(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態に係る板状部材のラベル貼付システムについて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るラベル貼付システムを示す上面図である。
図2は、本発明の実施形態に係るラベル貼付システムの送り出し装置における板状部材との関係を示す図である。
図2(a)は、板状部材としての段ボール箱シートの一例を示し、
図2(b)は、段ボール箱シートと吸着機構との関係を示している。
本発明の実施形態に係るラベル貼付システムは、一方面Wa及び他方面Wbを有した矩形状の板状部材WにラベルLを貼付するものである。本実施形態では、板状部材Wとして、段ボール箱の組み立て前の段ボール箱シートを取り扱うシステムを例に挙げて説明する。段ボール箱シートには、一般に、底部や蓋部を折り曲げ形成するための切り込みWmが形成されている。また、板状部材Wに貼付されるラベルLは、種々のものがあるが、本実施形態においては、例えば、近年、各所に用いられているRFID(Radio Frequency IDentification)タグを内蔵したラベルLが貼付される。なお、板状部材Wに貼付されるラベルLは、RFIDタグを内蔵したものに限らず、これを内蔵しない他の一般的なラベルであってもよい。
【0011】
実施形態に係る板状部材のラベル貼付システムの基本的構成は、
図1に示すように、送り出し装置SFと、受け入れ装置SRとからなる。送り出し装置SFは、複数の板状部材Wを起立させた状態で順次送り出す装置である。受け入れ装置SRは、送り出し装置SFから送り出された板状部材Wを起立させた状態で順次受け入れるとともに起立した状態で重畳するように列設させて保持する装置である。また、送り出し装置SF及び受け入れ装置SRには、それぞれに、ラベル貼付機構160及びラベル貼付機構260が設けられている。
【0012】
(送り出し装置SF)
送り出し装置SFには、各板状部材Wの一側端縁Wcを支持して起立させた状態で複数の板状部材Wがセットされる。これにより、送り出し装置SFは、各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させて保持する。そして、送り出し装置SFは、この板状部材Wを起立させた状態で水平一方向Haの最前位の板状部材Wからこの水平一方向Haに直交する水平直交一方向Vaに順次送り出す。
【0013】
詳しくは、送り出し装置SFは、複数の板状部材Wを当該各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させてこれらの一側端縁Wcを支持する送出ベース1を備えている。送出ベース1は、各板状部材Wの一側端縁Wcを支持する支持面2aを有した支持壁2を有している。この送出ベース1の水平一方向Ha前端部側には、最前位の板状部材Wの一方面Waが当接する当接部材3が設けられている。当接部材3は、水平直交一方向Vaに沿って延び、板状部材Wの一方面Waが当接する当接面を有した断面L字状の部材である。当接部材3は、間隔を隔てて上下に複数(例えば、3本)設けられ、それぞれ不図示の脚体に支持されている。
【0014】
また、送り出し装置SFは、送出ベース1に支持された最後位の板状部材Wを水平一方向Haに向けて押し込んで、最前位の板状部材Wを当接部材3に当接させる押し込み機構10を備えている。押し込み機構10は、水平直交一方向Vaに沿って延び、最後位の板状部材Wの他方面Wbが当接する断面L字状の押さえ部材11を備えている。押さえ部材11は、間隔を隔てて上下に複数(例えば、3本)設けられ、上下に延びる支柱12に支持されている。支柱12の下端は、長孔開口13に挿通されており、支持壁2の下側に設けられ水平一方向Haに沿って延びる不図示のレールに走行体15を介して移動可能に支持されている。長孔開口13は、支持壁2を貫通して形成され水平一方向Haに沿って延びて形成されている。
【0015】
走行体15は、後述の制御部の制御により走行制御され、水平一方向Haあるいは水平他方向Hbに移動させられる。走行体15は、水平一方向Haに移動するときは、最前位の板状部材Wを当接部材3に当接させる。また、走行体15は、水平他方向Hbに移動するときは、所定幅後退する。この走行体15の水平他方向Hbへの移動は、最前位の板状部材Wを当接部材3に当接させた後に行われ、走行体15は、当該最前位の板状部材Wより後位にある板状部材Wが所定幅分押さえ部材11側に後退移動できるようにする。
