(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記音声切替制御手段は、前記他の端末装置から発信された通話の音声を電気信号に変換した音声信号を、前記通話優先要求信号として受けた場合に、前記再生手段に再生中の前記音声及び動画付き記録データの音量を低下させるか、または、前記通話手段に前記通話音声を増大させる、請求項1の音声切替装置。
前記音声切替制御手段は、前記音声信号を音声に変換した音量が、あらかじめ設定した閾値より大きい場合は、前記再生手段に再生中の前記記録データの音声の音量を低下させるか、または、前記通話手段に前記通話音声を増大させ、前記閾値以下の大きさである場合は、前記他の端末装置に対して警告を発する請求項2の音声切替装置。
前記音声切替制御手段は、前記記録データの再生される音量の、前記通話の音声の音量に対する比率が一定値となるよう、前記再生手段に、再生中の前記記録データの音量を低下させるかまたは、前記通話手段に前記通話音声を増大させる請求項2の音声切替装置。
前記音声切替制御手段は、前記他の端末装置から発信された前記記録データの再生停止信号を、前記通話優先要求信号として受けた場合に、前記通話手段に前記通話音声を増大させる請求項1の音声切替装置。
前記音声切替制御手段は、前記画像停止要求信号による前記動画の一時停止の後、所定の時間を経過した後に、前記再生手段に前記再生の音量を低下させるか、または前記通話手段に通話音声を増大させて前記動画の前記一時停止を解除するように前記再生手段及び前記通話手段を制御する請求項1から5のいずれか一項の音声切替装置。
前記音声信号を音声に変換した音量が、あらかじめ設定した閾値より大きい場合は、再生中の前記記録データの音声の音量を低下させるか、または前記通話音声を増大させ、前記閾値以下の大きさである場合は、前記他の端末装置に対して警告を発する前記音声切替制御処理を前記コンピュータに実行させる請求項9の音声切替プログラム。
前記記録データの再生される音量の、前記通話の音声の音量に対する比率が一定値となるよう、再生中の前記記録データの音量を低下させるか、または前記通話音声を増大させる前記音声切替制御処理を前記コンピュータに実行させる請求項9の音声切替プログラム。
前記音声信号を音声に変換した音量が、あらかじめ設定した閾値より大きい場合は、再生中の前記記録データの音声の音量を低下させるか、または前記通話音声を増大させ、前記閾値以下の大きさである場合は、前記他の端末装置に対して警告を発する請求項14の音声切替方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)以下は、本発明を携帯電話に適用させた場合の実施の形態の構成について、図面を参照して詳細に説明するものである。
図1は、音声切替システムの構成を示している。
図1において各部をつなぐ実線は、電気的な結合関係を示している。また、音声切替装置100、音声切替装置200、サーバ300は、共通バス等のネットワークを通じて、電気的に接続する。
【0018】
音声切替装置100は、コンテンツ受信部10、再生部11、再生制御通信部12、通話部13、音声切替制御部14、音声切替通信部15、通話要求受信部19を含んでいる。音声切替装置100は、携帯電話をはじめとする通話機能付の端末である。
【0019】
コンテンツ受信部10は、記憶部31に保存されたコンテンツを、配信部32を介して受信し、再生部11に送信する。
【0020】
再生部11は、このコンテンツを再生する。再生部11は、スピーカ102の出力を調節する機能を有している。したがって、再生する音声の音量の大小を、この出力調節により調整できる。なお、スピーカ102が出力する音量Vは、その音量を与える音圧Pと、基準となる音圧P0との比の対数関数で表され、
V(dB)=−20log(P/P0)で計算される。ここでP0は、人間の耳が聴取可能な、最低限の音圧である0.00002Pa(パスカル)に設定している。この実施形態において、音量の調整可能範囲は0dBから130dBまでである。なお、この範囲は一例に過ぎず、別な調整可能範囲を設定することが、可能である。
【0021】
再生制御通信部12は、ユーザが所定のボタン操作により入力した、コンテンツの再生の開始、再生の停止、再生画像、再生音声の早送り、巻き戻しの命令を、これらの命令のそれぞれに対応させた電気信号として再生部11に出力し、再生部11を制御する。なおこれらの電気信号は、再生制御信号と総称する。このうち再生を開始する電気信号は、再生開始信号と呼ばれる。
【0022】
