(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入退室検出部は、前記開時人検出情報記録部が前記人検出センサが人の存在を検出していたことを記録しており、かつ、前記閉時人検出情報記録部が前記人検出センサが人の存在を検出していなかったことを記録していた場合に入室があったことを検出し、前記開時人検出情報記録部が前記人検出センサが人の存在を検出していなかったことを記録しており、かつ、前記閉時人検出情報記録部が前記人検出センサが人の存在を検出していたことを記録していた場合に退室があったことを検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の入退室検出装置。
前記開閉検出センサは、前記扉の加速度を検出する加速度センサを備え、当該加速度センサが検出した前記扉の加速度から、前記扉が開いた状態にあるか閉じた状態にあるかを検出する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の入退室検出装置。
前記人検出センサは、人体が発した赤外線を受光することによって前記扉の一面に面した領域内に人が進入したこと、あるいは前記扉の一面に面した領域内から人が退出したことを検出する赤外線センサを備える、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の入退室検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る入退室検出装置について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る入退室検出装置100は、人間が監視対象の出入り口を通って入室したこと、あるいは監視対象の出入り口を通って退室したことを検出し、監視者あるいは他機器に入室あるいは退室があったことを通知する。
【0018】
入退室検出装置100は、
図1に示すように、装置全体を制御する制御部110、扉が開状態か閉状態かを検出する開閉検出センサ120、扉の一面に面した領域内に人が存在するか否かを検出する人検出センサ130、他機器に向けて入室があったこと、および退室があったことを通知する出力部140を備える。入退室検出装置100が備える各構成要素は、バス101を介して相互に接続される。
【0019】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113を備える。CPU111は、ROM112などに記憶されている制御用のプログラムに従って、入退室検出装置100全体の動作を制御する。ROM112は、制御用のプログラムを記憶する。RAM113は、CPU111が使用するデータ(例えば、後述する開時人検出情報および閉時人検出情報など)を一時的に保存する。制御部110は、入退室検出装置100が備える他の構成要素との間で、バス101を介して信号を送受信することにより、これらの構成要素を制御する。
【0020】
開閉検出センサ120は、監視対象の扉が開状態であるか閉状態であるかを検出し、制御部110にその情報を供給する。
【0021】
開閉検出センサ120は、監視対象の扉に取り付けられた加速度センサ120aを有する。監視対象の扉が開かれたり、あるいは閉じられたりすると、加速度センサ120aは開閉動作に伴う加速度を検出する。開閉検出センサ120は、加速度センサ120aが検出した加速度が、開状態パターンの加速度と閉状態パターンの加速度とのどちらに該当するかを判別し、判別結果に基づいて扉が開状態にあるか閉状態にあるかを判別する。
開閉検出センサ120は、扉が開状態にある間は、開状態であることを示す開信号を制御部110に供給し、扉が閉状態にある間は、閉状態であることを示す閉信号を制御部110に供給する。
【0022】
人検出センサ130は、扉の一面に面した領域内に人が存在するか否かを検出し、制御部110にその情報を供給する。なお、監視対象の扉の一方の面を「前面」、他方の面を「背面」とし、扉の前面側空間を「室外」、背面側空間を「室内」と表記し、人間が室外から室内に移動することを「入室」、室内から室外へ移動することを「退室」と表記する。
【0023】
人検出センサ130は、焦電型赤外線センサ130aを有する。焦電型赤外線センサ130aは、検出可能領域(以下、領域A130と表記)からの赤外線を受光している。焦電型赤外線センサ130aは、検出可能領域(視野)内に人がいるかいないかを、受光している赤外線量の変化から検出する。
人検出センサ130は、検出可能領域に人が存在する間は、人を検出したことを示す人検出信号を制御部110に供給し、監視対象領域に人が存在しない間は、人が存在しないことを示す人非検出信号を制御部110に供給する。
【0024】
図2(a)、(b)に示すように、焦電型赤外線センサ130aは、監視対象の扉20の前面側に取り付けられ、検出対象領域(領域A130)に人30が存在しているか否かを検出する。