【0016】
さらに、送出ベース1上には、列設される板状部材Wの水平一方向Ha上流側の前端縁Wdが当接させられて位置決めされるとともに、水平一方向Ha及び水平他方向Hbへ板状部材Wが摺接可能なガイド部材16が設けられている。ガイド部材16は、間隔を隔てて上下に複数(例えば、2本)設けられ、上下に延びる2本の支柱17に固定されている。このガイド部材16により、当接部材3に当接する板状部材Wの前端縁Wdは、一定位置に位置させられる。
【0017】
また、送り出し装置SFは、当接部材3の当接位置より外側から進出して当接部材3に当接した最前位の板状部材Wの一方面Waを吸着する吸着盤21を有した吸着機構20を備えている。
図3は、本発明の実施形態に係るラベル貼付システムの送り出し装置において、吸着機構及び移動機構の構成を示す斜視図である。
【0018】
吸着盤21は、エアを吸引する樹脂製のパッド型のものであり、複数(実施形態では4つ)設けられている。吸着機構20は、吸着盤21が取り付けられる吸着盤取付部材22と、該吸着盤取付部材22を進退動させ進出時に吸着盤21による板状部材Wの一方面Waを吸着可能にするエアシリンダ装置23とを備えている。吸着盤21は、上記の下側2つの当接部材3の間に臨む位置に設けられている。
【0019】
さらに、送り出し装置SFは、吸着機構20を板状部材Wを吸着する吸着位置からこの吸着位置よりも水平一方向Haに直交する水平直交一方向Va側の受け入れ装置SRに移動させる移動機構30を備えている。移動機構30は、吸着機構20のエアシリンダ装置23を搭載した走行体31と、この走行体31を水平直交一方向Va及び水平直交他方向Vbに移動可能に支持するレール32と、走行体31を走行させる駆動電動モータ33を備えたボールねじ機構34とから構成されている。レール32は、送出ベース1の前端部に設置されている。ボールねじ機構34及びエアシリンダ装置23は、後述の制御部により制御される。送り出し装置SFは、ボールねじ機構34により、走行体31を水平直交一方向Vaに走行させて吸着機構20を水平直交一方向Va側の所定位置に移動させる。これにより、送り出し装置SFは、吸着機構20が吸着した板状部材Wを送り出し、後述のラベル貼付機構160に受け渡す。送り出し装置SFは、板状部材Wを受け渡すときは、吸着盤21の吸着を解除する。送り出し装置SFは、板状部材Wの受け渡し後は、吸着機構20のエアシリンダ装置23を水平一方向Haへ駆動し、ボールねじ機構34により、走行体31を水平直交他方向Vbに走行させて吸着機構20を吸着位置(
図1中に破線で示す位置)に復帰させる。
【0020】
さらに、送り出し装置SFは、ガイドローラ191,192を有している。このガイドローラ191,192により、板状部材Wは、安定して受け入れ装置SRへと受け渡される。なお、ガイドローラ191,192の一方に駆動力を与えて自己回転するようにしてもよい。
【0021】
また、
図2(b)に示すように、吸着機構20の吸着盤21の吸着位置は、移動機構30の移動方向に沿って可変になっている。板状部材Wとしての段ボール箱シートの大きさが異なると、切り込みWmの絶対位置が変わることから、吸着盤21がこの切り込みWmに対応する場合には吸着不能になる。しかし、本実施形態では、吸着盤21の吸着位置を変えることにより、この切り込みWmを避けて、吸着位置を設定することができるようにしている。具体的には、制御部に、送出に係る段ボール箱シートの大きさ及び切り込みWmの位置と、これに対応した適正な吸着位置との関係を予め定めて記憶させてある。事前に送出に係る段ボール箱シートの大きさ及び切り込みWmの位置を入力すると、制御部は、吸着盤21が対応する吸着位置に位置するように、ボールねじ機構34を作動させて、走行体31を移動させ、走行体31の始動位置を変える。
図2(b)においては、2種類の大きさの段ボール箱シートに対応させて、走行体31の始動位置を2位置に移動させた場合を示す。
【0022】
ラベル貼付機構160は、送り出し装置SFに設けられている。ラベル貼付機構160は、送り出し装置SFが板状部材Wを受け入れ装置SRへ搬送する過程において、板状部材Wの一方面Wa及び他方面Wbの少なくともいずれか(本実施形態では一方面Wa)にラベルLを貼付する。
このラベル貼付機構160は、板状部材Wの一方面Wa及び他方面Wbのいずれかの側に設けられており、本実施形態では、一方面Wa側に設けられている。なお、他方面WbにラベルLを貼付できるようにするには、例えば、
