、中間部及び第2折り曲げ部のインピーダンスと、本コネクタに要求される基準インピーダンスとのマッチングを図ることができる。また、第1折り曲げ部213a、223a、233a、243a、253a、中間部214a、224a、234a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、235a、245a、255aの形状(例えば、曲げ度合い等)又は、傾斜部213bの厚み寸法(X及び−X方向の寸法)を調整することによっても、第1、第2コンタクトの第1折り曲げ部、中間部及び第2折り曲げ部のインピーダンスと、本コネクタに要求される基準インピーダンスとのマッチングを図ることができる。また、上記実施例では、傾斜部213bの傾斜面213b1が、第3ボディ100cの傾斜面から露出しているとした。しかし、傾斜部は、傾斜面がボディ内に埋め込まれた構成とすることが可能である。また、第1、第2コンタクトの第1、第2折り曲げ部が、第1、第2湾曲部に置換された場合、D1、D2及びD3の関係を上記実施例と同様に設定することが可能であるし、D1、D2及びD3の関係を本段落の記載の通り設定することが可能である。なお、上記実施例では、基準インピーダンスI2は90Ω〜100Ωとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1、第2コンタクトがシングルエンド用のコンタクトである場合、基準インピーダンスは45Ω〜50Ωに設定することが可能である。
【0097】
上記実施例では、ボディ100は、第1、第2、第3ボディ100a、100b、100cを有するとした。しかし、ボディは、第1、第2コンタクトを保持し得る絶縁体である限り任意に設計変更することが可能である。また、ボディは、第1、第2コンタクトの接点部及び第1直線部を保持する第1ボディと、第1、第2コンタクトの第2直線部を保持する第2ボディとを有する構成とすることが可能である。この場合、第3コンタクトを省略する、又は、第3コンタクトを第1又は第2ボディに保持させるように設計変更するとよい。
【0098】
上記実施例では、第1ボディ100aに、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの接点部211a、221a、231a、241a、251a及び第1直線部212a、222a、232a、242a、252aが埋め込まれているとした。しかし、第1ボディは、第1、第2コンタクトの第1直線部を保持し得る絶縁体である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第1ボディに設けられた溝又は孔に、第1、第2コンタクトの第1直線部が圧入される態様に設計変更することが可能である。
【0099】
上記実施例では、第2ボディ100bに、第1、第2、第4コンタクト210a、220a、230a、240a、250aの第2直線部216a、226a、236a、246a、256aが第2ボディ100bに埋め込まれているとした。しかし、第2ボディは、第1、第2コンタクトの第2直線部を保持し得る絶縁体である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第2ボディに設けられた溝又は孔に、第1、第2コンタクトの第2直線部が圧入される態様に設計変更することが可能である。
【0100】
上記実施例では、第3ボディ100cに、第3コンタクト210b、220b、230b、240bの傾斜部213b、223b、233b、243b及び直線部のY方向の端部212b、222b、232b、242bが埋め込まれているとした。しかし、第3ボディは、第3コンタクトの傾斜部を保持し得る絶縁体である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、第3ボディに設けられた溝に、第3コンタクトの傾斜部が圧入される態様に設計変更することが可能である。
【0101】
上記実施例では、第3ボディ100cのブロック110cが、第1ボディ100aの収容空間αに嵌合し、プレート130cが第1ボディ100aの後端部120aと第2ボディ100bとの間で挟持されるとした。しかし、第3ボディは、第1、第2ボディ間に配置される限り設計変更することが可能である。
【0102】
上記実施例では、コネクタはシェル300を備えているとした。しかし、シェル300は省略可能である。また、シェルは、導電性を有し且つ第1、第2コンタクト又は第1、第2、第3コンタクトを保持するボディを囲うことができるものである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、シェルは、鋳造された金属で構成することが可能である。また、シェルは、絶縁樹脂で構成され、その面上に導電金属が蒸着された構成とすることも可能である。
【0103】
上記実施例では、シェル300のバックカバー330が、第1折り曲げ部213a、223a、243a、253a、中間部214a、224a、244a、254a及び第2折り曲げ部215a、225a、245a、255aのZ方向側の近傍に配置され、インピーダンス調整部として機能するとした。しかし、インピーダンス調整部は、シェルの一部であり且つ第1、第2コンタクトの中間部の近傍に配置されるものである限り任意に設計変更することが可能である。
【0104】
また、上記コネクタは、第1、第2コンタクトの前記ボディから露出した中間部と前記シェルとの間に設けられた誘電体とを更に備えた構成とすることが可能である。例えば、
図7に示すように、第1、第2、第4コンタクト210a’、220a’、230a’、240a’、250a’の中間部214a’、224a’、234a’、244a’、254a’とバックカバー330’との間に第1、第2、第3ボディ100a、100b、100cと同じ絶縁樹脂で構成された誘電体400を配置することが可能である。
図7中の213a’、223a’、233a’、243a’、253a’は第1、第2、第4コンタクトの第1折り曲げ部、215a’、225a’、235a’、245a’、255a’は第1、第2、第4コンタクトの第2折り曲げ部、213bは第3コンタクトの
傾斜部、320’はシェルの延長部である。
【0105】
なお、上記実施例は、コネクタの各部を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上記実施例では、コネクタはレセプタクルコネクタであるとした。しかし、コネクタは、テール部又は基板にケーブルを接続してプラグコネクタとすることが可能である。X及び−X方向とY及び−Y方向とZ及び−Z方向とは、説明の便宜上付したものであって、上記実施例に限定されるものでない。X及び−X方向とY及び−Y方向とZ及び−Z方向は、前記コネクタの任意の方向を設定することが可能である。上述した第1、第2コンタクトはプレス成形されるものに限定されるものではない。例えば、第1、第2コンタクトは鋳造されたものを用いることが可能である。