図2(a)に示すように、検出対象領域A130に人が存在しない場合、人検出センサ130は、人非検出信号を制御部110に供給する。また、
図2(b)に示すように、検出対象領域A130に人30が存在する場合、人検出センサ130は、人検出信号を制御部110に供給する。
【0025】
出力部140は、制御部110の制御の下、「入室あり情報」あるいは「退室あり情報」を図示しない他機器に出力する。
出力部140に接続された他機器は、入室あり情報あるいは退室あり情報の供給を受信し、当該情報を画面上に表示したり、またはスピーカーから対応する効果音を出力したりすることにより監視者に通知する。あるいは他機器において、入室あり情報および退室あり情報のそれぞれが供給された回数をカウントすることにより、入退室を計数する。
【0026】
ここから、
図3を参照し、入退室検出装置100が実行する入退室検出処理について説明する。入退室検出装置100は、起動時に入退室検出処理を開始し、ユーザによる停止操作(シャットダウン操作等)がなされるまで入退室検出処理を継続する。
【0027】
制御部110は、入退室検出処理開始後、開閉検出センサ120から供給される信号が閉信号から開信号に変化するまで待機する(ステップS110)。
【0028】
制御部110は、開閉検出センサ120から供給される信号が開信号に変化したことを検出すると(ステップS110:YES)、その時点で人検出センサ130から供給されている信号を開時人検出情報として記録する(ステップS120)。具体的には、開閉検出センサ120から制御部110に供給されている信号が閉信号から開信号に変わった時点で、人検出センサ130から制御部110に供給されている信号が人検出信号であれば、制御部110はRAM113の所定の領域に開時人検出情報として「人検出」を記録する。逆に、開閉検出センサ120から制御部110に供給されている信号が閉信号から開信号に変わった時点で、人検出センサ130から制御部110に供給されている信号が人非検出信号であれば、制御部110はRAM113の所定の領域に開時人検出情報として「人非検出」を記録する。このように、制御部110は、監視対象の扉20が開いたときの、人検出センサ130の検出内容を記録する開時人検出情報記録部として機能する。
【0029】
次に、制御部110は、開閉検出センサ120からの信号が開信号から閉信号に変化するまで待機する(ステップS130)。
【0030】
制御部110は、開閉検出センサ120から供給される信号が再び閉信号に変化すると(ステップS130:YES)、その時点で人検出センサ130から供給されている信号を閉時人検出情報として記録する(ステップS140)。具体的には、開閉検出センサ120から制御部110に供給されている信号が開信号から閉信号に変わった時点で、人検出センサ130から制御部110に供給されている信号が人検出信号であれば、制御部110はRAM113の所定の領域に閉時人検出情報として「人検出」を記録する。逆に、開閉検出センサ120から制御部110に供給されている信号が開信号から閉信号に変わった時点で、人検出センサ130から制御部110に供給されている信号が人非検出信号であれば、制御部110はRAM113の所定の領域に閉時人検出情報として「人非検出」を記録する。このように、制御部110は、監視対象の扉20が閉じたときの、人検出センサ130の検出内容を記録する閉時人検出情報記録部として機能する。
【0031】
次に、制御部110は、RAM113に記録されている開時人検出情報および閉時人検出情報に基づいて、入室がなされたかを判別する(ステップS150)。具体的には、制御部110は、開時人検出情報が「人検出」でありかつ閉時人検出情報が「人非検出」であった場合(ステップS150:YES)、入室があったと判別(入室があったことを検出)し、処理をステップS151に移す。
【0032】
ステップS151において、制御部110は「入室あり」に対応する信号を、バス101を介して出力部140に供給する(ステップS151)。これを受けて、出力部140は入室があったことに対応する信号を他機器に供給する。
【0033】
ステップS150において開時人検出情報が「人非検出」あるいは閉時人検出情報が「人検出」であった場合、(ステップS150:NO)、制御部110は、開時人検出情報および閉時人検出情報に基づいて、退室がなされたか判別する(ステップS160)。具体的には、制御部110は、RAM113の所定の領域に記録されている開時人検出情報が「人非検出」であり、かつ、閉時人検出情報が「人検出」であった場合(ステップS160:YES)、退室があったと判別(退室があったことを検出)し、処理をステップS161に移す。
【0034】
ステップS161において、制御部110は「退室あり」に対応する信号を、バス101を介して出力部140に供給する(ステップS161)。これを受けて、出力部140は退室があったことに対応する信号を他機器に供給する。
