特許第5804295号(P5804295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5804295グリップ下の固定されたシャフトの位置にゴルフスイングの動的重心部を形成したゴルフクラブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5804295
(24)【登録日】2015年9月11日
(45)【発行日】2015年11月4日
(54)【発明の名称】グリップ下の固定されたシャフトの位置にゴルフスイングの動的重心部を形成したゴルフクラブ
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/14 20150101AFI20151015BHJP
【FI】
   A63B53/14 A
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-543101(P2013-543101)
(86)(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公表番号】特表2013-544619(P2013-544619A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】KR2011009467
(87)【国際公開番号】WO2012077990
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2013年6月10日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0126464
(32)【優先日】2010年12月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513146000
【氏名又は名称】チャン コンシク
(74)【代理人】
【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】チャン コンシク
【審査官】 岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−185119(JP,A)
【文献】 特開2007−125255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側の先端にゴルフボールを打撃するヘッドが形成されるシャフト300と、
前記シャフト300の他側の先端に前記シャフト300を包む形態で設けられて取っ手の役割をするグリップ200と、を含んでなるゴルフクラブであって、
ゴルフクラブの重量を集中させた重心部Sが、両手のグリップの内部に設けられた特定の位置で前記シャフト300の軸上に設けられ
前記シャフト300は、前記グリップ200の下側の入口付近でクラブヘッド側の下位の第1シャフト300aと、クラブのグリップ側の上位の第2シャフト300bと、に切断分離し、その内部に一つの連結棒330が挟まれて単一軸をなすように組み立てられ、
前記連結棒330は、プラスチックまたは軽量金属材からなることを特徴とする、ゴルフクラブ。
【請求項2】
前記グリップ200は、
その内部に切断分離した前記上位の短い第2シャフト300bとシャフトの切断面の両方を収容して結合することを特徴とする、請求項に記載のゴルフクラブ。
【請求項3】
前記連結棒330は、
一側の先端である下部接合コア330aが前記下位の長い第1シャフト300aの内部に挿入されて、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けから選択される少なくともいずれか一つの手段により、前記下位の第1シャフト300aと直接堅固に結合することを特徴とする、請求項に記載のゴルフクラブ。
【請求項4】
前記連結棒330は、
他側の先端である狭い幅の上部接合コア330bが前記上位の短い第2シャフト300bの内部に挿入されて、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けから選択される少なくともいずれか一つの手段により、前記上位のシャフト300bと堅固に結合することを特徴とする、請求項に記載のゴルフクラブ。
【請求項5】
前記連結棒330は、
他側の先端である狭い幅の上部接合コア330bの外部に一体に成形されたスリーブ400bが前記上位の短い第2シャフト300bの内部に挿入されて、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けから選択される少なくともいずれか一つの手段により、前記上位のシャフト300bと堅固に結合することを特徴とする、請求項に記載のゴルフクラブ。
【請求項6】
一側の先端にゴルフボールを打撃するヘッドが形成されるシャフト300と、
前記シャフト300の他側の先端に前記シャフト300を包む形態で設けられて取っ手の役割をするグリップ200と、を含んでなるゴルフクラブであって、
ゴルフクラブの重量を集中させた重心部Sが、両手のグリップの内部に設けられた特定の位置で前記シャフト300の軸上に設けられ
前記シャフト300は、前記グリップ200の下側の入口付近でクラブヘッド側の下位の第1シャフト300aと、クラブのグリップ側の上位の第2シャフト300bと、に切断分離し、その内部に一つの連結棒330が挟まれて単一軸をなすように組み立てられ、
前記上位の短い第2シャフト300bは、少なくとも二つ以上の部分シャフト300b1、300b2、300b3に切断分離して形成されることを特徴とする、ゴルフクラブ。
【請求項7】
前記部分シャフト300b1、300b2、300b3は、
