特許第5804084号(P5804084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東レ株式会社の特許一覧
特許5804084個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法
<>
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000011
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000012
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000013
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000014
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000015
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000016
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000017
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000018
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000019
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000020
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000021
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000022
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000023
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000024
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000025
  • 特許5804084-個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法 図000026
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5804084
(24)【登録日】2015年9月11日
(45)【発行日】2015年11月4日
(54)【発明の名称】個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法、接着剤シートを用いた配線基板の製造方法および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/02 20060101AFI20151015BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20151015BHJP
【FI】
   C09J7/02
   H01L21/60 311S
【請求項の数】7
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-550419(P2013-550419)
(86)(22)【出願日】2013年6月26日
(86)【国際出願番号】JP2013067459
(87)【国際公開番号】WO2014007116
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2015年3月16日
(31)【優先権主張番号】特願2012-149074(P2012-149074)
(32)【優先日】2012年7月3日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】片山 昌也
(72)【発明者】
【氏名】仁王 宏之
(72)【発明者】
【氏名】野中 敏央
【審査官】 安藤 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−074485(JP,A)
【文献】 特開平09−137136(JP,A)
【文献】 特開昭59−053574(JP,A)
【文献】 特開昭60−019187(JP,A)
【文献】 特開2003−027022(JP,A)
【文献】 特開2008−044171(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/007732(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J1/00〜C09J201/10
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フィルム(a)上に個片化された接着剤層(b)を有する接着剤シートの製造方法であって、
工程A:支持フィルム(a)、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)をこの順に有する接着剤フィルムを、局所的なハーフカットにより、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)のみを局所的に切断する工程、
工程B:前記接着剤フィルムの不要部のカバーフィルム(c)のみを剥離する工程、
工程C:前記接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に、粘着テープを貼り付ける工程、
工程D:前記接着剤フィルムの不要部の接着剤層(b)および目的部のカバーフィルム(c)を、粘着テープとともに剥離する工程、
をこの順で有する個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法。
【請求項2】
支持フィルム(a)が積層界面で剥離可能な2層構造である請求項1記載の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法。
【請求項3】
前記粘着テープが、支持フィルム(a’)および接着剤層(b’)を有しており、前記支持フィルム(a’)がポリオレフィンである請求項1または2記載の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法。
【請求項4】
前記粘着テープの厚みが10〜40μmである請求項1〜3のいずれかに記載の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法。
【請求項5】
前記工程Dにおける剥離が、粘着テープの折り曲げ角度をθ、支持フィルム(a)の折り曲げ角度をθとして、これらが下式(I)、(II)を満たす請求項1〜4のいずれかに記載の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法。
|<|θ|・・・(I)
|+|θ|<60°・・・(II)
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた接着剤シートの接着剤層(b)側の面と、配線基板の配線側の面を位置あわせし、真空ラミネートまたは真空プレスによって接着剤シートと配線基板の積層体とし、次に接着剤シートの支持フィルム(a)を除去する配線基板の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の配線基板の製造方法により得られた配線基板に半導体素子を実装する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の位置に個片化された接着剤層を配置した接着剤シートを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子材料において、各種の部品、例えば半導体チップなどを配線基板に実装する際、熱硬化型の接着剤が使用されることが多く、ダイボンディングフィルム(DAF)やノンコンダクティブフィルム(NCF)として知られている。
