(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示部は、前記多点タッチ操作の後、複数点をタッチしたままタッチ位置をスライドさせるスライド操作が前記移動対象のオブジェクトを移動させる操作として前記タッチパネル部に対して行われたとき、前記多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が前記閾値距離以上であれば、全ての前記移動対象のオブジェクトを前記スライド操作時のスライド方向に一括して移動させることを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
前記表示部は、前記多点タッチ操作時のタッチ位置に対して前記スライド操作時のスライド方向側に表示していた前記オブジェクトを移動対象とする一方、前記多点タッチ操作時のタッチ位置に対して前記スライド操作時のスライド方向側とは反対側に表示していた前記オブジェクトは移動対象としないことを特徴とする請求項2に記載の表示入力装置。
前記表示部は、前記移動対象のオブジェクトを前記スライド操作時のスライド方向に移動させて以降、前記多点タッチ操作の後に従前の前記スライド操作時のスライド方向とは逆方向をスライド方向とする前記スライド操作が前記タッチパネル部に対して行われたとき、前記多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が前記閾値距離以上であれば、従前の前記スライド操作時のスライド方向に移動させた全ての前記移動対象のオブジェクトを従前の表示位置に一括して戻すことを特徴とする請求項2または3に記載の表示入力装置。
前記表示部は、前記多点タッチ操作の後、予め定められた時間内にタッチを解除してから再び複数点を同時にタッチする操作が前記移動対象のオブジェクトを移動させる操作として前記タッチパネル部に対して行われたとき、前記多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が前記閾値距離以上であれば、前記多点タッチ操作時のタッチ位置に全ての前記移動対象のオブジェクトを一括して移動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示入力装置。
前記表示部は、前記多点タッチ操作時のタッチ位置に全ての前記移動対象のオブジェクトを一括して移動させるとき、全ての前記移動対象のオブジェクトの移動方向側の各端を揃えることを特徴とする請求項5に記載の表示入力装置。
前記表示部は、前記移動対象のオブジェクトを移動させたとき、前記移動対象のオブジェクトの表示サイズを縮小し、縮小した前記移動対象のオブジェクトを識別するための識別情報を縮小した前記移動対象のオブジェクトの表示範囲に表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表示入力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のオブジェクトの移動方法では、複数のオブジェクトを移動させる場合、複数のオブジェクトのそれぞれについて1回ずつドラッグアンドドロップ操作を行わなければならない。したがって、複数のオブジェクトを移動させたいユーザーからすると、数多くの操作を行わなければならないので、煩わしく、利便性が悪い。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、オブジェクト移動操作において、ユーザーが行う操作を減らすことでユーザーの利便性を向上させることが可能な表示入力装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の表示入力装置は、オブジェクトを配した画面を表示する表示部と、表示部に対して設けられ、ユーザーがタッチしている複数のタッチ位置を検知するためのタッチパネル部と、を備える。そして、表示部は、タッチパネル部の複数点を同時にタッチする多点タッチ操作の後、表示中のオブジェクトのうち移動対象のオブジェクトを移動させるための操作がタッチパネル部に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が予め定められた閾値距離以上であれば、全ての移動対象のオブジェクトを一括して移動させる。
【0010】
本発明の構成では、上記のように、表示部は、タッチパネル部の複数点を同時にタッチする多点タッチ操作の後、表示中のオブジェクトのうち移動対象のオブジェクトを移動させるための操作がタッチパネル部に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が予め定められた閾値距離以上であれば、全ての移動対象のオブジェクトを一括して移動させる。これにより、移動対象のオブジェクトが複数存在する場合、タッチした複数点のうちの2点間の距離が閾値距離以上となるようにタッチパネル部の複数点を同時にタッチする多点タッチ操作を行った後、移動対象のオブジェクトを移動させるための操作をタッチパネル部に対して行うだけで、複数の移動対象のオブジェクトの全てが一括して移動される。すなわち、複数の移動対象のオブジェクトの全てを少ない操作で一括して移動させることができるので、複数の移動対象のオブジェクトを1つずつ移動させる必要がなくなる。これにより、オブジェクト移動操作において、ユーザーが行う操作を減らすことができ、それによってユーザーの利便性が向上する。
【0011】
さらに、この構成では、たとえば、指の腹(タッチパネル部に対する通常のタッチ操作でパネル面に触れる部分)の幅よりも大きい距離を閾値距離として設定しておくことによって、容易に、移動対象のオブジェクトを移動させるための一操作である多点タッチ操作と、指一本でのタッチ操作との差別化を図ることができる。
【0012】
