特許第5802693号(P5802693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5802693
(24)【登録日】2015年9月4日
(45)【発行日】2015年10月28日
(54)【発明の名称】読取装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20151008BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20151008BHJP
   G06Q 50/22 20120101ALN20151008BHJP
【FI】
   A61G12/00 L
   G06F3/01
   !G06Q50/22
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-43425(P2013-43425)
(22)【出願日】2013年3月5日
(65)【公開番号】特開2014-171476(P2014-171476A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2014年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真紀
(72)【発明者】
【氏名】村田 俊英
(72)【発明者】
【氏名】釜本 俊一朗
(72)【発明者】
【氏名】松井 潮美
(72)【発明者】
【氏名】武 智之
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−334805(JP,A)
【文献】 特開2005−284855(JP,A)
【文献】 特開2003−083063(JP,A)
【文献】 特表2009−531779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
G06F 3/01
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院内で看護師により使用される読取装置であって、
折り畳み可能な筐体と、
前記筐体が開状態において視認可能な表示画面を有する表示部と、
前記筐体が開状態で操作可能な操作部と、
取対象から、患者、看護師または薬剤を識別可能とする第1情報を読み取り可能な読取部と、
前記筐体が折り畳まれた状態において、前記読取部による読み取りを指示可能な入力部と、
前記折り畳まれた状態において前記入力部によって前記読取部による読み取りが指示されてから読み取られた前記第1情報の組み合わせが、前記第1情報の予め設定された組み合わせを満たすまで、前記読取部による前記第1情報の読み取りを継続させかつ前記操作部の操作を禁止するとともに、前記読取部により読み取られた前記第1情報が前記予め設定された組み合わせに含まれない場合、前記予め設定された組み合わせに関する組合せ情報を前記表示画面に表示させ、前記操作部を介して前記第1情報の読み取りの再開が指示されるまで前記第1情報の読み取りを禁止し、かつ前記操作部の操作の禁止を解除する制御部と、
読み取り済みの前記第1情報が前記予め設定された組み合わせを満たしていない場合、前記折り畳まれた状態で、読み取り済みの前記第1情報が前記予め設定された組み合わせを満たしていないことを識別可能な第2情報を表示し、読み取り済みの前記第1情報が前記予め設定された組み合わせを満たしている場合、前記折り畳まれた状態で、読み取り済みの前記第1情報が前記予め設定された組み合わせを満たしたことを識別可能な第3情報を表示する結果表示部と、
を備えた読取装置。
【請求項2】
前記結果表示部は、読み取り済みの前記第1情報の組み合わせが前記予め設定された組み合わせを満たしておらずかつ最後に前記第1情報が読み取られてから所定時間経過した場合、前記第2情報を看護師に表示する請求項に記載の読取装置。
【請求項3】
折り畳み可能な筐体と、前記筐体が開状態において視認可能な表示画面を有する表示部と、前記筐体が開状態で操作可能な操作部と、読取対象から、患者、看護師、医師または薬剤を識別可能とする第1情報を読み取り可能な読取部と、前記筐体が折り畳まれた状態において、前記読取部による読み取りを指示可能な入力部と、を備え、病院内で看護師により使用される読取装置を制御するコンピュータを、
前記折り畳まれた状態において前記入力部によって前記読取部による読み取りが指示されてから読み取られた前記第1情報の組み合わせが、前記第1情報の予め設定された組み合わせを満たすまで、前記読取部による前記第1情報の読み取りを継続させかつ前記操作部の操作を禁止するとともに、前記読取部により読み取られた前記第1情報が前記予め設定された組み合わせに含まれない場合、前記予め設定された組み合わせに関する組合せ情報を前記表示画面に表示させ、前記操作部を介して前記第1情報の読み取りの再開が指示されるまで前記第1情報の読み取りを禁止し、かつ前記操作部の操作の禁止を解除する制御部、
