(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のフィルタ装置の前記第2の出口からの前記水相が減少し不連続有機相が減少した流体を進めるステップと、これを、新しいまたは追加の流体混合物を前記第1のフィルタ装置の前記入口に通過させる前に前記新しいまたは追加の流体混合物と混合するステップと、をさらに備える、請求項4または5に記載の方法。
透析濾過流体を、新しいまたは追加の流体混合物を前記第1のフィルタ装置の前記入口に通過させる前に前記新しいまたは追加の流体混合物と混合するステップをさらに備える、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】フィルタ装置が直列に配置されており、システムが任意選択による透析濾過タンクおよび回路、ならびに任意選択による還流液流出(retentate bleed)も含む、本発明の実施形態により使用するためのシステムを図表で示す図である。
【
図2】フィルタ装置が直列に配置されており、2つのフィルタ装置のいずれを最初に配置してもよい、本発明の実施形態により使用するための別のシステムを図表で示す図である。
【
図3A】単一ポンプ並列ループを示す、本発明の実施形態により使用するための他のシステムを示す図である。
【
図3B】複式ポンプ並列ループを示す、本発明の実施形態により使用するための他のシステムを示す図である。
【
図4】第2のフィルタ装置のみを使用した場合と比較した、本発明の実施形態による第1および第2のフィルタ装置を含むシステムを使用したスループットを示すグラフである。
【
図5】第2のフィルタ装置のみを使用した場合と比較した、本発明の別の実施形態による第1および第2のフィルタ装置を含むシステムを使用したスループットを示すグラフである。
【0012】
[発明の詳細な説明]
[0016]好適には、本発明によるシステムおよび方法を、高表面エネルギー連続液相(好ましくは水などの水相)および低表面エネルギー不連続液相、好ましくは有機相(より好ましくは油)を当初は両相を含有している混合物から分離するのに使用することができる。
【0013】
[0017]さらに、水相の分離により、有機相濃度を維持することができ、これにより有機相濃度が望ましく高レベルに維持され、油流束がより長期間高レベルに維持される。
【0014】
[0018]本発明の実施形態によると、第1のフィルタ装置および第2のフィルタ装置を備える、水相および有機相を含む流体を処理するためのシステムであって、第1のフィルタ装置は、入口と、第1の出口と、第2の出口とを備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体と、第1の流体流路を横切る多孔質親水性膜を備える親水性フィルタエレメントとを備え;第2のフィルタ装置は、入口と、第1の出口と、第2の出口とを備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体と、第1の流体流路を横切る疎水性フィルタエレメントとを備える、システムが提供される。フィルタ装置は、直列(親水性フィルタエレメントを備えるフィルタ装置が疎水性フィルタエレメントを備えるフィルタ装置の上流にある、もしくは疎水性フィルタエレメントを備えるフィルタ装置が親水性フィルタエレメントを備えるフィルタ装置の上流にある)または並列に配置することができる。1つの好ましい実施形態では、第1のフィルタ装置の第2の出口は、第2のフィルタ装置の入口と流体連通している。
【0015】
[0019] いくつかの実施形態では、疎水性フィルタエレメントは、多孔質疎水性膜を備える。他の実施形態では、疎水性エレメントは、粒子被覆多孔質親水性または粒子被覆多孔質疎水性膜を備え、粒子は約25ダイン/cm(約2.5×10
−2N/m)以下の臨界湿潤表面張力(CWST)、典型的には約22ダイン/cm〜約16ダイン/cm(約2.2×10
−2N/m〜約1.6×10
−2N/m)の範囲のCWSTを有する。好ましくは、被覆中の粒子はPTFE粒子を備える。典型的には、被覆下の多孔質膜は、約23ダイン/cm〜約78ダイン/cm(約2.3×10
−2N/m〜約7.8×10
−2N/m)の範囲のCWSTを有する。
【0016】
[0020]別の実施形態では、連続水相および不連続有機相を備える流体混合物(好ましくは固相も備える混合物)を処理する方法が提供される。
【0017】