上記の構成において、好ましくは、表示部は、多点タッチ操作の後、複数点をタッチしたままタッチ位置をスライドさせるスライド操作が移動対象のオブジェクトを移動させる操作としてタッチパネル部に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が閾値距離以上であれば、全ての移動対象のオブジェクトをスライド操作時のスライド方向に一括して移動させる。これにより、スライド操作時のスライド方向を調整することで、全ての移動対象のオブジェクトを所望の方向に一括して移動させることができる。
【0013】
上記の構成において、好ましくは、表示部は、多点タッチ操作時のタッチ位置に対してスライド操作時のスライド方向側に表示していたオブジェクトを移動対象とする一方、多点タッチ操作時のタッチ位置に対してスライド操作時のスライド方向側とは反対側に表示していたオブジェクトは移動対象としない。これにより、表示中のオブジェクトの全てを移動対象としたくない(一部のオブジェクトのみを移動対象としたい)ユーザーからすると、利便性が良い。
【0014】
上記の構成において、好ましくは、表示部は、移動対象のオブジェクトをスライド操作時のスライド方向に移動させて以降、多点タッチ操作の後に従前のスライド操作時のスライド方向とは逆方向をスライド方向とするスライド操作がタッチパネル部に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が閾値距離以上であれば、従前のスライド操作時のスライド方向に移動させた全ての移動対象のオブジェクトを従前の表示位置に一括して戻す。これにより、簡単な操作で、全ての移動対象のオブジェクトを従前の表示位置に一括して戻すことができる。また、移動対象のオブジェクトを従前の表示位置に戻すための一操作であるスライド操作は、スライド操作時のスライド方向を従前のスライド操作時のスライド方向とは逆方向にするだけなので、直感的で分かり易い。
【0015】
上記の構成において、好ましくは、表示部は、多点タッチ操作の後、予め定められた時間内にタッチを解除してから再び複数点を同時にタッチする操作が移動対象のオブジェクトを移動させる操作としてタッチパネル部に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が閾値距離以上であれば、多点タッチ操作時のタッチ位置に全ての移動対象のオブジェクトを一括して移動させる。これにより、多点タッチ操作時のタッチ位置を調整することで、全ての移動対象のオブジェクトを所望の位置に一括して移動させることができる。
【0016】
上記の構成において、好ましくは、表示部は、多点タッチ操作時のタッチ位置に全ての移動対象のオブジェクトを一括して移動させるとき、全ての移動対象のオブジェクトの移動方向側の各端を揃える。これにより、全ての移動対象のオブジェクトの移動と整列とをまとめて行うことができる。
【0017】
上記の構成において、好ましくは、表示部は、移動対象のオブジェクトを移動させたとき、移動対象のオブジェクトの表示サイズを縮小し、縮小した移動対象のオブジェクトを識別するための識別情報を縮小した移動対象のオブジェクトの表示範囲に表示する。これにより、背景画面が見易くなる。また、縮小した移動対象のオブジェクトに識別情報が付加されるので、縮小した移動対象のオブジェクトの識別が容易になる。
【0018】
上記の構成において、好ましくは、表示部は、縮小した移動対象のオブジェクトを表示画面の端縁と接するように表示する。これにより、背景画面のうちの移動対象のオブジェクトに隠れていた領域が大きく現れ、背景画面がより見易くなる。
【0019】
また、本発明の画像形成装置は、上記の表示入力装置を備える。このような画像形成装置では、オブジェクト移動操作において、ユーザーが行う操作を減らすことができ、それによってユーザーの利便性が向上する。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、オブジェクト移動操作において、ユーザーが行う操作を減らすことでユーザーの利便性を向上させることが可能な表示入力装置および画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(画像形成装置の全体構成)
以下、コピー機能、送信(スキャン)機能、ファックス機能およびボックス機能などの複数種の機能の実行が可能な画像形成装置(複合機)を例にとって説明する。なお、ボックス機能というのは、予め登録されたボックスと称される保存領域(たとえば、後述する記憶部113に設けられたフォルダ)に画像データを蓄積したり、蓄積した画像データに基づく印刷を行ったりする機能である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、操作パネル101(本発明の「表示入力装置」に相当)、原稿搬送部102A、画像読取部102B、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105、定着部106および後処理部107を備える。
【0024】
操作パネル101は、たとえば、装置正面側に配置される。この操作パネル101は、
図2に示すように、表示面上にタッチパネル部11が設けられた液晶表示部12(本発明の「表示部」に相当)を有する。タッチパネル部11は、ユーザーがタッチした複数のタッチ位置を同時に検知可能なマルチタッチパネルである。液晶表示部12は、ユーザーから入力操作を受け付けるためのソフトキーやメッセージなどを配した画面を表示する。なお、液晶表示部12に表示される画面については、後に詳細に説明する。そして、液晶表示部12の表示面を覆うタッチパネル部11は、ユーザーが指定したソフトキー(タッチパネル部11を介してユーザーがタッチしたソフトキー)を検知するために設けられている。また、操作パネル101には、ハードキーとして、数値入力を受け付けるためのテンキー13や、機能実行の開始指示を受け付けるためのスタートキー14などが設けられている。