また、再生制御通信部12は、コンテンツの再生中に継続して再生信号を発信する。これらの電気信号は、共通バス等のネットワークを介して通話部13、通話要求受信部19で、監視できるものとする。再生制御信号のうち再生開始信号は、後述するサーバ300の再生制御通信部34を介して、音声切替装置200の再生制御通信部22に入力され、音声切替装置200の再生部21においても、同じコンテンツの再生を開始させる。
【0023】
通話部13は、通話時にユーザが発声する音声(通話音声)を取得し、マイクロフォン104を介してこれを電気信号に変換したものを通話部23に送信する。また、通話部13は、通話部23から取得した電気信号を、スピーカ103を介して聴取可能な通話音声に変換する。それぞれのユーザが、通話部13、23のマイクロフォン104、204に通話音声を入力し、通話部13、23のスピーカ103、203からこれらを聴取することによって、音声切替装置100のユーザと音声切替装置200のユーザとは、通話を行うことができる。通話部13が取得した通話音声の音量は、コンテンツの音量と同様、通話部13が、スピーカ103の出力調節を行うことにより、大小を調整することができる。
【0024】
通話要求ボタン17は、ユーザにより押下されることにより、通話優先要求信号を発信することができる。
【0025】
通話要求受信部19は、通話要求ボタン17の押下による通話優先要求信号を検出して、音声切替装置200の音声切替通信部25に音声切替信号を送信する。また通話要求受信部19は、再生制御信号を受信し、再生信号を受信していない場合に通話優先要求信号を受けた場合、警告音を含むエラーメッセージを発することができる。
【0026】
音声切替通信部15は、通話要求受信部29から送信された音声切替信号を受信して、音声切替制御部14に通知する。
【0027】
音声切替制御部14は、この通知を受けて、再生部11に、コンテンツの音声の音量低下を指示する。または、音声切替制御部14は、この通知を受けて、通話部13に通話音声の増大を指示する。
【0028】
音声切替装置200は、音声切替装置100と同一の構成であり、同一の機能を有している。すなわち、音声切替装置200は、コンテンツ受信部20、再生部21、再生制御通信部22、通話部23、音声切替制御部24、音声切替通信部25、通話要求受信部29を含んでいる。音声切替装置200においては、通話要求ボタン27の押下による通話優先要求信号を検出する。音声切替装置200は、音声切替装置100と同様、携帯電話をはじめとする通話機能付の端末である。
【0029】
音声切替装置100と音声切替装置200は、それぞれ異なった装置識別番号を有している。音声切替装置100と音声切替装置200は、それぞれ相手の装置識別番号を図示しないテンキーにより、やはり図示しないセッション開始部に入力することによって、セッション開始の依頼を、サーバ300のSIP通信部36に送信することができる。
【0030】
サーバ300は、記憶部31、配信部32、再生状態管理部33、再生制御通信部34、セッション管理部35、SIP通信部36を含んでいる。なお、SIPとはSession Initiation Protocolの略語であり、端末間の接続の開始、変更、終了を制御するプロトコルである。SIP通信部36は、このプロトコルに基づいて、端末間の通信を成立させる。
【0031】
サーバ300の記憶部31は、動画及び音声のコンテンツのデータを格納しており、配信部32を介して、音声切替装置100、及び音声切替装置200に配信する。
【0032】
セッション管理部35は、音声切替装置100と音声切替装置200との間のSIP通信を実行するSIP通信部36を制御する。セッション管理部35は、SIP通信部36が取得した音声切替装置100、200の装置識別番号(以降、装置番号)が、セッション確立可能な装置番号として登録されているものか否かを、セッション管理部35が有する不図示の記憶部を照合して判断する。
また、セッション管理部35は再生状態管理部33の要求に応じて、セッションを確立している装置番号を、再生状態管理部33に通知することもできる。なお、装置識別番号は、SIP URI(URI:Uniform Resorce Identifier)に対応しており、この記憶部は、その対応関係をも格納している。
【0033】
SIP通信部36は、音声切替装置100のセッション開始部から装置番号の入力を受けて、セッション管理部35に登録の有無を問合せる。SIP通信部36が、セッション管理部35から、この装置番号に対応するSIP URIが登録されていることを通知された場合は、SIP通信部36は、音声切替装置100と、入力された装置番号の音声切替装置との間にセッションを確立する。入力された装置番号が音声切替装置200の装置番号である場合、音声切替装置100と音声切替装置200との間にセッションが確立する。セッションの確立後、音声切替装置100のユーザと音声切替装置200のユーザはそれぞれ通話部13、通話部23を介して、会話が可能となり、音声切替装置100で再生されているコンテンツを、音声切替装置200でも、同期して視聴することができる。
