【0009】
(第1の実施形態)
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報提供装置の構成を表すブロック図である。
図1を参照すると、本実施形態の情報提供装置1は、集計部12と、コンテキスト影響度算出部13と、データ記憶部20と、情報提供部30とを含む。
データ記憶部20は、ユーザによるコンテンツの利用履歴の情報を記憶する。コンテンツの利用履歴の情報は、利用ログとも表記することにする。コンテンツ利用履歴の情報は、コンテンツ利用時のユーザのコンテキストの情報と、ユーザが利用したコンテンツの属性の情報とを含む。データ記憶部20が記憶するコンテンツの利用履歴の情報は、複数のユーザの利用履歴の情報であってよく、特定の一人のユーザの利用履歴の情報に限られるものではない。
本実施形態では、ユーザの状態を、例えば、「年齢」、「性別」、「職業」、酒好きか否かを表す「酒好き」、アクセス時のユーザの所在地である「現在のエリア」、アクセスを行った「時間帯」、アクセス時の「天気」等で記述する。コンテキストは、このような、ユーザの「年齢」、「性別」、「職業」、「現在のエリア」等ユーザの状態を表す個々の情報である。おのおののコンテキストが取りうる値は、各コンテキストに対応した複数の値のうちのいずれかの値である。例えばコンテキストが「性別」である場合、コンテキストの値は「男」又は「女」のいずれかである。コンテキストには、「性別」のように通常は変化しないものもあるが、「現在のエリア」や「時間帯」のように、刻々と変化する可能性があるものもある。
前述のように、コンテキストは、例えば、「年齢」、「性別」、「職業」、酒好きか否かを表す「酒好き」、アクセス時のユーザの所在地である「現在のエリア」、アクセスを行った「時間帯」、アクセス時の「天気」等である。以下では、例えばユーザの「性別」は「男」と「女」のうちの「女」であると言ったように、それぞれのコンテキストは、それぞれのコンテキストに対応した複数の値のうちのいずれかの値を取るものとして説明する。しかし、一つのコンテキストが複数の値を取ってもよい。また、一部のコンテキストに値がないユーザがいてもよい。この場合、後述の集計の際、例えば、複数の値を取るコンテキストは利用回数を重複してカウントし、値がないコンテキストはカウントしないようにすることができる。コンテキストの値には、例えば場所や時刻などのように、連続値でも表現できる値がある。このような場合、例えば、コンテキストの値が場所であれば、ある程度の広がりを持った領域を特定できる、例えば地名などで、コテンキストの値を表現すればよい。また、例えばコンテキストの値が時刻であれば、所定の時間の幅である、例えば19時台などの時間帯で、コンテキストの値を表現すればよい。
コンテキストは、図示しないユーザ端末に記憶されている情報や、ユーザ端末が含むセンサの測定値などである。コンテキストは、コンテンツへのアクセス時にアクセスを行ったユーザ端末によって端末内に蓄積又は情報提供装置1に送信される。また、端末内に蓄積されたコンテキストは、適宜情報提供装置1に送信される。
コンテンツは、例えば文字や画像、音声等で表現される情報のことである。コンテンツは、例えばURI(Uniform Resource Identifier)のような情報の所在を表し情報を特定できる情報であってもよい。また、コンテンツは、文字や画像、音声などで表される情報やURLを組み合わせたものであってもよい。
コンテンツの属性は、そのコンテンツのそのものに係る性質もしくはコンテンツの内容に係る性質のことである。コンテンツの属性の例として、例えばコンテンツが店舗や施設などの情報である場合、その店舗や施設を利用する「目的」や、その店舗や施設の所在地を表す「エリア」がある。他のコンテンツの属性の例としては、その店舗や施設の人気、利用者の人数、店舗や施設の情報の閲覧回数などの順位を表す「ランキング」等がある。また、飲食店の属性の例としては、例えば「予算」や「駅からの距離」等がある。また、例えば、画像を含むもの、映像を含むもの、音声を含むもの、文字だけのものなど、コンテンツを構成する媒体の種類が、コンテンツの属性であってもよい。さらに、店舗利用時の割引券やクーポン等の有無などがコンテンツの属性に含まれていてもよい。
情報選択基準は、上記の「目的」、「エリア」などコンテンツの属性を記述する個々の情報である。
各情報選択基準は、当該情報選択基準に応じた複数の値のうちのいずれかの値を取る。例えば、情報選択基準が「目的」である場合、情報選択基準が取りうる値が「お酒」、「カフェ」、「日常飯」、「勝負飯」、「エンタメ」であるとすると、それぞれのコンテンツの情報選択基準のうちの「目的」は、これらの値のうちのいずれかの値を取る。しかし、一つの情報選択基準が複数の値を取ってもよい。複数の値を取る情報選択基準が存在する場合、後述の利用回数の集計の際、情報選択基準が複数の値を取るコンテンツの利用回数1回につき、情報選択基準の値がそれらの複数の値それぞれであるコンテンツを1回ずつ利用したとして、利用回数をカウントすればよい。また、値が無い情報選択基準を持つコンテンツが存在してもよい。この場合、後述の集計の際、情報選択基準に値がなければカウントしなければよい。また、情報選択基準の値のうち、例えば場所などのように連続値で表現できる値は、場所であればある程度の広がりを持った領域を特定できる、例えば地名などで表現すればよい。