前記連結棒330によって組み立てられ、全部前記グリップ200の内部に収容されることを特徴とする、請求項に記載のゴルフクラブ。
【請求項8】
前記連結棒330は、
前記部分シャフト300b1、300b2、300b3のそれぞれに対応して分散して結合する多数の接合コア330b1、330b2、330b3が一体に形成されることを特徴とする、請求項に記載のゴルフクラブ。
【請求項9】
前記接合コア330b1、330b2、330b3は、
前記部分シャフト300b1、300b2、300b3のそれぞれに、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けから選択される少なくともいずれか一つの手段により直接結合することを特徴とする、請求項に記載のゴルフクラブ。
【請求項10】
前記接合コア330b1、330b2、330b3は、
これらのそれぞれの外部に一体に成形されたスリーブ400b1、400b2、400b3を介して前記部分シャフト300b1、300b2、300b3のそれぞれに、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けから選択される少なくともいずれか一つの手段により堅固に結合することを特徴とする、請求項に記載のゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフスイング中にスイングコントロールのためにクラブの荷重をグリップ下のシャフト上の固定した位置に人為的に集中させるための重心部装置に関する。
【0002】
ゴルフスイングを分析すると、いくつかの異なる種類の振り子(pendulum)運動があることが分かる。バックスイング(backward swing)を例に挙げると、スイングとしては、第一に、臀部の真上の脊椎の一つの節を軸にして脊柱が右側に歪むと同時にひどくねじれる上体−両肩スイングがあり、第二に、真っ直ぐに伸びた左腕が左肩関節を軸にしてターゲットと反対方向の後ろに回ってまた上に上がる左腕スイングがあり、第三に、両腕運動によって後に回るゴルフクラブが(右利きのゴルファーの場合)右手のグリップ内に形成された一つの特定のヒンジ点(hinge point)を軸にして手の中で局所的に回転するグリップスイングがあり、第四に、左手首がねじれると同時に右手首の関節が外側に反り返ってクラブのスイングアークを大きくする右手首スイングがあり、第五に、バックスイングで後ろに回って頭部の後ろから┐状に曲がった右腕がフォワードスイングのインパクト時に真っ直ぐになって前に放り出される模様の右肩関節を軸にして回転する右腕スイングがある。このうち、第三のグリップスイングは、クラブのスイングにおいてその役割が極めて重要であるにもかかわらず、週末ゴルファーやゴルフ初心者によく知られていないスイングであると思われる。
【0003】
グリップスイングの特徴について説明すると次のとおりである。第一に、前記のスイングのうち上体−両肩スイング、左腕スイング、右手首スイング、右腕スイングの回転軸は全部体内にある反面、唯一グリップスイングの軸は体外、すなわち、両手で握ったグリップ下の一つのシャフト軸上に存在する。第二に、グリップスイングの軸を介して両腕とゴルフクラブで構成された二重振り子システムにおいて動的(dynamic)重量均衡が形成される。第三に、手の中にあるグリップスイングの軸に対してクラブの残りの部分が相対的に回転する。第四に、手の中でなされるグリップスイングにより左腕(さらには、両腕)のスイングとゴルフクラブのスイングが連結されることにより、グリップスイングは、ゴルフスイングのアーク半径の大きさを調節するか、身体とクラブのスイングをスムーズに連結することに大きい影響を及ぼす。第五に、通常、グリップスイングの軸を両手のグリップ内に形成するためにはグリップをやんわりと、例えばグリップの強さを85%程度に弱く握らなければならないが、初心者はグリップを強く握りすぎてスイングを誤る場合が多い。
【0004】
フォワードスイング(forward swing)では、ねじれた脊椎を真っ直ぐにしながらクラブをトップ(top)から下に引き下ろすテイクダウン(take down)、次に、両肩の回転と共に真っ直ぐにした左腕をトップ(top)から下に、またターゲット方向に回転させる左腕スイング、かつ曲がった右腕を上体の右わき腹にくっ付けて下ろし、インパクト直前にターゲット方向に放り出す右腕スイング(いわゆるlate hitting)、これとともにインパクト時に右手首のコッキングを急激に解除する右手首のアンコッキング(uncocking)、および動く両手の中でシャフト上の特定のヒンジ点に対してクラブの残りの部分が相対的にターゲット方向に回転する前記グリップスイングの逆順がある。前記の五つのスイング動作が順に調和した運動(coordinated motions in sequence)を形成するときに0.2〜0.4秒内に終了するクラブヘッドのインパクトが大きくなり、飛球線も正しくなる。
【0005】