【0034】
さらに、セッションが確立した音声切替装置同志は、各々が有する再生制御通信部12、22から指令を出すことにより、この再生コンテンツの停止、早送り、巻き戻し、を実施することが可能である。
【0035】
再生状態管理部33は、再生制御通信部34から取得した再生制御信号により、音声切替装置100、音声切替装置200の、再生部11、再生部21の状態を監視する。また、再生状態管理部33は、セッション管理部35に、セッションを確立している音声切替装置のSIP URIを問い合わせ、再生制御通信部34に通知する。
【0036】
再生制御通信部34は、音声切替装置100、音声切替装置200から再生制御信号を受信して、これを再生状態管理部33に通知する。また、再生制御通信部34は、再生状態管理部33から通知されたSIP URIを有する音声切替装置に、再生制御信号を送信する。
【0037】
コンテンツ受信部10、再生制御通信部12、音声切替通信部15、通話部13、音声切替制御部14、通話要求受信部19は、論理素子の組合せであるハードウェアで構成されてもよいし、コンピュータプログラムを実行するソフトウェアで構成されてもよい。
【0038】
コンテンツ受信部20、再生制御通信部22、音声切替通信部25、通話部23、音声切替制御部24、通話要求受信部29は、論理素子の組合せであるハードウェアで構成されてもよいし、コンピュータプログラムを実行するソフトウェアで構成されてもよい。
【0039】
配信部32、再生状態管理部33、再生制御信号通信部34、セッション管理部35、SIP通信部36は論理素子を組み合わせて構成したハードウェアで構成されてもよいし、コンピュータプログラムを実行するソフトウェアで構成されてもよい。なお、動画コンテンツのデータや、音声記録のデータは、総称して記録データと呼ぶこともある。
【0040】
図2は音声切替装置100、音声切替装置200の動作を表すシーケンスチャートである。音声切替装置100のセッション開始部はテンキー入力による、音声切替装置200の装置番号の入力を受ける(S1)。装置番号は電気信号に変換されてサーバ300に送信される。サーバ300のSIP通信部36はこの電気信号を受け、セッション管理部35に、この装置番号に対応するSIP URIが登録されているか否かを確認する。セッション管理部35がSIP URIの登録を確認する(S2)と、SIP通信部36は音声切替装置100と音声切替装置200の間にセッションを確立させる(S3)。音声切替装置100と音声切替装置200とは、互いに通話すること及び同じコンテンツの再生を視聴可することが可能な状態となる。音声切替装置100のユーザは、図示しないコンテンツ配信要求部から、サーバ300の配信部32に指定したコンテンツの配信を要求する(S3−2)。サーバ300の配信部32は、この要求が音声切替装置100から発せられたものであることを認識し、セッション管理部35に問い合わせて、音声切替装置100とセッションを確立している音声切替装置が、音声切替装置200であることを確認する。配信部32は、指定されたコンテンツを記憶部31から取得し、これを音声切替装置100と音声切替装置200に配信する(S3−3)。第1の実施形態では、このようにして、音声切替装置100と音声切替装置200に、共通の動画コンテンツが配信される。詳細には、音声切替装置100の再生制御通信部12に再生開始信号が入力されると、再生制御通信部12はこの再生開始信号をサーバ300の再生制御通信部34に送信する(S3−2)。再生制御通信部34は、再生開始信号が音声切替装置100から送信されたことを再生状態管理部33に通知する。この通知を受けた再生状態管理部33は、セッション管理部35に問い合わせて、音声切替装置100がセッションを確立している音声切替装置200のSIP URIを取得し、再生制御通信部34に出力する。再生制御信号通信部34は、音声切替装置200のSIP URIに再生開始信号を送り、音声切替装置200の再生部21でも、音声切替装置100の再生部11と同時にこの共通の動画コンテンツの再生が行われる(S3−3)。
【0041】
音声切替装置100の通話要求受信部19に、通話要求ボタン17が押下されて、通話優先要求信号が入力されると(S4)、通話要求受信部19は、同時に再生しているコンテンツがあるか否かを、再生制御通信部12が送信する再生信号の有無によって、判断する(S5)。上記の動画コンテンツを同時に再生している場合、通話要求受信部19が、セッションを確立している相手であるところの音声切替装置200の音声切替通信部25に向けて、音声切替信号を送信する(S6)。音声切替信号は、音声切替装置200の音声切替通信部25により受信される(S7)。