[0021]1つの好ましい実施形態では、本方法は、連続水相および不連続有機相の混合物を、入口と、第1の出口と、第2の出口とを備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体を備える第1のフィルタ装置の入口に通すステップであって、上流面および下流面を有する親水性フィルタエレメントは第1の流体流路を横切って配置されているステップと;混合物を上流面に対して接線方向に進めるステップと;連続水相を第1の流体流路に沿って親水性フィルタエレメントに通過させ、第1の出口に通過させるステップと;水相が減少した不連続有機相含有流体を上流面に対して接線方向に進め、第2の流体流路に沿って進め、第2の出口に通過させ、入口と、第1の出口と、第2の出口とを備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体を備える第2のフィルタ装置の入口に通過させるステップであって、上流面および下流面を有する疎水性フィルタエレメントは第1の流体流路を横切って配置されているステップと;水相が減少した不連続有機相含有流体を上流面に対して接線方向に進めるステップと;不連続有機相を第1の流体流路に沿って疎水性フィルタエレメントに通過させ、第1の出口に通過させるステップと;水相が減少し不連続有機相が減少した流体を上流面に対して接線方向に進め、第2の流体流路に沿って進め、第2の出口に通過させるステップとを備える。
【0018】
[0022]好ましくは、疎水性フィルタエレメントを通過した少なくとも不連続有機相は、さらなる処理、再利用または処分に適した条件下で回収される。
【0019】
[0023]流体混合物が連続水相、不連続有機相および固相を備える別の実施形態では、本方法は、混合物を第1のフィルタ装置の入口に通すステップと;混合物を上流面に対して接線方向に進めるステップと;連続水相を第1の流体流路に沿って親水性フィルタエレメントに通過させ、第1の出口に通過させるステップと;水相が減少した不連続有機相および固体含有流体を上流面に対して接線方向に進め、第2の流体流路に沿って進め、第2の出口に通過させ、第2のフィルタ装置の入口に通過させるステップと;水相が減少した不連続有機相および固体含有流体を上流面に対して接線方向に進めるステップと;不連続有機相を第1の流体流路に沿って疎水性フィルタエレメントに通過させ、第1の出口に通過させるステップと;水相が減少し不連続有機相が減少した固体含有流体を上流面に対して接線方向に進め、第2の流体流路に沿って進め、第2の出口に通過させるステップとを備える。
【0020】
[0024]いくつかの実施形態では、第2のフィルタの第2の出口を通過した水相が減少し不連続有機相が減少した流体を、新しい(例えば、供給)および/または追加の流体混合物を第1のフィルタ装置の入口に通過させる前に新しいおよび/または追加の流体混合物と混合する。あるいはまたはさらに、本方法は、透析濾過流体を、新しいおよび/または追加の流体混合物を第1のフィルタ装置の入口に通過させる前に新しいおよび/または追加の流体混合物と混合する透析濾過を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2のフィルタの第2の出口を通過した水相が減少し不連続有機相が減少した流体を、流体混合物を第1のフィルタ装置の入口に通過させる前に透析濾過流体あるいは新しい供給流体および/または追加の流体と混合する前に(例えば、還流液流出を通して)固体をさらに減少させることができる。
【0021】
[0025]別の実施形態では、本方法は、連続水相および不連続有機相の混合物を、入口と、第1の出口と、第2の出口とを備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体を備える第1のフィルタ装置の入口に通すステップであって、上流面および下流面を有する疎水性フィルタエレメントは第1の流体流路を横切って配置されているステップと;混合物を入口に通し、上流面に対して接線方向に進めるステップと;不連続有機相を第1の流体流路に沿って疎水性フィルタエレメントに通過させ、第1の出口に通過させるステップと;不連続有機相が減少した水相含有流体を上流面に対して接線方向に進め、第2の流体流路に沿って進め、第2の出口に通過させ、入口と、第1の出口と、第2の出口とを備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体を備える第2のフィルタ装置の入口に通過させるステップであって、上流面および下流面を有する親水性フィルタエレメントは第1の流体流路を横切って配置されているステップと;不連続有機相が減少した水相含有流体を上流面に対して接線方向に進めるステップと;水相流体を第1の流体流路に沿って親水性フィルタエレメントに通過させ、第1の出口に通過させるステップと;水相が減少し不連続有機相が減少した流体を上流面に対して接線方向に進め、第2の流体流路に沿って進め、第2の出口に通過させるステップとを備える。いくつかの実施形態では、流体混合物は連続水相、不連続有機相および固相を備え、本方法は混合物を第1のフィルタ装置の入口に通すステップと;混合物を上流面に対して接線方向に進めるステップとを備え、上流面に対して接線方向に進み、装置の第2の流体流路に沿って進み、第2の出口を通過する流体は、上に一般的に論じるように固体を備える。