【0003】
近年、配線基板に半導体チップを実装する手法として、フリップチップ実装が使用されるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
従来のフリップチップ実装では、半導体チップが配線基板にフリップチップ実装された後に、半導体チップの周囲に樹脂が塗布され、毛細管現象を利用して半導体チップの下側の隙間に液状封止樹脂が充填され、接着剤としての機能を果たしている(特許文献1)。
【0005】
一方で、半導体チップを実装する前に配線基板の上に未硬化の封止樹脂を予め形成しておき、半導体チップのバンプを封止樹脂に押し込むことにより、半導体チップをフリップチップ実装して封止する先封止技術が開発されている(特許文献2)。
【0006】
また、マスクを使用して樹脂フィルムを配線基板上に貼り付ける手法などが提案されている(特許文献3)。
【0007】
一方で、特定の位置に個片化した接着剤を配置した接着剤シートを使用すれば、接着剤シートと配線基板の位置あわせを行い、接着剤シートから接着剤を配線基板に転写することにより、特定の位置に接着剤を配置した配線基板を製造することが可能であり、そのような特定の位置に個片化した接着剤を配置した接着剤シートの製造方法としては、ハーフカットを用いた方法が一般的である。(特許文献4、5、6)。
【特許文献1】特開平11−256012号公報
【特許文献2】特開2011−207998号公報
【特許文献3】特開2010−251346号公報
【特許文献4】特開2009−84442号公報
【特許文献5】特開2010−45070号公報
【特許文献6】特開2008−282945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1や特許文献2で開示された先封止技術では、半導体チップを実装する前に配線基板に液状樹脂を塗布するか、あるいは未硬化の接着剤フィルムを貼付することによって未硬化の接着剤を配線基板上に形成する。この際、外気から液状樹脂あるいは接着剤に気泡を巻き込んでしまう場合がある。樹脂の中に気泡が発生すると、接続不良や絶縁ショートの原因となる。また、接着剤フィルムを使用する場合は、位置精度よく接着剤フィルムを貼り付ける技術が必要である。
【0009】
特許文献3で開示されたマスクを使用する手法は、マスクデザインを変更することにより配線基板のデザイン変更などに対応できるため、汎用性に優れた手法であるが、マスクでカバーする部分とそうでない部分に段差が生じることや、マスク自体が変形してしまうことが原因で、貼り付け位置の変動が生じてしまう点が課題である。また、マスクを大きくするとマスクそのものの加工誤差やたわみが生じてしまうため、単一のデザインを大量に生産する方式には適していない。
特許文献4、5、6で開示された通常のハーフカットの手法は、接着剤層に靭性があり、接着剤層単独で引っ張りや搬送などに耐えられる材料を前提に設計されており、接着剤層が脆弱で、単独では引っ張りや搬送などに耐えられない材料には適用できなかった。
【0010】
上記課題に鑑み本発明は、特定の位置に個片化した接着剤層を配置した接着剤シートの製造方法に関する。特に接着剤層が脆弱である接着剤シートの製造に有効な方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法は次の構成を有する。すなわち、
支持フィルム(a)上に個片化された接着剤層(b)を有する接着剤シートの製造方法であって、
工程A:支持フィルム(a)、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)をこの順に有する接着剤フィルムを、局所的なハーフカットにより、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)のみを局所的に切断する工程、
工程B:前記接着剤フィルムの不要部のカバーフィルム(c)のみを剥離する工程、
工程C:前記接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に、粘着テープを貼り付ける工程、
工程D:前記接着剤フィルムの不要部の接着剤層(b)および目的部のカバーフィルム(c)を、粘着テープとともに剥離する工程、
をこの順で有する接着剤シートの製造方法、である。
ここで、「不要部」とは、剥離されて最終的には接着剤シートに残らない部分をいう。
【0012】
本発明の接着剤シートを用いた配線基板の製造方法は次の構成を有する。すなわち、
上記製造方法により得られた接着剤シートの接着剤層(b)側の面と、配線基板の配線側の面を位置あわせし、真空ラミネートまたは真空プレスによって接着剤シートと配線基板の積層体とし、次に接着剤シートの支持フィルム(a)を除去する配線基板の製造方法、である。
【0013】
本発明の半導体装置の製造方法は次の構成を有する。すなわち、
上記配線基板の製造方法により得られた配線基板に半導体素子を実装する半導体装置の製造方法、である。
【0014】
本発明の接着剤シートの製造装置は次の構成を有する。すなわち、
ハーフカット装置、カバーフィルム剥離装置、粘着テープ貼付装置および粘着テープ剥離装置をこの順に備えている接着剤シートの製造装置、である。
本発明の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法は、支持フィルム(a)が積層界面で剥離可能な2層構造であることが好ましい。
本発明の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法は、前記粘着テープが、支持フィルム(a’)および接着剤層(b’)を有しており、前記支持フィルム(a’)がポリオレフィンであることが好ましい。
本発明の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法は、前記粘着テープの厚みが10〜40μmであることが好ましい。
本発明の個片化された接着剤層を有する接着剤シートの製造方法は、前記工程Dにおける剥離が、粘着テープの折り曲げ角度をθ、支持フィルム(a)の折り曲げ角度をθとして、これらが下式(I)、(II)を満たすことが好ましい。
|<|θ|・・・(I)
|+|θ|<60°・・・(II)
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法によれば、特定の位置に個片化した接着剤層を配置した接着剤シートを製造することができる。特に接着剤層が脆弱であり、支持体による保持が必須となるような接着剤シートの製造に適している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の特定の位置に個片化した接着剤層(b)を配置した接着剤シートの図である。
図2】本発明のハーフカットに使用する刃の図である。
図3】本発明の接着剤フィルムのハーフカット後の断面図である。
図4】本発明のカバーフィルム(c)を剥離する際の不要部の図である。
図5】本発明の接着剤フィルムのカバーフィルム(c)剥離後の図である。
図6】本発明の2層構造の支持フィルムを用いた場合の接着剤フィルムのハーフカット後の断面図である。
図7】本発明の工程Dの模式図である。
図8】本発明の接着剤シートで、支持フィルム(a)上に連続的に接着剤層(b)が存在している接着剤シートの図である。
図9】接着剤シートを短冊状に切断した図である。
図10】本発明の工程A(支持フィルム(a)、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)をこの順に有する接着剤フィルムを、局所的なハーフカットにより、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)のみを局所的に切断する工程)の例を示す図であり、(1)が側面図、(2)上面図である。
図11】本発明の工程B(接着剤フィルムの不要部のカバーフィルム(c)のみを剥離する工程)の例を示す図である。
図12】本発明の工程C(接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に、粘着テープを貼り付ける工程)の例を示す図である。