【0042】
音声切替装置200の音声切替制御部24は、音声切替通信部25からの通知を受けて、再生部21に、動画コンテンツの音声(動画音声)の音量を下げさせる(S8)。一例として、音声切替制御部24から通知を受けた、再生部21は、スピーカ202の出力を調整することにより、動画音声の音量を60dB以下に下げる。なお、このように、再生部21に音量を下げさせる指示は、音声切替指示とも呼ばれる。一方、S5で通話要求受信部19が同時に再生しているコンテンツがないと判断した場合、通話要求受信部19は、一例として警告音を含むエラーメッセージを発信する(S9)。
【0043】
この実施形態においては、通話優先要求信号は、ユーザによる通話要求ボタン17の押下により、通話要求受信部19に入力され、通話要求受信部19がこれを音声切替信号として音声切替通信部25に送信する。
【0044】
通話要求ボタン17は、一例として
図3に示すように音声切替装置100の側面に設置されることができる。音声切替装置100のユーザが側面方向(紙面右から左)にこれを押下することによって、通話要求受信部19から通話優先要求信号が発信され、音声切替装置200の音声切替通信部25に送信される。
【0045】
通話優先要求信号の送信は、このボタンを通話の間、押し続けることによって送信されてもよい。また、通話優先要求信号の送信は、一回の通話要求ボタン17の押圧により、送信される方式でもよい。ボタンは、一回の押圧で押下された状態となる構造でもよいし、押圧されていないと復帰する構造でも構わない。また、通話優先要求信号の送信は、必ずしもボタンによるものには限定されない。通話優先要求信号の送信は、レバーや、キーボードの操作によって行うこともできる。
【0046】
本実施形態では、音声切替制御部24は、音声切替指示により、再生部21の動画音声の低下を指示しているが、代わりに又は同時に、音声切替制御部24は、通話部23の通話音声の音量増大を指示することができる。この場合、音声切替指示を受けた通話部23は、スピーカ203の出力を調整することにより、50dB以上の音声信号の音量を保持する。
【0047】
なお、上記の説明では音声切替装置100が通話優先要求信号を送信する場合について取り上げているが、音声切替装置200が通話優先要求信号を送信する場合にも、同様の処理の実行により、同様の機能が実現される。
【0048】
本実施形態は、コンテンツとして動画コンテンツをとりあげているが、必ずしも動画に限定されるものではない。コンテンツは、画像を伴わない音声のみの音声コンテンツであってもよい。
【0049】
また、本実施形態では、コンテンツの配信をサーバから受けているが、コンテンツの配信は、必ずしもサーバからである必要はない。コンテンツの配信は、音声切替装置間で行なわれてもよい。
【0050】
本実施形態では、音声切替装置100が、通話部13、音声切替通信部15、通話要求受信部19を、音声切替制御部14とは別に有しているが、通話部13、音声切替通信部15、通話要求受信部19の機能は、音声切替制御部14に組み込まれてもよい。また、本実施形態では、音声切替装置100が、コンテンツ受信部10、再生制御通信部12を再生部11とは別に有しているが、コンテンツ受信部10、再生制御通信部12の機能が、再生部11に組み込まれてもよい。
【0051】
本実施形態では、サーバ300のSIP通信部36が、音声切替装置100と音声切替装置200の間にセッションを形成したが、必ずしも音声切替装置100と音声切替装置200の間にセッションを確立する必要はない。コンテンツを同時再生する複数の音声切替装置からなるグループ中での通信が、すべてサーバ300のSIP通信部36を介して行う方式が取られてもよい。
【0052】
また、本実施形態では、サーバ300のSIP通信部36が、音声切替装置100と音声切替装置200の間にセッションを形成したが、セッションの形成は必ずしもSIPによる必要はなく、SIP以外の方法を使ってセッションを形成してもよい。
【0053】
上記説明は、音声切替装置100と音声切替装置200の2台の間にセッションが確立している場合についてであるが、コンテンツを同時再生する音声切替装置が3台以上の場合の説明も、同様である。
【0054】
本実施形態によれば、通話優先要求信号を受けた場合、再生中の動画音声の音量を低下させることにより、通話と動画視聴の両方を同時に行うことができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、通話要求ボタン17の押下が、通話要求受信部19に向けて、通話優先要求信号を発信させていた。通話優先要求信号の発信は、必ずしも、このような外部操作を伴うものではない。通話音声を電気信号に変換した音声信号そのものが通話優先要求信号であってもよい。