読み取り済みの前記第1情報が前記予め設定された組み合わせを満たしていない場合、前記折り畳まれた状態で、読み取り済みの前記第1情報が前記予め設定された組み合わせを満たしていないことを識別可能な第2情報を結果表示部に表示し、読み取り済みの前記第1情報が前記予め設定された組み合わせを満たしている場合、前記折り畳まれた状態で、読み取り済みの前記第1情報が前記予め設定された組み合わせを満たしたことを識別可能な第3情報を結果表示部に表示する報知部と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、読取装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳まれた状態でコードシンボルから情報を読取可能なハンディーターミナルを用いて、看護師,薬,患者それぞれが有するコードシンボルから、看護師,薬,患者それぞれを識別可能な識別情報を読み取り、読み取った複数の識別情報の組み合わせが、予め設定された複数の識別情報の組み合わせを満たしているか否かを判断する技術(所謂、三点認証)がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術においては、折り畳み可能なハンディーターミナルを用いて三点認証を行う場合、ハンディーターミナルを操作する看護師は、一つのコードシンボルから識別情報を読み取る度に、ハンディーターミナルを開状態にして、表示画面に表示された情報を確認しかつ次のコードシンボルからの識別情報の読み取りの指示を行わなければならず、三点認証による看護師の作業をスムーズに行うことができない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の読取装置は、病院内で看護師により使用される読取装置であって、筐体と、表示部と、操作部と、読取部と、入力部と、制御部と、結果表示部と、を備える。筐体は、折り畳み可能である。表示部は、筐体が開状態において視認可能な表示画面を有する。操作部は、筐体が開状態で操作可能である。読取部は、読取対象から、患者、看護師または薬剤を識別可能とする第1情報を読み取り可能である。入力部は、筐体が折り畳まれた状態において、読取部による読み取りを指示可能である。制御部は、折り畳まれた状態において入力部によって読取部による読み取りが指示されてから読み取られた第1情報の組み合わせが、第1情報の予め設定された組み合わせを満たすまで、読取部による第1情報の読み取りを継続させかつ操作部の操作を禁止するとともに、読取部により読み取られた第1情報が予め設定された組み合わせに含まれない場合、予め設定された組み合わせに関する組合せ情報を表示画面に表示させ、操作部を介して第1情報の読み取りの再開が指示されるまで第1情報の読み取りを禁止し、かつ操作部の操作の禁止を解除する。結果表示部は、読み取り済みの第1情報が予め設定された組み合わせを満たしていない場合、折り畳まれた状態で、読み取り済みの第1情報が予め設定された組み合わせを満たしていないことを識別可能な第2情報を表示し、読み取り済みの第1情報が予め設定された組み合わせを満たしている場合、折り畳まれた状態で、読み取り済みの第1情報が予め設定された組み合わせを満たしたことを識別可能な第3情報を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本実施形態にかかる看護支援システムの全体構成を概略的に示す図である。
図2図2は、本実施形態かかる看護支援システムが備える端末装置の外観構成を示す図である。
図3図3は、本実施形態にかかる看護支援システムが備える端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、本実施形態にかかる看護支援システムが備える端末装置において実行される三点認証の処理の流れを示すフローチャートである。
図5図5は、本実施形態にかかる看護支援システムが備える端末装置において実行される三点認証を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態にかかる看護支援システムが備える端末装置において実行される三点認証を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、添付の図面を参照して、本実施形態にかかる看護支援システムについて説明する。
【0007】
図1は、本実施形態にかかる看護支援システムの全体構成を概略的に示す図である。図1に示すように、看護支援システム100は、端末装置10(読取装置の一例)と、サーバ20と、を有している。ここで、端末装置10およびサーバ20は、同一の病院H内に設けられている。また、端末装置10とサーバ20とは、有線または無線のLAN(Local Area Network)41を介して通信可能に接続されている。
【0008】
端末装置10は、病院H内の看護師等により携帯される携帯型の情報通信端末である。看護師等は、端末装置10を用いてサーバ20にアクセスすることで、患者に対する投薬や輸血等の処置に先立って、患者,看護師,薬剤(輸血)等を照合する三点認証に用いる認証情報や各患者の電子カルテ等を取得することが可能である。
【0009】
サーバ20は、Webサーバ,アプリケーションサーバ,データベースサーバ等の機能を有した一または複数のサーバ装置である。サーバ20は、病院Hの看護作業に必要な各種データ(例えば、認証情報、電子カルテ等)を記憶する。そして、サーバ20は、記憶する各種データを端末装置10に対して送信可能である。