コンテンツ利用履歴の情報におけるコンテキストの情報は、コンテンツ利用時におけるコンテンツを利用したユーザの各コンテキストの値を含む。また、コンテンツ利用履歴の情報におけるコンテンツの属性の情報は、ユーザが利用したコンテンツの各情報選択基準の値を含む。
また、データ記憶部20は、コンテンツ利用履歴の情を、必ずしもひとまとまりのデータとして記憶しておく必要はない。例えば、データ記憶部20は、利用情報データと、コンテキストデータと、コンテンツ属性データとを別々に記憶しておいてもよい。上述の利用情報データは、コンテンツ利用の時刻と利用したユーザを特定するための情報と利用したコンテンツを特定するための情報を含むデータである。また、コンテキストデータは、時刻とその時刻におけるユーザの各コンテキストの値とを含むデータである。コンテンツ属性データは、コンテンツの各属性種別の値を含むデータである。
図10は、データ記憶部が、利用情報データと、コンテキストデータと、コンテンツ属性データとを別々に記憶する場合の、データ記憶部の構成の一例を表す図である。
図10に示すデータ記憶部20Bは、利用情報記憶部201と、コンテキスト情報記憶部202と、コンテンツ情報記憶部202とを含む。データ記憶部20Bは、利用情報記憶部201に利用情報データを、コンテキスト情報記憶部202にコンテキストデータを、コンテンツ情報記憶部202にコンテンツ属性データを記憶する。
図11、
図12、
図13は、それぞれ、利用ログデータ、コンテキストデータ、コンテンツ属性データの一例である。
データ記憶部20Bは、
図1のデータ記憶部20と入れ替えての動作が可能である。
コンテンツの情報選択基準は、多数のコンテンツから特定の種類のコンテンツを選択するために使用することができる情報である。例えば、情報選択基準のうちの「目的」の値が「お酒」であるコンテンツを選択することで、居酒屋のコンテンツを抽出することができる。
集計部12は、データ記憶部20が記憶する、ユーザによるコンテンツの利用履歴の情報から、各コンテキストが取りうる全ての値と所定の情報選択基準が取りうる全ての値の組み合わせで、コンテンツの利用回数を集計する。集計部12は、集計の結果をコンテキスト影響度算出部13に対し出力する。集計部12は、予め決められた情報選択基準に対して、集計を行う。なお、集計部12が集計を行う情報選択基準は、全ての情報選択基準であってもよいが、必ずしも全ての情報選択基準でなくてよい。集計部12は、例えば、全ての情報選択基準ではなく、予め選択した1個以上の情報選択基準に対し集計を行ってもよい。また、図示しない入力部により、集計を行う1個以上の情報選択基準をユーザが指定する構成にしてもよい。
図1のデータ記憶部20をデータ記憶部20Bと入れ替えた場合、集計部12は、利用情報データ、コンテキストデータ、コンテンツ属性データから、
図3に示すコンテンツ利用履歴の情報を作成してから集計を行ってもよい。あるいは、集計部12は、
図3に示すようなコンテンツ履歴の情報は作成せず、利用情報データ、コンテキストデータ、コンテンツ属性データから、データ間の対応を取りながら、直接集計を行ってもよい。
集計部12は、集計した利用回数をそのまま集計結果にすればよい。集計部12は、集計した利用回数に対し、例えば正規化を行ったり、全利用回数に対する割合を算出したり、対数を取るなど、何らか処理を行った結果をスコアとして算出し、算出したスコアを集計結果とすることもできる。後述の例は、利用回数の合計をそのままスコアとしたものである。
コンテキスト影響度算出部13は、集計部12による集計の結果から、所定の情報選択基準に対する各コンテキストの連関の大きさを表す影響度を算出する。影響度を算出する情報選択基準は、一つであっても、複数であってもよい。影響度を算出する情報選択基準は、予め決められていてもよく、ユーザが図示しない入力部により選択して決めるようにしてもよい。なお、集計部12は、必ずしも全ての情報選択基準に対して集計を行う必要はない。
前述の連関とは、それぞれ複数個の値のうちいずれかの値を取るような、2変量間の関連を意味する。例えば「連関が大きい」とは、前記の2変量間の関連が大きいことを意味する。この場合、一方の変量がそれぞれの値を取る確率は、他方の変量が取る値によって大きく異なる。一方、「連関が小さい」とは前記の2変量間の関連が小さいことを意味する。この場合、一方の変量がそれぞれの値を取る確率は、他方の変量が取る値が変わっても、大きく変化しない。一般に、連関の大きさを表す指標は連関係数(coefficient of association)と呼ばれる。
影響度は、ある情報選択基準に対するあるコンテキストの影響の大きさの程度を表す数値である。すなわち、影響度は、あるコンテキストが取る値の違いによる、ある情報選択基準の値が選ばれる確率の変動の大きさの度合いを表す数値である。コンテキスト影響度算出部13は、コンテキストと情報選択基準との間の連関係数を算出し、算出した連関係数を影響度とすることができる。
