(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1端面を有し第1導波管を規定する第1金属部材と、第2端面を有する第2金属部材と、前記第1端面及び前記第2端面の間に配置され、柔軟性を有した複数の誘電体層と複数の導体層を含む平板状の基板とを備え、
前記基板は、前記第1導波管に接続される導波路と、前記導波路の延在方向に直交する直交方向に沿って延び前記導波路に接続される誘電体路とを有し、
前記第1金属部材及び/又は前記第2金属部材は、前記第1端面及び/又は前記第2端面に前記延在方向に沿って凹設され前記誘電体路に接続される環状溝を有し、
伝送電磁波の自由空間波長をλg、前記誘電体層の比誘電率をεr、前記導波路の外周から前記環状溝の形成位置までの寸法をL、前記延在方向における前記基板の中央から前記環状溝の底面までの寸法をHとした場合、
L×√εr+H≒nλg/2(nは1以上の整数)の関係、及び、L×√εr≠kλg/4(kは1以上の奇数)の関係が成立していることを特徴とする導波管接続構造。
第1端面を有し第1導波管を規定する第1金属部材と、第2端面を有する第2金属部材と、前記第1端面及び前記第2端面の間に配置され、柔軟性を有した複数の誘電体層と複数の導体層を含む平板状の基板とを備え、
前記基板は、前記第1導波管に接続される導波路と、前記導波路の延在方向に直交する直交方向に沿って延び前記導波路に接続される誘電体路と、複数のビアホールとを有し、
伝送電磁波の自由空間波長をλg、前記誘電体層の比誘電率をεr、前記直交方向における前記誘電体路の前記導波路の外周から前記ビアホールの外周面に接する前記導体層までの寸法をLとした場合、
L×√εr≒nλg/2(nは1以上の整数)の関係が成立していることを特徴とする導波管接続構造。
前記基板は、前記第1金属部材及び/または前記第2金属部材に形成された凹部内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導波管接続構造。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の導波管接続構造の複数の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
まず、本発明の第1実施例である導波管接続構造は、
図1に示すように、第1金属フランジ(第1金属部材)1aと、第1金属フランジ1aに接合される第2金属フランジ(第2金属部材)1bと、第1金属フランジ1a及び第2金属フランジ1bの間に挟み込まれた状態で配置される柔軟性を有した誘電体5とから構成されている。
【0015】
第1金属フランジ1aは、第1導波管3aと、第2金属フランジ1b及び誘電体5に対向する側面に形成された第1環状溝2aと、誘電体5に対向する側面に形成され誘電体5を収容する収容凹部とを有している。第1環状溝2aは、チョーク溝であり、
図1に示すように、第1導波管3aの延在方向(
図1の上下方向)に対して直交する直交方向(
図1の左右方向)に第1導波管3aの外周から寸法L1だけ離れた位置で、
図2に示すように、第1導波管3aを取り囲むようにロ字状の環状に形成されている。前記延在方向における第1環状溝2aの深さは、寸法H1で設定されている。なお、本実施例においては、前述したように誘電体5を収容する収容凹部を第1金属フランジ1a側にのみ設けているが、当該収容凹部を第2金属フランジ1b側に設けてもよく、また、第1金属フランジ1a及び第2金属フランジ1bの両方に設けてもよく、また、当該収容凹部の形成自体を省略してもよい。
【0016】
第2金属フランジ1bは、第2導波管3bと、第1金属フランジ1a及び誘電体5に対向する側面に形成された第2環状溝2bとを有している。第2導波管3bは、第1導波管3aと同形で形成され、その軸線が第1導波管3aの軸線に一致している。第2環状溝2bは、チョーク溝であり、
図1に示すように、前記直交方向に第2導波管3bの外周から寸法L2だけ離れた位置で、