【0022】
[0026]別の実施形態では、本方法は、連続水相および不連続有機相の混合物を、入口と、第1の出口と、第2の出口とを備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体を備える第1のフィルタ装置の入口に通すステップであって、上流面および下流面を有する親水性フィルタエレメントは第1の流体流路を横切って配置されているステップと;混合物を上流面に対して接線方向に進めるステップと;連続水相を第1の流体流路に沿って親水性フィルタエレメントに通過させ、第1の出口に通過させるステップと;水相が減少した不連続有機相含有流体を上流面に対して接線方向に進め、第2の流体流路に沿って進め、第2の出口に通過させるステップと;連続水相および不連続有機相の混合物を、入口と、第1の出口と、第2の出口とを備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体を備える第2のフィルタ装置の入口に通すステップであって、上流面および下流面を有する疎水性フィルタエレメントは第1の流体流路を横切って配置されているステップと;混合物を入口に通し、上流面に対して接線方向に進めるステップと;不連続有機相を第1の流体流路に沿って疎水性フィルタエレメントに通過させ、第1の出口に通過させるステップと;不連続有機相が減少した水相含有流体を上流面に対して接線方向に進め、第2の流体流路に沿って進め、第2の出口に通過させるステップとを備える。好ましくは、本方法は、水相が減少した不連続有機相含有流体を第1の装置の第2の出口から供給タンクなどの容器に進めるステップと、不連続有機相が減少した水相含有流体を第2の装置の第2の出口から容器に進めて、結果として水相が減少した不連続有機相含有流体および不連続有機相が減少した水相含有流体を容器内で合わせるステップとをさらに備える。所望であれば、おそらくは追加の流体(例えば、新しいおよび/または追加の混合物流体および/または透析濾過流体)を補充した組み合わせをその後、上に論じるように第1および第2のフィルタ装置に進める。
【0023】
[0027]有機相は、例えば、混合物の初期総体積の約5%〜約15%の範囲にあってよいが、混合物の5%未満または混合物の15%超であってもよい。典型的には、固相は、直径が約10ミクロン程度またはそれ以下の小粒子を含む。固相は、例えば、混合物の総体積の約10%〜約20%の範囲にあってよいが、混合物の10%未満または混合物の20%超であってもよい。
【0024】
[0028]いかなる特定の機構にも限定されないが、多孔質膜を備える疎水性フィルタエレメント、好ましくは粒子被覆多孔質膜(粒子が膜の上流面を被覆している)を備える疎水性フィルタエレメントをクロスフロー濾過用途で使用する(特に固体粒子が油滴よりも大きい)場合、固体が持ち上げられ、油滴が連続層に一体化し、膜まで引きずられ、透過の改善をもたらすと考えられる。
【0025】
[0029]種々のシステム構成が本発明の実施形態に使用するのに適しており、当技術分野で知られている。システムにおいてフィルタ装置を直列に(例えば、
図1および
図2に一般的に示すように)配置することができる。
図1および
図2に示す実施形態は、疎水性フィルタエレメント(
図1の「疎水性モジュール」)を備えるフィルタ装置の上流に配置されている親水性フィルタエレメント(
図1の「親水性モジュール」)を備えるフィルタ装置を示しているが、配置されている疎水性フィルタエレメントを備えるフィルタ装置を、親水性フィルタエレメントを備えるフィルタ装置の上流に配置することもできる。あるいは、フィルタ装置をシステムにおいて並列に、例えば、
図3A(単一ポンプ並列ループ)および