図1中のガイドローラ192の図中左隣の位置等に、ラベル貼付機構160を配置すればよい。この場合、ラベル貼付機構160を水平直交一方向Va及び水平直交他方向Vbへ移動する機構を省略し、板状部材Wを水平直交一方向Vaに送る途中で一時停止させ、ラベル貼付動作を行うとよい。なお、以下では、
図1に示した板状部材Wの一方面Wa側にラベル貼付機構160が配置されている場合について説明する。
【0023】
図4は、ラベル貼付機構を示す図である。
ラベル貼付機構160は、
図4に示すように、ユニット化されており、ユニット本体161と、ラベル吸着板162と、エアシリンダ装置163と、供給リール164と、印字ヘッド165と、プラテン部材166と、剥離部材167と、巻取リール168と、を備えている。
【0024】
ユニット本体161は、ラベル貼付機構160のベースとなる本体部材である。
【0025】
ラベル吸着板162は、ラベルLを吸着する部材である。ラベル吸着板162は、板状部材Wの一方面Waに対峙し帯状台紙Dから剥離されたラベルLを吸着する吸着位置X、及び、吸着位置Xから進出してラベルLを貼付する貼付位置Yの2位置に移動可能である。
【0026】
エアシリンダ装置163は、ユニット本体161に設けられラベル吸着板162を移動させる。
【0027】
供給リール164は、ラベルLを仮着した帯状台紙Dを供給する。
【0028】
印字ヘッド165は、ユニット本体161に設けられている。印字ヘッド165は、供給リール164から供給された帯状台紙Dに仮着されたラベルLに印字するサーマル型の印字ヘッドである。
【0029】
プラテン部材166は、ユニット本体161に設けられているローラ状の部材である。
【0030】
剥離部材167は、ユニット本体161の印字部の下流側に設けられている。剥離部材167は、帯状台紙Dを折り返してこの帯状台紙Dに仮着されたラベルLを剥離する。
【0031】
巻取リール168は、剥離部材167でラベルLが剥離された帯状台紙Dを巻き取る。
【0032】
なお、ラベル貼付機構160は、ラベルLのRFIDチップに対して、通信し、情報の書込み又は読出しを行なうリーダーライタ部(図示せず)を備えてもよい。
【0033】
さらに、ラベル貼付機構160は、上下動可能且つ水平直交一方向Vaに沿って移動可能に支持されている。具体的には、ラベル貼付機構160のユニット本体161は、上下スライダ170に取り付けられており、この上下スライダ170は垂直レール171に上下方向に移動可能に支持されている。さらに、垂直レール171は、後述の走行体172に支持されている。また、ラベル貼付機構160を移動位置決めする貼付機構移動位置決め駆動部180が備えられている。貼付機構移動位置決め駆動部180は、上下スライダ170を上下動させる駆動電動モータ181を有したボールねじ機構182と、走行体172を走行移動させる駆動電動モータ(不図示)を有したボールねじ機構184とを備えている。
【0034】
これにより、板状部材Wの大きさや、ラベルLの貼付位置が異なる場合に、容易に対応できるようになる。すなわち、ラベル貼付機構160のラベル吸着板162の貼付位置を移動位置決めする等、適宜に設定することができ、ラベル貼付の汎用性が向上させられる。
【0035】
(受け入れ装置SR)
次に、受け入れ装置SRについて説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るラベル貼付システムの受け入れ装置の作用を示す図である。
図5(a)は、部材移動位置決め機構が板状部材を移動させる状態を示す平面図であり、
図5(b)は、そのときの下端部ストッパの状態を示す図である。
受け入れ装置SRは、送り出し装置SFのラベル貼付機構160でラベルLが貼付されて搬送されて排出される板状部材Wを起立させた状態で順次受け入れる。また、受け入れ装置SRは、受け入れた複数の板状部材Wを当該各板状部材Wの一側端縁Wcを支持して起立させ且つ当該各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させて保持する。さらに、受け入れ装置SRは、ラベル貼付機構260も備えている。
【0036】