【0025】
図1に戻って、原稿搬送部102Aは、画像読取部102Bの装置背面側に設けられた回転軸(図示せず)を支点として開閉可能に取り付けられている。この原稿搬送部102Aは、原稿セットトレイ21にセットされた原稿Dを引き出し、搬送読取用コンタクトガラス20aの上方に送って原稿排出トレイ22に排出する。また、原稿搬送部102Aは、載置読取用コンタクトガラス20bに載置された原稿Dを押える機能も有する。
【0026】
画像読取部102Bは、原稿Dを読み取って画像データを生成する。この画像読取部102Bには、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。そして、画像読取部102Bは、搬送読取用コンタクトガラス20aを通過する原稿Dまたは載置読取用コンタクトガラス20bに載置される原稿Dに光を照射し、その原稿Dからの反射光を受けたイメージセンサーの出力値をA/D変換することによって、画像データを生成する。これにより、画像読取部102Bによる原稿Dの読み取り動作(スキャン)によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる。また、スキャンによって得られた画像データを蓄積することもできる。
【0027】
給紙部103は、用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを用紙搬送部104に供給する。この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33が設けられている。
【0028】
用紙搬送部104は、画像形成装置100の内部において用紙Pを搬送する。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、用紙搬送部104が搬送することによって、画像形成部105および定着部106をこの順番で通過する。この用紙搬送部104には、用紙Pを搬送するための複数の搬送ローラー対41が設けられている。さらに、用紙Pを画像形成部105の手前で待機させ、タイミングを合わせて画像形成部105に送り出すレジストローラー対42も設けられている。
【0029】
画像形成部105は、画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を用紙Pに転写する。画像形成部105は、感光体ドラム51、帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55およびクリーニング装置56を含む。
【0030】
トナー像の形成プロセスおよびトナー像の転写プロセスとしては、まず、感光体ドラム51を回転駆動させ、その感光体ドラム51の表面を帯電装置52で所定電位に帯電させる。また、露光装置53は、画像データに基づき光ビームLを出力し、感光体ドラム51の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する。現像装置54は、感光体ドラム51の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。
【0031】
転写ローラー55は、感光体ドラム51の表面に圧接して回転可能となっている。さらに、転写ローラー55には所定の電圧が印加されている。この状態で、レジストローラー対42がタイミングを計り、転写ローラー55と感光体ドラム51との間に用紙Pを進入させる。これによって、感光体ドラム51の表面のトナー像が用紙Pに転写される。そして、トナー像の転写プロセスが終わると、クリーニング装置56は、感光体ドラム51の表面に残留するトナーなどを除去する。
【0032】
定着部106は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる。この定着部106は、発熱源を内蔵する定着ローラー61と、定着ローラー61に圧接される加圧ローラー62とを含む。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着ローラー61と加圧ローラー62との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着され、印刷が完了する。
【0033】
後処理部107は、定着部106から印刷済みの用紙Pを受け取り、仕分け処理、ステープル処理およびパンチ処理などの後処理を行う。そして、後処理部107は、印刷済みの用紙Pに対して後処理を施した後、用紙Pを排出トレイ71に排出する。
【0034】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図3に示すように、画像形成装置100は、主制御部110を備える。主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111、画像処理部112および記憶部113を含む。画像処理部112は、画像処理専用のASICやメモリーなどからなっており、画像データに対して各種画像処理(拡大/縮小、濃度変換およびデータ形式変換など)を施す。記憶部113は、ROM、RAMおよびHDDなどからなり、たとえば、機能の実行に必要なプログラムおよびデータがROMに記憶され、それらプログラムおよびデータがRAMに展開される。
【0035】
主制御部110は、原稿搬送部102A、画像読取部102B、給紙部103、用紙搬送部104、画像形成部105、定着部106および後処理部107と接続される。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶されたプログラムおよびデータに基づき、全体制御、画像処理制御、および、各種の回転体を回転させるモーターの駆動制御などを行う。