空気抵抗のない真空重力場であれば空中へ飛んだボールは正確に放物線軌道を描くが、空気中ではボールの慣性力、重力、空気抵抗、バックスピン(back spin)によるマグナス(Magnus)揚力、前後左右の風による風力などが合成された動力のバランスによってボールは放物線ではなく、真っ直ぐに上がってから急に落ちる歪曲された3次元軌道を作り出す。サイドスピン(side spin)は、ゴルフスイングにおいて上体と両腕のテイクダウン平面が目標ラインに平行せず、outside−inまたはinside−outなどになれば、クラブフェース面(face plane)が開口するか閉鎖されてボールをスキュー角(skew angle)に打撃することにより生じるが、このために飛んでいるボールを左側や右側に押し出す側面マグナス揚力が生じて、軌道が左側や右側に歪む。これは、ドロー(draw)またはフェード(fade)という概念のボールをコントロールできる手段になることもあるが、その程度がひどくなると、フック(hook)あるいはスライス(slice)などのコントロールされていないショットが出る。ボールをスキュー角に打つことがもたらす弊害はパッティングにおいて特に深刻であるが、ティーボックスでドライバーでボールを300ヤード程度真っ直ぐに飛ばすことができる選手が、グリーンで6フィート(feet)内外の短いパッティングを逃してPGAツアーで当日の18ホールマッチや四日間積み上げた72ホールマッチ(match)の勝負全体を負けることはゴルフが有する逆説(paradox)と言える。正しいパッティング方法は、平坦なグリーンであればパッティングラインに沿って直線のパッティングをすれば良いが、これはパターヘッド面のスイートスポット(sweet spot)がボールを直角に打ってサイドスピンなしに真っ直ぐに転がるようにすることである。
【背景技術】
【0006】
本発明は、ゴルフクラブにおいてグリップ部位下のシャフト上に一個〜多数個の特定の位置に固定して設けられ、グリップスイングのヒンジや重量として使用されて、スイングの安定性、正確性およびパワーを向上させるために導き出された動的重心部(dynamic center of gravity)に関するものである。手の中に動的重心部が複数設けられる場合には、上位の重心部をヒンジとして使用し、下位の重心部を重量として使用するミニスイング(mini swing)が可能となり、これはパッティングなどのスイングコントロールのために著しい効果を有する。通常、ゴルフスイングは、前記開示した左腕スイング、上体−両肩スイング、手首スイング、グリップスイング、右腕スイングなどの組み合わせからなる。グリップスイングは、手の中で局所的になされ、手の中での動きは少ないがスイング中に腕力とクラブの重量の動的均衡を維持してテイクアウェイやテイクアップをスムーズに連結することができるスイングコントロールの要素を有している。すなわち、グリップスイングによりクラブスイングと両腕スイングで構成される二重振り子運動システムが開始(trigger)されて維持されることができるため、その役割が極めて重要である。本発明は、グリップを握る際に両手の中のシャフト軸上に一個〜多数個の人為的な重心部(center of gravity)を設けてゴルフスイングにおいてこれを前記グリップスイングの軸や重量として容易に利用するために導き出されたものである。前記スイングシステムの動的重心部(dynamic center of gravity)は、ゴルフクラブそのものの静的(static)重心部とはその概念が完全に異なる。クラブのシャフトを糸で縛ってぶら下げたとき、左右の重量均衡によってクラブが水平の姿勢を取れば糸の位置にクラブの静的重心があると言える。しかし、動的重心部は、スイングのセットアップにおいて両腕および両手がクラブを上に引っ張る力とクラブが自重によって下に引っ張られる力が均衡をなす地点である両手のグリップ内のシャフト軸上の一点を指し、この軸を利用すればパッティングやアイアン、ドライバークラブのスイングにおいて手首を使うことなくテイクアウェイが容易に開始する。本発明は、後述するような正確なスイングを繰り返す機械的な振り子運動の原理を模倣したものであり、特に、精巧なスイングが求められるパッティングのために有用である。ドライバーやアイアンのスイングにおいてもテイクアウェイからテイクアップにつながる際に両腕および両手の力とクラブの重量が前記グリップスイングの重心部において常に動的均衡をなすため、正しいグリップスイングは正しい右手首スイング、左腕スイング、上体−両肩スイング、右腕スイングなどにつながり、本発明の効果は依然として正当になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のように、両手の10本指で握るゴルフグリップにおいて通常の方法では形成し難いグリップスイングの軸をゴルファーが手の中で容易に形成できるように、グリップ下のシャフト軸上に一個〜多数個の明確な重心部を設けることを特徴とする。即ち、本発明は、グリップ下のシャフト軸上に特定の位置、特に、通常、右手の親指と人差し指がグリップを握る位置、左手の親指と人差し指がグリップを握る位置、および左手の小指がグリップを包み握る位置を指定することで、スイング中にクラブの集中した重量を感じるようにシャフト軸上に重心部を人為的に設定することを特徴とする。本発明の目的は、次のとおりである。第一に、ゴルファーに、グリップスイングの原理と重要性をゴルフ力学(golf mechanics)の観点で悟らせる。第二に、通常、初心者が容易に形成し難いグリップスイングの軸を本発明の重心部を用いて容易に具現するための現実的な手段を提供する。第三に、前記重心部にはゴルフクラブの重量が集中する効果があるため、多数の重心部を備える場合には、上位の重心部をヒンジとして使用し、下位の重心部を重量として使用する両手のグリップ内のミニスイング(mini swing)が可能であり、これは精巧なスイングコントロールのための有用な手段になりうる。第四に、本発明によれば、従来複雑であったパッティングなどのゴルフスイングの理論が一層簡単になる。第五に、本発明から導き出されたグリップスイングの理論とその実際の具現方法は、パター、アイアン、ウッド、ドライバーなどのシャフトを備えたゴルフクラブであればいずれも共通して使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のような技術的課題を解決するために、本発明のゴルフクラブは、一側の先端にゴルフボールを打撃するヘッドが形成されるシャフト300と、前記シャフト300の他側の先端に前記シャフト300を包む形態で設けられて取っ手の役割をするグリップ200と、を含んでなるゴルフクラブであって、ゴルフクラブの重量を集中した重心部Sが両手のグリップ下の特定のシャフトの位置、右利きのゴルファーの場合には、特に、通常、右手の親指と人差し指がグリップを握る位置、左手の親指と人差し指がグリップを握る位置、および左手の小指がグリップを包み握る位置などを指定して前記シャフト300の軸上に設けられることを特徴とする。