図3に示すように、第2導波管3bを取り囲むようにロ字状の環状に形成されている。前記延在方向における第2環状溝2bの深さは、寸法H2で設定されている。
【0017】
第1金属フランジ1aと第2金属フランジ
1bとは、ボルト(図示しない)等を用いて、隙間なく相互に接合されている。なお、第1金属フランジ1aと第2金属フランジ
1bとの間の接合手段は、如何なるものでもよい。
【0018】
誘電体5は、平板状に形成され、第1環状溝2a及び第2環状溝2bの形成箇所を除いて、第1金属フランジ1aの第1端面及び第2金属フランジ1bの第2端面に密着した状態で、第1金属フランジ1aに形成された収容凹部内に配置されている。誘電体5は、中空の導波路4を中心部に有している。導波路4は、第1導波管3a及び第2導波管3bと同形で形成され、その軸線が第1導波管3a及び第2導波管3bの軸線に一致している。
【0019】
前述した寸法L1、H1は、誘電体5による波長短縮効果を考慮して、伝送電磁波の自由空間波長をλg、誘電体5の比誘電率をεrとした場合、L1×√εr+H1≒n
1λg/2(n
1は1以上の整数)の関係、及び、L1×√εr≠k
1λg/4(k
1は1以上の奇数)の関係を満たすように設定されている。同様に、寸法L2、H2は、L2×√εr+H2≒n
2λg/2(n
2は1以上の整数)の関係、及び、L2×√εr≠k
2λg/4(k
2は1以上の奇数)の関係を満たすように設定されている。これにより、誘電体5、第1環状溝2a、及び第2環状溝2bが、高周波信号の損失や漏れを抑制するチョークとして機能する。なお、本実施例では、チョーク設計における各寸法の小型化の観点から、n
1=1、n
2=1で設定されている。
【0020】
なお、本実施例では、第1金属フランジ1a及び第2金属フランジ1bの両方に、第1環状溝2aまたは第2環状溝2bを形成したが、導波路4からのチョークの実効的な距離がnλg/2(nは1以上の整数)を満たせばよいため、一方または両方の環状溝の形成を省略してもよい。
【0021】
本実施例では、誘電体5をチョークとして利用しているため、誘電体5による波長短縮効果により、誘電体5を用いない場合と比較して、チョーク設計の各寸法H1、H2、L1、L2の小型化を実現できる。そして、金属フランジの製造において難度の高い環状溝の寸法の低減、または、環状溝の形成の省略を可能とするため、金属フランジ製造に係る製造負担を低減できる。
【実施例2】
【0022】
次に、本発明の第2実施例である導波管接続構造について、
図4乃至
図6を用いて以下に説明する。
【0023】
本実施例における導波管接続構造は、
図4に示すように、第1金属シャーシ(第1金属部材)6aと、第1金属シャーシ6aに接合される第2金属シャーシ(第2金属部材)6bと、第1金属シャーシ6a及び第2金属シャーシ6bの間に挟み込まれた状態で配置される多層基板9とから構成されている。
【0024】
第1金属シャーシ6aは、第1導波管8aと、第2金属シャーシ6b及び多層基板9に対向する側面に形成された第1環状溝7とを有している。第1環状溝7は、
図5に示すように導波路10(第1導波管8a)を取り囲むようにロ字状の環状に形成され、後述する多層基板9の誘電体層11a〜11e及び導体層12a〜
12fを積層した積層方向(
図4における上下方向)に沿って凹設されている。なお、前記積層方向は、第1導波管8aの延在方向に一致している。第1環状溝7は、第1導波管8aの外周から寸法L1の位置に形成されている。積層方向における第1環状溝7の深さは、H1で設定されている。
【0025】
第2金属シャーシ6bは、第1金属シャーシ6a及び多層基板9に対向する側面に凹部を有しており、この凹部が、多層基板9の導体層12aと協働して第2導波管8bを形成している。
【0026】
第1金属シャーシ6aと第2金属シャーシ6bとは、相互に嵌め合うことで接合されている。第1金属シャーシ6aと第2金属シャーシ6bとの間の接合手段は、如何なるものでもよい。
【0027】