【0036】
主制御部110には、操作パネル101も接続される。操作パネル101は、主制御部110と接続される表示制御部15を含む。この表示制御部15は、CPUなどからなり、主制御部110から指示を受け、操作パネル101の表示動作を制御する。たとえば、表示制御部15は、液晶表示部12に表示されたソフトキーがタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、タッチパネル部11の出力に基づきタッチ位置の座標を検知する。すなわち、表示制御部15は、ユーザーがタッチパネル部11を介してタッチしたソフトキー(ユーザーが指定したソフトキー)を検知する。この表示制御部15には、記憶部16が接続される。そして、タッチパネル部11の出力とタッチ位置の座標との対応を示すデータは、記憶部16に記憶される。
【0037】
また、主制御部110は、通信部120と接続される。通信部120は、たとえば、外部のコンピューター200とネットワークを介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができ、スキャンによって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる。また、通信部120にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる。
【0038】
(操作パネルの表示画面)
操作パネル101は、主電源が投入されると、
図4に示すようなメインメニュー画面MSを初期画面として表示する。メインメニュー画面MSには、複数種の機能のうちから使用する機能の選択指示をユーザーから受け付けるため、複数種の機能にそれぞれ対応する複数のソフトキーKが配される。
【0039】
このメインメニュー画面MSにおいて使用する機能がユーザーによって指定された(複数のソフトキーKのうちのいずれかのソフトキーKの表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされた)とき、操作パネル101は、指定された機能に関する設定指示などを受け付けるための設定画面(たとえば、
図5に示すような設定画面SS)を表示する。
【0040】
具体的には、ソフトキーK1の表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、操作パネル101は、
図5に示すように、コピー機能の設定指示を受け付けるための設定画面SSを表示する。コピー機能の設定画面SSには、コピー機能に関する複数の設定項目にそれぞれ対応する複数の設定キーFKが配される。
図5には、一例として、用紙選択、縮小/拡大、濃度、両面/分割およびページ集約の各設定項目にそれぞれ対応する複数の設定キーFKが配された設定画面SSを図示している。複数の設定キーFKのそれぞれには、対応する設定項目の現時点の設定値が表記される。そして、操作パネル101は、複数の設定キーFKのうちのいずれかの設定キーFKがタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされ指定されると、たとえば、指定の設定キーFKに対応する設定項目の設定値を入力するための画面(図示せず)を表示する。これにより、ユーザーは、コピー機能に関する複数の設定項目のそれぞれの現時点の設定値を認識することができ、かつ、それら各設定値を変更することもできる。
【0041】
図4に戻って、ソフトキーK2の表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、操作パネル101は、送信(スキャン)機能の設定指示を受け付けるための設定画面(図示せず)を表示する。この送信(スキャン)機能の設定画面では、スキャンによって得られた画像データの送信先の指定などを行うことができる。また、ソフトキーK3の表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、操作パネル101は、ファックス機能の設定指示を受け付けるための設定画面(図示せず)を表示する。このファックス機能の設定画面では、ファックス番号の入力などを行うことができる。
【0042】
また、ソフトキーK4の表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、操作パネル101は、ボックス機能の1つであるユーザーボックス機能の設定指示を受け付けるための設定画面(図示せず)を表示する。なお、ユーザーボックス機能というのは、スキャンによって得られた画像データを蓄積したり、蓄積した画像データに基づく印刷を行ったりする機能である。このユーザーボックス機能の設定画面では、使用するボックスの指定などを行うことができる。
【0043】
また、ソフトキーK5の表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、操作パネル101は、ボックス機能の1つであるジョブボックス機能の設定指示を受け付けるための設定画面(図示せず)を表示し、ソフトキーK6の表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、操作パネル101は、ボックス機能の1つであるファックスボックス機能の設定指示を受け付けるための設定画面(図示せず)を表示する。なお、ジョブボックス機能というのは、画像データをコンピューター200から画像形成装置100に送信して蓄積したり、その蓄積した画像データに基づく印刷を行ったりする機能である。また、ファックスボックス機能というのは、通信部120が受信したファックスデータを蓄積したり、その蓄積したファックスデータに基づく印刷を行ったりする機能である。
【0044】