コンテキスト影響度算出部13は、ある情報選択基準に対するあるコンテキストの影響度の算出を、例えば次のようにして行う。
コンテキスト影響度算出部13は、まず、当該情報選択基準の値と当該コンテキストの値との組み合わせのそれぞれに対する集計結果のスコアを、マトリクスの形にする。次に、コンテキスト影響度算出部13は、そのマトリクスから、当該情報選択基準と当該コンテキストとの間の連関係数を算出する。コンテキスト影響度算出部13は、算出した連関係数を、当該情報選択基準に対する当該コンテキストの影響度とする。
コンテキスト影響度算出部13は、連関係数として、例えばクラメール(Cramer)の連関係数を使用することができる。また、コンテキスト影響度算出部13は、ユール(Yule)の連関係数など他の連関係数を使用することもできる。また、コンテキスト影響度算出部13は、情報選択基準に対するコンテキストの影響の大きさを表す値であれば、他の値を影響度としてもよい。
コンテキスト影響度算出部13は、影響度算出の対象となる全ての情報選択基準に対して、各コンテキストの影響度の算出を行う。コンテキスト影響度算出部13は、算出した影響度の情報を、情報提供部30に対して出力する。
情報提供部30は、コンテンツを提供する対象のユーザ端末から入力した現在のコンテキストの値(カレント値)とそれぞれの影響度とをもとに、ユーザが所望するコンテンツを推定して選択し、選択したコンテンツをそのユーザ端末に提供する。本発明の情報提供装置1は、ユーザ端末からの要求に対してコンテンツの提供を行えばよく、また、ユーザ端末からの要求の有無に関わらず、コンテンツの提供を行ってもよい。情報提供装置1がユーザ端末からの要求に対してコンテンツの提供を行う場合、情報提供装置1は、コンテンツの提供の要求と共に現在のコンテキストの値を受け取ればよい。その場合、情報提供装置1は、ユーザ端末が情報提供装置1に対しコンテンツの要求を行った時のコンテキストの値を、現在のコンテキストの値にすることができる。ユーザ端末からの要求にかかわらずコンテンツの提供を行う場合、情報提供装置1は、コンテンツの提供の前に、ユーザ端末に対しコンテキストの値を送信するよう要求を行い、コンテキストの値を受け取っておけばよい。ユーザ端末はその要求に応じて情報提供装置1にコンテキストの値を送信すればよい。この場合、情報提供装置1は、ユーザ端末がコンテキストの値を送信した時のコンテキストの値を、現在のコンテキストの値にすることができる。
ユーザが所望するコンテンツを推定は、例えば、ユーザが所望するコンテンツの情報選択基準の値、すなわち、属性種別の値を推定することで行う。情報提供部30は、推定した情報選択基準の値を持つコンテンツをデータ記憶部20から選択して、コンテキストの値の送信を行った端末(カレント端末)に送信することで、ユーザに対するコンテンツの提供を行う。情報提供部30は、条件に合致したコンテンツが複数存在すれば複数のコンテンツを提供すればよい。条件に合致したコンテンツがしない場合は、情報提供装置1は、通常の情報検索装置のように、ユーザに情報検索の条件を入力させて検索させるなどすればよい。ユーザが所望するコンテンツを選択するための情報選択基準の値の推定は、例えば、選択したコンテキストのカレント値から、所定のテーブルなどにより情報選択基準の値を決めることで行うことができ、また、次のようにして行うこともできる。
前述のように、情報提供部30は、コンテキスト影響度算出部13が算出したそれぞれの影響度を受け取る。情報提供部30は、受け取ったそれぞれの影響度に基づき、コンテキストのうち、コンテンツを選択するための情報選択基準に対する影響が大きいコンテキストを選択する。そして、情報提供部30は、選択したコンテキストの現在の値のみを用いて、コンテンツを選択するための情報選択基準の値の決定を行う。この、情報選択基準の値を決定の手順は、例えば、次のようなものである。まず、情報提供部30は、コンテンツ利用履歴により、コンテキストの値が前記のカレント値であるユーザが、情報選択基準のそれぞれの値を持つコンテンツにアクセスする確率を求める。情報提供部30は、求めた確率が大きい、情報選択基準の値を、ユーザが所望するコンテンツを選択するための情報選択基準の値として決定する。
情報提供部30は、例えば次のように、決定した情報選択基準の値を持つコンテンツを選択して、ユーザに提供する。情報提供部30は、まず、例えばデータ記憶部20が記憶するコンテンツの属性の情報から、情報提供基準の値が前記の決定した値であるコンテンツを検索する。情報提供部30は、情報提供基準の値が前記の決定した値であるコンテンツが存在すれば、当該コンテンツを特定するための情報を検索結果とする。データ記憶部20が記憶するコンテンツの属性の情報は、例えば
図13に示す例のように、コンテンツを特定するための情報とコンテンツの属性の情報とを含み、利用履歴やコンテキストの情報を含まない形であれば、抽出を行うのに都合がよい。