多層基板9は、第1金属シャーシ6aの第1端面と第2金属シャーシ6bの第2端面とに密着した状態で配置されている。多層基板9は、柔軟性を有した複数の誘電体層(絶縁層)11a〜11eと複数の導体層12a〜12fを積層することにより形成され、全体として平板状を呈している。多層基板9は、積層方向に沿って形成された中空の導波路10と、積層方向に沿って形成された複数のビアホール13a〜13fと、積層方向に沿って貫通形成された貫通孔14とを有している。
【0028】
導波路10は、第1導波管8aと同形で形成され、その軸線が第1導波管8aの軸線に一致している。導波路10に面する誘電体層11a〜11eの側面には、導体が付着されていない。
【0029】
ビアホール13a、13b、13e、13fは、多層基板9を積層方向に沿って貫通している。ビアホール13c、13dは、IVH
(Interstitial Via Hole)のような指定層間接続のビアホールである。ビアホール13c、13dは、
図5に示すように、第1環状溝7の内側において、導波路10を取り囲むように複数形成されている。なお、本実施例では、
図5に示すように、ビアホール13c、13dを一列に並べて導波路10を取り囲んでいるが、具体的なビア配列はこれに限定されず、例えば、
図6に示すように、ビアホール13c、13dを千鳥状に2列以上の複数列に並べて導波路10を取り囲んでもよい。多層基板9の目標特性によっては、ビアホール13c、13dの形成を省略してもよい。ビアホール13b、13eは、
図5に示すように、第1環状溝7を取り囲むように複数形成されている。なお、本実施例では、
図5に示すように、ビアホール13b、13eを一列に並べて第1環状溝7を取り囲んでいるが、具体的なビア配列はこれに限定されず、例えば、
図6に示すように、ビアホール13b、13eを千鳥状に2列以上の複数列に並べて第1環状溝7を取り囲んでもよい。ビアホール13b、13eのビア間隔、及び、ビアホール13c、13dのビア間隔は、λ/40でそれぞれ設計されている。なお、ビア間隔は、実施態様に応じて設計すればよい。ビアホール13a〜13fの内周面には、導体が付着されている。ビアホール13a〜13fは、積層方向における両端が導体により塞がれていると、第1金属シャーシ6a及び第2金属シャーシ6bとの電気的接触が向上するので、より良い特性が得られる。
【0030】
本実施例では、導体層12a、12b、ビアホール13c、13dは、導波路10の外周付近まで形成されているが、これにより、チョークの一部となる後述の誘電体路の積層方向における厚みを設定している。
【0031】
貫通孔14は、内周に導体が付着されていない孔であり、貫通孔14の形成により、チョークの実効的な長さを調節し、接続面における特性の調整を行なっている。第1環状溝7に面する誘電体層11eの側面には、導体層12fが形成されていない。後述の誘電体路の形成領域においては、導体層が形成されておらず、具体的には、直交方向における導波路10の外周から第1環状溝7の外側端面までの領域においては、導体層12c〜12eは形成されていない。
【0032】
多層基板9には、電子部品(図示しない)が搭載されており、この電子部品(図示しない)は、第1金属シャーシ6a及び第2金属シャーシ6b内に電磁的に遮蔽されて収容されている。第1導波管8a、第2導波管8b、及び導波路10には、電子部品(図示しない)による高周波回路の電気信号が通過する。
【0033】
多層基板9を上記のように構成することにより、多層基板9内には、導波路10の外周から積層方向に直交する直交方向に延び、第1環状溝7及び導波路10に連通する誘電体路(すなわち、誘電体により構成された伝送路)が形成され、この誘電体路は、第1環状溝7と共にチョークを構成している。
【0034】
前述した寸法L1、H1は、誘電体5による波長短縮効果を考慮して、伝送電磁波の自由空間波長をλg、誘電体層11a〜11eの比誘電率をεrとした場合、L1×√εr+H1≒n
1λg/2(n
1は1以上の整数)の関係、及び、L1×√εr≠k
1λg/4(k
1は1以上の奇数)の関係を満たすように設定されている。このように、導波路10の外周から第1環状溝7の底面までの距離が実効的にn
1λg/2(n