【0010】
ここで、認証情報は、上述したように三点認証に用いる情報であり、看護師が患者に対して薬剤を処方する場合等に患者,看護師,薬剤等を特定するためのオーダー情報と対応付けて記憶され、看護師が患者に対して薬剤を処方する場合等に読取部15(図3参照)により読み取る予め設定された情報の組み合わせを含む。本実施形態では、認証情報は、患者のICカードまたはリストバンドに印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報(例えば、患者を識別可能な患者コード)、看護師のネームプレート等に印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報(例えば、看護師を識別可能な看護師コードなど)、および患者に投与する薬剤(輸血)等のパッケージ等に印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報(例えば、薬剤を識別する商品コード、薬剤の有効期限など)の3種類の情報を含む。
【0011】
本実施形態では、認証情報は、患者のICカードまたはリストバンドに印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報、看護師のネームプレート等に印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報および患者に投与する薬剤(輸血)等のパッケージ等に印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報の3種類の情報の組み合わせを、予め設定された情報の組み合わせとして含んでいるが、4種類以上の情報の組み合わせを予め設定された情報の組み合わせとして含んでいても良い。
【0012】
例えば、認証情報は、患者のICカードまたはリストバンドに印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報、看護師のネームプレート等に印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報、患者に投与する薬剤(輸血)等のパッケージ等に印字されたバーコードBC(図2参照)から読み取る情報、および医師のネームプレート等に印字されたバーコードから読み取る情報(例えば、医師を識別可能な医師コードなど)の4種類の情報の組み合わせを、予め設定された情報の組み合わせとして含んでいても良い。
【0013】
ここで、図2を用いて、本実施形態にかかる看護支援システム1が備える端末装置10について簡単に説明する。図2は、本実施形態かかる看護支援システムが備える端末装置の外観構成を示す図である。図2(a)は、折り畳まれていない状態(以下、開状態という)の端末装置10の正面図である。図2(b)は、開状態の端末装置10の背面図である。
【0014】
端末装置10は、折り畳み可能な筐体11を有する。本実施形態では、筐体11は、図2に示すように、ヒンジ部12を介して、第1筐体13と第2筐体14とが折り畳み可能に接続されている。第1筐体13は、図2(a)に示すように、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、筐体11が開状態において視認可能な表示画面Gを有する表示部13aと、表示画面G上に積層配置され筐体11が開状態において操作可能な操作部として機能するタッチパネル13bと、を有している。第2筐体14には、図2(a)に示すように、タッチパネル等で構成され、筐体11が開状態において操作可能な操作部14aを有している。
【0015】
また、第1筐体13は、折り畳まれた状態(以下、閉状態という)において、後述する読取部15による読み取りを指示可能な入力部としての読取ボタン16を有している。また、第2筐体14は、図2(b)に示すように、三点認証等を行う際、患者のICカードやリストバンド、看護師のネームプレート、薬剤のパッケージ等に印字されたバーコードBCなどの読取対象から情報を読み取り可能な読取部15と、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、読取部15により読み取った情報を用いた三点認証の結果等を表示可能な結果表示部17と、を有している。
【0016】
本実施形態では、端末装置10が、読取対象としてのバーコードBCから読み取った情報を用いて三点認証を行う例について説明するが、患者のICカードやリストバンド、看護師のネームプレート、薬剤のパッケージ等に埋め込まれた読取対象としてのRFID(Radio Frequency Identification)から読み取った情報を用いて三点認証を行うことも可能である。
【0017】
次に、端末装置10およびサーバ20のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施形態にかかる看護支援システムが備える端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