情報提供部30は、検索結果である、コンテンツを特定するための情報をもとに、ユーザに提供するコンテンツを選択して、ユーザに提供する。情報提供部30は、ユーザへのコンテンツの提供を、例えば携帯端末等のユーザが使用するユーザ端末に、選択したコンテンツを送信することで行う。
コンテンツは、例えば、データ記憶部20に記憶しておくことができる。この場合、情報提供部30が、データ記憶部20に記憶してある複数のコンテンツから、ユーザに送信するコンテンツを選択し、図示しないユーザ端末に送信すればよい。また、情報提供部30は、図示しない他のコンテンツサーバに存在する複数のコンテンツから選択してもよい。また、データ記憶部20が記憶するデータ又は図示しないコンテンツサーバのデータをもとに、情報提供部30がコンテンツを作成してもよい。
各コンテンツの情報選択基準の値は、同様に、データ記憶部20に記憶しておくことができる。情報選択基準の値は、対応するコンテンツを特定できる形で記憶してあればよく、例えば
図10に示すように、データ記憶部20Bのコンテンツ情報記憶部203にまとめて記憶しておけばよい。また、各コンテンツの情報選択基準の値は、コンテンツに含まれる形で記憶しておいてもよい。
情報提供部30が行うコンテンツの選択及び提供方法は、情報提示対象ユーザのコンテキストの値のうち、コンテンツを選択するための情報選択基準に対する影響の大きいコンテキストの値のみを使用する方法であれば、上記によらず既存の他の方法であってもよい。
なお、集計部12による集計及びコンテンツ影響度算出部13による連関係数の算出の対象となる、コンテンツの選択を行うための情報選択基準は、集計部12による集計の時点で決まっていればよい。コンテンツの選択を行うための情報選択基準は、予め決めておくことも、例えばユーザ端末からの入力により決定することもできる。
また、コンテキストのカレント値は、例えば、図示しない入力部により、予めユーザに入力させておけばよい。コンテキストの値のうち、センサによる計測が必要な値は、例えばユーザ端末が含むセンサにより、自動的に計測すればよい。コンテキストの値のうち、例えば、時刻などユーザによる入力を介さずに取得できる値は自動的に取得すればよい。
次に、本実施形態の情報提供装置1の動作を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施形態の情報提供装置1の動作を表すフローチャートである。
情報提供装置1は、例えば、図示しないユーザ端末を介して、ユーザから情報提供の要求を受けて動作を開始する。情報提供装置1は、あるいは、例えば所定の時刻になると、ユーザ端末からの要求の有無に関わらず動作を開始してもよい。また、例えば、ユーザ端末が断続的にセンサなどで計測した自身の位置情報を情報提供装置1に送信し続け、情報提供装1置はユーザ端末の位置が所定の地域に入った場合に動作を開始するような構成にしてもよい。コンテキスト影響度算出部13が影響度を算出する情報選択基準が予め決まっていない場合、ユーザ端末は、影響度を算出する対象となる情報選択基準の指定するための情報を情報提供装置1に送信する。この場合、ユーザが指定した情報選択基準の指定は、少なくともコンテキスト影響度算出部13には送られる。影響度を算出する対象となる情報選択基準が予め決まっている場合、情報提供の要求は、条件等を含んだものである必要はなく、情報の提供を要求するものであればよい。
図2を参照すると、まず集計部12は、利用録記憶部20から、ユーザによるコンテンツの利用履歴である利用ログを読み出す(ステップS11)。
図3は利用ログの一例の構成を表す図である。
図3の利用ログは、利用情報部と、コンテキストデータ部と、コンテンツ属性データ部とを含む。利用情報部は、コンテンツを利用したユーザを特定する情報や利用したコンテンツを特定する情報を含む。コンテキストデータ部は、アクセス時のユーザの状態を表すコンテキストの情報を含む。コンテンツ属性データ部は、ユーザがアクセスしたコンテンツの属性の情報を含む。
図3は利用ログの例であり、利用ログの構成は
図3に示す構成に限られるものではない。
図3に示す利用ログの例において、例えば、1番目のコンテンツ利用記録(表の3行目)は、2010年2月1日の19時00分01秒に、ユーザ01がアイテム01と言うコンテンツを閲覧したことを表す。また、閲覧時におけるユーザ01のコンテキストは、コンテキスト「現在地」の値が「エリア1」であり、コンテキスト「時間帯」の値が「19時台」であることを表す。さらに、ユーザ01が閲覧したコンテンツ「アイテム01」の属性種別(情報選択基準)は、情報選択基準「目的」の値が「お酒」であり、情報選択基準「エリア」の値が「エリア1」であることを表す。
次に、集計部12は、それぞれのコンテキストが取りうる値のそれぞれと集計の対象とするそれぞれの情報選択基準が取りうるそれぞれの値との組み合わせ毎に、ユーザによるコンテンツの利用回数を集計する(ステップS12)。集計部12は、集計した利用回数に所定の処理を行い、スコアを算出する。集計部12は、集計結果の利用回数に対する処理を行わず、利用回数をスコアとしてそのまま使用してもよい。集計部12は、集計結果のデータを、コンテキスト影響度算出部13に対し出力する。