受け入れ装置SRは、受け入れステージ200と、受け入れベース201とを備えている。受け入れステージ200は、送り出し装置SFによって搬送されて排出された板状部材Wをその一側端縁Wcを支持して順次受け入れる。受け入れベース201は、受け入れステージ200の水平一方向Ha及び水平他方向Hbのいずれか一方(実施形態では水平他方向Hb)に連続して設けられ複数の板状部材Wを当該各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させてこれらの一側端縁Wcを支持する。受け入れステージ200の支持面200aと受け入れベース201の支持面201aとは面一に連続形成され、1つの支持壁202により形成されている。また、受け入れ装置SRは、送り出し装置SFのガイドローラ191,192と同様なガイドローラ291,292を有している。ガイドローラ291,292は、送り出し装置SFから送られてくる板状部材Wの受け入れを案内する。
【0037】
また、受け入れ装置SRは、受け入れベース201とは反対側に設けられ受け入れステージ200上の板状部材Wの対応する一方面Wa若しくは他方面Wb(実施形態では一方面Wa)を水平他方向Hbに向け押して当該板状部材Wを押し出す押し出し部材211を備えた押し出し機構210を備えている。この押し出し機構210の押し出し部材211は、板状部材Wの一方面Waが当接する板状に形成され、間隔を隔てて上下(
図5(a)では、紙面奥行き方向)に複数(例えば、3本)設けられている。3本の押し出し部材211は、それぞれ、この押し出し部材211を進退動させ進出時に水平他方向Hbに向け板状部材Wを押し出し、後退時に水平一方向Haに向け退出する互いに同期して作動するエアシリンダ装置212に取り付けられている。そして、各押し出し部材211のエアシリンダ装置212は、支持台213に固定され、支持台213は、一対の脚柱214に上下位置調整可能に固定支持されている。
【0038】
一方、受け入れベース201には、受け部材220が設けられている。受け部材220は、押し出し機構210の押し出し部材211によって押し出された最初の板状部材Wの該押し出し部材211とは反対側の対応する一方面Wa若しくは他方面Wb(本実施形態では他方面Wb)を受ける。また、受け部材220は、最初の板状部材Wに次の板状部材Wが順次重畳されるに伴って後退する。受け部材220は、水平直交一方向Vaに沿って延び、板状部材Wの他方面Wbが当接する断面L字状に形成され、上下に延びる支柱221に支持されている。支柱221の下端は、長孔開口222に挿通されており、支持壁202の下側に設けられ水平一方向Haに沿って延びるレール223に走行体224を介して移動可能に支持されている。長孔開口222は、受け入れベース201の支持壁202を貫通して形成され水平一方向Haに沿って延びている。
【0039】
走行体224は、後述の制御部の制御により走行制御され、水平一方向Haあるいは水平他方向Hbに移動させられる。水平一方向Haに移動するときは、最初の板状部材Wを受け、水平他方向Hbに移動するときは、最初の板状部材Wの次の板状部材Wが押し出されて受け入れベース201側に移動して来るごとに板状部材Wの厚さ分ずつ後退する。ガイド板225は、受け入れベース201に設けられ、板状部材Wの水平一方向Ha上流側の前端縁Wdが当接可能である。
【0040】
また、受け入れ装置SRは、受け入れステージ200上の板状部材Wを水平直交一方向Vaに沿って移動させて停止位置に位置決めする部材移動位置決め機構230を備えている。部材移動位置決め機構230は、受け入れステージ200に受け入れられた板状部材Wの水平直交他方向Vb側の後端縁Weに係止可能な係止部材231と、係止部材231を水平直交一方向Vaに沿って移動させる係止部材駆動部232とを備えて構成されている。部材移動位置決め機構230の係止部材231は、受け入れステージ200に受け入れられた板状部材Wの水平直交他方向Vb側の後端縁Weに係止するようにフック状に形成され、係止時に板状部材Wの後端縁Weに対峙するように進出できるようにエアシリンダ装置233に取り付けられている。また、係止部材駆動部232は、例えば、エアシリンダ装置233が取り付けられるエンドレスのタイミングベルト(図示せず)とこれを正逆両方向に駆動する電動モータ(図示せず)とから構成されている。このような構成により、係止部材駆動部232は、板状部材Wを係止部材231で係止して受け入れステージ200上をスライドさせて移動させるという簡易な機構で構築することができる。
【0041】