図13】本発明の工程D(接着剤フィルムの不要部の接着剤層(b)および目的部のカバーフィルム(c)を、粘着テープとともに剥離する工程)の例を示す図である。
図14】本発明の2層構造の支持フィルムを用いた場合の接着剤フィルムの不要部分を剥離した後の断面図である。
図15】8.7mm角の開口窪みがある基板の平面図(1)と断面図(2)である。
図16】8.7mm角の開口窪みがある基板の底部に個片化された接着剤層が形成された様子を示した平面図(1)と断面図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図1図13を参照して説明する。
【0018】
本発明は、支持フィルム(a)上に個片化された接着剤層(b)を有する接着剤シートの製造方法であって、
工程A:支持フィルム(a)、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)をこの順に有する接着剤フィルムを、局所的なハーフカットにより、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)のみを局所的に切断する工程、
工程B:前記接着剤フィルムの不要部のカバーフィルム(c)のみを剥離する工程、
工程C:前記接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に、粘着テープを貼り付ける工程、
工程D:前記接着剤フィルムの不要部の接着剤層(b)および目的部のカバーフィルム(c)を、粘着テープとともに剥離する工程、
をこの順で有する。
【0019】
以下、各工程について詳細に説明する。
【0020】
本発明に使用する接着剤フィルムは、少なくとも支持フィルム(a)、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)をこの順に有することが必須である。支持フィルム(a)、カバーフィルム(c)の材料などは特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエチレン(PE)、ポリ酢酸ビニル(PVA)など任意のものを用いることができる。紙などにフィルムをラミネートした積層体を用いてもよい。接着剤層(b)との密着力を調整するために離型剤による表面処理を必要に応じて行ってもよいし、UV照射などにより剥離力が低下するようなフィルムを用いてもよい。支持フィルム(a)、カバーフィルム(c)とも厚みについては特に制限されないが、10〜200μmであることが好ましく、20〜40μmであることがより好ましい。10〜200μmであれば、工程搬送に必要なコシが十分にあり、接着剤層(b)をより十分保持することができ、またコシが強くなり過ぎることもないため、曲げなどが困難となることがない。カバーフィルム(c)は、支持フィルム(a)よりも薄いことが好ましい。これは後述する工程Dにおける剥離の際、支持フィルム(a)側のコシが強いほうが剥離が容易であることが理由である。また、支持フィルム(a)に、界面で剥離可能な2層構造を有するフィルムを用いることもできる。
【0021】
本発明の接着剤層(b)の組成に特に制限はなく、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビスマレイミド樹脂などの熱硬化性あるいは光硬化性の樹脂や、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂で形成したシートを用いることができる。また、絶縁信頼性や温度サイクルに対する信頼性の観点からフィラーを含んでもよい。ここでいうフィラーとしては、シリカ、窒化ケイ素、アルミナ、窒化アルミ、酸化チタン、窒化チタン、チタン酸バリウムなどの無機粒子や、ゴムや樹脂などの有機粒子を用いることができる。
【0022】
本発明の接着剤層(b)は、常温において脆弱であり、高温において高い流動性を持つものであってもよく、100℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下であってもよい。100℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下の接着剤層(b)は、高温にした際の流動性が大きく、回路パターンの埋め込みなどに好適に使用することができるが、そのような接着剤層(b)は多くの場合脆弱である。本発明の接着剤シートの製造方法によれば、100℃における溶融粘度が3,000Pa・s以下であるような接着剤層(b)であっても好適に製造することができる。
【0023】
このような接着剤層(b)の用途として、半導体実装用のノンコンダクティブフィルム(NCF)が例示できる。NCFは、微細な配線の埋め込みが求められ、加熱により流動化し低粘度になる必要があるからである。しかしながらその特性と引き換えに、常温においては脆弱であり、接着剤層(b)単独では打ち抜きや切断、搬送などに耐えられないことが多い。しかしながら本発明の接着剤シートの製造方法によれば、支持フィルム(a)を用いて切断等を行っているため、良好な接着剤シートを得ることができる。
【0024】
接着剤層(b)と支持フィルム(a)間の密着力は特に制限されないが、25℃において30N/m未満であることが好ましい。接着剤層(b)と支持フィルム(a)間の密着力が25℃において30N/m未満であれば、後述する工程D:前記接着剤フィルムの不要部の接着剤層(b)および目的部のカバーフィルム(c)を、粘着テープとともに剥離する工程を効率よく行うことができる。
【0025】
接着剤層(b)とカバーフィルム(c)間の密着力は特に制限されないが、25℃において30N/m未満であり、かつ接着剤層(b)と支持フィルム(a)間の密着力よりも低いことが好ましい。接着剤層(b)とカバーフィルム(c)間の密着力が25℃において30N/m未満であれば、後述する工程B:接着剤フィルムの不要部のカバーフィルム(c)のみを剥離する工程および工程D:前記接着剤フィルムの不要部の接着剤層(b)および目的部のカバーフィルム(c)を、粘着テープとともに剥離する工程、を効率よく行うことができる。また接着剤層(b)と支持フィルム(a)間の密着力よりも低いと、接着剤層(b)の泣き別れなどを抑制することができる。ここで、「泣き別れ」とは、所望の界面において剥離させることができず、所望しない界面において剥離が生じてしまう現象をいう。
【0026】
本発明に使用する接着剤フィルムの製造方法の例を以下に示す。まず、接着剤層(b)の原料となる樹脂、フィラー、各種添加剤および溶媒を攪拌混合してワニスあるいはペーストを作製し、これをベースフィルムに塗布する。塗布方法としては、ロールコーティングやスリットコーティングなどが挙げられる。ベースフィルムの材質の制限はなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン、ポリイミドなど任意のものを用いることができる。塗布後、必要に応じて乾燥を行う。また、接着剤面を保護するため、塗布後あるいは乾燥後に、任意の保護フィルムを貼り付けてもよい。保護フィルムの材料は特に制限されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチレン(PE)、ポリ酢酸ビニル(PVA)フィルムなどが好適であり、同様の離型剤による表面処理を必要に応じて行う。上記のベースフィルムと保護フィルムのどちらか一方が、支持フィルム(a)となり、もう片方がカバーフィルム(c)となる。どちらを支持フィルム(a)とするかについての制限はない。
【0027】
工程Aは、支持フィルム(a)、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)をこの順に有する接着剤フィルムを、局所的なハーフカットにより、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)のみを局所的に切断する工程である。ハーフカットの手法は特に制限されないが、ピナクル刃を用いたプレス、ロール加工などが例示できる。ハーフカットの際、カバーフィルム(c)側からカバーフィルム(c)と接着剤層(b)を貫通させ、支持フィルム(a)を貫通しないレベルで刃を入れることが必須である。例えば、図1に示すような特定の位置に個片化した接着剤層(b)を配置した接着剤シートを製造する場合、図2に示すような形の刃を用いてハーフカットを行う。ハーフカットした接着剤フィルムの断面を図3に示す。