【0035】
以上に示したとおり、ステップS150およびステップS160において、制御部110は、開時人検出情報と閉時人検出情報に基づいて、入室があったことおよび退室があったことを検出する入退室検出部として機能する。
【0036】
ステップS160において開時人検出情報が「人検出」あるいは閉時人検出情報が「人非検出」であった場合、すなわち制御部110が退室がなかったと判別した場合(ステップS160:NO)、あるいは上記のステップS151あるいはステップS161の処理が終わると、制御部110は処理をステップS110に戻し、再び開閉検出センサ120からの信号が閉信号から開信号に変化するまで待機する(ステップS110)。
その後、制御部110は、ユーザによる停止操作(入退室検出装置100のシャットダウン等)がなされるまで入退室検出処理のステップS110以降を繰り返す。
【0037】
ここから、
図4を参照し、入退室、あるいは入退室を伴わない監視対象の扉20の開閉や人検出センサ130の反応があった場合において、それぞれの場合に入退室検出装置100が正しく入室および退室を検出することを説明する。
【0038】
図4は、人間がそれぞれ(a)入室する場合、(b)退室する場合、(c)扉20の前面には来るが、扉20の開閉をせず戻った場合、(d)扉20の背面には来るが、扉20の開閉をせず戻った場合、(e)前面から扉20の開閉のみ行い戻った場合、(f)背面から扉20の開閉のみ行い戻った場合、の6ケースにおいて、人検出センサ130の出力信号が「人検出信号」、開閉検出センサ120の出力信号が「開信号」となる時間を示す。
【0039】
まず、人間が入室する場合について説明する。
人間が監視対象の出入り口を通って入室する場合、(1)扉20の前面に立ち(この時点をTa1とする)、(2)扉20を開き(この時点をTa2とする)、(3)出入り口を通り(この時点をTa3とする)、その後に(4)扉20を閉める(この時点をTa4とする)、といった順に行動する。
【0040】
人間が上記(1)〜(4)の一連の行動をとったときに、人検出センサ130の出力が「人検出信号」となる時間、および開閉検出センサ120の出力が「開信号」となる時間は、
図4(a)に示したとおりである。すなわち、(1)入室前に人間が扉20の前面に位置することで、人検出センサ130が人間を検出し、人検出センサ130の出力は人検出信号となる(時点Ta1)。ついで、(2)人間が入室のために扉20を開くことにより、開閉検出センサ120の出力は開信号となる(時点Ta2)。この時点で人検出センサ130の出力は「人検出信号」であり、制御部110は、開時人検出情報として「人検出」を記録する。次に、(3)人間が出入り口を通ることにより扉20の前面に人がいなくなり、人検出センサ130の出力は人非検出信号となる(時点Ta3)。最後に、(4)人間が扉20を閉めることにより、開閉検出センサ120の出力が閉信号となる(時点Ta4)。この時点では人検出センサ130の出力は「人非検出信号」であり、制御部110は、閉時人検出情報として「人非検出」を記録する。
【0041】
制御部110は、閉時人検出情報を記録すると(ステップS140)、入室又は退室がなされたか判別する(ステップS150、S160)。この場合、記録された開時人検出情報は「人検出」、閉時人検出情報は「人非検出」であることから、制御部110は入室があったと判別(入室があったことを検出)し、出力部140は入室があったことに対応する信号を他機器に供給する。
以上において示したとおり、人間が監視対象の出入り口を通って入室した場合、制御部110は入室があったことを正しく検出する。
【0042】
次に、人間が退室する場合について説明する。
人間が監視対象の出入り口を通って退室する場合、扉20の背面に立ってから(1)扉20を開き(この時点をTb1とする)、(2)出入り口を通り(この時点をTb2とする)、(3)扉20を閉め、(この時点をTb3とする)、(4)最後に扉20の前面から離れる(この時点をTb4とする)といった順に行動する。
【0043】
人間が上記(1)〜(4)の一連の行動をとったときに、人検出センサ130の出力が「人検出信号」となる時間、および開閉検出センサ120の出力が「開信号」となる時間は、
図4(b)に示したとおりである。すなわち、当初は扉20前面側の領域内に人がいないことから、人検出センサ130の出力は人非検出信号である。(1)人間が退室のために扉20を開くことにより、開閉検出センサ120の出力が閉信号から開信号に変化する(時点Tb1)。この時点で人検出センサ130が出力する信号は人非検出信号であり、制御部110は、開時人検出情報を「人非検出」として記録する。次に、(2)人間が出入り口を通って扉20前面付近の所定の領域に人が進入することにより、人検出センサ130が出力する信号は人検出信号となる(時点Tb2)。次に(3)人間が扉20を閉めることにより、開閉検出センサ120が出力する信号は開信号から閉信号に変化する(時点Tb3)。この時点では人検出センサ130が出力する信号は人検出信号であり、制御部110は、閉時人検出情報を「人検出」として記録する。最後に、(4)人間が扉20の前面を離れることにより、人検出センサ130が出力する信号が人非検出信号に変化する。