図4は、集計部12が集計を行った集計結果の一例を表す図である。
図4は、利用回数をそのままスコアとした例である。例えば、
図4の集計結果の1番目(表の2行目)のデータは、コンテキスト「現在地」の値が「エリア1」であるユーザが、情報選択基準「目的」の値が「お酒」であるコンテンツを利用した回数が12回であることを表す。
次に、コンテキスト影響度算出部13は、集計部12が出力した集計結果から、各コンテキストと各情報選択基準との連関の大きさを表す影響度を、それぞれ算出する(ステップS13)。前述のように、コンテキスト影響度算出部13は、あるコンテキストとある情報選択基準との間の連関係数の算出を、例えば次のように行えばよい。
まず、コンテキスト影響度算出部13は、各コンテキストのそれぞれの値と各情報選択基準のそれぞれの値と組み合わせに対する集計結果のスコアを、マトリクスの形にする。コンテキスト影響度算出部13は、例えば、1個のコンテキストと1個の情報選択基準の組に対して、集計結果を表す1個のマトリクスを生成すればよい。
図5はマトリクスで表現した、集計結果のスコアの例である。
図5の例は、コンテキストの一つである「現在のエリア」のそれぞれの値と、情報選択基準の一つである「目的」のそれぞれの値との組み合わせに対する集計結果である。
図5の例では、コンテキストの一つである「現在のエリア」が取りうるそれぞれの値「エリア1」、「エリア2」、「エリア3」、「エリア4」が、マトリクスのそれぞれの行に対応する。また、情報選択基準の一つである「目的」が取りうる値「お酒」、「カフェ」、「日常飯」、「勝負飯」、「エンタメ」が、マトリクスのそれぞれの列に対応する。
図5の例において、最も左上の数値は、コンテキスト「現在地」の値が「エリア1」であるユーザが、情報選択基準「目的」の値が「お酒」であるコンテンツを利用した回数が12回であることを表す。
コンテキスト影響度算出部13は、マトリクスの形にした、コンテキストのそれぞれの値と情報選択基準のそれぞれの値との組み合わせに対する集計結果のスコアから、対応するコンテキストと情報選択基準の連関係数を算出する。前述のように、コンテキスト影響度算出部13が算出する連関係数は、例えば、クラメールの連関係数や、ユールの連関係数、あるいは他の連関係数である。
図6は、算出した連関係数の一例を表す図である。
図6の例では、それぞれの要素の数値は、それぞれの列に対応する情報選択基準に対する、それぞれの行に対応するコンテキストの連関係数を表す。例えば「目的」の行の数値は、情報選択基準「目的」とそれぞれのコンテキストとの間の連関係数である。
図6の例において、例えば最も左上の数値は、情報選択基準「エリア」とコンテキスト「年齢」との間の連関係数が0.2であることを表す。
コンテキスト影響度算出部13は、算出した連関係数を、その連関係数に対応する情報選択基準に対する、同じ連関係数に対応するコンテキストの影響度とする。
図7は、情報選択基準に対するそれぞれのコンテキストの影響度の例を表す図である。
図7では、情報選択基準が「目的」である場合以外の影響度は省略して記載しているが、
図7は、例えば「エリア」や「ランキング」等の他の情報選択基準に対する各コンテキストの影響度も含む。
コンテキスト影響度算出部13は、情報提供部30に対して、算出した影響度を出力する。
情報提供部30は、所定の情報選択基準に対する影響度の高いコンテキストを選択する(ステップS14)。
次に情報提供部30は、選択した影響度の高いコンテキストをもとに、情報選択基準の値を推定し、推定した情報選択基準の値をもとに、ユーザに提供するコンテキストを選択する(ステップS15)。この情報提供部30が行う情報選択基準の値の推定は、後述する方法で行ってもよく、他の既知である方法で行ってもよい。
以上で説明した本実施形態の情報提供装置1及び以下で説明する他の実施形態の情報提供装置は、コンピュータと、コンピュータを制御するプログラムとで実現できる。
本実施形態には、大きい処理コストが不要で、ユーザが所望する情報を精度よく選択しユーザに提供することができるという効果がある。
その理由は、本実施形態の情報提供装置1は、情報の選択を行うための情報選択基準に対する、それぞれのコンテキストの影響の大きさを表す影響度を算出するからである。本実施形態の情報提供装置1は、前述の影響度を算出するので、情報提示部は、情報の選択を行うための情報選択基準の値を推定に、該情報選択基準に対する影響度が大きいコンテキストのみを使用することができる。これにより、該情報選択基準に対する影響度の小さいコンテキストによる該情報選択基準の値の推定結果に対する悪影響を、排除することができる。
以上では、集計部12はそれぞれのコンテキストに対し集計を行い、コンテキスト影響度算出部13はそれぞれのコンテキストの影響度を算出するものとして説明を行った。しかし、集計部12が、既存のコンテキストに加え、2つ以上のコンテキストの組み合わせを、新たなコンテキスト(組み合わせコンテキスト)として集計を行ってもよい。この場合、集計部12は、例えば予め決められたコンテキストの組み合わせを新たなコンテキストとすればよい。また、コンテキスト影響度算出部13は、コンテキストの情報選択基準に対する影響度と同様にして、組み合わせコンテキストの情報選択基準に対する影響度を算出すればよい。さらに、情報提供部30は、組み合わせコンテキストを、コンテキストと同等に扱えばよい。すなわち上記の説明におけるコンテキストは、組み合わせコンテキストを含むものとすることができる。