そして、後述の制御部により、予め、エアシリンダ装置233により係止部材231を後退させた状態で、エアシリンダ装置233を係止部材駆動部232により、係止部材231が板状部材Wの後端縁We位置より後流側に位置するように位置させておく(始点)。この状態で、板状部材Wが受け入れステージ200に受け入れられたならば、エアシリンダ装置233により係止部材231を進出させて板状部材Wの後端縁Weに対峙し、この状態で、係止部材駆動部232によりエアシリンダ装置233を水平直交一方向Vaに沿って所定距離移動させる。これにより、係止部材231が板状部材Wの後端縁Weに係止し、板状部材Wは係止部材231により水平直交一方向Vaに沿って移動させられ、停止位置(Ta又はTb)に位置決めさせられる。その後、係止部材駆動部232によりエアシリンダ装置233を、係止部材231が板状部材Wの後端縁We位置より後流側の位置(始点)に移動させ、エアシリンダ装置233で係止部材231を後退させ、元位置に復帰させる。
【0042】
また、部材移動位置決め機構230の駆動制御により、板状部材Wの停止位置(Ta、Tb)が可変になっている。すなわち、制御部の制御にしたがって、係止部材駆動部232がエアシリンダ装置233を水平直交一方向Vaに沿って所定距離移動させるが、係止部材駆動部232のエアシリンダ装置233を移動させる所定距離を調整可能にしている。
【0043】
さらに、受け入れ装置SRは、面ストッパ240を備えている。この面ストッパ240は、押し出し機構210の押し出し部材211による板状部材Wの非押し出し時に外側から進出(水平直交一方向Va側から水平直交他方向Vbに向けて進出)する。そして、面ストッパ240は、押し出し機構210の押し出し部材211によって押し出された最後の板状部材Wにおける押し出し部材211側の対応する一方面Wa若しくは他方面Wb(実施形態では一方面Wa)に対峙する。また、面ストッパ240は、押し出し機構210の押し出し部材211の押し出し時に後退(水平直交他方向Vb側から水平直交一方向Vaに向けて後退)して、押し出し機構210の押し出し部材211による板状部材Wの移動を許容する。この面ストッパ240は、受け入れベース201の後流側に設けられ、エアシリンダ装置241によって進退動させられる。エアシリンダ装置241は、受け入れベース201に立設したスタンド242に支持されている。
【0044】
さらにまた、受け入れ装置SRは、下端部ストッパ245を備えている。この下端部ストッパ245は、押し出し機構210の押し出し部材211による板状部材Wの非押し出し時に受け入れベース201の支持面201aから突出する。そして、下端部ストッパ245は、押し出し機構210の押し出し部材211によって押し出された最後の板状部材Wにおける押し出し部材211側の対応する一方面Wa若しくは他方面Wb(実施形態では一方面Wa)の下端部を押さえる。また、下端部ストッパ245は、押し出し機構210の押し出し部材211の押し出し時に受け入れベース201の支持面201a下に没入して、押し出し機構210の押し出し部材211による板状部材Wの移動を許容する。下端部ストッパ245は、水平直交一方向Vaに沿って所定間隔に複数設けられ、エアシリンダ装置246により支持壁202に設けた挿通孔247を通して進退動させられる。
【0045】
ラベル貼付機構260は、受け入れ装置SRにおいてさらにラベルを貼り付けする場合に用いられる。ラベル貼付機構260は、基本的には、送り出し装置SFのラベル貼付機構160と同様な形態をしている。
図4には、ラベル貼付機構260の構成に関する部分に、かっこを付けてラベル貼付機構160の符号にラベル貼付機構260の符号を併記している。
ラベル貼付機構260は、送り出し装置SFのラベル貼付機構160と同様に、ユニット本体261と、ラベル吸着板262と、エアシリンダ装置263と、供給リール264と、印字ヘッド265と、プラテン部材266と、剥離部材267と、巻取リール268と、を備えている。また、ラベル貼付機構260に関連して、貼付機構移動位置決め駆動部280が設けられている。貼付機構移動位置決め駆動部280は、上下スライダ270を上下動させる駆動電動モータ281を有したボールねじ機構282と、垂直レール271を支持した走行体272を走行移動させる駆動電動モータ(不図示)を有したボールねじ機構284とを備えている。
【0046】
(制御部)
本実施形態のラベル貼付システムは、図示外の制御部により制御が行われる。
送り出し装置SFにおいては、制御部は、吸着機構20の始動位置制御を行うとともに、押し込み機構10の走行体15、吸着機構20の吸着盤21及びエアシリンダ装置23、移動機構30のボールねじ機構34等を予め定められたプログラム等によって駆動制御する。