【0044】
制御部110は、閉時人検出情報を記録すると(ステップS140)、入室又は退室がなされたか判別する(ステップS150、S160)。この場合、記録された開時人検出情報は「人非検出」、閉時人検出情報は「人検出」であることから、制御部110は退室があったと判別(退室があったことを検出)し、出力部140は退室があったことに対応する信号を他機器に供給する。
以上において示したとおり、人間が監視対象の出入り口を通って退室した場合、制御部110は退室があったことを正しく検出する。
【0045】
次に、人間が扉20の前面付近に来たが、扉20を開閉することなく立ち去った場合について説明する。
人間が扉20の前面に立ったものの、扉20を開閉することなく扉20の前面から離れた場合における、人検出センサ130の出力が「人検出信号」および開閉検出センサ120の出力が「開信号」となる時間は、
図4(c)に示したとおりである。すなわち、人間が扉20の前面に立つことにより人検出センサ130が出力する信号は人検出信号となり(この時点をTc1とする)、人間が扉20の前面から離れることにより人検出センサ130が出力する信号は人非検出信号となる(この時点をTc2とする)。人間がこの一連の動作をしても、開閉検出センサ120が出力する信号は閉信号から変化しない。この場合、制御部110は開時人検出情報あるいは閉時人検出情報の記録をせず、また入室があったことも退室があったことも検出しない。
以上において示したとおり、人間が扉20の前面付近に来たが、扉20を開閉することなく立ち去った場合は、制御部110は入室も退室も検出しない。つまり、以上のような行動を人間がとったとしても、制御部110は誤って入退室を検出することはない。
【0046】
次に、人間が扉20の背面付近に来たが、扉20を開閉することなく立ち去った場合について説明する。
人間が扉20の背面に立ったものの、扉20を開閉することなく扉20の背面から離れた場合、
図4(d)に示すとおり、人検出センサ130も開閉検出センサ120も一連の動作を通じて変化しない。この場合、制御部110は開時人検出情報あるいは閉時人検出情報の記録をせず、また入室があったことも退室があったことも検出しない。つまり、以上のような行動を人間がとったとしても、制御部110は誤って入退室を検出することはない。
【0047】
次に、人間が扉20の前面付近に来て扉20を開閉したが、入室することなく戻った場合について説明する。
この場合、人間は(1)扉20の前面に立ち(この時点をTe1とする)、(2)扉20を開き(この時点をTe2とする)、(3)その後、扉20を閉じ(この時点をTe3とする)、最後に(4)扉20の前面付近から離れる(この時点をTe4とする)、といった順に行動する。
【0048】
人間が上記(1)〜(4)の一連の行動をとったときに、人検出センサ130の出力が「人検出信号」となる時間、および開閉検出センサ120の出力が「開信号」となる時間は、
図4(e)に示したとおりである。すなわち、(1)人間が扉20前面に位置することで、人検出センサ130が人を検出し、人検出センサ130が出力する信号は人検出信号となる(時点Te1)。ついで、(2)人間が扉20を開くことにより、開閉検出センサ120が出力する信号が開信号に変化する(時点Te2)。この時点で人検出センサ130が供給する信号は人検出信号であり、制御部110は、開時人検出情報を「人検出」として記録する。次に、(3)人間が扉20を閉めることにより、開閉検出センサ120が出力する信号が閉信号に変わる(時点Te3)。この時点では、扉20前面に人がいるため人検出センサ130が出力する信号は人検出信号であり、制御部110は、閉時人検出情報を「人検出」として記録する。最後に、(4)人間が扉20の前面を離れることにより、人検出センサ130が出力する信号は人非検出信号に戻る(時点Te4)。
【0049】
制御部110は、閉時人検出情報を記録すると、入室又は退室がなされたか判別する(ステップS150、S160)。この場合、記録された開時人検出情報は「人検出」、閉時人検出情報は「人検出」であることから、制御部110は順に入室がなかったと判別し、次に退室がなかったと判別する。この場合、出力部140は「入室あり情報」も「退室あり情報」も出力しない。
以上において示したとおり、人間が扉20の前面付近に来て扉20を開閉したが、入室することなく戻った場合も、制御部110は入室も退室も検出しない。つまり、以上のような行動を人間がとったとしても、制御部110は誤って入退室を検出することはない。