【0055】
第2の実施形態では、後述するように、着信した音声信号を変換した通話音声の音量を基準として、通話部13、23が、音声レベル判定部16、26の判定結果を元に、音声切替制御部14、24に、音声切替指示を発令させるか否かを判断する。この場合は、音声信号の音量に対して、一定の閾値が設定される。音声切替制御部14、24は、音声信号がこの閾値を上回った場合に音声切替指示を発令し、下回った場合には音声切替指示を発令しない。すなわち、一定の閾値を越えた音量の通話音声を変換した音声信号が、通話優先要求信号となる。
【0056】
図4は第2の実施形態の構成を表す。第2の実施形態の構成は、通話部13、23と接続した音声レベル判定部16、26を有する構成である。これらの相違点以外は、第1の実施形態の構成と同じである。
図4において各部をつなぐ実線は、
図1と同様、電気的な結合関係を示している。第2の実施形態の構成は、通話要求ボタン17、27、通話優先要求信号受信部19、29を有する構成でも、有さない構成でも構わない。
【0057】
図5は第2の実施形態の音声切替装置100の動作を表すシーケンスチャートである。S21〜S23−3は第1の実施形態におけるS1〜S3−3と同じ処理を行うステップである。音声切替装置100の通話部13が、ユーザが発声した通話音声をマイクロフォン104を通じて受信する(S24)。通話部13は、マイクロフォン104により通話音声から変換された音声信号を、音声切替装置200の通話部23に送信する(S25)。通話部23はこの音声信号を受信する(S26)。通話部23から音声信号を取得した、音声レベル判定部26は、取得した音声信号を変換した通話音声の音量が閾値50dBより大きいか否かを判定し、判定結果を通話部23に通知する(S27)。音声レベル判定部26が、大きいと判断した場合(S27:YES)、通話部23は、再生制御通信部22が送信する、再生中を示す再生信号の有無によって、同時に再生しているコンテンツが有るか否かを判断する(S29)。通話部23は、同時に再生しているコンテンツがあると判断した場合(S29:YES)、音声切替制御部24に音声切替指示の発令を指示する。
【0058】
音声切替制御部24は、再生部21に、音声切替指示を発令する。再生部21は、スピーカ202の出力を調整し、動画音声の音量を、60dB以下に下げる(S30)。音声レベル判定部26が、音声信号の音量が閾値50dB以下であると判定した場合(S27:NO)、後述する第4の実施形態で説明する助言が表示される。または、図示しない音声メッセージ記憶部に格納されたエラーメッセージが通話部23から通話部13に送信される(S28)。
【0059】
なお、上記は、音声切替装置100が音声信号を送信する場合について説明したものだが、音声切替装置200が音声信号を送信する場合にも、上記と同様の処理の実行により、上記と同様の機能が実現される。
【0060】
本実施形態では、音声切替制御部24は、音声切替指示により、再生部21の動画音声の音量低下を指示しているが、代わりに又は同時に、音声切替制御部24は、通話部23のスピーカ203から出力された通話音声の音量増大を、通話部23に指示することができる。この場合、音声切替指示を受けた通話部23は、スピーカ203の出力を調整することにより、50dB以上の音声信号の音量を保持する。
【0061】
本実施形態によれば、音声レベル判定部16の閾値は50dB、音声切替指示における動画音声の音量は60dBに設定されている。しかし、閾値は、必ずしもこれらの値である必要はなく、閾値、及び、音声切替指示における動画音声の音量は、必要に応じて適宜設定することができる。
【0062】
本実施形態によれば、通話音声を電気信号に変換した音声信号による通話優先要求信号を受けた場合、再生中の動画音声の音量を低下させることにより、通話と動画視聴の両方を同時に行うことができる。
(第3の実施形態)
通話優先要求信号は、画像を一時停止させる画像停止要求信号でもよい。第3の実施形態は、動画を一時停止することを命じる画像停止要求信号を通話優先要求信号として、音声切替制御部14、24が、再生部11、21に対して、音声切替指示を発令する。
【0063】
図6は第3の実施形態の構成を表す。第3の実施形態の構成は、音声切替装置100において、停止要求受信部101を、音声切替装置200において、停止要求受信部201を、それぞれ有する。その他は第1の実施形態の構成と同じである。第3の実施形態の構成は、通話要求受信部19、29、通話要求ボタン17、27を有する構成でも、有さない構成でも構わない。また、第3の実施形態の構成は、音声レベル判定部16、26を有する構成でも、有さない構成でも構わない。なお、