図3B(二連ポンプ並列ループ)に示すように配置することができる。当技術分野で知られているように、並列ループの使用は、例えば、単一ポンプおよびフィルタ装置(複数可)の下流の流量調節器(例えば、弁)を使用することにより、または複式ポンプ(および所望であれば流量調節器)を使用することにより、それぞれのフィルタ装置を通る異なる流量を提供するのに望ましくなり得る。
【0026】
[0030]システムは、追加の部品、例えば、1つまたは複数の再循環ループ、透析濾過タンクおよび回路、1つまたは複数の還流液流出(例えば、濃縮固体を得るため)ならびに/あるいは1つまたは複数の追加のポンプを含むことができる。
【0027】
[0031]典型的には、流体がそれぞれのフィルタ装置を通過するにつれて、水相および有機相の減少速度が、所望の期間、所望の全体濃度を維持するようつりあうようにシステムを作動する。例えば、システムを、供給タンク中の油と水の標的比を維持するよう作動することができる。
【0028】
[0032]液体およびスプレー状の商業的に入手可能な粒子を含む、例えば、粒子流体およびスプレー流体に典型的には担体流体を備える種々の粒子(好ましくは、PTFE粒子)が本発明に使用するのに適している。粒子被覆は、当技術分野で公知の種々の技術、例えば、スプレー塗装(粒子がエアロゾルとして膜上に噴霧される液滴中に懸濁している)、および浸漬塗装(粒子が、膜が浸漬される液体中に懸濁している)により膜に堆積させることができる。好ましくは、粒子は、膜の表面に塗布するための揮発性担体液体中に懸濁している。適した揮発性担体液体には、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよびメタノールが含まれる。PTFE粒子を含む例示的な適したスプレー、剥離剤および潤滑剤は、例えば、Miller−Stephenson Chemical Company,Inc.、SPRAYON(Cleveland、OH)およびChem−Trend L.P.(Howell、MI)から入手可能である。
【0029】
[0033]粒子は、任意の適した平均直径を有することができ、任意の適した濃度で膜の表面に塗布することができる。典型的には、粒子は、約1ミクロン〜約6ミクロンの範囲の平均直径(いくつかの実施形態では、約3ミクロン〜約6ミクロンの範囲の平均直径)を有するが、より大きいまたはより小さい平均直径を有する粒子も本発明の実施形態により使用するのに適することができる。典型的には、スプレーガンで塗布する場合、粒子は、少なくとも約0.2gm/プレートの速度で塗布され、より典型的には少なくとも0.8gm/プレートの速度で塗布される。
【0030】
[0034]粒子は、約25ダイン/cm(約2.5×10
−2N/m)以下、好ましくは約22ダイン/cm〜約16ダイン/cm(約2.2×10
−2N/m〜約1.6×10
−2N/m)の範囲の臨界湿潤表面張力(CWST、例えば、米国特許第4,925,572号明細書に定義される)を有する。
【0031】
[0035]膜は、任意の所望のCWSTを有することができる。CWSTは、当技術分野で知られているように、例えば、米国特許第5,152,905号明細書、第5,443,743号明細書、第5,472,621号明細書および第6,074,869号明細書にさらに開示されているように選択することができる。
【0032】
[0036]典型的には、親水性フィルタエレメントに使用する親水性膜(複数可)は、少なくとも約72ダイン/cm(約7.2×10
−2N/m)のCWSTを有する。
【0033】
[0037]疎水性フィルタエレメントが粒子被覆を欠く少なくとも1つの多孔質疎水性膜を備える実施形態では、膜は約25ダイン/cm(約2.5×10
−2N/m)以下のCWSTを有する。疎水性フィルタエレメントが膜の上流面上に粒子被覆を有する少なくとも1つの多孔質膜を備える実施形態では、膜(すなわち、被覆の下)は疎水性であっても親水性であってもよい。典型的には、膜は、約23ダイン/cm(約2.3×10
−2N/m)〜約78ダイン/cm(約7.8×10
−2N/m)の範囲のCWSTを有するが、CWSTはこれらの値より小さくても大きくてもよい。
【0034】