【0050】
次に、人間が扉20の背面付近に来て扉20を開閉したが、退室することなく戻った場合について説明する。
この場合、人間は扉20の背面に立って(1)扉20を開き(この時点をTf1とする)、(2)その後扉20を閉じて(この時点をTf2とする)戻る、といった順に行動をとる。
【0051】
人間が上記(1)(2)の一連の行動をとったときに、人検出センサ130の出力が「人検出信号」となる時間、および開閉検出センサ120の出力が「開信号」となる時間は、
図4(f)に示したとおりである。すなわち、(1)人間が扉20を開くことにより、開閉検出センサ120が出力する信号が開信号に変わる(時点Tf1)。この時点では扉20前面には人がいないため、人検出センサ130が出力する信号は人非検出信号であり、制御部110は、開時人検出情報を「人非検出」として記録する。次に、(2)人間が扉20を閉めることにより、開閉検出センサ120が出力する信号が閉状態に変わる(時点Tf2)。この時点では、扉20前面には人がいないため人検出センサ130が出力する信号は人非検出信号であり、制御部110は、閉時人検出情報を「人非検出」として記録する。
【0052】
制御部110は、閉時人検出情報を記録した後(すなわち時点Tf2後)、順に入室がなされたか、退室がなされたかを判別する。この場合、記録された開時人検出情報は「人非検出」、閉時人検出情報は「人非検出」であることから、制御部110は順に入室がなかったと判別し、次に退室がなかったと判別する。この場合、出力部140は「入室あり情報」も「退室あり情報」も出力しない。
以上において示したとおり、人間が扉20の背面付近に来て扉20を開閉したが、入室することなく戻った場合も、制御部110は入室も退室も検出しない。つまり、以上のような行動を人間がとったとしても、制御部110は誤って入退室を検出することはない。
【0053】
ここまで示したとおり、本実施の形態にかかる入退室検出装置100は、入室や退室がないまま開閉検出センサ120および人検出センサ130が個別に反応する場合があっても、誤って「入室あり情報」や「退室あり情報」を出力することはない。
【0054】
このように、本実施の形態によれば、開閉検出センサ120および人検出センサ130の二つのセンサ素子を組み合わせて用いることで、入退室を誤って検出することを防止できる。そのため、少ないセンサ素子によって高い精度で入退室を検出することができる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本実施の形態はこれに限定されない。
【0056】
上記実施の形態においては、焦電型赤外線センサ130aを扉20の一面に配置したが、例えば、
図5に示すように、天井に配置する等、扉20の一面側の検出対象領域の人間を検出できるならば、取り付け位置、取り付け方法は任意である。
【0057】
あるいは、本実施の形態においては、人検出センサ130は焦電型赤外線センサ130aを有するとしたが、これに替えて、例えば圧電センサ130bを用いてもよい。
圧電センサ130bは、検出面に圧力が働いた場合に内部電圧が変化することにより、検出面上に人が存在することを検出するものである。
図6(a)に示すように、圧電センサ130bは扉20前面付近の床面に設置される。そして、
図6(b)に示すように、圧電センサ130b上に人30がいる場合、人30の体重により検出面に圧力が加えられ、圧電センサ130bの内部電圧の変化を検出することにより、検出面上に人30が存在することを検出する。
また、他にも本発明に適用できる人検出センサは多々存在する。例えば赤外線センサ、超音波センサ、可視光センサ等を用いても本発明を実現することができる。
【0058】
本実施の形態においては、開閉検出センサ120は加速度センサ120aを有するとしたが、これに替えて、例えばホールセンサ、接触を利用したスイッチ等を用いてもよい。
【0059】
本実施の形態においては、出力部140は、他機器に入室あり情報もしくは退室あり情報を供給するとした。他機器への通信手段は有線でも無線でもよいし、また通信におけるプロトコルも任意のものを使用可能である。
また、他機器に情報を供給することに代えて、出力部140がディスプレイやスピーカーを通じて直接人間に検出できるように出力してもよい。例えば出力部140に直接接続されたディスプレイの所定欄に「入室あり」あるいは「退室あり」と表示するようにしてもよいし、または出力部140に直接接続されたスピーカーから所定の音を出力するようにしてもよい。
【0060】
本実施の形態においては、人検出センサ130から制御部110へ供給される信号は、デジタル信号でもアナログ信号でもよい。開閉検出センサ120から制御部110へ供給される信号(開信号および閉信号)、また出力部140が供給する信号(入室あり情報および退室あり情報)等についても同様に、デジタル信号でもアナログ信号でもよい。