図1、
図4と同様、
図6の実線は、各部の電気的な結合関係を示している。
【0064】
図7は第2の実施形態の音声切替装置100の動作を表すシーケンスチャートである。S41〜S43−3は第1の実施形態におけるS1〜S3−3と同じである。第2の実施形態においては、セッションの確立後、再生部11、再生部21が同じ動画コンテンツを再生している。この再生の最中に、音声切替装置100の停止要求受信部101に、音声切替装置100のユーザによる、画像停止要求信号の入力が発生する(S44)。停止要求受信部101はこの画像停止要求信号を再生制御通信部12に送信する。
【0065】
再生制御通信部12は、再生部11に、再生中の画像を一時停止させる。また、この画像停止要求信号は、再生制御通信部12を介してサーバ300の再生制御通信部34に送信される(S45)。再生制御通信部34は、画像停止要求信号を受信する(S46)。再生制御通信部34から画像停止要求信号を受信して、音声切替装置100が再生画像を一時停止状態にあることを検出した再生状態管理部33は、セッション管理部35にこれを通知する。
【0066】
セッション管理部35は、S41で入力された装置番号に対応するSIP URIを確認して音声切替装置200を特定し、再生状態管理部33に通知する。再生状態管理部33は再生制御通信部34に、音声切替装置200の再生制御通信部22に向けて、画像停止要求信号を送信させる。再生制御通信部34は、音声切替装置200の再生制御通信部22に画像停止要求信号を送信する(S47)。この信号を受けた再生制御通信部22は、再生部21に動画の再生を一時停止させる(S48)。画像停止通話信号を受信した音声切替通信部25は、この画像停止通話信号を音声切替制御部24に送信する。音声切替制御部24は、一時停止後、再生部21に、動画音声の音量を60dB以下に下げさせて再生を再開させる。再生部21は、スピーカ202の出力を調整することにより、動画音声の音量を60dB以下に下げて、一時停止後、再生を再開する(S49)。なお、動画音声の音量は必ずしも60dB以下である必要はない。
【0067】
この実施形態で送信される画像停止要求信号は、画像を一時停止した後、所定の時間を経過した後に自動的に停止を解除され、一時停止が解除された後は、動画音声の音量が低下された状態での、通話が可能な状態となる。
【0068】
なお、本実施形態では、音声切替制御部24は、一時停止後、動画音声の音量を低下させて、再生部21に動画を再生させているが、音声切替制御部24は、一時停止後、通話部23に、通話音声を一定以上の音量に増大させてもよい。
【0069】
なお、この実施形態では、画像停止要求信号により、画像を一時停止した後、動画音声の音量が低下された状態で、動画を再開する例について説明したが、必ずしも動画が再開される必要はない。画像停止要求信号により、再生部21が動画の再生を一時停止した後、動画を静止画像として、音声切替制御部24が、通話部23に通話音声の音量を増大させる構成でもよい。
【0070】
なお、本実施形態は、音声切替装置100が画像停止要求信号を送信する場合について説明したものだが、音声切替装置200が送信する場合にも、上記と同様の処理の実行により、上記と同様の機能が実現される。
【0071】
また、本実施形態は、コンテンツとして動画コンテンツをとりあげているが、必ずしも動画に限定されるものではない。コンテンツは、画像を伴わない音声のみの音声コンテンツであってもよい。この場合、音声停止要求信号が、通話優先要求信号となる。なお、画像停止要求信号と音声停止要求信号は総称して、再生停止信号と呼ばれる。
【0072】
本実施形態によれば、画像停止要求信号である通話優先要求信号を受けた場合、再生中の動画音声の音量を低下させることにより、通話と動画視聴の両方を同時に行うことができる。
(第4の実施形態)
第2の実施形態では、音量レベル判定部16、26は、自身の通話部13、23が受けた通話音声の音量レベルが、閾値以下である場合、ユーザに対してエラーメッセージを出すよう、設定することができる。同じコンテンツを同時再生するグループの、すべての音声切替装置において、同一の閾値が設定されている場合は、このエラーメッセージによって、ユーザは自らの発する通話音声の音量が不足していることを知ることができる。したがって、それぞれの音声レベル判定部16、26に、独立にエラーメッセージ表示機能を設定することで、ユーザへのサポートが可能となる。
【0073】