【0028】
工程Bはハーフカット後の接着剤フィルムの不要部のカバーフィルム(c)のみを剥離する工程である。例えば、図1に示すような特定の位置に個片化した接着剤層(b)を配置した接着剤シートを製造する場合、図4の4aに示す領域が不要部のカバーフィルム(c)であり、その部分のみを剥離する。剥離の方法としては、カバーフィルム(c)を引張りあげるなどの方法が例示できる。剥離の角度は特に制限されないが、45°〜90°が好ましい。この角度であれば、接着剤層(b)の泣き別れなどが起こることなく剥離が可能である。カバーフィルム(c)剥離後には不要部は接着剤層(b)が露出し図5に示すような状態となる。
【0029】
工程Cは、前記接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に、粘着テープを貼り付ける工程である。図5に示す状態の接着剤フィルムの全面に、粘着テープを貼り付ける。粘着テープの貼り付け方法は特に限定されないが、ロールなどで押し付けてラミネートする手法などが例示できる。
【0030】
また粘着テープは支持フィルム(a’)および接着剤層(b’)を有することが好ましい。また支持フィルム(a’)としては、柔軟性に富むことから、ポリオレフィンを好ましく用いることができる。このような柔軟性に富むフィルムを用いることで、接着剤層(b’)の剥離時のカケや破断がより抑制しやすくなる。
【0031】
また支持フィルム(a’)の厚さは、接着剤層(b’)剥離時の接着剤層(b’)の破断が発生しにくいことから、25μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましい。また取り扱い性の点で、支持フィルム(a’)の厚さは、3μm以上であることが好ましい。
【0032】
また粘着テープ全体の厚みは特に限定されないが、10〜40μmが好ましい。この範囲であれば搬送性が確保されつつ、剥離時の接着剤層(b)のカケなどが低減できる。
【0033】
工程Dは、前記接着剤フィルムの不要部の接着剤層(b)および目的部のカバーフィルム(c)を、粘着テープとともに剥離する工程である。不要部の接着剤層(b)と目的部のカバーフィルム(c)を除去することにより、目的とする図1に示すような個片化された接着剤層(b)が支持フィルム(a)上に存在している接着剤シートが得られる。
【0034】
支持フィルム(a)に界面で剥離可能な2層構造を有するフィルムを用い、工程Aでのハーフカットの際に、該2層のうち接着剤と接する上層を完全に切断し、該2層のうちの接着剤層と接しない下層を完全に切断しないハーフカットとし、工程Dにおける不要部の剥離を該2層の界面で行うことで、図2に示すような個片化された接着剤層(b)が支持フィルム(a)上に存在している接着剤シートが得られる。工程Dにおいて、該2層の界面での剥離を容易にするために、該2層間の剥離強度を、接着層と支持フィルム上層の界面の剥離強度より小さくなるように各材料を選ぶことが好ましい。
【0035】
図6のような構造の接着剤シートは、個片化された接着剤を周囲より窪んだ場所に貼り付ける場合に好ましく用いることができ、窪みが深い場合や窪み空間のアスペクト比が大きく、すなわち窪みの深さが窪み開口の大きさに比して大きい場合により好ましく用いることができる。具体的には、配線基板上でソルダーレジストや配線層などに囲まれた凹状の場所などへの接着剤シートの貼り付けが挙げられる。このような貼り付けに用いる場合は、2層構造を有する支持フィルムの上層の厚さと接着剤層の厚さの合計が窪みの深さと同じ程度かそれ以上であると、窪み底部に個片化された接着剤を変形や接着剤端部の浮きなどがなく貼り付けることが容易となる。
【0036】
本発明の接着剤シートの製造方法は、接着剤層(b)として脆い樹脂を用いた場合であっても、剥離時の応力で破断してしまうことが少ない。しかしながら剥離時の接着剤層(b)への応力は剥離角度が大きいほどほど大きく、粘着テープのコシが強いほど大きくなる。したがって、粘着テープは材質が同じものであれば搬送が困難にならない範囲で薄い方が好ましく、剥離角度は剥離可能な範囲で小さい方が好ましい。
【0037】
そのため剥離時の粘着テープと接着剤シートの剥離角度は、次に示す関係を満たすものが好ましい。すなわち、図6に示すように粘着テープの折り曲げ角度をθ、支持フィルム(a)の折り曲げ角度をθとしたとき、θ、θが下記の関係を同時に満たすことが好ましい。θは粘着テープの引っ張り方向の延長線が、剥離前の接着剤シートの延長線となす角度と定義し、θは支持フィルム(a)の引っ張り方向の延長線が剥離前の接着剤シートの延長線となす角度と定義する。
|<|θ|・・・(I)
|+|θ|<60°・・・(II)
接着剤層(b)と支持フィルム(a)の剥離の際にかかる応力に対して、θよりもθの方が影響が大きい。そのため、|θ|+|θ|=一定の条件では、|θ|<|θ|とすることにより接着剤層(b)への応力を小さく抑えられる。また、|θ|+|θ|<60°であれば、剥離時の接着剤層(b)への応力が大きくなりすぎず、カケや破断などを抑制することができる。なお接着剤層(b)のカケや破断はダストの原因となるため、目的部の接着剤層(b)だけでなく不要部の接着剤層(b)についても、カケや破断は抑制することが好ましい。
【0038】
また剥離時に35℃以上とすると接着剤層(b)が軟らかくなり、カケや破断を抑制できるため好ましい。また70℃以下とすると接着剤層(b)が軟らかくなり過ぎず個片化部の形状や膜厚が維持されるため好ましい。
【0039】
本発明の個片化された接着剤層(b)を有する配線基板の製造方法は、上記製造方法により得られた接着剤シートの接着剤層(b)側の面と、配線基板の配線側の面を位置あわせし、真空ラミネートまたは真空プレスによって接着剤シートと配線基板の積層体とし、次に接着剤シートの支持フィルム(a)を除去する方法である。
【0040】
工程D後に得られた支持フィルム(a)上に個片化された接着剤層(b)を有する接着剤シートは、接着剤層(b)側の面と、配線基板の配線側の面を位置あわせし、真空ラミネートまたは真空プレスによって接着剤シートと配線基板の積層体とすることで使用することができる。真空プレスや真空ラミネートは、配線基板と接着剤層(b)の間に気泡を噛み込むことが少なく、好適に使用できる。
【0041】
個片化された接着剤層(b)を有する接着剤シートは、接着剤層(b)側の面と、配線基板の配線側の面を位置あわせは、特に限定されないが、双方に形成された位置認識のための特定形状をカメラで認識して行っても良い。また、接着剤シートと配線基板が重なるべき特定箇所に双方に貫通穴を設けておいて、それらを貫通すようにピンを差し込むことで行っても良い。貫通穴は、ハーフカット加工の際に、この部分のみフルカットして形成しても良いし、別工程で形成しても良い。
【0042】
真空プレスや真空ラミネートにおいては、個片化された複数の接着剤層(b)を一括で配線基板に積層しても良いし、個片ごと行っても良い。配線基板の反りや段差が大きい場合などは、複数のヘッドで個片化された複数の接着剤層(b)を個別にプレスやラミネートしても良い。
【0043】
また接着剤シート上には、配線基板との接着には用いない仮固定用の個片化された接着剤層を設けて、位置合わせ直後の仮固定を行ってもよい。
【0044】
積層後は、接着剤シートの支持フィルム(a)を除去することで、特定の位置に個片化された接着剤層(b)を有する配線基板を得ることができる。配線基板への接着剤層(b)の転写は、接着剤シートを使ってそのまま行ってもよいし、接着剤シートを切断した個片を使ってもよい。例えば、図8に示すような支持フィルム(a)上に連続的に接着剤層(b)が存在している接着剤シートを作製し、それを目的の長さに切断して、図9に示すような短冊状に加工した後で転写してもよい。
【0045】
本発明の半導体装置の製造方法は、上記配線基板に半導体素子を実装する方法である。
【0046】