【0061】
また、本実施の形態においては、出入り口の扉は、例えば開き戸、引き戸、折り戸、自動ドアなどのいずれの様態のものであっても実現することができる。
【0062】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した入退室検出装置と同等の機能を提供しつつ、さらに消費電力を低減した入退室検出装置について説明する。
【0063】
本実施の形態における入退室検出装置200は、
図7に示すように、装置全体を制御する制御部110、扉が開状態か閉状態かを検出する開閉検出センサ120、扉の前面に面した所定の領域内に人がいることを検出する人検出センサ130、他機器に向けて入室があったこと、および退室があったことを通知する出力部140、および省電力制御部150を備える。入退室検出装置200が備える各構成要素は、バス101を介して相互に接続される。このうち、省電力制御部150以外の構成要素については、実施の形態1と同一であり説明を省略する。
【0064】
省電力制御部150は、制御部110による制御の下、人検出センサ130へ電力を供給し、またその電力供給を停止することにより、人検出センサ130を動作状態と非動作状態とで切り替える。すなわち、省電力制御部150は、制御部110から、バス101を介して人検出センサ130を動作状態にするための所定の信号の供給を受けると、省電力制御部150は人検出センサ130への電力供給を開始する。それにより、人検出センサ130は動作状態になる。また、省電力制御部150は、制御部110から、バス101を介して人検出センサ130を非動作状態にするための所定の信号の供給を受けると、省電力制御部150は人検出センサ130への電力供給を停止する。それにより、人検出センサ130は非動作状態になる。
【0065】
ここから、
図8を参照し、入退室検出装置200による入退室検出処理について説明する。
図3に示した、入退室検出装置100による入退室検出処理とは、ステップS120に代えてステップS210「開時人検出処理」があること、ステップS140に代えてステップS220「閉時人検出処理」があること、の2点で相違する。実施の形態1における入退室検出処理と重複する部分については、説明を省略する。
【0066】
入退室検出装置200の入退室検出処理では、ステップS110において開閉検出センサ120から供給される信号が開信号に変化すると(ステップS110:YES)、制御部110は、開時人検出処理を開始する(ステップS210)。
【0067】
ここから、
図9(a)を参照し、開時人検出処理について説明する
開時人検出処理の最初に、制御部110は、人検出センサ130を動作状態にする(ステップS211)。具体的には、制御部110は、バス101を介し、人検出センサ130を動作状態にするための所定の信号を省電力制御部150に供給する。制御部110からの所定の信号の供給を受信すると、省電力制御部150は、人検出センサ130への電力供給を開始し、人検出センサ130を動作状態に切り替える。
【0068】
次に、制御部110は、人検出センサ130から供給された信号を開時人検出情報として記録する(ステップS212)。具体的には、人検出センサ130が動作状態となり、制御部110に人検出信号を供給した場合、制御部110はRAM113の所定の領域に開時人検出情報として「人検出」を記録する。逆に、人検出センサ130が動作状態となって、制御部110に人非検出信号を供給した場合、制御部110はRAM113の所定の領域に開時人検出情報として「人非検出」を記録する。
【0069】
次に、制御部110は、人検出センサ130を非動作状態にする(ステップS213)。具体的には、制御部110は、バス101を介して人検出センサ130を非動作状態にするための所定の信号を省電力制御部150に供給する。制御部110からの所定の信号の供給を受けて、省電力制御部150は、人検出センサ130への電力供給を停止し、人検出センサ130を非動作状態に切り替える。
【0070】
ステップS213の終了を受けて、制御部110は開時人検出処理を終了し、
図8に示す入退室検出処理をステップS130から継続する。
【0071】
ステップS130において開閉検出センサ120から供給される信号が閉信号に変化すると(ステップS130:YES)、制御部110は、閉時人検出処理を開始する(ステップS220)。
【0072】
ここから、
図9(b)を参照し、閉時人検出処理について説明する。
閉時人検出処理の最初において、制御部110は、人検出センサ130を動作状態にする(ステップS221)。具体的には、制御部110は、バス101を介して人検出センサ130を動作状態にするための所定の信号を省電力制御部150に供給する。制御部110からの所定の信号の供給を受信すると、省電力制御部150は、人検出センサ130への電力供給を開始し、人検出センサ130を動作状態に切り替える。