端末装置10は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、主操作部304、副操作部305、表示部13a、記憶部306、読取部15および通信I/F307等を備えている。
【0019】
CPU301は、ROM302(または記憶部306)に記憶された各種プログラムを実行することにより、端末装置10を統括的に制御する。ROM302は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM303は、端末装置10の主記憶装置であって、CPU301のワークエリアとして機能する。
【0020】
また、CPU301には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、主操作部304、副操作部305および表示部13aが接続されている。主操作部304は、タッチパネル13bおよび操作部14aを有し、看護師が操作した操作内容をCPU301に通知する。また、副操作部305は、読取ボタン16を含む、閉状態において操作可能な各種ボタンを有し、看護師が操作した操作内容をCPU301に通知する。表示部13aは、CPU301の指示に従い各種の情報を表示する。
【0021】
また、CPU301には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部306、読取部15および通信I/F307が接続されている。記憶部306は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体であり、CPU301が実行する各種プログラムや各種設定ファイルを記憶している。
【0022】
通信I/F307は、サーバ20とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU301は、この通信I/F307を制御し、サーバ20との間で種々のデータを送受信する。なお、図示しないが、端末装置10は、RTC(Real Time Clock)等の計時装置を具備し、CPU301は、この計時装置から現在日時を表す日時情報を取得できる。
【0023】
次に、図3〜6を用いて、本実施形態にかかる看護支援システム100が備える端末装置10において実行する三点認証について説明する。図4は、本実施形態にかかる看護支援システムが備える端末装置において実行される三点認証の処理の流れを示すフローチャートである。図5および図6は、本実施形態にかかる看護支援システムが備える端末装置において実行される三点認証を説明するための図である。
【0024】
図3に示すように、端末装置10のCPU301は、ROM302や記憶部306に記憶されたプログラムとの協働により、制御部308および報知部309を実現させる。
【0025】
制御部308は、主操作部304が操作されて三点認証の実行が指示されると、主操作部304を介して、オーダー情報が入力されたか否かを判断する(ステップS401)。本実施形態では、制御部308は、読取部15に対して、オーダー情報をコード化したバーコード等の2次元コードが印字されたオーダーシートからのオーダー情報の読み取りを指示する。そして、制御部308は、読取部15により読み取られたオーダー情報を取得する。オーダー情報が入力(取得)されると(ステップS401:Yes)、制御部308は、通信I/F307を介してサーバ20にアクセスして、サーバ20から、入力されたオーダー情報と対応付けて記憶された認証情報を取得する(ステップS402)。
【0026】
次いで、制御部308は、読取ボタン16により読取部15による読み取りが指示されたか否かを判断する(ステップS403)。読取部15による読み取りが指示された場合(ステップS403:Yes)、制御部308は、読取部15に対してバーコードBCからの情報の読み取りを指示する(ステップS404)。看護師等は、図5に示すように、患者のリストバンドLBに印字されたバーコードBC、看護師のネームプレートNPに印字されたバーコードBCおよび患者に投与する薬剤MDのパッケージに印字されたバーコードBCのいずれかを、読取部15がバーコードBCから情報を読取可能な読取領域に入れて、読取部15により情報を読み取らせる。
【0027】
読取部15により情報が読み取られると、制御部308は、読み取り済みの情報が、取得した認証情報が含む予め設定された情報の組み合わせに含まれるか否かを判断する(ステップS405)。本実施形態では、制御部308は、三点認証の実行が指示されてから初めて読取部15により情報が読み取られた場合、読み取られた情報が、予め設定された情報の組み合わせに含まれるか否かを判断する。
【0028】
制御部308は、例えば、薬剤MDのパッケージに印字されたバーコードBCから情報を読み取った場合など、読み取った情報に薬剤MDの有効期限が含まれている場合、読み取った情報に含まれる商品コードが、予め設定された情報の組み合わせに含まれるか否かに加えて、読み取った情報に含まれる有効期限が現在日時より後であるか否かを判断する。そして、制御部308は、読み取った情報に含まれる有効期限が現在日時より前である場合には、読み取られた情報が、予め設定された情報の組み合わせに含まれないと判断する。