【0009】
これを具現するための目的として、前記シャフト300は、前記グリップ200の下部の入口付近でクラブヘッド側の(下位の)長い第1シャフト300aとクラブのグリップ側の(上位の)短い第2シャフト300bとに切断分離し、その内部に一つの連結棒330が挟まれてシャフトが単一軸をなすように再度組み立てられ、前記グリップ200は、両面接着テープを手段とし、上位の短い第2シャフト300bの外周面とシャフトの切断分離面の両方を含むようにグリップが覆われて設けられることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記連結棒330は、アルミニウムやプラスチックなどの軽くて丈夫な材料で構成され、その一端である下部接合コア330aが前記下位の長い第1シャフト300aの内部に挿入されて接着剤、溶接、ねじ、リベット、焼ばめ、ろう付けなどの手段により長い第1シャフト300aと堅固に結合し、また、他側の先端である狭い幅の上部接合コア330bが前記上位の短い第2シャフト300bの内部に挿入され、接着剤、溶接、ねじ、リベット、焼ばめ、ろう付けなどの手段により第2シャフト300bと堅固に結合することを特徴とする。前記接合コア330bの幅(長さ)は、例えば約5mm〜10mm程度と小さくするほど好ましい。
【0011】
前記の上部接合コアの幅が狭くて機械的結合が弱い場合に備える方法として、前記接合コアを支持するスリーブ(sleeve)400bを連結棒と一体に成形して、前記スリーブが前記第2シャフト300bの内部に挿入され、接着剤、溶接、ねじ、リベット、焼ばめ、ろう付けなどの手段により第2シャフト300bと堅固に結合することを特徴とする。
【0012】
ここで、前記連結棒の上部接合コア330bは、上位の短い第2シャフト300bの内部に入り、通常、前記グリップ200を両手で握る際に、例えば、右手の親指と人差し指が位置する特定の位置を指定して前記のように短い第2シャフト300bの内部と直接結合することが好ましい。あるいは、前記の同一の特定の位置で、連結棒の一つの構造として前記狭い幅の上部接合コア330bを支持するようにその外部に一体に成形された比較的長い長さのスリーブ400bが短い第2シャフト300bの内部に入り、接着剤、溶接、ねじ、リベット、焼ばめ、ろう付けなどの手段により堅固に結合して重心部Sをなすことを特徴とする。
【0013】
この際、前記短い第2シャフト300bは、多くは二つ以上の部分シャフト、例えば三つ300b1、300b2、300b3に切断分離して形成されるようにすることができる。この場合、前記連結棒330には前記部分シャフト300b1、300b2、300b3のそれぞれに分散して結合する接合コア330b1、330b2、330b3が形成されることが好ましい。また、この際、前記分散結合する接合コア330b1、330b2、330b3は、それぞれ前記部分シャフト300b1、300b2、300b3とねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けから選択される少なくともいずれか一つの手段により直接結合することが好ましい。
【0014】
あるいは、前記連結棒330の接合コア330b1、330b2、330b3と前記部分シャフト300b1、300b2、300b3との機械的結合力が弱い場合には、連結棒の一つの構造として前記接合コア330b1、330b2、330b3それぞれの外部に一体に成形されたスリーブ400b1、400b2、400b3を備え、これらスリーブ400b1、400b2、400b3それぞれが互いに対をなす前記部分シャフト300b1、300b2、300b3と、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けから選択される少なくともいずれか一つの手段により結合することが好ましい。
【0015】
ゴルフクラブの重心部Sを具現する方法に係り前記方法を接合コアが二つの場合を例に挙げて要約すると次のとおりである。
【0016】
前記シャフト300は、ゴムグリップ200の下側の入口付近で切断されて二つに分離するが、一つはクラブヘッド側の下位の長い第1シャフト300aであり、他の一つはグリップの内部に入る上位の短い第2シャフト300bである。切断した二つのシャフトは、その内部に軽くて丈夫な材料からなる一つの連結棒330が挿入されて単一軸をなすように組み立てられるが、連結棒330の一側である下部接合コア330aは、下位の長い第1シャフト300aの中に入って堅固に結合し、連結棒330の他側の先端である狭い幅を有する上部接合コア330bは、上位の短い第2シャフト300bの中に入って、接着剤、溶接、ねじ、リベット、焼ばめ、ろう付けなどの手段により堅固に結合する。上部接合コア330bの幅が狭いため、上位の第2シャフト300bとの結合力が弱い場合には、連結棒の一つの構造として前記接合コアの外部に比較的長い長さのスリーブ400bを一体に成形し、前記スリーブ400bが前記第2シャフト300bの中に入って、接着剤、溶接、ねじ、リベット、焼ばめ、ろう付けなどの手段により第2シャフト300bと堅固に結合することが好ましい。