【0073】
次に、制御部110は、人検出センサ130から供給された信号を閉時人検出情報として記録する(ステップS222)。具体的には、人検出センサ130が動作状態となり、制御部110に人検出信号を供給した場合、制御部110はRAM113の所定の領域に閉時人検出情報として「人検出」を記録する。逆に、人検出センサ130が動作状態となって、制御部110に人非検出信号を供給した場合、制御部110はRAM113の所定の領域に閉時人検出情報として「人非検出」を記録する。
【0074】
次に、制御部110は、人検出センサ130を非動作状態にする(ステップS223)。具体的には、制御部110は、人検出センサ130を非動作状態にするための所定の信号を省電力制御部150に供給する。制御部110からの所定の信号の供給を受けて、省電力制御部150は、人検出センサ130への電力供給を停止することにより、人検出センサ130を非動作状態に切り替える。
【0075】
ステップS223の終了を受けて、制御部110は閉時人検出処理を終了し、
図8に示す入退室検出処理をステップS150から再開する。ステップS150以降は、実施の形態1における入退室装置100によるものと同一である。
【0076】
ここまで説明したとおり、本実施の形態における入退室検出装置200は、扉の開閉があると人検出センサ130を動作状態にし、開時あるいは閉時人検出情報を記録した後で再び人検出センサ130を非動作状態にする。
これにより、実施の形態1と同様、二つのセンサ素子を組み合わせることで入退室を誤って検出することを防止しつつ、さらに扉の開閉がない間は人検出センサ130には電力供給をしないため、消費電力を低減できる。そのため、少ないセンサ素子によって高い精度で入退室を検出することを可能としつつ、さらに実施の形態1に比べて電力消費を低減することができる。
【0077】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本願発明はこれらに限定されない。
例えば、上記実施の形態においては、開閉検出センサ120は加速度センサ120aを備えるものであった。開閉検出センサ120は、扉20の開閉を検出できるならばその構成は任意であり、例えば、加速度センサ120aに代えて接触スイッチ、位置センサ、距離センサ等任意のものを使用できる。
【0078】
また、上記実施の形態においては、人検出センサ130は、焦電型赤外線センサ130aを備えるものであった。人検出センサ130は、人を検出できるならばその検出原理は任意であり、例えば、上述した圧電センサ(重量に反応するマット型のセンサ)や、動きを検出するドップラーセンサ等を用いることができる。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではなく、例えば各実施の形態を適宜組み合わせた態様、またそれらと均等な技術的範囲をも含む。
【0080】
さらに、本願発明の実施の形態にかかる入退室検出装置は、
図10に示すように、人検出部211と、開閉検出部212と、開時人検出情報記録部213と、閉時人検出情報記録部214と、入退室検出部215と、から構成されうる。
人検出部211は、焦電型赤外線センサ、重量センサ等任意の人間の存在を検出できるセンサを備え、扉の一面側の検出対象領域内の人を検出する。
開閉検出部212は、加速度センサ、位置センサ、接触センサ等を備え、扉が開いた状態か閉じた状態かを検出する。
開時人検出情報記録部213は、開閉検出部212が扉が閉じた状態から開いた状態に切り替わったことを検出したときに、人検出部211が、人を検出しているか否かを記録する。
閉時人検出情報記録部214は、開閉検出部212が扉が開いた状態から閉じた状態に切り替わったことを検出したときに、人検出部211が、人を検出しているか否かを記録する。
入退室検出部215は、開時人検出情報記録部213と閉時人検出情報記録部214とが記録した内容に基づいて、例えば、
図3に示したステップS150、S151、S160、S161と同等のロジックにより、入室・退室の有無を検出し、検出結果を出力する。
このような構成によっても、本発明の課題は達成され、また、本願発明の効果が奏される。
【0081】
なお、本発明に係る入退室検出装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いても実現可能である。例えば、コンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MOディスク(Magneto-Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶して配布し、これをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する入退室検出装置を構成しても良い。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを記憶しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0082】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0083】