しかし、音量の閾値は、音声切替装置100と音声切替装置200とで、それぞれが置かれた環境により異なることがある。例えば、音声切替装置100における閾値が、200における閾値より小さい場合、ユーザの発する通話音声が100の閾値より大きければ、音声切替装置200の閾値を下回っていても、音声切替装置100からエラーメッセージが発せられることはない。この場合、音声切替装置200の、音声切替制御部24は、音声切替指を発令しない。それぞれ異なる閾値が設定された音声切替装置のグループに対して、ユーザのサポートを可能とするには、通話音声を受信した音声切替装置から、通話音声を発信した音声切替装置に、エラーメッセージを発信し、ユーザにより大きな声で話すことを要請する必要がある。
【0074】
第4の実施形態は、第2の実施形態において、それぞれの音声切替装置の閾値が異なる場合でも、より大きな音量の音声信号を送信することを、ユーザに要請する表示を行う実施形態である。
【0075】
図8は第4の実施形態の構成を示す。第4の実施形態の構成は、
図4で示した実施形態2の構成に加えて、助言表示部18、28、助言配信部37を有する。第2の実施形態において設定された閾値を越えない音量の音声信号を音声レベル判定部26が検知した場合、通話部23は、助言表示部28に対し助言表示要求を指示する。助言表示部28は助言表示を要求する助言要求信号を助言配信部37に向けて発信する。
【0076】
図9は、助言要求信号の伝播経路を示す。音声切替装置200の音声レベル判定部26は、通話部23が受けた通話音声を取得し(A)、取得した通話音声の音量が、閾値より大きいか否かを判定する。音声レベル判定部26は、判定の結果を通話部23に通知する(B)。通話音声の音量が閾値以下であるという判定の場合、通話部23は助言表示部28に助言要求信号の発信を指示する(C)。助言表示部28は、サーバ300の助言配信部37に助言の配信を要求する助言要求信号を発信する(D)。助言配信部37は、助言要求信号を受信し、送信元が音声切替装置200であることを認識すると、セッション管理部35に、音声切替装置200とセッション中のSIP URIを問い合わせ(E)、音声切替装置100のSIP URIを取得する(F)。助言配信部37は、図示しないメモリから助言のデータを取得し、音声切替装置100の助言表示部18に助言のデータを送信する(G)。助言表示部18は助言データを受信し、画面40にこれを表示する(H)。
【0077】
助言の表示は、
図11(a)のような所定の図形の点滅する形態の指示マーク41であってもよいし、
図11(b)のような「もっと大きな声で話してください」等のメッセージで表された指示マーク41であってもよい。また、助言の表示は、
図11(c)のように、メッセージを画面40に走引させることによって行ってもよい。
【0078】
図10は、第4の実施形態の音声切替装置の動作を表すシーケンスチャートである。S27までのステップは、第2の実施形態と同じである。音声レベル判定部26が通話部23から取得した通話音声の音量が閾値以下と判定(S27:NO)した場合、この判定を通知された通話部23は、助言表示部28に助言配信を要求するよう指示する。助言表示部28は、サーバ300の助言配信部37に助言要求信号を送信する(S32)。
【0079】
サーバ300の助言配信部37は、この助言要求信号を受信する(S33)。サーバ300は、助言データを音声切替装置100の助言表示部18に送信する(S34)。助言表示部18は音声切替装置100の画面40に、指示マーク41で表される助言を表示する(S35)。
【0080】
なお画面40が、タッチパネルで構成されている場合、指示マーク41は、メッセージ表示の機能の他に、別の機能を持つことも可能である。例えば、大きな音量を求められた音声切替装置100のユーザが、指で指示マーク41に触れることにより、マイクロフォン104の感度が段階的に増大する、という方式が実現できる。この方式は、例えば、以下のような構成である。タッチパネルの指示マーク41にユーザの指が触れることにより、タッチパネルを構成するマトリクススイッチの指示マーク41の部分がON状態となり、マイクロスイッチに接続したマイクロフォン104の感度調整部の回路に信号が入力される。この信号によってマイクロフォン104の感度の大小が調整される。タッチパネルの方式は、マトリクススイッチ以外の方式でも構わない。マイクロフォン204は、マイクロフォン104と同様に感度を調整することができる。
【0081】
なお、必要に応じて、下限閾値<音量<上限閾値(第2の実施形態で設定した閾値)の範囲の音量を音声レベル判定部26が検出した場合に、通話部23は、助言表示部28に対して助言表示要求を指示するという、下限閾値の設定が可能である。このような下限閾値を設定することによって、ノイズレベルの音量を取り込んで助言表示が頻出する事態を避けることができる。下限閾値としては、一例として20dB(ささやき声レベル)程度の音量を設定することができる。