【0017】
以下、結合コアが二つの場合を例に挙げて、ゴルファーの両腕とゴルフクラブが構成するスイングシステムにおいて前記結合コアによって設けられる重心部Sがゴルフスイングの動的重心として使用される原理について具体的に説明する。
【0018】
ゴムグリップの下側の入口付近でゴルフクラブのシャフトが二つの部分に切断されて下位の長い第1シャフト300aと上位の短い第2シャフト300bとに設けられる。第1シャフト300aと第2シャフト300bは、内部に挿入された一つの軽くて丈夫な連結棒330を用いて単一軸をなすように組み立てられるが、第1シャフト300aの内部では、連結棒330の一つの先端である比較的広い幅を有する下部接合コア330aが第1シャフト300aと、接着剤、ねじ、リベット、溶接、焼ばめ、ろう付けなどの手段により堅固に接着され、第2シャフト300bの内部では連結棒330の他の先端である狭い幅を有する上部接合コア330bが第2シャフト300bに、前記のような方法で堅固に結合するが、連結棒330の残りの部分は直径が相対的に小さいためシャフトとどのような結合も行わない。
【0019】
スイングをするために両腕でクラブを持ち上げると、グリップに加えられる両腕および両手の力は第2シャフト300bに伝わり、これはまた重心部Sの位置で第2シャフト300bと結合している連結棒の上部接合コア330bに伝わる。逆に、クラブの下にあるクラブヘッドの重量は第1シャフトから連結棒の下部接合コア330aに、さらには連結棒330を介してその他側の先端である上部接合コア330bにまで伝わるため、重心部Sは確かに両手とゴルフクラブが構成するスイングシステムの重量平衡点を構成する。したがって、ゴルファーには、ゴルフクラブの重量が手の中にある前記重心点Sに集中するように感じられ、後述する振り子の原理により、前記重心点Sはクラブスイングの一つのヒンジ軸として使用されることができる。また、グリップ下のシャフトの特定の位置に多数の重心部が分散配置されている場合には、上位の重心部はヒンジとして使用し、下位の重心部は重量(weight、振り子)として使用することができる繰り返し性があるため、前記重心部は、手の中でミニスイング(mini swing)システムをなしてスイングコントロールの手段として容易に使用できるという特徴を有する。
【0020】
上部接合コア330bの外部に一体に成形されたスリーブ400bが上位の第2シャフト300bと機械的な結合をなす場合には、クラブヘッドの重量が下位の第1シャフト300aに連結された下部接合コア330aと連結棒330を介して上部接合コア330bに至り、グリップを握った両手の力もグリップから上位の第2シャフト300bに、次にスリーブ400bから上部接合コア330bに伝わるため、前記の上部接合コア330bもまたゴルフスイングの重心部Sの役割をするのに十分である。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、グリップの内部のシャフト軸上に一個〜多数個の特定の位置を選択して人為的な重心部Sを設けるが、前記重心部Sは、クラブを両手で握る際に両腕および両手の力とゴルフクラブの重量が動的均衡をなす位置であるため、グリップスイングの軸や重量として使用することができる。前記重心部Sでは、ゴルフクラブの重量が分散することなく集中するため、スイングモーメントが増加して、ゴルファーが前記重心部の存在を手で感じることにより、これをグリップスイングのヒンジ点として利用することが容易である。右利きのゴルファーの場合には四つの接合コアがある連結棒を例に挙げると、グリップにおいて最も上位の第1接合コアの位置を左手の小指で包んで握り、中間位置の第2接合コアの位置を左手の親指と人差し指で握り、下位の第3接合コアの位置で右手の親指と人差し指でグリップを軽く握ると、各接合コアの位置にある指は選択的に最下側にある第4接合コアと結合した下位の長い第2シャフトとクラブヘッドの重量を感じることができるため、これらそれぞれは全部、重心部Sの役割を行うことができる。即ち、後述する振り子運動の原理により、これらの重心部Sそれぞれは相対的に下位の重心部Sに対するヒンジになることができ、また、相対的に上位の他の重心部Sに対する振り子(weight、重量)の役割を行うことができ、これらは手の中でミニスイング(mini swing)システムをなすことにより、スイングコントロールの役割を行うことができる。本発明を実施するゴルフクラブはいずれの対策のない従来のゴルフクラブより精巧で安定したスイングを許容し、スイングに一貫性があり、インパクトが増加して飛距離が増加し、打球の方向性が正確になるなど、様々な肯定的な効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】グリップを含むゴルフクラブの上部を示す図である。
図2】二つに分離したシャフトに設けられる一つの重心部を示す図である
図3】四つに分離したシャフトに設けられる三つの重心部を示す図である。
図4】一つの接合コアの外部にスリーブが一体に成形された連結棒を手段とする一つの重心部を示す図である。
図5】三つの接合コアそれぞれの外部にスリーブが一つずつ一体に成形された連結棒を手段とする三つの重心部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、前記のような構成を有する本発明に係るゴルフクラブのグリップについて添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本発明のゴルフクラブのグリップの構成と原理について効果的に説明するために、まず、一般的なゴルフクラブスイングについて簡単に言及する。