また、ソフトキーK7の表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、操作パネル101は、外部メモリーを利用した機能(以下、外部メモリー機能と称する)の設定指示を受け付けるための設定画面(図示せず)を表示する。なお、外部メモリー機能というのは、外部メモリーに保存した画像データに基づく印刷を行ったり、外部メモリーに画像データを保存したりする機能である。
【0045】
また、ソフトキーK8はプログラム機能に対応するソフトキーKであり、ソフトキーK8の表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、操作パネル101は、登録されたプログラムのうちから呼び出すプログラムの選択指示をユーザーから受け付けるためのプログラム選択画面(図示せず)を表示する。なお、プログラム機能というのは、コピー機能や送信(スキャン)機能などに関する複数の設定項目のうち、ユーザーによって予め選択された1つ以上の設定項目(設定値)をプログラムとして登録しておく機能である。
【0046】
(オブジェクトの作成)
本実施形態では、ユーザーが作成した電子付箋などのオブジェクトOB(
図7参照)を種々の表示画面(メインメニュー画面MSや設定画面SSなど)に重ねて表示させることができる。たとえば、メインメニュー画面MSや設定画面SSには、
図4および
図5に示すように、オブジェクトOBの作成指示をユーザーから受け付けるための作成キーMKが配されている。なお、作成キーMKに相当するハードキーが操作パネル101に設けられていてもよい。
【0047】
そして、操作パネル101は、作成キーMKの表示位置がタッチパネル部11を介してユーザーによってタッチされると、
図6に示すように、オブジェクトOB(
図7参照)に表記する文字(数字や特殊記号なども含む)の入力をユーザーから受け付けるためのソフトウェアキーボードKBを表示する。これにより、ユーザーは、オブジェクトOBに表記するメッセージを入力することができる。そして、ユーザーは、所望のメッセージを入力した後、終了キーEKの表示位置をタッチパネル部11を介してタッチする。この操作を受けて、操作パネル101は、ユーザーが入力したメッセージを表記したオブジェクトOBを表示画面に重ねて表示する。オブジェクトOBが配された表示画面の一例を
図7に示す。なお、
図7には、複数のオブジェクトOBをメインメニュー画面MSに重ねて表示した場合を図示している。
【0048】
(オブジェクトの移動)
たとえば、オブジェクトOBを移動させたいユーザーは、移動対象のオブジェクトOBの表示位置をタッチし、タッチしたままタッチ位置をスライドさせる操作(ドラッグアンドドロップ操作)を行うことにより、移動対象のオブジェクトOBを所望の位置に移動させることができる。しかし、この方法では、移動対象のオブジェクトOBが複数存在する場合、それら複数の移動対象のオブジェクトOBを1つずつ移動させなければならず、ユーザーにとっては煩わしい。
【0049】
このような不都合を解消するため、本実施形態では、移動対象のオブジェクトOBの全てを一括して移動させることができるようになっている。具体的には、操作パネル101の表示制御部15は、液晶表示部12がオブジェクトOBを配した画面を表示している最中に、タッチパネル部11の複数点(たとえば、3点以上)を同時にタッチする多点タッチ操作の後、表示中のオブジェクトOBのうち移動対象のオブジェクトOBを移動させるための操作がタッチパネル部11に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうち最端の2点間の距離(たとえば、複数点のうち互いの間隔が最も大きい2点間の距離)が予め定められた閾値距離以上であれば、液晶表示部12に指示し、全ての移動対象のオブジェクトOBを一括して移動させる。たとえば、表示制御部15は、タッチパネル部11の出力に基づき、多点タッチ操作時にタッチされた最端の2点のそれぞれの座標を認識し、それら2点の座標の値から、多点タッチ操作時にタッチされた最端の2点間の距離を算出する。そして、表示制御部15は、算出距離と閾値距離とを比較し、算出距離が閾値距離以上であるか否かを判断する。なお、複数のオブジェクトOBを配した画面を表示している場合、それら複数のオブジェクトOBの全てを移動対象とすることもできるし、複数のオブジェクトOBのうちの指定のオブジェクトOBのみを選択的に移動対象とすることもできる。
【0050】
ところで、移動対象のオブジェクトOBを移動させるための一操作である多点タッチ操作をタッチパネル部11が受け付けたか否かの判断基準となる閾値距離というのは、たとえば、3cmである。ここで、タッチパネル部11の仕様によっては、タッチパネル部11に対するタッチ操作が指一本で行われたとしても、その指一本でのタッチ操作で複数のタッチ点を検知することがある。しかし、通常、指一本でのタッチ操作では、複数のタッチ点のうち最端の2点間の距離が3cm以上になることはない。そこで、本実施形態では、閾値距離を3cmとすることで、移動対象のオブジェクトOBを移動させるための一操作である多点タッチ操作と、指一本でのタッチ操作との差別化を図っている。
【0051】
本実施形態において、オブジェクトOBを移動させたいユーザーは、まず、
図8に示すように、タッチした複数点のうち最端の2点間の距離が閾値距離以上となるように、タッチパネル部11の複数点を同時にタッチする多点タッチ操作を行う。たとえば、タッチパネル部11に対するタッチ操作を手の掌側で行うことにより、
図9に示すように、タッチ位置Pにおいて複数のタッチ点T(検知点)が検知され、複数のタッチ点Tのうち最端の2点間の距離Dが閾値距離(たとえば、3cm)以上になる。
【0052】