【0029】
三点認証の実行が指示されてから2回目以降に読取部15により情報が読み取られた場合、制御部308は、三点認証の実行が指示されてから最初に情報を読み取った場合と同様にして、最後に読み取られた情報が、予め設定された情報の組み合わせに含まれるか否かを判断する。そして、最後に読み取られた情報が予め設定された情報の組み合わせに含まれる場合、制御部308は、最後に読み取られた情報が、既に読み取り済みの情報と一致するか否かを判断する。最後に読み取られた情報が既に読み取り済みの情報と一致しなかった場合、制御部308は、最後に読み取られた情報が、予め設定された情報の組み合わせに含まれると判断する。
【0030】
最後に読み取られた情報が既に読み取り済みの情報と一致した場合、制御部308は、最後に読み取られた情報および当該最後に読み取られた情報と一致する読み取り済みの情報の数(以下、情報数という)が、予め設定された情報の組み合わせに含まれる、当該最後に読み取られた情報と一致する情報の数(以下、所定情報数という)により多いか否かを判断する。そして、情報数が所定情報数以下の場合、制御部308は、最後に読み取られた情報が、予め設定された情報の組み合わせに含まれると判断する。一方、情報数が所定情報数より多い場合、制御部308は、最後に読み取られた情報が、予め設定された情報の組み合わせに含まれないと判断する。すなわち、制御部308は、予め設定された情報の組み合わせに含まれる情報および当該情報の数に基づいて、読み取り済みの情報が、予め設定された情報の組み合わせに含まれるか否かを判断する。これにより、例えば、1人の患者に同じ種類の薬剤MDを処方する場合に、予め設定された情報の組み合わせに含まれる同じ種類の薬剤MDの商品コードの数以上の薬剤MDが1人の患者に処方されることを防止できる。
【0031】
読み取り済みの情報が、予め設定された情報の組み合わせに含まれる場合(ステップS405:Yes)、制御部308は、全ての読み取り済みの情報が、予め設定された情報の組み合わせを満たしたか否かを判断する(ステップS406)。本実施形態では、制御部308は、予め設定された情報の組み合わせに含まれる情報の数が、読み取り済みの情報の数と一致した場合、読み取り済みの情報が、予め設定された情報の組み合わせを満たしたと判断する。
【0032】
全ての読み取り済みの情報が、予め設定された情報の組み合わせを満たしていないと判断した場合(ステップS406:No)、制御部308は、ステップS403に戻り、読取ボタン16により読取部15による読み取りが指示されたか否かを判断し、読取部15による読み取りが指示された場合には、読取部15に対してバーコードBCからの情報の読み取りを指示する。すなわち、制御部308は、全ての読み取り済みの情報により、予め設定された情報の組み合わせが満たされるまで、読取ボタン16による読み取り指示に応じた情報の読み取りを継続させる。これにより、看護師は、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしている間、端末装置10を閉状態に維持したまま、バーコードBCの読み取りを継続することができるので、複数のバーコードBCからの情報の読み取りをスムーズに行うことができる。
【0033】
また、制御部308は、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせに含まれる場合、当該読み取り済みの情報が当該予め設定された情報の組み合わせを満たすまで、読取ボタン16を除く、主操作部304および副操作部305の操作を禁止するとともに、予め設定された情報の組み合わせに含まれる情報が読み取られた場合、主操作部304および副操作部305の操作の禁止を解除しても良い。これにより、バーコードBCからの情報の読み取りが行われている間に、誤って主操作部304および副操作部305が操作されて、バーコードBCの読み取りが中断されることを防止できる。
【0034】
一方、全ての読み取り済みの情報が、予め設定された情報の組み合わせを満たしたと判断した場合(ステップS406:Yes)、報知部309は、閉状態で、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしたことを報知して、三点認証の実行を終了する(ステップS407)。本実施形態では、報知部309は、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たした場合、図5に示すように、結果表示部17に青色で光らせるなどして、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしたことを報知する。
【0035】
本実施形態では、報知部309は、結果表示部17に表示する色を変えることにより、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしたことを報知しているが、これに限定するものではなく、例えば、予め設定された情報の組み合わせを満たしたことを識別可能な情報(例えば、丸印など)を表示することにより(図6参照)、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしたことを報知しても良い。