また、ラベル貼付機構160においては、制御部は、上下スライダ170のボールねじ機構182と、走行体172のボールねじ機構184、エアシリンダ装置163等を予め定められたプログラム等によって制御する。
【0047】
さらに、受け入れ装置SRにおいては、制御部は、部材移動位置決め機構230の係止部材駆動部232、エアシリンダ装置233、面ストッパ240のエアシリンダ装置241、下端部ストッパ245のエアシリンダ装置246、押し出し機構210の3つのエアシリンダ装置212、受け部材220の走行体224を予め定められたプログラム等によって駆動制御する。
さらにまた、ラベル貼付機構260においては、制御部は、上下スライダ270のボールねじ機構282と、走行体272のボールねじ機構284、エアシリンダ装置263等を予め定められたプログラム等によって制御する。
【0048】
次に、本実施形態のラベル貼付システムの動作について説明する。
(送り出し装置SFの動作)
送り出し装置SFにおいては、先ず、制御部により、吸着機構20の吸着盤21の吸着位置(移動機構30の走行体31の始動位置)を設定する。制御部に、ラベルL貼付に係る板状部材Wとしての段ボール箱シートの大きさと切り込みWmの位置を入力すると、制御部は、予め定めた対応関係に基づいて、ボールねじ機構34を作動させて、走行体31を移動させ、走行体31の始動位置を板状部材Wとしての段ボール箱シートに合わせて適正位置に移動させる。
【0049】
また、ラベルL貼付を行う板状部材Wを所要枚数送出ベース1に載置する。この場合、各板状部材Wの一方面Waが水平一方向Haを向いて重畳するように列設させてこれらの一側端縁Wcを送出ベース1の支持面2aに支持させるとともに、ガイド部材16に板状部材Wの水平一方向Ha上流側の前端縁Wdを当接させて位置決めする。
【0050】
この状態で、装置を駆動する。先ず、押し込み機構10の走行体15が駆動させられ、押さえ部材11が水平一方向Haに移動させられ、板状部材Wの集合を押し込んで最前位の板状部材Wを当接部材3に当接させる。
次に、吸着機構20のエアシリンダ装置23を駆動し前進させ吸着盤21が最前位の板状部材Wの一方面Waを吸着する。
それから、押し込み機構10の走行体15が駆動させられ、押さえ部材11が水平他方向Hbに移動させられ、所定幅後退し、最前位の板状部材Wより後位にある板状部材Wが所定幅分押さえ部材11側に後退移動できるようにする。
【0051】
そして、移動機構30のボールねじ機構34が駆動され、走行体31を水平直交一方向Vaに走行させて吸着機構20を水平直交一方向Va側の所定位置に移動させる。
【0052】
ここで、吸着機構20が吸着した板状部材Wが水平直交一方向Vaに移動するときに、ラベル貼付機構160により、ラベルLの貼付が行われる。
ラベル貼付機構160においては、予め、制御部は、貼付機構移動位置決め駆動部180のボールねじ機構182を駆動して、ラベル貼付機構160のユニット本体161を上下動させる。また、制御部は、貼付機構移動位置決め駆動部180のボールねじ機構184を駆動して、垂直レール171を支持した走行体172を水平直交一方向Va及び水平直交他方向Vbのいずれかの方向に移動させる。これらにより、制御部は、ラベル貼付に係る板状部材Wのラベル貼付位置に合わせて、ラベル貼付機構160のユニット本体161を移動位置決めしておく。
【0053】
この状態で、ラベル貼付機構160が作動する。すなわち、供給リール164から帯状台紙Dが供給され、印字ヘッド165においてラベルLに所要の印字が行なわれ、剥離部材167側に搬送される。搬送された帯状台紙Dが剥離部材167で折り返されると、帯状台紙Dに仮着したラベルLが剥離して、吸着位置Xに位置したラベル吸着板162にその表側から吸着される。その後、エアシリンダ装置163が駆動され、ラベル吸着板162は吸着位置Xから貼付位置Yに進出させられる。ラベル吸着板162が貼付位置Yに至ると、ラベルLが板状部材Wに貼付される。ラベル吸着板162がラベルLを貼付したならば、エアシリンダ装置163が駆動されラベル吸着板162が後退し、貼付位置Yから吸着位置Xに復帰する。このようにして、ラベルLが貼付される。
【0054】