そして、オブジェクトOBを移動させたいユーザーは、多点タッチ操作を行った後、移動対象のオブジェクトOBを移動させるための操作をタッチパネル部11に対して行う。なお、以下の説明では、移動対象のオブジェクトOBを移動させるための操作をオブジェクト一括移動操作と称する場合がある。
【0053】
たとえば、操作パネル101の表示制御部15は、多点タッチ操作の後、複数点をタッチしたままタッチ位置をスライドさせるスライド操作がタッチパネル部11に対して行われたとき、タッチパネル部11がオブジェクト一括移動操作を受け付けたと判断する。たとえば、表示制御部15は、タッチ点(検知点)が1点以下になることなく、複数のタッチ点の分布が予め定められた領域内に収まった状態で、複数のタッチ点の移動量が予め定められた移動量を超えたとき、タッチパネル部11に対してスライド操作が行われたと認識する。
【0054】
そして、表示制御部15は、多点タッチ操作の後、複数点をタッチしたままタッチ位置をスライドさせるスライド操作がオブジェクト一括移動操作としてタッチパネル部11に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうち最端の2点間の距離が閾値距離以上であれば、液晶表示部12に指示し、全ての移動対象のオブジェクトOB1(
図10参照)をスライド操作時のスライド方向(上下左右のうちいずれかの方向)に一括して移動させる。たとえば、表示制御部15は、タッチパネル部11の出力に基づき、スライド操作開始時のタッチ位置(座標)およびスライド操作終了時のタッチ位置(座標)を求め、スライド操作時のスライド方向が上下右左のうちいずれの方向であるかを認識する。
【0055】
一例として、
図10に示すように、画面左端において多点タッチ操作が行われ、その後に行われたスライド操作時のスライド方向が画面右方向であったとする。なお、
図10中の白抜き矢印は、スライド操作時のスライド方向を表している。この場合、操作パネル101の表示制御部15は、多点タッチ操作時のタッチ位置に対してスライド操作時のスライド方向側に表示していたオブジェクトOBを移動対象として認識する。すなわち、
図10に示す例では、表示中のオブジェクトOBの全てが移動対象のオブジェクトOB1となる。そして、表示制御部15は、液晶表示部12に指示し、全ての移動対象のオブジェクトOB1をスライド操作時のスライド方向に一括して移動させる(たとえば、画面右端に移動させる)。
【0056】
このとき、液晶表示部12は、
図11に示すように、移動対象のオブジェクトOB1の表示サイズを縮小し、縮小した移動対象のオブジェクトOB1を識別するための識別情報(たとえば、数字)を移動対象のオブジェクトOB1の表示範囲に表示する。さらに、縮小した移動対象のオブジェクトOB1を表示画面の端縁と接するように表示する。あるいは、
図12に示すように、移動対象のオブジェクトOB1の表示サイズを縮小せず、移動対象のオブジェクトOB1を単に移動させるだけでもよい。この場合、移動対象のオブジェクトOB1の数が多ければ、移動対象のオブジェクトOB1を互いに部分的に重ねてもよい。ただし、図示しないが、移動対象のオブジェクトOB1の数が少なければ、移動対象のオブジェクトOB1を互いに所定の間隔を隔てて整列させてもよい。
【0057】
また、別の例として、
図13に示すように、画面略中央において多点タッチ操作が行われ、その後に行われたスライド操作時のスライド方向が画面右方向であったとする。さらに、表示中のオブジェクトOBが多点タッチ操作時のタッチ位置の左右両側に分散していたとする。この場合、操作パネル101の表示制御部15は、多点タッチ操作時のタッチ位置に対してスライド操作時のスライド方向側に表示していたオブジェクトOBのみを移動対象として認識する。すなわち、
図13に示す例では、液晶表示部12は、多点タッチ操作時のタッチ位置(画面略中央)に対してスライド操作時のスライド方向側(画面右側)に表示していたオブジェクトOBを移動対象とする一方、多点タッチ操作時のタッチ位置(画面略中央)に対してスライド操作時のスライド方向側とは反対側(画面左側)に表示していたオブジェクトOBは移動対象としない。そのため、
図13に示した操作が行われた場合には、画面略中央に対して画面右側に表示された移動対象のオブジェクトOB1のみが画面右側に移動され、画面略中央に対して画面左側に表示されたオブジェクトOBは移動されない(
図14参照)。
【0058】
ここでは、スライド操作時のスライド方向が画面右方向である場合を例にとって説明したが、操作パネル101の表示制御部15は、スライド操作時のスライド方向に応じて、移動対象のオブジェクトOB1の移動方向を切り替える。すなわち、図示しないが、スライド操作時のスライド方向が画面左方向であれば、移動対象のオブジェクトOB1を画面左方向に移動させる。また、スライド操作時のスライド方向が画面上方向であれば、移動対象のオブジェクトOB1を画面上方向に移動させる(
図15参照)。さらに、スライド操作時のスライド方向が画面下方向であれば、移動対象のオブジェクトOB1を画面下方向に移動させる(図示せず)。
【0059】
また、操作パネル101の表示制御部15は、液晶表示部12が移動対象のオブジェクトOB1をスライド操作時のスライド方向に移動させて以降、多点タッチ操作の後に従前のスライド操作時のスライド方向とは逆方向をスライド方向とするスライド操作がタッチパネル部11に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうち最端の2点間の距離が閾値距離以上であれば、従前のスライド操作時のスライド方向に移動させた全ての移動対象のオブジェクトOB1を従前の表示位置に一括して戻す。
【0060】
たとえば、
図10に示した操作によって、移動対象のオブジェクトOB1が画面右方向に移動されているとする。この場合、移動対象のオブジェクトOB1を従前の表示位置に戻したいユーザーは、