1は1以上の整数)に設定されることにより、誘電体路及び第1環状溝7により構成される伝送路が、高周波信号の損失や漏れを抑制するチョークとして機能する。なお、本実施例では、チョーク設計における各寸法の小型化の観点から、n
1=1で設定されている。
【0035】
なお、本実施例では、第1金属シャーシ6aに第1環状溝7を形成したが、導波路10からのチョークの実効的な距離がn
1λg/2(n
1は1以上の整数)を満たせばよいため、この第1環状溝7の形成を省略してもよい。
【0036】
このようにして得られた本実施例の導波管接続構造では、高周波信号の損失や漏れを抑制しつつ、多層基板9に対して垂直方向に高周波信号を通過させることができる。
【0037】
また、第1金属シャーシ6a及び第2金属シャーシ6bに挟まれた多層基板9の誘電体層11a〜11e自体をチョークの一部として利用するため、多層基板9に形成された導波路10の内周面への導体付着が不要になり、多層基板9の製造に係る製造負担の増大を回避できる。
【0038】
また、誘電体としてテフロン(登録商標)等を用いた場合、精度の高いチョーク設計が困難であるが、本実施例では、多層基板9の誘電体層11a〜11eを誘電体として利用することにより、導体層12a〜12fやビアホール13a〜13fや貫通孔14などのレイアウトを調整することにより、高精度なチョークを簡便に得られる。
【0039】
また、チョーク内に誘電体(誘電体層11a〜11e)を配置することにより、誘電体による波長短縮効果を利用して、チョーク設計の各寸法の小型化を実現でき、積層方向に直交する平面内における設計面積を縮小、または、第1環状溝7の寸法H1を低減できる。そして、金属シャーシ作製において難度の高い環状溝の寸法を低減、または、環状溝の形成の省略を可能とするため、金属シャーシ製造に係る製造負担を低減できる。
【実施例3】
【0040】
以下に、本発明の第3実施例である導波管接続構造を図面に基づいて説明する。
【0041】
本発明の第3実施例である導波管接続構造は、伝送線路変換部における接続構造であり、
図7に示すように、第1導波管17を有する第1金属シャーシ(第1金属部材)15aと、第1金属シャーシ15aに接合される第2金属シャーシ(第2金属部材)15bと、第1金属シャーシ15a及び第2金属シャーシ15bの間に挟み込まれた状態で配置される多層基板18とから構成されている。
【0042】
第1金属シャーシ15aと第2金属シャーシ15bとは、相互に嵌め合うことで接合される。第1金属シャーシ15aと第2金属シャーシ15bとの間の接合手段は、如何なるものでもよい。
【0043】
第1金属シャーシ15aは、第2金属シャーシ15bに対向する側面に形成された環状溝16を有している。
【0044】
多層基板18は、第1金属シャーシ15aの第1端面と第2金属シャーシ15bの第2端面とに密着した状態で配置されている。多層基板18は、柔軟性を有した複数の誘電体層20a〜20eと複数の導体層21a〜21fを積層することにより形成され、全体として平板状を呈している。多層基板18は、積層方向に沿って形成された導波路と、積層方向に沿って形成された複数のビアホール22a〜22dとを有している。ビアホール22b、22cは、
図8に示すように、多層基板18の導波路を取り囲むように複数形成されている。なお、本実施例では、
図8に示すように、ビアホール22b、22cを一列に並べて多層基板18の導波路を取り囲んでいるが、具体的なビア配列はこれに限定されず、例えば、
図9に示すように、ビアホール22b、22cを千鳥状に2列以上の複数列に並べて多層基板18の導波路を取り囲んでもよい。ビアホール22b、22cのビア間隔は、λ/40で設計されている。なお、ビア間隔の設計は、実施態様に応じて設計すればよい。導波路は、多層基板18内における所定領域において、導体層を形成しないことで構成されている。本実施例では、導体層21a、21fが導波路付近まで形成されているが、第1金属シャーシ15a及び第2金属シャーシ15bにより第1導波管17の開口は保障されるため、後述する電子部品19a、19b等による電気回路設計に応じてレイアウトすればよい。