上記の特定の位置に個片化された接着剤層を有する配線基板は、半導体素子を、接着剤層を介して配線基板に実装することで半導体装置の製造に利用できる。例えば、フリップチップボンダーを使用して、AuやCuでバンプが形成された半導体チップを、接着剤層を介して配線基板の配線と接続し、その後、半導体チップと配線基板をモールド樹脂で封止することにより半導体装置を作製することができる。
【0047】
また本発明の接着剤シートの製造装置は、ハーフカット装置、カバーフィルム剥離装置、粘着テープ貼付装置および粘着テープ剥離装置をこの順に備えているものである。
【0048】
ハーフカット装置としては、接着剤フィルムを、局所的なハーフカットにより、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)のみを局所的に切断することができる装置であれば特に限定されないが、例として図10を用いて説明する。
【0049】
図10に示すとおり、接着剤フィルム引き出しクランプ13を用いて接着剤フィルム6の一方を掴んで引き出す力をかけることにより、接着剤フィルム送り出しロール7から接着剤フィルム6を引き出す。次に接着剤フィルム6は、搬送ロール(1)8、搬送ロール(2)9を介して、接着剤フィルムテンションロール11に送られる。この接着剤フィルムテンションロール11で接着剤フィルム6のたるみを抑制しながら 接着剤フィルム切断刃10を用いて接着剤フィルム6を切断することにより、吸着固定ステージ(1)12のステージ上で処理できる大きさとする。
【0050】
次に吸着固定ステージ(1)12のステージ上の接着剤フィルム6を、上部プレート14に取り付けられたハーフカット用の刃3を用いて、局所的なハーフカットにより、接着剤層(b)およびカバーフィルム(c)のみを局所的に切断する。ここで上部プレート14は上下可動式であり、これを吸着固定ステージ(1)12方向に動かして接着剤フィルム6にハーフカット用の刃3を押し付けることで、カバーフィルム(c)、接着剤層(b)を切断し、支持フィルム(a)をハーフカットすることができる。接着剤シート製造時は、これらの機構を用いて、半導体を実装するために支持フィルム(a)上に残す接着剤部分を切り分けることができる。
【0051】
また上部プレート14にはハーフカット用の刃3の他に、貫通穴15形成用の刃を設けることが好ましい。これにより接着剤フィルム6に貫通穴15を形成させることができ、前記のとおり位置決めに用いることができる。なお貫通穴15の形成にはカバーフィルム(c)、接着剤層(b)だけでなく、支持フィルム(a)も切断する必要があるため、貫通穴15形成用の刃はハーフカット用の刃3よりも、必要分だけ高くする必要がある。
【0052】
カバーフィルム剥離装置としては、ハーフカット後の接着剤フィルムの不要部のカバーフィルム(c)のみを剥離することができれば特に限定されないが、例として図11を用いて説明する。
【0053】
図11(1)に示すとおり、カバーフィルム剥離装置は吸着固定ステージ(2)16上に、接着剤フィルム6の支持フィルム(a)側の面を吸着させる。また接着剤フィルム6の端部にカバーフィルム(c)吸着(粘着)アーム17を吸着させる。
【0054】
これを図11(2)に示すようにカバーフィルム(c)吸着(粘着)アーム17を吸着固定ステージ(2)から離れる方向に動かすことにより、カバーフィルム(c)を剥離させることができる。これによりハーフカット後の接着剤フィルム6上のカバーフィルム(c)を剥離することができる。この際、ハーフカットにより、切り分けられた部分のカバーフィルム(c)は、剥離されない。
【0055】
粘着テープ貼付装置としては、接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に、粘着テープを貼り付けることができれば特に限定されないが、例として図12を用いて説明する。
【0056】
粘着テープ巻き出しロール18から巻き出された粘着テープ5は、粘着テープ端部押し付けロール19により、前記カバーフィルム剥離装置により不要部のカバーフィルム(c)が剥離された接着剤フィルム6に押し付けられる。ここで粘着テープラミネートロール20は可動式となっており、粘着テープ端部押し付けロール19に隣接した位置で、吸着固定ステージ(2)16上に吸着した接着剤フィルム6に押し付け、その位置から右方向に移動し(図12(1))、最終的に接着剤フィルム6の右端まで移動する(図12(2))。これにより粘着テープ5を接着剤フィルム6にラミネートすることができる。
【0057】
粘着テープ剥離装置としては、接着剤フィルムの不要部の接着剤層(b)および目的部のカバーフィルム(c)を、粘着テープとともに剥離することができれば特に限定されないが、例として図12を用いて説明する。
【0058】
上記粘着テープ貼付装置で粘着テープ5を接着剤フィルム6にラミネートした後、吸着固定ステージ(2)16を接着剤フィルム6から離し、また粘着テープ巻き出しロール18、粘着テープ端部押し付けロール19も粘着テープ5から離す。
【0059】
図12はこれに、剥離端部固定ロール(1)22、剥離端部固定ロール(2)23、剥離移動ロール(1)24、剥離移動ロール(2)25、剥離移動ロール(3)26、剥離移動ロール(4)27、剥離クランプ28が設置されたものである。
【0060】
剥離クランプ28は接着剤フィルム6端部を掴み下方に移動できる機構を有している。また図12に示すθ、θの大きさを調整できるように剥離移動ロール(1)24、剥離移動ロール(2)25、剥離移動ロール(3)26、剥離移動ロール(4)27が設置されており、これにより粘着テープ巻き取りロール21との相対位置が決められる。またこれらの剥離移動ロールは、加熱機構を備えていても良い。
【0061】
接着剤シート製造時は、これらの剥離移動ロールの粘着テープ巻き取りロール21に対する相対位置を、θとθを制御しつつ、図12の左方向へ移動させる。これにともなって粘着テープ巻き取りロール21を回転させて粘着テープ5を巻き取り、接着剤フィルム6上の不要部の接着剤層(b)と目的部のカバーフィルム(c)を除去することができる。接着剤層(b)のカケや破断を抑制するためにこれらの剥離移動ロールの全部または一部を加熱し、接着剤フィルム6を加熱しても良い。
【0062】
以上により本発明の接着剤シートを得ることができる。
【実施例】
【0063】
以下、本発明の支持フィルム(a)上に個片化された接着剤層(b)を有する接着剤シートの製造方法についてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】
各評価方法について以下に述べる。
(1)ポリイミド樹脂の赤外吸収スペクトルの測定
堀場製作所製FT−IR720を用いてKBr法により測定した。
(2)ポリイミド樹脂の重量平均分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本ウォーターズ(株)製 Waters 2690)を用い、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。カラムは東ソー(株)製 TOSOH TXK−GEL α−2500、およびα−4000を用い、移動層にはN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP)を用いた。
(3)溶融粘度の測定
得られたサンプルをφ15mmの円形に切り抜き、TAインスツルメンツ社製レオメータ(AR−G2)を用いて、歪1%、周波数1Hz、5℃/分の昇温速度で溶融粘度を測定した。
(4)接着剤層(b)と支持フィルム(a)、カバーフィルム(c)の間の25℃における剥離力の測定
接着剤フィルムを20mm幅に切断し、これの支持フィルム(a)側の面を、両面テープを用いてSUS製の基板に貼り付けた。25℃に調温された測定室で、カバーフィルム(c)を90°方向に剥離させて引っ張り試験装置((株)オリエンテック製、テンシロン)にセットし、90°方向に剥離速度50mm/分で引っ張り、剥離に必要な力を測定し、接着剤層(b)とカバーフィルム(c)の間の25℃における剥離力とした。
【0065】
また、接着剤フィルムからカバーフィルム(c)を剥離し、接着剤層(b)側を両面テープを用いてSUS製の基板に貼り付けた。25℃に調温された測定室で、支持フィルム(a)を90°方向に剥離させて引っ張り試験装置((株)オリエンテック製、テンシロン)にセットし、90°方向に剥離速度50mm/分で引っ張り、剥離に必要な力を測定し、接着剤層(b)と支持フィルム(a)の間の25℃における剥離力とした。