【0025】
良いゴルフスイングを行うためには、まず、セットアップにおいて両手のグリップ姿勢が正しい必要がある。ゴルフスイングにおいてクラブの種類を問わず、グリップを握る両手に力が入りすぎるとテイクアウェイ(take away)が自然でなく、テイクアップ(takeup)にも容易に連結されることができない。その理由は、両手の下のシャフト上の一点にグリップスイングの軸が容易に形成されないためである。反対に、グリップを緩く握りすぎても手の中でクラブが空回り、正確なグリップスイングの軸がないため不正確な打撃が出る。パターを例に挙げると、良いパッティングは手首を使わずにクラブをスムーズに握ることで両手のグリップ下のシャフト上に一つの軸が形成されてグリップスイングが許容される動作であり、この地点でスイング中に両腕の力とクラブの重量が動的均衡をなして、クラブが機械的な振り子運動をするようになり、クラブヘッド面のスイートスポット(sweet spot)がボールを正確に直角に打つ原理を有する。
【0026】
ゴルフスイングの原理について再度言及すると、ゴルフスイングでは、臀部の真上にある最後の脊椎の節に相対的に脊柱が歪み、ねじれて回転する上体−両肩スイング、左腕が左肩関節に対して回転する左腕スイング、および両手のグリップ下のシャフト軸上の一つのヒンジ点に対してクラブが回転するグリップスイング、右手首のコッキングがなされる手首スイング、右腕が右肩に対して回転する右腕スイングなどが挙げられるが、これらが順によく調和するときにインパクトにおいて力の強いスイングが導き出される。前記スイングのそれぞれは動作中に動力の均衡を要するが、万が一、力の動的均衡が崩れると、スイング軌道もまた崩れてクラブヘッド面のスイートスポットがボールを打てず、サイドスピン(side spin)まで生じてボールが散乱し、パワーを失って飛距離が短くなる。
【0027】
以下、前記の様々なスイングのうち軸が体外に形成されるグリップスイングの構造についてより詳細に説明するために、ゴルフボールを繰り返して正確に打つことのできる単純な仮想のパッティング機械について説明する。パッティング機械は、下にぶら下がった左腕を有しており、左腕は胴体に該当する構造物に肩ピンを手段とし、固定されている。左腕の下部には左手や左手首と思われる部位に一つの直交ピンが刺さっており、これにライ角(lie angle)だけシャフトが傾斜した姿勢でパターがぶら下がっている。ここで、直交ピンは、パターヘッドのフェース面に対して平行であり、クラブのシャフト軸に直角に刺さっている。スイングを開始するために休んでいたスイング機械が左腕でパターを持ち上げると、スイング機械の左腕はパターの重量だけ垂直方向の引張力を受けるが、直交ピンで左腕がパターを上に持ち上げる力とパターヘッドが重力によって腕を下に引っ張る力が互いに平衡をなすことにより、直交ピンは自然と左腕とパターで構成されるスイングシステムの重心をなす。一方、パッティング機械の様々なところに重量センサーが設けられている場合には、機械の左腕はクラブがスイングされる途中にその重量が常に直交ピンに集中しているという事実を感知する。即ち、左腕が第1振り子運動をする間に直交ピンにぶら下がったパターは第2振り子運動をするが、前記直交ピンは、前記第1振り子と第2振り子がなす二重振り子システムの重心の役割とともに第2振り子の回転中心の役割を行う。仮想機械の第2振り子運動を行うパターは、バックスイングでパターヘッドがターゲットラインに追うように後進し、これとともに直交ピンを介して第1振り子運動である左腕の後進運動をもたらすとみなしてもよく、これを逆に解釈してもよい。クラブのフォワード(forward)スイングでは、直交ピンはパターヘッドのフェース面に対して平行であり、シャフト軸に対して直角であるため、左腕がターゲット方向に進むと直交ピンを介してパターが後を追ってパターヘッドのスイートスポットがボールを直角に打つ。このスイング機械が示唆する物理的な意味は、振り子のようにヒンジ点が停止している単一振り子(single pendulum)において、ヒンジ点が振り子の回転中心とともに動的重心の二重の役割をするように、腕とクラブがなす二重振り子(double pendulum)システムの連結部にある直交ピンもまたシステムの動的重心とともにクラブの回転中心となる二重の役割を同様に行っているという事実である。
【0028】
本発明では、前記の機械的なスイングをまねして一側の先端にゴルフボールを打撃するヘッドが形成されるシャフト300と、前記シャフト300の他側の先端に前記シャフト300を包む形態で設けられて取っ手の役割をするグリップ200と、を含んでなるゴルフクラブであって、両手のグリップ下のシャフト軸上に一個〜多数個の特定の位置を選定し、両腕とゴルフクラブで構成される二重振り子ゴルフスイングシステムの動的重心となるように重心部Sを備えることを特徴とする。ゴルフクラブを両手のグリップで握ると、手から遠くにあるクラブヘッドの重量が手の中の近い一点である前記重心部Sにあるように感じられるため、前記重心部Sをスイングコントロールの手段として容易に採択することができる。付け加えると、本発明の重心部Sにはクラブの重量が集中して振り子運動のスイングモーメントが大きく感じられるため、これをグリップスイングの軸として使用することが容易である。手の下のグリップに複数の重心部が設けられている場合には、上位の一つの重心部をヒンジとし、それより下位にある他の重心部を重量(weight)とするミニスイング(mini swing)が可能となり、手の中でスイングコントロールが容易になされる。前記ゴルフ力学の原理について以下でより詳細に分析する。