図16に示すように、画面右端において多点タッチ操作を行った後、従前のスライド操作時のスライド方向とは逆方向(画面左方向)をスライド方向とするスライド操作を行う。この操作を受けて、操作パネル101の表示制御部15は、液晶表示部12に指示し、従前のスライド操作時のスライド方向に移動させた全ての移動対象のオブジェクトOB1を従前の表示位置に戻させる。すなわち、
図7に示す状態に戻る。
【0061】
また、操作パネル101の表示制御部15は、多点タッチ操作の後、予め定められた時間内にタッチを解除してから再び複数点を同時にタッチする操作(以下、タップ操作と称する)がタッチパネル部11に対して行われたときも、タッチパネル部11がオブジェクト一括移動操作を受け付けたと判断する。そして、表示制御部15は、多点タッチ操作の後、予め定められた時間内にタッチを解除してから再び複数点を同時にタッチするタップ操作がオブジェクト一括移動操作としてタッチパネル部11に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうち最端の2点間の距離が閾値距離以上であれば、液晶表示部12に指示し、全ての移動対象のオブジェクトOB1(
図17参照)を多点タッチ操作時のタッチ位置に移動させる。
【0062】
一例として、
図17に示すように、画面左端において、多点タッチ操作の後に予め定められた時間内にタッチを解除してから再び複数点を同時にタッチするタップ操作が行われたとする。この場合、操作パネル101の表示制御部15は、表示中のオブジェクトOBの全てを移動対象のオブジェクトOB1として認識する。そして、表示制御部15は、液晶表示部12に指示し、全ての移動対象のオブジェクトOB1を多点タッチ操作時のタッチ位置に一括して移動させる。すなわち、
図18に示すように、全ての移動対象のオブジェクトOB1は、画面左端に移動される。
【0063】
このとき、液晶表示部12は、全ての移動対象のオブジェクトOB1の移動方向側(多点タッチ操作時のタッチ位置側)の各端を揃える。そして、移動対象のオブジェクトOB1の数が多ければ、移動対象のオブジェクトOB1を互いに部分的に重ねる。あるいは、図示しないが、移動対象のオブジェクトOB1の数が少なければ、移動対象のオブジェクトOB1を互いに所定の間隔を隔てて整列させてもよい。また、
図11に示したように、移動対象のオブジェクトOB1の表示サイズを縮小し、縮小した移動対象のオブジェクトOB1を識別するための識別情報を移動対象のオブジェクトOB1の表示範囲に表示してもよい。
【0064】
(オブジェクトを移動させるときの流れ)
以下に、
図19を参照して、オブジェクトOBを移動させるときの流れについて説明する。
【0065】
まず、
図19のフローチャートのスタート時点では、液晶表示部12が複数のオブジェクトOBを配した画面を表示しているとする。そして、液晶表示部12が複数のオブジェクトOBを配した画面を表示している最中に、タッチパネル部11の複数点を同時にタッチする多点タッチ操作が行われたとき、すなわち、タッチパネル部11がタッチされることで複数のタッチ点を検知したとき、
図19のフローチャートがスタートする。
【0066】
ステップS1において、表示制御部15は、多点タッチ操作が行われた後に連続してオブジェクト一括移動操作が行われたか否か(タッチパネル部11がオブジェクト一括移動操作を受け付けたか否か)を判断する。なお、オブジェクト一括移動操作というのは、多点タッチ操作の後に複数点をタッチしたままタッチ位置をスライドさせるスライド操作、または、多点タッチ操作の後に予め定められた時間内にタッチを解除してから再び複数点を同時にタッチするタップ操作のことである。判断の結果、オブジェクト一括移動操作を受け付けていれば、ステップS2に移行する。
【0067】
ステップS2に移行すると、表示制御部15は、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうち最端の2点間の距離が閾値以上であったか否かを判断する。判断の結果、閾値以上であれば、ステップS3に移行する。
【0068】
ステップS3に移行すると、表示制御部15は、タッチパネル部11が受け付けたオブジェクト一括移動操作がスライド操作であったか否かを判断する。判断の結果、オブジェクト一括移動操作がスライド操作であれば、ステップS4に移行する。一方で、オブジェクト一括移動操作がスライド操作でなければ、すなわち、オブジェクト一括移動操作がタップ操作であれば、ステップS5に移行する。
【0069】
ステップS3からステップS4に移行すると、表示制御部15は、液晶表示部12に指示し、全ての移動対象のオブジェクトOB1をスライド操作時のスライド方向に一括して移動させる。そして、液晶表示部12は、移動対象のオブジェクトOB1の表示サイズを縮小し、縮小した移動対象のオブジェクトOB1を識別するための識別情報を移動対象のオブジェクトOB1の表示範囲に表示する。
【0070】
また、ステップS3からステップS5に移行した場合には、表示制御部15は、液晶表示部12に指示し、全ての移動対象のオブジェクトOB1を多点タッチ操作時のタッチ位置に一括して移動させる。そして、液晶表示部12は、全ての移動対象のオブジェクトOB1の移動方向側(多点タッチ操作時のタッチ位置側)の各端を揃える。
【0071】
なお、ステップS1において、多点タッチ操作の後にオブジェクト一括移動操作を受け付けていない場合には、ステップS6に移行する。また、ステップS2において、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうち最端の2点間の距離が閾値距離を下回っていた場合にも、ステップS6に移行する。そして、ステップS6に移行すると、表示制御部15は、全てのオブジェクトOBの表示位置をそのまま維持させる。
【0072】