ここで、ラベルLの貼付動作は、移動機構30のボールねじ機構34が駆動された状態で、この駆動に同期してボールねじ機構184を駆動させて行ってもよい。すなわち、板状部材Wを水平直交一方向Vaに搬送しながらラベルLの貼付動作を行ってもよい。その他、ボールねじ機構34の駆動及びボールねじ機構184の駆動を一時的に停止させて、板状部材Wを停止した状態でラベルLの貼付動作を行ってもよい。この選択は、制御部に対する設定により、適宜変更可能である。両者の駆動を同期させて貼付動作を行う場合には、板状部材Wの搬送動作を停止しないので、作業効率が向上する。また、両者を一時的に停止させて貼付動作を行う場合には、貼付位置精度を高めることができる。
【0055】
ラベルLの貼付を行いながら、又は、ラベルLの貼付が終了した後、吸着機構20が吸着した板状部材Wが送り出され、受け入れ装置SRに受け渡たされる。受け渡しの際には、吸着機構20の吸着盤21の吸着は解除される。
【0056】
板状部材Wを受け渡し後は、吸着機構20のエアシリンダ装置23が駆動されるとともに移動機構30のボールねじ機構34が駆動され、走行体31を水平直交他方向Vbに走行させて吸着機構20を元位置(始動位置)に復帰させる。また、このとき、押し込み機構10の走行体15が駆動させられ、押さえ部材11が水平一方向Haに移動させられ、板状部材Wの集合を押し込んで、次に最前位になった板状部材Wを当接部材3に当接させる。その後、上記と同様にして、板状部材Wの送り出しが行われる。この送り出し装置SFによる板状部材Wの送り出しにおいては、送出ベース1に板状部材Wを起立させた状態で保持し、最前位の板状部材Wを吸着機構20の吸着盤21で吸着して、移動機構30により吸着機構20を水平直交一方向Va側に移動させて板状部材Wを送り出す。したがって、板状部材Wは、起立した状態でスライドさせるようにして一枚一枚取り出され、送り出されることから、残りの集合から持ち上げて取り出さなくてもよくなり、それだけ、板状部材Wを円滑に送り出すことができるようになるとともに、送り出しのスペースが小さくなり、省スペース化が図られる。
【0057】
(受け入れ装置SRの動作)
受け入れ装置SRにおいては、予め、制御部により、部材移動位置決め機構230が、板状部材Wの停止位置(Ta、Tb)を、例えば、板状部材Wの所定枚数ごとに変えるように設定しておく。例えば、水平直交一方向Vaの第1停止位置(Ta)と、第1停止位置(Ta)よりも上流側の第2停止位置(Tb)との2位置に交互に変わるようにする。また、受け部材220が設けられた走行体224を水平一方向Haに駆動して、受け部材220を前進させておく。
【0058】
この状態で、受け入れ装置SRを作動させる。送り出し装置SFから板状部材Wが搬送されて排出され、起立したまま受け入れステージ200に至ると、部材移動位置決め機構230のエアシリンダ装置233が駆動され係止部材231を板状部材Wの水平直交他方向Vb側の後端縁Weに対峙させる。
次に、係止部材駆動部232を駆動し、エアシリンダ装置233を水平直交一方向Vaに沿って所定距離移動させる。これにより、係止部材231に板状部材Wの水平直交他方向Vb側の後端縁Weが係止し、板状部材Wは係止部材231により水平直交一方向Vaに沿って移動させられ、停止位置(第1停止位置(Ta)又は第2停止位置(Tb))に位置決めさせられる。
【0059】
ここで、板状部材Wが停止位置に位置決めさせられた状態で、ラベル貼付機構260が、ラベルLを板状部材Wに対して貼付を行う。ラベル貼付機構260の動作は、ラベル貼付機構160と同様なので、詳細な説明は、省略する。
【0060】
次に、係止部材駆動部232を駆動し、係止部材231を板状部材Wの後端縁Weの位置より後流側の位置(始点)に移動させ、エアシリンダ装置233で係止部材231を後退させ、元位置に復帰させる。そして、押し出し機構210の3つのエアシリンダ装置212が駆動され、3本の押し出し部材211を進出させ板状部材Wを受け入れベース201に押し出す。この場合には、エアシリンダ装置241が駆動され面ストッパ240は後退しており、エアシリンダ装置246が駆動され下端部ストッパ245が没入している。よって、板状部材Wは支持面200a、201aを摺接して受け入れベース201に移動させられる。これにより、板状部材Wは受け部材220に受け止められる。
【0061】
その後、エアシリンダ装置241が駆動され面ストッパ240が進出し、押し出し機構210の押し出し部材211によって押し出された板状部材Wにおける押し出し部材211側の対応する一方面Waに対峙する。また、エアシリンダ装置246が駆動され下端部ストッパ245を受け入れベース201の支持面201aから突出させて板状部材Wにおける押し出し部材211側の対応する下端部を押さえる。また、この面ストッパ240及び下端部ストッパ245の進出に伴って、押し出し機構210の3つのエアシリンダ装置212が駆動されて、3本の押し出し部材211を後退させ元位置に復帰させる。