<ポリイミド樹脂>
ポリイミド樹脂1の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下、BAHF)24.54g(0.067モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(以下、SiDAとする)4.97g(0.02モル)、末端封止剤として、アニリン1.86g(0.02モル)をNMP80gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(以下、ODPA)31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸させながら、180℃で5時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿したポリマーを得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥した。得られたポリマー固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1,780cm−1付近、1,377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。重量平均分子量がおよそ25,000のポリイミド樹脂1を得た。
【0066】
ポリイミド樹脂2の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物(以下、BPADA)52g(0.1モル)、SiDA10.93g(0.044モル)、1,3‐ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン15.91g(0.055モル)をNMP200gに溶解させた。次いで70℃で1時間撹拌した。その後、190℃で3時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿したポリマーを得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、100時間乾燥した。得られたポリマー固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1,780cm−1付近、1,377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。重量平均分子量がおよそ30,000のポリイミド樹脂2を得た。
【0067】
<フェノキシ樹脂>
YP−50(重量平均分子量60,000〜80,000、新日鐵化学(株)製)
<固形エポキシ化合物>
157S70(商品名、三菱化学(株)製)
<硬化促進剤>
マイクロカプセル型硬化促進剤 ノバキュアHX−3941HP(商品名、旭化成イーマテリアルズ(株)製)
<フィラー>
SO−E2(商品名、(株)アドマテックス製、球形シリカ粒子、平均粒子径0.5μm)
接着剤フィルム1の作製および評価
合成で得たポリイミド樹脂1を25g、固形エポキシ化合物157S70を30g、硬化促進剤ノバキュアHX−3941HPを45g、フィラーSO−E2を100g、溶剤メチルイソブチルケトン80gを調合し、攪拌してフィラーおよび硬化促進剤粒子の分散処理を行った。得られた接着剤ワニスを、コンマコーター(塗工機)を用いてベースフィルムである厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(AL−5処理、リンテック(株)製)の処理面に塗布し、90℃で10分間乾燥を行って乾燥厚み32μmの接着剤層(b)を形成させた。接着剤層(b)に厚さ25μmの保護フィルム(SK−1処理、リンテック(株)製)を70℃で貼りあわせ接着剤フィルム1を得た。なお接着剤フィルム1においては、ベースフィルムが支持フィルム(a)となり、保護フィルムがカバーフィルム(c)となる。
【0068】
次に接着剤フィルム1からカバーフィルム(c)を剥離し、接着剤層(b)同士が向かい合うようにして60℃で貼りあわせた。貼りあわせたサンプルの一方の支持フィルム(a)を剥離し、さらに貼りあわせることを繰り返して、接着剤層(b)の厚みが800μmになるまで積層させた。その後、支持フィルム(a)を剥離して得られたサンプルについて、レオメータにより溶融粘度を測定したところ100℃の溶融粘度が700Pa・sであった。また接着剤フィルム1の支持フィルム(a)と接着剤層(b)間の剥離力を測定したところ、10N/mであり、接着剤フィルム1のカバーフィルム(c)と接着剤層(b)間の剥離力は5N/mであった。
【0069】
接着剤フィルム2の作製および評価
ベースフィルムとして、38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(38E−NSH、フジモリ産業(株)製)を使用する以外は、上記接着剤フィルム1の作成製と同一の手順で接着剤フィルム2を作製した。接着剤フィルム2においては、ベースフィルムが支持フィルム(a)となり、保護フィルムがカバーフィルム(c)となる。また上記接着剤フィルム1と同様にして、評価したところ、100℃の溶融粘度は700Pa・s、支持フィルム(a)と接着剤層(b)間の剥離力は30N/mであり、カバーフィルム(c)と接着剤層(b)間の剥離力は5N/mであった。接着剤フィルム1との相違点は、支持フィルム(a)の離型処理であり、その差により密着力が異なる点以外の物性は接着剤フィルム1と同等であった。
【0070】
接着剤フィルム3の作製および評価
合成で得たポリイミド樹脂2を25g、固形エポキシ化合物157S70を30g、硬化促進剤ノバキュアHX−3941HPを45g、フィラーSO−E2を100g、溶剤メチルイソブチルケトン80gを調合し、攪拌してフィラーおよび硬化促進剤粒子の分散処理を行った。得られた接着剤ワニスを、コンマコーター(塗工機)を用いてベースフィルムである厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(AL−5処理、リンテック(株)製)の処理面に塗布し、90℃で10分間乾燥を行って乾燥厚み32μmの接着剤層(b)を形成させた。接着剤層(b)に厚さ25μmの保護フィルム(SK−1処理、リンテック(株)製)を70℃で貼りあわせ接着剤フィルム3を得た。なお接着剤フィルム3においては、ベースフィルムが支持フィルム(a)となり、保護フィルムがカバーフィルム(c)となる。
【0071】
次に接着剤フィルム3からカバーフィルム(c)を剥離し、接着剤層(b)同士が向かい合うようにして80℃で貼りあわせた。貼りあわせたサンプルの一方の支持フィルム(a)を剥離し、さらに貼りあわせることを繰り返して、接着剤層(b)の厚みが800μmになるまで積層させた。その後、支持フィルム(a)を剥離して得られたサンプルについて、レオメータにより溶融粘度を測定したところ100℃の溶融粘度が2,500Pa・sであった。また接着剤フィルム3の支持フィルム(a)と接着剤層(b)間の剥離力を測定したところ、5N/mであり、接着剤フィルム3のカバーフィルム(c)と接着剤層(b)間の剥離力は2N/mであった。
【0072】
接着剤フィルム4の作製および評価
フェノキシ樹脂YP−50を25g、固形エポキシ化合物157S70を30g、硬化促進剤ノバキュアHX−3941HPを45g、フィラーSO−E2を100g、溶剤トルエン80gを調合し、攪拌してフィラーおよび硬化促進剤粒子の分散処理を行った。得られた接着剤ワニスを、コンマコーター(塗工機)を用いてベースフィルムである厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(38E−NSH、フジモリ産業(株)製)の処理面に塗布し、90℃で10分間乾燥を行って乾燥厚み32μmの接着剤層(b)を形成させた。接着剤層(b)に厚さ25μmの保護フィルム(AL−5処理、リンテック(株)製)を80℃で貼りあわせ接着剤フィルム4を得た。なお接着剤フィルム4においては、ベースフィルムが支持フィルム(a)となり、保護フィルムがカバーフィルム(c)となる。