【0029】
ゴルファーは、セットアップ過程でシャフトがライ角だけ傾斜して置かれているクラブをクラブヘッドが地面から少し離れるまで両手で持ち上げるが、この際、クラブを上に持ち上げる両腕の力はクラブを下側方向に引っ張るクラブの重量と平衡をなす。平衡点となるシステムの重心は、前記スイング機械では確かに直交ピンに集中するが、まだ慣れていないゴルファーの両手のグリップでは手の平の接触部位が広く、グリップを強く握ることにより、グリップのいずれの地点でシステムの重心が位置するか明確でない。グリップを強く握れば握るほど一つのヒンジ点は無くなり、両腕に対するクラブ回転の自由度が低下し、後に続く多くのスイングの連結動作がスムーズにならないため、スイングの幅が狭くなる。反対に、両手のグリップが緩すぎてもグリップ内でシャフトが空回り、スイングが崩れる。
【0030】
以下、良いグリップとはいかなるものであるかについて説明する。これは、セットアップにおいてクラブの重量に勝てるほどグリップを軽く握り、両手の中のある一つの固定した地点にスイングシステムの重心を形成した後、これをヒンジ点とし、クラブの振り子運動であるテイクアウェイ動作をスムーズに開始することができるグリップを意味する。しかし、クラブの重量が相当なものであるため、ゴルフ初心者はスイング途中に自分も知らないうちに両手に力を込めるようになり、このような状況では良いスイング動作が出ないという事実が初心者にゴルフを難しく感じさせる多くの要因の一つとなる。
【0031】
本発明では、スイング中にクラブの重量が分散されず、グリップ部位の一つのシャフト地点に集中して安定したスイングが誘導されるように人為的な重心部Sを設けることを特徴とする。すなわち、本発明は、両腕とクラブがなす二重振り子運動において、両腕とクラブが連結されるグリップ下のシャフト軸上にクラブの回転中心とともに動的重心となる明確な重心部Sを取り入れ、これをグリップスイングの軸や手の中のミニスイングのための重量とし、安定して自然なテイクアウェイを開始することができるという特徴を有する。手首の回転を抑制するパッティングではこのようなグリップスイングが特に重要であり、スイングアークが大きく、大きいパワーが出るドライバーやアイアンのスイングでもグリップスイングの軸を用いてクラブと両腕との間の柔らかい二重振り子運動が発生するため、前記のグリップスイングは依然として重要である。パターを例に挙げると、本発明に係るパターにおいて重心部Sをグリップスイングの軸や手の中でなされるミニスイングの重量とすると、機械的な振り子運動の原理を守ることができ、クラブヘッドのスイートスポットがボールを直角に打ち、ピンに転がるボールの慣性が増加し、動線が真っ直ぐになり、従来のパターより成功確率が高くなる。本発明に係るドライバーやアイアンクラブでも両手のグリップ内でスイングシステムの動的均衡がとられるため、テイクアウェイやテイクアップの連結動作が自然でスムーズとなり、スイング感と打撃感が確実に良くなることを感じることができる。
【0032】
本発明で提供する上述のようなゴルフクラブのグリップ部位に設けられる重心部Sについて以下で説明する実施例を用いてより詳細に説明する。図1はゴルフクラブの部品のうちシャフト300とグリップ200の構成を拡大して示す図である。
【0033】
図2に示される実施例では、グリップ200の下側の入口付近でシャフトが二つに切断されて下位の長い第1シャフト300aと上位の短い第2シャフト300bとに分離される。二つのシャフトは、内部に挿入した軽くて丈夫な一つの連結棒330によって単一軸をなすように組み立てられるが、図2に例示した連結棒330の下部接合コア330aは、下位の第1シャフト300aの内部に挿入されて、溶接、ねじ、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けなどの手段により堅固に結合する。重心部Sをなす前記連結棒330の上部接合コア330bは、下部接合コア330aより狭い幅を有し、上位の第2シャフト300bの内部に挿入されて、接着剤、溶接、ねじ、リベット、焼ばめ、ろう付けなどを手段とし、堅固に結合するが、図2では、特に、溶接や接着剤で結合された模様を例示する。付け加えると、上位の第2シャフト300bの内部にある上部接合コア330bは狭い幅を有することにより本発明においてクラブスイングのヒンジとして使用することができ、重心部Sをなす。
【0034】
ゴルファーが両手でグリップを握ると、両腕および両手を介して発揮される力はまずグリップに、これに接着した上位の第2シャフト300bに、第2シャフトの内部の上部接合コア330bに伝達される。クラブの下にあるヘッドの重量は、下位の第1シャフト300aとその内側に結合した下部接合コア330aと連結棒を介して上部接合コア330bに至るため、上部接合コア330bは自然と重心部Sを形成する。したがって、ゴルファーが重心部Sをグリップスイングの軸や重量として利用すると、両腕の力とクラブの重量がそこで動的均衡をなし、スイングが安定し、自然となる。
【0035】