多層基板18には、電子部品19a、19bが搭載されており、第1金属シャーシ15a及び第2金属シャーシ15b内に電磁的に遮蔽されて収納されている。多層基板18は、導体層21bに接続され導波路内に延出したストリップ導体23を有している。ストリップ導体23は、導体層21a〜21fとともに伝送線路変換器を形成している。ストリップ導体23へ電気信号が伝達され、伝送線路変換し、第1導波管17を高周波回路の電気信号が通過する。導波路は、第1導波管17と同形で形成され、その軸線が第1導波管17の軸線に一致している。ビアホール22a〜22dは、積層方向に沿って貫通形成されている。ビアホール22a〜22dの内周面には、導体が付着されている。ビアホール22a〜22dは、積層方向における両端が導体により塞がれていると、第1金属シャーシ15a及び第2金属シャーシ15bと電気的接触が向上し、より良い特性が得られる。
【0045】
多層基板18を上記のように構成することにより、多層基板18内には、導波路の外周から積層方向に直交する直交方向に延び、導波路に連通する誘電体路が形成され、この誘電体路は、チョークを構成している。
【0046】
直交方向における導波路の外周からビアホール22b
の外周面に接する導体層21d、21eまでの寸法と、
ビアホール22c
の外周面に接する導体層21c、21d、および21eまでの
寸法である寸法L1は、誘電体層20a〜20eによる波長短縮効果を考慮して、伝送電磁波の自由空間波長をλg、誘電体層20a〜20eの比誘電率をεrとした場合、L1×√εr≒n
1λg/2(n
1は1以上の整数)の関係を満たすように設定されている。換言すると、導波路の外周からビアホール22b、22cまでの距離が、実効的にn
1λg/2(n
1は1以上の整数)に設定されることにより、誘電体路が、高周波信号の損失や漏れを抑制するチョークとして機能する。なお、本実施例では、チョーク設計における各寸法の小型化の観点から、n
1=1で設定されている。
【0047】
なお、本実施例では、
図7や
図8に示すように、ビアホール22b、22cの内周側に形成された誘電体路をチョークとして利用しているが、
図10や
図11に示すように、ビアホール22b、22cの内周側から誘電体を抜いた状態で多層基板18を形成してもよく、この場合であっても、ビアホール22b、22cの内周側に形成された中空路がチョークとして機能する。なお、この場合、
図10や
図11に示すように、多層基板18の開口がビアホール22b、22cの近傍まで形成されているため、導体でチョークを形成するために、第1金属シャーシ15a及び第2金属シャーシ15bとビアホール22b、22cとを相互に接触させる必要がある。また、この場合であっても、
図12に示すように、ビアホール22b、22cを千鳥状に2列以上の複数列に並べて、多層基板18の導波路を取り囲んでもよい。
【0048】
このようにして得られた本実施例の導波管接続構造では、高周波信号の損失や漏れを抑制しつつ、多層基板18に対して垂直方向に高周波信号を通過させることができる。
【0049】
また、第1金属シャーシ15a及び第2金属シャーシ15bに挟まれる多層基板18の誘電体層20a〜20e自体をチョークの一部として利用するため、多層基板18に形成された導波路の内周面への導体付着が不要になり、多層基板18の製造に係る製造負担を低減できる。
【0050】
また、誘電体としてテフロン等を用いた場合、精度の高い設計が困難であるが、本実施例では、多層基板18の誘電体層20a〜20eを誘電体として用いることにより、導体層21a〜21fやビアホール22a〜22d等のレイアウトを調整することにより、高精度なチョークを簡便に得られる。
【0051】
また、チョーク内に誘電体(誘電体層20a〜20e)を配置することにより、誘電体による波長短縮効果により、誘電体を用いない場合と比較して、チョーク設計の寸法Lの小型化を実現できる。そして、金属シャーシの製造において難度の高いチョーク溝としての環状溝の形成を省略することが可能であるため、金属シャーシ製造に係る製造負担を低減できる。