【0073】
次に接着剤フィルム4からカバーフィルム(c)を剥離し、接着剤層(b)同士が向かい合うようにして80℃で貼りあわせた。貼りあわせたサンプルの一方の支持フィルム(a)を剥離し、さらに貼りあわせることを繰り返して、接着剤層(b)の厚みが800μmになるまで積層させた。その後、支持フィルム(a)を剥離して得られたサンプルについて、レオメータにより溶融粘度を測定したところ100℃の溶融粘度が7,000Pa・sであった。また接着剤フィルム4の支持フィルム(a)と接着剤層(b)間の剥離力を測定したところ、10N/mであり、接着剤フィルム4のカバーフィルム(c)と接着剤層(b)間の剥離力は2N/mであった。
【0074】
<粘着テープ>
31B(日東電工(株)製、53μm厚み)
No.603 #25((株)寺岡製作所製、総厚さ:34μm、支持フィルム(ポリエステル、厚さ25μm)と接着剤層(厚さ9μm)の2層構造)
No.631U #12((株)寺岡製作所製、総厚さ:25μm、支持フィルム(ポリエステル、厚さ12μm)と接着剤層(厚さ13μm)の2層構造)
UHP0810AT 電気化学工業(株)製、総厚さ:90μm、支持フィルム(ポリオレフィン、80μm)と接着剤層(厚さ10m)の2層構造)
(実施例1)
接着剤フィルム1を、8.5mm角の四角形の刃が16個作製されたピナクル刃((株)塚谷刃物製作所製)の上にカバーフィルム(c)側をピナクル刃に接触するように置き、ロータリーダイカッター((株)塚谷刃物製作所製)を用いて、カバーフィルム(c)と接着剤層(b)のハーフカットを行った。ハーフカット後、カバーフィルム(c)の片側の端を引っ張り、カバーフィルム(c)の不要部の除去を行った。不要部の除去後、カバーフィルム(c)側を上にして接着剤フィルム1を実験台に固定し、31Bテープを接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側にローラーを用いて貼り付けて、31Bテープが貼り付けられたシートを得た。次に剥離部をローラーで押さえながら、粘着テープを実験台に対して30°方向に引っ張り粘着テープを除去した。(θ=30°、θ=0°)。剥離後、8.5mm角の接着剤が16個、支持フィルム(a)上に形成された接着剤シートが得られた。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして31Bテープが貼り付けられたシートを得た後、支持フィルム(a)を上側にしてサンプルを実験台に固定し、剥離部をローラーで押さえながらベースフィルムを30°方向に引っ張り粘着テープを除去した。(θ=0°、θ=30°)。剥離後、8.5mm角の接着剤が16個、支持フィルム(a)上に形成された接着剤シートが得られた。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表1に示す。
(実施例3〜5)
θを表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表1に示す。
(実施例6〜8)
θを表2のとおり変更した以外は、実施例2と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表2に示す。
(実施例9)
粘着テープとして、31Bの代わりにNo.603 #25を用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤シートを得た。なおNo.603 #25を、接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に貼り付ける際には、接着剤層側の面をカバーフィルム(c)側の面に合わせて行った。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表2に示す。
(実施例10)
粘着テープとして、31Bの代わりにNo.603 #25を用いた以外は実施例2と同様にして、接着剤シートを得た。なおNo.603 #25を、接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に貼り付ける際には、接着剤層側の面をカバーフィルム(c)側の面に合わせて行った。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表2に示す。
(実施例11)
粘着テープとして、31Bの代わりにNo.631U #12を用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤シートを得た。なおNo.631U #12を、接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に貼り付ける際には、接着剤層側の面をカバーフィルム(c)側の面に合わせて行った。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表3に示す。
(実施例12)
粘着テープとして、31Bの代わりにNo.631U #12を用いた以外は実施例2と同様にして、接着剤シートを得た。なおNo.631U #12を、接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に貼り付ける際には、接着剤層側の面をカバーフィルム(c)側の面に合わせて行った。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表3に示す。
(実施例13、15)
θを表3のとおり変更した以外は、実施例11と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表3に示す。
(実施例14、16)
θを表3のとおり変更した以外は、実施例12と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表3に示す。
(実施例17)
接着剤フィルム2を、8.5mm角の四角形の刃が16個作製されたピナクル刃((株)塚谷刃物製作所製)の上にカバーフィルム(c)側をピナクル刃に接触するように置き、ロータリーダイカッター((株)塚谷刃物製作所製)を用いて、カバーフィルム(c)と接着剤層(b)のハーフカットを行った。ハーフカット後、カバーフィルム(c)の片側の端を引っ張り、カバーフィルム(c)の不要部の除去を行った。不要部の除去後、カバーフィルム(c)側を上にして接着剤フィルム1を実験台に固定し、No.631U #12の接着剤層側の面を接着剤フィルム2のカバーフィルム(c)側にローラーを用いて貼り付けて、No.631U #12が貼り付けられたシートを得た。次に剥離部をローラーで押さえながら、粘着テープを実験台に対して30°方向に引っ張り粘着テープを除去した。(θ=30°、θ=0°)。剥離後、8.5mm角の接着剤が16個、支持フィルム(a)上に形成された接着剤シートが得られた。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表4に示す。
(実施例18、19)
接着剤フィルムを表4のとおり変更した以外は、実施例17と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表4に示す。
(実施例20)
粘着テープとして、31Bの代わりにUHP0810ATを用いた以外は実施例1と同様にして、接着剤シートを得た。なおUHP0810ATを、接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に貼り付ける際には、接着剤層側の面をカバーフィルム(c)側の面に合わせて行った。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表5に示す。
【0075】