図3の実施例は前記上部の接合コアの個数をさらに増やしたものであり、これは前記上位の第2シャフト300bを二つ以上の部分シャフトに、特に、図3では三つの部分シャフト300b1、300b2、300b3に切断分離した場合を示しているが、無論設計目的に応じて前記上位の接合コアの個数が2個あるいは4個になるように部分シャフトの個数を縮小あるいは拡大してもよい。図3の場合、前記連結棒330には前記部分シャフト300b1、300b2、300b3のそれぞれに結合するように分散した三つの接合コア330b1、330b2、330b3が狭い幅で設けられているようにする。図2の実施例において上位の第2シャフト300bが前記連結棒330の上部接合コア330bに機械的に堅固に結合することと同様に、前記三つの部分シャフト300b1〜300b3のそれぞれに対応して結合する前記分散した三つの結合コア330b1〜330b3もまた、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けなどの手段から選択されるいずれかと結合することが好ましい。図2において前記部分シャフト300a、300bと前記連結棒330の両端接合コア330a、330bとの結合のために溶接や接着剤が用いられたことと同様に、図3でも前記三つの部分シャフト300b1〜300b3と、これと対をなす前記三つの接合コア330b1〜330b3がそれぞれ溶接や接着剤により結合した例を示しているが、これらはいずれも一つの例を示すものであって、いずれの場合にもねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けなどの様々な手段から選択されるいずれかを結合に使用してもよいことは言うまでもない。
【0036】
図4の実施例は、前記上位の第2シャフト300bに結合する連結棒の上端の接合コア330bの幅が狭くて機械的結合力が小さい場合に備えて、連結棒の一つの構造として接合コア330bの外部に一体に成形された比較的広い幅のスリーブ(sleeve)400bを備えるが、前記スリーブ400bを前記上位の第2シャフト300bに堅固に結合させるために、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けなどの様々な手段から選択されるいずれも使用できるということを示している。
【0037】
図5の実施例は、三つの部分シャフト300b1、300b2、300b3に分離された前記上位のシャフト330bと、これにそれぞれ結合する狭い幅を有する三つの連結棒接合コア330b1、330b2、330b3を示している。連結棒の一つの構造として、これら三つの接合コア330b1、330b2、330b3それぞれの外部には相対的に長い長さのスリーブ400b1、400b2、400b3が一体型に成形され、これらのそれぞれが対をなす前記部分シャフト300b1、300b2、300b3と、ねじ、溶接、リベット、接着剤、焼ばめ、ろう付けなどの様々な手段から選択されるいずれかを使用して堅固に結合することができることを示している。
【0038】
このように上位の短いシャフト300bが多数個の部分シャフト300b1〜300b3に分けられ、部分シャフト300b1〜300b3のそれぞれが対をなす前記連結棒330の接合コア330b1〜330b3に直接結合するか、連結棒の一つの構造として前記接合コア330b1〜330b3の外部にそれぞれ一体型に成形されたスリーブ400b1、400b2、400b3を介して間接結合している場合、それぞれの接合コア330b1〜330b3にはいずれも重量が集中できるものであり、結果、重心部を多様に設定できる変化の手段を有する。このように多数の重心部に拡張が必要な理由は次のとおりである。上述のように重心を一つの位置のみに設定する場合、理論的には最も理想的でありうるが、実際、ゴルフグリップを握る際に人は両手を使用するため重心が片手の一箇所にのみ設定される場合には、残りの手の役割に対してゴルフ初心者が疑問を抱くことがある。この際、図3図5に示したような重心部の拡張構造を利用すると、それぞれの部分シャフト300b1〜300b3に左手と右手の指を適切に配分して位置させることができ、この地点はいずれもスイングシステムの動的重心をなして手の中のミニスイング(mini swing)のためのヒンジや重量として使用できるため卓越なスイングコントロールの要素となりうる。
【0039】
本発明に係る連結棒、その上に一体に成形された接合コア、および接合コアを支持する一体に成形されたスリーブは全部特定の方向性を有しないだけでなく、シャフト内とグリップの内部に存在して発明の装置が外部から観察されず、自然で、発明の審美性があり、重量集中部の接合コアとして作用するクラブの重量が重力の作用により、まるで電磁力が四方から感じられるようにシャフトとグリップの外側にある両手に確実に感じられるためその効果が強力である。そのため、既存のクラブの外観を少しも変更することなく内部の重心部を前後左右の全方向にわたりヒンジ点とともに重量(振り子、weight)として稼動できる多数個の重心部を備えた本発明は、先行技術より著しい新規性と進歩性を有していると見なされる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明により提供される前記重心部Sは、グリップスイングの一つの構造として手の中のミニスイングをなすためのヒンジや重量として使用されることができ、これを利用するゴルフスイングは、前記重心部Sを介して安定して柔らかい二重振り子運動をなす。その結果、本発明を利用するゴルフスイングには正確性と力が付与され、かつボールの飛球線が真っ直ぐになり、成功的なゴルフスイングになる確率が高くなる。
【符号の説明】
【0041】
200 グリップ
300 シャフト
300a 長い第1シャフト
300b 短い第2シャフト
300b1〜300b3 短い第2シャフトをさらに細かく三つに分けた部分シャフト
330 連結棒全体
330a 連結棒の広い幅を有する下部接合コア
330b 連結棒の狭い幅を有する上部接合コア
330b1〜330b3 連結棒の上部に設けられた分散した三つの接合コア
400b 一つの接合コアに一体に成形された一つのスリーブ(sleeve)
400b1〜400b3 三つの接合コアそれぞれに一体に成形された三つのスリーブ
図1
図2
図3
図4
図5