【0062】
この状態においては、一度押し出し機構210の押し出し部材211によって受け入れベース201に押し出され、受け入れベース201上に保持された板状部材Wが、押し出し部材211側に倒れてこようとしても、面ストッパ240に当接するので、倒れる事態が防止される。そのため、受け入れステージ200において、次の板状部材Wの受け入れの際に、進路を妨害してしまう事態が防止され、確実に板状部材Wの受け入れを行うことができるようになる。また、一度押し出し機構210の押し出し部材211によって受け入れベース201に押し出され、受け入れベース201上に保持された板状部材Wが、その下端部を押し出し部材211側に滑らせて戻ってこようとしても、下端部ストッパ245に当接するので、滑って戻る事態が防止される。そのため、受け入れステージ200において、次の板状部材Wの受け入れの際に、進路を妨害してしまう事態が防止され、確実に板状部材Wの受け入れを行うことができるようになる。
【0063】
このようにして、順次板状部材Wが受け入れベース201に重畳されていく。重畳の際には、受け部材220が設けられた走行体224を水平他方向Hbに駆動して、次の板状部材Wが押し出されて受け入れベース201側に移動してくるごとに板状部材Wの厚さ分ずつ後退させる。この場合、板状部材Wは、起立したまま、受け入れステージ200に至り、ここで、押し出し機構210の押し出し部材211によって受け入れベース201に押し出され、起立したまま受け部材220に受けられる。そのため、別途、起立させるための機構を用いなくても、板状部材Wを重畳させてストックすることができ、それだけ、受け入れのスペースが小さくなり、省スペース化が図られる。
【0064】
また、押し出し部材211による板状部材Wの押し出しにおいては、部材移動位置決め機構230の係止部材231により、板状部材Wは停止位置に位置決めされる。したがって、受け入れ装置SRは、各板状部材Wの端縁を揃えて重畳させることができ、そのため整然と整列させた集合体にすることができるようになる。さらに、部材移動位置決め機構230の駆動制御により、板状部材Wの停止位置(Ta、Tb)を水平直交一方向Vaの第1停止位置(Ta)と、該第1停止位置(Ta)よりも上流側の第2停止位置(Tb)との2位置に交互に変わるようにした。これにより、受け入れベース201上の板状部材Wの集合は、所定枚数ごとに、面方向に交互にずれて重畳されることになる。そのため、板状部材Wは、所定枚数ごとにグループ分けされる。したがって、例えば、所定枚数ごとに取り出してバンド等で所定枚数ごとに結束して束ねる場合に、その作業を容易に行うことができる。
【0065】
なお、本実施形態のラベル貼付システムにおいて、各装置の駆動機構はエアシリンダ装置やボールネジ機構を主に用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、種々の手段を用いて構成してよい。
【0066】
また、本実施形態のラベル貼付システムにおいて、板状部材Wとして段ボール箱シートについて説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、木板、樹脂板、金属板等どのようなシート部材であってもよい。ただし、本実施形態のラベル貼付システムは、起立した状態を保持できる剛性のあるものに適する。また、本実施形態で、ラベル貼付機構160は、ラベルLを板状部材Wの一方面Waに貼付するよう構成したが、他方面Wbに貼付するように、ラベル貼付機構160を本実施形態の位置とは反対側に設けてもよい。また、板状部材Wの一側面及び他側面の両方に貼付するように構成することもできる。さらに、受け入れ装置SRにおいても、受け入れベース201を板状部材Wの一方面Wa側に設け、他方面Wb側から押し出し部材で押圧するように構成してもよい。
【0067】
また、本実施形態において、ラベル貼付機構160は、板状部材Wの搬送と共に移動しながらのラベルLの貼付が可能とした形態を説明した。これに限らず、例えば、ラベル貼付機構160自体が移動しないように構成してもよい。また、受け入れ装置SRのラベル貼付機構260についても板状部材Wの搬送と共に移動しながらのラベルLの貼付が可能としてもよい。