得られた接着剤シートの個片化部分を、図15(1)と(2)に示す8.7mm角の開口窪みを有する基板の窪みの底部に貼り付ける実験を行った。接着剤シートの個片化部分の中心と開口窪みの中心を一致させ接着剤シートの個片化部分の4辺と窪みの底部の4辺が平行となるように位置を合わせた後に、真空ラミネータ(ニチゴー・モートン(株)製 CVP300T)を用いて貼り付けを行った。この際、加熱温度は80℃、加圧力は0.5MPaで行った。ボイドや浮きが無く接着剤を窪み底部に貼れた場合を成功、剥がれや浮きが見られた場合を不成功とした。窪みの深さXが200μm、160μm、110μm、80μm、50μm、30μmの基板を用いて実験を行い、結果を表6に示す。
(実施例21)
粘着テープとして、31Bの代わりにUHP0810ATを用いた以外は実施例2と同様にして、接着剤シートを得た。なおUHP0810ATを、接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側に貼り付ける際には、接着剤層側の面をカバーフィルム(c)側の面に合わせて行った。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表5に示す。
(実施例22、24)
θを表5のとおり変更した以外は、実施例20と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表5に示す。
(実施例23、25)
θを表5のとおり変更した以外は、実施例21と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表5に示す。
(実施例26)
接着剤フィルム2を、8.5mm角の四角形の刃が16個作製されたピナクル刃((株)塚谷刃物製作所製)の上にカバーフィルム(c)側をピナクル刃に接触するように置き、ロータリーダイカッター((株)塚谷刃物製作所製)を用いて、カバーフィルム(c)と接着剤層(b)のハーフカットを行った。ハーフカット後、カバーフィルム(c)の片側の端を引っ張り、カバーフィルム(c)の不要部の除去を行った。不要部の除去後、カバーフィルム(c)側を上にして接着剤フィルム2を実験台に固定し、UHP0810ATの接着剤層側の面を接着剤フィルム2のカバーフィルム(c)側にローラーを用いて貼り付けて、UHP0810ATが貼り付けられたシートを得た。次に剥離部をローラーで押さえながら、粘着テープを実験台に対して30°方向に引っ張り粘着テープを除去した。(θ=30°、θ=0°)。剥離後、8.5mm角の接着剤が16個、支持フィルム(a)上に形成された接着剤シートが得られた。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表7に示す。
(実施例27、28)
接着剤フィルムを表7のとおり変更した以外は、実施例26と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表7に示す。
(実施例29)
接着剤フィルム1を、8.5mm角の四角形の刃が16個作製されたピナクル刃((株)塚谷刃物製作所製)の上にカバーフィルム(c)側をピナクル刃に接触するように置き、ロータリーダイカッター((株)塚谷刃物製作所製)を用いて、カバーフィルム(c)と接着剤層(b)のハーフカットを行った。ハーフカット後、カバーフィルム(c)の片側の端を引っ張り、カバーフィルム(c)の不要部の除去を行った。不要部の除去後、カバーフィルム(c)側を上にして接着剤フィルム1を、接着剤フィルム1の表面温度が30℃になるように制御したホットプレート上に固定し、31Bテープを接着剤フィルムのカバーフィルム(c)側にローラーを用いて貼り付けて、31Bテープが貼り付けられたシートを得た。なおホットプレートの温度制御は、接着剤フィルム1の表面温度を熱電対で測定することにより行った。次に剥離部をローラーで押さえながら、ベースフィルムを30°方向に引っ張り粘着テープを除去した。(θ=0°、θ=30°)。剥離後、8.5mm角の接着剤が16個、支持フィルム(a)上に形成された接着剤シートが得られた。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。結果を表8に示す。
(実施例30〜33)
ホットプレートによる接着剤フィルム1の表面温度を表8に記載のとおり変更した以外は実施例29と同様にして接着剤シートを得た。実施例33では、カケと欠損は見られなかったが、接着剤層(b)の変形が見られた。
【0076】
(実施例34)
接着剤フィルム1の支持フィルムの接着剤層形成面とは反対側の面に631S2#50((株)寺岡製作所製)の粘着剤付きPETフィルム(PETフィルム厚さ50μm、粘着剤層込みの総厚さ85μm、PETフィルムとの剥離力6.7N/m)をラミネート接着したものを2層支持フィルム付き接着剤フィルムとし、これを接着剤フィルム1の代わりに用い、厚み方向で630#75の途中までのハーフカットを行った以外は、実施例20と同様にして接着剤シートを得た。得られた接着剤シートの接着剤部分のカケなどを検査し、欠損などがないものの個数(成功数)を数えた。成功数は16個中、16個であった。得られた接着剤シートの個片化された部分の構造は図14に示したものと同様であった。
【0077】
得られた接着剤シートの個片化部分を図15(1)、(2)に示す8.7mm角の開口窪みを有する基板の窪みの底部に貼り付ける実験を行った。接着剤シートの個片化部分の中心と開口窪みの中心を一致させ接着剤シートの個片化部分の4辺と窪みの底部の4辺が平行となるように位置を合わせた後に、真空ラミネータ(ニチゴー・モートン(株)製 CVP300T)を用いて貼り付けを行った。この際、加熱温度は80℃、加圧力は0.5MPaで行った。ボイドや浮きが無く接着剤を窪み底部に貼れた場合を成功、剥がれや浮きが見られた場合を不成功とした。窪みの深さXが200μm、160μm、110μm、80μm、50μm、30μmの基板を用いて実験を行い、結果を表9に示した。
(比較例)
接着剤フィルム1を、8.5mm角の四角形の刃が16個作製されたピナクル刃((株)塚谷刃物製作所製)の上にカバーフィルム(c)側をピナクル刃に接触するように置き、ロータリーダイカッター((株)塚谷刃物製作所製)を用いて、カバーフィルム(c)と接着剤層(b)のハーフカットを行った。ハーフカット後、カバーフィルム(c)の片側の端を引っ張り、カバーフィルム(c)の不要部の除去を行った。次に粘着テープを貼り付けずに接着剤層(b)の不要部の除去を試みたが、接着剤層(b)が引っ張りに耐えられず破断してしまい、個片化された接着剤が支持フィルム(a)上に形成された接着剤シートを得ることはできなかった。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】
【表9】
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明によれば、特定の位置に個片化した接着剤を配置した接着剤シートを製造することが可能であり、その接着剤を配線基板に転写することで、半導体のフリップチップ実装用配線基板などへの展開が期待できる。本発明の接着剤シートは、半導体実装用のノンコンダクティブフィルム(NCF)などの、流動性が高く脆弱な接着剤の配線基板への高精度な貼り付けに有効である。
【符号の説明】
【0088】
1a 個片化された接着剤層(b)(必要部)
1b 不要部の接着剤層(b)
2 支持フィルム(a)
2a 2層支持フィルムの上層
2b 2層支持フィルム下層
3 ハーフカット用の刃
4a 不要部のカバーフィルム(c)
4b 必要部のカバーフィルム(c)
5 粘着テープ
6 接着剤フィルム(カバーフィルム(c)/接着剤層(b)/支持フィルム(a))
7 接着剤フィルム送り出しロール
8 搬送ロール(1)
9 搬送ロール(2)
10 接着剤フィルム切断刃
11 接着剤フィルムテンションロール
12 吸着固定ステージ(1)
13 接着剤フィルム引き出しクランプ
14 上部プレート
15 貫通穴
16 吸着固定ステージ(2)
17 カバーフィルム(c)吸着(粘着)アーム
18 粘着テープ巻き出しロール
19 粘着テープ端部押し付けロール
20 粘着テープラミネートロール
21 粘着テープ巻き取りロール
22 剥離端部固定ロール(1)
23 剥離端部固定ロール(2)
24 剥離移動ロール(1)
25 剥離移動ロール(2)
26 剥離移動ロール(3)
27 剥離移動ロール(4)
28 剥離クランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16