[0038]商業的に入手可能な膜を含む種々の膜、好ましくは、高分子膜が本発明に使用するのに適している。適したポリマーには、それだけに限らないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの全フッ素置換ポリオレフィン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテン)、ポリエステル、ポリアミド(例えば、任意のナイロン、例えば、ナイロン6、11、46、66および610)、ポリイミド、スルホン(例えば、ポリエーテルスルホン、ビスフェノールAポリスルホン、ポリアリールスルホンおよびポリフェニルスルホンなどの芳香族ポリスルホンを含むポリスルホン)、ハロゲン化ポリビニリデン(フッ化ポリビニリデン(PVDF)を含む)、アクリル、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド、ポリアリーレンオキシドおよびスルフィド、ならびにハロゲン化オレフィンおよび不飽和ニトリルから製造したポリマーおよびコポリマーが含まれる。
【0035】
[0039]他の適した材料には、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸−プロピオン酸セルロース、酢酸−酪酸セルロースおよび酪酸セルロースなどのセルロース系誘導体が含まれる。
【0036】
[0040]適した商業的に入手可能な膜には、それだけに限らないが、Pall Corporationから商標SUPOR(登録商標)、VERSAPOR(登録商標)およびPOSIDYNE(登録商標)、ULTIPOR N
66(登録商標)、ULTIPOR(登録商標)、FLUORODYNE(登録商標)、LOPRODYNE(登録商標)、CARBOXTDYNE(登録商標)、IMMUNODYNE(登録商標)、BIODYNE A(登録商標)、BIODYNE B(登録商標)、BIODYNE C(登録商標)およびMUSTANG(登録商標)で入手可能なものが含まれる。
【0037】
[0041]膜の孔構造は、例えば、処理される流体の組成および/または有機相液滴のサイズに依存する。膜は、任意の適した孔構造、例えば、孔サイズ(例えば、米国特許第4,340,479号明細書に記載されているように起泡点もしくはK
Lにより証明される、または毛管凝縮フローポロメトリーにより証明される)、平均流量孔(MFP)径(例えば、ポロメータ、例えば、Porvair Porometer(Porvair plc、Norfolk、UK)もしくは商標POROLUX(Porometer.com;ベルギー)で入手可能なポロメータを使用して特徴づけられる場合)、孔レーティング、孔径(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に記載されている修正OSU F2試験を使用して特徴づけられる場合)または流体が多孔質膜を通過する際に対象となる1種または複数の材料の通過を減少させるまたは可能にする除去レーティングを有することができる。典型的には、膜はそれぞれ、約0.1〜約0.8ミクロンの範囲の平均孔サイズを有するが、平均孔サイズがこの範囲のサイズより大きくても小さくてもよい。
【0038】
[0042]本発明の実施形態によると、膜は、平面、プリーツおよび/または中空円筒を含む種々の構成を有することができる。
【0039】
[0043]1つまたは複数の膜が、典型的には少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を備え、入口と出口との間の少なくとも1つの流体流路を規定する筐体内に配置され、膜は流体流路を横切ってフィルタ装置またはフィルタモジュールを提供する。ある実施形態では、少なくとも1つのフィルタ装置は、入口および第1の出口を備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路を規定する筐体と、第1の流体流路を横切って筐体内に配置されている膜とを備えることができる。
【0040】
[0044]好ましくは、接線フロー用途のために、1つまたは複数の膜は、少なくとも1つの入口および少なくとも2つの出口を備え、入口と第1の出口との間の少なくとも第1の流体流路および入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定する筐体内に配置され、膜(複数可)は第1の流体流路を横切ってフィルタモジュールを提供する。例示的実施形態では、第1および第2のフィルタ装置がそれぞれクロスフローフィルタモジュールを備え、筐体は第2の出口をさらに備え、入口と第2の出口との間の第2の流体流路を規定し、第1の出口は濃縮液出口を備え、第2の出口は透過液出口を備え、膜は第1の流体流路を横切って配置されている。
【0041】
[0045]フィルタ装置またはフィルタモジュールは滅菌可能であってもよい。適した形状で、入口および1つまたは複数の出口を提供する任意の筐体を使用してよい。
【0042】