ただし、組み合わせコンテキストの影響度の値が、該組み合わせコンテキストが含む各コンテキストの影響度の値より大きい場合、コンテキスト影響度算出部13は、該組み合わせコンテキストが含む各コンテキストの影響度を削除する。また、組み合わせコンテキストの影響度の値が、該組み合わせコンテキストが含むいずれかのコンテキストの影響度の値より小さい場合、コンテキスト影響度算出部13は、該組み合わせコンテキストの影響度を削除する。コンテキスト影響度算出部13は、影響度の削除を、例えば、影響度の値を最も影響が小さいことを表す値(例えば0)にすることで行えばよく、また、影響度の値そのものを無くしてもよい。コンテキスト影響度算出部13による影響度の削除は、影響度が削除されたコンテキストが、情報提供部30によって当該情報選択基準に対する影響の大きいコンテキストとして選択されなくなるように行われるものであればよい。
情報提供部30は、コンテキスト影響度算出部13が算出した影響度に基づき、各コンテキストから当該情報選択基準に対する影響の大きいコンテキストを選択する。ただし、前述のように、影響度が削除されたコンテキストは、当該情報選択基準に対する影響の大きいコンテキストとして選択されない。情報提供部30は、さらに、選択したコンテキストのカレント値をもとに当該情報選択基準の値を決定する。情報提供部30は、決定した情報選択基準の値をもとにコンテンツを選択し、図示しないユーザ端末に提供する。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る情報提供システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
図8は本実施形態の情報提供システムの構成を表す図である。
図8を参照すると、本実施形態の情報提供システムは、情報提供装置1Aと、ユーザ端末2とを含む。本実施形態の情報提供装置1Aは、データ記憶部20Aと、集計部12とコンテキスト影響度算出部13Aと、情報利用度算出部31と情報選択部32とを含む情報提供部30Aと、を含む。ユーザ端末2は、表示部41と、利用ログ送信部42とを含む。簡単のため
図9には1台のユーザ端末2のみ記載しているが、ユーザ端末は1台である必要はなく、複数台存在していてよい。また、データ記憶部20Aは、
図10に示すデータ記憶部20Bと同様の構成であってもよい。
本実施例の情報提供装置1Aは、
図1に記載の情報提供装置1と比較して、情報利用度算出部31と、情報選択部32とを含む情報提供部30Aを含む点が異なる。更に、データ記憶部20Aがユーザ端末2の利用ログ送信部42から利用ログのデータを受信する点が異なる。また、コンテキスト影響度算出部13Aが情報提供部30Aに対し出力した影響度の情報は、情報提供部30Aの情報利用度算出部31に入力される。
以下、
図1に示す第1の実施形態の情報提供装置1との相違点を中心に説明を行う。集計部12は、第1の実施形態の情報提供装置1の集計部12と同じであるので、説明を省略する。
コンテキスト影響度算出部13Aの、影響度を算出する処理は、第1の実施形態の情報提供装置1のコンテキスト影響度算出部13の、影響度を算出する処理と同じであるので、影響度の算出の説明は省略する。コンテキスト影響度算出部13Aは、算出した影響度を、情報利用度算出部31に対して出力する。
情報利用度算出部31は、コンテキスト影響度算出部13Aから受信した影響度の情報をもとに、情報を提示する対象のユーザによる利用されやすさを表す値である利用度を、所定の情報選択基準が取りうる値ごとに算出する。情報利用度算出部31が利用度の算出を行う情報選択基準は、集計部12がコンテンツの利用回数の集計を行った情報選択基準の全て又は一部である。利用度の算出対象の情報選択基準は、予め決めておいたものであってもよく、また、図示しない入力部により例えばユーザが選択するものであってもよい。
情報利用度算出部31は、利用度の算出を、例えば次のようにして行う。
情報利用度算出部31は、まず、コンテキスト影響度算出部13Aから受信した影響度の情報に基づき、所定の情報選択基準に対する影響が大きいコンテキストを、所定の方法により選択する。情報利用度算出部31は、例えば、算出した影響度に基づき所定の情報選択基準に対する影響が大きいコンテキストを、影響が大きい方から所定の個数だけ選択すればよい。また、情報利用度算出部31は、例えば、影響度が所定の閾値以上のコンテキストを選択してもよい。情報利用度算出部31は、算出した影響度の最大値に対する各コンテンツの影響度の割合を計算し、計算した割合が所定の閾値以上であるコンテキストを選択してもよい。情報利用度算出部31は、あるいは、他の既存の方法で選択を行うこともできる。