(付記1)
扉の一面に面した領域内の人を検出する人検出センサと、
前記扉が開いた状態か閉じた状態かを検出する開閉検出センサと、
前記開閉検出センサが検出した扉の状態が閉じた状態から開いた状態に切り替わると、その時点において前記人検出センサが人を検出しているか否かを記録する開時人検出情報記録部と、
前記開閉検出センサが検出した扉の状態が開いた状態から閉じた状態に切り替わると、その時点において前記人検出センサが人を検出しているか否かを記録する閉時人検出情報記録部と、
前記開時人検出情報記録部と前記閉時人検出情報記録部とが記録した内容に基づいて、入室があったことおよび退室があったことを検出する入退室検出部と、を備える、
ことを特徴とする入退室検出装置。
【0084】
(付記2)
前記入退室検出部は、前記開時人検出情報記録部が前記人検出センサが人の存在を検出していたことを記録しており、かつ、前記閉時人検出情報記録部が前記人検出センサが人の存在を検出していなかったことを記録していた場合に入室があったことを検出し、前記開時人検出情報記録部が前記人検出センサが人の存在を検出していなかったことを記録しており、かつ、前記閉時人検出情報記録部が前記人検出センサが人の存在を検出していたことを記録していた場合に退室があったことを検出する、
ことを特徴とする付記1に記載の入退室検出装置。
【0085】
(付記3)
前記人検出センサへの電源供給を制御することにより前記人検出センサを動作状態と非動作状態とで切り替える省電力制御部を備え、
前記省電力制御部は、前記開閉検出センサが検出する扉の状態が閉じた状態から開いた状態に切り替わると、前記人検出センサを動作状態に切り替え、前記開時人検出情報記録部がその時点で前記人検出センサが人の存在を検出しているか否かを記録すると、前記人検出センサを非動作状態に切り替え、
前記省電力制御部は、前記開閉検出センサが検出する扉の状態が開いた状態から閉じた状態に切り替わると、前記人検出センサを動作状態に切り替え、前記閉時人検出情報記録部がその時点で前記人検出センサが人の存在を検出しているか否かを記録すると、前記人検出センサを非動作状態に切り替える、
ことを特徴とする付記1または2に記載の入退室検出装置。
【0086】
(付記4)
前記開閉検出センサは、前記扉の加速度を検出する加速度センサを備え、当該加速度センサが検出した前記扉の加速度から、前記扉が開いた状態にあるか閉じた状態にあるかを検出する、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか一つに記載の入退室検出装置。
【0087】
(付記5)
前記人検出センサは、人体が発した赤外線を受光することによって前記扉の一面に面した領域内に人が進入したこと、あるいは前記扉の一面に面した領域内から人が退出したことを検出する赤外線センサを備える、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか一つに記載の入退室検出装置。
【0088】
(付記6)
扉の一面に面した領域内の人を検出する人検出ステップと、
前記扉が開いた状態か閉じた状態かを検出する開閉検出ステップと、
前記開閉検出ステップで検出した扉の状態が閉じた状態から開いた状態に切り替わると、その時点において前記人検出ステップで人を検出しているか否かを記録する開時人検出情報記録ステップと、
前記開閉検出ステップで検出した扉の状態が開いた状態から閉じた状態に切り替わると、その時点において前記人検出ステップで人を検出しているか否かを記録する閉時人検出情報記録ステップと、
前記開時人検出情報記録ステップと前記閉時人検出情報記録ステップとで記録した内容に基づいて、入室があったことおよび退室があったことを検出する入退室検出ステップと、を備える、
ことを特徴とする入退室検出方法。
【0089】
(付記7)
コンピュータに、
扉の一面に面した領域内の人を検出する人検出機能、
前記扉が開いた状態か閉じた状態かを検出する開閉検出機能、
前記開閉検出機能が検出した扉の状態が閉じた状態から開いた状態に切り替わると、その時点において前記人検出機能が人を検出しているか否かを記録する開時人検出情報記録機能、
前記開閉検出機能が検出した扉の状態が開いた状態から閉じた状態に切り替わると、その時点において前記人検出機能が人を検出しているか否かを記録する閉時人検出情報記録機能、
前記開時人検出情報記録機能と前記閉時人検出情報記録機能とが記録した内容に基づいて、入室があったことおよび退室があったことを検出する入退室検出機能、
を実現させるためのプログラム。