【0082】
なお、上記は、音声切替装置100の音声信号を受けた音声切替装置200が助言配信を要求する場合について説明したものだが、音声切替装置100が助言配信を要求する場合にも、上記と同様の処理の実行により、上記と同様の機能が実現される。
【0083】
本実施形態によれば、助言表示により、通話要求側が確実に通話優先要求信号を送信することができ、通話優先要求信号を受けた側が再生中の動画音声の音量を低下させることにより、通話と動画視聴の両方を同時に行うことができる。
(第5の実施形態)
第2の実施形態は、着信した通話音声の音量が一定の閾値を上回っているか否かで、通話部13、23が、音声切替制御部14、24に、音声切替指示の発令をさせるか否かを判断する。したがって、音声切替装置100、200のユーザは一定の音量以上の音声信号に変換し得る通話音声を発声する必要があり、このことを知らないユーザは、第4の実施形態のような助言配信部37からの信号を受けてはじめて通話が可能となる。
【0084】
これに対して、第5の実施形態は、通話音声の音量に閾値を設定せず、通話音声の音量に対して、一定の比率で動画の音量を下げる実施形態である。第5の実施形態では、音声レベル判定部26が、通話音声の音量と所定の比率から算出される設定音量を音声切替制御部24に通知し、音声切替制御部24は、再生部21にこの設定音量以下になるように、動画音量を下げさせる。音声レベル判定部16、26と音声切替制御部14、24の機能が上述するように異なる他は、第5の実施形態の構成は、
図4に示した第2の実施形態の構成と同じである。
【0085】
図12は第5の実施形態の音声切替装置の動作を表すシーケンスチャートである。S61〜S63−3は第1の実施形態におけるS1〜S3−3と同じである。音声切替装置100の通話部13が、ユーザが発声した通話音声を受信する(S64)。通話部13は、マイクロフォン104により通話音声を音声信号に変換して、音声切替装置200の通話部23に送信する(S65)。音声切替装置200の通話部23はこの音声信号を受信する(S66)。通話部23は、再生制御通信部22が送信する再生信号の有無によって、同時に再生しているコンテンツが有るか否かを判断する(S67)。通話部23が、有ると判断した場合(S67:YES)、通話部23は、音声レベル判定部26に音声信号をスピーカ203により変換した通話音声を出力する。音声レベル判定部26は、通話部23から取得した通話音声の音量に、あらかじめ定めた比率を乗算することによって、設定すべき動画音声の音量(設定音量)を決定(S68)し、通話部23に通知する。一例として、比率を1に設定した場合(音声信号の音量=動画音声の音量)、動画音声の設定音量は音声信号の音量が50dBの場合、これと等しい50dBとなる。
【0086】
通話部23は、音声切替制御部24に設定音量を通知する。音声切替制御部24は、再生部21に、動画音声の音量を、S69で決定した設定音量に設定させる。再生部21は、スピーカ203の出力を調整し、動画音声の音量を設定音量に設定する(S69)。
【0087】
本実施形態によれば、通話音声の音量に制限されることなく、通話要求側が確実に通話優先要求信号を送信することができ、通話優先要求信号を受けた側が再生中の動画音声の音量を低下させることにより、通話と動画視聴の両方を同時に行うことができる。
【0088】
なお、上記は、音声切替装置100が音声信号を送信する場合について説明したものだが、音声切替装置200が音声信号を送信する場合にも、上記と同様の処理の実行により、上記と同様の機能が実現される。
【0089】
本実施形態によれば、通話音声の音量に制限されることなく、通話要求側が確実に通話優先要求信号を送信することができ、通話優先要求信号を受けた側が再生中の動画音声の音量を低下させることにより、通話と動画視聴の両方を同時に行うことができる。
(第6の実施形態)
図13は、第6の実施形態の構成を表す。第6の実施形態は、音声付きの記録データを再生する再生部11と、通話機能を有する他の端末装置との通話を行う通話部13この再生中にこの音声付き記録データを受信して再生している、通話機能を有する、音声切替装置200から通話優先要求信号を受信すると、前記再生部11にこの再生の音量を低下させる音声切替制御部14と、音声切替装置200との通話を行う通話部13と、を備える音声切替装置100である。
【0090】
なお、音声切替装置200は、複数であっても構わない。
【0091】
本実施形態によれば、通話優先要求信号を受けた場合、再生中の動画音声の音量を低下させることにより、通話と動画視聴の両方を同時に行うことができる。