[0046]筐体は、処理される流体と適合性である任意の不浸透性熱可塑性材料を含む任意の適した硬質不浸透性材料から製作することができる。例えば、筐体は、ステンレス鋼などの金属またはポリマー、例えば、アクリル、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはポリカーボネート樹脂などの透明または半透明ポリマーから製作することができる。
【0043】
[0047]以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、当然のことながら、本発明の範囲を何ら限定するものとして解釈すべきではない。
【0044】
[実施例1]
[0048]この実施例は、第2のフィルタ装置のみを使用した場合と比較して、本発明の実施形態による第1および第2のフィルタ装置を含むシステムを使用した場合に結果が改善することを示している。
【0045】
[0049]第1のフィルタ装置は、0.1ミクロン(μm)定格を有する親水性非対称中空繊維膜を含有するMICROZAモジュール(Pall Corporation、Port Washington、NY)とし、このモジュールを、インサイドアウトフロー(inside−out flow)を提供するよう配置する。有効膜面積は0.12M
2である。
【0046】
[0050]第2のフィルタ装置は、単一平板膜を含む。75〜78ダイン/cmのCWSTを有する0.45μmULTIPORナイロン6,6膜(Pall Corporation、Port Washington、NY)に、溶媒中に懸濁したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子(CWST約18〜20ダイン/cm)を噴霧して(Miller−StephensonスプレーMS−122V;平均粒径6μm、1〜20μmの範囲)、膜の上流面(流体が接触する最初の面)となるものの上に粒子被覆を得る。平板の形態の膜をクロスフローステンレス鋼筐体内のステンレス鋼支持体と溶剤結合して第2のフィルタ装置を得る。筐体内の有効膜面積は0.0128M
2である。被覆面を筐体内の膜の上流面として配置する。
【0047】
[0051]第1および第2のフィルタ装置を含むシステムを、
図2に一般的に示すように配置する。
【0048】
[0052] 試験流体は90%の水(連続水相を表す)および10%のヘキサデカン(分散した有機相を表す)とする。各フィルタ装置を通る流量は9ガロン/分(GPM)とする。
【0049】
[0053] 試験流体の初期供給中のヘキサデカンの量に基づいて、これらの実験中に到達され得る最大スループットは253L/M
2である。
【0050】
[0054]ヘキサデカンのみが第2のフィルタ装置を通過する。
【0051】
[0055]
図4に示すように、ヘキサデカンスループット(L/M
2)(X軸)およびヘキサデカン流束(リットル/平方メートル/時間)(LMH;lm
−2h
−1)(Y軸)のグラフは、本発明の実施形態による2フィルタシステムについては、253L/M
2の合計スループットで流束が725LMHに達する一方で、第2のフィルタ装置のみ使用すると、245L/M
2の合計スループットで約225LMHに達する流束を示すことを示している。グラフはまた、2フィルタシステムについて、流束がより長期間高いままであるので、プロセス中の水の除去が油の濃度を維持し、全体性能を改善することも示している。
【0052】
[実施例2]
[0056]この実施例は、第2のフィルタ装置のみを使用した場合と比較して、本発明の別の実施形態による第1および第2のフィルタ装置を含むシステムを使用した場合に結果が改善することを示している。
【0053】
[0057] 第1のフィルタ装置は、実施例1に記載する親水性非対称中空繊維膜を含有するMICROZAモジュール(Pall Corporation、Port Washington、NY)とする。
【0054】
[0058]第2のフィルタ装置は、単一平板膜を含む。0.45μmPTFE膜(CWST25ダイン/cm;EMFLON、Pall Corporation、East Hills、NY)に、実施例1に記載するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を噴霧する。平板の形態の膜をクロスフローステンレス鋼筐体内のステンレス鋼支持体と溶剤結合して第2のフィルタ装置を得る。筐体内の有効膜面積は0.0128M
2である。被覆面を筐体内の膜の上流面として配置する。
【0055】
[0059]第1および第2のフィルタ装置を含むシステムを、