本実施形態では、上記のように、液晶表示部12(表示部)は、タッチパネル部11の複数点を同時にタッチする多点タッチ操作の後、表示中のオブジェクトOBのうち移動対象のオブジェクトOB1を移動させるための操作がタッチパネル部11に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が予め定められた閾値距離以上であれば、全ての移動対象のオブジェクトOB1を一括して移動させる。これにより、移動対象のオブジェクトOB1が複数存在する場合、タッチした複数点のうちの2点間の距離が閾値距離以上となるようにタッチパネル部11の複数点を同時にタッチする多点タッチ操作を行った後、移動対象のオブジェクトOB1を移動させるための操作をタッチパネル部11に対して行うだけで、複数の移動対象のオブジェクトOB1の全てが一括して移動される。すなわち、複数の移動対象のオブジェクトOB1の全てを少ない操作で一括して移動させることができるので、複数の移動対象のオブジェクトOB1を1つずつ移動させる必要がなくなる。これにより、オブジェクト移動操作において、ユーザーが行う操作を減らすことができ、それによってユーザーの利便性が向上する。
【0073】
さらに、この実施形態では、たとえば、指の腹(タッチパネル部11に対する通常のタッチ操作でパネル面に触れる部分)の幅よりも大きい距離を閾値距離として設定しておくことによって、容易に、移動対象のオブジェクトOB1を移動させるための一操作である多点タッチ操作と、指一本でのタッチ操作との差別化を図ることができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、多点タッチ操作の後、複数点をタッチしたままタッチ位置をスライドさせるスライド操作が移動対象のオブジェクトOB1を移動させる操作としてタッチパネル部11に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が閾値距離以上であれば、全ての移動対象のオブジェクトOB1をスライド操作時のスライド方向に一括して移動させる。これにより、スライド操作時のスライド方向を調整することで、全ての移動対象のオブジェクトOB1を所望の方向に一括して移動させることができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、多点タッチ操作時のタッチ位置に対してスライド操作時のスライド方向側に表示していたオブジェクトOBを移動対象とする一方、多点タッチ操作時のタッチ位置に対してスライド操作時のスライド方向側とは反対側に表示していたオブジェクトOBは移動対象としない。これにより、表示中のオブジェクトOBの全てを移動対象としたくない(一部のオブジェクトOBのみを移動対象としたい)ユーザーからすると、利便性が良い。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、移動対象のオブジェクトOB1をスライド操作時のスライド方向に移動させて以降、多点タッチ操作の後に従前のスライド操作時のスライド方向とは逆方向をスライド方向とするスライド操作がタッチパネル部11に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が閾値距離以上であれば、従前のスライド操作時のスライド方向に移動させた全ての移動対象のオブジェクトOB1を従前の表示位置に一括して戻す。これにより、簡単な操作で、全ての移動対象のオブジェクトOB1を従前の表示位置に一括して戻すことができる。また、移動対象のオブジェクトOB1を従前の表示位置に戻すための一操作であるスライド操作は、スライド操作時のスライド方向を従前のスライド操作時のスライド方向とは逆方向にするだけなので、直感的で分かり易い。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、多点タッチ操作の後、予め定められた時間内にタッチを解除してから再び複数点を同時にタッチする操作が移動対象のオブジェクトOB1を移動させる操作としてタッチパネル部11に対して行われたとき、多点タッチ操作時にタッチされた複数点のうちの2点間の距離が閾値距離以上であれば、多点タッチ操作時のタッチ位置に全ての移動対象のオブジェクトOB1を一括して移動させる。これにより、多点タッチ操作時のタッチ位置を調整することで、全ての移動対象のオブジェクトOB1を所望の位置に一括して移動させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、多点タッチ操作時のタッチ位置に全ての移動対象のオブジェクトOB1を一括して移動させるとき、全ての移動対象のオブジェクトOB1の移動方向側の各端を揃える。これにより、全ての移動対象のオブジェクトOB1の移動と整列とをまとめて行うことができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、移動対象のオブジェクトOB1を移動させたとき、移動対象のオブジェクトOB1の表示サイズを縮小し、縮小した移動対象のオブジェクトOB1を識別するための識別情報を縮小した移動対象のオブジェクトOB1の表示範囲に表示する。これにより、背景画面が見易くなる。また、縮小した移動対象のオブジェクトOB1に識別情報が付加されるので、縮小した移動対象のオブジェクトOB1の識別が容易になる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部12は、縮小した移動対象のオブジェクトOB1を表示画面の端縁と接するように表示する。これにより、背景画面のうちの移動対象のオブジェクトOB1に隠れていた領域が大きく現れ、背景画面がより見易くなる。
【0081】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。