【0036】
また、報知部309は、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしておらずかつ最後にバーコードBCから情報が読み取られてから所定時間経過した場合、閉状態で、結果表示部17を赤色に光らせるなどして、読み取り済みの情報が、予め設定された情報の組み合わせを満たしていないことを報知することも可能である。これにより、三点認証が完了していないことを看護師に知らせることができる。
【0037】
一の読み取り済みの情報(最後に読み取られた情報)が、予め設定された情報の組み合わせに含まれない場合(ステップS405:No)、制御部308は、予め設定された情報の組み合わせに関する組合せ情報を表示画面Gに表示させかつ主操作部304を介して情報の読み取りの再開が指示されるまで読取部15による情報の読み取りを禁止する(ステップS408)。本実施形態では、制御部308は、一の読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせに含まれない場合、予め設定された組み合わせに含まれる情報若しくは予め設定された組み合わせに含まれる情報のうち未だ読み取られていない情報を組合せ情報として表示画面Gに表示させる。これにより、表示画面Gに表示された組合せ情報を視認して、読取部15に読み取らせる必要がある情報を確認することができる。また、制御部308は、主操作部304を介して情報の読み取りの再開が指示されるまで、読取ボタン16から読み取りが指示されても、読取部15に対して情報の読み取りを指示しないことにより、読取部15による情報の読み取りを禁止する。
【0038】
この場合、報知部309は、閉状態で、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしていないことを報知する(ステップS409)。本実施形態では、報知部309は、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしていない場合、図5に示すように、結果表示部17に赤色で光らせかつ端末装置10のバイブレーション機能を利用して端末装置10を振動させるなどして、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしていないことを報知する。本実施形態では、報知部309は、結果表示部17に表示する色を変えたり端末装置10を振動させたりすることにより、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしていないことを報知しているが、これに限定するものではなく、例えば、予め設定された情報の組み合わせを満たしていないことを識別可能な情報(例えば、×印など)を表示することにより(図6参照)、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしていないことを報知しても良い。
【0039】
その後、主操作部304を介して情報の読み取りの再開が指示されると(ステップS410:Yes)、制御部308は、ステップS403に戻り、読取ボタン16により読取部15による読み取りが指示されたか否かを判断し、読取部15による読み取りが指示された場合には、読取部15に対してバーコードBCからの情報の読み取りを指示する。一方、主操作部304を介して情報の読み取りの再開が指示されずに所定時間経過した場合(ステップS410:No)、制御部308は、三点認証の実行を終了する。
【0040】
このように本実施形態にかかる端末装置10によれば、読み取り済みの情報が予め設定された情報の組み合わせを満たしている間、端末装置10を閉状態に維持したまま、バーコードBCの読み取りを継続することができるので、複数のバーコードBCからの情報の読み取りをスムーズに行うことができる。
【0041】
本実施形態の端末装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0042】
また、本実施形態の端末装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の端末装置10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0043】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
10 端末装置
11 筐体
13 第1筐体
14 第2筐体
13a 表示部
13b タッチパネル
14a 操作部
15 読取部
16 読取ボタン
17 結果表示部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 主操作部
305 副操作部
306 記憶部
308 制御部
309 報知部
G 表示画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2008−217838号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6