図2に一般的に示すように配置する。
【0056】
[0060] 試験流体は90%の水(連続水相を表す)および10%のヘキサデカン(分散した有機相を表す)とする。各フィルタ装置を通る流量は1.5〜2GPMとする。
【0057】
[0061] 試験流体の初期供給中のヘキサデカンの量に基づいて、これらの実験中に到達され得る最大スループットは253L/M
2である。
【0058】
[0062]ヘキサデカンのみが第2のフィルタ装置を通過する。
【0059】
[0063]
図5に示すように、ヘキサデカンスループット(L/M
2)(X軸)およびヘキサデカン流束(リットル/平方メートル/時間)(LMH;lm
−2h
−1)(Y軸)のグラフは、本発明の実施形態による2フィルタシステムについては、240L/M
2の合計スループットで流束が350LMHに達する一方で、第2のフィルタ装置のみ使用すると、225L/M
2の合計スループットで約160LMHに達する流束を示すことを示している。グラフはまた、2フィルタシステムについて、流束がより長期間高いままであるので、プロセス中の水の除去が油の濃度を維持し、全体性能を改善することも示している。
【0060】
[0064]本明細書で引用する刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、これにより、あたかも各参考文献が個別的かつ具体的に参照により組み込まれることが示されており、本明細書にその全体が示されているのと同程度に参照により組み込まれる。
【0061】
[0065]本発明を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)での「a」および「an」および「the」および「少なくとも1つ」という用語ならびに類似の指示対象の使用は、本明細書に特に指示しない限りまたは文脈上明確に否定されない限り、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈すべきである。1つまたは複数の物品の列挙が続く「少なくとも1つ」という用語(例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書に特に指示しない限りまたは文脈上明確に否定されない限り、列挙される物品から選択される1つの物品(AもしくはB)または列挙される物品の2つ以上の任意の組み合わせ(AおよびB)を意味すると解釈すべきである。「備える」、「有する」、「含む」および「含有する」という用語は、特に言及しない限り、開放型用語(すなわち、「それだけに限らないが、含む」を意味する)として解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に特に指示しない限り、その範囲に入る各別個の値に個別的に言及する速記法として働くことを意図しているにすぎず、各別個の値はあたかも個別的に本明細書に列挙されているように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載する全ての方法は、本明細書に特に指示しない限りまたは文脈上明確に否定されない限り、任意の適した順序で行うことができる。本明細書で提供する任意のおよび全ての例、または代表的言語(例えば、「など」)の使用は、本発明をより良く明らかにすることを意図しているにすぎず、特に主張しない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に必須であるものとして任意の請求されていない要素を示すものと解釈すべきでない。
【0062】
[0066]本発明を実施するための本発明者らが知っている最良の方法を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。これらの好ましい実施形態の変形は、前記説明を読めば当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が適切な方法でこのような変形を使用すると予測し、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されているものと別の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、準拠法で許される、本明細書に添付されている特許請求の範囲に列挙されている主題の全ての修正および同等物を含む。さらに、全ての可能な変形の上記要素の任意の組み合わせが、本明細書に特に指示しない限りまたは文脈上明確に否定されない限り、本発明に包含される。