次に、情報利用度算出部31は、情報提供装置1Aがコンテンツを提供する対象となるユーザの、選択した上記のコンテキストのカレント値をもとに、コンテンツの所定の情報選択基準が取りうる値ごとに利用度を算出する。利用度とは、当該ユーザがコンテンツを利用する可能性の程度を表す値である。利用度は、例えば過去の利用履歴をもとにした確率である。また、利用度は、詳細は後述するが例えば式2の右辺で表されるような、過去の利用履歴をもとにした確率と相関のある他の値であってもよい。この過去の利用履歴は、コンテンツを提示する対象となるユーザの利用履歴に限られるものではなく、多数のユーザの利用履歴であってもよい。また、この過去の利用履歴は、データ記憶部20が記憶する利用履歴でも、別途収集した利用履歴であってもよい。
数1で、C1j1、C2j2、・・・、Cnjnは、コンテンツの提供の対象となるユーザのコンテキストのうち、情報利用度算出部31が選択したコンテキストのカレント値である。Gi(i=1、・・・、N)は、所定の情報選択基準が取りうる値である。nは選択したコンテキストの個数であり、Nは上記の所定の属性種別が取りうる値の個数である。このとき、当該ユーザが、上記の所定の情報選択基準の値がGiであるコンテンツを選択する確率は、数1に示す式で算出される。上記の確率を利用度とする場合、情報利用度算出部31は、数1で算出される値を、情報選択基準の値がGiである場合の利用度とする。
【数1】
数1は、所定の一つの情報選択基準のi番目の値の、利用度を表す式である。複数の情報選択基準に対して利用度の計算を行う場合、情報利用度算出部31は、同様にして各情報選択基準の各値の利用度を計算する。ただし、上記のNやnの値は、各情報選択基準に応じた値となり、必ずしも全ての情報選択基準で同じ値であるとは限らない。
情報利用度算出部31は、数1の左辺の値を、例えば過去の利用履歴から直接計算してもよい。また、情報利用度算出部31は、例えば過去の利用履歴から予め計算しておいた数1の右辺を構成するそれぞれの確率の値を、数1の右辺に代入して計算を行うことで、数1の左辺の値を計算してもよい。
数1の式の右辺の分母は、C1j1、・・・Cnjnによって決まる値であり、Giによらない。そこで、情報利用度算出部31は、数1の式の右辺の分子の値である、数2の右辺で算出される値を、利用度としてもよい。また、情報利用度算出部31は、数1や数2の右辺で算出される値ではなく、可能性の程度を表す値を算出する他の既存の方法により、利用度を算出してもよい。
【数2】
情報利用度算出部31は、利用度の算出対象となる全ての情報選択基準の全ての値に対し利用度を算出し、算出した利用度の情報を情報選択部32に送信する。
情報選択部32は、情報利用度算出部31から受信した利用度をもとに、下記の選択法により、ユーザが利用する可能性が高いコンテンツを、ユーザに提供するコンテンツとして選択し、ユーザ端末2に送信する。
情報選択部32は、例えば、所定の一つ以上の情報選択基準の値の中で、受信した利用度に基づき、ユーザによって利用される可能性が最も高い値を情報選択基準の値として持つコンテンツを、ユーザに送信するためのコンテンツとして選択する。あるいは、所定の一つ以上情報選択基準の値の中で、ユーザによって利用される可能性が高い方から2個以上の値を選択し、選択した値のいずれかを情報選択基準の値として持つコンテンツを、ユーザに送信するためのコンテンツとして選択してもよい。情報選択部32は、条件に合致したコンテンツが複数存在すれば複数のコンテンツを提供すればよい。条件に合致したコンテンツがしない場合は、情報提供装置1Aは、通常の情報検索装置のように、ユーザに情報検索の条件を入力させて検索させるなどすればよい。
前述のようにコンテンツは、例えば、データ記憶部20に記憶しておくことができる。この場合、情報選択部32が、データ記憶部20に記憶してある複数のコンテンツから、ユーザに送信するコンテンツを選択し、ユーザ端末2に送信すればよい。また、情報選択部32は、図示しない他のコンテンツサーバに存在する複数のコンテンツから、ユーザに送信するコンテンツを選択してもよい。また、データ記憶部20が記憶するデータ又は図示しないコンテンツサーバのデータをもとに、情報選択部32がコンテンツを作成してもよい。
ユーザ端末2は、表示部41と、利用ログ送信部42を含む。ユーザ端末2は、例えば、情報提供装置1Aとネットワークを介して通信可能に接続されたコンピュータや携帯端末等で実現できる。
ユーザ端末2は、情報提供装置1Aから受け取ったコンテンツを、ディスプレイ等の表示部41を介して、例えばブラウザなどのソフトウェアにより、ユーザに対して表示する。ユーザは、図示しない入力部等により、表示部41に表示されるコンテンツから、見たいコンテンツを選択して閲覧するなどして、コンテンツを利用する。
ユーザが表示されたコンテンツを利用すると、利用ログ送信部42が、利用ログの情報を取得し情報提供装置1Aに送信する。
利用ログ送信部42が送信する利用の記録は、例えばユーザ端末2が、ユーザによるコンテンツへのアクセスが発生した時に、既存の任意の方法で取得しユーザ端末2上に記録したものである。ただし、ユーザ端末2が利用履歴の全ての情報を送信する必要はない。例えば、ユーザ端末2は、ユーザに入力させるなどして取得した、コンテンツ利用時のユーザのコンテキスト情報を送信し、他の装置がコンテキスト情報以外の情報を記録し送信する構成にすることもできる。利用ログの情報を受け取った情報提供装置1Aは、受け取った利用ログをデータ記憶部20Aに記憶する。
次に、本実施形態の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本実施形態の動作を表すフローチャートである。
図9のステップS21〜ステップS24は、
図2に示す第1の実施形態に係る情報推薦装置の動作におけるステップS11〜ステップS14と同じであるので、説明を省略する。
情報利用度算出部31は、受け取った影響度の情報をもとに、所定の情報選択基準に対する影響の大きいコンテキストを所定の方法により選択する。情報利用度算出部31は、情報提供の対象となるユーザの現在のコンテキストのうちの、選択したコンテキストの値をもとに、当該情報選択基準が取りうる値のそれぞれに対し、利用度を算出する(ステップS25)。利用度を算出する情報選択基準が複数存在する場合は、それぞれの情報選択基準に対し、個別に利用度の算出を行う。以下の説明は、利用度の算出の動作を説明するための例である。
下記の例では、情報利用度算出部31は、所定の情報選択基準に対する影響度の値が大きい方から3個のコンテキストを、当該情報選択基準に対する影響の大きいコンテキストとして選択する。また、利用度を計算し各値の利用度の算出を行う対象の情報選択基準は、「目的」である。情報選択基準「目的」が取りうる値は、「お酒」、「カフェ」、「日常飯」、「勝負飯」、「エンタメ」である。そして、情報利用度算出部31は、情報選択基準「目的」に対する影響の大きいコンテキストを、
図7に示した影響度をもとに選択する。この場合、情報利用度算出部31は、「時間帯(影響度0.8)」、「次の推定エリア(影響度0.7)」、「現在のエリア(影響度0.6)」を、情報選択基準「目的」に対する影響が大きいコンテキストとして選択する。
上述の場合、選択するコンテキストの数は3なので、数1のnはn=3となる。C1j1、C2j2、C3j3は、それぞれ、「時間帯」の値、「次の推定エリア」の値、「現在のエリア」の値である。また、G1〜G5は、それぞれ、情報選択基準「目的」が取りうる値である「お酒」、「カフェ」、「日常飯」、「勝負飯」、「エンタメ」である。
例えば、「時間帯」の値がC1j1=19時台、「次の推定エリア」の値がC2j2=新橋、「現在のエリア」の値がC3j3=品川である場合に、数1で算出される、Gi(i=1〜5)のそれぞれの確率は次の通りである。
P(G1=お酒|C1j1=19時,C2j2=新橋,C3j3=品川)=0.7
P(G2=日常飯|C1j1=19時,C2j2=新橋,C3j3=品川)=0.2
P(G3=勝負飯|C1j1=19時,C2j2=新橋,C3j3=品川)=0.1
P(G4=カフェ|C1j1=19時,C2j2=新橋,C3j3=品川)=0.0
P(G5=エンタメ|C1j1=19時,C2j2=新橋,C3j3=品川)=0.0
数1で算出される確率を利用度とする場合、これらの値が利用度である。「目的」以外の情報選択基準に対しても利用度を算出する場合は、当該情報選択基準が取りうるそれぞれの値に対して、数1に従って確率を計算し、計算した確率を利用度とする。
情報利用度算出部31は、算出した利用度の情報を、情報選択部32に対して送信する。
情報選択部32は、情報利用度算出部31から受け取った利用度の情報をもとに、所定の基準によりコンテンツを選択し(ステップS26)、選択したコンテンツのデータを、ユーザ端末2に送信してユーザに提供する(ステップS27)。
例えば、情報選択部32が、利用度の値が最も大きい情報選択基準の値を属性種別の値として持つコンテンツのみを選択して表示するとする。上記の利用度の例では、情報選択基準「目的」の値が「お酒」である場合の利用度の値が最も大きい。この場合、情報選択部32は、情報選択基準「目的」の値が「お酒」であるコンテンツを、ユーザに提示するコンテンツとして選択する。
ユーザは、ユーザ端末2の表示部41が表示するコンテンツを利用する(ステップS28)。
利用ログ送信部42は、ユーザによるコンテンツ利用記録の情報を、情報提供装置1Aに送信する(ステップS29)。
情報提供装置1Aのデータ記憶部20Aは、ユーザ端末2の利用ログ送信部42から受け取ったコンテンツ利用記録の情報を記憶する(ステップS30)。
本実施形態には、第1の実施形態の効果に加えて、ユーザに提供する情報の選択の精度を向上できるという効果がある。
その理由は、本実施形態の情報利用度算出部31が、コンテンツ提供対象のユーザの現在のコンテンツの値をもとに、コンテンツの属性種別の値ごとに算出した、当該ユーザが利用する可能性の程度を表す利用度によって、コンテンツの選択を行うからである。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2010年6月24日に出願された日本出願特願2010−143684を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。